資料4
水産物の表示について

(1) JAS法による義務表示事項

生鮮食品品質表示基準による「名称」、「原産地」の表示のほか、水産物品質表示基準により、「解凍」、「養殖」の表示も必要。

 生鮮水産物の原産地の表示方法
国産品 輸入品
水域名又は地域名主たる養殖場が属する都道府県名をいう。)を記載。水域名の記載が困難な場合は水揚港名又は水揚港が属する都道府県名を記載することができる。
原産国名を記載(水域名を併記することができる。)

 解凍、養殖の表示
「解凍」表示 「養殖」表示
冷凍したものを解凍したものである場合には「解凍」と記載。
「養殖」とは、幼魚等を重量の増加又は品質の向上を図ることを目的として、出荷するまでの間、給餌することにより育成することをいう。
養殖されたものである場合には「養殖」と記載。


(2) JAS法に基づく原産地表示の具体例

 ○  天然海域で漁獲されるものの表示例
沿岸各地で水揚げされるサンマ
→
サンマ 三陸沖
サンマ 銚子港
サンマ 茨城県
様々な産地表示が混在
日本船が漁獲したものは、水域名の表示が原則だが、水揚げした漁港名、都道府県名の表示でも可。
南太平洋、インド洋などを広く回遊するミナミマグロを、インド洋で漁獲
日本船が漁獲
→
ミナミマグロ
解凍 インド洋
→
台湾船が漁獲
ミナミマグロ
解凍 台湾産
オホーツク海で漁獲されたタラバガニ
日本船が漁獲
→
タラバガニ オホーツク海
→
ロシア船が漁獲
タラバガニ ロシア産
同じ海域で漁獲したものでも異なる産地表示
日本船が漁獲したものは、原則水域名(水揚げした漁港名、都道府県名も可)、外国船が漁獲し輸入されるものは、原産国名(水域名の併記が可能)。


《第21回共同会議資料1から抜粋。》

種子、種苗等を他地域から導入する場合

養殖水産物の場合、種苗(稚魚等)生産地と、養殖地が異なる場合がある。[現状:養殖地が原産地]

(例:香川はまち(九州から稚魚を入手し香川で養殖)、愛媛かき(広島から稚貝を導入し愛媛で養殖))

他県で製造したり、輸入した菌床しいたけの菌床を用い、別の県でしいたけを栽培し、販売する例も存在。[現状:栽培した県が原産地]

国内栽培の農産物の場合、種子は外国で採取したものを使用する場合も多い。[現状:栽培した県が原産地]

(例:ホウレンソウの種子は、大半が外国で採取したもの)


 ○  他県から種苗を導入し養殖するものの表示例
A県でマダイ種苗育成、養殖、出荷
2年、1kg
→
マダイ A県
養殖
複数の解釈の余地
・一般ルールにより、原産地は、養殖期間が最も長い養殖地。

・他県で育成された種苗(第1段階)を仕入れて、成魚に育成(第2段階)して出荷する場合、第1段階は養殖期間に含めない。

・なお、全生育期間で考えると、最も長く飼育した所がA県となるものも存在。
A県でトラフグ種苗育成
1ヶ月、10g

B県へ輸送
B県で養殖、出荷
1年10ヶ月 1kg
→
トラフグ B県
養殖
A県でハマチ 種苗育成
1年、1kg

B県へ輸送
B県で養殖、出荷
8ヶ月 4kg
→
ハマチ B県
養殖
A県でカキ 種苗生産
10ヶ月、1cm

B県へ輸送
B県で育成、出荷
1年 12cm
→
カキ B県産
※生カキについては、食衛法により、食中毒(ノロウイルス)の被害拡大防止の観点から、「採取海域」の表示が必要。
A県でノリ 採苗、育苗
春〜秋

B県へ輸送
B県で本育成
冬〜春に数回摘採
成形、乾燥
→
原料原産地
国産
※乾ノリは加工食品であるため、原料原産地として、「国産」表示で可。

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