05/07/28 第15回社会保障審議会医療部会議事録 第15回 社会保障審議会医療部会      日時 平成17年7月28日(木)      10:00〜      場所 厚生労働省7階専用第15会議室 ○企画官 ただいまから第15回社会保障審議会医療部会を開会させていただ きます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をご出席いただきまし て、誠にありがとうございます。本日の委員の出欠状況についてご報告しま す。本日は尾形委員、小山田委員、野呂委員、山本文男委員からご欠席の連 絡をいただいています。なお、小山田委員の代理として、全国自治体病院協 議会副会長の宮川信参考人、野呂委員の代理として、三重県健康福祉部医療 政策室長の服部浩参考人にご出席いただいています。ご出席いただいている 委員の皆様の定足数は超えていますので、会議は成立しています。  お手元の資料の確認をさせていただきます。座席表と議事次第の他、資料 として「医療提供体制に関する意見中間まとめ(案)」ということで、前回 のものに赤字を入れたものと、書き込んだものの2つを綴じています。参考 資料として、参考資料1で、前回の部会以降、各委員から文書でいただいた 意見を綴ったものと、参考資料2として、その関係する検討会で報告書がま とまっているので、それを付けています。それと本日の議題の後半で中医協 のお話を申し上げますので、その資料を綴じたものを付けています。  なお、後から「平成18年度医療度改革を念頭においた医療計画制度の見直 しの方向性」と書いてある紙をお配りしていますが、参考資料2の44頁の次 の辺りに入るべきものですので、挟んでいただければと思います。以降の進 行については部会長、よろしくお願いします。 ○部会長(鴨下) 大変暑くなりまして、皆様方、お忙しいところをお集ま りいただいて、ありがとうございます。いつも議事に入る前に、参考人お2 人のご出席について、皆様にお諮りすることになっていますが、よろしゅう ございますか。 (了承) ○部会長 本日の議題については、前回に引き続いて「中間まとめについて」 となっています。前回の部会での議論と、その後の各委員から寄せられたご 意見を踏まえて、事務局で修正をしていただいた「医療提供体制に関する意 見中間まとめ(案)」を資料として提示していただいています。できれば本 日で中間まとめを終了したいと思いますので、ご協力をお願いします。  修正された文章の検討に入る前に、前回の部会以来、本部会の審議に関係 する4つの検討会で、報告書がまとまっているので、まず参考資料2に基づ いて、事務局からご説明をお願いします。 ○指導課長 参考資料2で、へき地の関係の報告書です。1頁目に「へき地 保健医療対策検討会報告書概要について」という1枚ものがありますので、 これに基づいてご説明します。3番ですが、無医地区は減少しているわけで すが、高齢化などにより医療需要そのものが上がってきているであろうとい うことから、引き続き、へき地・離島対策は重要であるという前提がありま す。ただ、新たな課題として、拠点病院の医師、特定の診療科の医師の需要 への対応が求められているというご指摘をいただいたところです。  全体的な医療確保の視点から、住民を含む各関係主体ごとの役割と対応を、 いま一度整理をして、今後の具体的支援策として、○の4の中に(1)から(4)ま で書いています。こういった点についての検討が必要だということでご議論 いただいたところです。医師の確保対策として、最後の○の(1)から(3)に書い ているような点について、この具体的な点については別紙2頁に、こうした 具体的な項目として、施策の実施が必要ではないかということで、今後行政 として、このような各点について具体策を立てるようにとご提言をいただき ました。  次に「医療計画の見直し等に関する検討会中間まとめ及び関連資料」とい うことで、45頁から60頁にかけてです。これについては、今日別途、机上配 付をした1枚ものの資料で、「平成18年の医療制度改革を念頭に置いた医療 計画の見直しの方向性中間まとめの概要」というものをご覧ください。  医療計画制度の見直しの背景とねらいですが、地域全体で患者の医療ニー ズを受け止める必要から、機能の分化と連携はどうしても不可欠で、また予 防から治療、介護までの一貫したシームレスなサービスが、患者本位の医療 を確立する上で大変重要であるということです。そのために、三位一体改革 の下で、今後都道府県のほうで責任と権限が拡大され、裁量性も高まるので、 そういった都道府県において、他の健康増進計画、介護予防計画といった、 地域計画と整合性の取れた医療計画を主体的に作成する必要があるのではな いかというご指摘をいただきました。具体的には、自分が病気になったとき にどのような治療が受けられるかといったことが、数値目標を立てて、住民 の視点でわかりやくす示されることを原則とする、そういう医療計画の見直 しになるようにというご指摘でした。  1つ目の○です。安心して日常生活を過ごすために必要な、患者本位の医 療サービスの基礎づくりについては、見直しの柱として、(1)から(3)まで掲げ ています。こういった視点が大切です。それから、主要事業、主要疾病ごと の施策をわかりやすく医療機関に明示して、計画の作成段階から、実施段階 に至る政策の流れを、本当に実効あるものとして、さらに都道府県が役割を 果たすために、そのために国の支援が大変に大事であるというご指摘をいた だきました。  国と県の役割の見直しですが、国のほうでは全国規模の医療機能調査を実 施して、その情報を活用できる環境整備をしっかり図って、併せて財政面等 での支援を都道府県のために行って、県をサポートすることが大事であると いうご指摘をいただきました。都道府県としては、必要とされる医療機能に ついて、その実現に向けた方策と数値目標を、住民の方々にわかりやすく、 計画に明示をしました。かつ書きっ放しではなく、政策評価を通して、絶え ざる見直しを行うべきだとご指摘をいただきました。  新たに計画に盛り込む内容に対して国が行う支援ということですが、これ は3つのことを指摘されています。全国規模の医療機能調査、主要な事業ご との指標を県に提示すること、各種の財政支援を行うこと、こういったこと が指摘されています。  次に、医療機能調査と主要な事業の指標についてです。国は医療機能調査 を通じて、疾病動向、その地域の医療機能等に関する指標を提示して、都道 府県ではそれら指標を用いて、その地域において本当に必要とされる医療サ ービスを行うことが求められるということです。住民・患者に安心感を持っ ていただく医療連携体制については、1つの医療機関だけで医療の完結が困 難な場合が増えてきたので、そういった場合には地域の医療提供者の機能分 担と連携によって、医療サービスの質につながることを期待すべきであると いうご意見でした。その際、地域連携クリティカルパスというものを活用す ること、連携体制の構築に向けて中心となって調整する組織が必要だという ご指摘もいただいたところです。  質の向上と効率化に関する今後の取組みということですが、今後地域連携 クリティカルパスの全国展開を図るとともに、治療の必要性、退院時期の客 観的判断がきちんとできるような仕組みを構築するとともに、診療情報、E BMの定着をしっかり図っていくことが必要だというご指摘をいただきまし た。  続いて、「医業経営の非営利性に関する検討会報告」というものもいただ いています。これは61頁から89頁にかけてです。61頁に「考え方の概要」と いう頁があるので、それに基づいてご説明します。まず大きなI番の「将来 像」のところです。政府全体の公益法人改革が一方で進んでいます。その中 で、民間の非営利部門が社会システムの全般の中心として、今後積極的に位 置づけられようとしています。したがって、社会システムの大きな1つであ る社会保障システムの一貫である医療サービスにおいても、民間非営利部門 のサービス提供主体である医療法人が、今後の医療提供体制の担い手として、 その活動が大変期待をされています。その際、官民のイコール・フッティン グ、自立した医業経営の推進が必要であるといったようなことが指摘されま した。  II番目の「法人制度をめぐる考え方の整理」です。制度発足当初から、医 療法人の非営利性は考え方として貫かれていました。今後ともその考え方は 維持すべきですが、運用面、実態面で、考え方がなお若干不明確なところも あり、今後必要な法人の規律を明確にするなど、必要な対応が求められると されたところです。  一方で、医療法では、必ずしも医療法人に公益性を求めてはいませんが、 積極的に地域に貢献できる医療法人を期待する視点から、公益性の高い医療 サービスを明確にするとともに、公益性の高い法人類型を創設すべきである とされたところです。また、法人改革を通して、自治体は、民間法人ができ る医療はなるべく民間に任せて、自治体そのものは医療サービスのルールの 調整、安全性の確保等の役割に重点を置くべきであるという指摘がありまし た。  