05/05/25 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成１７年５月２５日議事録


０５／５／２５　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　第５９回診療報酬基本問題小委員会議事録

(1)日時　　平成１７年５月２５日（水）１０：５８～１２：１２
(2)場所　　厚生労働省専用第１８会議室
(3)出席者　星野進保会長　村田幸子委員　土田武史委員　遠藤久夫委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員 　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　　　　 櫻井秀也委員　松原謙二委員　黒﨑紀正委員　漆畑稔委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 中島審議官　麦谷医療課長　石原調査課長　　他
(4)議題　　○ＤＰＣについて
　　　　　 ○療養の給付と直接関係のないサービス等について
(5)議事内容

○星野小委員長
　ただいまより、第５９回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い
たします。
　まず、委員の出欠状況について報告します。
　本日は、岡谷専門委員が御欠席です。
　なお、保険局長は公務のため途中で、もう今退席しましたが、退席いただく予定と連
絡を受けております。
　それでは、議事に入らさせていただきます。
　まず、「ＤＰＣ」について議題としたいと思います。「平成１７年度におけるＤＰＣ
に関する調査」については、前回の小委員会において調査項目については了解が得られ
ておりますが、調査対象病院については引き続き議論することとされておりました。こ
れについては、現在、事務局において考え方を整理中とのことですので、次回の小委員
会で議論することとしたいと思います。
　それでは、「可能な限り速やかに行うことが必要との意見があった診断群分類の見直
し」について、事務局より資料が提出されておりますので、説明を願います。
　ただいまの説明をこれから検討したいと思いますが、事務局、どうぞ説明をしてくだ
さい。

