第15回厚生科学審議会
医薬品販売制度改正検討部会
資料

1−2
平成17年6月17日


検討項目5及び6に関する第14回部会での発言等の整理


検討項目5「消費者への周知等」について
1.消費者への周知等

(論点20)消費者への情報提供を行う専門家と他の従業員との識別方法について、どう考えるか。
 「薬剤師等」がハイリスクな薬剤の情報提供を行うべきであり、また、白衣を着て名札をしっかりとつけるべきである。また、専門家以外が白衣を着て対応するのは、紛らわしく、消費者を欺くことにもなるのでやめた方がよい。

 名札を見てみると、いろいろな種類がありわかりにくいので、相談できる専門家は何らかの形で明示されるべき。

 配置は、身分証明書を携帯している。

 識別は重要であり、証明書と掲示は徹底が必要である。

 一目見て分かるのが大切であり、ユニフォームの色を変えるのが効果的である。

 消費者が誤認しないような服装であることについて、実効性を担保できるようにすべきである。また、統一性を持たせた方がよい。

 小さな病院でも、顔見知りが多いとはいえ、服装は区別をしている。

 色による区別がわかりやすいそうだ。

 識別の問題は、医療機関よりもむしろ薬局などの医薬品販売の場でやっていただきたい。

 店ごとのアイデンティティーもあるので、統一は無理である。ただ、専門家の表示は分けるべきである。

 アメリカでは、薬剤師は大きなマークをつけており、識別しやすい。

 少なくとも薬剤師以外の職種の白衣はやめた方がよい。

 アメリカでは、薬剤師と薬剤助手がいて、名札を見ないと区別がつかないが、説明内容のけじめはしっかりできている。また、コンビニでは風邪薬も売っているが、説明は一切されない。消費者が自己判断で薬を使うという形になっている。

 この論点については、だいたい共通の認識ができている。
(論点21)情報提供の内容が消費者に十分に理解されるための外箱等への表示や文書の活用について、どう考えるか。
 外箱に副作用救済制度の表示をしたり、作用について注意が必要なことなど、消費者の判断基準になる情報を表示してほしい。

 リスクに応じて色分けしたり、リスクのレベルとそれに対応して説明をする人が誰かを書くことが大事では。

 使用期限の記載も必要と思われる。

 オーストラリアなどでも、リスクの強さが見た目で分かるようになっていて、購入の仕方などが違っている。また、字が小さくならないように、パッケージが多少膨らむのも必要かと考える。

 配置では、対面での添付文書の説明に努めているが、今後は消費者向けのパンフレット等の作成も検討している。

 外箱の表示では相談すべき相手はわからない。買う前に分かるような表示が外箱にあるべき。また、その医薬品のリスクのレベルの表示や「要薬剤試薬」の表示も必要なのではないか。

 消費者が見てわかりやすいことの他に、供給者が見てオーバーザカウンターでなければいけないものかどうかわかりやすいか、も論点になる。

 外箱には、スペースの限界があるが、ハイリスクのものにはその要件をどこかに書くべきである。また、陳列棚ごとの表示も工夫すべき。

 「医師に相談するように」という明記は、特にスイッチOTCについてはしっかりやっている。

 外箱を読んでいる人と読んでいない人の落差が激しい。外箱に今以上に書いたら、字が小さすぎて読めなくなるので、ただ単に書くものを増やせばよいと言うわけではない。例えば、説明を受けないと買えない、売れない、という形にすることも必要では。

 資料に外箱表示の例が載っているが、小児の使用量は書いてある範囲のみとなる。また、最低必要な表示について、文字にポイント制限をかければ、メーカーでそのような工夫をしてくれるのではないか。

 外箱表示については、メーカーでも工夫していて、生活者の方々とスタディグループを作り検討している。

 外箱を捨ててしまう人がいる。PTPや他の部分への表示はどうしているのか。  ※PTP…薬の包装の一形態

 外箱やラベルに書いてる連絡先に相談してもらえば対応はできる。また、顆粒の包みやPTPにも書いてあると思う。

 外箱を捨ててしまうと救済制度が受けられないケースもあるので、少なくとも捨てるなというインフォメーションはしてほしい。また、「飲めない人」がいる場合にはしっかりと書いておくべきである。
(論点22)消費者への情報提供が行われたかどうか、また、情報提供の内容を消費者が理解しているかどうか確認することについて、どう考えるか。
 確認は難しいが、医療におけるインフォームドコンセントのように、説明内容をペーパーに書いて持ち合うのが基本で、それが他の人への相談にもつながる。

 ひとつのツールとして、「お薬手帳」がある。もうひとつには、顧客名簿の薬歴記録があり、一般用にも活用できる。また、パッケージには販売店の名前と連絡先を記入した貼り紙をしている。確認については事後的な対応を可能にすることで担保するのではないか。

