05/07/13 地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会第1回議事録                      照会先 健康局総務課生活習慣病対策室                              武田(内線2348)                              友永(内線2339)                    第1回           地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会           日時:平成17年7月13日(水)10:00〜11:43           場所:経済産業省 別館944号会議室  武井補佐  おはようございます。定刻となりましたので、第1回地域がん診療拠点病院のあり方 に関する検討会を開催いたします。皆様方におかれましては、御多忙中のところを御出 席いただきまして誠にありがとうございます。私は健康局総務課生活習慣病対策室の武 井でございます。しばらくのあいだ、進行役を務めさせていただきますので、よろしく お願い申し上げます。議事に入ります前に、健康局長の田中より、ごあいさつ申し上げ ます。  田中局長  おはようございます。本日は、先生方におかれましては、大変御多忙の中、第1回の 地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会に御出席いただきまして、大変ありがと うございます。御承知のように、平成16年度から第3次のがん総合戦略事業をスタート させておりますけれども、この中で最も重要な課題として、がん医療の均てん化という のが話題となっているところでございまして、垣添先生を座長としまして、がん医療水 準の均てん化に関する検討会において何回かにわたって議論をいただいて、本年の4月 に報告書がとりまとめられたという状況でございます。この報告書を契機にしまして、 5月13日に、大臣を本部長とするがん対策推進本部が設けられまして、予防から健診、 治療、緩和ケアまで、がんのステージに応じた部局横断的な連携を行うということで、 がん対策を総合的に推進していこうというような取り組みが、厚労省内で行われている ということでございます。  がん対策の重要課題のひとつである、この均てん化でございますけれども、その均て ん化の中心的な役割を担うのは、地域がん診療拠点病院ということになるのではないか と思いますけれども、それを充実、強化させて、整備をいっそう促進していく、という ような目的で、この地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会が設置されて、今あ る指定要件をさらによいものにしていきたいということで、この会が開かれたというこ とでございます。先生方の、専門的かつ大局的な見地からの御意見をいただければとい うふうに考えております。簡単ですけれども、私からのごあいさつにさせていただきま す。よろしくお願いします。  武井補佐  それでは、メンバーの紹介に移らせていただきます。お手元の検討会の座席表をごら んください。時計まわりで御紹介させていただきたいと思います。  国立病院機構四国がんセンター院長の高嶋委員。慶應義塾大学医学部長、北島委員。 国立がんセンター総長、垣添委員。読売新聞、南委員。日本医師会常任理事、土屋委 員。鹿児島県保健福祉部長、千村委員。以上でございます。  行政側の出席者を紹介させていただきます。ごあいさつをいただきました田中健康局 長、瀬上大臣官房参事官、中島生活習慣病対策室長が出席しております。以上でござい ます。  次に、本検討会の座長でございますが、資料1の「4.その他」のところをごらんく ださい。本検討会に座長を置くものとする、とされておりまして、座長の選出に移りた いと思いますが、地域がん診療拠点病院の運営に関する検討会の座長でもある垣添先生 にお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。 (異議なし)  武井補佐  ありがとうございます。では、以降の議事進行につきましては、垣添先生にお願いい たします。垣添先生、よろしくお願いします。  垣添座長  それでは僭越でございますが、座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願 い申し上げます。先ほど、田中健康局長からごあいさつがありましたように、この地域 がん診療拠点病院というのは、今後のわが国のがん医療水準の均てん化のうえで非常に 重要な話になると思いますので、委員の皆様方の御協力をいただきながら作業を進めて まいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。  さて、それではまず、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。  武井補佐  では、お手元の議事次第をごらんください。本日の配付資料の一覧がございます。ま ず資料1につきましては、「地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会」設置要綱 でございます。資料2−1、がん診療拠点病院のあり方に関する検討<案>。資料2− 2、都道府県がん診療拠点病院と地域がん診療拠点病院の役割分担<案>でございま す。そのあと参考資料がいくつかございます。参考資料1が、均てん化に関する検討会 報告書の概要およびその報告書。参考資料2が、がん対策推進本部について。参考資料 3が、地域がん診療拠点病院の整備に関する指針でございます。参考資料4として、現 状の拠点病院の指定状況一覧がございますので、適宜、御参考にしていただければと思 います。資料の不足等がございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思 います。よろしくお願いいたします。  垣添座長  それでは参考資料1−1、あるいは1−2を、適宜、振り返っていただきながら、地 域がん診療拠点病院のあり方に関する検討を始めたいと思いますが、議題は地域がん診 療拠点病院の整備に関する指針の見直しについてということであります。資料2−1と 2−2に関して、事務局から御説明ください。  武井補佐  では、まず、先ほどもちょっと見ていただいたのですけれど、資料1をざっと見てい ただけますでしょうか。あり方に関する検討会の設置要綱でございまして、検討会の報 告書の提言に基づき、地域がん診療拠点病院のあり方について検討を行うことを目的と する、とされております。検討事項は2つございまして、拠点病院に必要とされる機能 について、それから拠点病院の整備に関する指針の見直しについてということで、別紙 にある委員が本検討会のメンバーでございます。本日、佐々委員におかれましては、都 合により欠席との連絡をいただいているところでございます。  続きまして資料2−1をごらんください。がん診療拠点病院のあり方に関する検討< 案>となっているものでございます。こちらの資料でございますけれども、参考資料1 −2を見ていただきまして、あわせて御検討いただければと思います。参考資料1−2 の、均てん化報告書の27ページに、地域がん診療拠点病院制度の見直しの方向性とし て、別添2の資料がございますが、ここの1から6までに、基本的な方向性についてま とめてございます。この整理に基づきまして、今回の資料2−1が整理されておりま す。  それから参考資料3でございます。地域がん診療拠点病院の整備に関する指針(平成 14年8月20日一部改正)となっておりますが、これが従来の、いわゆる拠点病院の指針 にあたるものでございまして、こちらの参考資料3をあわせてごらんください。  まず資料2−1の、見直しの方向性でございますが、全体的な見直しというものが1 番から6番までございます。その右側に見直し案ということで、拠点病院の指定要件に 関する事項を整理してございます。1つ目の、指定要件をできる限り数値を含めて明確 化するというのが、均てん化報告書より提言があったところでございますが、この点に つきましては、その右側にございますように、がん治療認定医−−これはまだ仮称でご ざいますけれども−−および専門性の高いコメディカル等の配置を数値化するというこ とで、具体的な数値につきましては、2ページ以降に、あらためてまた説明をさせてい ただきます。  大きな2つ目の事項として、その下に、指導的な役割などが期待できる特定機能病院 を指定の対象に含める、といった事項がございます。特定機能病院につきましては、具 体的要件として、3つほど掲げさせていただいております。まず腫瘍センターを設置 し、その長は専任とするという事項でございます。2つ目が、腫瘍センターでは周辺の 地域拠点病院の医師に対する研修を行うこと、ということ。それから3つ目が、地域の 拠点病院への診療支援医師の派遣に積極的に取り組むこと。以上、3つの点でございま す。  次は階層化の話でございますが、3番のところに、拠点病院を2段階に階層化し、役 割分担を明確化するとともに、ネットワークを構築するという提言がございましたが、 これにつきましては、その右側の欄にございますように、まず黒丸の1つ目としまし て、各施設が専門とする分野において、集学的治療−−これは手術、抗がん剤、放射線 等の組み合わせの治療ですとか、チーム医療も含んでおりますけれども、そうしたもの を行い、また、診療ガイドラインに準ずる標準的治療ならびに応用治療を行うこと、と いうこととさせていただいております。