05/04/12 中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織各分科会 平成17年4月12日DPC評価分科会議事録 05/4/12 診療報酬調査専門組織          平成17年度第1回DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成17年4月12日(火)10:00〜12:21 (2)場所  厚生労働省専用第22会議室 (3)出席者 西岡清分科会長 原正道分科会長代理 池上直己委員        伊藤澄信委員 柿田章委員 小島恭子委員 熊本一朗委員        齋藤壽一委員 酒巻哲夫委員 佐々英達委員 松田晋哉委員        三上裕司委員 安川林良委員 山口俊晴委員 吉田英機委員        <事務局>        福田企画官 堀江保険医療企画調査室長 赤川薬剤管理官 他 (4)議題  ○平成16年度DPC導入の影響評価のための調査について        ○DPC導入の影響評価に係る調査項目及び評価の視点について        ○平成17年度調査について (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから平成17年度の第1回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催さ せていただきます。  本日、武澤委員、田所委員、谷川原委員、信友委員は御欠席でございます。また、本 日は中医協委員でございます佐々委員にも御出席いただいておりますが、よろしくお願 いいたします。  4月1日付で厚生労働省におきまして人事異動がございましたので、事務局からまず 御紹介をお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは、事務局より人事異動の御紹介をさせていただきます。4月1日付で前中村 企画官にかわりまして、新しく福田企画官が着任しております。 ○福田企画官  福田と申します。よろしくお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それから、私は補佐の江浪の後任でございまして眞鍋と申します。本日、事務局を務 めさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  それでは、まずお手元の資料の御確認をお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは、事務局より資料の確認をさせていただきます。  資料は診調組D−1からでございます。D−1は、「「DPC導入の影響評価に関す る平成16年度調査」について」、中間報告でございます。D−2といたしまして、「7 月から10月までの退院患者に係る調査について」でございます。これはちょっと分厚い ものになってございます。D−3といたしまして、「診断群分類の妥当性に関する調査 (MDC毎の作業班)について」でございます。D−4は、「再入院に係る調査につい て」でございます。D−5が、「「医療連携と退院後受療に係る調査」について」でご ざいます。D−6が、「医薬品・医療材料に係る調査及び検査・画像診断に関する調査 について」でございます。D−7が、「「医療の達成度、患者満足度に係わる調査」調 査結果」でございます。D−8が、「看護の必要度に係る特別調査について」でござい ます。D−9が、「アウトカム評価・臨床指標/医療機能の変化に係る特別調査につい て」でございます。そして、D−10といたしまして横長の表がついてございます。これ はこれまでも何回かお示ししたことがあろうかと思いますが、「DPC導入の影響評価 に係る調査項目及び評価の視点(平成16年度)」ということで、これまで御議論いただ いたものでございます。そして最後、1枚紙でございますが、D−11ということで、 「平成17年度におけるDPCに関する調査について」というものでございます。  以上でございます。乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお申しつけいただけれ ばと思います。  それからもう一つ、本日追加で資料を配付させていただいております。先ほど御紹介 申し上げたD−6「医薬品・医療材料に係る調査及び検査・画像診断に関する調査につ いて」の追加資料でございまして、こちらはステープルどめの2枚のもので、グラフを つけさせていただいております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。そろっておりますでしょうか。  まず始める前に、各委員におかれましては、前回の会議から本日まで、ちょうど年度 末、年度始めの非常にお忙しい時期にお時間を割いて、この作業に御協力いただきまし たことを、分科会長として御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございまし た。  本日は、議題が3つ予定されております。時間も限られておりますので、前半の1時 間程度で、平成16年度DPC導入の影響評価のための調査の実施状況及び結果等につき まして、前回行われました本分科会の議論を踏まえた御報告をしていただき、後半にD PC導入の影響評価及び平成17年度調査についての議論を行いたいと考えておりますの で、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず審議の1番でございますが、平成16年度DPC調査項目に沿いまし て、順番に調査を御担当いただきました委員から、御報告いただくことにしたいと考え ております。前回の3月23日の分科会におきまして議論した際に積み残しとなっており ました事項を中心に、各委員5分程度でポイントをついて御報告をお願いできればと思 います。また、本日、担当委員が御欠席の調査項目につきましては、事務局の方から報 告させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず、診調組D−2でございますが、7月から10月までの退院患者に係る調査の実施 状況につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは、D−2に沿いまして事務局より御報告させていただきます。前回御報告し た内容から変わったところを中心に御報告させていただきたいと思います。  まず、表紙でございますが、今回調査対象病院は、DPC対象病院が82、DPC試行 的適用病院が62、DPC調査協力病院が51ということは変わってございません。  それでは、12ページをお開けいただけますでしょうか。大変細かい表で申し訳ござい ません。お手元に拡大鏡というか虫眼鏡というか、また前回に引き続き置いてございま すので、御活用いただければと思います。12ページを横にしていただきまして、一番下 のところに、左から「DPC対象病院全体」というところがございまして、その次に 262630、これはデータ数でございますが、その横に平均値というものがございます。こ れは在院日数の平均値でございまして、平成14年でございますが21.22日となってござ います。それが右の方に行きまして、平成15年にかけましては19.70日というふうに平 均在院日数は短くなっております。それから、また右の方に行きまして、平成16年にお きましては19.11日というような、これまでの減少傾向が引き続き見られておるという ことでございます。  続きまして、15ページをお開きいただけますでしょうか。こちらは今御紹介申し上げ たものの、各大学別のグラフでございますが、平均在院日数19.11日というところが出 ておりまして、それより短いところ、長いところが出ているところでございます。前回 は19.10日でありまして、ほぼ同様ということでございます。  少し飛ばしていただきまして、20ページをお開けいただけますでしょうか。ここも若 干細かい数字で恐縮でございます。こちらは「DPC対象病院の在院日数の状況」とい うことで、何の要因によりまして在院日数が短くなっておるかというところを分析した ものでございます。下に「全体」というところがございまして、数の5つ目のカラムに −2.10と。これが全体の平均の差で、2.10日短くなっているということでございます が、その同じ行の一番右を見ていただきますと、平成14年と16年の差の平均ということ で、DPC毎の在院日数の差の影響が−2.87日と。逆にDPCの構成割合が変わった ことによって、本来はこれで長い方が増えているので、プラスの影響があったというこ とでございますが、若干DPC毎の在院日数が短くなっておるということが、全体の在 院日数が短くなったことの主要因であるというようなことを分析しているページでござ います。  また飛ばしていただきまして、23ページをお願いいたします。こちらはグラフでござ いまして、前回3月23日に御報告しましたものからグラフを追加してございます。こち らも縦長のグラフでございまして、見ていただきまして、他院よりの紹介ありの率、他 院よりの紹介ありの数、他院よりの紹介あり1施設あたり数で、前回3月23日は紹介の 率しか出してございませんでしたが、こちらについて実数を出させていただきました。 見ていただきますと、他院よりの紹介ありの率に関しましては、一番左のDPC対象病 院で平成14年度から15年度、16年度というところで減っておるような状況が見えておっ たわけでございますが、真ん中の実数のところを見ていただきますと、14年度と15年度 の数はほぼ同じで、16年度に関しましては上がっておるというようなところが見えてお ります。  1ページおめくりいただきまして24ページでございます。こちらは緊急入院の数で、 DPC対象病院では漸減というか、割合としては減っておるような傾向が見えておった のですが、緊急入院の数というところで見ますと、実数としては増えてきておると。減 っておるという傾向が、入院患者さん全体の数の増加に打ち消されてこのような形にな っておったのだと思いますが、実数を見ていると増えていることがわかると思います。  25ページの緊急搬送でございますが、こちらも平成14年度から15年度で率としては減 っておったところでございますが、真ん中の救急車による搬送の数というところを見て いただきますと、実数としては上がっておるということでございます。  またページを飛ばしていただきまして、30ページから、こちらはずっとDPC毎の、 診断群分類毎の在院日数の状況というもので、115ページまで続いてございます。  最後のページが116ページでございますが、「DPC対象病院と対象外病院の患者構 成等の違いについて」ということで、1枚紙でございますが、データのクリーニングに よりまして若干数が変わっておりますけれども、ほぼ一緒ということでございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。今の御報告に関しまして、御意見、御質問はございますで しょうか。  特にないようでございますので、続きまして、「診断群分類の妥当性に関する調査に ついて」ということで、齋藤委員からお願いいたします。 ○齋藤委員  診断群分類の妥当性につきましては、D−3の資料の2ページ目にございますが、検 証の基本方針として、最終的にはグループとしての妥当性が担保されているか。そのグ ループの中身といたしましては、在院日数や包括の点数、そして臨床的観点からの違和 感といったところがございますが、今回特に、簡素であって実際に使いやすい形になっ ているか、制度運用上の問題が少ないかどうかという点を中心に、最終的に確認いたし ました。  昨年の夏以降、15のグループにおいて、それぞれ3ないし4回にわたる詳細な検討 を、各班長のもとに取り進めていただきました。その結果、ここにありますように診断 群分類に係る検証の視点、(1)〜(9)ございますが、それぞれについておおむね適切な達 成度が得られているということが確認されております。ただ、一部につきまして、特に この資料でまいりますと別添2でございますが、幾つかの高額な検査や薬剤が含まれる ものについては、やはり今後の分類のあり方、あるいは高額なものをどう判断していく かということであります。特に脳梗塞におけるエダラボンという高額な薬剤がございま すが、その評価であるとか、脳疾患におけるSPECT・PETの評価、それからこれは前から 繰り返し言われていることでありますが、悪性腫瘍の化学療法で非常に高額なものがご ざいます。これをどう扱っていくかということで、今後に若干の問題は残されておりま すが、分類というものの性質上、ある程度のアウトライヤーはやむを得ないと。そうい うものを含めて包括したときに、一つの医療機関として妥当な診療報酬が約束されれば よいという自由度ですね、ある程度考慮することも必要であろうと、そういうことが最 終的な結論でございます。  そのほか、D−10に評価の視点として細かいことが幾つか挙げられておりまして、そ の中で一部については把握の可否が三角になっているものもございます。高齢者などの ハイリスク患者の率が低下していないかといった点については、特に事務局でも詳細な 検討をしておりますが、高齢者を排除するような動き、こういうものがDPC医療であ ってはならないことでありますけれども、受診率の低下とか、そのような現象は特段見 られないというようなことが確認されておりまして、全体としてはかなり妥当な分類に 到着していると言ってよいかと思います。今後当然細かいところについては、医療の進 歩にも合わせて、適切な分類が常時進められていくことも必要だと思います。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今の齋藤委員の御説明に御質問、御意見はございますでしょ うか。少し議題2の方にまで立ち入って御発言いただき、ありがとうございます。