05/07/05 第16回社会保障審議会年金数理部会議事録          社会保障審議会 年金数理部会(第16回)議事録 日時  :平成17年7月5日(火)14:00〜16:06 場所  :東海大学校友会館「阿蘇の間」(霞が関ビル33階) 出席委員:堀部会長、都村部会長代理、栗林委員、近藤委員、田村委員、林委員      宮島委員、山崎委員、 議事     平成15年度財政状況について        −国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度− ○田村首席年金数理官  定刻になりましたので、ただいまより、第16回社会保障審議会年金数理部会を開催さ せていただきます。  審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。  座席図、議事次第のほか次のとおりでございます。  資料1は、「平成15年度財政状況−国家公務員共済組合−」でございます。  資料2は、「平成15年度財政状況−地方公務員共済組合−」でございます。  資料3は、「平成15年度財政状況−私立学校教職員共済制度−」でございます。  このほか、参考資料といたしまして、両方とも一枚紙でございますけれども、平成15 年度の「公的年金制度一覧」と「公的年金各制度の財政収支状況」をお配りしておりま す。これは既に公表し、先生方にもお渡しをしておりましたものに、このあと、御報告 いただく資料で新たに把握できた数値を追加したものでございます。  配布資料は以上でございます。  次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は渡辺委員が御都合により御欠席とのことでございます。栗林委員は少し遅れて 来られると伺っております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりま すので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。  それでは、以降の進行につきましては、堀部会長にお願いいたします。 ○堀部会長  先週に引き続きまして、お集まりいただき、ありがとうございます。  本日の議題は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度 の平成15年度の財政状況についてです。そのため、財務省から松村参事官、総務省から 佐々木課長、文部科学省からは伊藤室長に御出席いただいております。お暑い中、お出 でいただきまして、ありがとうございます。  それでは、議題の国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制 度の平成15年度財政状況についての議事に入ります。                (財務省・国共連着席) ○堀部会長  最初に国家公務員共済組合の平成15年度の財政状況について御報告をお願いします。  どうぞ、上着をとっていただいて。それでは、説明お願いします。 ○財務省(松村参事官)  財務省で共済年金の担当参事官をしております松村でございます。どうぞよろしくお 願いいたします。本日は、運営の方を担当しております国家公務員共済組合連合会から も担当者が参っております。  それでは、国家公務員共済組合の財政状況につきまして、資料に沿いまして順次御説 明を申し上げます。  1ページ目、収支状況でございます。国共済の収支状況について、直近5年間の推移 を記載しております。国共済では、簿価ベースでの会計処理が行われているところです けれども、当部会からのお求めにより、昨年の報告から幾つかの項目につきましては、 参考として時価ベースの数値も記載しております。  平成15年度について御説明申し上げます。1ページの資料の右から2番目の欄でござ います。まず収入ですが、収入総額は2兆1,064億円となっており、前年度に比べ108億 円(0.5%)の増加となっております。  時価ベースの収入総額は、下の括弧書きで、2兆2,063億円となっております。ここ でいう時価ベースの収入総額とは、従来のこの収入総額に当該年度末の積立金の評価損 益を加え、前年度末の積立金の評価損益を除いたものです。  収入の内訳ごとに見てまいりますと、保険料収入は1兆231億円となっており、前年 度に比べ101億円(1.0%)の増加となっております。  国庫・公経済負担は1,433億円となっており、前年度に比べ61億円(4.4%)の増加と なっております。  追加費用は5,187億円となっており、前年度に比べ140億円(△2.6%)の減少となっ ております。  運用収入は、2,358億円となっており、対前年度で189億円(8.7%)の増加となって おります。  なお、厚生年金等との比較のために正味の運用収入というのを入れておりますが、こ れは有価証券売却損などを除いたもので、2,283億円。さらに評価損益を加味した時価 ベースでの運用収入は3,282億円となっております。ちなみにこの有価証券売却損等と いうことですが、それが全体で74億円ございます。その内訳としては、有価証券の売却 損自体は今年については0ということで、売却損はなくとんとんになっているわけでご ざいます。あとは消費税、税負担のところ、これは有価証券売却損ではございません が、「等」の中に入れて整理しておりますが、そうした税の関係、信託の運用損が入っ てございます。  続いて、基礎年金交付金が1,833億円。  その他が23億円となっております。  次に支出ですが、支出総額は2兆873億円となっており前年度に比べ164億円(0.8%) の増加となっております。  支出の内訳ごとに見てまいりますと、給付費は1兆6,849億円となっており、前年度 に比べ△3億円、比率で△0.0%となっております。  基礎年金拠出金は3,898億円となっており、前年度に比べ179億円、4.8%の増加とな っております。比較的大きな伸び率となっておりますのは、高齢化に伴い基礎年金給付 が増加している。もっと具体的に言いますと、現役1人当たりの単価が増加してきてい るということによるものと考えられます。  旧JRやJTに対する支援金である年金保険者拠出金ですが、40億円となっており、 前年度に比べ17億円(76.1%)の増加となっております。これが大幅に増加したのは、 平成9年〜13年度の5年分の拠出金について、実績値に基づいた精算が平成15年度にま とめて行われることになっていたことによるものです。  その他が86億円、この中に、先ほど申し上げた有価証券売却損等ということで、74〜 75億円が入っているわけでございます。  この収入、支出合わせ、収支残が191億円、その結果としての年度末積立金は8兆 6,938億円となっております。  また、時価ベースでの収支残は括弧書きですが、1,189億円、時価ベースでの年度末 積立金は8兆8,175億円となっております。  その下の欄に積立金の運用利回りが出ておりますが、2.68%、時価ベースですと、 3.84%となっております。  2ページ目は収支状況の概念図でございます。毎年同じものですので、説明は省略し ます。  次に給付状況について御説明申し上げます。3〜6ページにおいて、受給権者数、年 金総額、平均年金額及び平均加入期間について、直近5年分の表をお付けしておりま す。  平成15年度末の国共済の受給権者数は、3ページ目の右から2番目の一番上の欄にご ざいますように、合計で93万3千人となっており、前年度に比べ2万7千人(2.9%)の 増加となっております。  受給権者の内訳は、退年相当が62万人、通退相当が5万8千人、障害年金が1万3千 人、遺族年金が24万1千人となっております。伸び率で、通退相当の伸び率が18.0%と 高い伸びになっております。もともと国共済は厚生年金に比べると、通退相当受給権者 数の割合はかなり低いわけですが、最近その伸び率が高くなっておりますが、要因とし ては、1つは任期制自衛官であったものが、支給開始年齢にだんだん達してきている。 通算退職年金の制度が創設された以降の期間の短い組合員がだんだん支給開始年齢に達 しつつあるといったようなことが要因としてあるのではないかと考えております。  年金総額については、2段目になりますが、合計で1兆7,690億円となっておりまし て、前年度に比べ34億円(0.2%)の増となっております。その内訳は退年相当1兆 3,732億円などとなっております。ちなみに平成13年度は定額部分の支給開始年齢の61 歳への引き上げに伴い、60歳の新規裁定者の定額部分が支給されなくなったことによ り、年金総額が12年度に比べ減少しております。具体的に申しますと、この2段目の欄 の少し左に戻っていただきますと、平成13年3月末〜平成14年3月末にかけて、今、申 し上げた定額部分の支給開始年齢の引上げが起こっているということで、合計額で1兆 7,557億が、1兆7,534億に総額として減っていると。  一方、人数で見ますと、もう一つ、上の欄の受給権者数の計で見ますとおり、86万2 千人から88万3千人に増えている。人数は増えているが、総額が減っているというのは 今申し上げたことが要因として入っているということです。  4ページでございます。4ページの上の表は、退職給付について、減額、増額支給別 に表したものです。  共済年金には増額支給はないため、増額支給の欄は空欄でございます。減額支給とな っているものは、15年度で12万8千人で、その年金総額は2,391億円となっております。  下の表は退職年金の受給権者に係る平均年金月額及び平均加入期間です。平成15年度 末現在の平均年金月額は、男女合計で18万4,669円となっております。前年度に比べ △3,744円となっております。この減少の要因としては、1つには、60年改正の経過措 置により、後世代ほど給付乗率や定額単価が低下していること。