05/03/30 感染症分科会感染症部会感染症技術ワーキンググループ 第2回議事録               厚生科学審議会感染症部会              感染症技術ワーキンググループ                  第2回議事録               厚生労働省 結核感染症課    第2回厚生科学審議会感染症部会感染症技術ワーキンググループ 議事次第              日時:平成17年3月30日(水) 14:00〜16:30              場所:厚生労働省共用第6会議室(合同庁舎5号館2F) ○議事 1.開会 2.議題  (1)医師からの届出基準及び届出様式の改正について  (2)その他 3.閉会 ○感染症情報管理室長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回「厚生科学審議会感染症部会 感染症技術ワーキンググループ」を開会いたします。先生方におかれましては、年度末 の大変お忙しい中お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、岩本委員、竹内委員につきましては御欠席という連絡をいただいておりま す。相楽委員については連絡がございませんので、遅れてお見えになるものかというふ うに思っております。  続きまして、お手元にお配りいたしました資料の確認をさせていただきます。  ワーキンググループの式次第、座席表のほかに、厚いクリップどめで、一番上に目次 と分担表がございますけれども、1ページ目から172 ページまでの資料一式となってお ります。お手元おそろいでしょうか。  それでは、この後の議事進行につきましては、岡部先生よろしくお願いをいたしま す。 ○岡部委員長  どうもお忙しいところお集まりいただいてありがとうございました。前回、少し総論 的なところの部分の検討をして、様式での共通点、言葉上の共通点なんかを示したんで すけれども、その後、委員の先生方にぎりぎりのところで宿題をお願いし、それぞれの 分担のところを見ていただくという作業に取りかかりました。  今日は前回の主な点、例えば発熱という言葉をどうするかとか、あるいはPCRとい う表記の問題であるとか、病原体の診断のこと、それから、無症状病原体保有者を届出 の対象にするということを明記するとか、あるいは、これは話題になったと思うんです けれども、情報収集の精度を高めるために、例えば報告年月日の定義とかそういったよ うなことについても話し合ったようにも思います。幾つかのことを前書きに書いておき ながら、それで今日の具体的なことに入るということになろうかと思います。  今日の予定としては、先生方からいただいた意見を、結核感染症課の方でまとめてい ただいたものですが、それについてそれぞれの分担ごとに、大体7〜8分ぐらいを目途 に議論ということにしたいと思うんですけれども、感染症分科会はいつごろの予定なん ですか。 ○事務局(前田)  感染症分科会もしくはその下の感染症部会で御報告させていただこうかと思っており ます。  この感染症技術ワーキンググループでの届出様式の検討と、もう一点別のワーキング グループで性感染症の特定感染症予防指針の見直しなども御議論いただいているところ でございますので、そちらがまとまりました段階と考えております。だから、大体5月 か6月ぐらいになりそうかとは思っております。 ○岡部委員長  ありがとうございます。  できれば、予定としては今日中に終わらせるということなんですけれども、何せこの 厚みを見ると、本当にあと2時間でできるのかどきどきしながらなものですから、万々 が一のときは予備的なところでもう一回ぐらい議論をやらなければいけないかもしれま せんし、うまくいけばメールや何かのやりとりかもしれませんし、ちょっとその辺は十 分な議論も一応必要だと思いますので、頭に置きながら御協力いただきたいと思いま す。  それでは、最初に全体として事務局の方から御説明があったらお願いします。 ○事務局(前田)  まず、全体といたしまして各疾患ごとにおおむね1枚ベースでしておりまして、左が 届出様式、右が届出基準という流れでございます。  今回いただいた御意見以外にも、事務局の意見的なものも加わってございます。主に は、この届出様式の左下の「保健所記載欄」について、保健所に記載する事項を医師が 届出する用紙に書き込んでいいかどうかということについても検討いたしました。その 結果、今の段階では医師の届出と保健所による疫学調査の結果はやはり別表にした方が いいのではないかということで、保健所記載については今後積極的疫学調査の調査項目 として考えていただくということで、純粋に50万円の罰則がかかる届出でございますの で、内容については厳選させていただいたというところでございます。  あと、「16 推定される感染地域・感染原因・感染経路」の「(1)最近数年間の主な 居住地」というのが、この地域・原因・経路のいずれにも入らないのではないかという ことで、統一的に削らせていただいております。  「9 診断方法」といたしまして、病原検査と抗体検査、血清学的検査というのも血 液を採る検査なのか、抗体を中心と見る検査なのかというので用語が非常にわかりづら いということなので、統一的に修正しております。抗体検査につきましては、検体方法 の次の型ではなくて抗体価を記載するような形と。  「(2)推定される感染地域」については、日本国内については県と市町村名、国外に ついては国と市名がここで書けるような形に若干加えてございます。  あと、同じ病気にかかった人と思われる同疾患または同様の症状の発症が同居者にい るかどうかということについては、感染地域・原因というよりは、今後の蔓延とか医療 のために必要と認める事項ではないかということで、下の方に移しているというふうな 状況は統一的に修正案として考えているところでございます。  統一的な修正点としては、以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございます。  まずこの辺から議論をいただきたいと思うんですが、各内容の1番から8番までは問 題がないし、住所、氏名を含めて届けるというところも問題ないわけですけれども、9 番以下で今までと多少修正が出ていますのと、前回の意見の中からまた感染症課の方で の検討を踏まえて多少は変更してあるというのがありますので、御意見をお願いしま す。  この「保健所記載欄」がなくなるというのは、医師が届ける形式であるから保健所が 届けるものを一緒にしないというのは確かに理屈から言うとわかるんですが、保健所は 後で診断の確定とか臨床転帰とか疫学的な事項について問い合わせるんですけれども、 そういうふうに変えた場合に、それはどこに残ることになりますか。 ○事務局(前田)  ですから、診断が確定したときとか、臨床転帰が変わったときの報告自体は感染症法 に位置付けられていないということですので、それは保健所からの問い合わせ、積極的 疫学調査による診断医の協力による回答というふうなイメージになりますので、それは この当初の届出とはまた別の形で保健所の行う疫学調査の中身の検討をするときに加え ていく必要があろうかというふうに思っております。 ○岡部委員長  そうすると、それは考え方としてはフォームか何かをつくる可能性があると。 ○事務局(前田)  現在も積極的疫学調査については、平成11年の通知で疫学調査でどういうことを調べ るかということのフォームがございますので、そこに反映させていくべきかというふう に思っております。 ○岡部委員長  そこにちゃんと加えていくという形ですね。  例えば、便宜的にここに線を引いて、ここから上までは届出だけれども、後は参考情 報として加えるというようなものはこういうフォームには似つかわしくない、という考 えでしょうか。 ○事務局(前田)  それも検討いたしましたけれども、保健所がこの発生届出について手を加えられると したら、基本的には受理印を押すぐらいで、それ以外は医師が記載をするということが 基本になるということでございます。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○感染症情報管理室長  国への報告は保健所から、今ちょうどシステムを検討しているところでございまし て、医師の届出を入力していただくということと、先ほど説明ありましたように、15条 に基づく積極的疫学調査も、そのシステムの中で同じような形で国の方に報告をしてい ただくと。  勿論、疫学調査すべてを報告するということではなくて、重要な事項については厚生 労働省に報告をしていただくという条文がございますから、例えば患者の転帰について それは重要な情報だということになれば、15条の報告という形で保健所からそういった 情報を集約して、両方合わせてこちらの方でサーベイをするということが可能ではない かというふうに考えております。 ○岡部委員長  ほか、御意見いかがでしょうか。  それでは、ルールに従えばそういうことであるということで一つ了承していただくけ れども、フォームとしてはどこかに記録として残るような、あるいは保健所が聞きやす いような形で積極的疫学調査として進める、というようなことはメモをしておいていた だきたいです。  どうぞ。 ○白井委員  システムの方が、今18年の改定ですね。それで併せていただいているんだと思うんで すけれども、そこで何らかのフォームをというのと、別に紙ベースでまたつくられると か、この辺の届出の基準のスタートとずれるのか、その辺のことは見通しとしてはある 程度そろえていただいた方がいいと思うんです。 ○事務局(前田)  一応、それはシステムの改変と併せてというふうに考えております。システムの開発 についてもかなりの期間がかかるということで、できるだけ早期にこの様式を確定して システムの開発に行きたいということで今検討しているということでございます。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○神谷委員  さっきの岡部先生が言われたことにちょっと関連するんですけれども、要するにこれ は医者が届けるだけであって、あと、保健所の方はこの届けを受けた上で当然何かやら れるわけです。サーベイランスをやる必要があるかもしれないし、何かまとめをされる わけです。  その様式はまた別途つくるという理解でいいですか。 ○事務局(前田)  はい。現状も積極的疫学調査で聞くべき事項とか様式的なものは以前に通知で定めて おりますが、それも大分古くなっているとすれば改善をしなければいけないと。そのと きに、この「保健所記載欄」にある事項は盛り込んでいく必要があろうかということで ございます。 ○神谷委員  保健所の方で記録には残るということですね。 ○岡部委員長  こういうことは聞いてください、あるいはこういうことを聞くかもしれませんという ことの記載がないと、それは書いてありませんから必要ありませんということがしばし ば出てくるものですから、その辺も含めてお願いします。  ほかに、このフォームのところはいかがでしょうか。  9番の病原体検査の中には、例えば遺伝子とか抗原検出とかというものを含めるとい う話になっていたので、これは病原体という狭い中に全部とじ込めてしまうんですか。 ○事務局(前田)  例えば、この「エボラ出血熱発生届」で申し上げますと、「9 診断方法」は病原検 査ということでございますが、2ページ目のちょうど真ん中辺り、「届出基準」のとこ ろで、「病原体診断(病原体、抗原又は遺伝子の検出)」というこの三者が病原体診断 の対象というふうに書いてございます。ですので、このエボラの場合に病原と抗原と遺 伝子3つとも行われた場合は、ちょっとここの項目には書きづらくなるんですが、一応 この病原検査の項目が対象ということになります。  ですから、いずれか1つを行っていただいて、それをこの届出様式に書いていただく ということが考えられると思います。 ○岡部委員長  これは電子化された場合、この記入できるスペースというのは限られてしまうんです か。それとも、広げられるんですか。それによって随分違うと思うんです。例えば、狭 いから遺伝子を書かなかったとか。 ○事務局(前田)  そこで、ここの「9 診断方法」のところ、病原検査と書くか、病原体の欄と抗原の 欄と遺伝子の欄と書くか、どちらかが選択肢になると思います。ただ、病原か抗体かと いうことでスペース的にはこの2種類のいずれかと。  病原検査の中は、その3種類のいずれかというのを記載していただくことが最低限必 要かと思いますので、それを見て保健所の方でほかの病原体検出が書いていないと。そ の人の場合に、抗原検出、遺伝子検出がされていますかというのを聞かれて、それがも しされていたとするならば届出主体の医師等が書く内容になると思いますが、その部分 はその医師に書き足していただくということになろうかと思います。ちょっとスペース 的には狭いというのはございます。 ○岡部委員長  それでは、この辺は基本的にこの形でいいにしても、実際に電子化するファイルや何 かをつくるときに工夫をする余地があるということにしておいてよろしいですか。私が それを言ったのは、例えば「10 診断時の症状」のその他という非常に狭いので、ここ だけに3つも4つも症状は書けないだろうというような気がするものですから。その辺 はちょっと工夫の余地を残しておいていただきたいと思います。  次では、11、12、13、14、15はいいと思うんですけれども、「16 推定される感染地 域・感染原因・感染経路」のところで、今まであった「居住地」が消えることになるの ですけれども、これについては、「推定される感染地域」という項目があるから、それ で変わることができるだろうというところですね。  前のお話の中で、これは情報センターが提案したのだったと思うんですけれども、潜 伏期内での海外旅行歴というのが書いてあると非常に推定感染地域としてわかりやすい という案を出していたんですけれども。 ○事務局(前田)  その点についても検討いたしまして、潜伏期の間における海外旅行が感染として推定 されると医師が判断した場合は、この推定される感染地域の国外の記載ということにな るということでございます。それは医師の推定による記載ということになると思いま す。 ○岡部委員長  そうすると、実際にはこの辺、書かれていないことが多いので、記入をお願いすると きにかなり言っておかないとわからないというのがあります。この辺についての御意見 はいかがですか。  どうぞ。 ○大野委員  保健所の立場なんですけれども、確かに今おっしゃられたように、医師の方がその辺 をきちんと把握してくださるかどうか。勿論エボラとかそういう特殊な専門の先生のい らっしゃる病院に行ったのであればかなりよく考えていただけるかもしれませんけれど も、一般的に2類とかその辺になってしまうと、場合によってはその辺、よく前提条件 みたいなことを書いてくださらないと、ドクターの方はなかなかその辺、考えていただ けないこともあるのかなとちょっと危惧いたします。  