05/07/13 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１７年７月１３日議事録


０５／７／１３　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　第６３回診療報酬基本問題小委員会議事録

(1)日時　　平成１７年７月１３日（水）１０：００～１１：３２
(2)場所　　東海大学校友会館「阿蘇の間」
(3)出席者　土田武史委員長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員 　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　　　　 櫻井秀也委員　松原謙二委員　黒﨑紀正委員　漆畑稔委員
　　　　　 岡谷恵子専門委員
　　　　　 ＜参考人＞
　　　　　 池上直己分科会長
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　中島審議官　麦谷医療課長　石原調査課長　　他
(4)議題　　○慢性期入院医療の包括評価調査分科会の平成１６年度調査の結果等について
　　　　　 ○制限回数を超える医療行為について
　　　　　 ○高度先進医療の見直しについて
(5)議事内容

○土田小委員長
　それでは、ただいまより、第６３回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員
会を開催いたします。
　まず最初に、委員の出欠状況について御報告いたしますが、本日は、全員が御出席で
す。
　議事に入らせていただきます。
　まず、「慢性期入院医療の包括評価調査分科会の平成１６年度調査の結果等」につい
て議題にしたいと思います。
　本日は、同分科会の池上直己分科会長に御出席をいただいております。早速ですが、
それではよろしくお願いいたします。

○池上分科会長
　慢性期分科会長を拝命しております池上でございます。
　それでは早速、お手元の資料、中医協診－１に沿って、これまでの経過をまず御報告
申し上げたいと思います。それでは、診－１に沿って読み上げさせていただきます。
　１．背景
　平成１５年３月に閣議決定された「医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本
方針について」において、慢性期入院医療については、「病態、日常生活動作能力（Ａ
ＤＬ）、看護の必要度等に応じた包括評価を進めるとともに、介護保険との役割分担の
明確化を図る」とされたところでございます。
　２．これまでの検討について
　そして、これに沿って当分科会では検討を行いまして、本基本問題小委員会の付託を
受け、慢性期入院医療について、患者特性や医療提供状況等に応じた慢性期入院の包括
評価を行うための検討を行ってきており、平成１６年１１月には基本問題小委員会に中
間報告を行い、「慢性期入院医療の包括評価に関する平成１６年度調査」の実施につい
ての御了承をいただき、平成１７年２月～３月にかけて調査を実施しました。
　その後、平成１７年３月３１日、５月１１日及び６月３０日に開催された同分科会に
おいて、その調査結果（別添１参照）を報告するとともに、これまでに提案された患者
分類案（日医総研による「長期療養者に対する新しい支払い方式」、健康保険組合連合
会による「急性期以外の入院医療に対する新しい支払い方式」等）を参考に、医療提供
実態を反映した医療区分と、ＡＤＬ自立度等を反映したＡＤＬ区分によるマトリックス
の「患者分類試案」を作成しました。（別添２参照）
　それでは、そこまでのところで、別添１について簡単に御報告させていただきたいと
思います。
　目次にございますように、調査結果の概要と調査結果から構成されています。時間の
関係で少しはしょりますと、１ページめくっていただいて調査の概要については、ま
ず、目的については先ほど読み上げたとおりでございます。調査対象病院としては、療
養病棟入院基本料を算定している病棟、療養型介護療養施設サービス費を算定している
病棟、特殊疾患療養病棟入院料（１、２）を算定している病棟、一般病棟入院基本料
（老人一般病棟入院基本料）II群３を算定している病棟及び、タイムスタディ及びコス
トについては調べませんでしたけれども、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定
している病棟、これらの病棟を、それぞれの所在地、病床規模により層化抽出した結
果、８９の病院を調査対象としました。
　調査の内容は、１ページめくっていただきまして、大きく分けまして、１番目に患者
特性調査票、２番目にタイムスタディ調査票、３番目にコスト調査票より構成されてい
ます。これらは関連しておりまして、このタイムスタディ調査票とは、その患者から発
生するコストのケアに係る人件費部分でございまして、この１の患者特性を持った患者
が、どのようなケアを各職種から受けているかと。そして、各患者ごとにそれぞれ名寄
せした形でケア時間、つまりケアコストを算定しておりまして、そしてこのケアコスト
が全体のその他発生する経費等のコストの中にどのくらいのシェアを占めているかとい
うことを調べるために、コスト調査を行いました。したがいまして、患者特性調査票に
おける患者の特性と、そしてタイムスタディが行われた日が一致するようにして、特性
と患者調査の関係を見出そうとしたわけでございます。
　調査結果については、かなり詳細にわたっておりますので、概要だけを申し上げます
と、１ページめくっていただいて３ページに患者特性調査がございまして、それが合計
６，８２４人、そのうち４割が医療保険の療養病棟でございます。
　続きまして、４ページ、疾患名としては高血圧、脳梗塞、アルツハイマー型以外の認
知症、片側不全麻痺など、これはほぼ類似の疾患名が複数回答されております。
　次のページ、５ページに参りまして、処置・治療の内容、これも複数回答でございま
すけれども、ｃの胃瘻、腎瘻、人工肛門などの瘻の処置、あるいは吸引、膀胱留置カテ
ーテルなどが比較的高率に上がって、これも病棟の種類に多少はありますけれども、回
復期リハは別として、ほぼ同じような構成となっています。
　それから、在院日数については下の表にございますように、３０日以下、３０日から
１２０日以下、あるいは１２０日、それから１８０日超ということでございますけれど
も、介護療養と特殊疾患がやや長めということでございます。
　続きまして、次のページにＡＤＬ得点、どのくらいの援助を行っているかということ
を見たわけでございまして、右端のＡＤＬ２３～２４というのが最も重いわけでござい
ますけれども、特殊疾患療養病棟が一番重いという構成で、回復期リハは一番軽いとい
う状況にございます。
　続きまして、下がＣＰＳといって、これは認知機能、いわゆる認知症の程度を示して
おりまして、右端に行くほど、つまり６というのが一番重いところでございまして、こ
れもＡＤＬとほぼ同様の傾向が見られております。
　恐縮ですけれども、続きまして、タイムスタディについては、回復期リハビリテーシ
ョンについてはほぼ均一であると思われるために、それを除きました５，５７２名につ
いて患者特性を調査した日にあわせてケアの時間を調べまして、その５，５７２名につ
いて、次のページをごらんいただきますと、１日当たりの各患者がそれぞれどのくらい
のケア時間を受けていたかと。最初のが実時間でございまして、大体１５０分、２時間
半程度となっております。これを単に時間だけではなく、その職種によって人件費が違
いますので、看護師の平均給与を１．０として重み付けしたケア時間を見ますと、若干
それより少ない２時間程度の時間となっております。
　こういうことがどういう意味があるかということで、次のページ、９ページをごらん
いただきますと、例えばレスピレーターの装置の有無によって、レスピレーターの装置
がおありの患者様には、有りが１８３分に対して無しが１１５分。経静脈栄養、これは
５０％以上がそこから栄養をとっている等の条件を加えますと、有りが１７２分、無し
が１１３分ということで、医療処置の程度によって違いがあることが明らかにされまし
た。当然ながら、ＡＤＬの区分に応じて、重いほどケア時間が多いですし、有り・無し
を大きく３点以上で分けますと、認知機能障害がある方がケア時間が長くなっておりま
す。
　そして、最後１０ページに参りまして、コスト調査によりますと、この８０病院につ
いて行いましたところ、全体のコストの約半分強が人件費となっておりまして、それを
図示しましたのが次のページにあります病棟種別別患者１人当たりの費用でございまし
て、人件費のほかの材料費、委託費、設備関係費等はほぼ同じ割合になってございま
す。そして、コスト的には１日当たり２万円を若干下回る金額となっております。
　以上が調査の結果でございまして、恐縮でございますけれども、続きまして、患者の
分類試案に参りたいと思います。お手元の資料、診調組慢－２、別添２に沿ってお話し
いたしたいと思います。
　分科会において、まず診療報酬の対象として医療保険の対象病棟でございますので、
医療区分から設定するということを決めました。次に、各ＡＤＬ区分に該当する患者の
ＡＤＬ自立度について分けることにしました。それぞれ３ランクを設けて、下の図のよ
うなマトリックスとしまして、さらに医療区分１について、いわゆる動ける認知機能障
害の患者さんに対する追加的にかかるコストを加算の形で見るという基本モデルを考え
まして、これに沿って分類していったわけでございます。
　それは具体的にどうなりますかというと、次のページをごらんになっていただきます
と、やはり医療の程度でまず分類して、したがいまして、右端の緑のＡの医療高度、中
度、それから中度以外という形でまず分類しまして、そしてその上でＡＤＬの程度に応
じて分けていくという考え方であります。
　具体的な区分については、３ページにございますように、それぞれの患者特性や処置
の内容に従いまして、医療区分３、医療区分２について２つ、これまでの選考した２つ
の調査結果及び今回の調査結果を踏まえて、およそこの医療区分の分類基準をこの図の
ように作成いたしました。まだこれは試案でございまして、今後は１７年度調査を行う
前においても再度検討する予定となっております。
　続きまして４ページに参りまして、医療区分の区分の方法については、ＡＤＬをベッ
ド上の可動性、移乗というのは、例えばベッドから車椅子、車椅子から便座に移すこと
を移乗と申しますけれども、あるいは食事の介助の程度、トイレの使用ということで、
この自立から動作無しの７段階の単純得点で、どこで分岐すれば一番いいかということ
を、統計的、臨床的に検討しましたところ、０～１０点、１１～２２点、２３～２４点
ということで区分を設けまして、ＡＤＬの区分をいたしました。
　続きまして、認知機能障害の加算については、先ほど御説明したＣＰＳに基づいて、
７段階を２つに、３以上と２以下に分けて、それぞれ加算の対象にしました。
　このように分類しました結果、５ページに御説明しますように、３，７８９件の患者
さんのデータを分析して、この分類案によってどの程度重み付けされたケア時間が説明
されるかを分析しましたところ、２７．３％といったところで、臨床的だけではなく、
統計的にも妥当な結果となっておりまして、そして、それぞれ認知機能障害について加
算を設けたところ、認知機能障害ということでくくることによって、問題行動があった
患者さんの場合に追加的にかかるケア時間をほぼ網羅できているという説明が６ページ
にございます。
　以上が、分類試案について駆け足で御説明いたしました。
　そして、１７年度調査について一気にお話しさせていただきますと、別添３にござい
ます「平成１７年度に行う調査について」ということで、大きく分けまして、患者分類
案、先ほど御説明申しました医療区分とＡＤＬ区分３段階、それに認知機能障害加算と
いうこの分類の仕方が妥当かどうかということを、分科会の中の専門家でさらにもんだ
上で、この調査に御協力いただいた各病院に分類した結果をお戻しして、この分類が果
たして妥当かどうかをアンケート調査等を行う予定でございます。
　続きまして、次のページにございます慢性期入院実態調査ということで、療養病床等
を有する施設において、この分類に従って分類した場合にどういう患者構成になってい
るか等について、そしてこの分類案を仮に導入した場合の影響を調査する予定でござい
ます。これは、もし本小委員会で御承認いただきましたら、８月に調査実施、９月に集
計作業、１０月以降に集計結果の報告に向かいたいと存じております。
　以上、時間をとりまして恐縮でございました。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　それでは、ただいまの御説明につきまして何か御質問、御意見等がございましたら、
どうぞお願いします。