また、平成15年度には △0.9%のマイナス物価スライドが行われたということなどがあるかと思います。  新共済法による退職共済年金では、65歳に達して、本来の退職共済年金の受給権者に なり、そこで社会保険庁から基礎年金が支給されますが、ここの平均年金月額の数字に は、老齢基礎年金は含まれておりません。そこで厚労省からいただいた基礎年金額を含 め、平均年金月額を計算してみますと、今の数字の3つ下にありますように、21万3,447 円となり、前年比で2,615円の減少となっております。  なお、今回の報告書にお載せしている年金額に関する数値は、もともと基礎年金額に 係る統計は私どもで把握してないことから、ただいまのように、特に申し上げる場合を 除いては、あるいは断り書きをしてある場合を除いては、基礎年金は含まれていない数 字でございます。  それから、平均加入期間、2つ下の欄で、418月、34年10月となっております。  5ページ目は、今、御説明した男女合計の平均年金月額及び平均加入期間について男 女別に表したものでございます。  6ページ目、組合員期間が20年以上の新規裁定者につき、平均年金月額等を表したも のでございます。平成15年度の男女合計の平均年金月額は14万8,006円、前年度に比べ △6,136円となっております。ここでも先ほど申し上げました定額部分の支給開始年齢 の引上げが左の方を見ていただきますと、平成13年3月末で21万4,527円というのが平 成14年3月末、13年度末ですと、16万3,330円、大きく下がっていると。ここに段差が あるのが、先ほど申し上げた支給開始年齢引上げの影響でございます。  平均加入期間は、3つ下の欄で432月となっております。  2段目、3段目は、それを男女別に見たものです。  7ページ目は、退年相当受給権者の給付状況を年齢別にお示ししたものです。前々回 の御報告から、新たに作成し始めたものなので、平成13年度末の状況から掲載しており ます。ここで見てもわかりますとおり、平成13年度以降60歳となる者はほとんど定額部 分がない受給権者でございます。したがって、他の年齢の特別支給の受給権者と比べて 低い年金額となっております。具体的に申しますと、右から2番目の16年3月末の列の 上から2つ目、ちょっと枠が見づらくて恐縮ですが、60歳のところ、16年3月末時点で 60歳という方の内訳で定額部分を見ていただくと、3,642円。それがもう一歳上の方、 61歳のところをご覧になると、6万527円ということで、ここに段差があるわけです。  それから、その上の欄に上がりますと、60歳未満のところ、これは人数的に1千人と 非常に少ないわけですが、ここの部分では定額部分の額が比較的大きいわけですけれど も、60歳でこの定額部分がある受給権者がいるのは、若年退職自衛官、勧奨退職で早く お辞めになられて60歳前に裁定されていた受給権者がいるためです。  8ページ目、9ページ目は、男女別にそれを分解したものです。省略いたします。  10ページ目でございます。退年相当の受給権者数について、年齢階級別の分布状況を 示したものです。構成割合で見ますと、男女ともに、70歳以上〜75歳未満の階級が構成 割合として最も多くなっております。男女計と、男性では、その次に65歳以上〜70歳未 満、その次に60歳以上〜65歳未満の順に多くなっております。女性につきましては、75 歳以上〜80歳未満が2番目に大きいということになっております。  平均年齢は下の欄にあるように、男性が71.6歳、女性が72.3歳、男女計で71.8歳とな っております。  11ページ目〜15ページ目までは、組合員の状況についてまとめたものです。平成16年 3月末の組合員数は、11ページの右から2番目の欄にあるように、109万1千人となって おり、前年度に比べ△1万1千人(△1.0%)となっております。男女別では、男性89 万4千人、女性19万8千人となっており、全体の8割以上を男性組合員が占めております が、男性組合員の割合は年々徐々にではありますが、低下してきております。  組合員の平均年齢は、39.9歳となっており、前年度に比べ0.2歳上昇しております。 また、男女別では、男性40.5歳、女性36.9歳となっており、前年度に比べ、男性が0.3 歳の上昇となっております。男女の年齢差は3.6歳となり、前年度より0.3歳広がってお ります。  平成16年3月末の標準報酬の平均は40万2,646円となっており、前年度に比べ△3,727 円(△0.9%)となっております。これは平成15年度の人事院勧告により俸給月額の引 下げ、平均改定率で△1.1%ですけれども、この引下げが行われたことが影響している ものと思われます。  男女別に見ますと、男性41万5,251円、女性34万5,620円となっており、前年度と比較 してそれぞれ△0.8%、△1.1%となっております。  標準報酬月額総額は5兆2,860億円となっており、前年度と比較すると1,205億円 (△2.2%)となっております。  また、平成15年度に総報酬制が導入されたことから、これに係る幾つかの項目が今回 より追加されております。  標準賞与総額は1兆8,228億円、標準報酬月額総額とこの標準賞与総額を合算した標 準報酬総額は7兆1,088億円、標準報酬総額の組合員1人当たり月額は男女計で54万 2,694円となっております。  12ページは年齢階級別加入期間階級別のクロス表で見た組合員数の分布です。年齢階 級別分布状況を構成割合で見ると、表の一番右、男女合計では、25以上〜55歳未満まで の6つの年齢階級に12%台〜16%台が並び、比較的一様に分布しております。  男女別に見ますと、次の13ページの一番右の列ですが、男性ではこれらの階級が比較 的一様に分布しているわけですが、14ページで女性を見ますと、30歳以上〜35歳未満が 20.9%と一番多くて、次いで25歳以上〜30歳未満が20.7%となっておりまして、25歳以 上〜40歳未満までの3階級だけで5割を超えているという分布になっております。  それから、加入期間階級別分布状況を構成割合で見ると、恐縮ですが、13ページにも う一度戻っていただきまして、下から2列目を横にご覧いただきたいと思いますが、男 性では、加入期間35年未満までの各階級にほぼ11%〜14%までの構成割合が分布してお ります。  これに対して14ページで女性の場合は、左側の20年未満までに集中をしておりまし て、この20年未満までで70%強を占めております。  また、男女とも対角線上のところに、つまり左上から右下の対角線のところに組合員 数が集中しているということでございますので、ほとんどの者が就職してからずっと継 続して勤務をしているということと思われます。  15ページ目は、標準報酬月額による分布です。男性では標準報酬月額最高の62万円に 10.4%と最も多く分布しており、次には47万円に7.9%となっております。そして、47 万円からだんだん下がるに従い、なだらかに減少するような分布になっております。  一方、女性では標準報酬月額41万円のところにピークがございまして、男子より若干 低い位置にピークがあるということでございます。  続きまして、16ページ目は年金資産の構成についてお示したものでございます。すべ ての区分項目について時価による評価換えが行われているわけではありませんので、そ のような項目については時価ベースの金額は簿価と同額で提示してございます。平成15 年度末現在の資産構成は、表に示してあるようになっておりますが、以下、簿価ベース でご説明申し上げます。  現金・預金等の流動資産は2,755億円。固定資産は8兆4,224億円となっております。 固定資産の内訳は預託金4兆1,513億円、有価証券等2兆9,435億円、組合や福祉経理へ 貸し付けている貸付金、下の方ですが、1兆393億円などとなっております。  有価証券等は、平成15年度よりすべて包括信託という契約形態がとられておりまし て、委託運用と自家運用に分けられております。委託運用は合計で1兆2,314億円、自 家運用は1兆7,120億円となっております。委託運用は主に国内債券、国内株式、外国 株式による運用となっております。  一方で、自家運用の方はほとんどすべて国内債券による運用となっております。この 自家運用の国内債券のところ、簿価ベースで1兆7,091億円に対し、時価ベースで1兆 8,303億円ということで、ここのところで1,000億円の簿価と時価の差が出ているわけで ございます。  構成割合で申しますと、固定資産の中の預託金が47.8%、有価証券等が33.9%、下の 方にありますが、貸付金が12.0%となっております。  17ページ以降の表は、平成15年度の実績と11年再計算に基づきます将来見通しとの比 較を行っております。なお、11年再計算につきましては、将来組合員数については厚生 年金被保険者数と同様の傾向で推移するという前提での計算です。基礎年金の国庫負担 については3分の1として行ったケースのものをここで使用しております。  収支状況の比較で、17ページです。平成15年度の実績の額については、1ページにお 示ししたものと同じでございます。  まず、保険料については、将来見通しが1兆754億円となっているのに対し、実績は 1兆231億円となっております。組合員数や賃金上昇率の違いにより乖離したものと考 えられます。  それから、運用収益は将来見通しが3,434億円となっているのに対し、実績は2,358億 円となっております。運用利回りの差が要因と考えられます。再計算の前提が4.0%に 対し、実績が2.68%という結果になっております。  支出にまいりまして、給付費は将来見通しが1兆7,727億円となっているのに対し、 実績は1兆6,849億円となっております。年金改定率の差が乖離の要因と考えられます。   18ページ目は組合員数及び受給者数についての比較でございます。