05/06/29 社会保障審議会医療部会第14回議事録 第14回社会保障審議会医療部会                 日時 平成17年6月29日(水)                   14:00〜                 場所 厚生労働省7階専用第15会議室 ○企画官 ただいまより、「第14回社会保障審議会医療部会」を開催いたし ます。皆様方におかれましては、お忙しい中ご出席いただきまして誠にあり がとうございます。本日の委員の出欠状況ですが、野呂昭彦委員から欠席の 連絡をいただいております。また古橋委員から遅れる旨の連絡をいただいて おります。出席委員の定足数は超えておりますので会議は成立しております。  お手元の資料ですが、資料1は、本日の議題であります中間取りまとめ (素案)です。あと、参考資料が3つあります。参考資料1は、関係する検 討会における検討状況です。この資料は事務局の手違いがあり一部傍聴の方 に配られている資料が間違っております。表紙のいちばん下のところが46〜 50頁となっているものが正しいもので、47〜51頁となっているものは間違っ ているものです。それは27頁と28頁が同じものであることに気づき、気づい た後に直したのですが、一部直していないものをお配りしてあります。頁数 に若干ずれがあるということで、申し訳ございませんが傍聴の方につきまし ては、ご容赦いただければと思います。  参考資料2は本日後半で説明に使う資料です。参考資料3は、前々回、第 12回の審議の際に、特定機能病院の内容がわかる資料を用意してほしいとい うお求めと、あと、専門医について、学会でどの程度の比率の方が専門医と して認定されているか、また基準はどうかということについてまとめた資料 をということでしたので、それについての資料です。特定機能病院の部分が 前半で、4頁からが現状ということになっており、81の病院が病床数、医師 数、薬剤師数がどのような分布になっているのか、5頁以下はどのような高 度医療をやっているのかについての一覧です。また、8頁以降は、専門医に ついての一覧表で、これらは今後の審議に活用いただければと思います。  では、以降の進行につきまして部会長、よろしくお願いいたします。 ○部会長 今日は暑い中をお集まりいただいてありがとうございます。早速 議事に入りますが、本日の議題については中間まとめについてということで、 前回までの医療部会での議論を踏まえた医療提供体制に関する意見、中間ま とめを事務局から提示していただいております。これに沿って議論を進めて いきたいと思います。全体の分量がかなり多いので、資料1を3つに分けて、 それぞれ30〜40分ぐらいずつご議論をいただこうと思います。  最初は、基本的な考え方とこれまでの審議経過から、2の医療安全対策の 総合的推進まで。2つ目が、3の医療計画制度の見直し等による地域の医療 機能の分化・連携の推進から5の在宅医療の推進まで。3つ目が、6の医療 法人制度改革から8の医療を支える基盤の整備までとさせていただきます。  それでは、最初の基本的な考え方と、これまでの審議経過から、2の医療 安全対策の総合的推進について、14時40分ぐらいまで議論をお願いします。 まず事務局から資料1の関係部分について説明をお願いいたします。 ○企画官 それでは資料1について説明します。この部会の議論の進め方に ついては、最終的な意見は年末までに取りまとめるとしても、夏に概算要求 や税制の関係もありますので、一旦夏の時点で、まとめられるものは意見を まとめていただければということで、この時期に中間まとめをお願いしたい というスケジュールです。これまで審議いただく過程でも制度改正を待たず とも、可能なものは予算要求をすべきであり、早め早めの審議をすべきとい うご意見をもらっていたところです。  本日、中間まとめの素案ということで事務局で整理をいたしましたが、医 療法、医師法、保助看法なり法律改正に向かうもの、また予算要求に向かう もの、あるいはガイドラインを作るもの、引き続き検討といろいろなものが 混ざっておりますが、これまでの議論を現時点で中間的に整理したものです。  1頁の最初のところは、基本的な考え方とこれまでの審議経過ということ で、我が国の医療提供体制は健康を確保するための重要な基盤ということで すが、より質の高い、効率的な医療サービスを提供するための課題。改革に ついては、平成15年8月に医療提供体制の改革のビジョンを定めて、そこに 4行書いてあるようなことが掲げられています。18行目から医療は患者と医 療提供者との関係が基本ということで、インフォームドコンセントの理念に 基づいて、患者本人が求める医療を提供していく、「患者の視点に立った医 療を実現していくことが課題で、また、医療の安全と信頼を高めていく取組 みも強く求められておるということで、患者の視点に立った患者のための医 療提供体制の改革を基本的な考え方とすべし」という共通認識のもとで、医 療保険の制度改革と歩調を合わせて、平成18年の国会への法案提出を念頭に 平成16年9月から検討を開始した。今日は第14回ですが、これまで13回の審 議を行ってきたところであるが、下記のとおり中間的にまとめるということ で、今後引き続き検討を進めていくということです。これまでの審議経過を、 その後2頁までに続いて記載しております。  3頁からは個別の論点についてということで、最初の時間で1番と2番の 医療安全のところまで説明します。3頁の1の患者・国民の選択の支援につ いては、3月の第6回会議や5月第11回会議で議論をいただいたところです。 (1)医療機関等について患者・国民の選択の支援について、(1)で広告を含 めた医療機関等からの積極的な情報提供の推進ということで、広告可能なも のの中から広告できるというだけではなくて、医療機関がその施設の医療機 能に係る正確な一定の情報を積極的に提供する仕組みに改めるべきと。  具体的には、一定の情報を都道府県に届け出て、都道府県が集積して情報 提供をするということの制度化が考えられる。その際、一定の情報の範囲を どうするか等は引き続き具体的な検討を進める必要がある、ということを最 初の○で書いております。  次の○は広告規制の部分です。客観的で検証可能なもの、逆の表現をすれ ば客観的でないか検証不可能なもの以外のものについては、極力広告できる ように措置すべきと。その規制の方式についてはポジティブリスト方式とネ ガティブリスト方式がありますが、それぞれのメリット、デメリットを考慮 しつつ引き続き検討を進め、本年末までに結論をするものとするとなってお ります。  3頁の下のほうの○、広告規制に関連して、病院等の名称に関する規制の 緩和や院内掲示事項の拡充といったことは並行して進めていく必要があると いうこと、医療機関の積極的な情報提供の推進についての医療法への努力義 務の規定を書いております。  4頁(2)は、いわゆるアウトカム指標、医療の実績情報の取扱いということ です。1つ目の○は、審議の際にも身近な開業医や、かかりつけ医の情報を 持っていることが大事で、指標だけですと理解することが難しいので、かか りつけ医に相談して理解できるようになるという姿が基本であろうというよ うなことで1つ目の○があり、その上で、アウトカム指標についての客観性、 検証可能性の手法の研究開発、情報提供の基盤整備を進めて、そういうもの ができるようになったものから段階的に広告できるものに入れていくという こと。広告できるようになった段階においての話ですが、根拠はきちんと明 示されるような仕組みはやる必要があるだろうということを書いております。  (3)は、インターネットを含む広報についてのことです。広報と広告は違う ということで、広告と同じような記載をしないにしても虚偽等著しく不適切 な内容の場合についての規制の枠組みの検討というのが1つ目の○。2つ目 の○は、適切な広報とするためのガイドライン作りということについて記載 をしております。(4)は、公的機関等による医療に関する情報提供ということ で、冒頭に申しました医療機関が届け出た情報の公表の枠組みの制度化のほ かに、これは9頁以下にも出てきますが、医療計画で地域の医療機能や医療 水準等について記載をするということがありますが、そういったことを地域 の医療はどうなっているのだということの情報提供も大事であるということ が1つ目の○です。また、医療情報についての相談機能を医療安全支援セン ターの充実等で図るということ、また、福祉医療機構、あるいは健保連等の 公的団体での医療機関情報の集積公表についてより積極的にということ、ま た医療機能評価機構の受審の促進、またその公表といったことも必要という ことを書いております。最後の○は、国や地方公共団体の医療に関する、情 報提供に関する責務を医療法に記載するということについての項目です。  (2)は、診療情報の提供の推進と患者の選択の尊重ということで、平成 15年9月に診療情報提供の指針の策定また、この4月から個人情報保護法が 施行されて昨年12月にガイドラインも出ておりますが、診療情報の提供は適 切なものがなされるように周知徹底と定着を図るための措置ということが必 要であるということ。また、EBMについてEBM指向の診療ガイドライン とのサービス提供の充実等により質の向上を図っていくということ。また、 インフォームドコンセント、セカンドオピニオン等の考え方が定着、普及し ていく中で、患者本位の医療提供を図るようにするため患者がその情報を理 解し、主体的に考えて自己決定できるようにするための環境整備が求められ るということ。また、最後に医療提供者、医療従事者のほうでのインフォー ムドコンセント等についての理解を深める、また効果的なコミュニケーショ ン、患者にわかりやすく説明したり、相手の話を聞いたりするようなコミュ ニケーション能力等を身につけることができるような養成・研修といった対 応を検討するべきであるということを記載しております。  6頁は、これらの取組みに加えて、わかりやすい医療情報の提供について の患者のニーズの高まりというのを踏まえて、より提供推進の観点からの、 さまざまなタイミングでの文書による説明の推進など情報提供の推進、また 苦情受付の体制整備ということの推進が必要であるということを記載してお ります。以上が患者・国民の選択の支援についてのまとめ案です。  7頁からは医療安全対策の総合的推進です。これについては3月の第7回 と前回6月の第13回に審議をいただいたところです。前回の会議の際に、医 療安全対策検討会議のワーキンググループの報告を申し上げたところであり ますが、その内容をベースに記載しております。ワーキンググループの報告 自体は前回の資料でも綴ってありますが、その概要だけ参考資料1の46頁以 下に綴ってあり、それをなぞったような形になっておりますが、平成14年4 月にまとめられました医療安全総合対策があり、さらにその考え方を尊重し つつも、9行目ですが、医療の質の向上という観点を一層重視して、施策を 充実していく必要がある。2つ目の○は、患者が医療に積極的に参加してい くことを通して質の向上を図る。具体的には、ということで21行目からが医 療の質と安全その向上の観点からということで(1)〜(5)のようなこと。33行目 からは、医療事故等事例の原因究明・分析に基づく再発防止対策の徹底の観 点からということで、(1)(2)と。この辺りはいまの検討会議で整備されたとこ ろです。  8頁、11行目から「さらに」ということで、患者・国民との情報共有と患 者・国民の主体的な参加促進の観点からということで、(1)(2)(3)と3項目掲げ ております。その上で24行目から、国及び都道府県は安全・安心で良質な医 療の確保に必要な基盤整備と人材の確保、それに必要な財源確保について配 慮することが必要であるということ。27行目からの次の○は、医療安全対策 に係るこれらの具体的な取組みの推進のためには国・都道府県の役割、また 医療従事者の役割といったものを明確化をしていく必要があるということ。 