05/08/01 独立行政法人評価委員会第18回労働部会議事録          独立行政法人評価委員会労働部会(第18回)議事録                            平成17年8月1日(月)                            13:00 〜16:00                            場所:厚生労働省省議室 出席委員:井原委員、今村委員、宇佐美委員、小畑委員、川端委員、篠原委員、      寺山委員、久道委員、松田委員、宮本委員(五十音順) 1.開会 ○政策評価官  定刻になりましたので、ただいまから第18回独立行政法人評価委員会労働部会を開催 させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠 にありがとうございます。  部会長を選出していただくまでの間、政策評価官の私、岩渕が議事の進行を務めさせ ていただきます。  それでは、はじめに委員の先生方を御紹介させていただきます。五十音順に紹介させ ていただきますので、お手元の資料1−1をごらんください。  井原哲夫委員でございます。今村肇委員でございます。宇佐美聰委員でございます。 小畑史子委員でございます。川端大二委員でございます。篠原榮一委員でございます。 寺山久美子委員でございます。久道茂委員でございます。松田憲二委員でございます。 宮本みち子委員でございます。本寺委員は本日御欠席でございます。 2.議事 (1) 部会長、部会長代理の選出 ○政策評価官  それでは、議事に移らせていただきます。  はじめに、本部会の部会長を選出していただきたいと思います。独立行政法人評価委 員会令第5条第3項に基づきまして、部会長を当該部会の委員の互選により選任するこ とが定められております。どなたか御推薦いただけませんでしょうか。 ○篠原委員  学識、経験が豊富であり、独立行政法人評価について知見の深い井原委員に前期に引 き続いてお願いしてはどうでしょうか。 ○政策評価官  ただいま、井原委員を部会長にという御推薦がございましたが、いかがでしょうか。    (異議なし) ○政策評価官  ありがとうございます。それでは井原委員に本部会の部会長をお願いしたいと存じま す。井原委員には部会長席にお移りいただき、以後の進行をお願いいたします。 ○井原部会長  御指名でございますので、進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたし ます。まず、はじめに、部会長代理を決めさせていただきたいと思います。  部会長代理は、部会長が指名することとされておりますので、これまでの御経験、御 見識から篠原委員に部会長代理をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。  それでは、よろしくお願いいたします。 ○篠原部会長代理  労働部会はマスコミ等にも注目されていますので大変だなと思いますが、評価委員と しても積極的に発言させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (2) 独立行政法人評価委員会総会での決定事項について ○井原部会長  それでは、次の議事に移らせていただきます。  去る7月6日に第13回独立行政法人評価委員会が開催されましたが、そこでの決定事 項等につきまして、事務局から説明してください。 ○政策評価官  資料1−2「厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程」をごらんください。7月 6日に運営規程が改正されましたので、簡単に御報告申し上げます。  今回改正された部分は1ページの3条のところですが、「議決権の特例」という規定 が新たに設けられました。  第3条の2 委員並びに議事に関係のある臨時委員及び専門委員のうち、審議の対象 となる独立行政法人の事務及び事業について利害関係を有する者は、当該独立行政法人 に係る評価について議決権を有しないものとする、という内容でございます。  このような運営規定の改正をお決めいただいた背景を申し上げますと、昨年末ごろか ら、各省の独立行政法人評価委員会の委員が、評価対象となる法人から仕事を引き受け て報酬を得ているというのは評価の中立性・客観性の観点から問題ではないかというこ とで報道され、国会でも議論がありました。そのような議論を踏まえまして、複数の省 庁において、先ほど申し上げたような趣旨の規定を評価委員会の議事のルールとして定 めました。総務省が通則法の所管省庁になるんですが、総務省においてもそのような形 できちんと対応しているということを担当局長が国会で答弁したことがありまして、当 省の評価委員会についても中立性の観点からこのようなルールをお決めいただいたとい うことです。  問題になるのは「利害関係を有する者」の定義ですが、総会での議論においては、明 らかに利害関係を有すると考えられるケースとしては、評価対象の法人の役員や職員を 引き受けている場合、これは両方にかかわっているということで、利害関係を有すると いうことになるのではないか。もう一つは、毎月、何らかの委員会に出て助言をするよ うな仕事を引き受けると、これは利害関係があるのではないかということでした。その ほか、1回限りの講演でも法外な謝金を受けたら利害関係があるのではないかという意 見もありましたが、法外とはどのくらいかという議論になりました。研究費について は、最近は透明性の高い第三者評価機関で研究費の助成を決めているので、それは必ず しも利害関係ということにはならないのではないかという議論がありました。  個別に問題かもしれないと思われるようなケースがあれば、その都度、部会長あるい は委員長に申し出ていただいて、部会長、委員長に議決に加わっていただくかどうかを お決めいただくということで運用していったらいいのではないか、このようなことで規 定の改正が採択されたところでございます。  次に資料1−3「独立行政法人の業務・システムの最適化について」ですが、これは 大型のコンピュータシステムを持っているところが主として念頭に置かれております。 国では社会保険庁のオンラインシステムのように旧式の大型コンピュータを抱えて、高 い運営コストを払いながら運営しているところがたくさんありますが、こういったシス テムを見直して刷新し、契約形態なども見直してコストを下げていこう、効率化してい こうというのが各省共通の取り組みとして行われています。  独立行政法人のシステムについても同様の取り組みをすべきではないかという話が出 てきまして、6月末の各省の情報化統括責任者連絡会議、これは各省の官房長が集まる 会議ですが、その場でそういうことを行うということが決まった次第です。  独立行政法人は各省から独立した存在ですので、こういう取り組みを進めていただく にしても、まず中期目標の中に最適化を行うということを明記する必要がある。それを 受けて、法人側で中期計画の改正をした上で実際の最適化の作業にかかっていただくと いう段取りになります。  当評価委員会に御説明する趣旨は、このような観点から、システムを持っている法人 については、17年度中に中期目標の改正をお願いすることになりますので、あらかじめ 御説明をするというものです。  以上、総会での決定事項等についての御説明です。 ○井原部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明について、御質問等はござい ますでしょうか。よろしいですか。それでは、次の議題に移らせていただきます。 (3) 個別項目に関する評価の進め方について ○井原部会長  本日からの個別項目の評価の進め方について、資料が用意されていますので、事務局 から説明してください。 ○政策評価官  資料1−4「個別項目に関する評価の進め方について」をご覧ください。  雇用・能力開発機構、労働政策研究・研修機構、労働者健康福祉機構、勤労者退職金 共済機構、高齢・障害者雇用支援機構の順に5法人について、すべての個別項目に関す る評価の作業をお願いすることになっております。  どの法人も評価すべき個別項目は20ぐらい設定してあります。それを4つに分けまし て、まず法人の方から御説明いただいて、それに対する質疑応答をしていただき、その あと委員に評価シートに評価を記入していただく、そのような順番で作業をお願いする こととしております。  判定基準ですが、「独立行政法人の業務実績に関する評価基準」より抜粋して、次の ようにしております。  その年度の実績が中期計画に概ね合致しているとお考えの場合は「B」、中期計画を 上回っている場合は「A」、中期計画を大幅に上回っている場合は「S」、中期計画を やや下回っていれば「C」、中期計画を下回っており、大幅な改善が必要な場合は「D 」という5段階評価になります。  コメントを記入する部分がありますので、その理由あるいはその他のコメントをお書 きいただく。特にSとかDの評点の場合は必ず理由を書いていただきたいと思います。  評価に当たっては、「評価の基準」と「評価の視点」というものがファイルに入って おりますので、適宜御参照いただければと思います。  各委員の評点を事務局で集計し、5つの法人の個別評価の作業が終わったあと、第23 回の部会に整理して提出いたします。それを踏まえて、総合的評価という文章編を書い ていただくことになります。当部会の委員にそれぞれ御担当になる法人を決めていただ きまして、起草委員といっておりますが、起草委員から総合的評価の文章編を提案して いただく作業をお願いしたいと存じます。  資料1−5に起草委員の案を示しております。  労働者健康福祉機構については久道委員、小畑委員。勤労者退職金共済機構について は今村委員、本寺委員。高齢・障害者雇用支援機構については寺山委員、松田委員。雇 用・能力開発機構については宮本委員、宇佐美委員。労働政策研究・研修機構について は井原委員、川端委員。財務諸表及び余剰金の使途に関する意見担当として篠原委員。 ○がついている委員に部会の場での案文の御報告をお願いしたいと思います。以上の起 草委員の分担をお願いしたいと存じまして、これもお諮りしたい部分です。  評価シートの記入に当たって、当省の評価委員会で初めてパソコンの使用を試みるこ とといたしました。これまでは評価シートに手書きで記入いただいておりましたが、パ ソコンを希望された委員にはパソコンに用意したフォーマットに打ち込んでいただくこ とになります。初めての試みですので、御不明な点がありましたら事務局にお申し出く ださい。  なお、お手元に「各法人の平成15年度実績の個別評価」という追加資料をお配りして おります。これは、評点をつける際の参考として、委員長と御相談させていただいた上 で、各部会横並びで委員限りの資料としてお配りするものですが、その趣旨としては、 次の2点がございます。  1点は、各法人の評価は部会単位で行っていますが、評価結果はすべて黒川委員長名 で公表されますため、評価結果については、各部会間の整合性が求められます。したが って、他の部会の評価結果についても御存じいただいた方がよいということです。ただ し、法人の業績には当然差がありますから、評点を何らかの値にそろえていただきたい ということではございません。あくまでも御参考にということです。  