05/08/02 独立行政法人評価委員会労働部会(第19回)議事録          独立行政法人評価委員会労働部会(第19回)議事録                           平成17年8月2日(火)                           9:00 〜 12:00                           厚生労働省専用18〜20会議室  出席者:井原部会長・篠原部会長代理・今村委員・小畑委員・川端委員・寺山委員      久道委員・松田委員・宮本委員(五十音順) 1.開会 ○井原部会長  それでは第19回の独立行政法人評価委員会労働部会を開催させていただきます。委員 の皆様におかれましてはお忙しい中をお集まりいただき、まことにありがとうございま す。今回は宇佐美委員と本寺委員が御欠席でございます。  初めに事務局から、本日の議事について簡単に説明をお願いいたします。 ○政策評価官  おはようございます。昨日に続きまして、本日もどうぞよろしくお願い申し上げま す。  本日は労働政策研究・研修機構の個別評価をお願いいたします。評価の進め方としま しては、昨日と同様でございまして、本日は評価項目が全部で20項目ございます。また 4つのグループに分けまして、昨日と同じような進め方で、12時までの予定でございま すので、よろしくお願い申し上げます。 2.議事 ○労働政策研究・研修機構の個別項目に関する評価について ○井原部会長  それでは始めさせていただきます。まず労働政策研究・研修機構の小野理事長から、 法人の平成16年度の事業のうちで特に重点的な事業についての報告をお願いしたいと思 います。 ○小野理事長  おはようございます。お暑い中、委員の皆様にはお集まりいただきまして大変ありが とうございます。私は独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事長の小野でございま す。座って説明をさせていただきます。  本日は労働部会の皆様方に、私どもの機構の平成16年度の業務実績について御評価を いただくわけでございますが、最初に私から、理事長として16年度の業務運営にあたっ て重点課題として特に留意して取り組んだ点につきまして、皆さんのお手元に資料3と いうのがございますが、それに基づいて簡単に説明をさせていただきます。  15年度は法人発足初年度として、業務評価制度や人事評価制度の創設など、さまざま な改革を行い、役職員一丸となって業務に取り組んでまいりましたが、期間としては平 成15年の10月から翌年の3月まで、つまり6か月の期間しかありませんでした。各種制 度を確立することが中心でありました。16年度におきましては、こうした諸制度を年間 を通じて的確に運営し、すぐれた成果を安定的に提供できるかが問われる年度であると 考え、以下に申し上げます5つの重点課題を中心に業務運営に取り組んでまいりまし た。  まず第1、これは先ほどの資料の4ページから6ページのところをご覧いただきたい わけでありますが、第1は効率的で質の高い業務運営を進めていくと、こういうことで あります。御承知のとおり、当機構は日本労働研究機構と厚生労働省の労働研修所が統 合されてできた組織であります。  私は、新法人は単に2つの組織の延長線上にあるのではなく、研究を中心としてその 成果を研修に生かすという有機的な統合の上に立って業務運営を行う新しい組織として 心機一転を図らなければならないと、こういうふうに考えました。そのため、15年度に すべての事業を対象とした業績評価制度を確立したところであり、16年度はこの制度を 着実に運用することで、より効率的で質の高い業務運営を進めていくことを第1の課題 として取り組んでまいりました。  その結果、これは資料の4ページの右側を見ていただきたいのですが、左側に黄色い ブロックがあります。これは取り組みを書いて、矢印があって、右側のブルーのところ が結果であります。いちいちこの中身は私、お読みいたしませんけれども、あとで総務 部長より説明がありますのでその説明はいたしませんが、その辺をごらんになりながら お聞きいただきたいと思います。この資料4ページの右側にありますように、16年度に おきましても事業の運営管理が適切に行われ、年度計画の数値目標については基本的に すべての項目においてこれを達成することができました。  もう1つ、業務運営を行う上で重要なことは、外部の方々の意見に対して常に感度を 高くし、業務改善に役立つものは直ちに実行に移すということであります。特に昨年の 当部会で委員の皆様からいただいた多くの貴重な御意見につきましては、迅速な見直 し、改善に取り組みまして、資料5ページの右側にありますように、政策の企画立案に 資する直接的な評価の仕組みの策定、あるいはアンケート調査の項目を見直し、具体的 な理由も把握する、こういうようなことを早速、16年度の事業運営に反映させていただ きました。  第2番目の課題、これは資料の7ページから9ページをごらんいただきたいのであり ますが、これは質の高い研究成果を提供するということであります。機構業務の一番の 目的は、我が国唯一の労働政策研究機関として、質の高い研究成果を数多く提供し、労 働政策の企画立案に資するということです。このため、15年度は研究体制の再編と研究 成果の内部評価の実施による効率的な研究の推進と研究成果の質の向上に取り組み、そ の結果、当部会からも高い評価をいただくことができました。  16年度は、すぐれた成果を安定して供給していくことを課題として取り組み、研究員 が内部評価と外部の先生方による外部評価の流れに合わせて、1年を通じて着実に研究 活動を進め、かつ互いに切磋琢磨を図ることができた結果として、資料7ページの下段 にありますが、外部評価において数値目標の「優秀な研究成果10件以上」と、これが目 標の数字ですが、それの3.5倍に当たります「35件」が優秀との評価をいただき、内容 的にも十分な成果を安定して供給することができたと思います。  ただ、質の高い成果の数が多ければよいというだけではありません。こうした成果が 労働政策の企画立案に役立たなければ意味がありません。このため、資料8ページにご ざいますように、16年度から新たに企画立案への貢献度を測る尺度として、視点別評価 の活用や、要請研究の厚生労働省による評価の実施などを行いまして、貢献度の把握に 努めたところですが、引き続きこの点については努力をしていきたいというふうに考え ております。  3つ目の重点課題、これは資料の10ページ目をごらんいただきたいと思います。これ は、機構の研究成果をいかにわかりやすく迅速に提供していくかということでありま す。研究成果については、すぐれたものでなければならないことは言うまでもありませ んが、それと同時に、その成果をいかにして労働問題にかかわりのある方々にわかりや すく迅速に提供していくかということも重要な課題であります。  そこで、平成16年度からは、資料10ページにございますようにその時々の喫緊の労働 政策課題に重点を置いて成果を提供することといたしまして、特に16年度におきまして は、委員の皆様方も御承知のとおりフリーターやニートといった若年者の雇用問題が大 きな課題となっておりますことから、若年雇用問題を重点テーマとし、多様な形で若年 者の適職選択、就職支援のための取り組みを実施してまいりました。中でも、16年度に 新たに実施した「キャリアガイダンスツール講習会」、こういうものがあるわけです が、これは労働大学校の研究機能と研修ノウハウを活用したものである点で、研究と研 修の有機的な連携が結実したものと考えております。また、学校の進路指導者の方々な ど民間に対象を拡大して実施した点でも、独法後の新しい研修の取り組みになったと考 えております。  なお、17年度は、いよいよ研修研究部門が労働大学校に移転することから、研究と研 修のいっそうの連携強化を図るとともに、民間研修のさらなる充実を17年度以降の重要 な課題として取り組んでまいりたいと考えております。  4つ目の重点課題、これは11ページから12ページをごらんいただきたいと思います。 これは人材の確保と育成ということであります。効率的な業務運営、質の高い成果の提 供のために欠かすことができないのが、言うまでもなく職員の資質の向上であります。 昨年度より、研究員については新たな採用はすべて任期付としたこと、事務系職員につ いてはリサーチ職の創設、などにより資質の向上を図ってきたところですが、16年度は さらに一歩進んで、より専門性を高めることに重点を置いて育成に取り組みました。  私は研究員に対しまして常々、研究報告書を書くにあたっては労働政策研究に資する 学位論文の一章一章を書くようなつもりで取り組んでほしいと申し上げております。特 に若い研究員にとっては、そうすることで研究能力も向上し、研究成果の質も高いもの になると思っているからであります。16年度におきましては、資料11の右側にあります ように、任期付研究員5人の研究成果、これは11本出たわけでありますが、そのうち9 本が外部評価で優秀の評価をいただくことができました。また、中堅の研究員が研究成 果に基づいてまとめた論文で博士号を取得するなど、大きな実績を上げることができま した。  事務系職員につきましても、15年度のリサーチ職や休職留学制度の創設に加えまし て、16年度におきましては、これは資料12ページの上段にありますが、社会人大学院で の就学を支援する制度や、推薦により法政大学大学院政策科学研究科へ職員を派遣する 制度を新たに創設いたしました。法政大学については、応募者3人について厳正な論文 審査を行い、リサーチ職1人の派遣を決定したところであります。さらに、昨年度の研 究職に続き事務職についても表彰制度を創設いたしまして、16年度には事務職員の中で 大学院で修士号を取得した職員が1人おりました。その人を表彰したところでありま す。  最後の5番目の重点課題、これは経費の節減であります。13ページをごらんいただき たいと思います。機構の運営費のほとんどが国の予算でまかなわれていること、また中 期目標におきまして大変大きな節減目標が掲げられていることから、常に経費の節減を 念頭に置いて事業運営を行っているところであります。15年度は海外旅費の適用を原則 全員エコノミークラスとするなどの取り組みを行いましたが、16年度も、資料13ページ 右側にございますように、引き続き省資源、省エネルギーの推進や一般競争入札の実施 などに積極的に取り組み、大変大きな成果を上げることができました。この結果、一般 管理費等及び業務経費ともに、16年度において中期目標の削減目標を達成することがで きたわけであります。  以上、16年度の業務運営にあたって私が特に留意して取り組んだ重点課題につきまし て説明させていただきましたが、こうした課題を中心に役職員が一丸となって着実に業 務を推進してまいりました結果、16年度の計画の目標値は基本的にすべて達成すること ができたと思います。  引き続きまして、個別評価シートに基づき、総務部長より詳細な説明をさせていただ きます。 ○井原部会長   どうもありがとうございます。何か御質問があればお願いしたいと思います。  よろしゅうございますか。それでは個別評価に入りたいと思います。  個別項目は、先ほど事務局からお話がありましたように4つのグループに分けており ますので、まず第一グループの評価項目1から5までの業務につきまして説明をお願い いたします。 ○姉崎総務部長  それでは説明をさせていただきます。資料ナンバー1の1ページ、2ページでござい ます。評価シートの1でございます。  右側の「16年度の業務の実績」のところでございますけれども、最初に「省資源・省 エネルギーの推進」でございます。16年度の新たな取り組みといたしましては、2行目 にございますけれども、昼休みの執務室の一斉消灯ですとか、夏は冷房を28℃にする、 冬は暖房を20℃に設定をするというような取り組みを行いまして、光熱水道料につきま して前年度比で12.4%の節減を図ったということでございます。あわせて紙の節約等に も取り組んだということでございます。  (2)の一般競争入札の関係につきましては、3行目にございますけれども、16年度 は前年度の2.8倍にあたります67件、節約額で約1億円ということの節約ができました。 なお書きで書いてございますけれども、新たに見積もり合わせの一般公告基準を50万円 まで引き下げまして、さらなる透明性等の確保を図ったということでございます。  業務処理の効率化の見直しの関係につきましては、ポツがついてございますけれど も、決裁権限の下位への委譲ですとか決裁手続きの迅速化等々、すぐできることにつき ましてはすぐに実施をしたと。それから2つ目のポツに、すぐにはできないようなこと につきましても、その個別の課題を整理したということでございます。3つ目に、業務 処理システムの最適化でございます。これは前回のこの部会におきまして、篠原委員の ほうから、情報システムの費用削減に向けた取り組みについて御報告をいただきたいと いうことがございました。それで16年度はこの最適化につきまして、予備調査として現 行のシステムの契約の実態等々について調査をいたしまして、システム監査につきまし ては先般企画コンペを行いまして、業者の選定を今進めているところでございまして、 この8月から業者を決めて3か月ぐらいかけてシステム監査に取り組むと。主としてコ ストの効率性とか契約の妥当性というところを中心にして、システム監査を行う予定に してございます。  その下の○でございますけれども、職員の提案に基づきまして、メール便を活用する ことにいたしまして、郵便料金の節約を図ったということでございます。  (4)で、以上の結果として、一般管理費につきましては、14年度と比較して16年度 予算で24.3%、決算ベースで25.7%の削減と。それから業務経費につきましては、15年 度予算と比較して16年度予算で4.2%の節減、決算ベースで18.4%の節減を図ることが できたと、こういう実績でございます。  自己評価は、一番最初の紙からSをつけて大変恐縮でございますけれども、Sという ことにさせていただきました。  理由でございます。1点目は、最初のポツでございますけれども、昨年度18.5%の節 減をいたしまして、昨年のこの部会におきまして「よくやっているけれども、どこの法 人も最初にこういうのは取り組むのだし、初年度効果もあるだろう」というようなこと を言われまして、それに少し発奮もいたしまして「よし、16年度もがんばるぞ」という ことで、12.4%の節減ということで2年連続で2桁の節約ができたということが1点で ございます。  2点目でありますが、一般競争入札につきましては15年度24件で、14年度に比べて 2.2倍ということだったのですが、その前年度に比べて2.2倍の24件に対してさらに2.8 倍の67件、それから節約額については約1億円という大幅な節約ができたということで ございます。  3点目に、その下のポツでございますけれども、特に業務の効率化の取り組み等を推 進し、特に紙でございますけれども、紙についても枚数ベースで4.2%の節減、金額ベ ースで約14%の節減ということで、取り組みができて成果が出たと。  4点目に、メール便でございますけれども、大きく削減ができたと。  最後に5点目ですけれども、以上の結果として、中期目標の削減目標を基本的に達成 することができたということでございます。予算ベースでは、目標は左の一番上にござ いますが、一般管理費等については25%相当ということで、予算ベースで16年度、達成 することは難しいなと。そんなすぐにできるわけはないのですけれども、決算ベースで 見ると達成ができたと、こういうことでございます。  次の評価シートの2で、3ページ、4ページでございます。最初に3ページの上の 「業績評価制度の運用」ということで、理事長のリーダーシップのもとでの的確な業務 運営ということで、イの(1)にございますけれども、私どもは月次で業務実績管理を実 施しております。16年度は特に、当月の実績のほかに累計の実績も併記をするようにし て、進捗状況のより的確な把握に努めたということでございます。(2)にございますと おり、四半期ごとには内部評価を実施いたしました。  ロで外部評価でございますけれども、事前と事後の外部評価をいたしましたけれど も、16年度の業務実績につきましては、6月20日に私どもの外部評価機関で外部評価を 受けまして、私どもの行った自己評価につきましては「妥当である」という評価をいた だいたところでございます。  ハの「評価結果の公表」でございますけれども、独法評価委員会の評価結果につきま してはすぐに周知をしたわけでございますけれども、特に先ほども理事長から御説明を させていただきましたが、指摘事項につきましてはすぐに迅速に取り組むと。理事長は いつも、とにかくやれることは迅速にやれということでございますので、迅速に取り組 むと。それから評価結果につきましては、職員にも広くその周知徹底をしたところでご ざいます。  (2)の「業務運営に関する意見及び評価の把握・反映」ということでありますが、 最初にホームページ等を通じた意見の把握ということで、具体的な改善の例ということ で、3点ばかりつけてございます。  1つは、ホームページ上で労働政策課題について特集を組んだり、職業情報データベ ースの改善を行ったり、それから企業の皆さん方から「このアンケート調査の依頼が来 たのだけれど、本当にJILPTでこういうのをやっているんですか」というような問 い合わせが結構あったりするものですから、機構の実施中のアンケート調査の情報をホ ームページで掲載するなどの改善を行いました。  それからロの「有識者アンケート等の実施」でございますが、最初の○で「行政官ア ンケートの実施」というのがございます。これは昨年度の評価の中で、直接的なその評 価に近づけるための工夫も必要であるという御意見をいただきまして、その一環とし て、厚生労働省の旧労働部局の課長さん、室長さんを対象に、私どもの成果が役に立っ ているかというアンケート調査を実施いたしています。  今年の1月から2月にかけて実施をいたしまして、旧労働部局の63の課・室長さんを 対象に実施をいたしまして、回答は残念ながら半分ぐらいの30人でしたけれども、30人 の課・室長さんから御回答をいただきまして、一応、多くの方々から「有益である」と いう評価を得ました。その役立った理由ということで、ここにいくつか書いてございま す。