ワーキンググループのほうではもっといろいろ書いてありますが、それらを 整理された、当面進めるべき施策の取組みが必要であるということを、この 部会の中間まとめ案ということで事務局として書いております。最初の部分 は以上です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまの説明、あるいは資料1の関 係部分に関する質問も含めて、自由にご意見を交換していただければと思い ます。細かい文言等もありましょうが、頁と行数を打ってありますから、そ こをおっしゃっていただければと思います。 ○三上委員 3頁の18行目から20行目までの文章ですが、広告事項につい ては云々と、特に問題なのは「逆に言えば、客観的でないか検証不可能なも の以外のものについては極力広告できる」と。これはネガティブリストのこ とを言っていると受け取られますので、この文章は要らないのではないか。 あるいは、「逆に言えば」から「極力」までの部分は要らないのではないか。 残すのであれば、客観的で検証可能なものについては広告できるように措置 することが適当であって、そのためにネガティブリスト方式とポジティブリ スト方式の長所・短所を、それぞれ挙げるということでやっていただきたい と思いますが、いかがでしょうか。 ○堀田委員 4点ほど申し上げたいと思います。うち3点はいまの部分に関 係いたします。1頁、これは基本的な考え方と、これまでの審議経過が一体 に書いてありますので、ちょっとはっきりしない点があります。大切なのは、 今度の改革をするについてその全体を導く理念といいますか、それが最も大 切なことです。それは何かというと、ここにも出ておりますが、患者本位の 医療の確立、患者の視点に立った医療の確立。提供者側の医療体制を患者本 位のものに変えていくという、そこが全体を通じた基本的な考え方であると 思いますので、その点をまず、しっかり改革の理念として打ち出していただ きたい。あとの審議経過は、事務的なことでサッと流していただく。そうす ることによって、今後ペンディングにされている問題の解決についても、患 者本位の体制確立という視点から、それを解決するのだということがはっき りするであろうと思います。それが第1点であります。  第2点は、3頁、医療提供体制を患者本位のものにするという観点から各 項目を見ますと、それぞれ適切な項目が取り上げられているのですが、提供 体制でいちばんの基本は医療提供義務、診療義務であろうと思います。医師 法の第19条でしたか、医師の診療義務、正当な事由がない限りは診療の求め を拒絶してはならないという規定があります。それが医療の公益性を示すい ちばんの基本の規定です。診療義務があって、それをいかにきちんとその診 療義務を果たすか、その土台があって、それから医療機関の選択だとか情報 の提供であるとか、安全であるとか、いろいろ始まるのであろうと思います。 できれば、ここの所に医師の診療義務を、しっかり謳うところから始まるの が、形がいちばんすっきりするのではないかと思います。  医師の診療義務、医師法第19条は非常に形骸化しておりまして、実際の診 療拒否が起こっているのは医師個人ではなく病院である。特に救急時のたら い回し、この辺りが患者にとって提供体制でいちばん問題になるところであ ります。ですから、単に医師の提供義務だけでなく、病院等の機関の提供義 務もしっかり、新しく規定を設けて謳わなければいけないだろう。その規定 を医師法というよりは、むしろ医療法の前のほうの基本的な規定の所に、し っかり置くべきではなかろうか。診療義務をしっかり書く。それから、実質 的にそれが提供できないときのたらい回しが起こらないように、これもネッ トワークとの関連で、いかに診療義務を果たすか、そういう検討も少し進め た上で実質化する。診療義務を実質化するための協議が必要ではなかろうか。 そこがいちばん土台になるのではなかろうか。それが第2点であります。  もう1点は、7頁、医療安全対策について、できればもう1つか2つ○が ほしいという話でありますが、前回も申し上げましたが、安全体制で問題に なるのは一般の医師ではなく、質の悪いといいますか、医師としての義務を ほとんど果たしていない医師が問題になるわけです。しかし、そういう医師 は、いてはいけないわけです、そこのところをどうするかがいちばん問題だ と思うのです。実際に安全対策をいろいろ打ち出してそれを実施に移すとき に、教育にしろ何にしろ医師会の協力を受けないといけない事項がたくさん あります。  それと、なかなか従わない場合は県の指導、保険医の取消し等々の手段を 持ってこの安全対策を進めていくのでしょうが、医師会にも入っていない、 保険医でもない、例えば開業の整形外科医でありますとか、この間も整形外 科のひどい事案がありましたが、その辺りに安全対策をどういうようにして、 ここで言ったものを活かしていくのか、この辺りの指導体制、指導のあり方 について、特にその点に留意しながら安全対策を考えるという視点が1つ必 要ではなかろうかと思います。これが第3点です。 ○松井委員 1頁18行目、「医療は患者と医療提供者との関係が基本である」 と、これは当然のことだと思います。この基本的な考え方の中に書き込むと きに、次にインフォームドコンセントにいくのではなくて、患者側の視点と いうことであるならば、患者が選択できるような情報提供が十分行われて、 そして、次の段階で医師にかかっていくというような、もう少し患者の視点 ということが基本的な視点の所で十分わかるような内容を書き込んでもらえ ればと思っております。  3頁、先ほど三上委員が18〜20行目にかけての所で、「逆に」から「極力」 まで要らないのではないかということを言われていました。この部分は前に 福島委員が言われたことだったと私は記憶しております。ここの意味合いは 「客観的で検証可能なもの」というと、検証できるかどうかということを考 えすぎて、なかなか表示ができないのではないかという意図が入っていたと 思います。ここは今後十分議論するということで、この表現は残しておいて いただければと思っております。  と申しますのは、基本的にはできるだけ共通の指標の下で本来医療機関、 あるいは診療所も含めて比較可能であることが望ましいのですが、そのため の情報は、やはり出来る限り出していって、患者が読めるようなものは教育 をしていただきたいと私どもとしては考えております。  もう1つは、医療機関として提供したいという思いがあるものについては、 やはり阻害されないような方式をとってもらえればと思っております。  次はインターネットの所です。4頁26行目からになりますが、ガイドライ ンを作ることがこの部会でのコンセンサスというような書きぶりになってい ますが、そのガイドラインの中身が今後問題だと思っております。私として は、ここの内容については広報として、今までインターネット上は規制をか けてこなかったということと、仮に規制をかけた場合にどのようなことを、 実効性も含めて考えていかれるのか、十分考慮して対応していただきたいと 思います。あまり効力のないものをやったところで意味がない。もちろん虚 偽のようなものはいけないだろう。もしここで言うのであるならば、情報を 提供していく場合には、情報を提供していった根拠となる考え方とか、その 数値をきちんと明らかにするという最低限のものであるべきだと考えており ます。  5頁23行目、「根拠に基づく医療」、これは部会長代理も、こういうこと を進めるのは大変手間もかかるし、お金もかかると言われていたと思います。 考え方としては、新たに学会等がいろいろな形で作ってくださることも大変 重要だと思っておりますし、レセプト情報などを十分活用し、分析するとか、 既存のリソースをうまく使って、対応し得るものはどんどん対応していって もらえればと思っております。 ○龍井委員 3点申し上げたいと思います。1つは、4頁(2)の1つ目の○の 所で、「かかりつけ医に相談から紹介を含めてサービスを受けられる体制が 基本である」と。基本であるのはそのとおりなのですが、従前から質問して いるように、かかりつけ医の位置づけ、あるいは定義といいますか、ここま で明確にするのであればきちんと位置づけが必要だろう。しかも「基本であ る」ということが実態上、本当に現状でこういうことができているのかとい うことについての問題指摘もありましたので、ここで完結させるのではなく、 後ほど出てくる連携体制の中できちんと位置づけていき、実態を踏まえた対 応をしていくという書きぶりも片方で必要だと思っておりますので、その辺 の工夫をお願いできないかということです。  2点目は、これはどこということではなく情報提供に関わることです。以 前堀田委員から医療法人制度改革に言及されて、いわゆる法人の名前での車 の購入の問題、あるいは交際費、調査費といった形でのお金の使われ方の指 摘がありました。もちろん経営形態の問題であると同時に、我々からすれば、 そうしたことも含めた情報提供がされる、あらゆる情報提供がされる中での 選択と、いうような是非工夫していただきたいと思います。したがって、広 告の中でいうのか、あるいは必要な情報提供というところでいうのか、そこ まで含めた対応を是非お願いしたい。  3点目は、すみません、とりあえずこれで結構です。 ○小山田委員 いまご発言なさったその趣旨は誠にそのとおりなのです。患 者があっての医療でありますけれども、実際にこうあるべきだということは このとおりだし、言われていることはいいのですが、実際に医療の現場でや っている私どもは、この理屈をわかっておってやらないのではないのです。 やれない環境というのがいっぱいあるのです。なぜやらないかということは いま申し上げませんが、いろいろな条件があるのです。  そういう状況の中でも、ここに書かれておることを、本当にやっている所 もいっぱいあるのです。そうした方をよく認め、そして評価をし、もっとも っとやれるような発言はないのです。やらない、駄目だ、法律はこうあるべ きだ。どうかしっかりやっている所を評価し、育てていくようなことを是非 今後、あとのことにも関わりますが、医療担当者は大変おとなしいのですよ。 だけど、その中でもしっかりやっているのが十分おるのだと、それを育てる 仕組みというか、そうしたことを是非持っていただきたい。そうでないと、 ここに書かれていることがわかっておりながらやらないということで大変不 満に思います。 ○小方委員 先ほど三上委員のご発言の3頁、松井委員からもご指摘ありま したように私も患者・国民のために広く、いろいろな、あらゆる情報を提供 するという意味からしますと、18〜20行目までの表現は是非残してもよろし いのかなと思います。ポジティブリストとかネガティブリストということは 後段に書いてありますように、引き続きそのメリット・デメリットをよく考 えて検討していけばいいのかなと思いますので、私も18行目からの表現は、 このままでよろしいのではないかと思います。  もう1点は8頁24〜25行目、「安全・安心で良質な医療の確保」と、これ は大変必要なことでありますし、よりまた、医療面での効率といったものも 重視されるべきかなと。そのような整備をしていく上では財源が当然必要か と思うわけであります。この財源になりますと国の補助金や診療報酬が該当 するのかなと考えるわけであります。安全の確保という観点から考えた場合 には、医療提供といいましょうか、医療機関の方々が医療技術の問題その他 いろいろ課題は多いかと思いますが、マネジメントという面で見れば、まだ まだいろいろ工夫をしていただける余地があるのではないか。  そういう意味からしますと、そういった工夫をする上でのコスト負担とい うものは、当事者であります医療機関のほうでもお考えいただくようなこと が、この行間から読み取れるような表現をされていただいたらいかがかと思 いますので、申し上げたいと思います。 ○三上委員 広告可能な事例についての反論がありますのでもう一度反論さ せていただきます。これは○の下の21行目以降にポジティブリストとネガテ ィブリストのことが並論されているわけです。