05/03/18 薬事・食品衛生審議会血液事業部会 平成17年3月18日議事録         薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録 1.日時及び場所   平成17年3月18日(金) 10:00〜   明治記念館鳳凰の間 2.出席委員(18名)五十音順   ◎池 田 康 夫、 大 平 勝 美、 岡 田 義 昭、 小 畑 純 子、    川 西   徹、 倉 田   毅、 清 水   勝、 白 幡   聡、    高 橋 孝 喜、 田 島 知 行、 中 村 雅 美、 花 井 十 伍、    平 澤 博 之、 比留間   潔、 幕 内 正 敏、○水 柿 道 直、    三 谷 絹 子、 山 口 一 成    (注) ◎部会長  ○部会長代理  他 参考人3名   欠席委員(4名)五十音順    朝 倉 正 博、 田 中   滋、 宮 崎 久 義、 吉 澤 浩 司 3.行政機関出席者   本 田   一(総務課長)、    金 井 雅 利(血液対策課長)、   浦 山 隆 雄(血液対策企画官)  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○血液対策課長 それではただいまから平成16年度第3回血液事業部会を開催いたし ます。なお、本日も公開で行うこととしておりますのでよろしくお願い申し上げます。  本日は現時点で委員22名中16名に御出席いただき、定足数に達しておりますので、 薬事・食品衛生審議会令第9条により本部会は成立しましたことを御報告申し上げます。 以後の進行については池田部会長、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長 先生方には年度末ということでお忙しいところお出ましいただきまして ありがとうございます。それでは早速議事に入りたいと思いますけれども、議題1はお 手元にございますように「平成17年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)につい て」でございます。これは血液法の規定によりまして薬事・食品衛生審議会の意見を聴 いて策定されるものでございます。この計画は3月4日の需給調査会での検討を経てお りまして、委員の皆様にはこの場で御意見を伺いまして、部会としての意見をまとめて 答申したいと思っております。先生方お手元に資料A〜Eまでございますね。御確認い ただいて、もし不足しているものがございましたら事務局の方までお申し付けいただき たいと思います。それでは事務局から説明をお願いします。 ── 三谷委員着席 ── ○事務局 それでは説明させていただきます。まず、「平成17年度の血液製剤の安定供 給に関する計画(案)について」でございます。先ほど御紹介がありましたように、3月 4日の需給調査会で御検討いただきまして事務局案で御了解いただいたものでございま すけれども、当日の調査会には採血事業者でございます日本赤十字社、国内の製造業者 の代表、それから輸入販売業者を代表しましてPPTAからそれぞれ参考人をお呼びし まして、この計画案について意見をお聞きしているところでございます。それぞれお聞 きしたところでは特に反対という意見はございませんでした。ただ、将来に向けてとい うことでいろいろ御提言、御意見等がございましたが、これについては資料Bの3ペー ジに調査会の議事要旨ということでまとめておりますので、こちらを御覧いただければ と思います。  主なものを幾つか申し上げますと、まず原料血漿についても来年どうかということで はなくて、少し長期的な目でどのぐらい必要かということも見る必要があるのではない かという意見がございました。それから原料血漿の価格でございますけれども、常に国 際競争価格ということで海外製品とも太刀打ちできるような内容で検討していただきた いという意見。輸入業者の方からは、感染症等がございますからこの業界は大変なリス クをしょっているということで、その辺は御理解いただきたいということと、世界的に 今業界としてはかなり苦しい状況にあるという御発言がございました。  委員の方からは、自給ということを考えますと国内の制限価格について既に二つ、三 つと値段が分かれているということがございまして、この辺りを国内だけでも何とか一 本化できるような、あるいは値段を近づけるような努力をしてもらわないと自給率が上 がっていかないのではないかという意見。それから原料血漿の価格を決めるに際しまし てもそれぞれ要素があるとは思いますけれども、原価計算の方法等についてもう少し見 直しをしてもいいのではないか、費用について結構増減が出ているところがあると。こ の辺りはうまく配分していかなければならないのではないかという意見を頂いておりま す。ほかにも調査会としては将来どうするかということも含めて長期的な視野に立って そういった検討も含めてやっていきたいということもございました。  本日使います説明資料でございますが、資料Bとお手元に赤い字で「読後回収」と書 いてある資料を用意しております。この読後回収の資料でございますが、企業秘密に関 するデータも含まれておりますので、会議終了後事務局の方で回収させていただきたい と思いますので、委員の先生方お持ち帰りにならないようによろしくお願いします。  それでは内容でございますけれども、5ページから始まりますが、これは平成16年度 現行の計画が既にできておりますのでそれをベースにしておりまして、基本的には来年 度の目標数値等、それから原料血漿等の配分価格、この辺について数字的なものを変更 したと。それから改正薬事法が4月から施行になります関係で、製造業者や輸入販売業 者といった業種の呼び方、整備が変わりますので、その辺について平仄を合わせたとい うところでございます。  まず5ページは前文でございまして基本的な考え方。それから実は39種類の医薬品が 需給計画の対象になっているのですが、そのうち効能を基に16に分類しておりまして、 内訳は11ページでございますけれども、一つの分類に複数の項目が入っているものがご ざいますので、その辺について説明をするという意味でまとめております。  続きまして第1でございます。平成17年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量 ということでございますが、これは昨年12月末までのデータに基づきまして平成16年 度の需給見込み、需要と製造業者の出荷量はほぼ等しいであろうと考えておりますので、 その予測をしまして、それも含めて過去3年程度の平均伸び率で平成17年度の予測をし ております。こちらの詳しい計算については23ページになります。今年度の供給見込み や年度末の在庫の見込み、それからこれはそれぞれの製造業者等から届出があるわけで ございますけれども、来年幾ら製造・輸入をし、幾ら供給する予定かといった辺りと、 私どもの方で予測をした供給、需要見込みを一覧表にしたものでございます。いずれも それぞれの業者の方から届出があった数量で在庫が足らなくなるということはないと考 えておりますものですから、次に第2の方にも行きますけれども、来年度に製造したり 輸入されるべき血液製剤の量、それから第4のところでございますが、国産の原料から 製造されるべき血漿分画製剤の種類と量という辺りは基本的にそれぞれの製造業者の届 出内容を集計したものにしてございます。  少し戻りますが、第3のところでございます。来年度の原料血漿を幾ら確保するかと いう部分でございますけれども、これの詳細な考え方等については13ページからござい ます。それぞれ製造業者から届出がありました数量を集計いたしまして、そこから日本 赤十字社の方でいったん一部使用したものの残余を再配分するという実態がございます ので、その再配分できるものの量を加味しまして、全く新規に集めなければいけないも のは幾らかということで計算しますと87万リットル必要であるということでございま した。必要ですと言われている分だけ集めていては先につながりませんので、ここは少 し上乗せをして次につなげましょうということで3万リットルほど上乗せしまして、来 年度の目標は90万リットルという計画にしてございます。それからこの90万リットル についてはそれぞれの都道府県に割当てを行いまして、確保に御協力いただこうという ことでございます。  16ページ以降にその都道府県別の割当ての考え方を示してございます。基本的には平 成12年の国勢調査の結果で人口比が出ておりますので、昼間の人口で目標量の半分を割 り当てて、残りの半分については献血可能人口比で割当てをしようということで計算を しております。さらに昨年は94万リットルだったと思いますけれども、その配分がござ いましたのでそれに今回の90万リットル、減少率を掛け合わせたもので幾ら集めたらい いのかという辺りを17ページの(1)、(2)というところで二つの試算をしたわけでございま す。結果で見てみますと(1)と(2)の差はほとんどの県で余りないものでございますから、 これは公平を保つという観点からなるべく人口比の方の計算値に近づけるということで 算定しております。ただ、表の上の方と下の方はかなり変動値が大きいものですから、 この辺は少し激変緩和させていただこうということで105%若しくは97%といった率を 掛けてそれぞれの目標値が余り大きく変動しないようにしております。  続きまして第5の原料血漿の配分量でございますが、基本的にはそれぞれの製造業者 の方から届出があった数量を集計して、そこに必要な数量を集めるということにしてお ります。それから価格の方でございますが、19ページからになっております。日本赤十 字社の方ではもともと輸血用血液の製造・供給をしておられるということに加えて、原 料血漿の供給もしておられると考えまして、輸血用血液の事業だけであれば負担するこ とがなかった費用を原料血漿の費用というふうに計算して、そこに係る経費をそれぞれ の配分量に応じて単価にしていこうと考えて計算してみました。そういったことでいき ますと、全血で採られます200cc、400cc…。 ── 説明中、花井委員着席 ── ○幕内委員 部会長、今の御説明がよく分からないので、もう1回言っていただけます か。 ○池田部会長 もう一度価格のところですね。 ○幕内委員 原料血漿の価格、またその考え方の…。 ○池田部会長 価格の問題ですね。もう一度価格の説明をしてください。 ○事務局 日本赤十字社では輸血用血液の事業をしておられますけれども、併せて原料 血漿の供給もしておられるということでございます。どこで線引きをするかというのは なかなか難しいわけでございますが、もともと輸血用血液の事業でスタートしたという ふうに考えまして、輸血用血液の事業しかしていなければ掛からなかったであろうとい う費用の部分を原料血漿の事業に要する費用だと考えようではないかということで、切 り分けをしようとしたわけでございます。 ○池田部会長 いかがですか、幕内委員。 ○幕内委員 その考え方は審議官も御了解して、厚生労働省全体でお考えになった議論 なのですか。そこは物の考え方として非常に重要だと思うのです。 ○血液対策課長 価格の問題については医薬食品局内部で十分議論した上で本日出させ ていただいていると。当然その前の段階といたしまして需給調査会で御審議いただいて いるところでございます。 ○幕内委員 物の考え方の基本です。輸血用の事業しかしていなければ掛からないであ ろう費用については原料血漿の売却費で補てんするという考えでございますね。 ○事務局 補てんということではございませんで、費用の…。 ○幕内委員 言葉の問題はともかくとして、その赤字分を充てんするための費用を計算 するために原料血漿の費用でそこを保証していくという考え方ですね。 ○事務局 先生、そうではございません。これは原料血漿を提供するのに幾ら費用が必 要なのかという積み上げをするときに、どこからどこまでが輸血用血液の製造に掛かる 費用でどこまでが原料血漿の費用かという振り分けをするためにそういう考え方をとっ たものでございまして、費用的には…。 ○池田部会長 清水委員は需給調査会の方に…。 ○清水委員 ちょっと私なりに理解しているところを御説明しようと思うのですが、要 するに歴史的に今までは輸血用血液で採血されて余るというわけではないのですが、余 剰になった原料血漿分を分画に回していたのです。ところが今度自給率をだんだん上げ ていくためにはそれだけでは足りなくなって、分画用の血漿だけを採取する、その目的 のための採血もやらなくてはならなくなったというところで、基本的な採血対応の違い が赤十字の方で出てきていると。したがって、従来のように輸血用血液だけ採っていて その中で余剰が出た部分を回していたのとは違うシチュエーションに変わってきたとい う説明で、そこの費用をどう考えるか。 ○池田部会長 要するにその分だけ採取に費用が掛かるようになっているというところ をどのように考えるかということですね。 ○清水委員 それからもう一点、原料血漿を確保するための採血方法は成分採血で採る ものですから、全血の採血に比べますと採血方法それ自体の費用が非常に高く掛かりま す。1キット何千円ということになりますから。ですからそのような観点で今の御説明 があるのだろうと思いますが。 ○池田部会長 よろしいですか。 ○血液対策課長 ちょっと補足でございますが、全血の場合そこから赤血球製剤なり血 小板製剤を作るわけでございまして、基本的にはそのために採血をしているという整理 をさせていただいたと。ただ、血漿成分採血については新鮮凍結血漿を作る場合と原料 血漿を作る場合がありますので、原料血漿を作るに当たる分についてはほとんど全額を 見ているという区分けをしております。 ○池田部会長 幕内委員、どうぞ。 ○幕内委員 先ほどの御説明でございますと、要するに原料血漿として必要な分画製剤 を各業者の方にお聞きになって、大体確保すべき用量は決まっているので、このぐらい の到達目標を決めなければいけないということでやっているわけですね。ですからそれ を本当に最初から全部分けてやっておられるのか、それとも例えば輸血用として採った 血液を分けて、その残った分は全部原料血漿で流れているのが現実ですよね。必ずしも PPPとして採っているわけではないということですね。ですから、その辺の分け方が 非常にあれで、結局結果として出てきた数字はいわゆる業者保護になっていて、患者さ んに掛かる負担が非常に大きいというのが現実です。ですからその点に関する配慮がな ければ、要するに患者さんの中である患者さんはメリットを受けてある患者さんはメリ ットを受けないと。私たちの医療の現場では要するに多量出血をするような手術をたく さん手掛けているわけですが、血小板製剤それから全血に至ってはPPFとパクとセル とFFPを多量に使います。実際にものすごく費用が掛かるという現実があるわけです。 ですからその辺をよくお考えになって、余りにも常識外れの業者保護的な価格を是正し ていただきたいというのはもう1年以上前から申し上げているわけでございまして、今 の御説明ではそれが全然改善されないではないかと。  これは結果的な話として、今事務局の方で御説明になった価格で、実際去年あるいは おととしと比べてどのぐらい価格差が縮まったのかというのはどうなのでしょうか。原 料血漿も分画にしてから人間に入れるわけですけれども、通常人間に普通の手術のとき に入れる、あるいはいろいろな白血病の管理などで使うFFPの料金と原料血漿の価格 が大体7対1ぐらいなのです。選挙ではありませんけれども、選挙の1票と同じような 考え方からすれば最低2対1ぐらい、どう考えてもせいぜい2〜3倍と。それでも不公 平感は非常に強いと思いますけれども、それが少しは縮まったのかという議論はいかが なのでしょうか。 ○池田部会長 事務局の方は何かございますか。原料血漿の価格について現時点で経年 性の問題ですね。今幕内委員が言っておられるような昨年、一昨年から比べて価格が安 くなっているということは今の時点ではないと思うのですが。 ○血液対策課長 基本的に新鮮凍結血漿については薬価が決まっているものでございま して、日赤の輸血用血液製剤についてはほとんど薬価が動いていないといいますか、実 勢価格もその程度で続いているということでございますので、原料血漿を平成11年に 20%ぐらい上げたのでしょうか。それ以降は大体…、でございますので、平成11年以降 はそれほど状況は変わっていないと考えております。 ○幕内委員 そういう状況があったので、審議官は全省的な立場から各課、いろいろな 部署を超えて討論なさって新しい価格を検討したいという御答弁があったと思うので す。それに対してまた薬価、薬価と。薬価は私たちの部門ではないという御回答では国 民は納得できないと思うのです。 ○池田部会長 今課長が言われたのは、いわゆるFFPその他の血液製剤の薬価は変わ っていないということですね。それはもう決まっていますよね。 ○幕内委員 ですから、血漿の保険の価格が幾らだからそこは動かせないのだという考 えでずっと来られたわけです。私がお話ししているのはそういうものも含めて、手術を 受ける国民の負担が非常に大きいのでそれを何とか下げてほしいということです。業者 の方にはその価格の7分の1で売っているとは一体何事かというのが正直な私の感想で あって、これを全血といいますか、PPFと要するにパクとブラッドセルと濃厚血球と 新鮮凍結血漿で入れると更にその14倍掛かるわけです。要するに濃厚血球とそれは血漿 と同じ値段なわけです。400cc採ってきて分離して濃厚血球と新鮮凍結血漿にすると、 その各々のところは全血と同じ値段なのです。全血は作られてこないということがあり まして、それでは非常に困るわけです。非常にアンバランス感が強いと。それは全省的 に検討して各課を超えて、あるいは部門を超えてお話しいただくということになってい るわけで、そういうことがここ1年いまだになされていないと。 ○池田部会長 幕内委員のおっしゃることは御意見として私も真摯に受け止めたいと思 います。これは非常に重要な問題を含んでいまして、やはり血液製剤の価格をどのよう に設定するかというのは恐らく別の機会を設けてでももう一度議論をしてもいい議題か もしれません。本日議題は血液製剤の安定供給に関する計画あるいは献血の受入れ等、 ここでは少し計画案について御承認を得たいということがありますので、幕内先生の御 意見については私は部会長としてお預かりして、また別の機会に議論させていただくこ とも考えたいと思っております。それでは少し議事を進めたいと思うのですけれども、 事務局の方からそのほかに安定供給に関する計画について説明することはございます か。 ○事務局 積算の方法などについてはまだ詳しく説明させていただいておりませんが …。 ○池田部会長 では簡単にお願いします。 ○事務局 そういったことでございまして、それぞれの採血について原料血漿確保のた めにどれだけの費用を見るかという積み上げをすることにしまして、その積み上げた価 格について供給される原料血漿の量で割り返して1リットル当たりの単価にしていこう と考えております。具体的に申しますと、21ページにそれぞれ考え方の表を示してござ いますけれども、全血採血の場合は採ってきた血液を赤血球と血漿に分けたときから、 原料血漿としてスタートすると考えまして、これは分けた後に掛かる例えば原料血漿の 容器代ですとか、凍結保管をする費用といったものについて積み上げをすることにしま しょうと。  それから血小板成分採血についてはやはり同じようにほぼ同時に原料血漿と血小板採 血とされているわけでございますが、こちらも手間的にはほとんど価格が変わらないと。 後から分けるか、同時に分けられているかということにすぎないと考えまして、こちら もやはり原料血漿の容器代、それから凍結保管に関する費用について負担をさせていた だこうと。  それから成分採血でございますが、これは輸血用として使われるものの量と原料血漿 に使われるものの量ということで比べますと、原料血漿の方が3〜4倍の量が採れてい るわけでございますので、こちらについてはなるべく掛かる経費について面倒見ましょ うということで、人件費、経費、それから材料費をそれぞれ見ていこうということでご ざいます。  材料費は献血をするときに一律に掛かるものでございますから、ここについては原料 血漿用の部分は丸々見ましょうということで全額積み上げていると。  それから経費については直接原料血漿の採血に関する部分で採血機器等の保守料、借 料、それから減価償却費、あるいは一部光熱費用が掛かるものもあるかと思いますので、 そういったものは見ていこうということでございます。  それから人件費については供血者の方が来られたときから現場で対応が始まるわけで ございますけれども、まず受付から採血後の対応までに掛かる事務方職員の経費、お医 者さんの問診等の時間に要する経費、それから看護師さんが実際に比重を測ったり、採 血をするために機械の準備をしたり、採血が終わった後処理をするまでの時間に要する 経費。それから効率よく原料血漿を集めるために採血場所にいつ行くか、献血にまいり ますので御登録の方にどうかこの日に献血に来てほしいという呼び掛けをするというこ とでございますので、そういった呼び掛けに対する経費。また献血をしてくれた方への 記念品などがございますので、そういったものの代金というのは積算しようということ で、これらのものをもろもろ積み上げまして、それぞれの採血方法を基に採れている原 料血漿の量と比較しながら割り返しをした結果、計算では13,154円ということでござい ます。これまで端数処理を端数切り上げでありました関係上13,160円ということで、現 行より10円高いという計算をさせていただいております。  