社保審―医療保険部会 資料4
第15回 (H17.5.25)

「医療連携クリティカルパス(連携パス)」の導入効果について
(熊本市内の関係医療機関からの聞き取り結果)

(1) 大腿骨頸部骨折について使用している連携パスの概要

 平成15年10月、熊本市内の急性期病院、回復期リハビリテーション施設等により、「大腿骨頸部骨折シームレスケア研究会」(当初6医療機関、現在8医療機関が参加)を立ち上げ、新たな連携パスを開発、平成16年4月から運用開始。現在、約40医療機関間で使用。
 研究会は、月1回、各医療機関持ち回りで開催。医師、看護師、理学療法士等の関係職種が参加。
 連携パスの開発に先立ち、各医療機関の診療方針のすり合わせを行い、その統一を図った。
 連携パスには、最終達成目標(受傷前歩行能力の獲得)、目標達成までの診療プロセス、目標達成期間を記載。
 連携パスは、医療者用、患者用の2種類を作成。急性期病院での手術前に患者用パスを患者・家族に説明。
 → 医療者及び患者・家族が診療に関する情報を共有。
 使用された連携パスについてはデータベースを作成。

(2) 連携パスの導入効果

 急性期病院から回復期リハビリテーション施設への転院に対する患者・家族の不安・不満の解消が図られた。
 診療内容に関する医療機関間での説明の不一致の解消が図られた。
 診療の目標やプロセスを医療機関間で共有することにより、より効果的で効率的な医療サービスの提供が行われ、急性期・回復期を通じての平均在院日数の短縮が図られた。
 電子化されたデータベースを作成したことにより、容易に目標達成状況等の分析を行うことが可能となり、連携パスの見直しを通じて、連携医療の質と効率の向上につなげていくことができるようになった。

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