05/07/08 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会第16回議事録        第16回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録          日時:平成17年7月8日(金)/13:00〜15:05          場所:東海大学校友会館「阿蘇の間」  井村部会長  ただいまから、第16回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会を開催させていた だきます。  いつものことでございますが、たびたびお集まりいただきまして、委員の皆様方、あ りがとうございます。また、本日は天候も非常に不順でございますのに、御出席いただ きまして感謝しております。  それでは、議事に入ります前に、本日の委員の出欠状況をいつものように御報告いた だきたいと思います。  事務局  本日の委員の出欠状況でございますが、現在、委員20名のうち、12名の御出席をいた だいております。厚生科学審議会令の規定によりまして、定足数に達しており、会議が 成立いたしますことを御報告いたします。  なお、神田委員、高橋委員、谷川原委員、堀井委員及び溝口委員からは、御欠席との 御連絡をいただいております。  また、本日は、オブザーバーとして、専門委員会から、安部専門委員、溝口専門委員 にも御出席いただいております。  井村部会長  ありがとうございました。  本日は、前回の部会で申し上げましたように、これまで第11回から第15回にかけて5 回にわたりまして御検討いただきました皆様方の御意見につきまして、これを全体とし てまとめて整理をいたしました。これを資料1−1、あるいは1−2という形で作成し ております。それに基づいて御審議をいただくことになります。  では、最初に、資料の確認を事務局からお願いいたします。  事務局  それでは、資料を確認させていただきます。  お手元にお配りしております本日の資料でございますが、1枚目に議事次第をお配り しております。次に、資料1−1といたしまして、「検討項目2〜6及び8についての 第11回から第15回までの部会における意見のとりまとめ」、資料1−2といたしまし て、「第11回部会から第15回部会までの発言等の整理(番号付き)」、さらに、資料2 といたしまして、「検討項目6・8及び関係団体等からのヒアリングに関する第15回部 会での発言等の整理」、さらに、参考資料といたしまして、「医薬品販売制度改正検討 部会委員名簿」、「医薬品販売制度改正に関する論点の整理」を配付しております。  以上ですが、資料に落丁などがございましたら、事務局までお申し出ください。  井村部会長  いかがでございましょうか。そろっておりますでしょうか。  大丈夫なようです。  それでは、本日の議題に入らせていただきます。  最初に、やはり事務局の方から、今度は資料の内容について御説明をいただきたいと 存じますので、よろしくお願いいたします。  事務局  それでは、事務局より、資料の内容につきまして御説明いたします。  まず、資料の順番が前後しますが、資料1−2をごらんいただきたいと思います。  昨年7月に部会においてまとめられた論点整理の検討項目については、第11回から第 15回までの計5回の部会で議論してきたところでございますが、この資料1−2は、こ れまで部会でお配りしてきた発言等の整理をすべて一括して並べ、各論点で発言が出さ れた順に番号をつけたものでございます。  次に、資料1−1ですが、今御説明いたしました資料1−2をもとにいたしまして、 この資料1−1は、各委員の意見のうち複数出されたものや、内容について委員の異論 がなかったと考えられるものなど、骨格となる事項について抽出し、検討項目ごとに整 理したものでございます。この作業では、第11回から第15までの部会の意見を回を限ら ず全般について精査し、抽出・整理し、抽出の際に各発言の趣旨を損なわないようにし つつ、まとめてございます。  また、資料1−1の各とりまとめられた意見の後ろに、かぎ括弧内に数字がついてお りますが、これは資料1−2に対応してございまして、ハイフンの前が資料1−2の論 点番号に対応してございます。また、ハイフンの後は資料1−2の真ん中のカラムの数 字番号に対応してございます。  それでは、資料1−1につきまして、若干お時間をちょうだいいたしまして詳細に説 明いたしたいと思います。  先ほど説明いたしましたとおり、本資料につきましては、骨格的なものを抜粋いたし まして、大きく5つに分けて整理してございます。  1つ目が医薬品の販売に必要な情報提供等、2つ目が医薬品販売に従事する者の資質 ・責任、3つ目が消費者への周知等、4つ目が情報通信技術の活用、5つ目がその他と いうことで、5つに分けて整理してございます。  それでは、とりまとめました意見につきまして、一括して読み上げたいと思います。 1.医薬品の販売に必要な情報提供等  (1)情報提供の内容  <リスクの区分に応じた販売内容> (1)一般用医薬品は多様であり、リスクの程度に幅があることから、その販売において  は、リスクの評価に応じて、情報提供の内容・手法や売り方を考えていくべきであ  る。リスクの区分に基づき、実行可能性を考慮しながら、消費者に情報提供を積極的  に行うべきものとそれほどでもないものとの区分を行うべきであり、販売内容に濃淡  があってもよい。  <購入前の情報提供> (2)一般用医薬品の販売においては、対面での販売が基本となるものであり、消費者に  対して、その購入前に、過不足なく必要な情報を提供することが最も重要である。  <提供される情報の内容> (3)提供される情報が多すぎることは、重要さが薄れる可能性があり、販売にいて時間  がかかることにもつながるから避けるべきであり、必要最小限に絞られるべきであ  る。  <必要な情報 … 禁忌、重篤な副作用、受診勧奨> (4)医薬品の購入の際に必要な情報としては、用法・用量などの薬の飲み方の他、禁忌  や副作用等の情報であり、重篤な副作用が起こった場合や、一定回数服用しても病状  がよくならないかあるいは病状が悪化した際に必ず診察を受けることも、消費者に伝  えるべきである。  <事後的な相談> (5)販売店においては、販売時の情報提供に加え、販売後の消費者からの相談にきちん  と応じることも必要不可欠である。販売時に消費者に対して販売担当者の氏名や連絡  先を渡し、事後的な相談対応の途を確保することが必要である。  <添付文書の内容の伝達> (6)添付文書には「医師または薬剤師に相談すること」との記載があり、添付文書の範  囲内においても受診勧奨は必要な情報提供として位置づけられている。また、このよ  うな受診勧奨を含め、添付文書の内容をわかりやすく実行的に伝えることが重要であ  る。 (2)情報提供の方法  <専門家による情報提供の必要性> (1)一般用医薬品についての情報は、あらかじめ消費者が接することができるようにし  ておくのが望ましいが、購入時には薬剤師などの専門家による情報提供や相談が必要  である。添付文書等に基づき消費者がある程度見通しを持った上で、購入時に専門家  に相談してアドバイスを受けられるようにするのがよい。  <文書による情報提供> (2)消費者への情報提供の方法については、確実性を期すべく、文書により行うことが  適当である。  <説明書き> (3)医療用医薬品の処方を受ける際に渡される、写真付きの説明書きはわかりやすい。  一般用医薬品のうちリスクの大きいものを販売する際に活用できるのではないか。 (3)情報提供のための環境づくり  <わかりやすい表現> (1)消費者が必要な情報を得やすくするよう、外箱や添付文書について、消費者が何を  求めてどう読んでいるかを踏まえ、わかりやすい表現で記載することが必要である。  <リスクの目安の表示> (2)消費者が購入する際にデータの一つとして、その医薬品にリスクについての目安が  あった方がよい。リスクの高い医薬品については、その旨のわかりやすい表示をする  べきである。  <外箱表示のあり方> (3)外箱には、リスクの程度や相談すべき相手など、消費者の判断基準になる表示をす  るべきである。ただ、外箱にはスペースの制約があることから、情報を多く掲載しよ  うとすると文字が小さくなり読みにくくなってしまうおそれがあるため、留意する必  要がある。  <購入前の添付文書閲覧> (4)添付文書には、禁忌や副作用などの重要な情報が記載されていることから、店頭に  添付文書集を自由に見られる形で並べるなどして、消費者が購入してパッケージを開  けるより前に添付文書を見ることができるようにするべきである。  <専門家の識別> (5)消費者から相談しやすいようにするため、店舗において専門家を容易に識別できる  ようにする必要がある。名札の着用は最低条件であり、職種ごとに着衣の色を定めた  り、専門家以外は白衣を着ないこととする等の取り組みも行うべきである。 (4)販売の方法等  <相談窓口の設置> (1)消費者に情報提供し、又は消費者からの相談に応じるに際しては、例えば専用の相  談窓口を設けるなど、消費者が話しやすい環境を整備するよう努めていくことが望ま  しい。  <陳列> (2)医薬品の陳列については、リスクの違う医薬品や医薬部外品、他の一般商品等とは  分けておくべきである。  <消費者自身による確認> (3)医薬品の情報に購入前にアクセスするためには外箱が一定の役割を果たすので、リ  スクの高いものを除き、消費者が手にとって確認できることも大事ではないか。  <大量購入の防止> (4)販売に際しては、犯罪に悪用される場合や薬物中毒の場合などにみられるような消  費者による大量購入を防止するため、何らかの対応が必要である。  <消費者の個人情報> (5)消費者に直接接する者は、消費者の個人情報を入手することになるため、その取り  扱いについて注意が必要である。 2.医薬品販売に従事する者の資質・責任  <開設者と販売従事者の区別> (1)医薬品を販売する者について考えるに当たっては、いわゆる店舗の開設者と、販売  に従事する者とに分けて考えるべきである。  <販売従事者の資質のあり方> (2)販売に従事する者は、実際に消費者に接することになるため、取り扱う医薬品のリ  スクの程度等に応じた知識と経験が必要であり、試験や研修等を実施して資質を確保  すべきである。  <専門的な知識> (3)受診勧奨や副作用発生時への対応には専門的な知識が必要であるから、販売に従事  する者にはそれに相応した知識が必要である。また、国や企業への副作用報告を書く  には、かなりの専門性が必要である。  <販売従事者の関与、対応内容の明確化> (4)一般用医薬品の販売において消費者にアドバイスできるのは、その販売に従事する  者のみであり、また店頭における対応の中身を整理するため、一般用医薬品の販売に  従事する者が受診勧奨や相談等においてどこまで関与すべきかを、明確化するべきで  ある。  <販売行為の制度化> (5)一般用医薬品の販売においては、不適切な販売行為にならないよう、制度として対  応すべきであり、利益を無視して助言指導することについて販売者の任務として定め  るべきである。  <個人情報の保護> (6)販売時に得た個人情報をどう保護していくか、は重要であり、個人情報保護法に則  ってきちんと対応する必要がある。  <資質の維持確保> (7)医薬品の販売を行う薬剤師、薬種商及び配置販売業者は、それぞれ研修会を開催す  るなどして自主的な研鑽を推進しており、資質の維持確保は可能と考えている。  <薬剤師の資質(1)> (8)薬学教育6年制の導入により、薬剤師の資質が高まるが、その職能は医療に生かさ  れていくべきものであるので、医薬品販売業に新しい資格を設けて、持ち場ごとに能  力を発揮すればよい。  <薬剤師の資質(2)> (9)薬学教育6年制の導入により、すべての医薬品を扱う知識を持つ者の資質が高まる  ことになるものであり、その能力は医療だけに限定して発揮されるべきではない。  <販売の責任(1)> (10)一般用医薬品の販売においては、自己責任を中心として制度の実効性を担保すべき  である。  <販売の責任(2)> (11)医薬品はリスクのあるものであり、そのようなものを販売する者には、消費者に対  して責任がある。 3.消費者への周知等  <消費者に対する普及啓発> (1)消費者となる国民一般に向けて、使用期限を守ることや、外箱・添付文書を捨てな  いで保存することなど、一般用医薬品の正しい使い方についての知識を普及啓発する  ことが必要である。  <義務教育での普及> (2)義務教育において、学校薬剤師により副読本を使用するなどして普及啓発を行うこ  とが重要である。  <薬害の普及啓発> (3)普及啓発する内容には、薬害を加えるべきである。  <副作用情報の伝達> (4)副作用情報の伝達にはマスコミを活用することも検討されるべきである。 4.情報通信技術の活用  <活用の仕方> (1)情報通信技術は、消費者のメリットになる場合等、活用できるところは活用すべき  であるが、消費者の誤解の防止等には対面での販売にメリットがあることや、情報通  信技術に親しみのない世代がいること等を踏まえ、情報通信技術に過度に偏った仕組  みを作るべきではなく、補助的・補完的な選択肢として使用するべきである。  <代替の可否> (2)医薬品の販売においては、表情や行動などの細かい情報を正確に収集する必要があ  ることから、対面での販売の方が優れており、情報通信技術で代替することはできな  い。ただ、回答内容の伝達などに活用できる余地はある。  <活用できる場面> (1)一般用医薬品の添付文書の情報や副作用情報のスムーズな収集・伝達、薬の飲み方  等の普及啓発については、情報通信技術を活用できる。また、副作用情報の収集に  も、情報通信技術を活用できる可能性がある。 5.その他  <店舗の管理> (1)一般用医薬品の店舗における管理については、専門家による管理を原則とし、不測  の事態における医薬品の使用の可否について判断する場合などには専門的な知識が必  要である。  <情報提供の対価> ○一般用医薬品の販売における専門家の情報提供は、医療用医薬品の処方における調剤  料のような金銭的評価はなされておらず、販売による利益で補われているようである  が、薬事法上の情報提供義務は通常の商品の販売におけるものよりも重たいため、経  済的に支える仕組みがないと理想と現実が乖離してしまう可能性がある。  <インターネット販売やカタログ販売、個人輸入> (3)インターネット販売やカタログ販売、個人輸入については、対面販売、情報提供、  適正使用の観点から、対策を講じるべき。  <特例販売業> (4)特例販売業については、新規の許可は認めないこととし、引き続き減らしていくべ  きである。 意見のとりまとめは、以上でございます。  井村部会長  どうもありがとうございました。  それでは、早速、議論に入りたいと思います。議論に用いますのは資料1−1と1− 2になります。この資料1−1にとりまとめましたものは、論点整理の各論点項目に大 まかには従っておりますので、四角い枠でくくりました1〜5の各論点ごとに審議を進 めていきたいと思います。  まず、資料1−1の1ページの1.医薬品の販売に必要な情報提供等ということで、 皆様方の御意見をちょうだいしたいと思います。  なお、この資料1−1というのは、事務局が非常に短期間でまとめたものでございま して、皆様方のかなり膨大な御意見を整理していったものでございますから、もしかす ると、微妙にニュアンスのずれがあるような整理の仕方になっているかもしれません。 したがいまして、きょうの議論でその点をきちっと修正していただきまして、正しい皆 様方の合意が得られたこの部会での意見として今後の審議の基盤になるような、そうい う資料になるだろうと思いますので、ぜひここできちんとチェックをかけていただきた いと思います。御自分の御発言とここでの引用のされ方がちょっと違うといったことも あるかもしれませんので、その辺もぜひ御意見をいただきたいと思います。  では、1.医薬品の販売に必要な情報提供等でございます。まず、リスクの区分に応 じた販売内容でございます。いかがでございますか。  鎌田委員  情報提供の内容につきましてですが、リスクの区分に応じた販売内容について、リス クの区分に基づいて実行可能性を考慮るとしているわけですが、これはリスクについて 有効性をどこの部分で認め、リスクをどこの部分で切り捨てていくか、その辺を考える 必要があるのではないかなと思っております。現在販売されているものに対してさらな るリスクの評価によって、消費者の例えば購入が困難になる場合があるとすれば、これ は慎重に検討していただきたいと考えております。  そして、情報提供を事細かにし過ぎると、消費者がそれを聞いた場合、これを服用し たらいいのか相談に来たけれども、そんなに注意事項があるなら購入をやめる、そうい う考え方も出てくる場合もあるのではないかと考えております。それで、最低限の線引 きの仕方をよく考慮して進めていかなければならないと考えております。  一般用医薬品は複合剤が多いので、医療用医薬品のリスクからの検討は仕方がないの ですが、配合剤としての検討には、現在、市場性についても配慮していただきたいと思 っております。  添付文書の内容の伝達の項では、「医師または薬剤師に相談すること」となっている が、次の項では、「購入時には薬剤師等の専門家」と表記されています。「専門家」と しての範囲は明確に規定していく必要があるのではないかと。  以上であります。ありがとうございました。  井村部会長  ありがとうございました。  ほかに、御意見はいかがでございましょうか。  例えば、そこに(1)に相当する資料1−2の方の資料の中の意見といたしまして、2 −1とか、6−3、7−3というように上がっておりますが、これをぜひごらんいただ きまして、その意見を出された委員の皆様方から、「自分が言ったのはこういう意味で はない」ということがもしありましたら、御指摘をいただきたいと存じます。  ここの下から2行目の終わりごろから、「販売内容に濃淡があってもよい」という表 現になっておりますが、これはもちろん販売に際しての情報提供の内容に濃淡があって もいいという意味にとっていただきたいと思います。つまり、このように言葉がちょっ と足りないところもありますので。  児玉委員  2点です。  まず1点目は、今、この区分に応じた販売内容に対するお話がありましたが、基本的 には、たしか以前、増山委員もおっしゃったと思いますが、リスク分類の考え方は確か に専門委員会で1つまとまりがありましたよね。では、具体的にそれをどう分類してい くのかというのはまだしていないわけでありますから、それを横にらみしながらこの議 論をしないとわからないわけですね。したがって、今の時点ではもうこれぐらいしか書 きようがないのかなという気はいたします。したがって、それはもう少し煮詰まった段 階でやるべきであろうと思います。  2点目は、(3)の「提供される情報の内容」というところですけれど、「必要最小限 度に絞られるべきである」と。この1−3と7−4も読ませてもらったのですが、ここ の意味するところは、消費者の立場からすれば情報の判断は困るわけでありますから、 当然、必要な情報を的確にいただきたいというのが消費者の立場ですね。したがって、 ここの言い方は、「必要最小限に絞られるべきである。そのためにも専門家の関与ある いは知識が必要である」と、こういうつなぎ方をしておけば、今後議論される意味が通 じるのかなという気がしました。  井村部会長  ありがとうございます。確かに、今、児玉委員から御指摘がありました(3)の「必要 最小限に絞られるべきである」という表現は、もう一回、資料1−2の方に立ち返って よく見てみますと、こういう書き方でいいのかなという気がちょっとしないでもありま せんね。7−4の方は「積極的な情報提供は必要最小限に絞られるべきだ」という書き 方がしてありますし、1−3の方は、ここに来るような意見なのかなという疑問もちょ っとわいてまいりました。ですから、その辺も皆様方でよくお考えいただいて。  ほかにいかがでしょう。  望月委員  自分の発言でなくてもよろしいですか。  井村部会長  もちろん結構です。  望月委員  私も、今の児玉委員がおっしゃっておられたように、(3)の表現が非常に気になりま した。こうしてしまいますと、必要最小限の情報だけしか提供しなくてもいいというふ うに認識されてしまうかなと思いましたので、ここは、例えばですが、「販売において 時間がかかることにもつながる恐れがあることから、必要最小限の情報を明らかにし、 状況に応じて提供内容に配慮する」とか、そんなふうな言い方にかえていただくといい のかなと思います。  井村部会長  そうですね。ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。  今、(1)、(2)、(3)まで来ておりますが、(2)の「購入前の情報提供」というところで は、この意見の引用については御意見はございませんね。  それでは、先に行きまして、「必要な情報 … 禁忌、重篤な副作用、受診勧奨」、 (4)でございますが、この辺についてはいかがでございましょうか。この辺は、きょう はお休みでございますが、溝口委員の御意見だったように記憶しておりますけれど、こ れはこれでよろしゅうございますか。  このかぎ括弧でくくられているものの中の(14・16・18)という論点については、か なりいろいろな意見が出ておりますので、これに相当する43というのは資料1−2の15 ページに載っておりますので、チェックをしておいていただきたいと思います。  これは当然のこととしてよろしゅうございますか。かなりリスクの高い医薬品につい ての話になってくると思いますが。  ほかに御意見はございませんでしょうか。  次に、「事後的な相談」、(5)でございますが、これはいかがでございましょうか。 これもかなりたくさんこういう内容の御意見が出ているようでございまして、意見の引 用はどうも合っているような気がいたしますが。これはたしか児玉先生の御意見だった と思いますけれど、これでよろしゅうございますか。  では、次に、「添付文書の内容の伝達」ですが、これも大変御意見が多かったところ でございます。いかがでございましょうか。  つまり、受診勧奨というのは、添付文書の内容を超えたもので違法だという御意見が ちょっとあって、またそれに対する反応がたくさんあったということでございます。そ して、結果的にこのような意見が出て、添付文書にも「医師に相談すべきである」と書 いてあるので、従って、それは逸脱したものではないという結論になったのかなという 気がいたしますが、それでよろしゅうございますか。  ほかに御意見はよろしゅうございますか。  それでは、(2)情報提供の方法に移りましょう。  「専門家による情報提供の必要性」、この辺はいかがでございましょうか。このとお りの御意見が確かに出ております。添付文書等に基づいて消費者がある程度見通しを持 った上で購入時に相談すると、そういう書き方がしてあります。  (2)の方は、情報提供の方法は文書によるのが正しいのだと、これもたしか溝口委員 の御意見だったと思いますが、そういう言い方をしております。  まず、(1)についてはいかがでしょう。こういうことが本当にできれば理想的かなと いう気はいたしますが、実際には、消費者のレベルにかなりの差があったりすることが ありますので、現実的には非常に難しいかなという気もしないでもありません。この御 意見はこのままにしておいてよろしゅうございますね。  青井委員  フィージブルかどうかは別として、国民と一般用医薬品との接点というのはどういう ことが可能なのか、もっと考えてみる必要があるかと思います。接点のほとんどが購買 時に集中していますが、それ以外にもいろいろなところに分散してどう情報を流すのか と考える必要があります。