05/04/27 中央社会保険医療協議会総会平成17年4月27日議事録 05/4/27 中央社会保険医療協議会         第63回総会議事録 (1)日時  平成17年4月27日(水)10:02〜11:10 (2)場所  厚生労働省専用第18会議室 (3)出席者 星野進保会長 村田幸子委員 土田武史委員 遠藤久夫委員       青柳親房委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員       宗岡広太郎委員 大内教正委員 飯塚孜委員 松浦稔明委員       櫻井秀也委員 松原謙二委員 青木重孝委員 野中博委員       佐々英達委員 黒ア紀正委員 登利俊彦委員 漆畑稔委員       針ヶ谷照夫専門委員 大島伸一専門委員 岡谷恵子専門委員       <事務局>       水田保険局長 中島審議官 麦谷医療課長 石原調査課長 他 (4)議題  ○先進医療専門家会議について       ○その他 (5)議事内容 ○星野会長  おはようございます。ただいまより、第63回中央社会保険医療協議会総会を開催い たします。  まず、委員の選任について御報告いたします。  4月20日付で、渡辺専門委員の後任として、山崎専門委員が発令されております。 なお、事務局より、山崎専門委員から「自らが国家公務員であり、高い倫理を保って行 動する旨の宣誓をいただいている」旨の報告を受けております。山崎専門委員には、保 険医療材料専門部会への所属をお願いすることといたしましたので、御報告いたしま す。  また、4月26日付で、勝村委員及び登利委員が発令されております。なお、事務局 より、両委員から「自らが国家公務員であり、高い倫理を保って行動する旨の宣誓をい ただいている」旨の報告を受けております。  それでは、勝村委員及び登利委員より、一言御挨拶をお願いしたいと思います。 ○勝村委員  ただいま御紹介をいただきました勝村です。連合の推薦を受けまして、1号側委員と して任命されものです。よろしくお願いします。  簡単な自己紹介というか、率直な今の思いを簡単にお話しさせていただきますと、私 は、15年前になりますけれども、1人目の子供の出産のときに、陣痛促進剤による被 害で子供を亡くし、それがきっかけになって医療裁判や市民運動にかかわってきたとこ ろでございます。子供は死んでしまって帰りませんが、それ以降の子供が、その子の死 によって死ななくなったというふうにすることができれば親としての役割を果たせたこ とになるのかなと思いまして、子供が生きておれば育児にかけたはずの時間ぐらいは、 医療裁判、市民運動にかかわっていこうというふうに決意してきたところです。自分の 医療裁判は終わりましたけれども、その後こうしていろいろな皆様方の御理解・ご支援 を頂き、そういう延長線上で、こういう場にまで来させていただくようになったこと に、感謝申し上げる次第です。  残念ながら、現在さまざまな意味で医療不信というようなものがあるかと思います が、不本意な医療、そのきわみとしての医療事故等の背景にあるものは、やはり診療報 酬がつけている医療への価値観と、患者自身が感じている、こういう医療であってほし い、こういう医療に価値がついてほしいという価値観とにずれがあるのではないか。そ のあたりを整理していくことが、未来の医療に向けて、本当の意味での医療の質の向 上、また、私たちが願っている医療の質の底上げという、そういう形を実現していける のではないかというふうに思っております。そういう意味で、私たちがいろいろな医療 関係者の方と話をしますと、被害者たちがこうあってほしいと思っている医療の価値観 と医療関係者の方々が思っている医療の価値観とは、実は非常に一致している。にもか かわらず、なぜそういうすれ違いがあるのかというと、やはり情報不足だった面がある のではないかと思っておるわけです。医療提供者側から患者に十分な情報が与えられて いなかった過去があったのではないか、また、さらに私たち患者側が率直に国民の代表 として行政なりなんなりに自分たちの医療への願いを伝える場も足らなかったのではな いか、そういう意味で、このたび皆様方が中医協の場においても患者の視点を重視する のだと決めていただいたこと、または、連合が患者本位の医療を確立するような努力を していただいているということに本当に敬意を表します。  患者、すべての国民が患者だと思うのですけれども、それらを代表するにはあまりに も微力でありますけれども、患者の立場の声がこれからの医療の質の向上につながって いくような役割の一端というか、きっかけになればというふうに思っておりますので、 いろいろ御指導いただきながら、できるだけのことをやらせていただきたいと思います ので、よろしくお願いします。  以上です。 ○星野会長  ありがとうございました。  それでは、登利委員。 ○登利委員  このたび、日本歯科医師会を代表いたしまして中医協委員を拝命させていただきまし た登利と申します。一言御挨拶を申し上げます。  今回の中医協を舞台といたします贈収賄事件によりまして、国民に対しまして、ま ず、国民に対する歯科医療に対しまして大変な不信感を与えたということに対しまし て、心から深くおわびを申し上げたいと思います。また、中医協関係者の皆様、それか ら関係ある団体・組織の皆様方に対しましても、中医協のこの権威を失墜させるような 結果になってしまいましたことを、心から深くおわび申し上げたいと思います。  私、今後中医協委員として高い倫理観を持って行動してまいりたいと思いますし、国 民に対しまして、歯科医療の信頼回復に向かって懸命に努力してまいりたいと考えてお りますので、今後とも御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願いしたいと思います。あり がとうございました。 ○星野会長  どうもありがとうございました。  それでは、議事に入らせさせていただきます。  まず、「先進医療専門家会議」について、事務局から資料が提出されておりますの で、報告を願います。 ○事務局(麦谷医療課長)  おはようございます。  お手元の中医協資料、片側の四角の中に中医協総−2−1と書いてございます資料、 それから同じく総−2−1でございますが、もう1つ、総−2−2と書いてある、ちょ っとわかりにくいかと思いますが、日付が変わっておりますので、日付で言えば本日の 日付の総−2−2という資料を2つごらんいただきたいと思います。  