あまり有益でないというお答えがお2人ございましたけれども、あまり有益でない とお答えになったお2人というのは、適切かどうかあれですが、化学物質対策課長さん と化学物質評価室長さんでございます。今、アスベスト問題で大変でありますけれど も、基本的に私どもの業務と関係がない課・室長さんでございますので、役に立たない という答えもそれは当然だろうというふうに思いました。  それから(2)の有識者アンケートでございます。これは学識者、労使等を中心に約 1,800名の方を対象に実施をいたしまして、回収率は37.9%で、662人の方から御回答を いただきました。これにつきましても、多くの方々から機構の業務は「有益である」 と。有益と評価する理由についても把握をさせていただきました。それから、「有益で ない」という御回答が662人のうち31人いらっしゃいましたけれども、研究者が中心で ございましたので、一応「現時点で必要な情報がない」とか、「新しい情報がなかった 」というような答えでございました。これも対象が研究者の方中心でございましたの で、やむを得ないことかと思ってございます。  自己評価はAというふうにつけてございますけれども、Aをつけました理由でござい ます。1点目は最初のポツでございまして、月次の報告等工夫をしながら取り組みまし て、取り組んだ結果、先ほど理事長からも説明がありましたように、基本的にすべての 数値目標を達成することができ、外部評価におきましても「機構の自己評価は妥当であ る」という評価を得たということが1点でございました。  2点目は、2つ目のポツにございますけれども、理事長のリーダーシップのもとで、 外部からの指摘事項につきましては16年度の後半以降、迅速に取り組むことができたと いうことでございます。  3点目は、その下のポツでございます。外部の意見等を踏まえて、ホームページの改 善等々、業務運営の改善に迅速に反映をしたということでございます。  4点目は、行政官アンケート、あるいは有識者アンケート等におきまして、私どもの 活動について「有益である」というお答えを多くいただいたということでございます。  次に評価シートの3でございまして、今度は調査研究の関係でございます。5ページ が「調査研究の実施」ということでございます。16年度におきましては、(1)のイに ございますとおり、9件のプロジェクト研究、37件の個別研究、合計で46テーマの調査 研究に取り組んだということでございます。  その内訳として、下に表がございますけれども、表の中の左側にあります、上の9が プロジェクトですが、その下の個別研究の37ですが、37のうち10テーマが厚生労働省か らの要請に基づいて設定をしたテーマ、残りの26が私どもの独自のテーマ。それで、10 テーマに年度途中から1件、これをやってくれと厚生労働省から来ましたので、要請研 究は合計で11テーマというふうになります。それなので、プロジェクトが9テーマ、要 請研究が11テーマ、私どもの独自設定テーマが26テーマと、こういうことで取り組んだ ということでございます。  取り組んでまとめたのかということで、一番下の(ロ)の「研究の実施と成果」とい うことで、次の6ページでございますけれども、全体として46テーマが計画をされ、こ のうち44テーマにつきましては中間まとめ的なものを含めまして成果をとりまとめたと いうことでございます。差し引きの2テーマについては、諸般の事情により17年度に変 更したということでございます。  (ハ)の「政策に資する質の高い成果の確保」ということでございますが、(1)で行 政官アンケートに基づく活用実績25件、これは16年度に初めてやりましたので、絶対数 の25件しか書いてございません。これは先ほど申しました本省の課・室長さんを対象に アンケートをやって、「あなたが新法人発足以降に出した研究報告書の中でどれが役に 立ったか、というのを自由記述で書いてください」というふうに書いていただいたもの でございます。30人の課・室長さんから回答がありまして、そのうちの25件書いていた だいたものでございまして、特に若年者問題などを中心に活用していただいたというこ とでございます。  (2)で「研究成果の行政等における引用状況」ということで、合計229件というふうに いろいろ書いてございますけれども、一番下の3つ目で、専門図書等での調査研究成果 の掲載引用というのが188件ということで、一番多くなってございます。  それから次のページの7ページでございますけれども、(3)で、審議会等への参画と いうことで、研究員の各省庁の審議会、研究会への参画。それから(4)で、その他の活 用ということで実績が書いてございます。  自己評価はAというふうにさせていただいてございますけれども、理由でございま す。  まず1点目は、2つ目のポツでございますけれども、特に9つのプロジェクト研究、 これは3年半をかけて取り組むものでございますけれども、これも昨年、当部会におき まして、中長期的な研究につきましては、この中長期的な目標に沿って研究活動が行わ れているかどうかということに留意をしてほしいということがございまして、3年半に わたる研究プランを策定し、私どもの外部評価機関にかけたということでございます。  2つ目が、4番目のポツになります。昨年4月から研究活動記録システムというのを 稼動させまして、研究全体の適切な進捗を図ったということでございまして、研究活動 が円滑に推進をされたという点でございます。  3点目が、その下でございます。行政官アンケートでございますけれども、絶対数の 実績だけで比較ができないのですけれども、30人の方々から忙しい中でも自由記述で25 件も書いていただいたということで、これはかなりだろうというふうに思いまして、A をつけた理由の1つにさせていただいてございます。  4点目がその成果の活用ということで、白書、新聞、雑誌等で約230件近くの引用等々 があった。それから成果の数がふえてまいりましたので、マスコミ取材等もふえました し、ホームページの調査研究成果に対するアクセス件数も非常にふえたと、こういうこ とでございます。  5点目に、一番下のポツにございます、特に16年度の重点テーマでございました若年 者雇用問題につきましては、第一級の研究機関として広く認知されたのではないかとい うことで、全体としてAという評価をつけてございます。  次に評価シートの4でございます。8ページでございまして、今度は研究の実施体制 の話でございます。  (イ)で研究の実施体制ということで、9つのプロジェクト研究のテーマに対応いた しまして9つの研究部門を設けて積極的に取り組んだ。それから、外部のすぐれた先生 方にいろいろとアドバイスをいただくということで特別研究員制度というのをつくって おりますけれども、1名増加して15名を配置したということでございます。それから (イ)の5番目の○にございますけれども、研究業務マニュアルというのをつくってご ざいます。これにつきましては、レビュー方法、評価方法の改善、あるいは決裁事務の 合理化等々を行いまして、それから研究員が経理事務等に不慣れでございまして、あま りそんなところに時間をとられていると本来の研究業務に差し支えるということで、そ こら辺をちゃんと読めばできるようにということでまとめた研究業務マニュアルを大幅 に改訂いたしまして、これによりまして研究活動の効率的な実施が図られたということ でございます。  (ロ)の「研究ニーズの把握・シーズの発見」。これはどういうふうに研究テーマを 設定しているのかということでございまして、報告書に添付したアンケート調査等で広 く意見を聞くと。それから2つ目の○で、厚生労働省からの要請については厚生労働省 からよく聞くと。それから4つ目にございますけれども、労使です。特に日本経団連や 連合等々、労使から意見を聞くと。それからその下にございますリサーチ・アドバイザ ー部会、総合評価諮問会議、私どもの外部評価機関の先生方の意見を聞くと。こうした ものを聞きながら、理事長をトップにして研究計画のヒアリングをし、研究計画をつく っていくと、こんなふうに進めているところでございます。  次の行政への機動的な対応で、次のページでございますけれども、特に16年度におき ましては、一番上にございますけれども、厚生労働省のほうで今後10年間の雇用政策の あり方について行う「雇用政策研究会」というものがございまして、理事長がその座長 になるとともに研究員が委員として参画をし、雇用政策の企画立案に貢献をしたという ことでございます。  ハの「他の政策研究機関との連携」ということでございまして、(イ)の国内研究機 関との連携につきましては、他の研究機関等の研究者、実務家の方に多く私どもの研究 に参画をいただいたということでございます。(ロ)が海外の研究機関との共同研究。 これは数値目標で4件以上ということになってございますけれども、実績として5件の 共同研究を行ったということでございます。(1)が5か国の関係です。(2)が第1回のグ ローバル労働フォーラムということで、11か国の皆さんとフォーラムを開催したと。  ページをめくっていただきまして、(3)で、日本、中国、韓国で行っておりますワー クショップ。(4)が、アジア9か国で行っております人の移動に関するワークショップ。 それから(5)で地域雇用開発研究についてのワークショップ。これはアメリカ、カナダ 等の8か国とOECD、EUの皆様方に来ていただきまして、今年の2月に行いまし た。これの成果につきましては、広く世に知らしめたいということで、日本経済新聞社 のほうから申し出がございまして、この中身につきましては、日本経済新聞社のほうが 本にして出版をすると、こういうようなことになってございます。  自己評価はAというふうにさせていただきましたけれども、Aにした理由でございま す。最初が、2つ目のポツでございますけれども、当部会、それから私どもの外部評価 機関の意見等を踏まえまして、レビューや評価方法の改善、それから決裁事務の関係 で、研究業務マニュアルを大幅に改訂いたしまして、その結果、研究業務の効率的な推 進が図られたということでございます。  2つ目に、調査研究シーズの発見・発掘に当たって、理事長をトップに研究ヒアリン グなどを通じて適切に実施をできたと。  3点目に、特に雇用政策研究会の関係。これにつきましては、ちょうど昨年の10月か らスタートしたのですけれども、この7月の27日に報告書が発表されまして、「人口減 少下における雇用労働政策の課題」というタイトルでございます。この研究会は、2030 年までを展望した上で、今後10年間にどういう取り組みをすべきかということで、今後 10年間に重点的に取り組むべき政策課題を10の分野ごとに提言をした報告書でございま して、厚生労働省の新聞発表資料では、これをもとに今後の雇用政策の企画立案に取り 組み、今後の政策展開に最大限に活用したいと、こういうことでございますので、理事 長がトップになって積極的に政策の企画立案に貢献できたと、こういうふうに思ってお ります。  Aをつけた4点目の理由は、一番下のポツでございますが、共同研究につきまして は、4件という目標を上回る5件の実績を上げることができたということでございま す。  次のページで、5点目としてその下のポツでございますけれども、先ほど申しました 特に地域雇用に関する共同研究につきましては、日本経済新聞社のほうから御評価をい ただきまして本として出版をされることになりまして。それから、この共同研究につき ましてはホームページでのアクセス件数が大変多かったということでございます。  最後の評価シートの5で、調査研究のとりまとめでございます。(イ)で「研究成果 のとりまとめ」でございます。先ほど、16年度は46テーマに取り組んで44でまとめがで きたということでありますが、でき上がった成果物としては54件でございました。1テ ーマについて複数の成果物がある場合がございますので、成果物としては54件の成果が あったということでございます。  (ロ)で研究成果の評価ということで、第2パラフラフでありますが、内部評価を実 施し、それから3パラグラフで外部評価で、外部評価につきましてはリサーチ・アドバ イザー部会という労働問題の各分野での学識を持つ先生方が委員になっているのですけ れども、そこで外部評価をしていただきまして、外部評価の対象が45ありましたけれど も、そのうちの35件がA以上の評価を受け、年度目標を大きく上回ったということでご ざいます。  次のページの表のところが、その内訳でございます。内部評価が47で外部評価が計45 というふうになってございますけれども、基本的にあまりできのよくないのは外部評価 にはかけないようにしようということで、内部評価でCだったものは基本的にかけない ということで、B以上のものを外部評価にかけたと。それで、Sが4件というような結 果になったということでございます。それから外部評価の視点別評価結果ということ で、研究成果を評価するときにいくつかの視点があるのですが、その中で特に時宜的確 性、結果の有益度、政策への貢献度と、こういうところが政策研究に資する研究という ところで見る評価の視点かということで、ここら辺を外部の先生方がどういうふうに評 価をしたのかということで、6割から8割ぐらいのところできちっとできているのでは ないかという評価をいただいたということでございます。  (ハ)が、関連専門誌等への論文の掲載ということで、16年度におきましては全部で 42件。数値目標としては27件でしたけれども、42件。それから査読つきの雑誌への掲載 は、目標3件に対して14件ということで、大きな実績を上げることができたということ でございます。  自己評価はまた、恐縮でありますがSというふうにつけてございますけれども、Sを つけた理由でございます。最初のポツにございますけれども、優秀な成果10件以上とい う目標に対して35件。それから2つ目でありますが、論文につきましては27に対して 42、特に査読につきましては3という目標に対して14ということで、大幅に目標を上回 ることができたということでございます。それから3点目に、一番下のポツでございま すけれども、外部評価における政策への貢献という観点からの視点別評価につきまして も、おおむね高い評価を受けることができたということで、全体としてSという評価を つけさせていただきました。  資料の説明は以上でございます。それで、SとかAとか言っているけれど、SとかA というのはどんな報告書なのだということで、一応、Sの評価だった4冊をお手元に置 かせていただいていまして。サマリーと本文がございますけれども、この4点、実はそ れぞれ性格が違う報告書でございますので、ちょっとサマリーのほうをぱらっと見てい ただければと思いますが。  最初に、「インターネット調査は社会調査に利用できるか」という評価でございま す。これはページをめくっていただきますと、1ページのところで「調査研究の目的と 方法」というのが書いてございます。第2パラグラフでございます。最近、インターネ ット調査というのがはやりなのですが、あれは本当に信頼できるのかというのを調べて みようということで、1ページ目の「目的と方法」の2パラグラフにございますが、従 来の調査と同じ調査項目で5種類のタイプの異なる調査を実施して、その結果が有意に 異なるのかどうなのかというのを調べてみたという、調査手法の改善を図るための調査 研究ということでございまして。実は結論を言いますと、インターネット調査と通常の 調査では明らかに有意な結論が、要するに全然違う結論になりまして、「インターネッ ト調査というのを現段階で従来調査の代用として何の留保もなく用いることは危険であ る」ということの結論を出してございます。先進的な取り組みであるということで、そ の評価をいただきました。  その次の「労働条件決定の法的メカニズム」ということでございますが、これはペー ジをめくっていただきますと、うちの研究員も入っておりますが、日本人の学者の方と 英文原稿執筆者という外国の方が並んでおります。これは、外国の研究者の皆さんに、 その国の実情について報告をいただいて、そこに日本の研究者が解題をつけたという報 告書でございます。これは国際会議を開いたものをまとめたのですけれども、大体その 国際会議の報告というのは、それぞれの国の人が自分の意識に基づいて勝手に報告する ので、なかなか統一的なことができない。これにつきましては、あらかじめ共通の報告 事項を全部の外国の研究員に依頼をして、その原稿に日本の研究者による解題を付し て、さらに全体を総括的な検討を加えたという。中身もいいのだけれども、その手法自 体が非常に国際的な研究をまとめる上ですぐれているということで、Sの評価を受けた ものでございます。  その次の「人材雇用の面からの事業再生」。これは今、産業再生機構による事業再生 ですとか、投資ファンドによる企業買収とかというのが問題になっておりますけれど も、もっぱらマスコミ等の関心は、特に金融面に偏りがちなのですが、事業再生するに あたってはやはりそれを担う従業員がしっかりしていないといけないわけで、事業再生 を成功させるために雇用人材面でどういう取り組みが必要なのかというのを調べたもの でございます。実はこれは、全くこういう研究が進んでおりませんで、極めて先駆的な 研究であるということで高い評価をいただいたものでございます。  それから4点目が「若者就業支援の現状と課題」ということで、特に今、ニートの問 題等が大きな課題になってございますけれども、2ページ、3ページに書いてございま すけれども、イギリスの調査ですとか、若者、フリーターやニートの方に対するインタ ビュー調査ですとか、あとは量的にはその就業構造基本調査の雇用データの集計等を行 いまして、フリーターやニートの実情を浮き彫りにしたと。有効な政策を展開していく ためには、まずその実態を的確に把握することが必要だということで、この報告書は余 すところなく、そうした実態を把握ができているということで、Sという評価をいただ いたということでございます。それぞれ、Sをいただいた理由が違うようなことでした ので、ちょっと御報告をさせていただきました。以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは御質問のほうをお願いいたします。どうぞ。 ○篠原部会長代理  大分費用を削減されていますが、何ゆえ目的積立金に計上しなかったかという1点 と、もう1点は、こういう研究機関というのはあまり費用削減に手をつけてはいけない 科目というのはあると思いますが、あるいは増加させると、そういう意味で費用削減し ていくと、重点的に費用を投入した部分というのはどんな部分があるのでしょうか。2 点。 ○田中経理部長  経理部長でございます。まず利益の計上の話だったと思いますけれども、私どものと ころでは、まだ制度的に経理システムが確立していないということもございまして、収 益化基準を費用進行基準を採用しております。そういうことも理由の1つになろうかと 思いますが、実際に経費の節減につきましては、人件費の削減とか、競争入札の導入と か、光熱水料の削減とか、こういったことにつきまして、できる限りの努力をしている わけでありますけれども、費用進行基準を採用しているということで、利益計上はでき ないというような監査法人の指導でございます。  あとは経費の重点的投入ということでございますけれども、基本的に私どもの経費に つきましては、いわゆる人件費と一般管理費とそれから業務経費というのがございま す。私どもの機構につきましては、あくまでも業務を推進するということがメインでご ざいまして、業務費の中で効率的に重点的に費用配分を実施しているというところでご ざいます。答えになったかどうかちょっとわかりませんけれども、以上でございます。 ○井原部会長  どうぞ。 ○川端委員   2点お伺いしたいのですが。「研究の実施体制」というところ、資料1参照です。こ こを拝見しますと、研究担当部門組織体制というのがありますね。それで、とにかくそ れぞれ研究テーマがありますが、労働大学校研修研究部門のテーマというのは、これで いいのかなという。そこの特質が生かされていない気がするんです。前々から、2つ統 合した効果、先ほど理事長は今年度大いにやられるということがございましたけれど も、外部から見たときに、ここらあたり、やはり統合したテーマに関しても統合の効果 が出ているという、そういうことを必要なのではないかと。これが1点です。  それともう1つですが、研究について外部評価、特にリサーチ・アドバイザー部会と いうところから評価を受けられて、大変高い評価ということですが、そのメンバーを見 ますと、全部大学あるいは研究者ですね。そうすると多分、実際のところはよくわかり ませんけれど、学問的な視点からの評価ということになるのではないか。労働政策の、 これは必ずしも学問的なところばかりではありませんので、労働政策にいかに役に立つ か。あるいは現実の労使関係、あるいは雇用関係にいかに役立つかという視点から見れ ば、学者をずらっと並べて評価をするというのはいかがなものかというふうに思うので すけれども、そこのあたり、いかがでしょうか。むしろ若手を育てて研究のしかたを、 うまく研究できるように博士号をとらせるということ自体は、こういう研究機関ですか ら悪くはないのですけれども、そちらに偏り過ぎないかということです。 ○落合労働大学校副校長  労働大学校の関係でございますが、これは組織図、御案内かと思いますが、一番簡単 な資料のこの資料3のほうで理事長が初めに御説明をいたしました関係でございます が、労働大学校の中に研修研究部門がございます。これは2ページのほうに、職務・キ ャリア分析部門と職業相談・就職支援部門というものがございまして。労働大学校は主 に労働行政関係をやっておりますけれども、理事長が御説明をいたしましたけれども、 この資料3の10ページのほうに、本年度からいわゆるハローワークの関係者だけでな く、学校の進路指導担当者等を対象に職業指導とかキャリアガイダンスツールの講習会 を開いております。  我々としましては、もちろんこれは労働行政関係者だけでなく、今後できるだけ関係 者に幅広く研修を行っていくというふうに、理事長も申し上げておりますけれども、そ ういう部門におきまして、いずれにしても職業相談とか就職支援、もしくは職務の関 係、こういうものの研究をできるだけ行いまして、実務的な研究成果を関係者に幅広く 伝えていくと、こういうことを行ってまいりたいと考えております。 ○姉崎総務部長  2点目でございますけれども、委員の御質問は「私ども、政策研究機関と言っている ときの政策研究というのは、いったいどういうことなのだろうか」ということにかかわ る問題なのかなというふうに思ってございます。それで、例えば失業対策というのを考 えたときに、その失業率が非常に高いからどういう対策を打つかというときに、まずそ もそもどういう理由で失業が発生しているのかという、そこについては理論的な分析と いうのが必要なわけであります。実際、本当にそれがどうなったのかということを分析 して実証をすると、実証的に確認をするという作業が必要なわけであると。  そういう意味でいうと、政策研究というのは、ある意味では基礎的な理論的な研究、 それから実証研究、政策研究、そういうものが一体となったものが政策研究、こういう ことになるのだろうというふうに思ってございまして、そうするとかなり専門性が高く なってまいりますので、その報告書の専門的な評価ということになると、学者等でない となかなか難しいものがあるのだろうと。こういうことで、リサーチ・アドバイザー部 会につきましては大学の先生方を中心に選任をさせていただいているということでござ います。  政策研究機関というと、すぐに政策提言をするところだというふうに御理解をされる 方もいらっしゃるのですが、私ども研究機関ができるのは「こういう政策をやるべきだ 」ということではなく、例えば「こういう政策をやったらこうなります」、「こういう ふうになったらこうなります」という政策の代替案を示すとか、あるいは大きな方向性 を示すのだろうと思います。「こうあるべきだ」という政策というのは、それは国会な り行政が御判断をして決める問題なのであって、私どもが「こういうのをやるべきだ」 というところまでをやるというのは、それは政策研究機関といっても、そこまでは使命 ではないのだろうと、こういうふうに私は理解しております。 ○川端委員  そうなれば、大学の研究と大差がないということになってきますね。 ○姉崎総務部長  そこであくまでも、「では純粋に学術研究になってしまうのか。それはいかん」とい うことで、その研究成果を評価するときに、その政策当局にとっての貢献度ですとか政 策論議への活性度という評価の視点を入れて、そうしたところを重視し、ということで 取り組んでいって、先ほど「基礎理論研究と実証研究と政策研究が一体です」と言いま したけれども、基礎理論のほうにばかり偏ったりすることのないように、評価の視点と いうところで、その政策への貢献度というところに重きを置いて取り組んでいると。 ○川端委員  ですから私が申し上げているのは、外部評価が非常に重要なポイントになりますが、 そこの評価機関にすべて外部の先生ばかりというのは、先ほどおっしゃった理論のみに 偏り過ぎる結果が出るのではないかという懸念があるのですけれど。 ○小山研究調査部長  ちょっとよろしゅうございますか。リサーチ・アドバイザー部会、確かにそれぞれの 道の専門家の先生に評価をお願いしておりますが、評価をしていただく際には、どうい う視点で評価していただくかという項目を6つの側面から見ていただいて、最終的に総 合評価をいただくということにしております。その6つの項目というのは、まず研究の 目的がちゃんと、その時々の政策課題に対応したものになっているかどうかというこ と。それから時期が、政策的に今、この時期にやらなければいけない研究であるかどう かと。時宜的確性。それから研究方法が理論的に適切なものであるかどうかというこ と。それから、この水準が目的に照らして妥当な水準を確保しているかどうかというこ と。それから、出てきた成果が世の中にとって有益なものであるかどうか。さらには、 政策なり政策論議に貢献する内容であるかどうか。  その6つの視点でそれぞれ評価をしていただいた上で、総合評価をいただいて、先ほ ど総務部長が紹介しましたSを4ついただいたということでございまして、純粋理論的 な観点だけで評価をお願いしているものではございません。あわせて、そういう意味で は理論的なあれは、方法論的なしっかりした基礎に立った上での有益な成果のとりまと めを私ども目指しておりますが、あわせて行政官アンケート、あるいはその行政研究に ついては、その要請した部局から、本当に要請の趣旨に沿った形の研究成果になってい るかどうかという、これはまた別途、評価をいただくようにしております。多面的にそ ういう形で評価をいただいているということでございます。 ○井原部会長  どうぞ。 ○久道委員  厚労省からの要請研究というのがありますけれども、それは厚生労働省のどこから来 るんですか。どの部局から要請が来るんですか。 ○小山研究調整部長  これは厚生労働省の労働行政担当部局からそれぞれまいるわけで、これはもう労働政 策担当参事官室で省としてのとりまとめをして、私どもに要請があります。各部局から まいりますけれども、省としてまとめているというふうに思っているところでございま す。 ○久道委員  そうすると、元厚生省の担当の意見というのは、あまり入ってきませんね。 ○小山研究調整部長  はい。私どもの組織は労働政策の企画立案に資する調査研究を行う機関ということで ございますから、労働政策の行政課題に対応した調査研究を行うということでございま す。 ○久道委員  私が言いたいのは、元厚生省関係の課題と労働政策の課題が密着するところがあると 思うんです。例えば厚生労働省でやっているあの「健康日本21」、それからそれが法制 化された健康増進法というのがありますね。あの健康増進法の中で、国民の健康をチェ ックするための健診の受診率を上げるというのが、大きな政策の1つになっているわけ ですけれども、実際に健診で、本当の病気があるわけではないけれど「異常あり」とチ ェックされた人がどういう行動をとるかというと、実は仕事を休むようになるんです。 これをネガティブ・ラベリング効果というんです。それから「異常なし」と言われます と、元気はつらつとして無理をしても仕事をすると、そういうふうな状況になるんで す。それはもう20年ぐらい前の外国のデータであるのですが、実は日本ではそういう研 究はあまりないんです。要するに健康診断のチェックされたあと、どういう行動をとっ て、就労を観点にどういう影響をするかというのが、意外とないんです。  そういうことが1つと、それから特に医療関係なんかは言われているのですが、医療 関係従事者の過労状態があります。例えば40時間以上残業している人が、医療関係の中 ではかなり多いわけです。これは法律上問題はあるのですが、そういう問題と、医療事 故との関連がどうなっているかというのは、意外とやられていないんです。ですから、 せっかく厚生省と労働省が合体して厚生労働省になったわけですから、そういった課題 を引き出すような形で要請研究を求めると。要するに労働関係担当者からの問題ではな くてですね。そういうことが1つ、窓口として、あるいはこちらから言うくらいのこと があってもいいのではないかと。これは私のお願いですけれども、そういうことがあっ てもいいのではないかと思います。 ○小山研究調整部長  私どもも、例えば雇用・労働と社会保障との関係ですとか、そういった観点での調査 研究、厚生行政との関係も含めた形の調査研究というのはやっておりますが、私どもは 主として社会科学的な手法による調査研究をやる機関でございます。今、お話しいただ いた医療の専門的な知見を活用した調査研究ということになりますと、私どもの研究所 のリソースの問題もございます。それから、これは厚生労働省には別途、産業医学総合 研究所といった、そういう職場と健康、職場と安全に関するまさに専門調査機関が独立 行政法人としてございますので、むしろそちらのほうで現にやられていることかという ふうに理解をいたしております。 ○井原部会長  どうぞ。 ○今村委員  2点ほど。先ほどの件に関連してと、それからもう1つ、国際貢献についてお伺いし たいのですが。リサーチ・アドバイザー部会の件に関しては、その選考方法といいます か、選び方のプロセスが適正に行われていればいいのではないかと思いますが、それに ついて御説明いただければと思っています。  それから、大学の教員が全部というのは、これはこの分野の特徴だと思いますけれど も、やはり有能な政策を含めての研究者が大学に偏っているという事情も若干あるかと は思いますけれども、現状でほかのシンクタンク等で研究者がどれぐらいいるのかとい うこともあわせて、選考の基準というのですか、教えていただければと思います。現状 で私が見た限りでは、このリストに載っていらっしゃる方は、政策的な部分についても 十分見識があるしっかりした方ではないかと思います。高い評価を受けている研究者を 選んでいるという点では評価できるのではないかというように思います。  それからもう1点ですが、国際貢献の部分で、海外との共同研究等の分ですが、お聞 きしたいのは、例えば海外から日本の労働研究のセンターとしてどのぐらいの位置づけ を受けているか。あるいはJILPTの中には優秀な研究者がいらっしゃるということ ですけれど、実際どのぐらい海外に出て、ネットワークを形成して、海外の研究の中に 位置づけを確保しているかという問題について、あまり十分書かれていないようです。 つまり、海外との共同研究とか、そういう場所とか、イベントを行っているけれども、 では実際にどこまで食い込んでいるかですね。海外でどう評価されているかということ について、もう少し情報があればいいのではないかということです。以上でございま す。 ○小山研究調整部長  まず、リサーチ・アドバイザー部会の委員の編成でございます。これについては労働 法学、労働経済、それから経営学、社会学、それから労働心理学、それぞれの労働に関 する研究分野から専門家の先生を個別に選定して委嘱をいたしております。具体的な制 度的にどういうルールで選考するというものは用意しておりませんが、その道のしっか りした方にお願いをしているということでございます。 ○姉崎総務部長  2つ目の関係につきましては、後ほど資料で説明させていただきますけれども、評価 シートの10のところで、海外の研究機関のネットワークの形成というところがございま す。そして特に16年度はOECDを中心とした国際労働研究への取り組みということ で、私どもの研究員を派遣したりしておりますので、後ほど紹介をさせていただきま す。  それからもう1つ、どんな位置づけになっているかというのは、これは、今村委員は もしかして御存じかもしれませんけれども、Japan Labor Reviewという英文の報告書を 四半期に1回出しているのですけれども、海外の中でどういう位置づけになっているか ということの1つの証左としては、エコノミストでいらっしゃいますから御存じのとお り、Journal of Economic Literatureという世界的に有名な雑誌がございます。そこの 雑誌から、これの概要とか、掲載論文タイトルの採録以来がございまして、16年度はそ のアメリカ経済学会のデータベースに収録をされるということになりますので、海外で も評価されるということの1つの証拠ということで、後ほど説明をさせていただきま す。 ○井原部会長  寺山委員、どうぞ。 ○寺山委員  2点ほどありますが。最初は10ページのところのこの評価をするに当たっての評価の 視点というところが、調査研究の実施体制と、効率的というのはわかるのですが、「柔 軟なものとなっているか」ということで、研究実施体系の柔軟性について、この機構の この1年のあれで教えていただきたいということが1点と。  それから、13ページの右上の表で、ちょっと姿勢として気になったのですが、内部評 価でCで、だめなので隠してしまったと、外部評価に見せなかったというようなのは、 一般論としてはちょっといけないのではないかと思っておるのですが。何回か外部評価 委員をやっておりまして、そういうのは困るなということで。  それと、先ほどから外部評価委員の人選についていろいろお話があったわけですけれ ども、最近の大学の先生は規制緩和でいろいろありまして、つい最近まで行政官だった り、新聞記者であったり。うちの大学なんかもそうですが。要は、大学の先生がいけな いというよりは、むしろその背景にある「何をやってきたか。どういう研究テーマか」 ということで、ふさわしい人を満遍なく選んでいただければ、それでよろしいのではな いかと。全体として見識のある結果を出していただければそれでいいのではないかと、 私は思っているのですが。  それで、その要努力の、内部評価と外部評価も同じですけれども、外部評価委員とし て私、時々感じるのですが、研究方法論には非常に詳しくて、それにのみとらわれて、 研究論文のこの「全体としてはまだ発展途上の論文で若い研究者なのだけれども、非常 にいいテーマで非常にいいことをやっていて、これはうまく伸ばせば非常に世界的なも のになりそうだ」というにおいがする論文を平気で「これはだめ」と言ってしまう外部 評価委員もいなくはないということを。ちょっと安易ですけれども、そういう点で内部 評価とか外部評価にペーパーをそろえていただくということはだめなのかと、そういう 2点です。 ○小山研究調整部長  申しわけございません。ちょっと御質問が聞き取りにくいところがございましたの で、私の理解した範囲でお答えさせていただきます。内部評価につきましては、C(要 努力)のものについては外部評価にかけないということにしております。これは外部評 価委員の先生、14人の先生にお願いしておりますが、これを年間、実績で見ますと45本 の報告書について読んで評価をしていただくということで、かなり御負担をおかけして おります。そういう意味では内部評価の段階で、わざわざ忙しい先生方に読んで評価い ただくまでもないと、そこまで御負担をおかけするわけにはいかないというものについ ては、外部評価にはかけないという扱いをいたしております。  それから、実施体制が柔軟なものになっているかという御質問だったかと思います。 私どもの研究所の部門編成は先ほど総務部長から御説明いたしましたように、基本的に は9つのプロジェクト研究のテーマごとに研究部門を設定いたしておりますが、プロジ ェクト研究につきましても、他の部門の研究員が個別のサブテーマごとに参加するとい うケースもございますし、それからそのプロジェクト研究以外の個別研究、これは厚生 労働省からの要請研究も含めまして、個別研究、プロジェクト研究以外のテーマにつき ましては、そのテーマごとに部門を越えて研究員が一緒になって取り組むといったよう なことをやっております。  