やりとりをして聞きつつ書くならいいですけれども、やはり「ドクターの記載を尊重 」というような今のお話の感じだと、ちょっと不安かなと思います。 ○事務局(前田)  ドクターの記載について、やはり12条の届出というものが罰則が前回の法改正でかな り重くなっておりますので、その辺り、各項目を厳選しつつもきちんと記載をしていた だくような配慮というのは今後やっていきたいというふうには思っております。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○感染症情報管理室長  ここの「(1)最近数年間の主な居住地」を今回削除しているんですけれども、現行で は患者の所在地とか住所はオンラインで保健所から国の方に情報として上がってこなく てもいいという整理をしておりました。  今回、患者の住所なり所在地なりも上の欄ですべてオンラインで国の方に上げてくる という整理をした関係もございまして、居住地については繰り返しここで求める必要は ないのではないかというようなことで今回削除をしました。 ○岡部委員長  済みません、もう一回。一度オンラインで入ることが・・・・・。 ○感染症情報管理室長  現行では、患者の氏名だとか住所、所在他についてはオンラインで国の方に上げなく てもいい。逆に言うと、そのほかの項目について上げてくださいということですから、 所在地なり居住地が全くわからない状態になっておりましたので、この項目を設けて居 住地を報告いただくということにしているんですが、今後は患者の氏名も含めまして、 そういった個人情報を含めて国の方に情報として上げていただくということですから、 少なくとも患者が今住んでいる住所なり所在地はそこの部分でフォローができるという ことであります。 ○岡部委員長  その部分というのは、だれが聞いてだれが報告し、そしてオンラインに乗ってくるん ですか。 ○感染症情報管理室長  基本的に、ここの項目すべてオンラインで国の方に情報として上がってくる形になり ますので、上の、例えば1番から8番までは上がってくることになります。  それに加えて、今回削除しておりますけれども、最近数年間の主な居住地まで記載し ていただいて報告を上げていただくことは必要ないのではないかと。 ○岡部委員長  必要はないというのは、最近数年間の主な居住地を聞くことによって言わば推定感染 地の誘導をするわけですね。 ○感染症情報管理室長  そこの部分を、推定される感染地域のところで十分推定をしていただいた上で書いて いただくと。  済みません、ちょっと説明が。 ○岡部委員長  そこは大野委員のおっしゃる、果たしてそれで十分取れるかどうか。  それで現行の、1類はおっしゃるように、これは一生懸命聞きもするし、記入もする でしょうけれども、2類、3類になってきた場合に、危惧するのは、例えばその赤痢は 一体どこからだというのはさっぱりわからなくなる可能性はあるのでは、ということで す。 ○大野委員  あと、患者の所在地というと病院かもしれないわけですね。その辺がもしかすると、 最近どこにいたのかというようなことがそこまで読めるかなというのがちょっと気にな ります。  そこで、保健所の積極的疫学調査でちゃんとその辺を把握しなさいということで、私 もその辺が、フォームが頭に浮かんでいないんですけれども、できるなら勿論いいんで すけれども、かなりドクターの届出を尊重するというように受け取れたので、この辺が もしかして記載がすごく重要になってくるのかなという印象を今受けたので、ちょっと 不安になっています。 ○岡部委員長  これは、4類辺りも全部同じようなフォーマットになると思うんです。1類はこうい うことを聞いてもおかしくないけれども、数が多い疾患になってくると保健所は必ずし もそれを問い合わせはしないのではないだろうかと思われます。  そうすると、届けを受けた側がそこである程度類推をすることになりますが、確認の ためにどうですかと聞くと、それはフォーマットに書いていないから要らないでしょう ということになってしまうことが、恐らく大野委員も危惧されるところではないかと思 うんです。  どうぞ。 ○事務局(前田)  推定される感染地域のところが空白で、発生届を保健所のところに持ってこられたと きに、やはりそこは重要ということであれば保健所側からドクターの方に、ここの(2) が空欄なんですけれども、推定される感染地域全くわかりませんかということでやはり 聞かれて、そのときにもし医師が記載していなければ、ここが全く真っ白だったら、そ の部分を記載した上で提出してくださいという形になるのかなと思います。 ○岡部委員長  保健所は、それについてどうですか。  植田先生。 ○植田委員  これはポピュラーな疾患でも、一保健所に対しては非常に届けは少のうございますの で、必ず問い合わせます。  問い合わせないでそのまま行きましたら、感染研から必ずチェックがかかってきます ので、その点は私、余り心配は、結核などと違って本当に少のうございます。受けるの が。  ですから、何も確認しないでそのまま報告するということは私たちの経験から言いま してあり得ませんけれども、必ず主治医とは確認を取って入れます。 ○大野委員  勿論、それもそうなんですけれども、ただ場合によっては、特に担当の意識にもよる んですけれども、勿論所長まで見るわけなんですけれども、やはり医師の書かれたもの に対して、特に医師以外の職員についてはなかなか、「ここが空欄ですけれども」とい うのは正直言うと現場だとかなり言いにくいというところが。勿論、そこで所長が介入 して、医師同志でやり取りをすればスムースにいくんでしょうけれども、場合によって はそれができない場合もあったりするものですから、正直言ってちょっと不安になって いることは事実です。 ○岡部委員長  白井先生あるいは丹野先生、現場に近いところからいかがですか。 ○白井委員  先ほど、「6 患者所在地」のところで推定される居住地もあるのではないかという ことが捕捉できるようなことをおっしゃいましたけれども、実際、多分所在地は「病院 」と書かれることが多いのではないかと思うんです。  私のところは、神戸市内に1類も診られる病院もありますので他都市の住所の方が、 入ってくる可能性もあるんですけれども、そうすると所在地と書かれると「病院」とい うことになって、実際積極的疫学調査も所在地の保健所が第一に動きます。ですから、 ほかの自治体の方の患者さんであっても私たちの保健師が病院に訪問に行ったりという ことがあるんですが、そういうことの想定で書かれるのか。住民票と所在地が違うとい う方もたくさんいらっしゃるんですが、そういう形で書かれるのか。その辺がこれだけ だとちょっとあいまいな気がしますし、実際やりとりは届出があったらしていますの で、空欄があったら埋めるようにはしますけれども、やはり出しっぱなしにされるとい うことがあったり、連絡が取れなかったりということもあります。 ○岡部委員長  丹野先生、いかがですか。 ○丹野委員  多分、上の方の住所がわかったから、逆に言えば聞きやすくなったというとらえ方で いいのかという気はするんです。  それと、余り逆に項目が多いときっと書く方も抜けるところが多くなると、今度はチ ェックする体制も大変かなというので、私は先ほど植田先生がおっしゃったように、や はりこれを余りごちゃごちゃあると見ていくのも大変ですけれども、抜けているのが割 と逆にわかれば、変な言い方なんですけれども、そこでいろいろと書いてあるとそれを 一つひとつ見てこれが抜けているからというよりは、このポイントだけがあって、そし て書く方も少ない方がきちっと書いてくれるということもあるのかなという気はいたし ます。  ですから、やはりこれをつくったときには先生方、ドクター側にもこういう目的でや るのでよろしくお願いしますということと、保健所側もチェックしてやりましょうとい うことを言っていけばいいのかなという気はいたします。  ただ、確かにこれを何らかの形にしておかないと、保健所の責任というのがここにあ るから多分チェックするというのもあるような気もちょっとするので、そこはやはりき ちっとしておかないとさっき言ったようにすうっと行ってしまう可能性があるかなと思 います。 ○岡部委員長  余りここだけ議論をしているわけにもいかないんですけれども、ただ感染症法の一番 最初のところに、たしかこの法律はやはり海外からの持ち込まれにかなり警戒するとい うことと、それをきっかけにしてアンテナを高くするということが大きい目的であると すれば、私自身は海外にいたかいないかということは常日ごろの関心事として記載して おいた方がわかりやすいようには思います。ただそれが先ほど個人情報上の問題とかに 抵触するんだとすればちょっとまずいので、その辺はいかがですか。 ○事務局(前田)  確かに、この4月から個人情報保護法完全施行ということもございまして、あと1 点、この(1)と(2)が居住地等感染地域で同じ国内、国外という欄があったということ で、それもこの16番の表題から行きますと、やはり推定される感染地域というのが一番 聞く中心になるのではないかということで記載してございます。  ですから、(2)が空白でも(1)が書いてあるから、それを推定される感染地域として準 用すればいいという形にまでもし運用されていたとすれば、それはきちんと本来の形に (2)に記載していただくというのが適切かなというふうに思います。 ○岡部委員長  そうすると、1類、2類はそれで類推はできるだろうと思います。これは同じフォー マットでいった場合に、4類、5類の全数というところになると、今度は住所地、推定 される感染地域がわからないんです。そうすると、こういうものの説明を求めるとき に、保健所や何かの説明というのは別に何か、さっきの積極的疫学調査などについて、 説明として十分に行う必要はあります。ですから、それをきちんと出していただくとい うことが大前提であれば、つまり保健所が聞きやすいような形をしていただくというこ とになりますか。  あと、全体のスペースの配分については、フォーマット化するときに自由記載をする ところをもうちょっと考慮していただくということをお願いして、ほかに意見がござい ましたら。 ○大野委員  先生、ここなんですが、この医師の方で届けを出す場合はあくまでも書類なんです ね。保健所から感染研に送る場合はそういうことですね。 ○岡部委員長  そうです。さっきのスペースの部分は十分この中でも反映していただくようにお願い します。さっき言った自由記載の部分がどうしてもうまくいかないということと、診断 方法の書き方のところについてはちょっと事務局と相談をさせていただくというふうに させていただきたいと思います。  それでは、今度は個別の疾患ということになっていくと思います。 ○事務局(前田)  それでは、個別の疾患についてでございますが、ワーキンググループの分担の先生方 ごとに進めていきたいと思います。  本日、岩本先生御欠席でございますが、まず1類感染症などの疾患について御説明申 し上げます。  まず、1ページ目と2ページ目のエボラ出血熱についてでございます。先ほどの統一 的な修正以外ですが、「10 診断時の症状」につきまして岩本先生から臨床的特徴のと ころを修正していただいたものでございますので、それに沿って様式も変更をしてござ います。  あと、「届出基準」で病原体診断の内容をこの三者を書いたということで、血清学的 診断の代わりに抗体検査による診断というふうに修正しております。  あと、擬似症の診断の書きぶりがわかりづらいということで、鑑別を必要とする疾患 というのをきちんと書くべきではないかということでございます。  それから、無症状病原体保有者で病原体診断がされたときということで届け出るとい うふうな形で書いてございます。  備考欄ですが、自然感染例の発生地域。あと、疑似症の書き方は鑑別を必要とする疾 患との鑑別が行われた場合とすると。それでザイール型、スーダン型の別を記載すると いうふうなことを記載しているところでございます。  2番のクリミア・コンゴ出血熱が5ページ、6ページでございます。こちらにつきま しても、様式については統一的な書式変更がございまして、文言についても「臨床的特 徴」で「ことがある」とか、病原体診断の修正、鑑別を必要とする疾患の記載、無症状 病原体保有者の記載でございます。  そして、「備考」でアフリカ、ユーラシア大陸に広く分布。疑似症は、鑑別疾患との 鑑別がなされた場合ということを記載してございます。  5番のペストでございます。ページ数で申し上げますと13ページ、14ページでござい ます。様式については統一的な様式変更でございます。  「届出基準」についても、塗抹標本の染色鏡検というふうな形で書いてございます。 それで、無症状病原体保有者の記載がございます。  あと、ここでペストは抗体検査が届出基準に入ってございませんので、「備考」のと ころで「抗体のみが検出されたものについては、保健所に相談する」というのをとりあ えず削除させていただいております。  6番、マールブルグ病ですが、15ページ、16ページになります。これも様式について は統一的な変更でございます。  あと、「届出基準」の柱書きの3行がほかの疾患と比べて抜けておりましたので、 「診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれ かの方法によって病原体診断(病原体、抗原又は遺伝子の検出)あるいは抗体検査によ り診断がなされたもの」というものを入れております。あとは、チフスを腸チフスに修 正しているなどでございます。  続いて、7番のラッサ熱、17ページ、18ページでございます。様式については統一修 正でございまして、あと、「届出基準」の記載も病原体診断の記載、無症状病原体保有 者の記載を若干変更してございます。  28番の炭疽、61ページでございます。こちらにつきましても、様式については血清学 的検査を抗体検査に修正していると。ただ、この抗体検査について炭疽の抗体検査がど の程度進んでいるかということで若干ペンディングにしているところもございます。  あと、62ページの下の方ですが、2001年の米国でのバイオテロの話と、それから、皮 膚症状なく、肺炭疽、敗血症が起こった場合はバイオテロの可能性を考慮する必要があ るというふうな記載を加えているところでございます。  49番のクロイツフェルト・ヤコブ病が105 ページでございます。こちらにつきまして も、様式については統一の修正ということと、108 ページに若干、悪性リンパ腫の名称 を中枢性悪性リンパ腫と神経梅毒というふうな表現だと。これはもしかしたら中枢性が 梅毒にかかっているのかもしれなかったんですが、若干変更してございます。  50番の劇症型溶血性レンサ球菌感染症が109 ページでございます。こちらにつきまし ても、症状の名称を「届出基準」から引っ張ってくるような形で「10 診断時の症状」 を変更してございます。以前は「臨床的特徴」から引っ張ってきておりましたが、「届 出基準」から引っ張るのが妥当ということにしてございます。  あと「届出基準」の中のコメントとして、A群を削除していくということで、A群以 外の報告についてどうすべきかということが岩本先生からコメントでございました。  