05/09/13 第20回社会保障審議会年金数理部会議事録 社会保障審議会 年金数理部会(第20回)議事録 日  時:平成17年9月13日(火)14:00〜16:00 場  所:厚生労働省 専用第22会議室 出席委員:堀部会長、都村部会長代理、近藤委員、田村委員、林委員      宮島委員、山崎委員 議  事     平成16年財政再計算結果等の聴取について        −地方公務員共済組合− ○首席年金数理官  もうすぐ定刻でございますけれども、すべておそろいですので、ただいまよ り第20回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。  審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。  座席図、議事次第のほか、資料は「平成16年財政再計算結果等について− 地方公務員共済組合−」でございます。  配布資料は以上でございます。  次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は、栗林委員、渡辺委員が御都合により御欠席とのことでございます。 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立 しておりますことを御報告申し上げます。  それでは、以降の進行につきましては、堀部会長にお願いいたします。 ○堀部会長  残暑が厳しい中、またお集まりいただきましてありがとうございます。  本日は、地方公務員共済組合の平成16年財政再計算結果等についての報告 を聴取いたします。そのため、総務省から佐々木課長に御出席いただいており ます。ありがとうございます。  それでは、早速地方公務員共済組合の平成16年財政再計算結果等について の報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  今回の財政検証のために総務省にお願いをして、昨年の「年金数理部会」で 決めた事項に従って、検証、分析に必要な資料やそのための説明資料を作成し ていただきました。お忙しいところ作業をしていただき、ありがとうございま した。  それでは、早速説明をお願いしたいと思います。どうぞ、上着をとっていた だいて結構です。 ○佐々木福利課長 失礼させていただきます。  総務省の福利課長の佐々木でございます。今日は、地方公務員共済組合の平 成16年再計算の概要につきまして、御報告をさせていただきます。よろしく お願い申し上げます。  まず平成16年の財政再計算でございますけれども、地方公務員等共済組合 法113 条及び政令28条の規定に基づきまして、昨年10月に地共済、地方公務 員連合会におきまして、総務大臣の定める方法によりまして、長期給付に要す る費用の財政再計算が行われたところでございます。  今回の財政再計算につきましては、昨年の制度改正を受けまして、厚生年金 と同様にマクロ経済スライド等の給付の見直しを反映いたしますとともに、財 政均衡の仕組みをこれまでの永久均衡方式から有限均衡方式に変更をしたと ころでございます。  特に今回の最大のポイントは、平成13年3月の閣議決定、公的年金制度の 一元化の推進についての考え方に基づきまして、地共済と国共済の財政単位の 一元化を前提に再計算を行ったということでございます。  具体的には、まず組合員数、報酬の見通し、年金受給者数と給付費の見通し につきまして、地共済分につきましては地方公務員共済連合会で、国共済分に つきましては国家公務員共済連合会でそれぞれ作成をいたしまして、両共済組 合連合会の共同作業によりまして推計を合算し、将来の所要保険料の算定をし まして、全体の収支見通しの作成をいたしております。したがいまして、今回 の再計算結果は、地方公務員共済、国家公務員共済を併せた財政収支見通しを 示させていただいていただいたところでございます。  今回の財政再計算結果を踏まえまして、地方公務員共済連合会、国家公務員 共済連合会のそれぞれの定款に反映されまして、平成16年度より毎年所要の 保険料の引き上げを行うこととしたところでございます。  それでは、大部でございますけれども、資料の説明に入らさせていただきま す。何分大変詳細な資料の説明となりますので、大変恐縮でございますが、こ こから先は数理官の方から報告をさせていただきたいと思いますので、よろし くお願い申し上げます。 ○山下数理官  数理官の山下でございます。大変恐縮ですが、座って説明させていただきた いと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、地方公務員共済組合の平成16年財政再計算の内容につきまして、 お手元の資料に沿って御説明をさせていただきます。  1ページをお開き願いたいと思います。  「1.財政再計算の基本方針」の「制度改正の概要」でございます。  3ページの別添資料1でございます。お開きをいただきたいと思います。  これは平成16年6月に改正いたしました地共済法等の改正内容でございま す。この法律改正に基づきまして、平成16年財政再計算を行ったところでご ざいます。  「1.地方公務員共済年金制度の見直し」につきましては、厚生年金制度の 改正内容を踏まえまして、制度改正を行っております。  具体的な制度改正の内容でございますが「給付と負担の見直し」を平成16 年10月から実施したところでございます。その内容についてでありますが、 3点ございます。  1つ目の大きな○でございますが、厚生年金に準拠して給付水準を定める方 式を維持し、給付水準について厚生年金と同様の調整を行うこととしたことで あります。いわゆるマクロ経済スライドを導入するということでございます。  2つ目の大きい○でございますが、おおむね100 年程度の財政均衡期間を設 定し、積立金を活用するとしたことであります。これはいわゆる有限均衡方式 を同じように採用したということでございます。  3つ目の大きい○でございますが、基礎年金拠出金の公費負担の割合を法律 の本則上2分の1と規定をしまして、平成21年度までに適用することといた しております。  次に「(2)在職中の年金支給制度等の見直し」を行っております。  1つは、在職中の退職共済年金等について、平成17年4月から一律2割支 給停止を廃止することであります。  2つ目の○でございますが、70歳以上の民間企業等に使用される者の退職共 済年金等について、60歳代後半の厚生年金保険の被保険者等と同様、賃金と年 金の合計額が一定の額以上の場合につきましては、平成19年度から年金額の 一部の支給停止を行うこととしております。  3つ目の○でございますが、65歳以降の退職共済年金につきまして、繰り下 げ支給制度を平成19年度から導入することとしております。  次の「(3)次世代育成支援の拡充」から1枚おめくりをいただきまして、 4ページの「(6)傷害年金の見直し」までにつきましては、厚生年金と同様 の改正を行ったところでございます。  次に「2.地共済年金と国共済年金の財政単位の一元化」でございます。  平成13年3月に閣議決定をされております公的年金制度の一元化の推進に ついてを踏まえまして、地共済と国共済の保険料率を一本にするとともに、両 制度の財政調整の仕組みを導入したところでございます。  5ページでございますが「地共済年金と国共済年金の財政単位の一元化」を 図で表したものでございます。  地共済と国共済の保険料率は、地方公務員共済組合連合会と国家公務員共済 組合連合会におきまして、総務大臣、財務大臣が定めます算定方法によりまし て、それぞれの連合会において財政再計算を行いまして、それを基に保険料率 を定款で定めることになっております。  今回の財政単位の一元化につきましては、平成13年の閣議決定を踏まえま して「公務員共済年金財政単位一元化研究会」を平成13年10月〜15年6月ま で5回開催をしておりまして、この中で国共済と地共済の長期給付に関わる財 政単位の一元化に関する考え方というものをまとめたところでございまして、 その考え方に基づきまして実施をされたところであります。  各連合会の間の黒塗りの部分を見ていただきますと「費用負担平準化のため の財政調整」と「年金給付に支障を来さないための財政調整」という記述がご ざいます。今回の財政単位の一元化のために導入をされました国共済、地共済 の財政調整の仕組みでございます。 まず第1段階としまして「費用負担平準 化のための財政調整」を行います。具体的には基礎年金部分を除きました指数 である独自給付費用率に着目しまして、財政調整を行うこととして、両共済組 合で独自給付費用に係る負担が同一になるように、独自給付費用率の低い共済 組合から高い共済組合に対しまして、財政調整拠出金を交付することとしてお ります。  更に、地共済と国共済において今後発生する年金給付に支障を来すことのな いように、単年度の収入と支出に着目をしまして、第2段階として年金給付に 支障を来さないための財政調整を行うこととしております。詳しくは、別途説 明をさせていただきます。  また、国共済との保険料率の一本化につきましては、そこに記述してありま すように、平成16年度から段階的に実施し、平成21年度に一本化することと したものであります。  大変恐縮でございますが、1ページに戻っていただきたいと思います。  「(2)経済前提の考え方」でございます。地共済年金制度につきましては、 公的年金制度の一環であり、全制度が共通の経済指標によりスライドを行う仕 組みになっております。過去の年金数理部会の報告におきましても、経済前提 については全制度共通とする必要があるとされております。