問題は患者・国民の選択を支 援する観点から広く広告できるようにということでネガティブリストの話が 出てきた。広告については、もう1つはネガティブリスト方式についての問 題点として指摘されている利用者保護、あるいは、ここにはもう1つ○の 「安全確保」ということも入れていただきたいのですが、利用者保護あるい は安全確保の観点からどういうものが要るかということで議論になった。で すから、それぞれを書くのであれば、18〜20行目のものを残すのであれば、 一方で「利用者保護あるいは安全確保のために検証可能な事例についてのみ 広告を許すべきである」というようなことも書かないと。その下の21行目以 後の所には並論されているわけですが、18行目にネガティブリストのことだ けを付けるのはどうかなと思って、これを取っていただきたいと申し上げた わけであります。 ○山本(信)委員 3頁の問題ですが、今回の議論の全体からしますと、い わゆる患者の選択に資するような情報を提供しつつ、患者が理解しやすい医 療提供体制をつくろうということになります。3頁の冒頭の部分で言えば、 医療機関等からの積極的な情報提供を進めて患者の選択の支援をするという 論点になると思うのです。そうしますと、18〜20行目の所もそうであります が、検証可能な情報については積極的に情報提供すべしという観点からすれ ば、真ん中にあります、10行目辺りからの「その施設の医療機能に係る正確 な一定の情報を、積極的に提供する仕組みに改めるべき」と、この点につい ては私も大賛成でありまして、是非そういう仕組みを作っていただきたいと 思います。  その際、15行目からになりますが、そのことについて今後どういう一定の 枠組みを決めるかということについて議論を進めるべきだということになり ますと、例えば薬局の場合で言えば、ここは医療機関等からの積極的な情報 提供で具体的な医療機関の話になっておりますが、現実には在宅であったり 休日であったりと、まさに検証可能な形で薬局が医療の中に参画をしている と私も理解をしておりますので、この一定の情報の範囲の検討の中には、今 後そうした薬局といったようなものも含まれて、医療提供施設と言ったらよ ろしいのか、そういう形で検討されるのかお伺いをしたいのです。 ○辻本委員 8頁です。「さらに」から、患者・国民との情報共有と患者・ 国民の主体的な参加促進の観点から3つ提言があります。3番目の医療安全 支援センターについて何をすべきかと。今後の方向性ですが、3つの中では 何をすべきかということが具体的に位置づけられているのですが、(1)におい て「国及び地方公共団体による啓発・普及活動と、医療機関等によるわかり やすい説明や広報等を推進する」、これがあまりにも漠然としすぎています。 これまでもこうした文言というのはいろいろな報告書で出ていることなので すが、実は、ここが一向に具体的になっていないのが現実です。情報を共有 するということは、決して言うほど簡単なことではない、非常に難しいこと であります。まして患者・国民が主体的な医療参加、これは成熟・自立とい うことをもって主体的に医療参加するという理想があるわけです。それにつ いて、もう少し国や地方公共団体がどういうことをしようとしているのか、 その辺りを膨らませていくべきではないかと考えております。  おそらく、そこには大変な予算措置ということも必要になってくる活動に つながると思いますので、ここがあまりにサラッと書いてあることに少し不 満を覚えました。 ○見城委員 4頁のインターネットの所です。ここに書かれているように(3) の「インターネットを含む広報による情報提供」という所では、○が2つあ り、よくまとめられてはいるのですが、私どもインターネットを開く度に、 私的な部分というものが大変公の部分のような書かれ方というのでしょうか、 非常にミックスされている。疲れているときは見ないほうがいいような、W eb上の問題があるのです。ここは「早急に」というところを入れていただ いたほうがいい。  最初の○の所で一定の規制を行うことのできる枠組みを設けることを検討 すべきであるというのですが、今日でも検討してもらわないと、若い世代は どうしても、何か言うと、とりあえずインターネットを開くということで信 頼しているのです。基本的に信頼から始まっているというところが問題です。 ここにお集まりの方はそうではないと思うのですが、大多数利用する若者に 聞きますと、見ればわかるという状況でアクセスしていくという現状があり ます。ですから、これは早急にということで。いろいろなものが急を要して いることはわかるのですが、ことインターネットに関しては、そういう言葉 を入れていただき、できるだけここは早くやっていただきたい。  今日は日経新聞の渡辺さんもいますので確認をしたいのです。新聞等の場 合は、医学対談の形で頁を組んだとき、それに広告が入る場合、広告頁とい うのでしょうか、上にきちんとそれを載せますと、読んでいる方が純粋な医 療情報だと思ってすべてを読んでしまうと、最後にある製薬会社のものが出 たりしますと、内科なら内科の医師がお話になっていることがすべて薬なら 薬に集約されていくので、そのような間違いがないように「広告頁」と新聞 の場合は出しますが、そういうことが大事だと思うのです。医療情報として は十分に対談の頁等はなっていますし間違いのないことなのですが、そこに 広告がある部分微妙に含まれていくのです。それをできるだけインターネッ ト上で、簡単に言うと「広報」という、「これは医療広報です」と必ず入れ てしまうか。そういうことであったら、ある規制のところで間違った情報が あれば規制がしやすいというか、違反であるということが言いやすいような。 それを早急に、具体的にやっていただけたらと思います。  インターネットを開くとわかりますように、大変小さな所にコマーシャル と情報とが入り組んで入っている。それだけでもややこしいのに、人の命に 関わる、間違った情報をつかんでしまったら命に関わるということを考えま すと、ここは早急に、なおかつ、インターネット上整理して見やすくできる ような法的整備、堅く言いますと、それが必要ということを是非書いていた だきたいと思います。 ○佐伯委員 1頁の所にいきなり「我が国の医療提供体制は」ということで 始まるわけなのですが、こういうものを出すときに、医療とは我が国ではこ うこうこういうように定義付けるとか、大きなところから入っていくほうが いいのではないかという気がします。もっと謳ったらいいのではないかと思 うのは、医療は社会の大事なインフラといいましょうか、国民全体の財産で あると。であるからして、医療提供側だけが考えるのではなく、それを受け る立場になったときの患者であったり、あるいは健康なときからの国民すべ てが関心を持ち、それぞれの分に応じた責任も果たすべきことであるとか、 関心を高く持っておくべきであるということを最初のほうに謳っておけば、 ある程度医療のネットワーク作りであるとか、そこをどこでのかかりつけ医 のポジションですとか、あるいは患者が具体的にどのように参加していくか、 ということも謳いやすくなっていくのかなという気がいたします。  特に書いておきたいのは、先ほど辻本委員から指摘のありました患者の参 加、8頁の真ん中の11行目辺りですが、ここでは「患者・国民と」とあるの ですが、見ていると患者になったときにはこうなるということで、健康なと きにどう参加するかとか、そこのところももう少し具体的にあっていいので はないかと思います。 ○箱崎委員 コストの部分で意見を申し上げたいと思います。先ほど8頁に あります「財源確保について配慮することが必要である」という部分で、こ れは医療機関の中で、マネジメントの中で処理といいますか、そういう方向 で検討すべきだというご意見があったと思います。今回、無床診療所あるい は歯科診療所のように、いわゆる零細といいますか小さな医療機関も対象に なってまいりますので、その小さなといいますか、患者数の少ない医療機関 が、コストの部分で医療安全やら感染予防についての対応を対処するという ことになれば、やはりそれなりの費用等がかかってまいりますので、それを すべてマネジメントの中で吸収しろということは無理もあると思います。で きるところもあるかもしれませんが、できないところも出てくるだろう。  そうであれば、先ほど小山田委員の発言の中にありましたように、こうい った時代の流れですから、やりたくてもやれないという部分も出てくるだろ うと思います。ですから、8頁の記述の部分は、ここに書いている部分の解 釈で是非推し進めていただきたいと思います。 ○龍井委員 先ほど3点目で言い忘れた点は2人の委員から提起のあった8 頁目の「参加促進」の問題です。ここで安全体制の中の視点の問題として(1) (2)は語られているのですが、これはもっと総論に類することであろうと思い ます。後ほど出てまいります「連携体制の中で協議の場」という言葉が出て くるのですが、例えば計画段階での参加の問題も含めてもっと格付けを上げ ていただいて、全体の項に共通するような強調点を、是非参加促進について お願いしたいと思っております。 ○山本(文)委員 この広告はどこまでやればいいのかというのがはっきり しないと。実例でお話をしますと、昨日私の所へある人が夜来られて「主人 がリハビリをやりたい、リハビリのできるような病院を紹介してくれ」とい う話があったのです。そんなこと私は知るわけがないのですが、なぜそう言 って来たかと言いますと、その主人は昔の私の部下でして、当然あなたが知 らすべきではないかという考えで来たのだろうと思うのです。  その家族は、なぜそういうことを言って来たかと言いますと、リハビリを しなければならない症状であるとか何とか、そういうことは考えなしに、リ ハビリをすることによって社会復帰が早くなるという単純な考え方なのです。 これがいまの広告事項に該当すると思うのです。ところが本人の症状は意識 が半分しか、かえっていないし食事もとれないような症状です。ですから、 リハビリをやるだけの、言うならば体力などはないわけです。それもリハビ リをすれば、あるいはリハビリをしなければならないという概念だけが知識 として家族にあるわけですから、そういうふうに言って来たのだろうと思う のです。そこら辺りを考えていきますと、この広告というのは、一体どこが 中心になって広告することがいちばん効果があるのかと思いました。  ここに書かれてありますように、国や都道府県が、広告の中心になってい くようなことにするとするならば、少し無理ではないかなという感じもしま す。やはりこれは医療機関が適切な広告をすることによって患者や国民の皆 さんたちに十分周知ができるのではないかと思います。国や地方公共団体、 この地方公共団体は都道府県を指すのだろうと思いますが、その辺りをもっ と明確に、広告をしなければならない義務のある人、あるいは、それを支援 する人、そうしたところなどを考えて文章を、誤りのないように書くべきで はないかと思いますので、その辺りの配慮をしていただくようにお願いした いと思います。  あと、大病院での広告と無床・有床診療所等の広告というのは自ずから違 うと思います。広告によって国民や患者が医療機関を選択することになり得 ると思うのです。その場合に、広告のためにある弊害が出たりすることのな いように十分配慮しておく必要があると思います。この文章を読みますと、 もうこれ以上書けないほど書いてあると思いますが、しかし、文章そのもの が満遍的に書いてあるものですから、一体中心はどこなのかというところが、 見だし得ないような感じがしますので、そういう組み立てを決めたほうがい いのではないかと思いますのでそういう点をご配慮いただきますようお願い しておきたいと思います。 ○部会長 事務局からまとめていただけますか。 ○総務課長 先ほど山本委員から事務局に対してご質問がありましたのでお 答え申し上げます。3頁15行目の一定の情報の範囲の問題ですが、事務局と して現段階では、ここでいう情報というものは客観的で検証可能なものとい うことが基本ではないかと考えています。