それからこれはVIII因子製剤が採れるもの、何でもありの経費でございますけれども、 VIII因子製剤が採れないような原料もございますので、それは22ページ以降に示しており ます。その他の分画製剤用ということで、これは従来大体VIII因子製剤が採れない分1割 程度減額をしておりますので、ここは現行の凝固因子製剤用とそれが採れないその他の 分画製剤用の価格比の割合から計算をしてございます。それから日本赤十字社の方もい ったん分画をしまして再度供給するもの、II+IIIやIV-1、IV-4といったペーストがご ざいますけれども、これは中間原料と申しますが、昨年の薬価と売上げの比率等からど のぐらいの割合かということも勘案して、薬価の比率を使って計算していたのですが、 今回はそれを使わずに現行価格と変動率を掛け合わせて新単価にしようということで、 それぞれ計算させていただいております。価格の部分は以上です。 ○池田部会長 ちょっと長くなっていますけれども、そのほか議題1の安定供給に関す る計画の説明はよろしいですか。一応事務局の方から御説明いただきまして、幕内委員 から恐らく現場の患者さんを診る立場からいって、この血液製剤の価格がどのように決 まってどの程度が妥当なのかというお考えを述べられたと思うのですけれども、この点 については非常に重要な問題だと思いますので、また別の機会に是非これはやらせてい ただきたいと私としては思っております。今御説明いただいたのですけれども、平成17 年度に必要と見込まれる血液製剤の種類と量、それから国内において製造される量ある いは輸入されるべき血液製剤の種類と量の目標、そして一応原料血漿の確保目標量とし て平成17年度は90万リットルという計画が示されているわけです。価格に関しては今 いろいろ議論がございまして、一応こういう格好で今年度は決めさせていただくという 計画案が出ているわけですけれども、これについて委員の先生方に御議論いただきたい と思います。清水委員は需給調査会の委員とお聞きしていますけれども、この計画案に ついて何か御意見ございますか。たしか3月4日に調査会があったと聞いておりますが。 ○清水委員 原則的には結果としてこのようになったということでございますけれど も、議論の中ではいろいろございまして、私が考えるところはだんだんと自給目標量と いいますか、原料血漿確保目標量が下がっていくということは相対的に自給率が低下す ることにつながっていくということなのです。したがって、法律では国内自給を達成す るとうたっているにもかかわらず、全使用量が低下してしかも採血余力が上がってきて いて、自給率を100%により近づけるためには最も良好な条件下にあるにもかかわらず、 実際の採血量を減らして、自給率の達成が低くなることはどうもなさそうなのですが、 際立って高くなるという非常にいいチャンスを逸しつつあるのは非常に耐え難いことで あると。  ではその理由は何かといいますと、先ほど幕内委員の御指摘もありましたけれども、 結局国内価格と国際価格の違いです。したがって、例えば25%アルブミン50ccを例に とりますと、日赤が献血由来で作る日赤の製品が約7,000円、それから日赤から1リッ トル当たり1万何千円かを払って作っている日赤以外の国内3社メーカーの薬価が 6,000円、それから外国の売血由来で作られたアルブミンを輸入した薬価が5,000円と いうことで、そこで2,000円の格差が付いているのです。ただ問題は、日赤が献血でや っている、それから外国の輸入業者は売血由来、これは採血のシステムが根本的に違い ますから、外国の売血はものすごく安くできるシステムで再血漿ができるような体制を とっておりますので、この両者を一概に比較するということは大変難しい問題があるの ではなかろうかと。厚生労働省としては両者に国家検定をしまして、少なくとも既知の 安全性については同等と評定していますので、その質については問題はないと思うので すが、私は未知なる問題についてはどう考えるのかというところが大きな問題点ではな いかと思うのです。  したがって、まず最小限日赤の献血由来で日赤が作る7,000円と国内メーカーが献血 由来で作る6,000円はせめて同一価格にすべきではなかろうかということで、しかも日 赤以外の3社は日赤から原料血漿にお金を払ってなおかつ安く供給していると。ここの ところは非常に大きな問題点であって、日赤としてこの点をどう考えていくのかという ことは非常に大きな、しかも早急に解決を図るべき問題点であろうと思っているわけで す。したがって、血漿分画の製剤に関する検討会というものが別の委員会としてあるよ うでございますけれども、そこでそのための方策として速やかなる結論を出して、どう いう方向付けを出すのかということをやはり検討してもらう必要があるのではなかろう かと強く主張したいと思うのです。この薬価の積み上げ方式というのは初めて出てきた ものでございまして、いろいろな計算の仕方があろうかと思うので、それをまた経済的 な観点から専門家集団なりの議論も経ていく必要があるかとは思いますが。 ○池田部会長 ありがとうございました。本日議題が幾つかある中で非常に基本的な、 本当に我が国の血液事業にとってやはりきちんと議論をしておかなければいけない大事 な提案といいますか、サジェスチョンを頂きましたので、これについては私は部会長で すので厚生労働省の方とよく相談をいたしまして、別の機会に議論ができるようなこと を考えたいと思いますけれども、課長、そういう格好でよろしいでしょうか。 ○血液対策課長 そこはちょっと御説明させていただきたい点がございまして、資料の 32ページでございますが、「主な血漿分画製剤の自給率の推移」ということで、これは あくまでも事業者から出てきたものを基に推計をしております。例えば上から二つ目の 人免疫グロブリンですと平成17年度見込みで86%、前年度よりは上がるという見込み を立てておりますし、下から二つ目のアルブミンは56%、前年比6%増と。あくまでも 自給率の見込みでございますが、このように上がっている見込みだと。全体的に適正使 用等の推進によりまして、例えばアルブミンが次の33ページにございますが、全体とし て落ち込んでいる中で国内でも頑張っているといったことが読み取れるのではないかと 考えております。池田先生御指摘の薬価の問題については今までも各先生から三層構造 になっているとか、あるいは日赤の経営はどうかとかいろいろな御指摘もございまして、 我が方としてもこの薬価については考えなければいけないと思っておりますし、またこ の部会においても御指導いただければ有り難いと考えております。また池田部会長とも 御相談させていただきたいと思います。 ○池田部会長 そうですね、ありがとうございました。ということですので、では幕内 委員、簡単にお願いします。 ○幕内委員 簡単に申し上げますけれども、新鮮凍結血漿が約150mL400cc由来プラスマ イナス10ccぐらいだと思いますが、これが1万8,000何がし。それに対してこれをちょ っと見ますと間違えやすいのでもう一度御注意申し上げておきますが、原料血漿の方は 1リットル当たりが1万3,000円という計算でございますから、この間に7倍近い差が あるということは御理解いただけると思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。そのほかございますか。どうぞ、大平委員。 ○大平委員 先ほど標準価格の考え方というところでは、19ページの基本的な考え方に ついて幕内委員の方からも御指摘がありましたが、私としては現在原料血漿の確保、輸 血用血液と血漿分画製剤の原料確保は同時並行といいますか、両方とも大切な責務と思 っております。ここに書かれておりますように「輸血用血液に関するものを本務ととら え」というのは、文言的にも少し時代が違っているのではないかというところで、血液 法に照らしますとやはり輸血用血液、それからまた原料血漿を確保して血漿分画製剤を 自給するという方向は同時にきちんとやっていくということなので、その辺は少し文言 の整理をお願いしたいと思います。 ○池田部会長 よろしいですか。ここに書いてある「日本赤十字社が行っている採血業 務のうち輸血用血液に関するものを本務ととらえ」という考え方ですね。大平委員は両 方とも非常に重要なものであり、どちらが重要な本務ということではないという考えだ ということですけれども、その辺についてはよろしいですか。事務局の方で何かコメン トはございますか。課長、よろしいですか。 ○血液対策課長 御指摘のとおりでございまして、日本赤十字社におかれてはやはり輸 血用血液製剤だけでなく血漿分画製剤の製造も行っている、両方の製剤にとって重要な 位置付けということがあるわけでございますが、先ほどの原料血漿の標準価格について 検討する際に一つのそういう整理をしたということでございまして、決して輸血用血液 製剤をということではないのでよろしくお願いいたします。 ○池田部会長 明らかに我が国の自給を推進するという方向に向かっていますので、そ の理解はよろしいのではないかと思います。ほかの委員の先生方はよろしいですか。非 常に大事な問題を指摘されましたけれども、それについては先ほど私お約束しましたよ うに厚生労働省の方とお話しさせていただいて、また別の機会に議論させていただくと いう格好にしたいと思います。そのほか何か修正するような点はございませんでしょう か。確保する量あるいは各部署への割当て等も含めて、この計画についてよろしいでし ょうか。どうぞ。 ○大平委員 多分この計画を練ったときにはクロイツフェルト・ヤコブの問題とかはま だ表面化していなかったところがあったと思いますが、いろいろ後でも議題になります けれども、vCJDの感染の問題があって献血者を制限といいますか、遠慮していただ くということになると、もしかしてかなりの部分で献血の対象者が減るということも考 慮に入れて、これは広報の仕方だと思いますけれども、厚生労働省、また日赤の方でも 若い方たちの献血についての協力を積極的に働き掛けていただけるようにしないと、目 標量が達成できないということもあるかもしれませんので、その点を考慮していただき たいと思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。議題3でもまた報告あるいは御議論いただき たいと思いますので。ではよろしいでしょうか。それでは先生方から貴重な御意見を頂 きましたけれども、この平成17年度の血液製剤の安定供給に関する計画を告示するに当 たって、また法令的な観点から審査を経ることになりますので、そこでの修正について は部会長に御一任いただきたいと思います。お約束をいたしましたけれども、価格等の ことについてはまた改めて御議論させていただきたいと思います。よろしいですか。あ りがとうございました。  