05/07/29 第17回社会保障審議会医療保険部会議事録                      平成17年7月29日(金)10:00〜12:25                      於:第一ホテル東京5F ラ・ローズ I           社会保障審議会医療保険部会 第17回議事録  星野部会長  おはようございます。ほぼ定刻となりましたので、これより第17回「医療保険部会」 を開催いたします。  委員の皆様には本日は御多忙の折お集まりいただき御礼申し上げます。  まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は井伊委員、岡谷委 員、西村委員、山本委員より欠席の御連絡をいただいております。また、磯部委員、大 内委員、久保田委員は若干おくれているようでございます。  続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。岡谷委員 のかわりの菊地参考人、日本看護協会常任理事の御出席につき御承認いただければと思 いますが、よろしゅうございますか。  全員  異議なし。  星野部会長  ありがとうございます。  それでは本題に移りたいと存じます。本日はまず、これまで御審議いただいている高 齢者医療制度について箱崎委員及び河内山委員から資料を提出いただいておりますの で、順次御説明いただきたいと思います。それでは箱崎委員、どうぞ。  箱崎委員  お時間を作っていただきましてありがとうございます。日本歯科医師会といたしまし て高齢者医療保険制度に対する基本的な考え方を取りまとめましたので、この席で御報 告させていただきたいと思います。  国民に安全で良質な歯科医療を提供するとともに、国民皆保険制度を守ることを使命 とする日本歯科医師会は、高齢者医療保険制度改革に際し、かねてより8020運動等の歯 科保健活動を通じ推進してきた高齢者の口腔機能の維持・増進によるADLの改善、あ るいはQOLの向上のために、そして国民皆保険制度を堅持することを基本として、持 続可能で安定した高齢者医療保険制度を構築するため、ここに本会の基本的な考え方を 表明したい。それで政府に対し老人医療費の膨張をさせる要因となっている例えば社会 的入院、あるいはターミナルケア等の問題点の改善等も含め適切な措置を講じるようお 願いしたいということでございます。  それで論点だけ簡単に申し上げます。前期高齢者に対する医療保険制度の充実を図る ために、患者負担の軽減措置を講じるようお願いしたい。波線の箱に記載してあります のが、いわゆるその趣旨でございます。歯科疾患の中でも歯牙喪失の最大原因となって いる歯周病は、40歳以降の中高年期に年齢特性があり、特に喪失期に当たる前期高齢者 に対しては総合的な口腔ケアが必要不可欠であります。  歯科に限らずでございますが、医療の原則は早期発見、早期治療にあり、患者に負担 増を強いることは必要な受診機会さえも抑制し、疾病の長期化、重篤化を招くことにつ ながり、我々が目指す高齢者のADLの改善、QOLの向上に大きな障壁となるため に、断じて容認することはできない。  また、経済的な側面から見ても、前期高齢者への十分な医療提供は、結果として後期 高齢者の健康維持に寄与し医療費の適正化・効率化にもつながることから、今回の改革 では前期高齢者に対する負担軽減措置を講じることを第一義として強く申し入れたいと いうことでございます。  ページをめくっていただきまして、それでは新たな高齢者医療保険制度につきまして は、対象年齢は75歳以上として制定したい。それで後期高齢者につきましては、高齢者 医療保険の被保険者となり、前期高齢者については就労者は被用者保険とし、退職者、 無職の者、自営業者はすべて国保加入とし、財源等については別途考慮すると。  それで、患者窓口負担については、前期高齢者は65歳から69歳までを2割、現行は3 割でございますが2割、70歳から74歳までを1割とし、75歳以上の後期高齢者は1割と する。なお、低所得者には十分な配慮を行うと。要するに、前期高齢者に対するいわゆ る窓口負担減を強くお願いしたいということでございます。公費負担については5割以 上とし、残りは患者本人、高齢者自身の保険料、被用者保険・国保からの支援、そうい うもので行いたい。  それで運営につきましては、当面の間は国とすると。それで、いずれは都道府県を主 体としたい。なお、将来は広域市町村、または医療圏への移行も考慮する。具体的に は、国は都道府県間の財政調整について監督の責を負い、窓口業務は市町村が行い、財 政を運営する都道府県と連携し保険者機能を生かす。このようなことを取りまとめまし たので、一応この部会で御報告させていただきたいと思います。ありがとうございまし た。  星野部会長  どうもありがとうございました。それでは引き続き河内山委員、お願いします。  河内山委員  発言の機会をいただきましてありがとうございます。  去る6月8日に全国市長会は第75回の全国市長会議を開催いたしましたが、その折に 全国の763市がございますが、その総意としてこの決議を決定したものでございます。  従来から申し上げておりますとおり、国民皆保険制度の最後の砦となっております市 町村国保の現況はここにも書いております通り、既に無職の方が5割を占める。それか ら高齢者の比率も当然年々上昇しております。そういうこともありまして、保険の制度 としましては破綻の状況にあるという状況でございます。これまでも適切な保険料の負 担を求めて参っておりますけれど、これを引き上げることについても困難な状況にある ために、既に現在では総額で年間1兆円を越します一般会計から国民健康保険の特別会 計への繰り入れを行って運営をしていると、こういう状況でございまして、ここに書い ております5つのことにつきまして、特に制度改革の際に考慮すべきではないかという ことで決議をいたしたところでございます。  示しておりますとおり、1つには安定的で持続可能な医療保険制度を構築するため に、国を保険者としてすべての国民を対象とする医療保険制度の一本化、これを将来的 にはぜひとも諮るべきであるということ。  2点目としまして、そうは言いましてもこのことがすぐさま実現できるわけではなか なかありません。現在の国民健康保険と被用者保険の制度間における財政格差、これは 特に年齢構成が違うこと、そして所得状況が違うことによって起因をしておりますの で、そのことを調整する仕組みの導入を検討ぜひしなければならないということでござ います。  それで3点目でございますが、現状の国保の安定的な運営のための財政措置、これに ついてはぜひ国において抜本的な対策を緊急に講じていただきたいということでござい ます。  4点目でございますが、高齢者医療費を中心とします大幅な増加が見込まれますの で、実効性のある医療費の適正化対策を検討・推進すること。  それで最後に、まさしく議題となっております高齢者医療制度については、現状の国 保・介護保険、2つの保険者として極めて厳しい財政運営を強いられている市町村が、 このまま保険者になることは困難であるということ。このことについて決議をしている ところでございます。特に申し添えることはございませんが、医療保険制度の一本化に ついては直ちに実現することは難しいことは理解いたしておりますが、今回の制度改革 において少しでも一本化につながるような施策を講じていただきたいということ。それ とともに、基礎自治体である市町村の財政が増大する社会保障費の支出によって大きく 圧迫されている現状をぜひとも御理解いただき、緊急な対策をぜひ講じていただきた い。このことを重ねて申し上げたいと思います。以上でございます。  星野部会長  ありがとうございました。それでは御意見、御質問等をお願いします。どなたからで も結構です。対馬委員、どうぞ。  対馬委員  必ずしも意見ということではないんですけれども、関連しますので少しお時間をいた だければと思います。  一昨日、被用者保険は支払いに関わる団体、3団体ですけれども、日本経団連、それ から連合、それから私どもの健保連ですけれども、医療保険制度改革の実現ということ で水田保険局長に格段の御尽力の要請をさせていただいたということでございます。  それで、ここの部会におきましても部会長様をはじめ各委員の格別の御理解・御尽力 を賜ればということでございます。齊藤、久保田委員、私を含めた3人の一致した意見 でございますが、ちょっと資料がなくて大変恐縮なんですが、簡単に申し述べさせてい ただきたいと思います。  大きく2点ございますが、1点目は進め方に関わる問題でございます。二巡目の最終 段階ということに入りつつあるわけですけれども、本日大変大部な資料なんですけれど も、この資料をざっと見たところでも、これまでの資料の整理ということが必ずしも深 堀りした、踏み込んだ内容とはなっていないんじゃないかなと、こういうように思いま す。  私どもとしては3点ほど要望したいと。  1点目としましては、試算を含めた具体的な素材をお出しいただきたいということで ございます。  2つ目は、集中的な審議、秋口に試案等を出されるということでございますので、そ の前にはぜひ集中的な、私どもとしても例えば連日審議でもぜひ参加したいと思います し、また試案が出た後でもこの部会でもって審議をしていただきたいというように思い ます。  それから3点目ですが、今日の資料にも若干出ておりますが、他の例えば医療部会、 中医協と関連する審議会がございますので、そういう審議を踏まえた一体的な検討・改 革をお願いしたいと思います。  大きな2点目ですが、私どもの意見を申し上げたい。これは3人の一致した意見で す。簡単にします。  1つ目は、保険者の主体を明確にして、医療費の適正化などの保険者機能が発揮でき るような制度としていただきたいということでございます。  それから2点目ですが、75歳を境にして前期・後期に区分する制度とすべきではない のではないかと。単純明快に65歳以上と。  それから3点目でございます。財政調整論、拡大論というのは保険者機能を否定する ものである。また、医療の国家統制にもつながるものではないか。容認できないという ことでございます。  それから4点目、国の責任と応分の公費負担、これを明確化していただきたい。  5点目ですが、拠出金制度、この問題点をぜひ解消していただきたい。  それから6点目ですが、費用負担者が制度の管理運営に実効的に関与できる仕組みを お願いしたい。  それから7点目ですが、若年者の負担が過度にならないような制度設計にしていただ きたい。  それから8点目ですが、IT化の促進というのも重要であろうと、こういうことでご ざいます。  以上のとおりでございますが、重ねて踏み込んだ、まさに今日の気候のような熱い審 議をぜひよろしくお願いしたいなと、こういうように思っております。ありがとうござ いました。  星野部会長  ありがとうございます。他にどうぞ。久保田委員。  久保田委員  今、対馬委員の方から御説明がありましたが、労働組合の立場でもこの医療保険改 革、あるいは医療制度改革というのはまさにこれまでの経過から見ましても、97年、 2000年、そして2002年、常に保険料あるいは患者負担というのは1割から2割、2割か ら3割とずっと患者負担が先行としてきたわけです。そして「悪いようにはしないから 」という言い方はちょっと語弊があるかもしれませんが、医療制度の抜本改革、とりわ け現在の老健制度等々については抜本的に改革するという約束の下に、先に手形だけ切 ってきたという非常に強いそういう懸念がございます。  したがいまして、今回の正に制度改正というのは年金、介護保険と併せまして、21世 紀の社会保障の在り方を決定づけ非常に大事なポイントだと思っておりまして、来年の 国会に上程するとすれば本当にそこまで議論が行き着くのかということを非常にこれま でも心配してそういう発言を繰り返して参りました。ぜひ今後の医療保険部会の進め 方、あるいはその中での議論をどうやって国民一般の前にオープンにして、そして広く 国民の納得性、あるいは様々な議論というのが国民的議論という形で巻き起こすことが できるのかということも含めて非常に大事だと思っております。ぜひこの医療保険部会 の今後の進め方と具体的なシミュレーション、それもこれまでの論点整理を踏まえた複 数のシミュレーションと言いますか、そういうことをぜひお願いしたいと思いますし、 多少は経団連や健保連との間で考え方に差があるところもありますが、この8項目につ いては一応共有化できるのではないかという意味で議論をしておりますので、ぜひそう いう形で重く受け止めていただきたいというように思います。以上です。  星野部会長  ありがとうございました。他にございませんか。どうぞ。  北郷委員  対馬さんが「熱い議論」とおっしゃるから早速申しますと、発言の中で調整というの がおかしい。保険者機能に反すると、これはどういう理屈何でしょうか。年齢の格差が あるとか、こういうことを調整することはおかしい、こういう議論なんでしょうか。  対馬委員  全面的な財政調整をしたり、一本化したりするということになりますと、やはり複数 の保険者でもって競争していくと。インセンティブと言いますか、モチベーションと言 いますか、そういう形でもって医療費を適正化していくというのが必要だろうと思うん ですね。