05/3/11 独立行政法人評価委員会第15回調査研究部会議事録             独立行政法人評価委員会調査研究部会                  (第15回)           日時:平成17年3月11日(金)13:00〜14:15           場所:厚生労働省専用第21会議室(17階)   出席委員 五十嵐委員、岩渕委員、大久保委員、黒澤委員、酒井委員、清水委員、        武見委員、政安委員、安井委員 1.開会 ○大久保部会長  ただいまから第15回独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきま す。委員の皆様におかれましては、期末の大変お忙しいところをお集まりいただきまし て、大変ありがとうございました。今日もよろしく御協力のほどをお願いいたします。  今日は岸委員、田村委員、安井委員の三先生が御欠席でございます。  それでは、はじめに事務局より本日の議事につきまして御説明をいただきたいと思い ます。 ○政策評価官  政策評価官でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。本日の議事で すが、2点ございます。1点目は国立健康・栄養研究所の役員の退職金にかかる業績勘 案率についてでございます。  2点目は医薬基盤研究所の中期目標(案)、中期計画(案)、及び業務方法書(案) に対する意見のとりまとめについてということでございますが、医薬基盤研究所につき ましては前回御議論いただいたところで、その際、各委員から様々な御指摘をいただき ました。いただきました御指摘に対して、まず御回答をさせていただくということ、そ してさらに前回御説明できませんでした予算、資金計画、収支計画、業務方法書、こう いった点を含めまして本日は御審議をいただければと思っております。どうぞよろしく お願いいたします。 2.議事 (1)国立健康・栄養研究所の役員の退職金に係る業績勘案率について ○大久保部会長  それでは今の御報告、御説明通り、国立健康・栄養研究所の役員の退職金にかかる業 績勘案率について御審議いただきたいと思いますので、事務局より御説明をお願いいた します。 ○政策評価官  この国立健康・栄養研究所の役員の退職金にかかる業績勘案率についてでございま す。資料1を御覧いただきたいと存じます。2月21日付で各委員のお手許に資料をお送 りしたわけでございますが、ここにございます通り、退職された役員の方の業績勘案率 につきまして、昨年12月1日に決めていただきましたルールに基づいて事務局で計算を いたしましたところ、在職期間のうち年度評価実施期間の実績に相当する業績勘案率は 1.0という計算結果でございました。  それから退職されましたのが7月末で、年度途中ということでございまして、まだ年 度評価が済んでいない部分になるわけですが、その期間につきまして法人の方から報告 をいただいて、この実績を見たところ、当該期間につきましても平成15年度実績とほぼ 同水準とみなすことが適当と思われまして、1.0ということが書いてございます。  以上の点につきまして各委員に資料をお送りいたしまして、御意見を伺ったわけでご ざいますが、事前にお送りした段階では特段の御意見をいただいておりません。それか らさらには退職役員に関しまして、その個人に着目した職責事項についての有無という ことで御意見をお伺いしたわけでございますが、国立健康栄養・研究所の側から特段職 責事項はないということで、申請がございませんでした。また、当評価委員会の委員に もお伺いしたところ、これも特にお申し出はなかったというようなことでございます。  以上に基づきまして、この調査研究部会といたしまして、退職役員の業績勘案率につ きまして1.0とするということにつきまして、本日御審議をいただきたいと思いますの で、よろしくお願いいたします。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは今の御報告でございますが、御意見御質問等があ りましたらお願いをいたします。1.0ということでございますので、普通といいますか、 変わらないということでございますが、よろしゅうございますでしょうか。ありがとう ございます。  それでは今後の手続きにつきましては事務局から何かもしあれば御説明をお願いいた します。 ○政策評価官  どうもありがとうございました。  ただいま決めていただきましたこの勘案率を、総務省の方の政策評価・独立行政法人 評価委員会あてに通知をするという手続きになっておりまして、通知をさせていただき ます。先方からの意見に照らしまして、1.0ということで再算定の必要がないと認めら れる場合には最終的に部会長にこれを決めていただくということでございますので、部 会長にその旨御報告いたしまして、御了解いただきましたらば法人に対して勘案率を通 知をするというふうに手続きを進めさせていただきたいと思います。 (2)医薬基盤研究所の中期目標(案)、中期計画(案)及び業務方法書(案)に対す る意見の取りまとめについて ○大久保部会長  それでは次の議題に移らせていただきます。次に医薬基盤研究所につきまして、前 回、中期目標・計画(案)の審議をさせていただきまして、委員の諸先生からは大変活 発な御質問、御議論等、あるいは指摘事項等をいただきました。ということで今日は前 回の御指摘いただいた事項につきましての回答と、それから前回事務局側の説明のなか った予算、資金計画、それから収支計画等について御説明をいただきたいと思います。 ○開設準備室長  医薬基盤研究所開設準備室長の中谷比呂樹でございます。本日はどうぞよろしくお願 いいたします。また、私の隣に本省の医政局研究開発振興課長の安達課長、それから医 薬品医療機器総合機構研究振興部の山崎部長が同席させていただいております。専門的 な質問等を3人で十分お答えをしきりたいと思っておりますので、よろしくお願いいた します。  関連の資料でございますが゛大きく番号が2と書いたシリーズでございます。その中 で一番最後の資料になるかと思いますが、資料2−5、これにサマリーを作りましたの で、基本的にこれに基づきながらオリジナルなドキュメントに言及しつつ御説明をした いと思っております。  