「届出基準」の1番ですが、B群等のレンサ球菌も溶血性を示すことがあると。「A 群レンサ球菌」ということで書き足した方がいいのではないのかというふうな、A群以 外のという点では同様のコメントがあったところでございます。  112 ページの一番下ですが、「個人的には、A群レンサ球菌を記載し、備考として C、G群も報告がある、という形式の方がいいのではないか」というふうな御意見をい ただいたところでございます。  岩本先生の関係部分については以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございました。大きい分類としては最初の1類でエボラからラッサまでで 何か御意見はありますか。 ○相楽委員  ウイルス性出血熱は大体皆同じような症状かと思いますけれども、エボラ出血熱のと ころが随分簡素化されている割にはほかのウイルス性出血熱が非常に細かくなっている んですけれども、この辺りを少し調整した方がよろしいのではないかと思います。 ○事務局(前田)  相楽先生の御意見ですと、発熱の次が疼痛で、疼痛の中に頭痛と筋肉痛と胸痛、腹痛 というのを括弧書きで書かれているということでございます。  「10 診断時の症状」の様式のところでは、頭痛、筋肉痛、腹痛、胸痛は生かしてご ざいます。主に削られた部分としましては、皮膚発疹とか滲出性咽頭炎とか結膜炎とか そういう症状について削除意見があったというところではございます。 ○相楽委員  ほかのところは関節痛とか点状出血斑とか残していますね。それは何か基準があるん でしょうか。残すのだったら全部残した方がいいと思いますし、入れないのだったら入 れないと、やはり同じような病気だったら同じような様式にした方がいいのではないか と思うんです。 ○事務局(前田)  これは純粋に御意見に沿った修正でございますので、あえてその辺りも。 ○岡部委員長  ラッサはちょっと確認する必要はあるかもしれないけれども、ほかは大体共通で余り 区別できないんです。ですから、書きぶりとしてはほとんど、私も削るなら削る、入れ るなら入れるで統一の方がいいと思います。岩本先生はちょっとおいでになりませんけ れども、その辺は御了承いただけるのではないかと思いますから、どちらかというと書 いておいた方がいいですね。ないのは○を付けなくていいわけですから。  そのほかにありましたら、お願いします。  エボラのときに、例えば参考欄のところですけれども、「ザイール型、スーダン型の 別を記載する」と書いてありますが、これもわかれば記載をするのであって、あるとか えって難しくなってしまいます。通常は書きませんね。 ○吉川委員  感染研まで来て、最後のお守りが課題なところで、全部やればわかるかもしれません けれども、わかればでいいのではないですか。どちらもエボラとしては重要です。 ○岡部委員長  それでは、1類はそのほかの御意見はありますでしょうか。なるべく書き方の統一を 図るということ。  それでは、次が炭疽ですね。炭疽は私の方に宿題があったんですけれども、61〜62ペ ージのここで、「届出基準」の中の血清抗体の検出が果たして該当するかどうかという ことなんですが、感染研の中で炭疽を担当している山田部長に伺ってみたんですが、血 清抗体そのものは勿論検査ができると。肺炭疽の場合は時間的に間に合わない可能性が あるけれども、皮膚炭疽や何かの場合は後で血清抗体の診断があるので、そういうこと が前提であるならばあってもいいのではないかという意見がありました。 ○神谷委員  ということは、結果、もし血清抗体が出た場合には書いてくださいということです ね。でなければ書けっこないですから、書いておいた方がいいのではないですか。 ○岡部委員長  それでは、そのまま生かすということですね。  あとが、CJDと劇症型溶血性レンサ球菌。CJDの方は、ほとんど問題がないんで すね。これは前の議論で、CJDだけではないのでプリオン病としたらどうかというよ うな意見が出たことがあると思うんですけれども、これは病名はいじらないという原則 に従うことにします。法律に関与することですから。 ○事務局(前田)  5類で省令事項ではございますけれども、また事務局の方で。 ○岡部委員長  これはCJDということで一応了承をいただいて、その次が、劇症型溶血性レンサ球 菌のところではA群以外をどうするかということですけれども、これについての意見を お願いいたします。  つまり、A群以外も届けてもらうかどうか。まれに報告は出てくるので、それはIA SRの溶連菌特集や何かのところではA群だけを届出の対象にすると、結局そのほかの G群とかそういうものによるものが見つからなくなることがあるので、できれば、数は 少ないけれども、含めていいのではないかというのがコメントだったんです。  つまり、A群を消してしまえばレンサ球菌だけでいいということになります。これは よろしいですか。事務局の方もよろしいですか。 ○事務局(前田)  岩本先生のコメントとしては、従来どおりA群中心の方がいいのかなというふうなコ メントと受け止めています。 ○岡部委員長  それでは、これはA群以外も含んでもよろしいと。  それでは、植田委員の部分は植田委員がおいでになるので、植田委員から御説明をお 願いします。 ○植田委員  共通の部分まで足していただいていますので、どうぞお願いいたします。 ○岡部委員長  それでは、事務局の方で。 ○事務局(前田)  それでは、14番の腸管出血性大腸菌感染症、31ページでございます。こちらにつきま しては幾つかの修正点がございまして、統一的な修正点に加えて病原検査のところで生 物型、血清型、VT型がいいか表現はありますがVT型。それで、抗体検査、抗体価 と。O157 は臨床決定がないものですので、臨床決定を削除しております。それで「10  診断時の症状」にその他を入れております。  あとは32ページですが、病原体診断としては病原体の検出のみですので、病原体の検 出がなされたものと。それから、報告に際しては生物型、血清型、VT毒素型について 記載する。これもわかればなのか、記載が是非必要かという御議論があるかと思いま す。  41番のライム病でございます。こちらは87ページになります。87ページの「ライム病 発生届」で申し上げますと、統一的な修正以外には88ページにステージ1、2、3がロ ーマ数字かアラビア数字かというところがございます。それから、病原体診断は病原体 の検出のみですので括弧書きに入れております。「備考」は重複がございますので、削 ってございます。  73番の急性出血性結膜炎については、153 ページでございます。こちらは、届出様式 としては簡単な性と年齢だけですが、153 ページの「届出基準」は特に修正がないとこ ろでございました。  74番の流行性角結膜炎が、その右側の154 ページですが、「耳前リンパ節の腫脹と圧 痛を来すとともに咽頭痛や発熱などの全身症状を呈する」という部分を付け加えていた だいているところでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  これはいかがでしょうか。植田委員、何か付け加えることがございましたら。 ○植田委員  いえ、ステージのことは私はわからなくて、どちらがいいのか皆さんの御意見と、も う一つは、ほかのお知り合いの先生にお尋ねしたときには全身症状を伴うことも多いだ ったんですけれども、元の「偽膜を伴うことも多い」がありましたので、重なったこと で「全身症状を呈する」と書いたんですけれども、この辺りは私も自分が実際には診断 をする立場ではありませんので、よくわかりません。 ○岡部委員長  その辺は、もし何か御異論があれば。これはよろしいでしょうか。  それでは、それはそのままでというのは、植田先生の御意見どおりということで。  一番話題になるというか、数が多く出てきやすいのも3類の腸管出血性大腸菌だと思 うんです。これは特に問題はございませんでしょうか。  どうぞ。 ○相楽委員  生物型というところで、EHECとVTECというふうに書いてあるんですが、これ は実際、病院だとどういうふうに区別すればよろしいんでしょうか。多分、書けないの ではないかと思うんです。 ○岡部委員長  これは、それこそ後から問い合わせをしてもいいわけですね。 ○事務局(前田)  その段階、医師の診断した段階でわかればということが一番無難かと思いますけれど も、問い合わせをした場合はそれを医師の発生届出に医師が記載するのか、疫学調査に 当たるのか、微妙なところではあります。 ○岡部委員長  これは非常に重要な情報ですから、結局は医師から報告していただくという形式です けれども、結果的には後から追加になる報告になるのではないかと想像はしているんで すけれども、相楽先生。 ○相楽委員  実際問題として、この区別はわからないと思うんです。多分、動物にいるのか、それ とも人の方なのかという分け方なのかと思うんですけれども、これだけ分かれても現場 はわからないと思います。 ○岡部委員長  特に生物型ですね。これは血清型は書いておいていただかないと困るんですね。 ○相楽委員  こういう生物型はあるんでしょうか。ないと思います。 ○岡部委員長  正確に教科書的な記載をはっきりして確認をするというふうにしましょう。ありがと うございます。  H抗原を入れた方がいいと。相楽先生、何か御意見ありますか。 ○相楽委員  私はこれを生物型と呼ぶかどうかがちょっと疑問に思いましたので。 ○岡部委員長  それでは、そこだけを削除すると。  それでは、進めたいと思うんですが、植田委員の御発表はチェックしていただいた部 分はそこになります。  次は、神経系疾患で大野委員ですけれども、これも同じように事務局から言っていた だいた後から大野委員に補足していただくという形にしましょうか。 ○事務局(前田)  それでは、大野委員の件ですが、9番のコレラが21ページ目でございます。コレラに つきましては、統一的な修正の部分もありますが、病原検査で生物型、血清型、CT、 コレラトキシン産生の有無という欄を入れてございます。あと、「届出基準」のところ では病原体診断の中に病原体の検出を入れております。  それで、「生物型(古典型、エルトール型)」、これも事務局で考えたものでまた御 意見があればと思いますが、「血清型(O1、O139 等)、コレラ毒素産生の有無につ いて記載する」というのを入れてございます。  59番のRSウイルス感染症、133 ページでございます。こちらは5類の定点というこ とでございます。こちらの内容につきまして、若干ペンディングマークが付いてござい ますが、病原体の検出の例で「凍結検体以外の」という部分を付け加えていただいてお りましたり、「CF法(補体結合反応)にて、急性期と2〜3週間以後の回復期に4倍 以上の抗体価の動きを認めれば確定診断となる」。  届出基準の改正案ということで、不顕性感染、潜伏感染がないということですので、 ウイルスが検出された場合に診断するというふうにしてはどうかということが御意見と していただいているところでございます。  61番のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎でございます。これは135 ページでございます。  「届出基準」として、菌分離:咽頭培養、抗原検出:迅速診断キット、血清抗体検査 といった検査によるものを「届出基準」に入れていただいているということと、コメン トで最近の診断キットの進歩で、RSウイルスは抗原検出方法として迅速診断キットが 例示されているというふうな御指摘をいただいているところでございます。  80番の細菌性髄膜炎でございます。こちらが166 ページになります。こちらも右下の 方でございますが、「届出基準」として検査結果、髄液細胞数、髄液糖、髄液たんぱ く、髄液中細菌、グラムなどを加えてはどうかというふうな御意見でございます。  84番の無菌性髄膜炎が170 ページでございますが、これも「届出基準」といたしまし て髄液細胞、髄液糖、髄液たんぱく、髄液中細菌といったものを加えてはどうかという ことでございます。  事務局の方で(P)というふうに付け加えておりますのは、5類の定点把握について ほかの疾患ではそれほど検査を求めるものがございませんので、この並びからいってど うかなというふうな懸念が生じましたので、(P)とさせていただいております。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございました。  大野委員から。 ○大野委員  今のコレラ以外の4つの疾患につきましては、実は関連の総合病院の小児科の先生に 御相談をして、実際に現場での御意見をいただいたものなので、場合によってはそれぞ れの先生方の御意見で、今おっしゃったように統一的になるようなことも含めて御議論 いただければと思います。参考までに、臨床現場からの意見はこうでしたということで す。 ○岡部委員長  コレラの方は特に問題がなかったように思うんですが、問題となったのは5類の特に 病院定点からの届出です。  これは、小児科としては神谷先生、御意見が。 ○神谷委員  何ページですか。 ○事務局(前田)  133 ページがRSウイルスです。 ○岡部委員長  5類は、RSが例外的に検査ができたら検査をしてくださいというようなことだった んですけれども、基本的に定点は届出のためにインフルエンザも含めて検査は求めては いないんですね。 ○神谷委員  そうです。だから、私の方にも書いてあるんですけれども、RSが検査ができるとい うことだけを、指導する場所がありますから、そこにそれだけ入れておくというだけ で、まだこれをやっていなかったら違うというわけにはなっていないので、そういう扱 いの方がいいのではないかと思います。 ○岡部委員長  あくまで、それらしい症状から診断をするということでよろしいですね。それでは、 それを原則として定点の報告は取り扱うと。  そうすると、今幾つか御意見が出ていた髄膜炎あるいは溶連菌感染といったようなも のは一応原案に近くなると思うんですけれども、よろしいでしょうか。  それでは、岡部分で私になりますけれども、これも事務局の方からお願いします。 ○事務局(前田)  岡部委員の点ですが、3番の重症急性呼吸器症候群、ページ数で申し上げますと7ペ ージ目からでございます。こちらにつきましては、統一的な修正点と、8ページにござ いますが、病原体診断の内容と詳しく書いてあるものと抗体検査ということでございま す。  それから、10ページでございますが、無症状病原体保有者の記載を若干詳しくしてご ざいます。  次の痘そうでございます。1枚おめくりいただきました11ページ目でございます。痘 そうについては、届出基準に抗体がございませんでしたので、「9 診断方法」から血 清学的検査を削除させていただいております。そして、病原体診断の内容を詳しく書か せていただきまして、無症状病原体保有者も修正してございます。  次が、急性灰白髄炎、ポリオでございます。8番ですから19ページでございます。こ ちらの発生届については、ポリオにつきましても抗体検査が届出基準にございません し、疑似症も届出対象ではございませんので、臨床決定も削除してございます。