05/05/31 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時  平成17年5月31日(火) 14:30〜16:30 ○場所  厚生労働省専用第15会議室 ○出席者  委員 井上(達)委員(部会長)、青木委員、大野委員、小沢委員、加藤委員、     志賀委員、下田委員、豊田委員、中沢委員、米谷委員、古池委員  関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課薬事・飼料安全室       嶋崎課長補佐  事務局 外口食品安全部長、松本大臣官房参事官、高原企画情報課長、      中垣基準審査課長、宮川課長補佐、近藤専門官、浦上係長 ○議題  (1) 食品中の残留農薬等に係る基準の設定について  (2) 食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の導入について  (3) その他 ○事務局  それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科 会農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願 い申し上げます。  開会に当たりまして、まず、外口食品安全部長からごあいさつを申し上げます。 ○食品安全部長  薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会の農薬・動物用医薬品部会の開催に当たりまし て、ごあいさつ申し上げます。皆様におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進 につき種々御協力をいただき、誠にありがとうございます。本日は、動物用医薬品であ る豚萎縮性鼻炎ワクチンの食品中への残留、また、残留農薬等のポジティブリスト制度 の導入に係る暫定基準の設定等に係る最終案について、御審議をいただくこととしてお ります。  残留農薬等のポジティブリスト制度の導入に関しましては、平成15年の食品衛生法の 一部を改正する法律が施行されて以来、平成18年5月の施行に向けて平成15年6月から この部会におきまして御審議いただいてきたところであります。これまでに第1次案、 第2次案を取りまとめ、国民の皆様等より数多くの御意見をいただき、それらの意見を 参考に議論をしていただきました。今般、これまでの審議結果を元に、残留農薬等のポ ジティブリスト制度の導入に係る最終の案を事務局で取りまとめさせていただきまし た。本日は、この案について、これまでの部会の議論を反映しているかなどについて御 議論をいただきたいと存じます。  事務局としては、この最終案について御了解がいただけるのであれば、今後、食品安 全委員会に報告申し上げるとともに、パブリック・コメント及びWTO通報を行い、告 示・改正に向けた作業を進めることとしております。よろしくお願いいたします。 ○事務局  本日は、井上松久委員、山添委員より欠席の御連絡をいただいております。農薬・動 物用医薬品部会の委員13名中11名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に 達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  それでは、井上部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し 上げます。 ○井上部会長  皆さん、こんにちは。  それでは、議事に入らせていただきたいと思います。初めに、事務局から配付資料の 御確認をお願いいたします。 ○事務局  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  まず、お手元の資料、議事次第でございますが、こちらが3枚を一まとめにしたもの でございます。  次に、資料1−1が、豚萎縮性鼻炎に関する資料となっております。こちらは通し番 号で言いますと、1〜9ページまでございます。  次に、資料2−1でございます。こちらにつきましては、9ページからが資料2−2 となっております。全68ページとなっている資料でございます。  次に、資料2−3−1でございます。こちらは資料2−3−2及び資料2−4を含ん でおります。全ページで通し番号で言いますと115ページまでとなっております。  最後に、参考資料でございますが、こちらが食品安全委員会への意見聴取及び食品健 康影響評価結果についての進行状況を表している紙でございます。こちらは、通し番号 で言いますと1〜3ページまでとなっております。落丁等ございましたら、事務局まで お願いいたします。 ○井上部会長  配付資料に不足等がありましたら、事務局の方までお申し出ください。殊に、資料 2−4などは2−3−1の一番後ろの2枚目でございますので御確認ください。 ○事務局  更に、追加の資料の説明がございます。お手元にこちらは印刷物となっております が、『食品中に残留する農薬・動物用医薬品及び飼料添加物暫定基準(最終案)』とな っている資料、これは2分冊となっておりますが、この分冊がございます。また、お手 元には、この分冊内容について一部修正等がございまして、その差替えに関する資料が 添付してございますので、こちらの方も漏れがないか確認をお願いいたします。 ○井上部会長  そういうことでございます。よろしくお願いします。  それから、時節柄お暑いようですから、必要でしたら上着をとってお気楽に議事をお 進めください。  まず、動物用医薬品である豚の萎縮性鼻炎のワクチンについて、事務局から御説明い ただいて御審議いただいた後に、先ほどもお話がありましたように、残留農薬のポジテ ィブリスト制の最後の大詰めを迎えているわけでございますが、暫定基準の設定等、最 終案を御審議いただくという順序でお願いいたします。  では、まず、事務局からワクチンについての資料の説明をお願いいたします。資料の 作成に当たっては、関係の委員の先生方には既に資料等について御検討をいただいてい るところであります。では、お願いします。 ○事務局  それでは、資料1に基づきまして御説明いたします。本日御審議いただく品目につき ましては、これまでも何度か御審議いただいているものと同様のものでございますけれ ども、薬事法に基づきまして、動物用医薬品の国内での承認、それから、使用基準の設 定に係る意見を農林水産省の方から求められているというものでございます。  品目につきましては、記の1番でございますけれども、豚ボルデテラ感染症不活化・ パスツレラ・ムルトシダトキソイド混合(油性アジュバント加)ワクチン。商品名が、 日生研ARBP混合不活化ワクチンMEというものでございます。2番のものにつきまして は、まだ食品安全委員会の方で審議が行われているところでございます。  今回の農水省からの意見聴取を受けまして、厚生労働省からも食品安全委員会に残留 基準設定に係る食品健康影響評価を依頼したところでございますけれども、食品安全委 員会の評価案が公表されましたことを受け、本日御審議いただくものでございます。  なお、不活化ワクチンにつきましては、昨年12月の本部会におきまして、病原体等が 不活化されていること、それから、アジュバント等の添加剤が既にリスク評価されてい るものと同じもの、それから、アジュバント等の添加剤の含有量が既に評価されている ものと同程度、またはそれより少ないという3つ、これらのすべてに該当するものにつ きましては、残留基準を設定する必要がない旨の結論をいただいているわけでございま すけれども、今回のものにつきましては、この条件に当てはまらないものということで ございます。  それでは、3ページをごらんください。資料1−2でございます。こちらは食品安全 委員会における評価結果案でございまして、6月2日までの予定でパブリック・コメン トを募集しているものでございます。内容につきましては、資料1−3の本部会の報告 書案と併せて御説明させていただきたいと思います。  続きまして、7ページをごらんください。資料1−3、農薬・動物用医薬品部会の報 告案でございます。  まず、1でございますけれども「概要」といたしまして、(1)として品目名を記載さ せていただいております。  それから、(2)用途でございますが、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、Bbと略しま すが、それから、毒素産生パスツレラ・ムルトシダ、Pmと略しますけれども、この混 合、またはそのいずれかの菌の感染による豚の萎縮性鼻炎、この疾病は感染性が強く、 致死率は低いというものでございますけれども、発育遅延等が起こりまして、経済損失 が大きいという疾病のようでございます。この予防を目的としているということでござ います。  主剤といたしましては、国内で分離されましたBbの培養液、それから、Pmの培養 菌体破砕液をクロマトグラフィーにより精製したPm毒素をホルムアルデヒドで不活化 させたものでございまして、これにマイクロエマルジョンアジュバント、流動パラフィ ン、乳化剤、それから、緩衝液の混合物を含んだ液状の不活化ワクチンということでご ざいます。  (3)有効成分につきましては、記載のとおりでございます。  (4)適用方法及び用量でございますけれども、妊娠豚に1〜2か月の間隔で2回、筋 肉内に注射をする。