05/07/27 労働政策審議会雇用均等分科会第49回議事録            第49回労働政策審議会 雇用均等分科会 1 日時:2005年7月27日(金) 14:00〜14:33 2 場所:厚生労働省専用第21会議室 3 出席者:    労側委員:吉宮委員、岡本委員、篠原委員、片岡委員    使側委員:川本委員、吉川委員、前田委員、山崎委員、渡邊委員    公益委員:横溝会長、樋口委員、今田委員、佐藤(博)委員 ○横溝分科会長  ただいまから第49回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。  本日のご欠席は、奥山委員、林委員、佐藤孝司委員のご三方でいらっしゃいます。  それでは、早速でございますが、本日の議事に入ります。本日の議題は、「男女雇用 機会均等対策について」と「その他」がございます。  まずは、「男女雇用機会均等対策について」から始めたいと思います。本日は、前回 に引き続きまして、これまでの審議状況について、中間的な取りまとめについてご議論 をいただくことになっております。それでは、事務局から資料についてご説明をお願い いたします。 ○石井雇用均等政策課長  それでは、私の方から資料の説明をさせていただきます。  前回、第48回雇用均等分科会におきまして、労働政策審議会雇用均等分科会における 審議状況の案をお示しいたしまして、様々なご意見をいただいたところでございます。  本日は、いただきましたご意見を踏まえて、修正したものをここに資料1として提出 をいたしております。前回、大筋についてはご異論がなかったと思っておりまして、説 明といたしましては、前回から内容面で変更をした修正点について、資料に沿って順次 ご説明をさせていただきます。  まず、資料をおめくりいただきまして、1ページ、2ページ、3ページは内容面での 変更はございませんでしたので、4ページをご覧いただければと存じます。  「男女雇用機会均等の確保について」で始まるところでございます。この4ページの (1)「男女双方に対する差別の禁止」の2つ目のパラグラフの最後のところに、1点 修正を加えております。最後のセンテンスでございますけれども、「他方、男性につい ても同様の扱いとすることを含め、さらに慎重な議論が必要であるとの意見も出された 」と、ここを追加いたしております。  また、その次のパラグラフにおきましては、2ヵ所修正がございます。  まず、そのパラグラフの上から2行目、右の方からでございますが、「人間らしいバ ランスの取れた働き方とするために」、これを追加いたしております。  それから、このパラグラフの下の方でございます。下から4行目で、「また」から始 まるところでございますが、ここにつきましては、修正文をそのまま読み上げますと、 「また、均等法には『仕事と生活の調和』に関する具体的措置規定がなく、仮に規定し ようとすれば、法律の内容を大幅に変更することになることから、均等法の目的・理念 に規定することは適当ではないとの意見が出された」としております。下から3行目の ところを主に追加をいたしております。  次にまいりまして、5ページでございます。(3)の「間接差別の禁止」のところで ございます。ここは、文章が少し重たいということで、順番を入れかえてほしい、さら には、間接差別の説明については研究会の報告書の中から持って来てはどうかというこ とでございまして、そのように直しております。読み上げますと、「平成9年の均等法 改正時から検討課題とされた間接差別の禁止については、以下のような意見を踏まえ、 引き続き検討することとなった。なお、間接差別とは、一般的に、外見上は性中立的な 規定、基準、慣行等(以下「基準等」という。)が、他の性の構成員と比較して、一方 の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその基準等が職務と関連性がない等合 理性・正当性が認められないものを指し……」、でございます。そして「いわゆる結果 の平等とは異なる概念であることを確認した」とつなげております。  続きまして6ページでございます。(4)の「差別禁止の内容等」、ここにおきまし ても2ヵ所修正をしております。  「差別禁止の内容等」では、まず上から5行目のところ、(2)に始まるところでござ いますけれども、「仕事の与え方及びその他の労働条件全般で捉えることとすべきであ る」というふうにしております。労働条件全般と仕事の与え方をもっと明確に切り分け てほしいというご趣旨であったと受けとめております。  それから、(3)の指針上の「雇用管理区分」についての意見のところで、「差別認定 の判断を制約する」と、こうした言葉を補っております。ここが「差別禁止の内容等」 についての修正点でございます。  それから、(5)の「ポジティブ・アクションの効果的推進方策」でございます。こ れも(5)の一番最後のところに1つ追加をいたしております。(5)のところの下から 2行目右の方でございますが、「事業主の自主的取組を促進すべきであり」のあと、 「行政は一層の周知を行うことが必要である」という部分をつけ加えております。  それから、(6)の「セクシュアルハラスメント対策」でございます。