05/02/14 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の 第7回議事録 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会     第7回 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会      日時 : 平成17年2月14日(月)14:00〜16:00      場所 : 東海大学校友会館 望星の間      出席者: 安部 好弘 委員  井村 伸正 委員           荻原 幸夫 委員  埜中 征哉 委員           林  正弘 委員  細谷 龍男 委員           松本 恒雄 委員  溝口 昌子 委員           望月 眞弓 委員      議題 : 1.リスクの評価方法について           2.提供する情報について           3.その他 事務局  審査管理課の関野でございます。よろしくお願いいたします。定刻を5分ほど過ぎ、 若干まだ委員の先生方お見えではございませんけれども、ただいまから第7回の専門委 員会を開催させていただきたいと思います。  本日は前回に引き続きまして、相対的リスク評価の方法についてご検討いただきたい と思います。その中で10日、先週でありますが10日に開催されました部会に対しまし て、委員長のほうから作業状況を報告した際に行われた意見交換の状況をご紹介させて いただきたいと思います。また、相対的リスクの評価方法に加えまして、本委員会では 提供する情報についてもご検討いただくことになっておりますので、本日はその部分に ついても検討をしたいと思います。  それでは委員長、よろしくお願いいたします。 埜中委員長  皆さん、お忙しいところ、どうもありがとうございます。埜中です。  今、事務局からありましたように、本日の委員会では相対的なリスク評価と、それか ら情報提供について、両方ご検討していただくことになろうと思います。  最初に、委員とオブザーバーの先生方の出席状況をご報告お願いいたします。 事務局  まず委員の出席状況からご案内いたします。本日ご欠席というご連絡をいただいてお ります先生は、事前には出席の予定でございましたが、高橋委員が急遽欠席ということ で先ほど連絡をいただいております。そのほか、安部委員と溝口委員におきましては遅 れてこられるというご連絡をいただいておりますので、後ほどお見えになると思いま す。  オブザーバーの先生方におかれましては、現在、鎌田委員、増山委員、安田委員がご 出席されておりまして、森委員からは遅れるというご連絡をいただいております。た だ、ちょっと時間がわからないという中で、あまり遅くなるようでしたら場合によって は欠席ということもあるというふうな連絡をいただいております。以上でございます。 埜中委員長  ありがとうございました。ほとんどの委員の方に本日は出席していただいて検討する ということになります。では、本日の資料の確認を、事務局のほうからお願いします。 事務局  お手元の資料で、クリップでとまっていれば外していただければわかりやすいと思い ますけれども、まず議事次第がございまして、その下に資料がございます。  まず資料1といたしまして、いつもの委員名簿をお配りしていたと思います。  資料2が、「第9回部会で出された意見について」という資料でございます。  資料3といたしまして、1枚目に「一般用医薬品の製品群とワークシートの対比表」 をつけてございますが、いくつかの資料が一括りになってございまして、第9回の販売 部会に報告した資料と同じものを、「前回までの検討状況について」という資料という ことでお配りしてございます。  資料4といたしまして、「相対的リスクの評価方法の整理案」という資料です。  資料5といたしまして、横表でございますが、1枚目に「解熱鎮痛薬」と書いてある ワークシートの抜粋でございます。  資料6といたしまして、「リスク評価用ワークシート」ということで、前回行いまし た評価結果を盛り込んだ形で資料を構成しなおしてございます。資料6でございます。  資料7が、いつもお配りしています「医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容 等に関する留意事項」の資料でございます。  資料8といたしまして、「情報提供について」ということで、横長の資料で少し厚め の資料がございます。全体が31ページまでございます。  最後に参考資料でございますが、10日に行われました販売部会で配られております資 料ということで、この委員会でも参考ということでお配りさせていただいています。 「諸外国における医薬品販売制度等について」という資料でございます。配付資料は以 上でございます。埜中委員長  どうもありがとうございました。それではこれから検討に入りますけれど、前回、実 際に皆さん方にAとかBとか入れていただいてシミュレーションをつくっていただきま したけれど、最初にもう一度おさらいをして思い出していただきたいというふうに思い ます。  まず事務局のほうから、前回までの検討状況と、それからついでと言ってはあれです けれど、部会への報告、それに対していろいろご意見があったと思いますので、それの 報告もしていただいて、それから本日の討議に入りたいと思いますので。よろしくお願 いします。 事務局  はい、わかりました。それではお手元の資料を使いまして、部会における議論の報告 をさせていただきます。お手元の資料2と資料3をごらんいただきたいと思います。  まず資料2でございますが、この二枚紙が第9回の部会で出されました意見というこ とをまとめたものでございまして、部会での説明の状況からまず説明させていただいた のち、この資料2に基づきまして、どのような意見があったかということをご説明した いと思います。  まず、順序が逆になりますが資料3をごらんいただきたいと思います。資料3にはい くつかの資料がございまして、まず最初のページから9ページ目までが、この前回の委 員会でもご説明いたしましたが、85の製品群とワークシートを作成した製品群、47のワ ークシートができてございますが、その対比ができる形でまとめたものでございます。 この資料に基づきまして、85の製品群について47のワークシートという形で整理をした と。  あと、その数字の違いというものは、一部医薬部外品に移行してしまったものを除外 していたり、あるいは生薬系の成分からなるものについては、改めて別途ワークシート という形ではない検討をするということ。さらには、一番最後のほうにございます検査 薬といったものについても、また別途検討するということで、この番号が一部ずれてい るものと、ビタミン剤のような形でいくつかの製品群、85の製品群で言いますと数字が 分かれているものがワークシート上は1つの形で括られている部分がある、といった説 明をさせていただいております。  続きまして、10ページ目をごらんいただきたいと思います。10ページ目から14ページ 目までは、相対的リスクの評価方法の案ということで、具体的に専門委員会のほうで議 論いたしました方法について示したものということで、それぞれの違いにポイントを置 きながら説明させていただいております。  その中で、15ページにございますような形で、基本は方法(1)というものを用いまし てシミュレーションを行ってみた結果について報告をさせていただいてございます。そ の関係のものが15ページであり、そのもとになりましたワークシートが16ページ目以降 ということでございます。21ページ目まで、そのワークシートを部会のほうにもお配り いたしましてご報告をさせていただいています。  それから22ページ目以降でございますが、委員会のほうで個別の論点ということで一 つ一つご議論をしていただきました点についてもご紹介させていただきまして、論点1 から論点15といったものについて、一つ一つ説明をさせていただいております。  その中で、部会のほうからの意見でございますが、ワークシートの関係等については 特段ご意見ございませんでしたが、最後のところで、22ページ目以降の論点のところで いくつかご意見がございましたので、その論点ごとに少し、そのご意見をご紹介させて いただきます。資料2をごらんいただきたいと思います。併せて資料2には、論点、例 えば2に関する意見という形で括ってございますので、別途資料3にございます各論点 の概要も併せてごらんいただいたほうがわかりやすいかと思いますので、お手元の資料 3の22ページ目以降を横に置いていただければ幸いに存じます。  まず資料2で言いますと、論点2に関する意見がいくつかございまして、まず論点2 といいますのが、資料3で言いますと22ページ目に書いてございます。リスクファクタ ーの項目で言いますと、B、C、Eといったものについて評価を行った上で、そのあと 誤使用あるいは過量使用といったおそれを前提とした評価としてGといったものを、2 段階に分けて作業するといった論点でございます。これに対しまして、資料2の●で示 しましたのが部会の先生からのご意見でございまして、◇が部会に出席された専門委員 からの発言でございます。  「Gの使用方法について、B、C、Eと同列に扱わない」と委員会では整理している けれども、どのような議論があったかという点でございまして、これについては、「相 対的リスクの評価にあたり、まずは適正に使用した場合のリスクを評価することとして おり、誤使用等についてはそのあとで考慮していく」というふうなコメントを専門委員 のほうからしております。  そのほか、「使用により原疾患を悪化させるケースもある」ので、その例示としまし て「下痢止めの薬によって下痢の症状が出るというケースもある」という部会の委員の 意見がございまして、このようなところはどうするのかということでございます。それ については専門委員のほうから、現在のワークシートにおきます「Fというところで、 症状の悪化につながるおそれといった関連の情報も拾っているので、そこで評価してい く」という形で答えてございます。  次に論点12に関する意見がございました。