なお、脱退者数 については、下の統計調査の方法に記載してありますように、抽出調査により算出した ものでございます。また、新規加入者数は、組合員数及び脱退者数から算出しておりま す。  一番左側の組合員数のところですが、将来見通しが112万2千人となっているのに対し まして、実績は109万1千人となっております。定員削減などによる差と考えられます。  その下の欄に行きまして、新規加入者及び脱退者数については、将来見通しでは新規 加入者脱退者とも5万3千人といるのに対し、実績は新規加入者数が4万4千人、脱退者 数が5万5千人となっております。  上に戻りまして、受給者数につきましては、将来見通しが94万2千人となっているの に対しまして、実績は90万6千人となっております。将来見通しと比べて3万6千人実績 が少ない結果となっております。  また、下にまいりまして、新規裁定者数及び失権者数の実績はそれぞれ4万1千人、 2万5千人となっておりますが、将来見通しの方は、これらの数の出力ができないため 空欄とさせていただいております。  19ページ目が財政指標について実績と財政再計算結果についての比較を示したもので ございます。まず、年金扶養比率でございます。注意書きにありますように、注1です けれども、ここにある支出額とは、給付費に基礎年金拠出金を加え、基礎年金交付金を 控除したものとしております。従いまして、その他の拠出金等の支出は含んでいないも のとなっておりますので、1ページにございました収支状況の支出総額とは異なった額 となっております。  平成15年度の年金扶養比率は、上の表の一番左下の欄にありますように、1.76となっ ており、前年度に比べ0.05低下しております。  また、追加費用を補正した年金扶養比率は2.43となっており、前年度に比べ0.1低下 しております。  また、括弧内には、受給者数による年金扶養比率を計算しております。本書きの方は 受給権者でございますが、括弧内は受給者数による年金扶養比率でございまして、それ で見ますと、年金扶養比率1.81、補正した年金扶養比率2.49となっております。  財政再計算の方では、この受給者で比率をとっておりますので、こちらと比較するこ とが妥当かと思っております。  それで、この下の財政再計算結果の15年度の年金扶養比率は1.96、補正した年金扶養 比率は2.64と推計しておりまして、それぞれ実績に比べ0.15ずつ高くなっております。 この乖離は組合員数を多めに、受給者数を少し少なめに推定していたということによる ものです。  なお、19ページの中ほどの表は、参考指標として今回追加されました年金種別費用率 でございます。平成15年度は総報酬ベースで老齢費用率が11.3、障害費用率0.1、遺族 費用率が2.3となっております。  20ページ目は総合費用率でございます。平成15年度の総合費用率の実績は、上の表の 一番左下にありますように、総報酬ベースで17.35となっております。  一方、財政再計算結果による15年度の総合費用率、下から2段目ですが、17.86と推 定しており、実績より0.51高くなっております。この乖離の要因は、年金改定率の差な どによると思われます。上の表の一番右、10と11賃金上昇率物価上昇率ともに下の表の 10、11と比べてかなり下がってきていますが、これに組合員数及び受給者数のズレも含 め、総合費用率の式上の分子の減少度合が分母の減少度合を上回ったことによるものと 思われます。  21ページは厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。1階、2階部分という ことでございます。同様に見てまいりますと、平成15年度の実績による推計値は、総報 酬ベースで16.17。一方、財政再計算による15年度の推計値は16.91となっており、0.74 ほど高かったわけでございます。  22ページは、独自給付費用率で、今度は2階、3階の部分を取り出しております。同 様に見てまいりますと、15年度の独自給付費用率の実績は、総報酬ベースで13.70、そ れに対し財政再計算結果は14.15と実績に比べまして0.45高い推計となっておりました。 このあたりも先ほどと同じくスライド等の差によるものが大きな要因となっていると思 われます。  23ページは、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率ということで、2階部分のみを 取り出したものでございます。実績が12.52に対し、再計算に基づいた推計値で13.19と なっており、0.67高くなっておりました。  24ページは収支比率でございまして、15年度の収支比率実績は簿価ベースで97.98と なっており、一方で再計算結果による収支比率は94.16となっております。乖離の原因 は主として運用利回りの低下であろうと思われます。運用利回りの数字は一番右端で実 績が2.68%、再計算の前提が4%ということになっております。  25ページ目、最後ですが、積立比率でございます。15年度の実績は簿価ベースで7.03 となっており、財政再計算結果による比率は6.52となっております。実績が財政再計算 の推計を上回っておりますのは、スライドが小さかったことにより給付の伸びが小幅に とどまっているためではないかと思われます。  以上、ご説明は終わらせていただきます。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御報告に対して御質問等があれば、よろしくお願いします。い かがでございましょうか。 ○近藤委員  すぐにわかると思うんですけれども、6ページの女性の加入期間、新規裁定、これは 14年度と15年度、これは初めて、私はずっと伸びていくものだと思っていたら、ここで ぽこっと落ちているのは何か理由があったのですか。 ○財務省(下島共済計理官)  この年は、平成15年10月に退職手当引下げが実施されましたが、それが原因ともちょ っと考えられなくて、それは1つは、この新規裁定者がすべて15年度中にやめた人では ないということと、それから、それが契機で早期退職ということになりますと、自己都 合によりましての退職ということになりまして、退職金の支給率が下がるということも ございますので、そういうことで、退職金の引下げが契機になっているということには 考えておりません。  ほかに理由があるかといいますと、ちょっと理由らしき理由が見当たらないというの が実情でございまして、何が原因かというのは、正直申し上げてよくわからないという のが実情でございます。 ○近藤委員  そうすると、来年以降、推計する場合、これはどういうふうに考えればいいかという ことですか。 ○財務省(下島共済計理官)  確かにここずっとこれまでは平均加入期間というのは伸びてきたわけでございます が、先ほど参事官からも説明がありましたように、昭和36年度に通算退職年金制度がで きまして、それ以降、期間が短くても、年金に結びつく人が増えてきて、そういった人 たちが受給権、受給資格年齢、受給開始年齢を迎えてくるようになったということで、 一方で、これから期間の短い人が増えてくるという要素が実はございます。  そういったことで、今後どういう動きをするか。一様にこれからも期間が増え続けて いくかどうかということにつきましては、まだわからない面がございます。 ○堀部会長  近藤委員の質問は、財政再計算でどういうふうに推測したかということでしょうか。 ○近藤委員  それはこの次のときに。 ○財務省(下島共済計理官)  少し申し上げておきますと、再計算につきましては、1つは近未来的には現在の待期 者の過去の加入期間の実情によって年金受給者の加入期間が決まってくる面がございま す。それから、中長期的には組合員の脱退率の設定、これは直近の実績によって設けら れるものでございますけれども、そういったことに依存して、将来の加入期間というの が決まってくると、そういうことであろうと思います。 ○堀部会長  よろしいでしょうか。ほかは、都村委員。 ○都村部会長代理  毎年の年金制度の財政状況報告の範囲には入っていないのですけれども、教えていた だきたいことがございます。国家公務員共済組合法によりますと、第3条に福祉事業を 行うことができると書かれています。その費用負担は組合員の掛金と国又は公社の負担 金をもって充てると法律の99条に書かれていますけれども、そういう福祉事業の方の財 政状況については別途分析が行われているのでしょうか。例えば掛金収入に占める年金 給付以外の支出の割合など。国家公務員共済の宿泊施設について見ますと、平成11年の 123施設から、平成15年の87施設へと3割以上減少していますね。そういうのは財政分 析の結果なのかと思ったのですけれども。年金の財政状況以外のことについてですけれ ども、教えていただければと思います。 ○財務省(松村参事官)  おっしゃられますとおり、私どもも連合会の方も宿泊施設を始め病院事業も大きなウ エイトでございますが、宿泊と病院を含めました福祉事業の収支状況なり経営状況は非 常に大きな関心を持って見ているわけでございます。今、おっしゃられたような例で挙 げられたような掛金収入の中の比率といった、例えば年金の場合で今日お示したような 精緻な数量的な縦から横からのという分析とはちょっと違うわけでございますが、しか しながら、病院の収支状況が具体的に収入の内訳、あるいは支出の内訳がどういうふう になっているのか、宿泊施設かどうなっているか。それ以外の福祉事業がどうなってい るのかというのは大変な関心を持って見ておりますし、それから実際にも経営改善努 力、リストラ努力を近年大変な努力をしておりまして、おっしゃられた宿泊施設が3割 以上、最近もう半分近く赤字施設はほとんど切ってきておりまして、連合会では赤字施 設があと2〜3施設残るのみということになっておりますが、厳しくリストラをしてき ております。  