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社保審―医療保険部会 資料1
第13回(H17.3.4)


政府管掌健康保険の改革に伴う論点について



医療保険制度改革の方向性

医療保険制度改革の基本的考え方
 (1)地域の関係者(保険者、医療関係者、地方公共団体等)が協力して、医療の地域特性を踏まえた医療費適正化の取組を推進する
 (2)保険料の水準をそれぞれの地域の医療費水準に見合ったものとする
 (3)保険財政の運営を適切な単位(規模)で行い、財政運営の安定化を図る

平成18年医療保険制度改革の全体像:今後の取組みの方向性
平成18年医療保険制度改革の全体像:今後の取組みの方向性の図

基本方針(※)において示されている改革の方向
※健康保険法等の一部を改正する法律附則第2条第2項の規定に基づく基本方針(平成15年3月28日閣議決定)
 政管健保については、事業運営の効率性等を考慮しつつ、財政運営は、基本的には、都道府県を単位としたものとする。
 都道府県別の年齢構成や所得について調整を行った上で、保険料率の設定を行う仕組みとし、国庫補助の配分方法の見直しや、被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営が行われるような仕組みについて検討する。
 こうした取組を通じ、各都道府県単位で政管健保の健全な財政運営が確保され、被保険者の適切な負担の下で、地域の実情に応じた医療サービスが保障される姿を目指す。
 引き続き、政管健保の組織形態等の在り方について検討する。



保険者の再編・統合
−政管健保の財政運営の都道府県単位化−

ねらい
 保険者機能の発揮(地域に応じた医療費適正化や保健事業の展開)
 受益と負担の公平性の確保
 被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営

イメージ
政管健保

年齢構成・所得水準の格差に着目した調整の図



(参考)政管健保の平成13年度医療給付費等実績に
基づく都道府県別保険料率の機械的試算
(単位:‰)
  若人医療
給付費分の
保険料率
(調整前)
調整の影響 保険料率
(老健拠出金等の
所要料率を
加えたもの※)
  若人医療
給付費分の
保険料率
(調整前)
調整の影響 保険料率
(老健拠出金等の
所要料率を
加えたもの※)
年齢
調整
所得
調整
年齢
調整
所得
調整
  順位   順位   順位   順位
  全国計 43 - - - - 80 - 24 三重  42 34 ▲0 1 0 79 34
1 北海道 56 1 ▲2 ▲4 ▲6 87 1 25 滋賀  41 37 0 0 1 79 37
2 青森  53 7 1 ▲9 ▲8 82 14 26 京都  42 32 ▲0 1 1 80 25
3 岩手  52 9 ▲0 ▲7 ▲8 81 17 27 大阪  42 31 ▲0 2 2 81 18
4 宮城  46 23 1 ▲4 ▲4 79 30 28 兵庫  43 29 ▲0 0 ▲0 80 26
5 秋田  53 4 ▲1 ▲7 ▲8 82 9 29 奈良  45 24 ▲1 ▲2 ▲3 80 28
6 山形  44 26 1 ▲4 ▲3 78 39 30 和歌山 48 16 1 ▲4 ▲3 82 15
7 福島  47 20 1 ▲5 ▲4 80 29 31 鳥取  47 18 1 ▲4 ▲4 81 23
8 茨城  39 39 1 0 1 78 41 32 島根  47 17 ▲0 ▲3 ▲4 81 22
9 栃木  40 38 1 1 1 79 36 33 岡山  46 22 ▲0 ▲2 ▲2 81 19
10 群馬  41 36 ▲0 0 ▲0 78 42 34 広島  45 25 0 ▲1 ▲0 82 11
11 埼玉  37 44 ▲1 3 2 77 46 35 山口  47 21 ▲1 ▲2 ▲3 81 20
12 千葉  38 42 ▲1 3 2 77 44 36 徳島  53 6 0 ▲4 ▲3 86 2
13 東京  33 47 ▲1 8 8 78 38 37 香川  48 14 ▲0 ▲2 ▲2 83 5
14 神奈川 37 46 ▲1 6 5 79 35 38 愛媛  48 15 1 ▲5 ▲4 81 21
15 新潟  44 27 0 ▲4 ▲4 78 43 39 高知  47 19 1 ▲2 ▲1 83 8
16 富山  43 30 ▲1 2 1 82 16 40 福岡  50 13 1 ▲4 ▲3 84 4
17 石川  44 28 ▲0 1 1 82 12 41 佐賀  53 3 1 ▲8 ▲6 84 3
18 福井  41 35 0 2 2 80 27 42 長崎  52 8 2 ▲8 ▲6 83 6
19 山梨  39 40 0 1 1 77 45 43 熊本  51 11 2 ▲7 ▲5 82 10
20 長野  38 43 ▲1 1 0 75 47 44 大分  53 5 0 ▲7 ▲7 83 7
21 岐阜  42 33 ▲0 0 0 79 31 45 宮崎  50 12 2 ▲9 ▲7 81 24
22 静岡  37 45 0 3 3 78 40 46 鹿児島 51 10 2 ▲9 ▲7 82 13
23 愛知  38 41 0 3 4 79 33 47 沖縄 54 2 7 ▲19 ▲12 79 32
 老健拠出金、退職拠出金、傷病手当金等の現金給付、保健事業に係る費用等の所要保険料率を各都道府県で同一の料率とした上で、若人医療給付費分の保険料率(年齢・所得調整後)に加えている。
(老健拠出金分約23‰、退職拠出金分約7‰、傷病手当金等現金給付分約4‰、保健事業に係る費用等分約2‰)
注1.事業所所在地に着目して都道府県を区分している。
注2.保険料率は総報酬ベースである。
注3.四捨五入の関係で合計が合わない場合がある。