○遠藤委員
　大変大規模なデータで非常に詳細な調査を短期間の間におまとめになられました池上
分科会長に、敬意をまず表させていただきたいと思います。
　１つ質問なのですけれども、「患者分類試案」、診調組慢－２の５ページ、恐らくこ
こに書かれているところが、これらの調査をやったことの目的の一つではないかと想像
したわけでありますけれども、その辺の確認も含めながらなのですが、結局このような
分類をして、その分類ごとに評価をするということが妥当なのかどうかということを、
ここの分散分析を使って検証したと、まずこのように理解していいのかどうかというこ
とでありまして、そうであった場合に、先ほど統計的にも有意であるというようなお話
がありましたけれども、ここでいう説明率２７．３％という数値について、これをベー
スに報酬額を決めていくというやり方、この分類で大筋問題ないというふうにお考えに
なっているのかどうかということについてちょっと確認させていただきたいと、その１
点でございます。

○池上分科会長
　ありがとうございました。
　まず、これは分科会長としてではなく、研究者として申し上げますけれども、包括報
酬というのは、患者を分類して、分類に対応した包括報酬を設定するということが前提
となっておりますので、患者の分類案をつくるということが包括報酬の前提と考えてお
ります。
　その際、どのような分類とするかというのは、ここに御提示した統計的妥当性、すな
わち、実際の患者さん方に発生するコストの変動を分類の仕方によってどの程度説明で
きるかということはもちろん大事な視点でございまして、遠藤委員がおっしゃった
２７．３％というのは、一応の水準に達しているかと存じますけれども、それだけでは
なく、そのためにまた１７年度、御承認いただいたら調査したいと思いますけれども、
臨床現場においてこの分類は、確かに納得いく分類で、例えば医療区分３に入っていら
っしゃる患者さんと区分１に入っていらっしゃる患者さんとでは臨床的な扱いが違う
し、また異なる医療が必要であるということが実感として賛同いただけるかどうかとい
うことが、もう１つの観点でございます。
　それからもう１つは、これはいわゆる医療行政的と申しますか、あるいは運営上の問
題点として、この基準に該当すればこの分類が確定しますので、その確定した時点で報
酬も確定してしまいますので、その基準が非常に公正であるかどうか、例えば後でこれ
をチェックした場合に、確かにそのような状態に患者さんはいるかどうかということ
が、チェックできるかどうかということも大事な要素でございまして、その３点が重要
でございまして、今遠藤委員から御指摘いただいたのは、そのうちの１つである統計的
な観点でございまして、この臨床的観点というのは、今後現場にフィードバックして、
あるいは専門委員の間で検討する必要はございますし、また実際の運用上の問題につい
ては、この小委員会はもちろんのこと、事務局においても検討されることであると思い
ますけれども、このようなことを踏まえまして御承認いただければ、１７年度の調査を
行わせていただきたいと考えている次第でございます。

○土田小委員長
　よろしゅうございますか。

○遠藤委員
　ありがとうございます。

○松原委員
　別添２でございます。これの５ページのところをまず見ますと、ほとんどが医療区分
１で、医療区分２の方が３０％、一番下のところでございます。医療区分３の方が
５．９％と。いかにも３つに分けて平等に分けられているようにも見えるのですが、パ
ーセントからいきますとほとんど医療区分１でございます。
　そしてその内容につきまして見ますと、３ページを見ていただきます。この医療区分
３に属している、Ａの医療高度、要するにこれに相当する人が医療区分３であるという
ことでございますが、しかし、医学的に見ますと、敗血症や発熱を伴う肺炎の方が、果
たして本来、こういった療養病棟にいらっしゃるべき方なのかということを考えると、
敗血症を起こしていたら、やはり一般病棟に入っていただいてきちっと治療しなければ
ならないのではないでしょうか。そういう観点から見ますと、この分類はどうももう一
つ釈然としないのです。やはり、こういう方は一般病棟で治療してあげないと、すぐに
命にかかわることでございますので、こういう分類で本当によろしいのかどうかと思い
ますと、納得できないと私は思っております。

