第1  心身ともに健康な生活と安心で質の高い効率的な医療の確保等のための施策の推進

 国民の健康寿命を伸ばすことを目標に、「生活習慣病対策」と「介護予防」を推進するとともに、それらを支える科学技術の振興を図る「健康フロンティア戦略」を本格的に実施する。なかでも死亡原因の3割を占めるがんの罹患率と死亡率の減少を目指し、がん対策を総合的かつ重点的に推進するほか、メタボリックシンドローム対策の総合的な推進及び本年6月に成立した食育基本法に基づく食育を推進する。
 また、地域の医療機能の適切な分化・連携を進める医療計画制度の見直しや小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等を通じ、安全・安心で質の高い医療提供体制の構築に向けた改革を行う。さらに、国民誰もがいつでもどこでも良質な医療を受けることができるよう、国民皆保険を堅持し、国民の安心と制度の持続可能性を確保するため、新たな高齢者医療制度の創設をはじめとする医療保険制度の改革を行う。

 健康フロンティア戦略の更なる推進 1,393億円(1,027億円)

(1) 「働き盛りの健康安心プラン」による生活習慣病対策等の推進
 58億円
 ○  メタボリックシンドローム(高血糖、高血圧、高脂血等の状態)に着目した健診・保健指導の重点化(新規)  2.4億円
 糖尿病、高血圧症に代表されるメタボリックシンドローム(高血糖、高血圧、高脂血等の状態)等の予防のため、健診・保健指導の重点化・効率化を推進する。

 ○  若年期からの肥満予防対策の推進(新規)  73百万円
 近年増加している成人男性の肥満を予防するため、地域と学校が連携し、若年期からの健全な食生活や運動習慣の指導など肥満予防対策を推進する。

 ○  たばこ対策の推進  42百万円
 未成年者や子どもへの影響の大きい若い親世代を対象とした喫煙防止対策及び対策が遅れている娯楽施設等に対する受動喫煙対策を推進する。

(2) 「女性のがん緊急対策」
 ○  「女性のがん」への挑戦  41億円
 女性のがん罹患率の第一位である乳がんについて、死亡率減少効果のあるがん検診を推進するため、マンモグラフィの緊急整備や撮影技師及び読影医師の育成を図るとともに、乳がん、子宮がん検診の普及啓発等を推進する。

(3) 「介護予防10カ年戦略」による効果的な介護予防対策の推進
 990億円
 ○  家庭や地域で行う介護予防の推進  719億円
 日常生活圏域で高齢者の生活の継続性が確保できるように、既存の老人福祉センター等の改修等、介護予防サービス提供のための拠点整備を行うとともに、適切な介護予防サービスを提供するため、地域支援事業を推進する。

 ○  効果的な介護予防プログラムの開発普及  16億円
 効果的な介護予防プログラムを開発普及するため、事業の実施状況や効果について、評価分析等を行うとともに、介護予防プログラムを推進していく上で中核となる地域包括支援センター職員等の養成を行う。

 ○  地域で支える「認知症ケア」  15億円
 地域住民に対する認知症への理解の促進、主治医等を中心とした認知症の地域医療体制の充実、早期段階に対応したサービスの普及、認知症介護の専門職員に対する研修の充実等、各ステージに応じた「認知症対策等総合支援事業」を推進する。

(4) 「健康寿命を伸ばす科学技術の振興」
 303億円
 ○  先端医療の実現  136億円
 ゲノム科学等の基礎的研究の実施や、その臨床応用の促進を図るとともに、治験を含む臨床研究基盤の整備等を実施し、創薬環境の充実を目指す。

 ○  保健医療福祉を支える技術の開発・普及  167億円
 疾病・障害の予防、診断、治療法等の開発を推進する。特に「第3次対がん10か年総合戦略」に基づいた、がんの本態解明や革新的な予防、診断、治療法の開発等を推進する。
 また、老化抑制機構の解明や介護予防及び介護技術に関する研究を推進する。

 がん対策の総合的かつ重点的な推進 202億円(144億円)

(1) がん予防・早期発見の推進
 63億円
 ○  がん検診の質の向上(新規)  24百万円
 がんをより効果的・効率的に早期発見する精度の高い検診を実施するため、最新の知見に基づくがん検診方法等の検討やがん検診の事業評価を推進する。

 ○  効果的ながん検診の普及(「女性のがん緊急対策」を再掲)  41億円
 死亡率減少効果のあるがん検診を推進するため、マンモグラフィの緊急整備や撮影技師及び読影医師の育成を図るとともに、乳がん、子宮がん検診の普及啓発等を推進する。

 ○  がん予防の推進  21億円
 効果的な禁煙支援マニュアルや、研究成果を踏まえた生活習慣の改善によるがんの予防法を普及啓発し、がん予防を推進する。

(2) がん医療水準均てん化の促進
 29億円
 ○  がん専門医等がん医療専門スタッフの育成(新規)  2.7億円
 がん診療に従事する医師等に対して研修の機会を提供するとともに、国立がんセンターの研修修了者等を登録するデータバンクを整備し、医療機関等の要請に応じて情報提供等を行う。