III番目の「今後の改革に向けた医業経営のあり方」です。いままでのよう な論点に加えて、さらに民間医療法人を医療サービス提供主体として積極的 に活用するためにも、今後経営を支える人材育成、法人運営の透明性を高め るための制度見直し、寄附税制などの、まさに地域によって支えていただけ るような、そういう基盤整備が必要であると指摘されたところです。指導課 からは以上です。 ○医事課長 私からは「医師の需給に関する検討会中間報告書」について、 ご説明します。資料の90頁からです。90頁に概要が付けてあるので、そちら で説明させていただきます。医師の需給に関する検討会については、今年度 末、来年度3月を目途に定量的な分析を行い、将来的な医師の需要の見込み といったものを分析した上、最終報告書をとりまとめようと思っています。 現在、医師の偏在による特定の地域、あるいは診療科における医師不足が大 きな課題として挙げられているので、こうした喫緊の課題に対応するものと して、今回緊急提言の形で中間報告書をとりまとめたものです。  2の「現状についての議論」の部分です。医師需給の検討会は、前回は平 成10年に報告書を出していて、このときには、将来は医師の供給を最小、需 要を最大と見積った場合にあっても、平成29年には医師は過剰になるという 推計を行い、将来に向けて医学部定員の10%削減という目標を出したところ です。  一方、その後7年ぐらい経って、当時と比べればかなり医師数も増えてい るわけですが、各委員の多くの意見としては、患者あるいは医師の双方から 見て、医師は不足していると感じられる場面が多いとか、医療機関、診療科、 時間帯、地域といった、いろいろな分野における医師の偏在があるのではな いかというご指摘がありました。  なぜ不足していると感じる場面が多いかについては、1つにはインフォー ムド・コンセントの普及といった、患者と医師の関係の変容による、需要側 の変化と、供給側としては女性の医師が増えてきたといった変化があるので はないかと。偏在の理由としては、医師の中で、病院の勤務医から開業医へ のシフトが起きているのではないかとか、医師の間で特定の診療科、あるい は地域に行くことを避ける傾向が高まっているのではないかといったような ことが、議論されております。  当面の対応策としては、私どもとして、特定の地域における偏在、診療科 における偏在といった医師不足についての対策として、2つに分けてまとめ られています。具体的に医師不足地域における医師確保としては、医師のキ ャリア形成における地方勤務の評価など、地方勤務への動機づけ、それから 地方医療機関と地方での勤務を希望する医師のマッチングといった、地方勤 務への阻害要因の軽減・除去、あるいは医学部定員の地域枠の拡大といった 医師の分布への関与です。それから、医師の業務の効率化、他職種等を活用 した既存の医療資源の活用とか、医師が不足している産科等の特定の診療科 における医師確保としては、診療報酬での適切な評価による、不足している 診療科への誘導、診療所の医師も含めた地域の連携・協力体制の構築による、 不足している診療科における診療の負担の軽減と。それから、医療資源の集 約化です。学会等でも提言されていますが、そういったことによる既存の医 療資源の活用といったことが盛り込まれています。  「今後の検討課題」ですが、今後は年度末に向けて、需要に対する定量的 な調査、分析等を行った上、さらに近年非常に大きな影響のある労働法規の 影響、医師の養成のあり方を含めて、議論を進めていくこととしています。  具体的な内容については91頁以降に書いています。また、当面の確保対策 は96頁から98頁までに書いているので、ご覧いただければと思います。 ○部会長 ただいまの説明、参考資料について、ご質問があれば出していた だきたいと思います。特にないようでしたら先に進めたいと思います。何か ありましたら随時お出しいただければと思います。中間まとめの文章の修正 についてご確認をいただいて、議論をしていただきたいと思います。最初に 事務局のほうから、資料全体に関する説明をお願いします。 ○企画官 資料1の「意見の中間まとめ(案)」について、前回のものに修 正を見え消しで加えているものを使って、修正部分を中心にご説明します。 前回のこの部会でいただいたご意見、あるいはその後に文書で確認いただい たご意見、ただいまご報告した4つの検討会報告がまとまっているので、そ れを盛り込むような形での修正を行っています。  1頁で、最初の「基本的な考え方とこれまでの審議経過」については、考 え方と経過は分けたほうがわかりやすいというご指摘がありまして、分けま した。基本的な考え方にどういったことを記載するかは重要なところです。 「医療は」ということで、「重要かつ不可欠な資産である」という記述です。 2つ目のパラグラフでは、患者と医療提供者の信頼関係を基本とする、必要 な情報が提供されていることと。16行目からの「また」のところで、「患者、 国民が利用者あるいは費用負担者として関心を持ち、自ら積極的、主体的に 参加をしていくことが望ましい」ということを記述しました。  20行目からのパラグラフでは、「医療はその生命の全ての過程にかかわる」 ということで、「傷病の治療だけではなく、予防から終末期まで」という話 で、「さまざまな領域にかかわる」という記述です。また、各専門職種、ボラ ンティア、家族等、さまざまな人々がかかわってくるということで、「それぞ れが専門性を発揮しながら、チーム医療を推進していく」と、「また、地域に おいて患者を中心した協力と連携体制の構築が必要だ」ということを記述して います。  29行目からは、それを前提としての医療提供体制についてです。こういっ た例に基づいて、「安全で安心できる、質の高い効率的な医療サービス提供 のための改革に取り組んでいく必要がある」ということで、これはこれまで の議論で何度も出ている話ですが、「都市部と中山間地とはいろいろと状況 が違うことを常に念頭に置いておく必要がある」ということの記載をしまし た。  2頁の経過のほうですが、経過については中の文言の整理等の修正をした ところです。  3頁からの個別の論点についてです。まず、「患者、国民の選択の支援」 のところで、(1)の9行目と10行目で修正したのは、医療機関が情報提供を行 って、行政は住民の選択を支援する観点からやるということで、広告等情報 提供を行うのは医療機関だということを明示的にしました。あと薬局に関す る情報という話もあったので、「等」という形で記載を加えています。  20行目、24行目からの○ですが、20行目からの○の3行の部分の記述につ いて、前回にかなりのご議論があったわけですが、どう記述するか整理の難 しいところでしたので、24行目からの「広告規制の方式として」のポジティ ブリスト方式のところに、「客観的で検証可能な事項を広告可能な事項とし て列挙する方法」という言葉を入れて、また、「客観的でない、あるいは検 証不可能であるといった」という、前回21行目から22行目に関して議論にな った部分については、ネガティブリスト方式の表現という形で、記載の場所 を変更したところです。  4頁です。いろいろな医療機関からの情報提供については正確なものでな ければいけないということで、「正確な」という言葉を入れています。(3)の インターネットのところは、前回かなり議論のあったところですが、「イン ターネットの情報に関しては早急な取組みが求められる」という趣旨を明確 にしたということと、30行目辺りからの「著しく不適切な内容が情報提供さ れている場合の規制」のところについては、インターネットの規制はなかな か難しいわけですが、今後具体的にどうするかは関係省庁と協議、相談しな ければいけないわけですが、形ばかりのものになっても意味がありませんの で、実効性のあるということにならないと、検討した上で実効性のないよう なものでしたらやっても意味がないので、そういったニュアンスで「実効性 のある」という言葉を入れています。5、6、7頁は特に修正はありません。  8頁です。12行目の部分は、どういうことをするのか具体性が乏しい、と いうご指摘がありました。具体的になったかはわかりませんが、このような 取組みを通じてやっていきたいということで、「医療安全推進週間の行事等 を通じ」という記述をしました。  9頁の「医療計画制度の見直し等」の部分です。10行目からのパラグラフ を修正したのは、12行目中程と17行目の最後に、カギ括弧を付けていました が、何かを引用したわけでもないのでカギ括弧を落として、2文に分けたと いう修正です。  29行目は、今回の医療計画の見直しで、計画の作成、事業の実施、評価、 見直しという循環が大事なポイントですので、ここに・として記載をするこ とにしました。  10頁です。2行目の修正は、医療計画検討会のほうの表現と揃えたもので す。6行目の「権限」ということも、検討会でもそういった文章になってい ることを踏まえての修正です。