論点12に関しましては、資料3で言います と、少し飛びますけれども27ページでございます。資料3の27ページに、その一番上で ございます。論点12ということで、「消費者自らが使用することを想定して、一般用医 薬品の添付文書に記載されている情報というものは、固有の情報があるのではないか」 といった論点でございます。それに関しまして部会のほうでは、「一般用医薬品の普及 に際しては、専門家の関与が少ないために誤用や乱用を招く可能性がある。一般用医薬 品の特性を考慮すべきである」ということで、基本的には専門委員会のほうでまとめて おります「一般用医薬品の固有の情報についても考慮する」といったことと、同方向の 意見だというふうに思います。  次のページにまいります。論点14に関する意見がございました。これにつきまして も、資料3で言いますと27ページの下のほうにあります。この点について、「リスクフ ァクターであるAとDといったものについては、ほかの項目で評価されているという形 の扱いができるのではないか」という論点でございますが、それに関連いたしまして、 これは専門委員からの部会での発言でございますけれども、「Dの乱用のおそれに関し て、習慣性という形で指定を受けているものはワークシート上1つだけだった。Dとい うところだけではなく、Gという項目にも依存性という形で出てくるので、そちらでも 併せて評価をすることが適切」というような説明をしてございます。  それから論点15に関する意見がございました。資料3で言いますと最後のページ、28 ページ目になります。この論点につきましては、現在ワークシート上は成分ごとに情報 を抽出いたしまして、その成分に着目したリスク評価を行っているわけですが、最終的 には複数の成分が混ざった形での製剤という形になりますので、その場合の製品として の評価をどうとらえるか、といった点に関する論点でございます。  これにつきましては、前回の委員会でも少し最後に時間がなかったということで、部 会への報告におきましては、「次回専門委員会で検討」というふうに整理をしてござい ますので、きょう改めて内容をご確認いただければと思いますけれども、その点に関し まして部会のほうでは2つのご意見がございました。「複数の成分の評価結果が異なっ ている場合、最もリスクが大きいほうに合わせればよいと思う。リスクの高いものが配 合剤として出ていることが問題」という意見がございました。それに対しまして同じ部 会のほかの委員からは、配合剤の場合には理由があって配合しているということで、 「リスクが高いということに対して、一応配合理由がしっかりある」というような形の やりとりがなされてございます。  部会への説明の概要と、それに対する意見をご紹介させていただきました。以上でご ざいます。 埜中委員長  ありがとうございました。今、部会への報告についてご説明いただきましたけれど、 何かご意見、ご質問ございますでしょうか。大体部会のほうでは、我々委員会が一応検 討した評価方法で進めることに別に異議はないということで、あと、今事務局からご説 明があったような問題についてご指摘を受けて、それに対してお答えしたということで す。何かそれについて? よろしゅうございますか。ご意見? もしなければ、その相 対的リスク評価について、少しおはかりしたいと思います。  前回、皆さん方に評価をしていただいたのは、この資料3の15ページにありますよう に、評価していただきますとCとかAとかAというようになって、重大と極めて重大と の差がわかりにくい。例えばAとBが区別がつきにくい。そういうようなことが問題に されました。  ちょっとご提案ですけれど、その次の16ページをちょっと見ていただきたいのですけ れども、例えばAの「薬理作用」はこれは別として、その次のBの「相互作用」という ところに、網掛けのところだけだと、これは記載がないのでCになります。しかし実際 には、そこの横に「併用注意」として、かなりいろいろと問題点があることは書いてあ ります。前回の評価のときには、これが評価の中に入ってこなかったわけです。ですか ら、あとである委員の方からご指摘があって、「こういうものはただ網掛けだけでなく て、その横に書いてある併用注意もやっぱり考慮に入れて、Cというのでなくて、例え ばBとか、あるいは評価に何らか反映されたほうがいいのではないか」というようなご 意見がありました。そうすると、ちょっとBという項目は出てくると思いますが。  それから、例えばその次のCの「重篤な副作用のおそれ」というのも、例えばこの網 掛けのところだけ見て、その横に「特異体質・アレルギー等によるもの」というもの が、これは無視というか除外されてしまいます。これも考慮に入れるべきであって、例 えばその網掛けのところにはなくても、特異体質・アレルギー等によるものがあれば、 AでなくてもBとか、そういう何らかの評価をすべきではないかというようなご意見が ありました。  それから特にC´です。C´は完全に網掛けで無視というか、評価の対象に入ってい ません。でも、ここも評価してはどうかというご意見がございました。  それからEの項目です。Eの項目は、これはこのアスピリンですとAという評価にな りますけれども、そのAの中にもスティーブンス・ジョンソンだとか、あるいは無顆粒 球症とか、ショックとか、そういう「生命に結びつくようなものとか、そういうものは 少し重みをつけたほうがいいのではないか」と。「例えばAマルにするとか、あるいは AAにするとか、そういうことを考えてはどうか」ということで、「実際にやってみ て、そういう問題点を今のような整理をしたらどうか」というようなご意見がございま した。  私もそれはなかなかもっともなご意見だと思って、事務局の方たちとかいろいろお話 をして、少しその評価方法について、今私が委員の先生方のご意見を入れて、ちょっと 私と事務局で考えたようなことを少し検討しましたので、もう少し詳しいことはちょっ と事務局のほうからご説明していただけますか。資料をつくってございますね。では、 それに従って、ちょっとお願いします。 事務局  これに関しましては、資料4ということで、あらかじめ委員長と相談しまして用意し ておりますので、この資料4につきまして、今、委員長からお話のありました点につい て説明していきたいと思います。資料4の全体の構成の中で、まず「前回における検討 」というところが書いてございます。この部分は今、委員長からの発言に少し重複する 部分もございますが、一応一通り説明をさせていただきたいと思います。  まず前回までの方法についてということで、1のところでございますが、方法(1)と いうものを基本といたしまして、その下に書いてございますような方針でいくつかのも のについてシミュレーションを行ってございます。具体的には、ワークシートのB欄、 C欄、E欄、それぞれをその中で3区分、A、B、Cという3つの区分に分けまして、 さらにFの欄とGの欄といったものを2つの区分に分けております。またHの欄も2つ の区分に分けた、そういう方法が方法(1)ということで、前回シミュレーションを行っ てございます。  それらに関しまして、B欄、C欄、E欄といったものを3区分に分ける際に、「重大 」と「極めて重大」との区別がなかなか困難な場合は、上位の区分でありますAという ことにするという方針のもとで行っておりまして、その結果といたしまして、実際、先 ほど資料3にもございましたようなワークシートの中をごらんいただきますと、情報の 有無に基づき、AとCという2つの区分になってございまして、中間型のBという評価 のものがないという結果でございました。  それで、Aに区分されたもののうち特に重大なものとして取り扱う必要があると考え られる情報があるか否かについては引き続き検討し、そのような情報があった場合は、 Aのうち特に注意を要するものという考え方という意見があったかと思います。また、 そのBを検討する際に、先ほど委員長からワークシートをもとに説明がございました が、併用禁忌の欄だけに着目いたしますと、併用禁忌の欄に全く情報がない場合、Cと なってしまうわけですが、その横にあります、禁忌までではないけれども注意を要する ケース、併用注意のような場合、これが仮にいろいろあったとしても、前回のやり方で すと区分としてはCになってしまうという部分についても、検討の余地があるという意 見があったかと思います。また副作用に関しても、Cというところだけに着目するので はなく、重大ではないけれども注意べき情報として整理されておりますC´の欄につい ても考慮する必要があるというご意見がございました。  これらを踏まえまして、この資料4の中で「改良型」ということで資料に記してござ いますので、その内容を説明したいと思います。まず評価の対象でございますが、これ は原則、今までと変わらないと思いますけれども、A欄からHの欄、すべてのリスクフ ァクターを評価の対象とする。ただ、個別の論点の中で整理されてございますけれど も、A欄とD欄に関しまして、具体的に言いますと薬理作用と乱用のおそれといった項 目でございます。ちょっと順序が逆になりましたが、このAとかBとか、それぞれの欄 についてわかりにくい部分がございますので、お手元に資料7をお配りしていますの で、これをちょっと脇に置いておいていただきますと、AからHまでの符号が振ってご ざいますので、それをご覧いただくとよろしいかと思います。  資料7、一枚紙でございます。これら、AからHまでのリスクファクターに関しまし て、そのうちAとDに関しましては前回の論点等も整理されてございますが、他のリス クファクターの評価として考慮されているという形でございますので、個別の評価を行 わないという考え方でございます。  (2)でございますが、評価は2段階に分けて行う。これも前回と同じ扱いでございま すが、B欄、C欄、E欄といったところをベースとして、その成分の特性に着目した作 業を行った上で、F(効能効果)、それとGという欄(使用方法)、それらについて誤 使用や過量使用のおそれといったことを前提とした評価を行うという、2段階に分けて 行うという考え方で、これも前回と変わってございません。  (3)といたしまして、一般用医薬品の添付文書に記載されていて医療用の添付文書に は記載されていないような、そういう情報に関しては、情報提供に関する検討に併せて 考慮する。これも基本的には方針は従来どおりでございます。  次のページにあります「評価の方法」のところが少し、先ほど委員長からも説明があ りましたところで、変更点がいくつかございますので、評価の方法について説明したい と思います。2ページ目をごらんいただきたいと思いますが、まずワークシートのB 欄、C欄、E欄、それぞれを4つの区分に分類をすると。F欄とG欄に関しましては従 前どおり2区分という形で分けると。またHという欄に関しましても2区分ということ で、F、G、Hは従前どおり、B、C、Eに関しまして4区分ということで、ここが従 来の3区分から少し広がっているところでございます。  具体的に申しますと、それが(2)から(6)までに書いてございます。まずB欄の相互作 用のところでございますが、併用禁忌というところに記載がある場合がA、併用注意と いうところに記載がある場合はB、両方それぞれに記載がない場合がCという扱いでど うかということでございます。この場合、併用禁忌と併用注意の両方に記載がある場合 も当然ございますので、この場合はそれぞれ、併用禁忌のところでA、併用注意のとこ ろでBということが付されますけれども、その場合、トータルのBという相互作用の全 体の欄としての評価に関しましてはAが優先されてAという評価になるという扱いでご ざいます。全体に記載がない場合はCになるということでございます。  その中で、併用禁忌に関しまして記載があれば、原則Aということになりますが、そ の中で特に注意を要する情報が書かれている場合はそれを、この場合、ダブルAと言い ましょうか、スーパーAと言いましょうか、先ほどの委員長ですとAマルですか、そう いうような、呼び方はともかくといたしまして、Aの1つ上に位置するようなものとし て位置づけて、トータル4区分ということで分けてみてはどうか、ということでござい ます。  具体的に後ほどまたシミュレーションをやっていただく形になりますが、いくつか具 体例ということが必要になってきますが、とりあえず例示として書かせていただきまし たのが気管支拡張成分というものがありまして、それに対するカテコールアミン製剤が 実際併用されますと、不整脈とか心停止とかが起こるということで、このあたりは特に 注意を要するものとして考えてはどうかということで、あらかじめ委員長と相談させて いただいた例示でございます。これが相互作用のところの取り扱いでございます。  それから副作用のところでございますが、(3)に書いてございます。Cの欄に関しま しては、薬理毒性に基づく副作用というのが前回網掛けの部分で検討対象にした部分で ございますが、それに加えまして特異体質、アレルギーに基づく副作用といった記載の 部分も一応考慮した形で考えてみてはどうかということでございまして、このCの欄に 記載がある場合をAという扱いにする。そして、評価の対象になってございませんでし たC´の欄というところに記載がある場合に、Bという評価をしてはどうかということ でございます。そして、先ほどと同じように両方に記載がある場合は、AとBそれぞれ CとC´なので、A、Bが振られますけれども、この場合はトータルとしてC欄におき ますAという評価が優先されるということでどうか、ということでございます。ここに つきましても、Aの中で特に注意を要するものをダブルA、スーパーAという形で扱っ たらどうか、ということでございます。  その例示といたしまして、このあたり、内容的にはまたいろいろご意見をいただきた い部分でございますが、具体的な記載として依存性、薬物依存に関する情報ですとか、 再生不良性貧血とか、無顆粒球症、間質性肺炎、ショック、アナフィラキシー、こうい ったところが記載としてワークシートの中にあれば、それらについて少し、特に注意を 要するものとしての評価をしてはどうかということでございます。  続きまして(4)のところに移りますが、この分に関しましては適応禁忌、慎重投与とい う欄でございます。これにつきまして、適応禁忌の欄に記載があればそれをA、慎重投 与に記載があればそれをBという扱いにして、記載がない場合はCということで評価し てはどうかということでありまして、両方に記載がある場合はAが優先されるという扱 いでございます。そして、適応禁忌のうち特に注意を要する適用対象ということで、例 示に書きましたような小児、妊産婦(妊娠を希望する婦人を含めてでございます)、あ るいは高齢者、こういった特定の対象の方に関しまして、特に注意を要する適応対象と いうことでダブルA、スーパーA、Aマルという扱いをしてはどうかという方法でござ います。  (5)につきましては、これまで行ってきた方法と変わりませんで、情報がある場合に はP、ない場合にはQという形の扱いでございます。  それから別の切り口でございますが、一般用薬品の添付文書固有の情報のうち特に注 意を要する、評価にあたって考慮する必要があると思われるような情報につきまして は、各リスクファクターにおける評価を少しグレードアップしまして、Aであればそれ をダブルA、スーパーAという扱いにしてはどうか、という考え方でございます。  それに基づきました分類のイメージが、その次のページに記されてございます。前回 議論いたしましたものよりも少し区分が分かれてございますので、組み合わせとしても 多くなってございます。一応ご参考までに、その次の4ページ目に前回検討いたしまし た区分、実際にはAとCの2区分になったわけでございます。あと、PとQという扱い がございましたが、そのイメージを最後の4ページ目、前回のイメージということでお 示ししてございます。本日ご提案の方法については、以上でございます。 埜中委員長  ありがとうございました。皆さん、おわかりになりましたでしょうか。もう少し細か い区分にするということで、結局その網掛けのところだけでなくて、網掛けでないとこ ろにも重要な情報が入っているから、それは何とか取り入れて評価に入れようというの が今回の、前回やってみての反省点というわけです。  何かご意見ございませんか。ちょっとイメージとしてはっきりされない場合には、あ とで今の評価方法でシミュレーションをやってみますので、そのあとご意見をいただい てもよろしいと思います。  特になければ、事務局で、まずシミュレーションをやってみて、それから、「いや、 これはやっぱりおかしいんじゃないか」とか、それのほうがいいんじゃないかとかな ど、そのほうがイメージがわいて、また皆さんご意見が、出しやすいと思いますが。そ れはまた資料をつくってありますよね。その新しい資料6、検討しましょう。それをご らんいただいて。 事務局  資料の5と6になります。 埜中委員長  ああ、そうですね。資料5ですね。例えばアスピリンというのを見ていただくと、前 回はその網掛けのところに何もなかったので、B欄はCになりましたし、それからC欄 はAになりました。それからE欄は重篤なものがあってA、それからF・G欄がQ、P というふうになっておりますけれど。  今回はそのB欄のCというのが、その併用注意という網掛けでないところのものを考 慮に入れて評価をすれば、Bというのに変わるのではないかということになります。よ ろしいですか。それからC欄のAでね。C欄のAは、これは前回は単なるAでしたけれ ども、そこを見ていただきますとかなり、肝障害であるとか、再生不良性貧血であると か、先ほどちょっと項目に出しましたような、かなり重篤な副作用のおそれがあるとい うことで、これはAから1つランクが上がってAAになるのではないかというふうに考 えています。それからE欄です。E欄のAは、これは先ほど事務局から説明があったよ うに、出産予定とか、かなり重篤な副作用があるというか適応禁忌がというようなこと で、これはAからその1ランク上がってAAになるということです。そしてF欄は、事 務局これは同じでよかったですか。アスピリンの。 事務局  Fに関しては、一応アスピリンを例にとりますと、感染症の不顕性化と、あとその隣 にも記載がございます。 埜中委員長  Pになりますね。 事務局  記載があるということでPでございます。 埜中委員長  Pですね。それからGはPということで、ちょっと評価が変わってきています。B欄 がBで、C欄がAA、D欄がAA、F欄がP、それからG欄がPということで、ちょっ と変わってくるのではないかというふうに思いますけれど。ちょっと事務局から、また もう少しフォローしていただけますか。 事務局  はい。あと繰り返しになるかと思いますが、いくつかの成分について、今の方法を忠 実に当てはめる形でやってみたいと思います。 埜中委員長  はい。お願いします。 事務局  ちなみに今のアスピリンで言いますと、評価結果のところに書かれます数字は、A A、スーパーAが2個ありましたので、2、0、1、0、2、0。スーパーA、ダブル Aが2つあって、Bが1つ、あとPが2つだったと思います。  とりあえず前回の結果と対比で見る形で、資料の6を用意してございますので、一応 一通り、今回の資料4に基づく方法で当て込んでみて、またいろいろな角度でご議論を いただければと思います。 埜中委員長  はい。お願いします。 事務局  次のアセトアミノフェンにまいりますと、これに関しましてはまずB欄をごらんいた だくと、網掛けの部分の併用禁忌のところと網掛けでない併用注意のところ、両方ごら んいただきますと、まず併用禁忌のところには記載がございませんので、暫定的にここ は一応C。仮置きのCです。一方、併用注意のところに記載がございますので、これは Bという評価です。したがって、トータルでこのB欄につきましてはCとDの組み合わ せですので、結果はBという扱いになりますので、ワークシートの中にはBと書かれて くるかと思います。  次のC欄とC´の欄でございますが、ここに関しましてはCの欄に記載があれば扱い がAでございますので、網掛けの部分、薬理・毒性に基づくもの以外に特異体質・アレ ルギーによるものを含めて、トータルのC欄という扱いの中で見れば、とりあえずはA という暫定的な評価がなされまして、一方、C´の欄にも記載がございますので、ここ は一応暫定的にBということが付されております。