ただし、2回目の注射は分娩予定日の2〜4週前に行う。次回以降 の繁殖時に行う補強注射は、分娩予定日の2〜4週前に1回、筋肉内に行うということ でございます。  それから、承認に当たりましては使用上の注意事項といたしまして、出荷前8週間は 注射しないとする休薬期間が設定されるということでございます。  (5)諸外国における使用状況でございますけれども、類似品が国内外において承認・ 販売されているという状況でございます。  続きまして、2「残留試験結果」を御説明いたします。  豚における安全性試験といたしまして、非妊娠豚と妊娠豚の左頸部筋肉内に第1回、 約1か月間隔で右頸部筋肉内に2回目を接種し、その後、接種部位の肉眼及び病理組織 学的検査が実施されているところでございます。  まず、非妊娠豚の方でございますけれども、常用量群3頭接種したうちの1頭におき まして、投与後44日における病理組織学的検査でごく軽度の肉芽腫が認められたのみと いう結果でございまして、肉眼的変化は消失していたという結果でございます。  また、妊娠豚の接種試験の結果でございますけれども、こちらも常用量群の3頭のう ちの1頭において、投与後44日には肉眼的に軽度の反応、病理組織学的には軽度の肉芽 腫が認められたということでございます。  8ページにまいりまして、接種部位の接種反応消失確認試験につきましても実施され ております。この試験は2つ実施されておりますけれども、1つ目の試験としまして は、常用量を2か所に接種し、12週後に観察。2つ目の試験としましては、常用量を4 週間間隔で異なる部位に2回接種し、2回接種6週後に観察の2試験が実施されており ます。観察につきましては、いずれも肉眼的に行われたものでございまして、2つ目の 試験の第2回接種後6週の接種部位で3頭のうちの1頭に軽度な反応が認められたとい うことでございますけれども、それ以外の1つ目の試験、それから、2つ目の試験の第 1回接種後10週の接種部位に異常は認められなかったということでございまして、今回 設定されます8週間の休薬期間において、ワクチン接種の影響はおおむね消失するとい うような結果になっているということでございます。  続きまして、添加剤の方でございますけれども、このワクチンの中には不活化剤とし ましてホルムアルデヒド、保存剤としてチメロサール、アジュバントには流動パラフィ ンと乳化剤としてマンナイドモノオレエイト、それから、ポリエチレングリコールオレ エイトが含有されているということでございます。ホルムアルデヒド、チメロサール、 流動パラフィンにつきましては、既に食品安全委員会の動物用医薬品専門調査会におい てワクチン中の含有量等が考慮されておりまして、摂取による健康影響は無視できると 評価されているところでございますけれども、今回これまでに食品安全委員会の方で評 価されていないマンナイドモノオレエイトとポリエチレングリコールオレエイトという のが評価されておりまして、マンナイドモノオレエイトにつきましては、EMEAでMRL 不要とされる部類に該当している。それから、ポリエチレングリコールオレエイトにつ きましては、国内で医薬品添加物として使用されている。それから、EMEAではごく近縁 のポリエチレングリコールステアレイトがMRL設定不要と評価されているということ を踏まえまして、食品安全委員会における食品健康影響評価(案)といたしましては、 既存の毒性評価とワクチンの接種量を考慮すると、含有成分の摂取による健康影響は無 視できると考えられるという結論とされているところでございます。  3「ADIの評価」にまいりまして、食品安全委員会の評価案といたしましては、2 パラ目の最後にございますけれども、まず、主剤は生菌体を含まず、かつ毒素も不活化 処理されているということから、主剤のヒトへの病原性は無視できると考えられる。  それから、3パラ目にございますけれども、製剤に使用されているアジュバント等の 添加剤につきましては、先ほど御説明差し上げましたように、含有成分の摂取による健 康影響は無視できると考えられる。  それから、4パラ目から9ページにまいりまして、接種部位の局所反応につきまして も、特に問題はない。10週以降では、肉眼的にはワクチンの影響はほとんど消失したと いうことでございまして、食品安全委員会の結論といたしましては、当生物学的製剤が 適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無 視できるものと考えられるということでございます。  その結果を踏まえまして、4「残留基準の設定」でございますが、本部会といたしま しては、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、残留基準を設定しないこととする として取り扱うこととしたいという案でございます。  以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○井上部会長  御説明ありがとうございます。  ただいまの御説明について、御質問・御意見等がありましたら、お願いいたします。 概要、残留試験の結果、ADIの評価、それぞれ御説明いただきましたが、いかがです か。マンナイドモノオレエイト、ポリエチレングリコールオレエイトが新規のものとい うことです。よろしゅうございますか。 ○豊田委員  8ページ目の上から5行目のところに書いてございますが、接種部位の消失確認試験 というところですけれども、3頭のうち1頭に軽度反応が認められた、これはどうして 出てきているのかという理由を教えていただきたいのですけれども。 ○井上部会長  ただいまの御質問はよろしいですか。今、調べてくださっているようですので、もう ちょっとお待ちください。 ○農林水産省 農林水産省でございますけれども、恐らくこの3頭中1頭に認められた 軽度な反応というのは、いわゆる注射に対しての反応だと考えられます。つまり、アジ ュバントが入っていますので、通常の生体反応といいますか、それに対しての炎症です とか、あとは肉芽組織形成というような反応かと考えています。 ○井上部会長  肉芽腫性の反応だということです。よろしいですか。  ほかにはいかがでしょう。よろしいですか。特にないようでしたら、今、御説明にあ った本報告案をもちまして、当部会の報告ということにさせていただきたいと思います が、よろしゅうございますか。               (「異議なし」と声あり) ○井上部会長  ありがとうございます。それでは、本報告案をもって当部会の報告書とさせていただ きます。  事務局から今後の手続についての御説明をお願いいたします。 ○事務局  本件につきましては、食品安全委員会からの正式な通知を受けた上で、食品衛生上の 修正が必要でなければ、本報告案を部会報告書といたしまして食品衛生分科会に報告す るとともに、農林水産省に通知する予定としております。 ○井上部会長  ありがとうございます。  次は、議題2の先ほどお話のあった食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト 制の導入についての事務局からの最終案の御確認・御説明でございます。お願いいたし ます。 ○事務局  お手元にございます資料2−1、それから、ページが一番最後になりますけれども、 107ページになろうかと思いますが、2−4について初めに御説明したいと思います。  資料2−1につきましては、ポジティブリスト制度の導入に関しまして、サマリーを つくったというものであります。これまで御審議をいただいたもの、それから、今日お 諮りをいたします最終案の内容などについて、要点をまとめた紙というのが資料2−1 ということになります。したがいまして、余り目新しい部分というのはございませんの で、ポイントだけ絞ってお話ししたいと思います。  資料2−1の1ページ目は、制度の導入の法的な背景が書いてございます。  2ページ目の上のところに「内閣府食品安全委員会における調査審議」というのがご ざいます。これは前回こちらの部会が4月13日に開かれた際に、最後の方で課長から説 明をいたしましたが、4月14日、それから、同じく21日に、食品安全基本法の第23条第 1項第5号の規定に基づきまして、ポジティブリスト制度に関する調査審議というもの が行われました。その結果、4月28日に厚生労働大臣に対して食品安全委員会の委員長 から、そこにございます暫定基準の設定する物質の再点検やリスク評価計画の策定など について留意すべき事項について意見が出されました。その意見具申の資料と申します のは、5〜7ページにそのまま添付しております。厚生労働省においては、これまでこ の部会で審議をいただいた結果、それから、今回、安全委員会の意見に基づいて更に検 討を加えて、そして、最終案というものを作成したということになります。  以下、2〜4ページまでございますが、2ページの方で申しますと、一律基準の設 定、それから、対象外物質の指定が3ページの上から、暫定基準の設定が3ページの半 ばから、そして、最後4ページに、これまでの審議の経過と今後の予定などをまとめて おります。  こちらの方は、後ほどもう少し詳細の説明をいたしますので割愛をさせていただきま すけれども、5ページで安全委員会の意見ということでまとめておるのをかいつまんで 説明いたしまして、今回、最終案をまとめるに当たって検討を加えた部分についてお諮 りをしたいと思います。  