資料2−5、医薬品基盤研究所の中期目標・計画(改訂版)というのを開いていただ きたいと思います。1頁目です。まず部会長から御指示がございました点が二つござい ます。第一が前回の中期目標、中期計画指摘事項をふまえて、どういうふうに変わった のかというのが一つ、それから第二に財務関係の部分、前回財務省と協議中でございま したので、御説明しておりませんでしたので、それを説明するという、この2点でござ います。  まず、中期目標、中期計画のうちの財務関係以外の部分につきまして御説明を申し上 げます。資料2−5の2頁目です。指摘事項1は一般管理費削減の詳細を示すこと、こ れにつきましては後ほど財務の御説明のところで触れさせていただきたいと思います。  第二の大きな御指摘は、業務の柱として新たに倫理規定を加えるべきではないか、こ ういう御指摘がございました。これに対しまして、生命倫理、あるいは研究倫理、これ は非常に重要でございまして、資料2−1の対表表を見ていただきますと、例えば10頁 ですが、この計画のところにウと書いてあります。ここのところは実は培養細胞を使っ た研究のところですが、このウのところに、医薬基盤研究所倫理委員会の活動の上に成 果を反映させるなどの支援を行うとか、こういう様々な倫理関係の規定を盛り込もうと しているところでございます。したがいまして各論的に様々な業務をやるにあたりまし て,生命倫理、研究倫理、これについて十分な配慮をしてまいりたいと、このように思 っております。  それから3番目の研究プロジェクトに期限を作って活性を維持すべきではないか、こ ういう御指摘がございました。すなわちサンセットルールを導入したらどうか、こうい うような御意見でございます。これにつきましては同じ横長のペーパーの2頁目の右側 の第1、業務運営の効率化に関する事項、(1)機動的かつ効率的な業務運営、この二 つ目、研究テーマ等の変化に応じて必要な組織の再編、改廃等の措置を講じ、柔軟かつ 効果的な組織形態を維持するということを入れましたり、それから3頁目のAの全体的 事項、これは業務に関する全体的な事項ですが、その中で各研究テーマは原則として有 期限とし、積極的にテーマの再編、改廃等の措置を講じるということ、それから18頁の 一番下ですが、職員の任用のところですが、常勤職員は原則として5年以内の任期を付 して雇用する、このようなことで研究のテーマですとか、職員につきましてサンセット ルールといいますか、新陳代謝を良くするという仕組みを盛り込ませていただいた点で ございます。  それからその他の修正点です。修正点が特に多かったところが12頁から17頁にござい ます研究開発振興部門です。ここにつきまして比較的微細なといいますか、修正を財務 省から指摘をされましてお答えしております。例えて言えば、13頁のウ、国家政策上重 要性が高いテーマの選定・採択というところで、原案では国家プロジェクト等に係る重 要性が高い研究については、厚生労働省の意向にそったテーマの選定・採択を行うこと と書いてありますのが、政策目的にそったというように修文されたらどうかというよう な指摘がありまして、それを受け入れてございます。  それからあとは14頁のウです。原案は外部評価者の活用等による実効性のある評価の 実施とありましたが、評価者というよりも有識者の方がよろしいのではないかという指 摘がありましたので、有識者に変えてございます。このような文言上の指摘事項があり ました。  それからあとは割と大きな指摘事項で取り入れた点は、この研究開発振興業務を後ほ ど予算のところで御説明をしますが、一般会計ではなくて産業投資特別会計というとこ ろから出ますので、その性格を少し書き込んで欲しいということで、12頁のイです。社 会的要請に基づいた案件の採択というところで、原案に加えまして、特に産業投資特別 会計から出資を受けて実施する実用化研究については、民間のみでは取り組むことが困 難でリスクが高いものであるが、収益が見込まれる研究テーマに特化して民間の活力を 活用して研究開発を支援することという産投特会の性格、趣旨を盛り込んで欲しいとい うことがありましたので、それを受けて入れております。  これに対応いたしまして中期計画の方でも、13頁の一番上に、特に実用化研究につい ては云々というところが付け加えてございます。このような大きなポイントにつきまし ては産投特会の趣旨ということを盛り込んで欲しいということなので、これは入れまし た。  それから様々ありますのは、先程申し上げました通り、政策目的とか評価者を有識者 に変えたとか、このような文言上の御指摘でありまして、受け入れたところでありま す。  それからもう一つの修正点は、この前にお話をいたしましたことの中身の点でござい ます。5頁の個別的事項というのは、ここからのセクションはどんな研究をするかとい うのを個別的に書いてあるところです。第1番目には毒性学的ゲノム研究と称しまし て、薬の毒性をゲノムレベルで早期予測システムを開発しようというシステムでござい ます。  そして次の頁の2番目、ヒト試料を用いた疾患関連たんぱく質解析研究、これは病気 の方、健常の方、これらの血液等の試料の中のたんぱくを解析しまして、こういう病気 の方はこういうたんぱくが多いということを見つけまして、それによって早期診断法な どを開発しようというプロジェクトです。  そこでこのプロジェクトはすでに走っておることがございまして、たんぱく研究につ きましては6頁の中程でございますが、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団と共同 研究を行っております。これと同様に毒性学的ゲノム研究、これは国立医薬品食品衛生 研究所、それから製薬企業と今はすでに関係がございますので、それを明確に入れてお いた方がいいだろう、その成果をもとに引き続き行っていくということで、5頁の下で す。国立医薬品食品衛生研究所及び製薬企業等の共同研究により以下を実施するという 形で入れさせていただいたわけでございます。これが大きな変更点及び小さな変更点の 概要でございます。  