12行目からの部分については、前回もご発言 がありましたし、医療計画検討会のほうでもこのような文章を書いているわ けですが、「財政支援に対しこのようなことが起きないような運営の仕方に 配慮が必要だ」ということを記載しています。  なお、10行目から12行目の、交付金か統合補助金かに関して、参考資料1 の8、9頁に、野呂委員からの意見ということで、8頁ですが、10行目から 12行目の部分については、都道府県が自主性、裁量性と責任を持ってという 観点からすると、こういった補助金については交付金か、統合補助金かとい うことではないのではないかということで、ここは削除すべきではないかと いうご意見をいただいたところですが、ここについては、都道府県が自主性、 裁量性をもって事業を進めていけるような形での交付金を統合補助金化する という前提でこれまでも審議を続けていただいていますので、残していると ころです。  資料に戻って10頁の28行目からの○については、前回ご意見があって、 誤解を招く表現なので直しました。34行目は用語の整理で、診断と治療で診 療だということで言葉を直しています。  そのパラグラフは11頁目まで続きますが、前回は指標に関しては1文でズ ラッと書いてあったものですから途中のつながりがわかりにくいところもあ ったので、2文に分けて、若干表現を直しました。  11頁の(2)については、ここの連携のところにかかりつけ医の話を書く 必要があるのではないかというご指摘があったので、「地域での連携を図っ ていく上でのかかりつけ医等の役割」ということで、文章を書いています。 「かかりつけ医等の役割」ということで、「かかりつけ医(歯科医、薬剤師) について、国民が身近な地域で日常的な医療を受けたり、健康の相談等がで きる医師等として」、等は歯科医、薬剤師ですが、「その普及定着を図る必 要がある」ということ、そして「地域において医療連携体制を構築し、実際 に連携がなされるためには、かかりつけ医が患者の病状に応じて適切な医療 機関を紹介することをはじめ、常に患者を支える立場に立って、重要な役割 を担うことが求められる」と。「患者の視点に立って、どのようなかかりつ け医の役割が期待されるか、またその機能を発揮するためには何が必要か等 、各地域での医療連携が適切に行われるよう、かかりつけ医のあり方につい て引き続き検討していく必要がある」という文章を書いています。  1個ずれて(3)にあった、地域医療支援病院のところについては、まだ 数が少ないのでもっと前向きな表現をすべきというご指摘があったというこ とで、最終行目から12頁の1行目に書いているとともに、現在の指定を受け ているものについて、地域医療支援というものは、想定している役割を果た しているのかどうかも、あり方の見直しの際には必要だろうと、これもいま までの議論の中で何度かご指摘のあったところですので、6、7行目に記述 をしています。  12頁の34行目になりますが、参考資料1の4頁に、古橋委員からのご意見 もありますが、こういった医療の安全といった観点から、「特に夜間を考慮 した人員配置を考える必要があるのではないか」ということの記載をしてい ます。13頁の17行目からのパラグラフについては、前回表現についていろい ろとご指摘があったことを踏まえた修正をしています。  15頁からは、構成についてで、全体の中で母子医療を書くということで、 (1)は母子医療の体制整備として、6、7行目に「これは喫緊の課題であ る」ということを書いた上で、内容を書いています。次に(2)で救急と災 害ということで1つ立てて、救急については、「患者のたらい回しが起きな いような体制構築」ということを言葉として入れています。また、35行目か らは精神科救急医療に関する記述を2行付け加えています。  16頁12行目の(3)で、「へき地医療」ということで、15、16行目は、他 の部分には書いてあってそこには書いていなかったので、書き加えたもので す。  17頁に進んで、こういった取組みについては、先ほど医療計画のところに も書いていた、「計画の策定、実行、評価、見直しという形での医療計画を つくっていくということで、その地域で進めていく形ができるようになる」 ということを記載しています。  18頁については、前回の6月29日の案では、4番の中の小項目だったので すが、検討会からの報告なりもあり、早急に対策を取る必要があるのだとい う指摘もあったことですので、1つ大きな柱を立てて、記載内容も、医師需 給の検討会報告の96頁から98頁にも記載してあったようなことを丁寧に記 載する形で記述をするとともに、31行目からのところに、○として、この意 見を踏まえて「政府において早急に総合的な対策をとりまとめるべき」とい うことを記述しています。  19頁の「在宅医療」のところについては、若干表現を直したりしています。 5行目から7行目までを削除しているのは、15行目から17行目に移している ので、順番を変えたりしつつ、表現を直しているところです。23、24行目の ところは、退院調整機能の記述をするとともに、原則として医行為でない行 為についての通知が出たので、番号を加えたというものです。20頁は「国民 的」という言葉を補ってみました。  21頁の「医療法人制度改革」のところですが、先ほど医業経営の非営利性 等に関する検討会の報告をしましたが、報告書がまとまったことを踏まえて、 それに合わせた形で表現を修正しています。こちらについては、その検討会 でまとまった内容をしっかりやっていく必要があるということで、語尾の辺 りをそういったニュアンスに変えているところがあります。  23頁からの「医療を担う人材の養成と資質の向上」のところについては、 医師の需給の話や検討会の報告書ということですが、34行目以下について、 前回の議論においても、「不適格な医師を排除する仕組みをしっかり検討す べきだ」というご意見が強くありました。これについては、行政処分を受け た医師に対する再教育に関する検討会報告があり、またさらにそれを具体化 していくという検討があるわけですが、そういった中でその仕組みをつくっ ていくことになるかと思うので、この部分の記述を手厚くしているところで す。  24頁の7行目ですが、前回の議論を踏まえて、国家試験の問題の話、ある いは資格を取ってから、試験を受ける段階以前の大学での養成課程の段階か ら、医療関係者になろうという者に対する教育、資質の向上が必要だという ことを記載しています。  14行目は、保健師助産師看護師法等の検討会のものに揃えたものです。21 行目からのものについては、前段でコメディカルの問題の話、後段で行政に 携わる人材の関係の話で、そういったことへの取組みが必要だという記述を しました。  25頁の医療の情報化の部分について、もっと積極的な姿勢を示す必要があ るということで、文章を修正したところです。修正部分の報告は以上です。 ○部会長 委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。かなり長いも のですので、前半と後半に分けて、1頁から14頁までについて、最初に意見 を出していただきたいと思います。 ○大橋委員 11頁の「かかりつけ医等の役割」のところで、○が3つあって、 2番目の○の「地域において医療連携体制を構築し、実際に連携がなされる ためにはかかりつけ医が患者の症状に応じて適切な医療機関を紹介すること ができるようなサポート体制を構築し」と入れたほうがいいのではないかと 思います。と申しますのは、行政が「専門医はこういうのがあります」とい うことを知っている、例えばうちのほうですと田舎ですから、この医師はこ ういう専門をやっているという紹介を行政として広報へ出していますが、得 意とすることであるということを紹介しておりますが、患者がそれを知るた めには、そういう広報をする必要があります。実際にかかりつけ医は開業医 が多いわけですから、開業医がどういうことが得意であるか、地域ではこう いう専門医を知っているとか、日本全体ですればこういう専門的なものがあ るということを、知ってもらうことができるようなサポートの体制にしなけ ればいけないのではないかと思います。「医療機関を紹介することができる ようなサポート体制を構築し、常に患者を支える立場に立って、重要な役割 を担うことを可能とする体制が求められる」としたほうがいいのかと思いま した。 ○総務課長 大橋委員のご指摘はそのとおりです。まさにこの中間まとめで も、第1章のところで都道府県が医療機関の情報の開示、提供をインターネ ットなどを通じて国民に提供する仕組みをつくりたいと思っています。それ から、医療計画の中で、医療連携体制を組んでもらうわけですが、大阪府の 例にあったように、ああいった医療機関の機能を医療計画を通して示してい くことをすることによって、かかりつけ医の紹介ができるのだと思っている ので、おっしゃっていることは実行できるのだと思います。  