照会先健康局総務課生活習慣病対策室
担当者古畑、清野
電話03-5253-1111(内線2344)

平成17年6月21日
厚生労働省
農林水産省

フードガイド(仮称)の名称及びイラストの決定・公表について


 食生活指針を具体的な行動に結び付けるものとして、食事の望ましい組合せやおおよその量をわかりやすくイラストで示したものがフードガイド(仮称)である。これまで、厚生労働省と農林水産省が共同して、「フードガイド(仮称)検討会」(座長;吉池信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹)を設置し検討を進めてきたところであり、以下のとおり名称及びイラストを決定したので公表する。

1 内容

(1) フードガイド(仮称)の名称

   名称:食事バランスガイド

 「何を」「どれだけ」食べたら良いかを一般の生活者にわかりやすく、イラストで示したものについては、世界的には「フードガイド」と呼ばれることが多い。従って、その言葉を中心としながら、今回は、回転(運動)することにより初めてバランスが確保される“コマ”の型を採用したことも踏まえて、名称に「バランス」という言葉を入れた。また、食品単品の組み合わせではなく、料理の組合せを中心に表現することを基本としたことから、「フード」ではなく、個々人の食べるという行為も意味する「食事」という言葉を用いることとした。

(2) フードガイドの区分、各区分の量的な基準及び数量の数え方

 
(1) フードガイドの区分
 主食、主菜、副菜、果物、牛乳・乳製品の5つの料理区分を基本とした。
(2) 各料理区分の量的な基準及び数え方:
各料理区分毎に、1日にとる料理の組合せとおおよその量を表した。
基本形は「成人向け」(想定エネルギー量はおおよそ2,200±200kcal)とし、区分ごとに1日にとるおおよその量を表した。
単位は、「1つ(SV)」と表記することとした。
   SVというのはサービングの略であり、各料理について1回当たりの標準的な量を大まかに示すものである。なお、表記に当っては、使用する場面に応じて、「1つ」あるいは「1SV」のみでも良いこととする。
各料理区分の基準等は以下のとおりである。

【主食(ごはん、パン、麺)】
   炭水化物の供給源としての位置づけを考慮し、ごはん、パン、麺等の主材料に由来する炭水化物がおおよそ40gであることを、本区分の量的な基準(=「1つ(SV)」)に設定した。市販のおにぎり1個分がこの「1つ分」に当たる。1日にとる量としては、5〜7つ(SV)としたが、これは、ごはん(中盛り)(=約1.5つ分)であれば4杯程度に相当する。
【副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)】
   各種ビタミン、ミネラル及び食物繊維の供給源となる野菜等に関して、主材料の重量がおおよそ70gであることを、本区分における「1つ(SV)」に設定した。野菜サラダや野菜の小鉢がこの「1つ分」に当たる。1日にとる量としては、5〜6つ(SV)とした。
【主菜(肉・魚・卵・大豆料理)】
   たんぱく質の供給源としての位置づけを考慮し、肉、魚、卵、大豆等の主材料に由来するたんぱく質がおおよそ6gであることを、本区分の「1つ(SV)」に設定した。1日にとる量としては、3〜5つ(SV)とした。なお、主菜として脂質を多く含む料理を選択する場合は、脂質やエネルギーの過剰摂取を避ける意味から、上記の目安よりも少なめに選択する必要がある。
【牛乳・乳製品】
   カルシウムの供給源としての位置づけを考慮し、主材料に由来するカルシウムがおおよそ100mgであることを、本区分の「1つ(SV)」に設定した。牛乳コップ半分がこの「1つ分」に当たる。1日にとる量としては、2つ(SV)とした。
【果物】
   主材料の重量がおおよそ100gであることを、本区分における「1つ(SV)」に設定した。みかん1個がこの「1つ分」に当たる。1日にとる量としては2つ(SV)とした。

