05/05/20 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会第14回議事録        第14回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録          日時:平成17年5月20日(金)/10:00〜12:00          場所:弘済会館4階「萩の間」  井村部会長  定刻になりましたけれど、きょうは電車がおくれているところがございまして、出席 者全員が集まっているわけではございませんが、定足数を超しましたので、始めさせて いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、第14回の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会でございます。  先生方におかれましては、ここのところ頻繁に会議を開かせていただいております が、本日もお集まりいただきまして、ありがとうございます。しばらくこういう状態が 続くかと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、いつものことでございますが、本日の委員の出欠状況について、事務局か らお願いいたします。  事務局  それでは、本日の委員の出欠状況でございますが、現在、委員20名のうち、半数の10 名の御出席をいただいております。厚生科学審議会令の規定によりまして定足数に達し ておりまして、会議が成立いたしますことを御報告いたします。  青井委員、鎌田委員、神田委員、吉川委員、高橋委員、谷川原委員及び松本委員から は、御欠席との御連絡をいただいております。  また、部会長からのお話にもありましたが、電車のおくれなどが発生しておりますよ うで、若干の委員がおくれていらっしゃるということでございます。  また、本日は、オブザーバーといたしまして、専門委員会から、安部専門委員、荻原 専門委員にも御出席をいただいております。  井村部会長  ありがとうございました。本日は、前回に引き続きまして、お手元の資料1−1の検 討項目5の「消費者への周知等」、検討項目6の「情報通信技術の活用」、検討項目8 の「その他」について審議を行おうと思っております。  まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。  事務局  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  お手元にお配りしております本日の資料でございますが、1枚目に議事次第をお配り しております。次に、資料1−1といたしまして、検討項目5「消費者への周知等」、 検討項目6「情報通信技術の活用」及び検討項目8「その他」についてでございます。  続きまして、資料1−2といたしまして、「検討項目3、4及び5に関する第13回部 会での発言等の整理」でございます。  また、本日は、安田委員より文書にて御意見を御提出いただいておりますので、「部 会委員提出資料」として配付しております。  さらに、児玉委員から先般資料の提出がございましたもので、「薬剤服用暦記録」と いう緑の紙が1枚目について一つづりの資料もお配りさせていただいております。  さらに、参考資料といたしまして、医薬品販売制度改正検討部会の委員名簿などもお 配りさせていただいております。  資料は以上でございますが、落丁などございましたら、事務局までお申し出くださ い。  井村部会長  そろっておりますでしょうか。  それでは、早速、審議に入りたいと思います。  前回の続きでございます。論点20から検討を行います。オブザーバーとして御参加の 先生方もどうぞお手をお上げいただいた上で、御意見や御質問をいただければ幸いでご ざいますので、よろしくお願いいたします。  それでは、資料1−1の7ページ、論点20ですが、専門家と他の従業員との識別方法 についてというものでございまして、これにつきまして事務局の方からごく簡単に御説 明をお願いいたします。  事務局  それでは、7ページの論点20について簡単に御説明させていただきます。  「消費者への情報提供を行う専門家と他の従業員との識別方法について、どう考える か」ということでございまして、たびたびこの部会でも御議論いただいておりますが、 薬剤師等の専門家の人と、そうではない従業員がいる場合、どのように識別するのか、 識別する必要性について、そういうことをこちらで御検討いただければと考えておりま す。  (1) 必要性について、メリットとしてはどのようなものがあるか。  (2) 識別方法として、箇条書きにはしておりませんが、簡単に具体例として思いつく ものを並べさせていただいたところでございます。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。この中でポイントとなりますのは、(2) の識別方法という ことだろうと思います。この(2) を中心に、何か御意見がありましたらぜひお願いいた します。この点に関しましては溝口委員からたびたび御指摘をいただいておりますが、 重ねて何か御意見がございましたら。  溝口委員  少なくとも前から議論されている「薬剤師等」という方たちが、ハイリスクの薬剤の 情報提供をすべきだと考えていますし、また、買った患者さんが副作用を持ってきたと きには、そういう人たちが必ず対応すべきだと考えています。そうすると、そういう人 たちがきちっと消費者にわからないといけないということで、そのためには、白衣を着 てもいいんですが、アメリカの例に書いてありますように、「薬剤師は写真つきの名札 に薬剤師と明示」と、こういう形のものでなければいけないと思っています。  それから、紛らわしい白衣だけ着ている人たちというのは、やめた方がいいと思って います。何もそういうものを着ている必要はないわけで、消費者を少し欺く部分がある のではないかなという気がします。  井村部会長  ありがとうございました。諸外国の例というのは8ページにございますので、それを ごらんいただきながら。溝口先生、余計なことですけれど、病院での場合は、何か衛生 上の配慮があってユニフォームを着ているということはございませんでしょうか。  溝口委員  特に感染性の強い病棟などの場合はそうだと思いますが、そうでない場合は、アメリ カのフレッド・ハッチンソン・キャンサー・リサーチ・センターの骨髄移植のところで は、看護師でもジーパンとセーターで入っていっていますから、必ずしも白衣というも のがそういう目的にかなうものではないという認識が最近出てきているのではないか。 むしろ権威の象徴であると。  井村部会長  ありがとうございました。ほかに御意見をどうぞ。  三村委員  最近、そういう目で近くのよく行くお店を見ているわけですが、私も名札をじっと見 ておりますと、「薬剤師」と書かれていたり、「アルバイター」と書かれていたり、 「お客様係」と書かれていたりして、確かにあれでは非常にわかりにくい。ですから、 相談できる相手、あるいは説明できる人はどういう人であるかということを、きちんと した形で明示されるべきだと思います。  また、そういう方が普通のお店の場合にはカウンター越しで販売行為を一緒にされま すので、余計にそのあたりがわかりにくいということがあります。専門的な資格を持っ ている方は何らかの形できちんと明示されるということは私は重要だと思います。  安田委員  前回も触れたと思いますが、論点20についてですけれど、私どもの配置販売業では、 身分証明書をいつも携帯しておりまして、協会が実施している資格試験に合格した配置 員には、認定証を交付して、廻商時に認定カードを着用させています。  児玉委員  この識別というのは、今回のいろいろな議論の中の一つの大事な問題だと思います。 というのは、消費者の立場に立った場合には、いわゆる選択−−例えば薬剤師に相談し たいとか、したくないとか、いろいろあるでしょうけれど、しかし、何をもってそれが わかるのかと、こういう議論が多々ありましたし、(2) に、販売可能時間とか、勤務ロ ーテーションとか、どういう人がいるのかとか、そういうものがわかるようにというこ とがあります。  今、配置の方からも話がありましたように、私どもももちろんその努力はしているわ けでありますが、きょうも一つの事例を持ってまいりまして、後で回しますけれど、こ ういう識別するための薬剤師証、これを全国で今ほとんどの薬局薬剤師がつけるように しております。それと、こういうものも今携持をするようにしておりまして、これは診 療所の場合はほとんどされていますが、私どもの周りも、管理者とその他の薬剤師も携 持をしています。こういうことを要は徹底しなければ意味がないわけでありまして、そ こがこれから大事なのかなという気はいたします。  田島委員  今のお話を受けてですが、お店に来る消費者の方々が、そういう身分証明書も大切で すし名札も大切ですけれど、一目で見てわかるという形が一番大切だと思うのです。そ ういう意味では、ユニフォームの違い、または色の違い−−ユニフォームのデザインは 各お店でいろいろお考えでしょうけれど、色というもので識別するということは大切か と思います。  溝口委員  私も田島先生の御意見に賛成ですけれど、もう一回繰り返しになりますが、それ以外 の人が似たようなものを着てはいけないと私は思います。  増山委員  厚労省の方にお聞きしたいのですが、薬事法か通知だったか、どういう書類だったか は忘れましたけれど、販売側に消費者が誤認しないような服装であることと、たしかそ ういう指示を出していたかと思うのですが、そこでは具体的に何か指導されているので しょうか。  事務局  まず、服装をわかりやすくすることというのは、薬局業務運営ガイドラインという通 知で、「望ましい薬局の在り方」という形でガイドラインとして示しておりますが、こ れは法令事項ではございません。  増山委員  なぜそのように聞いたかと申しますと、既にガイドラインでそのように指導していた にもかかわらず、それが現況できていないということは、それを実効性のあるものにす るということを、今回、そこはよりちゃんと担保できるように考えた方がいいのではな いかと思っています。  井村部会長  そうですね。恐らく相当それに対応はしているのだろうと思いますが、今おっしゃっ たように、実効がないのだろうと思います。溝口委員が言われましたように、何となく 同じようなものを着た人がいたり。それから、先ほど児玉委員がお示しになりました名 札でございますが、あれも何が書いてあるか遠くからはわからないんですよね。ですか ら、患者なりお客さんが店の中で見回したときに、どこにそういう相談すべき相手がい るかということが直ちにわかるような格好になっていないといけないかなという気はい たします。  増山委員  そうですね。ですから、わかりやすくということに、もしできることなら統一性を持 たせた方がいいのではないかなと思うのです。薬局ごとに名札の明記の仕方が違うとか 服装が違うというと、消費者は勘違いしてしまう人も出てくるので、例えば薬剤師と載 っているだけではなく、必ず店内でちゃんと相談を受けることができるとか、よくわか っていなくてもそれを見ればわかるような、そして先ほど言ったように統一した制度に なっている方がいいのかなと思います。  上原委員  お尋ねですが、医療施設では、お医者様と看護師の方ははっきりわかるのですが、そ のほかの方とは何かユニフォームで分けていらっしゃるのでしょうか。  