引き続き予算関係につきまして御説明をいたします。予算関係につきましては横長の 表でございます。資料2−1の17頁でございます。予算収支計画及び資金計画、別紙1 のとおり、2のとおり、3のとおりというところでございます。この1、2、3がどこ にあるかといいますと、この縦の資料2−3でございます。それの後ろ、別紙1という のが13頁、以下別紙1、2、3、4とございます。これは後ほど総括表で御説明をいた します。  次に短期借入金の限度額、これは限度額10億円と定めたところでございます。この10 億円というのは3カ月、四半期、これの人件費、それから運営費、これをベースにいた しまて10億円という額を出したところでございます。  次に19頁です。期末の常勤職員、これにつきましては中期目標期間中の人件費総額と いうのを40億8,800万円、4,088という数字を入れさせていただいております。これは後 ほど御説明をいたします。  それから施設及び設備に関する事項、これは先程の2−3の別紙4です。こういうと ころで中期目標、中期計画とのリンクがございます。そこで次に横紙の図のあるペーパ ーを見ていただきたいと思います。ここに総括表が掲げてございます。総括表は4頁で す。中期計画期間の予算等についてというものでございます。これと資料2−3の別紙 3,そして適宜2を御覧いただきながら説明を聞いていただけたらと思います。  これにつきまして前回は財務省と協議中でございましたのでお話ができませんでし た。今回はほぼ財務省と大枠について合意ができておりますが、まだ若干積み残し事項 がありますが、大枠については動くことはございませんので、あとは今後最終的に詰め る段階で本当に微小な修正の可能性というのがまだ残っている、こういう熟度でござい ます。  それでは中期計画期間の予算等についてということで、ここの勘定区分という御説明 をさせていただきたいのですが、基盤研法には業務の性格などの違いによりまして、経 理区分を行わなければならないという規定がございます。それで開発振興勘定といいま すのは、国の一般会計からの運営交付金を中心とします財源、これで行う業務です。根 拠条文としては基盤研法の18条の1、この根拠条文は次の頁に書いてございます。それ から次が研究振興勘定でございまして、産業投資特別会計から政府出資金を財源とする 業務を実施する勘定でございます。  それからもう一つ、承継勘定というのがございまして、これは平成15年まで医薬品機 構で実施されていました出融資事業、これにおける貸付回収金の回収業務などを実施す る会計でございます。これにつきましては基盤研法の附則の12条4項というので、では どんなことかというと、1頁をあけていただきますと根拠法が書いてございます。経理 区分というのが18条に定められておりまして、研究所は次に掲げる業務ごとに経理を区 分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならないと書いてありまして、第15条第1 号イ及びロ、並びに第2号、ここは非常に訳のわからないことを書いてありますが、有 り体に言えばイというのは自ら行う研究とか資源開発です。それからロというのは外部 に委託する研究です。第2号というのは稀少薬の助成です。こういう第1号のイ、ロ、 それから第2号、これをまず一つ設けまして、開発振興勘定としたわけでございます。  それから第15条のハからト、これはバイ・ドールなどによるベンチャーの支援などで ございまして、これは研究振興勘定にしますということです。それから承継業務、これ は附則の第12条に書いてありまして、承継勘定を設けなければならないということであ りますので、これは明確であろうかと思います。  それで三勘定があるわけでございますが、大体平成17年度予算ベースで申し上げます と、大体開発振興勘定が117億円、この大部分が運営費交付金です。これはあとで詳しく 御説明します。そして基盤研の総予算の大体9割がここの開発振興勘定にまいります。 それから次が産業投資特別会計からの政府出資金をベースとします研究振興勘定、これ は大体10億円でございまして、基盤研の平成17年ベースの予算の大体8%です。  それから承継勘定、これが大体総予算の2%で、2億4,000万円ぐらいというような 額でございまして、平成17年度をベースにしてみますと、全部三勘定を足しますと129 億円強の予算でございまして、そのうち9割が開発振興勘定、8%が研究振興勘定、2 %が承継勘定という、こんなイメージでございます。  それではそれぞれの勘定について御説明をさせていただきたいと思います。まず9割 の予算が入ってまいります開発振興勘定でございます。そこにはどんなような中身が入 ってくるかといいますと、資料2−3の別紙2の14頁です。費用の部というのを見てい ただきますと、医薬品の開発にかかる共通的な基盤的技術、基盤的研究事業、これは典 型的な開発振興勘定でございます。それから生物資源の研究事業、それから霊長類医科 学研究事業、薬用植物資源研究事業、こういうような生物資源にかかわる研究事業、こ れが開発振興勘定対象でございます。  それからあとは基礎的な研究業務ですとか、あるいはオーファンドラッグ、こういう ような分野がこの研究開発振興でございまして、収入といたしましては運営費交付金と いたまして、5年間で565億、それから施設の整備に関わる補助金が19億、オーファン ドラッグの助成事業において助成金の交付の形を受けたものから収益の一部を戻してい ただくという納付金収入、これが約6億です。  それから外部からの研究費の受け皿が0.3億、その他事業、これは若干ございまして、 これに対する支出ですが、業務経費といたしまして483億、それから施設整備として19 億、一般管理費として48億、人件費として39億、これを予定をしておるところでござい ます。  それで思い起こしていただきますと、医薬基盤研究所、様々な研究機関からマージし てできた研究部門と資源開発部門、それから医薬品機構からそのまま来られます研究振 興部門、これと二つ合体しておりますので、予算の削減率につきまして、全体的には人 件費、一般管理費は5年で15%、それからあとは事業費については5年で5%というこ とになるわけですが、様々なところから来ました自ら研究部門と資源開発部門について はベースが様々でありますので、これは平成17年をスタートにしまして4年間で12%、 5年にならせば15%になる。