それはとりもなおさず病院や宿泊事業の施設の建設に当たりましては、年金の積立 金、この8.7兆円のうちの一部が充てられている。充てられていると申しますのは、運 用の一環として貸し付けているわけでございまして、当然に元利払いをきちんと行って いかないといけない。そのためには病院や宿泊事業がきちんと収益を上げていかないと ならない、そうしないと年金積立金にロスを生じさせることになるということでござい ますので、この点、極めて関心を持って見ておりますし、そのための改善努力を行って きております。 ○堀部会長  ほかはいかがでしょうか。時間もありますので、それでは、よろしいでしょうか。  では、以上で国家公務員共済組合の財政状況についての報告聴取を終了させていただ きます。報告者の方々はお忙しい中、どうもありがとうございました。御退席いただい て結構でございます。                (財務省・国共連退席) ○堀部会長  次に地方公務員共済組合の平成15年度の財政状況について報告をお願いします。                (総務省・地共連着席) ○堀部会長  よろしくお願いします。 ○総務省(佐々木福利課長)  地方公務員共済組合を担当しております総務省の福利課長の佐々木でございます。よ ろしくお願い申し上げます。本日、地方公務員共済組合連合会の担当者も同席をいたし ておりますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、お手元の地方公務員共済組合の平成15年度財政状況の概要に沿いまして御 説明を申し上げたいと思います。  まず、1ページ目の収支状況でございます。地共済の収支状況について過去5年間の 推移を記載をしております。一番右の方の平成15年度の欄ですが、まず、上から収入で すが、収入のうちの保険料が2兆9,677億円、前年度に比べ20億円(0.1%)の増加とな っております。  また、公的負担が3,302億円で前年度に比べ138億円(△4.0%)の減少、追加費用が 1兆3,352億円、前年度に比べ786億円(△5.6%)の減少となっております。  運用収入が7,000億円で、前年度に比べ130億円(1.9%)の増加となっております。   地共済については、平成15年度分から時価ベースの運用収入につきまして御報告が できるようになりました。そこにございますように、正味運用収入が6,750億円、時価 ベースの運用収入が1兆6,995億円となってございます。  基礎年金交付金は3,946億円で、前年度に比べ303億円(△7.1%)の減少。  その他の31億円を合わせまして収入総額が一番上の5兆7,308億円、前年度に比べ 1,127億円(△1.9%)の減少となっております。  また、その下の括弧書きにございます時価ベースの収入総額は、6兆7,553億円とな っております。  次に支出ですが、支出のうち給付費が4兆2,618億円で前年度に比べ321億円(0.8%) の増加となっております。  また、基礎年金拠出金が1兆557億円、前年度に比べ449億円(4.4%)の増加。  飛びまして、年金保険者拠出金が188億円、前年度に比べ10億円(△5.1%)の減少と なっております。  その他が306億円、前年度に比べ135億円(△30.6%)の減少となってございます。  これらを合わせた支出総額ですが、5兆3,669億円、前年度に比べ625億円(1.2%) の増加となっております。  その結果、収支残が3,639億円。前年度に比べ1,752億円の減少となっております。  時価ベースでの収支残が括弧にございますが、1兆3,885億円となっております。  さらにその下の年度末の積立金ですが、37兆8,297億円。積立金の運用利回りが、 1.81%と前年度を0.04ポイント上回っております。時価ベースの年度末積立金がそれぞ れ括弧のところ、37兆9,605億円、積立金運用利回りが4.83%となってございます。  次に2ページは、収支状況の図式化をしたものですので、説明を省略をさせていただ きます。  3ページから給付状況でございます。右から2番目の平成16年3月末の欄をご覧いた だきたいと思いますが、地共済の受給権者数は、退年相当で151万1千人、通退相当で12 万3千人、障害年金で3万5千人、遺族年金が50万5千人、合わせて一番上の217万4千人 となっております。前年に比べ6万5千人(3.1%)の増加です。  次の欄の年金総額ですが、退年相当給付が3兆6,031億円、以下、それぞれご覧の金 額になっておりますが、この年金総額合計で4兆4,892億円、前年度に比べ457億円 (1.0%)の増加でございます。  4ページをお開き願いたいのですが、退職給付について、減額・増額別にあらわした ものですが、国共済同様、共済年金には増額支給ございませんので、増額の部分空欄で ございます。減額となっております受給者、平成15年度末で7万3千人、年金総額が退 年相当給付の1,310億円となっております。  同じ4ページの下の方の表ですが、退職年金平均年金月額、これが16年3月末の欄 で、19万8,664円、対前年比4,175円(△2.06%)の減少となっております。  その3段下に基礎年金を含めた平均年金月額の推計をいたしておりますが、平成16年 3月の欄で22万7,775円、前年同比3,178円(△1.38%)となっております。  また、さらに1つ飛んでいただきまして、退職年金平均加入期間については413月 (34年5月)となっております。  次の通年相当では、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額が4万9,120円と なっておりまして、一番下にある平均加入期間は132月(11年)となっております。  5ページは、今、御説明申し上げた男女計のものを男女別にあらわしたものですの で、省略をさせていただきます。  6ページの一番上、加入期間20年以上の新規裁定に係ります退職年金平均年金月額、 平成15年度の欄で16万3,775円、前年度比3,291円(△1.97%)の減少となっておりま す。  その3つ下の退職年金平均加入期間、15年度で428月(35年8月)になっております。  以下は男性・女性に分けた資料でございます。  次に7ページでございますけれども、退年相当につきまして、支給区分別、年齢別に あらわした少し細かい表ですが、先ほど国共済からも御説明ございましたが、右から2 番目の平成16年3月末の欄のところを少し下に行っていただけました60歳の平均年金月 額14万7,156円となっております。そこから数行下に61歳の欄がございますが、21万 3,305円となっております。これが先ほど国共済でも説明ございましたが、平成13年度 から定額部分の支給開始年齢が61歳に引上げられたことにより、こういう違いが出てき ているところです。定額部分のところが違っているところはご覧いただけると思いま す。  8ページ、9ページは、これをそれぞれ男性・女性に分けた資料でございますので、 説明は省略をさせていただきたいと思います。  10ページは退年相当の受給権者について年齢階級別にお示しをしたものです。男性は 70〜74歳の階級が一番多く、次いで60〜64、65〜69歳となっております。  女性は60〜64歳の階級が一番多く、次いで70〜74、65〜69歳の順になっております。  男女合計で申しまして、今の3つの階級で、65.7%、大体3分の2を占めているとこ ろでございます。  平均年齢は下にございますが、男性が71.5歳、女性が71.6歳、男女合計で71.5歳とな っております。  次に11ページから組合員の状況でございます。まず組合員数ですが、右から2番目の 平成15年度の欄、315万1千人で前年度に比べ2万9千人(△0.9%)の減少となっており ます。男性と女性の比率ですが、大体地共済の場合、おおむね男性2に対し女性1の割 合ぐらいになっております。平均年齢は男性が43.9歳、女性が41.5歳、全体で43歳。平 成14年度に比べまして、男女合計で0.1歳上昇をいたしております。  また、平均給料月額ですが、36万2,612円となっております。男性女性の平均はそれ ほど大きく変わらないわけですが、女性の方が若干低くなっておりますけれども、これ は女性の平均年齢が41.5歳ということで、男性の平均年齢よりも2歳余り低くなってい ることが原因と考えられるところです。  その下のところに標準報酬月額から総報酬制に伴う新しいデータを入れております。 標準報酬月額総額が17兆1,616億円、これは地共済の場合、標準報酬月額に換算した数 字を入れております。前年度に比較して3,870億円の減となっております。  その下の標準賞与総額5兆6,619億円。  総報酬ベースの標準報酬総額、この2つを合計して、22兆8,236億円。  組合員数の年度間平均が男性199万9千人、女性が115万8千人、合計で315万7千人。  一番下の総報酬ベースの標準報酬総額の年度間累計の一人当たり月額が、男性で62万 2,886円、女性で56万6,993円、全体で60万2,387円となってございます。  次に12ページが、年齢階級別加入期間別のクロスの表で見た組合員数ですが、年齢別 の方で見ますと、右側の合計のところで、40〜45歳未満のところに、44万8,000人、45 〜50歳未満のところに51万4,000人、50〜55歳未満のところに53万6,000人。大体40〜55 歳未満の3つのところに組合員が集中しておりまして、この3つ合わせまして、全体の 47.5%になっております。  さらに、もうちょっと若いところへ行きますと、20歳台の2つの階級を合わせます と、12.1%、30歳台の2つの階級を合わせますと、25.4%というような比率になってお ります。  