溝口委員  病室では職種が、医師と看護師とクラークと看護補助の人がいますね。看護補助の人 は一般には青とか色の違うものを着ています。クラークもそうです。白いのを着ている のは医師と看護師ですけれど、それも今後だんだん考えられてくると思います。かえる 可能性はあると思います。看護師の一つの変化のあらわれとしては、キャップをやめた んですね。ああいう形骸化した象徴的なものはだんだん消えてくる。ですから、同じこ とが言えるのではないかなと思います。  上原委員  そのほかに私が入院などをして感じるのは、検査技士の方とか薬剤師の方のその差別 がわからないという感じがしていますが、その辺はどうでしょうか。  溝口委員  多くは薬剤師と検査技士も白い白衣を着ていますが、必ず胸に職種がついていると思 います。我々医師もちゃんと「医師」とつけていますし、看護師はちょっとわかりませ んが、今後、男性の看護師が多くなると、きちんとしないとわかりにくくなるかもしれ ませんですね。  田島委員  関連の御返事ですけれども、溝口先生のところのような大規模なところと比べて、私 たちのところははるかに規模が小そうございますが、やはり服装で分けております。私 たちのところは来てくださる患者さんたちがかなり顔見知りが多うございますので、白 衣は医者だけ、ナースも確かにもうキャップはしておりません。それから、技士もしま のズボンを履いて、上にケーシースタイルの上衣を着るとか、そういう形で全部一目で わかるようにして、その上で名札をつけさせております。  児玉委員  先ほど田島委員がおっしゃっていましたけれど、心理学的にはどうも色で識別すると いうのが非常にわかりやすいのだそうですね。それだけちょっと。  井村部会長  恐らくこの識別が非常に必要になるのは、医療機関、つまり病院あるいは診療所では 余り問題にならないのではないかという気がするのですが、実際に薬を売っている薬局 とか大きな規模のドラッグストアとか、そういうところではぜひそれはしていただかな いと困るかなと思いますね。  ほかにいかがでございましょうか。  宗像委員  今のお話はそのとおりだろうと私も思います。このわかりにくい、あるいは紛らわし いというのは避けていかなければいけないだろうと思います。しかし、一方では、お店 の裁量であるとか、お店のカラーであるとか、あるいはCIといいますか、お店のアイ デンティティの問題があったりしますので、それをすべて統一するということはなかな か難しいと。そうすると、識別するには、先ほど児玉先生もおっしゃっておられました けれど、専門家の人たちに何か統一的な、その部分はほかの方は使わないと。それ以外 のところで識別できるような形をとる、あるいは企業の特性をとるというのが、一番現 実的な方法ではないかと思いました。  望月委員  私も、識別されるということは非常に重要なことだと思います。先ほど田島委員がお っしゃっていた一目でわかるというのも非常に重要なことだと思います。また、着衣の 色で識別をするということでいいのか、アメリカでは薬剤師のマークというのを使って いて、このくらい大きなマークだと思うのですが、そういうものでも結構識別ができる のではないでしょうか。名札に「薬剤師」と書いてあっても、それはなかなか見づらい というのがあって、一目でわかるというのはそういったところにもあるのかもしれない ということもありまして、そのあたりはもう少し研究する必要もあるかという気はいた します。  井村部会長  そうですね。8ページの諸外国の例のところには、フランスというのは薬剤師は蛇の マークの名札をつけていると書いてありますが(笑)。調剤助手は乳鉢マークだそうで す。かなりわかりやすいかもしれません。  これはもう皆様一致して、とにかく非常にわかりやすいようにしてほしいということ で、例えば、もし全国的に統一といったことは非常に難しいとすれば、少なくともお店 では、自分のところではこういう職種はこういう表示をつけているということがきちっ と掲げられている必要があるかと思いますが。  ほかにございませんでしょうか。  溝口委員  少なくとも白衣を薬剤師等以外の職種の人は禁じた方がいいんじゃないかなと私は思 いますけれど。  井村部会長  ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。専門委員の先生方、いかが でしょうか。  安部専門委員  先ほどアメリカの例が出ましたので、数カ月前にアメリカで見てまいりましたので、 簡単にそれを御紹介させていただきますと、アメリカで薬局に行きますと、一般的には 薬剤師と調剤助手がおりまして、両方とも白衣を着ております。名札にはファーマシス トということと、アシスタントと書いてありますが、一目ではわかりません。名札を見 ないとわかりません。ただし、販売の形態につきましては、例えば私が実際に何度か薬 を買ってみましていろいろ質問してみますと、箱に書いてあるようなことを説明した り、ここからここまでは胃薬ですよとか、そういう御案内はアシスタントはいたしま す。それ以上突っ込んだ質問をすると、「薬剤師を紹介するから待ってくれ」というこ とで、自分は答えないようにすると。  それから、同じフロアにいるクラークの人とか事務員の方に何かを聞いても、「私は 答えられません。あちらに行って薬剤師に聞いてください」ということで紹介されま す。  それから、アメリカの場合には、コンビニエンスストアなどでも医薬品を売ってい る。これは服装とは話が違うわけですが。もちろん、コンビニエンスストアでは医薬品 の販売業者は白衣は着ておりません。そのかわり、コンビニエンスストアで薬の質問を しても一切答えてはくれません。「答えられません」と言うこともありますし、例えば 夜中に薬が必要になって薬を購入しに行ったこともあるのですが、その場合でも、例え ばスペイン語しかしゃべれない人が薬を販売しておりますので、その場合にはもちろん 英語の箱書きも読めませんから、そういう状況で消費者が自己判断で薬を使うという形 になっています。関連しないところまでお話ししてしまいまして、申しわけございませ ん。  荻原専門委員  蛇足ですけれど、私は今病院にお世話になっているのですが、うちの病院の場合は看 護師さんが白衣と薄いピンクの白衣の両方を使っていて、薄いピンクを着ると看護婦さ んは結構うれしそうな顔をしていますけれど(笑)。でも、残念ながら、薬剤師と白の 白衣は全く区別がつかないので、そういうところは皆さん意見が大体まとまっているの で安心しましたけれど、はっきり区別するよう、識別できるような体制をきちっとつく っていただきたいと私は思います。  井村部会長  ありがとうございました。特につけ加える御意見はございますか。よろしゅうござい ますか。この点についてはもう皆さんの御意見は大体一致したと考えますので、次に移 らせていただこうと思います。  次は、論点21で、皆様方の資料では10ページに当たりますでしょうか。「情報提供の 内容が消費者に十分に理解されるための外箱等への表示や文書の活用について、どう考 えるか」ということでございます。  (1) 外箱への表示のメリット等、(2) 外箱への表示と添付文書への記載との関係とい うことが書いてあります。この(2) のところをポイントとしてあげればよろしいかなと 思いますが、外箱に表示したものと添付文書への記載との関係というあたりで、御意見 はいかがでございましょうか。外箱についての表示の必要性はこれまでも御意見が時々 出ておりまして、増山委員からもそういう御意見が出てきたと思いますが、皮切りに何 か御意見をいただけますか。  増山委員  今まで言っていたことと同じことを繰り返すのですが、外箱で選べる情報というのは たくさんあると思うのです。そこで、医薬品そのものの効果などだけではなく、救済を 受けることができるとか、あるいは何か買う買わないと消費者が考えるときの目安にな るような、この薬は服用するのに作用が強いので注意をしなければいけないとか、それ を何らかの形で外箱に表示していただけたらと思います。  溝口委員  血液製剤が新しい改善薬事法でハイリスクになった、つまり、特定生物由来製品にな ったのですが、そのときの条件の一つが、献血か非献血かというのを表に書くことにな りました。それはいわゆるリスクの違いを反映していると考えていますが、今、増山委 員がおっしゃったように、リスク分類を専門委員がなさったわけですから、そのリスク のレベルを幾つかに分けて色であらわすとかすることと、もう一つは、ハイリスクの場 合には、例えば「薬剤師の説明が必要である」という記載があるとか、その辺が一番大 事な点ではないかと思います。それ以外の細かい添付文書の内容を幾ら書いても意味が ない。大事なことは、リスクのレベルと、それに対応する説明する人がどういう人かと いうことを書くことが大事かなと思います。  田島委員  溝口先生の御意見は大変すばらしい御意見だと思います。ただ、もう一つは、使用期 限の記載も事によったら必要な場合があるのではないかと思います。  井村部会長  そうですね。これは外箱に絶対必要ですね。  宗像委員  今の溝口委員のお話は私も全く同感でありまして、リスクを幾つかに分類する、それ が外目でわかるという部分というのは、オーストラリアあるいはその他の諸外国でもそ ういう形で、外側からリスクの強さが一目で見れるようになっておりまして、それに対 応する情報の入手手段、購入の仕方というのが違っていると、こういうことの方が現実 的だろうと思います。  それから、先ほどアメリカの例も出ましたけれど、アメリカの例も虫眼鏡か何かで見 ないと見えないぐらいですが、記載事項は目いっぱい書いておくと。それでPL法の問 題を回避して、先ほどお話があったように、売る側は薬剤師以外は情報提供はできない ということになっていますから、勝手に自己判断でやれというのがアメリカの制度であ ります。これも日本では余りなじまないだろうと思います。  そこで日本の商品を見てみますと、文字が小さくて読みにくかったり、あるいは表示 そのものが専門用語なのでしょうか、例えば「おくび」なんて、皆さん「おくび」とい うのはどんな現象を指すのかよくわからないと思うのですが、そういうことが使われて 読みにくかったり、まして少子高齢化が進んできますから、文字はある程度の大きさを 保つと。  なぜ小さいかといいますと、やはり商品の本体の形状の小ささがパッケージの大きさ をある程度支配していくという状況を持っていますので、どうしても本体の中身が小さ いものはパッケージが小さくなる。その中に文字級数を下げて細かく載せていくという ことになりますので、一つは、先ほどお話があったように、「見やすい、わかりやすい 」という、増山委員の話は全くそのとおりでありまして、そういうきちっとした情報を 「見やすい、わかりやすい」という形にする。そのためにパッケージがちょっと膨らむ のであれば、それも必要ではないかなと私は思っております。  安田委員  消費者が購入前に手軽に一定の内容を知ることができるという重要な情報提供の一つ となっておりますので、スペースに限りがあることから、個々の医薬品に関する使用上 の事項について添付文書に明記され、消費者による服薬指導や保管等が一層適切に取り 扱われるように考慮される必要があると思います。  また、配置におきましては個々の医薬品の外箱や添付文書の記載事項に従い、直接配 置先のお得意さんに対して対面による正確な説明を進めていくように努力しておりま す。  