注にございますように、各施設が専門とする分 野につきましては、たとえば肺がん、胃がんの治療ですとか、放射線診断治療、病理診 断、緩和医療等をあげております。  2つ目の黒丸のところをごらんください。わが国に多いがんについて、専門的医療体 制を有するか、もしくは連携によって対応できる体制を有することということで、わが 国に多いがん、これはいわゆる5大がんを指しておりますが、肺がん、胃がん、肝が ん、大腸がん、乳がんとする、ということでございます。  3つ目の黒丸でございますけれども、こうした、わが国に多いがんにつきましては、 セカンドオピニオン機能を果たすか、もしくは施設間連携によって対応できる体制を有 すること、という事項でございます。  4つ目の黒丸が、緩和医療の提供体制でございまして、まず、医師、看護師、臨床心 理に携わる者等を含めたチームによる緩和医療の提供体制を整備することが望ましいと いうことと、次の3つの項目が、かかりつけ医に関する事項ですけれども、かかりつけ 医を中心とした緩和医療の提供体制を整備すること、かかりつけ医とともに拠点病院内 で共同診療を行い、早い段階から緩和医療の導入に務めること。それから3つ目が、か かりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和計画を含めた早期退院計画を立てるこ と、ということでございます。  このページの一番下の黒丸のところですけれども、病病連携・病診連携体制について の説明がございます。1つ目の白丸のところに、地域の医療機関からの紹介患者の受け 入れと、逆紹介を行うこと。それから2つ目の丸のところで、症例相談・診断依頼を行 う連携体制を整備すること。それからこのページの最後になりますけれども、共同診療 計画作成等に関する支援を行うこと、ということでございます。  続いて2ページをごらんください。2ページにつきましては、先ほどの、御指摘がご ざいました数値につきまして、医療従事者の配置についての数値目標を掲げてございま す。まずはじめに、専門的な医療に関わるコメディカルスタッフの配置ということでご ざいまして、これは1つ目の丸のところが、抗がん剤調剤を行う薬剤師が1人以上配置 されていることが望ましい。それから2つ目が、がん化学療法看護等がんの専門看護に 精通した看護師が1人以上配置されていることが望ましい。3つ目が、臨床心理に携わ る専任者が1人以上配置されていることが望ましい。この3つが「望ましい」項目でご ざいます。  次に、診療録管理に携わる者、これはがん登録実務者を含んでおりますけれども、1 人以上確保されていること。それから最後に放射線治療を専門とする場合は、専ら放射 線治療にあたる診療放射線技師が1人以上確保されていることでございます。  続きまして、専門的な医療に関わる医師の配置でございます。これは仮称でございま すが、臨床化学療法専門医が1人以上配置されていることが望ましい。2つ目が、病理 診断医が1人以上配置、または他の医療機関から協力を得られる体制が確保されている という点でございます。3つ目が、放射線関係でございまして、放射線の診断医・治療 医が1人以上配置、または協力を得られる体制が確保されていること、ということでご ざいます。  3つ目の黒丸のところは、診療能力が十分発揮できる勤務環境を確保すること、とい う事項がございます。  4つ目の黒丸のところ、これも仮称が2つ続いておりますが、「臨床化学療法専門医 (仮称)」および「がん治療認定医(仮称)」の専門性や活動業績を定期的に評価・改 善すること、ということで、たとえばその専門性については研究論文数や、注2にある ように、活動業績については紹介患者数、逆紹介患者数等があげられると思っておりま す。  次のところに専門的治療室の設置がございまして、集中治療室については設置されて いることが望ましい。続きまして、白血病を得意専門分野に掲げる場合、無菌室が設置 されていること。それから、外来抗がん剤治療室が設置されていることが望ましい。ま た、放射線治療の場合については、装置が設置されていることと、それから、その操作 ・保守に精通した者の配置または必要時に招聘できる体制ということをあげておりま す。  次の2つは、がん登録に関する事項でございまして、標準様式に基づく院内がん登録 を実施すること。それから都道府県が行う地域がん登録事業に積極的に協力することが あげられております。  2ページの一番下のところは研修に関する事項でございまして、地域がん診療拠点病 院は、かかりつけ医等を対象とした、早期診断、緩和医療等に関する研修を実施するこ と、というのがございます。その際、医療機関格差の是正に配慮して、公開カンファレ ンスなどについては定期的に開催すること、という事項でございます。以上が2ページ の説明になります。  続いて3ページをごらんください。4番目の大きな事項として、医療相談室の機能の 強化というのがございます。拠点病院内に相談支援センターを設置し、センター長は院 長が併任すること、ということでございまして、やはり相談室機能の充実、強化という ことが、今回の均てん化の報告書でも言われていることかと思いますが、この部分につ いては詳しく記載させていただいております。  黒丸の2つ目のところにございますように、専任者が1人以上配置されていること。 また、その下の、地域医療機関や患者からの相談に対応できるような体制を整備してい ることということで、具体的な業務として、括弧の中に示してございますように、地域 の医療機関の紹介、セカンドオピニオン医師の紹介、患者の療養上の相談、患者、地域 医療機関、かかりつけ医等に関する調査結果の紹介という内容を含んでおります。  4つ目の黒丸ですけれども、わが国に多いがん以外のがん、たとえば膵臓がんですと か前立腺がんですけれども、こうした診療に関する情報について、公開していること、 ということをあげております。  それから最後に、臨床研究を行っている拠点病院についての情報公開につきまして、 進行中の臨床試験・治験の進捗状況についての公開ですとか、研究成果の公開、それか ら研究費・補助金の額の公開という事項がございます。  その下でございますが、5番目の、拠点病院制度に対するインセンティブが働くよう な仕組みをつくるということで、この点につきましては、拠点病院に対する補助金や診 療報酬加算等を検討するということでございます。  最後に6番目に、指定について更新制を導入するということで、2年ごとに現況報告 を提出するということと、4年ごとの更新制度。それから指定要件そのものについて は、がん診療拠点病院の整備状況等を踏まえながら見直しを検討するものということで ございます。  続きまして資料2−2をごらんください。ここでは、均てん化の報告書の中で出され ていた都道府県がん診療拠点病院の役割<案>を整理したものでございます。大きく3 つございまして、研修、情報発信、それから連絡協議会の設置についてという事項でご ざいます。まず研修については、がん医療を行う医師・看護師等を対象とした研修を実 施すること。情報発信についてはテレビカンファレンスやインターネットを通じて、診 療支援や診断支援を行っていくことでございます。それから、最後の連絡協議会の設置 については、連絡協議会を設置し、連絡協議会が行う業務として、都道府県における院 内がん登録データの分析・評価・公表ですとか、都道府県レベルの研修計画、診療支援 医師の派遣調整を行うということでございます。資料の説明は以上でございます。  垣添座長  ありがとうございました。参考資料1−2、がん医療水準均てん化の推進に関する検 討会の報告書の27ページにある、地域がん診療拠点病院制度の見直しの方向性に沿っ て、資料2−1と2−2がつくられているわけです。見直しの方向性が1から6まで、 それから都道府県がん診療拠点病院の役割ということで、資料2−1、2−2の説明を いただきましたけれど、まず、全体を通しまして、資料2−1のほうからまいりましょ うか。全体として何か発言をいただくことがありましたら承りたいと思います。そのあ と個々に、1番、2番、3番と、順次、個別に検討に入りたいと思います。全体として いかがでしょうか。  土屋委員  地域がん診療拠点病院および一般医療機関との間の病病連携、病診連携等のネットワ ークの構築と医療計画への明記ということが、ここにうたわれております。実は、医療 計画の見直し等に関する検討会において、だいたいの中間とりまとめがなされました。 その中でも、今後の医療提供体制の根幹をなすのは「医療連携体制」の構築であるとい うことが確認されたところであります。そこで提案ですが、このがん診療拠点病院が単 に指定条件を満たしたものではないという自覚を、拠点病院自身に、あるいはそれと連 携するその他の医療機関にも認識してもらうためには、名称を「がん診療連携拠点病院 」と、ここに「連携」を入れて、それを明確にしておくということが必要ではないかと 考えます。  垣添座長  ありがとうございました。先生のご提案は、がん診療連携の拠点病院という御主旨で すね。  土屋委員  「連携」を入れてもらいたいということです。  垣添座長  はい、「連携」を入れるということですね。土屋委員からそういう御提案がありまし たけれど、これに関して何か御発言がありましたらお願いします。  土屋委員  これは、前回のこの地域がん診療拠点病院制度の検討会でも、いったんこれは話題に なったことです。  垣添座長  そうでしたね。  土屋委員  「医療連携」ということが大事であるということが、このところ強調されてきました し、みんな実感をしておりますので、国民にも理解されやすい。