こうしたことから、 これまでと同様に今回の厚生年金の財政再計算と同一の取扱いとしていると ころでございます。  次に「(3)被保険者数(組合員数)の前提について」でございます。  地共済の組合員数につきましては、近年定員適正化に向けた取組みなどが進 められておりまして、減少傾向が続いているところでございます。将来の組合 員数を見込むに当たりましては、将来における行政改革や市町村合併が進めら れていることなどに伴いまして、組合員数の削減などがどのように行われるの かが不明確でありました。そういった中で、極めて長期にわたって見込みを立 てなければならないということから、近年の組合員数の減少傾向にも十分配慮 しながら、特に将来推計人口との整合性に留意して見込むことが必要かつ合理 的な方法と考えたところでございます。  地共済の組合員数と生産年齢人口との過去の関係を見てみますと、資料の6 ページ、別添資料2でございます。お開きをいただきたいと思います。  一番下のグラフをごらんいただきたいと思います。これは組合員数の対生産 年齢人口に対します割合のグラフでございます。地共済年金制度の成立後の期 間においては、前半約二十年を見ますと増加傾向にございます。それとは逆に 昭和58年度以降の後半、約二十年におきましては減少傾向にあります。  このように生産年齢人口に対しまして、一定の関係が認められるということ でございまして、将来の組合員数を見込むに当たりましては、平成14年1月 の日本の将来推計人口の中位推計の将来の生産年齢人口を基礎として見込ん だところでございます。  7ページでございますが「地共済組合員数の見込み」といったものの資料で ございます。  地方公務員数の具体的な見込みでございますが、過去のデータによりますと、 一貫して増加または減少しているというわけではないことや、地方公務員は住 民に身近なところで直接サービスを提供しているということなどを考え合わ せますと、今後100 年間を見通した場合に、地共済の生産年齢人口に占める割 合が一貫して減少すると見込むことは非常に困難であるということもござい まして、基本的には地共済の生産年齢人口に占める割合は、一定であるという 仮定を置きつつも、実際に直近20年間は組合員数が減少傾向にあることや市 町村合併の進捗などによりまして、足下の見込みとしても更に減少することな どを勘案しまして、今後20年間は減少が続くものとして組合員数を見込んで おります。  具体的には、過去20年間、昭和59年〜平成15年度でございますが、この 20年間における地共済組合の対生産年齢人口の割合の対前年度減少率の平均 が0.5 %であったということから、減少率が今後20年間、2023年度まで続き、 その後は生産年齢人口と同様に推移することとしております。より厳しく見込 んだところでございます。  次のページでございますが、これは「男女別地共済組合員数の見込み」の資 料でございます。  一番下の「注」にございますように、最近地方公務員も女性の割合が多くな ってきているということもございまして、そういった傾向を反映しまして、男 女別の組合員数につきましては、直近3年間の男女別新規加入者の割合の実績 と同率で将来の男女別新規加入者が加入するものとして算定したものが、その 見込みでございます。  恐縮でございますが、2ページ前に戻っていただきまして「(4)財政方式 について」でございます。  地共済におきましては、厚生年金など他の公的年金と同様に、世代間扶養の 考え方を基本としまして、段階保険料方式に基づいて財政運営が行われており ます。  また、今回の財政再計算では、厚生年金に合わせまして制度改正を行ってお ります。これまでのいわゆる永久均衡方式の考え方を改めまして、再計算を行 う以降おおむね100 年間に相当する期間の終了時に長期給付、共済年金でござ いますが、この給付に支障が生じないようにするために必要な積立金を保有し ながら、当該期間にわたって財政の均衡を保つことができるようにする。いわ ゆる有限均衡方式の考え方に基づき行ったところでございます。  具体的には、厚生年金と同様でございまして、平成16年度以降、平成112 年 度までの間で財政の均衡を図っているところでございます。また、均衡期間の 終了年度における長期給付の支給に支障が生じないようにするための積立金 は、地共済と国共済を合わせた保険者としての規模が厚生年金に比べて小さい ということや、現に地共済と国共済を合わせた積立水準が厚生年金に比べまし て、相対的に高いことなどを勘案しまして、積立度合で1倍〜4倍の4通りに ついて保険料及び財政の見通しを作成したものでございます。  次に「(5)給付水準や保険料率設定の考え方」でございます。  まず「給付水準の考え方」でございますが、制度設計上、いわゆる2階部分 につきましては、厚生年金を準拠しまして、3階部分の職域部分につきまして は、2階部分の2割という従来からの考え方を踏襲しているところでございま す。  次に「保険料率設定の考え方」でありますが、今回の財政再計算により地共 済及び国共済の財政単位の一元化を前提としております。具体的には、平成15 年6月に示されました「公務員共済年金財政単位一元化研究会」の国共済と地 共済の長期給付に係る財政単位の一元化に関する考え方というのがございま して、この考え方に基づきまして、両制度の保険料率につきましては、平成16 年度から段階的に一本化の実施をし、平成21年に同一の保険料とすることと しております。  なお、この保険料率の毎年の引き上げ幅につきましては、厚生年金の引き上 げ幅も考慮に入れまして、0.354 %としているところでございます。また、国 共済の引き上げ幅は21年に地共済と同率となるように、0.129 %としている ところでございます。  次に「(6)その他、再計算に当たって前提とした考え方(特記すべき事項)」 でございます。  やはり、特記すべき事項といたしましては、地共済、国共済の財政単位の一 元化でございます。  恐縮でございますが、9ページをお開きいただきまして「別添資料3」でご ざいます。 これは、先ほどから閣議決定を踏まえてということで、何回もお 話させていただきました。これは13年3月に閣議決定されました「公的年金 制度の一元化の推進について」でございます。  1の(2)の下線を引いたところでございますが「国家公務員共済組合及び 地方公務員共済組合については、ともに公務員という職域に適用される年金制 度であることから、両制度の財政単位の一元化を図る。このため、速やかに具 体的な枠組みについて検討を進め、次期財政再計算はこの財政単位の一元化を 前提として実施する」というふうにされておりまして、この閣議決定に基づき まして、今回地共済と国共済の財政単位の一元化を行ったところでございます。  10ページは「財政再計算に用いた基礎数・基礎率とその作成方法」でござい ます。  「将来推計人口」につきましては、先ほど組合員数の前提でも説明をさせて いただきましたように、将来推計人口による将来の生産年齢人口で見込んだと ころでございます。  次に「(1)基礎数」の種類でございます。まず「現在組合員」でございますが、 これは男女別、年齢別、組合期間別の組合員数、組合員の平均組合期間、組合 員の給料月額、組合員の給料累計額の再評価前と評価後ということでございま す。  「年金受給権者」につきましては、これも男女別、年齢別、年金の種別の受 給者数、年金額でございます。  「年金待機者」でございますが、男女別、年齢別、年金の種類別の待機者数、 年金額を用いております。  次の「(2)基礎率」にございますように、男女別、年齢別などの加入年齢分布 率、総脱退率、公務及び公務外の在職死力、障害発生率並びに給料指数、期末 手当の割合、退職年金、障害年金及び遺族年金の失権率、有遺族率、配偶者と の年齢差といったものを用いております。  11ページでございます。「基礎数・基礎率に関して特記すべき事項」でござ います。  上の●の基礎数及び基礎率の考えにつきましては、あとの資料により説明を させていただきます。  下の●でございますが「その他再計算に当たって前提とした考え方」という ことでございますが、基礎年金拠出金単価と交付金及び年金保険者拠出金につ きましては、厚生労働省が作成したものとしております。  1枚おめくりいただきまして(3)(1)でございます。「基礎数の元となる統 計の概要と算定方法等」でございます。  先ほど説明をいたしましたが、種類は現在組合員、年金受給権者及び年金待 機者でございまして、元となる統計は、いずれも平成12年度〜14年度の組合 員等現況調査という統計数値を使用してございます。  現在組合員のうち、現在者につきましては、年度末における組合員の20分 の1の無作為抽出でございます。  新規加入者及び脱退者につきましては、年度内における組合員資格を取得又 は喪失しました者のうちの2分の1の無作為抽出としております。  「イ.作成方法」でございますが、いずれも実績の人数等に母集団復活をさ せております。  年金受給者でございますが、年度末の年金受給権者及び年度内における失権 処理を行った年金受給権者について、全数調査を行っているところでございま す。  年金待機者ですが、これも年度末における年金待機者につきまして、全数調 査を行っております。  13ページが、これは「基礎数を基に作成した資料」の「被保険者の性別・年 齢階級別の加入期間別人数、平均被保険者期間、平均標準報酬額」の額を男女 別にした資料でございます。  1枚おめくりいただきまして14ページでございますが、これは「各年金種 別の受給権者の年齢階級別の人数、平均年金額」の資料でございます。  