トータルでC欄とC´の欄、合わせ て見た場合の副作用に関する評価をした場合には、AとBの組み合わせですのでAが優 先されて、全体としては、Aという扱いになります。さらに、Cの欄にありますショッ ク、アナフィラキシーというとことが、先ほどの資料4の例示にありますとおり、ダブ ルAの特に注意を要するものに当たるということで整理をすれば、ここがA2つになり ます。そういう意味で何段階かの作業になりますので、わかりにくいところがございま す。したがってC欄の評価としては、ダブルAでございます。  次にE欄ですけれども、適応禁忌のところに記載がありますので、とりあえずAとい う形になります。慎重投与のところにも記載がございますので、とりあえずBという評 価になります。合わせ技でAということになりますが、この適応禁忌の中に特に注意を 要するものがあるかどうかということで見た場合に、先ほどの資料4で言いますと、小 児とか妊産婦とか高齢者といったところで、アセトアミノフェンに関しましてはそうい った記載がないということで、Aのままということになります。  あとF欄とG欄に関しましては、記載があるということで、それぞれPという形にな るかと思います。  繰り返しますと、B、ダブルA、A、P、Pとなるかと思います。  もう少し、いくつかの例を示してみたいと思いますが、イソプロピルアンチピリン、 その下のものでございますが、とりあえずB欄に関しましては併用禁忌、併用注意とも に記載がございませんので、P欄の評価としてはCということになると思います。  最後のところですが、CとC´の2つの欄をごらんいただきたいと思いますけれど も、いずれにも記載がありますので、A、Bの組み合わせというのもAが優先されて、 とりあえずAという形になります。AというのはそのCの欄のほうの項目ですけれど、 その中には再生不良性貧血、無顆粒細胞症、あとスティーブンス・ジョンソン症候群が ありますので、「特に」というものにあたるということで、A2つになるかと思いま す。  次にE欄ですけれども、適応禁忌の欄と慎重投与が両方に記載がありますので、適応 禁忌のAが優先されて、Aという評価になります。  その次のFの欄は記載がありませんのでQ、Gの欄には記載がありますのでPという ことで、全体で言いますとC、A2つ、A、Q、Pという形かと思います。  一応ここまででちょっと。ほかにも前回やりました成分がいくつかあるのですが、と りあえずちょっとここでいったん。 埜中委員長  はい。というような分け方をすると、アスピリンとアセトアミノフェンでは少し差が 出てきます。このような評価法でやっていったらどうかというふうに思います。今のは かなり機械的にやっていますけれど、個々のものでまた少しそのランクづけとかそうい うものは変わってくると思うのです。まず、機械的にこういうふうに分類をしてみて、 そしてグループ分けをして、あと、今回は誤使用とかそういうことはあまり重く置いて いないのですけれど、そういうものもあとで配慮していくというようなことで作業を進 めたいと思いますが、何かご意見ございましたら、よろしくお願いします。 望月委員  今、委員長のおっしゃいましたFとかGの誤使用とか、適応の対象を誤った場合の部 分の評価のしかたですけれども、今、QとPの2段階で評価をしているのですけれど も、ここに関しましては、やはり書いてある内容に軽重が結構あるような気がするんで す。それで、今のこの評価の2段階の評価ですと、部会でかなりこのFとGのところは ご指摘事項が多かったところでもあるので、もう1段、AAと同じような形のPPみた いなものを入れていただいたほうが。例えば今のアスピリンからイソプロピルアンチピ リンの中でも、見ていまして、例えばGの欄で容量に上限が設定されているものという のは、容量がちょっと誤使用をして過剰になると、重篤な肝障害ですとかそういった副 作用の発現が比較的多いものが上限が設定されているというふうに考えますと、ここは ひょっとしたらPPでもよいのかなという感じがするんです。  事務局がご提案してくださっていた資料4の3ページのところの、このリスク評価の イメージ図というのを拝見していますと、そのFとGのところはPがいくつであっても それ以外の部分の評価が一番優先されてしまうので、ここは部会がかなり言っている部 分が上乗せ評価にならない部分が、このイメージ図だと出てきてしまうんです。そこを 何か工夫できるような形にできないかと思いまして、そのP、Qだけではなくて、1つ 上のものを加えて、そこでランクをちょっと調整できるような部分を設けてはどうかと 思います。 埜中委員長  ごもっともだと思いますけれど、いかがでしょうか。Pをもう1段階、特に注意をし なくてはいけないものをPPとして、その資料4のある3ページ目のところに何かもう 少し反映できる……てはどうかということですが。この委員会では、ちょっと誤使用と か何とかというのは、さておいてと言うとおかしいですけれど、まずその適正使用の中 でランクづけというかリスク評価をして、そして誤使用の場合にはまたそれを別途考え るというような感じでしたね。だけれど望月委員の話は、もうそういうものも一緒に作 業に入れてしまったらどうかというご意見ですけれど、いかがでしょうか。  部会では誤使用とかそういうものは、もううんと反映させるべきだというご意見が非 常に強かったのですが。 井村委員  望月委員のおっしゃることが大変適当ではないかというように思いますのは、どうせ やらなければならないことですから。それで、ワークシートを見ていくときに、それで もしPPというのが選び出せれば、それはあとで非常に参考になります。それで選ぶと いうのが、手順としては、やりやすいのではないかという気がいたします。 埜中委員長  ということで、まず適正使用の中で考えるということでしたけれど、今、井村委員の おっしゃったように、あとでいろいろと、もう1回見直すというのも大変なので、もう 一気にやれるところはやってしまうというのはどうかというご意見なのですが、いかが でしょうか。そのPをPPにするのは、そんなに難しいことではないので、よろしいか と思いますけれど。  そういうご提案がございましたし、井村委員のほうからも賛成のご意見がございまし たので、他の委員の方、よろしゅうございますか。では、そのPというのも考えて。こ れを、リスク評価表の、資料4の3ページ目にどういうふうに反映させるかということ が、ちょっと工夫は要りますね。まずさしあたってPPとつけておいて、それをどうい うふうに反映させるかというのは、事務局、やっぱり本日決める必要がありますか。 事務局  最終的には、どちらが上位かということが要ると思いますが、まずは2ページ目にあ るような方法のルール化のところで、(5)のところの扱いをPとQだけでなく、P2つ という場合も出てくる。そういうものを設けるという考え方を盛り込んでおけば、基本 的にはそういったルールに沿った説明になるかと思います。 埜中委員長  はい、わかりました。そうすると、誤使用によって非常に重篤な結果をきたすような ものというものはPPとするということで、その鎮痛解熱剤ですとアスピリンが適応に なりますか。アセトアミノフェンもそうですね。イソプロピルアンチピリンのほうは、 それには該当しないということになりますね。そうすると、アスピリンとアセトアミノ フェンはPをPPにするということになってきます。F欄ですね。  何かほかにご意見ございませんか。  イメージがわくように、もうちょっとやってみますか。 事務局  どちらでも結構です。 埜中委員長  やっぱり、もうちょっとやりましょう。今のところ、解熱剤だけでは問題がないけれ ども、この前、溝口委員がご指摘になったように、塗布剤とかそういうものでもやっぱ り問題があったりいろいろするので、一応解熱鎮痛剤だけでなくて、ほかのビタミン剤 とか抗ヒスタミンとかそういうのを、ちょっと事務局のほうからやっていただけません か。 事務局  前回、4種類の製品群をやりましたので、それで言いますと、ちょっとブロムワレリ ル尿素は取りますけれども、ビタミン主薬製剤のビタミンAと、あと抗ヒスタミン製剤 と、あとみずむし・たむし用薬がありますので、資料6で言いますと2ページ目の成分 に関しましてもやってみたいと思います。  まずビタミンAですけれども、資料5で言いますと3ページ目になります。ワークシ ートで言いますと3ページ目です。この中でまずB欄の相互作用のところですけれど も、併用禁忌と併用注意、両方に記載がありますので、とりあえずトータルの評価とし てはAになります。次にCの欄、C´の欄、最後のところですけれども、ここに関して はCの欄にも記載はございません。ただ、C´の欄に記載がございますので、このとき の扱いはBとなります。次にEの欄ですけれども、患者背景のところですが、適応禁 忌、慎重投与、両方に記載がありますので、トータルで見た場合には、適応禁忌のほう の評価が優先されますのでAとなります。そのAの中で、妊娠3か月以内、妊娠を希望 する婦人といった記載がありますので、この場合はA2つになります。次に、Fの欄に は情報がありませんのでQになります。Gのところには記載がありますので、とりあえ ずPになりますが、そのPの中で、先ほどの望月委員の例で言いますと、使用量の上限 がこの場合あるというふうにこの記載を読めば、P2つがここにつくと思います。とり あえずほかもやってみてから議論したいと思います。  次に、ワークシートのその次のページ、4ページ目ですけれども、抗ヒスタミン製剤 になります。メキタジンの例ですけれども、まずBの欄、相互作用の欄には併用禁忌に は記載がございませんが、併用注意に記載がございますので、トータル、Bの欄の評価 としてはBということになります。それから副作用のところですけれども、Cの欄に記 載がございます。C´のほうにも記載がございますので、トータルの評価としてはCが 優先されてAとなりますが、その中の記載には血小板減少、アナフィラキシーというの がありますので、この場合、A2つになります。  次にEの欄ですけれども、適応禁忌と慎重投与両方に記載がありますので、適応禁忌 のほうの評価が優先されてAとなります。