池上 委員、どうぞ。 ○池上委員  前回お願いした、ここで簡素化について、ここに挙げたものを見直さなければいけな いということで、どちらかというとより高い点数のついた分類を新たにつくるという意 味合いで、別添2を出されたと思うのですが、それ以外に関して前回私が御指摘いたし ました、合併症がある方が点数が低いとか、群によって1日1点しか違わない群とか、 それについての御検討はなされたというふうに伺ったのですが、ここにはその結果が拝 見できないので、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  それについては事務局からお答えいただけますか。 ○眞鍋補佐  御指摘ありがとうございます。MDC毎の作業班で各MDC毎に3度ほどやっていた だきまして、今、池上委員御指摘のところも、その作業班の中ではかなり熱心な議論が なされたというふうに聞いております。ただ、本日の資料の中では膨大になりますこと と、一つだけ取り出すというのもどうかなと思ったことで、全体を総括して齋藤先生の 方から御報告いただくということにさせていただいたところでございます。先生、何か コメントがございましたら。 ○齋藤委員  それについては特にありません。 ○西岡分科会長  池上委員の御指摘の部分のところも評価されるということでございますか。 ○齋藤委員  そうですね。 ○池上委員  では、いずれ結果をお示しいただけるわけですね。ありがとうございました。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。ほかに御意見、御質問はござ いませんでしょうか。  それでは、次に進ませていただきます。再入院の調査につきまして、これは安川委員 からよろしくお願いいたします。 ○安川委員  安川でございます。再入院は前回御報告をさせていただきましたが、そのときに、資 料の11ページをちょっとごらんください。「計画的再入院における理由」というところ でございます。ここで、化学療法・放射線療法の領域がかなり大きなウエイトを占めて おりまして、年度毎に比較可能な病院区分におきまして多くの病院で増加しておりま す。それでは一体どういう疾患がこれに関与しておるのかという御指摘を前回いただき ました。  それで、次に14ページをごらんください。この計画的再入院の理由のうち、化学療法 ・放射線療法のために該当した症例のMDC分類を調査いたしました。と同時にもう一 つ、疾患群、傷病名についても分析をいたしました。まずMDC分類で見てまいります と、御存じのとおりMDC01〜16まであるわけでございますが、左側からこの01、02、 03〜16までに分類される疾患の症例数が記載されております。  DPC病院は一番上にございますのでこれでお話をいたしますと、まず一番大きいの がMDC12と言われる女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩のこの領域で す。その次が04の呼吸器系疾患です。それから13、06と、このように症例数が多い順に 並べますと、大体この3つないし4つが挙がってくるわけでございます。これの年度間 の比較をいたしますと、特にMDC12、女性生殖器のこの領域と、04の呼吸器が、15 年、16年とかなり対象症例が増えているようでございます。それ以外に13、血液の疾患 の領域、これもかなりの率を占めておるようです。DPC病院はこのようにMDC12、 04、13、そして消化器も多少増えております。これがこのDPC病院における一番大き な特徴かと思います。  一方、DPC試行的適用病院を見てみますと、構成はよく似ておりますが数がかなり 少ないということ。それと、DPC新規調査協力病院におきましても、DPC調査協力 病院とよく似た構成ですが、この病院群におきましても数が少ないということでござい ます。  これを次のページの上位15疾患の疾患名で分析したものでございます。右側は、上か ら下に卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍から疾患名ずっと並んでおります。このグラフは左 からその順番に並べてございます。先ほど示しましたとおりこれは疾患名ですので、D PC病院でみてみますと、まず一番多いのが卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍、これは年間 対象症例が増えております。その次が子宮頸・体部の悪性腫瘍です。この婦人科生殖器 系の疾患で、かなり大きなウエイトを占めているようです。それから肺の悪性腫瘍、4 番目が非ホジキンリンパ腫、そして急性白血病と、こういうふうな順番の構成比でござ います。  これと対照的にDPC試行的適用病院といいますのは、確かに傾向としてはよく似て おりますが、数の上でかなり少ないということでございます。これは先ほど申しました ように、DPC新規調査協力病院でも同じような傾向がうかがえるわけでございます。  そういうことで、その次の16ページは、各病院区分の各年度における化学療法・放射 線療法に該当した症例のMDC分類の全体を100とした場合の各疾患の占める割合でご ざいます。どうぞ御参考にしていただきたいと思っております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今の安川委員の御報告に関しまして、御意見、御質問はござ いますでしょうか。よろしいでしょうか。DPCの12がかなり化学療法・放射線療法で 増加しつつあるという、これは一つの疾患構成の流れもあるのかもしれないとは考えら れるのですが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。  それでは続きまして、医療連携・退院後受療調査に関しまして、酒巻委員から御説明 をお願いいたします。 ○酒巻委員  D−5ですが、最初に誤りがありましたことをお伝えいたします。1ページ目のDP C分科会で承認した調査対象病院24病院の中に、東京医科歯科大学附属病院が抜けてお りました。それから8ページ、同じく調査対象病院の中に東京医科歯科大学附属病院が 抜けておりました。何かの手違いでございますので申し訳ありません。数は合っており ますので、まことに申し訳ないとしか言いようがありません。  それで、前回御報告させていただきました中で、まだ集計が終わっていなかった部分 につきまして、今日は報告させていただきます。  1次調査の方は既に報告しておりますので、12ページ以降をごらんいただきたいと思 います。「DPC病院と連携の濃厚な医療機関・施設に対する調査」というものをさせ ていただきまして、これは215医療機関から、回収率が約49%で回収をさせていただい たものです。お答えいただきました職員の数は921名です。職種などさまざまあります が、この調査の目的は、職員がどのような意識でDPC病院を見ているかというものに ついての調査でしたので、13ページの質問4がここの主なポイントになります。数字が 羅列してありますので見にくいと思いまして、これをグラフにしたものが次の14ページ の参考1になっています。質問4は、このDPC病院で入院中に行われた検査・治療な どについて、以前(数年前)と比較してどうであるかということを職員に問うていま す。全職種及び医師と看護師に分けて集計してありますが、65%程度が「変わらず、満 足できる」というものですし、「向上し、満足できるようになった」も含めますと、ほ とんど大部分がそこに該当するということになります。それから、このDPC病院にお ける退院の決定について、以前と比較して、20%弱のところが「早すぎる退院で紹介さ れてくることが多くなった」と答えておりますが、7〜8割が「このDPC病院での入 院期間は充分だ」という答えです。重症が増えたかどうかということにつきましては、 20%弱が「重症な患者が増えた」、あとは「変化はない」というものです。  次のページを見ていただきまして、退院患者の紹介を受けるかどうかということです が、「もっと積極的に紹介してほしい」というのが20%、「ケース・バイ・ケースで紹 介してほしい」というのが70%ぐらいということになります。今後このDPC病院に患 者様を紹介することをどうしますかということですが、「このDPC病院に積極的に紹 介する」というのが35%前後ということになります。医師と看護師では少し意識の差が ありまして、やや看護師の方が厳しい物の見方をしているように見えますが、これは統 計的に有意であるかどうかはまだちょっと検証してありません。  その次のページを見ていただきまして、これは参考までにということですが、1次調 査と2次調査、つまりDPC病院と受け取る側の病院の考えの違いといいますか、そう いうものがあるのかどうかというのを見させていただきましたが、最初はどんな理由で 紹介していますかというものです。左と右の図を比較していただきますと、(6)とい うところに大きな山の違いがありますが、この(6)はDPC病院はリハビリテーショ ンのために送り出した、そして受け取る側はそのために受け取ったということを聞いて いるんですけれども、送り出した方は必ずしもそういう意識ではないけれども、受け取 った側はリハビリテーションを強く意識しているという結果です。紹介数の変化等につ きましては、特に違いはございません。これが2次調査で得られた資料です。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。何か御質問、御意見はございますでしょうか。はい、齋藤委 員、どうぞ。 ○齋藤委員  看護師の約3分の1が、「早すぎる退院で紹介されてくることが多くなった」という のはちょっと気になる数字ですが、早すぎるという言葉の意味は、こんなにまだ治って いないのに押しつけられて困るじゃないか、というような意味なのでしょうか。何かも し自由記載とかそういうものがこのアンケートにあれば、そういうものの中身がどんな ふうになっているのかということもちょっと知りたいのですが。 ○酒巻委員  今手元に資料がちょっとないので、それはお答えできないのですが、この意味ではも う少し言葉を選んでアンケートをつくった方がよかったのかもしれません。早すぎると いうのを、「重症で困るわ」という意味には私はとりたくはないんですけれども。医師 の側は必ずしもそういう答えをしておりませんので、比較的穏当な結果だと見ておりま す。 ○齋藤委員  そうですね。患者満足度という点からいうと、看護師の視点というのはやはり大事だ と、重いと思うんですよね。そういう点でこういう表現がなぜ出てくるのか、3分の1 の人が支持するのか、ちょっとその辺がまた気になりますので、よろしくお願いしま す。 ○酒巻委員  一言つけ加えると、このアンケートはある一点、つまり15年度の患者さんにつきまし てという一点だけの質問ですので、以前に比べてというのが、一体どの時点で比べられ ているかということについても十分表現されていませんので、少し割り引いて考えたい と思います。 ○西岡分科会長  もし何かフリーコメントでもあれば、またちょっと見ていただくことが必要かと思い ますので、よろしくお願いします。ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいで しょうか。ありがとうございました。  それではさらに続きまして、薬剤・医療材料の使用状況と検査・画像診断の実施状況 を、まとめて事務局からお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは、事務局より御報告させていただきます。資料は診調組D−6、そしてD− 6に追加いたしました2枚のものでございます。  それでは、分厚い方の11ページをお開けいただけますでしょうか。別紙3とございま すけれども、こちらの方、前回3月23日では回答率が確か9割ぐらいだったと思います が、今回すべての施設のデータを集計することができております。その中で、これは議 題2にもちょっと関連するのですが、傾向として申し上げておりますけれども、その下 の、これもちょっと細かい数字で恐縮でございますが、「後発品採用の推移調査粗集計 結果」でございます。そこでDPC病院を見ていただきますと、調査対象施設は品目数 が66、金額シェアが58ということでございますが、これが右肩上がりにだんだん上がっ てきておるということは見ていただけるかと思います。しかし、これはDPC病院に特 異的なことではなくて、恐らくDPC試行病院やDPC調査協力病院でも、だんだん上 がる傾向にあるということが言えるのではないかなと思います。  続きまして12ページ、次のページをお開けいただけますでしょうか。こちらは「抗が ん剤治療レジメン(プロトコル)数調査集計結果」でございます。こちらもDPC病院 の方でございますが、プロトコル数といたしましては、一番上の分析対象施設数の54の ところを見ていただきますと、平成14年10月から右の方に新しくなるに従いまして、プ ロトコル数は増加しておるというところが、これは前回と変わってございません。  そして次、13ページ以降でございますが、こちらは抗がん剤を、前回は表でお出しし ておったのですが、若干見にくいという御指摘もありましたので、今回グラフにしてお ります。ここに関しましては、後ほど伊藤委員の追加資料もございますので、そちらの 方で若干コメントをいただければと思っております。  次に、検査・画像に移らせていただきますが、18ページをおあけいただけますでしょ うか。こちらも前回3月23日のものに比べまして、回答施設数の方、有効にデータを使 えた施設が増えてございます。  19ページですが、こちらは「臨床検査の変化について」、そして「画像検査の変化に ついて」ということで、DPC病院、DPC試行的適用病院、DPC調査協力病院とい うところでアンケートをとってございますが、見ていただくと、検査が外来移行してお るですとか、あるいは検査を絞り込んだ、あるいは画像検査のところを見ていただきま すと、画像検査も絞り込んだとか、画像の外来移行をしておる、というようなところが アンケートとして出てきております。