4年間で12%、それから医薬品機構から来ます研究振興部 門というのは5年間でフルに普通の通り15%と、こういうふうにしまして、この中で様 々細かく分けまして、計算をして、積み上げていきますと、5年間でここにお示しをし たような数字になってくるというものでございます。  続きまして研究振興勘定でございます。この勘定では別紙1を見ていただきたいと思 います。主な業務といたしましては、民間企業のみでは積極的に取り組むことが困難で あるけれども、社会的な意義が大きい医薬品の開発のうち、製品化に近い実用段階のも のについてベンチャー支援をする、それによって何かできればそれの利益につきまして は、知的所有権については、その開発者に差し上げる。そして相応の利益が上がった場 合には、それは国の方にもお戻しいただくという、こういうバイ・ドールというシステ ムがありますが、それを代表とするようなサポートをするようなところでございます。  この業務に関わる収入といたしましては、産業投資特別会計からの政府出資金、5年 間で49億、それから基本財産が2.5億ありますので、その運用収入といたしまして、こ こに掲げた1,700万円を見込んでおります。これに対して支出としましては、業務経費 として49億、一般管理費として1,700万、これを予定をしているところでございます。  三つ目の承継勘定でございます。この勘定では平成15年度までに医薬品副作用被害救 済研究振興調査機構、現在の医薬品総合機構の前身でございますが、これが実施してお ります医薬品の研究開発に関する出資及び融資に関わる事業の生産業務といたしまし て、貸付金の回収を行おうというものでございます。  この業務に関わる経費といたしましては、貸付回収金、これは融資事業における貸付 回収金の元本分でありますが、5年間で6.6億、それから事業収入、これは融資事業に おける貸付金の利息及び成功報酬、これで0.7億、基本財産は41億ございますが、これ の運用収入は3.2億、こういうものを見込んでおるところでございます。  これに対して支出でありますが、業務経費といたしまして0.4億、借入金の償還とい たしまして、これは産業投資特別会計の融資資金の元本分の返済です。これが5.8億、 それから借入金の利息が0.6億,一般管理費として0.8億、人件費としまして1.5億とい う計算をしておるところでございます。  そして今一般管理費とか人件費ですが、研究振興勘定の運営費交付金、及び開発振興 勘定の運営費交付金、それから研究振興勘定の経費の算定、それぞれにつきまして一般 管理費と人件費と事業費と、こういうふうに区分して分けまして、国由来の業務に関わ るものは12%、機構由来のものは15%、これを一般管理費として削減をしていくんだ、 5年間削減していくんだ、それから事業費については5年間で大体5%、年に1%ずつ 削減していくんだという、こういう計算をしてこの数値を積み上げていったものでござ います。  そして先程の平成17年度予算で9割ぐらいが開発振興勘定でございまして、その中に 運営費交付金というのは非常に大きなウエイトを占めておりまして,やはり予算削減と いうことになりますと、そこのところが一番大きな問題です。平成17年度につきまして は運営費交付金114億7,000万円でございます。これが平成18年度になりますと、大体 1億減るということになります。  その1億円の中身ですが、人件費が大体7.8億ですのが、それの3%をかけて0.3億、 それから一般管理費は10億です、これも3%をかけまして0.4億、それから事業費につ きまして96.8億、これを1%かけまして0.3億でございます。  なぜそこで数値事業費についてこんな変な話になるかといいますと、事業費の中に外 部に出す研究費、これで競争的研究費と称しまして、ホームページに公募をしまして、 皆さん研究課題を出してくださいと、こういって競争的研究費というのがございます。 この競争的研究費につきましては、首相が座長をされております総合科学技術会議にお いて予算は減らさない、むしろ増やすんだ、こういう御決議をされているものですか ら、ここの部分は抜いてあります。ですから事業費のうち非常に大きな部分、ここのと ころが削減対象からはずれておりますので、96.8億あって、もうその削減額としてはあ まり出てこないということでございます。  そこで平成17年度の114.7億円の運営費交付金が平成18年度には約1億円減、それか ら19年度には0.8億円減、それから20年以降は毎年0.7億円減というので、少し意外な念 を持たれるかもしれませんが、削減額というのはそれほど大きくなくなってしまったと いう、こういう現状でございます。  以上のようなコンセプトをふまえまして別紙1が作成され、別紙2、3が作成されて おります。それから別紙4が施設関係の整備計画でございまして、平成17年度18年度19 年度20年度21年度それぞれ現有の施設の耐久性、それから見込められる需要、これらを 鑑みましてこのような施設及び設備に関する計画をたてておるところでございます。以 上、早口で申し上げましたが、御質問にお答えする中でさらに説明を加えさせていただ きたいと思っております。以上でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それではただいまの御報告に対しまして何か御質問 等ございますでしょうか。 ○清水委員  2点ほどお願いしたいのですが、最後におしゃっいましたのは、削減の御予定がござ いましたが、これは資料の方に出ておりますでしょうか。 ○開設準備室長  それを積み上げるとこうなるというので、資料の中には明示的には出ておりません。 ○清水委員  今のお話は目標期間の中の年度別のお話だったんですかね。 ○開設準備室長  そのつもりで申し上げました。もう少し明確に申し上げた方がよろしかったら、今の 数字をもう少し細かくお話しすることができますが。