内容を見ますと、特に適応禁忌のほうには高 齢者、婦人、小児といった記載がありませんので、この場合はAのままになるかと思い ます。それからFの欄には記載がありませんのでQ、Gの欄には記載がありますのでと りあえずPとなりますが、先ほど具体例としては上限の問題だけが取り上げられました ので、この場合、上限に関してはないので、とりあえずPという形でやらせていただい て、ほかの記載についてPを2つつける必要があるかどうかというのは、また後ほど議 論いただきたいと思います。  次にみずむし・たむし用薬で、ワークシートで言いますと5ページ目になります。塩 酸ブテナフィンの例ですけれども、まずBの相互作用の欄に関しまして併用禁忌と併用 注意、ともに記載がございませんで、この場合Cになります。次に、最後のところです が、欄で言いますとCとC´の欄になります。Cの欄には記載がありません。ただ、C ´の欄に記載がありますので、この場合はC´の評価がそのまま全体の評価になりまし て、Bとなります。それからEの欄ですけれども、適応禁忌と慎重投与両方に記載があ りますので、適応禁忌のほうが優先されて、全体としてはAになります。そのAの中身 を、適応禁忌のほうの中身を見ますと、小児とか婦人といった記載がありませんので、 とりあえずAということになります。それからFの欄には記載がありませんので、Qで す。Gの欄には記載がありますので、Bになります。  それからもう1つ前回やりましたので、最後に塩酸ジブカインの例もちょっとさせて いだきます。ワークシートの6ページ目になります。この場合、まずEの欄ですけれど も、相互作用のところには併用禁忌、併用注意に関する記載がありませんので、Cとな ります。副作用のところに関しましては、C欄に関しまして記載がありますし、C´の 欄にも記載がございますので、トータルとしてはCの欄が優先されまして、Aという評 価になります。Eの欄ですけれども、適応禁忌と慎重投与ともに記載がありますので、 適応禁忌のほうの扱いが優先されてAとなります。内容に関しましては、適応禁忌の中 に高齢者とか妊産婦といった記載がないわけで、Aのままということになるわけでござ います。それからFとGには記載がありませんので、それぞれQという扱いになりま す。一応こんな形かと思います。 埜中委員長  はい。というようなことで大体こちらが提案した4段階評価、まあPPはその3段階 評価ですけれど。これにつきまして、これで作業を進めていくことにつきまして、先生 方からのご意見をお伺いしたいというふうに思います。いかがでしょうか。 井村委員  これを部会に持ち込んだときに、部会でご意見が出るかもしれないというところが1 つあるのですけれども、それはEの欄で慎重投与のほうに、例えば妊婦とか小児とかと いう記載があるものについては、それを全く無視して、適応禁忌のほうになければもう これはAのままにしておくということでいいのかなという、そういう質問が出てくるの ではないかということをちょっと考えたのですけれど。そんなことをしているときりが ないという考え方もあるんですけれどね。  例えばアセトアミノフェンのところで、Eの欄はAになっていますね。 埜中委員長  はい。 井村委員  これ、見てみますと確かに適応禁忌、慎重投与の両方に記載がありますからAで、事 務局の言い方をまねすればこれはダブルAで、しかも適応禁忌のほうには特に高齢者と か妊婦とか小児とかという項目がないからAのまま、ということで通り過ぎたわけです けれど、慎重投与のほうには小児、高齢者、妊婦または妊娠の可能性うんぬんという言 葉が書いてあるんです。これは問題にならないでしょうかという、そういうところで す。 埜中委員長  いかがですか。 事務局  先生方でご議論いただきたいと思いますが、一応慎重投与というのは注意を要する形 で、絶対的な禁忌とはちょっとそこは一線を画す扱いなのかと思いますけれども、実際 のその小児とか妊産婦の記載が慎重投与のほうにあることによって、適応禁忌としての 扱いとどこまで近づくものとして見なすかどうかということだと思うんです。またその 部分はちょっと、この場でもご議論いただきたいと思います。 望月委員  情報を整理していました段階で、見ておりますと、禁忌のほうに出てくる妊婦の場合 は、その妊婦さんに投与したときに明らかに結果として何らかの有害反応が出るという のが明確な場合は禁忌になっているのですが、慎重投与に整理をされている場合は私た ちがよく有益性投与と言うのですが、「薬を投与することの利益が薬を投与することに よって起こるリスクより上回っている場合には、投与をしてよい」というような書き方 になっている場合が、慎重投与の場合はほとんどです。  だからやはり明らかに、禁忌に妊婦が出てくる場合と慎重投与に出てくる場合では、 投与していいかどうかというレベルに関しては大きな差がありまして、そこは確かに先 生がおっしゃるように販売制度上妊婦さんに一般用医薬品を売るということは、どの一 般用医薬品を売る場合であっても何らかの関与が必要なのかというふうに思うものがあ りますので、医薬品のリスクはリスクとして、この情報をもとにデータを評価させて、 その上でさらに諸外国の例でも妊婦さんとか高齢者とか小児は直接対面で売っていると いう事例もありましたので、そちらで取り入れていただいてもよろしいのかもしれませ ん。 埜中委員長  情報提供の項でということですね。 望月委員  はい。そう思います。 埜中委員長  アセトアミノフェンなんかは広く使われているけれども、今まで催奇形性があるよう な報告はないというようなことも1つ、ポイントになるだろうと思いますけれど。今、 望月先生がおっしゃったようなそういうことで、医薬品を見るともうほとんど妊婦は慎 重投与とか何とか書いてありますね。それはもう必ず慎重投与をしなくてはいけないと いうことで、やっぱりリスク・ベネフィットの問題が一番かかわっていると思います。  ほかに何かご意見? 井村先生、もし部会から言われたら、そういうふうに答えます けれど。 井村委員  いや、何かちゃんとした理由ができていればいいです。 埜中委員長  そうですね。そういうのはやっぱり明確にしておかないといけませんね。ほかに何か 今、シミュレーションでやってみて、これは問題になるのではないかというようなとこ ろはございますか。今のような方法で大体リスクの相対評価というものは妥当と言える かどうかとか、何かご意見がございましたら、ぜひお願いしたいと思います。もうかな りいろいろと検討して、最後ということもないですけれども、目途がついた状況ですか ら。  よろしゅうございますか。なければ、では今の方法で、これから総体リスク評価を進 めさせていただきたいというふうに思います。またそのグループ分けしたときに、多分 AAにするかAにするかとかいうところでまた問題になると思いますけれど、それは頻 度だとか重症度だとかそういうことも配慮して、また個々にはご検討いただくことにし たいと思います。  一応きょうはご了承いただいたということで、これで進めたいと思います。何かご意 見ございますか。それではご了承いただきましたので、今のような評価方法で作業を進 めてみていただきます。 埜中委員長  もう1つのきょうの議題は、「提供する情報について」ということです。これはちょ っと事務局から説明していただいたほうがいいと思いますけれど。ワークシート上、一 般用医薬品の添付文書というのも、きょう、資料8に出してありますので、こういうも のとそれから今までこのワークシートに書いてあるようなものとこう配慮して、情報提 供というものをどういうことで行うかということで、資料8に基づいて事務局からご説 明いただけますか。 事務局  それでは資料8について、ちょっと説明したいと思います。この資料8に書かれてい ます内容は、今委員長からお話がありましたとおり、一応ワークシート上の整理をしま した成分ごと、成分の一応主だったものについて、横の軸として一般用添付文書を各記 載項目ごとに切り分けて整理したものです。したがって各成分の右側に書いてあります 情報は、今現在、具体的な一般用医薬品というものの中で、添付文書を通じて提供され ている情報をこういう形で表示、整理したものということになります。  それでこの資料の見方でございますが、まず1つはリスク評価の際に医療用の添付文 書には出てこない一般用の添付文書固有の情報があるというお話だったかと思いますの で、この資料8を使いまして、そういった固有の情報のうち各成分ごとにリスク評価の ほうにつなげていくようなものがあるのか、ないのかというふうな使い方が1つできる かと思います。  もう1つは、リスク評価とともにこの委員会の1つの役割であります、どういう情報 を提供するか、提供の種類を当てはめていくにあたって、現在提供されている情報にも なるかと思いますので、こういった情報を提供することでどうかといった使い方もでき るかと思いますので、このリスク評価につなげる部分がこの中にあるのかということ と、提供する情報の種類としてはこのようなものでどうかといった2つの中でこの資料 を見ていただければと思います。資料の説明は以上でございます。 埜中委員長  はい。この一般用添付文書の中に、医療用には書いてなくて一般用のほうには書いて あるものがある。1つの論点は、そういうものをリスク評価の中に入れるかどうかとい うことですね、事務局。 事務局  はい。 埜中委員長  そういうことですね。例えば資料8にありますようなアスピリンですと、「服用中は 飲酒しないでください」ということが書いてあります。そういうものをリスク評価の中 にどういうふうに取り入れていくかということを、ひとつ。しかし、これはあまりリス ク評価となりますかね。 安部委員  これこそ情報提供みたいな感じがしますね。 埜中委員長  情報提供ですね。だからそういうことを個々にまた検討すればいいわけですね。今、 こういうことが書いてあるけれども、これはもうリスク評価でなくて情報提供だけでい いのではないかという井村先生のご意見があったのを、では、そちらのほうでいいので はないか。これはもう情報提供のほうにしてしまうということですね。 事務局  ちょっと補足します。