 ○  地域がん診療拠点病院(仮称)の機能強化と診療連携の推進  27億円
 がん医療水準の向上と地域格差の縮小を図るため、2次医療圏に1カ所程度の「地域がん診療拠点病院(仮称)」を整備し、緩和医療の提供、患者等に対する相談支援等の機能を強化するとともに、地域の医療機関との診療連携を推進する。

(3) がんの在宅療養・終末期医療の充実
 2.4億円
  がんの在宅療養・終末期医療を推進するため、医療従事者の研修や在宅ホスピスケア推進のためのアドバイザー派遣、普及啓発等を行う。

(4) がん医療技術の開発振興
 89億円
 ○  新しいがん医療技術実用化の推進  84億円
 基礎研究の成果を迅速に臨床応用へと結実させる橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)等の推進と、これを支える研究基盤の充実を図る。
 また、優先度や重複排除に配慮した課題設定を行うことにより、国民のニーズに応えるがん研究を効率的に推進する。

 ○  抗がん剤等の治験とがん治療法の臨床研究の推進(新規)  23百万円
 優先度の高い抗がん剤等について迅速かつ確実な治験実施につなげるとともに、標準治療法開発のための臨床研究や治験の円滑な実施環境を整備する。

 ○  がん対策を総合的に推進するための戦略的な研究の実施(新規)  5億円
 研究の成果目標及び研究方法を予め設定し、研究者や研究協力施設等を公募する「戦略研究」をがん研究において実施する。

(5) がん対策情報センター(仮称)の設置(新規)
 18億円
   がん診療に関する最新の情報を収集し、利用者の立場で整理した情報を提供するとともに、がん対策の企画立案に必要な基礎データの収集・蓄積・分析・発信機能を担う「がん対策情報センター(仮称)」を国立がんセンターに設置する。

 「食育」の推進 7.5億円(5億円)

(1) 国民健康づくり運動を通じた「食育」の推進
 6.6億円
   「食事バランスガイド」の普及啓発、ボランティアによる食生活改善及び若年期からの肥満予防対策等を推進する。

(2) 「健やか親子21」による母子保健運動を通じた「食育」の推進
 6百万円
   授乳及び離乳期を連続したものととらえ、従来の離乳ガイドを見直し、母乳育児推進のための具体的内容を盛り込んだ「授乳・離乳の支援ガイド」を新たに作成し、普及啓発を図る。

(3) 消費者等とのリスクコミュニケーションを通じた「食育」の推進
 83百万円
  食品の安全性に関するシンポジウムの開催など消費者と双方向のコミュニケーションを通じて、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深める。

 感染症・疾病対策の推進 1,939億円(1,840億円)

(1) C型肝炎対策等の推進
 54億円
   抗ウイルス療法の導入によるC型肝炎治療の目覚ましい進歩等を踏まえ、肝炎ウイルス検査体制の充実、肝炎等の治療体制の強化、予防や治療法等の研究の推進、肝炎ウイルス感染者に対する専門相談・保健指導や肝炎に関する正しい情報の提供など、C型肝炎等緊急総合対策に基づく総合的な対策を推進する。

(2) 感染症対策の充実
 88億円
 ○  新興・再興感染症対策に関する研究の推進  24億円
 新型インフルエンザをはじめとする新興・再興感染症に関する研究を推進する。

 ○  性感染症対策の強化  4.6億円
 性感染症に関する予防指針の見直しに伴い、正しい知識の普及啓発や検査機会の提供など、性感染症の予防を支援する環境づくりを推進する。

(3) エイズ対策の推進
 94億円
   エイズ発生動向を踏まえ、青少年や同性愛者等に対する普及啓発や、大都市における休日・夜間の検査・相談体制等を充実する。

(4) 移植対策の推進
 29億円
 ○  臓器移植対策の推進  5.9億円
 臓器提供に関する意思をより確実に活かすため、臓器提供意思登録システムを構築するなど臓器移植の普及啓発の一層の推進を図る。

 ○  骨髄移植等の造血幹細胞移植対策の推進  19億円
 骨髄バンクコーディネートシステムの再構築によりコーディネート業務の強化を図る。また、より移植に適した細胞数の多いさい帯血の確保を図る。

(5) 難病対策の推進
 1,175億円
   難治性疾患に関する調査・研究の推進により、治療法等の確立と普及を図るとともに、難病相談・支援センター事業の充実により、地域における難病患者の生活支援等の推進を図る。

(6) ハンセン病対策の推進
 479億円
   ハンセン病療養所入所者の療養を確保するとともに、退所者等の社会生活を支援する。また、ハンセン病資料館の開館(平成19年2月予定)など、ハンセン病に関する正しい知識の普及啓発の充実を図る。

(7) リウマチ・アレルギー対策の推進
 16億円
 ○  喘息(ぜんそく)死ゼロ作戦(仮称)の実施(新規)  17百万円
   喘息死を減少させることを目的に、患者による自己管理の徹底、かかりつけ医を中心とした医療連携体制の確保を推進する。