それでは時間の関係もございますので、次に議題2の「平成17年度の献血の受入れに 関する計画(案)の認可について」です。これは血液法の規定によりましてやはり厚生労 働大臣の認可を受けなければならないことになっておりまして、これに当たっては審議 会に諮問することとされております。この計画は日本赤十字社から提示されたものであ りまして、この場で委員の皆様の意見を伺いまして、部会としての意見をまとめて答申 をしたいと思っております。本件については参考人として日本赤十字社血液事業本部副 本部長の沼田芳彰さん、同じく副本部長の金光公浩さん、同じく安全管理課長の日野学 さんをお呼びしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。どうぞ、席の方に 移動してください。 ── 参考人着席 ── ○池田部会長 それでは日本赤十字社の方から説明をお願いしたいと思います。 ○参考人 日本赤十字社血液事業本部の沼田でございます。どうぞよろしくお願いいた します。委員の皆様方には日ごろより血液事業の推進、運営について御指導と御協力を 賜り、誠にありがとうございます。この場をおかりして厚くお礼申し上げます。  平成17年度の献血受入れ計画について、お手元の資料Cを御覧いただきながら御説明 させていただきます。まず、4ページにある平成17年度献血受入計画の概要について御 説明いたします。この平成17年度献血受入計画は安全な血液製剤の安定供給の確保等に 関する法律第11条第1項に基づき、採血事業者としての日本赤十字社が作成したもので ございます。その作成に当たりましては同法第11条第2項の規定に従い、あらかじめ各 都道府県の意見を聴いて作成したものでございます。必要とする血液を過不足なく安定 的に供給するために、受入目標量については全血献血で約134万リットル、血小板成分 献血で約32万リットル、血漿成分献血で約32万リットルの合計198万リットルとなっ ております。都道府県及び市町村におかれましては法第11条第4項の規定に基づき、当 該地域における献血受入計画の円滑な実施を確保するため必要な御協力をお願いいたし たく、よろしくお願い申し上げます。  次に平成17年度の広報活動の重点項目について御説明いたします。日本赤十字社が行 う平成17年度広報活動の具体的な取組としては、(1)国内の献血血液による「国内自給」 に向けての広報、(2)複数回献血者及び献血登録者確保のための広報、(3)1年間を通して 安定的に血液を確保するための広報、(4)若年層への献血に関する普及啓発のための広報、 この四つを重点項目として年間を通した全国キャンペーンの実施、及び地域に密着した 地域別の広報を展開してまいります。なお、テレビ、ラジオ等を利用した全国的な献血 推進キャンペーンとしては7月の「愛の血液助け合い運動月間」、12月の「全国学生ク リスマス献血キャンペーン」、平成18年1〜2月の「はたちの献血キャンペーン」、平 成18年3〜4月の献血者が減少する時期に行う「春の献血キャンペーン」を実施するこ ととしております。  さらには、輸血用血液製剤の安全性向上を図るため各種安全対策を実施しております が、特に安全な血液の受入れを確保するため平成16年10月から検査目的の献血防止の 一環として、献血受付時の本人確認を実施しております。平成17年度においても「安全 で責任のある献血」の普及に努めてまいります。なお、より適正な本人確認の実施及び 献血者の利便性等を図るため、献血手帳のカード化の検討を進めていくこととしており ます。さらには問診業務の充実強化に努め血液製剤の安全性向上を図り、安全な血液の 受入れ確保を目指します。また、複数回献血の受入れを促進するため、国と連携し複数 回献血者を構成員とするクラブを設立し、情報提供等の各種サービスを図っていくこと としております。  次に、5ページの別紙1の平成17年度に献血により受け入れる血液の目標量について 御説明いたします。これは国並びに各都道府県が作成した献血推進計画に基づき作成し たものであります。先ほど述べましたように目標量については全血献血で約134万リッ トル、血小板成分献血で約32万リットル、血漿成分献血で約32万リットルの合計約198 万リットルとなっております。これを献血者数に換算いたしますと、全血献血は約380 万人、血小板成分献血は81万人、血漿成分献血は71万人となり、合計で532万人の受 入れを予定しております。なお、19番目の山梨県の血小板成分献血量が「0」となって おりますが、これは下段の注釈に記載してございますけれども、採血の効率性を考慮し て山梨県で必要とされる血小板製剤を東京都での成分献血で確保しているため、「0」 と計上しております。ちなみに山梨県での血小板成分献血必要量は約1,500リットル、 約3,600人ほどでございます。日本赤十字社といたしましては今後もこの事例のように、 当該都道府県の御理解を得ながら近県における採血の効率的な役割分担を検討し、血液 製剤のより安定した供給に取り組んでまいります。  次に6ページの別紙2-1を御覧いただきたいと思います。平成17年度に献血により受 け入れる血液の目標量を確保するための各採血所ごとの目標量及び稼働数についてでご ざいます。下段の注釈にも記載してございますが、右上段にあるオープン献血とは献血 のベッド等の器材を持参し、事業所や学校の会議室等をお借りして献血を実施する方法 でございます。この表の一番下の合計の欄に記載のとおり、左の血液センターの稼働日 数は延べ1万1,157日、献血ルームの稼働日数は延べ3万8,342日、移動採血車の稼働 日数は延べ6万9,228台、オープン献血が1,773回であり、合計で12万500回稼働と計 画しております。年間の献血者数約532万人をこの12万500稼働で割りますと、1稼働 当たり44人の献血を受け入れる計画となっております。1稼働当たりの献血受入者数は 減少傾向が続いております。都道府県、市町村におかれましては法に規定されている献 血について住民の理解を求めること、並びに採血事業者による献血の受入れが円滑に実 施されるよう、必要な措置を講じることに関してなお一層の御協力をお願いしたいと思 っております。  次に7ページの別紙2-2でございますが、これは平成17年4月1日現在の献血受入施 設数等及び平成17年度の献血受入施設整備予定についての資料でございます。献血受入 施設数については血液センターが全国で72あるうち、44血液センターで献血を受け入 れております。また、献血ルームは全国で119か所、移動採血車は317台ございます。 また、成分献血を行うための装置については2,407台保有しております。全国72の血液 センターのうち製造を行っているのは56か所の血液センターでございます。また、血液 検査を実施しているのは44か所の血液センターでございます。例えば佐賀県の血液セン ターでは検査と製造を福岡県に委託しており、現在佐賀県の血液センターでは検査、製 造とも実施しておりません。また、現在全国の血液センターで血液型や感染症検査用に 使用している検査機器の更新時期が迫っていることから、新しい機器の選定を見据えな がら全国の検査及び製剤の実施体制の再検討を行い、医療機関や患者様へのサービスに 十分配慮しながら、より合理的で効率的な血液事業の運営に努めてまいる所存でござい ます。  次に平成17年度の献血受入施設の整備予定でございますが、血液センターの新設及び 休廃止の予定はございません。献血ルームは新設3か所、休廃止3か所を予定しており ます。また、移動採血車については2台を減車し、35台を新車に入れ替える予定にして おります。さらに、成分採血装置は1台を減らし、190台を新たな装置に入れ替える予 定としております。  次に8ページの別紙3を御覧いただきたいと存じます。別紙3は平成17年度に献血に より受け入れる血液の目標量を確保するために必要と思われる具体的措置についての資 料でございます。各血液センターの具体的措置については時間の関係で割愛させていた だきますが、各血液センターで挙げている措置として比較的多いのは次のようなものが ございます。年末年始等の献血者数が減少する時期には定休日を設けないで献血ルーム を開く。また、献血バスの増車、受付時間を延長する、各種キャンペーンの実施、それ から献血者登録制の活用、400mL成分献血の推進等、これらのことで献血者の確保に努 めることと考えております。少子高齢化が進んでいる中ではございますが、今後とも委 員の先生方を始めとして各都道府県や献血協力団体、ボランティアの方々の理解と協力 を頂き、年間を通じた安定的な献血者の確保に努めていく所存でありますので、今後と も御指導のほどよろしくお願い申し上げます。以上をもちまして、平成17年度における 献血の受入計画についての御説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ── 説明中、倉田委員退席 ── ○池田部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について御意見、御質問のあ る方はお願いしたいと思います。受入計画達成のための取組として広報活動のこと等い ろいろお話しいただきましたけれども、いかがでしょうか。どうぞ、花井委員。 ○花井委員 前回はまだ本部制ではなく体制を刷新する段階ということだったと思うの ですが、本部制で中央で全体を統括するという状況になったにもかかわらず、やはり都 道府県から上がってきた各センターの取組をずらずらと羅列しているようでは、資料と してちょっと煩瑣であることもそうですけれども、やはり全体を一貫してコストの面と か、いいところはいいということで全国で全体化するとか、問題がある部分については 考えるとか、そういうことを事業本部としてこういう方針で全国がこう動いているとい う形になるような資料にした方がいいのではなかろうかという意見を前回も言わせてい ただいたと思うのです。今回もちょっとまだそういう資料にはなっていないと思うので、 事業本部が稼働してまだそこまでは手が回っていないということかもしれませんが、事 情はよく存じているつもりではございますけれども、そこはやはり各センターがそれぞ ればらばらにやるということから脱却することを、このいわゆる具体的様々な措置に関 しても形にしていただきたいということを意見として申し上げておきたいと思います。 ○池田部会長 それについて何かございますか。 ○参考人 昨年度も私ここに来て御説明させていただき、委員の方からそういう御意見 を頂きまして、資料の作り方が悪く大変申し訳ございません。昨年10月から経営会議が できまして、それを主体に例えば技術委員会や献血推進委員会などいろいろな委員会を 作っておりまして、その献血推進委員会の方で供給問題や献血者募集問題、安定供給、 普及啓発といったことについて議論することとなっております。