ここにつきま しては、上から3行目、(1)のところに「セクシュアルハラスメントは人権侵害であり 」という言葉を補っております。また、「予防義務、事後対応義務」と書いているとこ ろの前に、「適正な」という言葉を追加してほしいということでございまして、これも 追加をいたしております。  それから、7ページでございます。(7)の「男女雇用機会均等の実効性の確保」の ところで、これもこの項目のところの下の方でございますが、「これに対し」で始まる パラグラフのところ、(2)としまして「行政は現行の様々な制度について一層の周知に 努めるべきである」を追加いたしております。  1については以上でございまして、2の「女性保護、母性保護」の関係では、8ペー ジに2ヵ所修正を加えております。資料の最後のページになります。  母性保護に関しての意見のところで、より具体的な事象をつけ加えてほしいというご 意見でございまして、「また、母性保護に関し」のあとに、「墜落のおそれのある高所 や土砂崩壊のおそれのある場所」というのを追加いたしております。  もう1つ追加がございまして、最後の方でございますけれども、「就業禁止とすべき であるとの意見が出されたほか、出産手当金の給付率を上げるべきであるとの意見が出 された。」というのを追加いたしております。これは5ページに同様のものがございま すが、2ヵ所書いてほしいというご意見でございましたので、少し簡略化いたしました が、盛り込ませていただいたところでございます。  説明は以上でございます。 ○横溝分科会長  ありがとうございました。ただいま、前回のご意見、ご議論を入れまして文章を修正 したご説明がございましたが、これにつきましてご議論いただきたいと思いますが、い かがでしょうか。  どうでしょうか。ご意見ございませんか。何かあっけないような気もいたします。そ れだけ皆さんの意見を入れて事務局でまとめていただいたということだと思いますが。  それでは、ご発言がなければ、本日提示いたしました案で中間取りまとめといたした いと思いますが、よろしゅうございますか。  それでは、異議なしということにさせていただきます。  中間取りまとめの今後の取り扱いにつきまして、事務局の方から説明をしていただき たいと思います。 ○石井雇用均等政策課長  今後の取り扱いでございますが、この分科会におきましては、早い時点から、意見募 集、パブリックコメントをすべきというご意見があったところでございまして、あらか じめ申し上げておりましたように、今後、「労働政策審議会雇用均等分科会における審 議状況」というこの中間取りまとめをお示しして、意見募集を行うことを予定いたして おります。  期間といたしましては、ホームページに掲載する手続に必要な日数がございまして、 それを見込みまして、8月1日から1ヵ月間、メールまたは郵送で受け付けたいと思っ ております。これは最近の意見募集の実施方法にならうものでございます。  また、いただきましたご意見は、過去の例同様、取りまとめた上で当分科会に資料と してお配りをし、議論に反映できるようにしたいと考えております。  前回、岡本委員のご発言もございましたが、意見募集につきましては記者発表も行 い、周知をしたいと考えております。 ○横溝分科会長  それでは、次の「その他」について事務局からご説明をお願いいたします。 ○麻田職業家庭両立課長  それでは、「その他」ということで、「一般事業主行動計画策定届」の届出状況につ いてご説明いたしたいと思います。資料No.2をごらんいただきたいと思います。  今年の4月1日から、次世代育成支援対策推進法が本格的に施行されまして、301人 以上の企業につきましては、一般事業主行動計画の策定をしまして届出をするというこ とが義務づけをされました。また、300人以下の企業につきましても、努力義務という ことになっております。  当分科会におきましては、4月末の状況の取りまとめを一度ご報告いたしたところで ございますけれども、6月末につきましても全国の状況を取りまとめまして、対外的に 発表いたしましたのがこの新聞発表資料でございますので、これに基づきましてご報告 をいたしたいと思います。  全体的な状況でございますが、6月30日時点におきまして、届出企業数が全国で8,200 社超となっております。このうち301人以上の企業数が約7,450社、300人以下の企業数 が800社となっております。義務づけをされております301人以上の企業について見ます と、全国で、これは各労働局で把握している数を足し上げたものでございますが、およ そ1万2,000社ございまして、そのうちの約6割、59.5%の企業が既に届出を出してい るという状況でございます。参考までに、4月末では36.2%でございましたので、この 2ヵ月間に相当次世代法に基づく届出が行われたということかと思っております。  それから、届出をした企業が認定申請を希望するかどうかということで、その状況を とっておりますけれども、301人以上の届出企業では1,800社、全体の24.3%、それから 300人以下の企業では全体の32.3%が認定申請予定ありというふうにしておりまして、 ざっと申しまして、届出企業の4社に1社が認定を目指しているというような状況でご ざいます。  