部会長の御指示に従います。 ○清水委員  トータルでいくら削減になるかという数字をもう一度確認をさせていただければと思 うんですが。中期計画期間で。 ○開設準備室長  中期計画期間で17年から18年までで1億、18から19で0.8億、19から20で0.7億、次が 0.7億、0.7億です。ですからトータルで言えば3.9億の減になります。 ○清水委員  今のは運営費交付金の対象の経費というふうなことでございますか。 ○開設準備室長  運営費交付金のことにつきまして、5年間で3.9億の減というものでございます。 ○清水委員  それ以外にもう一つ教えていただきたいのですが、三勘定ありますということで、開 発振興勘定が一番大きくて、それ以外の二つの勘定でございますが、これは両方とも産 投会計の方からの資金が財源になっているというふうな理解でよろしゅうございますで しょうか。 ○研究開発振興課長  その通りでございます。それと先程の御質問について追加の御説明をさせていただき たいと思うんですが、これから5年間でトータル3.9億程度の削減というお答えをさせ ていただきましたが、これはあくまで現時点でございます。  先程の説明の中で競争的資金については、いわゆる削減対象でないという御説明をさ せていただきましたが、この運営費交付金の大部分を占めます約83億円の基礎研究事業 につきましては、少しずつ競争的経費の部分、いわゆる公募の部分を増やそうという計 画をもっておりますので、その状況によっては削減額も変わることになっております。 ○大久保部会長  ただいまの御説明でよろしゅうございますでしょうか。 ○清水委員  確認ですが、競争的資金の方が増えればもう少し経費の削減もあるというふうな理解 でよろしいんでしょうか。 ○研究開発振興課長  逆でございます。競争的資金部分が増えれば、その分が削減対象からはずれますの で、削減額が減るということになってまいります。 ○清水委員  今のお話が明確ではなくて、これはあくまでも運営費交付金のお話だと思いましたの で、運営費交付金とその研究的資金とは全然相容れないと思いますので、そこが片一方 が増えるからというふうな、競争的資金が増えるからじゃあ運営費交付金が増えるとい うのはちょっと理解できないところなんですが、あまり立ち入ると長くなるかもしれま せんので、また後日お教えいただくということでよろしゅうございますか。 ○開設準備室長  今の状況を申し上げますと、運営費交付金の中に研究費も含まれています。ですから これを全部申し上げると、114億強の運営費交付金があります。その中で国の今までの 研究機関にいっていたようなお金、これもありますし、それから今まで機構の方の研究 振興部がカバーされていたお金があります。そしてそれも運営費交付金として大部分が 来ます。  ちょっとわかりにくいのは、研究振興部の立場からしてみれば、運営費交付金として 今度から来る部分と、それからここで言うところの研究振興勘定といたしまして産投特 会からの部分と両方あります。そこで今度見方を運営費交付金というところからしてみ ますと、現在114億のうち国立機関から来るような部分というのが、大体17年度予算で いいますと大体24億5,000万、それからあとは医薬品機構から来るというのは大体90億、 こんな額になります。これらが全部運営費交付金で来ます。  その90億のうち人件費として使われる部分もあります。一般管理費として使われる部 分もあります。そして事業費として、ここが大部分が研究費として外部へ行くお金にな ります。このお金が今予定をしておりますのが89億円ぐらいの予定でございます。その うちで今の総合科学技術会議の人たちが申されるのは、研究競争的な資金については減 らさないでということを言っておりまして、これは財務省もそれを了解しておりますも のですから、今回の場合もそこの競争的資金のところについては、すでに削減対象から はずしております。  それで今安達課長が申されたのは、将来さらに競争的資金、今は大体競争的資金と非 競争的資金、これの比率というのが大体1対3ぐらいです。競争的資金の方が17年度は 既に多いです。それを今後の総合科学技術会議の論議の中で全部競争的資金にしろよと 言うと、削減対象からはずれてしまうのです。だから今は大体1対3ぐらい競争的資金 の方が多いということで推移をし、少しぐらいは段々競争的資金を増やそうというよう な試算をしておりますが、総合科学技術会議からもう全部競争的資金だというと、さら にこの部分が削減対象からはずれてしまうので、先程申し上げました0.7億の減が実際 は0.7ではなくて0.6とか、そういう数字になる可能性があるということを言ったわけで ございます。 ○五十嵐部会長代理  私から、多分今までの三研究所とちょっと違う点があるので、それを清水委員が誤解 されていると思うんですが、一つは今までの三研究所は競争的資金というのは研究所の 外かよお金をとってくるという話が中心で動いていたわけですが、今のお話は、この研 究所につきましてはここからお金を出すというお話でございますので、そこのところを はっきり区別しなきゃあいけないことなので、それを清水委員に御理解いただかないと 誤解の原因になるんじゃないかというふうに思います。 ○大久保部会長  清水委員、何か質問はございますか。 ○清水委員  今のおっしゃっている競争的資金というのは出される方ということですか。 ○開設準備室長  競争的資金も非競争的資金も全部この研究所から外の研究機関へ出しますというお金 です。それからなぜここで競争的と非競争的ということになるかといいますと、ある研 究についてはもう公募したところでやる機関が限られてしまっていて、そういうところ についても競争はあえてしてもらうんでしょうかという論議の中で、一部については競 争的じゃなくて、ここの研究所にこれを研究して欲しいという、こういう形で差し上げ る部分が一部あります。  ただ、ここについてはなるべくそれであっても競争的にした方がいいんじゃないかと いう論議も強いところでありますので、今は厚生省の研究費全体といたしましては、他 省庁の研究費に比べて競争的部分が非常に多くなっておりますが、将来的には総合科学 技術会議の動向をふまえまして、さらにこの部分を増やす可能性があるというのが先程 の安達課長の説明でございます。