基本的には、部門編成は確立した上で、それぞれのテーマに応じた効率的な研究の実 施体制を敷いているということでございます。 ○寺山委員  そうすると、個別研究の研究者が同時に研究プロジェクトにも参加していて、それで プロジェクト研究で研究員が流動的にそちらにも持っていて、必要に応じてという。 「今年はこの個別研究でおれはやって、プロジェクトはこれだよ」というような形が、 必ずしもそうではないということですか。どういうふうに解釈していいかわからないん です。 ○姉崎総務部長  全部の研究員が9つの部門で、3年半で取り組むテーマというのが決まっているの で、自分の部門に与えられた特別研究の1個のテーマについては、3年半、それはやる んです。それは必ず1人が1人分担して、それ以外に自分で設定したテーマ、厚生労働 省から要請があったテーマを個別研究として実施をするということですが、通例、研究 員はプロジェクト研究のどこかの1つのテーマと、それから自分が設定したか厚生労働 省から要請を受けたテーマと2つぐらい、何かやっているというふうに御理解をしてい ただければ。 ○寺山委員  大体はやっていて、それ以外のテーマが来たら、特にこだわらなくてもいいのです か。 ○姉崎総務部長  ええ。それで、例えば16年度、ちょっと申し上げませんでしたけれども、小畑委員が お詳しいかと思いますけれど、今、労働基準の関係で、労働契約法制の検討というのが されております。その関係で16年度、実は厚生労働省から5つの研究をやってくれと、 こういうふうに言われたんです。それで、本省のほうは研究会をつくってということで す。その研究会で検討するために、諸外国の調査とか国内のアンケート調査とか、5つ やれと言われたんです。  それで、それについては私どものほうで本省の研究会に入っている主要な先生方を、 私どものほうにも研究会で入っていただいてプロジェクトをつくって、5つの研究テー マごとに分科会をつくって、あるテーマについてはどこかの部門、海外調査のやつは国 際研究部の人、国内のアンケート調査は調査部の人というふうに分けて、研究職、リサ ーチ職を総動員して、テーマごとに一番ふさわしいチームをつくって検討したと、こう いうことを16年度、取り組みをいたしまして。そういった形で、何か急であったり、あ るいは非常に厚生労働省で大規模なものをやるということきには、そういうような形で 柔軟な体制をつくって進めていると、こんなふうにしております。 ○寺山委員  わかりました。どうもありがとうございます。 ○井原部会長  よろしゅうございましょうか。それでは評点の記入をお願いいたします。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは先に進ませていただきたいと思います。 次に第2グループの評価シートの項目、6から10までの業務の実績を説明願いたいと思 います。 ○姉崎総務部長  それでは14ページの評価シートの6でございます。研究活動の続きが2点ほどござい まして、ここのページは「調査研究活動の水準を向上させる仕組みの整備」ということ でございまして、イが「優秀な研究者の確保と育成」と。(イ)でございますけれど も、15年度の、業績評価制度を確立いたしましたので、研究員の16年度の個人業績につ いての本格的な評価を実施したという実績でございます。次の下が、先ほどちょっと申 しました研究活動記録システムの稼動ということでございます。  (ロ)が「優秀な研究者の確保」ということで、研究員の補充につきましては、すべ て任期付ということで採用をしておりまして、今年の4月は3名採用をいたしました。 昨年は4名ということでございました。  次に「優秀な研究員の育成」でございまして、理事長からも説明がございましたが、 任期付研究員の皆さん方の研究成果につきましては、外部評価で大変高い評価を得た。 それから、研究成果をもとに博士号を取得する研究員が出たということでございます。 ページをめくっていただきまして、16年度は定年でお辞めになった研究員がお2人いら っしゃいましたけれども、お2人とも大学へ転出をされたということでございます。  それから(ニ)で、外部人材の活用ということで、それぞれのプロジェクト研究のテ ーマに合わせて全体として15名の特別研究員の方を委嘱し、それぞれプロジェクト研究 の研究方針や論点整理等に関してアドバイス等をいただいているところでございます。 それからその下のほうで、政策担当者の参加ということで、16年度は20の研究テーマに 厚生労働省の方が御参加をいただいています。それから外部の方々が75名参加をした と、こういう実績でございます。  自己評価はAというふうにしてございますが、Aをつけた理由でございます。最初の 1点目が2つ目のポツで、15ページから16ページにかけてでございますけれども、研究 員の欠員につきましてはすべて育成型の任期付ということで対応をし、優秀な方を採用 することができたということが1点目でございます。  2つ目が、次の16ページでございますけれども、その任期付研究員が皆さん、きちっ といい評価を得て着実に育成が進んでいるということでございます。  3点目がその下のポツでありますけれども、その研究成果をもとに博士号を取得する 人が出たり、それから定年でお辞めになった方も長年の研究実績を認められて大学のほ うに迎えられたということでございます。  4点目に外部の研究参加ですけれども、昨年は厚生労働省の方が参加したテーマが13 テーマでしたが、今年は20テーマ、それから外部の研究者、実務家の参加は昨年57人で したけれども、今年は75人ということで、多くの方に御参画をいただいたということ。  5点目に、業績評価制度の関係でございますけれども、研究員の新しい人事制度に対 する評価も非常によかったということで、全体としてAをつけさせていただきました。  次の評価シートの7、17ページでございますが、ここは調査研究活動について、適切 に評価活動を実施しているかということでございまして、新しい委員の方もいらっしゃ いますので、どんなふうに研究成果をまとめているのかという流れがこれでわかりま す。  まず(イ)の個々の調査研究で、一番最初にまずどんな研究をするのかというのを理 事長をトップにしてヒアリングをして計画をつくり、中間評価ということで、年度の途 中で進捗状況を確認し、とりまとめのところで所内研究発表会ということで、スケルト ンに基づいて全部の研究員が参加して、みんなで意見交換をすると。その後、レビュー ということで、内部、外部の研究者の方々に原稿を見ていただくと。16年度はレビュー アーについては必ず2名とすると。それから論文形式のものについては、外部のレビュ ーアーを必ず入れるというような一部改善を図ったと。レビューを行って原稿を最終的 に確定をしたら、内部の研究者による内部評価を行って、点をつけて、その後、リサー チ・アドバイザー部会で外部評価を行ってと、こういうような形で研究成果のとりまと めを行っているということであります。  (ロ)にありますけれども、今年のリサーチ・アドバイザー部会は6月9日に開催を いたしまして、個々の研究成果の評価とともに、研究活動全体についての御評価もいた だきまして、自己評価は妥当との評価を得たということでございます。  ページをめくっていただきまして18ページで、(ニ)で「評価方法等の改善」という のがございまして、ここが16年度のちょっと大きな改善のところでございます。最初の ○が評価委員会、これは労働部会(この部会でありますが)の指摘を踏まえた改善とい うことで、昨年御指摘を受けました労働政策の企画立案に資するという、そういう目的 に対して直接な評価に近づけるためにということで、視点別の評価を活用したと。それ から、本当に役立っているということをストレートに聞こうということで、要請研究を 出してきた課の人に「この成果物はあなたの要請どおりにちゃんとできましたか」とい うのをそれぞれ聞くと、こういうことをやりました。それから中長期的な研究について は、「中長期的な目標に沿ってちゃんとなされているかどうかを見なさい」ということ でしたので、9つのプロジェクト研究につきましては3年半ということでありますの で、3年半の全体像をリサーチ・アドバイザー部会にかけたということでございます。  それからそれ以外に、「上記以外の改善」ということで、外部評価者とレビューアー は原則として同じ人が行わないというような改善をしたということでございます。  ハの(イ)で、有識者アンケートでございますけれども、特にその調査研究報告書に ついて「利用したことがありますか」と。449名の方が「利用したことがある」というこ とで、そのうちのほとんどの方から「有益である」という評価をいただいたわけでござ います。「有益でない」と答えた方が差し引きで11人いらっしゃいまして、無回答の方 がいましたので、「全く有益でない」と答えた人が1名で「あまり有益でない」と答え た人が7名いらっしゃいました。特にその理由を見てみますと、期待するデータがなか った、あるいは自分の業務分野と違っていたというような理由でございますが、これも 対象が研究者の方ですので、たまたま御自分のテーマと合うものがないとやむを得ない ということかというふうに思ってございます。  それから(ロ)の「政策担当者との意見交換会」ということで、当然でございますけ れども、要請元というか、私どもの最大顧客でございます厚生労働省とは常に密接に連 携を図りながら研究を進めているということでございますが、一番下の○で、特に16年 度は要請研究につきましてはその要請を出した課に評価してもらうということで、16年 度は11テーマについて要請元に評価をしました。このうち10テーマがちゃんと要請に沿 った結果が出ているということで評価をいただきまして、次の19ページのところでその 主要な例が書いてございます。その下は再掲でございます。  自己評価はAというのをつけてございますけれども、Aをつけた理由でございます が、まず最初に、先ほど言いましたレビュー等にあたりまして、評価について改善を図 りながら成果のさらなる質の向上に努め、それがつながったということであります。  2点目は、この労働部会、あるいはリサーチ・アドバイザー部会の意見を踏まえた評 価方法の改善を迅速に行ったということでございます。  3点目は有識者に対するアンケートで、大変多くの方々から有益であるとの評価を得 たということでございます。  4点目は、要請元の評価ということで、11テーマのうち10テーマが要請に沿った成果 を出しているという評価を得て、一定の貢献ができたということでございます。委員の 皆様方は「残りの1テーマはどうだったのだ」ということなのですが、アンケート調査 は全部資料2のほうにつけておりますので、あとで詳細を見ていただければいいのです が、要請元評価については61ページからその要請元評価の結果というのが出ていまし て、5段階でマークをつけていただくのですが、それで62ページの一番上の「諸外国の 集団的労使紛争解決制度とその実態に関する研究」というのが、これが1つ、「あまり そう思わない」と、こういうことでございました。  この報告書は、アメリカとイギリス、フランス、ドイツ、4か国の集団的な労使紛争 の解決システムの全体像について調査をしたものでございました。もともと、厚生労働 省からは、労働組合法の改正に資するための資料ということで、諸外国の不当労働行為 審査制度について調べてくれというふうに言われたのですが、小畑先生は御存じかと思 いますけれど、日本と同じような不当労働行為審査制度のある国というのは基本的にア メリカだけです。ほかの国はないんです。したがいまして、アメリカはその不当労働行 為審査制度を調べましたけれども、イギリスとフランスとドイツも調べろといってもな いわけですから、広く集団的な労使諸関係の制度を調べたわけです。調べて、それはそ れで有益だったのだけれど、労働組合法の改正の国会審議のために、例えば参考資料を つくろうと思ったときには、それはつくれない。つくれなくて当たり前です。  あとで確認をしましたら、でも、そのものには役に立たなかったから「あまりそうは 思わない」という回答をつけたのだそうです。ここら辺はお互いにどこまでちゃんとで きたらいいのかということを、お互いによく意見交換をしながら進めないといけないと いうことが、よい教訓になったというふうに思って、今後の活動に役立てたいと思って おります。  資料1のほうに戻っていただきまして、評価シートの8でございます。今度は国内情 報の収集整理の関係でございまして、(1)の「収集・整理」のところの4行目にござ いますように、16年度は年間19回の各種の調査等の実施を予定しておりましたけれど も、結果として32回の実施をしたということでございます。32回もいったい何をやった のだというのが、(イ)の「国内労働事情の収集・整理のための調査等実績」というこ とでございまして、(1)で人口減少社会における人事戦略等の調査。これは先般発表に なりました労働経済白書の中で多く活用をしていただきました。それ以外にも、(2)に ありますように、個人を対象とした調査。(3)で企業や地域のシンクタンクを対象とし たモニター、これは定例的にやっておりますけれども、モニター報告。それから(4)で 機動的なテーマを設定しての調査等々の調査、合計で32回実施をしたということでござ います。  ページをめくっていただきまして21ページで、細かいものは申しませんが、そういう ことを実施をし、ロで「調査結果の一般等での活用」でございます。ここは数値目標と しては、何ぼやったかではなくやった結果どうなったかということで、数値目標は「調 査結果について年間で26件以上新聞や雑誌で引用されるようにする」というのが目標で ございますが、結果として86件、新聞雑誌等で引用をされたとこういうことでございま す。  それからその下の○で「行政機関への貢献」ということで、やった調査について「も っとこういうのを集計してくれ」と厚生労働省から言われたりして特別集計を行った り、あるいは厚生労働省のほうが調査をする調査について「意見を聞かせてください」 と言われて意見を出したり、それから内閣府の経済モデルの構築の調査への協力とかと いうようなことも、きめ細かい対応もいたしましたということでございます。  (2)が、海外情報の収集・整理の関係でございますが、これは3行目にございます けれども、年度計画では、これにつきましては年間で320件以上の情報を公表するとい うふうになってございますけれども、結果として396件の情報を提供することができた と、こういうことでございます。その情報をホームページで載せておりますけれども、 それに対するアクセス件数が約90万件、前年度の4倍以上になったということでござい ます。  ページをめくっていただきまして、22ページでございます。ロの「政策課題別情報収 集実績」ということで、年度計画では6つのテーマについてやるということでしたが、 結果としては7つのテーマについてやったということで、その実績が(1)から(7)に書い てございます。これらにつきましても、例えば(1)のアジア諸国の雇用訓練政策、これ について調べた情報につきましては、厚生労働省がアジアの各国の方を集めて主催をし たシンポジウムに資料として提出をさせていただきましたし、それから(7)の外国人研 修生実習制度、これも、先ほど海外の研究機関との共同研究の中で御紹介をさせていた だいたワークショップなのですけれども、厚生労働省のほうから、これは大変有益な調 査なので、ぜひこのワークショップで報告しろというような御指示もいただいて発表さ せていただいたということでございます。  自己評価はAでございます。Aをつけた理由でございます。1点目は、19回の予定を 大きく上回って32回の調査を実施した。これは行政からの要請ですとか、いろんな調査 に当たって全国に労使のモニターというのをお願いしているのですけれども、そうした 人たちの関心やニーズというのを踏まえてきめ細かくやったらふえてしまったとこうい うことでありますが、いずれにしても多くやったということでございます。  2つ目に、数値目標としては引用が26件以上と。これに対して86件と、3倍の成果が 出たということでございます。  3点目が、その下のポツにございますけれども、事後的な取材ですとか、厚生労働省 から要請があったら特別集計をして提供したりというような、きめ細かな提供ができた ということでございます。  ページをめくっていただきまして23ページで、4点目は最初のポツにあります海外情 報の関係ですけれども、320件という目標に対して2割上回る396件の提供ができたとい うことであります。  5点目に、行政官アンケートにおきまして75%の方々からよい評価を得たということ で、評価が高かったということであります。  6点目に、ホームページで公表した海外情報については、前年度実績の4倍以上のア クセス件数があったということで、多くの人に御利用いただいたと。これは国民のニー ズに合った情報提供ができたのではないかということで、全体としてAの評価をさせて いただきました。  次の評価シートの9でございますが、「各種統計データの収集・整理」でございま す。イで「各種収集整理の実績」ということで、(1)でありますけれども、まず国際比 較労働統計作成のために情報を収集等いたしまして、「国際比較2005」という冊子とし て刊行をいたしました。(2)でありますけれども、データの収集、それからそのデータ について高度な分析加工を行うということで、そうした作業を進め、「ユースフル労働 統計」という本として刊行したということでございます。(3)は労働統計データベース ですが、これは今、随時更新をしておりますけれども、随時更新をするとともに、新産 業分類に対応した回収等々を行ったということでございます。  それ以外に、ロ、下の図というところの例えば(5)というところで、先ほど理事長が 本省の雇用政策研究会の座長になったというふうに言いましたけれども、ここでも実 は、この雇用政策研究会は、今後10年間の政策のあり方を提言することが目的なのです が、2030年までの日本の将来を展望するというふうになっていて、2030年までの労働力 需給の推計作業等は全部うちのほうでさせていただきましたので、そのモデルを使った 推計作業等は全部うちのほうでし、それを提供したということを書かせていただいてご ざいます。  