もう1点は、先週、国会の衆議院決算行政監視委員会における質問で、当省の評価委 員会について直接の言及があり、評価委員会の評価結果が法人の自己評価どおりではな いかとの指摘がありました。評価のあり方についてそのような目で見ている方があると いうことを委員の皆様方に御承知おきいただいた方がよろしいのではないかということ で、御報告申し上げる次第です。以上です。 ○井原部会長  ただいまの事務局の説明について、御質問等がありましたらお願いします。よろしい でしょうか。  それでは起草委員はこの案のとおりとし、総合評価の際には、○のついている委員か ら御報告いただくこととしますので、よろしくお願いいたします。 (4) 雇用・能力開発機構の個別項目に関する評価について ○井原部会長  それでは、実際の評価に移りたいと思います。本日の進め方について事務局より説明 をお願いします。 ○政策評価官  本日の評価の手順ですが、まず最初に理事長から法人の16年度の事業のうち、特に重 点的な事項について、10分程度で報告をお願いしております。  その後、個別項目を4つのグループごとにまとめて、法人から業務の実績を説明して いただきます。大まかな時間配分は1グループにつき、法人からの説明20分、それに対 する質疑応答10分、評価シート記入時間10分としますと、1グループ40分になります。 4グループで160 分、最後の総括として5分ほど時間をとりたいと考えております。こ のとおりにはなかなか進まないかと思いますが、目安としていただきたいと思います。  資料2−2「評価シート」の見方ですが、表紙をめくっていただきますと評価項目の 一覧表があります。評価シート1から評価シート18までありまして、委員の皆様方に評 点をつけていただくのは18項目あるということです。  次のページを見ていただきますと、各項目とも同じ構成になっておりますが、左端に 中期目標の欄があります。業務運営の効率化に関する事項のうちの組織体制の見直しと 一般管理費及び業務経費の削減の部分です。  その中期目標に対応する中期計画の該当部分がその次の欄に書いてあります。  それを実現するために、平成16年度に法人が作成した16年度の計画の該当部分がその 次の欄に書いてあります。ここまでは既定の目標計画ということです。  右端の「平成16年度の業務の実績」という欄が、今回説明していただく16年度の該当 する実績の部分ということになります。  次のページを見ていただきますと、左端に「評価の視点」とあります。法人の実績を どのような視点で評価するかということを既にこの部会で議論していただいております ので、その視点が書いてあります。  その右の「自己評定」には、法人の側ではどのような実績であったと考えるかという ことが書いてありますが、この項目については法人の自己評定はAとなっています。そ の理由が「理由及び特記事項」のところに書いてあります。  以上を踏まえて、各委員におかれては右端の「評定」の欄に5段階評価のいずれかを 御記入いただき、「理由及び特記事項」を御記入いただきます。あるいはパソコンの該 当部分に打ち込んでいただく作業をお願いするということです。  評価の進め方の説明は以上です。 ○井原部会長  それでは、雇用・能力開発機構の岡田理事長から、法人の平成16年度の総括及び今後 の方針について説明をお願いいたします。 ○岡田理事長  委員の皆様には日ごろ御指導をいただいておりますことを、厚く御礼申し上げます。  さて、我が国の雇用環境は失業率が4%台で推移するなど改善しておりますが、雇用 のミスマッチは進んでおりまして、依然厳しい状況にあると思っております。また、 200 万人を超えるフリーターに加えてニートも増加しており、若年者の雇用問題は深刻 さを増しております。したがいまして、雇用の改善と創出、職業能力の開発、そして福 祉の向上を目指す当機構の役割はますます重要になっていると認識しておるところであ ります。  私は昨年6月、理事長に就任いたしましたが、当機構の地方組織の約半数にあたりま す60施設を訪問するなどいたしまして、新しい運営方針の浸透を図って職員の意識改革 に努めてきたところであります。  資料2−1をご覧いただきたいと思います。  運営方針の第1は、創意工夫を生かして新たな目標に挑戦することであります。独立 行政法人の下では、運営に当たり今まで以上に自主性が尊重されるため、一人一人が新 しい発想で創意工夫を生かして、コストを重視した改革に取り組むことが重要であると 訴えております。  第2は、市場のニーズを的確にとらえて迅速に対応することであります。当機構は長 年にわたり蓄積いたしました技術や経験がありますが、人材に対するニーズは急速に変 化しておりますし、また技術の進歩は著しいものがあります。したがいまして、企業を 積極的に訪問し、市場のニーズにあった業務運営や教育訓練をすることが不可欠である と考えております。  第3は、関係部門と緊密な連携をとり総合力を発揮することであります。内外の関係 部門と情報の交換や業務の連携を一層緊密に行うとともに、組織改革を実施することに より総合力を発揮して、より大きな成果に結びつけたいと思っております。  第4は、主体性を確立して責任ある運営をすることであります。当機構が責任ある業 務を遂行するためには、行政が企画・立案する段階から当機構も積極的に意見を述べる など、主体的に行動することによって、現場の実態を政策に反映させる必要があると思 っております。  第5は、業務のスピードを上げて改革を推進することであります。これまでも着実に 業務の改善や処遇の見直しを行ってきましたが、さらに改革を加速して、利用者サービ スの向上と業務の効率化に努め、社会の負託に応える必要があると考えております。  本年度も各地方の施設長から私あてに業務運営方針が送付されてきましたが、これら を見ますと、いずれも今申し上げた運営方針の5項目を重視して運営方針を作成してお りまして、非常に力強く思ったところであります。今後も、これらの運営方針の一層の 徹底を図りまして、当機構に与えられた役割を十分に果たしてまいりたいと考えておる ところであります。  さて、16年度の業務実績でありますが、平成16年度は中期計画の実質的な初年度で重 要な年でありますので、機構の総力をあげて利用者サービスの向上、業務の効率化に努 めてまいりました。  利用者サービスの向上に関する主な中期目標としては、就職率の改善と利用者の満足 度の実現があります。就職率については、きめの細かいさまざまな活動を行いました結 果、離職者訓練の施設内訓練及び委託訓練、学卒者訓練、いずれに関しても平成19年度 の目標を16年度において達成することができました。また、雇用相談やセミナーなどの 利用者の満足度についても、目標の80%を大幅に上回っております。  一方、業務の効率化につきましては、一般管理費と業務費の中期計画は、平成14年度 実績を基準として、平成19年度までに15%以上、金額で166 億円以上削減するというこ とであります。これに対して、人件費の削減はもとより、能力開発業務の改善、情報シ ステムや機器リースの節減、修繕費の圧縮などを行ったことにより、平成16年度におい て16.9%、186 億円を削減することができました。  また、中期計画における人員削減は4年間で600 名の目標でありますが、平成16年度 の実績は155 名となりまして、順調に進展しております。  一方、福祉施設につきましては平成17年度までにすべての施設を譲渡または廃止する という方針でありますが、平成16年度に78カ所を処分したことにより、残存施設は15カ 所のみとなり、これは本年度中に完了する予定であります。  ただいま御説明しましたように、平成16年度の業務運営は、しかるべき成果を上げた と考えております。つきましては、今後は、既に達成した中期計画の最終目標のレベル を超過達成するとともに、能力開発をはじめとする業務の質的向上に努めてまいりたい と考えております。  さて、当機構を取り巻く環境について考えてみますと、行政改革の進展、あるいは少 子・高齢化の趨勢という中で大きく変化しております。したがいまして、我々は中期計 画を達成することに加えて、これらの諸問題に的確に対応していくことが重要だと思っ ております。このために当機構では昨年の秋からプロジェクトチームを作りまして、構 造的課題について検討を重ねてきましたが、以下、申し上げます重点課題について精力 的に検討を行い、早期に実行に移したいと考えておりますので、紹介させていただきま す。  第1の課題は、費用対効果を重視した業務の展開でありまして、施設別、事業別のコ スト把握ができる新経理システムを策定し、コスト改善や事業の見直しを一層進めてま いる考えであります。  第2の課題は、少子化のもとにおける魅力ある大学校づくりということであります。 技術立国を再生する必要性、また大学全入時代という厳しい環境の中で、学生に対して 魅力ある大学づくりと大学校の基盤強化が不可欠であると考えております。  第3の課題は、職業訓練の到達目標の明確化と訓練効果の評価という問題でありま す。これは非常に難しい課題でありますが、能力開発業務のレベルアップをするため、 また受講者への説明責任を果たすという意味からも不可欠な課題であると考えておりま す。  第4は組織と業務の抜本的な見直しでありまして、これまで多方面から指摘を受けて おります「私のしごと館」であるとかアビリティガーデン、これらをはじめ聖域をなく して改革を一層進めたいと考えております。  最後の5番目は、能力と業績を反映した人事処遇制度を導入することでありまして、 これによりまして組織や業務運営の一層の活性化を図ることができると考えておりま す。  以上、御説明いたしましたとおり、当機構の重要課題であります中期計画の早期達 成、業務の質的向上、ただいま申し上げました構造的課題の検討推進ということに総力 をあげて取り組んでいきたいと思っておりますので、委員の皆様には今後とも御指導、 御支援のほどよろしくお願いいたしまして私のあいさつといたします。 ○井原部会長  ありがとうございました。ただいまの理事長のお話に対して、御質問等があればお願 いします。よろしいでしょうか。  それでは個別評価を始めたいと思います。先ほど事務局から説明がありましたよう に、個別項目の第1グループの評価シートの項目1〜6までの業務の実績を説明願いま す。 ○長谷川企画部長  資料2−2の評価シートに基づいて説明させていただきます。まず、評価シート1 「組織体制、経費削減」です。右端の「平成16年度の業務の実績」欄を御覧ください。 組織体制については、本部に役職員からなる委員会を発足させ、検討結果は次のとおり です。  本部組織の見直し。地方組織への権限委譲、一貫した業務運営及び重要課題の検討推 進を基本コンセプトに、業務4部の再編及びコスト把握等を行うための部署の設置など 本部組織の改編を行うこととしました。  地方組織の見直し。効率的・効果的な業務執行体制を確立するため、都道府県センタ ーと職業能力開発促進センターの事務・業務を、職業能力開発促進センターの事務所に おいて1人の統括所長の下で一元処理を実施することとし、17年度は27の道府県で実施 しています。  