繰り返しますが、まさに両方とも外へ出すという研究 費でございまして、この中でため込んで使うとかということではありません。 ○清水委員  それで2点目の御質問ですが、産投会計の方から資金が入っている二つの特別勘定が あると思うんですが、こちらの方で研究振興勘定の方では出資金という扱いになってい て、片方は過去にあったものを返済していくだけということで、これは借入金という勘 定科目になっているかと思うんですね。  これは産投会計の特徴としての、比較的収益性のあるものについて元本を返していく という考え方に基づいて勘定科目が設定されているんだと思うんですが、この研究振興 勘定に関しても、毎年事業費が全部出資金で賄われていくという形に見えるんですね。 そういう意味では別紙2とか3を見ましても、その分だけ、この中期計画期間ですと純 損失というふうな形になっていくんだろうと思うんですが、これは将来的には全て回収 というふうなことが原則になっているわけでございましょうか、見通しとしまして。 ○研究開発振興課長  研究振興勘定の実用化研究事業でございます。御指摘の通り、最終的には研究委託し たものであがった果実がまた戻ってくるという想定にはなっておりますが、ただ、これ には時間がかかりますので、この事業は16年度にスタートしたばかりということで、実 際に果実が返ってくるのは早くて5年先かなということで、この段階におきましてはい わゆる果実の部分については計上していないということでございます。 ○大久保部会長  その他にどなたかいらっしゃいますか。ありがとうございました。それでは特段ござ いませんので、引き続きまして業務方法書(案)について御説明をお願いいたします。 ○開設準備室長  業務方法書(案)について御説明をいたします。資料2−4の(1)、資料2−4の (2)それから最初の資料2−5の3枚目、業務方法書(案)と書いてございます。こ れを見ながらお聞きいただきたいと思います。  今回もってまいりました業務方法書(案)、これは実は二つの業務方法書(案)でご ざいます。これは一つの独立行政法人なのになぜ二つなのかというところから御説明し た方がいいと思います。この研究所は大きく分けて二つの性格がございます。二つの性 格というのは自ら行う部分と、他の研究機関へ研究費を配分する、外へ出してしまう部 分と二つ性格が違った業務をいたします。  したがいまして自ら行う基盤的研究、生物資源の研究、こういう業務の仕方と、他の 機関へ研究費を配分して行うというものと業務の仕方が違っておりますので、これを一 緒にドッキングするよりも、むしろ分けてしまった方がユーザーフレンドリーというか 使い勝手がいいということから、この二つの二本立てとしたわけでございます。  ちなみに複数のこういう業務方法書をもっております先行独法の例といたしまして は、医薬品総合機構、これが現時点で三本の業務方法書をもっております。それからあ とはNEDO、これは新産業エネルギー総合研究開発機構、エネルギー関係の経済産業 省管下の独立行政法人、これは二本でございます。したがいまして先行独法の例もござ いますので、二本でお願いをしたいというのがまず切り口でございます。  それで二つの業務方法書につきまして、この章立てを見ていただきますと、基盤的研 究及び生物資源研究業務関係、これについては総則があり、それから中身として基盤的 研究、自ら行う基盤的研究、生物資源の研究、それから研究者及び技術者の養成及び資 質の向上、研究施設等の活用、ここのところでそれぞれのファンクションに合わせまし て業務方法を定めてございます。それから業務委託、競争入札、その他契約、雑則、こ れは様々な独法でスタンダードに書いてあるようなこと、これを書いてございます。  それから業務方法書の研究開発振興業務、ここの他の研究機関へ研究費を配分する部 分でありますが、その配分の仕方が変わっておりますので、それごとに仕様があって、 基礎的研究業務、研究振興業務、稀少疾病用医薬品等開発振興業務、承継業務と、こう いうようなことで基本的に医薬品総合機構から来る部分の業務方法書と、それから今ま での国の研究機関で行ってきた独自機関の業務方法書と二本だてになっているというと ころが枠組として違ったところでございます。  イメージを持っていただくためにどんなことを書いてあるかということで御説明をい たします。まず2−1の基盤的研究及び生物資源研究業務関係業務方法書、これは自ら 研究を行うところでございます。ここを見ていただきますと総則、目的、業務の執行、 業務運営の基本方針、あまり他の研究機関と代わり映えがないというか、わりとスタン ダードな書きぶりです。  2頁にいきまして定義、これは基盤的研究とは何かとか、第4条でございます。基盤 的研究とは何か、生物資源研究とは何か、こういうような定義をし、それから次からは それぞれの研究につきまして業務を定めてございます。すなわち基盤的研究、これは第 5条でありますが、自ら行う研究でありますが、その形といたしましては、自ら行う他 にその研究機関、他の研究機関に委託をして協力をいただく場合、あるいは他の研究機 関から受託、研究を請け負って行う場合、それから共同して行う場合、こういう定めを しております。それから研究課題の選定ということ、それから研究契約、契約の方法、 こういうものを定めております。  またこの研究所の特徴といたしまして、様々な知的なアウトプットが当然ながら出て まいりますので、3頁の第9条、研究の成果の帰属及び活用ということを定めまして、 TLOを利用して幅広く公共の利益に供していきたいということ、ただし、共同研究者 がいるような場合にはその研究機関と知的所有権が共有になるんだというようなこと、 こう定めております。  それから第3章の生物資源研究でございます。第12条にどんなものを対象とするかと いうこと、遺伝子、細胞培養、実験用小動物、霊長類、薬用植物、こういう対象を定め ておるところでございます。  それから次は5頁の研究者及び技術者の養成及び資質の向上を定め、それから第5章 の研究施設の活用、これは理事長が定める場合には施設の一部を公共のために使わせる ことができるというような定めをしているところでございます。  