ハの「収集・整理した情報の一般等での活用」ということで、これだけ多くの方々か ら活用されたという実績でございます。  ページをめくっていただきまして25ページでございますが、(4)の「図書資料等の 収集・整理」。これは図書館でございます。イのところの3行目にございますけれど も、16年度は年間で4,900冊を収集いたしまして、その下の○でございますが、蔵書の 実績としては図書14万2,000冊というような蔵書実績になってございます。  「図書資料の活用実績」ということで、下のほうに外部閲覧者数、貸し出し件数とい うのが書いてございますけれども、昨年10月に来館者に対するアンケート調査を行いま した。数は95名ということで、あまり多くなかったのですけれども、95名の方々から は、多くの方々から大変よい図書館であるという御評価をいただいたところでございま す。  それからハで、図書資料につきましてはホームページを通じて広く世の中に提供し、 多くの方に御利用いただいているということでございます。  自己評価はAでございます。Aをつけた理由でございます。1点目が最初のポツであ りまして、大変多くの統計情報、それからデータベースについてもアクセス件数があり ましたし、いろいろなところで引用もされたりしたということでございます。  2つ目が、先ほど言いました「ユースフル労働統計」ですとか国際比較労働の本をつ くって、さらにわかりやすい改善を図ったということ。それから先ほど言いました2030 年までの推計作業というようなことで、厚生労働省の政策の企画立案に大きく貢献でき たということでございます。  3点目が、次のページでございますけれども、要は、報道機関や厚生労働省やいろい ろなところからの要請にきめ細かく対応をして喜んでいただくことができたということ でございます。  4点目が、図書館の関係であります。図書館機能をはかる2大指標でございます貸し 出し冊数とレファレンス対応件数につきましては、前年度の実績を上回ることができた ということでございます。  5点目は、来館者アンケートにおきまして、多くの方々から非常によい図書館である という評価をいただいたということでございます。  6点目が、アクセス件数でございますけれども、前年の3倍を超える増加になった と、こういうことでございます。  最後に評価シートの10でございますけれども、海外の関係でございまして、招聘派遣 でございます。  (1)の「ネットワークの形成」ということで、第2パラグラフでございます。特に 16年度はOECDの関係というふうに申しました。OECDが毎年、エンプロイメント アウトルックという、雇用見通しというのを作成して発表しているわけですけれども、 そこに私どもの研究員を派遣いたしました。それからOECDの中に、地域経済、雇用 開発の関係でLEEDというのがございまして、そこのLEEDクラブへ参画するとい うふうにしたということでございます。それから3つ目に、OECDが今検討を進めて おります国際的な成人技能調査、これは学校教育レベルに関しての国際比較調査という ものを少し前に発表されておりましたけれども、今後、OECDは学校を卒業してから の成人に必要とされる能力について、個人間、国家間のいろんな違いを測定計測できる ような調査をやりたということで、それに協力をすることにしたということでございま して、そうしたところで貢献をしたと。  16年度業務実績には書いてございませんが、7月の7日、8日に厚生労働省とOEC Dが主催をして、OECD,新雇用政策フォーラムというのが開催されまして、これは どうしてもOECDとかの雇用戦略がヨーロッパ中心に検討が進んでしまうものですか ら、アジア太平洋地域から見た雇用戦略の再評価というのがテーマで行われたのです が、そこにも研究員を派遣して貢献をしたとこういうことでございます。  もうちょっと言うと、実はそのOECDが高等教育政策レビューというのを17年度に やることになっていまして、学校教育についてのレビューをやるのですけれども、文部 科学省がそのレビューに対応するために研究会を組織したのですが、うちの若年者雇用 問題を担当している研究員がそこに入って、文部科学省の委員会を通じてOECDにも 貢献をすると、そういうこともやってございます。それ以外に、実績報告に書いてござ いますが、EU財団、それからドイツの財団、それからILOのアジア太平洋総局との 協力というようなことに取り組んでいるわけでございます。  次の「研究者の招へい」でございます。次のページでございますが、16年度は9名の 招へいということでございます。冒頭に理事長が「基本的にすべての数値目標を達成し た」と言って、「基本的に」とつけたのはここの部分でありまして、年度計画では10名 程度というふうになってございます。10名程度なので9名はここに入っているだろうと いう解釈もあるのですが、でも単純に数字だけ比べると10に対して9で、「1人足りな いじゃないか」とこういうことなので、「基本的に」という説明をさせていただきまし た。この招へいにつきましては、28ページの一番上にございますけれども、評価委員会 から、この部会から昨年御指摘がありましたので、16年度は運用の改善、それから今年 度の招へい者につきましては招へい基準を改めて、運用の改善をはかったということで ございます。  その下に、どんな人を招へいしたのかということで書いてございますけれども、ちょ っと紹介させていただくと、長期招へいの(1)サマン・ダサナヤケさんという方がいら っしゃいます。この方は私どものところで研究をしている間に学習院大学で博士号を御 取得されました。それからその下の○で短期招へい6名で、(1)のところでレイリト・ エルボさんというフィリピンの方ですけれども、この方は帰国後、労使紛争処理制度の 研究成果をもとにフィリピンの政府に意見書を提出するというようなことの御活動をさ れたというようなことでございます。  「研究者の派遣」でございますが、次のページですが、これは年度計画で17名派遣す るということで、予定通り17名の派遣をした。  (4)は英文情報の整備提供ということで、各種の事業をやっておりますけれども、 最初の(1)が日本の労働問題の最近の状況を伝えるもの、それから(2)が主要労働統計を 英文として提供すると。(3)は、日本の労働法の英訳版の作成。実はこれは2行目に書 いてございますけれども、政府のほうで「法令外国語訳推進のための基盤整備に関する 関係省庁連絡会議」というのができまして、日本の法令をみんな英語にして外国の方に よく理解してもらおうということで取り組みを進めるということで、私どものこうした 成果が非常にこういうところで役に立ちそうだということでございます。  それから(4)が、先ほど今村委員からも御指摘がございました英文のジャーナルです けれども、Journal of Economic Literatureという雑誌から採録の依頼がございまし て、同誌に掲載された情報がアメリカ経済学会のデータベースに収録されるということ になったということでございます。以下、労働経済白書の英文のブリーフィング等を実 施したということでございます。  自己評価はAということでつけておりますが、Aをつけた理由でございます。1点目 は先ほども申しましたOECDを中心とした国際的な労働政策研究に貢献をした、ある いはこれからも積極的に貢献ができるということでございます。  ページをめくっていただきまして、2つ目の理由は招へいですけれども、招へいは機 構の研究への貢献というのを主眼において行うということで、運用の改善を図ったとい うことでございます。  3点目は、先ほどもちょっと御紹介しましたが、招聘研究員の皆さん方はただ単にい て何かまとめて帰ったということではなく、それぞれ博士号を取ったり、国の政府に意 見書を出したり、研究報告書を自国に帰って出版をしたりというようなことで、あるい はうちの研究のために研究発表していただいたりというようなことで、大変多くの成果 を上げることができたということでございます。  4点目は研究者の派遣で、17名の派遣というのは人数どおりだからBということなの ですけれども、ただ学会等で発表されたこの論文につきましては、ホームページへのア クセス件数が昨年度の5倍以上ということで、多くの方々から見ていただいたというこ とで、これはAにする理由に加えていいだろうということで、4点目の理由でございま す。  5点目が、その下でございますが、先ほどのアメリカの経済学会のデータベースに収 録されるようになったこと等、全部ひっくるめて5点目の理由でございます。  6点目の理由が、その下でございますが、海外英文情報全体についてのホームページ のアクセス件数が前年度の3倍を超える件数になったということで、多くの高い評価を いただいたとこういうことで、全体としてAという評価をつけてございます。  以上でございますが、お手元の資料に、時間がなくてちょっと恐縮なのですが、こん なものがございます。「国際労働比較2005」というものがあって、これは国際比較の統 計なのですけれども、例えば、ちょっと24ページとかを見ていただくと、労働生産性の 国際比較というのが出ています。  私、個人的な体験を申して恐縮なのですが、しばらく前に経済産業省に国会の質問で 夜、「外国の生産性についてどう思うか」という国会質問が出て、その先生の質問を見 たらフランスの生産性が日本より高いのだと。フランスが日本より生産性が高いわけな いと。わからないと。でも、すぐ答弁を書かなくてはいけない。時間がないといって電 話をかけてきたんです。それで、パッとこれを見ましたら、確かにフランスのほうが高 いのですけれど、実はこれは購買力平価で評価した生産性の水準なのであります。通常 の購買力平価ではなくて通常の国家水準、為替レートで評価したのは42ページのところ で数字が出ておりまして、通常の為替レート換算による生産性ですと、日本を100とし たときにフランスは75なんです。だけれど購買力平価で換算するとフランスが113にな るとこういうデータがありましたので、私はすぐその場で電話でお答えができたので、 「なるほどそういうことか」といって、経済産業省の国会答弁は事なきを得てうまくい ったと、こういうことがございました。  それから「ユースフル労働統計」というのがございます。この「ユースフル労働統計 」は、いろんな統計情報を加工したり何かするということなのですが、例えば20ページ のところで労働分配率というのがあります。労働分配率というふうに一言で言っても、 実は労働分配率もどういう定義を使うかによっていくつもの計測のしかたというのがご ざいます。そこでこの本では、労働分配率といってもいろんな計測のしかたがあるのだ ということで、例えばこれは7通りの計算があって、それぞれの定義に従うとどんな結 果になるのかというのをやさしく解説したり。  あるいは、52ページとか53ページを見ていただきますと、例えば産業別の失業率とか 職業別の失業率。通常、失業率というのは普通の失業率、男女別の失業率、それから失 業理由別の失業率ということなのですが、それ以外にも産業別ですとか職業別ですと か、あるいは57ページで雇用形態別で、パートの人と正社員の人とどちらのほうが失業 する確率が高いのだろうかというような計測とか、そういったようなことで、通常の発 表されているデータでは得られないような情報を提供している本ということでございま す。  それから、Japan Labor Reviewという先ほどの英文、これが先ほどのアメリカで高く 評価された英文の情報ということでございます。以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは御質問のほう、お願いいたしたいと思います。 ○久道委員  研究員のキャリアパスのことをちょっと聞きたいのですが。任期付で採用しますね。 3年たって、評価がよくて常勤に移行するという場合に、どういうふうに上がっていく んですか。例えば単なる研究員、それから上席研究員だとか室長だとか部門長だとか、 その辺の組織がわからないのですが、どういう流れになるのでしょうか。 ○小山研究調整部長  3年任期が来ましたら、研究業績に応じて、今度は定年まで雇用する研究員になるわ けですが、そこで研究員から、段階としては次のステップとして副主任研究員、主任研 究員、副統括研究員、統括研究員というステップになります。統括研究員というのが部 門の責任者という形になります。当然、そのステップを上がるごとに、業績を見ながら 決めていくという形になります。 ○久道委員  定年退職等で退職された方のほとんどといいますか、当初にはすべて任期付研究員を 採用するということになっているのですが、実際は例えば統括研究員が大学等に転出し た場合に、すぐそのあとを埋められる人がいるとは限らないですね。それは実際、どう いうふうにされているんですか。 ○小山研究調整部長  それは、基本的には内部から登用するという形になります。内部から登用して、玉突 きで一番若いところを任期付で補充するというのが、私どものやり方です。 ○久道委員  その内部から登用するときには、登用する選考委員会とかそういうのはございます か。 ○小山研究調整部長  基本的には、昇進についての業績を人事的に評価して対応するという形になります。 ○姉崎総務部長  補足をいたしますと、研究員は毎年業績評価をしておりますけれども、短期的なその 結果につきましては毎年度の賞与等の勤勉部分の査定等に反映をさせまして、過去3年 間の累積結果というのを昇格等に反映させるということで、それにつきましては研究員 業績評価会議という会議を、役員を中心に組織しております。ですから、その中で過去 の業務実績を見て、この人は統括にできるかどうかというのをやります。そして、能力 的に足りないという場合には、副統括の人が事実上統括を兼務するという形で、統括は 例えば空席にしておくというようなこともあり得ます。それは、やむを得ない場合で す。 ○久道委員  別なことですが、研究補助員というのはいるんですか。 ○小山研究調整部長   臨時研究協力員という名前でおります。 ○久道委員  それはどのくらい? ほとんど研究員についているんですか。 ○小山研究調整部長  研究員につくというよりは先ほどのプロジェクト研究、研究テーマについているとい う形でございます。 ○久道委員  はい、わかりました。 ○井原部会長  はい、どうぞ。 ○宮本委員  今のことに関係していますけれど、研究員の個人業績評価ですけれど、これだけ多岐 にわたる研究及びサービスで、このレベルになると単なる研究業績評価というのではな いように思われますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。 ○小山研究調整部長  研究員の業績評価については、大きく3つのカテゴリーに評価する領域を分けており まして、最重要評価項目、重要評価項目、相対重要評価項目、3つのカテゴリーで行い ます。  最重要評価項目というのは、これはすべての研究員が必ずやらなければいけない評価 領域でございますが、これは研究に参画して研究報告書を毎年ちゃんと仕上げるという ことを最低条件にして評価をするのが最重要評価項目と。  それからこの調査研究業務以外の、私のほうの機構内のいろいろな活動、国際会議と かイベントへの参加とかございますが、そういったものは重要評価項目という評価領域 に位置づけておりまして、これについてはそれぞれやったことを加点主義で評価する と。やった限りにおいて加点主義でやったことを評価すると。  それから相対重要評価項目という3つ目の評価領域につきましては、これは主として 機構の外での活動ということで、政府の審議会に参加するとか、あるいは外の論文に発 表するとか、学会発表するといったようなことについても、これも加点主義で評価する というそういう評価、その3つの領域を総合した形で業績を評価するようになっており ます。 ○井原部会長  どうぞ、川端委員。 ○川端委員  今の任期付の研究員ですけれども、これは将来はどういうふうにされるのか。任期付 でいい研究成果を出したのは、長期任用にしていくのか、それともずっと任期付の繰り 返し、あるいは最初の任期で終わりなのかと。このあたりの研究員のモラール(士気) の関係、それから任期付という新しい研究員を入れたというふうに、従来の研究員は、 これは多分長期雇用だと思いますけれども、その人たちにインパクトなり何か与えたよ うなことがあるのかないのか。そこらをちょっとお聞かせいただきたい。これが1点で す。  もう1点は、外部研究者より実務家等の研究参加ということがございまして、この中 で企業関係者というのは2名しかいないですね。これは労働政策のほうは企業に非常に 大きな影響を及ぼしますから、これはどうして2名なのか。企業の人が来てくれないの かどうか。あるいは積極的に企業の人の研究参加を求めなかったのか。このあたりはど うなのでしょうか。この2点でございます。 ○小山研究調整部長  基本的には、研究員の採用は欠員の補充の範囲内で行っておりますが、それをすべて 任期付でやっているということですが、3年たった段階で業績評価して、もちろんその まま定年まで残る場合もあるし、それからもちろん3年でもし任期満了という形になれ ば、新たに任期付の方を採用するという形になります。 ○川端委員  そこで評価されるわけですか。それはどういう形で評価されるんですか。最終的には 人事の評価ですね。どういう形で評価されるんですか。 ○小山研究調整部長  先ほど、研究員の業績評価制度で3つの領域で評価すると申し上げましたが。それか ら、任期付研究員を採用して先輩の研究員へのインパクトがあるかという御質問だった かと思います。これは、それぞれの任期付研究員について、指導研究員という形で指導 してくれる先輩の研究員を一応指名をいたしまして、教育を主として担当していただく という形で行っておりますので、そういう意味でのインパクトはあるかもわかりません が、むしろ任期付が自分の将来のキャリアを考えるときにその先輩の研究を見て研究を するという形の影響のほうが大きいかと。 ○川端委員  実はそれはお伺いしたいのは個人的な興味もあったのですが、うちの大学でも任期付 の教員を入れ始めたんです。猛烈に彼らは頑張るものだから、先輩がこれはうかうかし ていられないと、そういうプラスの影響は大分出てきますから、当機構ではどうなのだ ろうかというふうに、ちょっと。 ○小山研究調整部長  確かにそういう側面はありまして。任期付研究員は、やはり3年後にちゃんと更新し てもらえるかどうかというのは非常に切実な関心事項でございますので、3年間の中で しっかりした業績を出さないといけないということで、ものすごく頑張って、先ほども 御紹介しましたA評価がものすごく多いということもございます。そういう意味では、 間接的には先輩の研究員にも影響があるものとは思っております。 ○井原部会長  よろしゅうございますか。 ○川端委員  それから企業からの参加はどうでしょうか。 ○小山研究調整部長  それは積極的にということで、たまたまということではございますが、研究会に参画 して、ある意味で実際に報告書のとりまとめまでやっていただくということになるとな かなか、時間的な余裕もありまして、結局のところ難しいということ、あるいは協力し ていただくのは難しいということがございます。一方、その研究会の中で、例えば企業 の方にそのとき来ていただいてヒアリングをする、あるいは企業におじゃまして、そこ の実態なり企業のお話をお聞かせいただくというようなことは、これは各研究テーマ、 かなり精力的に行っております。 ○井原部会長  簡単でいいのですけれど、今、大分専門家の就職が難しいので、有期付で人を採ろう としますと優秀な研究者が採れるという実情にあると思いますが、有期付きで採った結 果、優秀な論文を書いたというのは、そういう個人の資質の問題ではなくて組織の仕組 みのせいだと言えるようなことがあるのかないのかということ。それからもう1つは、 外国から招聘された研究者が優秀な成果を上げたというのは、これは招聘するときに 「こういうことをしなさい」という条件をきちんとつけた結果なのか、それとも個人の 資質の問題なのか。そこのところをちょっと、簡単にお願いします。 ○小山研究調整部長  最初の御質問については、業績評価制度の中で「これとこれをやらなければだめだよ 」というのをはっきり明示されていますので、そういう意味では、もちろん資質の問題 はありますけれども、そういう制度的なものも貢献しているのだと思います。 ○井原部会長  はい。それから後者は。 ○姉崎総務部長  研究の招聘につきましては、条件をつけた効果かどうかはわかりませんけれども、た だ招聘の研究員の人は、部屋をあてがって「勝手にやっていなさい」ではなく、私ども の職員がパートナーというかサポーターをつけてちゃんとやっておりますので、すべて が個人の資質だったということではないと思います。 ○井原部会長  はい。どうぞ。 ○今村委員  評価シート7の研究テーマの設定のところですが、厚生労働省からの要請研究につい てですが、これはほとんど依頼されたまま、そのまま請け負われるのか。あるいは、機 構のほうから逆提案をしたり反対意見を述べたりすることは可能なのか、というのを。 それから、依頼された研究に対して例えば現行の施策の問題点等についても指摘するこ とができているかどうか。つまり、単に政策デザインとしてお受けするというのか。や はりその辺の独立性ですか、その辺について教えていただければと思います。 ○小山研究調整部長  最初の御質問については、テーマを厚生労働省から募集した際に、当然いろいろな要 請がまいるわけですが、当然、まず私どものリソースの問題でできないというものがあ ります。これは調整のうえ、場合によって取り下げていただくということもございま す。それから中身につきましても、要請のテーマ一つ一つごとに厚生労働省の要請元と 私どもとの間で具体的にどういうことをやってほしいのか、いつまでにどういうものを 仕上げてほしいのかということについての打ち合わせをした上で研究計画を立案する。 その過程で当然、私どもから御提案すること、あるいは要請について、この部分につい てはできないとかといったような形で中身の調整を行っております。  さらには実際に研究を進める中でも、研究会に要請元から、正式のメンバーであるか オブザーバーであるか、どちらかで参加していただいていると。研究進捗段階でも、調 整をとりながら進めております。  2つ目の御質問の中身については、直接批判するというのはなかなか勇気の要ること ではありますけれども、政策の例えば効果ですね。政策評価といいますか、どういう政 策について効果があるとかないとかいったような形での議論というもの、あるいはとり まとめというのは、ものによってはございます。 ○井原部会長  はい。 ○寺山委員  2点ですが、28ページの外国の研究者の招へいについては、これ、国については特に 私ども考慮しないでいいのでしょうか。スリランカ、アメリカ、フィリピンとかフィン ランドとかありますが。例えば私どもも障害者のリハビリテーションの関係で傾向を見 ると、中国などというのが多いのですけれど、中国とか韓国とか、そういう近隣の国と か、そういうようなことというのは特に配慮しないで、あくまでも基準としては個人の 評価によるものかどうかということ。  それからもう1つは、非常に私、感心したのは、英文情報の整備をして情報発信を外 国に送っていて、それからアメリカからの採録依頼があったということで、非常に今後 期待するのですけれど、引用文献の、逆に発信した情報が、英文の論文がアメリカの研 究者から引用されてフィードバックされて返ってくるということを期待したいのですけ れど、その点についてはどういう状況なのでしょうか。それが今後、期待できますでし ょうか。これら2点です。 ○姉崎総務部長  すみません。よく聞き取れないところがあったのでちょっと間違っているかもしれま せんが、招へいにつきましては特にどこの国、アジア近隣を重視するとかということで 考えてございませんで、個人の研究テーマ、特に去年この部会から「機構の目的に沿っ た招聘をやりなさい」ということでしたので、その研究者の人がどういうテーマをやり たいかという、そのテーマが私どもの法人のテーマと沿っているかどうかという観点か ら選ぶので、国はちょっと、それなので……。 ○寺山委員  関係ない? ○姉崎総務部長  はい。関係ないということになります。それから、発信した英文情報がさらにどうや って利用されているかという、そこまではすみません、把握ができてございません。  それから、ついでで恐縮なのですが、先ほど招へい10名のところ9名だと申し上げた のですが、本当は10名を選考していたのですけれども、1名が御家族の方が急病になっ て急に来られなくなったというで、それで結果として9名になったということで、すみ ません、補足をさせていただきます。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは評価の御記入をお願いしたいと思いま す。ここであらかじめ申し上げておきますが、時間が3分の2過ぎてしまって、仕事の ほうが半分しか済んでおりませんで、ちょっと予定の時間を上回ることになるかと思い ますが、あらかじめお願いしたいと思います。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは次に進みたいと思います。第3グループ の評価シート11から15までの実績の説明をお願いいたします。簡潔にお願いいたしま す。 ○姉崎総務部長  はい。評価シートの11でございます。ここは「調査研究成果の迅速な提供」というこ とでございまして、イにありますけれども、迅速にとりまとめました。特にわかりやす いサマリーを16年度もつくったということです。ロで「迅速な提供」でございますけれ ども、○が書いてございますが、発表と同時にホームページでPDFファイルで全文を ダウンロードできるようにしてございまして、多くのアクセスをいただいた。ハで、サ マリーで葉書アンケートを実施いたしまして、多くの方から「役に立つ内容」等の評価 をいただいたということでございます。  ページをめくっていただきまして、16年度は新しいものとして、一番上にあります 「調査シリーズの新設」、それからホの「ディスカッション・ペーパー・シリーズ」の 新設というのを新しい取り組みとして実施をいたしました。それから、ヘ の「研究成 果のいろいろな形での普及」ということで、研究員が雑誌に記事を書いたり投稿したり フォーラムに参加をしたりということで、多く活躍をしましたという実績です。  ページをめくっていただきまして33ページで、自己評価はAでございます。Aをつけ た理由でございますけれども、わかりやすいサマリーを引き続き作成をし、多くの方々 から好評を得るとともに、関係者のニーズを踏まえて新しい調査シリーズ、ディスカッ ション・ペーパー・シリーズを発行できたということであります。2点目は、アンケー ト等で大変高い評価をいただくとともに、ホームページへのアクセス件数が多かったと いうことでございます。3点目が、先ほど申しましたPDFファイル等々での迅速な提 供をし、利用者の利便性を図った結果、評価をいただくことができたということでござ います。4点目は、研究員が本来の研究に加えて雑誌等への原稿の執筆ですとかフォー ラムの講師など多く貢献できたということで、全体としてAでございます。  評価シートの12で「成果の普及」でございます。まず最初に、ニュースレター、「ビ ジネス・レーバー・トレンド」という月刊誌を発行しておりまして、毎月1回、以下の ようなテーマで発行させていただきました。下のほうで*印で書いてありますけれど も、読者のニーズも踏まえながらテーマを設定し、現在、4,600部普及ということであ ります。それから和文メールマガジンにつきましては、週2回発行いたしまして、ペー ジをめくっていただきまして、現在2万3,116人の読者数。それから英文メールマガジ ンにつきましても、年度計画通り月2回発行し、年度末で1,790人の読者数。  それからこれらにつきましての有益度のアンケート調査を実施いたしまして、これも なかなか回収が悪いのですけれども、「ビジネス・レーバー・トレンド」につきまして は86名の方ですけれども「有益」というふうにお答えいただきました。無回答の方が16 %おりまして、「有益でない」と答えた方は0でございました。それから和文メールマ ガジンは504名の方々から御回答いただいて、95%の方々から「役に立っている」と。 それで、「役に立っていない」、「あまり役に立っていない」と答えた方は2人でござ います。英文メールマガジン、これもちょっと少なくて79人、これは外国の方ですので 少ないのですが、多くの方から「有益」と。「あまり役に立たない」とお答えになった のが79名中2名ということでございました。  自己評価はAでございます。Aの理由は、1点目はメールマガジンの読者数はほぼ目 標どおりなのでBなのですけれども、ただこの2万件という読者数は規模として大変大 きなものがあるということで、Aをつける理由の1つにさせていただきました。2つ目 の理由が、4つ目のポツでありますが、有識者アンケート調査の中で「ビジネス・レー バー・トレンド」については非常に有益だと。テーマも時宜にかなったテーマであると いう高い評価をいただけたということであります。  ページをめくっていただきまして、3点目でありますが、2つ目のポツで、和文メー ルマガジンのアンケート調査で多くの方々から役に立っていると。理由についても把握 をいたしましたけれども、よい評価が得られたということであります。4点目に、特に 私ども、研究基盤整備事業等有識者懇談会という懇談会を組織しているのですが、その 中でインターネットの専門家の方から大変うちのメールマガジンについて高い評価をい ただきましたので、特記をさせていただきました。それから5点目に、英文メールマガ ジンですけれども、これも高い評価を得ることができたということで、全体としてAと いう評価でございます。  次の評価シートの13でございまして、ホームページ、データベースの関係でございま す。(2)のロのところでありまして、第2パラグラフにありますけれども、年度目標 が640万件以上のアクセスをもらうということでしたが、大きく超えるアクセス件数に なったということであります。その次の○は、ホームページの主な変更改善の実績が書 いてございまして、ハの研究専門雑誌のちょっと上のところにございますけれども、ホ ームページのコンテンツ全体について「有益」という評価を得たということでありま す。  それから研究専門雑誌、これは『日本労働研究雑誌』を毎月1回発行するということ になっていまして、これは専門家だけなのですが、研究者を対象としたアンケート調査 でもよい評価をいただいたと。この次のページにかけて各号の特集テーマが書いてござ います。  それから、労働関係図書の論文及び表彰の実績が書いてございます。その下の若年者 の適職選択、就業支援、これが16年度に特に力を入れて取り組んだ点でございまして、 「高校生就職スタートブック」等々、若年者の就職に向けて役立つ成果物の提供、ホー ムページでの情報提供などを多くさせていただきまして、大学での活用、中学・高校で の活用の、少ない事例でございますけれどもちょっと御紹介をさせていただきまして、 (4)のところでどのぐらい出しているかということの実績をつくってございます。  次のページをめくっていただきまして、上の職業指導、「キャリアガイダンスツール 講習会」、これは16年度に全く新しく始めたわけでございまして、従来、行政官を対象 にしてやっていたものでありますけれども、高校・大学の進路指導・就職担当の方々、 あるいは民間企業の方も含めまして、民間まで対象拡大をして新たに実施をしたもので ございまして、大変好評を博することができたということであります。  自己評価はAであります。Aをつけた理由がちょっといっぱいあります。1点目が最 初のポツでありまして、ホームページのアクセス件数は640万という目標を大きく上回 るアクセス件数を得ることができたということであります。2つ目は、4つ目ぐらいの ポツにあります、有識者アンケート調査でホームページのコンテンツ全体について高い 評価を得たということであります。3点目に、外部の要望等々も踏まえまして、ホーム ページの改善を図ったということでございます。その改善を図ったことが有益度のアッ プであったり、アクセス件数のアップにもつながったのだろうというふうに思っており ます。それから4点目は、その下の『日本労働研究雑誌』でありますけれども、読者ア ンケート等において大変高い評価をいただくことができたということでございます。5 点目が、ページの一番下でございますけれども、若年者の就業支援の関係でいろいろな 取り組みをし、好評を博したということであります。  ページをめくっていただきまして、6点目であります。特に高校生の就職スタートブ ックは発行部数が45万部でございます。高校生で就職を希望している方が全国で20万人 ぐらいで、就職した方が10何万人かと思います。全国の就職を希望する高校生、それか らキャリア教育を使っている多くの学校で大変活用されたということでございます。そ れからAをつけた理由の7点目が、一番下のガイダンスツール講習会でございまして、 まさに研究と研修の融合の成果としての新しい取り組みを実施し、大変高い評価をいた だくことができたということであります。  ページをめくっていただきまして、評価シートの14であります。「政策論議の場の提 供」ということでありまして、最初に労働政策フォーラムでございます。労働政策フォ ーラムにつきましては、このページから次のページにかけまして、全体で7回にわたっ て開催をいたしましたが、ちょっと特徴だけ申し上げますと、41ページの上のところで ありますけれども、全体で7回をやりました。今年度は特に行政とのタイアップという のを力を入れました。それから若年者問題に力点を入れるということで、異なる観点か ら4回開催をいたしました。その中で、先ほどもちょっと、地域雇用開発で日本経済新 聞社から本が出ると申しましたが、第4回目のニートのフォーラムについては、これは NHKの出版社から本にさせてくれということで、NHKの生活人新書というところか ら本が先般発行されまして、もうすでに2刷になってございます。  それから、その下の各回とも満足度は非常に高かったということでありまして、評価 委員会の指摘を踏まえて昨年、第3回目からはアンケート調査の有意義の理由も書いて いただくようにしました。それからフォローアップ調査もしろということでしたので、 ジョブカフェ関係については、しばらくたってから業務に役立っているかというフォロ ーアップ調査もさせていただいたと、こういうことでございます。  次の42ページのロで「国際シンポジウムの開催」で、これは2回、予定通り。それか らハの「国際フォーラムの開催」ということで3回、予定通りを開催いたしまして、そ れで「有意義」と答えた人の割合というふうに書いてございますが、100%からのこの 差はどちらとも言えないという回答で、この5回に全部「有益でない」、「あまり有益 でない」と答えた方は0人でございます。最後が「雇用職業研究会の開催」でございま して、次のページにございますが、16年度は全部で6回開催をしたということでありま す。  自己評価はAでございます。Aをつけた理由でございます。最初のポツにあります。 目標を上回る18回開催をすることができた。2点目に、その下にございます、各回とも テーマに合致した有効な多くの参加者を得て実施することができた。特に行政とのタイ アップもうまくいったということであります。3点目に、特に若年者ということで、4 回、若年者関係のフォーラムをやりましたけれども、NHKのほうから先般出版されま して、すでに2刷ということで好評を博しているところであります。4点目に、参加者 の満足度アンケートで多くの方々から有益であるという評価を得まして、改善できるも のについてはパネリストの人選など意見を踏まえた改善を行ったということでありま す。  ページをめくっていただきまして、5点目に、フォローアップ調査みたいなものを考 えてはどうかという当部会の御指摘も踏まえつつ、第3回のジョブカフェ関係者のフォ ーラムにつきましては、「その後どうですか」ということのアンケートをお願いし、業 務に役立てているというような御報告をいただいたところであります。6点目に、国際 シンポジウム、フォーラムでありますけれども、多くの方々から「満足」ということ で、「有益でなかった」という方は0人でございました。7点目に雇用職業研究会であ りますけれども、多くの方を集めて、満足度も昨年よりもさらに高い満足度を得ること ができたということであります。