全部ガラガラポンでやるということは、医療費を適正化しようが、すまいが、 そういうことは一切区別がなくなるとこういうことですから、私どもとしては決して良 い制度ではないと思います。  北郷委員  年齢に差があるとか、所得に差があるということは、そんなことは関係ないという前 提になるんでしょうか。  対馬委員  関係ないということはないと思います。ただ、全面的な財政調整でありますとか、財 政調整の拡大ということはいかがなものかと。やっぱり保険者の自主性が損なわれるの ではないかと、こういうように思います。  北郷委員  もうちょっとその辺はきちんとした意見を聞かせていただけますか。  星野部会長  他にございませんか。どうぞ、久保田委員。  久保田委員  北郷さんのおっしゃりたいことは何なのか逆にお伺いしたいと思いますが、基本的に ここまでの国民医療費、あるいは医療制度がもつのかどうかと言われているようなとき に、改革のメスをどこに当て、そして現状をしっかりと分析して、まず血を止め、そう いうことをやりながら将来の在り方ということについて議論していくというのは当然の ことではないかと考えています。それを民間企業でも、労働組合等々はこの90年代の中 では本当に大変な思いをしてきましたけれど、会社経営においても全くそれは一般論と して当たり前のことであって、まず大きくドンブリ勘定にするとか、財政調整するとか いうようなことになりますと、問題の本質や本当に危機感をもって対応するということ がどうしても甘くなったりして、トータルとしての法律改正にはなかなか行き着かな い。方法論としてはしごく当たり前のことじゃないかと思いますが、それはどうなんで しょうか。  北郷委員  医療費をできるだけ抑えるというのは当然のことで、それから競争みたいな原理を入 れるということは当然のことで、1つの方法としてあり得ることだと思います。そこを 否定しているわけではありませんが、調整がいかにも全面的に悪いというように聞こえ たものですから。  それからイコールフィッティングというか、あるいは競争条件を成立させるためには 同じような条件を与えなければいかんわけですよ。もともと年齢の高い人ばかりを非常 に多く抱えているもの、あるいは所得の低い人だけが集中的に集まりやすい形で競争な んかできるわけがないじゃないですか。そこのところをきちんと理解しながら、医療費 の抑制策の手段として競争原理とか保険者機能とかこういうものをおっしゃるのは、私 はそのとおりだと思います。  齊藤委員  若干、補足いたしますと、若いときからそれぞれの健康に対してしっかり自分の健康 は自分で守るというような形で一生懸命にやってくることが求められており、そういう 意味で保険者機能を発揮してそういう教育をしたり、色々な施策を打つ保険者がある一 方で、やってもやらなくても最後は財政調整でやるのだというようになるのとでは、こ の辺はやはりしっかりと分けるべきです。これからは、国民への周知の重要性を踏ま え、国民をはじめ医療機関や保険者などの意識改革を促し、それぞれの責務を果たすよ うな環境づくりをぜひ国民の前に明かにしていこうというようなのが我々の趣旨でござ います。  松原委員  久保田委員にお聞きしたいのですが、私どもは国民皆保険の最終的な受け手が今現在 国保にあると思っております。労働組合におかれても、バブルを基にした経済運営の失 敗の影響を受けているわけでございます。現在働いておられる方というのは逆に申せ ば、多くの辞めねばならない方がいて、そして残られた方だと思います。その残られた 方が病気だけでなく、いろいろな経済的な理由で辞められて職を失われた方の犠牲の下 に今現在働いておられるわけでございますから、その人たちを全く見捨てるというよう な考え方に私には聞こえるのですが。つまり、現在働いておられる方が働けなくなった 方を仲間として全く救うつもりはないのかと。そういうことを救うというのが私は国保 の財政調整の考え方にも共通するものだと思いますが、いかがでございましょうか。  久保田委員  連合の医療保険制度、あるいは医療制度全般についての考え方については前回、説明 をさせていただいたと思っておりますので、あまりこのことに時間をかけてというつも りはございませんが、そういうことを連合が言っているということはどこに、どういう 文書なり、どういうことであるのか示していただきたいと思います。  我々は今国保は大変な状況にあるということは認識しておりますし、それから年金、 医療保険も含めて本来サラリーマンがと言うか、そういうところをしっかり確保しなけ ればならないところが空洞化していると考えています。あるいは労働形態の多様化等々 の理由によってどんどん流れ込んでいっているということについては極めて問題視をし ておりまして、すべての働く者がちゃんと社会保障の適用になる、そして自ら保険料を 払うと、そういう制度を作るべきであるということで突き抜け型のそういう提案もさせ ていただいているつもりでございます。今の状況については極めてそういう問題意識を 持っています。そして運動もしております。一緒に運動に立ち上がって欲しいと思って いるぐらいでございまして、それを連合側が何か失業者やそういう人たちを見捨ててや っているということは聞き捨てならない発言でございます。ぜひ訂正していただきたい というように思います。  松原委員  では反論します。やはり実際のところ定年までにお辞めになる方もかなりいらっしゃ いますし、辞めざるを得ない方もいらっしゃるわけです。その方達がどこでこの健康保 険を得ているかというと、やはり国民健康保険だと私達は思っておりますので、突き抜 け型が果たしてどのような形で、何歳までお勤めになっていた方、あるいは病気になら れて辞められた方も全てその中で健康保険としてお支払されるのであればそれは考え方 も違うかもしれませんが、今私が議論しているのは財政調整という問題を北郷委員か ら、「これはやはり国保については適切である」というお話をされたところに対して、 これが不用であるというようなお話をされておりますので、そこのところはやはりお辞 めになった方や病気になられた方も共に救っていくのが考え方ではないかと申し上げた わけでございます。  河内山委員  「財政調整」という言葉を使うとそういうように誤解をされる可能性があると思いま すので、敢えて違う言葉で言いますと、やはり保険というのは元々リスクというものを 分散するという意味では、たくさんのいろいろなタイプの方が集まって成り立ってお る。そういうものですから、これはもう財政調整というよりは、各々それぞれ立場が違 う方が集まってリスク分散を図るために保険を作っていると。そういう意味では制度の 中でもちゃんと財政調整的なことは行われていると思います。もちろん国保の中でも所 得によって、あるいは場合によっては資産によって保険料が違うわけですから、それは 財政調整をやっているわけです。したがって、財政調整そのものを否定するようなこと であれば、これは保険自体が私は成り立たないと。そういうことでありますので、制度 が違う間でも当然必要な財政調整は行われるべきだということをまず申し上げたいと思 いますし。  もう一点申し上げますと、先程国保全体では年間1兆円を越す一般会計から国保への 繰入を行っていると。これはどういうことかと言いますと、一般会計ですから被用者の 方も、あるいは無職の方も、それから農家の方も税を払っておられる。そういう一般的 な税というものを国保の中に注ぎ足しているわけですね。それでやっと国保財政が運営 で来ていると。そういう意味では、これは実は医療保険とは全然関係ない部分で、ある 意味では医療保険という器以外のところからお金を入れて財政調整をしている。それよ りは本来医療保険という同じ器の中で財政調整をする方がこれは理屈に合っているので はないかというように、このことも申し上げたいと思います。一般会計、特に一般財源 というのは本来はひょっとすると子育て支援施策のために使われるかもしれなかった費 用であるとか、あるいは地域の産業政策のために使うお金であったかもしれないお金と いうものを、実は一般会計から国保会計に入れてやっと調整しているという意味では、 そちらの方がやや不合理な面があると、そうとも言えるわけでございまして、やはりも ちろん今御発言があった対馬委員や久保田委員が財政調整全般を否定されているとは思 いませんが、保険というものは本来財政調整というものがあって然るべきものだという ことについては、十分に御理解をいただきながら議論をしなければいけないということ を申し上げたいと思います。  最後になりますが、今度、都道府県単位で保険者協議会というのを全国各地で設立が されております。これはまさしく全然制度が違う中で、特にヘルスの問題、あるいは後 期高齢者になって困らないように保険者同士がそれこそ保険者機能をどうやってさらに 発揮していくかという協議の場が初めてできあがるわけでございますので、そういうも のを十分に活用して各保険者の実情というか、そういうことについてもお互いによく理 解するということも必要ではないかなということを申し上げたいと思います。  星野部会長  今、御議論が一巡されておりますが、御議論いただいているところはまさにこの部会 の詰めていかなければならない根幹の部分であるわけで、そういう意味ではそれぞれの お立場と言いますか、考え方を明かにしていただいたこと、大変この部会としてはあり がたいと思うわけであります。なお、これからおそらくこれがさらに深まった形で議論 されて続けていくんだろうと私は想像しております。  今日はこのぐらいにここはしておきまして、続きまして本日は医療費適正化及び保険 給付の在り方について御議論いただきたいと思います。まず、医療費適正化について議 題としたいと思います。事務局から御説明願います。  事務局/間杉課長  総務課長でございます。よろしくお願いします。  これまで前期高齢者医療制度と後期・前期と御議論を賜りまして、本日1つ「適正化 」という切り口で様々な問題を御議論いただければと思う次第でございます。  まず最初に中長期の医療費適正化効果を目指す方策についてということで資料を準備 させていただいておりますので、要点を御説明申し上げます。1ページをおめくりいた だきますと、そもそもこの問題の位置づけでございますが、元々一昨年の閣議決定の中 で医療、あるいは医療費の地域特性に応じた医療費の適正化に向けて取組みを進めてい こうと。そのときに住民の健康づくりとか、あるいは病床機能に応じた効率的な利用促 進といった供給面、あるいは健康づくりへの要素にも着目していこうというようなこと で枠組みを提案させていただいたものでございます。それが御案内のとおり骨太での医 療費の適正化方策ということで取り上げられまして、結果、前回御報告申し上げました けれども、医療費適正化の実質的な成果を目指す政策目標を設定するというようなこと で、これについては17年度中に結論を得るというようなことに閣議決定がされた次第で ございます。そういう2つの側面を持ってございます。  それで2ページでございます。改めてそういうことで全体的な整理をさせていただい ておりますが、医療保険制度を一番左端にございますように、保険者の再編・統合な り、高齢者医療制度なり等々を通じまして、それぞれが医療費の適正化というような要 因を内在したような、そういうような改革を行いたいというように私どもは思っており ます。それと同時に、やはり中長期の効果を目指す方策として、医療提供体制等々の問 題についてどうしても踏み込んだ検討が必要だと。それから併せまして、早期に効果を 目指す方策ということで、公的保険給付の内容の見直し、これもまた本日この後直ちに 御議論を賜りたいと思いますが、そういうものについても取りまとめていく必要がある だろうというようなことでございます。進め方につきましても縷縷御指摘を頂戴いたし ましたが、秋口にこういう関連施策も含めまして横断的な試案を提出し、当然この審議 会でも改めて集中的な御議論を賜りたいというように思っている次第でございます。  そこで、3ページからが生活習慣病対策というようなことで、ポイントだけ申し上げ ますと、左にございますように医療費31兆の中で生活習慣病9.9兆円でございますが、 上から色が付いております糖尿病、脳血管疾患、虚血性心疾患、それぞれ細かい「*」 がついてございますが、これらについて現在まずこういう疾患の発症、あるいは重症化 を防止しようというようなことで取組みを進めてございます。これ以外にも、これから でございますが、がんとか、あるいは高血圧といったものもかなり医療費のシェアを占 めているというようなことでございます。  それから4ページでございますが、これも発症予防なり重症化予防の流れというよう なことで、これまでも御議論をいただいたものでございます。左の方から、健康時の不 規則な生活習慣が境界領域を経て発症、さらには合併症、重症化を辿るというようなこ とでございます。  5ページをお開きいただきたいと思いますが、これが今の流れを実際の医療費に則し て展開してみたものでございます。真ん中程に「高血圧」とございまして、医療費の 2.7兆円、これが動脈硬化というようなプロセスを辿って、左側の脳血管疾患なり虚血 性心疾患ということに至って、医療費はご覧のとおりでございます。それから「糖尿病 」というようなルートからも1.4兆円、糖尿病そのものが1.4兆円でございますが、これ が腎不全に至りますと人工透析ということで、大体4千億規模の医療費が掛かっている というようなことでございます。