まず、6ページでございますが、出された意見は合計6つでございます。一番最初 が、暫定基準を設定する物質の再点検でございます。  2つ目が、リスク評価計画の策定に関する部分。  3番目が、いわゆる対象外物質、ヒトの健康を損なうおそれがないことが明らかであ る物質について、その根拠を明確にするということ。  4番目が、分析法の開発とその公定検査法の策定というもの。  それから、7ページにまいりまして、積極的なリスクコミュニケーションの実施。  そして、最後に、適時適切な措置が講じられることが確認できるように、安全委員会 に逐次報告を行うということになります。  最終案で検討するに当たりまして、作業部会の先生方などの御意見も伺って作業した のが1番になります。1番の内容は、6ページの上でございますが、食品の安全性の更 なる向上を図るために、国際的な評価との整合を図りつつ、暫定基準の設定すべき物質 について再点検をすること。その場合、我が国において評価が行われておらず、JMPR、 JECFA等の国際的な評価機関の評価において、発がん性の疑いなどの毒性上の問題を理 由にADIが設定されない、できないとされる物質について、暫定基準を設定すべき物 質のリストから削除することを含め検討することということになっています。  検討した結果が資料2−4となります。資料2−4は一番ファイルの最後になりま す、113ページになろうかと思いますが、横長の紙がとじてありますので、お見苦しい かと思いますが、そちらをごらんください。暫定基準の第2次案で設定した農薬の中 で、国際機関である、JECFA、JMPRで評価をされなかった、ADIの設定ができないと 判断されたものというのは全部で11ございました。114ページを見ていただきますと、 そちらに10の物質と、一番に脚注で四塩化炭素を入れまして、11物質がそれに該当いた します。  その横長の表でございますけれども、番号で書いてありますのは暫定基準の第2次案 で設定した番号でございます。したがいまして、最終案の番号とは違うのですが、暫定 基準の第2次案の番号がそちらに書いてございます。上からBHC、DNOC、アレスリ ン、オキソリニック酸、キシラジン、グアザチン等々でございます。それぞれ暫定基準 を設定するときに参照した基準というのは、例えば、BHCでありますとカナダ・豪州 の基準でありますが、国内でも現行基準があります。それから、DNOCであればEUの基 準であるというようにまとめております。  ADIを設定しないと判断した理由でございますが、こちらの方は非常に簡潔に書い てございまして、事実関係として明らかに催奇形性がある、もしくは発がん性があると 確認されたのではなくて、例えば、真ん中より下の方にありますクマホスというのは催 奇形性と書いてございますが、こちらは例えば、催奇形性に関しての追加試験が必要で あるというような記述になっており、それで、ADIが判断できなかったということに なります。  こういう評価機関においては、提出された資料に基づいて判断をするということでご ざいますから、提出された資料のセットによっては、データ不足というものでADIを セットしないというのは、幾つか見られるということになります。  それから、同じクマホスのところでございますが、これは1990年のJECFAの評価とな ってございますが、これは間違いでございまして、JMPRの評価でございます。この点は 訂正をさせていただきたいと思います。  このようなそれぞれの物質につきまして評価機関での状況を見まして、それから、基 準の設定状況などを参考にいたしまして、おおよそ次のような整理を最終案では行った らどうかと考えております。それが1ページ戻りまして「最終案における取扱い」とい うところでございます。前段は先ほど来、説明を申し上げました意見の提出があったこ と、それから、その意見の内容を抜粋してございます。  最終案の取扱いでございますが、まず(1)は、国内で現に農薬取締法などで登録が行 われているもの、すなわち、国内で一定の評価がなされているような使用が認められて いるもの、それから、リスク評価に関する資料が提出されているようなものについて は、優先的にリスク評価を行うこととして、暫定基準の設定というのは従来どおり行 う。  それから、(2)として農薬として使用されていないものについては、そもそも暫定基 準自身を設定する必要もないもの。  それから、(3)は上の(1)(2)でないものについて、これはもう暫定基準として不検出、 いわゆる閾値が設定できないという判断のもとに不検出として管理を行う。ただ、これ も実際の評価に関する資料の提出があれば、(1)のような扱いをしましょうというもの です。この3つの扱いでいかがかと考えているものです。  それを個別の物質で見ますと、次のページの対応案という一番右側になります。実際 に使用のないような物質に該当するものが一番上のBHC、その下のDNOC、それから、 真ん中より少し下でグアザチンというものになります。ただ、グアザチンにつきまして は、使用がされていないというよりも、実はこのグアザチンと基本構造が同じ農薬でイ ミノクタジンという物質が、国内で既に食品衛生法の残留基準が設定されている、もし くは登録がなされていて使われている農薬でございますが、こういうもので分析して区 別がつかない、実際にイミノクタジンで管理がなされているということから、暫定基準 を設定しないという扱いにする。  それから、(1)に該当するようなもの、現に国内で使用が認められているようなもの、 それから、毒性学的な評価について資料があるものといいますと、上から3番目でござ いますアレスリン、オキソリニック酸、キシラジン、もう少し下に行きましてスルファ チアゾール、タイロシン、この5つの物質ということになります。  あと、それ以外のもの、(3)の不検出とするものにつきましては、クマホス、プロファ ムというものが対象となるということになります。  四塩化炭素につきましては、下にございますように、JECFA、JMPRではNO ADIという 品目になっておるんですが、1999年のWHOの環境保健クライテリアでは、TDIが設 定されておりますので、この資料から除外をしておりますし、また、この四塩化炭素に ついてEUで基準が設定されておったところですが、欧州委員会の担当者と確認いたし ましたところ、農薬というカテゴリーに入るものではない、農薬として使用されていな いという点を確認しております。  以上が、資料2−1とそれに付随いたしまして資料2−4について、対応の案を御説 明いたしました。  以上でございます。 ○井上部会長  ありがとうございます。  ただいま御説明がありましたように、食品安全委員会の意見書に対する回答として検 討した内容として、特にADIが設定できない物質が10個あって3通りに分けて説明し ていただいたということでございます。いかがでしょうか。検討に当たっていただいた 先生からでも補足のような御説明がもしあれば。 ○基準審査課長  今、資料2−4について御説明申し上げましたけれども、それ以外の部分について、 6ページの食品安全委員会の意見書に基づいて、現在までの検討の状況を報告させてい ただきたいと思います。  まず、1番についてでございますけれども、今、御説明申し上げましたし、また、ワ ーキンググループの中で、例えば、我が国の毒物・劇物的な考え方からいうと、特定毒 物に当たるようなものについては、基準をつくらない方がいいのではないかというよう な御指摘をいただきました。したがいまして、それらのものについては、第2次案から 最終案に移っていく際に、特に追加をしようとしたもの、先生方に前の部会で御議論い ただきましたけれども、LODと諸外国でなっているものついて追加をしていくんだと いうことを申し上げたわけですが、その追加をしていく過程の中で取り下げたものが一 部ございます。これは今ちょっと品目を整理しておりまして、今日はどうしても間に合 いませんでしたので、追って一覧表の形でお届けをしたいと思っております。  2番目のリスク評価の計画でございます。これについては、優先的にやるものと全体 的にカバーをするという二段構えで考えておるところでございます。優先的に評価をす るというのは、今、御説明させていただきました国際機関でのADIは設定しないとな っているものであっても、諸外国が評価あるいは我が国のこれまで薬事審議会等々で評 価をして、基準を設定しておるというようなものについては、優先的にやっていきたい と。  また、マーケットバスケット調査で摂取量が多いもの、あるいは今後の使用の拡大が 想定されるものについては、優先的に資料を収集してリスク評価をお願いしていきたい と考えております。  また、一方におきましては、これまで諸外国あるいは国際機関で評価がされておると いうことでございますから、それらの評価書を集めたいと考えているわけでございまし て、その2つを組み合わせた形で、全体としての計画をつくっていきたいと考えており ます。  3番目の対象外の問題でございますが、対象外物質につきましても、先ほど申し上げ ましたとおり、諸外国での評価あるいはビタミン、アミノ酸類等でございますと、創設 的なものがたくさんあると思いますので、そういう資料を収集していきたいと考えてお ります。  4番目の検査の問題でございます。