これはどちらかというと製品についてのメッセージは専門家 の意見ですから、自分たちのものを伝えようという意欲は非常にあるのですが、受け取 る方の立場に立って何らかの仕組みを、理想論と言われるかもしれませんが、考えてみ る必要がある、常に購買時のところに情報伝達が全部集中してしまいますと、先ほどあ った販売で忙しいから云々とかいろいろな議論が出てきますが、そこはインターネット その他いろいろありますし、何らかの方策を考えるべきだろうと思います。  井村部会長  ありがとうございます。これは後ほど、消費者に対する啓発というところもあります ので、またそこでも議論していただければと思います。  この(1)のところでは、添付文書等に基づいて消費者がある程度見通しを持つという ことが本当に可能なのかどうか、というところが論点になるかなという気がいたしま す。  田島委員  確かにここのところは非常に問題になる部分だと思います。添付文書等に基づき消費 者がある程度見通しを持つということは、購入前にこういう情報が手に入るということ ですよね。しかしながら、今、実際、一般薬を購入する場合に、箱の中に入っている添 付文書等は一体どうやって読むのか、千里眼か何かを使わないと無理なような気がする のですが、そこら辺のシステムというのも、購入時にそういう情報伝達が濃縮されると いうお話ですけれど、やはりそこのところはしっかりつくっておかないとまずいのでは ないかなと思います。  井村部会長  ありがとうございます。添付文書を販売するお店の中に陳列をしておいて、それを読 めるようにしておくといった御意見も後ほど出てまいりますけれど。  ほかにいかがでしょうか。  大体そのような御意見でよろしゅうございますか。ここで出ました意見も加味した上 で、もう一回整理をし直すということになるだろうと思います。  専門委員の方々も、何か御意見がございましたら、ぜひお出しいただきたいと思いま す。  それでは、先に進ませていただいてよろしゅうございますでしょうか。先ほども読ん だのでございますが、(2)の情報提供の方法として文書を使うのがいいのだという、そ の話はいかがでございましょうか。これに関しましては、もう一つ、説明書きというの が次のページにございまして、医療用医薬品の処方で薬を渡されるときに同時に渡され る薬の写真付きの説明書はわかりやすいから、一般用医薬品のうちでもリスクの大きい ものについても同じようなことを考えたらどうかと、そういう御意見だったと思います が、この辺はいかがでございましょうか。  望月委員  先ほど井村座長もおっしゃられていましたが、文書に特化してしまっているようなふ うに読めてしまいますので、情報提供というのは双方向性ということが一番基本だと思 います。文章を渡せばいいというのは、医療用医薬品でも薬剤情報提供をするときに、 渡せばいいというわけではないということがいつも言われておりますので、どう評価し ていいかわからないのですが、例えば「口頭のみならず」とか、何かそのような文言を ちょっと入れておくといいのかなと。必ず「口頭」ができるわけでもない場合もリスク の区分によっては想定されるかなと思いますので、そこの書きぶりは難しいのですが、 文書だけみたいな読み方にならないような形にしていただければと思います。  井村部会長  ありがとうございます。  ほかにいかがでございましょうか。  安田委員  私どもの配置の立場におきましても、訪問のたびに情報の提供を文書を添えてさせて いただいておりますことをつけ加えておきます。  児玉委員  先ほどの望月委員の(2)の「文書による情報提供」は、確かに書きっぷりは難しいと は思いますが、実際に店頭を想定した場合、文書といってもいろいろな幅があるわけで すね。例えば、議論の中でも出てまいりましたように、製薬会社から提供されるような ツールみたいなものも、これも文書といえば文書かもしれませんが、ツールを使って提 供する場合、私どもが自分たちで作成して渡すもの、文書といってもいろいろなものが ありますので、今後議論されるときを含めますと、簡単な言葉ですが、「確実性を期す べく、文書等」と「等」を置いておけば、今後少し議論の幅を持たせられるのかなとい う気がいたしますので、そうしておけばいいんじゃないかなと思います。  松本部会長代理  今の点との関係ですが、文書ということになると、恐らく一番詳細なのは添付文書で あろうと。そうすると、ここでいう文書は、商品を販売する際に普通は口頭で若干説明 した上で、より詳しくはこっちを読めとかという感じになるだろうと思いますが、そう しますと、添付文書との違いをどこに求めるのか。添付文書に書いてあることを要約し たものになるのか、それとも添付文書には書いていないけれど専門家として必要なこと を別途書くという話になるのか。この辺が少しわかりにくいことになってくるのではな いかなと思います。  本来は必要なことはすべて添付文書には書いていなければならないのだとすると、販 売時において、販売店サイドから求めがなくても提供しなければならない情報は、添付 文書に書いてあることの中でとりわけ重要なことなどになってくるのではないか。あと は、求められて提供する質問などは別にあるとして、必ずやらなければならないことと すれば、基本的には添付文書ベースになるのだとすると、ここでいう(2)の文書という のはどういう性格のものなのかが少しわかりにくいという感じがいたしました。  青井委員  溝口さんがどう言われたかというと、溝口さんは多分、口頭でやった場合には必ずし も情報提供が確実に伝わるとは限らない場合があると。したがって、溝口さんのコミュ ニケーションの方法だと文書がいいのではないかと。一番確実性を期すということが基 本で、文書という意思疎通のメディアというのはどうなのかはまだ検討がおありになる のだろうと思います。  個人的に言いますと、私は買いに行ったときに、面倒だから文書が出たときは拒絶す る権利があったときに(笑)、今度は販売側がどうするのかという問題も出てくるでし ょう。これは最後の「適当である」というのをどこまでどう解釈するかによって、微妙 な判断が必要になると思います。  安部委員  今のところで、(3)に医療用で使っている写真付きの説明書はよいと書いてあります。 確かに実際の患者様にお渡しする情報としても非常に有用だとは思うのですが、医療用 の場合には、原則として医薬品の添付文書を患者さんにお渡しするということがないわ けでございますので、その内容を要点を消費者向けにまとめたものがこの情報提供用紙 というものかと思います。  一般医薬の場合には添付文書を基本的に消費者の方が手に取って読むことができると いうことで、医療用とは若干違うのではないかと考えます。  それから、今おっしゃったように、添付文書とそのほかの文書が2つあった場合、お 客様はどちらを読んでいいのか、どちらを優先して読むのかというのは非常に問題にな ることかなと考えます。  井村部会長  ありがとうございます。それぞれごもっともな御意見でございます。  荻原委員  患者さんに対する薬剤の説明ですが、一般の患者さんは1回説明しただけでは十分に 理解していただけるとは思えません。何回かやる必要があると思います。さらに、文書 と口頭とでは与える印象が異なる場合もあるので、同じことを繰り返すことが必要かと 思います。通常、説明しながらその内容の要点を文書に書いて渡して、できたら複写式 で、こっちにもその証拠が残るようにするのが一番いいのですが、特にこれからは病気 の説明も十分にすべきでしょう。ですから、ここでは、「文書により」というのは、先 ほど望月委員がおっしゃったように、文書だけという意味ではないので、むしろ「口頭 だけでなく、必ず文書によっても行うことが適当である」ぐらいに、強く両方を強調し ても構わないのではないかと思いますが、いかがでしょう。  井村部会長  ありがとうございました。「必ず」という言葉をつけるべきかどうかは、ちょっと難 しいところだと思いますが。  安田委員  先ほどの件についてちょっとつけ加えさせていただきますが、私どもの配置の場合 は、訪問のときに文書を要約して説明するようにしておりますので、つけ加えさせてい ただきます。  宗像委員  先ほどもお話があった点でありますが、(1)の「添付文書等に基づき消費者がある程 度見通しを持った上で」というところには、実は後ろの方のパッケージのところでその 辺が詳しく出ているのではないかなと思っておりますので、そちらでカバーできるだろ うと思います。私自身もパッケージの印刷ということを非常に重要視して考えているも のですから、それをまず一つ言っておきたいと思います。  それから、添付文書のところでは、この全体にも出ていなかったことなのですが、こ の部会では1〜2度話させていただいた松本部会長代理がお話しされたことでございま して、添付文書を超える情報として、超えてもいい情報と超えてはならない情報という のがあると思います。これは医療法等からみて、超えてもいい情報というのは、生活情 報なんていうのは、「こうやって温かくして寝るといいですよ」とか、「こうすると床 づれがしなくていいですよ」といったことはいいと思うのです。  それから、添付文書自身を解説をする、あるいは説明をするという範囲というのは、 専門家として求められる知識だろうと思います。したがって、添付文書に当たってはぜ ひ加えておいていただきたいのは、添付文書の解説の仕方とか、それから情報提供の範 囲、こういったところもあわせて御検討いただきたいと思います。  三村委員  あくまで一般用医薬品の購入が普通の消費者であるということを前提としたときとい うことですが、文書というものが、先ほどありましたように、添付文書なのか、そうで はなくて特別につくられた文書なのかということによって、かなり大きな差が出るでし ょうと。  それから、お店によって違う文書を渡されると、これは消費者にとっては非常に混乱 を招く可能性もありますので、ここの場合の「文書」は、もしやるとしたら、事前に添 付文書の中でも「要件はここですよ」というような形の文書としてお出しになるという ことでしたらいいかもしれませんが、文書ということになった途端に、これは先ほどの 定義がやはりはっきりしていないといけないと思います。  児玉委員  今の議論ですが、店頭というものを実際に想定していないと議論が難しいと思いま す。それと、実効性ですね。そうしますと、「必ず」というのは私は無理かなと。それ よりも、むしろ「必要に応じて」と。  とはいうものの、これは2つありまして、1つは、例えば過去にPPAの問題があり ましたね。そういうように緊急的に厚労省からも出てくる場合があるんですね。そうす ると、店頭では必ずそれはそれこそ文書でもって消費者にお渡しをして御注意を促す、 この必要性がある場合、このときは「必ず」かもしれませんね。これはそういう文書の 様式が出てきますから、それをお渡しする。これはまず必要であると。  もう一つは、これは溝口委員からだと思いますが、いろいろなお伝えをするときに、 さらに確実性を期すためにいろいろなツールを使う、あるいは自分で文書をつくってお 渡しをする。こういう種類があるわけですね。その辺の整理を今後議論の中でされては どうかなという気がします。  井村部会長  ありがとうございます。詳しい内容を決めなければならないものについては、これか ら先も議論していく必要があるかと思いますので。  そういうことで、この辺は大体よろしゅうございますでしょうか。  それでは、(3)情報提供のための環境づくりというところに進みたいと存じます。  「わかりやすい表現」は当然必要でございます。外箱や添付文書についてわかりやす い表現で記載すること、これはよろしゅうございますね。  それから、「リスクの目安の表示」ですが、これは先ほども児玉委員からもお話があ りましたように、リスクをどのように分類していくかということについてはまだ決まっ ておりませんので、なかなか議論が難しいところでございますけれども、いずれにいた しましても、リスクの高い医薬品というものが出てきた場合には、それはそういうもの でございますよというわかりやすい表示をするべきであろうというのも、また当然かも しれないと思いますが、それでよろしゅうございますか。  その次に、もう一回外箱が出てまいりまして、外箱は非常に大事だということは皆さ ん方大体コンセンサスが得られているような気がいたしますが、その外箱をどのように 表示するかということについて、いかがでございましょう。