まず、いわゆる「混合診療」の中で、高度ではない技術につきまして御議論いただく 先進医療専門家会議、この会議の在り方、あるいはそこで何を議論していただくかにつ きましては、既に基本問題小委で御議論、了承をいただいております。そのときの資料 が、中医協総−2−2という4月27日付の「先進医療への対応について」という資料 でございます。それを受けまして本日総会で御披露するのが、総−2−1、タイトルが 「「先進医療専門家会議」開催要綱」という資料でございます。  目的は、基本問題小委に御出席の方は既におわかりでございますが、厚生労働大臣と 内閣府特命担当大臣、両大臣の間で、「いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意」 というものに基づきまして、先進医療への対応として、厚生労働大臣が、保険医療機関 から届出がなされてから3カ月以内に、技術ごとに実施可能な機関の要件を設定するた め、新規の医療技術について科学的評価を行う専門家会議ということで設置をされま す。  検討項目につきましては、それぞれの保険医療機関から保険給付との併用の希望があ った技術について、主として有効性、安全性を中心に議論をし、そのほか、効率的であ ることやあるいは社会的に妥当であること等々を確認するということでございます。同 時に、その新しい技術につきましては、実施可能とする保険医療機関の要件を設定し、 それを開示いたします。したがいまして、2件目からは、その開示された要件を満たし ている保険医療機関は、届出によって実施可能ということになります。  それから、検討項目の2つ目の丸でございますが、この保険給付との併用が認められ ました技術につきまして、定期的に医療機関から報告を受け、普及性、有効性、効率 性、安全性、技術的成熟度及び社会的妥当性等々、将来保険導入をされるであろうとい ういろいろな課題について検討を行うということにしております。  構成メンバーは、2枚めくっていただきまして3ページに、「「先進医療専門家会議 」構成員」、そこに一応一覧表を出してございます。現在の役職と、それから私どもで 設定いたしました分野。分野ごとにほとんど1名になっております。もちろんこのおひ と方ですべての技術について科学的評価ができるという保証はございませんが、私ども といたしましては、このおひと方にすべての責任をゆだねるということでございます。 この方から、さらにそれぞれの専門家に、御自分で考えていただいて、相談していただ いてお答えをいただくということにしていこうと思っております。  2ページ目に戻っていただきまして、このメンバーで実は5月9日に第1回目を予定 しております。おおむね月1回定期的に開催をいたしまして、ただ、もし分量が多けれ ば1回以上開催も随時考えております。  それから、これは当然でございますが、先進医療専門家会議は公開しておりますの で、その公開の場で患者さんが特定されたり、プライバシーが侵害されたりすることの ないように特別な配慮が必要な場合、そのような場合は一時的に非公開ということもあ り得るかもしれませんが、原則として公開をいたします。  それからあと、庶務は私ども医療課で行います。  以上、先進医療専門家会議の立ち上げに際しまして、総会に御報告いたします。  以上です。 ○星野会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして何か御質問等がありましたら、どうぞ。 ○対馬委員  この先進医療専門家会議ですけれども、今回いわゆる「混合診療」問題に対応する一 つの中核的な対応といいますか、非常に重要な場であろうというふうに思うわけです。 中身につきましても、特にこの中医協との関係について、二度三度、大分議論したとこ ろでございます。今回メンバーが初めて出て、また今医療課長の方からは、各分野ごと のこういった方々について責任をゆだねるのだと、こういうお話がございましたけれど も、見ていきますと、各専門分野ごとになっていますけれども、非常に異質な項目が1 項目あります。「医療保険」という項目になります。「医療保険」に寺岡院長先生とい うことで入っておりますけれども、御承知のとおり、医師会の副会長という非常に重職 を占めておられる。もちろん、この寺岡先生自体に対して個人的にどうこうということ は一切ございませんけれども、こういった、今お話のあったとおり、すべての責任をゆ だねるといった中で、この1号側、2号側、それから公益という中に、日本医師会の占 める役割の重大性というのは御承知のとおりでございまして、その中で、「医療保険」 の中にただ一人選ばれると、これはちょっと問題ではないかと、私どもはそういうふう に思いますけれども、いかがでしょうか。 ○事務局(麦谷医療課長)  お答え申し上げます。  本日お配りした資料、総−2−1の3ページ目の別紙、構成員の20名のメンバーで ございますが、この選び方に関しましては、これは千差万別でございます。いろいろな 選び方をしております。例えば、御本人に連絡をとって一度お受けいただいたのです が、その御本人がもう一度学会の理事長と相談されて、学会として別の方と言われたこ ともございますし、これは千差万別でございます。その中で、寺岡先生をどう選んだか ということでございますが、実はいわゆる「混合診療」問題というのは、3つコンポー ネントがございました。大きなもの、1つは未承認薬、1つはこの高度ではない技術、 それから、今技術評価分科会で御議論いただいております制限回数を超えた医療行為、 この3つのコンポーネントがございまして、先に薬の問題を解決するということで、 「未承認薬使用問題検討会議」というのが、厚生労働大臣の下に設置されております。 実は、寺岡先生は治験促進の責任者でありまして、この「未承認薬使用問題検討会議」 のメンバーでございます。したがって、私どもといたしましては、この薬と連携をとる べく、技術の方もぜひ寺岡先生に入っていただいてリエゾンしていただくということを 考えております。ですから、「未承認薬使用問題検討会議」と「先進医療専門家会議」 で、両方とも出席されている方は寺岡先生お一人でございますので、ここは、いわゆる 「混合診療」を推進するという観点から共通の方をということで、ぜひお願いを申し上 げました。  以上です。 ○宗岡委員  私ども支払側として、この問題についてはやはり非常に重大な問題だというふうに理 解をしております。