この糖尿病からの真ん中の経路について、特に今回プ ログラムをお示しさせていただきたいというように思っております。  それが6ページでございます。6ページをご覧いただきますと、只今の対策を成果目 標ということで、まずそれぞれ3疾患の発生率を20%ないし25%を改善すると。これは 既に健康フロンティア戦略ということで、ここの取組みは始められているわけでござい ます。そのための具体的な取組み目標としまして、検診の受診率を引き上げるというよ うなこと。それから今、検診もやりっぱなしというのがかなりございますが、事後指導 というようなものを引き上げていくというようなことでございます。これはあくまでも 1つの適正化を、今回は試算でございますが、給付費ベースで2025年度で約2.4兆円程 度の削減が期待できるというようなことでございます。  それで7ページでございますが、こういう適正化効果というようなものを確実なもの にしていくための今後の対策の考え方でございますが、効果的な保健事業の手法の開発 ・普及でございますが、かなりこれは様々な生活習慣がどういうような形で病気に結び ついていくかということがわかっております。そういう生活習慣を変える行動変容に結 びつくような具体的なプログラムを組んだ保健事業の充実を図るというようなこと。そ れから、ハイリスクグループを抽出ための検診機会の拡大、今申し上げました。それか ら、個々人ごとの生活習慣病の予防プログラム開発というようなことを今急いでござい ます。  それから2つ目の箱に書いてございますが、例えばサラリーマンの時代、それからサ ラリーマンを辞めて地域の住民として入っていく時代、それからサラリーマンの被扶養 者というのは今ほとんどどこがケアをするのかというような基本的な役割分担もできて いないというような状況がございますので、やはり生涯を通じた一貫した健康管理、あ るいは検診データの継続活用というようなことを考えていく必要があるだろうと思いま す。今これも関係の審議会で動いてございまして、一番下にございますように都道府県 の健康増進計画の見直しというようなことで、こういう疾病ごとの具体的な検診なり事 後指導の目標、手法の提示というようなことで、秋口までに関係の審議会の方でも取り まとめが行われるというようなことになってございます。  それから8ページが、2つ目のテーマの医療提供体制でございます。現在、医療計画 の見直しが進行中でございます。これまでともすれば医療計画、ベッド規制というよう なことに最大の重点が置かれておりますが、視点を一新しまして、ここにございますが んとか糖尿病とかこういう病気ごとに、例えば医療保険ごとの平均在院日数でございま すとか、あるいは在宅への復帰率でございますとか、そういう数値目標を設定して地域 内で医療機関の機能分化、あるいは連携が図られる仕組みにしていくというような観点 からも議論が行われております。これによりまして、中程ございますように急性期から 回復期を経て在宅へというようなことで、切れ目のない医療の流れを作るというような こと。それからトータルな治療期間が短くなるような仕組みを作るというような取組み が、今医療計画の方で行われているところでございます。  それで9ページでございますけれども、これを医療費というようなことで当てはめて 見たものでございます。現在、わが国の平均在院日数というのは38日というようなこと でございますけれども、例えば一番短い県が長野県で28日というのがございますが、仮 にこれを30日以下に全体的に短縮するというようなことを目指してやっていくというよ うなことでございます。もちろん、そのためには中程にございますように、只今の医療 計画の取組みを御紹介申し上げましたけれども、もう少し具体的に申し上げれば、これ までもこの部会でも御紹介申し上げましたような連携パスというような形での取組み。 それから、例えば尾道なんかでも行われておりますが、退院時の医師とケアマネジャー などの間における医療介護サービスの連携の仕掛け、そういうものと同時に受け皿の制 度も必要というようなことでございます。そういうことを仮に実現しますと、医療費の 適正化方法としては2025年度で約4兆円というようなこと、これも1つの試算でござい ます。  それから10ページでございますけれども、今の受け皿の整備の関係で、今年は介護報 酬の見直しも予定がされてございますけれども、そちらの方でもやはりいろいろと検討 しなければならないテーマがあるわけでございます。ここに3つ程掲げておりますけれ ども、基本的には自宅、あるいは極めてそれに近い生活環境を整備するということ。そ れから介護サービスはもちろんでございますが、医療系のサービスのバックアップ体制 をどうしていくかというようなこと。大まかに申しますと、こういう切り口で検討が進 められているところでございます。  それからちょっと資料を飛ばさせていただきまして、14ページでございます。高額医 療というようなことにつきましてもぜひ御議論を賜りたいと思うわけでございます。左 の方に「高額医療をめぐる現状」と書いておりますが、現在高い方からずっとレセプト が周りますと、上位1%のレセプトで、これ以下でございますけれども、医療費に占め るシェアとしては22%を占めているというようなことでございます。そういうことを保 険料財源としまして医療資源の適正配分という観点からどういうように考えていったら いいかということ。1つは費用負担面の話もあるわけでございます。これはまたこの後 直ぐに改めて御議論を賜りたいと思います。それから特に高い高額な医療についての医 学的妥当性の検討・検証のようなこともあり得るのかどうかというようなことでござい ます。  それから、右の方でございますが、「終末期医療をめぐる現状」と書いてございます けれども、今調査をいたしますと終末期を自宅で送りたいというような方々は約6割で ございます。ただ、実際には自宅で亡くなられるというのは約2割で、残りの8割の方 々は病院で亡くなられておられるというようなことでございます。それで入院前の1カ 月の入院医療費ということで、これもちょっと推計をいたしますと年間約9千億円とい うようなことで、こういう数字がございます。そこで大変この問題も難しい問題でござ いますが、例えば様々な自宅療養、在宅療養というような環境を整えた上で、自宅での 死亡を4割にというようなことにいたしますと、医療費に与える影響としては約5千億 円程度というようなことがございます。  因みに15ページをご覧いただきますと、ここに9千億円という今の数字を出してござ いますが、中程に死亡前の1カ月平均医療費というのは約112万円ということでござい ます。参考の1に書いてございますが、1件あたりの通常の入院医療費ですと約41万円 というようなことでございますので、一応約3倍近いお金が終末期ということで特化さ れているというような状況でございます。  いずれにしましても、冒頭申し上げましたように私どもといたしましては骨太を閣議 決定いたしまして、こうした具体的な政策目標を年内に設定するというようなことにな っておりますので、この点もまた改めてここでも御議論賜りたいと思っております。以 上でございます。  星野部会長  ありがとうございました。それでは御意見、御質問等をお願いします。どなたからで も結構です。どうぞ、久保田委員。  久保田委員  14ページにあります高額医療費制度の問題ですが、この14ページの給付という意味か らしますと、患者負担の在り方ということで挙げられていますが、基本的な考え方とし ましては患者負担の在り方の前に、当該高額医療に関しての医学的妥当性ということの 検討がまず必要じゃないかというように考えます。それで、なぜ高額なのか、あるいは 疾病名や患者の病態や治療方法の比較検証というようなことをまず行うべきではないか と思います。そういう内容の検証がないまま高額医療費制度における患者負担の見直し ということは、慎重であるべしと考えています。  それから15ページの終末期における医療費の問題は、こういう資料は初めて見まし た。ある意味では大変難しい課題ではありますが、こういうことについては数字を含め て出してこられるということについては評価したいと考えています。死亡者数98、その うちの医療関連の死亡者が80万人というようになっていますが、もう1つ踏み込んでそ れぞれに年齢とか病名とか、これは可能であればということですが、治療方法がどうな っているのかみたいなことも含めて医学的妥当性がやっぱりもう少し検証されるべきで はないかと考えます。非常に難しい議論ですし、それぞれ人間としての死生感や家族の 気持ちがあると思いますが、やはりしっかり焦点を当てて改善できることは一体何なの かと。それから国民的な合意形成という意味では一体何なのかということについて、ま ずデータの分析や客観的な分析とか議論ができる俎上を作るべきではないかと思います ので、御意見を申し上げてみました。以上です。  清家委員  大変勉強になったんですが、今、久保田委員が言われたことは大切だと思います。実 はそのときの前提は要するに医療サービスのアウトカムというか、アウトプットという か、それがどのように適切に測定できるかですね。ここで出されている指標というのは 全てインプットというか、いくらコストを掛けたか、あるいはいくらコストが削減され たかという話で、それによって例えば、もちろんアウトカムが一定でコストが下げられ れば誰も文句は言わないし、場合によってはコストも下がってアウトカムも向上するよ うな施策があれば、これは誰も文句を言わないわけですけれども、コストは下がってア ウトカムはどうなんですかというところがはっきり示されないと、なかなか合意形成と いうのは難しいんじゃないかなと思うんですね。年金なんかですと給付と負担の関係と いうのははっきりしていますから、負担を重くすれば給付も良くなるし、負担を軽くす ると給付は悪くなるというのがはっきりわかりますので、どっちか選択してくださいと いうのは出しやすいと思いますが、医療の場合アウトカムメジャーというのがなかなか 難しいと思いますので。久保田委員が言われたことはそのとおりだと思いますが、それ はアウトカムが正確に測れないとなかなか難しいと思います。私もこういう数字を出さ れたことはとても大きな前進だと思いますが、これはあくまでもコストに関する数字で あって、アウトカムに関する数字はもう一方で出されないと、やはり最終的な合意形成 というのは難しいのかなと。それはなかなか私は技術的には難しいんだろうと思います が、ぜひ工夫していただきたいなと思います。  事務局/間杉課長  せっかく両委員から御指摘いただきましたので。  これは数字につきまして我々もぜひいろいろなことをタブー視しないで率直に御議論 したいなという気持ちで作らせていただいたものでございます。今日はここまでの数字 しかとりあえずございませんが、今申し上げましたような例えば112万円というのが具 体的にどういうような医療の中身になっているのかというような話は少し整理してまた お示しをさせていただきたいなというように思っています。  それから併せまして、確かになかなかアウトカムがどうだったかというのは難しい御 議論かもしれませんが、逆に112万円の医療というのは在宅で仮に同じようなことが仮 にできるとすれば、我々は経済的な側面ばかり強調して恐縮でございますが、どういう ようなモデルが組めるんだろうかというようなことで1つ費用面の方の御比較をいただ くというようなこともできるのかなというように思ったところでございまして、いずれ にしてもちょっと資料を工夫してみたいと思います。  齊藤委員  今、事務局の方から検診の充実とか、在院日数の短縮とか、終末期医療の検討とか具 体的に、たぶん一部だと思いますが、医療費の適正化についての検討状況を教えていた だいたわけです。そういう適正化については、まだもう少し他の施策等もプラスになる のだと思います。政策目標の検討に際しましては、日本の経済規模とその動向に留意す るということであり、トータルでどういうように負担していくのかというようなことを ぜひお示しいただきたいと、こういうように思っています。日本経団連としてもこの視 点を十分に加味していただきたいと常日頃申し上げておりますので、ぜひよろしくお願 いします。  漆畑委員  大変コンパクトにきれいにまとめていただいて、資料はわかりやすいと私も思いま す。最初の資料は数字がずっと並んでいたんですが、最近は非常に見やすくしていただ いているんですが、その中に14ページの高額医療費のことですが、高額療養費制度の見 直しと言いますか、ここにもありますように医療資源の適正配分の観点から検討してみ たらどうだろうかということについては私も賛成なんですけれども、高額療養費制度が あるために一定以上の負担については還付されると言いますか、それ以上は負担をしな いということになっているわけですが、その結果、実負担率、今の3割とかそういうも のの実負担率がどうなっているかというのは数字で出していただけるんでしょうか。も しできましたらこれの結果、実際の負担率がどうなっているかということをお出しいた だけるともっとわかりやすいと思います。  事務局/間杉課長  今御指摘の定率負担の下でこういう高額療養費制度が働いていることによって自己負 担率がどうなっているかという御指摘かと思います。次回までに資料をお見せさせてい ただきます。  