それを踏まえまして次 年度の活動については全国の各センターの意見を吸い上げて、それから本社の方針を決 めて通知するという形が整っていくかと思いますので、もう少しお時間を頂きたいと思 います。 ○池田部会長 花井委員、よろしいですか。 ○花井委員 次年度はよろしくお願いいたします。 ○池田部会長 約束をしていただいたということで、やはりどういう点が全国的にやっ たらいいのかとか、組織が改変しているわけですから、もう少し積極性を持って指導し ていただきたいと思いますけれども、その点について何か御意見ございますか。 ○小幡委員 今の御意見と同じことを思っていたのですが、多少きめ細かといえばきめ 細かという見方もできて、よく言えばそういうことになろうかと思いますが、率直な感 想を言えばやはり献血の目標量確保のための具体的措置などはそれほど地域差があるか なという感じがしております。Jリーグがあるところとか、あるいは東京など都市部で あるとか、多少はもちろんあるかと思いますが、それほどの差があるとはなかなか考え にくいところがございますので、恐らく受付時間を延ばすとか、この措置をやってどの くらい効果があるかという、そこをフィードバックして、むしろ今後どの都道府県にお いてもこれをやれば非常に有効であるということをはっきりさせることがとても大事だ と思いますので、そうして次につなげるという姿勢でやっていただきたいと思います。 ○池田部会長 貴重な意見をありがとうございました。どうぞ、清水委員。 ○清水委員 原則的にいろいろあるかと思うのですが、この概要は結構なのですけれど も、例えば「(2)複数回献血者及び献血登録者確保のための広報」の「複数回献血者」と いうものをどのように定義して、毎年大体1回の人、2回の人、3回の人というような データを各都道府県ごとに全部集計できる体制があるかどうか、これが非常に大事なこ とだと思うのです。それで全献血者の中の何パーセントがいわゆる複数回献血者であっ たかというデータが今きちんとぱっと出せる体制にあるのかどうかと。もしないならば それを早急に作ってもらう必要があるだろうと。先ほどちょっと議論もありましたけれ ども、特に血漿成分採血については複数回献血者が多いはずなのです。しかも、献血者 が複数回来てくれるということは脱落する献血者の数が相対的に減ってまいりますか ら、採血効率がよくなるという経済的メリットも出てくるわけでございます。そういう 観点からまずそのような集計、それから複数回献血者を増やすこと自体は昔から言われ ていることで、今更改めて言うこともないのですが、その実績がどのように上がってい るかということを場合によっては半年ぐらいの単位で報告していただきたいと。そのよ うな体制をとれているかどうかということです。それから、とれていないならばいつか らその体制がとれるのかというところがやはり一番根本的な問題の第一点として指摘し ておきたいと思います。  それから第二点といたしましては先ほど佐賀県や山梨県のお話が出まして、それは献 血のコストダウンといいますか、いろいろな意味において都道府県の枠を超えて広域化 を図っていくということは非常に大事なポイントであり、しかもコストダウンにもつな がっていくということにおいて非常に意味があると思うのです。今度本部制がスタート したようですけれども、これを今後どのような計画の下に推進するのかを、計画の段階 で構いませんから発表できないものかと。できないならなぜできないのか、できるなら どこが対象になっているのかという計画を、例えば半年ごとくらいに報告していただき たい。そうでないと、献血にお金が掛かることは内外を見ていれば分かることですけれ ども、掛かるからといって幾ら掛かってもいいというわけにはなかなかいかない。しか も原料血漿の価格が高いということもあって、献血由来の分画の自給がなかなか、確か に数値の上で相対的に上がっていることは結構なのですが、これで原料血漿を更に例え ば2〜3年前のように108万リットル維持できれば、58%と言わなくても70%以上にな るわけです。そういうことに結び付いていくわけですので、根本的な採血計画のところ をやはり考えていただく必要があるだろうと。  それからもう一点は供給とのかかわり合いです。例えば5ページに表がございますけ れども、成分採血で血漿成分採血由来、それから全血由来の中から大体40%くらいのも のは原料血漿あるいはFFPとして使えるわけですが、部会長のおっしゃったとおりま た後で根本的な議論はしてもらったらいいと思うのですが、例えば成分採血由来のFF Pはコストが掛かると。でしたらこれはFFPとして積極的に供給して薬価の高いFF Pで回収すると。そうでなく全血的なものは安いコストで原料血漿が供給できるならば、 それは積極的に成分に回していくというような方針を半年ごとにどのようにして供給し て実績が上がってきていたかと。もちろんFFPで採った方がまだ第VIII因子を作ってお りますから、成分採血由来で作ったFFPの方が効率よく生産できますから、そういう 部分は成分採血由来で積極的に回すべきだとは思いますけれども、もう既にこの数値だ け見ますと我が国で使われているFFPの使用量は成分採血で100%賄える量は確保で きています。ですから、それをどのようにあんばいするかということが非常に大事なポ イントになってくるかと思います。したがって、そのような効率的な供給体制を全体と していかにコストダウンに結び付けられるような形で運営するかということをやはりき ちんと考えてもらって、それを半年ごとでいいですから報告していただくようなことを お願いしたいと思うのです。 ○池田部会長 ありがとうございました。これまで安定に供給する、それから安全な血 液を供給する、これは一番大事なことだと思うのですけれども、やはりコスト意識があ るということは効率化にも結び付くという御議論を今日たくさん頂いたと思うので、是 非その点を考慮して取り組んでいただきたいと思います。橋委員、どうぞ。 ○橋委員 先ほどの価格の問題とか献血の受入計画のお話を伺っていまして、先ほど 花井委員から言われたようになかなか日赤の改革がまだまだ進んでいないということを 感じます。やはり今のコストの問題、いかに合理的にやるかを考える上でも、今までの 連合体型のやり方では限界があるのではないかと思います。小幡委員はどこでもコスト は大きく違わないのではないかと言われますけれども、現実には大きく違う可能性があ ります。コストをそれぞればらばらに考えて各自治体における支社の傘下において予算 を組むとか、そういうやり方では今までの議論にあったリクエストにこたえることはで きないのではないかと思うのです。ですから是非血液事業本部で予算と人事を一本化し て透明化してほしいと。それがすぐにはできないという先日のお話でしたけれども、是 非それを早急に実現するスケジュールを示していただきたいと思います。そうでないと、 先ほどの幕内委員の価格差の問題、そして最終的にこの日赤の血液ビジネスがぎりぎり プラスマイナスなく回っていくようにどうできるかとか、そういう議論ができないと思 うのです。あるいは血液をどのように有効に確保して有効に利用するかというのも、今 までの分割された形のやり方では無理だと思うので、是非それを早急に実現するような 計画をお示しいただきたいと思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。それでは小幡委員、どうぞ。 ○小幡委員 ちょっと誤解を受けたのかもしれませんが、私は今都道府県ごとに効率性 に非常に差があってもやむを得ないかというと、そうでもないのではないかと見て思っ たので、本来コストが掛かり過ぎているところはもっと効率的にできるはずではないか と思うので、そこで全体としてこういうやり方をすれば一番効率性がいい、コストを下 げられるということがあれば積極的にフィードバックすべきではないかという意味で申 し上げました。 ○池田部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。どうぞ、 中村委員。 ○中村委員 簡単にいきます。ほとんどの方がおっしゃったのですけれども、例えば今 御説明の概要で広報活動の四番目に若年層に対する広報活動とあるのですが、コストの 問題もさることながら広報が効果的な結果を生んでいるかどうかという分析をしない と、広報というのはのれんに腕押しではないですけれども、やりっ放しで結構効果のよ く分からないところがあるのですが、それの分析はされたのかどうかということ。それ から順序は逆になるのですが、これは昨年も聞いたのですけれども、若年層の献血が傾 向として減っているのかどうか。減っているのであればそこをもっと重点的にやらない と、次世代の献血がかなり厳しくなるのではないかと思うのですが、その辺の分析はさ れていますでしょうか。あるいは日赤本体として統一的な方法を検討されていますでし ょうか。 ○池田部会長 それについて日赤の方からどうぞ。 ○参考人 全国的な広報、キャンペーンに関しては広告会社に委託してやりますので、 一つ一つのポスターの認知度とかテレビコマーシャルをやった場合の見たか見ないかと か、そういう統計は毎回とって、どれぐらい認知されたかということは行っております。 ○池田部会長 中村委員のおっしゃったのは認知されたかではなくて、その結果として 献血活動にどのような変化が現れたか、そこが一番大事…。要するに広報の目的はそれ ですから、そこにアウトカムがどうもたらされたかという、どちらかといいますと我が 国ではアウトカムリサーチというガイドラインを作ったり広報をして、その結果どうな ったかという分析がなかなか出てこないというところがございますね。 ○中村委員 やりますということは書いてあるのですが、やった結果がどうなったのか、 果たして効果があったのかどうかは読めないですよね。その辺の分析はされているのか どうかということです。 ○参考人 それもするように言っておりますけれども、なかなかそれは具体的に例えば 車ですと何台売れたとかいうことですが、例えばその期間中に雪が降ると献血者は途端 に半分以下に減るわけです。そうするとそれをどのように見るかということもございま して、なかなか難しい問題でございます。 ○中村委員 そういう個別的な問題ではなくてトレンドとして、実際問題例えば若年層 が増えているのか減っているのか、減っているのであれば広報のやり方がまずいという アウトカムリサーチをしっかりやらないと、単にお金だけつぎ込んで広報をやっている ということにすぎないのではないかという気がするのです。その辺の分析をきちんとや って、個別の年の特別な理由ということではなくて、全体を眺めて傾向としてどうなの かということを分析していかないと、せっかく広報をやられても全く意味がないのでは ないかという気がするのですけれども、どうでしょうか。 ○参考人 先ほどから申しておりますようにもちろん分析をしております。