例えば、広告可能な情報というも のの中から意味のある情報を選んでいくことが基本ではないかと考えており ます。いずれにしても中間まとめで、この対応について委員の先生方のご了 解をいただければ、夏以降、少し具体的にどういう情報を届け出てもらうの かをご相談させていただきたいと思いますので、その際に、山本委員からの ご意見等も踏まえて検討していきたいと思いますので、よろしくお願い致し ます。 ○部会長 予定の時間を少し過ぎましたが、この辺で打ち切りたいと思いま すが、最後に一言、言わせていただきたいと思います。1頁18行目「医療は 患者と医療提供者との関係が基本である」とありますが、ただ関係というと いろいろな関係がありますので、これは信頼関係でないかと思いますので、 「信頼」という言葉を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 いまいろいろなご意見をいただきましたが、いつものように事務局でこれを 整理して、適宜必要な修正を加えていただくということでお願いしたいと思 います。  次に資料1の3、医療計画制度の見直し等による地域の医療機能の分化・ 連携の推進。そして4から5の在宅医療の推進についてです。これを3時20 分ぐらいまでにお願いしますので、説明をお願いいたします。 ○企画官 9〜16頁までを外郭的に説明します。9頁、3は医療計画制度の 見直し等です。(1)医療計画制度の見直しについては専門の検討会で審議 しつつ、3月の第5回や6月の第12回、また、ほかの議題の際にもさまざま な論点、医療計画に関係しているところでありますが、9頁1つ目の○は、 現在の医療計画制度は量的な面での役割を果たしてきているが、質の高い提 供体制の構築という点での評価はなかなか十分ではないということで、2つ 目の○に記載されているような、11〜17行目までずっと書いてありますが、 そういったような医療計画にしていこう、と見直しすべきであると。  具体的にはということで19行目からの○で、・・と2つのポツありますが、 主要な事業における医療連携体制を構築して医療計画に位置づけると。そし て、住民の視点に立ったわかりやすい指標による数値目標を導入して評価可 能な計画にしていくというような計画にする。そうすることによって地域と 医療機能の適切な分化・連携を進めて急性期から回復期、慢性期在宅療養の 中で切れ目のない療療する。そして患者が早く自宅へ戻れるようにするとい うことです。もちろん入院・治療が必要な人を早く出すということではなく て、必要な医療を受けつつトータルな治療期間が短くなるような仕組みを作 っていくということで、それを補助金と政策手段を有効に活用しながら都道 府県が自主性、裁量性の責任を持って取り組んでいけるような、より良い政 策手段たる医療計画になるように保健や介護とも連携を図っていくという必 要がある。この関係では10頁5行目ですが、補助金改革というのもやってい くということです。  先ほど2つのポツで「医療連携体制と指標」ということを申しましたが、 医療連携体制については、9行目からの○ですが、医療情報が患者と医療提 供者の間で共有とされることで患者が医療への参加意識を持ちやすくする。 また、病院等の自主的な機能分担と連携の推進で、地域完結型医療への変化 を促進しようということです。それを具体的に作るに当たっては、住民、診 療者、保健事業者、市町村等々関係する人たちが協議することで、それぞれ の地域にふさわしい形をつくっていく。その際は「調整する組織」の役割が 重要であると。ただ、その地域だけですべて解決するわけではありませんの で、都道府県レベルなりでの高度な医療機能のある病院というのも、支える 観点では重要であるということを書いております。  23行目からの○は、ポツの指標のほうですけれども、指標のほうは予防あ るいは治療の場面、リハビリテーションとの場面といった経過等に対応した ものでの指標を定める。また現状はどうかということと、将来どうあるべき かということが出てくるような指標になるようなものが必要である。これら に限らず医療計画の見直し検討会で、これはまだ中間まとめには至っており ませんが、そういったのがまとめられましたら、そういった方向性での取組 みが必要である。  「なお書き」からは、いわゆる病床規制、基準病床数制度については、現 時点では、引き続き存続ということではないかということです。また、11頁 1行目は、医療計画の記載事項についても引き続き検討していく必要がある ということを記載しています。11頁4行目からの○は、医療計画に限った話 ではありませんが、提供体制の中での薬局の役割、位置づけというものの明 確化を検討する必要があるということを書いております。  (2)は地域医療支援病院や特定機能病院制度といった医療法にある病院 類型の話です。地域医療支援病院については、4月の第8回のときに議論が ありましたが、地域の実情に応じた地域医療の支援を担い、地域連携を実施 している医療機関が承認を得られるような要件のあり方についての検討が要 るだろうと。その際、医療計画制度の見直しとの関係も含めて検討する必要 がある。特定機能病院については6月の第12回で議論いただきましたが、そ の名称、その要件等を含めてそのあり方について検討が必要である。それと、 地域の医療連携体制との関係も留意する必要があるということを書いており ます。  (3)は医療施設の人員、構造に関する基準や規制等のあり方です。これ は4月の第9回と前回6月の第13回で議論をお願いしました。まず人員配置 状況については、医療機関からその情報が正確に出ているということであれ ば、その人員配置標準ということの廃止とか緩和といったことも考えられる が、現状ではそうはなっていないので、直ちには難しいけれども、12頁です が、医療の安全や質の確保を担保できる別の方策としての組み合わせと併せ て人員配置標準の見直しについて可能かどうかの検討が必要であるというこ とを書いております。  4行目からの○は、医療の質の向上や医療安全、あるいは医療の高度化等 に対応する観点からの病院薬剤師や看護職員の配置標準の点、あるいは病院 の外来患者数に基づく医師数の規定についても引き続き検討と。あと、地域 性の配慮の関係で9行目からのもので、人員配置標準は全国一律で国が定め ておりますが、その地域の実情に応じてそれぞれの方法で医療確保が図られ ているという実情がありますので、都道府県知事がその医療計画等において 医療提供の体制が確保できると判断できる場合には、一定の圏域というのを 指定をした上で、その圏域内の医療機関については、都道府県で全国一律の ものより医療機関で設定する数を上回っていれば標準を欠くに当たらないと いうような仕組みを作ることについて検討すべきだということを書いており ます。  17行目からの○は、前回改正の経過措置の取扱いについて早急に結論を得 るということです。24行目からの○は有床診療所についてです。これも4月 の第8回や前回で議論をし、前回の方向性の整理案に書いてあるものと同様 の文章を記載しております。12頁のいちばん下の行からは医療施設の一部の 共同利用についての話です。これについても同じく前回も議論いただきまし た。基本的にこういったことは、高額な医療機器ですが検査室などを共同利 用してということに進めていくということなのですが、3行目から「その際」 と書いてありますが、受付、待合室といった直接診療に影響しない部分につ いての共同利用ということについては、前回それぞれの診療でそれぞれの医 療機関の窓口や待合室を利用することを兼ねるのが望ましいのではないか、 というご意見もあったところで、いくつかの診療所が1つのビルの中である という話でなくて、待合室や受付まで1つになっているというのまでは、ち ょっと別な整理を考えるべきではないかということを書いております。  あと、有床診療所同士の共同利用については別な検討が要るだろう。検体 検査については、今後医療機能の分化連携していく中で、精度管理の実施と いうのが必要だということを記載しております。14頁からは母子医療、へき 地医療、救急医療等提供体制の整備です。(1)は母子医療等の医療の確保 です。これは3月第7回に検討いただきましたが、周産期医療についてのネ ットワーク、役割分担連携ということの推進、また小児医療についても、あ る種の医療連携体制、医療計画の中で事業ごとの連携体制をといった取組み でやっていくという話を書いております。20行目からのへき地医療について は、現在へき地保健医療対策検討会というところ、これもまだ調整中でまだ まとまっておりませんが、こういった中で医療の確保あるいは医師の確保、 また救急の確保といったことについての対応を検討しているところです。そ ういったものを合わせて考えていく必要がある。特に医師の確保の部分につ いては、14頁の下の○にありますが、へき地・離島で医療を提供することへ のインセンティブを与える方策について、国による制度的な対応についての 検討が必要であり、関係機関における幅広い検討が求められるということを 書いています。  15頁では救急医療の医療連携体制の話、災害医療についての体制の話を記 載しています。23行目からの(2)は、いまの部分でへき地の話、また小児、 産科、救急の話もしましたけれども、地域別、あるいは診療科別の医師確保 対策ということで、医師の地域偏在の解消に関しての取組み、また産科・小 児科・救急医療などの診療科部門による偏在の解消についての取組みについ ては、別冊資料の18頁から「医師の需給に関する検討会」の資料、3頁から のへき地の検討会の資料を付けています。そういった中で検討を進めていま して、先ほど14頁の下に記載していたような対策が求められるということを 書いております。  最後に、16頁は「在宅医療の推進」ということで、5月の第10回、第11 回の議論の内容から、在宅医療を進めていく必要があるということです。2 つ目の○のところで、無理にするということではなくて、望む場合の選択肢 となり得るということが重要だということを記載しています。さまざまな対 策に取り組むことが在宅医療についても有益だというのが11行目からで、15 行目からは多職種協働といったことを記載しています。22行目からは在宅で の終末期についての関係者の連携の話、26行目からは在宅医療だけの話では もちろんありませんが、終末期の医療のあり方についてを記載しています。 以上です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまのご説明、資料1の9頁から 16頁までに、関係する部分への質問等も含めて、自由にお願いいたします。 ○土屋委員 医療計画制度の見直しの検討会で、先ほど「目下検討中である」 というお話がありました。これに関連して、先ほどの資料でもお示しいただ いているように関係する検討会が8つぐらいあるということです。過日、叩 き台として出されたものの中から、こういう格好で一部を引っ張ってきてあ るわけです。まだ、向こうの検討会で最終的に合意が得られたわけではあり ませんので、こういうところにこれを引いてくる場合はあまり修飾しないで、 加工しないでこういうところに出したほうがいいのではないかと思います。 もちろん、部会と検討会、言うなれば厚生労働大臣と局長の差なのかどうか 知りませんが、どうせならば最終的にはそのまま必要なところを全部という わけにいかないのでしょうから、肝心なところだけこういう格好で抜き出し てきたものをここで検討して、手直しするなら手直しする。そうでないと、 折角の検討会で、何回も重ねてやってきた意味が薄れるのではないかという ことをまず申し上げておきます。  その一例ですけれども、「患者の生活の質を高め、また、必要な医療を受 けつつ」となっています。検討会のほうでは、「必要かつ十分な医療」とい うことになっていたはずです。ですから、あまりこういうところで手直しを しないほうがいいのではないでしょうか。あえて、私がこれにこだわる理由 を申し上げます。