岩本委員  今回、終末期医療の話が出てきましたが、これは日本人がいつかは真面目に取組まな ければいけない問題だと思っておりまして、その機会が熟してきたのかなという気がし ております。  そうしますと、やはりこの問題を真剣に検討すべきでありまして、14ページの右側の 表の流れでいきますと、今、在宅医療だけに着目して最後の試算ということに来ていま すけれど、これだけで尽きる問題ではないと思いますので、もっと考えなければいけな いものがいろいろとあると思います。即ち、病院で死ぬ人はそのままでいいのかという 問題もありますし、また自宅へのシフトをどうやるのかということについても、ここに 書いてある図だけでは具体的な方法が見えてこないので、最後の適正化効果の数値に関 しても絵に描いたモチのような感じに見えてしまうという気がいたします。それでこの 資料の取り方としては、13ページまでは以前に出された試算に肉づけしたような形にな っておりますが、14、15はたぶんそれとは違う形でまたつけ足したということのように 思えるんですが、またこちらの方の肉づけをやはりしっかりと、ここの部会だけではな くて他の審議会でもこういうことを考えていく必要がある問題だと思いますので、ぜひ これからもこの部分の肉づけを、さらには国民的な議論が起こるような形で議論を進め ていくべきだという気がしております。  それで、あとは資料なんですが、終末期医療が出ていますが、死亡1カ月前の平均医 療費を取りますと、1カ月ぐらい後に死んでしまうわけですから、この医療費というの はかなり無駄に使われているという見方になってしまうんですが、やはり高額を使って いるのは助かるかもしれないと思って使っているわけですから、たくさん医療費を使っ た後にその患者がどうなるのかということを追いかけないと、本当に高額医療費という ものが適切に使われているのかどうかということがわからないという点があります。で すから、死亡した時点から医療費を見るということでは見えない部分がだいぶあるとい うことを指摘したいと思います。  それと、あとは死亡者の医療費と生存者の医療費がだいぶ違うという話が国際的にも 知られておりまして、年齢階層別に医療費を取りますと当然高齢者の医療が上がってき ますが、その上がる要因としては高齢者の死亡率が高いから死亡者の医療費が高いので その部分があって、ただ1年間生存した高齢者を取ると若者の医療費とそんなに変わら ないというデータが外国では示されたりということがあります。それで日本の研究とい うのは私は2例程しか知らなくて、しかもデータが制約されているものですから確定し た答えが出ているわけではないんですが、生存者の医療費と死亡者の医療費という分析 というのも進めていくことが重要ではないかと思っております。以上です。  浅野委員  質問と意見なんですが、質問はこの資料は大変良くできていておもしろいと思うんで すが、それで何をやりたいんですかと。これを元にしてどういうようにしたいんですか ということを聞きたいんですが、その手立て、例えば高額医療費についてとか、それか ら終末期医療について、医療保険という観点からでしょうけれど、どういう手段でこれ をどうしたいんですかと。それから、その際のプレーヤーとしてそういう手立てに関わ っていくプレーヤーとしてどういうものが想定されていますか。もちろん私の立場から いったらここに「県」というのはどういうところで関わっていくんでしょうか、という ことですね。  それと、若干これは全体を通じて、私にずっとそこはかとなく続いている違和感なん ですが、これは医療保険部会ですから、当然医療保険をどうしていくか。医療費は適正 化をしなければいけない、そうしないと保険料がいつまでもどこまでも上がっていくと いうことなんでしょうが、宮城県知事の立場から言うとそうじゃないんですね。私はそ ういうつもりでここに来ているわけではなくて、ここに来ているのは、普通は何をやっ ているかというと、237万県民が健康ですこやかに過ごしてもらいたいという立場で仕 事ををしているわけで、医療保険適正化のために知事をやっているわけではない。だか ら、例えば健康増進が必要だというのは、そのままで必要なんですよ。まさに健康で元 気な生活を送ってもらいたいために。それが結果的に医療費適正化になるでしょう。な らないかもしれないと。例えば、医療供給体制の問題についてはちょっとぶつかり合う ところもあるんです。県民のためには立派な念入りの医療機関を供給してやりたいとい う部分もあるんですね。だけど、医療費適正化のことから言うと、それはそこそこにし ておけというようなこともあるので、その立場をはっきりさせた上で臨みたいと思いま す。  それから、例えば高額医療費の問題だけでもないんですが、医療費適正化の文脈でい くと、例えばアンネセサリーサージェリーというのがありますね。不必要な手術。何年 か前にも問題になったように、これはかなり犯罪的なんですが、病気でもないのに子宮 を取ってしまったとか、そこになれば大変なんですが。もうちょっと微妙なところで予 防のために扁桃腺を取ってしまうとか、そういうようなことも私は当然規制すべきだと 思います。それでプレーヤーをはっきりさせてほしいという趣旨はそこにも入ってくる んですが、これは規制するというのは私は同業者がやるべきことだと思っています。医 者仲間が、例えば内科医学会とかそういうところで仲間内で変なことをやるのをちゃん とチェックするというのが、医師の倫理なり職業的な責任ではないでしょうか。弁護士 が弁護士の中でちゃんとチェックするというのが基本であるのと同じように。それから 今の不必要な手術というのも、別に医療費適正化のためにそれを抑えられている以前 に、大事な子宮を取られて困るのは患者本人ですから、そういう観点から規制がされる べきだということと、それからそれを誰がやるのかというのは非常に重要な問題だと思 います。どなたかもおっしゃったんですが、高額医療費の問題についても金が掛かるか ら、高くなるからいけないんだという観点で言っている人はいないと思いますが、それ を例えば高額医療費の自己負担分を上げる下げるということだけでこれを規制するの か、それとも本当に医療の必要度ということでチェックするのかというのは非常に根本 的な問題だと思うんですね。  だから質問に戻れば、この資料は大変わかりやすくていいんですが、それでどうした いんですかということを、もし今わかる範囲内で、言える範囲内であったら教えていた だくと、これからの議論はしやすいのではないでしょうか。  事務局/間杉課長  どうしたいのかというのは、これから私どもも秋にこの辺の話も幅広く含めまして私 どもなりの考え方、試みの案を出したいと思っておりますから、そこで改めてお示しす ることになりますが。ただ、ここは医療保険部会でございますから、基本的な考え方と しては私は2つあるんじゃないかと。今、高額な医療ということで申し上げれば、先程 久保田委員からもちょっと御指摘がございましたが、そういう高額医療ということの中 身を医療保険制度としてどう評価するかということがまず1つあろうかと思います。そ れからもう1つは、やはり費用負担制度でありますから、仮にそういうような高額な医 療を資料の前提にするにしても、では若年者の保険料を払っている方とのバランスで、 例えば患者負担というようなことでそういうことについてどう考えていくのかという 点、そういうような医療そのものとしての評価という側面と、それから費用負担制度と しての在り方と、そこは観念的で恐縮でございますがニ様あるのかなというようなこと を考えている次第でございます。  それからプレーヤーは誰かというようなことでございますが、確かに医療計画も健康 づくりの問題もそれが全部適正化のために向かってやっている場面ばかりではもちろん ないわけでございます。ただ、我々の方からサイドであくまでも部会という目で見たと きに、1つ医療費の適正化方策としてそういうものも、結果的にとおっしゃいました が、結果論かもしれませんがそういう適正化につながっていくというようなことは、こ この仕切りの問題として御議論いただいてもいいのではないかということでございま す。その際に申しましたように、かなり都道府県の方でもいろいろな提供体制なり、健 康づくりなり、介護なりのツール、計画医行政というものが今ツールとしてできてきて いると思っております。ただ、必ずしも今はそれが医療費というようなことでご覧いた だいてこなかったかもしれませんけれど、これから先これは1つの新しい御提案でござ いますが、そういう供給体制なり健康づくりなりのいろいろな一連の施策を県の方でも 御推進いただく際に、これが医療費に対してどういう影響を与えていくんだろうかとい うような視点というのも1つつけ加えていただいたらどうだろうかと。これは1つの新 しい御提案でございます。  松原委員  今、御説明いただいたわけですけれども、浅野委員の最初の御意見に対して少し私ど もの意見を述べたいと思います。まず、不必要な医療、これは決して許されるものでは ないと私どもは思っております。特に不必要な手術で子宮を摘出されたような事件につ いては、私は医師としてだけではなく人間として許されないのではないかと思っており ます。私どもプロフェッショナルとして互いに互いのプロフェッショナリズムを尊重す るという立場で今まで考えてきてわけでございますが、やはりプロであるということの 責任を私も内部でしっかりと取らねばならないと思っております。したがって、不適切 な医療を行うということ自体は私どもの中で処理すべき、処理しなければならない問題 だと思っておりますので、これをさらに自らに厳しく、プロとして任されている以上は 自ら厳しくやっていきたいと思っております。  また、今回の高額医療の問題、私どもは常々この1%の高額レセプトが医療費の22% を使っているということを主張して参りました。ただ、この内容につきまして具体的な 病名とか、具体的な医療費の細かい点が明らかとなっておりませんでしたので、厚生労 働省におかれましてもこれをぜひ分析していただき、これが適切かどうかはっきりした 形にして欲しいという意見を持っているわけでございます。もしどうしても国民に、患 者さんに必要な医療であれば私どもはこれは仕方のないことであると思いますが、そこ においてもし不必要なものが入っているのであれば明確にしてこれに対応していくべき だという考え方でございます。  終末期医療につきましても、これもいろいろと分析しなければならないと考えており ますし、私ども日本医師会としても日医総研の中で議論をしております。この終末期に つきましては先程岩本委員がおっしゃいましたように、やはり国民的な議論をそろそろ すべき時期に来ているのではないかと私どもは考えております。私ども医師はとにかく 命を助ける、どのような状態においても命を助けるということで仕事をしておるわけで ございますが、やはりその中で国民自らの意思、つまり個人の尊厳を守ることがどのよ うな形であるのかということをきちんと議論した上で、この終末期をどのような医療に するかという議論が要ると私どもは思っております。もちろん、ここにおいて病院で亡 くなられれば非常に高く掛かるからという理由だけでなく、国民が家でもし終末期を送 れるのであれば、その方にとって幸せなことであればそういうシステムを構築し推進し ていく必要があると考えているわけでございます。  この2点につきましては私どもは以前から厚生労働省に対しましてぜひきちんとした 分析と議論をお願いしたいと言っていたものでございます。  星野部会長  ありがとうございました。他に、どうぞ北郷委員。  北郷委員  浅野委員のわかりやすい質問で、いったい何をしたいんですか、という質問、私はわ かりやすいと思うんですが、それに乗って申しますと、ここは確かに医療保険の部会で すから、私は兼ねてから老人医療費の水準が外国に比べて高いじゃないかと言われて、 若い人に比べて5倍だと。生活習慣病対策などのねらい目を、対馬さんもどこかでおっ しゃっているけど、私はこれに非常に賛成なんですけど、ヨーロッパで若い人との比較 が3倍ないし4倍と言われていますが、この医療保険部会での生活習慣病の予防とかこ ういうものの意味を考えますと、老人医療費が国際的に若年者と比較して高いのを直す には、こういう生活習慣病の若い時からの対策は非常に重要なわけですから、医療保険 の立場で考えますと老人医療費の水準を下げると、こう言った方がわかりやすいんです ね。そういうことをねらい目にして、一方で目標を掲げていく方がいいんだろうと思う んですね。日本が高齢化というか、寿命が長いということに際してどう対抗していくか と、こういう政策として生活習慣病対策に力を入れると、こういう意味だと思うのでそ の点を明確にすればもっといろいろなことがやりやすくなるんじゃないかと思います。 浅野さんにちょっと便乗して申しますとそういうことでございます。  星野部会長  浅野委員の言われたことを今、北郷委員が別の角度でつけ足していただいたんです が、私も実は浅野委員の言われたことは非常に重要だと思っています。事務方の御答弁 が悪いとかそういうつもりはないので、事務方は万遍なく答えられたわけなんですが、 医療保険部会なんだからやっぱり健康だとか、長寿、そういうものを基礎においてもの を考えるというのが正しいんじゃないでしょうか。  それで適正化ということにつきまして、事務方の言い回しをいろいろ聴いておると、 要するに内閣かどこかが言っているようなGNPでコントロールしましょうというよう なああいう意見が出てくるのに対して、その代替案として適正化でやりますからそれを やらないでくださいという、何かエクスキューズだけするような印象に映るのは私は良 くないと思うんです。