8点目に、いくつか意見を踏まえた改善などを行った ということで、雇用職業研究会について改善を図ったということであります。その結 果、有益度も高かったということでございます。  評価シートの15でございます。研究員がいろいろなところで活躍しているかというこ とで、最初の45ページは労働大学校の研修の講師として活躍しているかということで、 最初の行にあります、労働政策研究所に所属している研究員のうち延べ24名が講師とし て参画をしたと。特に16年度につきましては、研究員が担当する講座、講義を創設する というような新しい取り組みを行ったと。このページの下にありますけれども、研究員 が講師になった研修についての研修生からの評価ですけれども、大変高い評価をいただ くことができたということであります。  ページをめくっていただきまして、外部への貢献ということでありまして、46ページ の上に実績がございますが、外部機関からの依頼に基づく講師の派遣、それから厚生労 働省その他の審議会、研究会への参画ということでございます。この参画件数は48件と 書いてございます。昨年、20件でございましたけれども、16年度の特徴は、厚生労働省 だけではなく他省庁にも、いろいろな省庁にも参画が広がったこと。厚生労働省への参 画も9件が19件というふうに10件以上ふえておりますけれども、他省庁に広がった。そ れから自治体も、東京、神奈川だけではなくいろいろなところにふえた。こういうよう なことが特徴かと思います。  自己評価はAというふうにしております。Aをつけた理由ですが、1点目は多くの研 究員が研修に参加し、研修のプログラムについても改善、さらなる充実などを図ること ができた。2点目に講演等への研究員の派遣。昨年63件だったのが115件。それから研 究参加、これが35件だったものが今年は73件というように、大変多く外に貢献ができ た。それから3点目に厚生労働省等の審議会、研究会への参画。昨年の20を上回る48件 に増加、しかもいろんな省庁にも波及できた。こういうことで、全体としてAという評 価をつけたということであります。以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは御質問のほうをお願いいたします。どうぞ。 ○宮本委員  シート13の38ページのあたりですが、いろいろな印刷物及びホームページの充実とい う形でなさっているということがわかるのですが、印刷刊行物の発行部数と、それから ホームページ上で提供する情報、ここの関係というか位置づけはどういう形になってい るのでしょうか。それから印刷物の場合に有料と無料がありますね。このあたりはどう いう方針でされているのでしょうか。例えばこの報告書はこれ、基本的に無料ですよ ね。このテーブルの上にいただいている報告書など無料になっていると思いますが、こ れは全文ホームページでもとれるようになっておりますけれども、このあたり、時々、 利用者としてはこれはどういう方針になっているのかというふうに思うことがあります が、そのあたりについて伺いたいのが1点と。  それからもう1つ、今、最後のところでお話しになっていたところで、例えば外部か らの講演等の依頼、それから審議会への参加、このあたりが数として相当多くなってい るのですけれども、このあたりは努力したということでこういうふうになるのか。ある いは客観情勢の問題なのか。そのあたりについて、ちょっと説明をいただければと思い ます。 ○山田広報部長  それでは広報担当のほうから説明させていただきます。有料、無料の方針でございま すが、基本的に研究成果物の大原則としては、先ほども申し上げましたように刊行され 次第、素早くホームページで、しかも全文を公表しようといたしております。  ということで、今ほどるる御説明申し上げました調査研究成果物、報告書を中心にし て、あるいはディスカッションペーパーにいたしましても、すべて刊行と同時にホーム ページにおいてPDFファイルにいたしておりますが、報告書につきましては、刊行部 数のうち100部につきましては有料版をつくっております。同じこのスタイルに裏に定 価をつけておるのですけれども、これはホームページで全文は見れますけれども、やは りこの冊子の形で手にとって見たい、それからもちろんプリントアウトしていただけれ ばよろしいのですが、やはりこれも大変だし結果的にコストも高くつくということもあ りますし、100部につきましては有料で販売をさせていただいています。もちろん、広 告しているわけではございませんので、御希望の方にということでございますけれど も、そういう形でやっております。  あと、研究成果物の中でもツールがございます。例えば「職業ハンドブック」、ある いは「キャリアインサイト」というキャリアのガイダンスに活用してもらっている、そ ういうツールにつきましては有料で販売していますけれども、これも限定つきといいま すか、特に「キャリアインサイト」につきましては、そういうきちんとした的確な指導 ができる方という条件つきで有料で販売いたしておりますが、それ以外の紙ベースのも のは、かなりの割合が無料で出ています。これは私どもがいただいています予算の執行 義務の範囲で、無料でということにいたしております。  それから、例えば「ビジネス・レーバー・トレンド」というニュースレターを先ほど 御紹介いたしました。それから『日本労働研究雑誌』でありますとか、これは基本的に 有料の月刊誌でございますので、部分的に私どもで必要とさせていただいている方には 御寄贈という形でお送りいたしておりますけれども、一般の市販ということで有料で御 購読をいただいております。それから、これも先ほど総務部長からありましたように、 「国際労働比較」でありますとか、「ユースフル労働統計」でありますとか、こういう ものにつきましても基本的には有料で販売いたしますが、逆にこれは関係者の方には白 表紙で寄贈させていただいている割合もございます。  いろいろ申し上げましたけれど、ケース・バイ・ケースで、これは有料に重きを置こ う、あるいはこれは無料での情報提供に重きを置こうというような形で分けてございま す。そんなお答えでよろしゅうございますでしょうか。 ○宮本委員  例えば高校生の就職スタートブック、45万部とかというような形で、こういう刊行物 を出して収入を得るというようなことに関しては、機構としてはどういう方針を持って いらっしゃるのでしょうか。 ○山田広報部長  実は45万部出ております、これは1部60円ぐらい、実費販売ということにいたしてお ります。私どもの組織といたしまして相当な収入になっておりますが、これはむしろ経 理部長に補足してもらったらよろしいのかもしれませんが、自主財源事業のところでま かなっておりますので、収入事業になるのですが、結果としてはこれは私どもで利益と してうんぬんというものではありませんで、最終的な決算の段階で経理部の方針にのっ とって処理をさせていただくということですので、収入をもうけてこれをまた次の事業 に云々というような形にはなっておりません。 ○小山研究調整部長  よろしゅうございますか。先ほど、講演会や審議会への参加ということでお話がござ いましたが、私どものほうから積極的に売り込んでいるわけではないのですが、基本的 には関係するところからの依頼に応じて対応しているということですが。ただ、新法人 になりまして、こういう外部の政策企画立案にも積極的に貢献するという方針が明確に されておりますので、そういう意味では従来よりは外部からの御依頼に対しては積極的 に対応するようになってきたという姿勢の変化はあると思います。 ○宮本委員  ありがとうございました。 ○井原部会長  はい、どうぞ。 ○川端委員  若年者の就業支援についてもいろんなことをおやりになって、大変努力されていると 思いますが。ハローワークとの関係はあるようですけれど、同じ独法である雇用・能力 開発機構もそういう研究をされていますね。それは何か連携があるのか。あるいはお互 いの分野が明確に区分されているのか。あるいは、部分的に競争の関係にあるのか。こ こらあたりはどうなのでしょうか。お伺いしたいのですが。 ○姉崎総務部長  雇用・能力開発機構の事業について深く承知をしておりませんけれども、おそらく若 年者向けの職業訓練とか評価とかそういう取り組みをされておられるのだと。そのとき に私どもの関係では、どちらがどちらをやるというふうにはお互いに話し合ったことは ございません。多くの学校で、例えば説明する時間がなかったので紙媒体のものとか説 明していませんけれども、こうしたものもあちらの事業の中で活用していただいたりし ているのではないのかというふうに思います。  それから、「キャリアインサイト」とか「オービー」というその職業適性診断システ ムですが、これは例えば雇用能力開発機構が京都で「私のしごと館」というのを運営し ておりますけれども、私のしごと館でもこういう講習をやりたいということがあったの で、うちの研究員が私のしごと館に行ってそこで講習会を開いたりと、そういう意味で は連携も図りながらやっております。 ○井原部会長  それでは、よろしゅうございますでしょうか。 ○寺山委員  1ついいでしょうか。 ○部会長  はい、どうぞ。 ○寺山委員  今の研究者の社会貢献というか、非常にポイントだろうと思いますけれども、こちら の機構としても、研究者が本来の研究業績を上げるという以外に、こういう社会貢献と か研修への参加というのも業績評価の中に当然入っていると考えてよろしいんですね。 ○小山研究調整部長  入っております。 ○寺山委員  わかりました。 ○部会長  それでは、ここで評価の記入をお願いしたいと思います。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは最後の第4グループの評価シートの項 目、16から20までの実績の御説明をお願いいたします。 ○姉崎総務部長  それでは12時に終われますように努力をいたしますので、よろしくお願いいたしま す。  評価シートの16でございまして、労働関係の職員に対する研修でございます。(1) の「研修の効果的な実施」ということでございまして、本省の実施要綱、研修計画等を 踏まえて実施をしたと。16年度は特に研修コースの改廃等にも取り組みをいたしまし て、それから座学よりも演習やロールプレイなどをより重視するような形の研修の内容 の充実を図ったということでございます。  研修の中身ですけれども、一般基礎と書いてございます、これは新規採用職員等の研 修でございまして、全員が受ける。その下の一般上級、これは原則として採用7、8年 目の職員を対象に全員が受ける。全国のハローワーク、監督署に勤める職員を中心にみ んなが受けるという研修でございます。ページをめくっていただきまして、専門という のがございますけれども、それは各行政分野において専門性の高い業務について、その 当該業務の担当職員を対象に実施をするものでありまして、一番下の管理・監督者、こ れは新しくハローワークや監督署長さんになった方を対象とした研修でございます。  ページをめくっていただきまして、16年度におきましては、この表の一番下にありま すけれども83回の研修を実施いたしまして、延べ3,885名の方を対象に実施をしたとい うことであります。ロの「研究員の講義への参画状況」で、内数ということで24。先ほ どの研究所の中の研究員が24、それ以外に労働大学校に所属している研修研究部門の研 究員もあわせまして、年間で延べ41名が参加をしたということであります。ハの「研修 に関する研究等」ということで、研究員とそれから教員とが協力いたしまして、16年度 は20種類の教材ビデオの改訂、作成などを行ったということでございます。  以上の結果でありますが、次のページでございます。中期目標では毎年、研修生の85 %以上から「有意義」との評価を得るということで、16年度におきましては93.8%の研 修生から「有意義」との評価を得たということであります。自己評価はAであります。 Aをつけた理由であります。1点目は、研修内容の充実を図ることができたということ であります。2点目は、年間で延べ41名と多くの研究員がその研修に参加をしたという ことでございます。3点目に、研究部門と研修部門、連携をいたしまして教材開発や改 訂等の作業を行うことができた。4点目に、厚生労働省の要望を踏まえながらコースの 改廃、内容の充実に取り組むことができたということであります。5点目に、真ん中の 下にありますが、以上の取り組みとして全体として93.8%の研修生から「有意義であっ た」という評価を得、年度目標の数値を大幅に上回ることができたということでありま す。  6点目はその下で、昨年のこの部会の意見を踏まえまして、有意義だった理由を記述 していただくように年度途中から変更いたしまして、その中で特に有意義でなかった理 由というので、研修時間が少ないというような御意見がありまして、こうしたものにつ いては資料や研修内容の見直しに努めたということでございまして。やはりどういう理 由で有意義だったか、有意義でなかったのかという理由を聞くことが次の業務の改善に つながっていくということで、大変よい御指摘を部会からいただいたというふうに思っ てございます。  ページをめくっていただきまして、評価シート17でございます。「その他の事業」。 労働教育講座事業ということでありまして、これは真ん中辺にあります第53回東京労働 大学総合講座、352名の方の参加を得て4月から7月まで実施をいたしまして、有意義 度アンケートでは205名の方から御回答をいただきまして、「大変有意義であった」と いうふうにお答えをいただきました。「あまり役に立たなかった」、「役に立たなかっ た」と答えた方は6名いらっしゃいまして、全体の2.9%でありまして、ちょっと専門 用語が多過ぎるとか、資料に比べて時間が少ないとかというようなことの御意見をいた だきまして、17年度からは講義時間を少し長くする等の改善を図ったところでありま す。  それからこの部会から、フォローアップ調査とかも考えたらどうかということで、7 月に終わってから、この3月にフォローアップ調査をいたしまして、なかなか回収が悪 いのですけれども、55名の方から「その後どうですか」ということでいただきましたけ れども、少ないのですけれども、多くの方々から「役に立っている」という評価をいた だいたところであります。それから専門講座ということで、労働法、労務管理・労働経 済のコース。これは有意義度は100%でございまして、有意義でないと答えた方は0で ございました。  ページをめくっていただきまして、通信教育講座であります。これも多くの方々が参 加してうまく実施をできまして、有意義度の評価も高かった。それで、「あまり有意義 でない」と答えた方が全体で16人、「有意義でない」と答えた方が3人と、全体の2.8 %いました。理由についてはフリーアンサーだったのですが、特に明確な記述がござい ませんでしたので不明でございます。  自己評価はAであります。Aをつけた理由であります。総合講座につきましては定員 を上回る受講者を得て実施をし、有意義度も大変高かったということがあります。2点 目に、総合講座だけでありますけれども、フォローアップ調査をいたしましたところ、 役に立っているというふうに多くの方からお答えをいただくことができた。3点目に専 門講座ですけれども、両講座の定員を合わせると80名、それを上回る定員で実施をし、 かつ受けた方からは高い評価をいただくことができたということであります。4点目 に、通信教育講座につきましても、いくつか改善もしながらやって、受講者アンケート で高い評価を得ることができたということで、全体としてAをつけさせていただきまし た。  次の評価シートの18で、予算の関係でございまして、ここはもう計画通りにやりまし たということで、自己評価はBでございます。財務諸表の詳しい内容につきましては、 7月29日の日に篠原委員に御説明をさせていただいて、必要な御指摘等は受けたところ でございます。  評価シートの19が人事の関係でございまして、イが「優秀な人材の確保」。これは研 究員の関係で再掲になります。その下の「新人事制度の運用」ということで、15年度に 確立をした業績評価制度を含む新人事制度の本格運用を開始したということで、16年度 が初めての1年間でしたので、年度当初に個人目標を設定し、上司と部下が期首面接を して個人目標を設定をし、中間で面接をし、期末で面接をし、業績評価をするという一 連の流れをその16年度、初めて実施をさせていただいたということ。  それからもう1つは、この部会でも指摘がありましたけれども、職員の意識調査であ ります。たまたま特殊法人時代に意識調査をやりましたので、独法になってどう変わっ たのかというところの意識調査を昨年の8月に実施をいたしまして。業績評価制度等々 について肯定的な評価をいただいたのですけれども、2点、職員のほうからちょっとま ずい結果がありまして。1つが能力開発の関係でありまして、職員の皆さんはどうも組 織として職員の能力開発を支援しているというふうに思っていただいていないというこ とと、もう1つが、業務がまだ非合理なところがあって、もうちょっと業務の効率化、 簡素化ができないかと。この2点でございました。  業務の簡素化、合理化につきましては、一番最初の評価シートで言ったとおりの改善 を行いまして、能力開発の関係につきましては次のページでございます。55ページでご ざいまして、まずその一番上のポツでございますけれども、私どもの法人としての全職 員を対象とした能力開発に関する基本計画を作成いたしまして、それに基づいて各種の 研修を進めていくということであります。それから具体的な制度として理事長からも説 明がありましたけれども、16年度は特に夜間の社会人大学院への派遣制度を創設いたし まして、リサーチ職の派遣をしたり、あるいは事務職員の表彰制度をつくったりという ような。それから、17年度からの実施に向けての自己啓発支援の拡充の検討などを行っ たということでございます。  それから、引き続き給与水準の見直しについて取り組んだということでありまして、 これもまた前回、篠原委員から宿題になっていて、給与水準の見直しに向けてどういう 取り組みをしているのか、これはまた別の資料で説明させていただきますが、いずれに しても取り組んだということであります。  自己評価はAでございます。