○事務局（福田企画官）
　御説明させていただきます。
　資料診－１－１をごらんいただきたいと思います。「可能な限り速やかに行うことが
必要との意見があった診断群分類の見直しについて」でございますが、まず、基本的な
対応方針を御説明をさせていただきたいと思います。
　平成１５年２月の特定機能病院におきます包括評価制度の導入に係りまして、この中
医協の答申の際の御意見といたしまして、診断群分類につきましては柔軟に見直しをす
るということとされたところでございます。
　今般、学会等の臨床専門家等で構成されます診断群分類の妥当性に関する調査研究
班、こちらの方から見直しを可能な限り速やかに行うことが必要と意見のあったもの
は、別添１をごらんいただきたいと思うのですが、別添１にお示しをいたしましたとこ
ろのものが意見として出てきているものでございます。
　基本的には学会からの意見を尊重すべきというものでございますが、平成１８年の診
療報酬改定、これに向けましては、今回学会の方から出てまいりました別添１について
は、重点事項として基本的に対応していくべきこととしているものでございますけれど
も、今回この場におきましては、その１８年の改定も待たずに、可及的速やかに、具体
的にはこの夏を目途に、それまでに診断群分類について見直すべきものとしてどういう
ものがあるかということについて御検討いただきたいというものでございます。そうい
ったことから、大幅な診断群分類の見直しではなく、緊急避難的に、他の分類への大き
な影響がない程度にとどめることとしてはいかがかというふうに考えてございます。
　その際、当該診断群分類をどのように見直すかということなのでございますけれど
も、基本的に細かな設計をするということは、事実上、時間的にも不可能でございます
ので、考えられる方法といたしましては、緊急避難的な場合には、現在包括評価の対象
になっているものを一たん出来高評価の対象にするという形を考えてございます。しか
しながら、こういった、一たん時出来高評価という形にしたものにつきましても、次期
改定、１８年の改定におきます診断群分類全体の見直しの中におきまして、今回出来高
に一たんするという形に結論がついた分類につきましても、分類の見直しの中で再度包
括化という形でのより適切な診断分類下に戻していくという形を、全体として基本的な
方針としておいたらいかがかというところでございます。
　次に、学会から、専門家から出てきております別添１のそれぞれの内容につきまし
て、どのようなものであるかということを概略を御説明いたしたいと思いますが、別添
１に示されております内容は、大きく分けまして、ここの２、３、４と、大きくカテゴ
リー分けをすることが可能でございます。１つは「早期退院の評価について」、１つは
「化学療法の評価について」、もう１つが「高額な医薬品・医療機器の評価について」
ということでございます。
　以下、別添の資料を用いまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。
　まず、別添２をごらんいただきたいと思いますが、これは、「早期退院の評価につい
て」ということでございます。どういうことが問題になっているかということでござい
ますけれども、これは入院の初期に、多くの医療資源を投入するような医療を行って、
そのまま早期に退院をされたと、こういった場合には、いわゆる出来高で算定した場合
の点数といいましょうか、医療費と、それから実際、このＤＰＣ制度で包括で償還され
ます医療費という部分に、大きな差が、乖離が生ずる、そういったケースが出てまいり
ます。そういったケースについて今回なるべく早く対応をしてほしいというのが、別添
２に示された御意見の内容ということでございます。
　具体的に、どういう分野について早期退院についての評価の見直しをしてほしいかと
いうものでございますが、出てきたものは、脳神経外科疾患系領域におきます早期退院
の評価ということでございまして、別添２の１ページにお示ししてございますような対
象となる疾患、こういったものが意見として出されてきているところでございます。
　次に、３ページをごらんいただきたいと思うのですけれども、では、これについて事
務局としてどういうふうに分析をしたかということでございます。具体的には、まず最
初の丸でございますけれども、包括になっております約１，７００の各分類につきまし
て、在院日数の５％タイル未満の退院データについて分析を行いました。この在院日数
の５％タイル未満といいますのは、いわゆる早期に退院をされた患者さんの方々のかた
まりということでございます。
　３番目の丸を見ていただきたいと思うのですけれども、それぞれの分類につきまし
て、５％タイル未満で退院をいたしましたデータを対象といたしまして、この期間に出
来高ベースでかかった医療費というものを算定した場合に幾らになるのかと、そういう
数字を出しました。
　次のぽつでございますが、同時に、このそれぞれのケースにつきまして、包括ではど
のくらいに支払われているのかということを計算いたしまして、それぞれの平均を出さ
せていただきました。
　次の大きな白い丸でございますけれども、この出来高で算定した額と包括での算定し
た額、まずこの差をとりまして、この差自体が結局それぞれの診断群分類におきまし
て、平均の支払ベースでの点数の差という形になってくるわけでございますが、まずそ
の差を出しました。それで、その差にそれぞれの包括分類ごとの具体的な件数を掛ける
という形をさせていただきました。結局、そういったプロセスにおきまして、各診断群
分類ごとに、いわゆる点数の乖離の大きさ、分類ごとの乖離の大きさというものを分析
をしたわけでございます。
　それの結果が、実は４ページにお示しをしたとおりでございます。４ページは、乖離
の大きなものから順番に上から示しているものでございまして、非常に字が細かくて恐
縮なのですけれども、表の一番左端が診断群の分類番号、そして次が診断群の分類の名
称でございます。灰色の網掛けになっている部分というのが、今回意見が上がってきて
早期に見直しをしてほしいといったものでございます。この表をごらんいただきます
と、いわゆる乖離の大きいものというのは、実はいろいろあるということがまずわかり
まして、その中で今回の意見というものは、乖離の大きさを必ずしもそのまま反映した
ものではなくて、全体の中にいろいろまざっているということがおわかりになるかと思
います。
　そういうことで、今回、この早期の退院の見直しというものにつきましては、非常に
大きな課題でございまして、これを対応するというのは、個別の意見があったものだけ
に対応するというのは合理性が少ないといいましょうか、これだけに対応するというの
は全体の整合を欠くということで、この「早期退院の評価」につきましては、１８年の
改定に向けまして、残り９カ月くらいでございますけれども、そういった中でより適切
な診断群分類となるように重点的に検討することとしてはいかがかというふうに考えて
いるところでございます。
　以上が「早期退院の評価について」でございます。
　次に、別添３をごらんいただきたいと思いますが、こちらは「化学療法の評価」とい
うことでございまして、いわゆる悪性腫瘍に対します化学療法というのが、やはり一般
的に包括した場合に、高い医薬品を使った場合に、経費的に見合わないというふうに一
般的に言われる傾向があるわけでございますが、今回、意見として出てまいりましたの
は、別添３の１ページにお示しをしてございます「肺悪性腫瘍および消化器悪性腫瘍に
対する化学療法」、こちらの方につきまして、化学療法の評価の部分の見直しをしてほ
しいという御意見でございました。
　２ページをごらんいただきたいと思うのですけれども、簡単な分析の仕方とその結果
をお示しをしてございますけれども、まず、それぞれをごらんいただくのは字が小さく
て恐縮でございますので、口頭で御説明をさせていただきますが、３ページから６ペー
ジのところに、いわゆる化学療法を行った場合と行わなかった場合の各診断群分類ごと
のデータを集計してございます。こちらの表をごらんいただきますとわかるのですけれ
ども、基本的にほとんど差がないと、つまりマスとして見た場合には、化学療法につき
ましては、今回意見の上がっております悪性腫瘍について、全体として見た場合には、
化学療法ありのものとないもの、そしてさらに申しますと、平均、両方合わせたものと
いうものの差というものが、点数上ほとんどないということがわかりました。
　次に、これは表になったものでございますので、７ページから１６ページで、実際に
どのような点数分布しているのかという散布図をお示ししてございます。わかりやすい
のは８ページの例などが比較的見やすいかと思うのでございますけれども、こちらの８
ページの図でございますと、これは食道のがんでございますけれども、「×」というの
が化学療法なしの例でございまして、「○」が化学療法あり、「□」の部分というの
は、大体このくらいで１日当たりの包括の点数が支払われているというものでございま
して、図でいきますとちょうど真ん中に黒くなっている、ここのところがＤＰＣによる
平均の支払額という形になります。縦軸が点数でございまして、横軸が在院日数になっ
てくるわけでございますけれども、こういった図をごらんいただきましても、「○」と
「×」がほどよく混在しておりまして、また、いわゆる支払額の上と下の方に分散して
いるということがごらんいただけるかと思います。ほかの腫瘍につきましてもおおむね
似たような傾向にあるということで、これは表の方で分析をした数字のものが、この散
布図の方でも視覚的に認識ができるということでございます。
　次に、１７ページの表をごらんいただきたいのでございますけれども、これもちょっ
と細かくて恐縮でございますけれども、化学療法があるという、そういう化学療法を実
際に行っているというデータの多い疾患について、多い順から並べたものでございま
す。こちらをごらんいただきますと、やはり、化学療法というものにつきましても、今
回御意見のあったもの以外にも上位に並ぶものがかなりあるということでございまし
て、化学療法についての診断群分類を考えるに当たりましては、やはりこういった全体
との整合も考えていく必要があるということが示されるわけでございます。
　したがいまして、別添３でお示しいたします「化学療法の評価」につきましては、１
つは意見としては上がってきておりますけれども、データとして全体を分析をいたしま
すと、使用のあり、なしという観点からあまり大きな差は実態上認められていないとい
うことと、それから、化学療法につきましては、今回意見の上がっているもの以外につ
きましても、やはり上位で使われているものがいろいろあるということで、こういった
ものとあわせて検討していく必要があるということで、今回意見があったものにつきま
しては、この夏に一たん出来高に戻すという形ではなくて、１８年の改定に向けまし
て、化学療法というものの特性を踏まえたより適切な診断群分類というものをこれから
検討していくと、そういう中で検討していったらいかがかということでございます。
　次に、別添４をごらんいただきたいと思いますが、こちらは「高額な医薬品・医療機
器の評価について」ということで、今まで御説明を申し上げました別添２と３につきま
しては、「早期退院」と「化学療法」ということで非常に大きなくくりでございました
が、この別添４の部分につきましては、個別の疾患に対する個別の療法という形で、比
較的焦点が定まった形での御意見になっているものでございます。
　今回、こういった形で御意見のございましたものは全部で５件でございます。それぞ
れについて簡単に御説明をさせていただきたいと思いますが、まず１つが、「脳梗塞に
対するエダラボン療法」ということでございまして、２ページをごらんいただきたいと
思います。こちらの方の表のところにエダラボン療法を行っていたものの、あり、な
し、そしてそれに対する点数というものを表にお示しをいたしてございます。ちなみ
に、エダラボンと申しますのは、脳の保護剤でございまして、「用法・用量」のところ
に書いてございますけれども、「発症後２４時間以内に投与を開始し、投与期間は１４
日以内とする。」ということでございまして、薬価は３０mgで約９，０００円というも
のでございます。
　表の方をごらんいただきたいと思うのですけれども、まず、件数がどのくらいあるか
ということでございまして、件数はエダラボンのなしとありとがほぼ拮抗するような形
で、相当数、こういったエダラボン療法というものが行われているということがわかり
ます。