しかし、これは前回も御報告したとおり、調査票 の設計でこういう結果が出やすいようになっておりましたので、若干割り引いて考える 必要があるかと思いますが、こういった傾向が見えているのではないかなと思っており ます。  次の20ページでございますが、「内服薬の変化について」、そして「注射薬の変化に ついて」も後発品、あるいは内服薬を絞り込んだとか、そういったものが傾向としては 見えておるということでございます。  23ページ以降でございますが、こちらは「社会保険病院における外来検査、画像診断 調査」ということでございまして、社会保険病院では患者さんを入院から退院まで追っ ていける、外来まで追っていけるというので、非常にいいデータベースをお持ちだとい うことで、そちらの方も紹介をさせていただいているところでございまして、こちらは 齋藤先生から御紹介いただければと思っております。 ○齋藤委員  23ページの別紙4でございます。社会保険病院では定点観測として、平成13年からい ろいろなデータを蓄積しておりますが、今回はDPCの試行的適用病院25、それから調 査協力病院でDPCに入っていないもの13のデータについて、平成16年からDPCを始 めておりますけれども、それを検討しております。  25ページを見ていただきますと、別添1でございますが、試行的適用病院では例えば 中段の表をごらんいただきますと、平成15年が1人当たりの1日の入院中の点数が、検 査は296点だったのが平成16年には258点に下がり、また外来では211点だったのが217点 と、入院の量が少し減り、外来の量が少し上がったという傾向がございます。画像につ いてもほぼ同等の傾向が見られております。  次に26ページを見ていただきますと、調査協力病院、これは自然変動に相当するもの でございますが、中段の表を見ていただきますと、検査が231点から221点、画像が130 点から123点、それが入院でございまして、外来では検査が181点から182点、画像が89 点から91点と、外来の増加はやはりDPC試行的適用病院の方がやや多めであるという 傾向が出ております。  それをさらに個別の病気で見ますと、33ページに乳房の悪性腫瘍の検査がございま す。中段のところに網かけが4段にわたってありますけれども、例えば外来1回当たり の画像点数で、DPCの試行的適用病院は2003年が1,064点であったものが2004年には 1,645点と、これはかなり外来での数値が増えております。一方、DPCの調査協力病 院で実際やっていないところは932点が734点と、むしろ逆に低下しているという傾向が ございまして、乳房の悪性腫瘍は御承知のようにマンモグラフィーであるとかシンチで あるとか、入院でやられていた非常に多くのものが外来にシフトしているという像が見 えます。  しかし47ページ、例えば白内障などで見ますと、再び中段の網かけ4段でございます が、ここでは外来1回当たりの検査点数、画像点数いずれも白内障では924点が逆に848 点と、DPCを行っている病院でも下がっておりますし、DPCを行っていない病院で は816点が953点と、むしろこちらの方が外来が増えているという傾向が出ております。 疾病構造によって確かに検査・画像が非常に高額に及ぶものは、乳房の悪性腫瘍のよう にDPC試行的適用病院で外来に中身がシフトしているという姿は、この調査から明ら かになっていると、そんなところでございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○眞鍋補佐  あと、追加資料をいただきました伊藤先生、お願いいたします。 ○西岡分科会長  伊藤委員の方からお願いできますでしょうか。 ○伊藤委員  D−6追加というのをごらんいただけるとありがたいのですが、こちらの方の資料で は、抗悪性腫瘍剤の種類が非常に多かったものですから、全体像として見にくいという ことで、最初の方で使用本数を単純に全部合計したものでございます。これをごらんに なってわかるとおりで、棒グラフが入院、折れ線グラフが外来のものを見ております。 上のものがDPCの特定機能病院でございますが、特定機能病院では両方とも、入院も 外来も本数が増えております。ほぼ同じぐらいの割合で増えているのがごらんいただけ るかと思います。DPCの試行病院や調査病院に比べますと、約倍ぐらいの抗がん剤の 使用があるということが本数ベースでございます。  これを本数ベースではなくて、今年度の薬価で換算したもので示したのが下のグラフ でございますが、DPCの入院も外来も同様に増えておりまして、決してクロスするこ とではございませんので、入院の化学療法が減って外来にシフトしたということではな くて、抗悪性腫瘍剤そのものをお使いになる患者さんがDPCの病院の方、試行病院も 含めて増えておりますので、増えているという結論かと思います。  2枚目でございますが、後発品の導入状況についてグラフにしたものでございます。 こちらの方は、カラーではなくて見にくくて大変申し訳ないのですが、金額ベースで見 たものが折れ線で、品目数で見たものが棒グラフでございます。棒グラフ的に、品目数 ではほぼ変わりはありませんが、金額ベースで見ますと、試行病院や調査病院に比べて 約半分ぐらいの後発品の導入状況で、一般的には特定機能病院の医薬品の品目数が一般 病院に比べてはるかに多いので、品目数としては変わらなくても、実際の使用量という 金額ベースで見ますと、半分ぐらいしかいっていないのだろうと思います。ただ、両方 とも漸増傾向であるというのは変わりありませんから、特定機能病院だから、DPCに 対応したからといって後発品に一気に乗りかえているということではないと、この図か らは読み取れるかと思います。  最後のものでございますが、医療安全に対する取り組みとしてキット製剤の、これは 使用本数を全部足したものでございます。ヘパリンのシリンジが数が多いものですから それに引っ張られているということでございますが、DPC前かDPC後も含めてごら んいただいてわかるとおりで、キット製剤の本数が漸増しているというのはどこの施設 も変わらないということです。医薬品の、齋藤先生からお話がありました抗悪性腫瘍剤 について非常に高額なものですが、DPCに伴って使用が減っているとか、外来の方に シフトしているという結論には、今回の調査からはならないということでございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今の御説明に御質問、御意見はございますでしょうか。どう ぞ、池上委員。 ○池上委員  もし可能であれば、追加の結果をお見せいただければと思いますが、これらの結果は いずれも平均値で示されています。例えば後発品とか検査を控えるとか、これらについ てできれば最大、最小について、別に病院が入れかわっても結構ですのでトレンドを見 せていただければ。平均値ですと、かなり幅があるので、高い割合のところはかなりの 割合に達していると思いますし、それも恐らくDPC病院間の方は、このDPC試行病 院あるいは調査病院間の差よりも大きい可能性もありますので、最大、最小もあわせて お示しいただければ大変参考になると思います。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  これは入れられますね。 ○眞鍋補佐  分析としては可能でございます。それからあと、最終的に報告する形のところには入 れられると思います。 ○西岡分科会長  ほかに御意見はございませんでしょうか。ありがとうございました。では、そういっ た御意見も最終の報告書には入れていただきたいと思います。  では続きまして、医療の達成度、患者満足度の調査を熊本委員からお願いいたしま す。 ○熊本委員  それでは、「医療の達成度、患者満足度に係わる調査」について、3月以降の粗集計 の後の資料をごらんいただきたいと思います。  3ページ目に、前回出しておりませんでした回収率ということで、達成度調査では 69.4%、満足度調査で51.0%の回収率でございました。  続きまして、前回は粗集計でお示ししておりましたが、今度はクロス集計ということ 等を考えまして、医師、看護師、性別等で出しておりますけれども、ちょっと性別とい うよりは、これは本来診療科でやった方がよろしかったと思います。診療科に関しては さらに問い返しまして正確なことで今やっておりますので、この性別は多分診療科に属 するものだと思いますので、また改めてこれは出し直したいと思っております。  それと理解度、DPC分類に対する理解度、範囲に関する理解度、これがかなり達成 に関係があるのではないかという想定をいたしまして、これとのクロス集計を出してお りまして、やはり相関があるように思います。ただ、理解度に関しましては6割が十分 理解していないということが出ていまして、ちょっと問題かなと思いますが、質問のや り方が漠然と聞いておりましたので、御専門領域に関しては十分理解されているかと思 いますが、DPC診断群分類を大きく考えられた場合に、こういうことが出たのかと思 います。それと、達成状況等はかなり数値的には、医師の方は84%達成していると。入 退院への納得も75%という数字が出ていまして、達成度は高いと思いますが、理解度と の組み合わせで相関がありますので、さらに理解度を増すとそういう状況ももっとよく なる可能性があるかということがわかりました。理解度に関しましては問題提起という ことで、今後またこの点に関してもちょっと注意していくことかと思います。  続いて、飛びまして62ページから、患者満足度調査に関しまして……。先ほどちょっ と言い忘れましたけれども、地域差や設置母体等に関してはそう大きな差はなかったと いうことでございました。患者満足度調査に関しましてもそう大きな差はなく、もう一 つ自宅に帰ったのか、転院されたのかということで見たのですが、それでも大きな差は ないようでございました。満足度調査のところでは、費用に関する説明の有無というこ とで、それがちょっと少なかったということと、達成度のところでも少なかったので、 前回も申し上げましたけれども、吉田先生が平成15年11月にされたときでも、やはり7 割の方が知りたいということがありましたので、このあたりはDPCの範囲もしくは制 度等を含めまして、もっと理解度を増して説明ができるような形にすべき事柄かと思い ます。  それと、実際の満足度調査の中で、医師への信頼感、入院中の療養支援、入院の達成 状況等、大体90%から85%、75%という数値が出ております。これはその前、そういう 満足度調査の例で特定機能病院で平成10年に行われたもので大体6割、7割でございま したので、それと比べて落ちているというわけではなくて、数字は出ているかと思われ ます。今後またこういった調査を続ける必要はあるかと思います。  それと最後の79ページでございますが、2回目の入院という形でお伺いしたところ で、1年以上前に入院経験のある患者さんのみにお伺いしたところでも、「どちらとも 言えない」というのを含めますと、84%ぐらいの方があまり医療内容の変化はなかった ということのデータでございました。  この「医療の達成度、患者満足度に係わる調査」は、ある意味粗診粗療もしくは不満 足状態があるのではないかということを実態調査するということもありましたので、そ の結果という形では、達成度、もしくは満足度に関して悪い方向には向かっていないと いうことが示されたのではないかと考えます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。何か御意見、御質問はございますでしょうか。おおむねいい 形での評価が出ているのでありがたいことだと思いますが。  では続きまして、看護の必要度について小島委員からお願いいたします。 ○小島委員  それでは、看護必要度についての御報告をさせていただきます。D−8でございま す。本日は前回の3月以降の御報告でございまして、調査1のうちの鹿児島大学の方の 御発表をしていただきまして、その後、前回KNS、北里大学病院のものをお示しした ところでコメントをいただきましたもののグラフの追加、そして共通評価票での看護必 要度の御報告とさせていただきます。  それでは、鹿児島の方をお願いいたします。 ○熊本委員  鹿児島大学では、看護度分類を情報システムを使いまして蓄積しておりますので、そ れでのDPC導入後の変化を見たいということで行いました。3ページ以降に、鹿児島 大学における看護度分類ということで書かせていただいておりまして、実際DPC導入 後に関しましては9ページ以降に書いております。平成14年、15年、16年の様式1を提 出しました7月〜10月分の患者のDPCの症例に関しまして分析を行いました。また、 平成16年度にDPCの分類の変化等がございましたので、それを踏まえまして、10ペー ジに書いておりますように、肝細胞癌の症例と狭心症の症例が数もありましたので、比 較できるかということで、それに関する分析を進めました。  13ページは、観察を要するという看護度Aが提供された日数の14年、15年、16年の変 化でございますが、14年、15年から16年にかけて、16年度ではやはりAの提供日数の割 合が増えております。  さらに14ページで、肝細胞癌の在院日数が短くなった場合でも、逆に1人の症例当た りの看護度Aの提供日数は増えております。例えば治療目的<手術無し>のところで、 在院日数が14年から16年で、34日から20日に短くなっていますが、看護度Aの1症例当 たりの提供日数は2.26日から4.57日に増えているということです。このように狭心症 を含めて分析いたしましたところ、平均在院日数が短くなる症例においては、看護度A の提供の比率も増えますし、実質日数としてもAの提供は増えていたということでござ いまして、看護のケアを落とすと申しますか、減らすわけでなく、逆にやはり短い日数 の中に看護度Aという、看護ケア量を多く与える日数は実質日数としても増えていると いう状況で、DPC導入前後での比較をさせていただきました。  