今度の医療計画の中で も、国民がどういう形で、がんの診療を受けることができるのかということを、国民の 視点に立って、わかりやすく、これを示すことが必要であるということが言われており ますので、それに応える意味からも、そこに「連携」という2字を入れていただくの が、よろしいのではないかと考えるわけです。  垣添座長  ありがとうございます。高嶋委員は四国がんセンターを中心として、地域の医療機関 あるいは医師会と、いろいろ、これまでも連携をしてこられたと思いますけれど、今の 御提案に関して何か御意見はおありでしょうか。  高嶋委員  名称のことですが、もちろん、今の「がん診療拠点病院」という名称の中にも、「連 携」というのは非常に強くうたわれておりますので、特に「連携」を入れるかどうかと いうのは、皆さんの御議論でいいと思います。  垣添座長  北島委員、特定機能病院のお立場で、今のことに関して何かありますか。  北島委員  今、高嶋委員が言われましたように、やはり拠点病院の機能のひとつとして、連携と いうのは、これは非常に重要なことであって、名称云々というのは、まあ、「連携拠点 」というと、どういう意味かなあという誤解を招くようなことが、あるかもしれませ ん。この拠点病院の機能の中に、他施設との連携の重要性を強くうたっていただけれ ば、よろしいのではないかと思っております。  垣添座長  ありがとうございます。千村委員は、地方の立場で何かありますか。  千村委員  それぞれの施設での治療もさることながら、地域における医療全体を底上げするとい う観点からすれば、連携というのは、たしかに大変重要だろうと思いますので、先生方 の御発言に賛同いたします。  垣添座長  南委員はいかがですか。  南委員  そうですね、私もほとんど、先生方と同じですが、今、この名称が、どのぐらい知名 度があるのかということにもよりますけれども、「診療拠点」なのか「診療・連携」な のか、それとも「診療連携」なのかわかりませんけれど、連携の拠点なのかというあた りで、意味あいとしては多少違うものを連想するのかなあという気はしますけれども、 連携が非常に重要な機能であるということは、もう、言うまでもありませんので。  垣添座長  はい、わかりました。ありがとうございました。現在、検討のもとになっている報告 書の中にも、病病連携、病診連携という要請は、十分、既に文章として残っております し、皆さん、認識のとおりでありますが、言葉として、これを入れるかどうかというこ とですが、これは事務局としてはどんなふうにお考えですか。  中島室長  がん診療拠点病院という形で、これまで制度を運用してきている。しかし、今、土屋 先生から御指摘があったように、その充実・強化を図るにあたっては、やはり連携とい うことが大変重要で、今回の見直しにあたっても、連携ということなんだから、名は体 を表すということですので、今日の御意見も踏まえるのと、あとは、土屋先生からも御 指摘がありましたが、医療計画を、現在、見直しております。それで、がんのみなら ず、代表的な疾患について、ある程度、地域における病病連携、病診連携のネットワー クをつくっていくということになっていますので、その他の疾患においてネットワーク を形成していく際に、どのような病院に名称を付するのかというところとのバランスも あると思いますので、医療計画の中での検討と歩調をあわせながら検討させていただけ ればと思っております。  垣添座長  そうすると、言葉としては加えても−−従来、「がん診療拠点病院」という名称で来 たのを、ここに「連携」というのを加えても、それもいいわけですか。  中島室長  ただ、他の医療計画において、がんのみならず他の疾患についてもある程度、地域に おいてネットワーク体制をつくろうということで、現在、医政局のほうで検討しており ます。そういう中で、じゃあ、ネットワークの中心となる病院というのを、どのような 名称で呼ぶのかというところの議論がありますので、それとのパラレルな関係で、がん というのも、どのような名称にするのかということを検討していく必要があるのかなあ ということです。  垣添座長  わかりました。そうしますと、土屋委員の御提案の趣旨は私もよく理解しているつも りですし、それから委員の皆さんも、それはよく御承知のことでありますけれども、一 応この場では、連携の重要性は文章として残っておりますので、「がん診療拠点病院」 のままで行って、医療計画全体の中で、少し考えていただくという整理にさせていただ いてよろしいでしょうか。  土屋委員  はい。  垣添座長  ありがとうございます。全体に関して、他に御発言はありますでしょうか。  北島委員  指定要件の中で、これを数値化するということがありますが、たとえば「望ましい」 とか、このような表現が、あとで非常に混乱を招くのではないかと思うんですが。ある いは設置されている場合を2点とか、それに準ずるものがあったら1点とか、このよう に数値化しないと、「望ましい」というのは、条件としては不適切ではないかという気 がいたしますが、どうですか。  中島室長  私どもの武井のほうからの説明でも、「設置すること」「確保すること」というとこ ろと、あとは「望ましい」ということで、ある意味では、書き分けさせていただいてい るわけです。考え方として、理想的にはすべて、いわゆる義務づけで必置という形で書 くというのも、ひとつはあるんですが、そうすると、あまりにハードルが高くなるので はないかという部分も一方ではあって、そして、せめてこれだけはきっちり守っていた だきたいということと、こういう方向で、指定を受けたあとも整備を−−もし、してお られなければ−−していただきたいという形で、ここを書き分けているところでござい ます。このあと、各論ごとに、座長のほうから進行をいただくと思いますので、もし、 「望ましい」となっているところが、やはりこれは必置に書き改めるべきだという御意 見があれば、議論をいただければ、大変ありがたいというのがひとつです。  それから2つ目に、資料2−1の3ページの一番最後に書かせていただいています が、「指定要件は、がん診療拠点病院の整備状況等を踏まえ、見直しを検討」していく ということになっておりますので、今後、この現行の見直しの規準で整備をしていく中 で、そうしたものが、あまねく普及していけば、指定病院には、より高い水準を求めて いきたいというところもありますので、その段階で「望ましい」ということを、あらた めて必置という形で書き直して、より高いレベルに持っていくという形の、今後の展開 方策というのも、あるのかなあと思っておりまして、そういうことを念頭に置きつつ、 議論をいただければ、大変ありがたいと思っております。  垣添座長  わかりました。ありがとうございます。  高嶋委員  拠点病院を2段階に階層化するというふうになっていますね。そうすると、この、今 回検討するところの中で、この要件は、いわゆるがん診療拠点病院の一番下の階層につ いての検討になるわけですか。都道府県がん診療拠点病院の要件は別に議論するのです か。  中島室長  冒頭の説明で、ちょっと不十分だったきらいがあるんですが、資料2−1でお示しし ているのは、2次医療圏に1か所の、いわゆる地域がん診療拠点病院に満たしていただ きたい要件です。そして、これを満たしたうえで、都道府県に1か所のがん診療拠点病 院として指定をさせていただく際には、資料2−1に書かれている要件に加えて、資料 2−2を満たしていただければ、それは都道府県に1か所として指定させていただくと いうことで、書類を整理させていただいています。  垣添座長  わかりました。それでは、もう既に資料2−1の1、指定要件をできる限り数値を含 めて明確化するということの議論に入った形になりますので、ここの項目を、順次、御 検討いただきながら、今の「望ましい」規定に関しても議論をいただければというふう に思います。  まず1番目の指定要件、がん治療認定医(仮称)・専門性の高いコメディカル等の配 置を数値化するということですが、これは、こういう方針で臨むということで、ここの ところはよろしいですね。  2番目に、指導的な役割などが期待できる特定機能病院を指定の対象に含めるという ことが、今回の見直しの、ひとつ大きなポイントでありますが、見直し案は、特定機能 病院が拠点病院に指定される場合においては、指定要件に加えて次の要件を満たすこと ということで、3つあがっていますが、いかがでしょうか。腫瘍センターを設ける、そ のセンター長は専任、地域拠点病院の医師の研修を行うこと、それから診療支援医師の 派遣。この3つがあがっておりますが。  北島委員  この腫瘍センターというのは、名称ではなくて、その中の機能ということでよろしい のですね。  瀬上参事官  はい。  垣添座長  そうですね。  北島委員  われわれの施設でも、腫瘍センターというよりも、むしろ、他の機能を持った包括医 療センターの中に、腫瘍センターの機能を有しているということで、名称ではなくてそ の機能を有していればいいという理解でよろしいんですね。  瀬上参事官  国民に見えるという形が、きわめて大事であるというのは報告書の中でも繰り返され ていることだと思います。そういう意味で、機能を有すれば必然的に名称としてもそれ を掲げていただくことが望ましいと思います。  垣添座長  ですから北島委員の御質問に対しては、特定機能病院内に腫瘍センターの機能を持つ ものがあれば、その名称は各特定機能病院ごとに多少違っても構わないということでよ ろしいわけですね。  瀬上参事官  腫瘍センターという状況が、国民にとってわかる形の名称がついていれば、それでよ ろしいのではないかというのが、この素案でございますが、先生方で御議論をいただけ ればと思います。  垣添座長  従来、大学に対する批判のひとつとして縦割りということがありますが、それを横断 する形で腫瘍センターなり、あるいは学内のがんセンターみたいなものがあれば、これ は国民の目から見ても非常に分かりやすいし、事実、利益があるという考えですが、こ れに関してはよろしいでしょうか。  