　次に、１入院での包括範囲の出来高点数の平均をごらんいただきたいと思うのです
が、エダラボンなしが６万８，０００点強、エダラボンありが９万３，０００点強で、
全体が８万点ということでございまして、この全体というところが、基本的にはこのＤ
ＰＣで償還されます基本的な平均的な額というふうにおおよそとらえていただいてよろ
しいかと思います。そういたしますと、エダラボンありの場合は、約１万３，０００点
ほど不足するというか、多いということになりまして、そういった意味でエダラボンを
使った場合には、１症例当たり１万３，０００点ほど経済的に不足を生ずるという、そ
ういう状況にあるということでございます。
　エダラボンにつきましては、対象疾患や対象の状況が限られてございますので、先ほ
ど御説明いたしましたように、ほかとの整合というものを考える必要はないということ
でございます。そういったことから、相当の件数が使われておりまして、点数差という
ものもかなりあるということ、それから、ほかへの整合性の問題の影響というものもな
いということから、エダラボンについては一たん出来高に戻して、１８年の改定に向け
て診断群分類のより精緻化と適正化という中で、また検討を再度していくという形にし
たらいかがかというふうに考えてございます。
　次に６ページをごらんいただきたいと思うのですが、これはいわゆるメトトレキサー
トと申しまして、抗がん剤なのでございますが、骨肉腫などに対します悪性腫瘍のため
の薬でございます。メトトレキサート自体はどのような薬かと申しますと、下の参考に
お示ししてございますけれども、容量、１バイアル中の薬価が１万２，０００円強とい
うことでございます。対象は、骨肉腫、軟部の肉腫というものが対象になってございま
す。用法・用量といたしましては、体重当たり１００～３００mgで、週に１回投与と。
投与間隔は１～４週間ということでございます。
　表の方をごらんいただきたいと思いますけれども、まず、メトトレキサートの大量療
法がどのくらい行われているかということでございますが、非常に少ないということが
ごらんいただけるかと思います。こちらの方で１０件ということで、件数が極めて少な
い。実際使われているのは例外的なものであるというふうに、数の上からは言えるかと
思います。しかしながら、点数の方をごらんいただきますと、大量療法で体重当たりの
１００mg使うということでございますので、点数の方は薬価の関係もございまして、メ
トトレキサートありと、それから全体の部分とをごらんいただきますと、８万点ほどの
差があるということで、点数差は非常に大きいということが言えるかと思います。た
だ、事務局の方といたしましては、点数差は非常に大きいのですけれども、これは件数
は極めて少ないということでございますので、今回は特例的、緊急避難的な見直しをす
るのではなくて、１８年の改定に向けての分類の適正化の中で議論をしていけたらとい
うふうに考えているところでございます。
　次に、１２ページをごらんいただきたいと思いますが、「脳神経疾患におけるＳＰＥ
ＣＴ／ＰＥＴ」、これは、放射性同位元素などを用いました断層撮影でございまして、
基本的に、脳でございますとか、心臓の機能を見るのに使われる検査の一つでございま
す。対象となる疾患は、こちらに挙げておりますように、ＳＰＥＣＴ／ＰＥＴというの
はいろいろな分野に使われておりまして、今回、緊急的な見直しを、なるべく早い見直
しをお願いしたいということで御意見のあった分野というのは、こちらにお示しをして
います対象となる疾患のこの部分についてでございました。これは、やはり同じような
形で分析をしておりますのが下の表でございます。件数は、なしの方が多いのですが、
そこそこの相当件数があるということが分析の表からうかがうことができます。点数の
方もごらんいただきますと、やはり１万点以上の差が、ＳＰＥＣＴ／ＰＥＴの検査あり
と全体を見た場合でもあるということでございまして、件数、それから点数の方も一定
以上のものがあるということでございます。
　ただ、こちらの方につきましては、２８ページをごらんいただきたいと思うのですけ
れども、このＳＰＥＣＴ／ＰＥＴの検査を行っている、そういうものが多い疾患という
ものを、やはり多い順から並べましたのがこちらの表でございまして、この、ＳＰＥＣ
Ｔ／ＰＥＴというのは、非常に汎用性の高い検査法でございますので、今回御意見が出
てきているもの以外にもさまざまな分野で多く使われているということでございます。
心筋系、心臓系の疾患等の検査に多く使われているということでございまして、ＳＰＥ
ＣＴ／ＰＥＴにつきましては、件数は相当数あって点数差もあるのですけれども、やは
り、御意見のあったものだけを一時的に出来高に返すというのは、ほかの分類との整合
性の問題もございますので、ほかの関係にも影響するということで、今回、緊急的に出
来高に戻すという対象とはせずに、１８年の改定というものの中で、適切な診断群分類
と支払いというところの検討の中で検討していけたらというふうに事務局としては考え
ておるところでございます。
　次に、４番目の「不整脈に対する電気生理学的検査」でございますが、資料の２９ペ
ージをごらんいただきたいと思います。これは、いわゆる頻脈、そして徐脈、脈が速
い、それから脈が遅い場合に、そういった不整脈に対するカテーテルを用いました検査
法でございます。どういった原因で不整脈が起きているのかということを診断ができる
ということでございますけれども、これにつきましても同じような形で分析をさせてい
ただいております。カテーテルのあり、なしということでございますが、件数はほかの
例と比べますと若干少ないのですけれども、ある程度の件数があるということはごらん
いただけるかと思います。また、入院での点数差でございますけれども、１入院で見た
場合にも、カテーテルのある場合には５万８，０００点強、いわゆる包括払いでの平均
的な支払額に相当する全体のところを見ていただきますと、２万８，０００～
２万９，０００点ということで、点数差も非常にあるということでございます。このカ
テーテルの電極によります不整脈に対する検査というのは、これに特異的なものという
ことで、ほかへの影響というものを考える必要がないということもございまして、これ
につきましては件数も相当数あり、点数差もあるということで、また、これに特化した
ものであるということもございまして、この部分につきましては、今回、緊急避難的に
対応する対象として考えたらいかがかというものでございます。
　最後、５番目でございますが、「非ホジキンリンパ腫におけるリツキシマブ療法」で
ございます。３５ページをごらんいただきたいと思いますが、これは悪性腫瘍の一つで
ございます非ホジキンリンパ腫に対します免疫学的な方法といいましょうか、手法を用
いました治療法でございます。参考のところにお示ししておりますように、リツキシマ
ブというのは遺伝子組換えの医薬品でございまして、５００mgが２５万円強ということ
で、これがほぼ１回量に相当するわけでございますが、そういった単価のものでござい
ます。具体的な使われ方は、非ホジキンリンパ腫という悪性腫瘍のうちの、細胞の型と
いうものがあるのでございますが、Ｂ細胞性の非ホジキンリンパ腫には、基本的にはこ
の療法というのがファーストチョイスになって使われるということでございます。した
がいまして、診断が確定して適応のあるものであるとこの療法が行われるというもので
ございますが、同じような形で分析をした表を真ん中にお示しをしてございます。件数
につきましても、このような形で相当数あるということがうかがえるかと思います。点
数差の方は、１入院当たりの点数差が大体４，０００点強でございまして、１日当たり
の方の点数差をごらんいただきますと、全体の方から見ますと差というものは必ずしも
そんなに多くもございませんが、あり、なしのところで見ると倍以上というような形で
ございます。やはり、医薬品の単価が高いということで、お使いになる場合にはどうし
ても差が出てきやすいということになろうかと思います。そういったことから、これに
つきましては件数があって、点数差もあるということ、そして、もうこのリツキシマブ
療法というのは、非ホジキンリンパ腫のＢ細胞性のものに特化した治療法ということも
ございまして、これにつきましては、緊急避難的に一たん出来高に戻す対象として考え
てはいかがかということでございます。
　以上が、それぞれにつきましての御説明でございますが、以上、簡単に対応案という
ものをまとめましたものが、診－１－２でございます。「早期退院の評価」につきまし
ては非常に大きな問題でございまして、他の診断群分類との整合というようなことか
ら、緊急避難的な対応というのは今回はしないで、１８年の改定に向けての診断群分類
の見直しというところできちっと対応していくということでいかがかということでござ
います。
　「化学療法」につきましても同様でございますが、他の診断群分類との整合、それか
ら分析結果上はあまり差がないということでございますので、基本的には緊急避難的な
対応はせずに、１８年改定に向けての診断群分類の見直しで対応していきたいというも
のでございます。
　３の「高額な医薬品・医療機器の評価」につきましては、具体的には５件あったわけ
でございますけれども、そのうち、包括評価と出来高評価の乖離が大きく、なおかつ件
数が相当数あると認められるものについて対応したらいかがかと、緊急避難的な形での
一たん出来高に戻すということについて対応したらいかがかということでございまし
て、具体的には、そこに黒ぽつでお示しをしております３つのものにつきまして、一た
ん出来高に戻すと。しかしながら、最後の丸でございますけれども、今回、一たん出来
高に戻すという緊急避難的な対応をしたものにつきましても、次の診療報酬改定におき
ます診断群分類の見直しにおいて、適切な分類になるように見直すこととするというこ
とで対応させていただければいかがかということで御提案を申し上げる次第でございま
す。
　以上でございます。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、御質問等、お願いいたします。