先ほどちょっと説明しなかったのですが、これまでの議論で言 いますと、一般用の添付文書にしか書いてないものがありますので、それも確かめる必 要があるということで、固有の情報があるということでの整理だと思いますので、こう いった形で確認していただいた上で、リスクの評価ということよりは、むしろ情報提供 のほうで考えていきましょうということであれば、それはいったんはそれで作業をしま したということにはなります。また、いろいろご議論いただきたいと思います。 埜中委員長  それは実際に今度作業するとき、例えばアスピリンというのは今度評価しますね。そ のときに、この一般用の添付文書もパッと見て、その評価のときにこれを排除するとい うことの手順でよろしいですか。ですよね。 事務局  はい。基本的にはそうだと思います。先ほどの方法に添ってやった上で、なおかつ個 々の、その。 埜中委員長  それで、そのときに同時に見ていくということですね。 事務局  特別に注意をする。一般用にしか書いてない情報があるのかないのかというところの 確認のために伝えるということです。 埜中委員長  そうですね。はい、わかりました。それはもうぜひ、それはする必要があると思いま すし、そのときに作業を進めていけばよろしいかと思います。 井村委員  私、今うっかり、これは情報提供のほうでいいのではないかと言ったのですけれど、 この「その他」というところは、車の運転とかするなというふうなことが書いてありま す。 埜中委員長  はい、あります。 井村委員  そうすると、さっきのように何か評価をするときのグレードをつけていくというとき は、この1つの項目を1つの項目としてグレードをつけてしまいますね。車の運転と飲 酒を併せた感じです。 事務局  車の運転についてはかなり、先生方から意見が出ていたような気がするのですけれ ど。そうするとこれは、もしかすると情報提供だけではだめかもしれないという気もし ないでもない。その辺をちょっと皆さんにご意見を伺いたいのですけれど。 埜中委員長  例えば抗ヒスタミン剤なんかだと眠気がくるので、それは車を運転するなということ は一般用医薬品に書いてあることですけれど、しかしそれは重大な副作用か何かで反映 されますね。望月先生、今の井村先生のご意見を伺ってどうでしたか。 望月委員  実は重大な副作用には出てこなくて、C´のほうですね。 埜中委員長  ああ、C´のことですか。 望月委員  はい。重篤ではないので注意すべき副作用の辺には出てまいります。私もその車の運 転等に対する眠気ですとかめまいですとか、目の調節障害ですとか、そういったものが 原因でこういう「車の運転や機械の操作に従事しないようにすること」という表現が出 てくるものがたくさんあるのですけれども、それをリスクとして評価するべきなのか、 情報提供として評価を、この情報をどういう形で提供するのが一番効果的なのだろうか というところで、安全に使ってもらうために評価するべきなのかというのは、ちょっと 議論が必要なところかと思っております。評価しないわけではないんです。  今、委員長がおっしゃったように、リスクのところで評価するべきなのか、情報提供 のあり方のところで、こういう情報についてはどういう形で提供されるべきであるとい うところで議論するべきなのかというのは、先生方のご意見をいろいろお聞きしてみた ほうがいいかと思っています。 埜中委員長  はい、わかりました。いかがでしょうか。そういうものはリスクでも、もちろん評価 をしなくてはいけないけれども、どちらに重きを置くかということになりますね。何か 両方重きを置くのが一番いいのではないかと思いますけれど。  ご意見いかがでしょうか。例えば今いただいた抗ヒスタミン剤であるとか、あるい は、薬の中にはかなりめまいとかそういうことをきたすおそれのあるような薬、そうい うものは必ずしも重大な副作用というような、AAには入ってこない場合があると。そ ういうものを情報提供のほうでカバーしてしまってそれでいいかと。その辺のところの 議論ですね。いかがですか。そういうリスクのほうに入れないで情報提供だけしても、 何かあまり意味はなくて。そういうリスクがあるから、そういう提供をしっかりやらな くてはいけないという、やっぱり両方ではないですか。 事務局  今の例でちょっと触れますと、資料5の具体的に抗ヒスタミン成分がございますの で、ちょっとこの例をごらんいただきたいと思います。 埜中委員長  そうですね。ちょっとやってみましょう。 事務局  資料5の4ページ目に出てきます。4ページ目にメキタジンという成分がありまし て、望月委員ご指摘のとおりC´の欄に縦に長く書いていますが、その一番下に「自動 車の運転等危険を伴う機械の操作」というのが出てきます。この例を先ほど言われたの だろうと思いますが、例えばこの情報を特に注意を要するものとして取り扱うことにな った場合のことを考えますと、このメキタジンで言いますればCのほうでA2つの評価 が与えられているので、一応この部分も加味した評価になっているのかなというケース だとは思うんです。 埜中委員長  そうですね。 事務局  ただ、場合によってはCに記載がない状態のものがあって、C´に記載がついてなお かつこの運転操作の記載が出てきた場合には、先ほどの基本的なルールで言いますとB という評価になりますので、その場合にBのままでいいのかというところのケースをど う考えるかというと、何となく。またちょっと、こういったケースに出くわした場合に は、いろいろな細かい定義が必要になってくると思います。  埜中委員長  機械的にはそのBということになっても、内容によってそれをまたAに引き上げてい いわけですから。個々のものを今後検討するときには、そういうところは皆さん方のご 意見を聞いて評価点をつけていくことになるというふうに思います。記載があるからA で、2つあるからAAと、一応機械的にはやりますけれども、個々のものについてはも う少しきちっとした内容を見ての評価というのが必要になるだろうと思います。 安部委員  今の眠気等の問題ですけれども、眠気を催す抗ヒスタミン剤などを服用して、眠くな った状態で車を運転するというのは、飲酒運転みたいなものでございますので、薬の作 用ということで副作用の部分にも入るのですけれども、眠気自体は不可逆的なものでも ないですし、危険なものということで医薬品のリスクを上げてしまうのはあまり、B、 C、Eということを中心に見ていく中では不自然だろうと思いますので。例えば眠気を 及ぼす医薬品で自動車の運転をするということは、これはGの誤使用のほうに……。誤 使用ではないのですけれども、ここで評価してもいいのかと。例えば副作用で眠気の注 意が必要なものについては、使用方法のところにもPPに入れるとか、そういうことに すると、例えばそれは情報提供と引っかかってくるような気がするんです。  実は私も、これは医療用の情報提供のほうですけれども、患者さんに情報を差し上げ るときには医薬品の重篤な副作用で、それを患者さんが事前に気づくように情報提供し ているわけですけれども、それは提供できる情報の量には限りがあって、10個も20個も 1つの薬に副作用情報を差し上げても読みきれないということで、プライオリティーを つけて大事なものから提供するわけですけれども、眠気につきましては医薬品の副作用 ということでお渡しするのではなくて、生活上の注意という形で、私の場合はお渡しし ていますので、副作用と眠気というのはちょっと分けたほうが、私はいいのではないか というふうには思います。 溝口委員  抗ヒスタミン薬の眠気というのはとても判断に困るところがございます。個人差が多 いのです。ここに書いてあるメキタジンは比較的少ないほうなのです。この程度でした ら、副作用として扱って、添付しないほうがいいようなものもありますし。飲めばほと んどの人が眠くなるような程度の強いものもありますので、一律に扱うのが非常に難し いと思います。  それと、多くのものが飲んでいるうちに慣れてしまって、軽いものでしたら生活に影 響がないのです。金曜日の夜から飲みだせば仕事上では眠気の影響は少くなります。車 の運転は別で逆かもしれませんが。 それから、めまいも眠気もそうですけれど、「め まいがしますよ」とか、「眠気がありますよ」と言うと本当にしてしまいまして、言わ ないと全くないので、言って渡すと危険なときなんか、プラシーボでも全部出てきてし まう。めまいなんかもそうなんです。「めまいありますよ」と渡すと、本当にみんなめ まいがしていますけれども、ここら辺のところも難しいところですので。情報提供にす るか、副作用として扱うかによって、飲む方の影響もすごく違うと思います。  一般薬に出てきたものが眠気が少ないとかそういうことはなくて、最近のものが随分 眠気が少ないものが多いので、まだ一般薬におりてないものが眠気の少ないものが多い ものですから、この眠気とかめまいは両方に入れておくか、情報提供だけにするかとい うのは、なかなかこの個々の薬品でも違いますし、個人差もあるので難しいのではない かと思います。余計なことを言って申しわけありませんが。 松本委員  おそらくその眠気とかめまいというのは、私はある意味で副作用だと思いますが、そ れと車を運転して事故を起こすというのは次元が別だと思うんです。私も花粉症ですか ら薬をいろいろ飲みますけれど、非常にひどい眠気がある薬もありますし。あるときな んかは市販薬を買いましたら、海外から輸入したものらしくて、日本で処方する量の倍 入っていると後で知人の医師から言われたのですが、もう完全に気分が悪くなりまし た。よくこんなものを売ったと思いますけれども。そういう意味での副作用というの は、人によっても違うかもしれない。気分が悪くなるというのは、ある意味で副作用だ と思うんですけれど。  だから車に乗っていて事故を起こすというのが薬の副作用だというのは、論理がワン ステップ飛躍しているのであって、いわゆる誤使用のジャンルで考えるべきものだろう と思います。その誤使用した場合の危険性が非常に高いものであると。おそらくそうい う種類の薬というのはたくさんあるのではないかと思うんですけれどね。