 ○  免疫アレルギー疾患に関する研究の推進と正しい知識の普及  16億円
 リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど免疫アレルギー疾患の治療法の開発等の研究を推進するとともに、その研究成果を活用し、リウマチ・アレルギー相談員養成研修会やシンポジウムの開催等を通じ、正しい知識の普及を図る。

(8) シックハウス対策の推進
 2.9億円
   シックハウス症候群の原因分析、診断・治療法等の研究を進めるとともに、その成果を活用した相談体制の整備等を図りつつ、関係省庁と連携した総合的な対策を推進する。

 安心で質の高い効率的な保健医療提供体制の充実 823億円(724億円)

(1) 保健医療提供体制推進事業(統合補助金)及び保健医療提供体制整備交付金の創設(新規)
 382億円
 ○  保健医療提供体制推進事業(統合補助金)の創設(新規)  221億円
 新たな医療計画制度等の実効性を確保し、医療提供体制と地域保健及び健康増進体制との連携強化を図る観点から、都道府県が作成する「保健医療提供体制事業計画」に基づき主体的かつ弾力的な事業運営を行えるよう、救急医療施設運営費や地域保健医療等推進事業等について補助基準の緩和等を図った統合補助金を創設する。

 ○  保健医療提供体制整備交付金の創設(新規)  161億円
 新たな医療計画制度等の実効性を確保し、医療提供体制と地域保健及び健康増進体制との連携強化を図る観点から、都道府県が作成する「保健医療提供体制事業計画」に基づき、救急医療施設、周産期医療施設、市町村保健センター等の施設整備を支援する保健医療提供体制整備交付金を創設する。

(2) 医療計画制度の見直し(新規)
 4.4億円
   医療計画上、がん医療・小児救急医療等の主要な事業ごとに地域の医療機能を明示することにより医療機関の適切な機能分化・連携を進める。これにより、急性期・回復期・慢性期・在宅療養という医療の切れ目のない流れを作り、必要かつ十分な医療を受けつつ総治療期間が短くなる仕組みを構築するなど効率的な医療を提供し、患者の生活の質(QOL)を高める。

(3) 救急医療の充実をはじめとする地域医療の確保
 392億円
 ○  救急医療体制の充実強化  136億円
 救急医療体制の計画的かつ体系的な整備を図るため、救命救急センター、救急医療情報センター、ドクターヘリ導入促進事業等に対する助成を行う。特に、小児救急については、急病時の対応等について保護者へ啓発を行うとともに、初期から三次までの救急医療体制の整備を図る。

 ○  へき地保健医療対策の充実  45億円
 へき地・離島の診療所に勤務する医師からの診療相談体制の整備及び代診医として派遣する医師の確保により、へき地・離島の診療支援体制の整備を図る。

(4) 医師確保対策の推進等と医療従事者の資質の向上
 353億円
 ○  医師再就業支援事業の実施(新規)  1.4億円
 女性医師のライフステージに応じた就労を支援するため女性医師バンク(仮称)を設立するほか、離職医師の再就業を支援するための講習会などを実施する。

 ○  歯科医師臨床研修の実施  35億円
 平成18年度から必修化される歯科医師臨床研修の円滑な実施を図るため、臨床研修を行う施設に対し必要な支援を行う。

 ○  専門分野(がん・糖尿病)における質の高い看護師の育成(新規)  1.6億円
 がん及び糖尿病の患者に対する看護ケアを充実するため、臨床実務研修の実施により、臨床実践能力の高い専門的な看護師の育成を図る。

 ○  助産師確保総合対策事業(新規)  1.3億円
 潜在助産師等を対象に臨床実務研修を行い、助産師の産科診療所での就業を促進するとともに、産科診療所と助産所との連携を強化する。

 ○  看護職員確保モデル事業(新規)  1.1億円
 約55万人といわれる潜在看護職員について、臨床実務研修等の実施を通じて再就業を促進し、看護職員の確保を図る。

(5) 医療安全対策の総合的推進
 14億円
 ○  医療紛争における調整・調停を担う人材の養成研修事業(新規)  35百万円
 医療を巡る苦情や相談等に対応するための人材の養成研修を行うことにより、医療安全支援センター等の機能の強化を図る。

 ○  医療安全緊急情報提供事業(新規)  18百万円
 患者に重大な影響を及ぼすことが予想される行為や技術の情報を迅速に医療機関等に発信し、発生予防・再発防止のための注意喚起を行う。

 ○  診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業  1.2億円
 診療行為に関連した死亡等について、医療機関からの調査依頼を受け付け、臨床医、法医、病理医による解剖と臨床医による事案調査に基づき診療上の問題点と死亡との因果関係を明らかにし、再発防止策を検討するモデル事業の充実を図る。

(6) 医療のIT化の着実な推進
 11億円
 ○  保健医療分野の公開鍵基盤(PKI)認証局の構築・運営(新規)  20百万円
 安全かつ円滑な診療情報共有を実現するため、電子署名自体が医療従事者の公的資格の確認機能を有する、保健医療分野に適した公開鍵基盤の整備を行う。