○池上分科会長
　御指摘の点は確かに承りました。
　ただ、これは、まず構成比については、今後日本全体がこうなっているかどうかとい
うことを今後見ていく必要がございますし、そして、コストを反映している観点からこ
のような構成比になったわけでございますので、逆にコストに応じた報酬となった場合
には、今後構成比が変わっていく可能性があるかと存じます。
　それから医療区分の基準については、敗血症等については、これは今後さらに分科会
の専門の委員において検討して、修正を行っていくことでございまして、先生の御指摘
いただいた点についてもその際考慮させていただきたいと思います。
　基本的な考え方は、先ほど申しましたように、コストから見た統計的妥当性、それか
ら臨床的妥当性、それから行政的な運用上の問題点、これを踏まえまして、今後先生か
らの御指摘も踏まえて修正をして、ここで御提示した、特に３ページの案はあくまでも
分科会で報告した試みの案でございまして、実のところ現在もこれの修正、あるいは改
善に向けて努力を重ねている状態でございます。

○松原委員
　さらに申し上げますと、３ページの医療区分２のところで輸血という項目がありま
す。輸血をしなければならない重篤な患者さんがいらっしゃる、これも本来は一般病床
で治療をなされるべきものではないかと考えますと、この１、２、３という医療区分自
体が問題があるのではないかと思いますので、やはりこれはもう少し十分に御検討いた
だいてから提示していただけなければ、私は納得できません。

○土田小委員長
　ほかに御意見ございますか。

○対馬委員
　３つほど質問があるのですが、１つは別添１の８ページのところですけれども、ここ
に個別のケア時間、重み付けしたものを含めてあるのですが、これを見ますと、医療の
療養、医療保険の療養型病床と、それから介護保険の療養病床、ほぼ同じような傾向を
示しているようであり、また若干の差異があるようにも見えるのですが、このあたり、
どういった意見なり感想なりお持ちかというのが１点です。あまり変わっていないよう
に私には見えるのです。そのあたりどうなのでしょうかということです。
　それから１０ページ目のところですが、コスト調査を行っていて、この中医協でも例
えば給与費あたり、人件費をどう見るかといったところで、５０％を超えるか超えない
かと、こういった議論がよく行われるのですが、総じて５５から５７ぐらい、ちょっと
高めに出ているような感じがあるのですけれども、このあたりについてどうなのかとい
うのが２つ目の質問です。
　それから３つ目ですけれども、別添２の資料のＡＤＬそれから医療区分で分けるとい
うのはわかるのですが、その２ページ目のところに、これ医療区分の分け方のところな
のでしょうけれども、ここにまたマトリックスがございまして、Ａ、Ｂ、Ｃの医療高
度、中度、それから低度というのか高度・中度以外という分け方は前の１ページ目にも
あるのでよくわかるのですが、それと高頻度、中頻度、低頻度ということでのマトリッ
クスにまたがっているようなのですけれども、この高頻度、中頻度、低頻度というとこ
ろがよくわからない。といいますのは、これは医療区分の区分でやっておりますけれど
も、このＡＤＬのところでも、恐らく医師の指示、看護師の観察・処遇の頻度というこ
とになりますと、ＡＤＬにも非常にかかわってくるのではないのかなと。つまり、この
高頻度、中頻度、低頻度というのは、一たん医療区分のところでまずは見ておいて、そ
れからまたＡＤＬのところで見るということになると、やや二重評価的なことにならな
いのかなと。そういったところに疑問点がございますので、お答えいただければありが
たいというふうに思います。

○池上分科会長
　それでは、まず第１点の医療保険の療養病棟と介護保険の療養病棟で似たような構成
となっているのではないかというのは、それはむしろ現場の実感を反映しているのかと
思いまして、多少違うとしましたら、これは現在人員配置基準等が差が若干あって、そ
れが看護補助者の割合が介護療養にやや高い構成比となってあらわれているのではない
かという気がいたします。
　それから２点目の人件費部分が高すぎるのではないかと、５５％ということでござい
ますけれども、これはコスト調査というのはそれだけでも大部の調査でございますの
で、今回はお示ししましたのは簡易法に基づいた調査結果でございますので、必ずしも
正確な数値となっていない可能性がございますので、これはより精緻に行った調査との
整合性を見た上で、改めてこの数値について御報告申し上げたいと思います。
　それから３点目の患者分類試案について、このマトリックスとなっております医師の
指示及び看護師の観察・処遇の頻度というのは、確かに御指摘の点はございますけれど
も、必ずしもＡＤＬとは直接関係していないで、医療の程度ということで、ここには介
護職員が入っていないことから医療と仮に見たわけでございますけれども、ただ、もう
１つの問題点としまして、これは先ほどの松原委員からの御指摘いただいた点でござい
ますけれども、どの程度の間隔、頻度でこの患者の分類するかにかかわってくるわけで
ございますので、つまり、毎日再分類するわけにいかないので、１週間置きとかあるい
は１カ月置きとかという単位で評価して、そして分類案が再分類されていくわけです。
そうしますと、その分類に基づいて包括報酬が決まるわけですので、分類された時点の
状態が次の分類するまで引き続き存続して、引き続きそれだけのコストが発生するとい
う前提になっておりますので、こうした観点から、高頻度などの場合がどこまで継続的
に、例えば１月置きにもし再分類するのだったら、１月にわたって続くものかどうか、
あるいは先ほど御指摘があった輸血やなんかは療養病床の対象として適切かどうかとい
うことを含めて、この輸血が１月も続くということは考えられないことでございますの
で、こうした、どの間隔で行って、どの間隔で再分類して、どの間隔でしたがって包括
報酬が確定するかということにも結びついてきますので、これもあわせて当委員会で御
議論いただければ幸いでございます。
　私どもの分科会としては、こういう分類試案としてお示しした次第でございます。

○土田小委員長
　ありがとうございました。

○櫻井委員
　大もとの診－１の「これまでの検討経過」の「１．背景」の最後の方に、「慢性期入
院医療については、「病態、日常生活動作能力（ＡＤＬ）、看護の必要度等に応じた包
括評価を進めるとともに、介護保険との役割分担の明確化」」ということが背景だとい
う説明で、そのとおりに進んだのだと思うのですが、どうも先ほど遠藤委員から御指摘
もあったような別添２の方の５ページの医療区分にしたところが結論的なものだとする
と、さらに対馬委員からの質問の療養病床の中で医療の部分と介護の部分で、ここで出
ている範囲ではあまり差がないというようなこと、いろいろなことを考えて、この「介
護保険との役割分担の明確化を図る」という背景のもとに、これはどういうふうに、そ
こに絡むと言ったらおかしいのだけれども、この研究のどこが介護保険との役割分担の
明確化に役に立つのかを教えてほしいのです。

○池上分科会長
　これ、私がお答えするべき内容かどうかはわかりませんけれども、研究者の立場とし
てお答え申し上げますと、現在のところは基本的には、医療保険の診療報酬においても
介護保険の療養費においても、いずれも病棟の人員配置基準や設備基準に基づいて報酬
が決まって、介護保険においては要介護度でございますけれども、医療保険においては
特に医療の相違によって報酬が異ならない状況が基本にありますので、その実態がこの
まま調査の結果に反映されているのではないかと思います。
　この実態を踏まえて、今後療養病床等の在り方を含めて、その報酬体系を御議論いた
だいて、どのような報酬体系にした場合にはどのような機能を果たすようになるのか、
特に医療に重点を置いた医療保険の療養病床の在り方についても御議論いただいて包括
報酬等を設定いただければ幸いでございます。