できるだけ表示をするべき だと。ただし、余り書くと小さくなって読みづらくなって、読まないということもある という表現がされております。どちらも正しいことだと思いますが、その辺はバランス で、何が必要なのか、最低限、外箱にどういうものを書くべきなのかということも、こ れから先、詳しく議論をする必要があるかなと思います。場合によっては、どのように したらいいかということを、小さな作業グループみたいなものをつくって案をつくって いただくようなことも必要かもしれないとは思いますが。  松本部会長代理  この(3)の(3)の問題と次の(4)の(3)の問題が結局連動しているのではないか。 すなわち、(4)は消費者自身が購入前に情報にアクセスするための手段として、外箱 の表示を消費者が見られるようにという議論ですね。そうしますと、これは購入前の情 報提供としては外箱の情報をきちんとしましょうと。ということは、OTCではなく て、カウンターのこちら側といいましょうか、消費者が手にとって商品が確認できる、 そして情報が読めるというのが望ましいという流れになってまいります。購入前に外箱 で情報提供と。  ところが、(3)の(3)は必ずしも購入前という限定ではないのだとすると、購入後 における必要な情報についてどこまで外箱に書いておくべきなのか。むしろ添付文書と か、あるいは箱は捨ててしまうのでむしろ瓶のラベルなどの方が重要なのではないだろ うかと、購入後はそういう議論になってくるのではないかなと思いますので、外箱によ って、購入前を考えているのか、購入後を考えているのかで、(3)の内容が相当変わっ てくるのではないかと思います。  そして、もちろん(4)のところでしょうけれど、OTCを維持して、消費者が直接 手でさわれないようにするのが望ましいという方向で行くのか、そうではないのか。そ れもリスクによって違うのだということになってくるとすれば、一定のリスクのものに ついては、消費者がまず目で見て自分で読んでみて、自分なりの判断をした上で、そし て専門家にその自分の判断が正しいかを聞いた上で購入するとか、そういう感じになる のでしょうか。  井村部会長  難しいところだと思います。ただ、今の(3)の外箱表示のあり方のところでは、必ず しも購入前に外箱で判断するという意味の文書ではないと思います。むしろ、今、松本 委員の言われたのは(4)の方の話だろうと思いますが。  その辺はいかがでございましょうか。これは議論が分かれるところだと思いますけれ ど。どちらかというと、安全性を重視する立場からすると、やはり医薬品はそう簡単に 手に取れないところにあるということの方が安全だという御意見がかなり多かったと思 いますが、消費者があらかじめ何か情報を自分で得るということが、外箱の表示からも し得るのだとすれば、それは確かによく読めるような状態になっていないと具合が悪い ということになりますが、その辺はいかがでございましょう。  吉川委員  これは別の考え方になるのかもしれないのですが、外箱の空箱だけが置いてあって、 実物はカウンターの中にあるというふうにしますと、例えば買いに行ったときに、外箱 を見て相談するか、または最初から外箱は見ずに相談するかなので、いずれにしても相 談して買わなければいけなくなるので、私は、空箱を置いてあるのは悪くないと思いま す。見た上で、相談したい人もいるだろうし、最初から決めてもらいたい人もいると思 いますので、私自身は、空箱であって、外箱にそれなりの情報があるというのは、それ は添付文書もそうなのですが、大事かなと思いました。  というのは、最初から情報がある程度ない状態で相談するときに、目の前に例えば3 つか4つ箱を並べられたとして、短い時間ではなかなか意思決定できないことはあるよ うに思うのです。買うからといって、5分も10分も店頭で相談するというのも気がひけ ることですので、もしあらかじめちょっと考えてから相談したいと思うときに、外箱な り添付文書なりが手に取れる形になっていれば、そういうことをしたい人には有益では ないかと思いますので、そういう考え方もお考えいただけるとありがたいかなと思いま す。  井村部会長  ありがとうございます。児玉委員が実際に店頭の場面をイメージされて今の御意見を 聞かれたときには、どうなさいますか。非常にスペースが大変だろうという気がいたし ますけれど。  児玉委員  それは後のところで陳列という部分がありますので、そこで今のような議論が出てく るのかなと思います。今の御意見をお伺いして、日本の薬局・薬店のスペースは一般論 としては小さいところが多いですから、そこでどれだけそれができるのか。そういう現 実も踏まえながらかなりの議論が必要であり、また、陳列ということが後で出てまいり ますが、今後、またとりまとめをしていくときの重要な要素だと思っているんです。そ ういういろいろな要素を考えながらという文言にここではしておけばいいのかなという 気がします。  青木委員  松本さんが言われたように、外箱云々というのは、これからの一般用医薬品をOTC にするのかどうか−−つまり、リスクに応じてですが、私個人はここで発言したとき は、基本的にはOTCになるものと、そうではなくて、顧客が自分で取り上げて、場合 によっては外箱を見て、場合によっては購入時に相談する、場合によっては購入時に相 談しなくて知識のある人はそのまま自分で意思決定していく。そういう形でやるとき に、今までは外箱はさほどのわかりやすい情報はほとんど載っていないという感じです ね。  ですから、その意味でわかりやすい形の表現が必要ではないかと。ですから、OTC になるものはもう全部OTCになってということになると、その場合の外箱での表示が あるとしたら、手にとって自分で買って行くというものとはおのずから性格が多分変わ ってくるだろうと思います。  上原委員  生活者、あるいは薬の成分がどんなものかによって随分違ってくると思います。例え ば、スイッチOTC−−要するに、医療用からスイッチに出たものについては、まず薬 の成分の特徴であるとかリスクとか効能というものが広く知れ渡っておりませんから、 外箱だけでは不十分だと。例えば、私どものリアップというミノキシジルの薬があるの ですが、これは外箱では書けません。ですから、別の用紙を用意させていただいて、さ らにそれに添付した、問診も含めて、そういう用意をさせていただきました。そういう 段階から、2年、3年とずっと浸透していくと、「この薬はこういうリスクがある」と いうのが周知してきたときは、もうそういう御質問などは生活者の方々がよくおわかり になっている段階なんですね。  それから、初めてお薬をお飲みになる方が来られる相談と、「私はもう既にこの薬に ついてはよくわかっている。自分が常用している」というのとでも、違ってくると思い ます。したがって、一番初めに使われる方、ないしはまだスイッチしたばかりで、薬が わからないような方のものについての情報の提供のあり方、内容と、それがだんだんと 浸透してきてよくおわかりいただいている段階での情報の内容というのは、おのずから 普及度も違ってきますから、それこそリスクの程度に応じて、また普及の程度に応じ て、この辺の書き方も違ってくるのではないかなと思っております。  増山委員  部会長が最初におっしゃったように、ここは例えば外箱に何を表記するかというのが 今はまだ煮詰まっていない段階であり、しかも、これまでと違い、添付文書がもし購入 前に読むことができるようになるということがまた新たに加わるということであれば、 外箱の働きも、これまでの外箱の必要な部分が変わってくるかと思います。ですから、 今ここでこれ以上煮詰めるのは難しいのかなと思いますので、そこは何かもうちょっと 具体的に、外箱に何を載せなければいけないのか、あるいは添付文書は購入前に見るこ とができるのかどうなのかというところがきちんと改まってから、もう少し微調整して 最終的にはまとめてもいいように思います。  井村部会長  ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。どうして外箱の表示が非常 に重要なのかという御意見はほぼ出たのだろうと思います。したがいまして、ほかの条 件とも絡んできますので、この辺につきましては細かいことは後に譲りまして、少し先 へ進ませていただきたいと思います。  次は、「購入前の添付文書の閲覧」というのが早速出てまいりました。先ほど私がち ょっと申し上げましたように、添付文書のセットになったものを自由に見られるような 形で販売するお店の中に置いておくということが、ここに意見として出てきておりま す。そういうことがもしできれば、それを見ようという意欲のある消費者にとっては非 常に便利だとは思いますが、望月委員、何か御意見はございますか。  望月委員  こういうことは消費者にとってこれから非常に大事なところだろうと私は思います が、ここでツールは添付文書集、あるいはそこの店舗で置いている一般用医薬品の添付 文書を集めたような冊子−−添付文書集を各社のものを全部集めてしまうとすごくスペ ースをとってしまうと思いますので、そういうことになると思うのですが、前々から言 われているのが、添付文書というのは活字が小さくて読めない場合もあるということ で、添付文書集という古い文言だけではなくて、ここにできればITを使って字も拡大 したりして見れるような形のものを今後は整備していって、消費者の方にアクセスして いただけるという形をとったらどうかなと思います。  井村部会長  ありがとうございます。これは添付文書の内容をITを使って読みやすいように提供 するということですね。  望月委員  はい、そうです。  井村部会長  ほかにいかがでしょうか。  安田委員  資料1−2についてちょっと伺いますけれど、19ページの10と11の意見がないのです が、これは番号の間違いか、抜けているのでしょうか。  事務局  それについては、ミスタイプでございます。12から17を2つ繰り上げていただきまし て、9、10、11、12、……としていただければと思います。  井村部会長  ほかにももしありましたら、それは番号のうち間違いだと思っていただきたいと思い ます。  ほかにいかがでしょうか。  私が心配しておりますのは、一般の方々の薬に対する知識の啓発が進んでくると、こ ういうものは必須のものとして要求されるようになると思いますので、そういうことも 考えながら、これからできるだけ用意するような方向で行けばよろしいかなと思いま す。  では、先に行きまして、「専門家の識別」です。これについてはもうほとんどコンセ ンサスが得られていると思います。これは当然識別するようにするべきだという御意見 が圧倒的に多かったと思いますので、これはよろしいかと思います。  では、(4)販売の方法等に参ります。  まず、「窓口の設置」でございます。専用の相談窓口を設けるのがよろしいと。それ は設けることができればそれにこしたことはないと思いますが、私が恐れるのは、先ほ ども児玉委員の方からお話がありましたように、そういう販売業の方では、スペース的 には非常に限られているので、この相談窓口を置く余裕があればそれは当然置いた方が いいと思いますが、その辺、児玉委員、いかがでございましょうか。  児玉委員  これは議論をまた詰めていけばわかるのですが、大きく2つあると思います。  今、部会長がおっしゃったように、これはスペースの問題だと思います。それはこの 議論の中でも、医薬品については基本的にオーバー・ザ・カウンターで渡すべきではな いか。それがあればもちろん相談もできるわけでありますから、それがまず1点です。  井村部会長  そこが窓口になりますね。  児玉委員  そうですね。もう1点は、例えば、店頭で消費者・生活者に情報提供をする、相談を する、そのバックアップ体制。具体的に言いますと、例えば薬剤師会とかそういう組織 がありますから、そういうところがどのようにバックアップするのか、あるいは厚生労 働省がそれをどのようにバックアップするのか。こういうことがあってこの相談窓口と いうものが全部生きていきますから、そういう総合的な意味があると。  