○宗岡委員
　専門的な領域を理解しないで質問してしまうのですが、ちょっと教えていただきたい
と思うのですけれども、今見直すというふうにしていただいたもののうちの、リツキシ
マブ療法は、確かに在院日数などが減ったりしているということで我々も理解ができる
のですけれども、エダラボンですとかあるいは電気生理学的検査というのは、例えば在
院日数の数字から見る限りは顕著な効果があるとは思われませんし、なぜこういう高額
な医薬品を使って治療するのか、そういうことも我々はよく理解できないのですけれど
も、それはどういうふうに考えてこれを認めようとしているのか、そこをお聞かせいた
だきたいと思います。

○事務局（福田企画官）
　御指摘のあった点は非常に重要な点かと思ってございます。ただ、今回、この分類の
見直しにつきましては、いわゆるそれぞれの治療法の効果といいましょうか、そういっ
た観点からの分析というのは残念ながら非常に難しくて、また検討の実は範囲外という
ことでございまして、いわゆる包括払いで支払っているというものが、その支払い自体
が実態の医療行為をうまくカバーする形で見合っているかと、そういう観点からの分析
をいたしてございまして、それぞれのこういった診断法というものが、具体的にどうい
った面でどういう効果があらわれているのかという部分については、いわゆる分析の対
象に今回はなっていない。経済的な面でいろいろな問題があって、それが診療をゆがめ
るおそれがあるかないかという観点からの分析でございまして、今御指摘のあった点と
いうのは、非常に重要な点なのでございますけれども、そこのところまで評価をした上
で分析ができているというわけではないと。逆に言いますと、あくまでも診療行為の出
来高と包括との経済的なバランスの部分を中心にして評価をさせていただいているとい
うところでございます。

○宗岡委員
　ちょっとよくわからないのですけれども、効果は議論せずに、お金がかかるから出来
高払いに戻すというように聞こえるのですけれども、そういう判断をされたということ
でしょうか。

○事務局（福田企画官）
　そういう趣旨ではございません。ただ、一つ一つについて、効果そのものを分析をし
た上でやっているというわけではなくて、この部分はあくまでも診断群分類というもの
の支払いという観点から分析をさせていただいているということでございまして、こう
いったグルーピングをした診断群分類の包括払いという形で費用を償還しているという
形が、今の時点の診療行為というものを見た、踏まえた形のときに十分に償還された形
になっているのかどうか、適切に償還されている形になっているのかという、そういう
ところから分析をさせていただいているということでございまして、個別の医薬品でご
ざいますとか、診療行為、または治療行為というものの、いわゆるメリットというもの
がそれぞれについてどういう形であるのかという部分を分析をしたというものではない
ということでございます。

○宗岡委員
　確かに柔軟に見直すという議論をした記憶があるので、それはあるのですけれども、
見直しをするということについて、どういう判断基準で見直しをするのかというところ
を、その枠組みがやはりしっかりしていないといけないのではないかというふうに、伺
っていて、非常にそれを感じます。
　それから、やはり最終的にはもう一度診断群分類に戻すと、ＤＰＣに戻すということ
を前提にしているというふうに理解していますけれども、そのときにもやはりしっかり
としたデータを示していただいて、適正なものになるようにぜひ努力をしていただきた
いということを、あえて申し上げておきたいと思います。
　特に、これでやたらに診断群分類の数が増えるというふうなことにつなげないで、全
体の枠組みをしっかりとらえた上でこの制度がうまく運用されるように、ぜひお願いを
したいということを申し上げておきたいと思います。

○小島委員
　今回、見直しを行うにあたって、３つの要件から判断としたとの説明です。１つは件
数がそれなりにあるという点と、それから出来高払いと包括化した場合の乖離が極めて
大きいこと、そして３つ目が、他の診断群分類への影響が少ないもの、という、今回は
この３つの要件で判断したということですね。それはこれまでＤＰＣを入れるにあたっ
ては、診断群分類について柔軟に対応、見直すということになっていますけれども、今
回の見直も、当初から一応念頭に置かれていたということなのですか。

○事務局（福田企画官）
　いわゆる件数が多くて、そして乖離が大きいという部分については、当初から念頭に
置かれていたものでございます。
　今回、いろいろ対象を判断を決めるに当たり、いろいろ考えるに当たりまして、もう
１つやはり重要な部分として、特に緊急避難的な見直しでございますので、ほかへの整
合というようなところも十分考えていかないと、結局、ある部分だけ対応してある部分
だけ対応しないという形になると、全体としてうまく機能していかないという部分もご
ざいまして、そういった観点からの分析も加えさせていただきました。
　今回指摘されている問題といいますのは、ある意味では包括分類のところの、非常に
基本的な部分にかかわるところが出てきてございまして、そういった点からも、早急に
簡単に出来高に戻すというのではなくて、基本的に全体の仕組みというものと非常に関
係するものについては、１８年の改定というものがもう間近に迫ってございますので、
そういった中で十分な議論をしていくと。その中では、先ほども御意見ございましたと
おり、今診断群分類がかなり増えてきてございまして、３，０００超えてございますの
で、そこはやはり、あまり数を増やさずに、一方では精緻化しながら一方では簡素化す
るという、そういう形での原則を踏まえて１８年の改定を一つの目途といたしまして、
これから精力的に関係者と分類のより適正化というものについて進めていくべきであろ
うということで考えて、今回の判断のクライテリアというものをお示しをしたというと
ころでございます。
　以上でございます。

○松浦委員
　ちょっと表の見方ですけれども、２９ページの件数というところ、３９２、４６、合
計４３８とありますけれども、電極カテーテルありとなしというのは、これは電極カテ
ーテルありの、どうしてもこういうものを使ってやらなければいかぬ患者さんが４６人
あったと、それを使わなくてもいいという患者さんが３９２人あったと、こういうこと
ですか。

○事務局（福田企画官）
　電極カテーテルを用いて検査をする必要のあった患者さんが４６名あり、その必要が
ないといいましょうか、それを使わなかったという患者さんが３９２名ということでご
ざいます。そういう意味では、御指摘のとおりだと思います。