Aをつけた理由でありますが、3つ目のポツにございま すけれども、目標管理制度に基づく業績評価制度、これについて年間を通じてきちっと 実施をしたということでございます。具体的な処遇の反映につきましては、今年度分か ら来年にかけてと、こういうふうに考えてございます。とりあえず、まず1年間習熟す るということでやったということであります。2つ目が職員の意識調査を実施いたしま して、職員がこれは問題であるというふうに思っている能力開発面、業務の効率化面に ついて速やかな対応をとったということであります。3点目が、次のページにかけてあ りますけれども、特にリサーチ職を中心とした職員の専門性の向上を図るという観点か ら、大学院、夜間大学院への派遣制度等々の具体的な取り組みをし、実績もつくったと いうことであります。4点目が労使双方の協議のもとで給与水準の見直しにきちっと取 り組んだということでございます。  最後の評価シートの20が「施設・設備に関する計画」ということで、16年度は真ん中 の計画でございますけれども、施設・設備費補助金8,400万円をいただいておりまして、 これをもとに法人本部におけるエレベーターの改修工事等、労働大学校における外装塗 装工事等を実施いたしまして、なお書きで書いてございますけれども、工事の実施に当 たっては一般競争入札によりやりまして、額は少ないですけれども若干の節約をした と、こういうことでございます。  以上でございまして、給与水準の見直しの取り組みにつきましては、理事長が説明を した資料3のほうでございますけれども、資料3の14ページというところで。実はこの 14ページが篠原委員の宿題への回答というふうになっていまして、上のほうがシステム 監査、先ほどのシステム監査の関係でございます。その下が給与水準の見直しでござい まして、私どもの方針は右に書いてございますけれども、この3年半という中期目標期 間中に適切な指標の比較において国との実質的な均衡に向けた見直しを進めていくと、 こういうことでございます。それで先般、国家公務員との比較におけるラスパイレス指 数というのが発表になってございますけれども……。  その前に、下で取り組みでございますけれども、実は15年度におきましてはそのボー ナスの支給、国よりちょっと多かった支給月数を減らして国と同じにしたり、それから 4月から国のほうが6か月定期ということだったので、先取りして前の年の10月からそ ういうことをしました。16年度、去年の4月からは事務職職員について本俸の2%の引 き下げ、定期昇給の停止、管理職手当の削減、例えば部長さんであれば20%の管理職手 当を15にしたと。17年度も、※印で書いておりますが、今年の4月からも事務職員につ いては定期昇給は引き続き停止、それから地域手当は2%削減と、こういうようなこと にしております。  それで、上のほうのラスパイレス指数でありますけれども、事務職のラスパイレス指 数、公表数値ですが、昨年、15年度は127.8でございました。大変高かったのです。そ れを踏まえて取り組みをしまして、16年度は122.2ということでございます。この122.2 というのは、私どもの機構の職員の年齢構成と国家公務員の年齢構成を調整しただけの 数字でありまして、地域要因だとか学歴要因を調整しておりません。  地域要因とか学歴要因は何かというと、東京だと調整手当12%という手当がついてい るのに、例えば青森県に住んでいたら0なんですね。それで、その比較対照になってい る国家公務員は全く、何ら手当をもらっていない人が半分近くいるんです。うちは東京 に事務所があるので、うちは12%高いと言われても困るんですね。そもそも、それは制 度的につくわけですから。そうしたところを調整しないで。それから比較対照になって いる国家公務員のほうは大卒比率が39%でありまして、うちは大卒比率はほとんど大卒 しかおりません。そうした学歴要因、地域要因を調整していないのが公表数値でありま す。そうした要因をちゃんと調整すべきだというふうに人事院に文句を言いまして、人 事院のほうが今年からそうした要因もちゃんと調整した数字を計算するようになりまし て、その数字が106.1という数字でございます。  要は、うちは公表が122.2になっていますけれども、地域要因ですとか学歴要因を調 整すると、国が100に対して106.1になって、ちなみにこの106.1のうち、国の出向者、 厚生労働省からうちの法人に出向している人間がおりまして、出向している人間を除い てプロパーの職員だけで見ますと102.3でございまして。102.3ということで、実はもう 15年度のボーナスのときから、去年からどんどん給与カットとかしておりまして、相当 な給与削減になっておりますけれども、そうした削減を労使で協議をしながら進める中 で、プロパーだけで見れば16年度ですでに102.3ということで、実質的な均衡に向けて 取り組むという目標を達成しつつあると、こういうふうに考えてございます。以上でご ざいます。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは質問のほうをお願いします。はい、どうぞ。 ○松田委員  人事制度の改革に至ったようですけれども、人事院のを踏まえても、能力等級制度を 基準としているのか。あるいは全く独自の業績成果主義に向かっているのか。そして有 効的回答が10%か20%。これではわからないですね。相対的に全部で何%なんですか。 ○姉崎総務部長  10%というのは、すみません、どこの? ○松田委員  有効的回答が10%か20%とありますけれど、それはふえた分でしょう? 全体的に職 員がこの人事制度改革に何ら抵抗なく賛成というのか、あるいはかなりの問題を抱えて いるのか。その辺、ちょっとお聞かせいただけますか。 ○姉崎総務部長  職員の意識調査につきましては、全体として7つの項目に分けて、業績評価制度、人 事制度、コミュニケーション戦略についてどう思うか、個人とチームの能力開発につい てどう思うかというので、7つの項目について、「全くそのとおりだ」とか、「そうで はない」、「全く違う」というので、「全くそのとおり」だと6点、「全く違う」とい のは1点ということで、1点、2点、3点、これで職員に選ばせて。  そうすると、例えば個人とチームの能力開発というのでいいますと、全職員の回答し た職員の点数を集計すると、2.8というふうになるんです。これが特殊法人時代が2.8と いうことであって、今回やったらそれが2.9。そういう数字で、前よりもふえたのだけ れども、1点から6点で平均すると3を下回っているものというのは、反対側の人が多 いということなものですから。それがその能力開発の話と業務の改善のところ、ここが 前より改善したのだけれど、でも3ポイントは下回ってしまったというところで、そこ を直したと、こういうことであります。その肯定的回答が、例えば3.3が3.8になったと かいうようなことで、ほかのところは前よりもふえていて、かつ3を超えているとこう いうことで、肯定的だというふうに書いたのですけれども、当然不満足な人もいるわけ であります。 ○松田委員  それは、あまりにも業績にウエイトをかけすぎているのではないでしょうか。先ほど の成果を見ても、それは確かに業績はすごい成果ですけれども、やがて2、3年たった らそれはくずれますよ。 ○姉崎総務部長  例えば経費の節減のところで、15年度その18%節減をし、16年度は12.4%で、もう限 界であります。17年度はこれまでの水準をいかに維持していくかということで、これは 3月のときに説明させていただいて。それから業績評価の関係も委員からも。私、御心 配であり激励であるというふうに受けとめましたけれども、どうも研究員の中でも、と にかくアウトプットばかり求められて、それも量を求められて、インプットする時間が ないではないかと。しかも、売れっ子の人はほかの審議会の委員にもなってくれだと か、研究会に入ってくれだとか言われてあちこちに参画して、ますます自分の研究の時 間がなくなると、こういうことの状況になってございます。  私どもは新法人の発足をして、理事長もおっしゃっていましたけれども、単なる2つ の組織の延長線上ではなく、心機一転、新しく生まれ変わるということで、少し全速力 で走り続けてきたというのがあって。ちょっとこのままでは今後なかなか難しいという 面がございまして。まず最初の中期目標期間、3.5年をいかに乗り切るかということで やってきたのですが、次期中期目標に向けては、研究も例えば量よりももっと質を重視 して、もっとじっくり、より深く研究できるような質を重視していくとか、そういうと ころに少し変換していかないと、このままでは走り続けられないというふうな感じを持 っております。 ○松田委員  確かに一般管理費とか業務費は大幅な改善になりましたね。その改善のほとんどはコ スト削減でしょう?ところがそのコスト削減は、従来はほとんどやっていない。例えば 水道料金もそうだし、あるいは夏のクーラーもそうだし。職員が全く意識がないんです ね。ところが理事長のリーダーシップがよろしいのかどうかわかりませんけれども、急 に高まった。組織の一体化が進んだ。今まで能力を持っている人が急に能力が高まるわ けではない。そのことが、結果としてはSとかAになるけれども、その点をよく考えた ら、甘いと思うんです。甘い評価だと。 ○宮本委員  それに関連していいですか。 ○井原部会長  どうぞ。 ○宮本委員  大学の場合の研究者ですと、自分の忙しさといろいろなもので折り合いをつけて断っ たり受けたりするわけですけれども、機構の研究員の場合は、これは義務になるのでし ょうか。これは各種の業務それぞれ違うかもしれません。 ○小山研究調整部長  外部からのいろんな審議会、研究会等への参加についてのお話ですか。 ○宮本委員  例えばですね。 ○小山研究調査部長  それについては、もちろん個々の研究員の状況を見ながら、必要に応じてお断りする 場合もありますし、同じような研究をやっている別な研究員にかわってもらうというこ とも、場合によってはあります。ただし、私どもの本務はあくまで調査研究でございま すので、これについては年度計画で決めた研究テーマはそれぞれの研究員に必ずやって いただくということになっています。それから機構の中のいろいろな研修の、大学校で の研修講師とか、あるいはフォーラムの講師、これも基本的には、最終的にはこれは業 務命令という形になるわけですが、事実上は広域に調整してやっているというのが実体 でございます。 ○宮本委員  伺った理由というのは、コストは削減されながらアウトプットのほうはかなり伸びて いますね。そういう意味でいうと評価は高いことになりますけれども、ということは、 労働時間の問題からいってもかなり無理があるような進行になっていないだろうかとい う、そういう点で伺ったわけです。 ○小山究調整部長  基本的には、昨年6月から裁量労働制を研究員に関しては導入しておりますが。た だ、おっしゃるとおり一部の研究員、あるいは特に年度末、その年度の成果のとりまと め、追い込みの時期に関しては、かなり大変な思いをしているのは事実でございます。 先ほど総務部長も申しましたように、今、全速力で走っている状態であって、これがい つまでも続くかどうかという問題も考えなければいけないのですが。例えば16年度は先 ほどプロジェクト研究9件のほかに個別研究37件、テーマ研究をやったわけですが、そ ういう意味では17年度はある程度個別研究のほうはテーマを厳選いたしまして、件数で は28件に絞ったというようなことは、非常に部分的な取り組みではありますが、そうい ったことはやっております。 ○井原部会長  はい。 ○今村委員  今の宮本委員に引き続きなのですけれども、評価の項目で、評価されないこととされ ることについて努力の度合いが違うということは、システム上当然考えられるのです が、例えば地道なチームワークというか、日常業務に関する評価というのは項目の中に 入っているかどうかということ、つまり業績に関しては非常に評価の項目でウエイトを 置いているのですけれども、組織維持のための重要な項目について、評価の中に入って いるかどうかというのが1つと。  それからもう1つ、また別の点なのですが。51ページです。先週末に労務学会があっ たのですが、民間企業という話がさっきから出ていますけれど、実務家の方が労働問題 に関して近年非常に興味を持っているということがありますが、そういう民間とのアク セスの問題でいくと、この講座の名前等が。ニーズが高いにもかかわらず、名前等でも しかしたら損をしていないかという印象がちょっとある。つまり、そういう民間の潜在 的なニーズについて掘り起こしの努力がどうなのかというところを1つお伺いしたい。 以上2点です。 ○小山研究調整部長  若干繰り返しになるかもわかりませんが、研究員の業績評価については、調査研究活 動そのものが当然最大の評価項目になるわけですが、それ以外に機構内の各種の委員会 を初めとする活動についての研究活動以外の評価を、これはあくまで加点要素として評 価をしております。それから、あくまでそれは表に出た行動、活動を評価するわけで す。そこのチームワークとかいうことになりますと、チームワークそれ自体を評価する 項目というのは実はございませんので、今度は総合評価をする際にある程度裁量的に加 味するという形で対処しております。 ○山田広報部長  労働教育講座の件でございます。この講座は過去に53回というふうに銘打っておりま すように、もう半世紀以上になります大変な歴史を持っています。その間、いろんな実 施団体、変遷がございます。新法人になりましてから私どもの法人でやっているという ことでございますが、名前は一貫してこういう名前でございます。350名ぐらい、例え ば総合講座、あるいは通信講座でも1,700〜1,800名ぐらい、私どもといたしましてはユ ーザーのニーズを、それなりによく評価をいただいていると思っております。中身もほ とんどが企業の方でございます。もちろん組合の方、あるいは自治体の方等とございま すけれども、企業の方でございます。夜間等々に本当に頑張って受講されていると、私 も見ておりまして感心いたします。  ただ、先生おっしゃるように、名前がもっと違う、もっと魅力的な名前であれば、ま た違う層のところにも浸透するかもしれない。全くおっしゃるとおりでございまして。 労働政策研究・研修と、研究と研修が一緒になって、さらに民間研修にもウイングを広 げて頑張るのだということからしますと、半世紀変わっていない名前を、もっと受講 者、利用者の方向けに検討してみるというのも重要な御指摘だろうと思います。その辺 はさらに検討させていただきたいと思います。 ○井原部会長  あとはよろしゅうございますでしょうか。それではまた評価のコメントをお願いいた します。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは最後に総括といたしまして、何か御質問 等がございますればお願いいたしたいと思います。 ○篠原部会長代理  よろしいですか。今回の特殊法人から移行した部分は、ちょうど半年で次の1年にな って、どうもいろいろと見ていると、走り過ぎているかなという気がして。我々の評価 も難しいのは、各委員も言っていたように、今後、定常的にモチベーションがきちっと 維持された状態でいい成果ができるような体制かなと。そちらにもっていくために、い ろいろと考えなくてはいけないかというのを感じました。ですから、我々もあまり厳し い評価をしてもいかんし、難しい局面に来ているかなという。 ○井原部会長  どうぞ。 ○小野理事長  ただいまの御発言もありましたし、それから松田委員、宮本委員からも御発言があり ましたけれども、一方でコストを削減し、業績がどんどん上がっていて、これは大変無 理をしているのではないかとこういう御心配であったと思います。  私はこの独立行政法人になる前に非常勤の研究所長をやっていまして、やっている途 中で独立行政法人になったわけですが、したがって両方比較できるわけです。全く違っ ているわけです。業績の数も多いし、内容も非常によくなっているわけです。これはリ サーチ・アドバイザー部会でしたか、あるいは総合評価諮問会議だったか、どちらかち ょっと忘れましたけれど、ほかの委員からも、これは大変無理をしているのではないの かと、こういう御指摘がありました。他方、「今こんなにいい業績があるのに、昔はそ うでもなかった。昔は随分タランコしていたね」と、そういう意味合いの発言もあった ようなわけです。  御指摘のように、あまり無理をして、1つは研究員が健康を損なってしまっては、こ れは組織として将来を考えた場合に大変問題でありますので、そういう点、少し注意し てくれるように、折にふれて言っております。  それから、先ほど総務部長からも話がありましたけれど、やはり量だけではないんで す。やはり今後はもう少し質ということを考えて、研究を進めていく必要があるのでは ないかというふうに考えております。いろいろ今後の研究体制の進め方、あるいは事務 系の職員の働き方についても、内部で考えてよりよいものにしていかなければならない と思っています。  本日は暑いところを、わざわざこの会議のために御出席をいただきました。今後とも 私ども、大いに頑張っていく所存であります。無理のない程度に頑張っていく所存であ ります。どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。 ○姉崎総務部長  あと、すみません、お手元に配付をさせていただいた資料ですが、お持ち帰ると重い と思います。それで、後ほど事務局のほうで先生方のところには送付をさせていただく ということですので。そのまま置いていっていただけると自動的にあとで送られてくる ということでありますので、時間があるときにぜひ見ていただけると大変ありがたく思 います。 ○井原部会長  そのほかにございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  ただいまの理事長のお話にありましたように、持続可能な組織ができ上がったと、効 率的な組織ができ上がったと。それを踏まえて今後、より質の高い研究の方向に転換し ていってほしいというのが、きょうの皆様方の大きなお声だったと思います。よろしく お願いしたいと思います。                                     <了> 照会先  政策統括官付政策評価官室独立行政法人評価係  電話:03−5253−1111(内線7790)