あとは文章表現の問題ですので、「重要な役割を担うことが求められる」 という、基本はこのままでもいいかと思いますが、いま言ったような、「医 療機関の情報提供の推進」、「医療計画による情報提供を通して」など、そ ういった文言をこの文章の中に入れれば、大橋委員のご要請に応えられるか と思いますが、委員の皆様、その点はいかがでしょうか。 ○松井委員 いまの件に関連して、4頁に「広告を含む情報提供における医 療の実績情報の取扱い」という項目がありますが、そうすると、先ほどの直 すことと、ここは特に関係はしてくるのでしょうか、修文は必要ないのでし ょうか。というのは、評価を伴う医療の実績情報について、「まずかかりつ け医に相談をするのが基本である」というような書き方になっていますが、 そうすると、それを本当に基本とするためには、いま大橋委員がおっしゃら れたようなことがきちんとなされるというか、どっちが鶏か卵かという問題 なのかと思うのですが、「基本」と書かれてしまっているのならば、先ほど のご指摘のあった点も、かかりつけ医がやってくださるという整理をしてあ るのだと思うのですが。それで、前のほうはこのような書き方でもよろしい のでしょうか。 ○部会長 いまのご意見は両方の文章の整合性ですが、そういった細かい点 は事務局と修文は任せていただくということでいかがでしょうか。 ○部会長代理 4頁の中頃のところで、「患者の関心の高い情報である云々」 というのがありますが、こういう情報作成に、当該医療の水準を科学的に判 定する方法が必要で、それは諸外国では開発されています。その医療の水準 というのは、都市部や地方の医療のレベルの均霑化、あるいは施設間に差が あるのか、個人間の差があるのか、ひいては国際間に差があるのかというこ とを、科学的に比較するためのアウトカム情報の作成、つまりデータベース の基盤から、データバンクの作成が必要です。ひいては医療の水準というの は医療事故における訴訟問題でも常に判断されるところですが基準が必要で す。ところが、現状の我が国では大変主観的な部分で、科学的に当該医療の 水準を判定するデータベースの基盤整備、データバンクの作成、これはよく 似た領域なのですが、そこを付け加えられたらと感じます。 ○部会長 具体的に、どこをどのようにするかの文章の修文まで言っていた だけるとありがたいのですが。 ○部会長代理 「医療の水準を科学的に判定するデータベース整備」という ような言葉が、広告のところに入れていいのかどうかはわかりませんが。 ○部会長 後のほうになりますが、25頁に「医療を支える基盤の整備」とい うのがあるので、こちらのほうにうまく吸収できるのではないかと思います が、局長からそのようなコメントがありましたので、ちょっとお伺いいただ いて、できるだけ修文の形で、ご意見は結構なのですが、文章を直すに当た って、具体的にどのように直すという点を注意してご発言いただければと思 います。 ○龍井委員 1点目は1頁のところで、前回指摘させていただいた「患者の 主体的なかかわり」というのは加えていただきました。ただ、19頁の19行目 の書きぶりなのですが、「自らも積極的かつ主体的に医療に参加していくこ とが望ましい」というと、ちょっと心構え風な記述になっているので、でき たら、前回は「担保」という言葉を使ったのですが、仕組みづくりというか、 そういうニュアンスに変えていただけたらありがたいと思います。  2点目は7頁から8頁にかけてで、後ほどの報告書の記載の要約ないし引 用にも共通することなのですが、「検討する」「整備する」というのが、課 題として列挙をされていて、必ずしも主語が明確でないものがあるのです。 それは報告書の要約で、しょうがないという面もあるのですが、ここで、あ るいは今後でもいいのですが、できる限り役割の分担、主体の責任が明らか なものについては、そういうことを明示する方向で具体化していくことで、 ぜひ今後の整理をお願いしたいと思います。ですから、今回できるものにつ いては、していただくことで、基本的には今後の検討でお願いしたいと思い ます。 ○佐伯委員 11頁の20行目や22行目に、かかりつけ医についてあるのです が、22行目のところには(歯科医・薬剤師)と入っているので、ここはそう いう定義だとわかるのですが、その後に出てきたときに、一般の人が「かか りつけ医」と見ると、「医」の文字しか目に入らなくなってしまって、薬剤 師が浮かんでこないような気がするのです。かかりつけ医だけで両方を含ん でいることに無理があるのかなというイメージがします。だから、「かかり つけ医薬」とするのかというと、それが適切であるかどうかというのはよく わからないのですが、この一言だけで言って薬が抜けてしまうという危惧を 持ちました。 ○部会長 ご意見を取り上げるかどうかは、どうしますか、細かいところは。 ○総務課長 中間まとめで「かかりつけ医」という言葉が出てくるところが 2カ所ありまして、1カ所はご指摘のあったところで、もう1つは4頁の10 行目に1カ所出てきます。2カ所しかないということで、佐伯委員のご指摘 のように、「かかりつけ医(歯科医師・薬剤師)」という11頁と同じ表現を 4頁に書くかどうか、そういう理解でよろしいですか。 ○佐伯委員 でも、ややこしくならないですか。あとの「医療連携」という ところで、まず最初にかかりつけ医に行って、紹介してもらって、病院へ行 って、またかかりつけ医へ戻ってくると。そういうネットワークの中では、 かかりつけ医という定義はドクター、医者ですよね。2つ入れてしまうとい うのは、どうなのだろうかという気がします。そういう意味で言えば、11頁 の20行目にある「かかりつけ医」というのは、ひょっとしたら保健師も入る のではないかとか、もう少し広くなるのかという気もするのです。 ○総務課長 もちろん、日頃いつもお世話になっている人をかかりつけとい う意味では、実態として、かかりつけ保健師、かかりつけ作業療法士という のは、日常的にはあるのかもしれませんが、制度的にはかかりつけ医という こと自体、あるいはかかりつけ薬剤師、かかりつけ歯科医師というものが、 医療法などで定義されているわけではなくて、唯一あるのは診療報酬の中で そういった言葉を使っているということです。その範囲でいうと、この3つ が、現状の医療提供体制の中では、こういったワーディングがあるというこ とで記載をしています。 ○杉町委員 10頁目のところの「地域医療支援病院」ですが、11頁から12 頁目にかけての「すべての二次医療圏において、地域の実情等を考慮しなが ら整備する」とありますが、「整備」という言葉だけですから、病院の中の 機能を整備するということにも取れます、もちろんそれも大事なことですが、 同時に地域医療支援病院がまだ十分ではないところもあるので、整備という 言葉だけでなくて、「整備、補充」というような言葉を入れていただいたら、 よりわかりやすいのではないかと思います。 ○総務課長 ここの整備と書いた趣旨は、委員のおっしゃっているような意 味で、普及させるという意味で書いています。 ○杉町委員 整備という意味は、病院の中の機能を整備するという整備もあ るし、数が足りないという意味もあるから、補充とか入れるとよりわかりや すいかと思って。 ○総務課長 「普及を図る」とか、そういう言葉に。 ○杉町委員 そうですね。 ○総務課長 趣旨はそういうことですので、よろしければそのような言葉に 書き換えたいと思います。 ○辻本委員 2点、指摘させていただきます。まず11頁(2)の「かかりつ け医等の役割」の2つ目の○で、2行目の「患者の病状に応じて適切な医療 機関を紹介することをはじめ」とあって、紹介というのは、実は患者は過大 な期待を抱くのです。そこが百点満点という、紹介する側の判断を過大評価 する傾向が非常に強いのです。ですから、ここは「適切な医療機関の情報を 提供することで患者の選択を支援する等」というふうにしていただかないと、 紹介は介入しすぎと理解しております。  それから、12頁の下から2番目の「夜間帯の体制確保も考慮して」とあっ て、この「考慮」ということを読んだときに、夜間体制のほうに人員を手厚 く配置することでと、もしなるとすると、外来や他が手薄になるのではない かという懸念を感じました。ですから、おそらく古橋委員のご提案は、そこ をさらに手厚くということですから、「も含め」という表現が正しいのでは ないかと、古橋委員のご意見も考慮させていただいて、聞かせていただきた いと思うところです。 ○部会長 2点ご指摘がありましたが、前のほうはどうでしょうか、「紹介」 と「情報提供」のどちらがいいか。 ○辻本委員 情報提供をし、さらに患者の選択の支援をするという役割が、 まさに次に続く患者を支える立場になるのだと思うのです。あなたは適切だ からここへ行くべきですというニュアンスで患者が受け止めてしまうと、百 点満点で紹介されて行ったのに、自分の思うようにならなかったと非常に強 い不満が増殖して、という声が私たちのところにたくさん届いてきています。 ですから、もし支援という立場に拘泥するなら、この辺りの表現も少し考え ていただきたいと思います。 ○部会長 いまのことに関して、特に医療側でご意見はありませんか。