井村部会長  例えば、厚生労働省のバックアップというのは、具体的にはどういうものとお考えで しょうか。  児玉委員  御承知のとおり、今、ホームページとかインターネットを通じてとか文書とか、厚生 労働省もいろいろ情報提供の……。  井村部会長  ああ、情報をですか。  児玉委員  そうです。要するに、消費者が相談しやすい環境づくりを今バックアップしています ね。そう意味も含んでいるということです。場所の問題と、その後ろの体制ですね。  井村部会長  はい、ありがとうございます。  上原委員  これは購入前あるいは購入時の話ではないのですが、購入されてから、私どもの会社 に対しても電話での相談が多いんです。それは例えば子供用であるとか、妊婦の方であ るとか、お年寄りでもこの量でいいのかとか、そういうお問い合わせが多いので、薬局 ・薬店のお買い求め時点だけでなく、今お話にございましたように、多岐にわたる情報 を提供できる窓口を幅広く用意することが必要だと思います。  私どもの対応策の一つとしては、商品コード番号を携帯電話でスキャンスすると、情 報データから、「このお薬についてはこういう情報で、こういう使い方、あるいは禁忌 は」とか、より細かい情報が流れるようなことを現在研究中でございますので、そうい う多岐にわたる情報の提供手段も、外箱だけではなく、そういうことを考えるべきでは ないかなと思います。  井村部会長  ありがとうございます。  ほかに特に御意見はございませんでしょうか。  松本部会長代理  児玉委員がおっしゃったように、実際に販売するときに丁寧に相談に応じたり情報提 供したりするというのが恐らく理想だと思うのですが、実際の薬屋さんというのは、薬 だけを売っているのではなくて、一般雑貨も一緒に売っている。ティッシュペーパーを 買う人も薬を買う人も同じレジに並んでいるという中で、薬の販売については、例えば 最低でも15分ぐらいは、顔を見たりして相談を受けたり、薬の使い方について説明しな ければだめだよと。  薬というのはそんなに簡単に買えない方がいいのだよという考え方は一つあり得ると 思うので、国民がみんな薬というのはすぐ買えないものなのだという相場感ができれ ば、それで全く問題はなくなると思うのです。医者に行ってすぐ診療してもらえないも のだと今みんな思っていますから、1時間ぐらい待って当たり前だと。そうすると、薬 を買う場合でも1時間ぐらい待つものだと、薬というのはそういうものなのだというこ とになれば、それでいいと思うのですが、ティッシュペーパーを買うのに1時間も待た されるというのは、僕だったら絶対そういう店には行かないですから。  となると、今のような販売方法において、相談だけに応じる窓口をつくらないで十分 な手当てをするというのは、現実には難しいのではないかなと感じます。したがって、 スペースの問題というよりは、人の配置とかという方の問題が大きいのではないかなと 思います。それは結局、コストの問題にはね返ってきて、したがって、情報提供を本当 に丁寧にやるなら、そのコストについて、薬代の中に含ませて、そこで回収できる程度 の情報提供コストだけでいいと考えるのか。そういう問題に最終的にはみんなつながっ ていくような気がいたします。  児玉委員  それはこの後の陳列のところと全く関係のある話で、要するに、諸外国の前の調査を 見てもわかりますように、それを消費者・生活者にわかってもらうために、リスクの高 い医薬品については、陳列方法を義務づけすることによって、直接消費者は取れない、 必ずカウンターを通さなければいけない、あるいは必ず専門家を通じてしか展示するこ とはできない。そういう分類を明確にすることによって、今、松本先生がおっしゃった ように、消費者も薬のリスクを認識していく。こういうやり方は非常にわかりやすいで すね。ですから、今後、そういうことが今のお話と連動してくるかなと。そうすると、 それに合わせて、供給する側も陳列方法等供給形態を変えていかざるを得ない。そうい うやり方でないと難しいかなという気がします。  井村部会長  ありがとうございました。  実は私が予定しておりました時間より大幅にこの部分で食っておりますので、少し先 に進ませていただきたいと思います。  次は「陳列」でございます。これはもうずっと議論をしてきたことでございますが、 御意見が違っておりまして、リスクの違う医薬品とその他の一般商品とは分けておくべ きだという御意見と、医薬品は手に取って確認するのが大事だから、向こう側にあって は困るという御意見と、2つあったような気がいたしますが、どちらかというと、安全 性を担保するためには、向こう側にある方がリスクの高いものについてはよろしいので はないかという御意見が多かったと思っております。そういう整理をさせていただきた いと思います。  それから、「大量購入の防止」というのがございまして、確かに乱用につながるよう なものがございますので、「何らかの対応が必要である」という表現になっております が、そのままでよければ、これはどなたも御反対はないのではないかという気はいたし ますが、いかがでございましょうか。  それで、具体的にどういう方法かというと、これまたいろいろと考えなければいけな いのだろうと思います。例えば、小さなパッケージにするとか、そういうことも一つの やり方かなと思いますが、ただ、どのくらい実効があるかというとまた問題はあるかも しれません。  次に、「消費者の個人情報」です。これも、個人情報を管理するような形をとれば、 必ず、今この世の中ではその情報を保護しなければならないという義務が生じてまいり ます。ただ、その情報の量といいますか数といいますか、それによるんですね。松本委 員、その辺は何か御意見があればお聞かせいただきたいと思いますが。  松本部会長代理  これはかかりつけ薬局とか薬剤師とか、そういう議論になってくると、だれにという データもきちんと記録に残した上で販売しましょうということで、個人情報になるわけ ですが、普通は、買い主の名前なんて聞かないで売っていますから、その限りでは、よ っぽど近所の人で知っている人とかでない限りは、識別可能な情報として何か記録して いるということはないと思います。「あの顔の人は、名前はよく知らないけれど、いつ も来られるお得意さんとして知っている」というぐらいですから、それは個人情報とい うことには当たらないので、お客様台帳をつくって、丁寧に薬歴を記録してやっていく という段階になって、初めてこの問題が出てくるのではないかと思います。  井村部会長  そうですね。当然それが大事なことは皆さんよくおわかりのことでございますので、 これについて特に具体的に考えなければならないときは、またそれについて考えていく ということにしたいと思います。  では、次に、2.医薬品販売に従事する者の資質・責任に進ませていただきたいと思 います。  まず、「開設者と販売従事者の区別」でございまして、(1)に「医薬品を販売する者 について考えるに当たっては」という表現がございます。それで、(14・16・18)−1 と4がそこに御意見の例として上がっていますが、このように整理いたしますと、ちょ っと表現があいまいになってしまうんですね。よく読んでみますと、この(14・16・18 )−1あるいは4というのは「役割と責任」ということについて書いてあるので、ボヤ ッと「販売する者について考えるに当たっては」という表現ではないんですね。「販売 するときの役割と責任については」という表現になっておりますので。ですから、この 辺は表現をもう少し考えておかなければいけないかなという気はいたしますが、御意見 はいかがでございましょうか。  児玉委員  今おっしゃったとおりで、「医薬品を販売する者の役割と責任について考えるに当た っては」と、まずこれが1つです。  もう1点は、店舗の開設者と販売に従事する者とに分けて考えるべきだと書いてあり ますが、たしかあのときの議論では、現状を踏まえてこれから意見をまとめていくわけ ですから、そうすると、今の形態ですと、薬局と一般販売業の場合は開設者と販売従事 者の間に管理薬剤師が存在するんですね。したがって、これらの要素を踏まえながらこ れからまとめなければいけませんから、解説者と販売に従事する者の間に、それは「管 理責任者」という言葉がいいのか、「管理資格者」という言葉いいのか、よくわかりま せんが、そういう言葉を間に入れるべきではないかなという気がします。  井村部会長  ありがとうございます。そういう御意見でございました。  ほかに御意見はございませんでしょうか。(1)についてはよろしゅうございますか。  では、次の「販売従事者の資質のあり方」に移りますと、これはたくさん御意見が出 るのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。ここに書いてあることは、 そのとおりではあろうかと思います。よろしゅうございますか。  それでは、「専門的な知識」の(3)はいかがでしょう。これも確かに専門的な知識は 当然要るだろうと思います。この引用された御意見の(14・16・18)−40というのは、 医薬品の管理についても言及しているようでございますので。この(3)は特にこうでは なかったという御注意はございませんね。よろしゅうございますか。  それでは、「販売従事者の関与、対応内容の明確化」の(4)でございます。この辺は いかがでございましょうか。書いてあることはそのとおりなのでございますが、問題が 含まれていないわけではなくて、販売に従事する者というのは一体何種類もあるのかと いうことになるのだろうと思います。これもリスクの区分というのがある程度できてい ないと、非常に議論しにくいところになるのだろうと思います。ただ、確かにどこまで 関与すべきかということは当然問題になるだろうということで、これはこれでよろしい ということにして、よろしいですか。  それでは、「販売行為の制度化」でございます。「不適切な販売行為にならないよ う、制度として対応すべきであり、利益を無視して助言指導することについて販売者の 任務として定めるべきである」という文章がございますが、これもちょっときついかな という気がいたしますが、御意見はいかがでございましょうか。  田島委員  これは意味がよくわからなくて……。  児玉委員  これは言葉の問題だけなので恐縮なのですが、これだけ言いますと確かに非常にわか りにくいんですよ。もとの文章を見ますと、「制度として対応すべきであり、消費者の 不適切な判断に対して利益を無視してでも助言・指導すべきことについて責任者の任務 としてどうあるべきか」と、そういうことだと思うのです。そういう書きぶりにしてい ただかないと、今後、まとめていくときに、これだけではわかりにくいかなという気が します。  井村部会長  そうですね。田島委員も「わからないな」とおっしゃっていましたけれど、そういう ことでございますね。  田島委員  そうです。  井村部会長  ありがとうございました。それでは、そういう補足をしていただくようにお願いいた しまして、おまとめになるときはよろしくお願いします。  ほかにございませんでしたら、次に「個人情報の保護」がまた出てきましたが、これ は当然先ほども議論いたしましたので……。  増山委員  この個人情報については、多分、配置薬さんが該当するのではないかと思うのです が、配置薬さんでは、購入者の病歴や住所・氏名・年齢を把握されているとお聞きして いるのですが。ですから、今後、そういう必要性があったらというか、恐らく現在でも 個人情報の保護のあり方はどうあるべきかということは必要だと思います。  井村部会長  ありがとうございました。  安田委員、この件について何かございますか。  安田委員  これは非常に難しい問題でございまして、私どもの顧客台帳(懸場帳)という特有の 管理帳ですけれど、それについてまだ明確にこうだという説明は私はちょっとしかねま すので、この次に勉強してお答えいたします。申しわけありません。  井村部会長  はい、よろしくお願いします。  ほかに、個人情報では特にもうつけ加えることがなければ、先に進みます。  「資質の維持確保」でございます。(7)でございますが、いかがでございましょう。  