○松浦委員
　そうすると、それが使う、使わないにかかわらず、これ包括医療として一つにまとめ
られておったと、こういうことですか。

○事務局（福田企画官）
　診断群分類の中ではそのような形になっているということでございます。細かい枝分
かれで、使ったものだけを特出しにするという、そういう部分もあるのですけれども、
この分野については、診断群分類を想定するときには、使った場合も使わない場合も一
つの大きな診断群分類のくくりの中に入っていたということでございます。

○松浦委員
　それでは、この場合のいわゆるクリティカルパスというのがあるでしょう、クリニカ
ルパスというのですか、そういうのはどういうぐあいになっているのですかね、この検
査をやるときの。これ、どうしても必要だからやるというようなことではないのです
か、包括の中に、いわゆるパスの中に。

○事務局（福田企画官）
　クリティカルパスの部分では、患者さんの状況とか、そういうもので検査の適用と、
こういう場合には検査をしましょうとするというのは決まってくるということでござい
ます。診断群分類の場合は、そういったものが、いわゆる在院日数でございますとか、
それから経費的な部分でございますとか、それから、疾病の大きなくくりという観点か
ら一つにまとまるかどうかということで最初にくくっておりますので、一つのくくりの
中にいろいろなクリティカルパスが入ってくるということも、これはあり得るというこ
とでございます。そこを、そういうことでございますので、例えば非常に大きなくくり
にした場合には、例えば不整脈という形の中に、不整脈でもいろいろな理由がございま
すので、それぞれに応じたクリティカルパスができてくると。ただ、それを在院日数と
か治療手技の大きなくくりで見ていった場合に、グルーピングができる場合にはなるべ
く大きなグルーピングで診断群分類をつくっていこうというのが今の診断群分類の考え
方でございますので、この個別の例について、今具体的にどうなっているのかというと
ころまでは、今手元に資料ございませんけれども、一般論として申し上げますと、グル
ーピングの中に幾つかのクリティカルパスがあるといいましょうか、クリティカルパス
のいろいろな進み方があるということはあり得るということでございます。

○松浦委員
　よくわかりませんが、診断群分類の中のクリティカルパスというのは必ずしも１本で
はない、だから、それは患者によって、医師の判断によってこのクリティカルパスは変
わってくると、こういうことですか。

○事務局（福田企画官）
　おっしゃるとおりでございます。

○松浦委員
　そうですか。はい、わかりました。

○対馬委員
　専門家の皆様方がいろいろ御議論されてこられたので、そこは尊重しなければいけな
いということはあるのですけれども、改定は２年に一遍で、例えばこれが１月、２月ぐ
らいに議論して、ちょうど間に改定がないということで、例えば平成１７年４月からと
いうことであると、それもあり得るのかもしれませんけれども、今このタイミングにな
りますと、先ほどの話ですと夏ぐらいにということですね。ということになりますと、
せいぜい次の改定まで半年強ぐらいになってくるのですけれども、そういうタイミング
で本当に対応する必要があるのかどうかというところが疑問のところです。それが１
つ。
　それと、あと仮に対応するとするならば、やはり明確な理由づけが必要だろうと、こ
ういうふうに思うわけです。それで、少なくとも今日の説明、特に１－２でしょうか
ね、今回３件ほど認めたいと書いている理由の中で、小島委員がまさに指摘されたとお
りで、件数と乖離というだけだと、エダラボン療法は乖離なども必ずしも大きくないで
すね、件数は多いですけれども。他の診断群分類への影響がないという項目が入らない
と、なかなかこの３つに限定する理由というのは整理ができないというふうに思います
し、また、私ども支払側がいろいろ言っておるように、基本のところは、医療上、診療
上の必要性というか、疾病のくくりというか、そういうのがあって、また、このお金の
問題でと、こういうのであれば非常によくわかるのですけれども、お金と件数だけです
と、それで、口頭の説明の中では、ほかに影響するとまずいでしょうと、これだとどう
も、私どもの議論だったらそういうのはよくわかるのですけれども、もう少し診断群分
類の議論をするときには、そういった治療上の必要性、治療上の効果、そういったこと
と結びつけた議論がないとなかなか整理がつきにくいと、こういう感じがするのですけ
れども、この２つ、いかがでしょうか。

○事務局（福田企画官）
　まず、時期の問題でございますけれども、ＤＰＣの分科会の方で急いで非常に精力的
に調査をしていただいて、出てきたのが今回のタイミングということでございますが、
今回御議論でお認めいただいた場合には、７月１日を目標として、いわゆるお認めいた
だいたものについては一たん緊急避難的に対応させていただくという形を考えてござい
ます。そういう意味では、７月１日から９カ月ほどという形になろうかと思います。
　それから、後段の御質問でございますけれども、これ自体は基本的には臨床の必要性
というのが基本的にあるというか、そこが前提でございまして、ただ、そこをベースに
しながら、今私の説明は必ずしも十分ではなかったのですけれども、要は、一つ一つの
ものについて、個別にどのくらい差がほかのものと比べてメリットがあるのかないのか
と、そういったところまでは分析できていないということでございまして、今回御意見
のあったものは、いずれも適応のあった場合には非常に臨床上必要なものであるという
ことが前提であるということでございます。
　それから、理由づけの部分でございますけれども、いわゆるほかとの整合という部分
というのは、むしろある意味では限定的に対応するという観点からの面もございまし
て、例えば早期退院の部分などにつきましても、ここも言われた部分をそのままとい
う、確かに乖離差はそれぞれ大きいものですから、ただ、そこを言われたところだけ対
応するというのはちょっとこの制度の全体的な構成から考えた場合に問題があるであろ
うということでございまして、そういった観点から、むしろほかとの整合という、ほか
の診断群分類との整合というものについてはとらえさせていただいているということで
ございます。
　以上でございます。

○対馬委員
　診療報酬改定のタイミングで、またこのＤＰＣの診断群分類の見直しを行うのだと、
その中で今回の案件も含めてと、こういうことですので、そういう意味では、今回これ
をなぜ認めたかと、仮に認めるということであれば、なぜ認めないかということも含め
てですけれども、それがまた次回の改定の際に、このときに議論をして、これでもって
承認を得たのだと、これがベースですと、こういうことになりかねませんので、そうい
う意味からしますと、もう少しこう整理をきちんとしていただきたいというのが１つご
ざいます。
　それとあと、この３つの項目ですね、仮に外すということであると出来高に外します
から、包括は当然金額というのは下がってきますね、そこはどうなのでしょうか。

○事務局（福田企画官）
　出来高に外すというのは、診断群分類の該当する部分を出来高に外しますので、財政
的には基本的に広い意味では中立になるということでございます。