 ○  標準的電子カルテ情報交換システムの開発(新規)  1.3億円
 医療施設間の情報連携のための標準化を推進するため、国際標準規格に準拠した医療用の定型文書情報の出入力を可能とするシステム等の開発を行う。

 ○  診療情報連携のための電子カルテシステムの普及  6.9億円
 診療情報連携ネットワークの構築を効率的に推進するため、地域の医療機関が電子カルテの導入に必要な設備等を幅広く共同利用可能な体制を整備(共同利用型データセンター設置等)し、電子カルテ導入費用を軽減しつつ、情報連携に適した電子カルテシステムの普及を図る。

 安定的で持続可能な医療保険制度運営の確保 8兆3,622億円(8兆723億円)

 ○  政府管掌健康保険、国民健康保険、老人保健制度等に係る医療費国庫負担  8兆3,622億円
 医療保険制度改革の内容について検討を進め、所要の改革を実施する。


第2  少子化の流れを変えるための更なる次世代育成支援対策の展開

 少子化の流れを変えるため、平成17年4月からスタートした地方公共団体・企業の次世代育成支援行動計画を着実に実行し、全国どの地域でも国民一人ひとりが子育てしやすい環境に変わったと実感できるようにしていく必要がある。
 このため、待機児童の解消を目指した次世代育成支援対策施設整備交付金の大幅な充実をはじめ、「子ども・子育て応援プラン」の実現に向けて、以下の事項を強力に推進する。
(1)  すべての子どもとすべての家庭に支援が行き届くような地域における子育て支援対策や多様な保育サービスの充実
(2)  男女ともに子育てしながら安心して働くことのできる雇用環境の整備
(3)  すべての子どもの命を大切にするための児童虐待防止対策や小児科・産科医療の確保
 なお、「子ども・子育て応援プラン」において検討課題とされている経済的支援等については、さらにそのあり方等を幅広く検討する。

 すべての家庭を対象とした地域子育て支援対策の充実 649億円(578億円)

(1) 地域における子育て支援体制の強化
 450億円
 ○  地域の特性や創意工夫を生かした子育て支援事業の充実  393億円
 各市町村が次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動計画により展開している様々な子育て支援事業について、「子ども・子育て応援プラン」で掲げた目標の達成に向け、地域のニーズを踏まえて充実できるよう、次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)の充実を図る。

(対象となる主な事業)
 ・ つどいの広場事業
 ・ 育児支援家庭訪問事業
 ・ ファミリー・サポート・センター事業
 ・ 子育て短期支援事業
 ・ 延長保育促進事業
 ・ 乳幼児健康支援一時預かり事業

(2) 放課後児童クラブの拡充
 112億円
   放課後児童クラブの一層の拡充を図るとともに、障害児の受入れを推進する。

(3) 児童ふれあい交流事業の推進
 3.1億円
   全市町村で中・高校生が乳幼児とふれあう機会が確保されることを目指し、児童ふれあい交流事業の推進を図る。

 待機児童ゼロ作戦の推進など保育サービスの充実 3,351億円(3,064億円)

(1) 待機児童解消に向けた保育所の受入れ児童数の拡大
 383億円
   待機児童の解消を目指し、保育所受入れ児童数を増やすとともに、各市町村の整備計画による保育所の整備が図られるよう、次世代育成支援対策施設整備交付金(ハード交付金)の充実を図る。

 次世代育成支援対策施設整備交付金(ハード交付金)
   平成17年度予算   平成18年度要求
167億円    268億円(60.5%増)

(2) 多様な保育サービスの提供
 2,968億円
 ○  延長保育の充実   
 11時間の開所時間を超えて実施する延長保育を推進する。(次世代育成支援対策交付金)

 ○  一時保育、特定保育等の充実  40億円
 専業主婦等のための緊急・一時的な保育を行う「一時保育」、保護者の就労形態の多様化などに伴う柔軟な保育を行う「特定保育」及び「休日保育」等を推進するなど多様な保育ニーズに対応する。

 ○  家庭的保育の拡充  4.1億円
 保育ママの積極的な活用を図るため、保育所が自ら実施する保育ママ(保育所実施型)を創設し、低年齢児の受入拡大を図る。また、看護師等の資格を有する保育ママが軽度の発熱等のある子どもを預かる「病後児・病児保育モデル事業」を新たに実施する。

(3) 総合施設(仮称)の本格実施
   「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設(仮称)」について、17年度実施のモデル事業を踏まえ、18年度から本格実施する。

 仕事と子育ての両立など仕事と生活のバランスのとれた働き方の実現 137億円(54億円)

(1) 子育て世代の仕事と家庭の両立支援
 109億円
 ○  仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主への支援の充実  56億円
 中小企業において仕事と子育ての両立をしやすくするため、育児休業取得者や短時間勤務制度の適用者等が初めて出た中小企業事業主に対し5年間に限り特別に手厚い助成を行う。また、育児・介護休業中の従業員の職業能力開発の取組等を行う事業主への助成措置の拡充を図る。