15ページ〜19ページまでは、非常に細かくて見づらい資料で大変恐縮です が、これは「基礎数の具体的な数値」の資料でございまして、男女別の「被保 険者」「待機者」「受給権者」の数値を掲載しております。説明につきまして は、省略をさせていただきます。 20ページ〜22ページまででございますが、 基礎率の元となります統計の概要と算定方法等の資料でございます。これも見 えにくい資料で恐縮でございます。  まず「加入年齢分布率」でございます。「ア.元となる統計」の新規加入者 でございますが、組合員等現況調査の12年度〜14年度の3年間の状況により 算定をしてございます。 「ウ.設定方法」でございますが、男女別に新規加 入者の加入時年齢別の分布率を求めまして、それを補正をしております。  「オ.推計における使用方法」につきましては、各年度の新規加入者数に、 この率を乗じることで、各年齢の新規加入者数を算出しております。  次に「総脱退率」でございます。現在者及び脱退者につきましては、加入年 齢分布率と同様に、組合員等現況調査の直近3年間の状況により算定をしたと ころでございます。  「ウ.設定方法」でございますが、男女別に年齢別の脱退率を求めまして、 その補正をしております。  「オ.使用方法」でございますが、各年度の組合員数にこの率を乗じること で、各年度の各年齢の脱退者数を算出しております。  次に「公務等在職死力」でございます。現在者は、先ほど説明したものと同 様でございます。公務等遺族共済年金新規発生者数は、直近3年間の実績値を 使用しております。  「イ.基礎率設定の際に使用した他のデータ」ですが、これは前回の公務等 在職死力結果を使用しております。  「ウ.設定方法」でございますが、直近3年間における地共済の公務等遺族 共済年金の新規発生者の実績等を基礎として求めております。  なお、年齢に関わらず一定としておりまして「オ.推計における使用方法」 は、上のものと同様の方法により算出しております。  次の「公務外在職死力」と「公務等障害発生力」につきましては、省略させ ていただきます。  次のページでございますが「公務外障害発生力」も省略させていただきまし て「給料指数」でございます。  これも元となります統計は、現在者を使用しております。ただし、ここでの 使用年度は直近の平成14年度のみを使用してございます。  「設定方法」につきましては、男女別に年齢別の平均給料を求めまして、そ れを補正し、指数化しております。  使用方法ですが、各年度、各年齢別の組合員の給料に、この率を各年齢に乗 じまして、それぞれの給料の額を推計しております。  次に「期末手当等の割合」でございますが、平成15年6月における組合員 の期末手当等の額及び給料の額のデータを使用しており、男女別に年齢別の割 合を求めまして、それを補正をしております。  使用方法につきましては、各年度、各年齢別の組合員の期末手当等の額にこ の率を乗じまして、上の給料額と合算することで、総報酬額を推計しておりま す。  なお、前回からの変更点としまして、総報酬制の導入に伴いまして、この期 末手当等の割合を、新たに基礎率に追加してございます。  次の「退職年金失権率」〜「遺族年金失権率」でございますが、元となる統 計の年金受給者につきましては、その内容、抽出方法などは既に説明したもの と同様でございます。  各年金の失権者は、平成12年度〜14年度の実績でございます。  また「イ.基礎率設定の際に使用した他のデータ」でございますが、第19 回生命表、平成14年1月推計の日本の将来推計人口を使用してございます。  「ウ.設定方法」でございますが、いずれの年金失権率においても、男女別 に年齢別の失権率を求めまして、その補正をしております。なお、データ数の 少ない年齢層などにつきましては、生命表の死亡率を基礎といたしまして補正 を行っております。  また、オについてでございますが、障害年金失権率以外につきましては、上 記設定により作成をいたしました失権率と生命表の死亡率の比率を男女別、各 年齢ごとに算出いたしまして、この比率を日本の将来推計人口の死亡率の改善 に伴い、2050年度まで失権率の改善を行ったところでございます。なお、2050 年度以降は一定としているところでございます。  「有遺族率」と「配偶者との年齢差」につきましては、時間の都合上これは 省略させていただきます。  23ページ〜27ページにつきましては、男女別の主な基礎率をグラフで表し たものでございます。  24ページの下の方の「給料指数」でございますが、23歳ごろ〜34歳にかけ まして、若干ここだけ女性が高くなってございますが、これは女性の職種のう ち、比較的に給料が高い教員の占める割合がこの年代では高いということもあ りまして、その影響によるものというふうなことでございます。  次の「期末手当等の割合」でございますが、これも上の方でございますが、 26歳ごろから女性が下がっておりますが、これは育児休業の影響でボーナスが 支給されないということで、そこの差が出ておるようでございます。  飛びまして、27ページの下の方の「加入年齢分布率」でございますが、これ も大体男女同じような傾向でございますが、最初の22、23歳ごろを見ますと、 女性がやはりその期間一定して多くございまして、男性の方が若干採用の幅が 大きくなっているのかなという傾向だというふうに思います。  1枚おめくりいただきまして28ページでございますが、これは基礎率の具 体的な数値の資料でございまして、各種基礎率を男女別に記載したものでござ います。恐縮でございますが、これも資料が非常に膨大でございますので、一 部を抜粋いたしまして提出させていただいております。36ページまで説明を省 略させていただきます。  37ページの「将来見通しの推計方法に関する資料」でございます。  (1)は「将来推計の全体構造」でございます。地共済の財政再計算の計算 作業は、地共済組合連合会で行っておりまして、これは毎年行っております組 合員等現況調査に基づきまして、基礎数及び基礎率を作成しまして、総務大臣 が定めます算定方法に基づいて、総報酬額、年金給付額等の推計を行っており ます。  この推計データを国共済組合連合会と交換をしまして、地共済と国共済の推 計データを合算して、総務大臣が定める算定方法により、一元化された保険料 率や財政見通しの作成をしております。  その後、運営審議会の議を経て、掛金率等について定款変更を行っておると いうものでございます。  1枚おめくりいただきまして、38ページの(2)でございます。  これは「年次別推計の算定式レベルでの計算過程」でございまして、単年度、 新年度末〜今年度末の1年間の中で、グループ別のものがどういうふうに移動 するかというものを表した図でございます。内容については、省略させていた だきます。  39ページでございますが、これは非常に細かいことですので、35ページ〜 55ページまで省略をいたしまして、56ページをあけていただきたいと思いま す。  「(3)推計方法に関して特記すべき事項」についてでございます。地共済 におきましては、番号が飛んでおりますが、1、3、5、6、7のものについ て説明をするということになっておりますので、まず「2有限均衡方式への対 応」ということでございます。  共済年金の毎年の引上幅については、厚生年金の引上幅と同様、毎年0.354 % 引き上げることとしております。ただし、既に説明をいたしておりますように、 地共済と国共済の財政単位の一元化が行われておりますので、平成21年度ま で段階的に保険料率を引き上げまして、同率の保険料率にすることとしており ますので、これは先ほど申し上げましたように、それまでは地共済の0.354 % と国共の0.19%といった率で引き上げることとしております。  なお、それぞれの年度におきまして、それ以降の保険料率を平準といたしま して、かつ2100年度におきまして、指定された積立度合になるような理論的 な平準保険料率を算定しております。今回の財政再計算では、1倍〜4倍まで の4通りの積立度合を設けておりますので、それぞれのパターンについて同様 の算定を行っているところでございます。  標準保険料率でございますが、毎年の引上幅は0.354 %を上回る場合につき ましては、その年度の引上幅を0.354 %としまして、以降理論上の平準保険料 率に引き上げるための引き上げ幅が0.354 %を下回るまで繰り返し行い、最終 保険料率を算定することとしております。  続いて「3再評価率と年金額の改定方法が変わることへの対応」でございま すが、給与改定率や物価上昇率、可処分所得割合変化率並びにスライド調整率 等を基にしまして、年齢別に毎年の再評価率を算定しまして、年金改定を行っ ているところでございます。  次に5でございます。「国共済・地共済の財政調整の仕組み導入への対応」 というところでございますが、これは先ほども説明をさせていただきましたが、 地共済、国共済の財政単位の一元化に伴いまして、新たに導入された制度でご ざいます。  2段階ございまして、まず第1段階の財政調整といたしまして「費用負担の 平準化のための財政調整」で、これを財政調整Aと呼んでおります。第2段階 の財政調整として「年金給付に支障を来さないための財政調整」で、これを財 政調整Bと呼んでおり、この2つの方法でございます。  まず「費用負担の平準化のための財政調整」ということですけれども、地共 済と国共済の独自給付費用を総報酬額で除した独自給付費用の利用率に着目 しまして、独自給付費用率の率が毎年毎年同じになるように、率の低い方から 高い共済へ一定額の拠出を行うということでございます。