千村委員  今の御質問に関連して、腫瘍センターの長を専任とするというところですが、これ は、たとえば国立大学法人の場合に、組織を新たにつくって専任の者を置くということ は非常に難しいとも想像をするんですけれど、専任というのは具体的には、どのような イメージを持っておられるのでしょうか。  瀬上参事官  特定機能病院内部での治療、あるいはがん登録、相談支援といったものに関しての責 任者として、明確に位置づけられる人が必要だということで、専任という表現になって おります。昔の国立大学と違って、独立国立大学法人は、少しその辺が、かなり自由度 が、大学の中でついておりますから、できないことはない、と。病院長あるいは医学部 長が併任するという形になりますと、必ずしも腫瘍学の領域とは関係のない方々が腫瘍 センターの長になってしまい、診療連携の重要性あるいはがん登録の重要性等に関する 認識が徹底しない可能性があるというのが、水準均てん化推進に関する検討会の中での 議論にございました。それを踏まえての条件ということと御理解いただければと思いま す。  北島委員  今のは非常に重要な御指摘とお答えだったと思うんですが、やはりこのような横断的 な機能を持ったところで兼任職という状況にすると、これは機能を十分に果たせないこ とが多い。ですから、この腫瘍センターは、チーム医療でないと、もう、成り立ちませ んので、はっきりと専任のセンター長を置かないとならないと思います。われわれの経 験でも思っておりますので、できるだけこういう方向にしていただきたいと思っており ます。  垣添座長  こういう専任のセンター長がいれば、非常に強力な指導性が発揮できるということ は、皆さん、よく御理解いただけるかと思いますが、問題は実現性ですけれども、これ までの議論では、やはり専任でないと具合が悪いのではないかという話でまいりました が、このまま行ってよろしいでしょうか。  土屋委員  特定機能病院も独法化されて、中身も、あるいは、はたから見る目も、だいぶん変わ ってきています。そこで、これは社会保障審議会の中でも、この特定機能病院あるいは 地域支援病院等の見直しということが、出てきています。その役割は、一般病院とは自 ずと違うわけで、腫瘍センターを置くというような、新しい考え方が、従来の大学病院 あるいは特定機能病院というものを引きずった形ではなくて、そういうものにとらわれ ないで、設置するということは、大変大事なことで、また、時宜を得た構想でもあると 思います。  垣添座長  よろしいでしょうか。ありがとうございます。専任ということでまいりたいと思いま すが、この2番の項に関して他に御発言はありますでしょうか。ないようでしたら先に まいります。今度は3番目、拠点病院を2段階に階層化し、役割分担を明確化するとと もに、それを踏まえたネットワークを構築するということです。ここに連携の話も入っ てまいりますし、右側には黒丸が5つ整理されております。それからこの点に関して は、資料2−2の、都道府県がん診療拠点病院の役割も、あわせてごらんいただきなが ら、議論をいただきたいと思います。この3に関して御発言をお願いいたします。集学 的治療の部分は、これはチーム医療が重要であるということは、皆様の認識の一致する ところであろうかと思いますが。  これまでの地域がん診療拠点病院の要件よりも、この、大きい括弧でくくられており ますように、各施設が専門する分野、たとえば肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳 がんと、この5大がんの他に、膵がんとか子宮がん、前立腺がん、頭頸部がん、食道が んなど、いろんながんがあがっております。その他、放射線診断・治療、病理診断、外 来抗がん剤治療、緩和医療等とするという、かなり具体的な記述になっております。そ れから専門的な医療体制を有するか、もしくは連携によって対応できる体制ということ で、この場合は、わが国に多い5大がんがあがっておりますが。  高嶋委員  学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療ということを書いてあります。これも具 体的にするためには、やはりクリニカルパスというのは非常に普及しておりますので、 診療ガイドラインに準拠したクリニカルパスを整備するといったようなことをしたほう がいいのではないか。この応用治療というのが、何かわかりにくいんですが。何かそう いった文言を入れたほうがいいのではないかという気がします。  垣添座長  応用治療という言葉はむしろ除いて……。  高嶋委員  いわゆる診療ガイドラインというのは、もちろん重要なんですが、これを具体化する ためには、診療ガイドラインに準拠したパスを整備していくという、そういったことが 望ましいということを入れたほうがいいのではないかという気がしますが。  垣添座長  なるほど。これは必ずしも、ただちに対応できないところがあるから「望ましい」規 定になるわけでしょうけれど、今の御発言についていかがでしょうか。大事なポイント だと思いますが。  瀬上参事官  検討会の議論では、やはり最低限の条件として、こうした標準的治療が行われなけれ ばならない、と。それが均てん化の基本であるという、そういう御認識の発言が多数あ ったと記憶しておりますが、そういう意味で、「望ましい」となると、そのあたりの基 本的な精神に、果たしてかなうのかどうかが、ちょっと心配でございます。  垣添座長  ゆるんでしまうというか……。  瀬上参事官  クリニカルパスが整備されることは、おっしゃるとおり大変重要なことと存じており ますが、現段階ですべての診療拠点病院にクリニカルパスの整備を要求できる水準にあ るのかどうか、そこは私どももよく理解できないところでございます。そこで、標準的 治療ならびに応用治療を行うこと、という言葉で、現時点ではこういう義務化を図りた いと考えております。もちろんクリニカルパスにするのであれば、「整備すること」と いう義務化ができれば、それに越したことはございません。  垣添座長  そうですね。「望ましい」規定だと、ゆるんでしまうという御発言はそのとおりだと 思いますが、高嶋委員、そのあたりはどうでしょうか。  高嶋委員  地域がん診療拠点病院では、もう、クリニカルパスの整備はほとんど進んでいるとい うふうに私は理解しております。  垣添座長  そうすると、クリニカルパスを導入することですか……。  瀬上参事官  整備することですね。  垣添座長  ああ、整備することですか。  高嶋委員  国立病院機構のがんの政策医療ネットワークの中では、クリニカルパスに則った患者 のパーセントを、既に数値化しておりますので、これは当然できるというふうに私は考 えております。  垣添座長  これは、特定機能病院はどうでしょうか。  北島委員  クリニカルパスというのは、やはり組織によって内容がずいぶん異なるのではないか と思います。ですから、たとえば同じがんの治療をするにしても、たとえば外科などで は、開腹でやる場合と低侵襲の内視鏡下でやる場合とでクリニカルパスが違うんです ね。ですからまあ、クリニカルパスを設定するということは、医療経済的な効果も期待 できるわけですけれど、それを一律でここにうたうのも、ちょっと、どうかなあという 気がしないでもありません。それを設定することは、将来的に重要だと思いますけれ ど。  垣添座長  ただ、ガイドラインを進めていくと、必ずクリニカルパスの形になってくることは間 違いないですね。  北島委員  そうですね。だから、やはりガイドラインで標準治療をする、と。これはもう、基本 路線だと思いますけれど。  垣添座長  他にいかがでしょうか。  瀬上参事官  今の御発言は、クリニカルパスへの誘導ということだと理解させていただければ、も うひとつ、ここにクリニカルパスを整備することが望ましいというような一言を、追加 で加えていくというのも、考え方としてあり得るのかなあ、と。  垣添座長  なるほど、そうですね。それが現実的な打開策かもしれませんね。そうしましょう か。高嶋委員、よろしいですか。  高嶋委員  そうですね、厚生科学研究費の研究班でも、今、統一化の班がありまして、その方向 で動いていますので、将来的には、かなり統一化されると思いますので。「望ましい」 ということが一番いいというふうに私は考えます。  垣添座長  わかりました。では、ここはそういうふうに整理しましょう。やはりガイドラインが 整備され、クリニカルパスが整理されていけば、次の見直しのときに、これをきちんと 文言として入れるということが可能だと思いますので。では、ここはガイドラインに準 ずる標準的治療ならびに応用治療を行うことと、それから、クリニカルパスを整備する ことが望ましいという整理にしたいと思います。他にいかがでしょうか。  北島委員  緩和医療は、これは非常に重要なことなんですが、かかりつけ医の先生とともに拠点 病院内で共同診療を行うというのは、これはアメリカのようなオープンシステムにする ということですか。この共同診療の意味が、オープンシステムなのですか。  瀬上参事官  議論の中で出てきたのは、必ずしも全面的なオープン診療ということではなかったと 思います。部分的なオープン診療かなあという理解をしておりました。  垣添座長  「共同診療」がわかりにくいという御指摘ですか。  北島委員  そうですね。  垣添座長  ですから、かかりつけ医が、たとえば診療拠点病院に患者さんを紹介して、その方が 入院しているときに、かかりつけ医のほうが拠点病院に行って、その患者さんの緩和ケ アに関して、担当医といろいろ議論をするというようなことができるという、そういう ことを想定しているというふうに思いますが。  