(参考)政府管掌健康保険の都道府県別データ
(平成13年度)

  加入者数
 (人)
平均年齢 若人
平均年齢
平均
標準
報酬
月額
(千円)
加入者
1人当たり
総報酬額
  加入者数
 (人)
平均年齢 若人
 平均年齢
平均
標準
報酬
月額
(千円)
加入者
1人当たり
総報酬額
  被保険者   順位 (千円) 順位   被保険者   順位 (千円) 順位
北海道 2,002,894 1,051,127 38.03 35.77 1 268 1,953 28 滋賀  336,349 175,158 36.88 33.89 40 295 2,119 17
青森  489,149 258,807 36.72 34.13 34 241 1,747 45 京都  862,706 456,345 37.16 34.70 14 298 2,168 10
岩手  498,245 264,641 38.31 34.75 11 243 1,764 42 大阪  3,109,141 1,620,139 36.66 34.71 13 315 2,254 7
宮城  741,982 390,196 37.35 34.22 31 267 1,902 31 兵庫  1,391,701 722,642 37.01 34.64 16 300 2,137 13
秋田  443,290 227,925 39.32 35.22 7 246 1,737 46 奈良  297,341 148,629 37.43 34.49 22 292 2,006 25
山形  458,890 244,844 38.42 34.24 30 255 1,862 36 和歌山 309,144 155,511 36.65 33.85 41 281 1,936 29
福島  711,586 368,070 37.63 33.97 38 264 1,844 37 鳥取  240,956 129,662 37.93 34.38 25 254 1,885 35
茨城  593,655 317,702 37.01 34.15 33 293 2,126 16 島根  306,299 163,299 38.61 34.66 15 255 1,898 32
栃木  505,478 273,968 36.95 34.12 37 289 2,129 14 岡山  758,130 401,143 37.39 34.31 27 274 1,997 26
群馬  596,487 310,825 37.66 34.62 17 295 2,104 20 広島  1,077,333 565,883 36.77 34.25 29 288 2,088 21
埼玉  938,861 508,606 36.99 34.96 8 313 2,292 4 山口  498,756 273,246 37.85 35.25 6 266 2,028 22
千葉  665,479 362,002 37.62 35.27 5 307 2,262 6 徳島  294,603 157,680 37.98 34.49 21 260 1,904 30
東京  3,304,524 1,901,685 37.47 35.60 2 336 2,659 1 香川  421,234 224,652 37.67 34.57 18 274 2,011 23
神奈川 1,172,125 651,572 37.37 35.46 3 330 2,489 2 愛媛  573,546 294,591 36.87 33.95 39 266 1,893 33
新潟  941,593 488,439 38.35 34.52 19 267 1,887 34 高知  291,586 162,242 37.37 34.33 26 260 2,007 24
富山  461,795 257,607 38.58 35.34 4 282 2,182 8 福岡  1,849,069 968,669 36.30 34.12 36 272 1,972 27
石川  470,795 261,827 37.73 34.74 12 279 2,153 11 佐賀  326,918 167,622 36.68 33.50 43 250 1,776 40
福井  329,476 183,971 37.90 34.44 23 282 2,178 9 長崎  509,359 259,414 36.26 33.40 44 252 1,772 41
山梨  250,301 129,960 37.57 34.21 32 298 2,112 19 熊本  640,266 333,986 36.79 33.60 42 250 1,800 39
長野  724,833 385,282 38.33 34.84 9 290 2,128 15 大分  464,191 238,458 37.19 34.39 24 255 1,806 38
岐阜  673,033 350,068 37.26 34.29 28 294 2,116 18 宮崎  410,853 213,068 36.04 33.27 45 243 1,749 44
静岡  996,088 553,314 37.08 34.51 20 298 2,290 5 鹿児島 653,359 328,440 35.99 33.20 46 252 1,754 43
愛知  2,226,598 1,183,241 36.28 34.13 35 313 2,316 3 沖縄  457,878 209,393 32.89 30.51 47 238 1,483 47
三重  505,508 268,846 37.82 34.78 10 291 2,139 12 全国計 36,783,378 19,564,396 37.18 34.56   289 2,115  