これについては前回の部会でも御報告させていた だきましたとおり、国立医薬品食品衛生研究所の米谷先生を中心に、地方衛研でござい ますとか道路検査機関とか御協力をいただいて、今、懸命に作業をしていただいている ところでございます。後で追加することになったことなどの事情もあって、今年11月と 想定しております告示あるいは来年5月と言われている施行に、一部はどうしても間に 合わないというような事態も出てくるのだろうと想定いたしておりますけれども、懸命 な作業をお願いしておるということで御了解をいただければと考えております。  5番目のリスコミでございます。厚生労働省として、本年度のリスクコミュニケーシ ョンの考え方を先日、公表したところでございまして、そのメインテーマとして、輸入 食品と並んで農薬のポジティブリスト制度を掲げて、全国8か所でリスコミをやるとい う計画を既に公表したところでございます。  6番目の安全委員会への報告ということでございますけれども、切りのいい時期に報 告をしていきたい。例えば、本日のこの部会で最終案について御了解がいただけるので あれば、今週の木曜日に想定されている安全委員会にその旨を御報告し、御意見を賜り たいと考えている次第でございます。  以上でございます。 ○井上部会長  ありがとうございます。  食品安全委員会からの御意見に対する考え方の御説明を補足していただきましたが、 米谷委員お願いします。 ○米谷委員  114ページ、先ほど御説明いただいたところでございますけれども、そこに四塩化炭 素を入れまして11品目ございます。先ほどの御説明のように、今回、不検出とするとい うのがクマホスとプロファムの2剤でございます。不検出ですと、当然ながらそのとき には分析法がついていかないといけないということで、分析法のことを考えましたとこ ろ、クマホスとプロファムにつきましては、一応0.01ppmのレベルでは分析法はできる ということでございます。ですが、不検出ということで、このレベルでいいかどうかと いうことがございますけれども、一応0.01ppmでは分析法はできるだろうと考えており ます。  特に、このクマホスとプロファムでADIを設定できない理由というのが、先ほども 御説明がありましたように、資料不足とかそういうもので、特に有毒・有害だというこ とでは今のところないようなので、もし、そういうことであれば、また分析の方でも考 えないといけないですが、一応、現状では0.01ppm程度で分析はできるという御報告で ございます。 ○小沢委員  ちょっと伺いたいのですが、同じく114ページのADIが設定できないと判断された ものは、ここにあるだけなのでしょうか。それとも、もう少し幾つかあった中で、ここ にあるような理由でセレクトした結果としてここにあるのか、その辺がこれだけだと判 断していいのかどうか伺いたいと思います。 ○基準審査課長  2次案で既に不検出として出していたものがございます。それと、ここにあるもので ございます。ここにあるものをどう考えるかということでございますけれども、今回の 食品安全委員会からの意見の対応というところをごらんいただくと御理解いただけるの だろうと思いますが、例えば、アレスリンですと、日本の動物薬として承認がされてい る。承認に当たりましては、当然のことながら、この薬事・食品衛生審議会の動物用医 薬品の部会で御議論賜ってきたという経緯があるわけでございます。  また、国際的に見ますと、このADIを設定しないといったのはJMPR、すなわち農薬 としての評価ということでございますし、JMPRにしてもJECFAにいたしましても、ある メーカーが国を通してデータを提出していくと。ところが、国際的に見ると、特許も切 れたような品目については、全く別個に独立して開発がなされておるケースがあって、 またそれが別の用途ということになりますと、そのようなデータはJECFAでございます とか、JMPRには入っていかないということになってしまうわけでございますので、そう いう意味から申し上げますと、例えば、アレスリンですと、国内でこれまで評価をした 結果を参考にしてよろしいのではないか。ただ、国際機関でこのような評価が行われて おるということもまた事実でございますので、安全委員会という新しい組織が一昨年で きたわけでございますから、そこで改めて評価をしていただければということで、暫定 基準はつくるけれども優先的に評価をしていただく、データそのものについてはそうい う形でお願いしたかどうかと考えている次第でございます。 ○井上部会長  よろしゅうございますか。  ほかに物質についての質問あるいは考え方についての御質問等ありましたら、お願い いたします。 ○小沢委員  よろしいでしょうか。今の表の話ではなくて、要するに、ポジティブリスト制度の導 入についての大枠のサマリーをまとめてくださった文章の組み立ての問題なのですが、 これは疑問とか変えろという意味ではないのですが、今までの議論の仕方としてはポジ ティリスト制ということで、まずは暫定基準の議論をして、では、一律基準をどうしま しょうかということと、それに入らないものをどうしますかという組み立てで議論をし てきたんですね。この枠組みを拝見したときに、一律基準の設定からの組み立てになっ ているというのは、そういう考えてきた構造からするとちょっと違和感があって、何か その辺を整理する根拠というか考え方は、例えば、法律の関係だとかそういうことで、 あえてこういうふうに整理なさったのかどうかを伺いたいと思います。 ○事務局  私どもの方でこの紙をつくる際には、意図的にといいますか、一応考えた上でこの並 びにしてございます。あえてポイントとして申し上げるとすると、まず、ポジティブリ スト制度というのは第11条第3項の規定にございますように、まず、ヒトの健康を損な うおそれがない量というのを定めて、まず一律に大きな枠組みを掛けてしまうと。そこ から評価されたものについて基準ができていて、その基準の範囲であれば残留を認める ということですので、そういう組み立てから考えれば、これが一番流れ的にはいいもの ではないか。つまり、どんな農薬であっても、まずは一律が掛かってくる、そういうよ うな発想で、この流れにしてございます。 ○井上部会長  ただいまの説明でよろしいですか。 ○基準審査課長  今、小沢委員がおっしゃったのは、私もある面でいくとよくわかりますし、役所の方 もこの3ページ、4ページまでの文章というのは、今、彼から御説明申し上げましたと おり、考え方としてまず一律がある、それに対象外とするものがある、一方では、暫定 基準をつくるというような流れになっておるわけでございますが、9ページからの本文 と申しますか詳細な資料の方は、暫定基準から並んでおるわけでございます。そういう 意味から申し上げますと、我々の方も少し整理をしたとは言いながら整理し切れていな い部分があって、また、作業量の問題から申し上げますと、暫定基準がこの作業量でご ざいますから、そういう意味で、暫定基準が前に来ている部分もあるのだろうと思うわ けでございますが、一つの法的な整理としては、一律基準から説明をしていくというこ との方がわかりやすいのかなと考えている次第でございます。 ○井上部会長  御苦労を反映してのことだと思いますが、よろしいですか。 ○小沢委員  それはよくわかるのですが、ずっとこの議論に関与している人とか資料をよく見てい る人は、なぜこうなっているかというのはわかるんですが、後でまた申し上げたいと思 いますけれども、客観的に初めてこういう制度に触れようとか見ようとするときに、ど う理解していいのかわからないことが、改めてじっくり見ていくとわからない組み立て というか、まだそういう意味では説明が足りない部分があるので、その点はきっちり、 誰が見てもわかる、少なくともきちんと読めばわかるというレベルにはしていく必要が あると思って、あえて申し上げております。 ○井上部会長  ということでございます。関連でもほかにいかがでしょう。  それでは、資料2−2の先の御説明を伺うようにして、それからまた、必要に応じて 戻るということにしたいと思います。お願いします。 ○事務局  資料2−2につきましては私の方から、対象外物質の部分は彼の方から説明をいたし たいと思います。  資料2−2は9ページになります。まず、暫定基準の設定、これが一番分量が多いで すので、こちらから説明させていただきますが、基本的に、これまでこちらの部会で御 議論いただきまして御了解をいただいた内容をベースにして、この暫定基準の設定につ いて行っております。資料2−3−1、資料2−3−2というのが、これまでの御議論 の中でお示ししてきた内容だったと理解しておりますので、これを反映してきたものと いうことになります。基本的なつくりは、第2次案のときと余り変わっておりません。 したがいまして、2次案から変わった部分を中心に御説明を申し上げたいと思います。  まず、10ページをごらんください。下の部分でございますが、これは暫定基準の設定 の一般規則と私どもが呼んでおります部分です。一般規則については後ほど出てまいり ますけれども、一番下の(2)「ADIの設定ができない農薬等の取扱い」の部分でござ いますが、1つ目のパラグラフは従来と同じでございまして、その次のパラグラフ、国 際機関でADIが設定できないとされている物質についても、不検出という暫定基準を 設定することにする、これは先ほどの資料2−4の3番目の事例ということになりま す。  