○宗岡委員
　池上先生のグループでこういう調査をやっていただいて、こういう議論ができること
になったこと自体、私どもは非常にありがたいと思っておりまして、携わった方々に感
謝を申し上げたいと思います。
　そもそも、今池上先生がおっしゃったように、慢性期の医療に関して患者の状態に応
じた医療区分というものによって支払いということを考えるべきではないかというふう
に私は思っておりまして、そういう観点からいたしますと、こういう分析を重ねること
によってそういうことにつながっていくのではないかということを期待をしておりま
す。
　先ほど松原先生がおっしゃったように、本来一般病棟に行くべき人がいるではないか
という、そういう御指摘もございましたけれども、私どもが理解している範囲では、こ
ちらの療養病棟にいるべき人が一般病棟にいたり、そういうことも逆にあるわけで、そ
ういう意味で、現状についての分析をさらに進めて、そういう現在我々が持っている制
度の問題点をお互いに理解し合って、この包括医療というものがさらに立派なものにな
るように進めていきたいというふうに思っております。
　全体として感じますのは、３つの病床ですね、一般病床とそれから療養型と、それか
ら先ほどの議論になっています介護の問題、この３つの関係について幅広に理解をする
という意味で、こういった調査はできるだけ幅広に対象を選んで調査をして、そういう
問題点を具体的に把握できるような形で進めるということが望ましいと思いますので、
ぜひ事務局でそういうことも含めて検討していただきたいというふうに思っておりま
す。
　以上です。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　ほかに御意見ございますか。

○漆畑委員
　すみません、１点確認なのですけれども、先ほど松原先生の方から御指摘ありました
医療区分の内容で、私もそう思うのですけれども、それで医療区分の内容を見直すとす
れば、今日の御説明いただいた結果は、この医療区分に基づいての結果ですので、当然
その医療区分が見直しされれば、この結果はもうこのとおりではないというのは、これ
はこの医療区分の前提にこのとおりということで、この内容は、参考にはなるけれど
も、これをもって直接次の議論に進めるようなデータではなくなってしまうということ
になるのでしょうか。

○土田小委員長
　御質問の意味は、今回こういう調査結果が出まして、それで１７年度の調査を行った
場合に、今回出てきた調査結果と必ずしも一致しないような、そういう状況が出た場合
にはどうするかという、そういうことでございますか。

○漆畑委員
　そうです。

○土田小委員長
　池上先生、いかがでございますか。

○池上分科会長
　これは、患者特性についての調査した範囲のすべてのデータがございますので、新た
に設けた基準に従って再計算して、そして統計的な分散の説明率を、もちろん再計算で
きますので、決してそれは無駄になるということではございません。むしろ、そのよう
な作業を行った上で、もし御承認いただけた場合には、１７年度調査を行わせていただ
きたいと思います。

○松原委員
　１６年度調査でこのような医療区分を用いてこういう形になったということについて
は、私は理解いたしました。しかし、この医療区分が今申し上げましたように、本当に
適切なものかということを考えますと、どうも慢性期における急性転化のものを無理や
り慢性期の包括の中に入れてしまうということに私は思えます。もちろん、こういった
慢性期の状態においてどのように適切に医療をしていくかというのは、私ども十分に議
論しなければならないことだとは思っておりますが、しかし、急性転化のものをこの中
に入れて、それを慢性期病棟で、あるいは療養病床で診るという前提の中でこういった
調査をするということに対しては非常に疑問がございます。先ほど申しましたように、
敗血症の人にここで最期まで診ていいのかというと、やはりどうも医師として抵抗がご
ざいますし、輸血をされる方が、先ほどおっしゃいましたように、１カ月ずっと輸血さ
れるわけではございません。そういったときにはやはりこれは急性転化の状況にあるの
ではないかと思います。
　逆に申しますれば、そういう方が急性転化したときには、それが対応できるような状
況、あるいは転床できるような状況を保つということを考えねばなりませんし、もし転
床がなかなかすぐに難しいということであれば、一時的にも急性転化として転床までの
間対応できるような仕組みを別に考えなければならないのではないかと思います。そこ
のところを全部包括、この医療区分の中で分けて対応するというのは少し無理があるの
ではないかと思っておりますので、十分これについては議論してまいりたいと思いま
す。

○土田小委員長
　ありがとうございました。

○岡谷専門委員
　１点だけ、看護の立場から発言させていただきます。
　この結果は、今の実態をかなり反映しているのかなというふうに思いますが、患者１
人１日当たりの個別ケア時間等を見ましても、やはりどの病棟区分でも、看護師、准看
護師、看護補助者、いわゆるケアの担い手である者のケア時間がかなり多くとられてい
るということで、確かに医療区分というようなことでやっておりますけれども、そのケ
アの中身というのはやはりＡＤＬの日常生活行動の支援等を含めて、生活支援とか、患
者さんへのケアの提供ということがかなり多く行われているということを考えますと、
この医療療養、介護療養の区分の在り方も含めて、こういう慢性期に関しましてはやは
り看護ケアの手というのが非常に重要になってくるということを考えて、看護の必要量
等に応じた診療報酬あるいは介護報酬等の仕組みができるようなことを考えていただき
たいというふうに思っております。

○土田小委員長
　ありがとうございました。

○小島委員
　今回の調査は、結果とそれから具体的な患者の分類の仕方、最初から１１分類という
ことで考え方が示されております。これは、今回の調査の目的も、冒頭御報告がありま
したように、閣議決定されている診療報酬体系の見直しの中で、慢性期については包括
化の方向で見直しをするのだということ、それをどう具体的にするかということのため
の調査。それから、具体的に包括化するに当たっては、患者の状態に応じた分類が必要
だということで今回のこの考え方、分類の仕方が示された。確かに指摘されるように、
患者の状態像を、３つの医療の必要度に応じた分類の仕方が、本当に妥当かどうかとい
うのはもっと検証が必要だと思います。この６つの施設ですかに今入院されている方の
状態像が、この１１の分類で本当に妥当かどうか、あるいはその分類の仕方にどういう
問題があるかというようなことを検証するというために、もう一度さらに精緻な分類の
仕方をするというための調査だということでありますので、ぜひ進めていただければと
思います。

○土田小委員長
　ありがとうございました。

○櫻井委員
　先ほど御質問した介護保険との役割分担の明確化のために、この研究がどういうふう
に結びつくかという質問に対して十分にお答えいただかなかったような気がするので
す。なかなか難しいのかと思うのですけれども、この研究では療養病棟のいわゆる医療
の部分、介護の部分、単純にはあまり差がないということが言われ、それから、ほかの
部分とは明らかに差があるわけで、当たり前といえば当たり前なので、そこは医療とし
て行っているわけですから。ただ、その差がないと言いながら、ではどう追求するかと
いうのに、この医療区分で分けてしまって、さっき池上先生もおっしゃったように、あ
る種の状態でもし医療区分というものが可能だと仮定して分けたとしても、その翌日、
その人がどこの区分にいるのか、５日後にどこにいるのかというのはわからないという
か、それをこれから研究するのだと言われればそうですけれども、それを本当に追求し
ていくと、結局、本当にそれに対応するためにはその状態状態で出来高でやるのが一番
いいのではないかという話になってしまっていくはずなのです。そうなったときに、介
護保険との役割分担ということが恐らく問題になってくる。介護保険というのは、概念
的には生活の補助とか援助とか、そういうことが中心で、医療と切り離すことは不可能
かもしれないけれども、直接的な医療というのは別と考えれば、そこに介護保険の部分
があるわけだから、それとどう役割分担していくのかという話になるのではないかと思
うのです。ですから、やはり大もとの問題、先ほど私が質問したことに、恐らく池上先
生も答えにくい難しさがあるのだけれども、それを追求するためには、療養病床におけ
る医療の部分と介護の部分をもう少し研究対象として深めていくことをしないと、大も
とのところに近づけないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○土田小委員長
　これは、池上先生へのご質問ですか。