また、今後の医薬品の一般的な服用や服薬注意事項に関する消費者向けのパンフレッ ト等も作成しまして、提供するように努力をいたしております。  望月委員  毎回、外箱表示のときに出てくる話題なのですが、一応申し上げておきたいと思いま すのが、消費者がお買いになるときに、外箱を見て自分に合った薬かということを判断 する状況もあると思います。そのときに、現在の外箱表示ですと、「次の人は使用しな いこと」ということが書かれていますが、医師、薬剤師等、相談するべき人については 書いてありません。そのときに、持病をお持ちの方で買おうとしている一般用医薬品が 自分の持病に合わないというか、言ってみれば投与禁忌に当たってしまうという場合 は、外箱を開けて中の添付文書を見て初めてわかるというような状況があろうかと思い ます。  ただ、これだけの小さな文字で小さな箱の外箱に表示をすることがどれだけ効果的か どうかはわからないのですが、少なくとも相談する方々に、買う前にわかるような表示 が外箱にはあるべきだろうと思っております。  結局、小さな字ですから、そこを読んで御理解いただけるほど、余り効果はないかも しれないのですが、一応書いた方がいいということと、それを解決するための工夫とし て、先ほど田島委員がおっしゃられていたでしょうか、溝口委員がおっしゃられていた でしょうか、リスクのレベルの表示、あるいは「要薬剤師相談」のような、何らかのは っきりわかる表示の仕方というのが別途あるという形で、そこをうまく解決できればと は思います。  井村部会長  ありがとうございました。クラス分けするのにこれにも色がまた出てきますね(笑 )。  児玉委員  今のことと関連しますが、今後ここで議論される中で、増山委員もおっしゃっていま したが、リスクのいろいろな文例が出てまいると思います。それに応じたいろいろな供 給体制、人の問題とか、いろいろ出てくると思いますが、何を申し上げたいかという と、その商品にそういう表示をするときに2つあって、消費者から見てわかりやすくす るように、あるいは供給者が陳列をするときにきちっとそれを見て、これはオーバーザ カウンターでなければいけないもの、これはオープンでもいいものと、そういう陳列方 法ともリンクしてくると思います。そのときに供給者側もそれを見てきちんと配置す る。そういう両面がありますから、その辺が今後また議論の対象になるかなという気が いたしました。  三村委員  これはどこまで可能かということも関係いたしますし、外箱表示そのもののスペース が小さいのでその限界はあるのですが、私も望月先生と基本的に同じ意見を持っており まして、使用前に相談することではなくて、本当は購入前に相談することという、そう いう言葉がどこかに表示されてあって、「こういう方たちは購入前に御相談ください」 ということがあれば、消費者行動的な面からいきますと、それでアクションが起こしや すくなるんですね。すべての商品に必ずしもそれが必要というわけではありませんの で、基本的にはハイリスク型の商品とか、特にこういう症状の人は注意して飲む必要が あるというものについては、何かそういう要件を外箱のどこかに入れていただく。  それから、店舗の設計上も、これはお店によって努力目標になるかもしれませんが、 例えば陳列棚等にもきちんとしたそういう表示があるかないかだけでも、買い方は随分 変わってくるだろうと思います。  井村部会長  そうですね。その場所そのものにも表示が必要だということですね。  上原委員  2つございます。1つは、使用期限については、森委員などが日ごろからずっとお仕 事の中でやっていらっしゃることですが、外箱、瓶の中のラベルにいつまでの使用が可 能かということははっきり明記してありますので、その辺はお伝えしてあると考えてお ります。  2番目の「使用前に御相談ください」という御購入のされ方ですが、その辺の情報に 関しては、全部が全部ではないかもしれませんし、また、それは個人のいろいろな問題 もあるかもしれませんが、特に、スイッチといいまして、医療用で使われたお薬をOT Cに使われる際には、その辺の安全性を確認するために、「こういう方については相談 するように」ということを外箱にはっきりと明記するようにという御指導などは、特に スイッチ品については、初めてOTCに導入するものについては、大変強く御指導いた だいて、その辺の準備がなければ許可にならないということになっております。  増山委員  医薬品の中に、小児が飲んでもいい医薬品とそうでない医薬品があると思うのです。 大人が飲んでも問題ないけれども、まだ発達が未熟な小児が飲んだ場合、副作用が強く 出るというケースはあると思うのですが、今、外箱には、「これは小児は使用できる」 ということは書かれているのでしょうか。  井村部会長  何らかの表示が書いてあったような気がしますけれど、いかがでしょう。  上原委員  風邪薬の成分の中にイブプロフェンというものがございますが、これは15歳以上の方 だけでして、15歳以下の方は飲めないということははっきり書いてありますし、そし て、大人が、あるいは小児の方が飲まれる場合の用量も、どれだけ飲んでいいかという こともはっきり明示して書くような御指導を受けております。  増山委員  私は心配なのは、この間のアンケートを見ても、読んでいる人と読んでいない人の落 差が激しいのかなと。ですから、そこは間違えるとものすごくリスクがはね上がるの で、子供が使用できるのかできないのかという表示があったらいいかなと思うことと、 先ほど来ずっとリスクの程度を何らかの形で、私も申し上げましたけれど、表記できな いかという件についてですが、確かに外箱では書けることが限りあると思いますし、今 でも十分小さくて読みづらいので、これ以上たくさん書いたらいいというものを盛り込 んだら、もうほとんどの人が読めなくなってしまうぐらいで、多分、添付文書ほど小さ い字ってほかに見当たらないと思うのです。新聞でももうちょっと大きい字なので。  もちろんそこに書くことによって注意を喚起することができることは一番ですけれ ど、そのかわり字がすごく小さくなって読みづらくなるということもすごく問題がある と思うので、そこは例えば「要説明薬」みたいな形にして、とにかく一定のリスクのあ る薬については説明を受けないと売れない、買えない、そういう形にできることが望ま しいのかなと。すべての注意事項を消費者がちゃんと注意するかということは難しいの で、逆に注意させるように仕向けていくことも大事なのではないかと思います。  森委員  今の小児の用量のお話でございますが、一般用医薬品については、15ページを見てい ただきたいのですが、サンプルの表示がついております。一番下に用法・用量として、 「15才以上1回2カプセル、7才以上15才未満1回1カプセル」と書いてありまして、 ここに示されている年齢範囲の方が使用することを前提としていますので、これ以下の 方には基本的に用法を宣伝してはいけないという形になりますから、ここで判断してい ただきたいんです。医療用医薬品の場合は「年齢・症状により適宜増減する」と書いて ありますので、消費者の方は判断のしようがないし、医療用医薬品は医師を通さずに直 接売るものではないと考えております。  また、私はずっと監視員をしていて、メーカーさんの思いというのもあると思うので すけれど、真ん中の一番大きい商品名のところにこれだけ大きいスペースをとるのだっ たら(笑)、もう少し必要な情報のところのポイントを上げていただきたいなと。特 に、これではないのですけれど、もっと小さくなってきますと、本当に虫眼鏡で明るい ところで見てもよく読めないというぐらいになっていて、書いてあればいいじゃないか というようにも取れます。見ていただくための表示ですから、先程の宗像委員の箱を大 きくするという案もありますし、例えば、サンプルとして提供なさる場合は台紙をつけ ているということもあるわけですね。2錠のためにこんな大きな袋に入っているとかで すね。最低必要な表示についてのポイント制限がかかれば、そういう工夫をメーカーは してくださるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。  上原委員  メーカーの方も、外箱、そして中の添付文書の内容についても、どれだけ重要なこと を順序立てて、しかもわかりやすくということで、いろいろ工夫いたしておりまして、 添付文書などの表記する順番であるとか、それをただ文字だけでやたらに書いてもわか らないので、どうやって表にするかとか、漫画をかいて行うかとか、こういうことにつ いては各薬の種類によって業界の中でも毎年いろいろと、あるいは各メーカー方で競い 合って、いい意味で情報を理解していただきやすいことを工夫いたしております。  しかし、今いろいろとお話がありましたように、今度は生活者の買い手からすると、 欲しい情報を欲しいタイミングでとかいろいろ異なってくるので、今後の問題として は、いろいろとお話を伺っておりますと、生活者のそういうお買い求めになる方々と一 緒のスタディグループで、私どもも一生懸命やっているつもりなのですけれど、お買い 求めになってこられる方々のお立場からのさらにもう一工夫というのが必要かなと、今 お話を聞いていてそう思いました。  望月委員  ちょっと観点が違いますが、今、外箱の話が中心になっていますけれど、消費者の方 の保管の場所の問題もあって、外箱を廃棄してしまう方も多いと思うのです。それで、 中のお薬の包装ですけれど、PTPの包装ですとか、そこの表示がどうなっているの か、済みません、勉強不足でわからないんですけれど、上原委員、教えていただけたら と思うのですが。  上原委員  外箱の表示と同じものが、ラベル表示というのでしょうか、要するに容器の外箱につ いているのが原則でございまして、ただ、お買い求めの後の使用状況についてのいろい ろな御注意については、添付文書を捨ててしまわれると対応できない。ないしは、外箱 のところ、あるいはラベルの下に電話番号が書いてありますので、そちらへの御相談な どについてのお問い合わせはできると、こういう状況になっています。したがって、外 箱に書いてある内容はラベルの中に、文字の大きさの大小はございますが、集約してあ るということでございます。  望月委員  済みません、質問の仕方が悪かったのですが、最低限、今、医療用の医薬品でもPT Pの包装に薬品名等を入れることになっているんですね。さらにそこにロット番号など を入れようかということが今議論されています。有効期限の問題、あるいは不良品の問 題が発生したときにどう対処するか。その辺が、一般用医薬品の場合どこまで実行でき ているのかというあたりをお聞きしたかったのですが。  上原委員  一錠一錠のことですね。  望月委員  ヒートシールと。  上原委員  それはいろいろな剤形がございます。顆粒、微粒−−粉になっているものについて は、一包ずつごとに全部外箱に書いてあるものを小さくして表記しなければなりませ ん。それから、錠剤については、PTP包装、アルミ包装で出してあるものについてい るものがありますが、ほとんどが瓶に入っているケースが多いんですね。そうします と、やはり瓶に表示する。PTPの中には、例えば鼻炎とかの持ち運びのものがありま すが、今度はそのシートの裏にではなくて、それを包んでいるアルミのパックといいま すか、20PTPの、そういうものについては書いてあると思いますが、私もそこまでは 頭の中に入っておりませんけれども。  