それから、組合員期間別、下の方ですが、30年〜35年未満の間の全体の14.9%、20年 から25年未満に14.7%、25年〜30年未満に14.5%、20年〜35年未満に集中をしていると ころでございます。  13ページと14ページはそれぞれ男性・女性別に区分したものですので、省略をさせて いただきます。  15ページが給料月額の分布でございます。地方公務員共済組合の場合は本俸制でござ いまして、従来から基本給の1万円単位の数字で提出をいたしておるところでございま す。一番下の欄にございますが、平均給料月額、男性が37万2千円、女性が34万6千円ぐ らいになっております。男女合わせて36万3千円程度。  分布ですが、男性では42万円以上43万円未満、ここが6.8%ということで一番比率が 高くなっております。女性の場合もほぼ同じですが、少し低くて40万円以上〜41万円未 満に6.1%で最も多く分布をいたしております。このあたりから全体的に給料月額が下 がるに従い、なだらかに減少するような形で分布をいたしております。  16ページが積立金の運用状況についてお示しをしたものでございます。地共済におき ましては、14年度における長期給付積立金の状況から時価評価を実施をいたしておると ころでございます。15年度におきます給付積立金の総額、簿価で37兆8,297億円。時価 で37兆9,605億円となっております。  主な内訳ですが、有価証券等というところがございますが、簿価ベースで30兆1,496 億円、時価ベースで30兆2,804億、これが資産全体の8割弱を占めております。  さらにこの有価証券等のうち金銭信託が簿価ベースで13兆5,142億円、時価ベースで、 13兆2,648億円。また、その一段下の有価証券が簿価ベースで、15兆7,974億円、時価ベ ースで16兆1,786億円などとなっております。この金銭信託と有価証券で資産全体の75 %以上を占めております。さらに有価証券の中に国内債券が簿価ベースで約11兆8千億 円、時価ベースで12兆2千億円。以下、外国債券などご覧のとおりの数字となっている ところでございます。  次に17ページですが、15年度の決算実績と11年の財政再計算における将来見通しとの 比較でございます。まず、収入のところですが、保険料が将来見通しで3兆4,081億円 でありましたところが、実績で2兆9,677億円となっております。これは組合員数の減 少や給与改定率の影響が相まってこの乖離が発生をしたものと考えられるところでござ います。  また、運用収益が将来見通し1兆5,736億円に対しまして、実績で7,000億円でござい ます。これは運用利回り、将来見通しでは4%ということでございますが、実績で1.8 %となりましたことが影響をしているものでございます。また、時価ベースで見てみま すと、逆に括弧の中ですが、1,260億円実績の方が上回っているというようなことにな ります。こういったことで収入総額が将来見通しで、6兆7,790億円に対しまして、実 績で5兆3,361億円となっております。  次に支出のうち給付費でございますが、将来見通しで4兆3,917億円に対し、実績で 3兆8,672億円となっております。これは年金改定率の差が要因となっております。  それから、基礎年金拠出金は将来見通しで1兆986億円に対し、実績で1兆557億円と なっております。これも年金改定率の差が要因となっていると考えらます。  以上、支出総額が将来見通しで5兆5,177億円に対し、実績で4兆9,722億円となって おります。  次に18ページが組合員数及び受給者数について比較した表ですが、組合員数、将来見 通しで332万6千人であったところ、実績で315万1千人と低くなっておりますけれども、 これは新規採用の抑制などに伴うものと考えられるところでございます。  また、受給者数は将来見通しで211万7千人であったところは、実績で208万8千人とな ってございます。  真ん中の新規加入者、それから下の脱退者数でございますが、将来見通しでは、平成 15年度は組合員数一定となっておりますので、いずれも11万3千人でございますが、実 績では、新規加入者が9万1千人、脱退者数が12万人となっております。  新規裁定者数は、将来見通しで16万8千人でありましたが、実績で17万1千人。失権者 数が、将来見通しで11万9千人であったところ、実績で11万1千人、こういうふうになっ てございます。  年金種別の推移はそれぞれ右の欄のとおりでございます。  次に19ページ以降、財政指標につきまして、実績と11年財政再計算との比較を示した ものです。まず19ページが年金扶養比率でございます。  上の方で実績ですが、平成15年度の欄でございますが、2.09となってございまして、 前年に比べまして、0.07ポイントの減少でございます。その右に追加費用を考慮した補 正した年金扶養比率の欄がございますが、2.86、前年に比べ0.2ポイントの減少でござ います。  括弧内が受給者による年金扶養比率でございます。財政再計算では受給者による年金 扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースでの比較をいたしますと、年金扶養比 率が、将来見通しでは2.24でありましたところ、実績では括弧内の2.15。それから、補 正した年金扶養比率では将来見通しが下の方の3.03に対し、2.95は実績となってござい ます。  先ほど国共済さんでご説明ありましたように、今回、参考で真ん中に年金扶養比率を 補完する指標として老齢費用率等の数字も記載をいたしてございます。  20ページが総合費用率でございます。15年度の欄でございますが、総報酬ベースで 14.4の実績でございます。これを標準報酬月額ベースにいたしますと、19.1になって ございます。これで比較をしますと、対前年度比1.6ポイントの上昇となってございま す。  また、将来見通しとの比較ですが、下の表で、15年度の欄、18.4の見通しに対し、実 績で19.1となってございます。  21ページが厚生年金相当部分に係る総合費用率でございますが、将来見通しが下の方 の17.7に対し、上の実績17.7と同率になっているところでございます。  22ページが独自給付費用率でございます。上の方の実績、総報酬ベースで15年度11.3 でございますが、これを標準報酬月額ベースで15.0となっておりまして、対前年度比1.3 ポイントの上昇になってございます。  下の将来見通しの方では、15年度14.8でございましたが、実績で15.0とおおむね近い 数字になっているところです。  23ページが厚生年金相当部分に係る独自給付費用率ということで、下の将来見通し 14.1に対して、上の15年度13.6となっているところでございます。  24ページが収支比率ですが、実績は上の方、89.3で、対前年度比5.0ポイント上昇し てございます。四角括弧で時価ベースの数字がございますが、時価ベースで70.2となっ ております。  将来見通し、下の平成15年度の欄で74.7に対し、実績が89.3ということでございま す。  25ページでございますけれども、積立比率、平成15年度の実績11.4、対前年度に対し て0.6ポイントの減少となってございますが、時価ベースで11.6となってございます。  将来見通し、下の方、15年度10.6に対して、実績が11.4、0.8ポイント上回っており ますが、実績の年金改定率が将来見通しと比較して伸びなかったということで、実績の 積立比率の方が逆に高くなったということであろうと考えられるところでございます。  以上、簡単でございますが、説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げま す。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御報告に対して御質問等があれば、よろしくお願いします。い かがでございましょうか。 ○都村部会長代理  総報酬ベースで見ますと、平均給料月額に対する標準報酬総額の一人当たり月額、11 ページのところですが、それが他の制度よりもとりわけ高いのですけれども、それにつ いてお尋ねしたいと思います。総報酬ベースで保険料率を設定する場合、標準賞与を平 均給与月額の何カ月分としておられるのか。それは厚生年金と国共済と同じ割合なのか どうか。もっとボーナス分を高くされているのかどうか、それを教えてください。 ○総務省(佐々木福利課長)  総報酬制を導入したときのやり方ということでしょうか。 ○都村部会長代理  今年度、13.384%ですね、保険料率が。それを設定するときに、ボーナスの割合をど ういうふうにカウントしていらっしゃるのか、それは各制度同じなんでしょうか。 ○総務省(佐々木福利課長)  国共済とも地共済とも全く同じでございますけれども、総報酬制を導入いたしました ときに、厚生年金についても総報酬制に合わせて給付率を改定しておりますので、それ と同じように、共済におきましても、2階部分の給付に関しては厚生年金と全く合わせ るということをしておりますので、同じような給付改定をしております。それと同じよ うに、給付を割り戻したのと同じような形で保険料も総報酬制に換算をして保険料率を 算定をしておるという形が地共済でもやっておりますが、国共済も全く同じ形です。 ○都村部会長代理  給与に対するボーナスの割合ですね。給与の何カ月分1年間にボーナスが出るかとい うところは、それも各制度同じなのですか。 ○総務省(佐々木福利課長)  財政再計算の中で、当然、将来的にどれぐらい給与があるかとか、そういう計算をい たしますけれども、そのときには最近の実績を勘案をいたしまして、ボーナスが大体こ れぐらいだということを計算をいたします。最近の実績を勘案をいたしまして、再計算 に使われていますのが、大体1.33程度の数字で使われております。 ○堀部会長  今、お聞きしたのは、前回(2000年改正)のときの率が厚生年金と同じく1.3かとい うことで、今回の財政再計算では1.33と、そういうことでしょうか。 ○総務省(佐々木福利課長)  結局、総報酬制になりますと、給付に掛ける率、数字を落とさないといけませんの で、そのとき、厚生年金がたしか1.3でございますか、それで割り戻して保険料率やっ ておりますので、それは全く私どもも同じ方向でやってございます。 ○堀部会長  関連してお伺いしたのですが、この11ページの上の表の一番下に平均給料月額とあり ますね。これは諸手当を含んでないということですね。前の数理部会でもお聞きしたの ですが、ちょっと忘れましたが、これに1.2か何かの数値を掛けて、それに保険料率を 掛けて、標準報酬月額総額を算出するということですね。 ○総務省(佐々木福利課長)  そうです。 ○堀部会長  標準報酬総額自体は諸手当がないので、そのものズバリの数字ということに理解して よろしいのでしょうか。それと、これは平均給与月額に1.何倍かを掛ければ、直ちに、 そういう標準報酬月額総額の額が出るということになるのですか。それとも個別に違っ ているのでしょうか。 ○総務省(佐々木福利課長)  これは60年の改正のときに、給与を合わせるときにどうするかということでやったの ですが、地方公務員の場合国家公務員のように給与制度が一本でないものですから、地 方によっていろんな手当のバラツキがあると。しかし年金制度ではそこは一定の決めら れた平等の率でやることが適当ではないかということで、先ほどちょっと部会長の方か らお話がありましたが、全体の手当率の平均が大体1.25でございますので、給料に1.25 を掛けまして、それが全体のいわゆる標準報酬月額に相当するものになるという形で計 算をいたしております。  したがいまして、ここの標準報酬月額総額というのは、下にございますけれども、給 料月額を標準報酬月額ベースに、今、申し上げましたように、1.25を使いまして、換算 をいたしました年度間の累計ということになってございます。 ○堀部会長  標準報酬額は平均給料月額をそのまま1.25倍にすれば、正しい数字になるのでしょう か。 ○総務省(佐々木福利課長)  それが、今申し上げました、地方公務員の場合は、全体を平均をいたしまして、手当 率がおおむね1.25でございますので、その1.25という数字を使っていると。これは仮に の話でございますが、仮のこの手当の率というのが大きく変動してくれば、また、私ど も検討する必要があると思いますが、最近の傾向を見まして、おおむねそれぐらいの手 当の比率で推移しておるということで、私どもこの1.25という数字を使わせていただい ているということでございます。 ○堀部会長  標準報酬総額は、1.25を掛けない数字だと、こういうふうに理解してよろしいのです か。ボーナス、それは諸手当がないのですね。 ○総務省(佐々木福利課長)  まず、平均給料月額とございます。これは給料だけでございますので、いわゆるいろ んな手当が入ってございません。標準報酬月額というのは、期末手当以外のいわゆるい ろんな手当が入っているわけでございますので、給与と手当分と両方を含めたものとい う意味で、標準報酬月額に相当する額を算出をしていると。さらにその下に、いわゆる 期末手当の賞与、これは国共済さんとも共通ですけれども、その部分が出て、それを合 計すると総報酬ベースになると、こういうことでございます。 ○堀部会長  ちょっとわかりにくかったところがありますので、また後ほどお聞きしたいと思いま す。宮島委員。 ○宮島委員  簡潔に御説明いただきたいと思いますけれども、簿価ベースと時価ベースの運用利回 りがほかの制度に比べますと乖離が非常に多くて、時価ベースが大変運用利回りが高く なっていますが、その理由を御説明いただけませんでしょうか。 ○総務省(佐々木福利課長)  16ページのところで、運用利回りが随分上がっております。これは15年度末でござい ますので、この年度の場合は、この中の金銭信託等の中で株式運用、あるいは有価証券 の中にも株式が若干ございますけれど、この辺の市場が前年度に比べてかなりよかった ということもありまして、15年度については、これはほかのところでも比較的そのよう でございますけれども、地共済の場合も時価ベースの運用利回りが好転をしているとい うことだと思います。 ○宮島委員  もちろんそういうことだと思いますが、きょうの例えば国共済と私学共済を比較いた しますと、運用の内容が非常に違うのかなという、そうじゃないと、これだけの、簿価 ベースと時価ベースの大きな差は余り出ないような気がするのですが、何か地共済とい うのは、そういう意味で、有価証券の運用等は非常に工夫をしているとか、特に何か努 力をされているということがあって、こういう結果になっているのか、いかがでござい ましょうか。 ○総務省(佐々木福利課長)  国共済さんと比較した分析はやってないものですから、なかなかあれでございますけ れども、国共済さんの場合は預託金とか……。 ○宮島委員  評価の方法は同じで、流動資産とか不動産、これは簿価ベースだけでやっていて、ほ かの有価証券を時価としてやっていますので、大体評価の仕方は同じだと。これはよほ ど運用利回りが違わないと、これだけ違わないかというのが、すいません、少し余計な ことを聞くかもしれませんが。 ○総務省(佐々木福利課長)  国共済さんの場合は、推測させていただきますと、預託金あたりが相当ウエイトが高 うございますけれども、地共済の場合は預託金というのはそれほどウエイトございませ んので、そういう意味では、全体として見たときにはたまたま15年度は少し市場の影響 でよくなっているということではなかろうかなとちょっと推測をいたしますが。 ○堀部会長  ほかはいかがでしょうか。  それでは、ないようですので、以上で、地方公務員共済組合の財政状況についての聴 取を終了します。報告者の方、お忙しい中、どうもありがとうございました。御退席い ただいて結構でございます。                (総務省・地共連退席) ○堀部会長  最後に、私立学校教職員共済制度の平成15年度の財政状況について報告を聴取いたし ます。           (文科省・私立学校振興・共済事業団着席) ○堀部会長  それではよろしくお願いします。 ○文科省(伊藤私学共済室長)  文部科学省で私学共済制度を担当としております伊藤でございます。よろしくお願い します。本日は、日本私立学校振興・共済事業団からも担当者を同席させておりますの で、よろしくお願いいたします。  それでは、早速でございますけれども、資料に沿いまして、平成15年度における私学 共済年金の財政状況につきまして、概要を説明させていただきたいと思います。  資料3でございますけれども、まず、1ページ、収支状況でございます。収入総額で すが、平成15年における収入総額は4,071億円になってございまして、前年度に比べま して151億円(3.9%)の増となってございます。括弧書きで時価ベース換算で載せてお りますけれども、時価ベースでは4,254億円、1,091億円の増となっております。  その内訳ですが、掛金、国庫負担、運用収入等でございますが、主なものは掛金と運 用収入になってございます。  掛金はそちらにございますように、2,658億円でございまして、前年度比150億円(6.0 %)の増でございます。掛金が全体の収入総額の65.3%を占めているという状況でござ います。  運用収入は、簿価ベースでは前年度比2億円の増の670億円となってございます。時 価ベースで括弧書きに書いてございますけれども、正味運用収入にいたしますと、626 億円でございまして、時価ベースにいたしますと809億円となってございます。  そのほかは省略をさせていただきます。  それから、掛金収入につきましては、前年度と比較して150億円という大幅な増にな っているわけですが、これにつきましては、後ほどまた御説明をさせていただきたいと 思いますけれども、1つは総報酬制導入に当たりまして、平成15年4月以降の掛金率を 換算する際に、各制度共通の年収・月収比率を1.3ということで用いたわけでございま すけれども、私学共済における平成15年度年収・月収比率の実績が1.35程度の結果とい うことになりまして、ここに差がございまして、このことにより、105億円が増加いた しました。さらに加入者数が伸びてございまして、さらに給与の平均の伸びということ も併せまして150億円という収入の増となったものでございます。  一方、支出総額ですが、合わせまして3,637億円ということでございまして、前年度 と比較しまして、285億円(8.5%)という増になってございます。こちらも非常に増加 になっているわけですが、年金者数の増加というような事情により大幅な増になってお ります。  支出の主なものとしては、給付費、基礎年金拠出金等でございますけれども、給付費 は前年度と比較して72億円(3.4%)増の2,185億円となってございます。  それから、基礎年金拠出金は79億円増の1,263億円となってございます。  支出のうち、年金保険者拠出金が、平成15年度におきまして、143億円ということで ございまして、前年度に比べまして大変大きな数字になってございまして、パーセンテ ージで言いますと、178.2%となってございますけれども、これにつきましては、先ほ ど他の共済からも御説明ございましたけれども、平成9年度からの5年間分につきまし て一括精算をするということになったわけでございまして、私学共済は加入者も大変増 えていることもございまして、大きな追加拠出になっていることの事情によるものでご ざいます。  