以上でございます。 ○小島委員  それでは、続きましてKNSの追加の御報告をさせていただきます。32ページをお開 きいただきたいと思いますが、これは北里大学病院のKNSの前回のDPC導入前後の 看護業務量の変化のところでございます。病院全体の1カ月の看護業務量の変化という ことで、そこにお示ししておりますのは、1999年、2001年、2004年のデータでございま す。1999年は私ども病院のスタンダードとして位置づけておりまして、2003年5月から DPCを入れておりますが、2001年をなぜここに設定したかと申しますと、既にDPC ふうに急性期特化をしておりましたので、比較の対象としてこの2001年を立てておりま す。それで、DPC後を2004年といたしまして、7月のデータでお示ししております。 タイプの1、2、3、4、5というのは、図を見ていただきますと増えていることがわ かると思います。ICUをピックアップいたしましても、同じようにハイケア、重症ケ ア、集中ケアが増えておりますことと、それから入院が大変多い病棟、眼科でございま すが、ここもタイプをごらんいただきますと増えております。  33ページをお開きいただきますと、図4−4でございますが、脳外科でもタイプの 1、2はそのままですけれども、タイプの3と4が増えております。さらにそれを1カ 月間の看護業務量でわかりやすくお示ししたものでございますが、ICUの看護業務量 の変化、続きまして図5−2でございますが、眼科の看護業務量の変化、次の34ページ をごらんいただきますと、これは脳外科でございますが、1カ月間の看護業務量の変化 ということで、これが追加の資料でございます。  さらに42ページをお開きいただきたいと思います。分科会で御指摘いただきましたD PC前の1年とDPC後の1年、つまり2002年と2003年のダイレクトの比較をというこ とでございましたので、KNSの31項目につきまして、これは件数でございますが、こ れは誤植でございまして時間でございますので、「DPC導入前後1年間のKNS項目 時間の比較」というふうに御訂正いただきたいと思います。ここにお示ししております ように、増加をしておりますことがよくわかると思います。  KNSの御報告は以上のように追加とさせていただきます。  本日の御報告は、「共通評価票(重症度・看護必要度)を用いた調査結果の概要」で ございますが、これは43ページをお開きいただきたいと思います。この調査目的は、共 通の評価票でございます重症度・看護必要度に係わる評価票を用いて、調査対象とした 診断群分類における1入院期間の看護投下量についての調査でございます。共通評価票 を用いました今回の調査は、DPC導入後初めての看護の観点からの調査でございまし た。共通評価票を用いたということで、調査対象機関のバラツキ等についても把握する ことができました。調査対象医療機関はそこにお示ししたとおりでございますので、ご らんいただきたいと思います。それから、調査対象疾患もそこにお示ししたとおりでご ざいます。調査期間は、3月の御報告では2月のところまででございましたが、今回は 1月5日から始めました残りの3月5日までの御報告をさせていただきます。平成17年 1月5日〜3月5日までで、前回3月23日の時点では中間回収で321人分のデータでご ざいましたが、今回は854人分のデータでございます。今回の調査方法といたしまして、 1入院期間における入院時点から重症度・看護必要度を測定するとしておりますので、 DPC病名が確定する前からデータの収集を始めてまいります。したがって予測した診 断名とならない患者や、手術方法の変更等がございますので、DPCコードの14桁に完 全に一致するという患者は、今回の調査でも854のデータのうち217という結果になりま す。そこで看護の観点から、DPCの14桁一致が妥当かどうかを検討いたしまして、手 術の有無等の看護投下量に変動を来すと予測されるDPCコードで、10桁になります が、10桁までの一致ということでいたしますと456人のデータで、それに着目をして分 析をしております。  以下44ページをごらんいただきたいと思いますが、これが調査結果でございます。病 院の概況につきましては御参照のとおりでございます。神奈川私立、鹿児島、京都の独 立行政法人、栃木の私立医療法人、静岡のその他の法人というふうになっておりますの で、ごらんいただきたいと思います。平均在院日数は神奈川が15.79日でございまして、 京都が25.20日ということで、10日間ぐらい長くなっているところの幅でございます。 それはごらんいただきたいと思います。下の欄にクリニカル・パスについてのことを載 せてございますが、パスにつきましては医療機関毎に使用状況が異なっておりますの で、ごらんいただきたいと思います。  次に45ページをお開きいただきたいと思います。疾患別と病院別に見ました平均在院 日数等につきましては、お示ししたとおりでございますので、御参照いただきたいと思 います。  46ページにつきまして、これは対象患者456人のデータでございます。男性231人、女 性225人ということになっておりまして、平均年齢が66.6歳ということになっておりま す。手術の有が380件、無が76件になっております。疾患のサンプル数もごらんいただ きたいと思いますが、最も多かったのが白内障で、次いで狭心症、脳梗塞となっており ます。  それから疾患毎の入院日数と1入院期間のところは、飛んでいただいて48ページをお 開きいただきたいと思います。この48ページから以下ずっと、お示しいたしました10の 疾患を分析したものが一つずつ載せてございます。例えば脳梗塞ですと入院日数が16.54 日が平均である。看護必要度の得点ではAスコアが23.51で、Bスコアが59.75、寄せま して83.25という結果が出ておりまして、それを以下ずっと表にしたものを載せてござ います。この中で、入院日数の最も長いものは前立腺の悪性腫瘍でございまして、24.56 日、次いで子宮頸・体部の悪性腫瘍で手術が22.43日でございました。重症度・看護必 要度の得点が高いものは、脳梗塞の手術なしでございまして、胃の悪性腫瘍手術ありが 次いでおります。最も低いのが白内障になります。病院間のばらつきも大変大きいこと がわかってまいりまして、地域の特性や看護体制におけるリリーフ体制等の有無もあろ うかと思います。  最後58ページをごらんいただきたいと思います。これは中間報告でお示ししましたの はサンプル数が少ないために、DPCコード7桁までの一致でございましたが、今回は 10桁まで一致したものをお出ししております。横軸に入院経過日数、縦軸に重症度・看 護必要度の得点の累計として各疾患をプロットしております。疾患毎の看護の必要度の 特徴が明らかになってまいりまして、脳梗塞が入院当初から看護の必要度が非常に高い パターンになっておりますので、ごらんいただいたとおりになります。白内障が一番下 の方にございますが、入院日数も非常に短く、看護の必要度も低いということになりま す。非ホジキン手術無のものは緩やかになだらかに看護の必要度が投下されております し、そのほかここに載せてございます手術に関するものは似たような経過をたどってお ります。看護必要度の調査はこのように実態を把握することができましたので、以上の 御報告でございます。  あわせて3つの調査から言えますことは、今回の看護必要度の調査でわかりましたこ とは、DPCを導入いたしました後も看護の必要度は増しておりますし、評価の視点で 看護の必要度がどうなのかということでございましたが、増加しているという実態が明 らかになっております。それから、看護必要度の特別調査のことで、私ども看護の見解 といたしましては、今回の調査目的は達成されておりますけれども、定期的に今後の調 査が必要だろうと考えております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。何か御質問、御意見はございますでしょうか。はい、どう ぞ、三上委員。 ○三上委員  この看護必要度が上がってきて、看護師さんの勤務時間が月間かなり1,000時間近く 増えているということですが、これは実際には超過勤務の形であらわれてくるのでしょ うか。 ○小島委員  そうでございます。 ○三上委員  全員大体同じように平行移動して、超過勤務がこれだけ増えているということです か。 ○小島委員  そうでございます。全体に投下される看護業務量で、ケアが終わるまでということで ございますので、そういうふうにお考えいただいて。 ○三上委員  わかりました。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  いつも大変おもしろいデータで感心して拝見しています。最後にお示しいただいたこ の経過の表ですが、これを見ると肝の悪性腫瘍が胃がんよりも低かったり、何か現場の 感覚とちょっとずれているような感じがしないでもないですが、そのあたり何かあるの でしょうか。 ○小島委員  これはいろいろバラツキがございましたのは、非常に在院日数の短いところはコンパ クトに入っておりますが、例えば鹿児島大学のように離島等があって長くなっておりま すところは、離島に診療施設がなければ長い入院日数をとってそこで治療するとか、そ ういったことも含まれておりますので、それで先ほどバラツキがあったり地域特性があ るというふうに申し上げましたのが含まれております。 ○山口委員  何かそういう意味で、胃の方がもう少し寝るのではないかなという感じで見ていたの ですが。特に胃がんの方は割と鹿児島が多くて、ほかのところが少ないので、そういう サンプルもちょっと隔たりかなと思って拝見していました。 ○小島委員  ええ。それで、消化器の胃の疾患につきましては、大学病院によっては扱っていない ところもございまして、少しサンプル数も少ないということもございましたので、バラ ツキがございました。 ○齋藤委員  看護必要度が増してくるというのは、入院している患者の疾病構造や重症度がDPC 導入後に重い方にシフトしたとか、そういうことなのでしょうか。例えば軽症の人がど んどん退院して、あいたベッドに重症の人がどんどん入ってくれば、病床全体としての 重症度、複雑度が上がってくると思うのですが、そういうことが看護必要度の増加にか かわるのでしょうか。 ○小島委員  それはなかなか難しいことでございますが、私が今調査の結果から言えますことは、 まず非常に医療が進歩いたしましたので、例えば今回のこの前立腺の腫瘍等のことで も、全身麻酔をして手術をするというもの、それを内視鏡下でするとか、あるいは今度 はシードを入れて非常にQOLは高くして手術をする。そういうふうになりますと、そ れはほとんど自立度が高うございますので、セルフケアというところにシフトしてまい ります。  しかし一方で、当初の目的にもございました、重症の患者さんをきちんとケアしてい ますかというところでは、やはり緊急入院があったり、重症度が高くなったり、年齢が 高くなっておりますので、それを受け入れておりますね。この私どもの調査でもハイケ ア、集中ケアが増えておりまして、それを請け負っておりますと当然看護の投下量は増 えてまいりますので、そのことと両方でございまして、高速回転をしたから、平均在院 日数が減ったからというところに関連づけてといいますと、もう少し検討が必要でござ いますけれども、明らかにDPCという中で、加速してケアを行うというのは現状には ございます。 ○齋藤委員  社会保険病院のデータでも、医療が非常に複雑化して高度化という自然変動がありま すので、DPC以外の要因というのも、今言われたようにシードの植え込みとかいろい ろなことで増えてきますので、そういう要因なのか、それともターンオーバーが増した ためなのか、その辺の分析がまたできるといいなという気がいたします。 ○酒巻委員  もう一つお伺いしたいのですが、この最後の図を見ますと、脳梗塞の場合には最後の 10日間ぐらいにこの累計が非常に急速に上がっていますね。これは何か要因があるので しょうか。ほかのものは大体最後の方は寝るというか、だんだん看護必要度が少ない量 で済むという意味合いですね。ところがこれだけ上がっているんですね。 ○小島委員  ですから、B得点の患者状況の方のスコアが高くなってくるということで、つまりリ ハビリとか移動とかそういうところで少し動きができるようになってまいりましたとき に、じっとお休みになっていて治療を受けているときよりもかえって手がかかるといい ましょうか。日常生活をいろいろ、排泄をする、清潔をする、お食事をする、それから 気分的に落ち着かないとか、そんなようなことでそれが加算されてくるというふうに捉 えておりますけれども。 ○西岡分科会長  池上委員、どうぞ。 ○池上委員  ちょっと私はまだ混乱していまして、この分科会の目的はDPCの評価であるわけで すね。導入の評価であるわけですので、自然のトレンドとして看護の手間が増えるのを 上回る看護の手間の変化が、DPC対象病院にあったかどうかを検証することが目的で ありますので、全体のトレンドはトレンドとして重要であるのですが、この中から必ず しもそれが読み取れないわけです。  それからDPC対象病院以外の病院は、それがどの病院、例えば栃木や静岡というの はどういう病院であったか。あるいは神奈川というのはこれは北里のことだと思います が、その代表性の問題もありますので、その際これはデータの制約で代表性のことは言 えないまでも、もう少しトレンドとしての変化とDPC導入前後の変化ということを整 理してお示しいただかないと、全体として「大変になりましたね」ということしか言え ないと思うのですが、いかがでしょうか。 ○小島委員  トレンドとしてお示しいたしましたこと、DPCの最終的なところでは、KNS等で はその前後の比較はしておりますけれども、もしこれで、今、池上先生が御指摘くださ いましたようなことで、どんなふうにすればそこのところをもう少しはっきりできるか という示唆がおありでございましたら、御意見をいただけますでしょうか。 ○池上委員  例えば最初のKNSにしても、これが比較されているのは、かなり時間がたってから の2時点の変化ですので、もし2003年の5月に導入されているのでしたら、それが一段 落した2003年の7月と2002年の7月の変化をお出しいただく方が、これよりも直接の影 響が見られると思います。それだけに診療体制が2カ月では不十分であるのだったら、 8月というのはあまり適切でないので、2002年の9月と2003年の9月という2時点で同 じ病院だけでも、今のこの比較の仕方よりは直接の影響を見る上では参考になると思い ますし、ほかのKNSにしてもちょっとそういう形での比較がないと、代表性がない以 上、前と後の変化がはっきりわかる形で御提示いただければと思います。 ○齋藤委員  先ほど社会保険病院のデータでもちょっとお示ししましたが、DPCを試行していな い病院について、同時期のトレンドはどうなのかというのを対照として見ますと、医療 の傾向は一番よくわかりますね。DPCを導入した病院の前と後、それから同じ時期の DPCを導入していない病院の前と後。その2つのコントロールを置けば、調査として は一番鮮明になると思います。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 ○松田委員  池上委員の御指摘の点は本当にそのとおりだと思います。あと、58ページのグラフで すけれども、看護必要度の累計をやっているわけですが、これは今平均像でやっている んですけれども、これを例えば在院日数の短い分、中くらいの分、長い分に分けてこの 勾配を見るというのが一つの方法ではないかなと思います。要するに、DPCが入って きて在院日数が短くなってきたのであれば、その在院日数が短くなることによる看護必 要度の変化みたいなことを、もし間接的に推計するのであれば、在院日数で区分してグ ループに分けて、それでこの勾配を見てみるというのが一つの方法だろうと思います。  それからあとは、先ほど一番初めの調査の報告でありましたけれども、手術のある症 例で見ますと、その手術前の日数がかなり減少してきておりますので、手術があるよう なものに関してはその術前と術後に分けてみて、看護必要度がどうなっているのかとい うことを見てみるのも一つの方法かなと思います。 ○小島委員  ありがとうございました。また御意見をちょうだいいたしましたので、それを検討し てみたいと思っております。 ○西岡分科会長  お願いいたします。これはデータを出すのが非常に難しいところがあると思いますの で、今の御意見を参考にしていただいて、精査をお願いいたしたいと思います。ありが とうございます。  それでは、次の調査に移らせていただきます。アウトカム評価の部分を、これは事務 局の方からお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは、最後の「アウトカム評価・臨床指標/医療機能の変化に係る特別調査につ いて」というところに関しまして、本日武澤委員が御欠席でございますので、代わりに 事務局の方からポイントを御説明させていただきたいと思います。  まず、資料は診調組D−9でございます。時間も押してございますので、大きく変わ ったところ、つけ加わったデータのところを中心に御説明させていただきます。  17ページをお開けいただけますでしょうか。そこに別紙5と書いてございます。ここ からしばらく新しく追加させていただきましたデータでございます。こちらは「入院時 ADLスコアが10点未満の割合」ということでございます。DPC病院を見ていただき ますと、右側に行きまして82の対象数の中で分子というところが実数でございまして、 9757から10641、割合に関しましてはその下に%というところがございますが、3.87% から3.95%というふうに、若干でありますが上昇しておるということでございます。  1枚おめくりいただきまして、次に19ページを見ていただけますでしょうか。こちら には「心不全のデータにおけるNYHA心機能分類のIVの割合」を抽出いたしております。 そこでDPCの病院のところを見ていただきますと、分子のところでございますが、15 年度では444だったものが16年度は439、若干数が下がっております。大体患者さんの数 は同じであると。ただ、全体に入院が伸びておりまして%自体は下がっております。た だ、実はこれは15年度、16年度の評価でございまして、14年度の評価はちょっとここで できていないところでございます。  1ページおめくりいただきまして、21ページを見ていただけますでしょうか。こちら は「70歳以上データの割合」ということでございます。次に御議論いただきます評価の 視点のところで、70歳以上等のハイリスクな方が減少していないかというところに答え るものだと考えておりますが、DPC病院を見ていただきますと、同じく82施設で、分 子のところが68367から16年度にだんだん増えてございまして84259と。それから割合を 見ましても26.03%から26.84%と。割合の方はあまり変わっていないように見えます が、実数自体は増えておるというところが見てとれるかと思います。  また1枚おめくりいただきまして、23ページを見ていただけますでしょうか。これは 「全身麻酔による手術を受けた割合」でございますが、まず分子の方でございますけれ ども、14年度は73408だったものが数としては増えてきてございまして、16年度は80404 と。%で見ますと、14年度では50%だったものが48%、46%というふうにだんだん下が ってきております。これに関しては解釈がいろいろあろうかと思います。  次に24ページを見ていただけますでしょうか。こちらは上の表は手術前の日数、下の 表は手術後の日数を比較したものでございます。DPC病院を見ていただきまして、手 術前の日数でございますが、平均日数(日)というところがございます。14年度では 4.47日であったものがだんだん減ってきてございまして、16年度では3.74日となって おります。手術後の日数でございますが、DPC病院におきまして平成14年度では9.22 日であったものが、15年度は若干延びており、また16年度で9.27日と減少しておると いうことで、特段のはっきりした傾向というものは見えてございません。逆に言うと、 手術後の日数に関しましてはあまり変化がないのではないかと考えております。  次に25ページでございますが、こちらは外保連の手術難易度の分類で、非常に難易度 が高いと言われる手術の数を見たものでございます。DPC病院に関しまして分子を見 ていただきますと、平成14年度のE−2のところを見ていただきますと3197から、平成 16年度では4271ということでございまして、その割合も2.19%から2.81%というふう に増加しておるということでございます。  次に27ページから、別紙7について御説明をさせていただきます。28ページをおめく りいただけますでしょうか。こちらは「入院外来比率」ということでございます。こち らも次の議題の評価の視点のところに話題として入ってございますが、これは平成14年 度のデータをとってございませんので、厳密に14年度の比較ということはできないので すが、「H15年、H16年の入院外来比率の比較」というものは下に書いてございます。 下の表を2つ比べていただきまして、右側にH15入院外来比率1.82というものがござ いまして、その下の表にH16入院外来比率1.68というものがございます。入院に対し て外来の持つ比率でございまして、逆にこれで申し上げられますのは、外来の比率がだ んだん減ってきておるということでございます。  しばらく飛ばしていただきまして、37 ページをおあけいただけますでしょうか。高 度医療が減っていないかという御指摘を評価の視点でいただいておりまして、「高度医 療の提供実績」ということでございます。何が高度医療というかは確かに御議論があろ うかと思いますが、例えば治験契約件数ですとか移植の件数とかでこちらを見てござい ます。御注意いただきたいのは、この表で14年度年間、15年度年間、16年度前半となっ てございまして、これは半年間の数でございますので、物によって増減はございますけ れども、16年度のものに関しましては2を掛けて見ていただければ、大体比較できる数 になるのではないかと考えております。  こうやって見ていきますと、治験契約件数、そして一番下の治験完全実施率、あと真 ん中の治験実施件数も、14年度から15年度で若干減ったところがあったのですが、16年 度はかなり増えてきておるところが見てとれるかと思います。  次の38ページに行きまして、こちらは移植の件数でございます。もちろんドナーの数 というものに随分影響される数であるとは思いますが、例えば真ん中の表でございます が腎臓移植の件数は、DPC病院で14年度に7.9件だったものが16年度前半で5.5件 ということでございます。ほかに、一番下の造血細胞移植、これは骨髄移植、末梢血幹 細胞移植、臍帯血移植すべて含んでという数でございますが、DPC病院では14年度で は20.8件だったものが、16年度前半で12.4件という数が見られております。16年度の 数を倍いたしますとそんなに減ってはいないと。逆に増える傾向にあるのではないかな というようなことが言えるかと思います。  またしばらく飛んでいきまして、42ページをおあけいただけますでしょうか。こちら は前回にもお出ししておった資料でございますが、CPC(Clinical Pathological Conference)の開催回数についてでございます。これも次の評価の視点での御議論の 数かと思います。まず、7)CPC(臨床病理検討会)の開催回数というところがござ いますが、平成15年度は2.6回、それが16年度のDPC病院におきましては2.7回 と、微増ということでございます。  また47ページまで飛んでいただけますでしょうか。こちらは「医療の安全に関する取 り組み」というところでございまして、医療にかかる安全管理のための委員会の職種別 人数ということでございます。前回提出資料では、全体として26人というところだった のですが、これが今回平成16年度では29人、3名ほど増えておるというデータが出てお ります。その後(1)〜(4)まで、職種毎に数が出ております。一番聞いておりますのは、 医師の数が増えたというところだと思います。  次に49ページをおあけいただけますでしょうか。こちらは「医療にかかる安全管理の ための委員会の年間開催回数」ということでございまして、これは平成15年の数が16回 だったものが、失礼しました、これは右側の表が違ってございまして、「医療機関数」 の下が「平成15年度年間」となっていますが、ここは「平成16年度年間」でございまし て、こちらは18.3回というふうに増加しておるということでございます。  またしばらく飛んでいきまして、52ページをおあけいただけますでしょうか。これも 前回に出した資料でございますが、「医療の質の取り組み状況」というところで、例を (1)、(2)、(3)というふうに分けてございます。患者満足度調査の実施、そして日本医 療機能評価機構による医療機能評価の認定、あとはクリニカルパスの導入でございま す。件数といたしまして患者満足度調査に関しましては、平成15年で59件だったもの が、これは17年1月現在でございますが60件になっております。あとは、日本医療機能 評価機構の認定でございますが、28件から17年1月現在で38件に変わっております。ク リニカルパスの導入に関しましては変化はございませんが、最後の53ページに数及びそ の適用割合が出てございまして、こちらをごらんいただきますと、まずクリニカルパス の数ということでございますが、平成15年11月では90、そして平成17年1月現在では 103というふうに増えてございます。それから、クリニカルパス自体どのぐらい患者さ んに適用しているかということが下に書いてございまして、それが平成15年11月では 20.0%だったものが、17年1月では24.6%というふうに増えてきております。  後半の方は15年と17年、あるいは15年と16年の比較でありまして、厳密にDPC導入 による変化とはいえないところがございますが、一応その傾向は出ておるのかなと。あ とはDPCの導入そのものよりも、医療全体がクリニカルパスを導入するですとか、そ ういうふうな方向に向いておるというところも割り引いて考える必要があろうかと思い ます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。御質問、御意見はございますでしょうか。はい、どうぞ、 齋藤委員。 ○齋藤委員  医師の数が増えている傾向があるというような意見がありましたが、現実の病院の医 療の実態を見ますと、臨床研修必修化に伴って、いわゆる主として地方都市などで医師 の空洞化が多くの病院で起こっていて、病院の運営そのものがかなり危機的な状況にあ ると。そういう状況を踏まえてこのデータと重ね合わせると、「うちの病院なんかでは とてもDPCどころじゃない」というような病院が今後続出してきても、またこれは問 題かなという気がするのですが、医師の数が増えるとか、じゃ、医師がたくさんいるの かとか、そういう議論にこのデータが連動してこないかどうか。そして、多くの病院が DPCを導入する土壌があるのかどうかということが、このアウトカムから何か見える でしょうか。 ○眞鍋補佐  事務局から参考になる資料で、これは私は御紹介申し上げなかったのですが、39ペー ジをおあけいただけますでしょうか。こちらは「教育研修機能」というカテゴリーでご ざいまして、ここに指導医の数とか、あるいは経験5年以上の医師数というものを書か せていただいております。