増山委員  今の外箱の話なのですが、たしか外箱がないと救済を受けられないというケースも出 てきたりするかと思うのですけれど、ですから、外箱をもし捨ててしまう人がいるので あれば、ぜひ捨てないでくれというインフォメーションをしていただけたらと思いま す。消費者に対するそういう教育は必要なのではないかなと思います。外箱にはかなり いろいろな情報が入っていますので、使用期限が入っているものもありますので、それ はすごく重要な情報がそこにあると思います。  それから、先ほど森委員に小児を対象に伝える医薬品のことをお聞きしたときに、 今、気になったのが、この注意のところに、「次の人は服用しないこと」の中に、例え ば先ほどの表記の仕方だったら、当然、「7才以下の子供は服用しないこと」というの が入るのではないかなと思うのですが、これは入れなくてもいいのでしょうか。  井村部会長  先ほどの森委員の話では、飲める範囲の年齢の人はそこに書いてある年齢の人だと、 そういうお話がありましたが、増山委員の御主張は、飲めない人をちゃんと書くべきだ と、そういう御主張ですか。  増山委員  そうです。というのは、たしか私も小さいときにそういう記憶があるのですが、「大 人だったら2錠だから、子供なら1錠ね」といって胃腸薬などを飲んでいたような気が するんです。ですから、そういうふうに誤認される人も結構いるんじゃないかなと思い ますので、逆に「次の人は服用しないこと」というのをちゃんと明記した方がいいので はないかなと思います。  森委員  御説明の仕方が悪かったかと思うのですが、これはカプセルです。そうすると、カプ セルを開いて半分飲みましょうとか、錠剤を割って半分飲みましょうということは、吸 収の関係で外側にコーティングをしてあるわけですから、余りしないようにということ になっていると思います。大人1回分が1つの袋に入っている顆粒剤などの分包です と、かなり小さな年齢まで2分の1とか3分の1というように年齢に合わせた分量が細 かく書いてあります。  それから、アスピリンが入っているような製剤については、「次の人は服用しないこ と」のところに、ちょっと恥ずかしいんですが何歳だったか忘れましたけれど、「何才 以下は服用しないこと」と書いてあるはずです。15歳でしたっけ、済みません。そのよ うにはっきりと子供に飲ませないということが決まっている成分については、そういう 表示もしてあります。  溝口委員  同じ質問ですけれど、上原委員が先ほど、イブプロフェンは15歳未満は書いていない ということでしたが、「飲ませないこと」と書いてあるのですか、それともただその年 齢が書いていないだけですか。  井村部会長  いかがでしょう。  上原委員  ちょっとどうか……、今記憶にありません。  溝口委員  これは子供に対してはかなりハイリスクだと思いますので、その辺はもしも書いてい ないとしたら、森委員のおっしゃるような書き方で、ただ抜けているところはだめとい う書き方でなくて、「服用しないことと」ときちんと書く必要があると思います。もう 一つは、そういうハイリスクの場合は 要説明薬として、幾つか重みを持って説明の内 容に加えることを決めておくといいと思います。  井村部会長  事務局から今の点について何かありますか。  事務局(関根)  一般論でございますが、仮に小児が使用してはいけないようなお薬である場合には、 「してはいけないこと」という中に、「小児は服用しないこと」という形の表示がされ ているかと思います。  井村部会長  ありがとうございました。大体よろしいかなとは思いますが、恐らくこれを具体的に 何か方策を立てるということになりますと、ちょっとしたワーキンググループか何かを つくってやらないと、具体策が出てこないかなという気がいたします。それはまた後で 考えるということで。  では、議論は先に進ませていただいてよろしゅうございますでしょうか。  次は、論点22でございます。論点22は16ページにございまして、「消費者への情報提 供が行われたかどうか、また、情報提供の内容を消費者が理解しているかどうか確認す ることについて、どう考えるか」という論点になっておりまして、(1) 消費者への情報 提供の確認となっております。(2) の確認に代わる方策もあるかもしれませんが、とに かくこの確認ということにつきまして、(1) について御意見をいただければと思います が、いかがでございましょうか。  田島委員  難しい……。  井村部会長  今、田島委員から難しいというお話がございましたけれど、これは非常に難しいこと だと思いますが、何かいかがでございましょうか。  溝口委員  確認は難しいんですけれど、この前から繰り返し言っているんですが、説明をしたら 必ずその内容を書いて、両方が持ち合うということが大事だと思います。医師のインフ ォームド・コンセントのやり方ですけれど。それによってもらった消費者は自分でも勉 強できますし、医療の場合ですとセカンド・オピニオンを求めることもできますし、ま た改めて販売した薬剤師に意見を求めることができる。  ですから、もちろん薬剤師等の方々の名前がきちんと記載されていないとそれはでき ませんが、それを書いたものをお互いに持ち合うということが確認の条件ではないかと 思います。  井村部会長  ありがとうございます。この点に関しましては、その資料にございますように、以前 も話題になりましたけれど、アンケートでの回答で、消費者側からの回答と販売する側 からの回答でかなりずれがあるということがございまして、その辺も絡んでおりますの で、その辺も勘案していただいて御意見を賜ればと思いますが、ほかにいかがでござい ましょうか。  児玉委員  この部分の後の議論の役に立てばということなのですが、まず1点は、今、溝口委員 からも、消費者も供給した側もお互いにわかるようなものがあればというお話がありま した。この確認ですけれど、通常、店頭でOTCを販売して説明を申し上げて、「わか りましたね」なんて普通は言えませんよね。そんな失礼なことはないわけでありますか ら。したがって、通常、OTCの場合は、帰られてから、「ああ、そういえばここはよ くわからないな」とかということで、再来店されたときに、「この前はどうでしたか 」、「この前はこうだった」と、こういう会話の中で確認していくわけです。  そのときに、一つの材料というものがあっていいと思うのです。その一つが、今、お 手元に「お薬手帳」というものがあると思うのですが、それが一つのツールなんです。 これは今、全国の薬局ではほとんどこれをお渡ししております。大体は処方箋をお持ち になった患者さんに、そこに処方された薬をそこで記憶をして、またどこかに行かれた ときに医師の先生方にお見せするようにと、こういう趣旨で使っているんですけれど、 当然、空欄でありますから、その方がお飲みになっているOTCもそこに書けますの で、そういう仕方をして生活者と供給側の共通のツールにすればいいのかなというの が、まず1点目です。  もう1点は、お手元にこの緑のシートがあります。  井村部会長  きょう追加で配付されました「薬剤服用歴記録」と書いてあるものですね。  児玉委員  はい。一般的に私どもは、顧客名簿というものを薬局では持っていまして、そこに昔 は書いていた記憶があります。薬局の場合は最近はこういうものをそのかわりに使って いまして、ここにはサプリメントも一般用もすべて記録するようにしておりまして、こ ういうものを活用してその確認の材料にするという方法です。  もう1点は、最近、全国でやり始めたのが、例えば、これは一般用のOTCですが、 そのパッケージにこういう張り紙をするんです。そして、販売したときに払うと。そこ には販売した薬局名、販売の年月日、販売者、連絡先等を書いておきます。何を言いた いかといいますと、お買いになって家に持って帰られて、何かあるなというときに、例 えば、その薬局にもスタッフが何人かいますから、だれに聞いたらいいのか、電話をし て、「何々さん、あのときに売ってもらったあの薬、どうなの」と後で質問できると。 こういう体制づくりを今しようとしています。結局、確認というのはそういうところに あるのかなと。一般的には、その場ではなくて、後で気づくことが多いんじゃないかな と。それに対応できる体制を供給者側はとる。それで、こういういろいろな手段を考え ながら対応していく。こういうことが大事なのかなという気はいたします。  井村部会長  ありがとうございます。確かに再来店されたときにいろいろと確認することは非常に 大事なことだと思いますが、売ったときにある程度理解が十分にいってないと非常に困 ることも多いわけでございますので、ここで言っている確認というのはその辺のことか なという気はいたしますが。  安田委員  配置の方では、極めて素人の人が薬を飲むようになりますので、非常に飲みやすくす るために、分服して、一回一回の量を超さないような包装の仕方になっているというの も配置の方の一つの特徴かと思います。  それから、訪問した際に、「お薬の飲み方について何か質問はないですか」というこ とも必ずつけ加えるようにしております。  それから、消費者の理解の確認の件でございますが、これも個々に訪問して説明して おりますので、確認書をとるということまではしておりませんことをつけ加えておきま す。  望月委員  非常に難しい課題だと思います。医療用の医薬品でも確認という作業は多分今はやっ ていないと思います。通常の用法・用量を守って飲んでいただけるか、その薬の目的を 御理解いただけているかというのは、先ほど初めに溝口委員がおっしゃっていた薬の説 明文書を今はお渡しする薬局が多いと思います。そこにその薬局名ですとか、電話番号 ですとか、担当した薬剤師の印鑑などが入る形でお渡しするという形をとれば、一つの 確認にはなるのかなと思います。  座長からは、一般的なそういうものが理解されたかどうかということの確認だろうと いうことでしたが、それはそれである程度担保できるところはあるのかなと私は思いま すが、私が確認すべきだなと思っていますのが、受診勧奨などをした際に、本当にきち んとそれを履行していただけているのかということを確認するというのは、その販売の アドバイスをした側としては知りたいところではないかなと思います。諸外国では、電 話連絡等をして確認をするということをトライアルでやったという報告はありますが、 なかなかそこまでできないというのが実情かなと思います。  井村部会長  そちらの方というのは、受診勧奨ということですね。  望月委員  受診勧奨ですね。そこは私にも今わかりません。確認するレベルをそこまで上げるべ きかどうかもわかりませんので。  井村部会長  受診勧奨をする場合には、きっとほとんどが薬を売らないというケースですよね。  望月委員  はい、そういうケースです。けれど、やはりそこまできちんとフォローアップをしよ うということで、それは以前に森委員がおっしゃっていたかかりつけ薬局・薬剤師をつ くりましょうというところに多分つながっていくのかなと思います。いろいろな確認を する過程というのは、そういうものがきちんと形成されていれば、受診勧奨などの確認 もしやすくなっていくのではないかなと思います。  井村部会長  ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。押しなべて難しいという御 判断でございますが、16ページにも書いてありますが、「確認することは困難であって も」ということはございまして(笑)、「理解が得られるよう努力すべき義務が医薬品 販売に従事する者にあるとすることについて、どう考えるか」と、それは当然そうなの だろうということだと思いますが。  