瀬上参事官  「ねばならない」ではなくて……。  垣添座長  そうですね。  瀬上参事官  患者さんが望まれたときに、そういう体制がとれる、あるいはそれに基づいてかかり つけ医の先生が、望まれたときに受け入れる体制を整えるというのが、おそらく御趣旨 だったと思います。  北島委員  わかりました。  垣添座長  では、これはこのままにしましょう。他にいかがでしょうか。  高嶋委員  緩和医療提供体制の一番上の白丸のところは、緩和医療体制を整備することが望まし いとなっており、次のところは、緩和医療提供体制を整備すること、となっています。 そうすると、緩和医療チームが既に存在する、すなわち診療報酬上、緩和医療チームと して認められたものが存在しないと、その2番目の白丸が実現できないということで、 ここは「望ましい」というよりも、「整備すること」とすべきではないかという気がい たしますが。  垣添座長  これはたしかに整備されると診療報酬上の加算がありますが、先々週でしたか、開か れた緩和医療学会でも、この認可の要件にかなう病院が、かなり少ない。要するにこの 認可の条件が厳しいということで、なかなか加算が得られないという発言がいろいろあ りました。ですから、そのままで「整備すること」と言い切ってしまうと、ちょっと現 実は苦しいのではないかという気がいたしますが。  高嶋委員  それに準じた体制がなされていないと、なかなか、かかりつけ医との病診連携はでき ないわけですから、この「望ましい」ということでよろしいのでしょうか。  垣添座長  結局、専任の医師や看護師、臨床心理に携わる者等、要するにそういう緩和医療チー ムをつくるのが、要件にかなうことが、なかなか難しい実態であるということですが。 だから今の段階では、「望ましい」くらいにしておかないと、これは動かないような感 じがするんですけれど、いかがでしょうか。現在、たしか全国で、この緩和医療支援チ ームが認められているところが、2週間くらい前の段階で30施設くらいではなかったか と思いますが。  高嶋委員  そうですか。  垣添座長  御趣旨はよくわかりますけれど、ここは今は、とりあえず「望ましい」に整理してお きましょうか。他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もしあとで何かありまし たら、また後ほど戻っていただいても結構です。先にまいります。2ページ目、さらに 黒丸がたくさんあります。専門的な医療に関わるコメディカルスタッフの配置、それか ら医師の配置、勤務条件、化学療法専門医(仮称)、治療認定医(仮称)、施設の条件 など、いろいろありますが、この2ページに関して何か御発言はありますでしょうか。 検討会でずっと議論されてきた、最初の黒丸のところの白丸の4番目、診療録管理に携 わる者(がん登録実務者を含む)が1人以上確保されていることということで、これは 医療の現場の忙しさを考えると、こういう人がいないと院内がん登録が進まないとい う、いろんな議論を踏まえての条件で、「確保されていること」と、非常に強く打ち出 されているということで、これは大変ありがたいことだと思いますが。  北島委員  この、がん化学療法看護師等がんの専門看護師さんというのは、これは都道府県認定 ですか。  垣添座長  どこですか。  北島委員  2番目の、看護師さんのところです。  瀬上参事官  ここは表現を非常に注意深くさせていただいているところでありまして、「専門看護 師」という呼称は使わないようにしております。もっぱら、それぞれの病院で、がん化 学療法看護等の、がんの専門看護に精通しているという、そういうことを何らかの形で 客観的に、病院の管理者が御説明していただければ、それでよろしいのではないかと思 っておりますが、いかがでしょうか。  北島委員  東京都に5人ぐらいいるというようなことを聞いて、つい最近、うちのセンター長か ら報告を受けて、そのうちの2名がうちのセンターにいるんですよというようなことを 聞いたんですが、これは都道府県で何か……。  垣添座長  絶対数はまだ非常に少ないと思います。  北島委員  少ないですね。ただ、そういう教育を受けた看護師さんがいるということは聞いてい るんですけれど。  瀬上参事官  そこまでのハイレベルの方は、まだまだ少ないと思うんですが、それに準ずる形で、 いろいろと研修を積まれている方々が、かなりおられるとうかがっております。  北島委員  そうすると日本看護協会が認定している認定看護師でなくてもいいわけですね。  瀬上参事官  専門看護に精通した看護師ということで……。  北島委員  あれは看護協会が認定でしたね。そうですね。  高嶋委員  専門看護師というのは非常に少ないんですが、化学療法認定看護師というのは、かな りたくさん出ておりまして、これは全国的にかなりたくさんいると思うんですが、その あたりをここに明記するかどうかというので、かなり違ってくると思うんですが。  垣添座長  明記して、対応できますか。  高嶋委員  それはちょっと難しいのでは……。  瀬上参事官  全都道府県ということを考えますと、今の段階では明記はできないのではないかと思 います。  垣添座長  そうですね。わかりました。では、ここはこのままにしておきましょうか。  高嶋委員  それから、その下、がん登録の下にありますが、放射線治療を専門とする場合という ふうになっていますけれど、がん診療拠点病院では、放射線治療ができるということが 要件ではなかったでしょうか。  垣添座長  あるいは近くの施設で連携がとれるというのもありますね。  高嶋委員  その要件でもいいわけでしょうか。  垣添座長  たしか、そうだったと思います。そうでしたね。  瀬上参事官  はい。前のページにありますように、自分のところはがん診療の中でも放射線診断・ 治療に関してを得意分野とするというか専門分野とするということを標榜されるのであ れば、この要件を満たしていただくということで、それを標榜しないところでは、今の 段階では、まだ、ここまでは要求できないのではないかという議論だったと思います。 議論の中では、放射線物理士とか、そういう言葉がだいぶ出てきたわけですが、現段階 で、まだ、そういう方々を明記するというには難しいではないか、時期尚早ではないか ということで、そういう機能をお持ちの方を確保する、それがもっぱら、診療放射線技 師を専任にすることで、そういったことにも通じてくるのではないかと、こういう期待 感でございます。  垣添座長  わかりました。放射線物理士もまだ、日本では、まず絶対数が不足しているのと、ポ ジションが今のところ各医療機関で十分配備されていないという、2つの問題がありま すから、ここで今、そこまで言ってしまうと、非常に難しい状況になりますね。では、 ここは、このままにしましょうか。他にいかがでしょうか。  千村委員  質問ですけれど、まず1点目は、黒丸の3つ目にある、すべての医療スタッフがその 診療能力を十分に発揮できる勤務環境を確保すること、とありますが、この「勤務環境 を確保」というのは、具体的にどんなイメージのものを考えていらっしゃるのかという のが1点。それからもう1点は、その次の黒丸の、専門性や活動業績を定期的に評価・ 改善すること、とありますが、この「改善」というのは、具体的にどんなことをイメー ジされているのか。これについて、簡単に御説明いただければと思います。  瀬上参事官  最初の御質問は、議論の中で1回、出てきたと記憶しているんですが、今、あまりに も多忙で、十分にその診療能力が発揮されていない状況があるという議論があったと思 います。それに対して、単に医師だけではなくて他のスタッフも同じだ、と。それをち ゃんと、人的に充足させることが必要ではないかという議論があったんですが、定数云 々ということについて、こういう指針でしばることが果たしてできるのだろうかという ことで、皆さんの心は、診療能力が発揮できるような、そういう人的な充足というこ と、それを別の表現にさせていただいたということでございます。  2番目の御質問ですが、自ら高まっていっていただかなければならないので、そのた めには評価するということが必要なのかなあ、と。ピアレビューというレベルの話です が、単にレビューしただけではいけない。その、改善することというのは、私どもがつ けた余計なことかもしれませんが、ここは議論をいただければと思います。  垣添座長  改善点というと違和感がありますか。  千村委員  いえ、これはそうすると、医療機関および、そこに勤務している医師個人個人が、自 ら評価したもの、あるいはされたものを見て、さらにその後の業務に生かしていくこと を、それぞれの立場で考え、実行していくというようなイメージを、ここに「改善」と 書かれたということでしょうか。  瀬上参事官  注2にありますように、評価者は患者さんも含みますし、それから診療連携をしてい る相手先の方々も含みます。そういう意味でのピアレビューで、単に自己評価だけでは ないと思います。「改善」については、私どもがくっつけたものですが、「評価」につ いては、そういう趣旨の議論があったと思います。  垣添座長  そうですね。評価しただけでは、やはり意味がありませんので、たしかに、ちょっと 言葉の座りが悪いかもしれませんけれど、一応、これは改善するということで残してお きましょうか。特に患者さんからの評価もというのは大事な視点だと思いますので。そ れからその前の、すべての医療スタッフが云々というのは、少し漠然とした規定ではあ りますが、どうしましょうか。これは残しますか。  