それから、その下のその他というところですが、これも45億円ということで、前年度 と比較しますと大変大きな数字になっているわけですが、これは委託運用から自家運用 に簿価で移管した国内債券ですが、これが約3,800億円ほどございますけれども、この ほとんどの多くがオーバーパー債券であったことのために、平成15年度決算において、 約42億円の償還差損を計上したことによる理由でございます。  以上の結果、収支残ですが、簿価ベースで434億円となってございまして、前年度と 比較して△134億円となってございます。  括弧書きで時価ベースを記載させていただいてございますけれども、前年度は△189 億ということでございましたけれども、平成15年度においてはプラスに転じて617億円 となってございます。  これによりまして、平成15年度末の積立金ですが、簿価ベースでは、3兆1,802億円、 時価ベースでは3兆2,242億円ということになってございます。前年度と比較して、そ こに書いてあるとおりの増額になっているところでございます。  なお、2ページは図式したものですので、省略をさせていただきます。  次に3ページからの給付状況でございますけれども、一番上の平成15年度末の受給権 者数ですが、合計で前年度と比較して1万2,300人(5.0%)増加の25万8,200人となっ てございます。  退年相当等との内訳はそこに書いてあるとおりです。  また、その下の欄の平成15年における年金総額ですが、合計で前年度と比較して88億 円(3.4%)増の2,675億円となってございます。  次に4ページ、減額支給、増額支給ですが、これも増額支給につきましては、ほかの 共済同様、規定がございませんので、記載をしてございません。  4ページの下段でございますけれども、退職年金平均年金月額ですが、これは私学共 済から支給される加入者期間20年以上の退年相当の平均年金月額ですが、前年度と比較 して△3,407円で18万122円となってございます。  それから、基礎年金を含めた平均年金月額ですが、△2,896円で21万2,121円となって ございます。  退職年金平均加入期間ですが、3月増加し374月(31年2月)となってございます。  通退年金平均年金月額については、△1,410円で3万6,023円、平均加入期間は86月と なってございます。  次に5ページでございますが、これは4ページ下段の結果を男女別に分けたものです が、男性の平均年金月額につきましては、△3,781円(△1.8%)の20万1,555円となっ てございます。  平均加入期間については、3月増加して386月(32年2月)となってございます。  一方、女性ですが、△3,073円となりまして、退職年金平均年金月額としては、14万 7,370円になってございます。平均加入期間については、354月(29年6月)となってご ざいます。  次に6ページでございますけれども、これは新規裁定者に係るものでして、加入期間 20年以上の新規裁定の退年相当の平均年金月額ですが、表の一番上の段ですが、男女合 計で、61円増加して15万7,724円となってございます。平均加入期間392月でございま す。  男女別で見ますと、男性では平均年金月額は17万5,742円、△499円ですが、女性は12 万5,292円ということで、逆に737円の増加となってございます。  続きまして7ページですが、これは先ほど他の共済でも御説明がございましたよう に、60歳のところですが、定額部分のところで額が減ってございますけれども、ほかの 共済と同じように、14年3月末から極めて少額になっているわけですが、13年度が定額 部分、加給年金部分の支給開始年齢の引上げの年度に当たるということで、この分が低 くなってございまして、先ほど地共済さんの方からもお話ございましたように、60歳と 61歳の比較をいたしますと、60歳の分は低い状況になっているところでございます。  8ページ、9ページは男性・女性に分けたものですので、省略をさせていただきま す。  続きまして、10ページの年齢構成でございますけれども、男性・女性、計とございま すけれども、平均年齢を先に申し上げますと、全体では69.8歳、そのうち男性は69.1 歳、女性は70.7歳でございますけれども、合計、男性・女性を見ましても、60〜65歳の ところに一番多い固まりがある状況になってございます。  続きまして11ページでございますが、加入者の状況について説明をさせていただきま す。最初に加入者数ですが、平成15年度におきましても、加入者数は増加をしてござい まして、加入者数の一番上のところですが、15年度末の人数が前年度と比較して5,600 人ほど増加をいたしまして、43万4,400人という形になってございます。男女別ではそ ちらにございますけれども、女性の増加数が多くなっている状況でございます。  加入者の平均年齢ですが、これは前年度とほぼ同様の結果です。  標準給与月額の平均ですが、全体では977円増の37万972円でございます。  男女別に見ますと、男性が660円増の45万3,551円に対し、女性は2,230円増の29万 4,452円という状況になってございます。  なお、加入者については、15年度末以降もまだ増加をしている状況でして、参考まで に学校種別で申し上げますと、加入者数が増加してございますのは、大学とか専修学 校、幼稚園などでございます。一方、加入者数の減収している学校種別もございまし て、短大、高校などについては減少しているところでございます。全体としては引き続 き上昇しているという状況です。  11ページの下のところですが、標準給与月額総額ですが、15年度末は前年度と比較し て270億円(1.4%)の増の1兆9,275億円となってございます。これを賞与分も含めま すと、合わせまして2兆6,076億円という形になってございます。加入者数は年度平均 でいきますと、こちらにございますように、43万6,300人ほど、標準給与総額の年度間 平均でいきますと、49万8,031円となってございます。  次に12ページ以降でございますけれども、12ページは加入者の分布でございまして、 男女計ですが、まず年齢をご覧いただきますと、25〜30歳未満が15.7%で一番多くなっ てございます。そのほかの部分につきまして、おおむね10%程度の数になってございま すけれども、60歳以上でも10.6%ほどになっているという状況にございます。  一方、加入期間でいきますと、5年未満が37%ということで一番多い割合になってご ざいます。  これを男女別に見ますと、13ページですが、男性の年齢別で見ますと、年齢を見まし ても、ほぼ同じような割合で推移をしているということでございまして、加入期間につ いても、多少差はございますが、おおむね順次加入年数が高くなるほど減ってはおりま すが、こういうなだらかな状況になってございます。  一方、14ページの女性ですが、こちらについては若干特徴がございまして、まず年齢 で申し上げますと、30〜35歳のところが13.3%あるわけですが、その前の25〜30歳のと ころが23.5%で一番多いわけですが、この35歳未満を全部合わせますと、約58%になる ということでございまして、かなり高い割合が若いところに集中しているという状況で ございます。  一方、加入期間で見ましても、10年未満、5年未満合わせますと、全部で約66%とい うことでございまして、かなり加入期間が短い状況になっているということでございま す。これはいろんな理由があるかと思いますが、主に女性加入者の場合、幼稚園の先生 が多いということが1つの大きな要因ではなかろうかと考えておるところでございま す。  次に15ページ、標準給与月額別の分布でございますが、男性の場合については、一番 最高のところの62万円というところが25.5%ということで、上限部分にかなり高い割合 になってございます。これは、特に大学等の先生方については、定年年齢が非常に高く なっていることもございますので、そういったことも影響しているのではなかろうかと いうふうに考えてございます。  一方、女性でございますが、20万円台を中心に分布するというような結果になってご ざいます。  平均ですが、男性は45万3,551円、女性が29万4,452円、合わせますと、37万972円と いう結果になっているところでございます。  次に16ページでございますが、積立金の運用状況でございます。積立金は簿価ベース と時価ベースで記載をさせていただいてございますけれども、流動資産、固定資産、流 動負債等でございますけれども、平成15年度末の積立金ですが、一番下から3番目でご ざいますけれども、簿価ベースでは3兆1,802億円、時価ベースでいきますと、3兆 2,242億円という形になってございます。そのうち73%を有価証券と包括信託で運用し ている状況にございます。  まず流動資産ですが、簿価ベースでは2,235億円、時価ベースでは2,235億円で同じで ございます。  固定資産は、全体で簿価ベースで2兆9,609億円、時価ベースでは3兆49億円になっ てございます。  このうち、内訳はそこにあるとおりですが、ほとんどの運用資産について、時価が簿 価と同額か上回る結果となっておるわけですが、包括信託について、簿価ベースでは 7,344億円、時価ベースにしますと、6,765億円ということでございまして、約579億円 の含み損という形になってございます。これについては、企業業績がよくなりまして、 景気回復に対する期待などからまた価額が上昇いたしまして、時価が大きく改善された わけですが、前年度末の含み損が1,400億円以上ございまして、依然として時価が簿価 を下回っているという状況にございます。  なお、運用利回りでございますが、簿価ベースでは2.00%、時価ベースで2.61%とな ってございます。  17ページ以降は、平成11年度に行った財政再計算の見通しと、15年度実績との比較に なってございます。