経費の削減については、16年度には99億円の削減目標を達成したほか、中期計画を前 倒しで達成しようとの理事長のリーダーシップのもとに、一般管理費の削減、業務経費 の削減、一般競争入札手法を拡大するなど、徹底して削減に努めまして、さらに87億円 削減したところです。  1−2ページの自己評定欄です。組織体制の確立が重要であるということを踏まえ、 組織の見直しを積極的に行ったこと、また、一般管理費及び業務経費については、14年 度の相当経費である1,103 億に対してトータルとして186 億円、16.9%の削減になりま す。中期計画の達成目標である15%以上の削減を16年度において1.9 %ほど上回ったこ と、これを踏まえまして、自己評定としてはAとしたところです。  次に評価シート2「助成金の支給」ですが、右端の実績欄をごらんください。助成金 等の平均処理期間の短縮に向け、次の措置を講じました。  申請の手引き等の検討・作成ですが、事業主など申請者向けの支給申請書について17 種類の記入例を盛り込んだ申請の手引き等を作成し、説明会等で配布しました。  助成金等の制度説明会については、他機関との合同説明会等を含めて、全都道府県セ ンターにおいて8,227 回実施しました。個別相談については143,882 件実施しました。  手続の簡素化として、19の助成金について支給申請書の記載項目の簡素化、添付書類 の簡素化を検討し、17年4月から施行したところであります。  審査能力の向上のための職員研修などを実施しました。  そのような諸々の措置を行った結果、助成金等の平均処理期間については、支給件数 の増減に左右されますが、平成14年度の全平均28日に対して16年度は26日と2日間短縮 することができました。  平成16年度において平均処理期間が60日以上と特に長かったキャリア形成促進助成金 等の助成金については、重点的に取り組んだ結果、1件当たりの平均処理期間を10日短 縮することができました。  シート2−3の自己評定欄です。平均処理期間の短縮を図るための諸々の措置を行っ た結果、平成14年度の28日から2日(7.1 %)短縮し、26日となったこと、特に平均処 理期間の長かったキャリア形成助成金等の助成金については、上記措置を重点的に取り くんだ結果、1件当たりの平均処理期間を10日短縮することができたこと。これを踏ま えて、措置については概ね計画どおり実施し、中期計画の達成に向けて着実に進展して いるということで、自己評定はBといたしました。  次にシート3「職業能力開発業務」に移ります。実績欄をご覧ください。  在職者を対象とする訓練ですが、機械系、電気・電子系を中心に約113,000人に受講 していただきました。  訓練の見直しの状況ですが、通所範囲内を中心とした人材育成ニーズを把握し、さら に民間教育訓練機関等の教育訓練コースの実施状況を踏まえて、見直し等を行いまし た。  16年度の実施コースは約12,000コースでしたが、17年度に向けて廃止をしたのが 1,932コース、カリキュラムの一部見直しなど内容変更が955 コース、合わせて2,887 コースで、全体で2割強の見直しを行ったところです。  離職者訓練については149 コースの見直しを行いました。委託訓練については、国の 訓練実施計画数126,621 人に対して、機構の16年度受講者数は94,380人となっていま す。  学卒者を対象とする訓練科の見直しについては、147 科のうち30科について見直しを 行いました。  民間外部講師の活用です。離職者訓練、在職者訓練などいろいろな訓練をやっていま すが、それぞれ活用分野を検討しまして、結果として活用割合としては、トータルとし て平成14年度の16%に対して、16年度は16.7%で、0.7 %ほど上回りました。  私のしごと館の自己収入の増加と経費の効率化ですが、教育訓練機関へのPR活動、 イベントの開催など利用者増のためいろいろ取り組んできまして、自己収入額は1億1 千万円となりました。  経費の効率化については、15年度実績と比べて管理・維持費等において2,600 万ほど 削減に努めたところです。  シート3−5の自己評定欄です。在職者・離職者・学卒者に係る訓練コースの見直し について、地域の事業主団体や関係機関へのヒアリング等を踏まえ着実に実施した。  離職者訓練に係る民間委託の拡大については、施設内訓練、委託訓練を合わせて全体 として14万人に対して、委託訓練の受講者数が94,380人で、全体に占める割合が67%と なり、15年度における委託訓練の割合が55.5%に対して11%ほど上回る結果となった。  民間外部講師の活用については、14年度と比べて4.4 %ほど増加している。「私のし ごと館」についても収入の増、経費の削減に努めた。  以上を踏まえ、トータルとして総合的に概ね計画どおり実施され、中期計画の達成に 向けて進展しているということで、自己評定はBとさせていただきました。  次にシート4「業績評価の実施及び公表による業務内容の充実」です。実績欄です が、まず業績評価については次のようなことを行いました。  業績評価方法の検討。当機構は能力開発施設、都道府県センターといった地方組織が ありますが、地方組織について地域の労働市場等々を踏まえ、施設ごとの目標設定を行 い、四半期、半期ごとの実績を把握し、本部と施設のヒアリングなどを実施して進捗管 理を行ってきています。また、評価の種類、評価の方法、評価結果などの検討を行いま して実施しているところです。  なお、評価については、学識経験者その他有識者13名からなる「運営協議会」を設置 しておりまして、そこから意見をいただいております。  業務の見直しについては、昨年の当評価委員会でも御指摘いただきましたが、業務改 善に資するため、雇用創出のセミナー後の創業・新分野進出状況等の把握、各種研究会 やセミナーの事業効果の把握などについてフォローアップ調査を実施いたしました。  業務内容の公開ですが、機構のホームページに「町かどの機構」コーナーを新たに設 置し、利用者の声を通して、離職者訓練修了者の企業での活躍などを紹介することによ り、機構事業を身近な情報として発信しました。また、業務についてよくある質問に対 して「Q&Aコーナー」を設置するなど、利用者の利便性を考慮したホームページのリ ニューアルに努めたところです。  シート4−2の自己評定欄です。業績評価制度の整備、業務内容の公表について概ね 年度計画どおり実施し、中期計画の達成に向けて進展したということで、自己評定をB といたしました。  次にシート5「雇用開発業務」です。中小企業の事業主等に対する雇用管理の相談、 満足度といった項目ですが、シート5−1からシート5−4にかけての実績欄に示して います。  雇用管理に関する相談について、ホームページやパンフレット等を通じて周知に積極 的に努めた結果、相談件数は83,741件となり、14年度と比較して29.4%増加しました。  アンケート調査については、相談事例や雇用管理改善の事例等を収集し、適宜相談内 容の充実を図りました。すべてのアンケート調査は9項目ありますが、96.6%の者から 「役に立った」「どちらかといえば役に立った」旨の評価を得ました。  シート5−5の自己評定欄です。相談件数が14年度と比べて29.4%増加し、中期計画 の目標を10%以上を上回ったこと、アンケート調査においてすべての項目が80%を上回 ったこと、資質向上のための職員研修を実施したこと等々を踏まえて、自己評価はAと させていただきました。  なお、事業効果を把握し業務の改善につなげていくことが非常に大事だということも 念頭に入れて、自己評定の特記事項に書かせていただいています。雇用管理研究会・講 習会、新規・成長分野のセミナー、雇用創出セミナー等を受講された方々に協力してい ただき、受講後の事業効果について把握するため、フォローアップ調査を実施しまし た。  一つだけ紹介させていただきますと、昨年の最終回の雇用創出セミナーの受講者896 人にフォローアップ調査をしたところ、そのうち12.8%(115 人)から16年度中に創業 または新分野に進出した旨の回答を得るとともに、32.6%(292 人)から創業または新 分野進出を検討中である旨の回答を得ました。これもAとした一つの要因とさせてもら っております。  次に評価シート6「雇用開発業務関係助成金等の支給」です。申請者の利便性や申請 内容の適正化、不正受給防止の措置を講ずるところですが、実績欄にあるようなことを 行いました。  助成金制度の周知・説明については、ホームページで公開するとともに、よくある質 問については「Q&Aコーナー」を公開しました。また、パンフレットや申請書の記入 例を盛りこんだ申請の手引きを20種類ほど作成し、都道府県、事業主団体等を通して中 小企業等の事業主等へ配布しました。  説明会については16年度は4,716 回実施し、約137,000 人の参加者がありました。15 年度は2,000 回弱実施し、参加者は73,000人ほどでした。  個別相談は81,000件ほど実施しました。説明会終了後のアンケート調査において、 90.7%の方から説明内容が「理解できた」という評価をいただいております。  利用者の負担軽減ですが、手続の簡素化等について検討し、次の助成金の要領を17年 4月1日から改正・施行しているところです。  審査能力の向上については、職員の審査マニュアルを作成し、これを用いて職員研修 を実施しました。  都道府県労働局が全国6ブロックで実施した不正受給防止等に係る研修に参加し、疑 義事業所303 を含め、全体で3,623 の事業所を訪問しました。  シート6−3の自己評定欄です。制度内容及びその変更についてホームページで公開 したこと、助成金に係る説明会や個別相談を積極的に行ったこと、手続の簡素化に努め たこと、審査マニュアル等を作成し職員研修を実施したこと、不正受給防止策として事 業所を訪問したこと、各助成金の説明会開催後のアンケート調査において理解度が90.7 %で、中期目標である80%以上となったこと等々を踏まえまして、自己評定Aとしたと ころです。  以上が第1のブロックの説明です。よろしくお願いいたします。 ○井原部会長  ありがとうございました。御質問等がありましたらお願いいたします。 ○松田委員  業務の効率化が予定よりもかなり早く進んでいるようですが、職員が155 名、4分の 1が済みましたね。前倒しでやっていく予定はないんですか。600 名を一気呵成にやっ ちゃうというのは。 ○長谷川企画部長  職員の削減につきましては4年間で600 名という目標になっておりますので、毎年度 150 名として、実際には定年後の補充を極力抑えていくとか、そういった観点で取り組 んでいくこととしております。 ○岡田理事長  定年退職とか自己都合による退職がありますが、採用を極力抑制して600 名にしよう という計画にしております。強制的に退職させるということは今のところ考えておりま せん。今年、施設の統合をやりましたので、管理者を50名削減することができたわけで すが、この人たちを他の箇所に転勤させるなどしております。  今後、人を減らす中では、地方の組織だけでなく、これから本部の組織を大々的に見 直しまして、削減をしていくことが必要だと思っております。今いろいろな改革をして おりますので、本部に人が必要なのですが、それが終わりましたら、今度は本部の抜本 的な改革に手をつけたい。そういうことで600 名減らしてまいりたいと思っているとこ ろでございます。 ○川端委員  中期目標を1年で概ね達成したというのは、大変努力されてるんだとは思いますが、 1年で達成できるぐらいのものを掲げたというのは中期目標の立て方が甘かったのでは ないか。これは感想ですけど、もうちょっとレベルを上げられたのではないか。  「私のしごと館」について新聞等で問題を指摘されておりますが、先ほど理事長が費 用対効果を各施設ごとに見ていくとおっしゃいました。「私のしごと館」についての費 用対効果というのはどういうお考えで出されるのか。かなりの経費をかけて今日の結果 が出ているというのは、お考えになっている費用対効果から見るとどうなのかというこ とをお伺いしたい。  ホームページにいろいろ手を加えて新設されていて、わかりやすく作ったということ なんですが、アクセス数がどのくらいなのか、おわかりだったら教えていただきたい。  アンケート結果が大変いいんですね。「役に立った」「どちらかといえば役に立った 」を一括されてるんですが、この内訳はどうなのかということもおわかりであれば教え ていただきたい。以上です。 ○岡田理事長  初めの2点について私から御説明いたします。まず中期目標が甘かったのではないか という御指摘ですが、具体的に申し上げますと、一番重要な目標であります就職率につ きましては、施設内訓練が75%、委託訓練が60%という数字です。15年度の計画を作り ました当時は、それぞれ10%低くて、65%と50%というレベルでした。それまでの努力 が不十分だったという御指摘はあろうかと思いますが、その当時としては高い目標に設 定したということでございます。  一般管理費と業務費の点につきましては、今年は初年度で相当頑張ろうということで 頑張りましたので、修繕費なども繰り延べるものは繰り延べたらどうだということで、 ちょっと無理をしているのですが、平成14年度の一般管理費と業務費は約1100億という レベルでした。今年は917 億まで減らしたのですが、920 から930 ぐらいのところが今 のところでは安定したレベルかと思っております。19年度の最終目標は937 億ですの で、今年は最終目標を上回ったわけですが、一過性に頑張っているものもありますの で、常態として910億とか、そういうレベルにもっていくようにしたい。つまり目標に はこだわらずに超過達成をしたいと思っているところでございます。  2番目の費用対効果というのは非常に重要なことですが、お恥ずかしいことに、私ど もは費用をつかむシステムが十分できておりません。大学校においては学卒者の訓練も しておりますし、離職者の訓練もしておりますし、企業から派遣される在職者の訓練も しておりますが、先生が掛け持ちしているわけです。したがって、それぞれの授業に対 してコストがいくらかかっているかというのは、先生の時間を振り分けなければいけな いんですが、それがまだできておりませんので、十分把握しておりません。  施設別、事業別にはっきりしたコストが把握できるようにしたいと思っております。 そういうことをしますと、在職者訓練についても、かかっている費用に対して受講料が 少ないじゃないか、受講料をもっと高くしていただこうとか、我々のコストを下げよう ということが働いてきますので、そういうことを運動として展開したいと思っておりま す。  先ほど御質問のありました「私のしごと館」についてはいろいろな指摘を受けている のですが、年間の運営費用は全部含めて21億円かかっております。収入は約1億ですの で、20億も国家予算を使ってる、20倍も費用がかかってるのはおかしいじゃないかとい う御指摘でございます。  この施設自身は、中高生が仕事について自ら考え、そして学ぶ非常に有益な施設でし て、修学旅行の人に40万人も見ていただいてるわけです。その後のアンケート調査で も、自分の仕事を考える上で非常に役に立ったという評価もいただいております。した がいまして私としては、これはお金がかかっているから、もったいないからやめてしま うということではなくて、経費については極力削減したいと思っております。  ただ、収支相償わなければいけない施設かどうかというと、科学館とか博物館とか、 そういうものと類似して、入場者から経費が回収できる施設、あるいはすべき施設なの かというと、ちょっと疑問があります。 ○川端委員  そういうのを含めた費用対効果ということで、入場者数とかその効果をどういうふう に見て出されるのかというところに興味があるんですけどね。 ○岡田理事長  「私のしごと館」は小中学などが対象ですので、団体ですと150 円なんですね。150 円を200 円にしても収入はそんなに増えませんので、費用の方を減らさなくてはいけな い。いくらまで減らせば妥当なのかということを、いろいろな方のお知恵もお借りして 決めたいと思っております。今年は2割減らすとか、そのようなテンポで減らしていく んですが、最終的に15億になれば理想的な施設になるのか、12億にならなくてはいけな いのか、そのあたりを見極めなければいけないと思っております。 ○長谷川企画部長  ホームページにつきましては、機構全体としてはアクセス数200 万件という目標があ りますが、実績としては333 万件ほどのアクセスをいただいております。  満足度については、いろいろなアンケート調査を行っておりますが、「役に立った」 「どちらかといえば役に立った」、この2つを「役に立った」というふうにカウントし ております。  それぞれの事業についてアンケート調査を実施しておりまして、すべての事業項目に ついてきちっと分析結果が得られておりませんが、相談や雇用管理に関するセミナーな り研究会なり講習会なりの実施結果を見ますと、「役に立った」が6割から7割で、 「どちらかというと役に立った」が2割から3割となっています。しかし制度説明会で の理解度については逆になっていまして、「どちらかといえばわかった」という方が高 くなっています。 ○川端委員  ほかのところでは、資料にそれをつけて出されてるところもあるんですね。それぞれ の構成を見る時に貴重な指標になりますので、そんなに手間がかからないのなら、つけ ていただければと思います。 ○長谷川企画部長  わかりました。 ○久道委員  シート1−1の経費の削減の(3) 一般競争入札手法の拡大導入のところで、195 件と いうのは増えたんだと思いますけど、平均の入札率はどのくらいなのか。従来までとど う変わったのか。予定価格が3,000 万円以上だとWTOが関係してくると思うんです が、それによる入札の不都合はないのかどうかというのが1点です。  2点目は、シート3−5の「自己評定B」のところの下から2番目の○に「国の定め る職業訓練実施計画126,621 人に対して94,380人の訓練を実施した」とありますが、本 当は126,621 人の訓練をしなくてはならんという計画だったのでしょうか。  3点目は、シート4−1の右側の業績評価の実施等の(1) の最後のところで「業績評 価について、学識経験者その他の有識者13名の委員から成る運営協議会からの意見をい ただいた」というふうに説明したと思うんですが、どういう意見をいただいたんでしょ うか。この委員会との関連はどうなっているのか。この3点についてお願いします。 ○石井経理部長  第1点は、一般競争入札の拡大をしたことによってどういうふうに入札価格に変動が あったのかということでよろしいでしょうか。  私どもは努めて一般競争入札を行おうということで、15年度あるいは16年度から拡大 を図っております。16年度においては15年度と比較して3倍強の一般競争入札を導入し ました。全体の契約金額の3割程度が一般競争入札ということになっております。  落札率につきましては、導入を拡大したから相当上がったという顕著な変化は出てお りませんが、15年度と16年度を見てみますと、全体の契約の中での落札率は約89%、一 般競争契約における落札率は約84%という数字が出ています。 ○長谷川企画部長  2点目の委託訓練につきましては、国から126,000 人ほどやれという指示を受けてお りますが、この計画を当機構が実行する義務というか、やらなければいけない性格のも のになっております。この委託訓練は、求職の方々のニーズに応えていくために、民間 教育訓練機関、事業主、NPO、大学院等がいろんな形で対応していくという状況があ ります。  事業主の委託訓練というのは、ハローワーク等に求職の方々が来られた時に、専修学 校、各種学校に一定のニーズがあって、ある一定の規模があった場合は、10名、20名、 30名といった形で取り組むわけですが、2〜3名とか個人とか、そういった形で対応し ていくというのも極めて大事ですので、企業を開拓しまして、その企業に対して求職者 に見合った教育訓練を引き受けていただくようなセッテングに取り組み、引き受けてい ただいた段階でカリキュラムを機構の方でお世話しながら作っていく。そして一定の期 間、3カ月なり4カ月なりやっていく。その中で座学と実習を組み合わせてやるとか、 実習を9割以上やるとか、そういった状況の中で、計画に対して実績がなかなか難しい 面もあるということが現場としてはあります。 ○岡田理事長  運営協議会のことについて説明いたします。今回の運営協議会は、私どもが行いまし た自己評価が適正であるかどうかについてアドバイスをいただいた会でございます。こ の会の性格はそういう位置づけです。そこでいただいた意見はいろいろありました。  評価シート8は在職者訓練、10は学卒者訓練ですが、その結果の就職率が出ていま す。就職率が高かったものですから私どもは評定をAにしたんですが、評価項目のう ち、先ほど御説明したシート3のところにコースを見直すというのがあります。コース を見直したり、評価シートにニーズの把握というのがありますが、マーケットのニーズ を把握したり、こういうことを通じて就職率がよくなったはずではないかという意見が ありました。  しかし私どもは、中期で与えられた業務を着実に行ったということで、シート3はB の評定です。後ほど御説明しますが、シート7もBなんです。就職率のところは評定は Aだったんですが、こういうのは相互矛盾していておかしいのではないかということ で、全部Aにしてもいいのではないかという御指摘をいただいたりしました。そのほか いろいろありましたが、時間の関係で省略いたします。 ○宇佐美委員  業務の効率化のところで、募集すべきところをせずにとか、退職があっても補充しな かったというお話があったんですが、こういう一つの組織が継続的に発展するためには 資源投入が絶対に必要だと思うんです。本年度の新卒の投入とか、いろんな設備をお持 ちですので、そういうところへの投資というのをどのようにお考えなのか。本当にゼロ だったのかというのが1点です。  もう1点は、19年の目標を昨年で達成したということですが、920 〜930 億をずっと 続けるおつもりのようです。中期目標自体を変更するには、どこでどういう手続かよく わからないんですが、そのおつもりはないんでしょうか。今の段階では17年、18年、19 年、それぞれこの数字でいきたいという計画をお持ちでしたら教えていただきたいと思 います。 ○岡田理事長  中期目標について説明させていただきます。今は19年度までの中期目標ですので、私 どもは中期目標を作り直すというよりも、実行の面で超過達成していこうと考えており ます。