あとは 「届出基準」の若干の修正でございます。  24番の高病原性鳥インフルエンザですから、51ページになりますが、修正は統一的な ものでございます。52ページの方は、病原体診断の内容を詳しく書いてございます。  31番のニパウイルス感染症ですので、67ページになります。ニパウイルスにつきまし ても、統一的な修正点と、届出様式についても統一的なものでございます。  47番の急性脳炎でございますので、101 ページになります。急性脳炎で、ウエストナ イル、日本脳炎を除いたものでございますが、こちらも届出基準に抗体検査の項がござ いませんので削除してございますし、臨床決定も削除してございます。  102 ページの方ですが、「意識障害を伴う者で、24時間以上入院した者あるいは死亡 した者」というふうな形で日本語の表現を若干変えてございます。  64番の手足口病ですので、138 ページでございます。手足口病については、特に修正 点がなかったところでございます。  それから、72番のインフルエンザでございまして、149 ページでございます。  こちらの「備考」のところに若干コメントがございます。インフルエンザの改定方針 は、「疑い例」「臨床診断例」「検査による確定診断例」に区分するとされているが、 迅速キットの普及を考慮して迅速診断キットA陽性、B陽性も入れてはどうかというこ との御意見と、あと届出基準で、RSウイルスは迅速診断が例示されていますが、イン フルエンザも迅速診断キットの例示ができるのではないかと。恐らく、これは神谷委員 からの御意見だったと思いますが、御意見をいただいているところでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございました。多くのところは原案とそんなに大きい修正がないんですけ れども、鳥インフルエンザは高病原性というのは消えたのでしたか。 ○事務局(前田)  病名についても、まだ事務局内で、これは政令事項でございますので。 ○岡部委員長  これは検討するということですね。  それから、方向としては必ずしもH5だけではなくて、ほかのものが出た場合も届け ていただくという方向性であるということでよろしいですか。 ○事務局(前田)  5、7が高病原性で、あと9とかの場合、そういうものが入ると思います。 ○岡部委員長  それから、これも一番問題になることが多いと思うんですけれども、149 ページにあ ったインフルエンザは私の担当ではないので、神谷先生の御意見が出ているんだと思う んですけれども、先に出たことですから今、議論をしておこうと思うんですが、それに ついてはいかがでしょうか。 ○神谷委員  結局、同じに書くなら後でわかりやすい方がいいというそれだけの理由なんですけれ ども、どうせやっておられる、答えは出ているわけですね。だから、新しいことをやる のではなくてやったことの書き方だけの問題ですから、スペースの問題とかいろいろあ ると思いますけれども、この程度書けるのでしたら疑い例、臨床診断例、検査による確 定診断といっても、これを分析しようと思ってもしにくいものですから、そういう意味 では書いていいかなと思いました。 ○岡部委員長  ということは、これは届出の様式に変わりが出るのでしたか。 ○事務局(前田)  たしか、現行の届出様式は147 ページの別記様式8でございます。  今までの御意見で、疑い、臨床診断、検査による確定診断というのを入れてはどうか というコメントが前回の資料にあったということからだと思います。 ○岡部委員長  これは変わっていないけれども、区分だけを付けておいた方がわかりやすいという意 味ですね。 ○神谷委員  いや、そういうふうに区分しようかというのが案の中に書いてあったでしょう。それ を書くならこういうふうにしたらどうかということです。  それと先生、ついでですけれども、男女の差というふうに区別というのは使われてい るんですか。 ○岡部委員長  これは今話しましょうか。男女差をどうするかという、定点の届出ですね。 ○神谷委員  そうです。私たちが見ていても、感染症は男の方が多いというようなことはわかって いるとして、インフルエンザの男の子が何人出た、女の子が何人出たからどうだという ようなことはほとんどどこの分析でもやっていないし、だからスペースがないならここ をむしろ必要なものに使ったらどうかなという、それだけの理由です。 ○岡部委員長  これはたしか、平成11年度のときも男女別を入れるか入れないかというのはちょっと だけ議論に出て、たしか届出の慣習として男女があるからというようなことなので、余 りきっちりした理由ではなかったような気がするんですが、たしかWHOも求めている のでしたか。  実際に分析する場合でも、先生がおっしゃるように、余り男女差はそんなにないです ね。 ○神谷委員  私もちょっとチェックはしてみたんですけれども、先生のところの分析でも余り書い ていないでしょう。 ○事務局(前田)  5類の定点感染については、基幹定点以外については性及び年齢を報告していただく ということからこの様式になっていると思います。 ○神谷委員  そこのところのスペースにほかのことを入れてほしいと思ったことがあったので、そ ういう意味でスペースの問題だったらこれを削れば使えるというだけのことです。 ○岡部委員長  そこは事務局の方でどうですか。意見としてはできるだけこれを反映した方がわかり はいいと思うんですけれども。 ○事務局(前田)  これを直すためには、診断群についても報告をして、性と年齢というのを診断群と年 齢というふうな報告に変えていただくようになれば若干の省令改正が手続的に要ります けれども、それはまた検討させていただきたいと思います。 ○岡部委員長  改正が必要であるということであれば、事務局の方でちょっと意見を検討していただ くということでよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○感染症情報管理室長  省令改正ではなくて、法律改正を要するみたいに。ですから、これだけで法改正とい うのはちょっと難しいと思います。 ○岡部委員長  そのための改正はちょっと大変ですね。 ○神谷委員  そうしたら、それだけで変えることもないですね。 ○岡部委員長  そこはしようがないと思います。  ほかのは。 ○神谷委員  それから、RSのことをその下に書いてあるんですけれども、この前いただいた届出 基準改正の点の具体的な方針という中に、今のと同じようなことでほかの病歴のことも ちょっと書いてあったので、こういうキットがありますということだけは知らせておい てはどうかと。  これは、病院なんかはみんな知っていますけれども、開業の先生は、余りそういうと ころに興味のない方もいらっしゃるので。雪下先生、そこはどうですか。こういう基準 があるということは書いてあってもいいですね。 ○雪下委員  私はわかりません。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○丹野委員  病原体サーベイランスのあれで調べますと、結構RSのキットがあるのを知っている 先生は、それがあるから。 ○神谷委員  書いておられますか。 ○丹野委員  はい。逆に衛研に持ってこないんだというようなコメントをおっしゃる先生もいるか ら、結構見ている先生は知っているのかなと。 ○岡部委員長  ということは、ただし書きとしてキットのある疾患についての部分はキットがありま すということを付け加えましょうかという御意見。 ○丹野委員  それはあった方がいいかもしれません。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○事務局(前田)  1つ申し上げますと、臨床の現場ではRSウイルスというふうな診断名でこの検査を したときに、診療報酬上認められるかどうかというのでRSについてはこの診断キット が認められていないという現状を聞いたことがございますので、その辺り、もし書くと したら届出基準ではなくて、備考としてそういうキットもあるというふうなお知らせに なるかとは思っています。 ○神谷委員  今は保険は通ったのではありませんか。私はたしかそう思うんですけれども。 ○岡部委員長  年齢だと思います。 ○大野委員  2歳以下の入院としてみたいです。入院例のみです。 ○岡部委員長  どんどん開発されてはくるんですけれども、それでは一応、あるものについては備考 のところでそういったような検査法がありますというようなことを加えておくというこ とでよろしいですね。  それでは、これで私の分プラスインフルエンザですけれども、残りの分と言っては失 礼ですけれども、次は神谷先生の分なので、インフルエンザを除いてですね。これもま た事務局の方からジフテリア以下をお願いいたします。 ○事務局(前田)  11番のジフテリアでございますが、ページで申し上げますと25ページでございます。 統一的な修正プラス病原体診断の記載の充実ということでございます。  日本脳炎、33番ですので71ページに当たります。こちらについては、「日本脳炎発生 届」ということで、ここは様式の「(4)推定される感染源・感染経路等」が蚊による感 染というのが明らかですので、案としては16の(4)も削除させていただいております。 ○神谷委員  これはちょっと迷ったんですけれども、この前、全部統一様式を一緒にすると言われ たのではありませんでしたか。こういうふうにあるものもないものもあってもいいんで すか。 ○事務局(前田)  そこはいいと思います。  それから、72ページの方ですが、病原体診断と抗体検査というところを書いてござい ます。  53番の髄膜炎菌性髄膜炎でございますが、119 ページでございます。こちらにつきま しては、届出基準に抗体検査がございませんので病原検査のみとしてございます。あと は、臨床転帰などについてこういう情報が発生動向を監視する上で重要という点がござ います。  54番の先天性風疹症候群、その次のページでございます。こちらについても、予防接 種歴については推定される感染地域・原因・経路とは若干異なるのではないかというこ とで、削除案を出させていただいてございます。  56番の破傷風でございますが、125 ページでございます。こちらにつきましては、統 一的な修正部分のみでございます。  67番の百日咳、141 ページでございますが、症例定義としてレプリーゼという表現を ウープというふうな表現に変えるという御意見をいただいてございます。それから、ワ クチン接種歴については積極的疫学調査によりワクチン接種歴に関する調査が行われる ことが多いということを記載してございます。  68番の風疹がその右でございますが、症状について小さな紅斑や紅色丘疹、皮疹も3 日程度で消退という表現としてございまして、ワクチン接種については百日咳と同様の 表現にしてございます。  麻疹が70番ですので、144 ページでございます。この「臨床的特徴」の発疹の内容を 「小鮮紅色斑が暗紅色丘しん、それらが融合し網目状になる」と。それから、ワクチン についても同様の表現になってございます。  マイコプラズマ肺炎、82番ですので、168 ページでございます。これが若干後ろの方 になりますが、マイコプラズマ肺炎で抗体の検出のところで「ゼラチン粒子凝集法(P A法)抗体価320 倍以上」ということと、「マイコプラズマ肺炎についてもIgM抗体 検出方法として迅速診断キットの例示も可能と思います」というコメントをいただいて ございます。  83番の成人麻疹が169 ページでございますが、麻疹と同様の「臨床的特徴」の修正、 それから「備考」でワクチン接種歴の記載が修正をしてございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  これはいかがでしょうか。神谷先生、追加の御発言はありますか。 ○神谷委員  大体おっしゃっていただいたとおりですけれども、レプリーゼという言葉は先生の監 修をされた本を参照したので、発音の仕方なんですけれども、あれはウープではなくて フープになっているんです。  ただ、レプリーゼというのは昔から私たちはそう教えられましたけれども、大体ドイ ツ語ですね。ですから、英語でレプリーゼというのでちゃんと出てこないですね。むし ろ違う意味なんです。それで、今、大学の教育では大体ウープと教えていますので、そ ちらの方がいいかなと思ったんですけれども、それだけの理由です。 ○岡部委員長  ドイツ語で習慣になっているのを英語に戻そうかということです。 ○神谷委員  どちらがわかりやすいかということもあります。 ○岡部委員長  うんと若い先生は、大野先生、どうぞ遠慮なく。 ○大野委員  今、どちらだったかなと思ってしまって、どちらも聞いたような気がします。 ○岡部委員長  ほかのも大体同じ表現になっているというのは確かですから、一応ウープということ にしておきましょうか。ほかはいかがでしょうか。  どうぞ。 ○相楽委員  髄膜炎菌性髄膜炎のところなんですが、これは現在、髄膜炎だけを対象にしているん ですね。敗血症もときどきあるんですが、それはどうなんでしょうか。 ○岡部委員長  今、何番ですか。 ○事務局(前田)  120 ページの症例定義ですが、「Neisseria meningitidisによる急性化膿性髄膜炎で ある」ということが現在案でございます。 ○岡部委員長  ただ、届出基準が診断した医師の判断によりこれが疑われて、病原体診断がなされた もの。病原体の検出は、髄液と血液からの菌の分離・同定などと書いてあるので、これ がどちらから出てもという表現があれば大丈夫ですね。 ○相楽委員  血液のみでもいいと。何か先生方のお話ではどうなのかということで迷っておられる ところもあるみたいです。 ○岡部委員長  これは結局、髄膜炎という病気をキャッチしたいのか、髄膜炎菌感染症としての菌陽 性を含む髄膜炎菌をキャッチしたいのか、ということになります。私は予防対策上後者 であると思います。  一番難しいのは、髄膜炎症状があるけれども、血液から分離されて髄液は陰性だった というような場合。 ○相楽委員  それは多分、髄膜炎になると思います。 ○岡部委員長  症状がはっきりしなくなってきて菌血症があった、あるいは敗血症があったと。  原則としては、届け出ていただくというのが今までの方法というか解釈ではあったん ですけれども、それはまれな感染症なので、髄膜炎菌の検出そのものをきっちり追いか けておく必要が対策上あろうという解釈だったと思うんです。 ○神谷委員  日本の場合はすごく症例が減っていますから、ほとんどありませんので、それならも し髄膜炎菌が見つかったときにはやはり届けた方がいいだろうと思いますけれども、こ れを見るときには私は髄膜炎ということだけを頭に置いていたので、余りそういうこと は考えませんでした。 ○相楽委員  説明のところに、「敗血症例では」というようなことが書かれているんですが、病名 のところは髄膜炎になっています。 ○岡部委員長  病名ばかりはしようがないみたいです。 ○相楽委員  それでは、ここは敗血症でも届けは。 ○岡部委員長  敗血症でも届けていただくと。ですから、病原体の検出は。 ○事務局(前田)  病原体の検出は、髄液または血液からの菌の分離・同定ということだと思います。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○丹野委員  そうすると、髄膜炎になっていなくても髄液から出ているという。 ○岡部委員長  そこまでくれば、通常は髄膜炎症状が出てしまうんです。 ○丹野委員  だけれども、今のあれだとあるので、それも届けるとなると、逆に言うと保健所側と すると、もし相談されたときにはやはりこれで髄膜炎症状が出ていないといいですとい う指導になりませんか。 ○岡部委員長  検出すべきは、本来で言えば髄膜炎菌感染症なんです。 ○丹野委員  多分、相談されたときには髄膜炎を発症していないんですけれども、出た場合にどう しますかと言われると、これで言うと血液の中にあって髄膜炎の場合の届出だから、症 状がなければいいのではないですかと言いそうな気がするんです。 ○大野委員  おっしゃるとおりだと思います。恐らく窓口レベルではそう答えてしまうのではない でしょうか。 ○丹野委員  だから、これはそうは言っても髄膜炎菌感染症なんだということを周知しないと。 ○相楽委員  敗血症で届けを出そうと思ったら届けなくていいと言われたので、それはおかしいの ではないかという意見を伺ったんです。 ○大野委員  おっしゃるとおりだと思います。やはり記載していただいた方がいいと思います。 ○岡部委員長  敗血症をも含むという形ですね。ですから、病名はともかくとして、それは「備考」 かあるいは「届出基準」のところに書いておけばいいんですね。  それでは、そこの考慮を。 ○神谷委員  先生、病名は変えられないんですか。 ○岡部委員長  病名は変えません。 ○白井委員  法律改正でないとだめなんですね。 ○丹野委員  それは先生方にも周知しないと。神谷先生は、今までそうではないから届け出なかっ たと。 ○神谷委員  私は余りそんなことは思っていなかったんですが、今まで私の経験したものはみんな 髄膜炎なんです。それで出血斑が出てきたりして本当に重症になるときにはあっという 間に重症になりますけれども、それはみんな菌は出ます。 ○岡部委員長  基本的方針は、病名は髄膜炎菌性髄膜炎ですけれども、流血中から菌が出るようなほ ぼ全身感染症については重要であるから、基本的な姿勢としてはこれを取るということ で了承いただければと思います。  それから、ワクチン歴のところが積極的疫学調査ではこれについて情報を得ることが 多いでしたか。そういったような備考の書き方になって、当初のディスカッションでは 今回は予防接種歴を取ろうかというような意見があったのではなかったかと思うんです けれども、それは事務局の方ではどういうふうに整理されていますか。 ○事務局(前田)  具体的には141 ページ、142 ページ等の百日咳、風疹辺りの記載でございます。た だ、これは現在、百日咳ですとか風疹も5類の定点ということでございますので、現在 の届出様式が131 ページになります。  この131 ページの別記様式7というのが小児科定点の届出様式でございまして、それ ぞれの疾患について年齢、性別に分けて1週間に受診された方の数を定点の小児科医療 機関において記載をしていただくというものでございます。  この御意見としては、例えば百日咳ですとか風疹、麻疹についてワクチン接種歴を内 数みたいな形で記載するということを想定されていたと思いますが、例えば感染原因と か感染地域とかほかの1類から4類で求められている様式で記載されている内容にもよ るんですが、ワクチンを接種されなかったことが感染原因と直にみなせるかどうかとい うことが疑問でございましたので、それはワクチンを打ったことがあるかどうかという のは、その届出を受けた定点の報告ということではございますが、保健所における調査 に当たるのかなと。それを医師からの届出の、この場合は定点医療機関からの届出の義 務としてワクチン接種歴をこの内数として書かせた方がいいかどうかと。その辺りで、 とりあえずは積極的疫学調査の対象なのかなということで備考欄の中に記載していただ いたところでございます。 ○岡部委員長  神谷先生、どうぞ。 ○神谷委員  三重県では集団で受けてしまったので、もしワクチンをやっていてかかったら必ず報 告の中に書いてくるんです。そういうことから行くと、実際これからもうちょっと、ワ クチンをいろんなものを広げようと思ったときに、ワクチンを打っているとか打ってい ないとかということは本来大事なことなので、皆さんにやってもらおうと思ったら、そ れは男女を書くよりもワクチン済み、ワクチン未と書いた方がいいだろうと思ったの で、それでここへそのことを書いたんです。 ○岡部委員長  これは、ワクチン関連の病気や何かほかのところにも共通するので、ちょっとディス カッションをしたいと思います。  確かに、この情報をもってワクチンが効く効かないのではないかということは言えな いわけですけれども、ワクチンをしたかしないかというのは非常に臨床医にとっても重 要な情報にはなるというのは常々聞いている話なんですけれども、どうぞ御意見を。  ほかの疾患にも関連するというのは、今のは定点だけですけれども、百日咳、日本脳 炎、ポリオ、B型肝炎、そういったようなものがあるんです。 ○事務局(前田)  コメントとしては、132 ページの届出用紙の裏に書く欄の部分ですが、132 ページの 下から4行がその部分でございます。  ワクチン接種済み者数を、年齢階級別に内数で把握できないだろうかと。できるよう なら、水痘、ムンプスのワクチン接種済み者数も同様に内数で把握できると更によいと いうこと。  性別把握ですが、小児科の場合は今のデータが有効に生きているとは限らないと。感 染性胃腸炎も、性別よりは細菌性、ウイルス性の方がいいのではないかと。これは小児 科定点全般についての御意見ということでございます。 ○岡部委員長  これは神谷先生の御意見ですね。 ○神谷委員  はい、私です。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○大野委員  あくまで参考意見なんですけれども、千葉県では、今、神谷先生がおっしゃったよう に、サーベイランスの定点の先生方はワクチン接種をしているしていないというコメン トを付けてくれるということがかなり一般的にはなってきました。 ○岡部委員長  つまり、変な言い方ですけれども、習慣付けがあるとこれはかなり書きやすい項目に なるとは思うんですけれども、さっきの役に立つか立たないかというところで判断をし た場合に。 ○神谷委員  この131 ページの表というのはみんな報告しているわけですから、実際の定期なり任 意なりでもワクチンをやっているものについては、本来、患者を診た先生は大抵みんな 聞いているんです。そこで一本線を入れるだけのことですから、仕事が増えるというよ うなことはないと思います。 ○岡部委員長  作業上は余り問題がないのと、むしろ情報としては提供する、非常に興味を持ってい るところですから、提供を受けた側は見たい情報になってくると思うんですが、事務局 いかがですか。  どうぞ。 ○丹野委員  実際には、どんな形、どういう様式というか。 ○神谷委員  ここの様式のところの男女だけを、ワクチン未、ワクチン済みというものだけを入れ てもいいのではないですか。 ○丹野委員  実際に、先生方のところではそういうふうにされているんですか。 ○神谷委員  そうです。診察しましたときに、この表を報告するために大体みんな診察室にはこれ を張っていて、水疱瘡を見たら水疱瘡1と入れるわけです。それが男か女かと入れる か、ワクチンをやってあるかないかということはどうせ聞きますから、そのときにどち らか入れろというだけだと思います。 ○丹野委員  多分、様式を変えるのが今大変だという話ですね。 ○神谷委員  男と女だけ変えれば、様式はこのままでもいいんです。それはまずいのですか。 ○丹野委員  だから、その様式で各都道府県に伝えて、ここにちょっと未とか受とか書けるのであ れば、とりあえずそれでやってもらって、法改正のときに正式につくるというのでは。 ○岡部委員長  書いてしまう方がまずいという御意見がありました。そうではないので、できるだけ これは書き入れるように工夫をしていただくということはちょっと考えていただきたい というのが委員会の意見です。  事務局としては、まずいのですか。 ○事務局(前田)  一応、この考え方としては感染経路とか感染地域に関係あるものだったら趣旨的には 加えてもいいかなと思うんですが、ワクチン接種と感染の原因とがどう関係あるかとい うことから、若干疫学調査の部分かなということで考えましたが、実際にワクチン接種 していてもそれが効かないということがあれば、それは感染原因というふうにみなせば そういうふうになると思います。  あと、これが小児科定点からの報告でございますので、一応5類点数までにかかる医 師の義務というよりは、病院の機関定点の医療機関の長の報告ですので罰則はかからな いというところがございますので、その辺り、5類全数までの届出様式を出すときの法 的枠組みと若干異なりますから、柔軟に対応できる部分もあろうかと思います。 ○岡部委員長  ただ、そのワクチン絡みでもう一つ私が気にしていたのは、ポリオはまだだったと思 うんですけれども、そういう意味ではポリオもワクチン歴が飛ぶんですね。  ところが、ポリオの場合はワクチンアソシーエーテッドでも今後報告を求めるという ことでは、ワクチン歴有無というが一つのポイントになってくる場合があると。  どうぞ。 ○白井委員  やはりワクチン歴というのは重要な情報だとは思うんですけれども、実際、書いてい ない場合でも、小学校で多数発生したときなんかがありまして、保健所でワクチン歴を きちっと聞いてきます。 ○岡部委員長  特に、多数の場合はマスで対策する場合のヒントになるということですね。だから、 そういう意味で是非とも入れていただきたいというのが委員会の意見であるということ でお願いいたします。  今ので神谷先生の部分はよろしいでしょうか。  それでは、相楽先生の部分をまたお願いします。主に2類感染症です。 ○事務局(前田)  まず、10番の細菌性赤痢ですので23ページでございます。こちらにつきましては、様 式の中に生物型、血清型というのを入れておりまして、届出基準に抗体検査がございま せんので、血清学的検査の項を削ってございます。  文言の方ですが、出血性化膿性炎症という表現と、「備考」のところで若干の記述を 付け加えてございます。  12番の腸チフス、27ページでございますが、こちらも届出基準に抗体検査がございま せんので、血清学的検査の項を削ってございます。  13番のパラチフス、29ページでございますが、これも届出基準に抗体検査がございま せんので、血清学的検査を削っております。「臨床的特徴」の徐脈を比較的徐脈という ふうな修正をしてございます。  25番のコクシジオイデス症でございますが、ページで申し上げますと55ページでござ います。コクシジオイデスにつきましては、「10 診断時の症状」のところで急性呼吸 器感染症状、胸水、胸部CT、皮膚潰瘍・腫瘤、全身播種・その他というふうな形で付 け加えてございます。あとは統一的なものです。  37番の発疹チフス、79ページでございます。こちらにつきましては、臨床決定の削除 と、暗紫色のという表現の削除などをしてございます。  38番のボツリヌス、81ページでございます。こちらについては「臨床的特徴」で発症 機序を感染経路というふうな表現で修正がございます。  62番の感染性胃腸炎、こちらについては136 ページでございます。こちらも、特に表 現としては「ウイルス性と細菌性にわけるべきではないか」という以前からの御指摘が あるぐらいでございます。  79番のクラミジア肺炎、こちらが165 ページで大分後ろの方になるところでございま すが、こちらは特に修正意見がなかったというところでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございます。相楽先生、何か付け加えられることはありませんか。 ○相楽委員  「備考」のところでよろしいですか。細菌性赤痢のところで、生物学と血清型と2つ あるんですが、普通、多分この「備考」のところに書いてある生物学的性状のところの 4つは血清型というふうに理解しているんですが、どうなんでしょうか。コレラ菌とは ちょっと違うように思うんですが、多分ここには今まで型というところにShigella dysenteriaeとかというふうに書いていたと思うんです。  生物型と血清型と2つ分かれていますけれども、そうするとこの血清型は何を書くの かということになるんです。そのサブタイトルを書くにしてもそれは血清型とは言えな いと思いますので、これは血清型だけにしていただいた方が書く方が。 ○岡部委員長  その方が統一に近いフォームですけれども、勿論合わせなくてはいけないので、生物 型の部分は削ると。そのほかのところではいかがでしょうか。  ペンディング事項になっているのが腸チフスなんですけれども、ここの「臨床的特徴 」で「患者、保菌者の血液(P)、糞便と尿が感染源となる」。確かに保菌者の血液は 感染源にはなり得るんですけれども、腸チフスだけかどうかということがたしかディス カッションになったんですけれども、そうすると血液はスタンダードプレコーションな のかもしれないので十分注意するんですけれども、保菌者の血液をここに加えるべきか どうか。 ○相楽委員  ありません。 ○岡部委員長  よろしいですか。それでは、これは削除です。 ○相楽委員  患者の血液はうつると思います。 ○岡部委員長  そうすると、ほかのセプチックなものは全部うつりますね。血液媒介性以外は余り。 ○相楽委員  入れなくていいんですか。 ○岡部委員長  要らないような気がすると思ったんですけれども、いかがでしょうか。  吉澤先生、何か御意見ありますか。 ○吉澤委員  かえって混乱することになりますから、血液媒介以外は書かない方がいいと思いま す。 ○岡部委員長  ただし、スタンダードプレコーションの考え方では重要であるということで。 ○吉澤委員  そうです。ほかのウイルス疾患もみんなそうだと思います。 ○岡部委員長  それでは、相楽先生、そういうことで。  もう一つは、136 ページ、感染性胃腸炎です。先ほど神谷先生のコメントにも、ウイ ルス性と細菌性といったふうに分けた方がいいのではないか。これは届出上分けた方が いいという意味ですね。 ○神谷委員  そうです。これは難しいかもしれないんですけれども、どうかなと思ったんですが、 一応書いておいたんです。 ○岡部委員長  これも症候群であって、必ずしも感染性ではないものも含まれる可能性はあるわけで すが、これをウイルス性と細菌性、確かに臨床の先生からはそういう声は多いんです が、いかがでしょうか。 ○相楽委員  私、実際どういうふうになっているか聞いてみたんですけれども、この感染性胃腸炎 の場合は保健所に材料を持っていくと思うんですけれども、菌の検査はしていないそう です。