宗像委員  一般用医薬品の現実的な販売体制を考える上では、特にここで論議しなければいけな いリスクの高い医薬品の問題だろうと思います。このリスクの高い医薬品のところで、 今おっしゃられていたように、そういう情報を提供しながら販売していき、それを確認 するというのは、どういう意味を持つのかなと考えたわけであります。  そうしますと、説明責任がそこに生まれてくると。それから、今度は聞いた方の生活 者の、説明を受けた者の責任というものもここで明確になるということが重要なのでは ないかなと思います。受診勧奨あるいは勧告といっても、一般用医薬品の販売のところ で受診勧奨というのは、お勧めすることはできたとしても、行くか行かないかはその生 活者自身の判断であり、自由だろうと思います。  しかし、そういうことを行えるような状態をつくるということでありますので、そう いう仕組みの中では、薬剤師さんがリスクの高いものの中で必ず伝えなければいけない ものは何なのかというと、飲み方やいろいろなことがあるでしょうけれど、危険のリス クの部分についてきちんと説明をするというのは必須項目だろうと思います。それは前 回もお話ししましたが、こういう制度として決まってきますと、その後ろには刑事責任 や民事責任等が伴うことになりますから、こうなったらいいねという話もありますが、 さまざまその方の状況に応じた説明であるとか、その医薬品の内容の解説であるとか、 これは行うにしても、特に一番のリスクの部分についてきちんと説明をする。  オーストラリアなどでは、非常にリスクの高い分野のものを薬剤師が販売するとき に、その説明した部分については、「ちゃんと聞きました」と生活者そのものがサイン をするという仕組みができておりますので、そういう制度を日本でも検討されたらいい のではないかなと考えました。  児玉委員  今のこととも関連してくると思いますが、(2) 確認に代わる方策という言葉が出てお りまして、この中に「理解が得られるよう努力すべき義務が医薬品販売に従事する者に はあるとすることについて、どう考えるか」という問いかけがあるわけですが、ある程 度リスクのあるものを供給するときは、一般用医薬品といえども、私はそういう義務が あるのかなと。  ご存じのとおり、私どもは調剤にかかわる医薬品の供給については法的に義務規定と いうものがちゃんとあって、情報提供なども義務化されているわけです。ところが、一 般用については今のところ努力規定なんですね。しかしながら、今後、そういうリスク 等のいろいろなかかわりの中で、これについては義務規定であるとやっていくぐらいの 責任が必要なのかなという感じがしております。  増山委員  この議論とは少しそれる話かもしれませんが、今、医療用医薬品からスイッチしてく るスイッチOTCというのが結構あると思うのですけれど、医療用の医薬品として承認 を受ける場合の目的使用というのと一般用医薬品として認可を受けるというのは、若干 違うと思うのです。医療用は本当に治療を目的としていて、一般用というのは、この間 事務局から御説明いただいたように、健康の持続とか予防とか状態の緩和というものだ と思うのです。  ですから、私自身はこれは以前から思っていたのですが、特に強い副作用情報がない からといって、安全が確認されたからといって、医療用から一般用医薬品に移ってくる のは、ちょっと違うんじゃないかなということを感じていて、それに関連して、例えば 消費者が情報をちゃんと理解できるかできないかというあたりでも、消費者はスイッチ してきた一般用医薬品と今まであった一般用医薬品の区別というのはほとんどしていな いというか、そもそもそういうものがあるということを知らない方はすごく多いと思う のです。  ですから、望ましいのは、消費者が大きな誤解の仕方をするケースはともかくとし て、目薬を飲んでしまったとか、そういうのは余りにも極端な例ですけれど、そうでは なくて、普通に理解してちゃんと使うということを想定した場合、コントロールがそも そも難しい薬とか、説明がすごく必要な薬は、逆に本来は一般用医薬品に入ってきては いけないんじゃないかなと私は思っていて、これはお願いなのですが、一般用医薬品は 価格知識のない消費者の人でも十分に使いこなせるようなものでなければならないと思 いますので、できるだけスイッチしないでほしいんですけれど。  あるいは、それは特別枠として、消費者にわかるような形で扱ってほしいと思いま す。今はスイッチOTCも健康食品や医薬部外品などと一緒に並んでいるんですね。で すから、これはリスクのレベルが違うのだ、これは特別枠なのだということがわかるよ うな、そういう扱いであってほしいと思います。  井村部会長  ありがとうございます。なるべくスイッチをつくるなということに関しましては、恐 らくいろいろな議論が出てくるだろうとは思いますが、スイッチしたものについての理 解が完全に行くような表示・説明をきちっとするということに関しては、それが絶対必 要だということは、どなたも御反対はないだろうと思いますが。  児玉委員  今の増山委員の意見に関連してですが、恐らく増山委員の真意は、スイッチをつくる とかつくらないとかということよりも、消費者・生活者の立場になれば、私は申し上げ ているのですが、医療用だって、一般用だとか部外品だとかといっても本当にわからな いんですよね。みんな薬なんですよね。消費者からはそういう見方しかできないんです から、逆にそういう状況の中で供給する側はきちんと責任を持ってわかりやすいように してくださいよと、そういうことだと思うのです。  例えば、たまたまオーストラリアの例を見ても、医療用・一般用ではなくて、例えば リスクが1〜4とついていて、これは消費者の直接手に届かないように奥に置いて、そ してだれが供給するというように、きちんと分けてあるわけです。そうすると、受ける 側もわかりやすい。今回のこの議論というのはそこにもあると思いますので、ぜひその ことの意味をわかっていただきたいなと思います。  増山委員  ちょっとだけ補足なんですけれど、なぜスイッチしてほしくないかというところをも う少し申し上げると、今、例えばここで検討しているのは、現況にある一般用医薬品を 思い浮かべながら制度設計をしているわけですよね。ところが、そこに想定しない薬が 入った場合のリスクということは勘案していないので、もともとは医療用で、一般用に ないような作用の薬がスイッチしてきた場合だと、その制度設計の中にそれが折り込ま れていないということが出てくるかもしれないので、私は、できれば、ちゃんと医療用 医薬品というのと一般用医薬品のこうあるべきだというものがより鮮明になっていた方 がわかりやすいと思うのです。  消費者も余りそういうことを今まで注意してこなかったと思うのですが、今回の改正 を機に、そういうことに注意を向けることによって、何年か先にはかなりその理解度も 進んでいくのではないかと思っています。  安部専門委員  リスク分類を実際に少しやらせていただいた観点から今のお話についてお答えさせて いただきますと、消費者のイメージとして、医療用は専門的なもので危ないもの、一般 用は安全なものと、確かにそういう面もあるわけですが、実際にリスク分類などをして おりますと、一般用医薬品で経験的に安全に使われてきたものなどがあるわけですね。 ただし、それをいろいろリスク分類していますと、今、実際の医療現場ではその薬はほ とんど使われなくなった。なぜ使われなくなったかというと、それはむしろリスクとベ ネフィットのバランスが悪いから、医療現場ではなくなってきたというものもありま す。  それから、医療用が危険化というと、きちんと使用経験があって、データがあって、 そのリスクを評価できるものはむしろ安全なのではないかと。データがなくて、昔から 使っていたから安全というものと、データに基づいて客観的な評価をして、それが国民 ・消費者にうまく使われるようにする。薬というのは社会の財産でもあるわけですか ら、それをうまくするようにきちっとリスク分類をしていきたいと思いますし、もちろ ん、そのリスク分類がきちんとなされないで、単純に医療用医薬品のものをOTCに持 ってくるということはできないと思いますが、そこのところは逆に、「一般用は安全、 医療用は危険」という枠組みをつくってしまうことがむしろ問題が生じる種になるかな とも思います。  増山委員  医療用は危険と思っているわけではなく、専門家による管理が必要な薬剤であるとい うイメージです。私は、うまく説明できていないのかもしれませんが、医薬品をすみ分 けするということも、消費者が医薬品の効能とか効果とかリスクを正しく理解するとい うことにつながると考えていて、きちんとしたすみ分け的なものは大事なのではないか なと考えています。  溝口委員  増山委員がおっしゃる意味は、最初のころに増山委員がおっしゃった、「医療用医薬 品が一般用医薬品になったときに薬害が拡大して、それが抑えられなかった」というこ とがもとにあっておっしゃっているのだと思いますが、それは一般用医薬品にしたから この前は起こったのかもしれませんが、今後はそれを起こさないようにするというのが 今の議論ではないかなと思うのです。そのためには何をしたらいいかというと、一般用 医薬品の中でも、スイッチは指定医薬品になるのではないか。かなりハイリスクの方に 入ると思うので、恐らく要説明薬になると思いますし、薬剤師がきちんと説明しなけれ ばいけない。  もう一つ、条件として大事なことは、副作用を消費者が訴えてきたときに、対応する のは薬剤師でなければいけないと思います。特に、この前申し上げたように、改正薬事 法で医療従事者は重篤な副作用を見たときに、厚生労働大臣に報告しなければいけなく なりましたから、そこには情報を提供した責任のある薬剤師がきちっと副作用かどうか を判断して伝えると、そういうシステムがないといけない。  例えば、患者さんに指定医薬品の説明をするときに、4つの場合、つまり死に至る合 併あるいは重篤な合併症のある場合、子供に奇形が起こった場合、感染症の起こった場 合、未知の副作用が起こった場合には必ずこの私に伝えてくれというような説明が必要 だし、それがあれば担保されるのではないかなと私は思います。  望月委員  先ほど安部専門委員がおっしゃっていたように、医薬品として分類されているもの で、基本的に副作用と有効性のバランスの問題なので、副作用が全くないといえるもの はないと思います。それは一般用であれ医療用であれ持っていて、今回、一般用は本来 自己治療のために消費者ご自身の選択と責任で使っていくというのが基本だろうとは思 いますが、販売するときに、適正な使用を促進するための情報を御提供するというのは 絶対あった方がベターだと思います。  もう一つ、先ほどから受診勧奨にすごくこだわっているのは、ことしの冬に私どもの ところで総合外来を受診した風邪症状を持っている患者さんに、受診前にどの程度一般 用医薬品を使用していたのかという調査をしたのですが、その際に、最終的にインフル エンザという診断が下った患者さんが、 200人の対象で80人ぐらいいらっしゃって、そ の方々の80%は自己治療で3日間ぐらい風邪薬を飲まれて、それから受診にいらっしゃ っている。そうすると、当然、インフルエンザの場合はもう既にノイラミニダーゼ阻害 薬が効く時期は過ぎてしまっているという形になっていまして、そういったところで も、消費者がお薬を御購入されるとき、あるいは使うときに、情報提供が必要になる場 面というのが、一般用医薬品は安全であっても、出てくるのかなと思います。  