(3) 数量の整理の仕方
数量の整理の仕方は、日常生活の中でわかりやすく、また料理を提供し、表示を行う側にとっても簡便であることが求められる。そのようなことから、基本的なルールとしては、各料理区分における主材料の量的な基準に対して3分の2から1.5未満の範囲で含むものを、「1つ(SV)」とすることを原則に、日常的に把握しやすい単位(ごはんならお茶碗一杯、パンなら1枚など)で表すこととした。
カレーライス、カツ丼等、主食と主菜の複合的な料理については、両方の区分における量的な基準に従い、数量の整理を行うこととした。
これらの量的な整理は、主として料理を提供する側が行うものであり、一般の生活者にとっては、栄養素量や食品重量といった数値を意識しなくとも、「1つ」、「2つ」といった指折り数えることができる数量で、1日の食事バランスを考えることができることになる。

(3) イラスト (別添参照)[基本色(PDF:1674KB)、強調色(PDF:1674KB)]

   見る人にとって最も目につく上部より、十分な摂取が望まれる主食、副菜、主菜の順に並べ、果物と牛乳・乳製品については、同程度と考え、並列に表現した。形状は、日本で古くから親しまれている「コマ」をイメージして描き、食事のバランスが悪くなると倒れてしまうということを表している。また、コマが回転することは、運動することを連想させるということで、回転(運動)しないと安定しないということも、合わせて表すこととした。

菓子・嗜好飲料:食事の量の中でバランスを考えて適度にとる必要があること、一方で、食生活の中で楽しみとしてとられている現状があり、食事全体の中で量的なバランスを考えて適度に摂取する必要があることから、コマを回すためのヒモとして表現し、「楽しく適度に」というメッセージを付すこととした。
油脂・調味料:基本的に料理の中に使用されているものであり、イラストとして表さないこととした。しかし、これらは食事全体のエネルギーやナトリウム摂取量に大きく寄与するものであり、実際の食品選択の場面で掲示される際には、総エネルギー量と食塩相当量も合わせて情報提供されることが望まれる。
水・お茶:食事の中で欠かせないものであるが、料理等にも水は多く使用されていることから、具体的な量を示すというよりは、象徴的なイメージとして軸で表すこととした。

 なお、これらは必ずしも1日の食事の組合せとしての典型例を示したものではなく、どのような料理が各料理区分に含まれるかを表現することに主眼を置いたものであることに留意する必要がある。


 活用法について

 食事バランスガイドを活用する例を以下に示す。

 
【主食(ごはん・パン・麺など)】<5〜7つ(SV)>
   毎食、主食は欠かせない。主菜、副菜との組合せで、適宜、ごはん、パン、麺を組み合わせる。
【副菜(野菜・いも・豆・海藻など)】<5〜6つ(SV)>
   日常の食生活の中で、どうしても主菜に偏りがちになることが多い。従って、できるだけ意識的に主菜の倍程度(毎食1〜2品)を目安に十分な摂取を心がける。
【主菜(肉・魚・卵料理・大豆食品など)】<3〜5つ(SV)>
   多くならないように注意する。特に油を多く使った料理では、脂質及びエネルギーの摂取が過剰に傾き易くなる。
【牛乳・乳製品】<2つ(SV)>
   毎日コップ1杯の牛乳を目安に摂取
【果物】<2つ(SV)>
   毎日、適量を欠かさず摂るように心がける。


 今後の普及について

 国民に広く親しみやすくかつ身近に活用できるよう、ポスター、パンフレットなどを作成し、以下のような普及活用を図るとともに、とりわけ生活習慣病予防の観点から、男性肥満者、単身者、子育て世代といった対象に焦点を絞った普及活用(肥満、エネルギー及び脂質の摂りすぎ、野菜不足、朝食欠食などの解消への取組)に配慮することとしている。
(1) ファミリーレストランなどの飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の食品産業における活用を通じた普及活用
(2) 地域(健康づくり教室など)や職場を通じた普及活用

参考1:フードガイド(仮称)検討会委員名簿[PDF:11KB]
参考2:フードガイド(仮称)検討会スケジュール[PDF:10KB]



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