○櫻井委員
　もしあれだったら、池上先生に御意見を伺います。

○土田小委員長
　先ほど池上先生は個人的な立場でお答えいただいたわけで、分科会としてどうのこう
のというのは、立場上ちょっと難しいかと思います。

○櫻井委員
　はい、わかりました。

○土田小委員長
　この調査は、介護保険と医療保険に関連して、特にこの療養病床についてはどういう
区分なり考え方が必要かということを考えるための素材の調査でございます。それを踏
まえての御発言ということで、一応議事録に残しておくということでよろしいでしょう
か。

○櫻井委員
　はい。

○土田小委員長
　どうもありがとうございました。
　まだ御意見はおありかと思いますが、今回は慢性期病棟に関する初めての調査でござ
いまして、こういう調査結果が出たということについては御了解を得たのではないかと
思います。
　それから、１７年度調査につきましては、今１号側、２号側からそれぞれ意見が出さ
れましたが、ここですぐ決めてしまうというのはやや乱暴な議論かなというふうに思い
ます。一応今日の議論は、１６年度調査の結果については了承するということと、それ
から１７年度の調査につきましては、今日の議論を踏まえて、さらにもう一回小委員会
で議論し合うということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。その場合、どう
いうところまで考えられるかということを次回に詰めていきたいと思います。よろしい
でしょうか。
　どうもありがとうございました。
　池上先生におかれましては、どうも本日はお忙しいところ、ありがとうございまし
た。
　　　　　　　　　　　　　　　〔池上分科会長退席〕

○土田小委員長
　それでは、次の議題に移りたいと思いますが、実は、一番最初に申し上げるべきこと
ですが、今日この会場は最大限１２時半までということになっております。それで、ま
だほかに議題が山積しておりますので、できるだけスピーディーに進めていきたと思い
ますが、できれば１２時半ぎりぎりではなくて、その前に多少の余裕を持って終わりに
できればというふうに考えています。
　それでは次に、「制限回数を超える医療行為」につきまして議題としたいと思いま
す。
　本件につきましては、保険給付との併用を認めるものと認めないものとの区分、ある
いは認める場合の必要な条件等につきまして医療技術評価分科会において御検討いただ
き、その結果を前回の小委員会において御報告いただきました。その上で、前回議論を
してきたということでございます。
　それで、今日は、前回の小委員会における議論を踏まえまして、事務局より資料が提
出されております。最初にその説明をお願いしたいと思います。医療課長、どうぞ。

○事務局（麦谷医療課長）
　前回の御議論の中で、もう少し事務局において整理をして出し直すようにという御指
示がございましたので、整理をいたしました。お手元の資料、中医協診－２、タイトル
が、「制限回数を超える医療行為について（案）」という資料をごらんいただきたいと
思います。これは前回と同じものが３ページ以降つけてございますが、整理をした紙が
１ページ目と２ページ目でございます。
　どのように整理をしたかということでございますが、制限回数を超える医療行為とい
うのは４００項目ぐらい今の健康保険法の診療報酬点数表に記載されているわけござい
ますが、その項目すべてについて基本的な考え方をここでまずまとめております。それ
が「１　基本的考え方」という２つの丸でございます。
　最初の丸、保険給付を行うに当たって制限回数が設けられている医療行為を、当該制
限回数を超えて行った場合の保険上の取り扱いについて、２つの考え方に従って整理す
るということで、最初のかぎ括弧でございます。これが今私どもの俎上にのせられてい
ることでございますが、「医療上の必要性がほとんどないことを前提として、患者の要
望に従い、患者の自由な選択の下に制限回数を超えて医療行為が行われることが想定さ
れるものについては、当該制限回数を超える医療行為について、保険給付との併用を認
める。」ということで、これが先ごろ新しい考え方として提示されました保険給付と保
険給付外ということの併用を認める医療行為があるかどうかということでございます。
医療技術評価分科会に付託をされまして、そこから出てきた回答がありますので、それ
を御議論いただくというのが１つでございます。
　もう１つ、２つ目の丸でございますが、保険給付を行うに当たって医療行為に制限回
数が設けられているのは、これまでの中医協における議論の積み重ねであることを尊重
しつつ、この際、制限回数の設定の当否について一つ一つ検証を行う。その結果に基づ
き、必要に応じて診療報酬改定の際に所要の措置を講ずるということでございます。こ
れは何を言っているかと申しますと、先ほど、保険給付外と保険給付との併用を認める
という行為を考えた場合、「医療上の必要性がほとんどないことを前提」にするという
言葉がありましたが、前回の御議論で、医療上必要性があると判断されるものについて
は、当然保険ですべて見るべきであるということでございました。そもそも制限回数を
設定していること自体がおかしいのではないかという御指摘がございました。しかしな
がら、たくさんの診療行為について制限回数が設けられているのは、どこかで簡単に決
まったことではなくて、それぞれの段階で中医協で御議論いただいて、そこでお決めに
なったという歴史的な経緯がございます。そのことを「中医協における議論の積み重ね
」と表現してあります。それを突然無視して、すべて適用するというわけにいきません
ので、そのようなものに関しては一つ一つ検証を行って、やはり制限回数が妥当であ
る、あるいはもうこの時代には制限回数が必要ないといったようなことを検証して、必
要があれば保険に導入する、制限回数を撤廃する、あるいは必要があれば制限回数をそ
のまま据え置く、あるいは場合によっては減じるといったことをしてはどうかというの
が基本的な考え方でございます。
　その２つの考え方にのっとって、１ページの「２　保険給付との併用について」とい
うところをごらんください。そうしますと、最初の考え方で、制限回数が設けられてい
る医療行為について、制限回数を超えて行った場合に、患者さんから費用を徴収すると
いうものを、選定療養の一類型として位置付けてはどうかというのが、この資料での提
案でございます。
　それから、ではそういったものは何かということでございますが、それにつきまして
は既に医療技術評価分科会で御検討いただいて、前回提出された幾つかの項目がござい
ますので、それをこの選定療養の一類型として位置付けてはどうかという提案でござい
ます。それが２８項目ございました。
　それからちょっと特異的なものがあって、ヘリコバクター・ピロリの除菌について
は、前回も説明いたしましたが、将来的に医薬品の適応拡大が保険適用された時点でも
う一度検討するということで、ちょっと特殊なケースでございますので、それは外しま
した。前回提案された２８項目、これは別紙１につけてございますが、大まかな分類で
いえば、検査とリハビリと精神科専門療法、デイ・ケア、この３種類、種類は３種類で
すが、数としては２８項目、これを選定療養として位置付けて費用徴収を認めてはどう
かというのが提案でございます。
　それから１ページめくっていただいて、ただ、こういったものにつきましても、今の
医学的評価で行ったものでございますので、その医学的評価が仮に変わったとすれば別
でございますが、今回、費用を徴収すると決めたものについては、基本的には保険導入
を前提としない。つまり、回数を超えて、ずっと制限回数を大幅に緩和して保険導入す
るというような考えはないということは、そこに書いてございます。
　それから、２８項目以外の残りのものについてどう扱うのかということでございます
が、それが２ページ目の「３　制限回数の設定の当否に係る検証について」でございま
す。これは、前回提示した１１３項目ございました。そういったものについては、もう
一度医療技術評価分科会に付託して、そこで一つ一つ検証して、基本問題小委にもう一
度上げてもらうといういうようなことを考えております。
　それから、その余の別紙１に掲げる医療行為及び別紙２に掲げる医療行為、これらに
ついてもあわせて再検証を行います。そうしますと、その検証に従って、やはりこれは
保険適用すべきである、制限回数を撤廃すべきである、あるいはもっと多くの回数まで
認めるべきであるというような、結果が出ましたら、必要に応じまして、１８年度の診
療報酬改定で対応するというようなことをこの基本方針でお示しいたしました。
　以上です。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞお願いしま
す。