「異論がない、当然だ」と部会長代理がおっしゃっていますが(笑)、ここでは「そ れぞれが自主的な研鑽を推進しており、資質の維持確保は可能と考えている」という表 現が本当にいいかどうか、私は少なくとも疑問なのですけれど(笑)、そのように可能 と判断するのだったら、その中身が問題でございますので、中身については当然、第三 者の評価みたいなものが入っていくべきだろうなとは思います。  しかし、当然、維持していただかなければ困るわけですから、大体のこの内容はそれ でいいだろうということです。よろしゅうございますか。  次は、「薬剤師の資質(1)」と「薬剤師の資質(2)」でございます。まず、(8)の方の 表現はいかがでございましょうか。  児玉委員  2点あります。  1点目は、この15−2ですけれど、これは資料1−2の15ページを御参照いただけれ ば結構かと思いますが、私もこの発言は覚えておりますけれど、「一般用医薬品は複合 剤が多く」と、これはいわゆる医療用成分等も含んでいるという意味も含めてこういう 発言をされて、そしてこのような発言になったのもよくわかっております。しかし、こ の文章は、一般用医薬品は、医療用成分を含めたいろいろな成分を含んでいるわけであ りますから、いろいろな幅広い知識が要るのだという意味でおっしゃったわけです。そ うしますと、この(1)と(2)という分類からいけば、「薬剤師の資質(2)」の方にむしろ 入るべきかなと。(2)の方は私が発言したのでよくわかっているのですが、「すべての 医薬品を扱う知識が必要なのだ」と、「だから、薬剤師教育の充実が必要なのだ」と、 こう申し上げたわけでありますから、これはまず(2)に入るべきものであるということ であります。  2点目は、これは薬剤師の資質にかかわる議論を今後まとめていこうということであ ります。その大もとは、従事する者の資質の問題の向上でありますから、では、その中 の薬剤師の資質はどうあるべきかということをまとめていくわけですね。となると、こ の議論というのはここに入るべき項目ではないと思います。ちょっと違うんじゃないか なと。要するに、薬剤師の資質をどうしようかというところに、なぜ新しい資格か、こ れは議論が全然合わないですよ。そうすると、「薬剤師国家試験は何なの?」という議 論になってきますから、ここに入れるべきではない、ほかで議論すべきだろうと思いま す。  鎌田委員  これは多分私の発言だと記憶しておりますが、それは別としまして、私の言った趣旨 は、薬剤師さんがどうとかということではありません。薬剤師さんは現在の薬業界のリ ーダー的な存在でありますので、それ自体は私どもは尊敬しております。  ただ、業としての販売に当たりましては、今、一般的にいわれている薬局・薬店の薬 局という仕事は調剤をする場所と我々は理解しております。そして、薬科大学が6年制 になっていくということは、私は以前も発言しましたように、大変いいことであり、私 どものリーダーとして、医療用のものを含めまして、私どももまた教えていただきたい こともたくさんあるだろうと思います。ただ、販売用としましては、私どもも認定試験 を受けまして、自己研鑽を続けて、それなりに一生懸命努力をしまして、いわば店頭に おける販売においては私どもも医薬品販売業の一翼になっているということを主張した わけであります。  ですから、その中で新しい資格ということは、私どもが言いますところの主張は、認 定試験というものを受けていながら、実はそれを証明するものはないと。いわゆる許可 条件の一つとして試験を人が受けて、店舗に許可がおりていると。こういう矛盾したと いいますか、人権をとやかくという大きなところまではいきませんが、とにかく受けた 人の人格を認めずして許可要件にしていることは、私どもは大変残念だと。ですから、 これを機会に、我々も勉強しておりますから、一つの資格としてお認めをいただいて、 個人資格になればそれなりのメリット・デメリットもありますが、それを超えて、我々 は社会的にきちんと認知された一つの業として、この制度改正に当たりましては、そう いうところをぜひ検討していただきたいと考えております。  児玉委員  今の発言に対して私も意見がありますけれど、それを今言うべき時ではありません。 あくまでも医薬品の供給制度をどうするか。  私が申し上げた趣旨はそういう議論ではなくて、そういうことを今後検討していくの であれば、薬剤師の資質の項目に入れるというのはどうなのかと申し上げているわけで すから。意味はおわかりだと思いますが。  井村部会長  全くよくわかります。  児玉委員  ですから、そこに入れるのではなくて、ほかのところで議論すべき項目ではないでし ょうかと、そう申し上げているわけです。  井村部会長  はい。  小出薬事企画官  今の御意見の趣旨はよくわかりました。それで、書いた立場から1点だけ申し上げれ ば、これは冒頭御説明しましたように、11回から15回、それぞれのテーマごとに御議論 したものをまとめたところですので、この御発言が13回だったか14回だったかで、薬剤 師の資質、6年制を議論したところでやりましたのでこういう整理をいたしましたが、 それはあくまでこれをつくるまでの過程でございますので、今後考えていくときには、 おっしゃった方向で、別に議論が必要であれば、こういうところではないところで整理 して議論していくようにしたいと思います。  田島委員  これは事務局の方に御質問させていただきたいのですが、この「医薬品販売業に新し い資格を設け」というのは、今、薬種商のお立場の御発言がございました、そして薬剤 師会からの御発言もありました。これ以外に何かをお考えだということなのですか。ほ かは考えていないとおっしゃるのでしょうか。  小出薬事企画官  今の点につきましては、まずこの資料の性格でございますが、これは今までの11回か ら15回の議論の整理でございますので、私どもの考えということではございません。し たがいまして、これまで出てきた鎌田委員の御発言を中心としたものをここに書いてあ るということでございます。  それで、今後、販売制度において、どういう販売体制かということは、今までの議論 の今回整理しましたものを土台として、さらに議論を深めていただく必要がありますの で、私どもとしてもそういうことでいろいろな御意見を踏まえた形を整理したものを、 秋以降になると思いますが、御議論いただけるようなものを用意していきたいと考えて おります。  松本部会長代理  文書の確認ですが、大方の意見が一致した部分をまとめているわけではなくて、重立 った対立する、矛盾する意見もまとめているという御趣旨であれば、今の(8)と(9)は僕 は矛盾していると思いますが、それぞれ考え方があるということであれば、これでよろ しいのだと思いますけれど、今までの項目を見ますと、どこまでというのには考え方に 違いがあるでしょうが、大体こういう方向でという共通の方向はこんなのでしょうとい う感じでまとめられている項目が多いのに、ここだけ全く違うし、その次の(10)と(11) も全く違うということで、この辺はこれでいいと、違った意見もあるということを確認 しましょう、ということでよろしいですか。  小出薬事企画官  はい。続けてお答えします。この資料の性格ですけれど、これまで出ました御意見に ついて、おおむね一致というか、方向性がある程度はわかっているものを中心にしてお りますが、骨格的なということで、今後さらに議論していくようなことで大事なことと いうのは、必ずしも方向性が出ていないことについても上げさせていただきました。  そういう観点から言いますと、まさに今、松本先生が御指摘のように、おおむね方向 が出ているところが多いのですが、この(1)と(2)で書いてあることについては、やはり まだ方向性は出ていないのだろうなと。ただ、これまで出た御意見ですし、今後の議論 の中で大切なところなので、あえてこういう形で示させていただいたということでござ います。  井村部会長  先ほどもオーバー・ザ・カウンターの話がありましたが、あれも全く相反しているの で、そういうのが出てくるのは仕方がないかなと。完全に相反しているものについて、 こういう意見があったということは、やはりここで記録しておいた方がいいだろうとい う気がいたします。それはこれでよろしいかと思います。  児玉委員  そういう見方をすれば、私は、この(1)と(2)は相反するとは思っていないんです。そ うではなくて、今後、薬剤師の資質を議論してまとめていく中でということを申し上げ ているわけですから、もっと広い意味で、医薬品の販売に従事する者の資質と責任を今 後議論をして詰めていく。その中でいろいろな話があって、こういう意見も出ています から、それは私は何も否定はしていないんです。ですから、そこのところの整理だけお 願いをしたいなと。その辺の考え方を踏まえた書きぶりをぜひお願いしたいと、そう申 し上げているわけです。  増山委員  今のお話の流れの中で確認させていただきたいのは、この意見はこれまでの議論の中 でこういう意見が出てきたという確認であって、でも、この意見というのはやはり議論 の流れの中で必ずしも厳密に言い切っているものではないものもたくさんあると思いま す。そういうことや、あるいは、今までの話にもありましたが、リスクの区分とか、添 付文書をどういう書きぶりにするのかとか、外箱もこれまでにない例えばリスク表記を するかとか、いろいろなものに関連して、どんどん変わっていくものだと思うのです。  ですから、私の理解では、「おおよそこういう意見でしたよね」という確認ができれ ば、この文書がどこかで一人歩きをして、「こういう意見がここで出されていたじゃな いですか」ということで、それによって何かに影響を与えるものではないと思います が、そういう理解でよろしいのでしょうか。  井村部会長  全くそのとおりだと思っております。ありがとうございます。  ただ、私は、この(8)と(9)が相反しているかどうかについては判断しませんが、ここ で私はちょっと困ったなと思いますのは、「医療に生かされる」とか「生かされるべき ではない」とかと、「医療」という言葉が極めて簡単に使われているのですが、ここで 御発言になっている方々の「医療」という言葉の定義は何だろうと考えました。それを ここでまた議論するつもりは毛頭ございませんので、そういう問題点もあるということ を御承知おきいただいた上で、こういう意見もあったなということで確認していただけ れば、それでよろしいかなと思います。  その次、「販売の責任(1)」と「販売の責任(2)」でございます。これも、「自己責任 を中心として制度の実効性を担保すべきである」という御意見と、「いや、消費者に対 して販売する方に責任があるのだ」と−−もちろん、販売する者に責任があるのは当然 でございましょうけれども、「自己責任を中心として」という表現が本当にあったのか なという気がいたしまして、ちょっと私も悩んだのですが、例えば資料1−2の13ペー ジの29は、決して「自己責任を中心として」という言い方では書いていないんですよ。 ですから、これはちょっと書き過ぎかなという気がいたしますので。これは松本委員の お言葉でしたでしょうか、この3つの責任の中で制度が云々というお話は。  松本部会長代理  いいえ。  井村部会長  この御意見は宗像委員ですか。  宗像委員  はい。  井村部会長  これはちょっとわかりにくいので、もうちょっと砕いて言っていただけますか。  宗像委員  この29番については、薬事法及びその他、PLO法、厚生労働省さんが出されている 製造指針から判断しますと、その責務を負っていくという、OTCの骨格として法的に 裏づけられるものというのは、厚生労働省さんの許認可の責任、PL法上における製造 物責任、そして自分で判断して自分で服用できるという認可基準がありますので、自己 責任という形になっています。しかし、これは必ずしも、だからこういう点は全然責任 はないのだということではございません。基本的にはそういう3極の構造から成ってい る、そういう中で、販売店・小売店がどうあるべきなのかということがこの制度の中で 今考えられていることであります。  