この専門家会議での議論を通じて、基本的に科学的評価をするとい うふうに理解をしているのですけれども、と同時に、我々は保険財政を健全に維持して いくという視点も当然必要だと。何となれば、ここで議論されて認められたものは保険 に収載されることが前提だというふうに事務局から聞いているわけでして、したがっ て、保険財政の維持という観点がやはり非常に重要な問題としてあるわけでございまし て、そういう視点で、「医療保険」という概念の代表者として、現役の日本医師会の副 会長さんがお入りになるということは極めてバランスを欠くと。私自身も寺岡先生には 何の問題意識も持っておりません、個人的に何もございませんけれども、そういう意味 で、日本医師会という立場を持っていらっしゃる方がここに参加すると、しかも「医療 保険」という概念の専門家として、今の課長のお話ですと、全責任をゆだねるというの はいかがなものかというふうに私は思いますし、もしそういうふうな方を選ぶのであれ ば、むしろどちらかといえば、医療経済の視点からこの問題に専門性を持つ方を加える べきであったのではないかということを申し上げたいと思います。 ○事務局(麦谷医療課長)  この専門家会議と申しますのは、高度ではない技術をすぐれて医療の技術の観点から 御議論いただくことが主眼でございまして、効率性それから社会的妥当性は書いてござ いますが、基本的には、先ほど申し上げましたように、その技術が有効で安全であるか ということを中心に御議論をいただくということが1つ。それから、この会議は、先ほ ども申し上げましたが、公開されておりますので、これはどなたも公平に議論がなされ ているかということはチェックできる形態になっております。また、実際に保険導入さ れるかどうか、経済的な観点、効率的な観点、これにつきましては当然中医協で検討い ただくということにこの間しておりますので、その俎上にのってきますので、ぜひここ でそのことについては御議論いただきたいと思っております。 ○星野会長  ほかに御意見ございませんか。 ○対馬委員  今のお話で、支払側としてやはりわかったということではないだろうというふうに思 うのです。「医療保険」ということで書くのであれば、せめて両側の方を入れるか、な いしは中立公正といいますか、公益的な立場の方を入れるかということがやはり必要だ ろうと。つまり、中身そのものもそうですけれども、こういった仕掛け自体が、いささ かも公正性、公平性を疑われることが全くないようにしなければいけないというのが基 本ではないかと。特に今回この先進医療専門家会議、先ほども申し上げましたので簡単 に申し上げますけれども、非常に重要な会議だと、今回新しく発足するということに当 たっては、そこは重要ではないかというふうに思います。  それから、もう1点だけ申し上げますけれども、この問題に関連してですけれども、 調査専門組織、御承知のとおり、4つの分科会がございます。この中に、委員としてい ろいろな方が入っておられる。これは健保連の関係者も入っている。そこはもちろん構 わないわけですけれども、御承知のとおり、この調査専門組織というのは、基本問題小 委員会のもとに位置づけられているということですけれども、基本問題小委員会の委員 でありますとか、ここに出ておられる総会の2号側の委員の方々が、4つの分科会、お のおの1名ずつオブザーバーとして参加しておられる。しかも、最近の議論を聞いてい ますと、かなり議論の中に入っていって、相当主導的な議論をされている。これは問題 ではないかというふうに思います。まさに基本問題小委員会の委員であったり、総会の 委員は、そういった場でもって議論するのでございまして、言うまでもないわけですけ れども、分科会、調査専門組織は、技術的・専門的な検討を行う、それを我々のところ に上げてくる、それでもって議論をすると、こういうことですから、そこに対しまして オブザーバーとしてもろもろの議論をするということは極めて問題ではないかというふ うに思いますので、この点も申し上げておきたいというふうに思います。 ○小島委員  この先進医療専門家会議の委員の関係です。宗岡委員あるいは対馬委員が言ったよう に、この「医療保険」分野というところはもう少しバランスを図るというような意味 で、ぜひここは御検討いただければと思っています。これまでの御説明ですと、新しい 技術で、100技術ぐらい、その対象医療機関が2,000医療機関ぐらいが見込まれ る。そうなりますと、当然それは医療保険財政への影響というものが出てくると思いま すので、この「医療保険」分野についてはバランスを図るという観点で、委員の面につ いてもぜひ検討いただければというふうに思います。 ○事務局(麦谷医療課長)  これは技術的なことを御議論いただくので、もともと三者構成を考えて選んだわけで はありませんので、バランスとかは初めから考えていないのですが、20名の方々につ きましては、私が選んで、大臣の御決裁を仰いで決めたものでございます。したがいま して、もし1号側の委員の方々でぜひこの人をという御推薦いただける立派な方がいら っしゃいましたら、私が大臣に御相談申し上げて、それは追加することは十分に可能で ございます。 ○星野会長  今の件、私がここで発言するのがいいかどうかわかりませんけれども、座長としての 発言ではなくて、公益委員として発言させていただければ幸いだと思いますが、「医療 保険」という言葉が、定義が、どうにでもとれてしまうわけです。先ほどから課長が言 われている技術的云々ということで、医療保険なんとかかんとかなんとかという、こう いう技術分野があって、それでやっているのだったら、「医療保険」とぶっちぎってこ こへ出すから誤解を呼ぶのであって、もっと正確な技術名で書けばいいのではないかと 思うのです。そうでないと、今小島さんの言われたように、もし「医療保険」なら、そ れなら公益だって、1号側だって、みんなここへ入り込むよと、こういうのは、また当 たり前な気分がありますよね。だから、正確に書いたらいいのではないですかね。これ はあまりにも、「医療保険」と言ったらみんな入ってしまうからね。実はそうではない のですよと。ほかのは、形成外科と言えば形成外科というのはちゃんとあるのだし、小 児科と言えば小児科と、社会通念も概念も専門概念もみんな一致しているわけでしょ う。「医療保険」とやってしまうと、何か社会通念と技術概念と、そういうものが、全 部違うものが、今はよくはやっているのは環境問題で、持続的成長とか開発と、持続的 というのは何だというのは、最後はわけがわからなくなってしまうのですね。