その差を調整するこ とによりまして、負担水準の調整を図っていくというようなことにしたもので ございます。  具体的には下に四角く囲んでおりますが、この場合はイの「共済の独自給付 費用の率」がアの「共済の独自給付費用の率」より高くなっておりますので、 アの共済からイの共済へ財政調整Aを拠出し、負担水準調整を行うということ になります。その拠出金額につきましては、そこの算式で求められますαとな るわけでございます。  次に第2段階の財政調整の「年金給付に支障を来さないための財政調整」を 設けております。この財政調整につきましては、当該年度の収支でございます が、この収支が黒字の制度から赤字の制度の額を埋めるために拠出するという ものでございます。  ただし、黒字の共済が当該財政調整拠出金の拠出をすることによって、赤字 となることのないように黒字の共済の収入から支出を除いた金額を限度とし て設定をされております。ここにおける赤字には、財政調整拠出金を拠出した ことにより、赤字となったり、赤字が増えたりする分は、赤字とみなさないと いうことにしております。  黒字共済の収入につきましては、先ほど申し上げました費用負担の平準化の ための財政調整拠出金、財政調整Aの受入額を除くこととされております。一 方、支出におきましては、財政調整Aの拠出額を含めることとしております。  このように異なる対応となっておるのは、財政調整Aの額を算出することに よって、赤字になったり、赤字が増えたりする部分を財政調整Bの算定から除 くことによって、財政調整Aの拠出と財政調整Bの受け入れを打ち消しさせな いための措置というものがとられたところでございます。  57ページの6でございます。これは「基礎年金国庫負担割合(2分の1)引 上げへの対応」でございますが、国庫負担割合を厚生年金と同様に平成16年 度に従来の3分の1に加えまして21億円、平成17年度から平成20年度にか けては3分の1+1,000 分の11、平成21年度以降については、2分の1にな るようにしております。厚生年金と同じような対応をしております。  続きまして「7その他、特記すべき事項」につきましては、今回の改正によ りまして、マクロ経済スライドが導入されておりますが、そのスライド調整率 には、公的年金被保険者の減少率のほかに、平均余命の伸びについても要素と されたために、地共済年金においても今回の財政再計算から平均余命の伸びに 合わせまして、失権率の改善を行ったところでございます。  58ページの「将来見通しの推計結果に関する資料」でございます。資料は国 共済と地共済を併せたものと、地共済のみの資料を付けております。  「(1)組合員数、被扶養配偶者数(3号)、報酬総額の見通し」について でございます。組合員数につきましては、既に御説明をしておりますとおり、 将来推計人口における生産年齢人口を基礎として減少を見込んでおりまして、 一元化後の組合員数は、2005年度で417 万人であったものが、2100年度には 147 万人まで減少すると非常に厳しく見込んでおるところでございます。  次のページでございますが、これは地共済単独で見た場合でございます。組 合員数は309 万人が、2100年度には116 万人になると見込んでいるところで ございます。  60ページでございます。年金の種別、受給者数の見通しにつきましての資料 でございます。  一元化後の年金受給者数でございますが、2005年度の326 万人から上昇を 続けまして、2039年度ごろにピークを迎え、その後は減少しておるところでご ざいます。  また、61ページの地共済単独で見た場合ですが、年金受給者数は2005年度 の226 万人から上昇を続け、2038年度にピークを迎えております。  62ページは「年金種別別年金額の見通し」でございます。  一元化後の年金額でございますが、2005年度の6.1 兆円から、2100年度は 14.8兆円に増加すると見込んでおるところでございます。  次のページでございますが、地共済単独で見た場合でございます。年金額は 2005年度の4.4 兆円から、2100年度には11兆3,000 億円に増加すると見込 んでおります。  64ページ〜67ページでございますが、国共済と地共済の財政単位一元化後 の財政見通しを積立度合1〜4まで、それぞれについて作成した資料でござい ます。  収支見通しにつきましては、公務上の見込みを含めて掲示をしておりますが、 保険料率には公務上は除かれておるということでございまして、これは国共の ときにも説明がございましたように、同様の仕組みとなっておるところでござ います。  それでは、一元化後の積立度合1について見てみますと、最終保険料率は 2020年度に18.8%となっておりますが、左上の方でちょっと細かい数字なん ですが、スライド調整の終了期間は2023年となっております。  次のページの積立度合2の場合でございます。最終保険料率は2020年度に 19.0%になっております。  1枚めくっていただき、積立度合3でございます。2021年度に19.0%とな っております。  次が積立度合4の場合でございまして、2021年度に19.2%となっておりま す。  68ページ〜71ページまでが、地共済単独の財政見通しの資料でございます。 こちらも積立度合を1〜4までの4通りを作成しております。  資料の「その他収入」には、先ほど説明しました財政調整AとBが含まれて おりますが、先に説明をしました地共、国共を併せた一元化後の財政見通しに は、財政調整分は含まれておりません。一元化することで相殺されるというこ とでございます。  地共済、国共済それぞれの財政見通しにつきましては、見ておわかりのよう に2050年までの資料となっております。これには理由がございまして、今回 の制度改正につきましては、厚生年金と同様有限均衡方式を採用しておりまし て、約百年かけて一定水準まで積立金の取り崩しを行うという仕組みとなった わけでございますが、将来的に見た場合、いずれ地共済、国共済の両制度にお きましても、赤字になることが考えられるわけでございますが、この場合に、 赤字同士の制度間における財政調整が必要となってくることが考えられます。  しかし、そのような事態になるというのは50年以上先のことと予測をして おりまして、当面の財政運営に支障を来さないと見込まれているところでござ います。こういったこともありまして、今回の財政再計算における地共済及び 国共済それぞれの財政見通しについては、当面2050年まで示すこととしたも のです。  地共、国共併せたものにつきましては、2100年までは一元化ということもご ざいまして、お示しをさせていただいてございますが、地共、国共単独のもの については、2050年までということにさせていただいてございます。  資料の72ページ〜75ページでございます。これは「区分別給付費の見通し」 でございます。  資料中に空欄のところがございますが、大変申し訳ございませんが、地共済 連合会のシステムにおきましては、年金種別別の数値の作成に対応できなかっ たということで、合計はございますが、完全な形の資料の提出ができておりま せん。システム変更を行う必要がございますので、少し時間をいただきまして、 次回の再計算には提出させていただきたいと思いますので、何とぞ御理解をい ただきたいというふうにお願いいたします。  少し飛んでいただきまして、76ページをお開きいただきたいと思います。こ れは「給付水準の見通し」の資料でございます。  これは厚生年金の見通しを使用しまして推計をしておりますので、地共済単 独の数字のみ作成しております。いわゆる厚生年金のモデル過程における基礎 年金を含む、夫婦二人の年金月額及び所得代替率でございます。2004年度には 年金月額が29万4,000 円、所得代替率は56%となっておりますが、マクロ経 済スライドによるスライド調整が終了します2023年度には年金月額は35万 3,000 円、所得代替率が47.5%になると見込んでおるところでございます。  次のページでございますが、これは「5.安定性の検証に関する資料」の各 種財政指標の見通しとなるものでございます。  左の表が積立度合1でございまして、右側が積立度合2〜4までとなってお ります。左の積立度合1の場合について見ていきますと「年金扶養比率」につ きましては、2005年度以降減少しますが、2075年度ごろを境にその後は増加 に転じております。  「総合費用率」と「独自給付費用率」につきましては、2005年度以降増加を しまして、2070年度ごろをピークに減少をしております。  「収支比率」につきましては、2005年度の99.7%から2026年度まで減少し ておりますが、その後増加をして2053年度に100 %になって、その後も上昇 していくというものでございます。  「積立比率」につきましては、2005年度の9.6 から徐々に減少しまして、 積立度合を1.0 に設定しているため、1.0 に近い1.4 まで減少しております。  次のページは、地共済単独の積立度合を変更した場合の資料を付けてござい ます。地共済単独の資料でございます。  少し飛ばさせていたただきまして、81ページをお開きいただきたいと思いま す。  81ページからは、各指数の基礎数値となっております。一元化後の積み立て 度合1と地共済単独の積立度合1の場合の資料でございまして、時間の都合も ございますので省略させていただきまして、91ページをお開きいただきたいと 思います。  91ページは「基礎年金拠出金に相当する保険料率の見通し」でございまして、 国共済と地共済を併せた資料でございます。  次のページが地共済だけの保険料率の見通しでございます。  