紹介 というのは積極的な行動で、ある意味では責任を伴う行為だと思うので、私 は個人的にはこのままのほうがいいのではないかと思いますが。 ○三上委員 いま座長が言われたように、情報を提供するというのは、紹介 をする際にもいろいろな情報を提供し、医療側と患者側の情報の非対称性と いうのは、いつまでもあるわけですから、「ここがいちばんいいと思います」 という紹介の仕方があって、積極的にこちらが責任を取らない形で、患者の 選択に任せることは、患者が選択することによって患者の責任になるという ことになるから、そこまで患者に責任を負わせることはいかがなものかと思 います。医療の専門家として、「ここがいちばんいいのではないですか、こ ういうのもあります」という、複数の選択肢を紹介する形なので、本来は紹 介という言葉の中には、情報提供も当然入っているわけで、ドクターの技量、 知識量によっても、百点満点かどうかわかりませんが、患者に全面的に責任 を押し付けるような、情報提供をするだけという形になると、患者にとって は非常に不利ではないかと思います。 ○辻本委員 ただいまのお話の中にも、複数の紹介ということがありました。 これは複数の情報を提供することであって、私はこれからの患者は、むしろ 自己決定の責務を引き受けていく覚悟が必要だと考えております。ですから、 選択はあくまでも患者の役割であるべきですから、紹介をされるとある意味 の誘導とも患者が捉える場合あります。そうした意味で、私は紹介というよ りも、複数というお話をお聞きしただけに、やはり情報提供であってほしい と思いました。 ○佐伯委員 例えば4頁の同じところですが、そこへ行くといつもいろいろ な情報をもらえるということになると、情報をもらうだけにそこへ行くこと が出てきてしまいます。先日杉町委員のテレビを拝見しましたが、あそこへ 行って相談できるとなると、例えば1日中、実際の診療より相談、紹介等の サービスで忙しいということが、ひょっとしたら起こるかもしれません。そ のときに、それは無償のサービスなのか、何か報酬の対象になるのかとか、 そのようなことは考えておかなくていいのでしょうか。 ○総務課長 基本的には他の医療機関を紹介すること自体は、一連の診断、 治療の中の一連の行為ですから、全体の保険医療費の中で評価されるという ことですが、特に、その中で文書で紹介状を書いて情報提供した場合には、 診療報酬で一定の評価が行われていますので、更にその分が費用がかかって います。 ○佐伯委員 医師はそれができますが、薬局はできますか。薬局に聞きに行 って教えてもらったら、それは薬局の収入になるわけですか。 ○総務課長 おっしゃるとおりです。薬局でも診療情報の提供はできます。 それに診療報酬の技術料もついてきます。 ○医療課長 点数が付くと、そのうち3割は患者負担ですから患者も負担し ているということになります。 ○山本(信)委員 ただいまのお話ですが、通常調剤報酬の中での範囲であ ります。例えば、ふらっとお見えになった方に対しては医療になるかどうか わかりませんので、そこは報酬としてはありません。ただ、診療報酬の中の、 いわゆる調剤報酬の部分では、きちんと評価はされています。 ○見城委員 その辺りの情報提供を含めて、今回この案の中で広告と情報提 供を分けて、常に公的な情報が得られる流れが1つ必要ではないか、という のを私は最初に申し上げたつもりだったのです。そういうものが作られない と。  もう1つ言おうと思っていたのは、これはすべて患者からスタートしてい るのですが、実際の暮らしの中で考えてみますと、昨日までごく普通の日常 生活を送っていて自分が病気になるとは思わないできていた人が、突然体調 を崩して、さあ、どうすると。ここからが情報提供にしても、普通に健康で きた場合は、かかりつけ医はいないわけです。ある公的な情報をどう提供す るかという部分と、それから個々のコマーシャル、広告の部分で、その辺り をしっかり考えて記入していくことが、もう少し明確にならないでしょうか。 重要なところは、かかりつけ医という言葉からスタートするのも実際は情報 がないのです。一般に暮らしている人にしてみれば、例えば都心型ですと、 医院がありすぎて選択できないのです。その選択できない情報がほしいので す。  また、中山間地域で、わかりきった所しかない場合は、そこが本当にいい のかどうか、自分の病気がどのようになっていくのか、ここをかかりつけ医 にしてもいいのかどうか、というところでの情報が必要です。ここでは、こ の文言だけでは解決がつかないのではないかと思います。情報提供と一緒に 考えていただくのはどうでしょうか。 ○総務課長 中間まとめの文章の整理の仕方が、大きな項目ごとにこの部会 で審議をした塊ごとに書いていますし、しかも長い文章ですのでわかりづら いところがあると思います。  いま見城委員がご指摘になったところは、3頁の9行目から、医療機関に 一定の範囲の情報を届出させて、都道府県がインターネット等で住民に分か りやすく提供する。5頁の5行目に、公的機関等による医療に関する情報提 供と、例えば独立行政法人の福祉医療機構や健保連といった団体等を合わせ て情報提供をしていく。これは広告ではありませんので、そういうものを今 後、積極的に推進していくべきであると明確に書いてあります。ただ書いて ある場所が離れていますのでわかりづらいところは、ご容赦いただければと 存じます ○部会長 少し問題を絞りたいと思います。ここのかかりつけ医がなすべき こととして「紹介することをはじめ」ですから、その後には、いろいろ「重 要な役割を担う」ということまで入っていますので、このテキストとして考 えれば、私は問題ないように思います。情報を提供するということからはじ めるとすれば、医療機関としては、ある意味で責任を患者に分担させてしま うことになるわけですので、それでよろしいのかどうか。そういうところが 問題かなと思います。 ○三上委員 辻本委員が言われる「紹介というのは」というのは意味はわか るのですが、やはり一般の患者レベルからすると紹介してほしい、あるいは 紹介状を書いてほしいという、ある意味で馴染んだ言葉だと思うのです。そ ういった意味では、これはあっていいと思います。  言われるとおり情報提供も役割だとするならば、それも含めて書けば、そ れほど違和感はないと思いますので、私は「紹介」という言葉を残したほう がわかりやすいと思います。 ○部会長 折衷案ですが、「情報提供や紹介することをはじめ」でよろしい ですか。 ○辻本委員 こだわるようですが、適切ならば「複数の」と、先ほど三上委 員からも「複数」という言葉が出ておりますので。やはり選択肢があって、 その中で私はどうしたいかで患者が選ぶ。これがこれからの主体的な患者の 医療参加の意識を啓発することだと思うのです。実際に、ここに来なさいと 命令しているわけではなくて、こことここがあるのですからどちらにします かと。あるいは、最近では患者のほうがインターネットで情報を調べて、私 はここへ行きたいのです、ここへの紹介状を書いてくださいという話もあり ます。紹介という言葉は確かに日常的に理解を得る言葉だと思いますので、 できれば「複数」にこだわらさせていただきたいと思います。 ○部会長 では、その表現は事務局と考えさせていただきます。あと、辻本 委員が指摘された12頁の下の所「考慮して」を含めてということですが、こ れはよろしいでしょうか。 ○古橋委員 辻本委員からご指名もありましたので、この件に関しては、い ま夜間体制の整備・充実は医療安全から私は近々の課題であると思っており ます。ですから、そのほか非常に拡充し増幅してきている医療場面の中から 剥ってということではなく、優先度というと語弊がありますが、みんな同じ ように必要であるとしても、ここにおいては、特に夜間の体制の整備は重要 です。この書きぶりは「体制確保も考慮して」というのが、やや曖昧さがあ るというご意向であるならば、これは「体制確保も含め」として後の文章に 続けてはいかがかと思っております。外来等が非常に業務内容が増幅してき ていることはそのとおりですので、ご指摘はありがたいと思っております。 ○総務課長 確認ですが、古橋委員からこの点のご意見をいただきまして、 こうした文章にしております理由として、「考慮して」という意味は、現在 も人員配置標準は夜間と昼間と分けて基準を作っていないものですから、 「体制も含め」という表現ですと、何か夜間の配置基準と、そうでない基準 を分けて作れというようにも読めますので、そうではないと。その辺はこの 場で明確にしたいと思います。 ○古橋委員 もちろん、そのとおりが本当に適切だと思います。そういうこ とがこの言葉の中に含まれているのであれば、それがより含まれている言葉 を採用していただくことが重要と思います。日本語の問題ですから、私とし ては、このことに焦点が当たることが大切と思っております。書き方、書き ぶり、国語の問題は、お任せしたいと思います。 ○部会長 では、この点も事務局に考えていただくことにいたします。ほか にはいかがでしょうか。 ○堀田委員 9頁から10頁の「医療連携体制」について修文はお任せします が、もう少し整理する必要があるのではないかということを申し上げます。 9頁の21行目から始まる○の中で連携体制のことを言っております。ここで 言っている連携体制というのは、例えば、がんや脳卒中の病気ごとの連携と 救急医療体制、災害、へき地等の横の連携といいますか、病気にかからない、 緊急時の連携、この2種類を含んでいる医療連携体制であります。ところが 先ほどから問題になっております11頁の25行目、「地域において医療連携体 制を構築し」と。これは最初にかかったプライマリケアのところから、どこ へつないでいくかという連携体制です。それと連携がほかにも出てくるのは、 1頁の27行目、「患者を中心とした協力と連携の体制」。これは医師がチー ム医療をつくるという連携です。いろいろな種類の連携が提言されており、 医療計画を立てるときの連携体制というのは、どういう連携体制を作ればい いのか、何を中心に考えればいいのかよくわからない。いろいろな種類のも のが混在しております。  こういう連携体制は当然患者にもわかる連携体制があれば、プライマリケ アのところへ行って情報提供を受けなくても、こういう連携でいくのだとい うことがわかるので、患者にとっても非常に有益です。医療連携体制を作る という場合は、9頁から10頁辺りをもう少し整理していただき、プライマリ ケアから始まるところの情報提供、適切な医療機関はどこかという連携の図 面が出てくる、それから病気ごとの連携が出てくる。それから、例えば救急 体制のときに、たらい回しが起こらないような連携が出てくる。これは後の ほうも、連携体制が書いてあります。そういうふうに連携の目的を整理して、 それぞれの目的に応じて適切に使われるようなネットワークの計画を立てる というように、もう少し明確にしていただきたい。修文はお任せします。 ○三上委員 12頁の人員配置の所です。22行目から「人員配置基準、都道府 県で情報を公開することによって人員配置基準を緩和するなど見直しを考え る」ということですが、27行目をもう少し積極的に書いていただきたいので す。ここでは「一律に緩和することは困難である、見直しについては行うか どうかを可能かどうかを検討する」という文言になっておりますが、これを 「一律に緩和することは困難なこともあるが、情報を含めた医療の安全確保、 担保できる別の方策との組み合わせにより、何らかの見直しを検討すること が必要である」というように、「検討する」ということを前向きに書いてい ただくような文章に変えていただいたほうがいいのではないかと思います。 ○土屋委員 いま三上委員が言われたことに関連してですが、これは再三申 し上げてきておりますが、どうも私どもの意向どおりになっていないという ことから、昨日、四病協と日本医師会で、これについて会議をいたしました。 結論的にはいま申し上げたように、いまの人員配置標準が現状に即していな い、矛盾していることは重々承知のことであります。このまま決めつけてし まって、環境が整っていないから困難である、冒頭にありますように、「上 記のような環境を整える」と、まずそこから始まっているわけです。それで は環境を整える一方で、地域における医療機関がその実力に合った、身の丈 に合った状況を十分認識して配置標準を選択できることにしない限り、今の ままでいくと何ら解決策が講じられていないということになります。地域に おける医師不足、先ほど医師の需給に関する検討会の中でもいろいろ検討さ れました。  しかし、いろいろな方策が提言されておりますが、速効性のある、確実な ものがなかなか見つからないのが実情です。そうしますと、かつていろいろ 社会問題にもなりました、この標準を満たさない、そのために名義借り、名 義貸しが問題になりましたが、それではこれをどういう具合いに解決するの か。選択の余地がありませんので、何も背伸びをする必要はないわけですが、 そのままだと標欠というような診療報酬に関わるような問題も出てまいりま す。  したがって、それは診療報酬の上で差をつけることも可能でしょうし、そ の大前提としては、ここにありますように情報公開を進めると言っているわ けですから、その医療機関がどういう内容で、どういう人員配置標準をもっ ていま医療に当たっているのかということが分かるようになればいいわけで す。今のままですと、医師需給の検討会でも縷々いろいろ意見があったわけ ですが、足らないという意味が、本当に診療するドクターが足らないという 意味と、標準を満たすことができないために不足しているという意味と混在 しているのです。そういう意味での不足は解消できる、そのためには制度的 に、この昭和23年から引きずってきている人員配置標準は、現状に即さない ことはわかっているわけですので、どうしてもこれは考え直さなければいけ ないだろう。  そのために、ここに「今後の課題として検討が必要である」と。12頁のい ちばん末尾に、突如「病院における外来患者に基づく医師数の規定の必要性 云々」と出てきていますが、これは「病院における外来患者数に基づく」と いうことなのだろうと思うのですが。ここで「外来患者数に基づく医師数の 規定」が唐突に出てきて、「引き続き検討することが必要である」と。一方 で、人員配置標準、特に「その他」の入院患者数に対する、ベッド数に対す るドクターの配置標準ということになるのですが、それを最初から何も諦め てしまうことはないではないですか。  ここで、冒頭から情報提供を公開するように進めるのだということを謳っ ておきながら、それがトーンダウンして、今はまだまだ駄目だから、だから あきらめてしまおうか、という論理になっているわけです。ここのところは 改めていただく必要がある。四病協と医師会を含めますと、全国のほとんど の医療機関であります。それがそういう意向であるということを、先ほどの 三上委員の意見に重ねて申し上げておきたいと思います。 ○部会長 これはご意見として。文章としては先ほど三上委員の言われたこ とでよろしいかと思いますが、事務局から何かありますか。 ○総務課長 人員配置基準標準についての記載が2カ所ありますが、後段の ほうの病院における外来の配置標準の問題、あるいは看護師や病棟薬剤師の 基準の問題については、かなり間近なといいますか、早急にその基準の見直 しについて検討をするという趣旨です。もっと具体的に言いますと、基準の 引き上げということになりますと、診療報酬での評価というようなことも一 体でないと病院の経営は成り立ちません。そういう意味では、来年改定が予 定されておりますから、改定の議論に向けて、そこは当面の課題として議論 していきましょうということで後段は書いてあると私は理解しております。  前段については、これは情報の開示を含めた医療の安全や質の確保を担保 できる別の方策との組み合わせが整った時点で、全体として人員配置標準と いうものが、そもそも必要なのかという議論であったかと理解しております。 したがって、検討のタイムスパンといいますか、そうしたものが少し違うの ではないかと。そういう考え方で、ここは書いておりますし、また文章の語 尾も少し、当面、すぐ検討すべきものと、将来に向けて考えなければいけな い、一定の状況が整った段階で考えていかなければならない課題と、少し違 うのではないかと。この部会での議論も踏まえまして、私どもはこのような 趣旨で原案を書いているところです。 ○土屋委員 この人員配置標準を見直す、検討するということは、やるので すか、やらないのですか。やるとしたら、いつ、どういう機関でやる予定な のでしょうか。 ○総務課長 前段のほうですか。 ○土屋委員 いちばん肝心の人員配置標準です。人員配置標準の一部ではな いですか、外来の患者数に応じてどうするかという話は。 ○総務課長 外来のほうは委員のほうから具体的にご指摘がありまして、見 直すべきだというのがあったものですから、他の看護師や薬剤師の問題と合 わせて、具体的な議論として出たものですから書いたということです。  前段は、ここにありますように「他の担保できる別の方策との組み合わせ」 とありますので、今回まとめようとしております情報の届出制度に基づく都 道府県による情報提供といったものがきちんと制度化されて、その運用状況 を見ながらご判断いただくのかなと、事務局としては受け止めておりました。 文面等どう書くかはこの場で議論いただければと思いますが、趣旨としては そういうことではないかと思います。 ○部会長 まだあると思いますが、後半もかなり重要な問題が含まれており ますので、15頁から26頁まで含めて、ご議論をいただきたいと思います。 ○松井委員 三上委員の修文はそれで結構なのですが、もしそのようにする のであれば、私としては12頁29行目「医療の安全や質の確保」、このぐらい の「質」と書くのではなくて、「現代の高度化した医療の質の確保を担保で きる」と、そういうことも含めておいていただきたいと思います。この議論 を行ったとき、この人員配置標準は昭和23年の時点での医療を考えて設けら れたもので、これが高度化した現代の医療の中で、これで十分だと考えるこ とができるのですか、できないのですか、ということを私としては申し上げ たつもりです。  