それと同 じような話になってしまうから、技術面で正確を期したらいいのではないかな。それ で、この前からいろいろやっているように、これのいわゆる効率的だとか社会的妥当性 というのは、技術的分野も含めてですけれども、ここでもう一回ちゃんと検討はするわ けだから、だから、そういう意味では、すぐれて専門的ならすぐれて専門的な名称にし たらいい話なのであって、それが無用の混乱をもたらしているのではないかなと私は思 うのですけれども、どうでしょうかね。 ○事務局(麦谷医療課長)  今会長に御指摘いただいた点も含めて、これは検討させていただきます。 ○星野会長  そうですね。これは検討事項で残しておきましょう。  それでは、そういうことで、この件については一応こういう報告があったということ にしておきましょう。  それでは次に、「簡素化の対象技術として承認申請のあった高度先進医療」につい て、事務局から報告願います。 ○事務局(麦谷医療課長)  それでは、お手元の資料、中医協総−3、左肩をステープラーで綴じてある何枚かの 資料でございますが、これは定例案件でございます。高度先進医療技術が、千葉大学医 学部附属病院、これは特定承認保険医療機関でございますので、そこから申請のあった 簡素化対象技術でございます。簡素化対象技術の一覧表は、4ページに20項目つけて ございます。この3番目に該当する「培養細胞による先天性代謝異常診断」でございま す。これは簡素化でございますので、承認をいただきたいと思います。  以上です。 ○星野会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして何か御質問等がありましたら、どうぞ。  特に御質問等もないようでしたら、次に、「診療報酬調査専門組織の委員の追加」に ついて事務局から説明願います。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協総−4の1枚紙の資料をごらんください。これは、慢性期の分科会に泉教授を 新たに追加する案でございます。泉キヨ子教授、金沢大学の保健学専攻臨床実践看護学 講座の主任の教授でございます。慢性期の入院医療調査に関する検討の分科会に、看護 の立場から参加いただくために追加するものでございます。  以上です。 ○星野会長  ありがとうございました。  ただいま説明につきまして何か御質問等がございましょうか。  特に御質問もないようでしたら、次に、「医療費の動向」について事務局から資料が 提出されていますので、説明を願います。 ○事務局(石原調査課長)  私から、総−5−1と5−2と5−3の資料について説明させていただきます。5− 1が医療費の動向をまとめたものでございまして、5−2が特に包括評価対象病院、い わゆるDPCの特定機能病院分の医療費の動向についての資料でございます。5−3が DPCに関する試行的適用対象病院の医療費についての資料を用意させていただいてお ります。  まず、5−1の資料でございますが、資料の構成でございますが、最初のページが、 とりあえず医療費の動向を全体像をごらんいただけるようにということで用意させてい ただいた資料でございます。2ページ目以降は受診延日数(患者数)の動向、それから 患者1人1日当たりの単価の動向は3ページ目、それにつきまして、医療費と患者数と 1日当たりについて、高齢者分を4ページ以降にそれぞれ御参考までにつけてございま す。  時間もございますので、1ページ目を中心に説明させていただきます。1ページ目の 資料でございますが、医療費の動向、上の方が実数で、下の方が前年同月比、下の方の 右側に前年同月比の数字がどのように変化したかということで、13年度と比較した伸 び率の変化を計上してございます。伸び率の変化自体は、以前調査実施小委で説明させ ていただきましたが、基本的には、制度改正とか診療報酬改定でどのような変化があっ たかということを見るために参考につけさせていただいております。今回は、制度改正 もそうですが、最近の医療費の動向ということで、16年4月から11月までの医療費 の動向を中心に説明させていただきます。  まず、医療費、15年度で、上の方でございますが、30兆8,000億円、総計の 数字が出てございます。国民医療費に近い概念でございまして、下の方の注1をごらん いただきたいのですが、支払基金と国保連の審査分の医療費の計をここでは集計して計 上してございます。ですから、国民医療費ですと、全額自費等が入っておりますので、 若干国民医療費ベースよりは少なくて97%ぐらいの数字になってございます。ほぼ国 民医療費に近いものというふうに考えてございます。30兆8,000億円という全体 の医療費についての動向ということでごらんいただきたいと思いますが、伸び率の欄で ございます。13年度が3.2%、上の総計の伸び率でございます。それが、14年度 がマイナス改定とあとは制度改正の影響がございまして、マイナスになってございま す。それが、制度改正の影響等、15年度もございますが、2.1%ということで、ほ ぼプラスに回復していまして、16年度以降ですが、1.6%と、若干減っています。  16年度で見ていただきますと、前半が1.3%の伸び、後半、10〜11月が 2.5%ということで、後半の方が若干の高めの伸びになっています。前半ですが、4 〜9月につきましては、稼働日数が、日曜が1日多いということと、土曜も1日多いと いうことで、1.5日分、稼働日数が少なくなってございます。そういったことで、補 正をしてみますと、0.6%ぐらいの影響があると思っておりまして、若干低めの伸び ということで考えております。10〜11月は、その意味では補正はございませんで、 2.5%ということになっています。13年度と比較していただきますと、13年度の 伸びが3.2%となっていますのは、基本的には、最近の医療費の動向は3〜4%が自 然増という形で考えていまして、13年度自体は、それの範囲内の数字ということで、 自然増ベースに近い数字ではないかと考えております。16年度の数字につきまして、 伸び率につきましては、薬価の引き下げが、医療費ベースで1%ございますので、1% のマイナスという意味で、2〜3%の伸びというベースで考えてございます。その意味 では、稼働日数の影響ということもあって、4〜9月というのは若干低めになったのか なというように考えてございます。  