それから業務委託、これは契約を提携をして、それから6頁の競争入札、これは一般 競争に付すというのを原則とし、それからやはり倫理問題です。第23条、研究所はヒト 由来試料等の利用及び研究機関等への供給を行うため、生命倫理及び研究倫理について 十分な配慮を行ない業務を適切に実施するという定めを設けたところでございます。こ れが自ら行う研究部門でございます。  もう一つの方の研究開発振興業務関係でございます。これも総則、これは大体スタン ダードなことを書いてございまして、次の第2章の基礎的研究、第4条ですが、基礎的 研究を委託して行うものとするというので、自分ではなくて外に委託をするということ を定めております。  それから研究成果の帰属、これは受託者との共有にするというの第6条で定めており ますが、例外規定を設けまして、例えば公共の利益のために特に必要だと厚生労働大臣 が要請した場合にはそういうことは求めないとか、自分たちは放棄をするとか、こうい う定めがございます。  それから研究振興業務ですが、ここのところがまさにバイ・ドールと称するものでご ざいまして、第8条ですが、ベンチャー企業などの方々が新たな課題にチャレンジしよ うという時にサポートする仕組み、これを第3章で定めておるところでございます。  それから第4章の稀少疾病用医薬品等開発振興業務、これは稀少疾病、患者の方の数 が少ないものですから、なかなか医薬品の開発が進まないというような医薬品の開発に 対して助成金を交付をして、支援していこうという定めを第4章にしているところでご ざいます。  それから第5章の承継業務、これにつきましては機構から承継をいたしますもの、株 の処分ですとか、債権の管理とか回収、こういうものを定めております。  それから6章以下、業務委託、競争入札、これらにつきましてはスタンダードな内容 となっております。以上が業務方法書の説明でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは御質問等ございましたらよろしくお願いを いたします。 ○黒澤委員  バイ・ドールのところですね。3頁の第3章の研究振興業務の中の第8条、試験研究 の委託、ここがさっきのお話の外部委託、バイ・ドール対象の研究ということですね。 ○開設準備室長  はい、そうです。 ○黒澤委員  ここに決めてあるんですか。バイ・ドールというのは権利を委託先に渡すというのが 原則ですね、その辺のことは具体的にはここには書いてないんですね。 ○医薬品医療機器総合機構研究振興部長  いいえ、12条に委託の成果にかかる特許権等の帰属という条がございまして、ここに いわゆるバイ・ドールの内容が記載されております。 ○黒澤委員  はい、わかりました。 ○大久保部会長  その他にございませんか。 ○酒井委員  先程の予算のところでは委託研究と受託研究とがあるということなんですね。それで 受託に関しては先程御説明したその概要ですと、2,700万とあって、全体の規模からす るとものすごい少ないなという印象ですが、どういうことをこれで考えてらっしゃるの かというのが一つです。  そしてもう一つは、今日の話とは全然違うのですが、今日は私は一つ期待していたの は、前回時間との関係で治験に関係して説明があるんだけど、どうしましょうかという ことを言われた時に、部会長がじゃあ次回にお願いしますという話になったんですけれ ど、ちょっと治験についてどんなことなのか、ざっとでいいですから教えていただける と嬉しいと思うんですが。 ○大久保部会長  よろしくお願いします。 ○開設準備室長  ただいま2点ございました。受託について、受ける方が2,700万ぐらいで、この研究 所の規模とか、研究者からしてみれば非常に小さいではないかということでありまし て、私もそう思います。  なぜこうなっているかというと、これからやはりビジネスコミュニティとか、様々な 方とネゴシエーションをしなければなりませんので、ちょっと固めのものという御理解 をいただきたいと思います。私たちはそこはぜひ増やしていきたいと思っております し、それから組織の上でも少し厚生労働省の組織としてユニークなのですが、産学官連 携調整官という職員を設けまして、やはり風通しを良くして、産業界、大学、そして公 的な研究機関、あとは官界、これとよく連携をしまして、そして受託がより多く来るよ うな措置を講じてまいろうと思っております。  それから治験の問題ですが、前回ちょっと私たちの誤解があれば申し訳なかったので すが、今日は別に資料は用意しておりませんが、担当は安達課長ですので、もしよろし かったらこの場で補足をしていただきますし、さらに加えまして資料を後日お届けする こともできます。 ○大久保部会長  資料は後日ということにさせていただいて、御説明だけお願いいたします。 ○研究開発振興課長  資料は御質問のあった方にだけお届けしたわけなんですが、それでは改めて委員の方 全員に資料を後ほどお届けさせていただきます。ごくかいつまんで治験について申し上 げますと、御案内の通り、我が国で使う医薬品に対する治験というのが、国内で行われ なくなってきている。9年前と比べまして我が国で使う医薬品で国内で最初に治験する という件数が3分の1程度に減った、いわゆる空洞化ということが起こっている。もち ろん世界的に治験の数全体が減っているという点はございますが、それにしても3分の 1というのはひど過ぎるのではないかというような状況にございます。  そのため平成15年4月に厚生労働省と文部科学省と共同で全国治験活性化3カ年計画 を策定いたしまして、現在その計画にのっとって産官学協力して取り組んでいる状況で ございます。内容につきましては、ごくごくかいつまんで申し上げますと、いくつか空 洞化が起こった理由というのがあるんじゃないか、それは我が国の治験というのは、よ く言われますが、高くて遅くて質が悪いという感じになっているんじゃないかというこ とが言われております。  その理由としてはいろいろございます。