93ページでございますが「財政見通しにおける積立金の取り崩し分及び運用 収入分の料金換算の見通し」になっております。  左の積立度合1の資料でございますが、積立金の取り崩しが2054年度から 始まりまして、2100年度には料率換算で4%近くまで上昇しております。  また、運用収入分につきましては、2040年ごろには約6%近くまで上昇しま すが、その後積立金の取り崩しに伴いまして、減少しております。  右側は、積立度合2〜4でございます。  94ページでございますが、これが地共済単独の資料でございます。地共済単 独の場合につきましては、運用収入分につきましては、地共済の積立金額が地 共、国共一元化のものよりも数字的に1%程度大きくなっております。  95ページでございます。これは、一元化をされた後の共済年金の財源と給付 の内訳でございまして、運用利回りで平成16年度の価格に換算をしまして、 一時金で表示したものでございます。  まず「財源」の面から見ますと、保険料で215 兆5,000 億円、積立金から 45兆4,000 億円、国庫負担等から40兆7,000 億円の合計301 兆5,000 億円 となっております。  これを「給付」の面から見ますと、過去期間分に係る分が161 兆9,000 億 円、将来期間に係る分が139 兆7,000 億円となっております。また、過去期 間に係る分のうち、いわゆる2階、3階部分が123 兆1,000 億円で、基礎年 金部分が38兆8,000 億円。将来期間に係る分のうち、いわゆる2階、3階部 分が95兆7,000 億円、基礎年金部分が44兆円となっております。  なお、この場合は注にもございますように、積立度合1のケースを使ってお りますが、積立度合が増えますと保険料で賄う部分が増加しますので、積立金 から得られる財源が減少することになっております。  96ページでございます。これは「前提等を変更した場合の試算に関する資料」 ということです。  財政再計算における各種の前提を変更した場合の推計でございまして、変更 する前提につきましては、下の四角の中に示されておるところでございまして、 1〜4までございます。  「加入者数の見通しを変更した場合」ということで、少子化が改善された場 合とか、少子化が進行した場合といった前提を置いた資料を次のページ以降に 付けさせてもらってございます。  1でございますが、これは地共済単独の所得代替率の見通しでありますが、 スライド調整終了後の時点で、最も所得代替率が高いのは、死亡率の改善を見 込まない場合の51.6%でありまして、以下少子化改善ケース48.8%、経済好 転ケースが48.2%、基礎年金のみ低位推計とした場合には47.5%、経済が悪 化するケースでございますと46.4%、最も低いのは少子化が進行した場合の 43.9%と見込んでおります。  次のページの2は「保険料率の見通し」になります。これは一元化後の積立 度合1についての見通しでございます。  経済悪化ケースの18.7%から基礎年金低位推計と経済好転ケースの19.0ま での若干の幅はございますが、ほぼ同様の保険料率になっております。これは マクロ経済スライドによる給付の抑制が働いているためと考えられるところ でございます。  次のページの「3組合員数の見通し」でございます。  少子化改善ケースと少子化進行ケースの場合の組合員数の推移が変化して おります。2100年度における組合員数の再計算結果が147 万人なのに対しま して、少子化改善の場合は170 万人、少子化進行の場合は101 万人と見込ま れております。  次のページの地共済単独の場合でございますが、再計算結果が116 万人に対 し、少子化改善の場合は135 万人、少子化が進行した場合につきましては80 万人と減少しております。  100 ページでございますが、一元化後の「受給者数の見通し」の資料でござ います。  少子化改善ケース、少子化進行ケース、死亡率の改善を見込まないケースの 受給者数が変化しております。2100年度における受給者数は、再計算結果が 267 万に対しまして、少子化改善の場合は283 万人、少子化進行の場合は228 万人、死亡率の改善がない場合には239 万人となっております。  次のページは、地共済単独の資料でございます。再計算結果が188 万人に対 しまして、少子化改善の場合は200 万人、少子化進行の場合は159 万人、死 亡率改善を見込まない場合には169 万人となっております。  102 ページでございますが、これは財政見通しの資料でございます。少子化 改善ケースの場合、最終保険料率は18.8%、スライド調整期間の終了が2020 年度であります。  次が地共済単独の資料でございます。  104 ページでございますが、少子化進行ケースで最終保険料率は18.8%、ス ライド調整期間終了が2031年度であります。  1枚めくっていただきまして、これは地共済単独のケースでございます。  106 ページは「基礎年金拠出金単価のみを低位推計に基づくものに変更した 場合」のケースでございまして、最終の保険料率は19.0%、スライド調整期間 の終了は2023年度となっております。  あと、飛んでいただきまして115 ページでございます。  「条件の組み合わせを変えた場合」の地共済と国共済を併せた保険料率の見 通しということでございまして、最終保険料率は改正前の場合の2047年度に は28.3%、改正前の制度のうち、国庫負担のみ3分の1から2分の1に変更し た場合は、2039年度には25.7%、更にマクロ経済スライドを導入し永久均衡 方式のみを改正後から変更した場合につきましては、2022年度には19.6%と なっております。  続きまして116 ページ〜121 ページは、それぞれ前提を変えた試算の資料で ございまして、これは地共済と国共済を併せた資料と地共済のみのものを付け ておりますので、内容につきましては省略をさせていただきます。  122 ページでございます。「公平性の検証に関する資料」でございまして、 職域部分を除いた場合の保険料率の将来推計となってございます。  まず、一元化後の積立度合1のケースでございます。備考欄にありますよう に、2008年度までの保険料率は上が国共済、下が地共済でございます。  職域部分を除く保険料率は、2005年度では地共済が12.7%、最終の保険料 率は16.5%と推計しております。また、職域部分の比率は2005年度の1.11 か ら将来的には1.19と、職域部分は厚生年金部分の2割にするという従来から の考え方に沿った比率となっております。 次のページが地共済単独の資料で ございます。  124 ページをお開きいただきたいと思います。「年金数理担当者の所見」で ございます。 2つございまして、制度の財政健全性につきましては、地共済 及び国共済の財政単位の一元化が図られたことによりまして、財政規模が拡大 しております。厚生年金同様マクロ経済スライドによる自動調整の仕組みを導 入したことなどは、年金財政の安定に資するものでありまして、今後の地共済、 国共済の健全な財政運営に寄与するものであると考えております。  今後検討を要する点でございますが、地共済及び国共済の財政再計算は、厚 生年金と同様、有限均衡方式の仕組みが導入され、均衡期間の終了時には長期 給付の給付に支障が生じないようにするために、必要な額の積立金を保有しな がら、当該期間にわたって財政の均衡を保つことができるようにすることとさ れております。  長期給付の支給に支障が生じないようにするために必要な額の積立金につ きましては、今回の財政再計算におきましては、積立度合で1〜4倍と幅を持 たせて推計を行ったわけでございますが、今後の財政再計算においては、最終 保険料率に達するいずれかの段階で均衡期間の終了時の積立水準の前提を一 本化する必要がございます。  今後の積立水準の在り方につきましては、今後の社会・経済の動向、有限均 衡方式以降後の国共、地共済両共済組合の財政状況及び次回以降の財政再計算 による給付額等の見通し等も総合的に判断しながら、引き続き検討することと しております。  最後になりますが、125 ページの「情報公開について」でございます。  財政再計算につきましては、組合員に理解を深めてもらうということもござ いまして、リーフレットを平成15年度に1回、16年度に3回、計4回作成を いたしまして、各共済組合を通じまして、組合員全員に配布をしているところ でございます。  そのほかに、地共済連合会の広報誌『PAL』というものがございまして、 ここに関係記事を適宜掲載することとしておりまして、それと併せて連合会の ホームページにもリーフレットなどを掲載したところでございます。  また全国を2ブロックに分けまして、全国事務局長会議、事務長会議の場で 財政再計算結果等について説明を行っているところでございます。  説明は、以上でございます。 ○堀部会長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの説明に対して御質問等があればよろしくお願いします。  都村委員、お願いします。 ○都村部会長代理  2点お伺いしたいと思います。1点は年金扶養比率について、2005年の時点 で他の制度よりも地共済、国共済は低い状況にあるわけですけれども、年金扶 養比率の見通しにおいても、他の制度よりもかなり低いです。2025年で1.27 です。もっと先にいくともっと下がることになっています。他制度との比較に おいても低くなっているのですけれども、毎年の保険料率の引上幅は相対的に 見てもそれほど高くないようです。それでバランスがとれるというのはなぜで しょうか。  