必要かつ十分な医療を受けたのちに、無駄な入院はもちろ ん必要なく、効率的な運用をしなければならないことは言うまでもありませ んが、ここで数値目標というものが出されてきますと、例えば平均在院日数 の短縮という数値目標を達成するためには無理な退院を強いられる可能性も あるわけです。しかも、ここに書いてあることは「補助金制度の改革等を通 じて、都道府県による計画達成を的確に支援することが必要である」と。そ うすると、補助金制度の交付の仕方に数値目標の達成度によってそういうも のを配分するなどということになると、いままで一生懸命やってきたのだけ れども、まだ補助金をいただける域まで目標を達することができないという ところは確実に減額をどんどんされていくわけです。減額されたらますます 達成目標から遠ざかってしまう。ですから、ここの書き方も「患者に対する 適切な医療を確保するために、補助金制度が地方自治体や医療機関に対して 無理な退院等を強制する手段とならないよう、十分な配慮が必要である。ま た、早期の改善が見込まれない指標についても、補助金の減額などが行われ ないよう配慮すべきである」というような意味の文言をここに入れておいて いただかないと、前段の「必要かつ十分な」、例えばいま在院日数にこだわ って言っていますけれども、そういうものとこれを絡ませてしまうと、私ど もの立場から考えるとどうも市町村にとっても大変な地域格差が出来てしま うのではないか。折角、ここで医療提供体制を全国同じような形で、良い格 好にもう一度していこうというものが逆の結果を生ずることのないようにと いうことを懸念して、そのようなことを申し上げる次第です。以上です。 ○杉町委員 11頁目の11行から14行まで、「地域医療支援病院」について発 言いたします。地域医療支援病院というのはかかりつけ医を支援したり、医 療従事者の教育を通じ、医療の質の向上に大変に役に立っていると思います。 先ほど、堀田委員からもあったようにたらい回しを防ぐ、あるいは場合によ っては地域で医療を完結するため、ネットワークを作るために大変有効だと 思っています。たしか平成10年に第1号の病院ができたと思いますが、まだ わずかに80ぐらいの病院しか認められていないだろうと思います。  これをもっともっと充実するということで、11行から14行の文章の検討が 引続き必要であるというのではなくて、もうちょっと前向きな言葉、例えば 「充実が必要である」「数を増すことが必要である」とか、何か前向きな言 葉が少し入ればありがたいと思います。  余談になるかもしれませんが、福岡の場合は人口が約140万なのですが、 医師会の会長が医療支援病院は1つしか認めないということをおっしゃって います。絶対に2つ目、3つ目は承認の条件をクリアしても認めない。非常 に地域医療支援病院が機能していないというか、問題があるように思います。 総務課長にお伺いしたらいいのでしょうか、何か1つとか、かなり制限する ということを厚生労働省としてご指導になったのでしょうか。 ○総務課長 従前の部会でも申し上げましたが、制度当初の考え方、思いと しては二次医療圏に1カ所程度整備できればいいのではないかということだ ったようです。具体的に、どういう地域に何カ所あるべきだということを明 示的には申し上げていなかったと思います。地域の中で県が判断をしていた だいて、適切に配置をしていただくことが基本だろうと思っています。 ○杉町委員 二次医療圏に1つというと、例えば170〜180万ぐらいのところ に1カ所というのはやはり足りないというか、もう少しあってもいいように 思います。もう少しあると何か弊害がありますか。 ○総務課長 事務局として、11頁の11行目から書かせていただいた趣旨は、 地域医療支援病院についてはいろいろなご意見がこの部会でも出ておりまし たが、まだ、具体的に意見集約するまで煮詰まっていないのではないかとい う思いが1つありました。もう1つ、医療計画の見直しを一方で議論してい ますので、そちらの議論の進展によっては地域医療支援病院のあり方や役割、 性格に影響してくるのではないか。中間まとめの段階では継続検討というか、 年末の最終意見に向けて、医療計画制度の見直しの議論も踏まえながら、さ らにご議論をお願いしたいという思いで書いています。 ○杉町委員 折角良い制度をお作りになったのだから、もう少し充実される と、ここを中心にしてネットワークなどいろいろなことができるのではない かという感じがします。 ○総務課長 あまり事務局ばかりが発言してもいけないのですが、地域医療 支援病院の発足当時の議論としてはまさに紹介率を主たる要件、あるいは救 急などほかにも要件がありますが、他の医療機関からの紹介に非常に重きを 置いて、そうした役割を地域医療支援病院に求めていたという経緯がありま す。  一方、地域医療支援病院というのは地域の中核的な医療機関というか、言 い方が適切でないかもしれませんが、もうちょっと違った意味で捉えている 方もいらっしゃると思います。そういう意味では、そもそも地域医療支援病 院の役割定義をどう考えるかで、多分また要件が変わってくるのだろう。そ ういう意味で、私どもはいま医療計画の見直しということで、地域の中での 医療連携を新たに提案し、ご議論いただいていますので、その議論の関係の 中で改めて地域医療支援病院の役割、あり方というものを是非ご議論いただ きたいと思っています。 ○小山田委員 ただいま出たような個々の問題ももちろんそうですが、私が 申し上げたいのは今日出ているような、特に3、その中でも4つの項目があ ります。すべての部会での答申がこうあるべきだ、これが必要だということ になっています。しかし、実際にいままでもいろいろな計画が出ていますけ れども、どの程度達成するかというのは非常に疑問なのです。それはそれな りに理由があるのでしょう。  特に、4などについては現実にできないのです。それなのに、「こうやる べきだ」「必要だ」というようなことで終わるのではなくて、各部会にそれ では、これが到達しているかどうかをどの段階で、誰が評価をし、それが到 達できなかったときには、到達できなかった場合の責任者は誰なのか。また 到達したところでは、どのようなご褒美ではないですが、どのようなことを するのかということを含めてやらないとならないだろう。そうしたことをや ると自ずと、何でも理想的なものをやりなさい、可能だ、やるべきだという ことになってきます。  是非、これから、この会もそうですけれども、出来ないことを書いてはい けない。出来るとしたら誰がいつ、どこで、それをやっているかどうかを評 価するのか。出来ないところは、どのようなことで努力目標にやる責任はど こにあるのかを明確にしないと、これまでの部会の答申案と全く同じになっ てしまう。各論もいいのですが、そうした道筋を是非はっきりとやるように、 この部会からも各部会に是非お願いしてほしいと思います。 ○尾形委員 11頁、いまお話がありました地域医療支援病院についてですが、 基本的には杉町委員のご意見をサポートしたいと思います。地域医療支援病 院が導入されたとき、たしか総合病院を廃止して、新たにこういう制度が作 られたと思います。そのときは少なくとも、二次医療圏に1つはという議論 だったと思います。決して、二次医療圏に1つでなければならないというこ とではないのではないかと理解しています。その意味では、やはりもう少し 前向きの表現に理解したほうがいいのではないかと思っています。それが1 つです。  もう1点、11頁、地域医療支援病院、あるいは特定機能病院のあり方とい うことで、言ってみればここ全体が地域の医療機能の分化連携の推進という 中での位置づけになっています。  一方で、それに対応する診療所を中心としたかかりつけ医の役割について の言及が落ちているように思います。先ほどから出ています、患者や国民の 選択を支援するという観点から考えても、やはり患者の病状、あるいは必要 に応じて適切な医療機関、あるいは病院等を紹介できるような、しっかりし たかかりつけ医の存在というのは非常に重要だと思います。  その辺、どこに位置づけるかは別にして、位置づけが必要なのではないか と思います。地域医療支援病院、あるいは特定機能病院のあり方だけから論 ずるというのは少し片手落ちかなという気がします。以上です。 ○堀田委員 1点質問します。9頁の下のほうから10頁にかけて、医療制度 の連携が書いてあります。医療と福祉、あるいは関係ボランティア、家族等 の連携ということも謳っていただきたいということを申し上げます。  釈迦に説法ですが、在宅医療を進める、特に内科系の疾患は食事療法、運 動のあり方が当然治療に関係いたします。褥瘡の防止、筋肉の衰えの防止な ど、非常に重要な役割があります。それを本人、患者を取り巻く、いろいろ な人たちが同じ目的で協力し合ってネットワークを組んでやっていかなけれ ばいけない。ですから、事は医療の連携だけではなくて、医療と福祉、福祉 関係者等の連携を新しい○で1つ起こしてほしいと思います。政府与党協議 の医療計画のところには、社会福祉法人等々との連絡、NPO等との連絡も 謳っておられます。その部分が落ちてしまっているのではないか。9頁の下 のほう、32行目に自宅に帰した場合の生活のQOLを高めるということが書 いてあります。これは大変大切なことですが、もっと積極的な医療の面から の連携が要るのではないか。  10頁の2行目、3行目に「地域保健・健康増進施策や介護施策との連携を 図る」とあります。これは計画を立てる際の施策の連携でして、それはそれ で大変結構なことです。ただ個々の患者、特に在宅患者について、本人を中 心としたもっと広いネットワークが要るのではなかろうかということが書い てあります。  13行目から15行目あたりに具体的な人が挙がっています。診療従事者、病 院関係者等、地域医療に関与する者ということであって、もう1つはっきり 幅広い福祉、もっと広い、本人の生活を支える当事者の名前が挙がっていな い。その辺をしっかり書いてほしいというのが私の意見です。 ○見城委員 2点ほど発言します。1点は先ほど言い足りなかった部分です。 4頁の「インターネット」なのですが、どうしても重要だと思います。4頁 目の(3)に「インターネットを含む」という表現があります。  いま、メディアの置かれている状況というのはインターネットに含まれて しまうのです。そのぐらい、放送メディアも危機感を持っています。インタ ーネットを含んでいくのではなくて、すべてがWeb上に集約されていくこ とがいま問題なのです。従来の放送メディアも全部パソコンで見られる時代 が来ますので、受け手側にとってWeb上にすべてが集約されてくるので、 従来総務省の指導の下にある、例えば放送事業もまさにインターネットで出 してくる個人の情報もWeb上でミックスされる、メディアミックスがそこ で起きる。しかも、それがいま携帯電話の端末まで来ようとしている。  「インターネットを含む」というのは大変悠長な言い方で、インターネッ トに含まれてしまうのです。のみ込まれていく現状が来ているときに、人の 生命にかかわる情報というものをここで出来る規制はしっかり規制をしてい く。是非、そういう意気込みで行っていただきたいのです。例えば文字で入 れるならば、「新聞、テレビ等、従来のメディアがWeb上にインターネッ トとともに集約される時代」とか、そういうものを入れてきちんとした危機 感をここに置いてください。そうでないと、単純にパソコン上で好きな人が 好きにホームページを開いていくという感覚で臨んだら、本当に医療情報が 間違った方向へ行ってしまう。ある思惑を持って情報を流されたら本当に生 命にかかわる。  それから、例えば、医師がチャットなどで出てくるように、あそこは大変 悪口等を平気で書かれます。委員などの名前などを載せて、中傷をいかにも 1つの情報のように言ってしまう。中傷する言葉を1度載せられたら、どう やってそれを回復したらいいのか。これは病院や個人的開業医の方々の信頼 にまで響く。規制がどう設けられるかというのは重要な点ですので、どうし ても力説させていただきました。  