注1 加入者数、平均標準報酬月額及び加入者1人当たり総報酬額は、平成13年3月〜平成14年2月の平均である。
 なお、加入者1人当たり総報酬額は、特別保険料徴収決定済額から推計した賞与月数等を用いて算出している。
注2 平均年齢は、「健康保険被保険者実態調査」(平成13年10月1日現在、厚生労働省保険局)による。
注3 若人の平均年齢は、「健康保険被保険者実態調査」からの推計値である



(参考)政管健保生活習慣病予防健診の
都道府県別受診率(平成13〜15年度)
(単位:%)
  平成13年度 平成14年度 平成15年度   平成13年度 平成14年度 平成15年度
北海道 29.2 30.8 31.2 滋賀 36.7 39.5 37.6
青森 30.2 32.4 31.9 京都 38.3 37.7 36.7
岩手 23.9 25.9 26.4 大阪 17.0 17.4 17.0
宮城 43.4 42.7 43.7 兵庫 25.6 24.6 26.0
秋田 33.8 35.2 35.1 奈良 29.8 31.4 31.1
山形 36.0 38.9 37.4 和歌山 29.3 32.9 30.9
福島 32.6 33.3 35.1 鳥取 21.1 22.2 21.7
茨城 25.0 26.3 27.6 島根 40.0 43.4 42.5
栃木 23.8 24.4 24.7 岡山 27.6 29.4 29.9
群馬 26.6 27.9 27.0 広島 31.7 33.4 34.2
埼玉 23.1 24.3 24.4 山口 31.3 34.4 33.1
千葉 26.6 27.6 25.8 徳島 27.4 30.1 28.0
東京 28.4 28.6 26.8 香川 32.1 34.9 33.3
神奈川 29.2 30.9 31.4 愛媛 30.9 31.1 31.1
新潟 40.3 42.2 43.4 高知 46.0 46.7 44.1
富山 33.2 34.2 34.6 福岡 31.7 33.0 32.1
石川 30.1 29.8 30.6 佐賀 36.5 37.0 36.1
福井 29.7 28.9 30.0 長崎 30.5 30.7 30.6
山梨 42.8 42.5 42.5 熊本 40.6 41.7 42.1
長野 27.1 27.2 25.8 大分 44.0 45.6 44.2
岐阜 27.4 27.4 27.6 宮崎 38.4 38.7 36.1
静岡 26.0 26.2 26.5 鹿児島 20.1 18.4 20.5
愛知 26.4 28.0 26.3 沖縄 46.9 47.9 45.1
三重 44.6 45.3 43.9 合計 29.7 30.6 30.2
注) 受診率=健診受診者数/40歳以上の被保険者数



保険料率決定の過程(イメージ)