もう一つは、年金の個人情報の提供についてですけれども、年金教育セミナ ーにおきまして、中学や高校の先生たちと接しますと、保険料の納付実績とか、 年金額の見込みなど、年金に関する個人情報を知りたいという要望がかなり強 いのですけれども、個人情報の提供は、現在どういうふうに行われているので しょうか。先ほど3ページ、4ページの「地方公務員等共済組合法等の一部を 改正する法律について」のところにはなかったのですけれども、去年の改正で、 厚年では平成20年から個人情報を通知するということになっていますね。地 共済においてもそれまでに何か変わるのか、あるいは20年4月以降なのか、 個人情報の通知の状況について教えてください。  以上です。 ○堀部会長 数理官お願いします。 ○山下数理官  1点目でございますが、この比率がなぜ低くなっているかというのは、若干 実態としてそうなっているということで、その辺は細かく承知はしていないと ころなんですが、保険料率を低く設定して成り立つのかということでございま すが、そこはそういう状況の中でも今回の財政再計算をして、保険料率を定め て適切にできるという推計をしてございますので、その点は問題ないというふ うに考えております。 ○堀部会長 個人情報の通知に関しては、どなたに答えていただけますか。 福利課長、お願いします。 ○佐々木福利課長  1点目のお話は、年金扶養比率の関係もあるんですけれども、保険料率につ いては国共、地共併せて同じように上がっていくということで、今回一体とし ておりますけれども、厚生年金との比較で申しますと、やはりどうしても共済 の場合は過去の保険料の運営の経緯から出ておりますが、積立比率が比較的高 うございますので、そういった面でいわゆる積立運用収入の占める部分が多い ということが、保険料で賄う部分を少し押し下げている要因があるのではない かというふうに考えております。  年金の個人情報の提供のお話でございますけれども、これは実は厚生年金さ んの方でいろいろと御検討をされているときに、私どもでも組合員に対してど ういった形でニーズがあるのかということもいろいろとお聞きをしたんでご ざいます。  実は共済年金の場合、大抵職域年金という形になってございまして、現実の 年金の運用をしているところと、職場一体で運用をしておるところ、それと極 めて常用雇用の中で組合員についての情報の管理がずっとなされております ので、一律こういうふうな形でということはないんでございますが、通常は大 体どこの共済組合、地方団体でも一定の50代の後半の部分になりますと、皆 さん方に将来のことについての説明会をするといったような形で、一般的な御 説明を申し上げております。そして勿論のことながら、それぞれ個人の方がど ういう状況だろうかということの御相談があれば、それは御相談に応じること ができるような職域年金でございますので、割とそういったものに対しては、 適切に対応しやすいような状況にございます。  そういった意味で、必ずしも一律ポイントというような形でやっていかなく ても、情報としては皆さん方に非常に適宜適切に提供できるような体制にある のではないかなというふうに考えております。 ○堀部部会長 よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。 近藤委員、どうぞ。 ○近藤委員  データは、2050年で区切っていますが、計算自体は100年のベースはあ るのでしょうから、いろいろの制限がありますが出せるものは是非事務局の方 に出していただければと思います。 ○堀部会長 福利課長、お願いします。 ○佐々木福利課長  先ほどちょっと御説明をいたしたんですが、今回の財政再計算は国共済、地 共済全体でございますので、そういった意味では100 年で出しておるんですが、 実は地共済と国共済を別々にいたしますと、先ほど御説明した財政調整の部分 があるわけでございます。これについては、先ほど申し上げましたけれども、 特に年金給付に支障を来さないための調整という部分で、黒字の年金のところ から赤字の年金に支援をするという仕組みまで現在つくってございます。  ところが、最終的に有限均衡方式という形になりましたものですから、いず れは50年から先だと思うんですけれども、双方が赤字になっていくというこ とになりますと、これをどうやっていくかというルールについては、まだ将来 の課題ということにさせていただいておるわけでございます。その部分のルー ルがないものですから、確定ができないということで、現在片方が黒字という ような状態でルールが確定できる、そして数字が確定できるまとめにし、2050 年までの計算をしておるということでございます。 ○近藤委員  だから、調整は行わないとしての数字です。例えば、年金扶養比率なんて別 にそれとは関係ないから出てくると思います。これは国共済の方が上がってい るからだと思うんですけれども、50年で切って100 年で見ると、あとの方は ずっと上がっていっているんです。そちらの方ができないからって何で50年 ですべて切っていて、それは別々にやっておいてくれて、どう判断するかなん です。  ただ、資料ではなしに事務局に届けて、我々ちょっと見れたら見たいなとい う程度の話で、正式に発表するとかそういうことではないです。傾向を見てお かないと、やはり先のことというのは結構心配なこともあるし、安心できるこ ともあるんだと思うので、事務局に届けてくださいというのはそういう意味で、 あったら是非出しておいてほしいなということです。  各共済組合員の連合会ですから、共済組合がばらばらにあるわけで、これで 各共済の収支が黒字、もしかしたら赤字があるのかもわかりませんが、赤字に なった場合の調整というのは、現にどんな形でやるにようになっているんです か。 ○堀部会長 荒井数理調整課長、どうぞ。 ○荒井数理調整課長  済みません。連合会の荒井と申します。  現在の地共済の中での財政調整については、単年度に赤字になったというだ けでは財政調整は行っておりません。どういう状態かといいますと、目的が年 金の支給に支障がないためにということでございまして、手持ちで持っている 積立金を取り崩して、それでも年金の支給ができないとき、初めて連合会にプ ールしたお金を財政が窮迫した組合に交付をするというような仕組みが今で き上がってございます。そして、現在赤字の組合というのはあるんですが、ま だそういうような交付金を交付するような状態になっている組合は出てきて おらないという状況でございます。 ○近藤委員  70余の共済組合がありますとそれぞれに長期的に数理面から制度運営を継 続的に見る必要があると感じます。全体に置くことは難しいでしょうが、連合 会や大きな組合には、年金数理の専門家を置いていただき、各共済に指導する というより、アドバイスできる仕組みを導入することにより健全性の確保によ り貢献できると思います。 ○堀部会長  各個別の共済の財政調整についてですが、私うろ覚えで申し訳ないのですが、 半分だけ財政調整をするとか何かそういうふうなことがあったように記憶し ています。それは現実にはないということでしょうか。   ○荒井数理調整課長  事実上はございません。ちょっと補足しますと、連合会に集めるお金は黒字 の組合につきまして、その収支の差額、黒字の3割を連合会に集めていきまし て、実際に交付するときは、先ほど言ったように持っていく積立金がございま すので、当然ながら掛金とか負担金収入もございまして、その分と持っている 積立金で賄っていただいて、それに支障が出た場合というときに、初めて出る ということでございます。 ○堀部会長 3割で財政調整をするということですね。 ○荒井数理調整課長 そうです。 ○堀部課長 わかりました。 ○荒井数理調整課長 ですから、半分だけとかそういうようなことはございません。 ○堀部会長 5割というのは、3割の記憶違いです。 ○荒井数理調整課長 それは連合会に拠出金という形でいただくお金の算定のところでございます。 ○堀部会長 わかりました。 田村委員、どうぞ。 ○田村委員  簡単なことなんですけれども、14ページに平均年金額の表がございます。こ の額を見ていると随分変なんです。年齢が若いところは小さくて、高齢者が大 きいんです。もしかすると基礎年金が入っているか入っていないかによって、 こんなに違うのかなという感じがするんですけれども、これはどういう数字な んですか。ちょっと説明をお願いできればと思います。普通はこんなに違うは ずはないと思います。 ○荒井数理調整課長  それでは御説明をいたします。  御指摘の理由がほとんどのところだと思います。基礎年金ができる前のとこ ろについての退職年金というようなものにつきましては、当然61年の時点で 60歳以上の方なんですが、それは1回基礎年金相当分を含めて共済が払うとい う格好でございまして、今のイメージでいきますと、1階から2階、3階部分 も全部払っている。したがいまして、70歳とか75歳以上のところがぽこんと 出ているところがございます。それ以前のところは、当然ながら1階部分は基 礎年金として払われますので、ここでは共済年金の年金額を集計しておるとい う状況ですので、1階部分がないもので平均化されておりますので、低く出て いるというようなことでございます。 ○田村委員  含んでいる額と含んでいない額というような両方ともうまく整理できたよう な表はないんですか。そうしないと、これは誤解を与えると思います。 ○荒井数理調整課長  毎回の決算ヒアリングの際に、そのようなげたを履かすというんですか、1 階部分の基礎年金額を乗せたような資料は出してございますけれども、それ以 外のものはちょっと用意してございません。 ○田村委員  それからもう一点よろしいですか。  