更に、その下でございますが、国際機関においてADIが0.03μg/kg/day未満のも の、つまり一律基準の閾値より低いようなものについて、ここにございますクレンブテ ロール、デキサメサゾン、酢酸トレンボロンについては不検出。それから、不検出の基 準が設定されている農薬、エンドリンとかそういうものがございますから、こういうも のについては、農作物、畜水産物ごとに不検出という暫定基準を設定するということを 新たに加えております。  その後、新たに変更がなされている部分と申し上げるのは、12ページになります。暫 定基準のつくり方などの基本的なやり方は変わっておりません。12ページの一番下でご ざいますが、(3)というところです。(3)が「暫定基準の設定に係る留意事項」でござい ますが、その中の3番目になります。筋肉、脂肪などの一部の組織または臓器のみに基 準が設定されている動物に関して、基準が設定されている組織、またはその臓器以外の 組織または臓器について、例えば、動物薬について動物に対して投与が認められている ものであって、一部の臓器について残留すれば、その程度は違っても他の臓器に残留す る。また、アメリカなどにおいて標的臓器のみに検査体制がとられているというような ことから、すべての臓器に設定されていないという現状がございますので、これらにつ いて同一の動物で基準が設定されている組織または臓器のうち、最も低い基準を同じ区 分に基準が設定されていない組織または臓器の基準として設定する。こういうようなも のの類型の番号を6−3という類型で示しました。これは、ちょっとページが飛びます が、17ページをごらんいただけると、既に何度かごらんいただいたような判断スキーム を載せておりますが、類型の書き方を整理させていただきまして、下の方の6−1から 6−6まで設定させていただいております。こういうような形で類型を整理してお示し をしているということになります。前回まで類型8までございましたが、原則以外のも のについては6−1から6−6までの設定になっております。  また13ページに戻りまして、類型の番号は変えておりますけれども、その次の(4)、 地方公共団体における監視指導のために開発している分析法の状況を考慮して、一律基 準の案、0.01ppmまで分析が困難と考えられる農薬であって、基準が設定されていない 農作物に関し、農作物及び畜水産物の別に、それぞれ定量限界に相当すると考えられる 値をもって暫定基準を設定する。こういうような取扱いを行ったものを類型6−4と示 しているということになります。  この類型に該当するものを一覧にまとめたのが、19ページでございます。それぞれの 定量限界をまとめております。ナフタレン酢酸から始まってモリネート、これは現行基 準などもありますけれども、こういうようなものについて農作物・畜水産物でそれぞれ の定量限界というものを設定して、これを暫定基準として置くという数字をまとめてい るものです。  現在までに農薬に関して申し上げますと、およそ500の農薬、正確に申しますと499と 衛研の方から私どもは聞いておりますが、499物質について検討を行った結果、ここに 書いてあるものについて定量限界値というものを判断して、未検討のものが約50あると いうことになります。  それから、動物薬につきましては、119物質について検討したものという結果のベー スにしてございます。まだ未検討のものが100近くあると聞いておりますけれども、そ ういうような状況でのものということになります。  もう一度13ページに戻りまして、一律基準の案の0.01ppm未満の基準が一部の農作物 もしくは動物、畜水産物などに設定されているものについては、特定の値をもって残留 基準を設定されている農作物以外のものに関しても、その当該農薬に既に設定されてい る最初の基準をもって暫定基準を設定するというような形をとろうと、これは前回の部 会で(4)の検討と併せて行ったものですが、これらについてまとめております。これら は類型6−5となっておりますが、それらをサマライズしたのが23ページでございます が、一覧表にしてございます。それぞれの暫定基準として設定した数値が0.01ppm未満 だったもの、一番最初のアゾキシストロビンから始まりまして、リンデンまであるとい うことになります。それぞれの数値がそちらに書いてございます。一部エンドリン、そ れから、トリアゾホス、それから、動物薬では酢酸トレンボロンみたいにN.D.(不検出 )というようなものも同じ扱いにしているということになります。  13ページにもう一度戻りまして、最後に、作物残留試験の成績などを提出されたもの について基準を設定したものについて、類型の6−6という形にしております。併せて 6−3、先ほどの動物の組織について臓器等の配慮をしたものなども併せて、類型6− 6としてございます。  これらの点が、新たに暫定基準で最終案の中で変更した部分というものになります。  それ以外に、13ページの下の(4)の(1)のウの部分を新しくしてございます。外国基準 値で検出限界値をもって基準を設定しているもの、先ほど課長が少し説明をいたしまし たが、こういうようなものの中で特定毒物に該当するようなもの、毒劇法で特定毒物に 該当するもので国内外で使用の認められていないものについては、暫定基準を設定しな いということにしております。  それから、外国基準の採用の中では、アメリカのいわゆる緊急時に使用される病害虫 のものについて、基準を設定したというのも追加になります。  14ページにまいりまして、あと幾つかございますが、1つは、ミネラルウォーター類 でございます。これも、こちらの部会で御了解をいただいた部分でございますけれど も、CODEXにおいてWHOの飲料水ガイドラインを採用しておりますので、それに基づ きまして暫定基準を設定するということにしております。それは資料で申し上げます と、ちょっと飛びますが、加工食品の後ろ辺り、50ページがミネラルウォーターの暫定 基準の案という形になります。  それから、6番目でございますが、農薬として使用される抗生物質については、検出 限界の数値をもって基準を設定するということで対応するということにいたしましたの で、それが14ページの(6)に記述してございます。  それから、15ページにまいりまして、これは食品の分類でございます。スパイス、ハ ーブというのは、もととも基準としてはどこかにはまっていたわけですが、これらにつ いて独立した形で基準を設定するという形にしてございます。それが15ページの真ん中 より少し上の(2)ということになります。  それから、変更という点では、肉の分類のところで「上記以外の何とか」と書いてい たものについて少し整理をいたしまして、今現在この分類を使うという形にしておりま す。  それから、16ページの一番上のところ、これは暫定基準の見直しに関する部分です が、先ほど課長から説明いたしましたが、リスク評価計画などの検討の中で優先的に検 討していくものという記述を加えております。  ずっとその後資料をめくっていただきますと、25ページで残留基準が設定されている ものであって、暫定基準を設定しなかったもの、いわゆる現行基準の一覧ということに なります。  なお、本日は、委員には別冊として上下巻の資料をお手元に配付してございます。別 冊につきましては、今週末ぐらいにホームページで掲載をする予定にしております。そ れまでの間の閲覧ということも傍聴者の方、もしくはそれ以外の方についても閲覧した いという方については、私どもの行政相談室で閲覧ができるようにしてございます。た だ、部数が限られておりますので、集中なさいますとなかなか見られないことから、そ れ以外に、そちらにございますような関係団体にも別冊につきましてはお送りしてござ います。  27ページは、現行基準を設定したものであります。この中で一番下に注がついており ますが、審議中のものというのは、こちらの部会での審議が終わって、分科会での御審 議もいただいたというものになります。具体的に申し上げますと、審議中のものという のは、下の方の現46番、ピルリマイシン、それから、現55番、プロヒドロジャスモン、 現61番、ラクトパミン、この3つがまだ告示がなされていませんが、審議がおおむね終 了しているというものであります。  その次の29ページに、一般規則のイメージというものがあります。基本的に2次案と 変わっておりません。変わっているのが数字の部分でございます。29ページの真ん中よ り少し下、不検出とする農薬の取扱い、これが15農薬になっています。31ページに、不 検出とする農薬の一覧15物質が出ております。  それから、今回、暫定基準を設定したものが30ページの上にございますが、714農薬 になります。その下に加工食品を設定したものが61ございます。  何枚かめくっていただきますと、暫定基準の最終案というものがあります。33ページ からになります。一覧が出ておりますが、番号を見ていただきますと、途中幾つか欠番 があります。35ページの上の方に「11−1」という枝番号がついてございます。それか ら、もう3枚めくっていただきますと、410番というのが出てまいります。40ページの 上でございますが、410番が削除してございます。それから、その反対側のページ、527 番が削除したものとしてもう一つございます。「★」がついているものが新たに追加を した物質ということになります。  