05/02/02 労働政策審議会安全衛生分科会第２０回議事録


　　　　　　　　　　　第２０回労働政策審議会安全衛生分科会

１　日時　　平成１７年２月２日（水）１５：００～１７：００

２　場所　　厚生労働省５階　共用第７会議室

３　出席者
　（委員）公益代表　　櫻井委員、今田委員、北山委員、内藤委員、平野委員、
　　　　　　　　　　　和田委員
　　　　　労働者代表　高橋委員、中桐委員、徳永委員、仲田委員、眞部委員、
　　　　　　　　　　　芳野委員
　　　　　使用者代表　加藤委員、金子委員、小島委員、讃井委員、中田委員、
　　　　　　　　　　　山﨑委員
　（事務局）　　　　　青木労働基準局長、小田安全衛生部長、中沖計画課長、
　　　　　　　　　　　寺岡安全課長、阿部労働衛生課長、古川化学物質対策課長、
　　　　　　　　　　　川島国際室長、高橋建設安全対策室長、中村環境改善室長、
　　　　　　　　　　　角元化学物質評価室長

４　議事録

○分科会長（櫻井）
　ただいまから第20回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日は、名古
屋委員、鈴木委員、伊藤委員は、所用のため欠席されております。労働政策審議会令第
９条に規定する定足数を満たしておりますので、当分科会は成立していることを申し上
げます。
　それでは議事に移ります。本日の議題は、前回に引き続き、「労働安全衛生法等の一
部を改正する法律案要綱（労働安全衛生法の一部改正関係）について」です。前回、資
料１については説明していただいておりますので、早速審議に入りたいと思います。御
意見、御質問がありましたらどうぞ御発言ください。

○中田委員
　もう最後ということで、質問ではなく、コメントということでお願いします。私ども
化学工業団体は、今回のＧＨＳ表示の部分には非常に関心を持っており、この国連勧告
を前向きに捉えて、行政と一緒になって和訳を作るお手伝いをしたり、解釈の問題と
か、いろいろやっております。これからも我々はやっていくつもりです。それが第１点
です。
　第２点としては、2001年11月の省庁連絡会の中で、この問題が各省庁に関係する、今
回は厚生労働省ですが、いろいろな省庁に関係する問題がＧＨＳに含まれているという
ことで現在も検討がなされております。したがって、その問題をこれからも十分に踏ま
えて、極端なことを言いますと、重複や矛盾などがないように現在議論がされておりま
すので、それを十分踏まえて、これからの議論に反映していただきたい。
　もう一点は、ＧＨＳがいろいろな形で入っていくよう、すでに我々も啓発活動を行っ
ておりますが、実際にやる段になりますと、コンピュータのシステムを全部変えないと
いけないとか、ラベルの表示そのものに対してのシステムの変更とか、いくつか具体的
な時間の問題あるいは対象の問題の案件が、私どもに届いております。そういう個別に
時間の問題として対応する、もちろんこれからの話ですが、こういう話が前向きに進め
られる前提としては、法律案になった時点で守れなかったということでは困るわけで、
できるだけ前もっていろいろなお話もお伺いして、我々も伝えると同時に、逆にどんな
に頑張ってもとても難しいという問題があった場合には、そういう問題をすくい上げて
いただくというのをこれからの中で是非入れていただきたい。その３点。これは質問で
はありませんので回答は結構です。