それから、都道府県別の状況でございますが、1枚おめくりいただきまして2ページ をごらんいただきたいと思います。一番左側のAの欄が301人以上の企業数、そして右 から2番目のBの欄が届出をした301人以上の企業数、BをAで割った301人以上企業の 届出率というのが一番右の欄でございます。  届出率を見ますと、全国的にあまり際立った特徴はございませんで、かなりばらつき がございます。一番高いところで96.9%、一番低いところで42.6%ということで、ばら つきが見られておりますけれども、80%以上の都道府県が全体で16ということでござい まして、全体の3分の1以上が8割以上の届出率になっているという状況でございま す。しかしながら、例えば東京都、埼玉県、神奈川県というような首都圏を中心に、50 %にまだ達していないところがありまして、若干こういうところが届出率が低くなって いるという状況でございます。  以上が全体の状況でございますが、次に3ページにまいりまして、規模別、産業別の 届出の状況を申し上げたいと思います。これにつきましては全国の状況を把握ができま せんでしたので、6月17日までに東京労働局に届出がなされました1,653企業につきま して分析をしております。  第1図をごらんいただきたいと思います。これが規模別の届出状況でございまして、 規模が大きいほど届出率が高いというような関係がはっきりと見てとれます。  次に第2図をごらんいただきたいと思います。これが産業別の届出の割合でございま すけれども、電気・ガス・熱供給・水道業、あるいは金融・保険業といったところで高 くなっているという状況でございます。  次に計画の内容でございますが、4ページの方をごらんいただきたいと思います。ま ず、計画の期間でございますけれども、認定を受けるという企業の場合には、2年以上 5年までという長さでつくるということになっておりますが、実際に出てきた計画を見 ますと、2年もの、3年もの、5年ものが多くなっております。  それから、計画に目標を掲げて取り組みを明示することになっておりますが、その取 り組みの内容を5ページの方にまとめております。実際に取り組みとして掲げられた事 項はこれで全部ではございませんので、多く取り組まれている事項ベスト10ということ で拾いましたのがこの第4図でございます。目標や取り組みとして一番多く掲げられて おりますのが、「育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備」、その次が 「育児休業や時間外労働の制限など諸制度の周知」、3番目、4番目に時短関係がまい りまして、「所定外労働の削減」「年次有給休暇の取得の促進」ということで、以下、 両立関係の施策が多くなっているという状況でございます。  大変簡単でございますが、以上でございます。 ○横溝分科会長  これにつきまして、ご意見とかご質問があればお願いいたします。 ○篠原委員  たしか、46回だったように記憶しているんですけれども、お願いをしたご報告、あり がとうございました。今ご報告をいただきましたように、4月から6月までの2ヵ月間 ということで、301人以上の企業の届出が6割というふうな報告がありましたが、これ は私見になりますけれども、思った以上に多かったのかなという感じを受けておりま す。  ただ、その中でということになりますが、ちょうど今ご説明をいただきました1ペー ジ目の四角の枠の中にありますように、301人以上の企業で認定申請予定が24.3%、そ れと301人以下の企業で認定申請予定がありというところが32.3%ということになって おりまして、義務化というところの方が認定マークをとりたいというのが下回っている という状況になっています。もちろん、行動計画をつくることとか認定マークをとると いうことが目的ではなくて、行動計画をいかに実行していくかという点がこれからは重 要な点になると思います。行動計画をつくったから終わりとか、認定マークをとったか ら終わりということではなくて、組合としても積極的にこれからもますますかかわって いきたいと思っておりますので、さらに厚生労働省としても指導していただくようにお 願いを申し上げたいということと、あとは、さらに301人以上の企業へは義務化という ことになっておりますので、100%ということになるように引き続き指導をお願いした いという2点をお願いしたいと思います。 ○横溝分科会長  片岡委員。 ○片岡委員  1点質問です。都道府県別の届出状況を見ますと、東京都は301人以上の企業数が全体 の3割を占める中で一番低い届出状況ということで、これを上げていくことが非常に重 要だなと感じました。  それで、例えばこれは、今回6月現在と伺ったわけですが、企業に対して状況把握を されたり、その後のフォローというのは何か予定をされているのか、もし教えていただ ければ伺いたいと思います。 ○麻田職業家庭両立課長  各労働局の雇用均等室におきまして、次世代法に基づく行動計画の策定について、か なり重点的に企業に対する働きかけ、指導を行っております。