そのために、この後ろのことをつけ加えて言いますと、添付文書がミニマムスタンダ ードとして、いろいろなプラスアルファーのネットやさまざまなアイデアや情報はある でしょうけれど、添付文書をまず最低限のものをきちっとそろえていくということがと ても重要なことではないでしょうかという意味で、ここを述べさせていただきました。  井村部会長  シンプルな聞き方をしますと、この「自己責任」と言っているのは、消費者の自己責 任と受け取ってよろしいのですか。  宗像委員  はい。  井村部会長  そうしますと、この(10)の文章というのはこのままでよろしいですか。  松本部会長代理  (10)のもとになった(14・16・18)−29の中で、許認可責任が厚労省の責任である、 製造物責任がメーカーの責任である、自己責任が消費者の責任であると、販売業者の責 任は負わないという趣旨になってしまうので、そうしますと、(10)は一般用医薬品につ いては販売業者には一切責任がないという立場で、(11)はむしろ販売する者に責任があ るという立場という、全く相反する立場ということになりますが、多分そこまでの極論 ではないのだと思いますけれど……。  宗像委員  ちょっと待ってください、PL法を御存じだと思いますので、この中では、販売者の 責任というのは当然あるわけです。PLO法上の中で。  松本部会長代理  ありません。  宗像委員  添付文書を改ざんしたり偽ったりして言った場合には、当然、店に来ますから。  松本部会長代理  ありません。製造物責任ではございません。  宗像委員  製造物責任ではありませんけれど、そこから逃れた部分については、店の間違った情 報というのは店が問われることになります。  松本部会長代理  当然です。  宗像委員  当然ですよね。それで、私はここで先ほど言ったのは、その範囲ではありませんよ と。店のこれからのあるべき姿というのはここで論議されていますから、そういうもの を今度は店舗における情報提供のあり方ということを考えられるこの部会だと思います ので、それを支持しているわけでありますので。ただ、そのもともとのこの3つの構造 というものがありますよということをお話し申し上げたわけです。  松本部会長代理  ですから、もともとは3つの構造しかないというふうにこういう書き方をされると、 逆の方に読めてしまうので、そこまで主張されるなら、それは非常に極端だと思います が、一つの主張でよろしいのですけれど、そうではなくて、当然、販売店にもそれなり の責任はあるのだと、メーカーにもあるのだと、そういういわば4極責任ということで あれば、そういう立場は十分あり得るし、消費者の自己責任もあるのだというぐらいで よろしいと思います。  (11)の方は、むしろ消費者の自己責任よりは販売店の方の責任を重視する立場である と。しかし、(10)の方が販売店の責任は、今言ったような添付文書を改ざんしたという ような、非常に極端な場合以外はないのだという感じですと、少し問題かなと思いま す。  宗像委員  それはお話の中で、薬事法上における責任というのは当然あるわけですから、私はそ れを言っているわけではありませんので、これは小売店の、今、先生がおっしゃったよ うに、例えば医薬品の管理であるとか、販売時点の情報提供であるとか、それは薬事法 の中できちんとうたわれておりますので、販売者としての責任というのは、おっしゃる ようにあるわけであります。それを否定するものではありません。  井村部会長  議論がこの部会が行くべき方向とは少し離れたかなという気がいたしますので、もし そういうお話でございましたら、この(10)というのは、宗像委員のおっしゃっているこ ととも違っているようですので、これは削除してしまいましょうか。その方がいいよう な気がいたします。そうさせていただきます。  それでは、3.消費者への周知等に移らせていただきたいと思います。  これは先ほどもチラッと話が出ましたように、消費者に対する普及啓発ということが まず最初に出てまいります。もちろんそれが必要だということはどなたも御異存がない だろうと思います。  その方法の一つとして、その次に、「義務教育での普及」というのがありまして、学 校薬剤師を活用して薬についての知識を、恐らく生徒と呼ばれるレベルの人たちに教え ていくということが一つの方法であるということと、普及啓発する内容は薬の有効性と か何とかということばかりではなくて、今までに起こった薬害というのは非常に大きな 教訓なので、これをそういう場合には加えた方がいいだろうということ。  その次の「副作用情報の伝達」には、マスコミを活用することも検討されるべきであ ると。これもうまくいくのであれば、それはそれにこしたことはないなと思いますが。  というようなことで、この辺はよろしゅうございますか。  田島委員  義務教育での普及の場合ですが、この「学校薬剤師」という言葉を私は寡聞にして知 らなかったのですけれど、もしそうだとしたら、「養護教諭」とかそういう方がより適 当ではないかなという気はするのですが、そこら辺のところはどうでしょうか。  井村部会長  御意見はございますか。  増山委員  だれが教育するかということをはっきりは限定しなくてもいいのではないかなと思い ます。適切にそれが指導できる者であればいいと思いますので、ここはそういう言い回 しにかえてもいいのではないでしょうか。  井村部会長  適切な御意見のような気がしますが、望月委員、何かありますか。  望月委員  この意見は私が申し上げた意見だったと思います。確かに養護教員の先生もこういっ た啓発活動に加わっていただくというのは、いろいろな方に参加していただくという意 味で大切なことだと思いますので、特に学校薬剤師に限定しなくてもいいのではという 点に異存はないのですが、ただ、学校薬剤師というのは高校教育までの施設においては すべて置くことになっておりますので、薬剤師が一般用医薬品を含めた薬というものの 普及啓発活動を行うに当たっては、学校薬剤師が一番適切な人材ではないかなと思って おります。  井村部会長  ということでございますか。この辺につきましてはまた議論の機会もあるかと思いま す。  ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございます。  それでは、4.情報通信技術の活用に移らせていただきます。  まず、「活用の仕方」でございます。これを拝見しておりますと、補助的・補完的な 選択肢として使用することは非常によろしいのではないかという御意見がかなりあった ということでございます。  当然、それと同じようなことだとは思うのでございますが、医薬品の販売におきまし ては、詳細な情報のキャッチが必要だから対面での販売の方がいいのだと、情報通信技 術では大体そういうことはできないと、そういう御意見も一つあったようでございま す。  ただ、我々は、情報通信技術のテクニックがどこまで進んでいるかということをまだ きちっと把握していないということもございまして、これからそれがもしもう少し理解 できるようになれば、こういうこともできるのではないか、ああいうこともできるので はないかということが、これから出てくるのではないかと思います。  それで、活用できる場面というのはそんなことなのだろうと思いますが、既にいろい ろなことに活用されているわけでございまして、恐らく望月委員なども御自分の御専門 の中では大いに活用されているのだろうと思うのでございますが、この辺はよろしゅう ございますか。  青井委員  今、座長がいわれました情報通信技術というのは非常に広い意味がありまして、この 世界では情報通信技術と出てくると、どちらかというと対面販売をしないで、テレビ云 々とかそういう方に流れがちになりますけれど、私個人としては、先ほど望月さんが言 われたように、薬剤師の方は顧客をサポートするということになってくると、ITとい うのは非常に効力を発揮するのだろうと思います。  そこまでやると同時に、既存のネットワークやITをギブンしようとしてやってきた ときに、こういう一般用医薬品の販売というのはどうあるべきだろうかという議論は、 この会ではないですけれど、いずれ出てくるので、情報通信技術に関しての表現は限定 的に使った方がいいのだろうと思います。  望月さんに伺いたいのですが、添付文書というのは余り変わらないんですか。一般用 医薬品に関してリバイズするという頻度は。もちろん薬によって違うのでしょうけれ ど。  望月委員  私より、もしかしたら上原委員の方が答えられると思いますので。  上原委員  それは発売してから途中で添付文書の内容を変えるかということですか。  青井委員  そうです。  上原委員  安全性の面については、それは十分に初めから網羅しているつもりですが、安全性が 追加して出てきた場合については、それは厚労省の御担当の方と相談して、途中でかえ るということは十二分にあり得ることでございますが、通常はありません。ただ、それ をいかにわかりやすく並べかえるとか絵にするとか、そういうことは普段からやってい ることでありまして、内容がその都度かわっていくということではございません。  青井委員  別の分野でITが非常に効力が出てくるのは、いろいろな追加その他がある場合に は、紙媒体で配って云々というとなかなか徹底しづらいところがありますから、その意 味では、ITの方が効力をはるかにはっきるのではないと思います。個人的な見解で す。  井村部会長  ありがとうございます。恐らくそうだろうと思います。  ほかにいかがでございましょうか。ITに関してはそれで大体よろしいでしょうか。  では、5.その他に移らせていただきたいと思います。  まず、「店舗の管理」という項目がございます。店舗の管理については、専門家によ る管理を原則とし、「不測の事態」というのが出てまいりましたが、これは先ほど御説 明いただいてもなおわかりにくいのですが、例えば、災害が起こって医薬品に何か物理 的あるいは化学的な変化が起ったときに、まだそれでも大丈夫、使えるという判断をす るかしないかと、そういうことでしょうか。  小出薬事企画官  はい、おっしゃるとおりです。  井村部会長  だそうでございます。  望月委員  ここも私と、多分、谷川原委員が発言させていただいた部分にかかわるところだと思 いますが、「不測の事態」という文言になっている部分で私たちが事例として出したも のは、たしか児玉委員も事例として出されたのですが、一般用医薬品の場合、各薬局・ 薬店の店舗の配置の場所によっては、余り品質が確保されない場所−−つまり、ちょっ と温度が高くなってしまうとか、あるいは直射日光が当たってしまうとか、そういった ところに保管したり、あるいは冷蔵庫がたまたま電源が切れてしまっていたとか、そう いう場合を想定して、物理化学的な性状が恐らく変わっているだろうというときに、販 売してもいいかどうか、品質が担保しているかの判断を科学的な根拠に基づいて判断で きるための専門的な知識が必要である、というような話だったと思います。  児玉委員  私があのときに発言したのは、たしか各店頭で医薬品の品質をを科学的に判断する事 は、物理的に大変難しいですよね。ですから、あのときに申し上げたのは、そのため に、例えば薬剤師会の場合は試験センターを各都道府県薬剤師会みんな持っていますか ら、そこへ専門家の判断で、店頭でこういう状況においてこの一般用医薬品の品質は大 丈夫なのかと思ったときに、それをそこへ出して、そこでチェックすると。これは実際 に年1回全国でやっていますから、そのときにそういうことを踏まえた物の言い方をし たんです。そういう意味です。  井村部会長  ここでは「不測の事態」という言葉が出てきたのでちょっと混乱したのですが、内容 はそういう意味で御発言あったというとで、御承知おきいただきたいと存じます。  ほかによろしゅうございますか。  三村委員  私が今これを読んだときの一つの解釈なのですが、医薬品の取り扱いに関しては、販 売段階をどうするかという話が一つあることと、もう一つは、品質在庫管理責任という のがきっとあるのだろうと。恐らくここの問題は、専門家における管理というのは基本 的には品質在庫管理責任かなと、こういう文章から受け取りました。