○櫻井委員
　制限回数が設けられているという意味で、それは確かに今医療課長からあった長年の
議論の積み重ねでという、もちろん議論の積み重ねはあるのです。医療上必要があるも
のに関してというのは、例えば腫瘍マーカー検査は少なくてもその検査をすること自体
は医療上必要があるということで認めてきているわけです。それを例えば何種類かやっ
たら１種類だけの請求だとか、何回やっても１回分だけというのは、制限回数を超えて
どうだという問題ではなくて、これははっきり言えば、一種の丸め的な、包括的な考え
で、例えば月に何回やっても１回分しか請求できないと言っているのと同じことだろう
と思うのです。検査そのものは、少なくとも１回目をやることについては医療上の有用
性を認めているわけですから、場合によっては２回目、３回目も有用なことが当然ある
のだけれども、これははっきり言えば、診療報酬のお金の問題で、必要であっても、２
回、３回やっても１回の分しか請求できないと言っているだけのことです。これは別の
例を挙げれば、心電図検査とか画像検査でも、２回目のときは請求は９掛けですという
ようなルールがあるわけです。これは心電図をとることに医療上意味があることはわか
っていて、場合によっては２回目が必要な場合はあるわけですけれども、その場合、ル
ールとしては、心電図を月に２回とっても１回分しか請求できないよというやり方もあ
ったのでしょうけれども、この場合には、２回目は９掛けにするというルールで医療費
抑制をしたということしか言いようがないのです。ですから、制限回数を超えるという
意味が、単に回数制限があるという意味とちょっと違う部分があるのではないかなと思
うのです。医療上必要であれば当然保険で認めるということ、ちょっと言い方はわから
ないのですけれども、何回やっても医療上認めているけれども、お金は払わないという
ルールになっているということなのではないかと私は思うのですけれども、そうではな
いのでしょうか。

○事務局（麦谷医療課長）
　今櫻井先生が言われた側面は確かにございます。おっしゃるとおりだと思います。

○土田小委員長
　ほかに御意見ございますでしょうか。

○宗岡委員
　リハビリテーションなんかの場合、特にそうだと思うのですけれども、さらに選択し
てでもそういう治療を受けたいということを言う患者さんがいらっしゃると聞いていま
して、そういう患者の意思を前向きに認めるという意味でも、こういう考え方というの
はあると我々は理解をしております。
　それから、これまでの診療報酬上の制限回数というのは、今議論ありましたように、
１つには医療上の妥当性の問題もありますけれども、一方で医療保険の財政の問題もあ
ったことは事実だと思います。そういう意味で、制限を超える回数が発生する都度、公
的な保険で対応するというのはいかがなものかと。我々としては、やはり、今までの長
い論議の経過としてこれを受け入れて運用しているのだという理解の下に進めたいと思
っております。
　以上です。

○対馬委員
　確かにこれまでの長い議論もありますし、また、今日の櫻井委員のお話もあり、なか
なか難しい側面があるのだというふうに思うのです。
　それで、この表現の仕方なんかも随分事務局もいろいろお考えいただいたと思うので
すが、「医療上の必要性がほとんどないことを前提として」認めていくという書き方、
確かに制限回数に限定していたということかもしれませんけれども、今宗岡委員の方か
らもお話があったリハビリあたりだったらほとんどないと言い切るのもまた難しいので
はないのかなという感じもするのですけれども。例えば「医療上の必要性は必ずしも高
くはないが」と言った場合、まずいのでしょうか。つまり、私どもの立場からすると、
民間療法的なやつが入ってきて、それが、いわゆる「混合診療」といいますか、特定療
養費の中に入ってきて、医療上の必要はほとんどないと。だけれども、制限回数のとき
だって、ほとんどなくても本人が希望すれば認められたではないですか。したがって、
民間療法のやつだって、医療上の必要性はほとんどないかもしれないけれども認めてく
ださいよと言った場合に認めますかというときに、保険料をベースとしては使っていく
わけですから、やはりそこは認められないだろうというふうに思うのです。ですから、
そういう意味では、患者の選択というのが非常に重要な視点でもってそこが基本である
ということはよくわかるのですけれども、医療上の必要性がほとんどゼロに近いやつま
でという書き方はちょっといかがなものかなという感じがするのですけれども。

○松原委員
　医療上の必要性がないと言い切りますと、例えば民間療法などですけれども、それは
もうおっしゃるとおりだと思います。必要性があればもちろん保険で導入して対応し
て、その中で保険財政のことを十分に考えて私たちが議論をするのは当然です。確かに
ないものについてはもう議論する余地がなくて、医療行為をする必要がございませんの
で、そこのところは私たちも、必要性がないのであれば議論の余地にならないと思って
います。
　問題は、ほとんどないけれども、医療の中でやっても問題はない、例えば、精神科の
専門療法の中のデイ・ケア、７ページでございますが、算定回数制限の項目を見ていた
だきますと、この療法を最初に算定した日から起算して３年を越える、要するに、３年
たってしまったと、その状態で週５日を限度ということは、要するに、土日は休みにし
ているということと思うのですけれども、これなどはほとんど医療的には必要がない状
態だけれども、デイ・ケアをすることにおいて間違ってはいないと、こういうことを希
望されるとすると、恐らくこれはむしろ患者さんの希望ではなくて、患者さんの家族が
例えば旅行に行かれる、つまり、３年たって落ちついてもう２日ぐらいデイ・ケア、ナ
イト・ケアをしていただいたら旅行に行けるのにというような話のときには出てくる可
能性がございます。そのときには要望に従って、患者さんが、患者さんの家族がこれを
お支払いいただくことについてはまだ認められるのかなと思うのです。リハビリテーシ
ョンにおきましては、急性期の方と慢性期の方、そしてもう完全に落ちついた方もいら
っしゃいますので、そのあたりを十把一からげにして特定療養費で取っていいとなると
問題があります。やはり急性期の方の場合にはできる限りのことをしたいと思いますの
で、医療上の必要があるということになります。
　そういったことも勘案しますと、もう少し十分議論していかないとリハビリテーショ
ンはお金を払えば何でもできるということになりますと、急性期の非常にリハビリが必
要な方に対して御負担になるのではないかということを私たちは懸念しております。逆
に申しますれば、３年もたった後のデイ・ナイト・ケアなどは、やはり患者さんの御家
族の方の御希望もあれば、こういったものについては医療上の必要が全然ないとは言い
切れませんので、考える余地があると思います。
　ただ、あとの検査に関し、医学的に大丈夫なのかと心配がございます。もう少し議論
をしていくべきではないかと思っております。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　ほかに御意見ございますでしょうか。
　先ほど医療課長の方から提案されました内容は、このところにありますように、２８
項目については結論としては、「現行の医学的評価が変わらない限りにおいて、将来的
な保険導入のための評価を行わないものとして認められる」というところと、それから
２ページ目の１１３項目等々については、もう一度医療技術評価分科会におろして再検
討をお願いするということの提案でございますが、これをお認めいただくということに
ついてはいかがでございましょうか。