5−1の資料につきましては、以上でございます。  5−2の資料でございますが、包括評価対象病院、DPC対象病院の特定機能病院分 の資料でございます。資料の構成でございますが、まず医科計の伸び率について計上し てございます。伸び率につきまして、それぞれ要素に分けてごらんいただけるようにと いうことで、医科計の伸び率について、1日当たりの医療費の伸び、1件当たり日数の 伸び、1件当たり医療費の伸び、総件数の伸び、受診延日数(患者数)の伸び、総医療 費の伸びという形で並べてございます。対応する数字について、DPC分をそれぞれ今 の項目をその次に並べております。参考欄ですが、DPC病院と全体の病院でどれだけ 違うのかということを、参考になる数字を計上してございます。  参考欄からごらんいただきますと、15年度の欄で申し上げますと、1施設当たり病 床数ですが、病院計で見ますと177床、DPC病院で900床ということで、特定機 能病院ですので、大規模な病院が多いということでございます。高齢者の日数割合、老 人の患者の割合でございますが、それは、病院計では41.5%、DPC病院で 26.7%ということで、どちらかというと高齢者の入院患者の割合は少ない。それか ら3歳未満ですが、病院の全体では2.2%、DPC病院で3.4%でございますの で、3歳未満というか、乳幼児がやはり若干一般の病院よりは多いという形の全体的な 特徴でございます。  DPC病院の医療費でございますが、DPC対象病院の総医療費の欄と、病院計の総 医療費の欄と比較しながらごらんいただきたいのですが、13年度ですが、DPC病院 が2.4%の伸び、病院計が1.5%ということで、若干DPCの方が伸びが高いとい う状態になってございます。それが、マイナス改定で数字自体は減っておりますが、 14年度も同じような傾向が続きまして、15年度を見ていただきますと、総医療費で 3.6%、全体の病院計では1.5%ですので、DPCの導入によってDPC病院の医 療費の伸びが若干高まっているという認識をしてございます。そういった状況になって ございまして、それが16年度に入りますと、特に7〜11月の欄をごらんいただきた いのですが、総医療費ベースで見ますと、DPC病院が1.2%、病院計で見ますと 0.9%ですので、DPCの導入で医療費が伸びたのですけれども、一段落して落ちつ いてきていると。全体の病院の医療費とDPC病院の医療費の伸びがほぼ同レベルにな ってきているのではないかというように考えてございます。  それから、その2ページ目が実数でございますので、飛ばしていただきまして、3ペ ージ目が入院でございます。入院の医療費ですが、DPCの導入は、入院ですので、入 院がまず注目されるということになるかと思いますが、入院で、今の総医療費の欄をご らんいただきますと、13年度がDPC病院は2.0%、病院計が1.9%ですから、 ここはほぼ同じような伸びになってございます。10年度はマイナス改定等の影響があ りまして若干ずれますが、15年度を見ていただきますと、DPC病院が3.3%、病 院計が2.1%という形でございまして、特に後半、10〜3月ですと、DPC病院は 4.1%、総医療費の欄、後半は、全体が2.0%ということで、入院医療費自体がD PCの導入によって若干増えているということになってございます。  何の項目が増えているかということで、上の方をごらんいただきますと、1日当たり の伸びですが、1日当たり医療費が、15年度後半ですが、2.6%、DPC病院では 6.1%ということで、4%近く、厳密には3.5%離れてございまして、どちらかと いうと単価がDPC病院で、DPCの導入を契機に上がってきているということでござ います。それが最近ですと、単価ですが、1日当たり医療費、7〜11月、DPC病院 で1.5%、病院計で1.4%ということでございますので、ほぼ同じ程度に落ちつい てございまして、1日当たりの医療費の伸びが落ちついてきたということが、やはりD PCの医療費の伸びが落ちついてきているということにつながっているというように認 識してございます。  その要因ですが、平均在院日数の欄をごらんいただきたいのですが、15年度の欄で すが、14年度と比較しますと、DPC病院では、23.6日が21.6日ということ で、2日も減ってございます。全体でも平均在院日数は減少傾向がございますが、全 体、病院計で36.9日が36.3日ですから、0.6日ですので、病院全体の動向に 比べてDPC病院の平均在院日数が急に減少しているということがごらんいただけるか と思います。DPCの医療費の支払いの仕組み自体が、在院日数が短くなるごとに単価 が上がるような仕組みになってございますので、その影響で単価が若干上がっている。 15年度についてはそういうことで上がっていたのではないかという認識に立ってござ います。  それから5ページ目に外来がございますが、時間もございますので、省略させていた だいて、試行病院の方に移らせていただきます。5−3の資料でございます。  5−3の試行病院の資料でございますが、総医療費の欄でごらんいただきますと、 13年度が2.7%、全体が1.5%で、試行病院の方が若干高い伸びになってござい ます。それが14年度、15年度、DPCは入ってございませんが、15年度でも 2.2%と1.5%ということで、試行病院の方は若干高い伸びという形になってござ います。それがDPCが完全に施行されました16年7月以降のデータをごらんいただ きたいのですが、7〜11月の平均でございます、DPC病院は3.5%、全体が 0.9%ということで、ここもちょっとDPC施行病院の伸びがやはりDPC導入によ って高まっているという状況になっているということを認識してございます。  DPCでございますので、3ページをあけていただきたいのですが、入院分の資料で ございます。先ほど特定機能病院のDPCにつきまして、やはり1日当たりが増加し て、全体の入院医療費が増加したという話を申し上げましたが、試行病院も同じ傾向が ございまして、1日当たりの医療費の伸びの欄をごらんいただきたいのですが、16年 度の7〜11月ですが、DPCの病院は5.8%まで伸びてございます。病院計の1日 当たりが1.4%でございますので、ここの差が4.4%開いてございます。ですか ら、かなりやはりDPCの導入によって1日当たりの単価が上がっているという状況に なっているということでございます。