千村委員  今、御説明があったように、具体的に、たとえばスタッフの数であるとか規準を示す ということではなくて、広い意味で環境を確保するという趣旨でここに書かれていると いうことであれば、私はよろしいかと思います。  垣添座長  これはまさしく広い意味で漠然と書かれているということですね。ここは踏み込むと 大変なことになりますので。  北島委員  これは踏み込んだら、増員とか、いろんな問題が出てきますから。  垣添座長  では、ここは漠然とこういう規定を残しておきましょう。他にいかがでしょうか。  北島委員  プリントミスだと思うんですけれど、黒丸の下から3つ目の、「地域がん診療病院」 とあるのは、これは「地域がん診療拠点病院」ですね。  垣添座長  そうですね。  瀬上参事官  失礼いたしました。  垣添座長  ありがとうございます。下から6つ目の、専門的治療室の設置の中の、白丸の上から 3つ目でしょうか、「外来抗がん剤治療室が設置されていることが望ましい」は、これ でよろしいですか。これも実態としては、まさにこういうことだと思うんですが、た だ、これからますますこういう方向が日本中で加速されていくことは間違いないと思い ます。しかし今の段階では「望ましい」ということでよろしいでしょうか。では、これ はこのままにいたしましょう。他にいかがでしょうか。  では、先にまいりましょう。今度は3ページ目、「4.医療相談室の機能の強化」と いうことで、最初の黒丸にありますように、拠点病院−−これはがん診療拠点病院とい う意味ですが−−拠点病院内に相談支援センターを設置し、センター長は院長が併任す ること。つまり患者さんのいろんな相談に応じるということは非常に重要な機能である ということが議論されてまいりましたし、それからこの間、いろんな患者団体から、こ ういう、医療者と患者さんの間、あるいは家族との間をとり結ぶような機能が求められ るという発言がたくさんありましたから、それに対応する形で、こういう言葉が出てき たというふうに思いますが、この部分、医療相談室の機能に関して何か御発言があった らお願いします。  瀬上参事官  論点として考えていただきたいのは、特定機能病院は専任の腫瘍センターを設置し て、専任のセンター長を置くということですが、その場合に、この相談支援センターの センター長をどういうふうにすればいいかということは、私どもも悩むところでありま した。そこも含めて議論をいただければと思います。  垣添座長  筋論からいけば、当然、非常に重要な機能ですから、この相談支援センターのセンタ ー長というのは、やはり専任であるべきだと思いますが、ただ、各拠点病院における人 材配置のうえで非常に厳しい状況があるときに、そこまで言い切ってしまっていいかと いうのがポイントだと思いますが、このあたりについて、いかがでしょうか。院長が併 任することということで、要するに医療機関あるいは病院をあげて取り組んでいくとい う姿勢を打ち出しているということだと思いますが。現状はこれでやむを得ないか、あ るいはもう少し踏み込むべきか、このあたりはいかがでしょうか。実際にはその下に2 番目の黒丸がありますように、相談支援センター専任者が1人以上配置されていること ということで、患者さんや家族から、自分の状況はどうかということに対して相談に乗 るような機能として、そういうことができるような先任者を置く。患者団体の方で、コ ーディネーターという言葉を使っていた方もいらしたと思いますけれど、そういう役割 を果たせる人ががん診療拠点病院の中にいるということだと思います。  高嶋委員  この専任者というのは、特にソーシャルワーカーとか、あるいは事務系とか、そうい った制限はないわけですね。ある程度、専任であればいいということですね。  垣添座長  それはそうだと思います。  高嶋委員  必ずしもそういった人でなくても、専任者であればいいわけですね。  垣添座長  そこまで踏み込んではいません。  高嶋委員  そこまで踏み込んではいないわけですね。  垣添座長  はい。  高嶋委員  それからこの名称ですが、患者支援センターというのは、これは正式名ですか。今は それぞれの病院で、よろず相談室とか、いろんな名称を掲げていますが、それはやはり こういう名称に統一すべきなんでしょうか。  垣添座長  いえ、これは……。  高嶋委員  そういった機能を持てば、従来の名称でいいということですか。  垣添座長  それはここの議論によると思いますが、いかがでしょうか。私は、先ほどの腫瘍セン ターの名称と同じように、この機能があれば、名称は各医療機関によって多少異なって も構わないのではないかという気がしますが、いかがでしょうか。南委員、一般のお立 場からすると、どうでしょうか。  南委員  特定機能病院の場合のイメージについて、今、ちょっと考えていたんですけれど、が んセンターみたいなところの場合には、先ほどの特定機能病院の場合のような、腫瘍セ ンターというイメージでの機能、相談支援をする機能という感じで、つまり相談支援セ ンターという名前のものをがんセンターの中に置いた場合は、何か、割合とわかりやす いように思うんですけれど、特定機能病院の中に、特に腫瘍センターを置いて、その腫 瘍センターに関わる相談の支援ですよね、これは。  垣添座長  そうですね、実際には腫瘍センターの中に置くことになるでしょうね。  南委員  そこに置くわけですよね。それをなおかつ、センター長を特定機能病院の院長が兼ね るということになると、特定機能病院の場合と特定機能病院でない場合で、ちょっと、 この相談支援センターのイメージが……。多分、特定機能病院では、大学病院なんかで は、相談センターみたいなものを置いているところは多いですから、それとかぶる部分 も出てくるのかなあということが、ちょっと、私が今考えていたことで、高嶋先生がお っしゃった疑問は、こういう名称にするかどうかということですよね。名称はまあ、こ ういう機能を持っていればいいのかなあという気はするんですけれど、特定機能病院の 場合、ちょっとイメージが……。北島先生あたりは、どのようにお考えでしょうか。  北島委員  僕は、腫瘍センターの中につくるというイメージではなくて、拠点病院の中の、セン ター・イン・センターというのは、ちょっとおかしいと思うんですね、腫瘍センターの 中にまた医療相談センターをつくるというのは。  垣添座長  たしかにこれは、想定しているのは地域がん診療拠点病院だと思いますね。  北島委員  そうですよね。そうすると医療相談室というのは、だいたい皆さん、お持ちになって いると思うんです。  南委員  ありますよね。それとまた別に……。  北島委員  それと別につくるとは、私は理解していなかったんですけれど。ここの医療相談室の ような機能というのは、特定機能病院はみんなあると思うんです。ここの機能をがん相 談に強化するということで、腫瘍センターの中につくるのではないですよね。  瀬上参事官  まさに、そこをどうしたらいいのか……。  垣添座長  なるほど、これは結構、議論が十分されていないところなんですね。  瀬上参事官  それが先ほど、特に御議論いただきたいと申し上げたところです。  垣添座長  わかりました。ここの部分に関して……。  北島委員  さっき南委員が言われたように、センター・イン・センターで、センター長がいるの に、そこにまたそういうセンターをつくって院長が併任というのは、これは組織的には おかしいですね。  垣添座長  そうですね。たしかに、どこの医療機関も医療相談室というのは、大概設けておられ るから、その中で、こういう、がん診療拠点病院になった場合に、がんの問題を相談さ れたときに、的確に対応できれば、それでいいということになるんでしょうけれど、さ て、どうしましょうか。  瀬上参事官  検討会での議論では、そこまでややこしくなるということは想定されずに、特定機能 病院には腫瘍センターを置いてやったほうがいいだろうという議論で、その中には、じ ゃあ腫瘍センターというのはどういう機能かというのは、多科にまたがる患者のチーム 医療をコーディネートするんだという話とあわせて、患者の相談支援機能もそこで持つ べきだと、あるいは、がん登録室の管理もそこで行うべきだと、こういう議論があった ことを御紹介いたします。もうその段階で、また先になるということは見えていたんで すが、やはりまた先かなあといHYいう気がして、そのまま書かせていただいていま す。  垣添座長  相談支援センターの業務というのが、その下に大きく括弧でくくられていますね。医 療機関の紹介、セカンドオピニオン医師の紹介、患者の療養上の相談、患者、地域医療 機関、かかりつけ医の紹介。もしくは、現在、医療相談室みたいなところでやられてい る機能があるわけですけれど、さて、どうしましょうか。  高嶋委員  当院の実情から言いますと、今、これは非常にたくさんの分野に分かれているんです ね。よろず相談室というのがありますし、それから、地域医療連携室も別にあります し、セカンドオピニオンもあります。それを全部、併合して、こういう組織をつくるの は、かなりいろいろな面で組織を変えていかなくてはいけないということもあります し、この中でがん登録も行うとなりますと、かなり大きな組織になってくると思うんで すが、そういったものを患者支援センターという名称でいいのかなあという疑問が、ち ょっとあったわけです。  垣添座長  がん登録は、今度、ここには入らないんです。  高嶋委員  ここには入らないんですか。  垣添座長  はい。だから病病連携、病診連携、セカンドオピニオン、その他、患者さんあるいは 家族の個々のがんに関する相談というところが中心になります。  高嶋委員  これをひとつの組織にするというのは非常にいいことだと思うんですけれど。  