例えば患者さん、被験者の治験に対する啓発 普及が遅れているんじゃないかという問題、もっと言いますと、我が国は皆保険でござ いますので、いわゆる欧米のような経済的なインセンティブによる被験者を集めるとい うことがなかなか難しいというような点もございますし、また、医療機関サイドも欧米 では治験を行う医師、あるいは医療機関というのは尊敬されるべきものというのが常識 になっております。逃亡者という映画を御覧になった方がいらっしゃるかと思います が、あれも治験をやりたい、いい治験をやる医者になるために誰かの奥さんをやっつけ たというような、それぐらい欧米では治験をやる医者、医療機関というのが尊敬されて います。  一方、我が国では、あの医者は治験ばかりやっているというような感じで言われてし まうというような問題、言い換えますと治験をやる医者、医療機関に対するインセンテ ィブが低いというようなことがございます。さらにいろんな意味で費用がかかる、いわ ゆる環境整備が整ってないことによる費用の問題等々ございまして、それら一つ一つに つきましてアクションプランを作りまして進めているところでございます。  一例をあげますと、例えばまず大規模な治験ネットワークを作ろう、医療機関のネッ トワークを作りまして、そこである程度窓口的な整理ができる、さらにはそういったネ ットワークに入った医療機関に対する啓発普及、情報提供などをしていくというような ことを行ったり、あるいは一般の方に対する啓発普及活動、さらには医療機関に対する 啓発普及というようなことを行っております。  トータルで申し上げますと、幸いなことにといいますか、先程の一にも二にも売り手 市場だった治験に関しまして、大学が独立行政法人化した、また国立病院も独立行政法 人化したということで、これまでのやってやる治験から、少し個々の大学も放っておく と独法ですから基盤研と同じで収入が減っていく、だからやっぱり外部からの収入をも ってこなあかんということで、やっぱり治験をやっていこうという意欲が出てきたとい うことで、買い手市場になりつつある、それによりましていろんなCRCという治験を 助ける人を雇ったりとかいう、少し風が吹いてきたというところでございます。後ほど 資料を送付させていただきます。 ○大久保部会長  では酒井委員どうぞ。 ○酒井委員  それで今御説明をいただいた、そういう方針とこの医薬基盤研究所での役割というん ですか、そういうものが何か事業として具体的に検討されているんですか。 ○開設準備室長  実は前回の資料の1−2でございます。こういう図を前回お出しいたしまして、ここ で言わんとしていたところは、薬ができるまでには研究があって、それから開発の過程 があって、生産があって、販売がある、こういうのがうまく続いていかないとお薬が研 究されて、患者のところ、あるいは国民のところまで来ないんですという中で、それぞ れの段階で可能性として止まっているところがあるわけです。  そしてその止まっているところの、いくつかの今御指摘いただいたのは、研究をし て、それを実際に生産するまでの間にお薬に毒性がないか、副作用がないか、本当に効 くのか、これを患者の方々の協力を得て、また健康な人の協力も得て比較対象試験をし なきゃあいけない、ここのところが実は日本は非常に弱いというようなところですの で、今、安達課長の御説明があった治験活性化3年計画をたててここのところはやって おります。  そもそもここにいくまでに研究開発についても画期的な新薬を作るというところがな いと、また治験の対象のものはないですよねというので、そこのところをやるのが基盤 研究所の使命だという御説明を前回させていただきました。したがいましてこの大規模 治験と基盤研究所の直接の関係ありやなしやというと、残念ながらここの研究所のプラ イマリーな目的になっていません。むしろ一連の中における自分たちの役割というもの が与えられた研究所でございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。ありがとうございます。その他、全般的な御質問を含めて 何かございますか。特にございませんでしょうか。  それでは医薬基盤研究所の中期目標(案)並びに中期計画及び業務方法書(案)につ きまして、本部会としましては基本的にこの内容で了承するということでよろしゅうご ざいますでしょうか。ありがとうございます。今後、政府部内の調整等によりまして、 これらの内容が一部変更が生じました場合の取扱いにつきましては、部会長の一任をし ていただくということにさせていただきたいと思いますが、御了承のほどをよろしくお 願い申し上げます。ありがとうございました。  なお、中期目標の策定、中期計画の認可、それから業務方法書の認可等に際しての評 価委員会の意見につきましては、これは厚生労働省の独立行政法人評価委員会で第5条 第6項の規定に基づいて、当部会の議決が評価委員会の議決ということになりますので 御了承をいただきたいと思います。それでは一応終了いたしましたので、今後の手続き につきまして事務局から何かございましたらよろしくお願いします。 ○政策評価官  どうもありがとうございました。ただいま部会長からお話がございました通り、今後 の調整で何かもし一部修正が必要になりましたならば、また部会長に御相談をいたしま して、御了承をいただくということにしたいと存じます。その上で法人の設立は本年4 月1日でございますので、4月1日に厚生労働大臣からこの内容で中期目標を指示す る、そして設立されました法人の方から中期計画を厚生労働大臣に提出いたしまして、 速やかに大臣が認可するという手続きを進めたいと存じます。以上でございます。 3.閉会 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは予定をしておりました審議は以上でございます。 で、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。                                     (了)  照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係  電話 :03-5253-1111(内線7783)