受診延日数自体はマイナス1.3%ということで 減っておりますが、やはり1日当たりが伸びているということで、総医療費も、入院医 療費4.4%の増加、全体が1.7%ですので、若干やはり全体の伸びよりもDPCの 入院医療費が伸びているという状況がごらんいただけるかと思います。  私からは、以上です。 ○星野会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等がございましたら、どうぞ。 ○遠藤委員  2点質問させていただきたいのですが、1つが、DPC対象病院の方の資料ですけれ ども、これを見ますと、この入院のところでありますが、おっしゃいましたとおり、平 成15年度からDPCの定額制が導入されたということで、1日当たりの医療費が 5.8%増えたということで、これが医科病院全体の3.0%より大きいというお話だ ったわけでございます。ということはわかるわけですが、同時に、入院外も、御説明は なかったのですけれども、DPC対象病院は、1日当たり医療費が5.9%増、医科病 院計が4.6%増ということですから、15年度に至りましては、DPC対象病院は外 来も伸び率が平均よりも若干高いというのは、これは外来のシフトが行われたという理 解でよろしいのでしょうかと、あるいはこれだけではそこはなかなか言えないというこ とであるかどうかということが1点です。  もう1点が、15年に定額制が導入されたために在院日数が短くなってきているとい う話だったわけですが、先ほどのお話では、確かにDPC定額制の支払いの方式ではだ んだんと低減するような仕組みにはなっているわけですけれども、従来から、別にDP Cを導入しなくても、入院基本料は、在院日数に応じて加算・減算が行われて、在院日 数を短くするインセンティブがあったわけでありますので、それとの違いが、そんなに 大きく働いたのかどうかというのは、若干疑問のところがあるのですが、この平均在院 日数が非常に短くなった理由というのはどういうことなのかということです。もともと 1日定額ですから、その1日定額ということ自体は在院日数を短くするインセンティブ にはならないわけでございますので、これが急激に短くなったのは、例えば、平均在院 日数を各病院ごとに発表されましたので、そういうことを見て調整するというような、 そういうような行動であったのかどうか、その辺のインセンティブというか、メカニズ ムがちょっとよくわからないので、どういう理解をしていいのかということで質問させ ていただきました。  以上です。 ○事務局(石原調査課長)  まず、外来の問題でございますが、DPC対象病院の5−2の資料の、先ほど外来の 点は触れませんでしたが、5ページ目をごらんいただきますと、御指摘いただきました 単価につきましては、外来の1日当たり医療費の伸び自体が、15年度5.9%、外来 の病院計の単価は4.6%でございますので、確かに若干上回ってございます。ただ、 単価につきましては、平成13年度も14年度も若干やはり特定機能病院の方が伸びが 高いという状況になってございますので、そういった意味では、単価自体が、DPC導 入を契機にそれほど伸びたかという点については若干どうかという、判断を迷ってござ います。それほど伸びているという判断には立ってございません。  ただ、受診延日数の欄をごらんいただきたいのですが、患者数でございます。患者数 につきましては、最近ですと、病院計をごらんいただきたいのですが、13年度マイナ ス0.2%、14年度はかなりマイナスで、マイナス5.1%、15年度はマイナス 4.4%ということで、患者数自体が、病院の外来患者数は減ってございます。DPC 病院についても、14年度はマイナス4.2%ということで、やはり減少してございま すが、15年度、DPC導入に伴ってマイナス1.3%ということで、マイナス幅が若 干減ってございます。そういった意味では、外来の患者の減少が若干とまり傾向かなと いうような印象は持ってございます。そういった意味で、若干外来の医療費が伸びてい るということもあるのかなという認識をしてございます。  あともう1点でございますが、平均在院日数の問題でございますが、従来から入院料 等で逓減制がございますので、御指摘のとおりでございますが、DPC導入に伴って、 先ほどごらんいただきましたように、平均在院日数で、全体も、ですから逓減制がある というようなこともインセンティブとしてあるとは思っておりますが、全体も基本的に は一般病床の平均在院日数は減っているというふうに認識しております。ただ、DPC 導入に伴って、それを契機にかなり急にDPC対象病院については平均在院日数が減っ たのではないかというふうに認識してございまして、その辺は病院のDPC導入に伴っ て、医療自体をどのように効率化をされたのかということに係るので、ちょっと全体の マクロの医療費からは判断できないというふうに思っております。 ○星野会長  ほかにございますか。  それでは、他に御質問等もないようでしたら、最後に、「中医協の在り方に関する有 識者会議」の状況について、事務局から御報告願います。 ○事務局(麦谷医療課長)  お手元の資料、中医協総−6−1、総−6−2、総−6−3、総−6−4が資料とし てお配りしてございます。これは、「中医協の在り方に関する有識者会議」という会議 がございますので、その御報告でございますので、簡単に申し上げますと、総−6−1 の全体像、この1枚紙をぜひごらんいただきたいと思います。4月12日に第3回目が 行われまして、ここで規制改革・民間開放推進会議の宮内議長のヒアリングを行いまし た。引き続きまして、この有識者会議に与えられた6つの検討項目がございます。その 第1番目の議論に入りました。この議論が終結しておりませんので、5月10日、次回 でございますが、4回目の会議が開かれまして、そこで6つの検討項目のうち3つを議 論するということになっております。この議論の仕方でございますが、大臣の方から有 識者の方々に申し上げたのは、その場で一つずつ方向性を出していくというようなこと でございましたので、5月10日にはこの3つの項目の一定の方向性が出るというふう に私どもは期待をしております。それから、残り3つにつきましては6月1日に御議論 いただくということになっておりまして、そういう運びになっております。したがいま して、夏ごろまでに結論を出すということになっておりますので、このスピードで順調 にいけばそのようになるかと承知しております。また、あとの資料は、その12日の日 にお配りした資料でございます。  以上です。 ○星野会長  どうもありがとうございました。  それでは、何かただいまの説明について御質問等がございましょうか。 ○松原委員  この在り方検討会議で御議論いただいているわけでございますが、私ども日本医師会 に対して非常に誤解をされているように思っております。若い研修医の先生方は確かに 入っておられませんが、ほとんどの先生方が入っている団体でございます。また、かか りつけ医、開業医も多いわけでございますが、しかし、半分は勤務医の先生方が入って います。つまり、私ども日本医師会の会員の約半数は勤務医でございます。また、病院 団体の先生方も、私ども日本医師会の会員でございます。そういったことを理解せず に、とにかく日本医師会がこの中医協を一方的にゆがめているというようなお話を規制 改革会議からされておりますが、全くそうではありません。小委員会でも発言を申し上 げましたが、この私どもの5人の委員の構成は、2人が病院、1人が有床診療所、そし て2人が開業医でございます。そういったことを御理解されずにああいった言い方をさ れること自体、私どもは強く抗議したいのですが、私ども、発言の機会を与えていただ けません。私どもは一方的に非難されただけで、その非難された状態で、その在り方を 御検討いただくのはいかがなものかと思っております。やはり、一方が名指しで日本医 師会を非難された以上は、それに対して私どもはそこで説明したく存じます。誤解のあ るままで御判断いただくのは間違いではないかと、つまり公正な在り方ではないのでは ないかと思っております。  以上です。 ○星野会長  ありがとうございました。  ほかにございませんか。 ○大島専門委員  松原委員の今のお話、少し具体性に欠けて事情がよくわからないものですから、何か 非常にエモーショナルな発言ともとられかねないので、もう少し具体的に、どういう点 がどうだったのかというポイントだけでも教えていただけますか。 ○松原委員  御指摘をいただいた一番の問題点は、私どもの委員の構成において、例えば違う発言 をした委員をやめさせたという意見がありましたが、これはもう30年前の話でござい まして、そういった話をもって今現在の私どもの行動が正しくないと非難されることに ついては、非常に間違っているのではないかと思います。また、私どもが開業医だけの 団体であるという御主張をされているわけでございますが、今申し上げましたように、 私どもの半分は勤務医でございますし、今の中医協の委員自体の構成を見ていただいて もおわかりいただくように、開業医だけの団体ではございません。あくまでも医師を代 表する団体でございます。全体の医師を代表できるのは、私どもは日本医師会だけであ ると思っております。 ○事務局(麦谷医療課長)  今大島専門委員の御指摘の、具体性に欠けると言われたことでございますが、今日、 参考資料に宮内議長の当日提出された資料、総−6−4がついてございますので、ごら んいただきたいと思います。例えば、今松原先生が指摘されたのは多分ここだと思いま すが、4ページ目の「2.中医協内部の改革」のところに、そこの文言すべては読みま せんが、「特定団体の利害による恣意性を排除し」と。ここに日本医師会とは書いてあ りませんが、こういうようなところが一つ松原先生の御指摘になったことかなと、これ は推察です。それからもう1つ、6ページ目、中医協内部の改革として、委員構成の見 直しを宮内議長は提案されましたが、その菱形の4番目、「診療側委員については、医 療提供シェアなどを勘案した委員構成に」ということで、具体的に、「大学病院、公的 病院、民間病院等の病院・勤務医関係者が直接参加」ということを書いてございますの で、こういうところを松原先生は言われたのではないかということを、たまたま今宮内 議長の資料がございますので、御紹介申し上げました。松原先生が御訂正いただければ ありがたいと思います。 ○星野会長  在り方の見直しについての会議の議事録というのは、全文のやつがあるのでしょう。 これは公開なんでしょう、ではないのですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  公開ですが、この12日の分は、最終的な議事録がまだ出ておりませんで、私どもが 作っている速報版しかございませんので、まだすべては公開されておりません。公開さ れます。 ○星野会長  公開はするのでしょう。 ○事務局(麦谷医療課長)  はい。 ○星野会長  場も公開だから、議事録も公開なのでしょう。 ○事務局(麦谷医療課長)  そうです、場は公開です。おっしゃるとおりです。 ○松浦委員  ちょっといいですか。 ○星野会長  はい、どうぞ。 ○松浦委員  有識者会の議論は有識者会でされていることですから、中医協が中医協としてとやか く言うのは適当でないと思うので、気になる発言があれば、その団体が直接発言者にお 目にかかって、誤解があるのなら誤解があると言われたらどうでしょうか、私はそう思 います。 ○星野会長  私が申し上げたかったことは、この見直しについての会議も公開議事録はあるわけで すから、それを読んだ上でそれぞれしかるべき適用をされたらいいのではないか。ここ で仄聞で、医療課長には大変失礼かもしれないのですけれども、解説する必要はないの です、と思います。 ○勝村委員  時間も押しているようで、発言はどうしようかとは思っておったのですが少しだけ。 今の話の中で、いろいろなある種不信感のようなものが残っていけないわけで、そのた めには、不信感を表向き表面を繕うのではなくて、もし誤解ならば表面の問題でしょう けれども、本質の問題と整理をして、きちんとしていかなければいけないと思うのです けれども、大概のそういう議論というのは、決して非常に難しい専門的な問題ではなく て、非常にだれでも議論できる、ごく普通の市民感覚に合っているか合っていないかと いうところが非常に問われていることが多いと思うわけです。この議論に関すること以 外にも、今日の最初のところでちょっと1点わからなかった点、先ほど議論がありまし たけれども、「医療保険」の専門家として、結果として、日本医師会の副会長が入って いるということに関してです。それは市民感覚にてらして合わないのではないかという ような意見が出るのは、僕は当然だと思うわけです。  そこで2つの方法があって、そもそも「医療保険」と言う限りはもっと本当に医療保 険の専門家を入れるべきではないか。