資料2−1

がん診療拠点病院のあり方に関する検討 <案>
見直しの方向性(報告書より)
見直し案
全体的な見直し
拠点病院の指定要件(継続的に全人的な質の高いがん医療を提供するための要件)
1.指定要件をできる限り数値を含めて明確化する。
がん治療認定医(仮称)・専門性の高いコメディカル等の配置を数値化する。
2.指導的な役割などが期待できる特定機能病院を指定の対象に含める。
特定機能病院が拠点病院に指定される場合においては、拠点病院の指定要件に加え、次の要件を満たすこと。
特定機能病院内に腫瘍センターを設置すること。なお、腫瘍センターの長は、専任とする。
腫瘍センターでは周辺の地域拠点病院の医師に対する研修を行うこと。その際、参加医師の募集・選定にあたっては公正を期すこと。
地域の拠点病院への診療支援医師の派遣に積極的に取り組むこと。
3.拠点病院を2段階に階層化し、役割分担を明確化するとともに、それを踏まえたネットワークを構築する。
各施設が専門とする分野において、集学的治療(手術・抗がん剤・放射線治療・他科コンサルト・緩和医療等の組み合わせ等)および各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療並びに応用治療を行うこと。





(注)各施設が専門とする分野は、例えば、肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん、膵がん、子宮がん、前立腺がん、頭頸部がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、小児がん、造血器腫瘍その他、放射線診断・治療、病理診断、外来抗がん剤治療、緩和医療等とする。





我が国に多いがんについて、専門的医療体制を有するか、もしくは連携によって対応できる体制を有すること。


(注)我が国に多いがんは、肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がんとする。


我が国に多いがんについて、セカンドオピニオン機能を果たすか、もしくは施設間連携によって対応できる体制を有すること。
緩和医療の提供体制
拠点病院内において、医師、看護師、臨床心理に携わる者等を含めたチームによる緩和医療の提供体制を整備することが望ましい。
拠点病院は、地域において、かかりつけ医(診療所、在宅訪問医等)を中心とした緩和医療の提供体制を整備すること。
拠点病院は、かかりつけ医とともに拠点病院内で共同診療を行い、早い段階から緩和医療の導入に努めること。
拠点病院は、かかりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和計画を含めた早期退院計画を立てること。<診療報酬を検討中>
地域医療機関への診療支援や病病連携・病診連携の体制
地域の医療機関からの紹介患者の受け入れおよび患者の状態に適した地域の医療機関への逆紹介を行うこと。
院内外の医師が相互に症例相談・診断依頼(病理・画像診断、抗がん剤や手術適応に関する相談を含む)を行う連携体制を整備すること。<補助金、診療報酬を検討中>
拠点病院の医師は地域の医療機関の求めに応じて、がん患者の共同診療計画作成等に関する支援を行うこと。
専門的な医療に関わるコメディカルスタッフの配置
抗がん剤調剤を行う薬剤師が1人以上配置されていることが望ましい。
がん化学療法看護等がんの専門看護に精通した看護師が1人以上配置されていることが望ましい。
臨床心理に携わる専任者が1人以上配置されていることが望ましい。
診療録管理に携わる者(がん登録実務者を含む)が1人以上確保されていること。
放射線治療を専門とする場合は、専ら放射線治療にあたる診療放射線技師が1人以上確保されていること。
専門的な医療に関わる医師の配置
「腫瘍化学療法専門医(仮称)」が1人以上配置されていることが望ましい。
病理診断医1人以上配置または他の医療機関から協力を得られる体制が確保されていること。
放射線診断医・治療医1人以上設置または他の医療機関から協力を得られる体制が確保されていること。
すべての医療スタッフがその診療能力を十分発揮できる勤務環境を確保すること。
「腫瘍化学療法専門医(仮称)」および「がん治療認定医(仮称)」の専門性や活動業績を定期的に評価・改善すること。






(注1)専門性は、研究論文数(peer reviewed journal)等により把握評価を行う。
(注2)活動業績は、紹介患者数、逆紹介患者数、研修会・OJT等を通じた指導実績、患者・紹介
元医師・拠点病院内医師等のアンケート調査により把握、評価を行う。






専門的治療室の設置
集中治療室が設置されていることが望ましい。
白血病を得意専門分野に掲げる場合、無菌病室が設置されていること。
外来抗がん剤治療室が設置されていることが望ましい。
放射線治療を専門分野に掲げる場合は、放射線治療装置が設置されていること。またその操作・保守に精通した者の配置又は必要時に招聘できる体制を整えていることが望ましい。
標準様式に基づく院内がん登録を実施すること。
都道府県が行う地域がん登録事業に積極的に協力すること。
地域がん診療病院は、主に地域のかかりつけ医等を対象とした、早期診断、緩和医療等に関する研修を実施すること。<補助金を検討中>●研修対象者の募集・選定にあたっては、医療機関格差の是正に配慮すること。
院内外の講師による公開カンファレンスを定期的に開催すること。<補助金を検討中>
4.医療相談室の機能の強化
拠点病院内に相談支援センターを設置し、センター長は院長が併任すること。
相談支援センター専任者が1人以上配置されていること。
相談支援センターは地域医療機関や患者からの相談に対応する体制を整備すること。










<相談支援センターの業務>
地域の医療機関の紹介
(1)診療機能、入院・外来の待ち時間、訪問看護師を派遣した患者数等
(2)地域の医療従事者に関する情報提供(経歴、発表論文、得意専門分野、医師あたり紹介患者数等)
セカンドオピニオン医師の紹介
患者の療養上の相談
患者、地域医療機関、かかりつけ医(特に紹介元・紹介先の医師)のアンケート調査結果の紹介










我が国に多いがん以外のがん(膵がん、子宮がん、前立腺がん、頭頸部がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、小児がん、造血器腫瘍その他)について、集学的治療および各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療並びに応用治療を行っている拠点病院は、その情報について公開すること。
臨床研究を行っている拠点病院は下記について公開すること。
進行中の臨床試験・治験の進捗状況について公開すること。
過去の公的・私的研究成果を一般人にわかるように開示すること。
公的研究費・私的研究費・公的補助金の額を公開すること。
5.拠点病院制度に対するインセンティブが働くような仕組みを作る。
拠点病院に対する、補助金、診療報酬加算等を検討する。
6.指定については更新性を導入する。
2年ごとの現況報告を提出する。(報告の様式は別途検討する。)
4年ごとに更新する。
指定要件は、がん診療拠点病院の整備状況等を踏まえ、見直しを検討するものとする。

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