114 ページだったと思うんですけれども、給付水準の表がございますね。こ れは、改正法ですから、右側の方でしょうか、最終的には47.5%ということに なっているんですけれども、共済組合の方は職域年金部分がありますから、報 酬比例部分は2割大きいわけですね。それにもかかわらず、厚生年金のように 50%まで達していないということなんです。これは何が原因でそうなっている かということなんですけれども、考えてみますと、どうも分母の標準方式が大 きいのかなという感じがするんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。 ○荒井数理調整課長  総報酬の金額というようなものがあるんですが、まだちょっと総報酬制度が 出てきて、それほど経たないのでデータがそんなにはないんですが、その前の 標準報酬ということでいきますと、厚生年金の標準報酬1人当たりのものでや りますと、地共済と比べますと、やはり4割ぐらい低いような状態でございま す。いわゆる分母の標準報酬だとか、またはボーナスを入れた形でも同じだと 思うんですが、総報酬の部分が多いということで、当然ながら分子の方には2 人分の基礎年金と定額部分、あとは共済年金の2階、3階分というのがござい ますけれども、そこで割ったような値というのは、先ほど言ったように分母の 方が多分4割ぐらい違っているかと思いましたけれども、そういうようなもの で、このような3階があったとしても50%にいかないという数字になっている のではないかなと思います。 ○田村委員  わかりました。  それで、給付水準について問題にはなりませんでしたか。厚生年金の方は50 %を維持すると言われているわけですけれども、給付水準については、調整の 方はこれで問題はないということなんでしょうか。 ○堀部会長 福利課長、お願いします。 ○佐々木福利課長 よろしゅうございますか。  これは昭和60年改正で2階部分を共済と厚生年金と算定式について併せた ときからずっとでございますけれども、基本的に共済年金の考え方として、2 階部分の給付水準について厚生年金の2階部分と第一義的に併せてきておる わけでございます。  今回も厚生年金の方では、財政再計算というのがなくなったわけでございま すけれども、私どもの方では保険料と給付水準がございますけれども、給付水 準の方を併せて、そして保険料を再計算するという形でやっております。した がって、従来と同じように給付水準は厚生年金の2階と同じですという原則を 第一に守るという形で制度改正をしてきたということでございます。 ○堀部会長 給付水準というか、給付設計のような感じですかね。 ○佐々木福利課長  正確に言いますと、給付水準を決める算定式でございます。この部分は、マ クロ経済スライドとか、そういようなものも含めて、算定式についてというこ とでございます。ちょっと正確ではございませんでした。申し訳ございません でした。   ○堀部会長  ほかはいかがでしょうか。  それでは、私の方から1点お伺いします。今までは標準報酬月額の算定を、 本俸に対する諸手当の割合が0.25、という前提で計算してきたと思いますが、 今回はその数値を変えたのか変えなかったのか、どういう数値にしたのかとい うことです。  国共済と地共済で財政調整をする場合に、標準報酬月額について諸手当をみ なして計算することについて、公平性の観点から問題はないのかどうか。今後、 諸手当の割合0.25は、見直していく予定があるのかどうか。それは0.25とい う数値を見直すというだけではなく、ほかの被用者年金制度並みに、実際の標 準報酬月額を用いるという可能性はないのでしょうか。 では、福利課長お願 いします。 ○佐々木福利課長  1.25の数値については、再計算ではその数字で算定をしております。 1.25 の数字につきましては、一応私どもとしても毎年毎年給与の実態というものを 踏まえまして、給料に対する手当の総額がどういうふうになっているかという ことを地方公務員全体、組合員全体で調査をしております。したがって、現状 の中では1.25で、いわゆる標準報酬相当部分に相当する額が算定されている という状況でございます。  今後、仮に例えば手当の比率が大きく落ちていくとか、大きく増えていくと か、そういう事態になったときには、その数字をどうするのかということは私 どもとしても検討をしていかなければならないというふうに思いますけれど も、最近の推移から見ると、それほど大きな変動はございませんので、私ども としては現状で正しい算定というものはなされているのではないかというふ うに考えております。先ほどの調整のことも含めまして、今の制度を前提とし て、皆さんの御理解を得ているところでございます。 ○堀部会長  地方公務員全体として0.25は公平だとは言えると思うのですが、実際に保険 料を徴収する場合も本俸の0.25%を諸手当とみなすとなると、各地方公務員の 中で不公平が出るのではないかという感じがするのですが、どうでしょうか。 ○佐々木福利課長  今、会長からお話があったのは、まさに制度の根本のお話でございますけれ ども、そこのところをどう考えるかということで、このやり方を最初に決める ときとして、国家公務員の場合は1つの給料手当の体系の中で決められている わけですけれども、地方公務員の場合は、それぞれ県は47県、最近減りまし たけれども、それでも2,000 ぐらいの市町村でそれぞれの条例で定めていると いうことでございまして、その手当の内容について、地域によっていろいろ差 が出てくるということが現実にあるわけでございます。そういうものを全国の 地方公務員共通の制度の中にそのまま反映させるべきか、いや、それは除くべ きかということでございまして、私どもとしては全国一律の年金制度の中では、 そういった地域等による違いというものを年金の中に反映させるべきではな いのではないかということで、統一的なルールというものを使わさせていただ いているということでございます。 ○堀部会長  宮島委員、お願いします。 ○宮島委員  今日の内容と直接関連するということではなく、今、堀部会長の方からお話 があったことなんですが、これは私が一元化研究会のものをきちんと読んでお りませんから中身はよくわからないのですが、あくまでも財政単位の一元化だ というふうに言っているわけですね。そうしますと、今お話を聞いていますと、 もともと地方公務員共済組合連合会自身が、それこそ47都道府県あるいは 2,000 ある市町村、あるいはそれぞれの職場がある。そういう多くの言わば支 部なり組合と呼ばれていますが、連合会は一種の財政単位の一元化をそこで図 るような役割を一面ではやっているのではないかというふうに思うんです。そ れを、今度、国共済と財政単位一元化をしていくというときに、今お話のよう に、むしろ今後地方分権というようなことで、職員の採用ですとか、職員の給 与に対しては、それぞれ地方自治体が固有の決め方なりができるようになって いったときに、それをこのように完全に一律の形で年金制度の設計をするとか、 財政単位を一元化していくという考え方を、一体どのように考えているのでし ょうか。これはやや政治的な話になりかねないので難しいんですが、少なくと も年金を担保する方から見れば、私はそれに対する感想はあると思うのです。  それと実を言うと、財政単位の一元化から、場合によっては、更に進んで制 度の一元化という話までテーマとしては出てくる可能性があるようなことを 考えますと、私は今、地共済と国共済の財政単位の一元化という話は、1つの テストケースとして非常に注目して見ているところです。要するにこういう形 で財政単位を一元化して、保険料率も平成21年度までに一本化していくとい うことになりますね。そうすると、給付水準の設計、特に2階部分までについ ては、基本的には厚生年金と同じですから、そうすると、一体保険者として独 立して何が残ってくるかというと、恐らくかつての恩給の部分に関わる部分と か、あるいは公務上の独自の給付でありますとか、そういう部分だけが残る。 財政単位の一元化では一元化されないで、地共済なり国共済のみがそれぞれ独 自の保険者として何らかの給付なり、そういうものを決める余地があるものだ というふうに考えているんです。  前半の話は聞き流していただいて結構ですから、後の方の話で、一体どこの ところが財政単位が一元化され、なおかつ保険者はまだ現実に残っていて、そ のことによってどういう独自の給付などが残るのかという点はどうなのでし ょうか。  済みません、ちょっと長々しい話をしました。 ○堀部会長 福利課長、お願いします。 ○佐々木福利課長  財政単位につきましては、今回国共とも一緒なったわけですが、もともと地 方公務員共済の中で1本でございます。保険料は地方公務員共済組合連合会で 1本で計算をして、再計算をすると。したがいまして、地方公務員全体として 1つの年金の財政単位であったわけでございますけれども、それぞれの組合で は、まさに年金給付に関する業務をやってございますので、財政単位は一本化 になりましても、組合員からの保険料の徴収は勿論のこと、年金受給者に対す る年金の給付、相談、こういった現業、現場業務というのはすべて組合でやっ ておりますので、それは財政を一本化したというのと、また組合をやっている ということは、ちょっと別のことでございますので、それぞれの組合が、その 組合員に対してのいろんな保険料の徴収を始めとした業務は勿論のこと、OB の方の年金受給者に対するいろんなデータの把握を始めとして、年金受給ある いは不服審査の事務を始め、すべての業務につきましては、それぞれの組合で 行っているということでございます。   ○宮島委員  その場合、例えば連合会はそれぞれの支部の被保険者なり受給者の情報を一 元的に持っていらっしゃるんですか。 ○佐々木福利課長  済みません。  私の方からお答えしますけれども、地方公務員共済組合連合会は、先ほど申 し上げました地方公務員共済の財政再計算を1本で行うためのもの。その一環 として、先ほど会長のお話にございました財政調整に関する業務を行っており ます。したがいまして、再計算に必要なデータは地方公務員共済組合連合会は 持っておりますけれども、個々のどこどこら辺に住んでいるだれだれさんの年 金額が幾らとか、そういうことについて地方公務員共済組合連合会がデータを 持っているということではございません。それは、それぞれの共済組合が年金 給付業務をやっておりますので、個々の共済組合が持っておるということでご ざいます。 ○宮島委員  そうすると今度の国共済との財政単位の一元化というのは、言わばそういう 意味だということですね。つまり、例えば財政単位の一元化をしても、被保険 者であるとか受給権者に対する情報というのは、それぞれ従来どおり地共済な り国共済が持っていて、財政検証の際は1本でやるけれども、その他の実質的 な事務的な部分であるとか、独自給付については、それぞれの共済組合がやる というふうな意味の財政単位の一元化だと理解すればよろしいわけでしょう か。 ○佐々木福利課長  今回の財政単位の一元化でも、まさに私どものOBの方々の年金のいろんな 個人情報は国家公務員共済連合会で把握しておられると思うんですが、それが 財政単位の一元化によって別のところにいくということではなくて、今の年金 現業業務といいますか、そういったものをやりながら財政再計算なり財政調整 をしながら、財政再計算については、財政単一で1本にしていこうというのが 今回の改正と理解をしております。 ○宮島委員 ありがとうございました。 ○堀部会長  関連してなんですけれども、年金制度の一元化ということが大きな争点にな っているんですが、地共済と国共済との財政単位の一元化というのはその方向 だと思うんですが、一元化のねらいというのはいろいろあると思うんですが、 大きな主張というのは、雇用が流動化して、いろいろ職を渡り歩く、そういっ た場合は加入の手続とか、あるいは年金受給をする際の煩わしさとか、そうい うことが挙げられていたんですが、こういうふうに地共済が要するに分かれて いる、勿論地方公共団体がそれぞれ別な比重を置かれるというのも1つの理由 があると思います。ただ、連合会でも保険料率は一定に保っているわけですね。 そんなことから考えると、財政単位が小さいとどうしてもやはり年金財政が不 安定化しますね。だから、そのためにも一元化というのが唱えられたと思うん ですが、それは先ほどあったような3割の財政調整資金という問題はあるんで すが、連合会だけで受け切れるのかどうかということがあると思うんです。や はり年金財政の安定性の問題と絡んで、そういった点はどういうふうにお考え なんですか。 ○佐々木福利課長  地方公務員共済連合会全体としては、財政単位1本になっておりますので、 今の調整システムの中で仮に単独の組合が赤字になってどんどんお金がなく なっていって、それによって1つの組合だけが単位が小さいからといって年金 給付に支障が生じるということはないような仕組みに今してあって、そのため に一応公務員共済組合連合会があるということでございます。 ○堀部会長 その資金が3割しかないということではないのですね。 ○佐々木福利課長  それは毎年毎年の各組合の黒字の中から積み立てているわけですけれども、 会長がおっしゃるように小さい組合とか、赤字になっていく組合もあります。 片方ではそうではない組合もあると。勿論仮に地方公務員共済組合連合会全体 が赤字になってしまえば、それはもう勿論年金全体が成り立たないということ でございますので、それはそういうことがないように私どもとして再計算をし ているわけでございますし、その単位が今度は国共済とも一緒に大きな単位の 中で全体が年金給付に支障を生じないように、財政一本化していこうというこ とになったものというふうに理解をしております。 ○堀部会長 ほかはいかがでしょうか。 近藤委員、どうぞ。 ○近藤委員  ちょっと細かいことなんですけれども、61ページの「受給者数の見通し」の ところで、100 年で考えていますが50年ぐらいで考えても、通退相当の割合 が退年相当と比べて結構急激にずっと増えていっているんです。これは何か特 別な理由があるんですか。  もう一つ、2015、2016年前後でちょっと通退相当がでこぼこしているんです けれども、これはたまたまそうなったのか、何か理由があるのですか。 ○堀部会長 数理調整課長、どうぞ。 ○荒井数理調整課長  通退相当は、現職者から出てくるという部分がございますが、若くして辞め ておりますので、最初年金待機者となって出てきまして、ここにはちょっと出 ておりませんが、年金待機者の山というようなものが一方でありまして、そう いうような方々が例えば60歳とか65歳になったときに、年金待機者から年金 受給者の通退相当という形に出ております。そのような前に年金が付かないで 辞められた方というのは結構おられますので、そういうような方がこの時期に 増え出してきているのではないかなと思われます。特に若くて辞めた方という のは、当然ながら恐らく年金の権利はほかの期間と併せて25年以上等あると 思いますけれども、単独で見ると通退相当ということになってしまうので、そ の方々が受給者となるということです。  あと数字がでこぼこしているのは、細かく分析していないので、この場では わからないという状況でございます。  あと急激に増えているのは、かつては退職一時金全体全額をもらう制度、男 女によって違いますが、女子の場合ですと、昭和55年までは一時金全額をも らえるシステムだったわけですね。したがって、それ以後に退職する人たちが 急激に増え出すという時期が来るということでございます。 ○堀部会長  よろしいでしょうか。それでは、ほかはいかがでしょうか。  田村委員、お願いします。 ○田村委員  1つだけ、最後に積立水準をこれから検討していくというふうに書いてある のですけれども、その過程で積立度合について1〜4まで4通り計算されてい ます。それはそれでよろしいのですけれども、計算の中身が厚生年金に準じた 方式になっているのですね。計算の方式は、厚生年金に準じたものにすること ではなくて、むしろ今までどおりということもあり得るのではないかと思いま す。  そういうことも1つの方法ではないかと思うんですけれども、そういう考え 方はどうでしょうか。 ○堀部会長  田村委員のおっしゃっているのは、従来の永久均衡方式にしたらどうかとい うことですか。 ○田村委員  いや、そこまで言いませんけれども、有限均衡方式にこだわる必要はないの ではないかというのが私の感じなんです。この財政計算の検討の過程では有限 均衡方式は大前提になっているという感じがするのです。それと積立度合とい うのも前提にしたいようで、だから1〜4というような積立度合を持ってきて、 形の上で厚生年金と合わせたいという感じになっていると思うのです。そうで なくてもいいのではないかというのが私の感じなんです。従来と同じように、 給付の改定を厚生年金と同じようにマクロ経済スライドを行っていくんだっ たら、保険料も厚生年金に合わせるという形にして収支見通しをつくってみた ら、どうなるかということなんです。そのときには結果的に積立水準は上がっ ているかもしれない。地方公務員共済の被保険者、受給者の実態は厚生年金と は違うわけですから、結果としては財政状態は違ってくるかもしれないけれど も、そういう形もあり得るのではないかということなんです。 ○佐々木福利課長  ちょっと私も今すぐにどうこうと申し上げられませんけれども、また次回に 向けていろんな議論があると思いますので、私どもとしても検討してまいりた いと思います。 ○堀部会長  そこは私は余りよくわかりませんけれども、厚生年金の場合は保険料固定な ので、共済の場合も従来のような保険料固定にせざるを得ないのではないかと いう感じがします。 ○田村委員  だから、そういう方法もあると思います。給付の方も合わせているんだから、 保険料の方も厚生年金に合わせるということです。そうではなくて、今のやり 方は有限均衡方式だとか積立度合という、そちらの方を厚生年金に合わせてい るわけです。そうではなくて、そのまた基になっている給付とか保険料の在り 方を厚生年金に合わせるということです。 ○堀部会長  それは3階部分がありますので、1階、2階部分での保険料率を厚生年金で 固定するということですね。それは、また今後の「年金数理部会」の議論の中 で検討したいと思います。  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、地方公務員共済組合の財政再計算結果等についての報告の聴取を 終了いたします。報告者の方々は、お忙しい中ありがとうございました。  本日はこれまでにさせていただきたいと思います。  次回の日程等について、事務局で確認をお願いします。 ○首席年金数理官  次回の第21回「年金数理部会」でございます。あともう一つ再計算の結果の 聴取が残っておりますけれども、明日9月14日水曜日、1時間後の午後3時 からでございますけれども、平河町にあります全国都市会館第1会議室で予定 をしております。よろしくお願いします。  以上でございます。 ○堀部会長 本日は、これで終了といたします。どうもありがとうございました。  −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)