もう一方は、いや本当にこの仕事をするのにその 方が適任であるならば、医療保険の専門家ではなくて、何の専門を求めているのかとい うことを、会長さんが発言されたようにちゃんとすべきではないかと。そのあたりを市 民感覚に合った形で整理していくということは非常にいろいろな意味で大事なことだと 思います。また、そもそもここに、最初の議論ですけれども、医療保険の専門家を入れ るというふうに決められた理由というか、その議論の場にはおりませんでしたので、そ この原点に立ち返ることなのだろうと思いますけれども、ごく普通の市民感覚というも のはやはりすごく大事にしていただきたいし、最初のところでは「検討する」とおっし ゃる課長さんの話で終わっているわけなのですけれども、それがどうなるのかというの は、もう、きっとこれを聞いている国民にはわかりにくいと思いますし、一般の国民に 対してわかりやすい説明をする責任もあると思います。したがって、市民感覚に合わな いなという意見が出てきた、それに対して、ではどういう方向で検討していくのかとい うこともきちんと、今答えを出すことではないと思いますけれども、こういうふうに検 討していきたいみたいなものがもう少し具体的に出るような形というものを議論の中で していけたらいいのではないのかなと思います。 ○星野会長  ありがとうございました。 ○松浦委員  関連して。 ○星野会長  どうぞ。 ○松浦委員  ちょっと私も、議事進行が速くて頭の回転がついていかなかったので申し訳ないので すが、会長さんがおっしゃいました、もっと専門的な分野でのジャンルにしたらどうか と、こういうようなお話があったのですが、そうすると、4月6日の総−2−1の1ペ ージの基本問題小委で議論した中の下から3行目、「医療保険等」となっていますね。 この「医療保険等」というのは、もうしたがって何かに変えられるのでしょうか。そう いう意味になってくるのでしょうか。 ○星野会長  すみません、どこですか。 ○松浦委員  1ページの「先進医療専門家会議(仮称)の構成員の専門分野」として。 ○星野会長  「医療保険等」、この「医療保険」は、これから少し頭、知恵を出していただくとい うことですから、これからまだ多分変える可能性が高いのではないかと思いますけれど も、「等」というのは、別に等は等だから。 ○松浦委員  あっても構わない。 ○星野会長  構わないでしょう。「等」というのは、具体化したときには、それが具体名になって こないと、だれもわからないということですから、と理解すればいいのではないです か。 ○松浦委員  なるほどね、わかりました。 ○星野会長  ほかにございますか。 ○松原委員  私どもの副会長の寺岡医師がこの専門家会議に推薦されたということを聞いたとき に、私の個人的な意見でございますが、各分野にばらばらでお話をされるというわけで ございますけれども、やはり私は、医療全般を見渡せるような方が入るべきだと、個人 的に思いました。その医療全般、つまり、医師を代表して医療全般が見られるような形 でお話をされる、あるいは先ほどのお話のように、治験の促進において薬を待っておら れる方に対して適切な医学的判断ができるという人材としては、私どもは、この委員に 寺岡医師が入られるのは適切ではないかと、個人的に判断したわけでございます。一言 つけ加えたいと思います。 ○星野会長  ありがとうございました。  ほかにございますか。 ○櫻井委員  ちょっとよろしいですか。 ○星野会長  どうぞ。 ○櫻井委員  前に発言したことなので、黙っていたのですけれども、先ほどの中医協の在り方に関 する有識者会議の話ですけれども、中医協として、向こうがやっているのだからそれは それでというお話があったのですけれども、前も申し上げたように、私は一番不満なの は、中医協で、公益側の星野会長がまとめてくれた改革案を了承して、実行を始めたわ けです。今日選ばれた委員も、その改革の結果として出てきたわけですから。注意今日 自らが極めて市民感覚で改革を進めているものを、強引にそれを無視して、その改革で はだめだというふうに決めた方が、よっぽど市民感覚に合わないことをやっているので おかしいというふうに申し上げたのです。この中医協で公益側を中心として皆さんが合 意して定めている改革、それが無視されていることに対して会長は腹が立たないのか、 どうも私にはわからないという、それだけのことです。 ○星野会長  ありがとうございました。 ○松原委員  その在り方会議で私も傍聴させていただきましたので、そのときの感想なのでござい ますが、いろいろと積み上げを勝手に中医協でして、その結果として今の日本の国の医 療政策がゆがめられたり適切な形になっていないと、確かに一部にはそういう見方もあ るかと思います。つまり、積み重ねをしているために全体が見えなくなる、だから中医 協を改革しなければならないという御意見があったわけでございますが、私は、これま で1号側、2号側、公益の委員の方と、この会というのは、やはり日本の国のことを考 えながら適切に議論をしながら現実に合わせて結果を出してきたものではないかと思っ ております。そういったものが、全く意味がないような発言を聞いたものでございます ので、それはやはり中医協としても反論すべきものではないかなと私は感じたわけでご ざいます。 ○松浦委員  今櫻井先生がおっしゃった、中医協の委員として腹が立たぬのかと、こういう御意見 ですが、私はもう選挙をやっているせいですか、とにかくいろいろな意見があるので す。ですから、我々がここで決めたこと以外に別の世界、厚労大臣はじめ、厚労大臣と 言えば国民全員をバックに背負ったような方ですから、そういった方々の中でまた一つ の議論が起こっても、別に腹立たしい思いはいたしません。 ○星野会長  恐らくこの議論、やり出すと切りがないだろうと思いますので、本日の総会はこのあ たりで終了したいと思います。  次に小委員会がありますので、しばらく場所のアレンジをいたしますので。  次回の日程について事務局から何かございますか。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協そのものは、次回は5月18日と5月25日を2回予定しておりますが、総会 は25日を予定しております。  以上です。 ○星野会長  それでは、本日はこれで閉会といたしたいと思います。御協力ありがとうございまし た。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第1係 代表 03−5253−1111(内線3288)