ウイルスしかしていないということでしたので、細菌性の分は各定点の方で調べ ればわかると思いますけれども、ほとんどはウイルスしか対象にしていないというふう に伺ったんです。 ○神谷委員  報告するときは下痢しているものはみんな報告しているわけです。子どもにはやはり 細菌性の下痢もあるので、先生おっしゃるようにウイルス性がうんと多いと思いますけ れども、そこをどうするかですけれども、でも証拠をきちっと分けてやれないので、そ ういう考えもどうでしょうかというつもりです。 ○相楽委員  私たちとしても、そういう一般医療機関でどんな菌が出ているかというようなことは 非常に関心が高いんですけれども、実際には難しいというようなことを伺っているんで す。 ○岡部委員長  検査を引き受けているところの立場では、スクリーニングで全部やっているわけでは ないんですね。 ○丹野委員  全部やっているわけではありませんし、これもたまたま今年はノロがというので、逆 に言うとノロだけやってくれと言われると、ロタかもしれないというのがわからないわ けです。だから、私はこれは症候群ということでいいのかなという気はしております。 ○神谷委員  ということは、まとめてしまっていた方がかえっていいということですね。それなら ば別にそれでもいいんですけれども、感染研の先生が分析するときにはそういうことは 余り気にはされておりませんか。 ○岡部委員長  分析する側としては、勿論病原体があった場合にですけれども、よその国、例えばイ ギリスとかアメリカでもサーベイランスをやっているときは感染性胃腸炎なんです。そ れと別にノロ・サーベイランスとかロタ・サーベイランスというような形になって、病 原体は別のサーベイランスをやっていると思います。  先ほどの定点というところですべての検査を求めるのはなかなか難しいので、仮に書 くとしても、もし細菌かウイルスかわかったら書いてほしいというような形にならざる を得ないと思います。 ○丹野委員  もし検査をしたのであれば書いてもらえれば、ノロもかなり民間の検査機関で結構今 年のあれがあって昔より安くやってくれるようになったので、わかる範囲で書いていた だくということでどうなんでしょうかと。 ○岡部委員長  この届出には書きこめる余裕はありましたか。ありませんね。 ○事務局(前田)  現在、131 ページの上から4段目が感染性胃腸炎でございます。 ○岡部委員長  数と合計だけですから、これはなかなか難しいかもしれないと思います。 ○神谷委員  先生、これも男女を減らせばそこに。 ○岡部委員長  法律を変えないといけません。  法律事項としてはちょっと考えておく必要はありますけれども、今、早急にというと ころまで行かないようです。だから、意見としてそれはあり、継続の考えとしては必要 ですけれども、今回は感染性胃腸炎での定点の届出。勿論、病原体はなるべく検査をし てくださいというのはあると思います。  相楽先生、後の方はそれでよろしいですか。  それでは、白井先生分でSTDになります。 ○事務局(前田)  それでは、次ですが、32番の日本紅斑熱が69ページでございます。日本紅斑熱につき ましては、統一的な修正と、あとは発熱を高熱に修正したところ、丘しんを丘疹に変え たということですとか、新種のと言いながらも13年前のリケッチアという御指摘をいた だきました。  それで、マダニの中にキチマダニ、フタトゲチマダニが記載されてございます。発熱 を高熱、四肢末端を手足など末梢部、血小板減少の付け加えということと、「つつが虫 病に比べDICなど重症化しやすい」というふうな御提言をいただいてございます。  51番の後天性免疫不全症候群、113 ページでございます。こちらにつきましては、一 応無症候性キャリアという表現を無症候期というふうな表現に一部御修正いただいてご ざいます。あとは、性行為感染を性的接触という表現に改められているということがご ざいます。  115 ページでございますが、「定義」で「症状の有無にかかわらず」を加えていただ いているということと、キャリアという表現の削除、それから右下の方が現状の課題と いうことで、備考として記載すべきというふうな御提言がございます。  55番の梅毒でございますので、123 ページでございます。梅毒につきましては統一的 な修正点、あとは「しん」という字は漢字の方がいいのではないかということが御意見 でいただいております。  「届出基準」で、「問診より新たな感染を考えられる」ということで問診という表現 に変えられてございます。「HIV感染との合併では、血清抗体の変動もあるので検査 の基準は上記によらないこともある」という表現を加えていただいてございます。  右下で「無症候梅毒に陳旧性のものが多く含まれているので、臨床的及び感染予防に 無意味なケースの届出を不要とすべきである」という御意見もいただいてございます。  75番の性器クラミジア感染症は157 ページでございます。こちらにつきましては5類 の定点でございますが、「臨床的特徴」で骨盤内炎症性疾患、それから、男女とも症状 が軽く自覚のないことがあるという修正がございます。  76番、性器ヘルペスウイルス感染症で、こちらは「定義」の中にHSVのつづりを書 いていただいているということと、「口を介する性的接触によって口唇周囲にも感染す る」というのを「臨床的特徴」に加えていただいてございます。  77番の尖圭コンジローマ、159 ページでございます。こちらも「子宮頚癌の発がん要 因になることもある」という表現と、「コメント」として高リスク型と言われる病原体 の検出に核酸検出法があると。HPVの検出は健常人にも見られるということで、がん 化関連とは言えないのではないかというコメントをいただいております。  160 ページの淋菌感染症につきましては、これも副睾丸炎を精巣上体炎と、女性の尿 道炎を入れるということと、骨盤内炎症性疾患という表現。咽頭ですとか産道感染とい うふうな表現を入れていただいているところでございます。  あと、咽頭の淋菌感染症も届出に入れるべきかどうかということで、現在の定点報告 では実態がつかめないと。耳鼻科からの報告はまずないためということでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございます。以上の点で、白井先生、追加がありましたらお願いいたしま す。 ○白井委員  日本紅斑熱の方は、日本で診断された先生の文献から取りましたので、私は余り詳し くなかったんですが、ちょっと表現を変えております。  それから、後天性免疫不全症候群の方でキャリアという言葉は余り使いませんので、 実際啓発をしているときにキャリアの方という言い方もしませんし、感染者という言い 方もしなくなってきていますので、それはあえて外していただいてもいいのではないか と思っています。  116 ページのたくさん書いていただいたところは、事務局で書かれていたんだと思う んです。あえて報告をするときの「備考」に入れなくもいいのではないかという意見で すので、もしこのようなことをお示しするのであればちょっと表現を変えて書く必要が あるかなと思っております。  梅毒の方なんですが、前回欠席をしました中でかなり議論があったのではないかと思 うんですが、岩本先生からの、「特にHIV感染との合併で無症候の方でも届け出る必 要がある」ということを性感染症学会の方でも意見を聞きました。HIVの感染は、こ こにも書いてあるんですけれども、中には検査の基準がこのとおりの基準でいかないこ ともあるということで、それはそれとして、原則としては無症候梅毒では陳旧性のもの が90%以上であるというような分析を性感染症学会の方ではしております。あえて初期 の段階の不顕性の部分については、もう一度検査を確認するとか抗体価が上がるという ような確認をした段階での報告ということが実際には望ましいのではないかということ が言われています。  年齢だけでも、このごろ特に高齢の方だから古いものだとは言えないということもあ りますし、老人ホーム等でのいろんな感染もあったということも聞いておりますので、 そういうことでは勿論年齢で区切るわけではないんですけれども、その辺の御意見をい ただいております。  それから、この梅毒のところで「何とか疹」というのがたくさんあるんですけれど も、疹を全部平仮名にしますとちょっと読みにくいというところもありますし、全般に もそうだと思いますので、発疹性疾患にたくさんあると思うんですけれども、これを読 むのは医師ですねということで、あえて平仮名にする必要はないのではないかと思って います。  あと、いろいろと表現を変えたところは、性感染症学会で出しております診断治療の ガイドラインの方に表現を直させていただいております。  以上です。 ○岡部委員長  ありがとうございます。それでは、紅斑熱はSTDではないんですけれども、STD を中心に見ていただいたので、そこに対する御意見がありましたらお願いします。  紅斑熱のところにも早速あったんですけれども、疹の字です。皮膚科の先生を中心に して、この疹を漢字にしてほしいという要望は非常に強い。小児科側もたしかそういう 意見の方が多いと思います。 ○神谷委員  麻疹とか風疹の疹が「しん」になったのは厚労省の文書でそうなったんですか。 ○岡部委員長  法令上の文書が疹の字は平仮名を使っているというので、少なくとも病名はそうなっ てしまったという話を前に聞いたことがあります。それを今の医師が見る文書に対比し ても、法律の文書で書くか書かないかというようなことになるんですけれども、その辺 は事務局の方で御意見はいかがでしょうか。 ○事務局(前田)  平仮名で書く方法と、漢字で書いて振り仮名を振る方法と、漢字で書く方法と幾つか ございますので、その辺りは医師が読むとしても届出を受ける側は保健所でございます から、医師の提出する公文書という性格からまた検討させていただこうかと思います。 ○岡部委員長  結局、そこは法令等の相談が必要になってくるということですね。委員会としては、 できるだけわかりやすさという表現ではむしろ漢字の方がわかりやすいと。特に、学術 的な名前のところまで平仮名が入ってしまうと見た目に非常にわかりにくいという意見 があるということを強くお願いします。  ほかの部分ではいかがでしょうか。  私からですが、例えばHIVのところで116 ページなんですけれども、この「備考」 は生かすかどうかは別としても、例えば今までの「備考」には国内の主な居住地域の報 告が望ましいというのがあるんです。これが結局、地域集積性とかそういったようなも のを見るためだったと思うんですが、もし仮にここに「備考」があるとすると、さっき の話に戻ってしまうんですけれども、11番の「(1)最近数年間の主な居住地」はなくなっ てしまうので表現そのものが変わってくるんですが、これは白井先生、STD学会の方 で居住地に関して何かディスカッションはありましたか。 ○白井委員  STD学会というか、これはHIVの部分で、HIVの動向委員会と指針の改定検討 委員会の中で、「日本国内」のところを「都道府県」まで書けばいいのではないかぐら いだったような気がするんです。「市町村」まですべての事例が書けるかというのは、 勿論HIVに限らないと思うんですが、ちょっと難しいかなと思っています。実際HI Vは届出があるのが病院からが多く、拠点病院からがほとんどなんです。  そうすると、別の調査で全国の保健所の6割は届出を受けていないんです。拠点病院 に受診者が集中化していますから、そこからの患者発生届があって、必ずしも拠点病院 にその地域の方が来ていらっしゃるとは全く限らない。駒込病院に全国から寄ってくる ような形での報告になると思いますので、全然地域性の把握にはならないということ で、そういう意味では細かい住所まで入らないかもしれないけれども、その方の居住地 の都道府県は最低限必要ではないかという意見があります。 ○岡部委員長  そうすると、またこの居住地問題が、このHIVだけに記載をするか、フォーマット として居住地の方があった方がいいのかということになってくるんですが、もう少し御 意見をいただけますでしょうか。 ○白井委員  そこに入れてほしいというのは、指針の見直しの中ではかなり期待しているところだ というふうに思っています。逆に、いろんな現場で保健所なり都道府県がエイズ対策を するときに、自分のところからの報告が全くないのに一生懸命やれやれと言われても何 かやりがいがないということがあったり、実際報告がないのにどこまで予算を確保する かということについては、全国的には増えていても、自治体の中では説得力が全然なく なってしまうんです。 ○岡部委員長  実態として、ある地域に対して警告を発することができないということになるんで す。東京都ばかりの方が多いですね。 ○白井委員  東京と大阪の話なのか(地方は関係ないのか)というところです。 ○岡部委員長  ということから言うと、全体にこの居住地はやはりできれば見直していただくよう、 もう一回議論が必要だろうということになりますので、特にHIVのところは仮に別だ としても、これはいろんな問題の要望が上がってきているので、特に考慮していただき たいということでいいでしょうか。  そのほかの方では、梅毒の陳旧性は落としていいんですね。 ○白井委員  性感染症学会の意見としては、落としていいということです。  ただ、今回カルジオリピンの抗原で16倍を取っていただいているんですが、備考欄に は16倍というのはある程度基準となるので、参考値に入れた方がいいのではないかとい うような意見になっています。 ○岡部委員長  参考値というような形ですね。 ○白井委員  一定の目安として、カルジオリピンを抗原としない検査もいろいろ出てきていますの でということで、基準にすべきではないかもしれませんけれども。 ○岡部委員長  どうぞ、相楽先生。 ○相楽委員  治療を要するか要しないかというような観点での届出はないんですね。 ○岡部委員長  梅毒ですね。 ○相楽委員  梅毒です。 ○岡部委員長  それによって感染力があるかないかというのも一つ理由があったと思うんです。陳旧 性梅毒の数が多くても。 ○相楽委員  勿論、陳旧性梅毒ではなくて、ここにあるいろんな症状がある方以外に、症状がない けれども活動性の梅毒はあると思うんです。そういうのは入れなくていいんですか。 ○白井委員  これは初期の段階と考えていいとすれば、あと2〜3週間待てば多分抗体が上がって くるだろうからという時点での抗体を確認していただいての改めての診断ができればそ の時期の方がいいわけで、早急に届出という意味もあるとは思うんですけれども、ある 程度確実に近い段階で、抗体が検出される段階での早い時期というのが望ましいと思い ます。 ○岡部委員長  若い方に陽性が出てくれば、再診をした上で症状と流れを見ていくだろうということ になります。今、届けのあるのはほとんどが高齢者の方の陽性例なんです。 ○相楽委員  そこにあるような症状の方以外は出さなくてもいいということなんですね。 ○白井委員  と思います。