高山に登ると きに飲んではいけない薬とか、おそらくあるかと思うので、そういうものと、あるいは スポーツをする直前には飲まないほうがいいとか、そんなのがあるのだとすれば、それ と同じようなものかなと思いますが。ですから、警告の問題だと。警告、すなわち情報 提供のほうの問題だと思います。 細谷委員  私も副作用に入れるのには少し問題があると。なぜかと言うと、抗ヒスタミン剤であ るから副作用としてとらえられるわけですけれども、催眠鎮静薬なんかはこれ、やはり この医療情報提供についてという資料からしてみると、車の運転をしてはいけない。当 たり前のことなんですけれども。これはむしろ副作用ではなくて主作用なんですね。だ から、車を運転してはいけないということは、副作用の項目で取り上げるとおかしなこ とになってしまう。やはりこれ、誤使用とかそういう問題で取り上げておいたほうがよ ろしい問題ではないかと。薬によっては副作用だけれど、薬によっては主作用ですか ら。そういうことは副作用として取り上げるのはおかしいのではないかと思います。 埜中委員長  いかがでしょうか。 荻原委員  私も全く同じような意見ですが、花粉症の薬の中には非常に強い薬がある。それなら 飲まないでクシャン、クシャンしながら運転していたら、もっと危険だと。やはり「こ ういうことが起こります」という使用場面に応じて情報提供の内容、方法に強弱がある べきです。副作用と言われてしまうとこれ、ちょっと強すぎるかなと思います。 埜中委員長  いろいろご意見がございますが、ほかに? ただ、誤使用というのはちょっとおかし いですね。 井村委員  おっしゃるとおりで、私もそれを言おうと思ったんですけれど、誤使用とは言えない と思うんですけれどね。ですから、やはりこれは情報提供でやるか。ということです ね。 埜中委員長  そうですね。情報提供をしっかりするということだろうと思うんですけれど。 荻原委員  もう1つ。つけくわえますと、先ほどのアスピリンでも服用中は飲酒しないという項 がありますね。確かにそうなんですけれど、イギリスでの経験ですが、彼等は二日酔い すると必ずアスピリンを飲みますよ。やっぱり情報提供をきちっときめ細かくやったほ うがいいと思うんですけれどね。 埜中委員長  皆さんのご意見で、ちょっと誤使用というのは問題ですけれども、副作用のほうでリ スク評価を高くするのではなく、こういうような車の運転とかそういうものは、情報提 供をしっかりするという方法でもっていったほうがいいのではないかというのが、先生 方のご意見ですが、それでよろしゅうございますか。 松本委員  そのまとめで結構ですが、一部の委員の方から、誤使用の話と情報提供の話はまった く別であるかのようなご指摘をされているのですが、それは私はむしろ違っていて、誤 使用を起こさないための情報提供という話に多分なるのだと思うんです。たくさん飲み 過ぎるとこうなる。しかし、適度に飲んでいる限りは非常に効果があるという場合に は、飲み過ぎないようにという情報提供をするわけでしょうけれども、飲み過ぎという のはまさに誤使用の典型だと思いますし、薬を飲んで車に乗るというのも、そういうと きには飲まないほうがいいという意味で誤使用と言ったといっていいと思うんです。  誤使用でないのなら、そんな薬はもっと危険なわけです。誤使用しなくても、正規の 使用でも危険な薬というのは、もっと左側のBとかCとかEのほうでカウントされるべ きものなので、Gでカウントされるというのは、適切に使えば適切なものだけれど適切 に使わない場合に一定のリスクがあるものについては、そのリスクをきちんと説明して リスク管理の方法を教えることによって広報化を確実にしましょう、という流れになる と思います。 埜中委員長  今のご意見、いかがでしょうか。 井村委員  やはり私は誤使用ではないと思うんです。誤使用というと、やっぱりGのところで何 とかしなければならなくなってしまうので、そういうものとは違うのだろうと。今、 「たくさん飲むと」というお話がございましたけれど、この問題はたくさんではなくて 通常の容量を飲んでいてこうなるということを意味しているので、誤使用ではない。だ けれど、何かしなければならないということですから。「それでは、どうするか」とい うことを決めればよろしいかと思います。 埜中委員長  わかりました。ほかに何かご意見ございませんか。誤使用というふうにしてしまう と、問題があると思います。きちんと用量を飲んでいても眠くなるわけですから、それ でもし車を運転して事故を起こした場合に、それは誤使用ということで、あとで裁判に なった場合も、「お前は何だ、間違ったことをしたではないか」ということになって、 ちょっと問題になることはないのでしょうか。 松本委員  だからこそ、製薬会社が警告をしているわけです。もしも「車を運転しないように」 という警告なしに抗ヒスタミン剤を一般的に売っていれば、そして運転している人が急 に眠たくなって事故を起こしたということになれば、製薬会社の責任を問われる可能性 がかなり大きいと思いますから、あらかじめ警告することによって、そのような狭義の 誤使用、そういう方法では使わないでくださいという警告をしているのだと思います。  だからここのGのところであげられているのは、まさに使用量の上限、過量使用、長 期使用ですから、いわば量的な意味での「使い過ぎに注意をしましょう」という趣旨の ものを誤使用というふうに限定的に使われているので、自動車に乗るというのは多分違 ったタイプの誤使用でしょうし、そういう種類の御使用はもっとほかにも、先ほどもふ れましたけれども、スポーツをして体が暴れる直前には飲まないほうがいい薬というの がひょっとしてあるかもしれないという、そういう類の「こういう場合には使わないよ うに」という薬はたくさんあるのだと思うので、広い意味の誤使用だと思います。 埜中委員長  いかがでしょうか。それは広い意味の誤使用かもしれないけれど、誤使用というふう に何か規定してしまうとちょっと問題が、やっぱり大き過ぎると思います。というの は、抗ヒスタミン剤を飲んでも眠くならない人もいっぱいいて、花粉症で運転している 人はいっぱいいるわけですよね。その人たちが、では花粉症で飲んで運転したら全部誤 使用になってしまうわけですね。だから、それはちょっと。 荻原委員  運転しても誤使用ではないのですが、それで事故を起こしたら誤使用といいますか、 わかっていて事故を起こしたのに対して責任を問われるということなんですね。意図的 というか、かなりユーザーの側にも責任のあるということに多分なるのだと思います。 「薬のせいだから、私はいっさい責任がない」という言い逃れは、多分きかないだろう と。そういう警告を受けて、時々今までも眠くなったという実績があるということであ れば。しかし、全く事故を起こさない、眠くならないという人はたくさんいるわけです から、ここで言う使用方法の動きというのは、個体差がすべてであるものについての指 摘だろというふうに思います。量的なものにしても、人によっていろいろ違いが出てく るということでしょうから。「そういう可能性があるから注意しましょう」という意味 で、情報提供をするのだというふうに思うのです。ユーザーの立場に応じて説明の内容 に強弱をつけるべきで、対面販売は厳守すべきです。 埜中委員長  情報提供をすることには、もうやぶさかではございませんけれど、先生は法律家です から、誤使用というのはそんなふうになりますか。 井村委員  いや。車が誤使用です。車を使うほうが誤使用なので。 埜中委員長  車を使うほうが誤使用? 松本委員  ええ、そういう意味です。 埜中委員長  そういう意味ですね。 松本委員  あるシチュエーションにおいて、薬を飲むこと、逆にいえば薬を飲んでいるときにあ る行為をすること、どちらを主に考えるかだと思いますが。 埜中委員長  わかりました。では、車を運転するほうが誤使用であって、薬を飲むほうは誤使用で はないということでよろしいですね。 溝口委員  今のご議論について結論も出たようなのですけれども、ちょっと変な発言をした責任 上、もう一度申しますが、眠気もめまいも確かに副作用に入れるべきところなので、書 いて構わないと思うのです。しかし、リスクの程度は少ないということで、一応副作用 として先ほど委員長がおっしゃったように掲げて、あとはもう情報提供をしっかりする ということだと思います。今の誤使用に関しても車のほうという結論が出たようですの で、そういうことであれば問題はないというように思います。 埜中委員長  医療用医薬品の中には眠気というのはやっぱり1つの副作用として書いてあります し、それはそれとして取り上げるということで、今の松本委員のこともちょっと配慮し て、結論としては、そういう医療用医薬品に副作用として書いてあるものはちゃんと副 作用として取り扱う。今の一般用医薬品にも書いてあるものはそれとして、副作用とし て取り上げるけれども、それをリスク評価の大きなものとして評価するというよりも、 むしろ情報提供のほうをしっかりするというほうで処理するということでよろしいです か。  ほかに何かございませんか。 荻原委員  では、一言。情報提供をしっかりするというのは非常に重要だし、どういう形で情報 提供するかということについては、きちっと薬の知識を有する薬剤師、薬種商等が対面 販売で明記すべきだと思っております。それは別の次元ですので。ただ、この資料8の 情報提供について、「長期連用は避ける」という表現、非常にあいまいなんです。この 長期というのはどれだけのことか。我々が漢方薬を使う場合には、例えば1週間から10 日ぐらい1つの漢方を使ってみて、それではっきりとした効果が自覚できないときには 次の処方に移りましょう、というのが1つの常識なんですね。だから、セルフメディケ ーションをやる場合でですね。そういうこともあるので、その長期連用というのはどの くらいの期間のことを指すのかというのは、全然言わなくていいんですか。長期という のはどういうことなんですか。 埜中委員長  何か定義があるんですか。 望月委員  いや。それの参考の情報としてはその資料8の、例えばアスピリンを見ていただきま すと、ずっと右にたどっていただきまして、「相談すること」の「その他」の項目の中 に、5〜6回服用してもよくならない場合というのが、一応の目安なんです。