もう1点は14頁の4、母子医療、へき地医療、救急医療等提供体制の整備 です。この点、私は医療の専門家ではないので、もし間違っていたら申し訳 ありません。母子医療もへき地医療も、並んで1つにまとめて括られること かという大変疑問があります。少子化で母子医療は重要で、なり手がないと かいろいろな現状があるときに、こういった母子医療、へき地医療と昔の女 子供的に、マイナーの部分のイメージがしてしまいます。これは最初の、医 療でしたら、子供が産まれるというのは全く原点です。大事なところですの で、母子医療はやはり独立して書いていただくというのはいかがでしょうか。 軽んじられているとは言えませんが、見た目では非常に悲しいものを感じま すし、これではちょっと不安です。間違っていたら申し訳ないのですが、共 通項があるので「こうだ」と言われたらそれまでですが、医療のまず最初の、 生命が産まれるというところですから、これは1つご検討いただけたらと思 います。 ○部会長 いまのご発言、個人的には私の立場では大変ありがたい。是非、 そのようにお願いしたいと思います。 ○龍井委員 ネットワークづくりの中の「患者・住民の参加の問題」、「か かりつけ医問題」は先ほど触れましたので省略をします。  2点お聞きします。10頁の「連携体制づくり」、ここで自主的な機能分担 と連携の推進によって体制構築が必要である。先ほどのご指摘にもありまし たように、必要であることがどれだけ条件整備として今後具体化されていく か、ということは是非念頭に入れて考えていただきたい。つまり、モデル事 業の設置とかいろいろな手があると思います。一歩でも具体的な施策に結び つくような書きぶりにしていただきたいというのが1点目です。  機能を中心にして見直していくというのは非常に重要な、全体にかかわっ てくる定規です。12頁、有床診療所の問題もその中で考えていくという指摘 があるわけです。もっと基本的に、病院と診療所を分けている20床という基 準が本当に妥当なのかどうなのか。そうなれば、構造設置基準や人員配置基 準も機能ということに即して考えることもあり得る。それから、現状の診療 所の設置規制がないということが果たしてこういう新しい見直しの中で現状 でいいのかどうか。少し中期的な問題かもしれませんけれども、大きな方向 づけの問題の中でそうした問題の指摘も是非記載していただければと思いま す。 ○辻本委員 10頁、3つ目の○、「医療計画」というところなのですが、4 行目にある「現状の評価にとどまらず」ということが何を言わんとしている のかがよくわかりません。必要がないのではないかと思います。それから、 ここに「質の高い効率的な保健医療」とあるのですが、是非とも質の高い効 率的かつ「公正」ないしは「適正」という言葉を入れていただきたいと思っ ています。なぜかというと、最近、医療法人グループなどがそれこそすべて のサービスを提供するということで巨大化しています。そういうところの場 合に、よく自分のグループが提供できるサービスだけを説明するような、偏 った選択肢の説明がときどき私どもの耳にも届いてまいります。そのために は公正かつ適正ということのために、最後の行になってくるのですが、「資 するようなもの」という漠然とした書き方をしないで、「連携」ないしは 「チーム医療」というような、ここも具体的なものを書いていただきたいと 思います。  例えば先ほど、山本委員からお話もあったようなお知り合いの方のご相談 の例に見るように、パワーリハの計画についてはドクターが関与していない のです。ケア・マネージャーがそうした計画を立てている。例えば、膝の悪 い人にケア・マネージャーがパワーリハを推進したときに、むしろ医療的に 悪化してしまうという場面がこれからもあるのではないか。そのような不安 を抱える中で、公正、適正という質の担保ということを是非とも組み込んで いただきたい。  それについては、16頁の3つ目の○でどういう体制であるべきかが提案さ れているので、これで良しとすればそれまでかもしれませんが、是非とも公 正、適正ということを患者の立場として望みたいと思います。以上です。 ○山本(信)委員 まだ、なお別の部会で検討中の議論ですので、少し先走 った議論になるかもしれません。11頁の4行目から、医療提供体制の中での 医薬品や医療機器の提供のあり方についての重要性が論じられたことについ ては、実際にそれにかかわる者として大変ありがたいと思っています。ただ、 実際に14頁以降の個々の議論、それぞれの整備体制の場面では一体薬剤師な り薬局なり、医薬品にかかわる部分がこうした役回りを示せという具体的な 事例が示されています。6行目以下の「医療提供体制の中での薬局の役割、 位置付けの明確化を検討する必要がある」。これはもちろん大変ありがたい ことですが、出来ればもう一歩踏み込んで、医療提供施設の1つとして薬局 をどう位置づけるか、検討をお願いできないかと思いますので、よろしくお 願いいたします。 ○松井委員 9頁の「医療計画」のところですが、これまで主要な疾病と事 業、大きく2つ書いてあったような気がします。さらには、「ネットワーク」 が「医療連携体制」という言葉になっています。中身はあまり変わらないと いう理解でよろしいのかどうか。そういう方向で、いままで考えてきたこと とあまり変わらずにやっていただきたいというのがお願いです。  9頁の25行目のところにありますけれども、先ほど小山田委員からお話が ありましたように、いろいろやれと言っても結果的にできないではないか。 誰が責任を負うのかということは大変重要な指摘だと思います。仮にこうい う医療計画を立てるならば、どういうことが本当にできそうなのかというこ とは地域に必要とされている既にある医療資源、さらにそれに投入し得る財 政を十分踏まえた上でこういう計画を立てていただく。計画を立てただけで なく、その結果をきちんと検証していただくことが重要だと思っています。  検討会では、たしか尾形委員がやっておられたPDCAという形で書いて あったと思います。きちんと検証していく仕組みをこの医療計画の中にも入 れていく。さらにそれぞれ、この部会でも打ち出していくものについては誰 が検証していくのか。書きっ放しでないということを是非やっていただきた いと思います。  見城委員が懸念されているインターネット上の問題というのは医療法、あ るいはさまざまなところへの規制の重要性を否定するわけではありません。 ただ、まず、インターネットなどの情報の読み方や理解の仕方に関する基礎 的な教育そのもののあり方が一方であって、さらに医療の世界でまた何がで きるのか。本来、二段構えでないと十分できないのではないかと思います。 以上です。 ○三上委員 文言の訂正だけさせていただきます。10頁の19行目から21行 目、特に20行目の「これを支える高度な医療機能を有する病院が、高度又は 専門的な医療の提供の確保」云々が必要であるということが書いてあります。 これは高度な医療機能を持っている病院だけがこういったことをできるとも 読めます。そうでない病院も努力をすれば、さまざまな形で中核的な病院に なっていくことが可能であるという形にしなければならない。その意味から 「病院が」を「病院は」と変えていただき、「高度又は専門的な医療の提供 の確保だけでなく、医療水準の向上や人的支援といった課題にも適切に対応 していくことが必要である」という形に変えていただきたいと思います。  もう1つは12頁、有床診療所のところです。27行目と32行目に「規制」 という言葉が出てきます。「規制」という言葉でもかまわないとは思うので すが、出来れば「施設基準」という形にしていただくほうがわかりやすいし、 イメージが伝わるのではないかと思います。また、31行目に「基準病床数制 度」という言葉がございます。本来、こういう言葉はないのではないでしょ うか。「医療計画」という言葉のほうが正しいのではないかと思いますので 訂正いただければと思います。以上です。 ○部会長 たくさんのご意見をいただきましたので、事務局で適宜修正、あ るいは追加していただくこととします。  最後に6、「医療法人制度改革」から8の「医療を支える基盤の整備」ま で、説明をお願いいたします。 ○企画官 17頁からご説明いたします。まず17頁、6の医療法人制度改革に ついては、民間の営利を目的としない医療法人について、昭和25年に出来て 以来50年経過しています。医業経営については「環境は厳しさを増している が」ということで、その地域に必要な医療を担う安定的な運営を行うことが できる法人制度となるようにしていく必要がある。3つ目の○で制度全体に ついて非営利性を徹底する、効率性、透明性の向上を図る。具体的には剰余 金の使途や情報開示のあり方、経営人材の育成等について、別途行われてい る公益法人制度改革も参考にしながら検討することが求められる。  また併せて、従来は国や地方公共団体が直接実施することが当然と思われ ていたようなことについても、高い公益性があると認定された医療法人が、 医療計画に基づいた医療を積極的に担っていく方向を目指す必要がある。  4つ目の○は、安定した医業経営という観点から資金調達手段の多様化、 寄附などを地域で支えていく仕組みの検討が必要であろう。また、公益性認 定の取扱いを明確にした上で、寄附金促進等の税制措置が講じられるべきで あることが書いてあります。  なお、いちばん下の○、社団の医療法人については「持ち分」というのが あるわけです。法人設立の際、財産拠出者にかかる持ち分の取扱いについて の見直しを行う際には非営利性の徹底など、医療法人制度改革の趣旨を踏ま えつつ、医業経営の継続性の確保の観点から、新しい制度への移行について は自主的・自立的な取組みを基本として、適正な法人自治に基づいて移行が 行われることが肝要ということで、必要な経過措置等が検討されるべきとい うことが書いてあります。  こういったことも含め、冒頭申し上げるべきでしたが、「医業経営の非営 利性等に関する検討会」という検討会で検討を進めて、先ほど別なところで もありましたが、まだ検討中のものを引続き検討していく必要があるという ことです。  次の19頁からは人材の関係です。最初は医師です。平成10年の見通しでは 平成29年には過剰になるという推計ですが、需要面・供給面の変化を踏まえ た推計を行って、定量的な調査分析を行い、取り組むべき課題について検討 する必要がある。一方、現状の医師の需給状況を見たときに、患者および医 師の双方から見て不足していると感じられる場面が多いこと。また医療機関、 診療科、あるいは時間帯、地域による医師の偏在が指摘されています。 先ほど4の(2)に記載したものがありますが、早急な検討が必要であろう。 「医師の需給に関する検討会」もまだ調整中ですが、ここで一定程度整理さ れるということを見越した文章になっていますが、整理されている課題につ いても引続き検討ということが書いてあります。  21行目からは、先ほど医療安全でも話が出ていましたが、行政処分を受け て医業停止を受けた医師等についてのその後の再教育の話です。これについ ては28行目から、4月に取りまとめられた行政処分を受けた医師に対する再 教育の検討会の報告書ということでの整理がされていますので、その具体化 に向けた検討ということが32行目になります。また、看護師等についても検 討が必要であるということをここに書いています。  また、その検討会で新たな行政処分の類型を作るなど、そもそも行政処分 のあり方についての検討の指摘が4月の報告書にはありました。それについ ては、別冊の資料1の42頁に「新しい検討会を開催する」ことでの資料を付 けています。  20頁、最初の○は、資質の向上の一環としての国家試験等についての記載 です。臨床研修や国家試験についての記載でございます。7行目からは看護 職員の関係で、看護職員の需給見通しを踏まえた計画的な養成をする必要が あるということです。  次の9行目からの○についてですが、参考資料1の27頁をご覧ください。 検討会の資料を付けています。