したがいまして、四病協や医師会の主張をされるのは結構ですが、その前 段として、そういう点も踏まえた上でやっていただかなければ非常に困ると いうことだけ申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○部会長 それでは後段のほうで、特にご意見はありませんでしょうか。 ○龍井委員 2点あります。1つは、23頁から24頁にかけて検討会の報告が されております。ここは行政処分を受けた医師、それと24頁から25頁以降 は入口の議論になっています。私どもとしては、議論の中にもあった生涯学 習の重要性についてです。これは今回の課題として書き込んでいただくか、 あるいは、今後の12月に向けた検討課題の中で取り上げていただいても結構 ですが、議論の中では免許更新の話も出ました。ほかの免許は大体他にまた がってしまう課題でもありますし、何人かの委員も指摘された保険指定の段 階での見直しも十分にあり得る課題だと思っておりますので、是非、課題と して意識していただきたい。できれば項目として入れていただけたらという 要望が1点目です。  2点目は、25頁の最後の○、電子カルテ、レセプト電算処理も加えていた だいていますが、この書きぶりだけで本当に一歩進んでいくのかなという不 安はまだ残っています。これも最終に向けて、また諸外国の事例の検討も踏 まえて、是非追加していただきたいと思っています。すでに意見として出し ておりますが、ペナルティと言ったら言い過ぎですが、実施時期を決めたデ ィスインセンティブの検討も含めた今後の検討をお願いしたいという要望で す。 ○部会長代理 先ほど私が申し上げたことを局長が申されたように、25頁の 基盤整備の所にもし入るのであれば付け加えていただきたいと思います。そ れは「医療の水準を科学的に測るデータバンク整備」ということです。 ○国立病院課長 今のご意見については、25頁20行目「治験のみならず」、 ここの記載ですが、主語はナショナルセンターと書いてありませんが、こう いった問題についてはナショナルセンターで行うことが基本ではないかと思 っております。私からお答えしますが、例えばデータ・マネジメントや関係 職員の研修、さらには医療の科学的水準を判断できる体制の整備を検討する、 といった記載でよろしいのではないかと思っております。 ○部会長代理 これは臨床研究ではないのです。臨床研究ではなく日本のい ろいろな地区にある病院のアウトカムを比較する上での基盤整備、つまり300 項目ぐらいの臨床指標を正しく登録し、それをロジスティック解析をしオッ ズレイショーを出してという科学的操作で医療の水準を測る方法があるので すが、それが日本では整備されていない。やはり全国的なレベルを、それで 初めて地域間の差、施設間の差が比較されて、そして国民にディスクロージ ャーできるデータが出来上がると思っています。私の説明が悪かったために 委員との間にずれが起こっているような気がします。 ○部会長 ほかにはありませんでしょうか。 ○箱崎委員 23頁から24頁にかけて、いわゆる人材の養成と資質の向上の部 分です。文言ではなく、もし可能であれば追加をお願いしたいのです。医師、 看護師の足りない部分の論議や、地域偏在の議論がずっとなされてきたわけ です。歯科医師については、以前にも発言いたしましたが、いま実質的に過 剰の状況をどう解消するかが非常に大きな課題になっております。したがっ て、この中で、過剰という表現はともかく、歯科医師の需給バランスの部分 についての記載が、可能であれば、記載していただきたいと思っております。 ○部会長 具体的に、どこに、何を、どういうように入れるかもお考えいた だけますか。会議の終わるまでで結構です。 ○箱崎委員 考えておきます。 ○部会長 ほかにはいかがでしょうか。 ○杉町委員 15頁の「母子医療、救急医療、災害、へき地医療」に関してで す。現在このような不採算部門といいますか、経営的に成り立たない部門は、 政策医療として自治体病院などにはだいぶ担当していただいているわけです。 地方自治体も経済的になかなか苦しいので、地方自治体が病院経営をやめた り、病院をやりながらも不採算部門をできるだけ切り捨てようという傾向が あります。もし可能でしたら、17頁13行目以下の所に、1行でもいいですか らこのような文章を加えていただけたらありがたいと思います。それは「へ き地医療、救急医療、母子医療などの政策医療を担っている公的病院への支 援が必要である」と。不採算部門をやっている病院、特に地方自治体病院は 全体の85〜90%が赤字だと聞いております。このような不採算部門をやって いる所に、財政的な支援が必要であるということを書いていただけるのだっ たらありがたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○指導課長 医療計画でも今後その辺のところは配慮したいと考えておりま す。この部分の修文については後ほど考えたいと思います。ただし、公的病 院だけということについては、官民イコール・フッティングの立場から我々 としては問題ありと考えておりますので、その点はご理解いただきたいと思 います。 ○部会長 ほかにはよろしいでしょうか。ご意見がなければ1つだけ私から、 18頁20行目、診療科による偏在で、麻酔科の問題が出ていたように思うので すが、これは何か事情があって表に出さなかったのでしょうか。それとも、 忘れたということでしょうか。だったら書いていただきたいです。おそらく 麻酔科がいちばん医師が不足しているのではないかと思いますので。それで は、全体を通じてまだご意見はおありかもしれませんが、特にどうしても何 か言いたいという方がいましたら、どうぞ。 ○大橋委員 医師不足の件です。現実問題として地方では産婦人科と小児科 が非常に少なくて、公的病院ではない所もかなりあります。私は各市の市長 から「この医師不足をもっと訴えて欲しい」と言われており、非常に困って います。私は前にも提言したのですが、今日配付されている参考資料1に、 「医師の開業により地域公立病院等の医師不足が生じている現在、開業前に 地域公的病院への勤務を1、2年義務付けるようにすれば地域公的病院等の 医師不足が解消される」。いわゆる、開業医免許制度の創設をしていただく ことを検討していただき、その中に書いていただければありがたいと思うの です。是非、その点を入れていただければと思っています。 ○部会長 わかりました。 ○松井委員 非営利の検討会での報告を簡単にご説明いただいたのですが、 21頁のいちばん下の「なお書き」以下の所に、具体的に「持ち分」の取扱い と、医業経営の継続性の確保云々と、この辺をもう少しわかりやすく解説し てもらえるとありがたいのです。なぜならば、「新制度に移行するに当たっ てはと」、その前に「移行しない場合について自主的な取組み」と書いてあ るのですが、その「持ち分」をどういう取扱いにしていこうと検討会でなっ たのか、その辺の解説をお願いしたいのです。 ○指導課長 先ほどの説明の中で時間がなかったものですから省略をいたし ましたが参考資料2の63頁をご覧ください。現在医療法人制度は、特定法人、 特別法人、財団や社団など大きく4つに分かれております。こうしたものに ついて今後いくつかの要素・要因といいますか、非営利性の問題、公益性等 々、そういった要件を踏まえて移行していただきたい、右のほうの形に移っ ていただければというのが検討会の報告でした。  その結果、ざっと申しますと、64頁の上のほうに、、持ち分ある社団医療 法人というのと、その右のほうに特別法人、特定法人と網掛けたものがあり ます。大きく分けて持ち分ある社団医療法人がどうなるかがいちばん大きな 問題なのですが、今後は残余財産の帰属先について、基本的には、いちばん 望ましいといいますか、非営利を徹底させるという意味からすると、今後公 益性の高い医療法人という新たな類型をつくり、残余財産の帰属先を国、地 方公共団体または他の類似の医療法人という形で定款で定めていただく。そ ういう形の取決めをして、1つの類型をつくっていく。  片や、従来から持ち分のある、既存のものについては、当分の間というこ とですが、法施行後も当分の間についても一応残れる。もちろん、少しでも 公益性の高い法人に移っていただきたいということもありまして、出資額限 度法人の下に書いてありますが、こうした形で拠出はするのですが、拠出の 限度で返還をしていただく、要求できると。それ以上はできないという形も 作るわけです。  法律的には2つの類型にしますが、基本的には、既得権といいますか財産 権もありますので、当面の間は持ち分のある医療法人も残るような形にして いこうか、というのが検討会報告書の骨子です。 ○部会長 いろいろご意見をいただいてありがとうございました。