それから若 年層に関しましては200mLの献血数が減っている、これは医療機関で200mL献血をほと んどお使いにならない、安全性のため200mL献血以外の製剤をお使いになるということ から、また私どもも200mL献血よりも400mL献血ということでお勧めしておりますので、 16〜17歳の献血者の方は非常に減っております。半減というよりもっと減っております。 それから傾向といたしましてやはり30〜40代の方は安定していますけれども、20代の 方は減っております。ですから、これは若年層の16〜17歳から20歳の方に対する広報 の仕方をより考えていかなければいけないということは明白でございます。御指摘のと おりでございます。 ○池田部会長 委員の先生方から厳しいといいますか、むしろ日本赤十字社に対する暖 かい御意見を頂いたと私は思っております。是非また次回のこの血液事業部会にそのよ うな先生方からの意見を踏まえた報告を頂きたいと思いますので、よろしくお願いしま す。どうぞ。 ○参考人 一つだけ弁解がましいことを言うようですけれども、私ども献血受入計画を 作りましたが、普及啓発については国又は都道府県の責務になっておりますので、日赤 が全く普及啓発、広報をしないということではございませんが、それ以上に国又は都道 府県の責務として記載されている献血者への理解を求めることとか普及啓発について は、国及び都道府県のなお一層の御努力をお願いしたいと思います。 ○池田部会長 平成17年度の献血受入計画について御説明いただいたわけですけれど も、基本的には先生方にこれを御理解いただいたということでよろしいでしょうか。で は簡単にお願いします。 ○大平委員 こういう国と日赤との投げ合いというのがこちらとしては一番困ることで す。やはりそういうことがないようにどこが責任を持ってどこを担当しているか。今回 の広報の分析も国の方で広報をしているのでしたらその広報の分析をして、どういった 年齢層で献血対象者が減っているかとか。やはりここの最終的な計画立案の段階で国に もお願いする、日赤の方でも努力するということがなく、双方で投げ合ったままになる と国民が一番困るということになるので、やはり国も日赤も公的な責任を持ってそれぞ れがやっていただくという責務をきちんと実行していただきたいと思います。 ○血液対策課長 大平委員御指摘のとおりで、国の責務あるいは日赤の仕事だとか押し 付け合わずに協力してやらなければいけないというのは当然と思っておりますし、厚生 労働省といたしましてもやはり若年者の献血離れが言われていて今非常に大きな問題だ と思っております。来年度予算案の中で若年者の献血に対する意識調査と申しますか、 献血に来ていただける方、来ていただけない方に調査をしてどういう広報活動をやった ら効果があるのか、あるいは来ていただくにはどうしたらいいか、そのための基礎資料 を得たいと考えているところでございます。また200mL献血のことで、確かに今400mL 献血を推進しているということでございますが、後ほどvCJDの関係の話が出ると思 うのですけれども、やはりこれから献血に来ていただく方を増やしていかなければいけ ないと。そういう中で高校生献血をどう考えるかというのは非常に重要な課題だと考え ております。 ── 小幡委員退室 ── ○池田部会長 ありがとうございました。この血液事業部会があるのもやはり先生たち の貴重な時間を頂いていろいろな意見を活発に言っていただいて、それを受け止めてま た日赤の方も御努力いただきたいと思います。ありがとうございました。事務局の方に は皆さんから頂いた意見を踏まえて、この平成17年度の献血受入計画の認可の手続を進 めていただきたいと思います。日本赤十字社はいろいろ大変でしょうけれども、受入計 画に基づく献血の受入れをよろしくお願いしたいと思います。御苦労様でした。  それでは議題3に移りたいと思います。これも非常に重要な議題でございますが、「変 異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染ルートの調査結果を踏まえた献血に係る対応等 について(報告)」ということで、これについて先月あるいは今月の上旬に報道され、皆 様御存じかと思いますけれども、現時点での取組状況も含めて説明をお願いしたいと思 います。ではよろしくお願いします。 ── 橋委員退室 ── ○事務局 それでは資料D-1〜D-8までございますけれども、これを説明させていただき ます。資料D-1〜D-7までについては3月7日に開かれた血液事業部会運営委員会で御説 明させていただいた資料となっております。資料D-8は輸血医療の安全性確保のための 総合対策、昨年夏に御了承いただいたものをお付けしております。では順を追って説明 させていただきます。  資料D-1は3月7日に健康局の方から説明されたクロイツフェルト・ヤコブ病等委員 会の報告でございます。2ページに概要が入っておりまして、3ページを御覧いただき ますと報告書本体となっております。感染ルートについての報告でございます。概要に ついては記者発表等がございましたので皆様御存じだとは思うのですが、説明させてい ただきます。  3ページの「2.調査結果」でございます。御家族へのヒアリングや患者御本人のパス ポート及び出帰国記録の調査から確認された内容としまして、この方は1990年前半にv CJD患者発生国である英国に24日間程度、フランスに3日間程度いらっしゃいまし た。食生活については御家族へのヒアリングから国内では御覧のとおりで特に偏食はな かったということと、牛肉の摂取は月に2〜4回程度ということでございます。海外渡 航当時の食生活でございますけれども、英国では朝食は日本食が多く昼食・夕食は主に 現地食ということで、食事としましてはキドニーパイ、ローストビーフ、ブラックプデ ィング、カレー、ソーセージ、ハンバーガー、グレイビーソースを喫食していたと。な お、キドニーパイ以外の内臓を用いた料理を喫食したか否かは不明ということでござい ます。フランスも含めてその他の渡航国の食事内容については不明ということになって おります。御家族及び主治医等へのヒアリングから手術歴、輸血歴等についてはないと いう結果が得られております。  4ページの「3.英国等渡航当時におけるBSE及びvCJD患者の発生・対策の状況」 でございます。渡航先国の中でvCJD患者発生国は英国とフランスのみでございまし て、これらの国の状況について検討されております。まず患者発生状況について、英国 では1994年1月に初めて確認され、これまで154例が報告されております。フランスで は1994年2月に初めて確認され、これまで9例が報告されておりますけれども、これら の患者については英国滞在歴はないという結果が得られております。対策としましては、 英国では1989年11月に特定危険部位として法的に食用目的の販売を禁止しております。 また(1)にありますけれども、頭部については1992年3月に脳除去後の頭部の肉の使用を 禁止、さらに次のページでございますが、1996年3月には特定危険部位に指定されて食 用禁止措置が採られております。脊柱については1995年12月に禁止措置が採られてお ります。フランスでは1996年3月に英国からの牛の輸入を禁止しておりまして、同じく 6月に特定危険部位として食用及び家畜飼料からの除去並びに焼却処分を実施しており ます。また、1997年1月にはMRMの製造を禁止しております。  5ページの後段になりますけれども、「4.検証」ということでございます。血液によ る感染や観血的な医療行為に伴う感染の可能性についてはほぼないと判断されておりま す。BSE牛の経口摂取の可能性について検討されております。まず暴露リスクについ てですけれども、1990年当時のフランスにおける暴露の可能性、日本における暴露の可 能性は否定できないが、1990年当時の英国における暴露リスクが他国より相対的に高い と判断されるとしております。そして6ページの上の方ですけれども、英国において摂 取したとされる食品の中にMRMを含有している食品に該当するものとして、ハンバー ガー、グレイビーソース等が含まれるとしております。  短期間暴露での発症の可能性についてここは検討されております。二つ目の「○」で ございますけれども、ヒトにおけるvCJDの発症機序はまだ解明されていませんが、 牛がBSEを発症するBSEプリオンの最小量(閾値)について、BSE牛の脳組織を経 口投与した場合の発症状況は0.001g投与群でも15頭中1頭の発症が確認されていると いうことで、このように個体差はあるにしても少量において発症する牛の事例が存在し ており、これをヒトの場合にそのまま適用することは無理があるとしても、ヒトにおい て少量のBSE牛の経口摂取をもって発症し得ないとは言えないということです。  「5.まとめ」としまして、このようなことからフランスでの食生活が不明なことなど もあり、フランス及び日本における暴露の可能性を完全に否定するものではないものの、 英国滞在時の暴露の可能性が最も高い説明力を有するということでまとめられておりま す。  続いて資料D-2でございますけれども、こういった専門家の報告を踏まえまして献血 に係る対応について検討させていただいております。3月7日の運営委員会での資料で ございますけれども、1の(1)の(1)にありますが、1996年までに英仏に1日以上滞在歴 がある方の献血を制限すること。1997年以降はこれまでの6か月以上の滞在歴の制限を 継続する。(2)ですが、EU諸国において2005年1月以降の滞在者については献血におけ る滞在歴の制限は行わないこととするということでございます。  2ページを御覧いただきますとその理由も含めて書いております。一番上の英仏滞在 制限については1日以上と。これについては1980〜1996年の滞在者としております。 1996年の区切りについては(1)ですが、先ほど申し上げたとおり特定危険部位等の対策が 確実に行われた1996年以前の滞在者に対して制限を行うということです。それから(2)に ありますけれども、欧米等諸外国の献血制限は1996年までに英国等欧州滞在した者であ り、以降の滞在者の制限を行っていないということを踏まえたものでございます。  二つ目として献血制限の緩和についてとありますけれども、2005年1月以降の欧州滞 在者の献血制限を解除したこと。その理由についてはここにありますように、EU全体 の特定危険部位除去、肉骨粉の流通禁止が2002年3月にございまして、(2)にありますよ うな2004年10月以降は屠畜時BSE検査月齢(30月齢)以下の牛もすべて肉骨粉禁止後 に生まれたものとなるということで、区切りをよくして2004年10月ではなく2005年1 月からという対応をさせていただいております。  