保険運営に当たっての自主性・自律性、安定性、事務の効率性等の観点から、どのような保険料率の決定過程が望ましいか
(現行)
(現行)の図
(A)
(A)の図
(B)
(B)の図
(C)
(C)の図
  現行 A B C
「自主性・自律性のある保険運営」
「安定的な財政運営」
「事務の効率性」等の観点からの
メリット・デメリット
自主性・自律性のある保険運営になっていない
国が実施するので解散がない
制度設計主体である国が保険者でもあるため、料率変更が制度設計主体としての国が行うべき制度改正と一体として議論されることが多く、保険者として柔軟な対応が困難となる恐れ
国が実施する場合と実質的に同等で法人運営に自主性がない。
料率変更が制度改正と一体として議論されることが多く、保険者として柔軟な対応が困難となる恐れ
自主的な運営なので機動的弾力的に料率引き上げが可能
自治組織となるので財政の健全性を保つための指導監督が不可欠
自主性自律性のある保険運営
都道府県単位の保険者組織となるが、その場合監督は都道府県責任でよいか
事務の効率性の低下
保険者組織間の財政調整をどのような考え方で行うのか、被用者保険の中での財政調整についてはどう考えるのか



財政運営の透明性・効率性等(イメージ)

1保険者で都道府県ごとに区分経理

1保険者で都道府県ごとに区分経理の図
47保険者による財政運営

47保険者による財政運営の図
  1保険者で区分経理 47保険者による財政運営
会計経理の
透明性
区分経理とすることにより予算・決算時に各県ごとの財政状況を明確に区分して公表 各保険者の財政状況として予算・決算をそれぞれ公表
資金管理 資金繰りは全国一本で行うことが可能であり、各県間での弾力的な資金の融通が可能 財政規模が小さくなり、資金ショートのリスクが増大
各県間の資金融通は困難
事務の
効率性
予算の積算・執行面において業務の一括集中処理が可能 47保険者で同時期に同種の作業を行う必要があるほか、資金調達、資金運用等も各保険者で個別に実施



政管健保を都道府県単位の財政運営に
移行した場合の全国的事務について

 政管健保をどのような形で運営するにしても、安定した保険運営のために以下のような全国的な事務が必要となるが、これについてどう考えるか。

(1) 適用徴収事務
 政管健保の適用徴収事務については、効率性の観点から、年金の徴収とあわせて全国的に実施するのが適当ではないか。
(2) 財政調整事務
 年齢調整、所得調整をすることとした場合、国庫補助の重点配分では財政調整しきれないおそれが強く、したがって、財政調整のための資金の徴収と再配分の事務が必須であり、この事務を実施する中央組織が必要となるのではないか。
(3) 再保険的措置の実施
 政管健保はそもそも中小企業中心で財政力が強くないが、全国一本の保険運営から都道府県単位での保険運営とすることにより、財政単位としては小さくなり、偶発的かつ著しく高額な医療費の発生などのリスクへの対応力が弱まることとなる。
 このようなリスクによる保険料率の変動を避けるため、全国規模での再保険的措置を実施することもありうるのではないか。
(4) 組織管理等の事務について
 現在社会保険庁本庁で実施している以下のような事務については、効率性の観点から全国的組織で一括して実施した方が効率的ではないか。
 人事・定員管理等の組織管理事務
 医療費の集計、医療費や保険財政の中期的な見込みの作成等
 医療保険独自のシステム(レセプト点検等)の開発・修正
(5) その他
 現在政管健保を実施している社会保険庁においては、日雇特例被保険者のための制度や、船員保険制度も運営しており、これらは少人数で、地域的にも偏在しているが、これらの制度については、全国的組織で実施した方が効率的ではないか。



政管健保・厚生年金の適用・徴収業務について

現在、国において政管健保と厚生年金で一体的に行われている適用・徴収を、政管健保と厚生年金で別々に行うことについて、事務の効率性や保険財政の安定性の観点からどう考えるか。

現行
(政管健保・厚生年金を一体として適用・徴収)
政管健保と厚生年金を
別々に適用・徴収する場合

現行の図

政管健保と厚生年金を別々に適用・徴収する場合の図



財政の安定性の確保

現在の政管健保における財政運営
中期財政運営方式(H4〜)
おおむね5年間、財政の均衡を保ちうる保険料率を設定
 短期的な景気変動等に伴う保険料率の変更をできる限り回避

国として全国一本の財政運営
予算・決算、資金調達等を国の特別会計で一体的に処理

しかし、
国として、一律の保険料率の下で、全国一律の運営を行ってきたことから、地域の実情を反映できず、画一的な運営となるなど、保険者としての取り組みが必ずしも十分ではなかった。

保険料率の変更を告示で行うことができることとされていたが、実際には制度設計主体である国が保険者でもあるため、保険料率の変更が制度設計主体としての国が行うべき制度改正と一体として議論されることが多く、保険者として柔軟な対応が困難となってきた。