 ○  子育てする女性に対する再就職・再就業支援の充実  53億円
 出産・育児で離職した女性が再就職に向けた計画的な取組を行えるよう相談・助言を充実するとともに、マザーズハローワーク(仮称)を新設し、子供連れで相談しやすい環境の整備、地方公共団体等との連携による子育て情報の提供、個々の希望を踏まえた相談・求人確保等の就職支援を行う。
 起業についても総合的情報提供を行う専用サイトやメンター(先輩の助言者)紹介サービス事業を実施するとともに、子育てする女性の起業に着目した助成制度を設ける。

(2) 仕事と生活のバランスのとれた働き方の推進
 22億円
 ○  労働時間等設定改善に向けた取組の推進(新規)  16億円
 労働時間等の設定改善の進め方について助言・指導を行う「労働時間等設定改善アドバイザー」を設置し、中小企業事業主を計画的に指導する等労働時間等の設定改善に向けた取組を推進する。

 ○  仕事と生活の調和に係る社会的機運の醸成(新規)  4.7億円
 「仕事と生活の調和推進会議」の開催等により、意欲と能力に応じた多様な働き方ができるよう社会的機運の醸成に取り組む。

 ○  短時間正社員など公正かつ多様な働き方の推進(新規)  89百万円
 マニュアルの普及及び業種別団体におけるモデル事業の実施により、適正な評価と公正な処遇の図られた短時間・短日勤務の正社員制度等の普及を図る。

(3) パートタイム労働対策の充実
 6.4億円
 ○  均衡処遇推進のための事業主への支援の充実  5.6億円
 短時間労働者雇用管理改善等助成金を抜本的に見直し、パートタイム労働者の均衡処遇に向けた事業主の取組への支援を強化する。

 ○  時間比例賃金の導入に向けたモデル事業の実施(新規)  78百万円
 業種別団体において労働時間に比例した賃金制度の導入のためのモデル事業を実施し、普及を図る。

 児童虐待への対応など要保護児童対策等の充実 160億円(127億円)

(1) 虐待を受けた子ども等への支援の強化
 139億円
 ○  育児支援家庭訪問事業の強化  
 妊娠期からの継続的な支援を行うため、分娩に関わった助産師等による訪問支援を推進するとともに、子育て中の親が集まりやすい場所においても心理的カウンセリングを実施できるよう派遣対象場所を拡大する。(次世代育成支援対策交付金)

 ○  児童相談所等の体制強化  
 児童虐待防止対策支援事業に、親支援を強化するための家族療法事業を加えるとともに、一時保護所における心理療法担当職員の配置の充実など、児童相談所及び一時保護所の機能強化等を図る。

 ○  児童福祉施設における支援体制の強化  
 児童養護施設等の小規模グループケアを推進するとともに、心理療法担当職員の配置の充実、家族療法事業の対象施設の拡大を図る。

 ○  里親委託推進事業(仮称)等の創設(新規)  
 児童相談所に「里親委託推進員」を配置し、乳児院等の児童福祉施設と里親との間の連携を図り、施設から里親への委託を総合的に推進する。
 また、ひきこもり等の子どもを持つ保護者の交流のための事業を創設する。(児童虐待・DV対策等総合支援事業)

(2) 配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)への対策等の推進
 21億円
   婦人相談所、婦人保護施設等における相談・保護、自立支援等の一層の推進を図る。また、婦人保護施設、民間シェルター等において人身取引被害者の一時保護の処遇の充実を図る。

 小児科・産科医療の確保など母子保健医療の充実 276億円(243億円)

(1) 小児科・産科医療の確保に向けた取組の推進
 148億円
 ○  小児救急医療体制の整備(再掲)  44億円
 小児の急病時の対応等について保護者への啓発を行うとともに、初期から三次までの小児救急医療体制の整備を図る。

 ○  医師再就業支援事業の実施(新規)(再掲)  1.4億円
 女性医師のライフステージに応じた就労を支援するため女性医師バンク(仮称)を設立するほか、離職医師の再就業を支援するための講習会などを実施する。

 ○  小児科・産科医療体制整備事業の実施(新規)  
 小児科医・産科医の不足に対応するため、医師の確保、女性医師の就労支援策など、都道府県における小児科医療・産科医療の体制整備に必要な経費の補助を行う。(母子保健医療対策等総合支援事業)

(2) 小児慢性特定疾患対策の推進
 128億円
   小児慢性特定疾患治療研究事業を実施するとともに、日常生活用具の給付などの福祉サービスを実施する。

(3) 不妊治療に対する支援
   「体外受精・顕微授精を対象に年度10万円・通算2年」としている現行助成制度の「通算2年」を「通算5年」に拡大する。(母子保健医療対策等総合支援事業)

 母子家庭等自立支援対策の推進 3,606億円(3,329億円)

(1) 母子家庭等の自立のための子育て・生活、就業支援等の推進
 46億円
 ○  母子自立支援プログラム策定事業の全国展開  
 モデル事業として実施している母子自立支援プログラム策定事業を全国展開する。(母子家庭等対策総合支援事業)

 ○  常用雇用転換奨励金の支給要件の緩和  
 母子家庭の母の常用雇用化を促進するため、常用雇用転換奨励金の支給要件の緩和を図り、母子家庭の母の自立を支援する。(母子家庭等対策総合支援事業)