昨年12月の第4回で古橋委員から問題提起が あり、4月27日の第9回の際にこの検討会の設置についてご報告をしたとこ ろです。この検討会についてはこの2カ月の間、非常に精力的に検討を進め ていただき、中間取りまとめに至ったところです。具体的内容ですが、28頁、 29頁に概要があります。28頁に「検討会の趣旨と中間まとめ」ということで、 保健師助産師看護師法等についての検討を進めてきて、特にそういうものを 医療部会の中間まとめに間に合うようにやっていただいたところです。個別 の検討課題のところで、看護師資格を持たない保健師・助産師の看護業務に ついてということで、(1)保健師・助産師・看護師法においては、保健師・ 助産師は看護師資格を持たない場合であっても看護業務が可能ということで すが、今後、看護師資格を持てない保健師・助産師が現状以上に看護業務に 従事する可能性もある。今後の方向性としては、保健師・助産師の国家試験 の科目に看護師の試験科目を加える方向での改善も考えられるという方向性 になっています。  2つ目に「免許の届け出義務」、下のほうの○ですが、医師には保持者が 届け出、看護の場合は業務従事者が届け出なのですが、潜在看護職員の把握 のために医師並びの届け出制が必要なのではないかという問題指摘がありま した。29頁を見ていただくと、今後の方向性で保助看法を改正して、医師並 びというのはちょっと意見が一致しなかった。ただし、人材確保促進法での 観点については積極的な検討が必要だろうということでした。  3、名称独占の話については、看護業務・助産業務については業務独占で すけれども、名称独占については保健師の保健指導業務だけとなります。以 上の安全の質の確保を他の医療関係職種等との整合性、患者への新しい情報 提供、守秘義務、どういった観点から名称独占とすべきかということで、今 後の方向性で保助看法を改正して、保健師も含めて一般的な名称独占とすべ きである。  4は先ほどもちょっと触れました、行政処分を受けた看護職員についての 再教育も、基本的には医師と同様の措置を講ずべきという話が中間まとめに なっています。次の30頁以降に文章が付いていますので見ていただければと 思います。  本文に戻って、20頁の9行目からの○はそのことが書いてあると読んでい ただければと思います。18行目からは専門医の関係、これは6月の第12回の ときに専門医についてご意見をいただきました。専門医の質の確保に当たり、 国あるいは公的な第三者機関が一定の関与を行うことを含めて、専門医の育 成のあり方についての検討が必要だということを記載しています。  21頁から、8の「医療を支える基盤の整備」については、本日、参考資料 2がここの部分に関係します。去年の12月のときにフリートーキングの中で ご議論いただいたところです。1つ目の○が医薬品、医療機器の研究開発の 推進ということで、先端医療の実現に向けた研究、あるいは(2)、基礎研究か ら臨床研究の橋渡しという、トランスレーショナルリサーチの充実を図る。 また、創薬の推進といったことで、この関係の資料は参考資料2の1頁、2 頁でございます。  また、治験について、普及啓発等を内容として「3カ年計画」を15年から やっています。さらに、18年度以降も治験の活性化を進めていく必要がある ということでございます。それを参考資料2では3頁、4頁に付けています。 18行目からは臨床研究基盤の整備ということで、地域における治験の実施機 関を増やしていく、充実を図るということと、いろいろな情報提供の拡充を 図るための臨床研究の登録制度の構築の検討が必要である。その資料が5頁 に付けてあります。  また、データマネジメントや関係職員の研修等を行う体制整備、あるいは 高度の専門性を有する人材養成についての検討を行う。また、「厚生労働科 学研究補助金」というものがあるのですが、それがより戦略的、機動的に配 分できるよう、これは「総合科学技術会議」からも言われていることですが、 既存の機関が専門性に着目して、その配分機関機能を付与する方向での検討 が必要だろうということを書いています。  最後の29行目からは、電子カルテの普及など情報化について、標準化やセ キュリティ確保等ということで進めてきています。33行目から、患者への充 実した、わかりやすい情報提供、あるいは地域での連携といった観点からの IT化を進めていく必要があるといったことを書いています。  最後の22頁はITに関連して、ITを活用した医療安全確保対策の話、あ るいはITを活用したへき地等での遠隔診療の取組み、その部分でのITの 活用を記載しています。以上です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまの説明、資料1の関係部分に ついてご意見をいただきたいと思います。時間が短いので、それぞれ簡潔に 願います。 ○小山田委員 19頁の真ん中から下、○が3つあります。これは行政処分を 受けた医師に対する再教育です。私は医師です。今日おられる委員の中で、 医師以外の方々が私のような考えに対してどう考えているかを是非、1人で も2人でもお伺いしたい。  行政処分を受けた医師に、国民の税金を払って再教育をする必要があるの だろうか。他の職種でそういうことはありますか。その人たちには自分のお 金で教育を受けて、もう1度国家試験を受けさせればいいのと違いますか。 なぜ、税金を費やしてそのようなことをするのか。こういう方々はリピータ ーで何回もやるのです。私は医師でありながら、おそらく医師からかなりの 反発が来ると思います。しかし、そういうことが許されるのだろうか。  それよりは、このような行政処分を受けないための教育ならいくらでも使 うべきだと思います。そうした法律をしっかりと守っている人をもっと社会 的にも守っていただけないのだろうか。そうした面で医師以外の方々、例え ば交通違反をやった人を集めて、税金で教育しているのでしょうか。何度も 言いますが、医師以外の委員の先生方にお1人でもお2人でも、私の考えが 間違っているというのであれば、これから大きな顔をして通れますけれども いかがでしょうか。 ○部会長 いまのご意見、お1人かお2人から言っていただけますか。 ○佐伯委員 おそらく、国民の方々はいろいろ、新聞等で行政処分を受けた 医師の再教育というものを見ると、ご自分でお金を出しているのだろうと思 います。まさか、よもや、税金からそのようなコストが出ているとは思って いないと思います。  例えば、スピード違反などしたときでも、講習を受けたりというのは全部 自費です。運転免許は交通事故を起こしてもそれほど大したことではないと いうか、人身事故であれば別ですが、医師免許は生命を預かるものですから もうちょっと重く捉えてほしい。ということであれば本当は未然に防ぐよう な、養成段階のことであればもっとお金をかけるべきかと思います。  ついでにお話したいことがあります。医師の数が足りているのかという話 なのですが、労働基準法をそのまま守って過労死をしないような、余裕を持 った労働条件でということであれば、全然足りないというのが現状ではない でしょうか。医療安全の面からも、看護師の方もいろいろな職種の方も、安 全面をきちんと確保するような、心身ともにゆとりのある労働条件にすると いうことで言えば全く足りないと思います。まず患者の視点に立って、安全 でということから言えば、いろいろな人員配置なども根本的に見直すべきか と思います。その延長として、何か行政処分ということと絡めて、国民がみ んなで考えていくことかなと思います。 ○部会長 事務局からお願いします。 ○医事課長 いま、小山田委員からお話がありましたが、再教育については 報告書の中でそれにかかる費用については原則として、それを受ける方の拠 出によるという形になっています。その費用を全額、税金で見るということ は考えておりませんし、おそらくそのような仕組みにはならないだろうと思 います。誤解がないようにしていただきたいと思います。 ○部会長 この点はまた別の機会に議論できればと思います。 ○松井委員 おそらく再教育ということではなくて、倫理感の欠如などにつ いて、教育して直るケースと直らないケースがあり得ると思います。そうす ると、少なくとも保険医としては退場していただくとか、そういうことがあ って然るべきではないかと思っています。 ○山本(文)委員 こういう問題は簡単には言えないと思います。もう1回、 皆さん考えていただいておいて、次の機会か何かに意見を出すようにしない といけないのではないでしょうか。いろいろあるのです。確かに、行政処分 を受けた人は悪かったと思うのですが、人権というものもあります。それら を考えると簡単に「これ」というわけではなくて、ここに書いていること自 体がもう少し不足していると思います。例えばこういう行政処分を受けた者、 その処分の内容等を書いて、こういう者にはこうというのはわかるのですが、 これは一括しているでしょう。いま先生がおっしゃるように、確かにそうい う国民感情はあると思います。ところが、おわかりのとおり人権があります から、変なことをやると逆に人権侵害になりかねないということもあり得る わけです。もう少し具体的に資料が書かれていて、これについてはどうとい う議論をした上で、何回か回を重ねて、最終的に皆さんの意見とするのが望 ましいのではないかと思います。今日のところは、次の機会に譲ってもらう ようにしていただければと思います。 ○部会長 いろいろご意見はあるだろうと思いますが、この点はここで終わ りとします。ほかの話題についていかがでしょうか。 ○村上委員 佐伯委員がさっきおっしゃった医師が足りない、看護師も足り ないという点、医師が足りない点については先ほどからいろいろなところで 出ています。看護師の問題について、看護協会からも出ていらっしゃるので すが、病院長の立場から言わせていただきます。  実は、20頁に「医師・歯科医師の国家試験の問題を検討する」とあります が、看護師の国家試験の問題についてお伺いしたいのです。今度から公表さ れなくなりましたが、試験問題にかなり不適切な問題が出ているようです。 私が聞いただけでも、実際に現場をやっている人が出したとは思えない、例 えば心臓血管の拡張は大腿動脈からやるなどというのは古い。是非、試験問 題も適正な問題であるというように公表すべきだと思います。その上で、良 い試験問題を作っていくべきだと思います。  さらに、今回の合格率が最低基準を60%ではなくて61.4%とした。この点 はどういうことなのか。話があちこち飛んで申し訳ありませんが、厚生労働 省では看護師が足りると思っているからそういうことをやっているのかなと 思っています。先ほどのところでもお話したかったのですが、特定機能病院 にかかわる基準のところ、今日も資料が出てきました。何と、高度医療をや っているところは患者2.5人に対して1人と、とても高度医療をやれないよ うな状況です。これが国の基準になっている。要するに、看護師不足という ことが我々現場の医療者と厚生労働省との間に乖離があるのではないかと思 っています。この点、折角、看護課長がいらっしゃるのでお答え願えればと 思います。 ○看護課長 国家試験に不適切な問題が含まれているというご指摘ですが、 試験委員会の中でかなり精錬した結果、結果を見たときに不適切だったとい うことが指摘できれば、試験問題として採点除外にするという手続きを現状 でも取っています。また、その問題は公表をしてまいりました。どの問題が 除外になったかということは明確に公示しています。 ○村上委員 採点除外にならなかった問題についてはどうですか。現場を知 らない人が問題を出している。 ○看護課長 2年前から、問題のプール化ということを進めてまいりました。 より質の良い問題をプールして、その中から出題していくという仕組み作り との関係で問題を回収するということを進めてきたところです。公表をすべ きというご意見については、ときどき皆様から寄せられていることは存じて います。現状ではまだ、問題プールが非常に少ないという状況の中で、従来 どおりに作ってはその年に公表しということを繰返しやらねばならない状況 にいま現在でもなっているということです。  