今後の手 続は、本日の議論を踏まえ事務局でもう一度、最終的な修正をしていただき、 そのまとめを一応、部会長として確認をさせていただいた上で、部会の中間 のまとめにさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、皆様方の大変熱心なご審議により、昨年9月からスタートし、 この夏に中間まとめを行うという当面の任務は果たしたということになりま す。今後の部会運営について、事務局から説明いただきたいと思います。 ○総務課長 ご熱心なご討議ありがとうございました。今後の医療部会です が、8月はお休みをさせていただき、9月から審議を再開させていただきま す。残された検討課題について、年末に向けて更にご議論をお願いしたいと 考えております。  また、中医協の在り方の見直しに際し、診療報酬改定の基本方針は社会保 障審議会の医療部会、当部会ですが、あるいは医療保険部会で審議をするべ きではないか、といった指摘をされております。したがいまして、再開後は この診療報酬との関係についても、ご審議をお願いすることになろうかと思 います。そこでこのことに関して、本日は保険局医療課長が当部会に出席し ておりますので、よろしければご説明をさせていただければと思います。 ○部会長 では、お願いいたします。 ○医療課長 保険局医療課長です。参考資料2の100頁をお開きください。 できるだけ簡単にご説明をいたします。100頁は表紙で「中医協の在り方の 見直しについて」と、本日付で資料をご用意させていただきました。中医協 の在り方見直しの有識者会議の概要については、103頁に「中医協の在り方 に関する有識者会議メンバー表」がございます。検討項目としては6項目あ ります。項目は記入してありますので説明は省略いたしますが、この6項目 について有識者会議でご議論をいただきました。ご議論をいただいた経緯は 104頁で、2月に第1回会議を開催し、7月20日までに7回開催いたしまし た。この7回すべてに尾辻厚生労働大臣自ら出席をされて、なおかつ、これ を公開しておりましたので100人以上の傍聴者のもとに議論がなされました。  その結果は、報告書本体の105頁以下に付けておりますので後ほどご参照 いただくことにしまして、2枚程度にまとめましたので101頁をご覧くださ い。特に本医療部会に関係あるところを重点的にご説明をいたします。101 頁の1、「中医協の機能・役割」のところで、有識者会議で決めていただき ましたことは最初の○ですが、診療報酬改定の改定率については、予算編成 過程を通じて内閣、政府が決定する。これは従前からこのとおりだったので すが、さらに確認をしたということです。  診療報酬改定にかかわる基本的な医療政策の審議は、社会保障審議会の医 療保険部会及び医療部会、この部会ですが、ここに委ねて、中医協において は、ここで決められた基本的な政策の範囲内で、あるいは、内閣で決定され た改定率の範囲内で診療報酬点数の具体的な点数について議論を行うと定め ております。従来、諮問・即日答申でありました診療報酬点数については、 日にちをあけるというようなことで決まっております。  2は、これはいまの委員構成を見直して公益委員の機能を強化するという ことです。具体的には公益委員を増やすということです。診療側8名のうち 医師を代表する委員が5名現在いるわけですが、そのうち2名を病院の意見 が反映できる医師とすると決められております。「その他」、中医協が診療 報酬点数の改定を答申する過程で国民の意見を募集します。  4番目、「改革の進め方」においては、お決めいただいても、例えば先ほ どの中医協委員の数については社会保険医療協議会法という法律を改正する 必要がありますので、これは時間がかかります。通常国会まですぐにはでき ません。そういったことはともかく、すぐできることは早くするということ で4番目に書いております。先ほど診療側委員5名のうち2名が病院代表と 申し上げました。それはどのように選ぶかというのは、有識者会議では具体 的なことが書いていなかったので、この会議の後、厚生労働大臣が記者会見 をされて、※を付けております4点を皆様に説明をしたという経緯がござい ます。以上です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまのご説明に関して、何かご質 問がありますか。 ○龍井委員 1点だけお願いします。最後のご説明にあった点ですが、有識 者会議でまとめられた段階では具体的に示されていなかったのが、102頁の 「会見で示された方針である」と。これは我々としては、有識者会議の報告 書の結論を大臣が示した方針を含めたものが、正式な方針として受け止めて いいのですか。方針と書かれていますので、どの程度の権威といいますか、 オーソライズされたものかということです。 ○医療課長 有識者会議の報告書本体の中には、5名のうちの2名の推薦の 仕方は特に書いてありません。ここは委員の中でも意見が分かれておりまし て両論が並記されております。ただ、両論が並記されておりますが、透明な プロセスで国民の意見が反映されるような、国民の目に見える形で、病院代 表が選出される方法を行うべきだ、という書き方になっておりますので、当 然そのことについて有識者会議が終わった後で質問されまして、記者会見の 場で大臣がお答えになったものです。それが具体的に102頁に書いてある細 かいことでございます。  したがいまして、これはあくまで有識者会議でお決めいただいた手続では なく、厚生労働省が大臣の指示で、事務方としてこのようにしたい、という ことを皆様に発表しました。ただ、この記者会見には有識者会議の座長も同 席されており、その点について記者の方から質問され「有識者会議の結論と 大臣が説明した内容に齟齬があるのか」という質問に対して、座長は「有識 者会議での報告書の実現の仕方には何通りもあるけれども、いま大臣が説明 されたのもその1つと考えている」と。そういう意味ではオーソライズされ ております。 ○部会長 ほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本 日予定しておりました議事は以上でございます。「中間まとめ」という形で 部会の議論も一区切りつきましたので、最後に医政局長から一言、ご挨拶を いただきます。 ○医政局長 昨年9月から15回ということで、3月以降は月2回のペースで ご審議いただきまして大変ありがとうございます。おまとめいただきました 中間報告を踏まえて、今後さまざまな対策をとりたいと思います。特に医師 確保の問題については、特に関係省庁、文部科学省、総務省と一緒になり、 早急に実現できる方策を取りまとめるということで頑張りたいと思います。 その他の事項について、特にこの時期におまとめいただいたということです ので、来年度の概算要求、税制改正要望には取り組んでまいりたいと思いま す。  秋以降の論点ですが、ここに書いてあることを今度は個別に、法改正の必 要なものということで議論していただきます。いま保険局のほうからご説明 ありましたように、実は、この審議会に1つ仕事が増えたといいますか、診 療報酬との関係でご議論いただくことになります。私どもこの委員会で議論 していて、委員の皆様もお感じでしょうが、医療法での制度設計のほかに、 どうしても診療するということによって得られる診療報酬との関係で、地域 の医療ですとか、あるいは不採算の医療ですとか、そのようなものを誘導し ていかなければならない。そのときに、私ども保険制度と医療法は車の両輪 と思っております。片方を無視して議論しても、どうも実効性がないのでは ないかという気がしております。  例えば、へき地に医師が勤める話にしても、公立病院で24時間、あるいは 36時間仕事を休みなくやるような人にしても、給料の問題と診療報酬の体系 をどうリンクさせていくのかを考えていかないと、医療関係者のインセンテ ィブに働かないだろうと思っております。そういう意味で、こういう形で中 医協の在り方委員会からの報告書をいただいたということで、是非、9月か ら、より一歩、まさに国民のために、患者のために新しい医療法を考えてい こうという中で、そういう観点からのご議論というのも、今後積極的にお願 いできればと思っております。  本日は、とりあえずの「中間まとめ」ということですが、おまとめいただ きまして本当にありがとうございました。また、秋からよろしくお願いいた します。 ○部会長 どうもありがとうございました。本日はこれで終わりにしたいと 思います。なお、部会長としてはいろいろ失礼な、ご発言を抑えたり、時間 を催促したりで大変申し訳なかったと思います。お詫びをしておきます。  最後に事務局から今後の日程等についての説明がございます。お願いしま す。 ○企画官 次回の日程は、先ほど申し上げましたとおり次回は9月からとい うことになります。9月以降の日程については、また改めて予定させていた だきますのでよろしくお願いいたします。以上です。 ○部会長 それでは、これで閉会にいたします。どうもありがとうございま した。 照会先 医政局総務課 山口、野崎 連絡先:03−5253−1111(内線2518)