(2) 自立を促進するための経済的支援
 3,559億円
 ○  母子寡婦福祉貸付金の充実  51億円
 医療・介護を受けている間についても「生活資金」の単独貸付を可能とし、母子家庭等の自立を積極的に促進する。

 ○  児童扶養手当  3,508億円
 児童扶養手当給付費負担金の改革については、平成16年11月26日の政府・与党の合意において「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する」こととされている。

 児童手当国庫負担金 3,177億円(3,175億円)


第3  安心・安全な職場づくりと公正かつ多様な働き方の実現

 経済環境が著しく変化する中で発生している重大な災害を防止するとともに、職場における化学物質管理を促進すること等により労働者の健康障害予防を図る。
 特に、アスベストによる健康障害に関する対策を充実強化するため、建物の解体現場への監督指導等による石綿飛散防止対策を徹底し、石綿製品の早期代替化に向けた施策を推進するほか、石綿作業離職者の健康管理の充実等を図る。
 また、男女雇用機会均等の更なる推進やパートタイム労働対策の充実などにより、公正かつ多様な働き方を実現する。

 アスベスト対策の適切な実施 16億円(4.9億円)

 ※  アスベスト問題へ早急に対応するため、17年度において、建築物の解体時等の飛散予防の徹底、製造・新規使用等の早期の全面禁止に向けた取組、健康相談窓ロの開設等の取組について重点的に実施するほか、病院等におけるアスべストの使用状況等について、早急に調査を行っているところである。
 18年度については、下記の施策のほか、現在行っている調査の結果等を踏まえ、予算編成過程において、必要な予算措置の検討を行う。

 ○  建築物の解体時等の飛散防止の徹底  7.5億円
 発注者、建築物解体事業者を対象に、石綿ばく露防止マニュアル等に基づく説明会を開催するほか、事業主団体によるパトロールの実施等により、石綿飛散防止対策を徹底する。また、解体工事現場等に対する監督指導を実施する

 ○  製造・新規使用等の早期の全面禁止  28百万円
 石綿含有製品の製造等の全面禁止に向けて、石綿含有製品の代替化についての専門家検討会を開催し、その結果を踏まえ、早期代替化に向けた対策を推進する。

 ○  過去に石綿作業に従事した労働者の健康管理の充実強化等  3.3億円
 健康診断の受診を広く呼びかけるとともに、健康管理手帳の交付要件の見直しを含め、石綿作業離職者の健康管理の充実を図る。
 また、石綿による疾病に関する労災補償制度の周知徹底を図るとともに、医療機関等に対し、診断技術研修を実施する。

 安全に安心して働ける労働環境の整備 69億円(66億円)

(1) 職場における安全衛生対策の推進
 49億円
 ○  事業者による自主的な安全衛生活動の促進  2.2億円
 事業場における危険性、有害性等の調査結果を踏まえて作成した安全衛生計画の実施、評価、改善を行う自主的な取組みである「労働安全衛生マネジメントシステム」の普及を推進し、安全衛生水準のより一層の向上を図る。

 ○  職場における化学物質管理の促進  20億円
 化学物質管理に係る人材養成研修、GHS対応のモデル表示・文書例の作成等を行い、事業者が行う化学物質管理を支援するとともに未規制化学物質について、有害性等のリスク評価を行う。

 ○  過重労働による健康障害防止対策の推進  27億円
 事業主が留意すべき事項をまとめた手引きの普及・啓発を行うとともに、地域産業保健センターにおける面接指導の窓口の充実等を図る。

(2) 職場におけるメンタルヘルス対策の拡充
 4.9億円
 ○  事業場におけるメンタルヘルス対策への支援  2.6億円
 事業場の要請に応じてメンタルヘルスに関する専門家を派遣し、指導助言を行うとともに、管理監督者等に対する研修等を実施する。

 ○  メンタルヘルス相談実施体制の整備  2.3億円
 地域産業保健センターにおいて、保健所等地域の保健機関と協力し、労働者及びその家族を対象としたセミナーや相談会を実施する。
 また、産業医等を対象にメンタルヘルスに関する知識、対応方法等について研修を実施する。

(3) 労災かくし対策の推進
 28百万円
   労災かくしの排除に向けて、建設業関係者による協議会を開催するとともに、周知徹底と行政指導の一層の強化を図る。

(4) 総合的な個別労働紛争対策の推進
 15億円
   増加する個別労働紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るための紛争解決制度を着実に推進する。

 公正かつ多様な働き方の推進 20億円(14億円)

(1) 男女雇用機会均等の更なる推進
 3.1億円
   男女雇用機会均等確保のため、積極的な行政指導を展開するとともに、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの問題等、労働政策審議会雇用均等分科会の検討結果を踏まえ、均等施策の充実を図る。

(2) 短時間正社員など公正かつ多様な働き方の推進(再掲)
 89百万円
   マニュアルの普及及び業種別団体におけるモデル事業の実施により、適正な評価と公正な処遇の図られた短時間・短日勤務の正社員制度等の普及を図る。