43ページを見ていただきますと、最後はワルファリンで715でございますが、途中欠 番が2つございまして、1個枝番がついていますので、全部で714ということになりま す。  その次に、加工食品の基準を設定したものの一覧というのが出てございます。これは CODEXなどの基準などをベースにして更新しているのと、今回、個別の基準の表をつけ てございますが、カンタキサンチンというのが47ページの真ん中辺りに出ておろうかと 思いますが、現行の基準として基準値が定められているものについて、このように示し ております。  同じようなものが、次のページの下の方にビフェナゼート、それから、その次のペー ジの下の55番、ボスカリドのところにも現行基準の設定があります。従来からありまし た小麦粉のようなものについても、ここでまとめております。  CODEX基準を採用しておるんですが、暫定基準、例えば、玄米と精米というような関 係で、整合がとれていないようなものについては削除をしてございます。  では、一旦ここで切らせていただきます。 ○井上部会長  ありがとうございます。  いろいろな基準で原則プラスでき上がっていますので、複雑と言えば複雑ですが、こ こまでの御説明で御質問がありましたら、お願いします。 ○小沢委員  13ページの(4)ですが、要するに、分析法の状況を考慮して、一律基準の0.01までの 分析が困難だということで別に定めているわけですが、これを表現するときに「それぞ れの定量限界に相当すると考える値をもって暫定基準」という言葉を使っていますよ ね。言葉が非常に混乱しやすいと思うんですが、いわゆる最初から言っている暫定基準 の意味合いと、今度、一律基準まで至らないので暫定的につくったものだよというとき に、この場合は言ってみれば暫定的一律基準みたいな扱いになりますよね。そこのとこ ろの言葉の整理をしないと今後の扱いにもかかわる問題かと思って、いい表現があるか どうかわからないですが、暫定的一律基準などと言うと、また、頭がごちゃごちゃにな ってクイズみたいな話になってしまうんですが、明らかにここで意味合いが違うという ことをはっきりする必要があるのではないかと思っております。  それから、17ページのずっとつくってきた判断図で、最初のどれを優先するのという ことから始まって優先してきて、人に聞かれて「なるほど、ここがわからないわけね」 ということがわかったんですが、実はチャートの中でそれぞれの類型と併せて、とりあ えず決めていく順番としては1、2、3、4、5というところまでは一応類型とマッチ しているわけですね。それで、突然類型6というのが出てくるので、この類型6という のは何と聞かれたときに、非常に説明が難しかったのです。この6というのは、例え ば、いろいろな議論の経過の中で派生的に出てきたものなので、そういう注釈なり考え 方というのはここに入れておかないと、6が行方不明になってしまうので、非常にわか りにくいものになってしまうということに気付きましたので、その辺は工夫が要ると思 います。  それから、3点目、これは伺いたいんですが、31ページの別表1の不検出という表の 扱い方なのですが、一番最初に不検出のリストをつくりましたときには、確かに発がん 性などの理由で、これは不検出、検出してはならないという考え方に基づいて不検出の リストをつくりましたと。その後、幾つか食品安全委員会の御意見などの経過があっ て、国際的な機関でADIがないということで、ここで例えば、クマホスとかプロファ ムが追加されているわけですよね。そうすると、この別表1というのは、考え方として 何で不検出なのかという意味合いが、ごちゃごちゃになってしまわないかという懸念が あって、その辺の交通整理というか、1つの表にするか、もう一つ別表2にしていいの かどうか私はよくわかりませんけれども、意味合いの違うものを一緒にするということ は避けた方がよろしいのではないかと思いました。  とりあえず、以上です。 ○井上部会長  大変ありがとうございます。それらの点について、今この場で、もし何かありました ら。 ○事務局  確かに、御指摘の点が意味合いの違うものが混ざり合っているという部分がございま すので、そこは少し注釈を入れるなりという形にはしたいと思います。御指摘のあった 3点になろうかと思いますけれども、ただ、一番最初の暫定基準は、確かに言葉が不十 分ですので、それはちょっと検討させていただきますが、ほかは注釈を入れて少し整理 をするというような形にさせていただきたいと思います。  それと、13ページのところで、私の方で訂正を申し上げておかなければいけなかった のが、(4)の(1)のイの部分「複数の外国基準を参考とする場合であって」ということで すけれども、こういう取扱いをしたものはなくしてしまいましたので、この部分につき ましては削除させていただくという訂正をさせていただきたいと思います。すみませ ん。 ○井上部会長  (4)の(1)のイがなくなったんですね。どうもありがとうございます。  ほかにはいかがでしょうか。整理をしていく上での御意見等いろいろあろうかと思い ますが。 ○米谷委員  11ページの(3)の下のところなのですが、代謝物の件ですけれども、今回は原則とし て「残留基準に記載されている化合物によって判断する」という記述になっておりま す。今回のポジティブリスト制のところに新しく入ったものはいいんですが、以前から 通知されていまして、その中で今度この表に移ってきた農薬の中で、従来は代謝物も含 めて基準が設定されていた化合物というのは、どれくらいあるか把握されていますでし ょうか。こちらの方でもまだ把握できていないものですから、そういうものがあるかど うか、後でも結構なのですけれども、御確認いただければと思います。そうしません と、現在は代謝物も含めて基準が設定されているのが、ひょっとしたらそれが抜けて記 載されて親農薬だけになってしまっているものがあるかもしれませんので、その辺を御 確認いただければと思います。 ○井上部会長  後ほどでよろしいですか。ありがとうございます。  ほかにはいかがでしょうか。 ○加藤委員  1つだけ質問をさせていただきたいと思います。ちょっと確認したいことがありまし て。例の19ページの表なんですが、先ほど499農薬の分析に基づいてつくられた表であ るというお話だったんですが、499農薬で多成分一斉分析法になったものというのはど れくらいあって、この数字になったのか、そこのところを教えていただければというこ とが1つ。  それから、もう一つ、今後の見直しのところで、予定としてはマーケットバスケット 法、それから、今後、使用拡大が想定されるものというお話でしたけれども、マーケッ トバスケット法で一度にやれるといいますか、今後の計画として年間どれくらいを予定 されておるのか、つまり全体として見直されるのがどれくらいの時期になりそうなのか というスケジュールとの関係で、今、案をお持ちでしたら、お話しいただければと思い ます。 ○事務局  今回検討に当たって参考にしたといいますか、定量限界の検討をしたものですけれど も、農薬に関して申し上げますと、まず1つは、現在通知で示されている分析方法、も しくは告示されているもの、こういういわゆる公定法で個別物質を測るようなものにな りますけれども、グループで測るものもありますが、それが1つ。それから、GC/MSの 一斉分析法を去年8月に出しておりますが、それによるもの。それから、まだこれは外 向きに出ているものとしてはありませんが、昨年度検討いたしましたLC/MSによる一斉 分析法のもの、この3つと、あと更に、個別の分析法、これは例えば、一斉分析法で掛 からないものについて、個別の分析法で検討したというようなもので、それを併せてや っているということになります。  数の話では、ちょっと数字が明確ではないですが、およそGC/MSで検討したものとい うのが200余りあります。それから、LC/MSでやっているものが60ぐらいということに なります。通知で試験法が定められているのは246ございますから、246物質が通知又は 告示されていますので、それによるということになります。国立医薬品食品衛生研究所 の食品部の先生からいただいている資料が手元にありますが、およそそういう評価にな っています。  それから、マーケットバスケットによる調査でございますが、私ども従来は年に20物 質でやってきたんですけれども、昨年度から物質の数を増やして行っております。50ぐ らいを目標にやりたいと考えておるんですが、それぐらいを対応できるように進めてお るところですが、いろいろ協力していただく試験機関の方々などもありますので、でき るだけ多くというような形で進めているのが実態であります。 ○井上部会長  加藤先生、よろしいですか。 ○加藤委員  もう一度、再確認させていただきますと、そうしますと、6−4に相当するものがこ れから増えていく可能性というのは、まだ未検討の50を除いてはほとんどないと、これ でほぼ確定と見ればよろしい数字でしょうか。 ○米谷委員  先ほども補佐がおっしゃいましたように、今回の定量限界値といいますのは、GC/MS あるいはLC/MSでの一斉分析法で、基準に達しなかったというものがほとんどでござい ます。個別に単独に分析法をつくっていくとしますと、0.01ppmはクリアできるような ものがかなりあるかと思いますけれども、この作業をいただいたのがほんの直前でござ いましたので、今回はGC/MSあるいはLC/MSの一斉分析法で対応できない、0.01をクリ アできないものを連絡させていただきました。