○対馬委員
　包括の点数がありますけれども、その点数が出来高で外れることによって金額を改定
するという意味ですね、そうしないと財政中立にならないですから。しかも、財政中立
に仮にそれでなったとしても、これはＤＰＣだけの議論ではないのですけれども、行動
様式自体が変わってくるということで、実態的にどうなるかというのは当然問題になっ
てくると。つまり、専門家会議などでも議論して、ぜひこれは外してくれというのは、
やはりそれなりの経済上の効果というのが念頭にあるというのは、これは別に悪いこと
でも何でもないのですけれども、当然そういうことがあるわけですから、そういった行
動様式に出るというのは当然想定されるわけですね。ですから、まず最低で少なくとも
移行のタイミングのときには財政中立というのは絶対これは必要なことだというふうに
思うのですけれども、そこをはっきりさせていただきたいというふうに思います。

○事務局（福田企画官）
　診断群分類のくくりそのものから当該の診断群分類全体を出来高に戻しますので、そ
ういった意味ではお金が非常に高い、出来高ベースで算定したときに高い部分も、低い
ケースのものも両方とも外れると。つまり、物を使用している方、使用していない部
分、どちらの方も分類としてそこに入っていたものは外れるということでございますの
で、少なくとも、外した時点での経済的な部分というのは財政的に中立になるというこ
とでございます。ただ、委員の御指摘にございましたように、その後のビヘービアとい
いましょうか、そういったものについては注意深く見ていかないといけないというとこ
ろはあろうかと思います。

○松浦委員
　もう１つ。それでは、３５ページのリツキシマブというのですか、この療法が７４１
ありますが、また、ないのが３３７ありますね。患者さんに対してこの療法をやって、
どちらも治ったのでしょうね、効果はあったのでしょうね。

○事務局（福田企画官）
　基本的には、適切に医療を行ったということでございます。

○松浦委員
　それでは、７４１の症例はリツキシマブという療法をやらなければだめだったのか、
やらなくてもよかったのか、その辺はわからないのですか。

○事務局（福田企画官）
　こちらの、非ホジキンリンパ腫につきましては、診断から治療に当たりましてどうい
うタイプのリンパ腫かというので、幾つか型がございます。そのうち、こちらにお示し
しておりますように、リツキシマブについては、Ｂ細胞性というものについて効果があ
るということがわかってございまして、そういうパターンになったものについてはこの
治療が行われると。その診断の結果、Ｂではないとか、タイプがわからないというもの
については適応がございませんので、こちらの方でいきますとなしという形で、それ以
外の治療法で対応すると、そういう形というふうに専門家の方から伺ってございます。

○松浦委員
　はい、わかりました。

○対馬委員
　ちょっとくどいようで大変申し訳ないのですけれども、今の説明、よくわからなかっ
たです、財政中立の話ですけれども。
　具体的な例で言った方がいいのでしょうけれども、このエダラボンのところがござい
ますね、２ページ目のところ、この中の１日当たりの包括範囲、表の中の一番下のとこ
ろの「一日当たりの包括範囲出来高点数平均」と。これは出来高ですから、今の包括の
金額ではないだろうと、これはそう思いますけれども、ただわかりやすさで言うと、こ
の出来高を包括と同じということになると、今は全体、ありもなしも一緒にしています
から、３，１８２点相当の包括だと。そこからエダラボンありのところが抜けていくわ
けですから、エダラボン相当分がですね。すると、３，１８２点というのから抜けてい
って、例えば２，８００点とか２，７００点と、そういうふうになるのでしょうかと、
こう聞いているのですけれどもね、それに対する答えがちょっとよくわからなかったの
ですけれども。

○事務局（福田企画官）
　すみません、具体例をお示しして、今のエダラボンでございますと、診断群分類はこ
のなし、あり両方含んでございますので、両方ここは外れるということでございます。
つまり、具体的に言いますと、エダラボンなしの部分も出来高に戻り、エダラボンあり
の部分も出来高に戻るということでございまして、そういったことで基本的には財政中
立になるということでございまして、ちょっと私の説明が、ありの部分だけに対応する
というふうに読めたのかもしれません。

○櫻井委員
　財政中立の話はどこから出てきたのですか。財政中立で見直しをするという話は初め
て聞いたのだけれども。見直しと財政中立は全然関係ないでしょう。

○対馬委員
　見直しと財政中立は関係ないということは全くないと思います。期の途中でやるわけ
ですから、２年に一遍あれだけ議論してやったものが、基本的にはそれで上げ下げで決
めたところにおさまるように、少なくともその時点ではやるわけですよね。それの改定
を行うということですから、財政中立というのは当然だろうと。
　また、前回、再診料のときにも随分議論しましたよね、あのときにも財政中立でやっ
ておりますので、これはそうでないと、いいところだけ途中でとりますということで納
得される人は普通はいないのではないでしょうか。やはり、いいところもあれば悪いと
ころもあって、それが全体としておさまりますというのが最低限度ではないでしょうか
ね、と思います。

○櫻井委員
　２年に一遍の改定だからというのであれば、２年に一遍しかできなくなってしまうわ
けですけれども、そうではなくて、柔軟に対応するということをＤＰＣを入れるときに
最初に決めたのだから、それは当然途中でそういう改定を２年に一遍とは別にやるとい
うことをみんなが認めたというふうに解釈するので、そこのところに財政中立というこ
とがあるなら、最初にうたっていなければいけないですよ。

○事務局（福田企画官）
　この診断群分類を出来高に戻すということの影響でございますけれども、これは例え
ばエダラボンをごらんいただきますと、基本的にエダラボンなしの場合でもエダラボン
ありの場合でも、現行では包括部分の医療費としては約８万点が医療機関に支払われる
ということでございまして、そこを外した場合には、今申し上げましたとおり、８万点
がエダラボンの部分のところに払われていたという、そういうところでございますの
で、実態としては、診断群分類を出来高に戻した場合には、結果的には今の仕組み上は
財政中立になるということでございます。その点は御説明しておきたいと思います。
　以上でございます。

○対馬委員
　あまりここにこだわってもしようがないので、むしろ私なんかの理解力が不足してい
る可能性もありますので、公益の先生方がおっしゃることで間違いないということであ
れば私としてもそうかということですし、ちょっとおかしいではないかということであ
れば、やはり議論をさせていただきたいと思います。

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　失礼します。

○星野小委員長
　どうぞ。

○事務局（堀江保険医療企画調査室長）
　今の企画官の説明、１点だけ補足させていただきたいのですけれども、対馬委員がお
っしゃっているところの、ここにありますエダラボンなし、６万８，４１５点が平均で
すと、それからエダラボンあり、９万３，０６４点が平均です。これは、いわば計算上
のものですというところを明確にさせていただきたいと思います。それで、今はエダラ
ボンありのものも、なしのものも、言ってみますれば、包括の平均的には８万点余りの
もので診療がなされておりますと。ところで、そこにエダラボンのありとなしでの乖離
が大きいとか、先ほど来議論があるような話があったものですので、そこについて、で
はそのエダラボンあり、なしのというか、ここの部分についてはその包括から外しまし
ょうかというふうになりますと、エダラボンありの部分について言えば、仮に診療パタ
ーンが変わらなかったとすれば、ここにございますように、エダラボンありのものは出
来高でいきますと９万３，０００点ぐらいのものになりますし、エダラボンなしのもの
については６万８，０００点ぐらいになりますよと、そういうことで、結果としての財
政の話という意味では、上がるものもあれば下がるものもあるということで、そんなに
大きな影響が出るものではないと、そういうことだというふうに、ちょっと補足させて
いただきたいと思います。