17ページの収支のところでございますが、収入のうち掛金ですが、 掛金については、将来見通しでは2,920億円を見込んでございましたけれども、実績で は2,658億円となってございますが、これは特記事項のところに書かせていただいてご ざいますけれども、私学共済の場合、都道府県補助というのをいただいてございまし て、それを除いた額でございまして、その都道府県補助を含んだ額が2,736億円という 形で、この額にいたしましても、将来見通しと差ができているわけですが、この主な要 因としては、賃金上昇率ですが、これを2.5%と見込んでいたわけですが、実際には0.2 %しかなかったということでございまして、実績は将来見通しほど上昇しなかったとい う理由によるものです。  それから、運用収入ですが、これも将来見通しでは1,329億円となってございました けれども、実績では簿価ベースで670億円、時価ベースでも809億円となってございまし て、これも将来見通しでは4.0%と見込んでおりました運用利回りが実際には2.0%にな ったことによるものです。  したがって、以上の理由により、収入計においても、将来見通しとの差が出てきてい るところでございます。  一方、支出のほうですが、将来見通し3,552億円に対し、実績としては3,637億円とな ってございます。これは主なものとしては、先ほど1ページのその他のところで御説明 した理由のところが大きくなってございます。  以上の結果、収支残としても、見通しと大きく違う結果になっているというところで ございます。  次に18ページですが、加入者数、受給者数の比較でございますけれども、加入者数に ついては、先ほど来、御説明申し上げておりますように、将来見通しでは42万2,500人 という見通しでしたが、実績では43万4,400人ということで、実績の方が上回った形に なってございます。  一方、受給者数ですが、全体としては将来見通しでは28万2,800人でしたが、実績で は23万4,500人ということでございまして、これも数の上では差はついておるわけです が、この表の内訳の通退相当のところに(注)で書かせていただいてございますけれど も、そこに2段書きで書かせていただいてございますけれども、将来見通しは、17万 2,200人ということでございましたけれども、これは年金待期者、すなわち私学共済年 金の受給権がありながら年金を請求していない者を入れていたということもございまし て、実績との差が大きくなっているわけでございまして、括弧書きがそれを除いたもの ですので、それと比較しますと大きな差にはなっていないかと思いますが、若干の差は 出ているところでございます。  それから、新規加入者については、将来見通しに対し、これも実績が上回ったような 状況になってございます。  新規裁定者についても同様に実績が上回っている状況にございます。  脱退者数、失権者数についても同様に実績が上回っている状況にございます。  19ページ、年金扶養比率でございますが、平成15年度実績における年金扶養比率は 5.34でございます。これは先ほどほかの共済からも御説明ございましたように、退職年 金受給権者数によるもので、括弧書きで記載させていただいてございます退職年金受給 者数で見ますと、6.46でございまして、将来見通し6.39との差は小さくなっているかと 思います。  それから、【参考】で記載させていただいてございます年金扶養比率を補完する指標 ということで、老齢費用率は6.3、障害費用率は0.1、遺族費用率は1.1という状況にな っているところです。  20ページは総合費用率ですが、平成15年度の実績としては、11.3%ということでござ いまして、見通しの9.6%よりも高い状況になってございます。これは賃金上昇率を先ほ ども御説明しましたように、2.5%と見込んでいたわけですが、上の表の(10)のところ をご覧いただければと思いますけれども、12年度以降1.1%とか、0.005%とか0.3%という ふうに各年度相当低い率になっていたことが影響しているものでして、標準給与総額も 将来見通し2兆9,903億円に対し、実績では2兆6,076億円となっているところでござい ます。  21ページは厚生年金相当部分に係る総合費用率ということでございまして、これも実 績は10.5%に対し、将来見通しは8.7%ということで実績の方が上回っているわけでござ いますけれども、先ほど20ページで御説明したところと同じような理由によるもので す。  22ページは独自給付費用率ということでございますが、これも同じような結果が出て ございまして、15年度実績は8.0%、将来見通しは6.8%ということで、同様の理由により 差が出ているところでございます。  23ページは、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございますけれども、平成15 年度実績は7.3%でございますが、将来見通しは5.8%となってございます。これも理由と しては同じような理由でございます。  24ページは収支比率ですが、15年度実績では86.2%ということになってございまし て、将来見通し67.7%で、差は生じてございます。これは運用収入そのものが将来見通 しほど多くなかったことが主たる原因というふうに考えているところでございます。  最後でございますが、25ページの積立比率ですが、15年度実績では10.7という形にな ってございまして、11年度の財政再計算の見通しよりは若干低い形にはなってございま すが、時価ベースでいくと10.8という状況になってございます。  以上、大変簡単でございますけれども、これで終わらせていただきます。よろしくお 願いします。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。時間が大変押しておりますけれども、何か御質問等 があればお願いします。 ○都村部会長代理  総報酬制ではボーナス1回の支給について、150万円の上限がありますが、学校法人 等が総報酬制導入後、支給回数を調整したかどうかについての調査結果がもしございま したら教えてください。学校によっては、多くの組合員が将来の給付増よりも現在の負 担減の方を希望するということで、例えば3回の支給を1回にするとか、そういうふう に動いているところがあると聞いているのですけれども。平成15年度に御報告いただい たときに、調査をされる意向があると伺ったように記憶しているのですけれども、いか がでございましょうか。 ○堀部会長  それでは、堂前数理統計室長。 ○日本私学共済振興・共済事業団(堂前数理統計室長)  平成15年のときに、都村先生の御質問に誤解を招くようなお答えをして大変申し訳あ りませんでした。お詫び申し上げます。申し上げたかったのは、平成15年度に総報酬制 が導入されますので、その私学の実態が1年間分把握できると。それに関しまして統計 表を開発しまして再計算に反映していくということでございまして、学校ごとに2回が 1回になったとか、3回が1回になったとか、それは調査をできないということで、非 常に誤解を与える発言をいたしまして申し訳ありませんでした。 ○堀部会長  ほかはいかがでしょうか。それでは、よろしいでしょうか。  以上で、私立学校教職員共済制度の財政状況についての報告聴取を終了します。報告 者の方、お忙しい中、ありがとうございました。退席していただいて結構です。           (文科省・私立学校振興・共済事業団退席) ○堀部会長  これで、平成15年度の財政状況についての報告聴取が終わったことになります。昨年 12月には、平成14年度までの財政状況について取りまとめて、公的年金財政状況報告書 を作成・公表したわけです。ことしも公的年金財政状況報告を作成したらどうかと思い ますが、いかがでしょうか。               (「異議なし」と声あり) ○堀部会長  よろしいでしょうか。それでは、今年も公的年金財政状況報告を作成することにいた します。  本日の議題は終わったわけですが、これから年金数理部会としては、昨年行われた財 政再計算の検証を行うことになっているわけです。関係省から資料を提出するようお願 いしているわけですが、それはどういうふうになっているのでしょうか。 ○田村首席年金数理官  ちょっと簡単に現状だけ御報告いたします。昨年ずっと技術作業委員会で議論いただ きまして、昨年10月にこの部会で各制度にお願いする資料の内容を決定していただきま して、各制度にお願いしました。一応、時期的には昨年度末というか、3月末をめどに 出してくださいということでお願いをしていたのですが、今のところ、まだ、すべての 資料をいただいているところはありません。それから、再計算結果そのものは、簡単な ので出していただけたけれども、例の分析用にいろいろお願いしていますが、その内容 についてはまだ作業中だというような制度も幾つかございます。 ○堀部会長  2004年度末ということは、今年3月までに報告をお願いいしたということですが、も う7月になっています。年金数理部会の検証は、多分本年度までにやるということにな っていると思うのですが、ちょっと日程がきつくなっていると思います。所管省に対し て早くするように我々数理部会としてもお願いしたいと思いますので、その旨を伝えて いただければというふうに思います。 ○田村首席年金数理官  わかりました。 ○堀部会長  本日はこれまでにしたいと思います。次回の日程等について、事務局に確認をお願い します。 ○田村首席年金数理官  次回の日程につきましては、調整をさせていただきまして、その後、正式な開催の御 案内をお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○堀部会長  本日はこれで終了します。どうもありがとうございました。                                     −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)