というのは、向こうは向こうで当然財政とか経済のバランスとい うことを考えて、それに基づいて意見を言うわけですが、我々が国民のためにやるべき ことというのは、浅野委員が言われたようにやはり健康・長寿ということが一番大事な 価値がある。だからそこからスタートして全て構築した結果、なるほど今、北郷委員が 言われたように老人医療が適正化される、安くなるというか、それでGNP主義者とほ ぼ同じ方向に向いていったと、こういう結果になるのかもしれませんが、そこは我々は たぶんこの部会としては共通の一番の基盤じゃないかと思いますので、皆さんの御同意 を得たいと思います。もし反対なら今言ってください。皆さんはそうだろうと思いま す。皆さんの御同意を得ていると思います。事務方も今後御説明で、今日の説明が悪い というのではないんですよ。万遍なく説明してくださったので結構なんですけど、そう いう精神を忘れないで欲しいと思います。よろしくお願いします。  勝手なことを言いましたけど、他にどうぞ。それでは御質問がないようでしたら、次 に保険給付の在り方について議題としたいと思います。ではまず高額療養費等の制度面 を中心とした保険給付の在り方について事務局から説明を願いします。  事務局/今別府課長  保険課長でございます。お手元の資料に「保険給付の在り方についてI」という資料を 御説明させていただきます。中身は3点ございまして、1つ目が高額療養費制度の在り 方、2つ目が食費・居住費の在り方、それから3点目が現金給付ということでございま す。  まず資料を一枚飛ばしていただきまして2ページをご覧ください。現在の高額療養費 の自己負担限度額を整理したものでございます。年齢と所得に応じてかなり細かく分か れておりますが、上の70歳未満、一般医療対象者のまさに一般というところをご覧いた だきますと、ここに72,300円+1%ということで、今の高額療養費と言いますのは定額 の限度額と定率の部分が合わさったものだということで整理をされております。  それで1ページに戻っていただきますと、高額療養費制度の在り方について2点問題 提起をさせていただいております。1つ目はまず、これは高額療養費制度というのは昭 和48年に当時3万円という水準で限度額を設定をいたしましたが、当時は月収の約半分 ということでこの3万円という水準が設定されました。後ろに資料もつけております が、その後月収の方がどんどん上がったことに伴いまして月収並みに引き上げてこられ なかったということがあって、一時22%というところまで限度額の水準が落ちて、前回 それを25%という水準まで戻したということが一点でございます。それから先の改正で 平成15年度から報酬の捉え方でボーナスも入れて総報酬制度というのが導入されており ますので、月収の何%というベースの収入のところにこの総報酬というものを織り込ん で考えるとどうだろうかというのが問題でございます。そこに参考までにありますが、 今の平均賞与月額、これは政管健保でございますが1.6カ月分という数字がございます。 それから○の2つ目にありますが、これは平成12年の改正で医療費に連動する定率負担 というのが導入されました。これはまさに医療サービスを受ける人と受けない人の負担 の公平をどう考えるかという観点でございます。  5ページをご覧ください。これは具体的に高額療養費の定率部分というのが実際の金 額としてどう影響してくるかという資料でございます。典型的な入院例で胃がんの場合 、それからこれはたまたま平成15年度の医療費の中で最も高い医療費を使ったもの、約 3千万の医療費というのがございました。それから平均的な入院の場合ということでご ざいます。(2)をご覧いただきますと、一番高い場合だとこれは1%が30万近くになり ますので、ここにあります369,890円というのが今の制度の額であると。それから通常 の入院でありますとほとんど1%というのは1,490円ということで、(3)にありますよう に足して73,790円とそういう数字になるということでございます。  それから次の6ページをご覧ください。食費と居住費についての資料でございます。 ここに書いてありますように、医療保険の世界では食費については入院時食事療養費と いうことで、食材相当額を患者負担をしていただくということで今整理をされておりま す。それから居住費につきましては、これは療養の給付ということで入院基本料という 点数の中に包括的に評価されていて、それに伴う定率負担が患者負担になっていると、 こういう現状がございます。  それで7ページでございますが、先に成立しました介護保険制度において年金給付と の調整、それから在宅と施設でそれぞれ給付を受ける場合の公平の観点ということで、 介護保険の制度におきましては食費と居住費について一部利用者の負担にすると。介護 保険の給付の外に出すという整理がされております。恐縮ですが、そこに(平成18年10 月施行)と書いてありますが、(平成17年)の間違いでございます。恐縮ですが訂正を お願いします。  続いて8ページに図示しておりますのでご覧ください。これは介護保険の見直しの中 身、今申しましたことでございますが、左側に現行、居住費・食費ということで、一部 現在でも利用者に負担していただいておったところ、見直し後は居住費相当額を給付の 外に出して利用者負担にしていただくと。網をかけている部分であります。それから食 費についても、これは従来の食材費相当額だけではなくて調理コストというものも含め て利用者の負担にしてもらうということに介護保険の方で整理をされております。  9ページに具体的な金額を書いてございます。所得に応じて細かく分かれております が、基本的なところで申しますと、○をつけている部分でありますが、一般の多床室で 食費について42,000円、それから居住費について10,000円というコストを負担をしてい ただくということで今制度が施行準備をされているということでございます。これを医 療保険の方でどう考えるのかということは、まず先程申し上げました考え方の部分、年 金との調整でありますとか、施設と在宅との公平というその整理が1つと、あとは実際 のこの金額で具体的に介護保険の、とりわけ医療保険の療養病床との間で実際の負担額 がどうなっているのかというその2点について着目する必要があるんだろうというよう に考えております。  それから3点目が現金給付の在り方、10ページでございます。ここに出産育児一時 金、出産手当金、傷病手当金、埋葬料と4つお示ししております。  11ページが出産育児一時金でございます。これも改正経緯でありますとか、実際の支 給額を後ろにつけておりますが、現在は分娩料の一部を負担するということで、30万円 ということで支給するということになっております。この30万円の考え方はかつての国 立病院の分娩料の平均の数字を踏まえて30万円というように決めているところでござい ます。それで下にありますが、最近国会などでこれを引き上げてはどうか、あるいは少 子化対策の観点からこれを引き上げてはどうか、あるいは検診の費用をどうするのかと いうことがよく言われますが、検診の費用については現在はここに(参考1)に書いて ありますように、各地域ごとに一般財源化されておりますので一般財源の負担で検診が 行われているということでございます。  あと12、13ページは改正経緯なり実績でございます。  続いて14ページ、出産手当金、次に傷病手当金もございます。これらの手当、出産の ため、あるいはケガ、病気等で働けなかった期間の所得保障でございますが、これは1 つ踏まえなければいけませんのは、17ページにございますが、これらの給付がILO条 約と密接に関係しておるという点でございまして、所得の水準でありますとか、あるい は期間とか、そういうものについてここは日本が批准しておりますILO条約でござい ますが、ここで例えば45%でありますとか、あるいは60%でありますとか、そういう支 給水準があります。これを踏まえた今の支給水準になっているということを1つつけ加 えさせていただきます。それぞれの支給実績なりはつけておりますので省略します。  それと最後に19ページの埋葬料でございます。これは健保法の目的の中にまさに疾病 と並んで死亡を保険事故と捉えて給付をするということになっております。埋葬料につ いてこれも改正経緯をその次のページにつけておりますけれども、現在でありますと最 低10万円と、あとは標準報酬に応じた埋葬料の支給をしているということでございま す。以上でございます。  星野部会長  ありがとうございました。続いてもう1つ続いてやっていただけますか。  事務局/赤川管理官  続きまして「保険給付の在り方についてII」でございます。薬剤給付の問題でござい ます。  まず最初に薬剤給付の現状について御説明しまして、各論としまして後発医薬品の使 用促進策、後発医薬品のある先発医薬品薬価の適正化、あるいは画期的新薬の適切な評 価ということを御説明します。  まず表紙をおめくりいただきまして1ページ目でございますが、国民医療費に占める 薬剤費の額とその比率につきましてグラフでお示ししてございます。近年の薬剤費は6 兆円強でほぼ横ばいに推移していると。それで、国民医療費に占める薬剤比率は約3割 から2割に低下した後、ほぼ横ばいに推移しているということでございます。  2ページ目をご覧ください。薬価と医療機関等における購入価格との差、いわゆる薬 価差でございますが、それを改定の前年の薬価調査から推定した乖離率でお示ししたも のでございます。平成3年の約23%から現在約6%まで低下している、縮小していると いうことでございます。  それから3ページ目でございますが、最近の薬価改定の経緯をお示ししております。 2年に1度の診療報酬の改定に合わせまして原則として薬価改定も行っているというこ とでございます。直近の平成16年には薬価ベースで4.2%の引き下げを行っているという ことでございます。  続きまして4ページでございます。後発医薬品の使用促進策についてでございます。 現在、わが国おける後発医薬品の使用状況でございますが、社会医療診療行為別調査に よりますと、平成14年に比べまして平成15年を見ますと使用状況は若干上昇傾向にある ということでございます。  それから続きまして5ページでございます。各国の後発医薬品のシェアを見ますと、 日本につきましては数量ベースで16%、金額ベースで5%ということで、アメリカ、ド イツ、イギリスと比べますとまだまだ少ないということでございます。下に参考としま して欧米における事情というのを書かせていただいておりますが、米・仏・独におきま しては医師が後発品に代えても良いかどうかを選択できる処方せんになっているという こと、あるいは英国におきましては商品名ではなく後発品も含めた処方が可能な一般名 処方が広く普及しているというような状況があるということでございます。  それから次の6ページでございますが、わが国で後発医薬品の使用が促進されていな い理由としまして、ちょっと古くなりますが2000年に医政局の方で医薬品産業実態調査 をやった際に、この後発医薬品を使用しない理由ということで医療機関が挙げておりま す最も大きな理由が、後発医薬品メーカーに対する信頼感が薄いと、あるいは薬剤に関 する情報が不足しているというようなことが挙げられておりまして、後発医薬品メーカ ーの信頼性、安定供給への確保、情報の提供等がまだ不十分と評価されているというこ とが進んでいない理由ということでございます。  それから7ページでございます。これまでの後発医薬品使用促進のための取組みでご ざいますが、診療報酬上のインセンティブとしまして後発医薬品を処方した場合、処方 せん料を2点評価するとか、あるいは調剤報酬におけるインセンティブも同様に調剤料 の2点評価などを行っているということでございます。それで1点目の論点でございま すが、以上のような我が国の後発医薬品に係る状況に鑑み、後発医薬品の使用促進策及 びそのための環境整備についてどう考えるかということでございます。  続きまして8ページでございます。現行の後発医薬品が上市されましたときの薬価算 定のルールでございますが、後発医薬品が薬価収載された場合、先発品の薬価の引き下 げ、特例引き下げをやってございます。具体的に申しますと、最初の後発医薬品が薬価 収載された後の最初の薬価改定に該当する先発医薬品につきまして、基本的なルールに よる改定、すなわち市場実勢価格に基づく引き下げを行った後に、その薬価からさらに 4ないし6%を引き下げるとこういうルールを現在適用しております。参考に、後発品 はどうやって薬価をつけるかと言いますと、初めて収載される場合には先発品の薬価の 0.7掛けにすると、このようなルールになっております。  それで次のページをおめくりいただきたいんですが、9ページでございます。先発医 薬品と後発医薬品の薬価の推移の典型的な例でございます。タンパク質分解酵素阻害剤 と自律神経調整剤の例をあげてございます。まず、この青い方が先発医薬品でございま して、赤い方、あるいは黄紫のものは後発医薬品ということでございます。1992年以降 は薬価の改定方式が市場実勢価格をより反映したような形で加重平均値一定価格幅方式 が導入されておりますので、先発医薬品も着実には下がっておりますけれど、後発医薬 品の下がり方というのは非常に急激に下がっているということでございます。  