○松浦委員
　それではもう１つ。具体的に言えば、エダラボンありと全体とが９万３，０６４．６
から８万１６０．９を引いて、引いたものに５０７を掛けたら、そうしたら医療費の増
える方向に行くと。逆に、８万１６０．９から６万８，４１５．５を引いて、それに
５５７を掛けたら、これは医療費が減る方向に行くと、そういうことですか、そのバラ
ンスですか。

○事務局（福田企画官）
　おっしゃるとおりでございます。

○松浦委員
　そうしたら、それちょっと計算してぽんと出してくれておったらいいわけで、全部、
これでこうなると。

○土田委員
　今、企画室長が言ったのと同じですよ。

○松浦委員
　そうすれば大した額にもならぬか。

○土田委員
　ですから、結果としては財政中立だと、当初はですね。その後はわかりませんけれど
も。結果としてそうなるということは間違いないわけで、ですから、それを確認したか
ったらそうだということで。ですから、今櫻井委員がおっしゃったように、財政中立を
図るためにやるということではないことは確かなので、ただ、結果として財政中立にな
るということは間違いないということです。

○櫻井委員
　いや、結果として財政中立になるかどうかはわからないのです。わからないけれど
も、必要のある診断群分類を柔軟に見直すということを決めただけのことですから。

○土田委員
　それはこれから先の話ですから。

○櫻井委員
　いやいや、これから先の話ではなくて、このＤＰＣを入れるときに柔軟に見直そうと
いうことを決めたということは、そういうルールを決めたのです。

○土田委員
　それはいいです。

○櫻井委員
　見直した結果どうなるかについては、財政中立でなければいけないなどということは
議論していないので、それがどうなるかはわからないということが結論なのであって、
財政中立になるという言い方はおかしいのです。それは結果的に財政中立に近い形に、
上がるものも下がるものもあるからなるだろうというのは、それはそういうふうに考え
られるのは結構だけれども、それが財政中立だということはおかしいということを言っ
たのです。診断群分類でおかしいことがあったら柔軟に見直そうということを合意して
いるわけですから、それが２年の中間にやってはいけないのだと言ったら、我々はもと
もと同意しなかったことになってしまうわけです。そういうことであれば、根本的に、
ＤＰＣをやめるのだったらやめてもいいと我々は思っております。

○対馬委員
　見直し自体は、結局全体として、こういうことでやっていくとどうも経済的・コスト
的に見るとどうかということですから、そこでもって出来高にするか包括化にするとい
うことですから、もちろん治療上の問題、効果、そういったことが非常に重要だという
ことは先ほども申し上げましたけれども、この問題で財政中立論を抜きにしてやってい
きますと、非常に不利益なところといいますか、そこだけ上げていくと、もうかってい
るところはそのままということに当然なりかねないわけですから、少なくともこの問題
に関して言えば、財政中立ということは最低限必要なのだろうなと、こういうふうに思
います。当時の議論として、見直すときに、財政中立というのは恐らく書いていないと
思いますよ、そこはおっしゃるとおりだと思います。ただ、今まさに議論している中で
は、そういう、結果的にしろ、そもそもにしろ、いずれにせよあまり変わりないという
ことであれば、それはそれでよろしいですけれどもね。

○星野小委員長
　それでは、御議論も尽きないと思いますが、本件について、事務局より提示いただい
た対応案のとおり了承するということでよろしゅうございましょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　ちょっと時間がオーバーしておりますが、前回引き延ばしまして次回に移したもので
すから、もう１件ありまして、次に、「療養の給付と直接関係ないサービス等」につい
て議題としたいと思います。これについては、厚生労働省ホームページにおいて御意見
を募集したところですが、その結果について事務局より資料が提出されておりますの
で、説明を願います。
　事務局、どのくらい説明しますかね。

○事務局（麦谷医療課長）
　５分です。

○星野小委員長
　はい。申し訳ないですけれども、２０分ぐらいオーバーしたところで、議論が途中で
も打ち切りたいと思いますので、よろしく。

○事務局（麦谷医療課長）
　「療養の給付と直接関係ないサービス等」につきまして、資料診－２というのをごら
んください。資料はこれ１つでございますが、この診－２の資料に別紙が６つついてお
りますので、たくさんあるように見えます。別紙が６種類ございますので、それを横に
置いて見ていただくとよくわかるかと思います。これは、前回一度お配りしたものでご
ざいますが、ちょっと内容が、また今回少し変えてございますので、前回の資料を熟読
された方は、そこはぜひ御注意いただきたいと思います。
　まず、御存じのとおり、療養の給付と直接関係ないサービス等に係る患者からの費用
の徴収については、私どもで既に通知を出しておりますが、いわゆる「混合診療」問題
等に端を発して、そこをどう取り扱うかということで、ホームページに掲載して、全国
からその項目について募集をさせていただきました、そのことでございます。
　それでは、診－２の資料を御参考の上、別紙を時々見ていただきながら、御説明を申
し上げます。
　まず、既に私どもでさばいております通知につきましては、そこの別紙１につけてご
ざいまして、これは実費徴収に関する手続等についてという中身でございます。それで
例えばおむつ代等につきましては徴収できると記されております。それから、徴収でき
ないものとしては、例えばシーツ代とか、衛生材料等について書いてございます。これ
は既にはっきりしておるわけでございまして、これは別紙１でございます。
　さらに、では、どういうものがいいかということで、ホームページで意見を募集しま
した。それが別紙２でございます。これはホームページをそのままつけてございますの
で、割愛します。
　別紙３でございますが、このホームページに呼応して全国から寄せられた御意見、こ
の生データを別紙３につけてございます。約４０件ございました。それが別紙３でござ
います。
　これ、生で来ましたものですから、このままではなかなか御議論しにくいと思われま
したので、私ども事務局で勝手にカテゴリーを分けさせていただきました。それが別紙
４、５、６の３つでございます。これは、届いた４０件を私どもで整理したということ
でございまして、どのように整理したかを簡単に説明いたします。
　まず１として、新たに「実費徴収を認めてもよいと考えられるもの」。この中の５つ
のカテゴリーは既に別紙１でお示ししてある通知によるカテゴリーでございます。療養
の給付と直接関係ないサービスであることから、実費徴収が認められるものとして私ど
もが分類したものは、１つは日常生活上のサービスに係る費用で、例えばＭＤ、ＤＶＤ
のプレーヤーの貸出しですとか、ソフト、それから患者図書館の利用等、書いてござい
ます。
　それから２として、公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用ということ
で、産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書等、それから、あるいは生命
保険会社に出す診断書、これは実費徴収を認めてもいいとしております。
　３の診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用、これは特に
意見はございませんでした。
　それから４で、医療行為ではあるが疾病又は負傷に対するものではないものに係る費
用として、治療中の美容形成ですとか、ニコチネルＴＴＳ処方、たばこに関するもので
すか、こういうものについてはそのように分類させていただきました。
　その他ということで、保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料ですとか、
聴覚障害者のための手話・通訳、あるいは、いわゆる外国人に対する通訳といったもの
をその他に費用徴収してもいいだろうということで分類しております。
　それから、次の分類は「実費徴収を認めるべきではないとの考え方で整理」を一応し
てあります。それにつきましては、例えばどんなものがあるかと申しますと、別紙５に
その一覧表を書いてございますが、明らかに診療報酬上既に評価されていると、つまり
電気代とか、在宅療養者の電話診療ですとか、それから血液検査など、検査結果を印刷
したその費用、これは既に検査点数に含まれていたり、あるいは先ほどの例の電気代で
いいますと入院基本料に含まれているということで、これは実費徴収を認めるべきでは
ないだろうというふうに分類してあります。
　それから、実は、実態として実費徴収をしたりしなかったりしているものが少しござ
いましたので、それは２、診療報酬上評価されているか否かの境界が不明確であるとい
うことで、医療現場で対応が分かれているものとして整理をさせていただいたものが、
松葉杖の貸与ですとか、ほかの医療機関へ紹介する場合に添付するレントゲンのコピー
です。昔はレントゲンのコピーといっても２枚か３枚だったのですが、最近はデジタル
で一気にレントゲンが出たりしますので、１００枚ぐらいになります。そういったもの
を実際徴収しているところと徴収していないところとあるということで、そのように分
けさせていただきました。
　それから３番目のカテゴリーとして、「引き続き検討が必要である」ということで、
なかなか簡単にさばき切れなかったものをカテゴリーに入れてあります。
　その１つは、ほかに厚生労働省所管、あるいは他省庁所管の法律があって、その法律
との整理が必要だと考えているもの、それが例えばコンタクトレンズの医療機関内での
販売ですとか、例えば医療機関のロビーで売っている健康食品とか、医療用栄養食品で
すね、そういったものについてはほかの法律がございますので、そことの整理が必要だ
ということを考えております。
　それから、療養の給付として整理するべきか否か今後検討が必要なものとして、別紙
６の２番でございますが、セカンド・オピニオンによる相談ですとか禁煙指導等々ござ
いますので、これはいただいた４０件を私どもで分けたということでございますので、
御議論を拘束するものではございません。
　以上です。