それから、合格の最低基準のご指摘ですが従来は絶対基準、100点満点上、 60点というところで合格ラインにしていたところです。それが、この2年前 から、問題の中に医師同様、必須問題という問題を導入いたしました。そこ で、ナースとして最低求められる能力のところはもう少し高い、ほぼ80点レ ベルで合格を切っているということがあります。それ以外、一般的に各学校 で到達目標を定めているような、一般問題と呼んでいるところについては、 相対基準を用いて合格を打っております。  その結果、今年については、たしか61.3%だったと思いますが、そういう 結果になったということです。看護師の数が多くなってきたから高いところ で切ったとか、そういうことではございません。こうした相対基準を導入し た理由は、年度によってかなり問題の難易度の差をコントロールするのがあ る意味で非常に難しいという状況も踏まえて、そうした合格基準を決定して きている経緯があります。 ○山本(文)委員 何回も言うようで申し訳ないのですが、このように書く なら、医療法人の件は医療法できちんとしたらいいのではないかと思います。 医療法人だけが儲けていて、ほかの病院は儲けていないという書き方になる のではないか。医療法そのものには、利潤を上げなさいということは書いて いないはずです。日本の場合、「医は仁術なり」とか言って、最近では「医 は算術なり」と言われた時代もあったことは確かです。  皆さん、自覚しているのですが、このように書かれると医療法人だけが飛 び出て、あなた方が言っているような悪い印象を与える。嫌なら医療法を改 正して、「医は儲けてはならない」という項目を入れたらどうですか。私は そう思います。これだけ取り上げて、何のためにこのように書かなければい けないのかわかりません。法人の場合、社会福祉法人などは無税になってい ますね、これはご存じでしょう。ですから、あのようなところであれば無税 になっていくわけです。だけど、医療法人というのは利潤が上がれば、開業 者であろうとどこの病院であろうと同じことなのですが、利潤が上がればそ れなりの税金を払っているわけです。それを払わないでいいということで、 こう書かれるのならば別です。しかし、皆さん、企業と同じように、利潤が 出た場合は税金を払っているわけです。医療法人だけを悪者にするような書 き方はやめるべきだと思います。これは医療法の中で医療法人制度を廃止す ればいいのです。これをやったあとで、医療法人をパッとやめてしまう、元 に戻りましょうということになってしまう。  なぜ、そういうことを申し上げるかというと、開業者が3人いたら、3人 共同で医療法人を作っていこうではないか、ということがどうやら出発時に あったと思います。それがいまのように言われると、元に戻りましょうとい うことになれば、医療法人はなくなるではないですか。だから、こういう書 き方にするのは適当ではないと思います。こういうところを改正するならば、 もう少し医療法そのものを改正したらどうですか。そう私は思います。医療 法人だけが悪者のように書かれるのは不適切だと思います。ほかの有床や無 床の診療所の皆さん、あるいは公立は別として、一定の病院の皆さんたちは こういうことはないのですか。ないというならないと言ってください。調べ てきます。調べてみて、もしこれと同じようなことがあった場合、今度は一 体どう書くのですか。  嫌なら医療法そのものの改正をして、みんなが同じようなことをやる。す なわち、医というのは日本人の皆さんみんな知っているのです。どういうよ うにやっていくということはみんな知っているのです。みんな、苦労しなが ら努力しているではないですか。その辺、もう少し、あまり刺激を与えない 書き方をしたらいかがでしょうか。そのように提言しておきます。 ○古橋委員 19頁、「医療を担う人材の養成と資質の向上」にからんで、こ の医療部会からの発信、「医療安全の確保に向けた保助看法等のあり方検討 会」というものが誕生し、議論が具体的になされていることを大変ありがた いと思っています。その中で、もちろん、看護師の患者対、数という問題が あります。  先ほどご意見も出ましたけれども、日本の場合は格段に状況が悪いという あたりは前回も特定機能病院、日本の先駆的医療を代表するという点での2.5 対1という配置は、他の国に対して恥じるほどの事態ではないかと思ってい ます。そうしたことも含め、看護職員の配置ということに関しては国民の安 全という視点から、是非とも玉虫色にならないような方向づけをこの部会で も示していく方向があると思っています。  そうした中で、看護職の基礎教育というものが非常に重要でして、看護職 のある意味で安全資質ということ、医薬品に対する知識という点でも非常に 不十分であるということが調査からも実証されています。そういう点では作 業部会的な、「あり方検討会」の中での新人看護職員研修というものについ ても、日本看護協会は今年度の最大のテーマと捉えながら、どうあるべきか の検討を職能の組織として取り組みたいと思っているところです。そういう 点で是非、新人看護職員研修も含めて、長期にわたって看護職教育制度が、 小さな改正はありましたけれども据え置かれている。医師、薬剤師等が大き く変わっていく中で、看護職教育が据え置かれている点を是非とも検討して いただきたいと思っています。  もう1つ、この部会の中では都道府県の役割が医療提供体制の中で非常に 重要であり、その主体性と独自性、自立性というものが議論されてきました。 そういう点で、都道府県で仕事をした関係から、都道府県下の医療行政を担 う職員の育成ということも非常に重要ではないかと思っています。都道府県 では昨日まで土木をやっていた方が医療に入ったり、昨日まで農業行政をや っていた方が医療に入られて、「シャーカステンとは何?」「看護単位とは 何?」というところから入ってくるわけです。そういう点では、これから都 道府県で医療行政を担う方々への人材育成ということも、やはり視点に置い ていく必要があるのではないかと思っています。  もう1つ、「安全」の中で21頁にある医薬品、医療機器の研究開発も含め てですが、是非、現在、病院の中の病棟で医薬品がどう扱われているかとい う実態を十分把握しながら、大変危ない状況で管理され、調剤されていると いうこともあります。調剤場所をきちんとし、周辺の騒音、雑音等から隔離 された所で調剤業務がなされることが安全上も大事であると思います。でき るところは自分でやりますが、やらないところは放置されていく。そこはあ る意味で、規則という形での指導と誘導が要るのではないかと思っています。 細かい、具体的な方向がいずれ、こうした大筋が決まった中で検討がなされ てほしいと思っています。 ○尾形委員 19頁から20頁にかけて、「医療を担う人材の養成と資質の向上」 ですが、ここでは医師や看護職等、医療の専門職についての記述になってい ます。この部会でも議論があったと思いますが、是非、医療機関の経営管理 を担う人材の養成と資質の向上をどこかで触れていただきたいと思います。 先ほど、古橋委員から医療行政を担う人材というお話がありました。それと 併せて是非、医療機関の経営管理を担う人材をどこかで書いていただければ と思います。  質の高い医療を効率的に提供するというのが全体の主張だとすると、こう いう点というのは非常に重要だろうと思います。是非、その点をご配慮いた だきたいと思います。 ○龍井委員 先ほどのネットワークとの関連で2点、指摘させていただきた いと思います。1つは19頁以降、「人材の養成と資質の向上」の中で前回も 発言しているのですが、コメディカルの指摘がここでは見受けられません。 どこかの検討会で議論されているのかもしれませんが、やはりチーム医療な いしネットワーク作りのキーになっていくという位置づけを明確にした上で、 是非触れていただきたいと思います。  2点目はIT化です。この記載でいままでより何か進むのだろうかという、 非常に懸念を持っています。ある程度目標、あるいは達成年次を区切ってと いうことになるかもしれませんけれども、やはり進まない原因を解明した上 でインセンティブ、場合によったら診療報酬上のペナルティ、フランスでも そのような例があると伺っていますので、具体的な施策が必要だろうと考え ます。あるいは、地域単位でネットワーク作りの中でやっていくことも考え られますので、是非そうした具体的施策の記載に結びつけていただきたいと 思います。 ○三上委員 医療法人制度の点について発言します。医療法人制度は先ほど、 山本委員からいろいろご指摘がありましたが、医療法の中では本来非営利性 が徹底された、いわゆる出資額限度法人という文言が読み取れるような文章 です。これがモデル定款の誤りによって、持ち分ありということで営利法人 のような扱いを現在まで受けてきているというのが実情ではないかと思いま す。  それを現在、「医業経営の非営利に関する検討会」で仕切り直しをするた めの検討をしているわけですが、ここに書かれている文章がまだ検討中であ る、結論も出ていない。あるいは、まだ検討していない部分も断片的に書か れているところがあり指摘をさせていただきます。特に大きな問題は公益性 の問題であり、「高い公益性がある」と認定するという文言があちこちに出 てきます。17頁の17行目、あるいは23行目に「公益性を認定する取扱いを明 確にする」という文言が出ています。  本来、先ほど堀田委員が言われたように医師法の中に書かれた応召の義務、 診療の義務ということ自体が公益であり、医療そのものが公益性があるとい うことで、医療法人の制度の中では公益性というのはあまり高く求められて こなかったという現状です。これを認定する。例えば、公益法人の有識者会 議等が認定をするというような新聞報道などもあり、これを認定する制度を 作るということもこの中から窺える。この文章全体が認定医療法人の創設に 向けて作られたという文言が出てきますので、その辺の部分を削除していた だきたい。特に25行目のところ、「寄附金を促進する等の税制措置が講ぜら れるべきである」とあります。べきかどうかを今検討しているところでして、 特に寄附金を受け入れるということになると、税制面で公益法人のように0 税率、減税の期間がなければならない。いま現在は公益法人の中でも「税制 調査会」ですか、公益法人にも収益事業には税金をかけるということが出て きています。そういったさまざまな動きの中でまだ検討している最中、ある いは検討していない文章がこのように断定的に書かれているのはいかがなも のか。この辺は削除していただきたいと思います。以上です。 ○部会長 まだまだご意見がおありかもしれませんが、今日は中間まとめの 叩き台ということで、大変多種多様なご意見を出していただきました。それ を踏まえて、また事務局で整理、修正などをしていただきたいと思います。 おそらく言い足りない、さらにおっしゃりたいことがまだまだおありかと思 います。事務局での整理の時間も必要ですので、今週いっぱいぐらいにファ ックス、あるいはメールで事務局にお寄せいただければと思います。  本日の議論はこれで終わらせていただきますが、何かありますか。事務局 から今後の予定についてお願いします。 ○企画官 ただいまいただきましたご意見について、部会長からもご指示が ありましたとおり、必要な修正をさせていただければと思います。その上で、 次回の部会において再度中間まとめ(案)について提示し、ご議論をいただ ければと思っています。  次回は7月14日(木)、午前10時から、本日に引続き中間まとめを議題と して開催の予定です。場所については追ってご連絡をさせていただきたいと 思います。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご出席いただきますよう、よろ しくお願いいたします。 ○部会長 大変熱心なご議論をありがとうございました。以上で閉会します。 照会先 医政局総務課 山口、野崎 連絡先:03−5253−1111(内線2518)