実はこれは、平成16年4月から臨床研修制度が必修化されて ございまして、それでDPC提供病院におきましても指導医の数を増やしてきていると ころが見てとれる資料かなと考えてございます。指導医の数にあらわれておると思いま すが、平成14年度で180人でしたものが、平成15年度で、これは必修化前年でございま すけれども、そのために準備ということもあろうかと思いますが、増えております。逆 に平成16年11月は若干減っておるというような状況です。ここをどう解釈するかという ところがあるのだろうなとは思っております。 ○齋藤委員  今後中医協などの議論で、このDPC適用病院を日本で広めていこうということを考 えたときに、例えば医師の必要度というものが変わらないのかどうか。医師が十分充足 したところにしか結局使えないシステムなのではないかとか、そういう危惧も。それは さっきの看護必要度の議論ともある程度連動するのですが、重症の忙しい患者さんたち がどんどん入ってくることが、その病院の経営も支えるということになってくると、ち ょっとまた別種類の病院群のこともこのアウトカムと連動して考えていけないのかなと いう気がいたしました。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。多分これは今DPC病院だけの数値しか比較数値がござい ませんので、これを何年間か蓄積いたしますと試行病院その他のデータが出てきて、そ こがはっきりしてくるのかなと考えるのですが。池上委員、どうぞ。 ○池上委員  すいません、別の件でよろしいでしょうか。一部最高と最低の数値を示していただい たのですが、例えば全身麻酔の件数とか、あるいはADLの問題、あるいは差し支えな い範囲であまり件数が少ないと問題かもしれませんが移植の件数とか、これもDPC対 象病院発足時のDPC対象病院の中でもかなりの幅があることは、これだけ見てもわか るんですけれども、最高と最低の幅を示していただければ、今後DPC病院が均一であ るという前提で議論していいかどうかを含めて参考になると思いますので、差し支えな い範囲でお示しいただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。それは入れられると思いますので、最後の報告書のところに は、そこまで入れていただくようにいたしたいと思います。  それでは、時間が大分たってしまったので申し訳ございません。いろいろ議論いただ きましたものを踏まえまして、各委員及び事務局におかれましては、報告書の作成を行 っていただくようお願いいたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしま す。  続きまして、審議事項の2に移りたいと思います。これは資料D−10に沿って御議論 いただけたらと思います。「DPC導入の影響評価に係る調査項目及び評価の視点」に 沿って、総括的な評価を事務局及び御担当の委員からお願いしたいと思っております。  それでは、まず診断群分類の妥当性に関しまして、齋藤委員より総括的なコメントを お願いします。 ○齋藤委員  先ほど一部申し上げましたけれども、例えば高齢者、重症者をはじく傾向はないか、 あるいは在院日数が長いものについてそっちにシフトして、包括点数の高いものにシフ トしていく傾向がないか、といったような評価の視点が出されております。そのような 傾向は15領域それぞれ御検討いただいておりますが、見られないという御指摘でござい ます。それで、例えば糖尿病性の目の疾患、白内障などについて、さらにケース・バイ ・ケースで見た方がいいだろうというような意見は出されております。そのようなとこ ろでよろしゅうございましょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。それでは続きまして、診療内容の変化につきまして、事務局 の方からお願いいたします。 ○眞鍋補佐  それでは資料D−10の2ページでございます。実はここはかなりデータを見ることに なってございまして、今日は分厚い資料をたくさんD−2〜9までお配りしております が、これを結構行ったり来たりさせていただくことになろうかと思いますが、ちょっと 辛抱しておつき合いいただければと思います。  それでは、早速まず平均在院日数の変化のところでございまして、1つ目の○で、包 括評価制度の導入前後を比較して、相対的に在院日数が短かった病院における入院日数 の延長がないかどうかということでございます。こちらにつきまして、この分厚いD− 2の12ページ、また非常に細かい表で大変申し訳ございません。これで問いに答えると いたしますと、また虫眼鏡等を御利用いただければと思いますが、平成14年度の平均値 は21.22日でございまして、この在院日数より短い病院が30ございました。そのうち、 若干でございますが、平均在院日数が延びております病院が3病院ございまして、です ので30分の27では短縮しておりまして、そのうち3病院では延長しておったということ で、全体としては延長はないというふうに言ってよろしいのではないかなと考えており ます。  次の○でございますが、包括評価制度の導入前後を比較して、在院日数に応じた評価 の基準日数までの入院が増えていないか。そして次の○も一緒に御説明させていただき ます。包括評価制度の導入前後を比較して、在院日数の短縮化が進む中で、病床利用率 が変化していないかということでございまして、これはD−10のこの今ごらんいただい ている資料に別添をつけてございます。7、8、9ページをごらんいただきますと、こ ちらにグラフが3つついてございまして、「在院日数に応じた評価の基準日数までの入 院」ということで、平成14年度、平成15年度、平成16年度におきまして、小腸大腸の良 性疾患、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術で副傷病なしというものについて比べたも のでございますが、入院期間I、II、そして特定入院期間というふうにございます。  次のページが、こちらは2型の糖尿病で手術なし、副傷病なしというデータでござい ます。こちらも入院期間I、II、そして特定入院期間の線を入れさせていただいて、そ れぞれ患者さんがどれぐらいいたかということを示させていただいております。  そして9ページにおきましては、こちらは卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍で手術なし、 副傷病なしということで、こういったものを取り出させていただきまして、傾向を見さ せていただきました。  全体を通じて言えますのは、疾患に応じまして、もちろん糖尿病ですとグラフの真ん 中に山があったりというところはありますが、この入院期間I、II、そして特定入院期 間に合わせて極端に入退院の状況を変える、あるいはそこまで入院させて後がクッと減 るというような、極端な傾向は見えていないと考えております。  それから、同じ資料の10ページでございます。こちらもまた縦長で大変恐縮でござい ますが、「一般病床の稼働病床数及び病床利用率」ということでございまして、別添3 の一番下のところに稼働病床数と病床利用率を経年で書いてございます。計といたしま して、平成14年の病床利用率が84.8%、平成15年が84.6%、平成16年が83.6%とい うふうになってございまして、漸減といいますか少しずつ減ってはおります。これは在 院日数が短くなったことによるのかどうか、そこら辺は御議論が必要だと思いますが、 このような状況でございます。  これで○の3つ目まで説明いたしました。  次に2−3入院・外来比率でございます。こちらは先ほどアウトカム評価のところで 申し上げましたが、包括評価制度の導入前後を比較して、入院・外来比率が変化してい ないか。もう資料に戻ることはいたしませんが、先ほどのアウトカム評価のところでコ メントを申し上げたとおりでございまして、入院と外来の比率が1.82から1.68という ふうに減ってございまして、外来患者の入院に対する比率が減っております。これも外 来患者数の割合が相対的に減っておるという状況が見てとれるところでございます。  次に2−4入院経路、退院先でございます。こちらは、包括評価制度の導入前後を比 較して、在院日数の短縮化が進む中で、入院経路、退院先が変化していないかというこ とでございます。こちらもD−2のこの分厚い資料の23〜26ページで御説明いたしたい と思います。  この分厚い資料の23、24、25ページは、紹介患者、緊急入院、救急車による搬送で、 率は減っておりますが実数としては上昇しておりますということで、入院経路としては こういう状況でありますということでございます。  26ページが退院の状況でございます。退院の状況を見ていただきますと、こちら一番 下の長いところが「外来自院」というところでございまして、DPC対象病院におきま しては自院の外来移行、またそこで患者さんを診ているという方が、割合としては増え てきておるということが見てとれるかと思います。  続きまして、次の○でございまして、退院時転帰というところで、包括評価制度の導 入前後を比較して、在院日数の短縮化が進む中で、退院時転帰が変化していないかとい うもので、D−2の次の27ページを見ていただきますと、これは前回3月23日も出して おったグラフでございますが、「退院時転帰の状況」というところで、左側3本の縦の 棒グラフがDPC対象病院の傾向でございます。「治癒」のところに関しましては減っ ておる傾向ということでございます。それが、「軽快」と「治癒」を足しますと8割程 度で同じと。それからあと、「医療資源を最も投入した傷病による死亡」というのが、 こちらはDPC対象病院の平成14年度でいきますと、上から2.21%、それから少し濃 い棒がございまして2.35%とございますが、この2.35%のところでございます。こち ら「医療資源を最も投入した傷病による死亡」というものが2.35%ということで、あ まり変わっていないということでございます。  次に2−6、退院後転帰でございますが、こちらの方に関しましては、調査の設計上 ちょっと把握できてございません。  次に2−7の再入院率でございます。こちらの方は、再入院の調査を担当されました 先生からお願いいたしたいと思います。 ○西岡分科会長  安川委員の方からお願いいたします。 ○安川委員  D−4の資料を参考にしてください。まず、包括評価制度の導入前後を比較して、短 期間で再入院した患者の率が増加していないかと、こういうことでございます。短期間 というのは一応6週間と定義をいたしました。それで収集された結果が、「病院区分・ 年度別再入院率」というグラフになってございますが、これでごらんいただきますと、 DPC病院、DPC試行的適用病院、DPC調査協力病院、ともにわずか増えておりま す。年度間を比較いたしますと、増加率は0.5〜1.5%のところでございます。  次に、包括評価制度の導入前後を比較して、同じ疾患または続発症により再入院した 患者の率が変化していないか、こういうことでございます。次の資料の「再入院患者の 推移」というところで、前回入院と同一傷病名という部分と、別傷病名というこの2つ に分かれておりますが、この同一傷病名による再入院率を見ていただきたいと思いま す。このうち、DPC病院におきましては、「計画的再入院」が増加しておりますが、 「予期された再入院」または「予期せぬ再入院」というのには大きな変化は見られてお りません。この「計画的再入院」で増えている理由としては、先ほど説明いたしました 化学療法・放射線療法の占める割合が非常に大きくなっておったということがこれのあ らわれであろうと、このように考えております。試行的適用病院や調査協力病院におき ましては、各入院理由ともわずかには増加しておりますが、特に大きな変化はございま せん。  それから、包括評価制度の導入前後を比較して、予期しない再入院が増加していない かということは、13ページでございます。「予期せぬ再入院における理由」ということ で、DPC病院におきましては各入院理由ともごくわずかに増えてございますが、16年 度は少し下がっております。試行的適用病院は各理由とも増加しております。これが全 体の再入院率を押し上げておるというような感じでございます。ちょうどこの傾向はD PC病院におきまして、14年度から15年度に移行する時期とよく似ておるようなパター ンではないかと考えております。もちろん「他疾患発症のため」というのがかなり大き なウエイトを占めておりますが、傾向といたしましては、DPC病院の14年度から15年 度への移行によく似たようなパターンではないかと、このように考えております。調査 協力病院もよく似た傾向でございます。  4番目が、術前化学療法などの計画的な入退院が影響していないかということでござ いますが、先ほどお話ししましたように、計画的再入院が増加しておりますのは、化学 療法・放射線療法の影響が大きいと、このように考えております。特にDPC病院にお きましては、この再入院の増加にかなり大きな影響をしておるように思います。先ほど 申し上げましたことを簡単にまとめますと、DPC病院におきましてはMDC12の婦人 科的な疾患、それと04の肺、呼吸器、この辺の増加がかなり目立つということでござい ます。それから、傷病名から言いますと、卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍、子宮頸・体部 の悪性腫瘍、肺の悪性腫瘍、この該当する症例が増えております。DPC試行的適用病 院におきましては、わずかに増えておりますが、DPC病院ほど著名な増加は示してお りません。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。結論は出しにくいのですが、特にこの調査会で問題になって おります粗診粗療につながっていないかということは、否定的であるということでよろ しいでしょうか。 ○安川委員  否定的に見ていいのではないかと考えております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○柿田委員  前回の導入のときに大分御指摘があった、意図的再入院の懸念問題ですね。やはり、 肺、婦人科系疾患の化学療法が多いということですが、最近の傾向からすると、外来の 化学療法も増えてはいるけれども、逆にワンショットののち、3〜4週間あけて6回ク ールのプロトコールなどがありますが、これですと必ず再入院させざるを得ないわけ で、それが肺がん、あるいは婦人科系疾患に非常に多いということかと思います。従来 は、3週間継続して入院のままというのがあったと思いますが、その辺が整理されてき たということであって、これは決して粗診粗療でもないし、まさに化学療法のプロトコ ルのゆえであるといえると思います。一方で外来の化学療法も増えているわけですか ら、これはこれでこのデータそのものだというふうな感じがするのですが、お調べいた だいた安川委員、どうでしょうか。 ○安川委員  このデータから、化学療法に対する医師の考え方が非常に変わってきたということが 一点ございます。それと、投与方法ないし薬も変わってきた点。したがって、例えば婦 人科的な疾患でいいましても、週の当初1〜2回、かなり厳しい静脈注射で点滴皮下で 抗がん剤を入れまして、次の週、しばらくしてからまた試行すると。以前だったら2週 間、3週間そういう繰り返しの治療をずっと継続して入院しておられた。しかし、患者 さんに相談しても、「いや、この程度だったら私は家庭で、家で静養しますよ」という 方が増えてきたと。一昨日、私はちょっと婦人科の医者に「婦人科の先生はこれをどう いうふうに考えますか」ということで聞いてみたのですが、患者さんがとにかくもう病 院におるよりも、QOLと申しますか、投薬しない間は家庭の中で療養したいと。この 希望がかなり強いとおっしゃっておられました。したがいまして、この再入院の間隔を 見ましても、退院されましてから2週間以内までが80〜90%を占めておるんですね。そ ういうあたりから見ましても、短期間に高濃度の投薬をして、そしてあとは自宅でしば らく静養される。そしてまた時期が来れば入院されると、こういうような傾向がここに 出ておるのではないかと。これは肺がんにつきましても同じ傾向かと思われます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。医療の効率化と、医療の進歩そのもの が影響しているところが大きいのではないかと考えられます。  それではさらに続きまして、事務局の方にお願いいたします。 ○眞鍋補佐  続けてやらせていただきます。2−9でございますが、転院先の医療機関における医 療従事者の満足度が変化していないかということでございます。時間も押してございま すので、一々資料をおめくりいただくようなことはちょっと避けさせていただこうと思 います。D−7の「医療の達成度、患者満足度に係わる調査」のところで、そちらの54 ページに、医療従事者の納得度が非常に高いというふうな傾向が出てございました。ま ずここはその結果の御紹介でございます。  それから3ページに行きまして、2−10、2−11をまとめて御紹介させていただきま す。1つ目の「・」で、包括評価制度の導入前後を比較して、γグロブリン製剤、制吐 剤、ステロイド剤、あるいはその下のポツでは高額な抗がん剤の使用状況が変化してい ないかというところでございます。こちらに関しましては、先ほど伊藤委員から御紹介 いただきましたとおりでございまして、プロトコル数も上がっておりますし、全体とし ては増えているような形でございました。と同時に、またそれは今御議論がございまし たように、治療法の影響もあるのだろうと考えております。  次のポツの適応外使用でございますが、こちらは右側で把握の可否が−でございまし て、こちらもちょっと今把握してきてございません。  それから、後発医薬品の採用状況がどうなっているかということでございますが、こ れも私が医薬品・医療材料の調査の中で御報告申し上げましたとおり、11ページにござ いますが、増加しておるというような状況が見てとれるかと思います。  次の○でございまして、包括評価制度の導入前後を比較して、検査等の実施状況が変 化していないかということで、2つの「・」がございます。包括評価制度の導入前後を 比較して、画像診断、病理組織検査、時間を要する高度な検査の実施状況が変化してい ないかということでございますが、こちらはMDC毎の作業班でも御議論いただきまし たけれども、そういったDPCが入ったことによってかなりこの指示が変わるというよ うなことに関しては、変化があるとは聞いていないということでございました。  次の「・」の、外来にうつせるような、あるいは他医療機関で実施できるような検 査、投薬の実施状況が変化していないかということでございますが、こちらは先ほどの 医薬品・医療材料、検査・画像診断の状況の調査の19ページに、大分検査に関しまして 外来にうつせるものはうつしているというような状況は出ているところでございます。  次の○でございまして、包括評価制度の導入前後を比較して、中心静脈注射による高 カロリー輸液療法の実施状況が変化していないかということでございます。これはこの 資料の別添4につけてございまして、ページ数で申し上げますと11ページでございま す。「中心静脈注射実施件数の年次推移」というものを見てございます。こちらの方で 上からDPC病院、試行的適用病院、調査協力病院となってございまして、左から中心 静脈注射なし、あり、合計ということでございます。平成14年、平成15年、平成16年を 見ていただきまして、DPC病院では226,805件からだんだん増えてきておるという状 況でございます。ただ、一番右の実施割合を見ていただきますと、8.36%から7.99 %、6.56%と、割合としてはちょっと下がってきておるというところでございます。 これは試行的適用病院でも平成15年、平成16年で割合は5.17%から4.57%と下がって おります。調査協力病院でも減少傾向にあるというところは見えてございます。  次にまた3ページに戻りまして、ハイリスク患者、または重症例の過小診療が行われ ていないか。合併症、併存症に対する治療が適切に行われているか。転科して治療を行 う率が低下していないかということでございますが、これもハイリスクや重症例の定義 に関しましてちょっと議論がございまして、今回データを出すには至っていないところ でございます。  それから、手術等の出来高となっている診療行為の実施状況が変化していないかとい う問いがございますが、これはまた別添5につけてございまして、12ページでございま す。こちらは「主要手術実施件数の推移」ということでございます。これでK0821(人 工関節置換術)から6つの例を取り出させていただいております。見ていただきます と、例えば人工関節置換術ですと平成14年は2133件、平成15年は2428件、逆に平成16年 は若干でございますが下がっておりまして2414件、次のK2824(白内障手術)は一貫し て上がってございまして、平成14年の10017件から平成16年で11565件と。眼内レンズも 同じように上がっております。次に胃切除術の悪性腫瘍手術でございますが、これも増 加の傾向にございます。また、次の腹腔鏡胆嚢摘出術でございますが、これは平成15年 に若干上がったのですが、平成16年に下がっております。逆に次の子宮附属器の腫瘍摘 出術(両側)によるものに関しましては、平成14年から平成15年に若干下がって平成16 年でかなり上がったという状況が見てとれております。ただ、大きな傾向というものは 見られないというような状況ではないかと思っております。  次の4ページでございますが、2−12といたしまして医療の達成度、患者満足度とい うことでございます。先生の資料を私の方で引用させていただいて大変恐縮でございま すが、D−7の「医療の達成度、患者満足度に係わる調査」のところで、医療の達成度 に関しましても50ページの方では高く出ておるというのもございますし、あとは3つ目 の○の患者満足度が変化していないかのところにつきましても、先ほど委員から御発言 がありましたとおり、満足度は高く推移しておるということでございます。  それから2つ目と4つ目の○に関しましては、現時点では評価のためのデータの収集 は困難であるというところでございました。  続きまして2−13、アウトカム評価、臨床指標のところでございます。手術の成功 率、外科手術における再手術率、救急外来受診率、5年生存率が変化していないかとい うことでございますが、ここでは救急外来受診率を最初にD−2の資料で御説明申し上 げたと思いますが、割合は減っておりましたけれども、実数としては増加しておるとい うところはとれてございます。  次に看護の必要度に関しましても、先ほど先生の方から御紹介がありましたとおり、 ここは御議論があったところでございます。  5ページでございますが、こちらは医療機関の機能の変化というところでございま す。高度医療の提供実績で、高度先進医療、臓器移植、治験の種類と数が変化していな いか。私が資料の説明の際に御紹介申し上げまして、増加しておる傾向にございます。 これはD−9の37ページを見ていただければと思います。  次に、新医療技術の導入が阻害されていないか。包括評価導入後、薬価基準に新たに 追加された薬剤の使用が阻害されていないかということでございますが、これはMDC 毎の作業班で各MDC毎に見ていただいておりますけれども、特段阻害されておるよう なことはないと聞いてございます。  それから、教育研修機能というところで、先ほど御質問に若干資料を御紹介する形で 御説明申し上げまして、指導医の数、あるいは5年以上の経験の医師の数というのは増 えておったというところでございました。  次に、地域医療との連携状況でございますが、地域医療との連携状況の違いに地域特 性が影響していないかというところでございまして、特段の影響はないという状況だっ たと思っております。  次に医療の質に関する取り組みでございまして、これもアウトカム評価の中で、院内 委員会あるいはクリニカルパスの数等を御紹介させていただきました。こちらの院内委 員会、例えばCPCの数におきますと2.6回から2.7回に、平成15年から16年で変化 しております。それからクリニカルパスの数も69から72に増加しておりまして、適用割 合も20%から24.6%に増加しておるというのは御紹介申し上げたところでございます。  それから、医療の提供体制といたしまして、組織、マンパワーの変化、それと看護師 比率ということでございますが、看護師比率だけ若干ページで御説明申し上げたいと思 います。D−9のアウトカム評価の50ページをごらんいただけますでしょうか。こちら は1)が看護職員一人当たりの患者数、それから2)といたしまして専門看護師・認定 看護師数ということでございますが、看護職員一人当たりの患者数に関しましては、平 成14年、15年、15年が落ちているのはちょっとデータの精査をしたところでございます が、若干落ちていると。それが平成16年におきまして1.56人というふうに上がってお る、増加しておるということは言えるのではないかと。それから2)の専門看護師・認 定看護師数に関しましては、両方とも増えておるというような状況が見てとれておりま す。  最後は駆け足になりまして大変恐縮でございました。以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。的確に御報告いただきました。今の件に関しまして何か御質 問、御意見はございますでしょうか。はい、どうぞ、池上委員。 ○池上委員  今の3ページでまだペンディングとなっております2−11の適応外使用の状況につい ては、把握をどうするかということが決まっていないということで、これは早急に決め ないとわからないままになってしまいますので、療養担当規則がDPC対象病院におい ても適用されるかどうか。されていないという前課長のお話もあったのですが、それを 検証する意味もあって重要だと思いますので、2つの方法があると思います。一つは、 今課題になっているのは主として抗がん剤でありますので、抗がん剤についてデータベ ースからピックアップできるかどうか。もう一つの方法は、比較的よく使うDPC分類 を選び出して、そこにおける実際にどういう抗がん剤を使用しているかと。どちらか容 易の方をサンプリングでも結構ですので、実施していただければ幸いでございます。 ○西岡分科会長  よろしいですか。はい、どうぞ。 ○眞鍋補佐  一応この表で、把握の可否に関しまして今バーがついてございます。これは確かに調 査をこういうふうにつくりますといったときにも、なかなか把握が厳しいですよねとい うところでバーがついておるところでございますが、今、池上委員から御指摘がござい ましたので、ここはどちらかというと例えばDPCの分類のことですと、MDC毎の作 業班で今後分類を見直すときに検討していけるのではないかなと思って今しております が、引き続きここに関しましては……。この報告といたしましては、そもそも把握でき ないということが前提で進んでおりましたので、今回はこれで。今後MDC毎の見直し というところで検討などさせていただければと思います。 ○西岡分科会長  これは最初のところで非常に難しいのではないかという御議論になっていたと思うの ですが、今、池上委員が言われたような形での調査というのはまたでき上がってくると 思いますので、引き続きそれをやる形になろうかと思います。よろしいでしょうか。適 応外使用全部に広げますとものすごく難しい調査になってしまいます。ほかに御意見は ございますでしょうか。では、ありがとうございます。  今日は「DPC導入の影響評価のための調査報告」及び「DPC導入の影響評価に係 る調査項目及び評価の視点」に関して御議論いただいたわけでございますが、当分科会 としては、この御議論されました結果を中医協の基本問題小委員会に御報告することに なっております。