○星野小委員長
　ありがとうございました。
　それでは、これにつきまして御議論、御質問等がございましたら、どうぞ。

○櫻井委員
　時間がないから一つ一つを議論する時間がないのだろうと思うのですけれども、こう
いうふうに分類して議論してはどうかという、問いかけに対しては、分類して議論する
ことは構わないと思うのです。ただ、その議論していくときに、これは療養の給付と直
接関係ないサービスで実費徴収していいかという分野、よく例におむつ代とかが挙がっ
てくるわけですけれども、そういう範囲のものを議論しているので、例えば、特定療養
費の選定療養に入っている室料差額というような実費徴収がありますね、それとは違う
話ですから、そこのところをよく区別して議論しないと、全く療養とは関係ない部分の
実費をもらうということの議論だということを踏まえて議論してもらわないと、ざっと
見た中ではその辺が混同されている部分があるように思いますので、分類して議論する
ことは賛成しますけれども、内容については相当意見を言わせていただきたいと思って
います。

○宗岡委員
　全体の話としては、治療に直接関係がなくて日常生活に必要なものというものは、や
はり基本的に実費徴収を認めていくという方向で整理すべきではないかと思います。今
回の整理を終えた後も何らかの形で引き続き要望を受けつけて検討するということにし
ていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

○星野小委員長
　どうぞ、ほかにございませんか。

○対馬委員
　たしか、今回ホームページで４０件ぐらい出てきましたので、いろいろな意見があり
まして、それが整理されてはいるのですけれども、なかなか個別に議論していくと時間
もかかるかなという感じはあるのですが、ただ、基本のところは、本来、治療上の必要
とかかわりないところがいわゆる「混合診療」として根っこから外されると、これはお
かしいではないかと。したがって、そのところはきっちりこれは関係ないよねというこ
とで整理しましょうというのが基本だというふうに、櫻井委員も恐らくそういう趣旨で
言われているのだと思いますので、分類して、事務局が今整理されていますけれども、
これをもう少し個別具体的に、かなり整理はされていて、非常に雑駁な言い方をすると
そんなに不自然ではないのかなという感じはしますけれども、ただ、個別具体的な問題
ですから、全体的な、全体観としてよければそれでいいということでは必ずしもないの
で、そういう意味では個別に議論せざるを得ないということで、我々としても対応して
いきたいというふうに思います。

○星野小委員長
　ありがとうございます。
　それでは、今、櫻井委員、対馬委員、あるいは宗岡委員等の御議論を伺っています
と、基本的な方向を一応御示唆いただいたような気がいたします。
　確かに、これ個別に一つ一つやっていったら時間はかなり大変だと思うので、そうい
う意味での議事を促進する意味では、事務方の案みたいなものを出してもらって、それ
を天から認めるという前提ではないのでありまして、それで目立ったところが、各委員
からこれは反対だとか、これはどうしてやるのかということを御指摘あるだろうという
ことを想定すると、そういうやり方が一番いいのではないかなと思うので、今日はここ
で打ちどめにしまして、御披露だけしていただいて、基本方針は大体そんな方向かなと
いうことでやっていただいて、分類別に検討していこうとか、それから、区分けをきち
んとしようと、選定療養費としての意味合いをね、というようなことを、これはいい
よ、これはもうやめたらいいのではないかというような、もう一回反省した上で、事務
局が具体的な案をつくってください。それは別にファイナルだとは思っていませんの
で、逆に言うと事務方も、そういう意味では自分たちの思っているとおりに大体やって
もらったらいいのでないでしょうか。
　それで、今日御配付いただきましたように、アンケートでどういうものがあったかと
いう、これは事実なのだから、それはいつもこっちに置きながら、事務局の案をこうや
って置くと、それは対照ができますから。というような格好で以後進めさせていただい
てはどうかと思いますが、よろしいでしょうか、そんな格好で。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星野小委員長
　それでは、そういうことで次回以降進めさせていただきたいと思います。
　それでは、本日の小委員会、若干時間をオーバーいたしましたが、このあたりで終了
したいと思いますが、次回の日程について事務局から。

○事務局（麦谷医療課長）
　先ほど総会のときも申し上げましたが、６月１日は中医協はございません。そのほか
の水曜日、８日、１５日、２２日、２９日の４日間については御予定をいただきたいと
思いますが、そのうち、この基本問題小委は、８日と１５日と２９日に予定をしており
ます。いずれも午前中でございますので、お時間をおとりおき願いたいと思います。よ
ろしくお願いいたします。

○星野小委員長
　どうもありがとうございました。
　それでは、本日の小委員会はこれにて閉会いたしたいと思います。御協力ありがとう
ございました。


【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）