南委員  そうすると、ここに書かれていることとすると、ソーシャルワークをやっている方な どが応じられるような、受ける医療に関する相談であれば、ソーシャルワークみたいな 方で対応できると思うんですけれど、やはり受けている医療の中身に関する相談とか、 そういうことになりますと、果たして……。  垣添座長  それは多分、院内の連携で、ソーシャルワーカーが一次的に話をうかがって、これは 院内の○○先生にご相談というような形になるだろうと思いますけれど。  南委員  なるほど、振り分けるわけですね。全部をくくり込むのは、たしかに無理でしょうか らね。  北島委員  結局、医療相談室の機能強化というときに、ひとつのところに全部をくくり込むのは 大変ですけれど、がんに対するコンサルトとソーシャルワークはできると思うんです。 ですから、むしろ腫瘍センターとの連携を強化する。その拠点病院内において、腫瘍セ ンターとこの医療相談室の機能の連携を強化するという、そういう意味づけだと思うん ですけれどね。  垣添座長  特定機能病院においては、まさにそうですね。  北島委員  そうですね。  垣添座長  そうすると、相談支援センターというのは、「センター」という名前が、ちょっと変 なのかもしれませんね。  北島委員  ええ、センターというと……。  垣添座長  それと、他の地域がん診療拠点病院にとって、この相談支援センターに一元化するこ とが果たして技術的に可能かどうか。この2つの問題がありますね。これは、なかなか の難問ですね。  北島委員  医療相談室でも、ここに書いてある機能はすべて、ほとんどやっていると思うんです ね。地域の医療紹介と……。  瀬上参事官  よろしいでしょうか。がんに関しては、この相談支援センターの業務の中で、一番下 の、患者、地域医療機関、かかりつけ医のアンケート調査結果の紹介という、他者から の評価に関してもオープンにするということが、非常に重要なことだという議論はござ いました。ただ、特定機能病院の場合、すべての領域の方々に対しても、こういうふう になるのは、将来、望ましいことだと思うのでありますが、われわれはがんの診療拠点 の話をして、その中での条件づけですので、特定機能病院の相談支援室、医療相談室の 中で、この機能をやってくださいというと、がんだけがやられて他のものはやらないと いうような、ちぐはぐなことも、また、結果的に出てきてしまう。そうすると、がんの 相談に関しては別の組織を、特定機能病院では設けていただいて、腫瘍センターの中に そういうものを置く。そうすると、その場合はがん相談支援センターの長は、腫瘍セン ター長とするということは、あり得ると思います。今のままの、特定機能病院はすべ て、これに近い機能を持った医療相談室をお持ちですので、そこの中で、がんも含めて やりなさい、と。そうしたら、そのままセンター長は院長ということで構わないのでは ないかと思いますが、当然、他の医療内容に、一番下の条件が波及していくことは必定 ではなかろうかと、こんな気がいたします。  千村委員  ちょっとよろしいですか。今のいろいろな議論の中で、機能論と組織論が2つ、一緒 になっているような気がするんです。そこで、組織論からいきますと、これはたとえ ば、センターという名称を持つ組織を、それぞれの医療機関の中でつくるかどうかとい うことは、いろいろな運営の状況などによって、まちまちな対応をせざるを得ないとい うところは、おそらく出てくるだろうと思いますが、いずれにしても、ここに書かれて いるような機能というのは確保すべきだということは、おそらく誰から見ても異論のな い話だと思いますので、実質的に機能をどう確保するかということを明示して、組織と しては、ある意味では、それぞれの医療機関に、任せていただくのが良いかと思いま す。  垣添座長  なるほど。議論の整理は、まさしく御指摘のとおりで、機能と組織の問題なんです が、こういった機能をがん診療拠点病院あるいは特定機能病院に求めるというのは、皆 さんの意見は一致すると思いますが、それをどのように具体化するかということです ね。では、これの扱いに関しては、もう少し預からせていただいて、事務局ともいろい ろ相談させていただきたいと思います。大変大事な機能ですから、どういうふうに位置 づけるかということを、もう少し、引き続き御議論いただければと思います。  北島委員  ひとつ提案です。腫瘍センターの機能がここにいくつかありますよね、研修を行うこ ととか。ですから、これはもう、はっきりさせるために、腫瘍センターの中に、がんに 関する医療相談室を−−「室」なら構わないと思うんですが−−設けて、センター長が 兼任する、そちらのほうがわかりやすいと思います。  垣添座長  そうですね。私も、特定機能病院に関しては、そういう整理が一番いいのではないか と思います。  北島委員  ええ。そうしたほうが、わかりやすいのではないかと思います。  垣添座長  それからもうひとつ、一般の地域がん診療拠点病院の場合、どういう名称にして、ど うするかということが残りますが、そのことも含めて、もう少し議論させていただきた いと思います。  北島委員  そうですね。  垣添座長  では、5番目にまいります。拠点病院制度に対するインセンティブが働くような仕組 みをつくるということで、これは補助金とか診療報酬加算等を検討するということで、 今、いろいろ、鋭意御検討をいただいているということだと思いますので、ここは、こ のままにしておきます。  6番目、指定については更新制を導入するということで、3つ黒丸があります。いか がでしょうか。ここで提案されているのは、様式はこれから決めるけれども、2年ごと に、がん診療拠点病院に指定された病院は、活動状況を……これは、どこに対して提出 するんでしょうか。  中島室長  基本的に、指定をさせていただくのは私ども、国だと思っておりますので、国に対し てということになります。ただ、都道府県を経由して御提出いただくことになろうかと 思います。  垣添座長  なるほど。都道府県を介して国に報告する。そして、その内容によっては4年ごとに 更新していく。指定要件そのものは、これはまた見直しを検討していく。だから、今 回、最終的に決定しても、それから何年か先にまた当然、医療状況の変化に応じて見直 していくということだと思いますが、この部分について、よろしいでしょうか。では、 ここに関しては特に手を加えないでおきます。  今の4番の、医療相談室の部分がちょっと残りましたが、一応、全体を通して見まし たけれど、この1から6に関して、振り返って何か、もう少し議論すべきことがありま したらお願いします。  土屋委員  5番のところに、補助金、診療報酬等でインセンティブを与えるようなことを、あら ためてここで書いてあり、また、その他にも何カ所か、診療報酬を云々というのが出て まいりますけれども、これはいずれも、この5番に集約されていることです。補助金と 診療報酬を並べていいのかどうか。これは中身的には、本来、違うものです。ですか ら、誤解のないように、書いていただかなくてはいけないと思うんです。診療報酬とい うのは、やはり診療に直接関わることであって、そういう体制の整備みたいなものに、 もっと言いますと、インフラ整備のために、診療報酬をというような話にならないよう に、診療報酬の財源というのは、ひとつのパイの中で、こちらを増やしたらあちらがへ こむというような話になってしまいますから、このあたりのところは、ひとつ誤解のな いように記載をしていただきたい。  特に「院内外の医師が相互に症例相談」云々とあって、ここの括弧の中にも「病理・ 画像診断、抗がん剤や手術適応に関する相談を含む」とあって、この文言もちょっと座 りがよくないなあとは思うんですけれど、それは別にして、連携体制を整備するために 補助金、診療報酬を検討中と、こうなっています。冒頭で私が申し上げたことに、ちょ っと関係してしまうんですけれど、連携体制を整備するためには、こんなインセンティ ブを働かせない限り連携できないというのが今の実態なんです。要するに、おわかりの ように、がん診療拠点病院と言われている135の中身は、じゃあ何があるのかといって も、特にそこにインセンティブを働かせるようなものは、何もありませんし、逆に言う と、拠点病院という看板を掲げて、そこにがんの患者さんが集まるんじゃないかという 程度の話で、周囲の住民も、あるいは拠点病院およびそれと連携をする医療機関にも、 いまひとつ、その認識が薄い。したがって、ここにこういうインセンティブを働かせよ うということになるんだろうと思います。  それから、他の、がん対策以外のところの、脳卒中対策、あるいは救急医療対策等に ついてと、医療計画上の整合性を図るために、これはちょっとペンディングになりまし たけれども、これらは「拠点病院」という文言は使わないということになっています。 したがって、拠点病院というものは、いろんな事業、あるいは主な疾病について、たと えば糖尿病の診療ネットワークを構築するというような話があったんですけれど、その ための診療拠点病院、それが、「核となる病院」とか、いろいろ変わったんですけれ ど、結論的には「拠点病院」という文言が使えるのは、この、がん診療拠点病院だけな んです。ですから、あえて私が申し上げたいのは、この拠点病院というのは、小児救急 が典型なんですけれど、単に拠点病院を指定したために、初期救急から全部、そこに集 まってしまって、本来機能が発揮できないという、失敗例もあるものですから、地域の 住民にも、国民にも十分理解していただくためにも、この病院は連携の中心という位置 づけなんですよという意味を、認識して、それぞれの立場の人間が、それに沿って行動 できるような名称にしたほうがいいのではないかということで申し上げたということで す。  