上原委員  スイッチの問題に関しては、まずそれが適切か否かという判断をされる際に一番大き な要素は、お医者様の御指導のもとに使われていて、安全性に問題がないかということ がまず最大の御判断だと思います。それを例えばメーカーとしてお願いしてスイッチに 申請した場合、厚労省で例えば「それはいいだろう」というお話になったときに、一番 重要なのは、この適切な使い方をどうやったら御購入の方に徹底できるかという、これ についての計画を出しなさいと。  そういう御指導もございまして、私どもは、ミノキシジルという、リアップというの がございますね、あれなどについては、ほかのスイッチについても全般にそうなのです が、全国の薬剤師会にお願いして、先ほどおっしゃったように、これは要指定薬になり まして、薬剤師の方でないと売れなくなるわけです。そういう薬剤師の方への説明会を 各県レベルで開催すると。したがって、スイッチのものについては、薬剤師の方でない と販売できない。  それから、先ほどお話ししましたように、薬剤師の方を通じて生活者にどうやってチ ェックをするか。チェックシートというのがございまして、こういう方、こういう方に ついてはよくヒアリングをしながら、それについて分けると。また、外箱のシールに も、「こういう方についてはだめですよ」とか、「こういう方については御相談くださ い」と、そういうものをつけるか否かについても、当局といろいろ御相談させていただ いています。そして、その後に、使用してみた後のアンケートを、直接メーカーである とか、あるいは薬剤師の方がお売りいただいた結果であるとか、そういうものを何万と 集めまして、それを半年ごとに報告して、その結果の、例えば3年間ないしは、リアッ プの場合は6年間だったのですが、それを全部集計した結果、こういう状況ですという ことを、またお医者様から直接入ってくるケースもございますが、やっておるわけでご ざいます。  そういう意味で、今、御当局なども一番考えていらっしゃるのは、安全性確保なくし てはスイッチはあり得ないと。それは薬そのものがそうですけれど、そういうお考えで いらっしゃって、私どももまさにそうだと思っております。  結局、どうやったらそれを生活者に伝えられるかということがキーポイントではない かなと私どもは考えております。  井村部会長  大体そこへ帰るんですよね。  溝口委員  これも前に申し上げたことの繰り返しになりますけれど、そういう副作用の問題を解 決するのに、副作用の高いものは一般用医薬品にしないという考えもありますけれど、 しておいて、その副作用を監視するというのが大事だと思うのです。大事なことは、多 くの薬害というのは海外で指摘されて、日本で指摘された例はほとんどないと思いま す。その理由は、この前も申し上げましたけれど、副作用の収集法だと思います。関連 があるかないかということをまず議論してしまうところに問題があるわけで、関連ある なしにかかわらず、服用後に起こったことはすべて集めるという姿勢を、厚労省のどな たかがそういうふうにしているとおっしゃったので、その形が進めば、医療用医薬品を 一般用医薬品にしても私はいいのではないかと思います。  井村部会長  ありがとうございました。時間をかなりオーバーしてしまいましたので、この辺で次 に移らせていただきたいと思いますが、非常に重要な議論をしていただきまして、あり がとうございました。  続いて、論点24に入りたいと思います。お手元の資料の19ページでございます。  検討項目6の「情報通信技術の活用」ということでは、第8回の部会におきまして大 山委員に講義をしていただきました。その内容は、どのようなことができるかというこ とだったと思います。今回の議論では、これまでずっといろいろなことを議論していた だきましたが、その内容を踏まえまして、情報提供あるいは医薬品の管理という段階に おきまして、この情報通信技術を用いてどのようなことができるのだろうかと。それか ら、情報通信技術に我々は一体どのようなことを求めるのか。そういうことについて検 討していただきたいと思っております。そして、必要に応じまして大山委員の御意見を 賜ると。そういう形で進めたいと思います。大山委員、どうぞ御協力をお願いいたしま す。  では、資料1−1の19ページのこの論点に関しまして、事務局からちょっと説明をお 願いできますか。  事務局  それでは、19ページの論点24を説明させていただきたいと思います。  情報通信技術を医薬品の情報提供・管理などに活用することについてどう考えるかと いうことで、医薬品の販売の場面において情報通信技術をどう活用できるのか、活用し ていはいけないのか、そういったことを御議論いただければと考えております。  資料の中身の構成としましては、まず、(1) としまして、情報通信技術を用いた情報 のやりとり、対面で行う情報のやりとり、その違いについてまずどう考えていけばいい のかということを御検討いただければと思っております。  引き続いて、(2) としまして、主に2つの場面、消費者への情報提供。  そして、(3) としまして、医薬品の管理について、具体的に情報提供・管理、その業 務の具体的な中身についてどんな技術がどのように活用できるのかということを御議論 いただければと思っております。  20ページに参りまして、(4) その他の業務として、今まで(2) と(3) で検討いただい たもののほかにどんなことができるのかということを、幅広くこちらでも御検討いただ ければと考えております。以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。  この中に(1) 〜(4) までございますが、特にポイントということではなくて、これは 私の個人的な感触ですけれど、(3) の場合には既にかなり行われていることもございま すでしょうし、(4) につきましては、当然可能性はかなり高くて、こういうことができ ればいいと思っておりますし、余り問題はないのではないかと思いますが、(1) と(2) につきましては十分に御議論をいただきたいと思っております。  では、(1) 情報通信技術を用いた情報のやりとりと対面による情報提供等との違いと いうことにつきまして、これはかなり大きな問題になると思いますが、どうぞ御意見を いただきたいと思います。  溝口委員  (1) の対面の問題は、人が面と向かってある必要はないと思っています。双方向的と いうことが非常に大事で、お互いに言葉のやりとりができれば、それはテレビでも構わ ないと考えています。  (2) は、この前も御質問したのですが、すべての一般医薬品の添付文書をインターネ ットに載せることはそう難しいことではないと思うのですが。確かにJAPICからは 本が出ていました。あれをあのまま載せたっていいんじゃないかなと思うのですけれ ど。そうすればかなり改善するのではないかなと思います。  井村部会長  今のJAPICの話は、事務局、いかがでしょう。  事務局(目黒)  前回も御説明申し上げましたとおり、一般用の団体の取り組みとして、インターネッ トに添付文書を載せるという取り組みは進んでおりますが、医療用に比べて小さい企業 や、あるいは都道府県知事承認といったものがあったりして、掲載率が医療用ほどは高 くなっていないという状況でございます。  井村部会長  そういう状況でございます。ほかに御意見をいただきたいと思います。  増山委員  私自身も、この情報通信技術が今どんどん上がってきて、普及率も高くなっています ので、その活用できる部分については活用していくというか、それ自体は進めていった 方がいいと思いますが、ただ、こういう情報通信技術に親しみのない世代というのもか なりあると思うので、すべてそこに集約されるのではなく、それ以外の方法で同じよう に情報提供が得られるようなルートを確保するということも大事だと思います。  井村部会長  ありがとうございます。確かに私どものような年になりますと、非常に難しいかもし れません(笑)。  児玉委員  要は使い方の問題だと思うのですが、私は、実際に自分が店頭でOTCを供給してい た人間の経験からすれば、ここの基本は情報提供のあり方から始まっているわけです が、生活者、消費者一人ひとり個別のいろいろな細かい情報をまず正確に吸収する、情 報を集める。そこから正確な個別の情報提供ができる。こういう流れの中で、細かく個 別の正確な情報を収集するというのは、私は経験上、これはインターネットでは無理だ と思います。これはやはり対面なんですね。人と人との会話、顔の色から始まって、表 情から始まって、行動から始まって、そういう総合的な中での収集になるわけですね。  次に、それを踏まえた上で、専門家の立場で正しく提供する。そのバックボーンとし て、こういう情報技術を使う。そのバックボーンとして情報技術を使うというところ に、常に正確に正しく最新の情報を生活者に提供するだけのものが、それは本だけでは 無理ですから、常にそういうものを使って情報の吸収をしておく必要があるわけです ね。そういう基本的な考え方の整理が必要なのかなという気がいたします。  それで、もう一度済みませんが、よろしいでしょうか。  井村部会長  どうぞ、どうぞ。  児玉委員  これを見てください。これは一つの使い方の例ですが、きょうは大山委員がおられま すので、このぐらいかと笑われるかもしれませんが、一つの試みです。今申し上げたよ うに、消費者に提供するためのバックボーンとしての情報技術の使い方の例なのです が、めくっていただきますと、これは一つの県の薬局の情報支援システムであります。 これがトップページでありまして、この中にいろいろな情報があって、これがインター ネットを通じて情報収集することができるというシステムであります。  これは大阪で約 1,000件ほどの薬局が開業しています。その下に医薬品情報関連のリ ンク集というのがありまして、そこにいろいろなデータが吸収できるようになっていま す。今、溝口委員がおっしゃったJAPICについても、この一番下のJAPICデー タベースにもリンクすることができるようになっています。  次に、これも当然研鑽が必要でありますから、研修のページというのもそのシステム の中にあります。その中に、痛みとか、いろいろな講習会を当然しておりますので、最 近ですとインシュリンの現状とか、そういう講習会のものを全部ビデオで撮っておりま して、そこをクリックしますと動画配信が可能になっているわけです。講師がしゃべっ ている声も含めて出てきます。そして、右側にそのスライドが出てきます。これは一つ の使い方の例です。このようにしながら、患者様、生活者に正確な情報を提供できるよ うな情報技術の活用の一つの例かなと思います。これを普遍的に全国に広げることによ って役に立っていくのかなと、そういう事例であります。  井村部会長  これはつまり、情報を提供する側の情報の収集のために使うということは当然考えら れるわけですが。  三村委員  こういった情報提供の多次元的な設定というのは、一般用医薬品にとって大変大事に なると思いますし、基本的には対面でも非常に深い専門性を持った対面と、どちらかと いうと効能とか効用程度を少し説明してくださいというところと、さらに、先ほどの外 箱や販売店における陳列の方法から、インターネットとかメールとかパンフレットを通 して、多次元的な情報伝達がどう設定されているかということが大事で、さっき増山委 員がおっしゃったように、何かに偏ることはきっとあり得ないだろう。  