このような要因の下で、過去、大きな赤字が生じることがあり、債務の棚上げや、大幅な保険料率の引き上げ、制度改正等が行われた。


今後の取組みの方向性: 都道府県単位の財政運営

ねらい
地域の医療費を保険料率に反映し、地域における保険者機能の発揮を促す。
被保険者等による自主的・自律的な財政運営を行う。

 地域の医療費の水準を反映した保険料率を設定し、これにより、
医療費適正化(レセプト点検、保健事業等)への取組み
被保険者等への情報提供
他の保険者との共同事業(医療費の分析、保健事業の共同実施等)
医療提供体制の見直しへの参画
等、地域における保険者機能の発揮を促す。

 このような取組みの検証、その後の医療費の動向等を踏まえ、被保険者等の合意により、適切に保険料率の変更、給付の見直し、各種事業の見直し等につなげていく。

 以上のような自律的な財政運営により、財政運営の安定化が図られることとなるが、これによってもなお財政が悪化した場合に、行政の関与の在り方を含め、どのような財政安定化のための措置が考えられるか、検討が必要。



政管健保の保険者組織

ねらい
 被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営
 「被用者の受け皿としての機能」の確保
 事務の効率性の確保
主な法人形態間の比較
  現行の社会保険庁 独立行政法人 健康保険組合
役員・運営
組織等
法人の長 厚生労働大臣が社会保険庁長官を任命 主務大臣が任命 事業所側の理事から理事長を選挙
理事等 次長・部長等の幹部は長官が任命 理事:法人の長が任命 事業所側・被保険者側から半数ずつ選出
その他 ─── 監事を主務大臣が任命 事業所側・被保険者側から半数ずつの組合会議員で、組合会を構成
保険料率の改定等 長官から厚生労働大臣に対して保険料率変更の申出を行い、厚生労働大臣が必要があると認めたときは、社会保障審議会の議を経て、上下限の範囲内で変更 組織としての意思決定は、法人の長が行う。
保険料率の変更は、組合会の議決事項
ただし、保険料率には上下限があり、厚生労働大臣の認可が必要
一般会計からの繰入等 一般会計から、給付費に係る国庫補助、事務費に係る国庫負担が行われる。
政府は、個別法で定めるところにより出資できる。
政府は、業務の財源に充てるために必要な金額の全部又は一部に相当する額を交付できる。
一般会計から、予算の範囲内で事務費に係る国庫負担が行われる。
国会の関与 行政機関として国会の審議に対応 政府は、毎年国会に対し、特定独立行政法人の常勤職員の数を報告 ───
役職員の身分・
定員管理等
国家公務員
国家公務員定員削減計画の対象
特定独立行政法人
役員は特別職国家公務員
職員は一般職国家公務員
それ以外の独立行政法人
非国家公務員
(守秘義務等は個別法で適宜規定)
民間人
解散 ─── 別途、法律上の措置が必要
(事実上解散権なし)
組合会の議決、大臣の認可を経て解散可能
備考 ─── ─── 基本的には、各組合が財政責任を負う仕組みであり、財政調整は行っていない。



参考資料



(参考)制度別の平均標準報酬月額の推移

(参考)制度別の平均標準報酬月額の推移のグラフ

 (参考)
政管一般と組合健保について
平成15年度の平均標準報酬
月額に平均賞与額を12で除した
額を加えた額の比較


政管健保 組合健保
323,045円 465,838円

<制度別の平均標準報酬月額の対前年度伸び率の推移> (単位:%)
  S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15
政管一般 2.8 3.9 4.9 5.2 5.0 3.7 1.2 0.8 0.9 1.1 0.4 -0.5 -0.4 -0.2 -0.7 -0.8
組合健保 2.8 3.5 3.9 3.7 3.4 2.7 1.7 1.9 1.8 2.2 0.8 0.1 0.6 0.6 -0.7 0.2
共済組合 3.4 4.8 5.6 4.0 4.5 3.3 1.5 3.3 0.6 2.7 2.1 2.9 -1.3 0.9 -1.0