16年度の実績が917 億でしたので、18年度の予算は策定していただいてるところ ですが、18年度の時点で、19年度の目標である937 億を達成してしまいたいと思ってお ります。そういう意味では17年度と18年度は920 ないし930 億のレベルでいきたい。最 終的な19年度は910 億レベルまで大幅に下げることができるのではないかと考えており ますが、さらに削減するように努力をいたしたいと思っております。  私どもが繰り延べしました修繕費は30億ぐらいですが、17年度の実績では90億近い削 減をしておりますので、その3分の1ぐらいが修繕費であったと思っております。修繕 費を削減して支障が出てはいけませんので、18年度は920 〜930 億で推移させたいと思 っております。  修繕費というのは資産計上されない部分の経費でして、実際には訓練施設を中心にし て200 億近い償却があるわけです。資産計上できる修繕の費用というのは20億ぐらいに なっておりまして、こちらの方は中期計画では非常に厳しい目標を置いておりますの で、しかるべき時に復活をしませんと、今後の施設運営で問題が出てくるなと思ってお ります。 ○西岸総務部長  人員関係につきましては、組織を小さくして、なるべく人を減らしていきますが、新 規採用も事務職、指導員ともあわせて十数名以上は採用して、組織としての継続は保た れるようにしております。 ○井原部会長  時間を申し上げますと、予定より20分押しておりますので、簡単にお願いします。 ○宮本委員  評価シート2助成金の(3) 手続の簡略化の件について、成果が上がったということで すが、今まで工夫すればできたことをしなかったということなのか、あるいは抜本的な 工夫をすることで短縮できたのか、そうでなければ職員の労働時間を強化して、説明会 をたくさんすることによって達成したのか、そのあたりはいかがでしょうか。 ○長谷川企画部長  機構の助成金等が20何種類あります。国の政策によって新たに増えてくるもの、廃止 になるものがありまして、年度によってアンバランスな面があります。キャリア形成助 成金というのがありますが、月によって事業主の方々からの申請が増える時期がありま す。人が600 名減る中で、施設によってはかなり厳しい状況がありますが、創意工夫を して、ほかの人をそれに投入してもらうとか、今まで以上にそういった取り組みはされ てきているといえると思います。 ○寺山委員  冒頭に理事長がお話しになった運営方針は1から5までございますが、これは平成19 年までの中期目標中の運営方針と考えてよろしいのかということと、1から5はプライ オリティがあるのでしょうか。これだけ前倒しで業績を上げたという報告を伺うと、職 員への浸透度とか士気とか、ちょっと心配なんですが、職員への浸透度はどうなんでし ょうか。これも中期目標中に徐々に浸透していくというお考えなのか、その点を確認を お願いしたいんですが。 ○岡田理事長  運営方針につきましては、私が理事長に就任した直後に作成したものでして、年度に 限らず長期的な方針と思っております。ただ、必要に応じて変更はしていかなければい けないと思っております。  プライオリティというのは難しいのですが、私が着任した時に皆さんに強く言いまし たのは、独立行政法人のもとで創意工夫を生かして、一人一人が自分の判断で新たな問 題に挑戦しようということを一番早く皆さんに訴えたところでございます。  浸透度につきましては、施設長の会議とかあらゆる機会をとらえて徹底を図っており ますので、施設の年度計画も、これを重視しているという下線を引いてきてくれまし て、このように自分のところではちゃんと生かしてますよということですが、全体の職 員への浸透というのはまだ十分ではないと思っております。そういう意味では意識改革 はまだ道半ばということで、一日も早く浸透を図ってまいりたいと思っております。 ○井原部会長  それでは、評価の記入をお願いいたします。 ○井原部会長  次に進んでよろしいでしょうか。それでは次に第2グループの評価シートの項目7〜 10までの業務の実績を説明願います。 ○長谷川企画部長  まず評価シート7「連携及び人材ニーズ把握」です。先ほどと同じように実績欄の事 項について説明してまいります。  関係機関との連携については、職業能力開発業務の実施に当たり、私どもの47都道府 県の施設において、人材育成地域協議会、就職促進能力開発協議会等を開催し、また都 道府県が開催する会議に積極的に参加し、連携を図ってきたところであります。  産学官からなる人材育成地域協議会というものがありまして、地域の職業能力開発資 源を効果的に活用して、それぞれの地域の人材ニーズに基づく多様な職業訓練機会を実 践的に推進していくための方策について協議・検討を行いました。  情報提供関係ですが、機構が新たに開発した離職者訓練、在職者訓練のカリキュラム をホームページで公開するとともに、調査・研究報告書を県、民間教育訓練機関等に配 布するなど情報提供を行ったところであります。  人材のニーズ把握ですが、効果的な職業能力開発を実施するため、個別企業・事業主 団体等に対するヒアリング、ハローワークの求人情報の把握などを行いました。また、 オーダーメイド型訓練については、2,552 コースを実施しました。  シート7−3の自己評定欄です。関係機関との連携を図ったこと、機構が開発した訓 練カリキュラムや調査・研究報告書を関係機関に提供したこと、地域の人材ニーズを踏 まえて訓練コースの見直し及び精査を行い訓練コースを設定したこと、オーダーメイド 型訓練を実施したこと等々を踏まえて、概ね年度計画どおり実施し、中期計画達成に向 けて進展したと考え、自己評定はBといたしました。  次に評価シート8「在職者訓練」です。  在職者を対象とする職業訓練には16年度は113,217 人の受講者がありました。受講者 に対するアンケート調査において、97.4%の者から「役に立った」「どちらかといえば 役に立った」旨の評価を得ました。  事業主に対するアンケートでは、1カ月後に受講生を派遣した事業主を対象として 1,833 コースについてアンケート調査を実施した結果、7,648 事業所のうち93.6%の事 業主から「役立っている」「どちらかといえば役立っている」旨の評価を得ました。  シート8−2の自己評定欄です。受講生に対するアンケート調査において、約97%の 者から「役に立った」「どちらかといえば役に立った」旨の評価を得たことにより中期 計画の目標を上回ったことを踏まえて、自己評定をAとさせていただきました。  しかし「役に立たなかった」「どちらかといえば役に立たなかった」という厳しい意 見もいただいておりますので、その要因を分析し、今後の業務改善につなげていくこと にしております。  次に評価シート9「離職者訓練」です。  離職者訓練の実施に当たっては、失業者が早期に再就職ができるよう、訓練コースの 選定、就職支援など効果的な委託訓練の実施に努めました。  都道府県センターに設置している「キャリア形成支援コーナー」及びハローワークに 設置している「キャリア形成相談コーナー」において、当機構のアドバイザーがキャリ ア・コンサルティングを実施しました。両者を合わせて相談件数は約899,000 件にのぼ っております。  (3)にありますように、施設内訓練においては、私どもの指導員が受講生の面接指導、 求人開拓をして、就職の相談とか就職支援に徹底して取り組んできました。  (4)にありますように、委託先への就職支援については、委託先ごとに機構の職員が 巡回就職支援を行い、その数は5,368 件にのぼりましたが、就職促進のための支援活動 を実施したところであります。  諸々の取り組みの結果、訓練終了後3カ月時点の就職率は、施設内訓練については 78.5%、委託訓練にていては60.5%となっています。  委託訓練については、専修学校等の民間訓練機関の他、事業主団体、NPO法人、大 学、大学院を活用した多様な訓練コースを実施しました。  委託先の選定基準を改正し、就職支援の状況に関する評価項目について評価点の配分 を高くしました。  適切な訓練コースの設定については、訓練委託先開拓員の活用により求人企業を積極 的に開拓するとともに、訓練コーディネート等業務担当者を活用し、3,286 コースの訓 練コースの設定を行いました。  シート9−3の自己評定欄です。施設内訓練における徹底した就職活動の実施、委託 先ごとの巡回就職支援における指導、求人情報の提供などの取り組みや雇用情勢が改善 された点もあり、施設内訓練は78.5%、委託訓練は60.5%の就職率となり、それぞれ年 度計画の目標を上回ったことから、自己評定をAとさせていただきました。  次にシート10「学卒者訓練」です。  専門課程、応用課程においては、1年次から就職ガイダンスやキャリア・コンサルテ ィングをきめ細かく実施しました。また、職業人としての素養や職業意識を高めるた め、職業社会論、キャリア形成論、生産現場を直接体験するインターンシップをカリキ ュラムに取り入れて実施しました。そうした取り組みにより、結果として97.9%の就職 率となりました。  大学等との連携では、高校、大学等の実習等の受け入れ、指導員の大学等への派遣、 研究発表会への参加、カリキュラム作成等の支援など55件の連携を図ったところです。  シート10−2の自己評定欄です。就職支援に力を入れるとともに、学生の職業意識を 高めるためのカリキュラムやインターンシップを取り入れたこと、職業能力開発大学校 等において、高校、大学等との連携を積極的に行ったこと、専門課程及び応用課程の修 了者のうち就職希望者の就職率が97.9%となり、中期目標の目標95%を上回ったこと、 これらを踏まえて自己評定をAといたしました。  なお、平成11年度に専門課程を修了して企業等に就職した者と就職先の上司に対して フォローアップ調査を実施したところ、93.2%の上司から今後も引き続き職業能力開発 大学校の学生を採用していきたいという答えをいただきました。  第2グループについては以上です。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。 ○今村委員  大学校の就職率が90何%というのは、就職希望者の就職率ですよね。卒業生の就職率 はどのくらいなんでしょうか。 ○長谷川企画部長  90何%の就職率は、おっしゃるように就職希望者の場合です。卒業生の就職率は手元 に詳しい数字がないんですが、進学する者がおりますので、若干は下がると思います。 ○川端委員  研修後にフォローアップ調査をされてますが、3年後の離職率はどのくらいかとか、 一般の就職者に比べてどうなのかというのは出されてるんですか。 ○長谷川企画部長  離職者については調査はしておりませんが、今年からやらなくてはいけないだろうと いうことを検討しているところです。 ○今村委員  シート8で、在職者訓練の満足度が97.4%と非常に高いんですが、在職者訓練のメニ ューは、全体の職種の中のカバレッジとしてはどのくらいなんでしょうか。限られたカ バレッジの中で供給して高い満足を得ているのか、満遍なく供給していて高い評価を得 ているのかによって評価の仕方が違うと思うんですが、いかがでしょうか。 ○長谷川企画部長  在職者訓練については短いものは2日間とか、長いものでも一週間とか、平均して3 日とか比較的短期間で実施しています。