(3) パートタイム労働対策の充実(再掲)
 6.4億円
 ○  均衡処遇推進のための事業主への支援の充実  5.6億円
 短時間労働者雇用管理改善等助成金を抜本的に見直し、パートタイム労働者の均衡処遇に向けた事業主の取組への支援を強化する。

 ○  時間比例賃金の導入に向けたモデル事業の実施  78百万円
 業種別団体において労働時間に比例した賃金制度の導入のためのモデル事業を実施し、普及を図る。


第4  各世代に必要とされる職業能力の開発・向上の促進 〜2007年問題への対応〜

 人口減少社会の到来により、経済社会を支える者が減少する一方で、若者をはじめとする人材育成が進まず今後の我が国の産業を支える人材の質が低下し、生産性の向上が困難となることが懸念されている。加えて、2007年から「団塊の世代」が引退過程を迎えることによる技能継承の問題なども重要な課題となっている。このため、若年、壮年、高齢といった各世代に必要とされる職業能力の開発・向上を促進するとともに、「団塊の世代」の高齢化に伴う技能継承問題に対する支援を実施する。

 成長過程にある若者の職業人としての自立の推進 153億円(136億円)

(1) 実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の推進
 103億円
   若者の実践的で効果的な職業能力開発を支援するため、企業実習と座学を連結させた教育訓練(日本版デュアルシステム)を導入する企業に対する助成措置の拡充等導入環境の整備を行い、同システムの社会的定着を図る。

(2) ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築
 11億円
   各地域に「地域若者サポートステーション(仮称)」を設置し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談を行うとともに、地域の若者支援機関のネットワークを構築し、その中核として各機関のサービスが効果的に受けられるようにすることにより、ニート等の自立を支援する。

(3) 若者自立塾の拡充
 17億円
   合宿形式による集団生活の中で、生活訓練、労働体験等を通じて、職業人、社会人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図り、働く自信と意欲を付与する「若者自立塾」を拡充する。
20箇所→40箇所

(4) 学卒、若者向けの実践的能力評価・公証の仕組みの整備
 5.8億円
   学卒、若者が、職業能力開発について目標を持ち、意欲を持って取り組むことができるよう、若年者就職基礎能力支援事業(YES(イエス)−プログラム)の普及促進を図るとともに、3級技能検定職種の拡大を図る。

(5) 民間におけるeラーニングの活用の促進
 1.6億円
   インターネット等を利用し、いつでもどこでも能力開発ができる仕組み(eラーニング)の活用を促進するため、eラーニングに関する情報提供体制の整備等を図る。

 社会の中核である壮年者層の能力開発の推進 122億円(120億円)

(1) 個人のニーズを踏まえた能力開発に取り組む企業への支援の拡充
 82億円
   労働者に対して時間的、金銭的配慮を行う等労働者個人のニーズを踏まえた能力開発に取り組む企業に対する助成措置を拡充する。

(2) 事業主の人材育成能力の強化
 17百万円
   企業の教育訓練担当者を育成する訓練カリキュラムの開発・普及を図る。

(3) キャリア・コンサルティングの推進
 40億円
   民間機関、職業能力開発大学校等におけるキャリア・コンサルタントの養成を推進し質の向上を図るとともに、企業内におけるキャリア・コンサルティング導入のための講習等を行うなど、キャリア形成支援を推進する。

 職業生活の転換期にある高齢者のキャリア形成の支援 12億円(12億円)

(1) 地域における創業を支援する能力開発の推進
 5.3億円
   地域における創業や新分野展開に係る相談援助、能力開発を実施する体制を整備する。

(2) 起業等を支援するための多様な職業訓練機会の確保
 7.1億円
   高齢者の起業等を支援するため、そのニーズに応じた委託訓練を推進する。

 キャリア形成支援のための能力開発基盤の整備 209億円(219億円)

(1) 幅広い職種を対象とした職業能力評価制度の整備
 2.3億円
   労働者のキャリア形成や労働市場の機能強化を図るため、ホワイトカラーを含め、幅広い職種を対象とした職業能力評価基準の策定を業界団体等との連携の下で進めるとともに、策定された評価基準等の普及促進を図る。

(2) 民間教育訓練機関の積極的な活用等効果的な職業能力開発の推進
 205億円
   専修学校等の民間教育訓練機関を活用した職業訓練を推進し、人材ニーズに的確に応えた効果的な職業能力開発を促進する。

(3) 能力開発に積極的な企業を推称する制度の創設(新規)
 45百万円
   能力開発に積極的に取り組む企業についてその内容、成果等を評価・公表し、企業による職業能力開発の取組の促進に視する制度を創設する。

 団塊の世代の高齢化に伴う技能継承等の支援 11億円(6.7億円)

(1) 2007年問題に直面する中小企業等への技能継承支援の創設
 4.5億円
   技能継承に係る相談窓口の設置、中小企業団体等による技能継承支援の推進、技能継承を行う企業に対する助成制度の創設等により2007年からの団塊世代の引退に伴う問題に取り組む企業を支援する。