特に今年の6月以降でご ざいますけれども、すべての未届企業に対して、個別に訪問をするなり、呼んで集団指 導を行うなり、あるいは電話等々によりまして個別に督促指導というのを行っておりま すので、各企業が出しているか出していないかということは完全に把握をした上で、個 別に早く出すように督促をしていくというようなやり方をしておりますので、今後と も、出しているかどうかというフォローはきちんとやっていく予定でございます。 ○横溝分科会長  吉宮委員。 ○吉宮委員  301人以上の企業が1万2,531となっていますけど、これはどういうものをベースにし て算出しているんですか。各都道府県で把握しているものとおっしゃいましたが、デー タはどこから、ちょっと少ない感じもしないでもないんですが。  それから労働者の数ですが、1万2,531の企業の労働者の数がわかれば。 ○麻田職業家庭両立課長  まず、301人以上の企業の把握方法でございますが、実はこれは各労働局で大変苦労 をしているところでございます。労働行政としての長い積み重ねの中で、各局が企業と いろいろ接触をする中で、301人以上の企業を把握しているというところでございます。  特に、地方の局ですと、301人以上の企業というのはかなり大きな企業でございまし て、どこが301人以上かということは、大体わかっているわけでございますので、そう いうような今までの積み重ねをもとに、各局が工夫をして把握をしているというところ でございます。  それから、届出をしている301人以上企業の労働者の数ということでございますが、 これはちょっと把握ができておりません。申しわけございません。 ○横溝分科会長  吉宮さん、よろしいですか。ほかにないでしょうか。 ○岡本委員  同じような意見になってしまいますが、私は、届出率が301人以上の企業で6割とい うことは、及第点はとれてないのではないかというふうに、つまり、60点ということで すから、普通であれば親から怒られるような点数じゃないかなと思います。10年間の長 い間の取り組みになりますから、通常は、最初のころは企業としても、また組合として もきちんと取り組もうという意欲を持つものですが、だんだん年数がたっていきますと そこが薄れていくということになると思いますので、やはりスタートがとても大事だと 感じております。ぜひ、先ほどからお話が出ていましたけれども、きちんとしたより一 層の指導をお願いしたいと思います。 ○吉宮委員  認定マークをとれた場合、時期としては一番早い時期でどのぐらいですかね。何を申 し上げたいかというと、認定をされた企業は、マークを発行したり、何かもう少し社会 的に褒めてあげるみたいなことを考えたらどうかと、前ちょっと意見を述べたことがあ るんですが、その辺は何か検討されていますか。 ○麻田職業家庭両立課長  まず、一番早い認定がいつになるかということですが、認定の対象になる計画は2年 以上の計画ということですので、平成17年の4月1日から直ちに取り組んだという場合 には、平成19年度の頭に認定が出てくることになります。一たん認定を受ければ、商 品、あるいは求人広告、名刺、封筒にマークをつけることができますので、一番早い例 で、19年度の初めから認定マークをつけることができる。そういうことによって取り組 みが社会的に評価をされる、というふうなことを考えております。 ○片岡委員  1点要望で、可能な範囲で結構ですけど、労使で交渉をして、初めどう取っかかって いいかわからなかったというところでも、現場の声を聞こう、それで率直に自分のとこ ろの行動計画をつくろうと、そうやったところでは、働く人の働き方の環境をみずから 変えるということにつながるという例が、大変限定的な例で恐縮ですけれども、加盟組 合の中でありました。一方で、現場の実態に即してどういうものをつくるかということ の参考事例が出てくると、なお自分たちの中でそれを参考にということは、働く側だけ でなく、会社サイドにもあるんだなというのも感じました。  それで、内容を公表することはできないとたしか初めのころのご議論であったと思い ますが、よく行政がこういう事例がありますよというサンプルを紹介されることが多い と思うんですけど、指針で表したもの以外でも、こういうことをやっているとか、そう いうものがあれば取り上げていただくと、これから取り組むところには参考になるなと 思います。その点で、可能な範囲でそういう事例を今後も出していただけたらという要 望です。 ○横溝分科会長  それはそれでよろしいですね。  ほかはいかがでしょうか。ございませんか。  ほかにご発言がないようでしたら、本日はこれで終了させていただきたいと思います が、よろしゅうございますか。随分早く終わってしまいましたけれども。  署名委員は、労側は篠原委員、使用者側は川本委員にお願いしたいと思います。よろ しくお願いいたします。  事務局から、今後の予定についてお話しいただきたいと思いますが。 ○石井雇用均等政策課長  次回の開催につきましては、日時、それから場所ともに調整中でございますので、決 まり次第、ご連絡をさせていただきます。 ○横溝分科会長  よろしいですね。  では、本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。            照会先:雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課法規係(7836)