御報告は私の方からやらせていただきますが、最終の報告内容につき ましては、今日の御議論を踏まえた上でつくっていきたいと思いますので、私の方に御 一任いただければと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。                  (異議なし)  ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。  それでは、審議事項の3に移らせていただきたいと思います。平成17年度の調査につ いてでございます。これは事務局の方から御説明をお願いできますでしょうか。 ○眞鍋補佐  それでは1枚紙の資料でございます。診調組D−11、「平成17年度におけるDPCに 関する調査について」ということでございます。昨年度、平成16年度におきましては、 DPC導入の影響評価のために、当分科会の結論を踏まえ、下記(1)〜(9)の調査が行わ れたところであります。うち、(3)〜(9)に関しましては、特別調査といたしまして新た に行ったものということでございます。  今年度の調査をどうしますかということでございますが、平成17年度調査につきまし ては、平成16年度、昨年度に行われた(3)〜(9)の調査において把握された項目のうち、 DPC評価に有用なものについては引き続き調査することとしてはどうか。その際、可 能な限り(1)、(2)、これは定例的にやっているものでございますが、こういった(1)、 (2)の調査の改善、バージョンアップによって対応することとして、調査体系自体は簡 素化を図ることとしてはどうかと考えております。  以上です。 ○西岡分科会長  今の御提案に関しましていかがでしょうか。というのは、調査をされる記入者の方の マンパワーがすごく要るという評価もございますので、簡素化できるところはぜひとも 簡素化して、その労力を減らすことが必要かと思いますが、これに関しまして、それも 含めて御議論いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。はい、どうぞ、齋藤委 員。 ○齋藤委員  今DPC試行もしていないし、導入もしていないし、DPC病院でもない、いわゆる 200床〜150床規模の病院が、DPCを導入するかどうかということについて、非常な迷 いがあるんですね。私は日本病院会でいつも議論を聞いているのですが。そういうもの についての一種の示唆というか、ガイドラインになるような情報も、今回の調査を整理 することで少し発信できればなという気がします。それは例えばDPC導入後に平均在 院日数が短くなって、ただ病床占有率はあまり変わっていないというDPC病院の成績 ですが、細かく見ますと北海道の札幌医大や旭川医大、それから岩手医大などでは、や はり相当減っているんですね。そういうふうに地域性とか病院特性とかそういうミクロ の視点で見ないと、全体としてはオーケーだといっても、じゃ、自分の病院でDPCを 導入しても大丈夫なんだろうかという不安がかなり広がりつつあるので、そういう視点 での調査ないし今までの成績の整理、見直しでもよろしいのですが、そういう視点が少 し取り入れられてもいいのかなという気がいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。このDPCの病院をさらに広げていくかどうか、これは中医 協の御議論によるところになるのですが、一般の病院の方々の御意見を伺いますと、齋 藤委員がおっしゃったみたいに入るべきか、入らざるべきかというところで、かなり迷 っておられるところがあるかと思います。それに対する情報提供という形で、今までの データを整理しながらやっていくということが必要かと思います。松田委員、どうぞ。 ○松田委員  実際に大学病院などもそうですが、やはり臨床研修必修化の問題、それからもろもろ のいろいろな機能評価の問題、あるいはCBTの問題などがありまして、非常に現場の 人たちの負担が多くなっているというのが現状でございます。やはりこのままでいろい ろやっていくのはなかなか。特に今年度のことを考えますと、調査がいろいろ入ってき ますので厳しいのかなと思っております。そういう意味では、この評価分科会でいただ いた粗診粗療の有無ということに関する評価は、ある程度答えが出せているのではない か。あまり悪い影響は出ていないということが言えるのではないかなと思いますが。  そういう意味で、できればやはりレセプトと……。DPCそのものはレセプトデータ ダウンロード方式ということでやっていますので、レセプトの情報をかなり使っており ます。ですから、そのレセプトの情報と、今の様式1と言われていますか、あるいは E、Fファイル、そういうもので対応できるものはなるべく対応するという形で、調査 の簡素化というのをやっていかないと、今年度ちょっと厳しいのかなと考えています。  また、そういう形で簡素化をしますと、DPCに参加しない病院でも、そういうレセ プトの情報を使いながらここで公開されるようなデータと比較ができますので、そうい うものを通してDPCに参加する、しないということを考えている先生、施設の方にも 対応を。データに基づいて考えていただくことが可能になると思いますので、できれば 現行の様式1と言われているものと、E、Fファイルからのレセプトで把握できるよう な情報を最大限活用する方法で、調査項目の絞り込みというのをやっていただけたらな と思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見です。池上委員、どうぞ。 ○池上委員  もう一つは、16年度についてはフィジビリティーだけを調査して、保険者の調査、あ るいは支払基金についての調査、これについてはこれまで御負担をかけていないのです が、中医協の構成からすると御協力いただくべき立場にあると思いますので、この点に ついても御検討いただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ。 ○酒巻委員  資料の方には最後のところに、こういう計画でという調査書の計画は出させていただ いたのですが、それを議論していただいて、この形で出していただけるのかどうかとい うところも、保険者側から御意見をいただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。はい、どうぞ。 ○小島委員  看護の立場で発言させていただきますが、このたび初めてこの特別調査委員会に看護 必要度等の調査で参加させていただきまして、実際に病院で働いておりますと、平成11 年のころから比べますと、確かに看護度、ケア度は高まっているというのが実感でござ います。そういった観点からも、このたび行われました看護の必要度の特別調査等、定 期的に調査が必要ではないかと思っておりますので、その意見を言わせていただきたい と思っております。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  はい、三上委員、どうぞ。 ○三上委員  粗診粗療の件については、今回あまり影響がなかったということだったのですが、そ の一番大きな理由というのは、やはりDPCの方が出来高よりも少し有利のような設定 に現在なっているので、今までどおりやっていてもそれほど気にしなくていいというこ とです。本来、粗診粗療が起こるのは、DPCで点数が出来高より低く設定されるよう な状況が起こった場合に、そういうことが起こるんじゃないかということを危惧される わけですから、先ほど最大、最小というのがありましたけれども、このDPC病院の中 でもいろいろな病院がありますので、それぞれの状況に応じて個別に分析をするという ことが必要ではないかと思います。  それとまた、平均在院日数の短縮があって、なおかつ紹介率あるいは緊急入院率、救 急搬送率が下がっているにもかかわらず、非常に患者数が増えているということになり ますと、DPCを導入していない同じような急性期をやる病院から、患者さんがそちら に流れている可能性があって、それがDPCの影響ではないかということなので、DP C導入以外の病院に対する調査もひょっとしたら必要ではないかという感じがいたしま す。それはドクターの引き上げだとか、そういった面でも影響の可能性があるので、そ ちらの病院の方の調査もしていただければと思っております。 ○西岡分科会長  どうぞ、安川委員。 ○安川委員  齋藤委員なり松田委員がおっしゃったように、今200床前後の中病院がDPCを実施 するかどうかで非常に迷っておるわけでございます。私の病院も以前このDPCを実施 する場合に、何を一番やっておってよかったかということになりますと、その当時はD RGの厚生労働省指導での基礎調査、そしてまたEファイル、Fファイル、こういうよ うな調査に協力させていただいたということが、非常にこのDPCに対する認識、そし てまた導入のしやすさということに大きな影響があったように思いますので、できまし たらかなりの病院にこういう調査だけでもやっていただくというようなことはできない のでしょうか。その辺を少し私は希望するものでございます。私もそういうことを時々 聞かれますので、ちょっと参考までに発言をさせていただきました。 ○西岡分科会長  これはちょっと今の段階でそこまではお答えできないですが、こういった同じ尺度で の調査を各病院でやっていただくということは、医療の質を向上させるためには非常に 重要なことではないかと思います。これをどういうふうに広げていくかに関しては、こ れは中医協マターになりますので、ここではそこまでは出せないと思いますが、御提案 をするということは可能かと思います。 ○安川委員  こういう調査をするという体制を早くとらせてあげた方がいいのではないかと、この ように思っております。 ○西岡分科会長  はい。ありがとうございます。ほかに、どうぞ。 ○齋藤委員  一つよろしいですか。これは私の病院でのインプレッションですが、粗診粗療という のはかなり起こりにくい構造だなという気がいたします。例えば粗診粗療をして治らな いで、在院日数がずるずる延びますと、たちまち診療報酬は包括の点数として下がって まいりますから。例えば合併症が起こるとか、褥瘡が起こるとか、肺炎が起こるという ふうになれば、たちまち病院の利益がどんどん減る構造になっているのと、患者さんた ちの医療に対する評価というのは予想以上に適切で厳しくなってきていますから、粗診 粗療があるとその病院から離れていって、どちらかというと空床が発生しがちですが、 それを埋め尽くすだけの患者による病院選択があるかどうかは、これはいい医療を提供 しているかどうかにかなり依存してくると思います。そういう点で、1年間やってみ て、DPCというのはやはりかなり行き届いた制度だなという印象を持っておりますの で、ちょっとコメントさせていただきました。 ○西岡分科会長  力強いお言葉でありがとうございます。どうぞ、山口委員。 ○山口委員  報告に関しましてはもちろん分科会長にお任せしたいと思いますが、この調査という のは、結局結論としては大きな問題はないということには私も大変同意するのですが、 皆さんDPCを広げるという話をされていますけれども、広げてよいのかという観点に ついてはまだ何も結論は出ていないと思うんですね。ですから、そういう答え方をすべ きではなくて、大きな問題はなかったということにとどめていただかないと、これで大 変メリットが出てきたのでDPCを全国に広げようなんていうことは決してないと思い ますし、私自身の病院も入っていませんが、これに入るべきかといったら私は入らない と思います。というのは、例えば事務の負担とか大変大きいので。DPC分類を取り入 れることには賛成で、例えばDPC分類に基づいて出来高であるとか、そういう方法も あって、ちょっとそれは別に考えていただきたいというのが私の希望です。 ○西岡分科会長  この分科会は、DPC導入することによって粗診粗療が起こったかどうかということ に対する調査が主目的でございます。DPC病院を広げるかどうか、これは中医協の方 の御議論を待たなければいけませんので、そこまでは立ち入れません。ですから、報告 の基本としては、このDPC導入によっていろいろな項目を挙げていただきましたその 項目に従って、粗診粗療の方向に向かったか、向かわなかったかという結論を報告させ ていただきたいと。さらに、平成17年度にはどういった調査をするかということの御報 告をさせていただくというふうに考えております。  活発な御議論をいただきまして、本当にありがとうございました。この平成17年度の 調査に関しましても、こういった調査をするということを報告しなければいけませんの で、これに関しましても私の方に御一任いただけますでしょうか。                  (異議なし)  もしそうしていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。  それで、今日用意いたしました議題はすべて終了したんでございますが、何か委員の 方々からの御意見はございますでしょうか。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思いますが、その前に事務局の 方から何か連絡事項その他ございますでしょうか。 ○眞鍋補佐  いえ、特にございません。 ○西岡分科会長  それでは、平成17年度第1回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させて いただきたいと思います。本日はお忙しい中、御協力いただきましてありがとうござい ました。                                    − 了 −       【照会先】        厚生労働省保険局医療課医療係        代表 03−5253−1111(内線3276)