以前、神戸市では実際に感染研に問い合わせをしたことがあるんですけ れども、眼科で白内障の手術の前に抗体検査をしたら梅毒が検出されたことが、その人 は高齢で、そういうことを覚えていないのかどうかわからないんですけれども、全然治 療経験もないし初めてだというので報告をされてしまったんですけれども、それは本当 に意味があるのかということをお問い合わせして、何かうやむやになっていた気がする んです。 ○岡部委員長  その方は、結局は陳旧性だったわけですね。でも、制度から言うと届出はやらなけれ ばいけない。そこら辺をクリアーにするために外すということで、専門グループもそう いうことで承認をしたということでよろしいでしょうか。  あと、もう一つペンディングになっていたのが160 ページの淋菌感染症なんですけれ ども、咽頭における感染、そして咽頭の淋菌感染も届出に入れるべきかということです けれども、これは先ほど白井先生のコメントも淋菌感染症はSTDクリニックから届け られるのがほとんどなので、耳鼻科が入っていないからこれは入れなくてもいいという ことですか。 ○白井委員  「それでいいんでしょうか」ということなんです。 ○岡部委員長  これでいいんでしょうかということで、先生方の御意見をいただいて一応の統一の意 見をつくりたいと思います。 ○白井委員  泌尿器科の先生でも、もし疑ったら咽頭培養は採るという方もいらっしゃるらしいん です。そういう場合には、その医療機関から届出が出てくると思うんですけれども、た だどこからの検体かというのはちょっとわからないと思います。 ○岡部委員長  それでは、もう一つ疑問が出てきますね。今はほとんどないはずですけれども、たま たま子どもの目から出てきた。でも、その場合はお母さんがチェックしますね。  どうでしょうか。のど、ほかの部位から出てきた淋菌について求めるかどうか。  それでは、これはかなりフォーカスはSTDに絞って、なおかつSTD定点からの報 告なので、全部をそこまで記載をしなくてもいいようにも思うんですけれども、いかが でしょうか。  それでは、それは課題として取っておくけれども、今のところ届出としてはSTDを 届けていただくということです。  4時まで5分前になったんですが、3分の2が終わっております。最初の方に議論が 集中したのでもうちょっと早いと思うんですが、残りの先生方の意見を今ここで大体30 〜40分ぐらいではないかと思いますが、それでやれるかどうか。あるいはもう一回お集 まりいただくか。事務局の方は時間的には。 ○事務局(前田)  若干、次の予定とかもありますが、あとお一人分ぐらいですか。それとも、ここまで でますか。 ○感染症情報管理室長  まだかなり分量的にもありますし、もう一度やっていただくか、あるいは若干もう少 し説明をして、残りはメール等で処理をしていただくか、先生方に御意見をいただけれ ば。 ○岡部委員長  それでは、あと数分で御意見をそれぞれいただければと思うんですけれども、残って いる先生方が中心になるので、竹内先生はお休みですけれども、丹野先生、雪下先生、 吉川先生、吉澤先生、こちらの先生方、ちょっと御意見を。 ○丹野委員  多分、私はそんなには。 ○岡部委員長  それでは、丹野先生のは今やってしまえば大丈夫だと。 ○丹野委員  はい。ここでは何とかなると思っていますので。 ○吉澤委員  私のもそんなにはないと思います。 ○吉川委員  私もそんなに直さなかったので。 ○雪下委員  私のも、小児科の先生の方からの余りコメントがないみたいなので、すぐ終わってし まうと思います。 ○岡部委員長  それでは、30分ぐらいずらしてやりましょうか。できるところまでやりましょう。 ○事務局(前田)  それでは、丹野先生の意見ですが、43番のレジオネラでございまして、91ページ目で ございます。こちらにつきましては、統一的な修正以外には「10 診断時の症状」で発 熱、頭痛が入っている点などが修正点でございます。  44番のレプトスピラ、93ページでございますが、こちらも統一的な修正部分のみでご ざいます。  57番のVRSA、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌でございますが、127 ページで ございまして、こちらにつきましても統一的な修正と、あと128 ページの真ん中辺りで すが、現在便や尿から分離されるものについて一応当面は報告するということですが、 感染症法に基づかない任意の状況提供として報告するという形にした方がいいのではな いかと考えてございます。  VREについても同様で、129 ページでございますが、vanA、vanBについて も任意の情報提供というふうなことで記載してございます。  85番のMRSAについてでございます。こちらは171 ページ、最終ページのところで ございます。こちらについては意見なしということと、次の薬剤耐性緑膿菌についても 意見なしということでございます。  以上でございます。岡部先生、連続して続けましょうか。どうしましょうか。 ○岡部委員長  一応、区切ってやりましょう。  丹野先生の分の方はいかがでしょうか。特に大きい変更はないんですけれども、バン コマイシンとかVREのところで感染症法には基づかないけれども、任意として情報提 供してほしいというような書き方で明記する。今までは報告するとなっていたんでした か。 ○事務局(前田)  当面は報告するということです。 ○岡部委員長  通知が1度出たんですけれども、その後、その通知には問題ありといったようなこと があったんですね。 ○事務局(前田)  院内感染の観点から、医政局指導課からVREとVRSAについては保菌の段階で情 報提供してほしいということで、あれは感染症法に基づかないということをここで明記 してもらうということです。 ○岡部委員長  これの方が望ましいというふうに考えてよろしいですか。任意提供ですけれども、積 極的に教えてほしいということです。 ○事務局(前田)  この法律に基づく届出ですと、届け出ない場合に罰則がかかりますので、報告の場合 は法律に基づかない、罰則のかからない形かなというのが現実的かと思います。 ○岡部委員長  かなり数が増えてきているというのもあるので、MRSAほどではありませんけれど も、その中間的な意味合いで前みたいに1例あっても全部届けてくださいという形とは ちょっと違ってきているけれども、重要なのでできるだけお届けくださいということに なると思うんですけれども、そういうような記載でよろしいですか。  それでは、そこはそういう記載にさせていただいて、あとは丹野先生、何か追加はあ りますか。 ○丹野委員  特になかったんですが、レジオネラのところは基本的にはレジオネラ肺炎がポイント なのかなということでいいのかなと思います。 ○事務局(前田)  ここは先ほど説明を忘れておりましたが、様式の中に「状況」として肺炎型、ポンテ ィアック型を様式として加えております。 ○丹野委員  そこで無症状の病原体保有者と言うと何か難しい。 ○岡部委員長  無症状病原体保有者は届けない。 ○事務局(前田)  4類ですから。 ○岡部委員長  4類だから、無症状も入るんですね。 ○丹野委員  そうなると、肺炎であればわかりませんけれども、そこのところはちょっと気にはな ったんです。 ○岡部委員長  気になるというのは、無症状病原体保有者は届けるべきではないと。 ○丹野委員  だから、それが届けになるのかと。 ○岡部委員長  届けになるんでしょう。 ○丹野委員  届出基準と何か矛盾しないのかなというのがちょっとあったんですけれども、届ける 方の先生方が大丈夫であればよろしいんです。 ○岡部委員長  どうぞ。 ○事務局(前田)  4類の無症状は届出対象になります。 ○岡部委員長  これは明らかにそうであるから、届けていただくということです。 ○丹野委員  だから、どちらかというとレジオネラ肺炎ということなのか。 ○岡部委員長  もともとは病名でレジオネラがあるんですけれども。 ○丹野委員  どこからでも何か出ればという感じでいいんですね。 ○岡部委員長  その元になる保菌者と考えられるのであれば届けていただく。 ○丹野委員  だから、検体はどの検体でも出れば。 ○岡部委員長  人の検体から出ていればです。例えば、尿中抗原が陽性ならば、これは届けていただ くということになります。 ○丹野委員  何もなくてもですか。 ○岡部委員長  何もなくてもです。 ○丹野委員  そこら辺がそこまであれしていると。 ○岡部委員長  4類ですから、そうです。 ○丹野委員  そういうことでいいですね。 ○岡部委員長  それでは、解釈としてそういうふうなことで。 ○丹野委員  ただ、そこまでやったらすごい大変なのかなとちょっと。 ○事務局(前田)  ただ、届出基準の中に医師の判断で症状所見から疾患を疑った場合ですので、病院の 患者さんすべての尿検査をレジオネラでしてひっかかれば届け出るというものではない と思います。 ○丹野委員  だから、そう考えると無症状のですとどうなるのかなとちょっと思ったんです。 ○岡部委員長  改正のときにもたしか話題になったと思うんですけれども、何かの目的でスクリーニ ングをやって、一斉にやったようなときにひっかかってくるのは最初から疑っているわ けではありませんから、法に基づいた届出にはならないだろうと。 ○丹野委員  それでは、送った側が。 ○岡部委員長  ただ、細菌ないしウイルスの存在は感染防御上非常に重要な場合があるので、必ずし も法には基づきませんけれども、さっきのできるだけ対策上に生かしてくださいという 意味になると思うんですが、届出の場合はやはり疑った場合ですね。 ○丹野委員  先生方が困らないというので。 ○相楽委員  多分、レジオネラは院内発生とかする可能性はありますね。そうすると全部調べたり すると思うので、そういう場合には実は何人かの感染者がいるかということで、無症状 者も出たら届けの対象になるかなというふうに思います。 ○岡部委員長  それでは、そういうことでよろしいですね。  それでは、雪下先生の部分をお願いします。 ○事務局(前田)  次は60番の咽頭結膜熱でございますので、134 ページでございます。5類の定点疾患 でございまして、特に御意見をいただいてはございません。  63番の水痘でございますが、こちらが137 ページでございまして、原案どおりという ことでございます。  65番の伝染性紅斑については139 ページで、原案どおりということでございます。  66番の突発性発疹が140 ページでございますが、これは5歳以上はまれであると。こ れが感染研との打ち合わせで出てきた話でございまして、「届出基準」にも「5歳以下 で」というのを入れたところでございます。  69番のヘルパンギーナでございますが、143 ページでございまして、原案どおりとい うことでございます。  71番の流行性耳下腺炎につきましては、145 ページでございますが、ワクチンについ ての積極的疫学調査という表現を、ワクチン関連疾患統一的でございますが、修正して ございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  雪下先生、何か追加は。 ○雪下委員  いえ、小児科の先生に目を通してもらって出させてもらっていますが、私自身は特に ございません。 ○岡部委員長  ありがとうございます。ワクチンについては、議論の続きがあるということなので継 続になりますが、突発性発疹の年齢です。これは神谷先生辺りから御意見を。  やっていますと、20歳の突発性発疹が出てきてしまうんです。 ○神谷委員  だから、HHV6だとか7だとかそういうものを分離するということになればそうい う症例はあります。だから、5歳と決めなければいけないかどうかが私もちょっとこれ を見て思っていたんです。 ○岡部委員長  定義上は乳幼児というふうになっているので、既にここである程度限定はされてくる と思うんです。しかし、証拠から言えば大きい年齢が入ってきてもやむを得ないと。で も、原則は乳幼児であるというのはここの定義の方から読んでいただいて、届出基準に 年齢までは入れなくてもいいのではないかと。 ○神谷委員  今、サーベイランスで上がってくるものは98%ぐらいが子どもでしょう。 ○岡部委員長  それはそうなんですけれども、2%、もうちょっと上に行きます。 ○事務局 98%は1歳以下です。 ○岡部委員長  その数%ぐらいの誤りがやはりこの中には入ってくるので、誤りとも言えないんです けれども、それもある程度精度を見てということになると思います。  それでは、これは特に年齢は記載をしないということで。  吉川先生の部分をお願いします。 ○事務局(前田)  まず、ウエストナイル熱が35ページ目でございます。こちらも統一的な修正もござい ますが、16の「(4)推定される感染源・感染経路等」で輸血、臓器移植を入れてござい ます。月も案として入れてございます。  36ページのところで、「通常」の位置を変更ですとか、「特に米国では」の削除など がございます。  18番のエキノコックスでございますが、39ページでございます。こちらにつきまして は統一的な修正方針でございます。  20番のオウム病、43ページでございますが、これも統一的な修正方針と、抗体の名称 をオウム病クラミジア粒子というふうな表現に変えてございます。  23番の狂犬病が、49ページでございます。こちらにつきましても、暴露後でもワクチ ン接種ということで、暴露後も有効ということを若干記載してございます。  26番のサル痘でございますが、57ページでございます。こちらにつきましても統一的 な修正と、血清抗体というのが診断に使わないということで、抗体検査というのを方法 から削除してございます。  腎症候性出血熱が59ページでございます。こちらにつきましても統一的な修正方針等 でございます。  34番のハンタウイルスでございますが、73ページでございます。こちらも統一的な修 正方針と、パーセンテージ的なものを若干削除してございます。それで、胸水中を肺中 に広範な滲出液というふうな表現で書いてございます。  Bウイルス病でございますが、こちらが75ページでございまして、こちらについても エリーザ法の表現などについてウエスタンブロットの方が近いというふうな御指摘がご ざいます。  ブルセラ症が77ページでございまして、これも統一的な修正方針と、「備考」で 「B.canis のヒトへの病原性は低い」という表現にしてございます。  40番の野兎病でございますが、85ページでございます。こちらも統一的な修正方針 と、「一般の検査用培地では増殖しない」という表現を入れていただいてございます。  42番のリッサウイルス感染症、89ページでございますが、こちらは統一的な修正と、 「患者発生数が多いのは狂犬病」という臨床的特徴でない部分を削除いただいていると ころでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございます。吉川先生、追加の発言がありましたらお願いします。 ○吉川委員  特にありません。 ○岡部委員長  よろしいですか。それでは、御意見がありましたらどうぞ。  