それで恐縮なんでございますが、ここではシェアというものが書いてないんでござい ますが、これはいずれの例におきましても2004年でみますと相当な価格差がございます が、シェアにつきましては先発品が数量シェアで言いますと8ないし9割を占めている と。金額で言いますと95%以上の状況になってしまっているということでございまし て、こういうことで後発医薬品のある先発品の薬価の適正化についてどう考えるかとい うのが、これが2つ目の論点でございます。  それから10ページでございます。今度は逆に画期的新薬の適切な評価ということでご ざいますが、現在新薬の薬価算定につきましては同じ効果をもつ類似薬がある場合に は、その類似薬の一日薬価と算定すべき新薬の一日薬価を合わせるということで算定し ているということでございます。類似薬に比較しまして高い有用性等が認められる場合 には、さらにその一日薬価合わせの額に補正加算を行うということでございます。  それで具体的な内容につきましてはさらに次の11ページでございますが、現在の補正 加算の要件等のルールでございます。左側が有用性を評価する画期性加算、または有用 性加算I、IIというものでございますし、右側は市場性が低いものに対してのインセン ティブを与えるという意味の市場性加算ということで、こういう2つのものからなって いるということでございます。  それで12ページでございますが、実際の補正加算のルールの適用状況でございます が、平成14年6月以来、画期性加算、成分について1、有用性加算の(I)で言いますと 1ということで、やや加算率の低い有用性加算(II)については3割程度ございますが、 加算率がどうしても実際の適用では低い、あるいは要件が厳しいなどの指摘もございま して、新薬の適切な評価という観点からどのように考えるかというのが、これが3つ目 の論点ということでございます。以上でございます。  星野部会長  どうもありがとうございました。それでは今2つ説明いただきましたが、両方併せま して御意見・御質問等がありましたらどうぞ。  松原委員  まず最初に御説明いただきました現状の在り方についてのIの中で、介護保険が今回 食費と居住費が導入されたわけでございます。ここのところで医療保険と一番大きな違 いを1つ御理解いただきたいと思います。即ち、介護保険というのは例えば老健、特老 などは終の棲家になっております。したがいまして、そこに住んでいるということは年 金とこの介護保険の給付と住むところにおいて二重給付になっているわけでございます が、医療保険というのはあくまでも入院して帰ることが原則の状態でございます。した がって、入院しているということは自分の家も維持しているということでございますの で、そういう医療保険においてはここのところは全く考え方を変えねばならないと私ど もは思っております。  また、食費の問題もございます。これはどこにいても食費が掛かるのは当然だからと いう考え方もございますが、私どもはやはり医食同源、即ち食べるもの、つまり食事自 体も治療の一環だと考えております。適切なカロリーの十分なものを給付することによ ってその方を早く治すということで食費を医療保険の中で考えているわけでございます ので、ここのところは介護保険とは全く質の違うものだと御理解いただきたいと思って おります。これを介護保険が導入したからといって、医療保険も同じようにという考え 方は大きな間違いでございます。ただ、療養型の病床群において医療型と介護型が混在 しているということは事実でございます。むしろ、あるべき姿は療養型に入院されてい る方々については、介護保険で食住費をお取りになること自体が間違っていると私ども は思っております。  星野部会長  他にどうぞ。齊藤委員。  齊藤委員  今、松原委員が言われたことと我々は全く反対の立場でして、当然、患者負担の公平 性や介護保険との整合性を考えれば、少なくとも療養病床において食費と居住費は保険 給付の対象から外すべきだと考えております。自宅でも管理栄養士さんから適切な指導 を受けて自分のお金でそういう食事を取る場合もあるので、入院されて直ちにそういう 食事を取られることに際しては、それは自分のお金で賄うべき行為ではないかと、この ように思っております。  久保田委員  医療給付の在り方について、とりわけIのところについてちょっとお時間をいただき たいと思います。労働組合としては過去の経過もありますし、それからトータル的に言 えば極めて問題が多い、あるいは反対であるという意見を表明せざるを得ない部分もご ざいますので、すみませんがちょっとお時間をいただきたいと思います。  まず高額療養費の在り方についてでございます。パートIの方でございますが、率直 に言いましてこの引き上げについては反対です。2000年に1%負担上乗せ、あるいは上 位所得者という概念も導入されました。そして2002年に定額分が月収の22〜25%に引き 上げられている。この2回の改訂のときにも労働組合では非常に強い問題意識を持ちま して申し上げてきたことなんですが、やはり導入したときの説明に「コスト意識の観点 」というのがあり、非常にここに違和感を感じます。まるで勝手に医療費を掛けたのご とく、そういうことは納得できません。医療というのは安心の給付だと思っております し、高額療養費制度というのはそもそも重い病気に掛かったときこそ安心して医療が受 けられると、そういう安心の給付の制度の根幹だと思っております。私も個人的な話で すが、少し大病しまして大きな手術をしましたが、まさかそういうことになるとは思わ ずに入院してというときに、本当にコスト意識というのはどう働くのか。仮にそういう 医療機関が多いとは思いませんが、コスト意識のない医療機関によって医療費が掛かっ たとしても、なぜそれが患者に転嫁されなければならないのか。患者がそれを選んでそ ういうことができるのかということについては非常にギャップを感じます。  それから生活の実感としまして、「上位所得者」ということの概念がいかにも非常に 高い所得を貰っている方々という印象をついしがちですが、実態標準報酬月額56万円、 年収で言えば800万とか900万ということになるんでしょうか、この層は実は住宅ローン や子育てやそういう教育費が重く圧し掛かっているいわゆる中高年層の主軸のところだ と思っております。中高年になればやっぱり身体もそれぞれいろいろなところが痛んで きて、思わぬことで入院ということになってしまいますが、そういうときに雇用不安や 生活不安に晒されているそういう人達が、さらに生活不安を高めるようなことになりは しないかと。この論点整理というか問題提起は結局高額療養費の引き上げ、あるいは1 %をまた%を上げたいということがバックにあるのかもしれませんが、それはとんでも ないことだと思っております。  それから5ページ、計算例が示されております。これは非常に誤解を呼ぶのではない かと思います。胃癌医療費150万、30日入院とありまして、この場合に自己負担額は 84,890円、それぐらいであったらということになるかもしれませんけれど、実は1カ月 の負担で済むのかというと、きっちり4月なら4月で1カ月丸々そこで入院して、その 月のうちに退院しましたというのは極めて稀でございます。同じ30日でも2カ月に亘 る、すなわち3月と4月に亘ったときはどうなのか、あるいは4月、5月に亘ります と、定額部分の72,300円+5,050円、要はそれぞれの月で77,390円が×2回、154,780円 になります。これは一般の場合でございます。上位所得者と言われている層であります と、これが285,280円というようなことになります。月を越えて入院するとこういうこ とになるわけでございまして、これだけの負担を少ないと言えるのかというのが特に言 いたいことです。  今、組合は二極化ということに対して非常に関心を持っております。膨大な中間層と いうのが壊れ始めてきまして、年収2,500万とか六本木ヒルズあたりに住んでいる層が ウワーッと増えているのと、パートタイマーや年収200万にも満たないという層に分れ てきております。そういう二極化ということの中で今ここで問題にしている上位所得者 というところの層を一体どう見て、それに対してどれだけの負担を課せることになるの かということの実態をしっかり踏まえて政策論議をすべきではないかと思っておりま す。医療費とは安心の給付でなければならないと思っておりますし、医療費に連動する 1%枠は撤廃すべきであるというように思っております。ましてや%を引き上げること などは絶対に反対ということは表明しておきたいと思います。  それからもう1つの観点ですが、手続きの簡素化という点でございます。これは年金 制度もそうなんですが、戦後の様々な改定ということを繰り返してきまして、建て増し 建て増しで非常に制度が複雑になってきて、本当に一般の国民や治療を受ける方、とり わけお年寄りの方々が本当に理解しているというようなことになっているだろうかとい うことについては、様々な抜本的な改革をするときに本当に一度基本的な視点として見 直していくと必要があるんじゃないかと思っております。まず、この高額療養費制度が 本当に周知されているのか、制度を知らずにそういう手続きを行わないという人も本当 にいないのか、あるいは複雑過ぎて市町村が手続きやそういうことに大変な労力をかけ ていることになっていないかということを含めて、制度の簡素化とか周知化ということ については非常に大事な視点だと思っておりますので、逆にそういう視点からの見直し も一度考えていくべきではないかと思っています。  2つ目です。現金給付の在り方についての出産育児の一時金です。それで連合はこの 2月に妊娠とか出産費用のアンケートを急遽行いました。そのときの結果によります と、出産費用総額では30万以上掛かっている人が9割以上おられます。最も多かったの は35〜40万なんですが、50万以上という回答も約15%ありました。預貯金を取り崩した という方が90%を超えました。連合としては安心して出産できる環境整備ということ で、この出産の保険適用ということを元々要求しておりますし、それが本来の姿ではな いかと思っておりますが、保険適用が今すぐ困難であればこの出産一時金というのは見 直すべきではないかと思っております。ただ、この出産一時金を引き上げると、どうい うわけか過去のケースを見ますと実際の出産費用がそこに張りつくというような傾向も 見られます。これは変なことだなと非常に違和感も覚えるんですが。適正な出産費用、 あるいはそのための体制整備ということはどうあるべきなのかという本格的な検討も必 要ではないかという問題意識について申し上げておきたいと思います。  それから健康審査の費用ですが、これも費用は自己負担ということになっています。 これは給付するか、あるいは保険適用とするかを検討すべきではないかと思っておりま す。若い夫婦にとっての出産費用と併せてこの健康審査費用というのも決してそう軽い 負担ではないというように考えています。ぜひこの少子化対策という観点からも、安心 して妊娠・出産ができるようなことについての政策検討ということもぜひやっていただ きたいと思います。  3つ目です。出産手当金です。これは17ページの表の中に先程ありましたILOの社 会保障は最低基準をクリアして批准しておりますが、ILOの母性保護条約というのは 2/3以上ということがありまして未批准です。6割、60%ということでは2/3に達し ていないという意味で未批准になっているわけですが、そういう意味からすると出産手 当金の現行6割というのは7割に引き上げるべきではないかと思っております。  それから任意継続被保険者に対しても支給していることについて、労働基準法や均等 法で妊娠を理由とした解雇は禁止されているんだから、これを廃止してもいいんじゃな いかという書き方になっていますが、ぜひ実態は本当にどうなのかということをぜひ一 回検証していただきたいと思います。日本の労働組合の視点からしますと、いくらルー ルを決めてもその下でルールを潜ってルールなきがごときということが非常に横行して いるというのが極めて我々としては問題意識を持っているところでございます。不払い 残業などはその典型です。OECD諸国の中で女性の妊娠・出産・育児等々でやはり会 社を辞めざるを得ないという状況になっていないかということについては、日本は先進 諸国の中でも女性の労働力の活用というかそういう点では非常に遅れている国でもある と思っております。組合健保や政管健保で出産手当金を受給している被保険者の女性の 数は出産一時金を受給している数よりも少ないわけでございまして、どれだけ法的に整 備されているかということも含めて実態を見た上で検討していただきたい。そういう意 味では廃止するということは時期尚早ではないかというように考えています。  すみません、詳しくいろいろ言って申し訳ないんですが。  星野部会長  すみませんが、要領よく簡単に。  久保田委員  すみません。16、17ページの傷病手当金の項目でございますが、6割をILO基準の 45%に引き下げてもいいのではないかという感じに見られますが、これまたとんでもな いのではないかと考えています。45%というのは最低基準でございまして、病気で死傷 病で労務不能ということになっても生活が維持できるようにと、これはいわゆる健康保 険制度が創設されたときの原点の原点みたいなことではなかったかというように思って います。