ですから、個別に各機関にお願いして、 あるいはうちで1つの農薬だけを対象に分析法を作成していきますと、クリアできるも のもたくさん出てくると思います。 ○井上部会長  よろしいですか。  それでは、ちょっと時間が押してまいりましたので、資料2−2の10の対象外物質の 御説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは、資料のページで言いますと59ページになりますが、こちらの対象外物質に ついて御説明をいたします。  対象外物質につきましても、この部会の中で数多くの御審議をいただいてきたところ でございます。また、2次案を公表した際に、私どもの考えておる対象外物質というも のをお示ししてまいりましたが、これに対して寄せられたコメントも踏まえまして、私 どもの方で対象外物質というものの内容について再度検討させていただきました。  お配りしております資料の59〜63ページまでにつきましては、おおむね今まで検討し ていただいた内容と大差はございません。  次の64ページでございます。こちらに対象外物質を指定する際の考え方といたしまし て、4点をお示ししております。この4点につきまして、変更点についてお話をいたし ます。  一番大きな変更点といたしましては、まず、考え方の(1)「対象外物質としては」の くだりでございますが、こちらは従来「農薬等として使用される物質又は」という記載 があったものを「一般に使用されている農薬等及び当該農薬等が化学的に変化して生成 したもの」という形に変えてございます。  これにつきましては、この後参考として表をつけておりますが、この表の中で説明い たします食品というものの取扱いにつきまして、この食品を農薬等として取り扱うか否 かという観点での記載の変更でございます。  また、次に(2)でございますが、こちらにつきましては、特段変更はございません。  また、(3)についても、特段の変更はされておりません。  次に(4)でございますが、これにつきましては、必要に応じ一日摂取量調査等の実態 調査を行い、その結果を踏まえて対象外物質の見直しをするということで、従来よりも 文章を簡略化しているところでございます。  では、続きまして、この対象外物質の指定の考え方(1)から(4)に従いまして、どのよ うに事務局の方で内容を考えたかということにつきまして御説明を申し上げます。資料 につきましては表になりまして、67ページになります。こちらに表を示しておりますも のは、第2次案においてお示ししたもの。これに2次案のコメント等を反映したもの、 そして、最終案として考えているものという形になっております。  一番左側のカラムは、2次案においてお示しをいたしました区分と言われているもの でございます。これに対応する2次案においてお示しをしたもの及び、この2次案のコ メントを受けまして要望等がなされたものを反映したもの、これが真ん中のカラムとい う形になります。これらについて事務局の方で検討を加えまして、最終的な案として取 りまとめたものが、一番右側のカラムという形になります。  この内容につきましては、大きくポイントとしては3点ございます。先ほどの考え方 に基づきまして、まず第1としまして、いわゆる食品と言われているものの取扱いでご ざいます。食品においても農薬等の概念の中で食品が取り扱われる場合があるというこ とがあるわけでございますが、これはあくまで使用目的等から農薬等として使われてい るものでありまして、考え方に示しているような一般に使用される農薬等と考えられな いということでございまして、これらについては、対象外物質として取り扱わない方向 で検討しております。  次に、残留性の有無でございます。対象外物質のものにつきましては、あくまで残留 してもその程度において健康に問題がないとされるものを対象とするものでございます ので、そもそもとして残留しないというものにつきましては、この対象外物質として指 定する必然性を認められないということになりますので、この点につきましても、対象 外物質としない方向で検討しております。  次に、第3点目でございますが、この使用された農薬等につきましては、使用された 物質が科学的に変化して残留するということが想定されるところでございます。考え方 の中でもお示ししておりますように、一般的に農薬等として使用されるもの及び化学的 に変化して生成されるものというものを対象外物質と考えることにしておりまして、今 回の最終案におきましても、使用されたものが化学的に変化して残留するという観点か ら、内容を整理させていただいております。  この3点の考え方に基づきまして、以下、表の中身を見ていただきますと、第1に区 分の中で、食品安全基本法に基づくADIの設定が不要とされた物質につきましては、 アスタキサンチンがあるわけでございますが、これはそのまま最終案として採用しよう と。  次に、適切に使用する限りにおいて、健康に影響を与える可能性が無視できると評価 された物質につきましては、内容を勘案する限りにおきまして、残留するとは認められ ないことから対象外物質としないこととし、案を策定しております。  また、特定農薬につきましては、中身としまして食酢及び重曹と言われているものが あるわけでございますが、食酢はあくまで食品でございますので、これは対象外物質と しない方向で検討しております。  次の食品でございます。この食品につきましては、一部のシイタケ菌糸体抽出物、ク ロレラ抽出物、乳酸、尿素等につきまして記載を残してございます。これは一般に食品 として考えることが困難であろうと言われているもので、なおかつ、特定の成分が抽出 されたもの等につきましては、個々に評価を加えて列挙しておくべきであろうと、この ような観点から残してございます。  その次に「食品添加物として使用されている物等」となっております。この中につき まして一部、例えば、二酸化炭素であれば残留しないということになりますので除外と いうことになりますし、以下パラフィン、ワックスというものにつきましては、固着剤 等であるということも勘案いたしまして、対象外物質として残すという観点で作成して おります。  また、ビタミン、アミノ酸、ミネラルと言われているものがございます。これらにつ きましては、摂取された後に体内で代謝を受けまして残留して蓄積するということが考 えられますので、化学的に変化するものという物質の観点から整理をさせていただいて おります。  更に微生物農薬、そして、天敵農薬という区分がございます。微生物農薬につきまし ては、農薬取締法に基づきまして登録を受けているものということになるわけでござい ますし、また、微生物農薬につきましては、登録の段階におきまして増殖性はない こ とが確認されているものであって、言わば使われたものは減少する、そして、最終的に はなくなるということでございますので、これにつきましては、残留性はないという評 価をしております。  また、天敵農薬につきましては、ごらんいただければわかりますように、これはあく まで作物等の栽培段階において使うと。そのもの自体を食する目的ではございませんの で、この点につきましても、残留はしないという観点から作成しております。  以上のような考えに基づきまして、今回内容を整理いたしまして、戻りますが64ペー ジの対象外物質に示す中身という形となるものでございます。  以上でございます。 ○井上部会長  ありがとうございます。  対象外物質の指定の考え方と具体例について御説明いただきましたけれども、これに ついてはいかがでしょうか。特定農薬などは指定してきたいきさつからすれば当然のこ とのようになるわけですけれども、一つ一つみんな事情がありますので、なかなか複雑 かもしれませんが、コメント、御注文、御提言がありましたら御協力ください。多少前 に戻っていただいても結構ですので、どうぞ全般的に。 ○志賀委員  64ページの今の対象外物質で「概ね次のとおり指定する」というこの「概ね」をあえ てつけた意味というのは、どういうことだったでしょうか。私はしばらく欠席しており まして。細かいことで恐縮なんですが、この意味合いがちょっと気になりましたので。 ○事務局  「概ね」の意味でございますが、これは取りまとめたものがございまして、これで最 終的に御承認をいただいたものではございませんので、あえて「概ね」という形にさせ ていただいております。 ○事務局  すみません、これは消します。 ○志賀委員  最終案の中でこれが生きているのかと思いまして、どういう意味だろうと、つい気を 回し過ぎました。 ○事務局  2次案のときのものが残っていたのだと思います。申し訳ありません。 ○井上部会長  ありがとうございます。  そういった細かいことも是非御指摘いただいて、お願いいたします。 ○小沢委員  質問ですが、ADIが非常に低いもので0.3μgでしたかしら、3物質ありましたよ ね。あれは不検出と扱うということになっているんですが、あれは一体どこに入ってい るんでしょうか。それぞれのこのリストの大きな中に分散して入っているということで すか。それは確認できればそれでいいんですが、別表1には入らないわけですよね。 ○事務局  3物質と申し上げますのは、資料のところにございますけれども、クレンブテロー ル、デキサメサゾン、酢酸トレンボロンでございますけれども、暫定基準を設定した物 質の一覧を見ていただきますと、168番にクレンブテロールがございます。