(参考)制度別の1人当たり医療費の推移

(参考)制度別の1人当たり医療費の推移のグラフ

<制度別の1人当たり医療費の対前年度の伸び率の推移>
  H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14
政管一般 4.1 2.3 3.4 -2.0 -0.9 -0.6 0.8 1.8 -1.8
組合健保 5.5 2.1 4.9 -2.0 0.1 1.1 1.7 2.4 -0.3
共済組合 2.4 3.6 3.7 0.2 0.4 1.0 1.9 2.1 0.1



第6回社会保険庁の在り方に関する有識者会議(平成17年1月28日)提出資料

資料3
外部委託の推進方策等について

 社会保険業務については、コア業務・非コア業務に整理し、コア業務以外のものについては、業務効率化の観点から積極的に外部委託を推進する。

 業務の分野ごとのコア業務・非コア業務の整理
  政管健保 厚生年金 国民年金   コア業務(例) 非コア業務(例)
全体の業務管理          業務管理  
記録管理、システム         システム企画 等 ソフト開発、保守管理 等
適用
(資格の得喪)
        資格確定、立入調査 等 入力、確認業務 等
徴収         長期滞納者への対応 等 通常の戸別訪問、電話督促等
給付         給付の裁定 等 入力、確認業務 等
相談         権利義務の確定に結びつく相談 等 軽易な相談
保健事業         事業の企画立案 健診事業 等

 コア業務については、以下の点を考慮すると、基本的には、社会保険業務を担う中枢機関において一元的に実施することが必要であり、部分的な外部委託にはなじまないのではないか。(当該中枢機関の組織形態について検討すべきものではないか。)
(1) 公的年金は給付と負担の間に強い結びつきがあるものであり、適用→徴収→相談→給付といった一連の業務について、これを寸断して別の主体に分担させることは、責任を拡散させ、責任の所在が不明確なものとなり、年金制度に対する信頼を一層低下させるおそれがあること。
(2) 年金制度の記録管理については、50年、100年といった超長期にわたって確実に管理することが必要であること。
(3) 強制徴収や事業所への立入等の公権力の行使については、民間企業が実施できるとする立法例はないこと。(公法人については、主務大臣の認可を得て実施できるとする立法例はある。)

 一方、非コア業務については、一定のまとまりを有する業務ごとに外部委託を推進することとし、今般の市場化テスト(別紙)の実施に加え、今後さらに、その範囲の拡大や人員削減効果について検討。



(別紙)
社会保険業務における市場化テストの実施について


 以下の3つの業務を平成17年度に市場化テストのモデル事業として実施

 厚生年金保険、政府管掌健康保険の未適用事業所に対する適用促進事業

 5箇所の社会保険事務所を対象として、未適用事業所の把握業務及び加入勧奨業務を包括的に委託し、他の社会保険事務所の実績と比較し評価を行う。
 対象社会保険事務所:港社会保険事務所、渋谷社会保険事務所及び足立社会保険事務所(東京)(まとめて委託)、南福岡社会保険事務所及び久留米社会保険事務所(福岡)(まとめて委託)

 国民年金保険料の収納事業

 5箇所の社会保険事務所を対象として、必要な未納者情報を提供した上で、電話による納付督励、戸別訪問による納付督励及び保険料の納付委託を包括的に委託し、他の社会保険事務所の実績と比較し評価を行う。
 対象社会保険事務所:調整中

 年金電話相談センター事業

 2箇所の年金電話相談センターの業務(電話による年金相談、電話による各種通知等への問合せの対応)を委託し、他の年金電話相談センターの実績と比較し評価を行う。
 対象年金電話相談センター:調整中



第7回社会保険庁の在り方に関する有識者会議(平成17年2月21日)提出資料


新しい組織に関する金子メモ(たたき台) (抜粋)

 新組織の業務範囲
 新しい組織が担う業務範囲は以下の動きにより大きく影響を受けることを考慮して、グランドデザインを描く。
(1)医療・年金の分離
 社会保険庁が行っている政府管掌健康保険業務に関しては、現在、社会保障審議会において、保険者組織の形態も含め、制度の基本的見直しが検討されている。すでに平成15年3月28日閣議決定(健康保険法等の一部を改正する法律附則第2条第2項の規定に基づく基本方針)において、
 ・事業運営の効率性等を考慮しつつ、財政運営は、基本的には、都道府県を単位としたものとする。
 ・被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営が行われるような仕組みにについて検討する。
こととされ、検討が進められている。
 政管健保部門の組織の在り方については、こうした議論を踏まえるとともに、年金部門から分離される可能性も視野に入れる必要がある。


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