資料1

第4回検討会において「行政処分を受けた看護師等に
対する再教育」に関して出された主な意見

(再教育の必要性)
生命に直結する業務であり、看護師の倫理観や知識・技術などの資質が重要。医療事故を起こし、行政処分となった看護師個々人の再教育が必要。
医療安全の確保を図る観点から、医療事故を起こし、行政処分を受けた看護師の再教育は必要。
行政処分を受けた看護師に対する再教育は、医療安全確保方策の一つであり、全体としての医療安全確保の枠組みの中で、再教育の位置づけを確認する必要がある。
医療事故を起こし行政処分を受けた看護師自身が悩んでいる状況があり、きちんと再教育し、評価していくことが必要。
医療事故で行政処分される者は、氷山の一角であり、母集団はもっと大きい。その中で一部の行政処分を受けた看護師等の再教育がどれだけ意味があるのか疑問。
安全な環境があってはじめて、看護師は安心して看護の仕事ができる。看護師だけに責任、再教育を課しても安全確保にはつながらない。
優秀な看護師が、若い未熟な看護師の指導と業務の狭間で事故を起こすようなケースについて、そのような体制をとっている施設管理者、経営者の責任は問わないまま、国や団体が、医療事故を起こした看護師の倫理や技術の教育をすることの効果について疑問である。

(安全管理体制の問題)
看護協会の調査では、44万件のインシデントが報告されている。医療安全を考える上では、その対策も必要である。
医療機関の医療事故対策そのものが強力に推進されるべき。
医療事故は、組織全体の医療安全対策が不十分なため起こることもある。本人の再教育とともに、医療機関の責任者自身の再教育、指導、事故原因の分析や対策の促進も重要。
再教育と安全対策、体制整備をセットで取り組み、国も監視していく必要がある。
外部からの評価・指導により組織に対する再教育を考えるべき。外部からの指導により取組みが進むことは多い。
医療安全は国の役割、責任として取り組んでいくべき事項。マンパワーとお金がかかることを議論すべき。医療費がアップすればよいが、それだけではない。国は医療安全に対して、どれだけ予算投入するか真剣に考えるべき。
現在の医療現場の薄い人員配置では、いくらマニュアルを作っても実行できない。病院が夜勤の看護師の配置を厚くしようとすると、経営的に負担となる。国が人員配置にどのような規制をかけるかが重要。
病院を機能分化させていく中で、もっとはっきり人員が必要であるというべきである。特に急性期病院については、現状を正視して、必要なマンパワーを確保すべきであると打ち出していく時期である。

(再教育の内容)
医療事故により処分を受けた場合には、医療安全に関する研修が必要。
チーム医療の視点が非常に重要。他職種との関わりの中で、どのように役割、責任を持って働くのかを再教育の中身として検討する必要がある。
患者の立場からは、医療事故関係の再教育と、わいせつ事件や交通事故関係の再教育を、一つに括ることに強い違和感がある。
再教育の具体的な方法として、被害者やその家族の話を直接聞かせたり、医療事故事例に即した検討を行う教育が重要である。
具体的な事故事例、個々の処分に即して、どういう再教育であるべきかを考える必要がある。

(基礎教育)
予防的な意味で、看護教育のなかでも行政処分の実例などを取り入れていくべき。
卒前教育から、看護の仕事が重要な役割を持ち、どのように安全面の配慮を考えて行うかを教育する必要がある。

(現任教育)
学生として基礎教育を修了し、免許を受けた職業人となった際の教育、専門職の入り口のところの教育が一番大事。学生の臨地実習では、身体の侵襲性の高い看護技術を実施することができなくなってきている中で、新人の業務をどのようにするかも考える必要がある。
安全対策の一環からいえば、看護師全体に定期的な再教育が必要。
医療安全を進める観点から、再教育だけではなく、新人の看護研修の中に医療安全を入れていくべき。新人は、事故を起こすのではないかという不安の中で萎縮しながら勤務している状況がみられる。
患者の立場からも、看護師の臨床研修をぜひ検討してほしい。

(再教育の仕組みの検討)
再教育の仕組みをどのようにするかの検討が必要。

(その他)
事故を起こした当事者の心理的なケアも必要。ストレス症候群となっていることもあるので、専門家による支援も必要であり、再教育後のフォローを長期的にみていく必要がある。
行政処分を受けた人に、レッテルを貼ってしまうことがないよう、人権保護も必要。
患者の立場から、病院の患者対看護師比率の「2:1」表示は、常時2:1という意味にとらえてしまう。患者にもっとわかりやすい表示にしてほしい。
行政処分となり得る事例を正確に把握するためには、調査権限が必要。
再教育を受ける時の費用負担を、個人負担とするのがいいのか疑問。医療事故は様々な原因で起こるものなので、負担については検討すべき。

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