3日間の教材はどうだったかとか、講師の指導 はどうだったかとか、期間の設定についてどうだったかとか、具体的な中身とか、そう いった設問形式になっています。 ○今村委員  離職者訓練では外部委託をされてますよね。かなり幅広くニーズにこたえていると思 うんですが、こちらは外部委託をされないで自前でやってらっしゃるということは、職 種の内容自体もかなり限られているのではないかという意味の質問なんですが。 ○長谷川企画部長  国でやる在職者訓練は限定するべきで、基本的には民間でということですので、機械 系とか電子・電気系とか重たい方に限定して実施しているところです。あとはほとんど 民間への委託で実施しています。 ○寺山委員  8−2の在職者訓練の満足度ですが、「カリキュラムが良い」の回答が76.0%で、満 足度が全体の90%を超えてる。どこの機関もみんなそうなので、これは研究に値すると 思ってるんですが、3割弱の人たちがカリキュラムはあまり良くないと考えているよう です。このデータを見て、当事者側としては次に何か策を打つのかどうか。9−1の離 職者の職業訓練ですが、男女比と平均年齢を教えていただきたいと思います。 ○長谷川企画部長  満足度については何割かの方々から厳しい御意見もいただいておりますので、業務改 善につなげていかなければいけないと思っております。 ○寺山委員  自由記載で書いていただいた意見の方が参考になりますよね。私など大学側としては そう思います。 ○長谷川企画部長  離職者訓練について詳しい資料が手元にないんですが、若い方から高齢の方まで多種 多様というのが正直なところです。施設内訓練の場合は男性が51.2%、女性が48.8%と なっています。委託訓練は男性が30.3%、女性が69.7%となっています。これは15年度 です。 ○松田委員  アンケート調査の結果ですけど、97%とか93%というのは達成率ですね。達成率だけ では意味がないんですよ。具体的に、どこがよくて、なぜよかったのか、その効果率を 掛け合わせないとだめなんですよ。達成率×効果率、次回からはそういうふうに2つ出 されたらどうですか。「役に立った」「どちらかというと役に立った」、これは何も意 味がないですよ。90何%というのを2つ掛け合わせると60か70になるでしょう。それが 妥当な線ですよ。そういうふうに検討したらいかがかということです。 ○宮本委員  アンケートをとった人は、そのセミナーに参加できた人の回答ですよね。参加できな かった人がいるのではないかと思います。在職でも仕事をしながら次のステップを考え ようという場合、学校の開設時間に行かれないということをよく聞きます。離職者に関 しては種々雑多で、雇用保険をもらって行くような人でない若い人たちの場合、こうい う公的な職業訓練は合わないから行かないということがあるかと思いますが、こういう 形でアンケートをとると、そういう人たちは全部漏れますよね。受講した人だけになり ますので、受講できなかった人たちのニーズ調査とか、この学校がニーズに合ってるの かどうなのか、そのあたりはどうやって把握されてますか。 ○井原部会長  全員を受け入れているのか、何%ぐらいを受け入れているのか、その基準は何かとい うことをついでにお話しいただければと思います。 ○長谷川企画部長  離職者が何百万といる中で、機構の離職者訓練は委託訓練と施設内訓練を合わせて16 年度の実績では14万人ほどになっております。若い方々もハローワークからの受講推薦 という形で、うちの訓練に来られる方もあります。若い方々はハローワークに行くこと 自体が難しいという状況がありますので、ジョブカフェとか、うちでやっておりますヤ ングジョブスポットとか、ヤング・ハローワークとか、いろんな機会をとらえて相談援 助を実施している中で、うちの訓練に回ってきているという状況もあります。そういう 形で対応していかなくてはいけないと思っております。  松田委員から御指摘いただいた達成率、効果率というのは確かに御指摘のとおりだと 思いますので、検討していかなくてはいけないと思っております。 ○井原部会長  それでは、評価の記入をお願いいたします。 ○井原部会長  次に進んでよろしいでしょうか。それでは次に第3グループの評価シートの項目11〜 14の業務の実績を説明願います。 ○長谷川企画部長  シート11「新分野展開、指導員養成」です。実績欄の事項について説明してまいりま す。  新分野等への事業展開の支援ですが、東京及び大阪の起業・新分野展開支援センター において、以下のとおり支援を行いました。  新たな分野の展開等に必要な相談・情報提供を6,433 件実施しました。  技術・製品開発分野関連情報の提供のための公開講座を64コース、1,688 人に実施し ました。  起業家養成セミナー71コース、702 人。  新分野等の事業展開を担う人材養成のための離職者訓練2コース、32人。  高度技術者養成訓練コースを35コース、467 人。  課題解決型能力向上コースを64コース、243 人。  創業を目指す方々に対して、創業活動における課題なり解決方策の共有や情報交換を 目的とした交流会を78回行いまして、1,065 人の参加がありました。  職業訓練指導員の養成ですが、職業能力開発総合大学校の長期課程においては、キャ リア・コンサルティング等関連のカリキュラムとして、「人的資源管理論」を開発し、 16年度入学生の2年次に実施することとしました。  研究課程においては、「キャリア形成支援論」を開発し実施しています。  研修課程においては、キャリア・コンサルティング基礎演習等のコースを実施しまし た。  シート11−2の自己評定です。新分野等の事業展開を担う人材養成のための職業訓練 として、起業家養成セミナー、高度技術者養成訓練コース、課題解決型能力向上コース など170 コースを開設し、1,412 人が受講した。また、離職者訓練を2コース開設し、 32人が受講した。職業訓練指導員の養成についても、実績で申しましたようなカリキュ ラムを開発し実施した実績等々を踏まえて、年度計画どおり事業を実施し、中期計画の 達成に向けて進展したことから、自己評定としてはBとさせてもらいました。  なお、起業・新分野展開支援センター利用者に対してアンケート調査を行ったとこ ろ、201 人が16年度に創業したとの回答を得ました。昨年度は135 人が何らかの創業を したという結果となっております。  次にシート12「若年者対策、キャリア・コンサルティング」です。  若年者の就業に係る総合的な支援について、以下により実施しました。  (1) 職業意識の形成支援等  (1)キャリア・コンサルタント養成講座ですが、これは平成14年度から機構で実施し てきております。若年者向けコンサルティングに必要なカリキュラムを加えて内容の充 実を図り、全国で64コース開設し、1,331 人が受講しています。  (2)ヤングジョブスポットですが、大都市16カ所で地域の若年者を支援するNPO法 人やその他の若年者支援機関等との協力・連携を図り、職業ふれあい事業、フォーラム 事業、キャリア形成に関する相談等各種事業を実施しました。  (3)中高生に対する仕事ふれあい活動支援事業ですが、32都道府県の中学・高校の協 力校395 校において、職業人の講話、職場体験・就業体験等の活動を3,190 件実施する とともに、活動の事例集を作成し、各都道府県の教育委員会や中学、高校等へ配布しま した。学校関係者から、将来の職業選択を考える方法の一つとして、今後もこのような ことを続けたいという報告をいただいております。  (4)私のしごと館ですが、体験職種を追加するなど利用者参加型事業の取り組みを行 ったほか、利用者増に向けてPR活動に積極的に取り組んだ結果、各事業のサービス利 用者数は延べ494,232 人となりました。  利用者にアンケート調査を行った結果、84.8%の方から今後の進路についての具体的 なイメージづくり等に「大変参考になった」旨の評価を得ました。  (2) 訓練の実施  (1)専門学校等の民間教育訓練機関を委託先とする座学訓練と企業等における実習と を組み合わせた「委託訓練活用型デュアルシステム」を1,620 コース設定し、22,905人 に受講していただきました。就職率は69.4%であり、全体の60.5%と比較して8.9 %高 い結果となっています。  (2)当機構の大学校での座学訓練と企業等における実習とを組み合わせた「専門課程 活用型デュアルシステム」を実施し、70人の入校者がありました。  (3)職業能力開発促進センターと企業等における実習を組み合わせた「普通課程活用 型デュアルシステム」を実施し、174 人の入所者がありました。あとの2つについては 現在も訓練を継続中ですので、就職実績は出ておりません。  (3) プレ訓練の実施  早期離転職者や不安定就労者を対象として、職業意識の啓発や自己職業適性理解等を 行うプレ訓練の2,491 コースを設定し、61,297人に参加していただきました。  キャリア形成に係る相談援助ですが、各都道府県センター等に配置したアドバイザー により、キャリア・コンサルティングなど労働者に対する相談援助を113 万件ほど行い ました。また、キャリア・コンサルティングに関する技術的相談援助など、事業主が社 員のために取り組む相談援助を96,787件実施しました。  シート12−5の自己評定欄です。ヤングジョブスポットにおいて、フリーター等若年 者に対する支援事業に取り組み、利用者が15年度に比べて83%ほど増加したこと、「中 高生に対する仕事ふれあい活動支援事業」についても15年度は16都道府県において 1,047 件実施したのに対して16年度は32都道府県において3,190 件実施したこと、「日 本版デュアルシステム」という訓練を実施し、そのうち委託訓練としては69.4%の方が 就職したこと、私のしごと館の利用者が494,232 人と中期計画の目標(40万人以上)を 上回ったこと、アンケート調査の満足度も84.8%と目標を上回ったこと等を総合的に勘 案し、自己評定としてはAとさせていただきました。  次にシート13「調査・研究」です。  (1) 職業訓練の実施に資する調査・研究としては、職業能力開発施設における集団的 なキャリア・コンサルティングの手法研究、受講者の能力と個々の訓練ニーズに適合す ることを容易にするための訓練システムの研究など11テーマを実施し、そのうち10テー マについて、その成果物として研究報告書を作成し、民間教育訓練機関、地方公共団体 等へ配布しました。  (2) ホワイトカラーの能力開発に関する調査・研究も同じような形で5テーマを実施 し、30コースの教育訓練コースを開発しました。これも同じような形で情報提供し、広 く一般にも活用していただくという趣旨からホームページにも公開したところです。  シート13−3の自己評定です。もろもろの取り組み、情報提供を踏まえて、16年度の 実施計画どおり概ね実施し、中期計画の達成に向けて進展したということで自己評定は Bとしたところです。  次にシート14「職業能力開発関係助成金等の業務」です。  (1) キャリア形成促進助成金の制度の周知・説明については、ホームページで公開す るとともに、よくある質問についてはQ&Aコーナーを設けて公開したところです。  また、パンフレットを作成したり、記入例を盛り込んだ申請の手引きを新たに作成 し、説明会を実施する中で配布したところです。  