確定拠出年金
連絡会議
第13回
平成17年3月24日
資料5

投資教育の考え方について


1.加入時及び加入後の投資教育の計画的な実施について

 (1) 加入時には、実際に運用の指図を経験していないことから、確定拠出年金制度における運用の指図の意味を理解すること、具体的な資産の配分が自らできること及び運用による収益状況の把握ができることを主たる目的として、そのために必要な基礎的な事項を中心に教育を行うことが効果的である。事業主等は過大な内容や時間を設定し、形式的な伝達に陥ることのないよう、加入者等の知識水準や学習意欲等を勘案し、内容、時間、提供方法等について十分配慮し、効果的な実施に努める必要がある。

 (2) 加入後においては、加入者が実際に運用の指図を経験していることから、運用の実績データ等も活用し、より実践的、効果的な知識の習得が期待できる。特に金融商品の特徴や運用については、加入前の段階では難しい知識の習得が期待されるので、極めて重要である。
 また、加入時に基本的な事項が習得できていない者に対して、事業主等が再教育をする機会としても重要である。

 (3) 加入時及び加入後の投資教育については、それぞれ、上記のような目的、重要性を有するものであり、その性格の相違に留意し、実施に当たっての目的を明確にし、加入後の教育を含めた計画的な実施に努める必要がある。

 (4) 投資教育を行う事業主等は、上に述べたように、加入時及び加入後の投資教育の目的、性格等に応じて、加入時、加入後を通じた全般の計画の中で、加入者等が的確かつ効果的に習得できるよう、その内容の配分に配慮する必要がある。
 また、事後に、アンケート調査、運用の指図の変更回数等により、目的に応じた効果の達成状況を把握することが望ましい。


2.加入後の投資教育に当たっての留意事項

 (1) 運用の実態、コールセンター等に寄せられた質問等の分析やアンケート調査により、対象となる加入者等のニーズを十分把握し、対象者のニーズに応じた内容となるよう、配慮する必要がある。
 なお、運営管理機関は制度の運用の実態等を定期的に把握・分析し、事業主に情報提供するとともに、必要な場合には投資教育に関する助言をするよう努める必要がある。

 (2) 加入者等の知識及び経験等の差が拡大していることが考えられることから、知識及び経験の水準に応じた内容となるよう配慮する必要がある。基本的な事項が習得できていない者に対しては、基本的な事項の再教育に配慮するとともに、より高い知識及び経験を有する者にも対応できる教育メニューの整備に努めるなど知識及び経験の水準に応じた内容となるよう配慮する必要がある。

 (3) 具体的な資産配分の事例、金融商品ごとの運用実績等の具体的なデータを活用すること等により、運用の実際が実践的に習得できるよう配慮することが効果的である。


3.加入者等への投資教育に当たっての提供方法等

 (1) 加入後の情報提供においては、加入者等の知識等に応じて、個別・具体的な質問、照会等が寄せられることから、コールセンター、メール等による個別の対応に配慮する必要がある。
 また、テーマ等を決めて、社内報、インターネット等による継続的な情報提供を行うことや、既存の社員研修の中に位置付けて継続的に実施することも効果的である。

 (2) 事業主が確定拠出年金運営管理機関に投資教育を委託する場合においては、当該事業主は、投資教育の内容・方法、実施後の運用の実態、問題点等、投資教育の実施状況を把握するとともに、加入者等への資料等の配布、就業時間中における説明会の実施、説明会の会場の用意等、できる限り協力するよう努める必要がある。
 加入後の投資教育についても、その重要性に鑑み、できる限り多くの加入者等に参加、利用の機会が確保されるよう配慮することに努める必要がある。

 (3) 加入者等には、確定拠出年金制度に対する関心を喚起するため、公的年金制度の改革の動向やライフプラン等の情報提供を併せて行うことが効果的である。

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