中島室長  今、土屋委員の御指摘は2つあって、補助金、診療報酬加算のところを、ある意味で は、きちんと明確に書き分けなくてはいけないのではないかということについては、今 回、正直言ってそこをきちんと整理した形では出しておりませんが、いずれにせよ、ど ういう機能に対して診療報酬加算で対応するか−−これは18年診療報酬改定を踏まえて ですが。それから、補助金でやるのかということは、あらためて事務局としてきちんと 整理した形で、インセンティブの形をつくりたい。それから拠点病院の名称について は、冒頭に申し上げたような形で、あらためてまた検討させていただきたいということ でございます。  垣添座長  お金の話は、今の段階では十分できませんので、御指摘はおっしゃるとおりだと思い ますが、とりあえずこのままにして、触れないでおきたいと思います。  瀬上参事官  次回はこの中の、診療報酬を検討中とか、補助金を検討中というのは、全部、削除さ せていただいて、最後のところで、今、中島室長が申しましたように、別途、その辺は 検討したことをお示しすることで、5に書いておくだけにさせていただこうかと思いま すが、それでよろしいでしょうか。  垣添座長  ただ、これが消えてしまうと、また困るということがありますので、決して忘れない ようにお願いします。  北島委員  これは消さないでください。  垣添座長  やはり地域がん診療拠点病院に指定されることが、病院にとって意義のあることであ るという、実際的なことが盛り込まれないと大変具合が悪いと思いますので、それは消 さないでください。  中島室長  5のところの、インセンティブが働くような仕組みをつくるというところは、これは 消しません。参事官が申し上げたのは1ページ、2ページの、いたるところに補助金、 診療報酬を検討中というのがある、この各論部分のところを落とさせていただくという ことです。  垣添座長  わかりました。それなら了解です。  土屋委員  そうですね、ニンジンをぶら下げるようなことを、ここそこに出すことは、この種の 文書ではあまり好ましいことではありませんから。  垣添座長  はい、わかりました。  北島委員  これはがん診療拠点病院になったときに、国民の方にわかりやすくするために、標榜 をするんですか、しないんですか。その辺はどうなんですか。  瀬上参事官  標榜できるようにしなさいというのが検討会からの御指摘というふうに理解しており ます。  垣添座長  そうですね。  北島委員  そうでないと、一般の方から見て、そこの病院がどういう病院かというのがわかりま せんよね。  垣添座長  おっしゃるとおりです。それでは資料2−2のほう、つまり資料2−1の条件を満た したうえで、さらにそれに加えて、ここにあるような4点を満たすところが都道府県が ん診療拠点病院だという、この役割に関して御意見をいただきたいと思います。  北島委員  情報発信のところでテレビカンファレンスあるいはインターネットの情報提供云々と ありますが、これは診断支援を、どこと行うんですか。拠点病院、あるいはかかりつけ 医等々ですか。  垣添座長  これはたしか、検討会では、拠点病院だったと思います。  北島委員  拠点病院ですか。  垣添座長  はい。ですから、都道府県のがん診療拠点病院があって、その下にいくつか拠点病院 があって、それがネットワークを組んで、こうした情報のやりとりをするという理解だ ったと思いますが。  北島委員  拠点病院と行う、と……。  垣添座長  はい。  南委員  この、都道府県がん拠点病院というのは、イメージとしては都道府県に1つですか。  垣添座長  はい。  南委員  県の大きさによらずということですね。  瀬上参事官  1つに限定するのか、あるいは、その都道府県の状況に応じて、複数を可とするか、 それはまた今後の御議論だとは思いますが、どうしましょうか。  垣添座長  そうですね、ちょっと言いすぎましたね。  中島室長  基本的には、地域がん診療拠点病院の申請については、県のほうでまず一義的に判断 をいただいて、国のほうに上げてきていただくということですから、それぞれ県の中 で、いろいろな事情を含めて、1つであればそれは結構ですし、やはり複数ということ であれば、それはそれで、また、そういう御判断を尊重する余地もあるのかなあと、今 の段階では思っているところです。  高嶋委員  都道府県がん診療拠点病院の診療機能については、この、がん拠点病院の要件でいい わけですね。ハードルを高くするといったことはしなくて、診療機能はこの要件で、こ ちらにある4つの機能があれば、都道府県がん診療拠点病院になれるという整理でいい わけですね。  瀬上参事官  ここに書いてある機能を、よくごらんになっていただければ、対象を地域がん診療拠 点病院とした専門的な研修を行うということであれば、それ相応の専門医がいなけれ ば、当然、研修を行うことができませんでしょうし、また、ただいま御議論のありまし たテレカンやインターネットを通じて、拠点病院に対してこうした機能を持つというこ とも、またそれなりの専門的医療機能がなければできないということで、施設要件とか 人的要件というのをあえて書かなくても、自動的にそういう機能が要請されてくるので はないかと考えております。  垣添座長  地域がん診療拠点病院の議論の中では、たとえば○○県という県でこういう県の拠点 病院が1つあって、その下にいくつか地域がん診療拠点病院がある場合に、その間で、 同一地域内で研修などの人のやりとりをするというのは、割合やりやすいんじゃない か、と。それがもし、たとえばもっと遠隔地に人を派遣するとなると、なかなか難しい というようなことも、いろいろ議論されたかと思います。ですから、こういう研修、情 報発信、それから連絡協議会というようなことを果たせば、結果的にはその地域がん診 療拠点病院の上に立つ医療機関、これが2層構造といいましょうか、その位置づけだと いうふうに私は理解しているんですが。それに対して、その機能と実際に取り扱う患者 数−−当然こういう機関は、がん患者さんの取り扱い数も多いはずですから、それに対 して何らかのインセンティブが働くようにするということも、これは検討会で繰り返し 議論されたところであります。ここには補助金というのが、いっぱい書いてあります が、これはまあ、御検討いただくとして、やはり何らかの経済的なメリットを御検討い ただかないと、こういうものがうまく動かないというところは事実だと思います。  土屋委員  ここで国立がんセンターは、どういう位置づけになりますか。  垣添座長  これは十分に事務局と打ち合わせをしていませんね。  中島室長  均てん化の報告書では、国立がんセンター、それから都道府県に1か所の拠点病院、 2次医療圏に1か所という形の役割が出ていまして、ある意味、国立がんセンターが果 たしていただく役割というものについては、既に均てん化の報告書、資料1−2の24ぺ ージのところから、国立がんセンターの役割ということを明記させていただいたところ でございます。基本的には国立がんセンターでは、この24ページから25ページに書かれ ている方向での役割を強めていただくということなのかと思っております。  垣添座長  この検討会報告書に基づいて、がん対策本部もでき、また、現在、国立がんセンター としては、がん情報センター構想を打ち出しているというところがありましたね。失礼 しました。他にいかがでしょうか。  よろしいでしょうか。それでは、ひととおり資料2−1と2−2の中身に関して御議 論をいただきました。医療相談室の扱いに関しては、少し懸案を残しましたけれど、そ れは次回にまわすこととして、これに基づいて、今後は実際的な運用とか、あるいは、 現在、既に指定をされている135病院の扱いとか、それから、今後、指定を求めてこら れるいろんな医療機関の取り扱いとか、そういうことに関して、次回以降、議論をいた だくことになろうかと思いますが、今後の予定に関して事務局から御説明をお願いいた します。  中島室長  本日は大変ありがとうございました。まず、本日いただいた御意見および相談支援セ ンターのところについては、あらためて垣添座長とご相談をさせていただいて、文言等 の修正をさせていただき、次回に再度、御議論、御確認をいただくべく、用意をしたい と思っております。それから、次回はもうひとつの大きな議題として、今、座長のほう からお話がありました、現在指定をされている135病院に対して、どのような経過措置を 講ずるべきであるのかということについて、中心的に御議論をいただければ、大変あり がたいと思っております。次回は8月12日、金曜日、1時から3時ということで、開催 をさせていただきたいと思っております。詳細につきましては、あらためて御連絡を申 し上げたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。  瀬上参事官  もうひとつ、些細なことでございますが、資料の乱丁が見つかりました。参考資料3 の一番最後に「検討の方向性について」というのが綴じられておりますが、これは参考 資料2の最後につけるべきものでありまして、乱丁でございます。「検討の方向性につ いて」という紙は、がん対策推進本部の一番最後につくべきものでありました。失礼い たしました。  垣添座長  なるほど、わかりました。それでは、本日は大変活発な議論をありがとうございまし た。資料2−1と2−2の中身を、もう少し、文言を整理いたしまして、次回にお諮り したうえで、先ほど事務局からも御案内いただきましたようなスケジュールで作業を進 めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。                                    (終了)