(2) ものづくり立国の推進
 5.3億円
   工場、民間・公共の訓練施設等の親子等への開放促進、ものづくり技能に関するシンポジウムの開催、若者によるものづくり技能競技大会の実施等を通じ、ものづくりに親しむ社会を形成し、その基盤の上に熟練技能の一層の高度化を図る。

(3) ITを活用した新しい安全衛生管理手法の開発(新規)
 1.1億円
   2007年問題をはじめとする労働の現場を取り巻く状況変化に伴う事業場における安全衛生水準の低下に対応するため、近年進歩の著しいIT技術を駆使した新たな安全衛生管理手法の構築を図る。


第5  フリーター、ニート等若者の人間力の強化の推進

 若者の職業意識の変化や人材ニーズの変化等を背景としたフリーターの増加傾向の転換を確かなものとするため、フリーター25万人常用雇用化プランを推進するとともに、ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築、若者の就業をめぐる悩みに対する専門的な相談体制の整備など、働く意欲や能力を高めるための総合的な取組により若者の職業的自立を促進する。また、学生から職業人への円滑な移行の実現を図るため、募集採用方法等の見直しなどを推進する。

 フリーター25万人常用雇用化プランの推進 254億円(224億円)

(1) ジョブ・カフェ等によるきめ細かな就職支援
 27億円
   若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブ・カフェ)において、フリーター向けのセミナーを充実するなど、若者の状況に応じたきめ細かな就職支援を実施する。

(2) フリーター常用就職支援事業の強化
 6.4億円
   フリーターの常用雇用化を促進するため、全国のハローワークにおいて、若年者ジョブサポーター等の担当制による一貫した就職支援措置を拡充実施する。

(3) 若年者試行雇用事業の拡充
 110億円
   若年者試行雇用事業について対象者数を拡充するとともに、新たに長期若年無業者等を対象に、働く自信と意欲を高めつつ、段階的に常用雇用への移行を促進するため、短時間勤務による試行雇用事業を実施する。
対象者数 60,000人→73,000人

(4) 実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の推進(再掲)
 103億円
   若者の実践的で効果的な職業能力開発を支援するため、企業実習と座学を連結させた教育訓練(日本版デュアルシステム)を導入する企業に対する助成措置の拡充等導入環境の整備を行い、同システムの社会的定着を図る。

(5) フリーターの正社員登用の促進(新規)
 60百万円
   フリーター正社員登用マニュアルの開発・普及、経済団体の協力によるモデル事業の推進等により、フリーター正社員登用に取り組む企業の拡大を図る

(6) 若者に対する農業就業の支援
 1.6億円
   フリーター等の若者に対し農作業を体験できる機会等を提供し、働くことについての意識の明確化を図るとともに、農業への就業を希望する者に対しては、情報提供や農業研修のあっせん等により農業への就業を支援する。

 若者の働く意欲や能力を高めるための総合的な取組 113億円(88億円)

(1) ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築(再掲)
 11億円
   各地域に「地域若者サポートステーション(仮称)」を設置し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談を行うとともに、地域の若者支援機関のネットワークを構築し、その中核として各機関のサービスが効果的に受けられるようにすることにより、ニート等の自立を支援する。

(2) 若者の就業をめぐる悩みに対する専門的相談体制の整備(新規)
 4.9億円

(3) 若者自立塾の拡充(再掲)
 17億円
   合宿形式による集団生活の中で、生活訓練、労働体験等を通じて、職業人、社会人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図り、働く自信と意欲を付与する「若者自立塾」を拡充する。
20箇所→40箇所

(4) 無償の労働体験等を通じての就職力強化事業(ジョブパスポート事業)の充実
 1.5億円
   ボランティア活動など無償の労働体験の活動実績を記録し、企業の採用選考に反映されるよう、「ジョブパスポート」の普及、内容の充実を図る。

(5) 若者の人間力を高めるための国民運動の充実
 2.7億円
   若者の雇用問題についての国民各層の関心を喚起し、若者に働くことの意義を実感させ、働く意欲・能力を高めるため、経済界、労働界、教育界、地域社会、政府等の関係者が一体となって取り組む国民運動の充実を図る。

 学生から職業人への円滑な移行の実現 7.6億円(8億円)

(1) 若者の募集採用方法等の見直しの推進(新規)
 80百万円
   若者の就職機会の拡大、公平性の確保等を促す観点から、若者募集採用マニュアルの開発・普及、経済団体の協力によるモデル事業の推進等、若者の募集採用方法等の見直しの取組を推進する。

(2) 若者向けキャリア・コンサルタントの養成・普及の推進
 1.1億円
   若者向けのキャリア・コンサルタントを職業能力開発大学校等で養成するとともに、市町村の既存施設等を活用したキャリア・コンサルティング等を実施する。

(3) 学卒、若者向けの実践的能力評価・公証の仕組みの整備(再掲)
 5.8億円
   学卒、若者が、職業能力開発について目標を持ち、意欲を持って取り組むことができるよう、若年者就職基礎能力支援事業(YES(イエス)−プログラム)の普及促進を図るとともに、3級技能検定職種の拡大を図る。

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