○櫻井委員
　認めるというのは、ここに書いてあるとおりということですか。

○土田小委員長
　はい。厚労省事務当局からの御提案があったわけですが。

○松原委員
　やはり、もう少しこの２８項目をきちっと考えてまいるべきではないかというのが、
私の意見でございます。

○櫻井委員
　同じことになるのですが、さっき対馬委員がおっしゃった、医療上必要がほとんどな
いというのはおかしいだろうと、医療上の必要がやはりあるのでないかという意見。あ
るのではないかと言われると、医療上必要があるのなら保険で認めてほしいという話に
これは戻ってしまうわけです。リハビリなんかは医療上必要があるのであれば、それは
保険で認めるべきだということになるわけですから、そこのところ、松原委員が言った
ように、もう少し議論をしないと、確かに「ほとんどないこと」とかいう表現はあいま
いだと言われればあいまいなのですけれども、そうかといって、医療上必要のあるもの
を前提にしてというのなら、それではそれは健康保険に入れてくださいと、言いたくな
るわけです。そこのところはもう少し議論が必要なのではないかと思うので、２８項目
の中でも、もう少しその辺の議論を詰めてもらわないといけないと思っています。

○土田小委員長
　わかりました。
　ただいまの意見、いかがでしょうか。

○対馬委員
　表現の仕方は、確かにぎりぎりの狭いところをやっていますので、私どもとしても、
この表現は絶対だめだと、絶対的にこうでなければいけないということはないのです
が、今日の議論なんかも議事録にきっちり残るということになると思いますので、そこ
で大筋の共通の理解といいますか、認識といいますか、そこができればというふうに思
います。

○土田小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいま１号側、２号側から御意見が出されましたが、一応今回の事務当
局から出されました提案については、もう一度小委員会で検討するということにしたい
と思います。しかし、検討するということで、一応次回程度で何らかの結論を出したい
というふうに考えております。そういう方向でもう一度御議論いただくということにし
たいと思います。
　よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土田小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、最後の議題に移りたいと思います。「高度先進医療の見直しについて」と
いうことでございます。本件につきましては、高度先進医療専門家会議におきまして、
医療技術ごとに実施可能な医療機関の要件等について御検討いただいてまいりました。
本日は、高度先進医療専門家会議における議論を踏まえ、事務局より資料が提出されて
おりますので、説明をお願いいたします。

○事務局（麦谷医療課長）
　それでは、中医協診－３－１、診－３－２、診－３－３という３つの資料をごらんい
ただきたいと思います。説明の中心は診－３－１でございます。
　高度先進医療につきましては、４月２７日の中医協総会におきまして、特定承認保険
医療機関の承認要件、これを大幅に緩和すると、抜本的に緩和するということが既に合
意されております。それに基づきまして、承認された高度先進医療技術につきまして、
今までとは異なって、医療技術ごとに医療機関の要件を設定するということにする方向
で検討いたしました。
　それで、具体的に、ではどのようになるのかということを、１ページの四角の括弧で
ごらんいただきたいと思います。現行、特定承認保険医療機関というのは、次の要件を
満たすものとして、病床数、医師数、看護体制等々書いてございますが、これにつきま
して、改正案としましては、「技術ごとに厚生労働大臣が定める施設基準に適合してい
る保険医療機関とする。」というふうに、改正を考えております。簡単に言いますと、
現在のところ、特定承認保険医療機関１２５の医療機関でしか高度先進医療技術は実施
できないのでございますが、今後はこの今高度先進医療技術となっておりますそれぞれ
の技術について施設の承認要件を定めますので、その施設の承認要件が整っている医療
機関においては、その技術について実施できるようになります。したがって、特定承認
保険医療機関というものが基本的には拡大されるというふうに解釈していただきたいと
思います。
　それでは、先ごろ御議論いただいた先進医療技術、高度でないものとどう違うのかと
いうことでございますが、この高度先進医療の実施医療機関につきましては、あくまで
も特定承認保険医療機関の緩和でございますので、引き続き承認が必要でございます。
そこが大きく違っておりまして、先日御議論いただいた先進医療技術につきましては、
技術そのものが、もし要件とともに承認されれば、２例目以降は届出だけでできるよう
になりますので、そこは異なっております。
　それでは、どのように高度先進医療の承認要件を緩和したかという技術的な手続でご
ざいますが、２ページをお開きください。既存の高度先進医療技術ごとの実施可能な医
療機関の要件について、以下のような手順で定めました。
　まず、高度先進医療専門家会議におきまして、１つの技術につき３名の委員が担当い
たしました。
　作成に当たりましては、現行の特定承認保険医療機関の承認要件の項目を基本といた
しまして、学会のガイドライン等を参考とし、３名の担当委員の意見を事務局でまとめ
て、それを高度先進医療専門家会議の場に提出いたしまして、御議論いただきました。
なお、要件項目については、先進医療の届出要件の項目と同一の様式を採用いたしまし
た。参考までに内容を言いますと、実施責任者、医師の要件ですとか医療機関の要件等
々ございます。
　実際の技術の検討につきましては、１１１種類の既存の技術がございましたが、この
一つ一つについて要件を定めるのではなくて、１１１種類の既存の技術には非常に似通
ったものが幾つかございましたので、これをカテゴリーに分類いたしまして、１６種類
のグループに分けました。その１６種類のグループに分けたものをグループごとの基本
の要件を作成いたしまして、さらに個々の技術ごとに必要と思われる事項を追加する方
法で検討いたしました。
　では、どんなグループかというのが、お手元にあります中医協診－３－２、そこに書
いてございますグループでございます。稀な疾患の遺伝子診断ですとか、悪性腫瘍の遺
伝子診断、こういった大まかなカテゴリーに分けて、中の技術を分類してあります。中
の技術にどのようなものがあるかということでございますが、それは２ページ以降に次
々ございます。このように仕分けをしてございます。
　そして、一応、そのような技術ごと、あるいは技術グループというのでしょうか、技
術群ごとに私どもで設定いたしました医療機関の承認要件が、そこに診－３－２の５ペ
ージ以下に書いてあります。先ほど１６種類と言いましたので、１４ではないかと問わ
れるかもしれませんが、ごらんいただくと１０－１、２、１２－１、２という子番がつ
いていますので、全部で１６ということでございます。そのそれぞれにつきまして５ペ
ージ以下にそのような承認要件を設定したということでございます。
　したがいまして、これをこれから実施いたしますと、特定承認保険医療機関の承認要
件が大幅に緩和されますので、それに該当するところは、１１１種類の高度先進医療技
術につきまして実施できると。ただし、届出ではなくて一つ一つ承認を受けて実施する
というような運びになります。
　以上です。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。

○櫻井委員
　ちょっと質問なのですけれども、これがこのとおり実施されたとすると、今高度先進
医療の中の簡素化というのでしょうか、というやり方でやっている方式がありますね。
あれとの違いはどこにあるかを説明してくれますか。

○事務局（麦谷医療課長）
　今簡素化技術というのは、インプラント義歯以下２０種類ございますが、現行の特定
承認保険医療機関においてこの２０種類の技術を実施する場合に、私どもに申請するだ
けで、一々詳細な審査をしないで実施できる、それがまさに簡素化でございます。しか
し、それにしましても、実施する場合はもう一度承認を受けるということになっており
ます。ただ、その簡素化技術も含めまして今度１１１でそれぞれの承認要件を設定し
て、審査、承認することになります。したがいまして、簡素化のものは、再度やはり同
じように承認をいただくことになりますので、簡素化のシステムは事実上なくなりま
す。