組合健保やいわゆる共済というのは比較的恵まれた方なので賦課給付があるん ですが、中小企業で働く政管健保というのは非常に厳しい状況にあります。この表にあ りますとおり、平均報酬月額28.4万円、賞与月数1.62ということで、この6割というこ とになれば17.1万円です。これを45%にするということは、12.8万円にするということ になっていきます。先進国で最低水準に引き下げるというようなことは言語道断ではな いかというように考えていますので、勤労者の不安を増幅していくというようなことで はなく、健康保険制度への信頼ということを高める方向での議論ということをぜひして いただきたいということを申し上げたいと思います。以上です。  星野部会長  どうぞ、松原委員。  松原委員  今、久保田委員がおっしゃった高額療養費の自己負担額の限度を上げることに反対だ という意見、全く私どもも同じ意見でございます。前回も私は申し上げましたけれど、 病気になられた方は受益者ではなく受難者でございます。辛い立場にいらっしゃるわけ でございますので、そこを救うのがこの健康保険制度の本来の目的でございます。だか ら1%というもの自体をなくしていただきたい。また高額療養費の自己負担額の限度額 を上げるなんてとんでもないことだと考えております。  所得のある方、例えば先程お話がありました年額800万の方は家族を持ち、例えば2 人子供さんがいらっしゃれば、その800万で4人が暮らしているわけでございます。そ ういうことも十分に勘案せずに行うこと自体は大きな間違いでございますし、保険料の ところで高額所得者の方はそれなりの保険料を支払っておられます。また、患者さんと して負担するところも大きくなれば、これは二重の負担になりますので、そこのところ は制度上の条件をよくお考えいただいて対応していただきたく思います。以上でござい ます。  岩村委員  時間がないので簡単に申し上げますが、久保田委員とかなり重なる部分もあるので、 その辺は端折ることにします。まず、高額療養費制度ですが、やはり給付をいじるとい うことについては慎重にやるべきかなというように思います。ただ、ちょっと考えてみ ますと、高額療養費というのは普通の健康保険の療養の給付などと違って、これ自体が ある意味1つの保険制度みたいなところがあるので、一度大体高額療養費というのが今 の健康保険なら健康保険の中で保険料率見合いでどのぐらいの比率になるのかというよ うなことについて考えてみるというのも1つの議論の出発点になるかもしれないという 気がします。  それから久保田委員が指摘されましたが、私もちょっと高額療養費を調べてみたんで すが、あまりの制度の複雑さにちょっとサジを投げたというところもあって、もし考え るのであればもう少し制度をわかりやすく国民の方に見やすいものにするということを 考えてもいいのではないかと思います。  それから、食費・居住費については議論がありましたので省略しまして、現金給付で すが、出産育児一時金ですが、これをどうするかということで増やしてはどうかという 議論もあるようですが、仮に少子化対策というようなことを考えたときには先進国の経 験に照らすと相当お金を積まないと効果がないということがわかっていると思いますの で、少々この出産育児一時金を積み上げるということはあまり政策効果はないんじゃな いかと。それでそういうことを考える意味がこの部会としてあるのかというのは疑問に 思います。  それから出産手当金ですが、先程連合の委員から指摘がありましたが、ややこのペー パー、任意継続被保険者のところの説明はややミスリーディングなところがありました ので、一番最後の段落で「現在は労働基準法により云々……」というように書いてあり ますが、労働基準法によって産前産後の期間の解雇禁止がされたのは労働基準法制定以 来の話でありますから、現在というのは非常にミスリーディングな印象を与えるという ことと、それからもう1つは解雇禁止があるということと、解雇されないということは 全く別の問題であるということと、そのほかに有期契約の場合の期間の満了による退職 というのもありますので、そういうものも考える必要があるだろうというのがありま す。  それから最後に傷病手当金ですが、傷病手当金については例えば濫給の問題等もあ り、最近では諸外国でも、フランスなどでもその問題で法改正をしたりということがあ りますが、濫給の問題については濫給の問題という形で何らかの対応を考える必要が別 途考えられるだろうと思いますし、傷病手当金のスタイル自体についてもいろいろなス タイルがあるので、給付の水準だけをいじるというのは1つのチョイスでは必ずしもな いと。  それから、なぜ引き下げなければいけないかということについての十分な御説明、引 き下げるという意図があるかどうかはわかりませんが、なんとなくペーパーを見ると引 き下げるような方向に見えるので、そうするとなぜ引き下げなければいけないかという ことについてのもう少し説得的な御説明がないとまずいだろうと思います。  それから国際基準との関係は先程連合の委員が御指摘されたとおりで、先進国で私の 知っている限りこの社会保障のILOの最低基準の条約に張りついている例はないとい うように思いますので、たぶん国際的なそういう一定の経済水準にある国として最低水 準で張りついていければいいというのはちょっと、なかなか国際的な観点からしてどう かという気がします。以上でございます。  星野部会長  ありがとうございました。どうぞ、漆畑委員。  漆畑委員  すみません。出産手当金と傷病手当金で、意見というよりは教えていただきたいんで すが、今いろいろ出ている意見を否定するということではなくて、これが医療保険で支 出されているというのが、すみません、素人目にはちょっとわかりにくいので、このこ とは非常に大事なことだと思うんですが、これがなぜ健康保険から支給されているのか ということについて何か経緯とか何かございましたら御説明をいただくか、あるいは研 究所の方に外国でもそうなのかということをちょっと教えていただきたいと思います。  事務局/今別府課長  そもそも健康保険制度ができたときに、まさに死亡なり、あるいは疾病で保険事故と 捉えて医療費を出すこと、それによって働けないところの所得保障をするという、いわ ば二本柱のような形で制度発足当初からこういう形で制度化されてきたと。というの は、おそらく諸外国の例でもそうだろうと思います。  星野部会長  他に。どうぞ、対馬委員。  対馬委員  食費と居住費の関係、特にそこについて介護とは違うんだという意味の発言が先程ご ざいましたが、制度の仕掛けとしては確かに違うんでしょうが、実態的な長期療養のと きに実態がどうかというところは、先程最後に松原委員がお話されたとおりの面もあり ますので、その実態を踏まえた上でどうするかという判断が必要だと思いますので、そ このところは事務局として実態はどうかというところを詰めていただきたいなと思いま す。  星野部会長  ありがとうございました。それではあと御報告事項が2件程ありますので、少し時間 を12時を繰り越すかと思いますが、まず前回これは対馬委員からだったという記憶があ りますが、御質問のあった国民健康保険組合について資料が事務局から用意してありま すので、それを説明してください。  事務局/唐澤課長  それではお手元の資料4というところに「国民健康保険組合について」という資料が ございますので、ちょっと1ページをおめくりいただきたいと思います。  国民健康保険組合でございますが、これは後程資料の方に出て参りますが、歴史的な 経緯で自立されているものでございまして、同種の事業または業務に従事する者で組織 された国民健康保険法上の公法人という法律上の位置づけでございます。  実際には現在166組合ございまして、大きく分けますと医師、歯科医師、薬剤師等の 組合が92組合、69万人ございます。それから建設関係の従事者、これは大手の建設業者 のものもございますし、それから後で出て参りますいわゆる一人親方の方の建設関係の 従事者の組合、こういうものが33組合、221万人の加入者ということになっております。 それから3番目に市場従事者、食品関連等の一般業種ということになっておりますが、 これは実に様々でございまして、弁護士、税理士、あるいは作家の方、芸術家、食品関 係、あるいは浴場業というような実に様々でございますが、こういうものが41組合、 113万人ございます。全部併せまして、そこの表にございますように404万人ということ で、若干減少傾向というのがこれまでの実情でございます。  それから次の経緯のところだけを少し、ポイントだけお話させていただきますが、元 々国民健康保険法という戦前の法律がございまして、昭和13年に相扶共済の精神に則り ましてこういう組合を設立するということで、国保組合ができ始めたわけでございま す。そして昭和23年に市町村公営の原則といことで、当時は国民健康保険は制度はござ いましたが保険の体を成しておりませんで、請求があっても支払ができないという実情 があったわけでございますが、それを再建していくというために市町村公営を原則とし ておりました。ただ、全部の市町村がその当時実施したわけではございませんので、そ ういうところでは国民健康保険組合の設立を認めたということでございます。昭和34 年、36年以降、介護保険が実施されたわけでございますけれども、全市町村に国保事業 の実施を義務づけて職域の国保組合についてはこれは既に存在をしておりましたので、 これを存続させることといたしまして、新たな国保組合というのは認めないということ を原則にしているわけでございます。ただし、2つ例外がございまして、昭和45年に日 雇健康保険法の改正がございまして、これは大変な大きな政治問題になりましたが、建 設労働者の一人親方の方、こういう方を日雇の健康保険の適用から除外したとこういう ことがございました。それに伴いましてこうした建設関係の方の国保組合の設立を認可 したものが1つございます。それから47年に沖縄の復帰に伴いまして、沖縄県の医師国 保の設立を認可したということでございます。  それから財政状況等についてお話をさせていただきます。表は次のページにございま すが、国保組合の財政状況は平成15年度で収支差額が732億円ということでございます けれども、大体半分ぐらいの組合が赤字、半分ぐらいが黒字というような状況でござい ます。収入規模はご覧いただきますように9千億円ぐらいの規模があるわけでございま す。  それから国庫補助でございますが、国庫補助は32%の定率補助をベースにいたしまし て、国保組合の財政力に応じて1%〜20%の傾斜配分の補助をその上につけ加えており ます。これは財政力の違いがございますので、さらに今後検討していく必要がございま すけれども、こうした形になっております。  それからこれは従来からの仕組みでございますけれども、平成9年の改正におきまし て平成9年以降に新たにこうした国保組合に加入した人、これは人間に着目してという ことでございますけれども、その人に対しましては政管健保との国保負担の均衡を図る という観点から、定率補助が給付費の13%、老健介護の拠出金相当分は16.4%というこ とで、政管健保に並んだ形になっているわけでございます。したがいますと、人間が入 れ替わりますと政管健保と同じということになるわけでございますが、ただそんなに直 ぐに人間が入れ替わるわけではございませんので、経過的にこうした形を講じるわけで ございます。  保険料についてはここにございますように、一世帯あたり267,782円というような規 模でございまして、収納率は99.92%ということで、それぞれが事業をやっていただい ているわけでございますが、非常に助け合いの精神という気持ちが非常に強いことから 高い収納率を維持しているというのが実情でございます。  それから給付率についてでございますが、給付率は法定給付7割よりも高くしている 組合というのがございまして、これは現状で申しますと7割給付が97組合、8割給付が 66組合、9割給付というのが3組合ございますけれども、私どもの方としてはこの給付 については7割給付に揃えていただきたいということで申し上げているところでござい ます。以上、ちょっとポイントだけお話させていただきました。  星野部会長  どうもありがとうございました。どうぞ対馬委員。  対馬委員  説明を受けたわけですが、一見しておわかりのとおり、今現在でも3,200億の国庫負 担、これは全く平成13年度以降も変わらないという状況で、しかもその結果なのかどう かわかりませんけれども、3割負担というか、7割給付というか、これが基本的に医療 保険制度にある意味で骨格を成すところに対しまして8割給付、9割給付と、つまり1 割負担、2割負担というのがおよそ半数もあるというのは、いかにこれだけの厳しい財 政状況の中でずいぶん議論しているわけですが、この国保組合についてのこのバランス の悪さというのはなんとしても理解できない、納得できないというように思いますが、 当局としてはこれに対してどういう対応をとろうかと思っているんでしょうか。  事務局/唐澤課長  お尋ねでございますので申し上げますけれども、まず給付率については厚生労働省と しましては法定給付率に合わせていただきたいということで、これは繰り返し組合の方 に申し上げているところでございます。