では、流通段階の 管理ということで、メーカーは工場はここまで基本的に品質管理されていますが、先ほ どのように、店頭での品質劣化の可能性とかという話があり得ると。  そうしますと、確かに専門的な知識が必要とか、専門家による管理原則という言葉も 一応必要であるということも前提としながら、流通管理ということについてはきちんと したプロセスを基本的に構築しておくとか、あるいはそういったもののルールを明記し ておくとかという形を入れた方が、店舗の管理というよりは、店舗における商品の品質 管理という言葉につながるのではないかと感じました。  ですから、不測の事態のときに判断するということに加えて、そういう場合は当然あ り得ると思いますが、それと同時に、店舗段階における品質管理ということについての 一つのきちんとしたマニュアルづくりとか、手順の明確化といった形の方が、趣旨とし ては合うのではないかというのが私の意見です。  井村部会長  ありがとうございます。それは確かにそういうことをこの辺で一つ入れておいた方が いいかもしれませんね。  ほかに御意見がもしなければ、その次の「情報提供の対価」でございます。これも私 の隣の松本委員がおっしゃったことでございまして、情報提供する側にはそれの対価が 当然問題になるであろうと、そういうお言葉でございました。この会が始まる前に松本 委員と議論したのですが、倫理的な責任感みたいなものから、対価がなくてもやってし まうということももちろんあり得るわけですが、ただ、それがいつまでも続くものでは ないだろうというのが、青井委員や松本委員の御意見でございました。その辺について は、こういう御意見は常識的な意見としてはごもっともな御意見だということで、ここ に載せておく必要があるかなと思うのでございますが、それでよろしゅうございます か。  田島委員  大変ありがたいお言葉で、我々医療の分野でもこういうことは多々ございますので、 ぜひその辺のところは強調して載せていただきたいと思います。  増山委員  今の御意見に反対するものではないのですが、ただ、消費者の立場から主張させてい ただくと、言ってみれば、その情報提供というのは取扱説明書になるのだと思うので す。それを適正に使うためにはどうしたらいいかという情報は、通常の電化製品でいえ ば取扱説明書なんですね。ですから、費用がかかるからやらないという種類のものでは なく、その商品がきちんと正しく使われるにはどうしたらいいかというノウハウを伝え るのは、私は当然だと思いますので、むしろそれが販売に込みになっていなかったので あれば、それが問題であり、やらなければいけないと思います。今、何を買ってもすご くたくさん説明書がついてくると思うのですが、ぜひそこはそういう部分も理解してい ただきたいと思います。  松本部会長代理  今おっしゃったことはそのとおりだと思います。つまり、販売した人としては、自分 が売ったものについての安全な使用方法について説明するのは当たり前であると、これ は家電製品であってもそうだし、お薬であってもそうだということなのですが、この会 議でずっと議論していたのは、消費者が決めて、「これを買いたいんです」と言ってき た商品について、「それでは、これはこういう点に注意してお使いくださいね」という 説明ではなくて、もっと前の段階の、「私はこういう症状なので、どんな薬がいいでし ょうか」というところ、あるいは「むしろ医者に行った方がいいんでしょうか」と、そ ういう健康相談のレベルに近いところから医薬品の販売業者あるいは薬剤師は関与すべ きであるという議論で流れているんですよね。  そうなりますと、アドバイスをする部分なんですね。一般的には健康アドバイス、あ るいは「あなたの症状を改善するには、この薬を飲めばいいのか、あるいは早く医師の ところへ行った方がいいのか」と、そういうアドバイスについて無償でというのはやは りちょっと無理があるのではないか。  そして、有償にすると、商品の値段の中に込みにしてそういうアドバイスをするとい うことになるのでしょうけれど、それを十分できるだけのコミッションを商品の販売差 益ではまかなえないのではないかなと。下手にすると、非常に利ざやの高い商品だけを 勧めるというようなよくない傾向になるかもしれないから、そういうことを妨げるため には、アドバイスの部分はアドバイスの部分としてきちんと一定の対価を得て、そのか わりきちんと責任を持ってやってもらうと。そして、それとは別に、商品が決まれば、 それについての必要不可欠な情報を提供してらうというように、2段階に分けた方がい いのではないかなという印象を持っています。  増山委員  私はちょっと理解の仕方が違っていて、一般用医薬品というのは医療用医薬品と違っ て、診断が入らないわけですよね。ですから、あくまでもアドバイスというよりは、こ の薬がどういう性質のものなのか、あるいは患者さんが今どういう状況なのかというこ とを確認する作業だと思うのです。これはこういう商品ではないかと。  ですから、そこが余りアドバイスとか相談ということになってしまうと、逆にそれを 受けることによって、消費者が何を選択するかがガラガラ変わるようであっては困ると 思うのです。あくまでも、「その症状なら、こういう薬が該当するのではないか」とい うことを情報提供する。そして、その中でどういう特性があるのかとか、どういうリス クがあるのかということを説明して、消費者が「それでは、これを購入しましょう」と いうことになるのではないかと思います。ですから、そこのアドバイスや相談というも のが何を指しているかというのを、対価を考えるということであれば、はっきりとさせ るべきではないかなと思います。  そうでないと、逆にあいまいなものがどんどん消費者に負担を強いてしまうというこ とも考えられるわけですね。これは相談に応じたものだとかというのは。そこはもう少 し整理が必要だと思います。  児玉委員  私もこの件は前々から松本先生から訴えられていて、専門家の立場からは非常にあり がたいお話で、評価をしていただくわけですから。ただ、今の田島先生のお話も含めて ですけれど、医療用医薬品の場合はほとんど保険という概念の中で供給されますね。あ の場合は、御承知のとおり、公定価格の制度がありますから、そうすると、では、何を もってそういう技術の評価をするのかと。それは保健所の指導手当とかがつくわけです ね。それは今、田島先生がおっしゃったように、我々は常にそれに対しては正当に評価 していただきたいというお願いをずっとしているわけです。  では、一般用医薬品は今度は保険制度がありませんから、自由価格の世界であります から、そこはどうやって利益があるのかというと、御承知のとおり、公定価格がありま せんから、仕入れと売値の差益である程度経営をするわけですね。ただ、その中で、松 本委員のおっしゃる、技術者として、専門家としてどういう評価をするのか。それが給 料における技術手当だと思います。ですから、薬剤師手当というのがございますから、 管理薬剤師手当、薬剤師手当、これを逆に言えば、今の松本委員のような意味を込め て、正当にきちっと評価をしていただきたい、正当な手当を出していただきたい。私は そこでもって、そのかわりに、それだけの手当がつくかわりに、これも権利と義務であ りますから、当然それにかかわる、今、増山委員がおっしゃったような、この義務づけ は当然薬剤師法で縛っていくべきであって、そういう考え方の方が議論がわかりやすい のかなという気がしました。  井村部会長  増山委員、何かつけ加えることはございますか。  増山委員  何となく少しかみ合っていない部分があるかと思いましたが……。ただ、私が考えて いることはさっき申し上げたとおりです。  井村部会長  それは皆さんよく理解できているところだと思います。ありがとうございます。  それでは、「インターネット販売やカタログ販売、個人輸入」、「特例販売業」、こ ういう例が出てきております。これにつきましては、インターネット販売、カタログ販 売、個人輸入、何らかの対策を講じるべきであるという御意見が圧倒的に多かったと思 いますので、これはこれでよろしいでしょうか。  それから、特例販売業につきましても、新しい許可は与えないと。そして、できるだ け減らしていくのだと。そういう行政の方針も確認できましたので、それはそれでよろ しいかと思います。  それでよろしいですか。何かつけ加えることはございますでしょうか。  ありがとうございました。  資料1−1と資料1−2を使いまして議論を進めてまいりました。恐らくここに書か れておりますいろいろな意見については、きょうの議論で少し修正を加えていただきま して、またまとめて整理するということになると思います。そこで、皆様方のお手元に 資料2が配られておりまして、これは第15回の御意見を羅列したものでございます。こ れについて何か御意見が特にある場合には、事務局の方へお寄せいただきたいと存じま す。  それで、きょうのものを整理していただきまして、それに修正を加えた皆様方のこれ までの御意見を踏まえまして、今後さらに審議を進めていくことになると思います。  そこで、今後の大まかな審議の予定について、事務局の方から御説明をいただければ ありがたいと思います。  事務局  それでは、今後のスケジュール等について御説明いたします。  まず、スケジュールの前に、本日の意見をもとに、資料1−1「意見のとりまとめ」 については修正させていただきたいと考えております。また、スケジュールにつきまし ては、7月の残りと8月につきましては事務局での作業期間とさせていただき、9月以 降に集中して御審議いただくこととしたいと考えております。また、日程につきまして は、本日の審議の資料とは別に、「医薬品販売制度改正検討部会の開催日程の調整につ いて」というペーパーをお席の方に配付させていただいておりますので、これに基づき まして日程について今後なるべく早く確認・調整させていただくこととしたいと考えて おります。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。今の説明について何か御意見はございますか。よろしゅう ございますでしょうか。  児玉委員  最後に。きょういろいろ議論をいただきましたし、これから9月に向かって皆さんい ろいろお考えをいただきながら本格的な検討に入りますけれど、私ども薬剤師会の方 で、「薬と健康の週間」に合わせて全国のいろいろな調査をしておりまして、ここでい ろいろ議論されていることを実際に現場でどうなっているのかという16年度の調査の結 果が出ましたので、その結果資料につきましては事務局にお渡しをしておりますので、 もし委員の先生方で今度御検討される材料として必要であれば、おっしゃっていただけ ればと思います。  井村部会長  それから、事務局の方にお願いでございますが、きょうの修正を加えた意見のまとめ ですけれど、もしそれができましたら、その次の部会の直前ではなくて、少し前倒しで 皆さん方に送ることはできますか。きょうは、皆さん、パッと見てパッと御意見という ことになったのだろうと思いますが。  小出薬事企画官  なるべく早く作業をするようにいたしますが、ただ、これ自体は、先ほど増山委員か らお話がありましたように、これをもとにして「ここにこう書いてあるじゃないか」と かというものではありませんので、このプロセスが大事だと考えております。ただ、お っしゃった趣旨で、作業はなるべく早く進めたいと思っております。  井村部会長  はい。では、よろしくお願いいたします。  それでは、次回以降の日程につきましては、先ほど説明がありましたように、皆様方 に伺いを立ててこれから調整していくということでございます。  それでは、これをもちまして本日の部会を終了させていただきます。どうもありがと うございました。                                     −了−                  (照会先)                  厚生労働省医薬食品局総務課                  TEL:03-5253-1111(代表)                  担当:生田(2725)、目黒(2710)、石井(2713)