ただし、例えばインターネット的なものを使ったときは、一体どれだけの新しい次元 がとか、新しい局面が生まれるのかということの整理もあってもいいだろうと思いま す。インターネットは双方向性であり、リアルタイムなんですね。こういった一般用医 薬品の場合に、消費者がほしい情報となると、例えば花粉症情報とか、流行性感冒と か、時々ニュースなどに出てきますけれど、断片的にしか出てこない。そうすると、風 邪なのかインフルエンザなのかと思い始めたときに、一種の危険情報みたいなものが店 頭でも一元的に提供されると、それは、「ああ、なるほど」と思ったりする。  ですから、一般用医薬品については社会システムをどう整備していくかという形での 制度設計だろうと思うのですが、そういうところまで含めて、例えばこういったインタ ーネット的な技術を使う可能性があるのではないか。多次元の情報設定の中で各メディ アがどういう効用とどういう特性を持っているかということを整理していくことが大変 大事ではないかと思います。  井村部会長  ありがとうございました。健康医療情報という意味ではおっしゃるとおりだと思いま す。ここで意識を集中したいのは販売制度的なことなので、それについての情報技術と いうことで。  三村委員  大変申しわけございません。あくまで先ほどの話からすると、消費者にとってどれだ けいい情報があるかということが、判断力を高めるときに大変大事だと思いますので。 インターネットというのは、「対面に代わる」という言い方では恐らくないだろうと。 それをどのようにうまく組み込むかということを工夫するだけで、消費者に対しての情 報量は相当に増えますし、それから、ある意味では、全体としてはリスクを吸収してい くということがあると思いました。  森委員  今、健康情報のお話がございましたけれど、この(1) は、太字の下のところが大変オ ブラートに包んだ表現をしていらっしゃるのですが、はっきり言うと、薬剤師を常時配 置して対面販売するのとテレビ電話で対応するのと、どこが違うかという論点でよろし いのでしょうか(笑)。  井村部会長  言ってしまえばそういうことになるかと思いますけれど。  森委員  そこをはっきりしていただきませんと、先ほどのように、健康情報として提供してい ただきたい情報が、というお話になるかと思うのです。  井村部会長  きっとオブラートに包んだわけではないと思いますけれど、非常に端的に言えばそう いうことが主になると思います。  宗像委員  先ほどのお話のように、一般用医薬品の販売制度ということのところから考えなけれ ばいけないと思いますが、リスクに応じた情報提供の仕方ということ、そしてそれは商 品別、医薬品別、あるいはそのお客さん別ということになりますので、基本的には制度 的に行う情報提供では、外箱の問題と添付文書の整備、もう一つは店頭におけるリスク 別の情報提供の対面でのあり方、これを制度として一番考えなければいけない。  しかし、もう一方では、それだけでは済まない問題がありまして、例えばBtoBの部 分−−ビジネス間の中での情報提供、そしてBtoCといいますか、情報提供側とそれを 一般の生活者が受けるという、この情報の整備を補完的に大変選択肢があるということ はとても重要なことだろうと思います。しかし、それには、ここに書いてあまりよう に、インターネット、電子メール、テレビ電話、あるいは電話と、これはさまざまイン フラの問題、使いなれの問題、使う世代の問題、そして情報の関連性、再現性、あるい はオンデマンドといいますか、好きなものに行き着いて持ってこれる。  こういう特色や特徴がこの電子通信技術の中にはそれぞれ長短としてある。その長短 も、今お話があったように、さまざまな選択肢の中から補助的な補完的な部分が充実す るということがとても重要だろうと私も思います。  ただ、一番懸念材料としてあるのが、先ほどの健康情報の部分の中で、自分が例えば どうやって行き着いていくかというところで、こういう研究もしたことがあるのです が、結果的に最終的には、メールあるいはネットでやった場合は免責事項を入れると。 「この内容については自己判断をしてください。こちらでは責任は負えません」という ものを入れるというのがもう常識化されていますので、やはりこれも限界があると思い ます。  井村部会長  ありがとうございました。(2) の方にも入ってきておりますので、まとめてどうぞ御 意見をいただきたいと思います。  荻原専門委員  私は今までのこの議論をずっと聞いていまして、自分も先生と同じ年なので(笑)、 要するに、このインターネットとかメールといった新しい技術の情報、ホリエモン育ち がやっているやつですね、ああいうのを果たしてユーザーのどのくらいのパーセントの 人が理解できて使いこなせるかというのは、ものすごく疑問ですね。せいぜい10%いけ ば御上々だと思います。私なんかは古い人間ですから、じいさん、ばあさん、本当に必 要な人たちが使う場合には、基本的にはやはり昔ながらの対面で説明をきちっとする方 が重要になると思うので、方法論が広がることは僕は否定しません。けれど、それがす べてのようなふうに持っていかれると非常に疑問に思いますね。  井村部会長  いえ、皆さんもそれがすべてだという方は一人もいらっしゃらないだろうと思いま す。補完の技術としては非常に重要ですし、これが広がることは、先生もおっしゃった ように、非常に重要だと思います。  安田委員  私どもの配置の方では、責任の明確さが非常に大事だと思いますので、必ず訪問先の 配置した箱には、住所・電話、そして携帯までもお伝えするようにして、すぐ対応でき るようにしておりまして、その後、顧客台帳にもどこの家に何を、どういう品物を配置 したかということも明確に記載されていますので、その対応は非常に迅速にやっている つもりでおります。  上原委員  数年前の話で、最新はよくわかりませんが、ヨーロッパへ行きまして、このインター ネットの薬局というのは大変問題になっていまして、アメリカの場合はどこでも薬が買 えるから、インターネットでも薬が買えると。ヨーロッパの場合は、オーバーザカウン ターの向こうにあるものですから、薬局でないと薬は売っていないんです。ところが、 今はインターネットの時代になっているので、アメリカのインターネットから買う人が 出てくると。しかも、それは同じ英語のジャンルなものですから、それが国境を越えて 行われているということが大変大きな問題になっていました。  では、ヨーロッパの行政当局はどうやっているかといいますと、問診などはいいけれ ども、実際に薬を渡すというのは、店頭へ来てそれをピックアップすると。問診の省略 はいいけれど、最終的には面談でそれをやるということを、特にスイスでそのときに行 政官が来ておられたのですが、そういうことを言っておられたことが非常に印象的であ りまして、まだ日本の今の段階でも同じようなヨーロッパの対応が望ましいのではない かなと私は思っております。  増山委員  確認ですが、具体的にどのようなものが考えられるかというところに業務の例という のが出ていて、医薬品の管理とか従業員の監督ということが具体的に書かれているの で、今ここで議論しているのは……。  井村部会長  管理についてはこういうことがあるということですね。  増山委員  ああ、そうですか。はい。私自身が、例えば中には外出が困難な方とかもいて、イン ターネットからの情報がすごく重要だと言う人もいて、そういうケースもあると思うの ですが、ただ、気をつけなければいけないのは、例えば健康アンケートみたいになって いて、「こんなこと気になりませんか」とかいってチェックしていくと商品が送られて くるみたいな、そういうことになるとすごく問題で、もしかしたら気がつかないでそう いうことも起きているのかもしれないのですが、その情報はだれが責任を持つのかとい うことを、もし情報提供するのであれば、それも確保しなければいけないのかなと思い ます。  井村部会長  そうですね。要するに、そういう情報を得るのなら、インターネットの場合では責任 のあるサイトから得るということが重要なのだろうと思います。  田島委員  (1) の上から2つ目の・の情報の正確性という問題ですが、提供する情報が正確であ るという、これはインターネットでも何でも間違いがないと思います。添付文書でもそ うです。書いてあることに間違いない。ただ、実際に読む人たちの誤解とか思い違いと いう問題というのも、大変問題になる部分がございます。その点では、やはり対面販売 というのもかなり長所があると私は考えております。  望月委員  先ほど森委員が「端的に言うと」と確認された事項の部分ですが、テレビ電話を使っ て一般用医薬品を販売するという昨年あった会議があるのですけれど、そちらでも、得 られる情報量ですとか、情報の正確性ですとか、かなり議論がありました。情報通信技 術というのは本当に日々進歩しておりますので、当時議論したような状況では今はな く、もっと情報量も多くとれるし、正確な情報がとれるようになっていっているだろう と思います。  そういう時代の中で、情報通信技術というものを取り入れていくことで消費者にメリ ットがある可能性があるのだったら、取り入れていくことを前向きに検討していくとい うことは重要なことだろうと思います。ただ、そのテレビ電話の委員会のときに、最終 的に出た結論としては、深夜・早朝における販売時にテレビ電話を使って一般用医薬品 を販売するということも今は実際にできるような形になっています。条件は幾つかござ いますけれども。その結果を本当に消費者にとってメリットのある形になったかどうか ということを検証しましょうと、その委員会ではなったような気がいたします。  そういうインフラを持てる薬局がどの程度あるのかも含めて、そうしたところも改め て見ていかなければいけないことかなと思います。  溝口委員  (1) の販売形態をテレビ電話でというのは、私は双方向的であればいいと申し上げた のですが、この前から申し上げている重みつをけた説明、それは書いた形で残る必要が あるわけで、それはテレビだと何か一工夫要るかなということがあります。もう一つ は、説明した本人のサインとか、そういうものも何らかの形で担保される必要があるの ではないかなと思います。  井村部会長  ありがとうございました。大山委員にお願いなのでございますが、今までお聞きいた だいたような議論なのでございますが、お聞きいただいた上で、何か御意見をいただけ ればありがたいのですけれど。  大山委員  どっちの立場で話せばいいのかよくわからないところがありますが(笑)、総論で最 初に申し上げれば、情報通信技術というのは、先ほどもお話がありましたように日々進 歩するもので、したがって、それによって消費者の方が、私もそうですけれど、我々に とっての利便性、その他の便益もあるかもしれませんが、そういうものを提供する可能 性を持っていることを否定する方は多分いないだろうと思います。  これをどういう形で進めるかでありますが、こういう技術の進歩のことを考えるとき に、そもそも医薬品の販売という、制度的にある意味安全性を含めた観点から規制がか かっているわけですが、その緩和の観点、あるいはそれを志向するのであれば、やるべ きことは、今の技術ができるできないという話ではなくて、こういうことができればい いよと。