○櫻井委員
　まさに事実上なくなる形になりますよね。簡素化の方でやらないで一定要件をすれ
ば、いわゆる今度はこの届出というのですか、何というのか名前はわからないけれど
も、それでやれるわけだから、簡素化の方のルールを使って承認を求める必要がなくな
るというふうに考えられますか、それでいいのですか。

○事務局（麦谷医療課長）
　おっしゃるとおりです。新たなこのシステムでやっていただくことになります。

○櫻井委員
　それからもう１つ関連ですが、当然いろいろな意味の要件緩和がありますから、高度
先進医療の技術そのものあるいはそれを実施する医療機関そのものも両方とも拡大され
るであろうと思います。それがどのくらい拡大されるかわかりませんけれども、少なく
とも拡大方向に行くのだろうと思いますが、高度先進医療の基本的な考え方というの
は、安全性、有効性が確立されているけれども、まだ普及していないから高度先進医療
という特定療養費でやるのだと。でも、保険導入を前提に考えていくということになっ
ているわけですから、その基本的な考え方、つまり拡大されたとしてもそれは基本的に
保険導入を前提に進めていくのだということについては変わりはないですね。

○事務局（麦谷医療課長）
　おっしゃるとおりです。高度先進医療技術につきましては、有効性、安全性以外に
も、今言われた普及度、効率性あるいは技術の成熟度、社会的妥当性等々、６項目ぐら
い勘案して、それで、保険導入につきましては、これからも一定期間ごとに中医協で御
議論いただいて導入の適否を決めるということは、これまでどおりございます。

○櫻井委員
　さらに追加。そうなりますと、前回か前々回ですか、発言しているのですが、高度先
進医療については、毎年年１回成果を中医協に報告して、それを評価することになって
いて、事務局に聞いたら、報告していますというような言い方をしたのですが、私とし
ては、今まできちっと報告を受けて、それをこの中医協で、評価したという記憶があま
りないのです。今度要件が緩和されて増えるにしても、そのことをきちっとやってい
く、保険に導入とか、そういうことは、今までのところ、２年に一遍ですが、評価して
考えることは１年ごとにやれということが書いてあるので、それは同じように行われ
る、あるいは今までが不十分だとすれば、今後は十分に行うというふうに事務局で答え
てもらえるかどうかを質問します。

○事務局（麦谷医療課長）
　櫻井委員の記憶に残るように報告をいたします。

○櫻井委員
　わかりました。

○土田小委員長
　ほかに御意見、御質問、ございますでしょうか。

○小島委員
　質問というか、意見も含めて、３つほどあります。
　要件緩和、３００床以上という規模の要件を外して一定の要件を満たす場合という形
で対象を広げるということです。その際に、診－３－２の資料で、１４０を１６分類に
したということで、その分類ごとに医師の経験と、どのくらい実績があるかということ
で、判断する状については、１症例以上ということでも認めるとなっておりますが本当
にそれでいいのかどうか。疑問があります。
　それからもう１つは、これまでは看護基準については３対１という要件はありまし
た。、今回はこういう高度な先進医療をやるところについては当然それはクリアしてい
るのだということで、看護基準についてはことですけれども、３対１は当然クリアして
いるのだということであれば基準をつけておいてもいいのではないかと思います。３対
１以下の場合は、ではどうするのだというようなことにもなるかと思います。そのとき
は個別に判断すればいいということなのか。それが２つ目です。
　それから、これは先ほど言いました３－２の１６分類したところの中で、１１ページ
のところの７つ目の分類のところです。１１ページの「基本７」。これは、技術年数そ
れから事例については記載をされていませんし、薬剤師等々の配置についても、何も記
載されていません。ここはこれから検討するということなのでしょうか。

○土田小委員長
　３点質問が出ていますが、よろしいですか。

○事務局（麦谷医療課長）
　まず最初の症例数云々についてでございますが、これは、先ほど申し上げましたが、
一つ一つ医療機関が承認されますので、そのときに高度先進医療専門家会議で、技術と
それから実力があるかどうかという、議論はされますので、そこはクリアされるかと思
います。
　それから、看護配置はまさにおっしゃるとおり３対１とあったのですが、今回はどれ
を見ても看護配置、限定されなくなりましたので、私はちょっと不思議だったのです
が、それは専門家会議の先生方がごらんになって、今の１２５もほとんど３対１をクリ
アしていて、先生方は、こんな技術をやるところはみんなクリアしているだろうという
ことなのだろうと私は勝手に理解していました。それも実は、もし濃厚な看護配置が必
要であれば、そのときにまたそこで医療機関を見て新たに承認されますので、そこはあ
まり心配ないのかなと思っております。ただ、設定する基準としては、そのようなもの
を設けないといけません。ですから、ほとんど３対１以上の医療機関が申請してくるだ
ろうと予想しているということでございます。そういう意味ではセットしておりませ
ん。
　それから第３点目の１１ページの「基本７」というところですが、ほとんど何も書い
ていないではないかということは御指摘のとおりですが、ここはなかなか味わっていた
だきたいのですが、１１ページの「その他」のところをごらんいただきたいと思いま
す。「その他」のところに、「移植関係学会合同委員会により選定された施設」、つま
り、どの施設でもできるわけではなくて、移植関係学会合同委員会という、移植関係学
会が幾つか集まった非常にハードルの高い委員会がございまして、森亘委員長ですが、
そこで非常に厳しく審査をやられていますので、ここをクリアされたらまず問題はない
ということで、そこで担保してあります。これは私どもで設定しなくても、ここをクリ
アしていれば問題はないということで、中は書いていないと、そういうことでございま
す。

○土田小委員長
　ありがとうございました。
　小島委員、よろしいですか。

○小島委員
　はい。

○櫻井委員
　これは、１６種類とかグループの分類というのは、現在行われている高度先進医療に
ついて分類したわけですけれども、今度提案されているこのルールが新しく動き出す
と、当然新しい技術の申請が行われるわけですね。しかも新しい医療機関で行われる。
そのときの施設基準的なものは、この１６種類の中に当てはめるのですか、それとも逆
に言えば、この１６に当てはまらないものが出てきたらどうするのですかという質問で
もいいのですけれども。当てはめるのかどうかということと、当てはめるとしたらどこ
へ当てはめるというのはだれが決めるのか、それから全く当てはまらないものが出てき
たらどうするのかということについて、説明してくれますか。

○事務局（麦谷医療課長）
　お答えいたします。
　これは、この１６種類に拘泥するものではなくて、ここに無理やり当てはめるのでは
なくて、その技術に従って新たな施設承認要件を考えると。もちろん当てはめるものが
あれば当てはめますが、当てはまらない場合は新しい施設承認要件を考えるということ
で、考えるのは高度先進医療専門家会議です。

○土田小委員長
　よろしいでしょうか。
　それでは、ほかに御質問等もないようでしたら、説明のあった件については小委員会
として承認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土田小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、今日の小委員会はこのあたりで終了したいと思います。
　まだ総会がございますが、次回の小委員会について日程等事務局からございました
ら、どうぞお願いします。

○事務局（麦谷医療課長）
　次回の日程は、７月２７日と８月３日を予定しております。両方とも午前中でござい
ます。場所についてはまだ決まっておりませんので、御連絡を申し上げます。

○土田小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、本日の小委員会はこれにて閉会にいたします。どうもありがとうございま
した。
　引き続いて総会がございますので、準備の間、少し時間をいただきます。

【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）