制度説明会を2,457 回開催し、75,400人の参加を得ました。15年度は説明会が1,067 回、個別相談は44,185人となっています。  説明会終了後にアンケート調査を実施した結果、89.9%の方から説明内容が「理解で きた」という評価を得ています。  また、支給申請書の事務手続の簡素化を行うとともに、不正受給防止策として、疑義 のある事業所78カ所を含む1,188 事業所を訪問しました。  職員の審査能力の向上を図るための職員研修も併せて実施したところです。  (2) 技能者育成資金の関係についても、キャリア形成促進助成金と同じように取り組 んだところであります。  シート14−3の自己評定欄です。制度内容及びその変更についてホームページで公開 したこと、助成金の制度の説明会や個別相談を積極的に行ったこと、手続の簡素化、職 員研修を積極的に行うとともに、中期計画の目標80%を上回って89.9%の理解度になっ ており、これらを総合的に踏まえて自己評定をAとしたところでございます。  第3グループについては以上です。 ○井原部会長  ありがとうございました。それでは御質問等がありましたらお願いいたします。 ○宇佐美委員  シート12の若年者対策、キャリア・コンサルティングの件ですが、フリーター対策と いうことでヤングジョブスポット等の運営がなされているわけですね。職業能力開発と いう観点からのアプローチというのは社会全体の問題のように思いますが、その効果を はかるに当たって、サンプル調査云々ということですね。全体の中で200 万といわれて おりますが、どういう具体的な数字をあげることができるのか。ある種の限度を感じな がらやるのか、そのへんをお聞きしたいと思います。  中高生への各種職業、あるいは仕事そのものの研修というか、これも非常に必要だな と思います。私はたまたま文部科学省の中教審の臨時委員をやってまして、中学校が1 万校ありますし、高校が5,000 校ぐらいの中の300 何校ということになってるんです が、こういうのはみんなに必要だな、場合によっては小学校にも必要だなと思うんで す。それぞれの学校から申し出があって300 何校になるのか、実際の仕組はどんなもの なのか、さらに広げる手だてはあるのかないのか。あるいは機構では限度なのか、その へんを伺いたいと思います。 ○渡部雇用管理部長  中高生ふれあいにつきましては15年度は16県でやりまして、16年度は32の県で実施い たしました。各県とも高校と中学それぞれ6校ぐらいを推薦していただきまして、その 方々に対して、ふれあいですとか体験ですとか、いろんな事業メニューを用意しまし て、中高生に対するふれあい活動支援事業を行いました。先生方とお話をしながら、学 校はどんなメニューを希望なさるのか、そういうことを打ち合せる中で進めてまいりま した。  私どもの事業としては16年度をもって一定の成果をみたので、今度は厚生労働省とし て全国的な規模で実施なさるということで、私どもとしてはモデル事業として実施した ような状況でございます。  実際に利用していただきました中学生、高校生からは、自分が知らなかった仕事がい ろいろあることがわかったということで、大変好評をいただいております。本部におい て、活動の全国版事例集を2万部作成し、各県の教育委員会や中学・高校等へ配布しま して、引き続きそういった事業に取り組んでいただけるような配慮をいたしました。  ヤングジョブスポットですが、フリーターが多い中で、職業能力開発をもう少し幅広 くという意味で、17年度は出前型のメニューを用意しまして、14県16カ所を14県14カ所 にしました。お客さんがおいでになるのを待つだけではなくて、出ていこうという仕組 みに変えたところです。 ○宇佐美委員  中高生の職業に対する意識づけというのはモデルとしてやって、今年で終わって、来 年以降は厚生労働省の全国的な事業でやるという意味なんですか。 ○渡部雇用管理部長  そのように聞いております。私どもとしては16年度で終わっております。2年間実施 いたしました。 ○岡田理事長  ハローワークで引き継ぎまして、全国に展開していただくことになっております。 ○川端委員  待ってるだけじゃなくて出かけていくというのは大変いいことだと思うんですが、特 にニートの人たちは向こうからはやってこないし、どこにいるのかを把握する必要があ りますね。いろんなところがいろんなことを言ってるんですが、本当に手がけているの かというと、あまりないんで、こちらが切り込んでいくモデルを開発されるというのは 大変いいことじゃないか。そういった方向でやっていただきたいと思います。  助成金を支給した後の効果の測定あるいは把握はなされているのかどうか伺いたいと 思います。 ○長谷川企画部長  助成金の効果をデータ的に把握しておりませんが、雇用管理の相談の中で助成金の具 体的な支給とか条件とか要件とかいろいろ御相談いただくところがありますので、仕組 み等をお話しし、その結果として利用していただき、自分の会社の社員のための福利厚 生等に役立ったとか、そういった報告を相談援助事例という形でまとめております。全 国の私どもの施設に配布して、相談援助の充実に役立てるために紹介していくという取 り組みもしているところです。 ○井原部会長  助成金が目的どおりに使われたかどうか、監査みたいなことはやってるんですか。 ○渡部雇用管理部長  キャリア形成促進助成金というのがありますが、これは事業主の方が従業員教育の一 環として取り組んでおりますので、事業所訪問を積極的にやって、その成果を検証して います。不正受給防止のための事業所訪問ではなくて、活用していただいた成果の検証 という意味で事業所を訪問して、その中でニーズがあれば、在職者訓練のセミナーにつ なげるような工夫をしようということで取り組んでおります。 ○今村委員  理事長が冒頭に運営方針としてあげられた4番目の「主体性を確立して責任ある運営 をすること」にかかわってくる重要なところだと思うんですが、1つの質問は、現在N POがやっている内容に比べると、ここで触れられている情報は少ないのではないか。 若者や、市場から不当な扱いを受けている人たちに対するきめ細かな配慮という点で は、もう少しNPOに対する記述があってもいいのではないか。現状と比較して、そう いう印象を受けます。  シート12−5のところで、キャリア・コンサルタントの養成をしておられて、キャリ ア・コンサルタントを機構の組織に配属して活用しているということですが、現場で一 方的なコンサルティングだけで、本当に効果が上がっているというフィードバックがあ るのかどうか。雇用・能力開発機構というのはR&D部門ですよね。そういうところが 従来からあるキャリア・コンサルティングということをかなり強調して書かれていると いうことは、逆にそういうフィードバックがないのかなという印象を受けてしまうんで すが。その2点なんですが、現状はいかがなんでしょうかという質問です。 ○長谷川企画部長  NPOの関係につきましては、ヤングジョブスポットというのが全国に16カ所ある中 で、若者に関する就業支援機関と連携を図りながらやっているわけですが、その中の一 つとして就労支援を行うNPO法人と機構はできるだけ連携をとるようにしています。 16カ所のうちいくつかのヤングジョブスポットにアテンダント的に来ていただいて、い ろいろ協力していただいてるという取り組みをしているところです。  また、委託訓練を行っている中で、まだまだ少ない数ですが、NPO法人にも訓練を 委託してお願いしていますし、今後もお願いしていきたいと思っています。 ○渡部雇用管理部長  キャリア・コンサルタントの養成の件ですが、全国で5年間に5万人を育成するとい う中の1割相当を機構で受け持っているという状況です。おいでいただく方々は企業で 人事労務関係の仕事に携わってらしゃる方が約8割ですが、キャリア・コンサルタント の講座を受けていただいています。  活用の場につきましては、NPOも含めてキャリア・コンサルタントを育成する関係 者の会合をもっておりまして、いろいろ検討されております。 ○宮本委員  ヤングジョブスポットに関してですけど、ジョブカフェができてからヤングジョブス ポットの位置づけがあいまいな印象が強いように思うんです。ヤングジョブスポットの 場合は単なる職業訓練とか求職という単一の機能ではなくて、さまざまなものを持った 場所というところに特徴があると思うので、機構がやってこられた従来型の手法とかな り違うと思うんです。同じ都市の中にジョブカフェとハローワークとヤングジョブスポ ットが接近してあるんですけど、ほとんど連携がとれてない状況のように思うんです。 入り口も受け皿もばらばらという感じがしてますけど、そのあたりについてはどのよう な方針で動いているのでしょうか。 ○渡部雇用管理部長  ヤングジョブスポットが先にスタートしまして、そのあとジョブカフェが経済産業省 と文部科学省との連携で全国展開していきました。ジョブカフェの方は職業に関する目 的意識がはっきりしてまして、仕事をしたいという方がたくさんいらっしゃるんです ね。そういう方々のためには自分の就きたい仕事がすぐ見える場があることは確かにい い。ヤングジョブスポットに来てくださる方々は職業意識が明確でないので、手がかか ります。その方々に対しては職業について時間をかけてやることが必要なので、フォー ラム事業とか、自分の適職探しみたいなことに時間をかけているということで評判を得 ています。  今後のことですが、ジョブカフェとジョブスポットが同じところがあるところもあり ますので、そういうところはまとめて事業を進めるとか、連携してやるとか、お互いに 持ち味を出してやるとか、そういうことで連携していこうと考えております。そういう 指導もしております。 ○岡田理事長  ヤングジョブスポットとジョブカフェの役割分担を御説明しますと、現在、ヤングジ ョブスポットは16カ所ございます。そのうち、同じ箇所にあって、私どもは就労の意思 のない方たちについても相談に応ずる、就職の意思のある人はジョブカフェに行って、 具体的にハローワークに結びつくという形で、完全に連携のとれているところは5カ所 あります。あとの9カ所は場所は違うんですが、情報交換をして、役割を分担しながら やっています。  残念ながら2カ所だけは全く連携がとれておりません。1つは東京都内ですが、非常 に離れている地域があるので無理だということです。もう1カ所はそのへんの役割分担 ができてないところがありますが、私どもとしては比較的連携はとれていると思ってお ります。当初から一体となった組織としてどうあったらいいかということになります と、また違う解決策があるかと思いますので、そういう問題については厚生労働省と今 後の問題として話し合っていきたいと思っています。 ○井原部会長  それでは評価の記入をお願いいたします。 ○井原部会長  次に進んでよろしいでしょうか。それでは最後の第4グループの項目の評価シート項 目15〜18までの業績の実績を説明願います。 ○長谷川企画部長  シート15「財形業務」です。同じように実績欄を説明してまいります。  財形制度の周知、利用者の利便や申請内容の適正化を図るため以下の措置を講じまし た。  (1) ホームページの再構築をしまして、融資返済のためのシミュレーション機能をホ ームページに追加しました。  