それが1年後なのか2年後なのか、あるいは小さい薬局・薬店ができるのかと いう話をすると、これも線引きはぐちゃぐちゃになってくるわけで、我々はよく要件定 義といいますが、システムに対してはこういう要求があります、これを満たせば一般的 にはいいんじゃないですかと。そういう考え方ですね。そっちを最初に本当は議論すべ きことなのだろうと思います。  ただ、お間違えなきようと申し上げたいことは、インターネットに対する利用がどれ くらい一般の方にとっても日常生活に入り込んでいるかという議論はいろいろあると思 いますが、統計で見ると、日本はもう結構進んでいるんですね。世界の中でもかなり進 んでいる方に入っていて、通信料などは世界で一番安い国の一つにもう既になっている と。だからどうこうということを申し上げているのではなくて、一般的に情報通信技術 を使ったこういうさまざまなことは、一番わかりやすいのは、我々の生活でいうと金融 機関なんですね。  銀行のキャッシュカードの例でお考えいただければおわかりだと思いますが、昔、オ ンライン化しようとしたときには、「あんなものは危ない」とさんざん言っていた。そ れで、「キャッシュカードを持つのも嫌だ」と言う方も結構いらしたのですが、ここへ 来て逆の問題が起きていて、御案内のとおりスキミングの問題があって、キャッシュカ ードの被害が起きているということはありますが、これは技術の進歩とか環境が変わっ てきたとか、いろいろなことで起きているということはわかっているわけですけれど、 大事なことは、今、キャッシュカードを全部やめてATをとめられるかということで す。これをとめたらどうなるかというと、日本はほとんど機能しなくなってしまうし、 我々の生活でお金をおろしに行こうと思っても、銀行の窓口が今度はとまってしまう。  ですから、その光と影という言い方をすることはよくありますけれど、これはどちら もあることは間違いなくて、銀行の場合には、現在、それこそ指紋の話とか手のひらの 静脈のパターン、そしてICカードを使うということで安全性を高めるという方向に今 行っているのだと思います。  そういう意味で、効果とそうでない逆の面がありますよということはおわかりいただ けると思いますが、銀行の場合には、最初から「こうでなければならない」というの が、随分昔につくってきたものですから、例えば、キャッシュカードなども「危ない」 ということは何年も前から実は指摘していた。けれど、それを改善しなかったからこう なったというのが、私などの意見です。  その意味で言うと、今回の薬の販売に関しては、同じように普及させることを目的に しているのか、あるいは何らかの形でも消費者の方にとっても必ず利便性が向上するこ とは見えているわけですから、あるいは売る側にとってもそこは販売網という形になる のか、ビジネスの観点をどこまで言うかは立場、立場で皆さん違うと思いますが、そこ の中でお互いに納得できる安全基準というものをまずつくって、それが今の装置だと高 いからとか安いからとかという議論ではなくて、しっかりこうだというものをつくった 上でスタートすれば、そのためには実証実験みたいなことをやってみる意味もあるのか と思いますが、そういうところから考えれば、5年、10年先にはものすごく普及してい るかもしれないし、それがさらに場合によっては、安全性のレベルを上げなければいけ ないということも起きてくるのかもしれないという気がするわけです。  論点の後ろの方に出てくるので、今ではない方がいいのかもしれませんが、管理をす るということは、先ほどの大阪の例もそうですけれど、今までの経験からしても非常に 価値があることはわかっていると思うのですが、一方では、個人情報保護法が出ている ので、何かあってこれが漏れたときの危険性というのもこれから配慮しなければいけな い。  この点について一言だけ最後に申し上げると、安全と安心という言葉がありますが、 一般的に安全性を高めようと、例えば、今回の不幸にして起きてしまった福知山線のあ の事故などもそうですけれど、例えば、あれはオーバースピードで突っ込まないように 何らかの装置を入れていれば、自動的にブレーキはかかったと思うのです。ああいうス ピードで脱線することはなかっただろうと。今は運行停止処分だというので、そこの何 か手を打たないとだめというふうになっているようですけれど、それを今の情報通信技 術なしでできますかということです。  言い方をかえると、安全・安心というものをつくろうとすると、今までは、お金が余 計にかかる、コンピュータでいうとパフォーマンスが落ちる、スピードが遅くなる、面 倒くさい、使いにくいと、こういうことが一般的によく言われていたわけですね。安全 性を高めるとそういう面があった。例えば鉄道のATSなども、あの列車が止まる装置 も、うるさくなるとボタンを押して警報を鳴らなくすると。そして、それを押した後に 何かが起きて事故になるということもあったわけですね。  ですから、先ほどのような過去の経緯があったのですが、便利にすればするほどいろ いろな面倒くさいものを外していきますから、セキュリティもどちらかというと落ちて いったのですが、今は両方が成り立つのが情報通信技術になっていて、最初からそうい うものを要求すれば、それはできてくる。技術はもう整っているし、環境も十分あると 思います。それを高いから嫌だとか、違う理由でどんどん実用的な面を重要視してしま ったりするので、ある意味、別の問題を起こしているのではないかなと。ですから、今 回については、はっきりとこういうレベルでなければならないということを皆さんから 聞かせていただき、それを実証実験等をやってみるというのが流れではないかなという 気がします。  井村部会長  ありがとうございました。大山委員の御説明を伺ったところで、もう時間が来てしま っておりますので、この議論はこの次の部会でも続けてさせていただくことにいたしま して、最後の議題に移らせていただきたいと思います。  今後の審議の予定などについて、事務局の方から説明をお願いいたします。  事務局  それでは、今後の予定などについて御説明させていただきます。  まず、審議の内容についてですが、次回は、部会長からもお話がありましたとおり、 本日の議論の続きをまたさせていただきたいと思っております。それとあわせまして、 実効的な制度についての議論を深めるに当たりまして、検討項目についてこれまで議論 いただいてきたわけですが、この部会に関心のある団体の方などをお呼びいたしまし て、その団体の方々の御見解を賜って、それから意見交換や議論などを行うような、ヒ アリングのようなものを行ってはどうかと考えております。  また、昨年7月にまとめました論点整理の検討項目につきましては、次回まででほぼ 一通り検討が終わりますことから、それまでの5回にわたります検討における意見につ いて、きょうもお配りしておりますが、前回の意見というものは整理して次の回にお配 りするという形でやっております。資料1−2のようなものですが。それを全体として まとめて整理したものを作成しまして、それに基づいて御議論いただくという作業を夏 前までに行ってまいりたいと考えております。  なお、残っております検討項目7「法令上の措置について」は、制度そのもののあり 方についてもう少し議論を深めてから検討することとしたいと考えております。  さらに、日程につきましてですが、これらを踏まえまして、夏前までに2〜3回行う こととしたいと考えております。先日、委員の皆様には御連絡を差し上げて、仮置きを させていただいております日程の中から、遅くなって恐縮ですが、なるべく多くの先生 に御出席いただくということを考えて、次は6月17日・金曜日、10時から開催させてい ただきたいと考えております。きょうと同じように少し早いのですが、御協力をお願い いたします。開催場所は調整中でございまして、追って御連絡をさせていただきます。  さらに、先ほどお話し申し上げましたヒアリングに出席いただく団体と調整の都合な どがありますので、その次の回はまた調整後に追って御連絡をさせていただきます。仮 置きですとか予備日などとして御連絡を差し上げておりますものがございますが、確定 し次第、速やかに御連絡をさせていただきたいと思います。  ヒアリングですが、出席いただく団体については、委員の皆様からも御推薦をいただ ければと思っております。そういうものを踏まえまして事務局の方で選定を進めまし て、部会長と御相談をさせていただいた上で決めまして、追って御連絡をさせていただ きたいと思います。  最後に、資料の関係ですが、本日、この場で委員から追加で提出いただいた資料がご ざいまして、用意が間に合わなかったのですが、そういった資料については、写しをホ ームページに掲載するなどいたしまして対応させていただきたいと思います。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。今事務局からありました説明の内容について、何か御意見 はございますでしょうか。  増山委員  ちょっとお伺いしたいのですが、そのヒアリングというのは、もう少し具体的に、例 えばどういう団体の方なのか、あるいはヒアリングのコンセプトというか、ヒアリング から抽出した提案と、ここで議論してきた提案の扱いがどうかみ合うのかなと思いなが ら聞いたのですけれど。  小出薬事企画官  今の点につきましては、まず、ヒアリングの団体はどういうところかということは、 先ほど御説明しましたように、関心のある団体ということですので、委員の皆様方から 御紹介いただきまして、私どもは幅広く考えたいと思います。ですから、供給サイドの 方、あるいはユーザーサイドの方、それ以外の方、全体の時間との関係もありますけれ ど、そこは特に枠ははめて考えておりません。  中身はどういうコンセプトかということですが、この委員会はあくまで委員が中心で ございますので、これまでも議論をしてまいりました。ですから、その議論というのは ヒアリング対象の方々には事前にお示しして、それに対しての御意見ということ、それ でよりこの委員会の議論を幅広く深い議論にできるのではないかと、そういう意味でご ざいます。  井村部会長  よろしいですか。  増山委員  はい。ありがとうございました。  井村部会長  ほかにもしございましたら御意見をいただきますが。  児玉委員  論点24をもう一度やるんですか。  井村部会長  はい、もう一回やらせていただきたいと思っております。  それでは、このような形で進めさせていただくことにして、本日の審議はここまでと させていただきます。なお、先ほども話がありましたように、ヒアリングに関しまして は、委員の皆様方から、「こういうところから聞きたい」という御推薦があれば、それ を勘案いたしまして、事務局と私の方で考えさせていただきたいと思います。よろしく お願いいたします。  なお、本日の議論でございますが、特に御意見のある方は例によりまして文書でこち らの方に出していただけたらと思います。また、次回の資料に関しましてはできるだけ 早く配りますので、特に御意見がございましたら、あらかじめ文書で出していただけれ ば幸いでございます。  それでは、これで本日の部会を終了させていただきます。ありがとうございました。                                    −了−                   (照会先)                  厚生労働省医薬食品局総務課                  TEL:03-5253-1111(代表)                  担当:生田(2725)、目黒(2710)、石井(2713)