(1) | 評価目的の設定
評価は戦略的な意思決定を助ける手段であり、それ自体が目的ではないことを明記した上で、評価目的の設定について例示を追記した。 |
(2) | 評価者の選任
外部評価の活用に加え、自己評価・内部評価の活用を想定した記述を追記するとともに、評価専門家や分野横断的専門家、また、産業化・市場化の専門家等の活用について追記した。さらに海外の研究者を活用することについては、国際競争・協調、研究開発水準の国際比較の観点の重要性を追記した。加えて、独創的で有望な優れた研究者・研究開発を発掘し、育てるといった資質を持つ優れた評価者を選任することの重要性を追記した。 |
(3) | 評価時期の設定
事前評価における外部評価者の活用や基礎研究等の評価の時期に関する留意点、また、一定時間経過後の社会・経済等への効果や波及効果の確認が有益であることから、追跡評価の一層の取組の必要性を追記した。 |
(4) | 評価方法の設定
〈評価手法〉
評価時期・評価目的等に応じて適切な調査・分析法及び評価法を選択するとともに、評価の質を高めるために優れた評価者・適切な評価体制の選択・調査分析の充実等を図ることについて明記した。また、事前評価や追跡評価における効果(アウトカム)や波及効果(インパクト)等に係る評価手法、及び基礎研究についての定量的又は客観的な評価手法について開発・改良を進めることを追記した。
〈評価の観点〉
評価が必要以上に管理的にならないこと、研究者が挑戦した課題の困難性も勘案することについて明記した。
〈評価項目・評価基準〉
評価は必要性・効率性・有効性の観点の下、研究開発の特性に応じて適切な評価項目及び評価基準を設定して実施することを明記するとともに、具体的な例示を追記した。
〈柔軟な評価方法の設定〉
科学技術の進展・社会情勢等の変化に応じて評価項目や評価基準を適宜見直すことが必要であること、研究開発体制や管理運営の適切さ、目標達成に向けたアプローチの妥当性等を重視した評価が有益な場合があることも考慮することについて追記した。
〈評価に伴う過重な作業負担の回避〉
評価に伴う作業負担が過重になり研究開発活動のための時間・労力を著しく費やすことがないよう留意すること、既にある評価結果を活用するなど評価の間で十分な連携を図ること、研究開発実施・推進主体及び第三者評価機関は評価が自己目的化しないように関係者の意識を統一すること等も有益であることについて追記した。
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(5) | 評価結果の取扱い
〈評価結果の活用〉
評価がマネジメントサイクルの一環などの形で戦略的な意志決定を助ける機能を十分に発揮するためには、明確に設定された評価目的等に沿って評価結果が確実に活用される必要があること、また、評価時期別の評価結果の活用例を追記した。
〈評価結果等の被評価者への開示〉
評価結果について、被評価者が説明を受け意見を述べる仕組みの整備に加え、被評価者が納得し難い場合に評価実施主体に対し十分な根拠をもって意義申し立てできる途を開いておくことが望ましいことを追記した。
〈研究開発評価の公表等〉
公表する評価報告書等にまとめる内容を標準的要素として具体的に示した。
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(6) | 効果的・効率的な評価システムの運営
研究開発実施・推進主体は、各々の責任の範囲において重層的、時系列的な諸評価の相互連携・活用や評価のための体制・基盤の整備等により、その評価システムの機能を向上させていくよう努める必要があることを明記した。
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(7) | 評価実施体制の充実
評価のために必要な調査・分析、体制整備等に要する予算の確保、質の高い評価を行うための人材の養成・確保の必要性について明記した。
〈評価人材の養成・確保と評価の高度化〉
研究開発実施・推進主体は、その評価部門において責任者を定め、効果的・効率的な評価システムの運営と評価の高度化を推進すること、競争的研究資金の配分機関においては研究経験のある人材を専任のプログラムディレクター等として充てるマネジメントシステムの構築を図ることを追記した。その他、評価システムの高度化等のため調査研究、評価を実施する第三者機関の育成・活用、評価者のインセンティブの向上など評価支援体制の全般的整備に努めることの必要性について追記した。
〈データベースの整備等〉
実効性のある評価データベースの構築のため、関係府省等が構築するデータベースについて、総合科学技術会議のイニシアティブの下、これらを府省横断的に活用できるよう内閣府が中心となってシステムを共通化し、国費による研究開発の進展状況等がリアルタイムかつ継続的に追跡できる体制を作ることを明記した。 |