 購入時にもある程度の理解は必要ではないか。

 配置では、訪問時において説明を行っている。ただし、確認書まではとってはいない。

 医療用医薬品を渡す際ですら、理解できたかどうかの確認まではしていない。紙に連絡先が書いてあれば、後からアプローチできる。  確認すべきことは、受診勧奨を行ったときに、ちゃんと診察に行ったかどうかである。外国においては、電話で確認をしている。日本では難しいかもしれないが、説明文書の中で別途行う必要があるのではないか。

 説明責任について、受けた方の責任も明確になる。受診勧奨は「お勧め」であり、病院に行くかどうかは消費者の判断である。何を説明すべきかの方が問題。
 オーストラリアでは、説明を理解したら消費者がサインをするようになっている。

 販売する側には、理解を得られるようにする義務はある。義務規定が必要かもしれない。

 医療用医薬品と一般用医薬品とは違うので、一般用の趣旨からするとスイッチOTCは理解できない。自己判断で使いこなせるもののみだけ一般用にして、スイッチは避けるか別枠として分かるようにしてほしい。一般用に落とすと部外品や健康食品と一緒に陳列されてしまうのだから。

 スイッチしても問題を出さない制度を今つくろうとしていると考えている。スイッチOTCは指定医薬品となり、取扱いは薬剤師によりなされるべきである。

 副作用の全くない薬はない。一般用は自己責任だが、手厚い説明はした方がよい。受診勧奨にこだわるのは、インフルエンザでも風邪だと思い込んで風邪薬を飲み通院が遅れるケースが多いためである。

 スイッチの判断は、医師の指導のもとに使われていて安全性に問題がないか、が大きな判断要素である。スイッチの際には、国から適切な使用方法の普及計画作成を指導されるし、指定薬は薬剤師しか売れないのだから問題ない。

 スイッチされたものの副作用を監視することが大事。副作用報告の対応を的確に行えば、スイッチをしてもよいのではないか。



検討項目6「情報通信技術の活用」について
2.情報通信技術の活用

(論点24)消費者への情報提供及び流通段階や販売店における医薬品の管理等に情報通信技術を活用することについて、どう考えるか。
 双方向的に言葉のやりとりができれば、テレビを通じた対応も可能ではないか。添付文書については、全てJAPICのホームページに載せられないか。

 ITが活用できるところはすればよいが、ITに親しみのない世代もいるので、他の方法も確保しておくべきである。

 医薬品の販売では細かい情報を正確に収集する必要があり、経験からしても、ITでは無理であると考える。販売をするときは、対面で、会話や顔色、表情、行動から総合的に情報収集を行う。ただ、それを踏まえて回答を伝える際にITを使うことはあり得る。

 情報提供、情報収集の多次元的な設定は重要であり、何かに偏ることは良くない。ITがどの程度の広がりをみせるかの整理が必要であるが、社会システムも含めた制度設計にITが使われる余地はあるのではないか。
 インターネットは「対面に代わる」ということではなく、どう組み込むかということなのではないか。

 一般用医薬品の販売制度では、外箱や添付文書での情報提供と、店頭での対面のあり方とを考えるのが大事。ITには長短があるが、補助的・補完的な選択肢が充実することが重要。ネット販売には免責がつけられることが多く、限界があるのではないか。

 インターネットはどれくらいの人に使いこなせるのか。全体の10%くらいしか使いこなせていないのではないか。方法論が広がるのはわかるが、代替とするのは無理ではないか。

 配置では、配置先の箱には住所・電話そして携帯電話の番号まで伝えており、すぐに対応できるようにしており、その後顧客台帳にどこに何を配置したか記入しているので、迅速な対応が可能である。

 アメリカでは、インターネットで薬が買えるため、国境を越えてヨーロッパの人に買われている。EU当局は、インターネットでの問診はよいが、薬の受け渡しには対面を義務づけている。

 外出の困難な人にはインターネットからの情報が重要な人もいるため、ITを使うケースもあると思う。ただし、その情報提供に誰が責任を持つのかを確保すべき。

 情報の正確性はITでも問題ないと思うが、消費者の誤解、読み違いの防止においては、対面にメリットがある。

 消費者のメリットになる場合は、取り入れていくべきである。インフラを持つ薬局がどのくらいあるかなど、実態を見ていくことが重要。ただし、説明では、書いた物が残る必要があるので、工夫が必要。

 技術は日々進歩するので、利便拡大が可能。必要な安全基準をしっかり決めれば、それに応じた対応ができる。
 また、管理については、個人情報保護の問題も出てくる。
 ITは、便利と安全というふたつのニーズを成り立たせることができるものである。
 今後の議論としては、先に求められるレベルを決め、それが可能かどうか実証試験を行っていくことが重要。

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