ここで言 っている長期連用で起こってくるというのは、もっと長期かもしれないですけれども、 例えばアスピリンの場合は今は血小板凝集抑制薬として、もうずっと脳梗塞後とかで飲 み続けていらっしゃる方がいるわけで。長期に使っても構わないのですけれども、その ときはいろいろな検査を定期的に行うとかそういう制約が資料5のほうでは書いてござ います。  それで、一般用医薬品としてはそういう血小板凝集抑制の目的ではなく、あくまでも これは解熱鎮痛の目的なので、あまり解熱薬が効果がないのに長引くと、もともとの元 疾患が増悪する可能性があるということで、多分、5〜6回というふうにここは決めて いると思いますので、ちょっとこちらの上記と意味が先生、実は違うのですが、多分こ こを目安にしていただいたほうが、情報提供としてはよろしいのではないかというふう に思います。 埜中委員長  すみません、後ろのほうを読んでなくてとんちんかんな質問をしたかもしれません。 一般のユーザーが使う場合には、この2つの、「してはいけないこと」と「相談するこ と」というふうに書いてあるときにユーザーはどういうふうにチョイスをするものです か。だから結果としてはちょっとあいまいになってしまうのかなという気がします。 望月委員  実はそれは部会でいつも、内容のところでよくご指摘をいただいている部分で、薬に 頼ってしまって、もう常用してしまうと、頭痛がしていなくても頭痛がしそうだという 段階でどんどんと常用してしまうというような方もいらっしゃるようで、そこはもうユ ーザーの方が5〜6回服用しても症状がよくならない場合と仮に情報提供に書いていて も、受け止め方は個人差がかなりあるようには聞いています。そこをできるだけ個人差 なく正しく使ってもらうような情報提供のあり方はどうあるべきかというのが、多分今 回の議論の1つのテーマかなと思います。 埜中委員長  ほかに何かございませんか。 松本委員  先ほどのちょっと補足ですけれども、車が誤使用か、薬が誤使用かという話ですが、 考え方としては、それぞれの行為自体はそれほど危険はないのだけれど、2つの行為が 重なると危険が大きくなることが非常に多いのだろうと思います。眠気と車の運転とい うのは、重なると非常にリスクが高くなって。そういう意味で広い意味で誤使用という 言い方、2つの行為が組み合わさることによるリスクの非常な増大、ハイリスク化を一 種の誤使用というふうに私、言っているのですが。  ちょうど2つの薬を併せると極めて危険になる場合が併用禁忌で、これはもうリスク がめちゃくちゃ高いということですから、薬と薬ではない、薬とそれ以外の行為の組み 合わせというのも一種の大きなリスクですから、それを何と呼ぶかということで、ここ で言う誤使用とはちょっと違いますけれども、広い意味の誤使用として位置づけて、そ ういうのはやっぱり情報提供で、つまりユーザー側の努力で回避すべきハイリスクとい う意味で情報提供で管理するべきではないか。併用禁忌のほうはおそらく薬を投与する 側のほうで積極的に回避しないと、なかなか難しいのではないかと思いますが。 埜中委員長  はい。よくわかりました。ほかに何か、情報提供についてご意見ございませんか。 増山部会委員  「情報提供について」という、この今検証しているのは、「リスクを考えてこういう ことは情報提供しなければいけない」という視点で言っている情報提供についてという ? 埜中委員長  そうです。 増山部会委員  ここで言うのは違っているかもしれないのですが、私、ちょっと付け加えていただき たいと思っていることが1つあって。例えば情報提供の中に「リスクを軽減するための ものではなくて必要な情報提供」というのもあるのかなと思っていることがあって。例 えば一般用医薬品の場合は、救済を受けることができるということがあるのかと思いま すけれども、その副作用が起きて、それで重症になった場合なんかだと、機構に申請し て給付を受けることができるということをご存じない消費者の方がすごく多くて。それ を販売のときに情報提供していただくのか、それともパッケージに記載していただくの かわからないのですが、直接リスクとは関係ないのですが、できたらそういう情報提供 もお願いしたいというふうに考えているのですけれども。 埜中委員長  それについてはいかがですか。ちょっと私にはどうしたらいいかわからないので。事 務局、何かありますか。 事務局  今、増山委員からは一応ご意見という形だったと思いますので、そこはきちんと残し ておいて、方法がどういう方法がいいかというところは今後の検討になると思いますの で、その中でもう一度、部会になると思いますけれど、議論していきたいと思います。 埜中委員長  ほかに何か別途、情報提供についてございませんか。 安田部会委員  まことに単純なご質問ですけれども、「常用」と「連用」との言葉の使い方の違いと いうのは、どういうふうに判断すればよろしいでしょうか。 埜中委員長  常用と連用? 先生、常用という言葉はございますか。 井村委員  どこかにありますか。 安田部会委員  いや。この中にはなかったのですけれども、そういうことを私どもなんかが営業の中 でよく、常用する場合、連用する場合というようなことが書かれることがたまたまある ものですから。似たような言葉なので、悩むことがあるものですから、この機会に教え ていただこうと思いまして。 埜中委員長  だれかご存じですか。常用と連用の違い。 井村委員  ごく常識的な考え方で申しわけないのですけれども、常用というのは「いつもその薬 を、具合が悪くなったら使います」というのは常用だと思うんです。連用というのは 「続けてずっと使っています」というのが連用だと思います。明らかに違うのではない でしょうか。 安田部会委員  ああ、そうですか。 埜中委員長  それでいいですかね。ほかに何か定義をご存じの方はいらっしゃいますか。常用と連 用。しかし、常用も連用と同じようなニュアンスの感じもしますよね。 井村委員  いや。違いますね。 埜中委員長  やっぱり違いますか。 井村委員  違いますね。 望月委員  最終的には、資料8というのは情報提供のときにどういった情報を付加していくかと いうときの参考ということで、私は位置づけとしてはいいのではないかと思いますが、 ちょっとだけ気になったのが併用禁忌。適応禁忌はほぼ医療用の医薬品と同じ内容にな っているのですが、併用禁忌のところはちょっと医療用の医薬品とは違った類のものが 出てきていて、どう取り扱っていいのかが。これのリスクと評価するべきなのかどうか が、ちょっと何とも言いがたいものがあって。類似の成分が互いに入っているから、そ のために同じ成分同士が倍量とか何倍量かになってしまうから問題があるという併用禁 忌がほとんどなので、情報提供のところで整理をすればいいのかなとは思いますが、ち ょっとご意見を伺っていただければと思います。 埜中委員長  はい。何か先生、具体的なものがありますか。医療用では併用禁忌になっていて、そ れが一般用医薬品の情報提供の中に書いてないというのは? 望月委員  いや。医療用のほうで併用禁忌になっているもの自体がほとんどないんですね。今回 検討した材料の中にはビタミンAしか出てきていないのですが、一般用ですと併用禁忌 という項目として、例えばアスピリンですと、他の解熱鎮痛薬、かぜ薬、鎮静薬という 形で出てまいります。ほとんどが、ざっと見た限りでは同じ成分が配合されているもの を対象にして併用禁忌というふうに言っている(類似の成分が配合されている場合)の で、特にこれをリスクとして取り上げる必要はないかもしれないのですが、そう言って しまって、結論みたいなことを言ってはいけないのですが、先生方のご意見はいかがか ということで、お聞きしたかったんです。 埜中委員長  いかがでしょうか。厳密に言うと、その併用禁忌というのはちょっとおかしいんです よね。望月先生はこれをどういうふうにしたらいいかという、どういうふうに検討して ほしいということですか。 望月委員  情報提供のときにはここに「こういう変な禁忌もありますよ」ということを考慮して 情報提供のときのあり方を考えていただければいいかなと。医療用のほうではこのB欄 についてはCとかBとかになってしまっている場合にも、十分に配慮した情報提供も必 要になると思います。 埜中委員長  はい。わかりました。それは望月委員の言われるように、この一般用医薬品の併用禁 忌というのは、倍量になるということですね。それは、情報提供はしっかりするという ことで、よろしいですね。  ほかに何か情報提供について。ちょっと時間がなくなってきましたけれど、何かござ いますか。なければ、次回もございますので、また次回。  本日はいろいろとご討議いただいて決定していただいたことがあって、ありがとうご ざいました。一応評価につきましては、事務局から出させていただいた案と、それから PPをつくるということでご承認いただきました。それから情報提供についてもいろい ろご意見をいただきましたので、それをまとめて、もう1回委員会がございますので、 そこでご討議をしていただきたいというふうに思います。  事務局のほうから何かありますか。 事務局  事務連絡になりますけれども、とりあえず次回予定ですが、22日火曜日の午後2時か らを予定しております。場所はちょっと変わりまして、法曹会館という皇居に近い側に なりますが、また改めて先生方にはご案内させていただきます。その場では、これまで の議論をとりあえず整理していきたいと思います。以上でございます。 埜中委員長  それでは次回は2月22日火曜日ですね。2時からということでございますので。大体 そこでいろいろとこの我々の委員会の方針というか、一応最終案というものができれば 本意に思っております。きょうは皆さん、どうもありがとうございました。                                     (了)                         (照会先)                         厚生労働省医薬食品局審査管理課                            TEL:03-5253-1111(代表)                           担当:紀平、山脇(2743)