へき地保健医療対策検討会 資料 2
第4回(H17.4.18)


委員からの発表資料
(吉岡委員提出資料)



保健医療と市町合併の影響

新見市哲西支局市民福祉課 吉岡キヨコ

<地域の状況>

哲西町 人口約3300人 高齢化率36%

保健医療福祉施策整備の経過
実施時期 内容
平成3〜7年 総合福祉施設を新設
 特別養護老人ホーム・ケアハウス
 高齢者生活福祉センター・在宅介護支援センター
 デイサービスセンター
平成9年 町民意識調査実施
 保健医療の充実40.6%
 診療所建設要望66.2%
平成11〜
12年
町内内科医院、歯科医院が閉院
(1年2ヶ月 医師がいない状況となる)
平成12年 診療所準備室開設
内科医師を保健医療担当理事(地方公務員)として採用
歯科医師を法人職員として採用
歯科衛生士・看護師等を法人職員として採用
平成13年 役場新築移転
町総合センター「きらめき広場・哲西」建設
役場本庁・診療所・歯科診療所・保健福祉センター
教育委員会・生涯学習センター・図書館・文化ホール

 *新しいタイプの複合施設
町民が一番望むものを行政サービスの中心に置く

 *診療所を開設
内科医師を法人に派遣 診療所長となる
CT等を整備
歯科診療所を開設
1年2ヶ月の無医町を解消
保健師3名、管理栄養士1名の体制となる

医師が町長、教育長に「町の方向性」について提言できる体制が可能となる

健康づくり推進協議会再編(医師・歯科医師含む)
  → すべての世代の健康づくりを推進
平成14年 基幹型在宅介護支援センターを開設
地域ケア会議を開催(医師・歯科医師を含む)
 → 高齢者福祉施策を検討
平成17年 1市4町合併
内科医師2名体制となる予定



平成17年3月31日 合併
1市4町の合併  人口約37000人
岡山県で2番目に面積が広い市となる

新市での基本方針:補助金のあるものは継続
支局単独事業は再検討

哲西支局で実施していた内容 → 合併後の状況

<子育て支援等>
出生祝い金  → 廃止
就学時までの医療費無料 → 継続
第4子の保育料無料 → 継続
父子手当の支給 → 継続
チャイルドシートの無料貸出 → 1万円の補助に変更
一時保育 → 継続
障害児保育 → 継続
児童館での学童保育 → 継続
心身障害幼児通所事業 → 継続
妊婦健診費用助成3回実施 → 継続
乳児健診費用助成3回実施 → 継続
新生児・乳児の保健師全数訪問 → 継続
離乳食指導等、管理栄養士の訪問 → 継続
保健師・保育士連絡会の開催 → 継続

<集団検診等>
乳児健康診査 → 中央1会場で実施
1歳6ヶ月児健康診査 → 中央1会場で実施
2歳6ヶ月児健康診査 → 中央1会場で実施
 内科診察を削除
 歯科診察を中心に実施
3歳児健康診査 → 中央1会場で実施
心理相談専門員の育児相談 → 中央1会場で実施
保護者の歯科検診(乳幼児健診時) → 回数減少
 2歳6ヶ月児健診時のみ実施
妊婦歯科検診 → 廃止
各健診時のフッ素塗布
 歯科診療所にて実施

 → 中央1会場で実施

こころはぐくむ絵本事業
 図書館司書・ボランティア
 が協力
 図書館利用の促進
 →  中央で健診時に実施
  ブックスタートに変更

子どもの健康づくりネットワーク事業
 小学4年・6年・中学2年を対象
 食事調査・血液検査・運動教室
 親子料理教室・講演会を実施
 →  実施を検討中

 地域での健康づくり
 生活習慣病予防の普及
 行政・医療機関・教育委員会
 学校・PTA・連携
 行政栄養士と学校栄養士が連携


 →


 教育委員会が移動
 連携が困難となった

<成人・老人関係事業等>
 総合検診
  基本健康診査
  大腸ガン検診
  胃ガン検診
  前立ガン検診
  胸部レントゲン検診
 → 継続実施
 送迎費用削減
 若年受診者自己負担額増額
 市内全地区で受診可能
 ミニデイサービス健康づくり講座 → 継続

<会議等>
 健康づくり推進協議会 → 廃止 新市で別組織とする
 地域ケア会議 → 廃止 新市で新たに実施する
 支局では保健医療福祉担当者会議とする

<その他>
 タクシー券配布
  75歳以上高齢者世帯
  70歳以上独居世帯
 → 継続
 (1年のみの可能性あり)
 福祉バス(診療所通院バス) → 継続



歯科診療所の状況

設立法人
雇用状況医師1名  歯科衛生士2名
施設行政が建設 施設を法人に貸与
診療時間月〜火、木〜土 午後8時まで 勤務者に配慮

行政と歯科診療所の協力体制
 →庁舎、保健福祉センターと同じ施設にあるので、歯科検診等を歯科診療所で実施できる
保健事業と協力することで、歯科診療の広報ができた

哲西支局で実施していた内容 → 合併後の状況

<健康教育>
 寿学級(老人大学) → 検討
 ミニデイサービスでの健康講座 → 継続

<検診>
 成人歯科検診
 (総合検診と同時実施)
 → 廃止
 医療機関個別検診として実施
 保護者の歯科検診
 (乳幼児健診と同時実施)
 → 2歳6ヶ月児健診時に保護者を対象に実施
 会場変更
 妊婦の歯科検診
 (乳幼児健診と同時実施)
 → 廃止

<会議>
 地域ケア会議 → 保健医療福祉担当者会議に変更


新見市内での状況(訪問・相談等で把握したもの)
項目 内容
小児科の夜間診療の不安 常勤医師がいないことへの不安
県南の病院への搬送に時間がかかることの不安
高齢者世帯、高齢者独居の通院の不安 外出支援事業(タクシー券配布)廃止の不安
救急ではなくても、入院に救急車を使用する場合がある
認知症の不穏症状が出た場合の不安 入院中、家族の付き添いが必要なるケースがある

<合併後の問題点>
医師と行政責任者の意見交換の機会がないので、行政施策に反映させにくい
保健師、栄養士の活動範囲が広がり、きめこまやかなサービスができにくい

<合併して改善された点>
旧町単位での事業が、広域対応となったので、検診等を受ける機会が広がった
乳ガン検診(マンモグラフィー)を実施していな地区があったが、次年度以降実施できる体制となった

<今後の要望>
へき地医療支援機構に、医師だけでなく、長期休暇等の看護師の代替えの派遣を要望する

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