ですから、 お手元の別冊の336ページになります。それから、同じようにほかの物質も同じ並びで 入っているということになります。 ○小沢委員  わかりました。 ○井上部会長  ほかにはいかがでしょうか。 ○米谷委員  先ほどの19ページに戻らせていただきたいんですが、加藤委員から御質問いただいた ところでございますけれども、先ほどは今回は一斉分析法をメインにやったので個別に 分析法をつくっていくと、もっと感度よく測れるだろうという方向からお話し致しまし た。けれども、逆の方から、今回は7つの農作物をメインにやっておりますので、もの によりましては、この限界基準値ですとかなり難しいものが出てくるかと思います。  それと、もう一つは、分析機器も、いい機器とそれほどでもないという機種も当然ご ざいますので、総合的に判断しますと、これがどの場合にもクリアできるということで はございません。以前から、例えば、お茶の場合はどうするかとかいろいろございまし たけれども、そういうものは今回は入っておりません。ですから、普通のいい機械を使 って普通にできる作物ですとこれぐらいだと受け取っていただければ結構ですけれど も、ものによっては非常に難しい場合が出てくるというのは当然予想されるところでご ざいます。 ○加藤委員  すみません、今ので例えば、これは食品メーカーさん等が自主的に検査されるとき に、当然この数値を基にしていろいろやっていかれるということで見ているのですが、 今のお話でちょっと不安になったんですけれども、そうすると、自主的に検査するとき はどの値を指標に、勿論0.01を指標にすれば一番いいことはわかるのですが、その場合 の指針のようなものは出していただけるんでしょうか。どういうふうに考えていけばい いのかというところについては、何かお考えがあるのでしょうか。 ○基準審査課長  加藤委員の御質問というのが、どの作物も完全に測れるということを担保しようとい うことでございますと、それはほとんど不可能な話だろうと思います。今、米谷委員か らおっしゃられたのは、一応特徴的な7つで測ってきて、その大体のめどがこの辺りだ ということをおっしゃられたわけでございます。勿論そのときに、お茶という具体的な お話がございましたけれども、例えば、お茶についてほかの作物が0.01ppmのときにお 茶は何ピーピーエムというような、一定の係数があればお茶だけ特別扱いするというの もまた考えられないわけではないのだろうと思いますが、そういう数値というのも分析 化学の中ではなかなか難しいというようなことでございますので、現段階にあるデータ から言うと、大体これぐらいというようなめどをお示しいただいたんだろうと考えてお る次第でございます。 ○井上部会長  ほかには、いかがでしょうか。  それでは、いろいろ御提言をいただいたり、御注文をいただいたりいたしましたが、 そういったことも今後、事務局としては取り込んでいかれるということが前提ではあり ますが、本報告案をもちまして当部会の報告ということで、全体的な大まかな御確認を いただけるかどうかということですが、よろしゅうございますか。 ○事務局  一律基準のペーパーで手直しを一部してございますので、説明をさせていただければ と思います。  すみません、資料の51ページになります。一律基準の関係でこれまで取りまとめてき た考え方のペーパーでございますが、一部手直しをしてございます。大きく分けて2点 ございまして、1つ目は、参考としてEUの事例を52ページから書いてございますが、 前回と今回と違うところは、既に部会などでは御報告を申し上げましたように、EUで は今年の3月に官報に残留規制の規則自身を公布してございますので、その部分を訂正 させていただきました。したがいまして、52ページに書いてございます文献1は、従来 ですと、まだ規則の案の文献を引いておりましたが、実際に官報に告示されたレギュレ ーション(規則)の番号に変えてございます。同じく53ページの真ん中より少し下、 (3)のちょうど上に、その旨を記載してございます。  あと、もう一つ変更点といいますと、57ページでございます。「一律基準の設定の考 え方」のところでございますが、まず、一番最初に「次の考え方に基づき、0.01ppmと いう一律基準を設定する」と基準の設定について明確にしました。(1)(2)(3)(4)の中身 は変わっておりません。(5)のところに欧州連合の基準が制定されているという点を書 き直してございます。  それから、一番最後に、安全委員会での審議状況、調査審議というのが行われていま すけれども、一律基準の設定については意見がなかったという旨を記載してございま す。  中身の変更といいますよりは書き方の話ですので、御報告ということにさせていただ きます。 ○井上部会長  整理していただいたわけですね。この内容については、よろしゅうございますね。 ○小沢委員  よろしいですか。一律基準について食品安全委員会からは特に意見がなかったという のは、食品安全委員会に聞かなければわからないんですが、要するに、ヒトの健康を損 なうおそれのないことが明らかであるという考え方について、こういう考え方でよかろ うというふうに言ったと考えることなのでしょうか。こちらに聞いてもよくわからない かもしれないんですが。と申しますのは、御説明はなかったのですけれども、パブリッ ク・コメントの回答の中でも、これとの関連で変わっている部分について御説明がなか ったので、その辺はきっちり整理しておかないといけないのではないかと思いますが。 ○井上部会長  貴重な御意見ですので、よろしくお願いします。 ○基準審査課長  食品安全委員会は、先ほど御説明したような意見書を提出されたわけでございます。 また、審議を今までに4月に2回行っていただいたところでございます。食品安全基本 法によりますと、食品安全上の重要な施策について、食品安全委員会が調査審議をし て、必要があると考えるときには各省庁に対して意見を述べるということが規定されて おります。逆に申し上げますと、例えば、一律基準以外の点、例えば、暫定基準の設定 方法等についても当然のことながら御説明申し上げたわけでございますけれども、けし からんというような御意見をいただいていないところを見ると、「◎」なのか「○」な のか渋々なのか、いろいろなあれはあるのだろうとは思いますが、総じてこんなところ かなというような御評価をいただいたのではなかろうかと考えている次第でございま す。 ○井上部会長  小沢委員、よろしいですか。 ○小沢委員  よろしいとは言えないというか、要するに、ここは今後のことを考える上で本当はす ごく大事なことだと思うんですね。 ○井上部会長  一応こういう問答がここで行われたということを確認させていただきたいと思いま す。 ○豊田委員  もうそろそろ終わりそうなので、一言何か言わなければいけないかなと思いまして。  この一律基準が始まる最初の段階では、どうなることかと思っていたんですけれど も、途中からというか、かなり早い段階から0.01ということにしようという意向が出さ れまして、実際それでいきますと分析上の問題からどういうことになるのかと大分心配 していたんですが、そこで多分、行政の方から運用上の措置ということが言われるよう になりまして、今回の最後の第3次案を見ますと、運用上の項目がかなり増えて、先ほ ど「○」だか「◎」だかわからないというお話があったのですが、ある程度そういう点 でかなり十分なことにはなっているなと私は思います。  ただし、先ほどちょっと議論に出ておりましたように、以前から問題になりました N.D.とか検出しないとか、そこら辺の問題は相変わらず依然として解決していないの で、その辺のことについては、やはりなるべく運用上うまく行政サイドでやっていただ くように、また、それから、先ほど米谷委員の方からお話しになりました、いわゆる個 別分析と一斉分析の間の矛盾というものがどうしても出てくると思うのです。ですか ら、そこら辺を行政サイドでは運用の上からなるべくうまくやっていただきたい、処理 していただきたいと思います。  以上です。 ○井上部会長  豊田先生から、いろいろな危惧に対する問題点が少しずつ運用上の面で解決されつつ あるという御確認の御意見をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、今後、御提言を取り入れて更にまとめていくことになろうかと思います が、一応、本日の審議はここまでとさせていただきたいと思いますが、よろしゅうござ いますか。  事務局におかれては、今後の予定の御説明をお願いいたします。 ○事務局  今後の予定につきまして御説明いたします。本件につきましては、6月初めよりWT O通報及びパブリック・コメントを求めることとしております。また、食品安全委員会 及び食品衛生分科会に報告する予定としております。  以上でございます。 ○井上部会長  ありがとうございます。今、御説明がありました予定に沿って、本日御議論をいただ きました暫定基準最終案について、パブリック・コメントなどの作業を進めていくとい うことでございますが、御了承いただけますか。ありがとうございます。  以上をもちまして、本日の部会を終了いたします。御協力ありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)