戻りまして1ページの(2)になりますけれども、こういった方針を運営委員会の方で 御了承いただいたのですが、血液製剤の安定供給という観点から現在日本赤十字社の方 で該当者を調査しているところでございまして、こういった結果も参考にしながら安全 技術調査会を後日開きまして、こちらで検討後施行ということで考えております。それ までの間速やかに措置を実施する体制を整備するよう、厚生労働省から事務連絡を出さ せていただいております。  (3)は献血後に新措置に不適合な献血者が判明した場合の回収等ですが、これについ ても運営委員会の中では未使用の場合については回収すべきではないかという御意見 や、使用していた場合であっても日本赤十字社の方で登録をしておくといった方向性が 示されております。  また、「2 今後のvCJD対策の強化について」でございますけれども、輸血用血液 製剤の保存前白血球除去の早期導入と血漿分画製剤の製造工程の異常プリオン除去効果 の検証の推進の二つを挙げております。これについては後ほど詳細に説明させていただ きます。  それから資料D-3が先ほど申し上げた厚生労働省の方から出した3月8日付けの事務 連絡でございます。この中で1日以上の方向性を踏まえた準備をしていただくというこ とと、日赤の方で調査をやっていただくということを上げております。  資料D-4以降については前回の部会のときも説明したのですが、vCJDの発生数が このような形になっております。その裏のページについてはBSEの国別年次別の発生 数となっております。  資料D-5は1ページは日本ですけれども、諸外国の供血停止措置でございます。米国、 カナダは英国に対して1980〜1996年に通算3か月以上いた場合は制限をかけていると。 それ以外の国については4ページにございますけれども、英国に対しては1980〜1996年 にかけて通算6か月以上ないしは1年以上という基準が多うございます。  そして資料D-6が自国の献血血液の血液製剤への使用状況になっております。英国の ところを見ていただきますと、英国でも国内の輸血用血液製剤は自国の献血血液で賄っ ているのですけれども、分画製剤については米国の方から輸入しているということでご ざいます。  資料D-7が先ほど言いました血漿分画製剤のプリオン除去等に関する安全性確保につ いてです。前回も御説明しましたけれども、2ページの「3 今後の予定」でございます。 これらの情報についてはEUのガイドラインの指摘する評価方法の問題も踏まえつつ、 伝達性海綿状脳症対策調査会においても評価を頂く予定であると。各製品において存在 する製造工程に対してすべての工程の評価を引き続き行うように指導する。また、その 際に可能な限り自社の工程での試験を行い製品に固有の製造工程におけるデータを評価 するよう指導する。エタノール分画Iから製造される成分については、プリオンの除去 に効果があると考えられる精製工程等を追加することにより、さらなる安全性の確保に 努めるよう指導する。ということで、実際には3〜4ページになりますけれども、各製 剤ごとのウイルスクリアランス指数が挙がっておりまして、「推定Rf値の範囲」とい うのが左寄りにあるのですが、この数値がウイルスクリアランス指数でございます。幅 があるのは文献によって値が変わってくるということで幅をとっております。こういっ た対策を進めていくということでございます。  あとは今後の話でございますけれども、現在日本赤十字社の方で影響調査をしている ところでございますが、ある程度の影響が出てくると考えられますので、このようなこ とから一つは先ほど来お話がありましたように、献血推進策をしっかり強化していく必 要があるということや、出口としまして適正使用の推進を一層強化していく必要がある ということとなります。そこで今後資料D-8にあります総合対策を中心に早急に取組を 進めていくということになります。  先ほど来献血推進に関して御意見を頂いておりましたけれども、6ページの「(2)献 血制度の仕組みについての普及啓発」の「ア 背景及び課題」にございますが、4行目に 「国内自給を目指す我が国において、平成15年には献血者数及び血液確保量ともに減少 し、特に10代、20代といった若年層での減少及び成分献血での減少が著しい」という ことがございます。「イ 今後の方向性」としましては、これまでのPRの在り方を再評 価して効果的な手法を検討すると。その一つとして来年度からのニーズ調査というもの がございますけれども、こういったことをしっかりやっていくこと。それから文部科学 省と協力しまして若年者に対する教育として、献血の意義(献血が命を助け合い、支え合 っていること等)について効果的に普及するための方策について検討していくこと。ま た、献血に係る交通費の償還の在り方もしっかり検討していく必要があるということを 考えております。また、前回の部会のときにも大平委員から御紹介がありましたが、幼 児や学童向けの絵本を作成しておりますので、こういったものもしっかり広く使用して いただくように普及啓発を進めていきたいと思っております。  それから同じく6ページにございますけれども、「(3)ボランティア活動としての献 血の周知」、また8ページの「採血基準の見直し(特に若年層での要件の見直し)」とい うものもあるかと思っております。あと9ページの「(7)複数回献血者の確保」として、 ウにありますようなメーリングシステムも含めた対策を採っていきたいと思っておりま す。また、出口のところとしては15ページからございますけれども、「6 医療現場に おける適正使用等の推進」に挙がっておりますが、現在国の方でも各都道府県を回って 効果的かつ効率的な先進事例を調査しているところでございまして、こういったものも しっかり普及していきたいと思っております。それから16ページの上に挙がっておりま すが、これも文部科学省との協力の下ですけれども、医学教育の中で適正使用の必要性 に関する教育の充実を促していくと。こういった取組や国家試験の中にこういうものを 取り込んでいただくということを推進していきたいと思っております。資料の説明は以 上でございます。 ── 説明中、小幡委員、橋委員入室 ── ○池田部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について御意見、御質問ござ いますか。どうぞ、田島委員。 ○田島委員 この英国、フランス滞在が1日以上の方の献血を今のところ制限するとい うことはもう既に新聞などでも出ているわけですけれども、それによって今この部会の 先生方も御心配なさっている献血量の減少などは実際どうなのか。この情報が新聞に出 てから減っているかどうかということを日赤の方々がもし御存じでしたら教えていただ きたいと思うのです。と申しますのは、これがもっと広まって血液が足りなくなると、 本当に困るのはすぐさま助けなくてはならない人たちの問題ですし、そこは非常に大切 だと思うのです。確かにプリオンは長い目で見れば大変怖い問題ですけれども、その現 状がどうなっているかを御説明いただければ有り難いのですが。 ○池田部会長 どうでしょうか。では日本赤十字社の方から。 ○参考人 先ほども言いましたけれども、3〜4月というのが春のキャンペーンをやら なければいけないほど実は1年で一番献血者数が落ちる時期なのです。これは各会社が 年度末で大変忙しいということで、赤血球の在庫状況を見ましても3〜4月が一番適正 在庫を下回るという時期でございまして、現在のところ在庫量は全国で大体1日の供給 量の2日分を持っていると。年間を通して見ますと赤血球製剤は1日の供給量の3日分 を全国で保有しているのですけれども、それが一番下のところに来ているという状況で、 偶然かどうか分かりませんが、3月の初めから在庫量は非常に下がってきていると。た だ、これは例年の傾向もございます。 ○池田部会長 例年と比べてはどうなのでしょうか。 ○田島委員 前年度比はいかがでしょうか。 ○参考人 これもかなり難しいのですけれども、今FFPの貯留保管をするために全国 で積極的に献血者を募集しておりますが、去年と比べますと在庫量は非常に少ないです。 ○田島委員 そうすると、やはりこのような情報の影響が出ているというふうに分析を なさっているということでしょうか。 ○参考人 もう少し具体的にお話をしますと、まず今回の献血制限でだれもが献血者が 減るだろうという予想はされるのですが、では一体どのぐらい減るのかというところが 問題なのですけれども、それは先ほど言いましたように今日本赤十字社がやっているア ンケート調査の結果を見ないと正確なことはまず言えません。これは今16〜22日の1週 間やっていますので、その後できちんとした結果を出したいと考えています。ただ、非 常に短い期間ですが、16日に中間報告という形でまとめてあるのです。まとめてみた結 果は数が少ないので、まだ1,700名ぐらいにアンケートで聞いたというデータですが、 それによりますとやはり6%ぐらいの方が行っているということが言われています。そ れから都内の調査ではそれが非常に高くて、20%の人が1日以上英国、フランスに行っ ているということを言われている部分もあります。ですから先ほど沼田が言ったように 3〜4月の献血の落ちもありますが、この制限によってやはりかなりの献血者の減少が 考えられると。先ほど言いましたように、正確な数字はアンケートの後できちんとした ものを出したいと考えています。ただ問題は、新聞の記事の方でもうこれは決定したと いう報道がなされまして、実は私どもはその後に調査していますので、そこから出てく る数字は最低ラインのところだということは認識しておかなければいけないと考えてい ます。 ○田島委員 どうもありがとうございました。今度は厚生労働省の方に教えていただき たいのですが、この方は24日間滞在しておられたとのことですけれども、献血者の制限 が英国1日間滞在になったということはどういう理由によるのでしょうか。 ○血液対策課長 3月7日に開催されましたクロイツフェルト・ヤコブ病等委員会の方 で、イギリスに24日程度、フランスに3日程度ということが確認されましたが、その中 でやはり短期間の滞在でもそのときにBSE牛の高濃度暴露を受ければ感染する可能性 があると理解する内容でございましたので、要するに短期間とはどの程度かということ になるとやはり1日でも可能性は否定できないという前提の下に、1日以上を御遠慮い ただくということしたと。まだよく分からないことがございますので、より予防的な対 応をとったということになるわけでございます。 ○池田部会長 安全サイドに立ったということですね。どうぞ、橋委員。 ○橋委員 先ほどの金光参考人からの御説明を伺ってもう少し確認したいのですけれ ども、アンケートの対象です。こういうアンケートというのは私自身の考えでは国の名 前でやるべきことではないかと思っているのです。私の考えでは献血可能な世代に対し て一般の偏りのない標本の取り方をした調査が必要だと思うのですが、そういう形でや られているのでしょうか。 ○参考人 確かに献血対象者全員を対象にして、例えば電話でアンケートをとるという 方法もあるのですが、今回の場合は献血の受入現場に来られた方、そしてその場合は当 然固定施設としての献血ルームもありますし、企業への献血、それから移動採血での一 般の献血もあるということですので、広くそうした献血のすべての現場を踏まえてアン ケートをとると。それもアンケート用紙を一人一人に配って読んで確認していただいて 提出していただくという形をとっていますので、まず偏りという意味では全国のセンタ ーを全部やっているわけではございませんで、基幹センターを中心にやっていますので、 大都市だということはあるかもしれませんが、固定施設だけではなくて移動採血も含め てとっているということでございます。来た人ですので、その人が来たタイミングでど うかという問題ですので、全体を反映しているかどうかということはそういう条件でと っているという分析の仕方をしないといけないと思っています。 ○池田部会長 よろしいですか、橋委員。 ○橋委員 今のお話を伺っていますと、例えば献血についての意識が高い方でああい う報道に接すれば自分は対象外であると考えられて、そういう人たちは除かれたデータ で母集団としては非常に偏りがあるので、本当の意味の確率としては参考にならないよ うな気がするのです。私自身はこういう問題は日赤がやりなさいとか国がやりなさいと か分けて考えるのではなくて、やはりこれだけの大きな影響が懸念されることなので、 やるとしても国と日赤が協議して共同でやるべきだし、今の報道に接して献血に来た人 というとどうしても偏りがあるので、一般ポピュレーションから抽出すべきではないか と思いますが。 ○池田部会長 課長の方は何かございますか。 ○血液対策課長 厚生労働省といたしましては1980〜1996年まで英仏に渡航された方 は出国歴から見ますと760万人ぐらいいらっしゃると。それから年々献血対象外の年齢 に入ったとかそういうものを差し引いて、現在550万人から見ますと大体6%ぐらいの 影響があるのではないかと見込んでいたのでございますが、先ほどの日赤さんのお話で すと全体だと6%程度なのかなと。ただ、東京都の20%というのは少しバイアスがかか っているのかどうか、例えば事業所に御協力いただいて、要するに外資系の会社などに 行くとかなり英仏に行っていらっしゃる方が多いだろうということもありますので、20 %というのがどの程度信憑性があるのかということはもう少し症例、データを御協力い ただいて集めるしかないのではないかと考えております。いずれにしても我が方といた しましてはやはりある程度献血者が減るだろうという予想はしております。そのために 献血の呼び掛け強化、どういう呼び掛けをして御協力いただくのか、それも御意見を頂 ければ大変有り難いと思っておりますし、先ほど事務局から申し上げたように適正使用 というのはもう少し、この件については貢献するだろうと考えていますので、その辺を どのように取り組んでいくのかということをいろいろ御指導いただければ有り難いと考 えております。 ○池田部会長 いかがでしょうか。今課長も言われたようにやはり減ることが予想され る、しかしそれは医療の現場に大きな影響をもたらしてはいけない、そのために先生方 から御提案とかこのようにしたらいいのではないかという呼び掛けはございますか。ま ず大平委員から簡単にお願いします。 ○大平委員 この件に関しては安全確保をまず第一に考えられたということで、当面の 措置として1日になったと認識しています。その反面やはり献血者に対してのいろいろ な影響を考えると、もう少し具体的に今の窮状を担う、今後こういうことが予想される ということを広報で皆さんにお知らせした方がいいのではないかと思うのです。実態と してこういう状況にあって医療面で大変な影響を受けるかもしれないということを新 聞、広報などを使っていただいて社会に訴えかけて、是非献血をお願いいたしますとい うことを今の同時点でやらないといけないのではないかと。そうしないと不安も解消さ れてこないということになると思いますので、そういった面でよろしくお願いいたしま す。 ── 小幡委員退席 ── ○池田部会長 貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。では比留間委員、ど うぞ。 ○比留間委員 その前にやはり1日以上で献血をキャンセルするのが正しい判断なのか どうかということをもう少し冷静に考えるべきであろうと思います。まず一点としては、 やはり6%というダウンのリスクはプリオンの伝播のリスクを上回る可能性は十分ある のではないかと臨床現場からは言わせていただきたいと思います。  それともう一つ、1日以上いたら献血できないと判断した大もとは、英仏に1日いた ら間違いなくプリオンにかかってしまうのだという推定の下ですね。もしそうだとした ら、その献血者の今後はどうなのだとはちっとも心配しないで、それは放っておいてそ にかくその人が人にうつしてはいけないということをヒステリックに制限するのは少し 冷静さを事欠いているのではないかと。ですから、もしこれをやるのでしたら、この前 提となるのはトランジットでヒースロー空港に一晩いてハンバーグを食べただけでもで きなくなってしまうわけです。そういう人が今後プリオン病になるかどうかをフォロー アップする体制などまで考えてやらなければ、これは献血者保護の観点から片手落ちで はないかと思います。  それからもう一つ、難しいと思うのですけれども、これが1か月以上の場合と1日以 上にした場合の献血によって患者さんに伝播させるリスクはどのくらい変わるのかとい う推定値を是非出してもらいたいと思います。その点とあとは献血者のダウン、献血者 保護、この三点からこの措置が全般的に見て本当に妥当なのかどうか。あともう一つ付 け加えさせていただくならば、私は1999年から白血球除去を推進しているわけですけれ ども、これは血小板がなったとはいえ血小板はもともと白血球除去などしなくても10の 7乗ぐらいしか入っていないのです。赤血球は白血球除去をしないと10の9乗個くらい 入っているわけです。これをずっと放置しておいてここだけ非科学的に規制しても意味 がないのではないかと。ちょっと言い過ぎましたけれども、要するにバランスよくもう 少し冷静にみんな考えなくてはいけないと。少なくともそういう意見をこの部会でだれ か言わないといけないのではないかと思って、あえて…。 ○池田部会長 それぞれ考慮に値するイシューだというふうに理解いたしました。それ では川西委員、お願いします。 ○川西委員 今の比留間先生の御懸念はもっともで、私もこの運営委員会にもちろん出 ていましたし、それはそれで一時的にとにかくいろいろ解析する期間ということで、私 自身は当面は一つの政策的な決定だと解釈しました。ただし、先ほど御説明にありまし た中で血漿分画製剤の原料として使われたときにそこに入っているものは、回収うんぬ んというところに関しては、多分このクライテリアでやるとほとんどアウトになると。 今回のこの決定に関しては1996年までということがありますから、ほとんど該当の製品 はないだろうと何となく思いましたので、これを改めるというほどのことはないかもし れませんが、今後の判断のときにもう少し次のフェーズになったときに、では同じよう に…。結局これはNATのすり抜けの問題と違って、今比留間先生が100%ということ ではなくて少しでも可能性があるという処置ですので、やはり血漿分画製剤の原料に関 して同じような考え方でやるとパニックになると思いますので、その辺はケース・バイ ・ケースの判断、それから先ほどのプリオンの除去のいろいろな製造工程の評価がその 該当製品に関してある程度のデータがあるかどうか等々を、全体を眺めて判断すべき問 題だと思います。以上です。 ○池田部会長 ありがとうございました。橋委員、どうぞ。 ○橋委員 先ほど金井課長から広報活動を強めるとか、あるいは高校生献血や何かの 対策を進めるということだったのですが、ちょっとくどいようですけれども、広報を進 める際に是非一緒にアンケートをとっていただいて、実際の数字がどうなのか。それか らこれはかなり危険かもしれませんけれども、今回の決定に対する御意見もできれば一 般の国民から収集した方がいいのではないかと思います。 ○池田部会長 ありがとうございました。いろいろ先生方から貴重な御意見を頂きまし た。今回の決定はやはり当座のディシジョンとして非常に安全サイドに立った決定だと 私は理解していますが、先生方から頂いた意見を踏まえて今後やるべきことは幾つかあ るということが今明らかになりましたので、日本赤十字社の方ではやはり血液製剤にか かる影響の程度を早急にまとめていただきたいと思いますし、事務局の方は血液製剤の 安定供給に支障を来さないような取組を適宜実施していただきたいと思います。本当に 活発な御議論をありがとうございます。  次に議題4の「改正薬事法の施行に伴う告示の整備について(報告)」を事務局から簡 単にお願いします。 ○事務局 それでは資料Eについてですけれども、これは改正薬事法の施行に伴いまし て告示が整備されます。概要としてはこちらの一枚紙にありますような用語の変更でご ざいまして、次のページを開いていただきますと「改正案」と「現行」というものが縦 に並んでいます。「製造業者等」が「製造販売業者等」という名称に替わるといったこ と、あとは薬事法について「改正薬事法」という表現になっているといったものが主な ものでして、こういうことを血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための 基本的な方針の方で改正していきたいということでございます。 ○池田部会長 ありがとうございました。特によろしいでしょうか。本日は委員の先生 方から本当に活発な御提言、御意見を頂きました。先生方の御意見も更に集約するよう な形で今後も議論を進めていかなければいけないと思います。血液事業部会というのは 常に非常にクリティカルな問題を抱えながら推移しておりますので、先生方には引き続 き御協力をよろしくお願いしたいと思います。一応議題としてはその他ということも先 生方にお聞きしたいとは思っていたのですけれども、私の不手際で時間になってしまい ましたので、本日はこれでこの部会を打ち切りたいと思います。次回の日程は追ってま た御連絡するということでよろしいですか。事務局の方から特に何か付け加えることは ございますか。よろしいですか。それでは本日の部会はこれで終了させていただきたい と思います。長時間どうもありがとうございました。                                    ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 血液対策課 課長補佐 中山(内線2905)  - 35 -