また、貸付利率の変更について、変更が確定した当日に利率の変更についてホームペ ージに公開しました。  (2) 財形基金制度、助成金制度、財形融資制度のパンフレットや申し込みに係る手引 きを作成し、説明会等において事業主に配布しました。  説明会は1,054 回、事業所訪問は13,751件、相談業務は18,605件となっています。  ホームページのアクセス件数は59,488件となり、平成14年度と比較して167 %増加し ました。  助成金申請者の負担軽減、審査能力向上等を図るため以下の措置を講じました。  (1) 手続の簡素化については、財形関係の3つの助成金について申請書の記載項目の 簡素化などを行いました。  (2) 担当者の審査能力向上のため、職員の研修、打合せ会議を実施しました。  シート15−2の自己評定欄です。貸付利率の変更について、中期計画では変更後7日 以内となっていますが、当日にホームページに公開したこと、財形関係助成金について 申請書の簡略化に努めたこと、職員の審査能力向上のための研修を実施したこと、ホー ムページのアクセス件数が14年度と比較して167 %増加となり目標を上回ったこと等を 勘案しまして、計画どおり実施し、中期計画の達成に向けて進展したということで自己 評定をBといたしました。  次にシート16「情報提供、福祉施設の譲渡等の業務、特例業務」です。  ホームページを活用した積極的な情報の発信として、次のようなことを行いました。  離職者、在職者、学卒者を対象とする職業訓練について、募集要項、訓練内容などを 公開しました。若年者を対象とする業務に係る支援サイトの設置、機構の業務内容につ いてトピックスとして「町かどの機構」というコーナーを新たに設置するなどの取り組 みを行ったところです。結果として、アクセス件数333 万件となっています。  福祉施設の譲渡業務については、地方公共団体との協議を行い、16年度中に50施設を 譲渡し、28施設を廃止しました。  シート16−3の自己評定欄です。諸々の情報をホームページで公開した結果、アクセ ス数は333 万件となり、年度計画の目標(200 万件以上)を133 件上回った。福祉施設 の譲渡等は17年度末が期限となっていますが、概ね計画どおり実施し、中期計画達成に 向けて進展していることから、自己評定をBといたしました。  次にシート17「予算、収支計画、資金計画、短期借入金、剰余金」です。  財形融資の累積欠損金の解消ですが、当期利益として32億円を計上した結果、累積欠 損金383億円となりました。  債権管理については、貸付業務を受託していただいている金融機関と連携を図りなが ら、適正な債権管理を行ったところです。  雇用促進融資については、債権の適切な管理を行うとともに、リスク管理債権につい て、貸付業務を受託してもらっている金融機関に対して業務指導を行ったり法的措置を 行うなど、債権の回収・処理に努めました。また、財政投融資への償還に関しては、約 定どおりの償還を行ったところであります。  雇用促進住宅については、15年10月31日以前の入居者に対して、16年4月1日に家賃 の改定を行いました。また、修繕項目別の修繕計画を策定し、それに基づいて修繕を実 施しました。また、集中管理方式導入に基づき、16年4月から集中管理方式を導入して 管理費の削減に努めたところであります。  また、計画的な職員数の削減、事務費の削減等により、住宅の運営に係る人件費及び 事務費の管理経費を14年度に比べ9億8千万円削減しました。  予算関係ですが、予算、収支計画、資金計画については、予算の範囲内で執行したと ころであります。運営費交付金を充当する事業については、できるだけ削減に努め、16 年度予算額1,004 億円に対して917 億円の実績となりました。  短期借入金については、借入限度額である775 億円の範囲内で397 億円の借入を行い ました。  シート17−3の自己評定欄です。適正な債権管理を行うとともに、累積欠損金を少し でも解消したこと、財政投融資の償還を約定どおり償還を行ったこと、雇用促進住宅に 関して、諸々の取り組みにより合理的な経営を達成したこと、中期計画に基づく予算を 作成し、総額においては当該予算の範囲内で執行したこと、短期借入金については限度 額の範囲内での借入金であったこと等々の取り組みを踏まえて、概ね計画どおり実施 し、中期計画達成に向けて進展したことから、自己評定をBとしたところであります。  最後に評価シート18「人事、施設・設備」です。  職業訓練指導員体制については、民間企業等幅広い技術者を外部講師として積極的に 活用するほか、任期付の民間企業技術者を職業訓練指導員として31人受け入れました。  人員に係る計画については、16年度末の常勤職員数を15年度末と比べて155 名削減し ました。  施設・設備については、計画どおり建てかえ、更新を行ったところであります。  シート18−2の自己評定欄です。諸々計画どおり実施し、中期計画達成に向けて進展 したということで自己評定はBとさせていただきました。以上です。 ○井原部会長  ありがとうございました。御質問等がありましたらお願いいたします。 ○久道委員  財形勘定では32億円の当期利益を出したと書いてあるんですが、一般勘定では3億の 赤字ですよね。そういうところは記載した方がいいと思うんですね。プラスになったと ころだけを書かないで、一般勘定の方は額は少ないですけど、3億赤字だ。その結果、 法人全体として25億円の当期総利益を計上したということですので、その中身を書いた 方がいいと思いますね。総利益の25億円というのは剰余金には相当しないんですか。 ○石井経理部長  機構全体としての当期総利益は25億円でございます。一般勘定においては3億、宿舎 等勘定は4億、それぞれ損失が出ておりますが、トータルで25億の利益ということで す。財形は32億ですが、これは繰越欠損金がありますので、それに充当していくという ことです。剰余金については欠損金に充当していくものですから、剰余は出ております が、剰余金の使途という意味での剰余金には該当しないということです。 ○久道委員  連結決算をして、損益計算書をトータルで出すという形はしないんですか。 ○石井経理部長  参考資料に記載しておりますが、各勘定ごとの財務について提示しております。その 中にはあらわれてきております。 ○久道委員  それを見てたんですが、全体としてそういうことはしないんですが。連結して。総括 表というのはありますけど、総括表には損益計算書は出てませんね。 ○石井経理部長  総括表の損益計算書も出しておりますが、そこは25億だけが出ております。 ○久道委員  わかりました。 ○川端委員  以前、新聞で、雇用促進住宅を職員に提供しているということが問題になったことが ありましたね。その後、どういうふうにされたのかというのが一つ。  職員の研修ですが、これは新たに始まったんですか。職員の能力アップのためにいろ いろな研修をされてると思いますが、代表的な研修を二、三、御紹介いただきたいと思 います。 ○西岸総務部長  雇用促進住宅の件については、法的な面では問題ないんですが、自粛していこうこと で、現在入っている方たちについても今年の秋ぐらいをめどに退去してもらう方向で手 続を進めております。  研修については、職員のかなりの部分は指導員というか、能力開発関係の教員ですの で、何年ごとの研修とか、新しい手法についての研修とか、そういうことをやっており ます。 ○川端委員  職員に対するマネジメント研修とか、多くの企業で行われているような能力アップの ための研修はどうなんですか。 ○西岸総務部長  管理職になった時とかには…。 ○川端委員  それは体系的にやっておられるんですか。 ○西岸総務部長  基本的にはやっております。 ○今村委員  人員削減をずいぶんしておられまして、その過程で配置転換等も起こってると思うん ですね。例えば福祉施設から教育訓練施設に異動になったらスキルが違いますから再訓 練が必要だと思うんです。人員削減と訓練との補完関係というか、そういうことはこれ には書いてないんですが、それは大丈夫なんでしょうか。 ○西岸総務部長  うちの場合は福祉施設での勤務というのは基本的にございませんで、事務部門と教育 訓練部門ですが、事務の場合はOJTになります。指導員の場合は新しい専門への転換 による再訓練はやっています。即ちこれまでやっていた担当のニーズがなくなってき て、専門科目を転換する時は少し時間をかけて訓練をやっています。 ○井原部会長  それでは評価の記入をお願いいたします。 ○井原部会長  よろしいでしょうか。  それでは、最後に総括といたしまして、何か御質問等があればお願いいたします。 ○川端委員  政策評価独立行政法人評価委員会というのがありますね。そこから当機構に対して2 点指摘されておりまして、その中の1つが、在職者・離職者訓練、学卒者訓練について は、中期目標等において地方公共団体や民間教育訓練機関との適切な役割分担を図り、 地域の状況を把握するとともに、就職率などを調査して訓練コースを見直すこと。  民間教育訓練機関についての言及が何もないんですね。そことの役割で、ここの独自 性はどこにあるのかということをどこかで押さえておいておいていただきたいなと思う んですね。 ○長谷川企画部長  シートの中にコースの見直しというところがありますが。 ○川端委員  当機構は民間教育訓練機関と役割としてどこが違うのか、だからこういう業務を行う んですというコンセプトを明らかにして入れておいたほうがいいのではないか。その評 価委員会からそういう指摘が出ていますので、それに応えるためには、今回もそういう のが頭のところにでも入っているといいのではないかと思います。 ○長谷川企画部長  いま御指摘いただいたような形を前提として見直しをした結果であると御理解いただ ければと思います。 ○川端委員  違いはこうですよというのが入っているとわかりいいと思います。 ○宇佐美委員  午前中、講義を受けた時にも申し上げたんですが、民間の国内の競争相手との違いを クリアにしていただくととともに、こういう機構というのはアメリカではこうなってい ますという国際的な比較の中でどうかという点も視野の中に入れていただけたら理解も 早いですし、ありがたいなと思いました。 ○篠原部会長代理  当法人がやっている業務というのは広い範囲で、大きい業務の一部をやってると思う んです。今後、厚生労働省として中期目標をより具体的というか、全体の政策の中での 位置づけをきちっとして、独法の執行責任としての環境を明確にしてもらわないと、我 々は評価しづらいんですね。その関係を明確にしろということが総務省あたりからも出 てくると思うので、次の中期にはそれがうまくいくように検討していただきたいと思い ます。きょうの質問を見ていると、そのあたりを意識してされたものが多かったかなと いう気がします。 ○井原部会長  存在理由を明快にしてほしいということだと思います。 ○宇佐美委員  使命ですね。 ○井原部会長  よろしいでしょうか。それでは、長時間にわたり、お疲れさまでした。本日はこれで 終了とさせていただきます。                                     <了> 照会先  政策統括官付政策評価官室独立行政法人評価係  電話:03−5253−1111(内線7790)