例えば、35〜36ページのウエストナイルなんですけれども、輸血とか臓器移植をここ に加えられたのは勿論いいんですけれども、そうなると経口感染が何で入っているのか とか、それから、ほかのものを見ていると経気道感染は、その場合の考え方はこの中で はその他になるんですか。  例えば、SARSなんかも動物と経口なんです。そうすると、厳密にやってしまう か、すべて統一フォームならば飛沫、飛沫核感染も含んだ経気道を一緒に入れておいた 方が、統一フォームとしてはです。  この輸血と臓器移植は、ウエストナイルはかなり重要なので、ほかのところに入って いましたか。HIVや何かは入っていましたね。HIV、CJDはたしか入っていたと 思うので、ちょっとその辺、輸血に関しては今のウエストナイルだけではなくて、もう 一回見直しをして必要なものだったら入れる。 ○事務局(前田)  特に次の肝炎は結構輸血も入れてあるとは思います。 ○岡部委員長  そのほかに、御意見はよろしいでしょうか。  それでは、吉澤先生分で、あと欠席の竹内先生の分です。吉澤先生を先にお願いしま す。 ○事務局(前田)  それでは、まず33ページのE型肝炎についてでございます。こちらにつきましては、 輸血というのを(4)の中に入れてございます。あと、「届出基準」のHEVRNAの表現 ですとか、IgA HE抗体の表現も加えられておるというところでございます。  IgA抗体につきましては現在治験中ということでございますが、両者併記でいいの ではないかという御意見と、E型肝炎につきましては性、年齢、診断の確度、海外渡航 歴の有無、推定される感染経路、散発性、集団発生、患者の転帰が明らかになればいい のではないかという御意見をいただいているところでございます。  A型肝炎ですが、37ページでございます。こちらにつきましても、輸血と臓器移植を 入れてございます。  「届出基準」の方ではHEV RNAの検出。日本でも男性同性愛者相互間での小流 行が見られたとの報告もあるという御意見。A型肝炎についても、E型肝炎と同様な特 徴が報告対象になればいいのではないかという御意見をいただいてございます。  46番ですので、97ページのその他のウイルス性肝炎でございます。こちらにつきまし ては、(4)のところで医科または歯科での医療行為、針刺し事故、予防接種などを加えて ございます。  98ページですが、潜伏期間はB型肝炎では約3か月間、C型肝炎では2週間から6か 月間。「臨床的特徴」に肝機能異常を加えてございます。あとは、「HCV抗体は発症 時、陰性のことが多い」というコメントですとか、キャリアからの急性発症でもIgM 抗体が出現する例があるというふうなコメントをいただいているところでございます。  100 ページ目でございますが、コメントといたしましてB型、C型、その他の肝炎で 届け出るべき項目について7項目にわたって記載をしていただいているところでござい ます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございました。吉澤先生から付け加えられることがありましたら、お願い します。 ○吉澤委員  それでは、E型のところからちょっと。  病原体検査のところで、「(方法)」「(型)」と書いてありますが、これでは現場 の人は何を書いていいかわからないと思います。ここのところは具体的に言うとPCR でHEVRNAを見るわけですから、ここは「病原体検査の方法」だけでいいと思いま す。  次の抗体検査のところ、「(方法)」「(抗体価)」と書いてありますが、IgMの HEV抗体があるかないかで確定診断することになりますので、「価」は要らないと思 います。  右側の16番のところの「(3)病原体や媒介動物等との接触又は生息場所での活動」云 々。これはE型肝炎の感染とは無関係ですから削除でいいと思います。あとは、輸血は この位置でよろしいと思います。  E型は以上です。  A型についても同じように「9 診断方法」、病原体検査、「(型)」は要らないだ ろうと思います。抗体検査のところに「(抗体価)」と書いてありますが、「価」は要 らないと思います。  A型も16番の(3)のところ、「動物との接触云々」こういうことで感染は起こりませ んから、これは削除。それから、(4)の「2 媒介動物等からの感染」「(動物の種類 )」、これも無関係ですから削除。  「4 臓器移植」は、急性期のウイルス血症にあたる時期にちょうど臓器を提供する ことはほとんどありませんから削除が妥当だと思います。「3 輸血」は、一応念のた め残しておいてもいいと思います。  A型は以上です。  次は、その他の肝炎。つまり、BとCとDの肝炎ですが、これも「3 診断方法」の ところ、「(型)」というのを削除していただいて、その次の抗体検査の次で、「(抗 体価)」の「価」は要らないと思います。  右側の10番の(3)「病原体や媒介動物等との云々」。これは感染との因果関係はあり ませんので、削除された方がよろしいと思います。  A型とB型について、「主たる居住地区」は、小規模の集団発生がおこる場合などが ありますので、残した方がいいと思います。  肝炎は以上です。」 ○岡部委員長  ありがとうございます。委員の先生方から御意見がありましたら、お願いします。  診断方法の表現は、今の吉澤先生の御意見でいいと思います。  あと、このコメントは別にここに残すわけではないですね。先生からいただいたコメ ントということで。  それから、もう一つ提起されているのがHIVと同じことで居住地についての記載。 ○吉澤委員  A型とE型に関しては、ある地域に限定した散発発生があります。御承知のようにE 型は北海道、東北に多くて、A型はかなりばらばらではありますが、年によってある地 方にかなり濃厚に発生することがあります。このような場合、食品との関係などを想定 した調査が必要になります。ですから居住地はこの2つに関してはあった方がいいと思 いました。 ○岡部委員長  先ほどの事務局側からの説明では、それが推定される感染地域で読み込めるのではな いだろうかという説明なんですけれども、そこら辺はいかがですか。 ○吉澤委員  推定される感染地域というと、臨床の現場の人の多くは輸入感染症か否かを想定し て、外国、日本と分けるわけですね。国内のある地域もしくは地区に限定した場合でも 地図上にプロットして、どこに何人の患者が発生しているかを知ることがすごく大事に なると思います。 ○岡部委員長  その辺の議論はいかがでしょうか。  どうぞ。 ○相楽委員  この居住地というのは、患者住所と読めないんですか。4類は住所を書くことになっ ていますね。それだとわからないので。 ○岡部委員長  5類になると、まず住所がなくなるんです。 ○相楽委員  4類は、それで読めるんですね。 ○岡部委員長  それから、居住地と住所地はなかなか微妙な違いが多分あると思うんです。  どうぞ、大野先生。 ○大野委員  確かに微妙になってしまっていますね。 ○相楽委員  所在地は病院ですね。私たちが届けを出すときは、所在地は病院で、住所というのは 患者さんの住所地を書いて出しているので、多くはその方の居住地になるのかなという 気はします。 ○岡部委員長  非常に細かい方がいて、住所地はやはりその人が住所を届け出てあるところである と。居住地は本当に住んでいるところなんですけれども、本当は居住地の方がわかりや すいんです。 ○大野委員  やはり、結核でもときどきそういうことがありますけれども、ちょっとその辺は難し いです。 ○岡部委員長  事務局側の方は、居住地の表現はどうですか。 ○事務局(前田)  推定される感染地域ということが省令上求められている点からすると、(1)(2)両方要 る必要があるのかなという点はそういうふうには思います。 ○相楽委員  住所のところに、主に居住するところというような形で、何か住民票とは限らないと か、ただ1類、2類、3類は公費負担になりますね。 ○岡部委員長  意味は2つあると思うんです。その住所を明らかにしておくことと、感染対策上のそ の人のいるところと、それを使い分けて情報として得られないかということなんです。 ○事務局(前田)  4類までは消毒措置というものができますから、住所とか所在地を明らかにするとい う目的があったと思います。 ○吉澤委員  A型、E型については住んでいるところがわかるようにしておいた方がいいだろう と。 ○岡部委員長  そのところは、先ほども申し上げましたように、十分考慮をしていただきたいと。特 に、感染対策上で住んでいるところが要るという意味のことをやった方がいい。  それから、推定される感染地域から更に広がる可能性が居住地ではありますから、そ れが委員会としての強い意見であるというふうにお願いします。  それでは、吉澤先生の議論はそこでよろしいですか。  そうすると、残ったのが竹内先生からいただいている部分に参りますが、前田さん、 もうちょっと頑張ってください。 ○事務局(前田)  それでは、19番黄熱で41ページになります。黄熱についての修正点につきましては、 遺伝子検査という項目をここに入れてあげたいというお話がございましたが、これも病 原体診断の中で加えられるのではないかということで、(P)としてございます。あ と、ネッタイシマカによる媒介という修正がございます。  回帰熱でございますが、45ページでございます。こちらも統一的な修正のみでござい ます。  Q熱が、その次の47ページでございますが、こちらも統一的な修正のみでございま す。  つつが虫病の63ページでございますが、こちらについても統一的な修正と、春先とい うのを春〜初夏というふうに修正してございます。  テング熱でございますが、65ページでございまして、こちらも統一的な修正のみでご ざいます。  マラリアでございますが、83ページでございます。こちらも統一的な修正と、「臨床 的特徴」のところで錯乱など中枢神経症状、低血糖というふうな表現を加えていただい てございます。  アメーバ赤痢でございますが、95ページでございます。こちらにつきましては統一的 な修正と、患者所在地を入れてほしいという御意見をいただいてございます。あとは抗 原の検出ということで、患者ふん便からの赤痢アメーバ特異抗原の検出というのを付け 加えてございます。  103 ページ、48番のクリプトスポリジウムでございます。こちらも、患者所在地が必 要ではないかという御意見をいただいてございます。あとは、水系感染というものを感 染経路に入れておられるということがございます。  あとは、死亡することがあるという表現などを入れていただいております。人に感染 する主な種類はCryptosporidium hominis.にあるという表現を入れてございます。  117 ページ、52番のジアルジアでございますが、こちらについても、水系感染と患者 所在地。それから、原虫嚢子。下痢はしばしば脂肪性下痢というふうな表現を付け加え ていただいているところでございます。  以上でございます。 ○岡部委員長  ありがとうございました。竹内先生からいただいた寄生虫症が中心になりますが、こ の辺についての御意見がありましたらお願いします。  また蒸し返しになるんですけれども、推定される感染源・感染経路の方なんですが、 例えばマラリアは経口は消してあるけれども、便は生きてしまっているんです。ですか ら、さっきのでもう一回ありそうもない感染経路は一応切ると。それから、ある感染経 路は気道も入れて含めるというような形で、ここの部分は全面的に見直しておくという ことでよろしいでしょうか。  そのほかの部分では、竹内先生のはよろしいでしょうか。  それでは、あと全体的に気がつかれたことがありましたらお願いします。  私の方からなんですけれども、フォーマットの方で「10 診断時の症状」というのが ありますが、確かに症状もあるんですけれども、症状主体ですけれども、中にCRP陽 性とか白血球減少とか検査所見が入っているので、症状及び所見というような形にして いただいて、診断時というのがなかなか難しい。特徴的な症状・所見ということになる と思うんですけれども、ちょっとこの辺の言葉の工夫をさせていただければと思いま す。 ○事務局(前田)  その点については若干検討いたしたんですけれども、省令上、症状については届出事 項にあるんですが、所見というのが届出事項にないので、所見を書かない場合にそれが 感染症法違反で問えるかどうかというところが一つのネックでございますので、ここで 今では症状の中に所見的なものを混ぜておいて何とかそこを取れるようにしようかとい うぐらいにですが、それを本当に厳密に見ても症状と言えるものしか書けなくなるので はないかというのがちょっと。 ○岡部委員長  何となく書いておいて黙っているという。  これは前のところで、さっきやった、例えば発熱をどう考えるかとかそういう一つの あれを書くんですけれども、そのときにここで言う、例えば症状の中には一部所見を含 めるとかというようなことはただし書きで説明文として入れられますか。 ○事務局(前田)  ですから、その所見が診断方法に該当するものか、症状に該当するものだったら書き やすいと思います。だから、その所見が表れることで診断がつくのでしたら、本当に特 徴的なものでしたら「9 診断方法」のところに移してもいいようなものもあろうかと は思います。  ただ、省令の事項に忠実に従うと、診断方法か診断した症状を報告すると。診断した 医師が報告するときの症状ですので、それが診断前に発生したものを本当に医師に報告 する義務があるのかどうかという議論をしたところ、この書きぶりが一番穏当ではない かということで書いてございます。  これが、届出が罰則がかからない任意の届出ということでしたら非常に書きやすいん ですが、書かなかったときに50万円以下の罰金というそこがちょっとひっかかるので、 できるだけ厳選したいということでは考えているところでございます。 ○岡部委員長  そうすると、そこのところはするっとしておきますか。わかりました。  そのほかでは、何かありますか。  もしなければ、それでは相当ディスカッションをいただいて、私の不手際で30分ほど 遅れてしまったんですけれども、一応もう一回やらないではどうも済みそうでないとい うことと、多少積み残しがありますので、これは先生方に困ったときは御相談申し上げ ますけれども、一応まとめ役と事務局の方で相談をさせていただき、最終決定はまたざ っと見ていただくことになると思いますけれども、そういうような形で進めさせていた だければというふうに思います。  長時間、本当にありがとうございました。それでは、事務局の方からどうぞ。 ○感染症情報管理室長  先生方には、大変お忙しいところ膨大な作業を御尽力いただきまして誠にありがとう ございました。  冒頭で御説明いたしましたように、本日いただきました御指摘、御意見を踏まえまし て、再度見直しをさせていただきたいと思っております。今後感染症部会の方に、本ワ ーキンググループからの報告ということで、その結果について報告させていただければ というふうに考えております。  本日はどうもありがとうございました。 (照会先)  健康局結核感染症課情報管理係   電話:03−5253−1111(2932)