これは毎年かなり減少してきておりますけれど も、繰り返し言ってこれは申し上げているところでございます。  それから国庫補助の問題につきましては、これは国民健康保険に経過でございますの で市町村の国民健康保険に入る、もしこの国保組合がなければ入るグループの皆さん と、それから政管健保に入る皆さんというようになるわけでございますけれども、これ は市町村国保との均等という観点から補助制度について検討すべきであるという、こう いう基本方針が出ているわけでございますので、そうしたものにとって考えていきたい と考えております。それから国庫補助については、この実額で変わっていないという御 指摘でございますが、これは医療費も伸びておりますので、そうしたものと併せてこう した水準で推移しているということで、いずれにしましても私どもとしては1つの大き な検討課題であるというように受け止めております。  対馬委員  時間もないので一言意見を申し上げたい。私どもは指導を受ける場合には大体それに 従うという習性が身についているんですが、これだけ指導してもなおかつ8割給付、9 割給付があるということは、おそらく3,200億の補助があればやる必要がないとこうい うことではないかと思いますので、早急な抜本的な改革をぜひよろしくお願いしたいと いうように思います。  齊藤委員  対馬委員の意見ともダブりますけれども、1つはやはりお医者さんや弁護士さんなど の所得状況を勘案して国庫の補助はなくすとか、あるいは現在よりも割合を引き下げる ということを提案したいと思います。また、一人親方の場合などは別にしまして、機能 性から見て被用者保険と同じと見なせるような国保組合については、被用者保険への転 換を促すこともぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。  松原委員  弁護士の方は私はよく知りませんが、医師国保は大きな条件が1つついております。 すなわち、勤めている医療機関ではその保険が使えないということでございます。これ は市町村国保に入ってればその医療機関でもその保険が使えるわけでございますが、医 師国保に入っている場合には自分の勤めている医療機関では保険が全く使えません。即 ち、そこで掛かった費用については全く自費になるか、給与になるか、あるいは厚生福 利費になるか、そういう別の費用が掛かっておりますので、そこのところは一言申し添 えたいと思います。  漆畑委員  すみません、対馬委員、齊藤委員の御発言に反対という意味じゃないんですが、これ は組合数で割合書いているんですが、1組合の当然被保険者の数が全然違うわけですか ら、組合数じゃなくて被保険者の数で言うとどういう比率になるかというのは、別に今 じゃなくてもいいんですが参考のために教えていただければ。それで補助されたお金が いったいどうなっているかということも少しの目安になるかもしれませんので、もしで きれば教えていただきたいと思います。  久保田委員  関連しまして、所得調査をやられているというように聞いていますが、その結果はい つ出るのか、この場でもぜひオープンにしていただきたいというように思います。ま た、建設労働者の一人親方とか、町の理髪店など収入の不安定なところと、それからこ この1ページにありますけれども、やっぱり所得やそういうことを考えても「なぜ?」 と、普通のサラリーマンや国民の感覚からしてもそういうところと混在しているんでは ないかと思います。全体をまとめたこういう形ではなくて、具体的にそれぞれの組合と してどうなのかと、自己負担割合や国庫負担割合もどうなのかということについてもや っぱりオープンに、フェアに、オネストでどうあるべきかということを議論すべきとき に来ているんだと思います。ぜひそういう資料、データ等々の公開ということをお願い したいと思います。  事務局/唐澤課長  御意見のところは受け止めさせていただきまして、それで所得調査の方でございます が、これは現在国保組合の方にそれぞれ加入している人の所得の合計というものの調査 をお願いして、それの調査票を回収しましたので、その集計というものを今は進めてい るところでございます。これは秋口に集計をまとめたいということで今作業をしている という状況でございます。もちろんこれは御要請がございましたので御報告をさせてい ただきます。  星野部会長  ではよろしくお願いします。それでは最後になりましたが、去る7月20日に開催され ました中医協の在り方に関する有識者会議の報告が行われておりますので、当部会にお ける審議に係ることでございますので、今回事務局から報告を求めたいと思います。  事務局/麦谷課長  医療課長でございます。簡潔に御紹介申し上げます。資料は5-1、5-2でございま す。中医協の在り方の見直しにつきまして有識者会議が7月20日に報告書を出しまし た。その報告書につきましては資料5-2に本文をつけてございますので、後程御参照 いただければありがたいと思います。それを元に私どもで2枚紙にまとめさせていただ きましたので、それが5-1でございます。これを中心に御説明申し上げます。なお、 有識者会議そのものの構成メンバー等につきましては、この資料の3ページ、それから 有識者会議が7回開かれておりますが、その開催時期等につきましては4ページに一覧 表を掲げてございますので御参照いただければと思います。なお、有識者のメンバー5 人に加え、厚生労働大臣も全て出席いただきまして7回の御議論が行われております。 それではポイントだけ。特にこの医療保険部会に関係ありますところだけに限定させて いただきます。  1ページの中医協の機能・役割のところをご覧ください。○が3つ書いてございます が、診療報酬改定の改定率につきましては予算編成過程を通じて内閣・政府が決定する ということでございます。これまでもそうだったんですが、これをはっきり書いたとい うことが特徴でございます。それから2点目、ここがこの医療保険部会に関係するとこ ろでございますが、診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議は社会保障審議会の医 療保険部会、及び医療部会に委ね、中医協においてはこれに沿って具体的な診療報酬点 数の設定に係る審議を行うという定めになっておりますので、以後この医療保険部会で 基本政策について御議論いただくという運びになるかと思います。それから診療報酬点 数の改定案の諮問・即日答申の取扱いは、これまで諮問・即日答申、あるいは2日後答 申というようなことがございましたが、それを改めるというようなことが盛り込まれて おります。  後は割愛しますが、公益機能の強化、それから改革の進め方等につきましてはその紙 に書いてございますので、後程ご覧いただきたいと思います。以上です。  星野部会長  ありがとうございました。どうぞ、久保田委員。  久保田委員  ちょっと質問ですが、1ページ目の中医協の機能・役割と我々医療保険部会の役割と いう点で、今はっきり書いたとか、2番目の○についても、ここに書いてあるようなこ とは基本的にはこれまでもそうだったのではないかというように理解されるんですが、 いったい具体的に何が今回で変わるのか、ちょっとよくわかりませんので教えていただ きたい。この報告を受けて、誰が、どこで、いつ責任をもって中医協改革の答えを出す のかと。それから我々としては何かコメントなり意見を言う機会がそれであるのか、な いのかということについてお伺いしたいと思います。とりわけ最後の2ページ目の下 に、厚生労働大臣の提示した方針というのがここにまた○が4つ出されていることの意 味合いとか、そういうのも含めて何か違和感を感じるものですから、厚生労働省とし て、あるいは政府としてどうするのかということについてお伺いしたいと思います。  事務局/麦谷課長  最初の御質問でございますが、おっしゃるとおりこれまでもこの医療保険部会では基 本的な医療保険の政策については御議論をいただきました。今回これを有識者会議でお 決めいただいた趣旨は、それをさらにはっきりと基本的な政策、あるいは医療政策につ いては中医協の外の審議会で御議論いただくということでございます。中医協はそれを 受けて内閣で決まった改定率などと相まって、その中で優れて診療報酬点数の品目と値 決めについて議論するという決め方になっております。それが具体的にどうかというと ころは個々の事項がございますので例を挙げれば切りがないと思いますが、先程御指摘 のあった例えば出産給付金を医療保険そのものの対象にするのかどうか、こういうこと をここで御議論いただきます。それから例えばそれがそうなった場合にいくらにするの かというのを中医協でやっていただきます。それから先程薬の話もございましたが、薬 剤の給付率とか給付をどうするのかというのはここで御議論いただきます。では薬価の 算定をどうやって決めるんだという算定ルールにつきましては中医協というように、1 つ1つ私どもは聞かれれば答えられますが、全体でどう裁くのかというのは実は私ども ははっきりとしたガイドラインがあるわけではございません。ただ、今の例で、大体の イメージはおわかりだと思いますけれども、では議論を限定するとか、中医協の議論は これに限るといったようなことまでは考えておりません。  それから、ではどう運ぶのかということでございますが、大臣は当然この有識者会議 の報告書を十分に尊重されてお仕事をされますので、私どもこの報告書に書いてあるこ とはすべて実現すべく努力はいたします。ただ、中には法律改正事項がございますの で、これについては速やかにはできませんので、法律改正事項については例えば通常国 会を待つとかそういう運びになります。しかし、法律を改正しなくても直ぐにできる事 項については直ちに行うというようなことを考えております。  それから御指摘の2ページの厚生労働大臣の提示した方針でございますが、これは実 は診療側の委員の選出の仕方については有識者会議の報告書では、国民の目に見える形 で透明なプロセスで選出すべきであるというようなところで終っていますので、その選 出方法について厚生労働大臣がこのように考えているというお考えを、この有識者会議 が終った後、記者会見でお述べになったという内容ですので、そういう意味では違和感 があったかもしれません。具体的方策について大臣が記者会見でお述べになった内容を 2ページの下に書かせていただきました。ただ、会見自体は有識者会議の座長と一緒に されておりますので、記者の方から質問がございまして、大臣の説明は「有識者会議の 趣旨と齟齬はないか」という質問に対して、座長は有識者会議の報告書の実現の仕方は いろいろな方法があるけれども大臣が説明された方法も1つであると自分は思う、とお 答えになっていましたので、そういう意味では有識者会議の方向とは齟齬はございませ ん。以上です。  齊藤委員  すみません、今の回答で、資料5−1の2ページの(2)ですが、厚生労働大臣から病 院団体に対しては、直接に依頼されるのですか。  事務局/麦谷課長  文書で直接です。  齊藤委員  そうであれば、どうして今度は、病院団体は直接、厚生労働大臣に返事を出さないで 医師会に出されるのですか。何かその辺だけ教えていただけたらと思います。  事務局/麦谷課長  2ページの(3)をご覧いただきたいと思います。病院団体から2名、医師会から残り 3名行きますと、例えば全員が外科医というようなこと、あるいは全員が大病院の院長 というようなことがあると、私どもはそれではまずいだろうと思っておりますので、そ こは医師の職能を団体する日本医師会が全体像を見て診療科のバランス、病院・診療所 のバランス、そういうことを勘案していただいてぜひ私どもに5名分を提出してくださ いということです。ただ、病院から出てきた2名については変更なく私どもに御提出く ださいというのが、そこに4点目まで書いてある内容でございます。  星野部会長  それでは時間もかなり過ぎてしまいましたので、どうも大変長時間ありがとうござい ました。今後の進め方についてですが、皆様方ともこの改革に向けましてこの秋にも厚 生労働省試案が作成されるという予定でずっとやってきたわけでございますので、その 手順はそのとおりに進めていきたいと思います。それに際しましては、今日は対馬委員 が審議を重ねてでもいいからちゃんとやってくれという御注文もありました。試案の作 成に向けまして皆様から大変広い御意見をいただきましたし、今日も皆さんからお立 場、あるいは考え方を御披露いただいたりしておりますが、事務局で論点の整理をして いただきまして、それで次回以降の審議をそれによって進捗させていきたいと思いま す。  これは夏は暑いんですが、8月も月1回というペースをもっと上げまして、最低2回 ぐらいやらないと追いつかないと思いますので、そういうことについて皆さんの御協力 もいただきたいと思っております。大変御多忙のところだと思いますが、よろしく審議 の進捗に御協力願えればと思います。  事務局から何か特にありますか。  事務局/間杉課長  ございません。  星野部会長  それでは具体的に予定が決まりましたら、なるべく早めに日程を各委員に調整をお知 らせいただければと思います。それでは本日は大変予定時間をオーバーしまして申しわ けございませんでした。本当に御協力ありがとうございました。これで終わりとしたい と思います。                                    (終了) (照会先) 保険局総務課企画調査係 代表03−5253−1111 内線3218