○分科会長
　コメントありがとうございました。ほかに何かありますでしょうか。

○中桐委員
　もうたぶん予備日というのは使わなくて済むのだろうということで最終的なコメント
をさせていただきたいと思いますが、たぶん答申は概ね妥当ということになるかと思う
のですが、法律案要綱全体を私どもで評価いたしますと、やはり現在の課題がこれで全
部クリアできるのかというのを問いますと、十分だというふうには言いきれない心配が
あります。これから労使の実質的な安全衛生対策活動に更に比重を移していくというこ
とになるわけですが、労使が何をその法律で求められているのか、要請されているの
か、してもしなくてもよいと受け止められないような強いメッセージといったものが必
要ではないかと感じているところです。また、これから国会の場で、国会議員による国
民の代表としての議論に移っていくわけですが、例えば過重労働、メンタルヘルスの対
策など、ここでも随分議論いたしましたが、国会のほうでは時短促進法の改正案なども
含めて、労働時間の管理、ストレス対策、そういったものとも関連させた議論ができる
のではないかなと思っております。また、ここで議論はできませんでしたが、安全衛生
の国民への啓発をどうするか、安全衛生文化の創造の問題ですが、こういったことにつ
いても、国会ではそういう議論も可能かなと期待をしているところです。
　更に今年、今後の予定を考えてみますと、６月にＩＬＯ総会がありますが、安全衛生
の関連条約の批准促進のための国際文書の採択というものが討議される予定です。日本
の場合、未批准の安全衛生の枠組み条約、155号条約や、安全衛生の改正案についても
注目されるだろうと思います。常任理事国としてのリーダーシップといったものもたぶ
ん取られていくのだろうと思います。更に続きまして、９月になりますと、また３年に
１度のＩＬＯの世界版の産業安全衛生大会がアメリカであります。日本と世界の比較と
いったものが事例発表を通じてできるでしょう。我々は、国際的な潮流も随分意識をし
て今回の改正案の議論をしてきましたが、その検証といったものもそれらの場所で再度
行うことが重要ではないかなとも思っております。以上のように、これで議論が終わっ
たというわけではないでしょう。これからも議論と実践が必要だということを肝に命じ
まして、政労使それぞれ協力をし合いながら、当面は第10次労働災害防止計画の目標達
成を果たせますように、我々としても努力をしていきたいと思っております。以上で
す。

○讃井委員
　前回の法律案要綱のご説明を組織に持ち帰って関係委員会等で検討させていただきま
した。その結果、日本経団連としては、法律案要綱について基本的に了承ということが
決まりましたので、それをお伝えしたいと思います。その上で、以前にもお願いしたこ
とで繰り返しになりますが、これからやはり関係省令とか、いろいろ具体的な内容を詰
める段階に入ってくる。それが今後の安全衛生の取組みの肉付けをするということにな
ろうかと思いますので、その際には、企業の実務からかけ離れたものにならないよう
に、そういった点十分に考慮して関係者の意見を聞きながらまとめる、そのような作業
を心掛けていただきたいと思いました。これは、最後のお願いですが、よろしくお願い
いたします。

○分科会長
　ほかに何か御発言ありますでしょうか。公益側で、もし何か御発言があればどうぞ。
よろしいでしょうか。それでは、今日分科会の意見といたしましては、「労働安全衛生
法等の一部を改正する法律案要綱（労働安全衛生法の一部改正関係）」については妥当
と認める旨の報告を、私から労働政策審議会会長あてに行うことにしたいと考えます
が、いかがでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（異議なし）

○分科会長
　ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。報告文については
私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（異議なし）

○分科会長
　ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。ここで労働基準局
長から挨拶がございます。

○局長
　本日のこの分科会におきまして、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案要綱
（労働安全衛生法の一部改正関係）」について妥当と認める旨の御報告をいただいたこ
とに感謝申し上げます。ありがとうございます。今回の労働安全衛生法の見直しに当た
りましては、本分科会で委員の皆様方からさまざまな御意見をいただきまして、そうい
ったものも十分踏まえまして、今後の労働基準行政の運営に当たってまいりたいと考え
ております。委員の皆様方には、これまでの御協力に改めて御礼申し上げたいと思いま
す。今後とも労働基準行政をはじめとする厚生労働行政に対する御指導、御支援、よろ
しくお願い申し上げます。なお、本日いただきましたこの御報告を受けまして、更に、
先ほども話がありましたが、労働条件分科会、あるいは労働条件分科会労災保険部会で
も審議をいただいております。そういった審議も踏まえまして、労働政策審議会本審と
して御答申をいただけることになりました場合には、この労働安全衛生法等の一部を改
正する法律案を取りまとめまして、早急に政府内部での調整を行いまして、開会中、本
国会に法案を提出したいと考えております。どうぞよろしくお願いします。ありがとう
ございました。

○分科会長
　それでは本日の会議は以上をもちまして終了いたします。議事録への署名は、徳永委
員、山﨑委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。皆様大変
お忙しい中、ありがとうございました。

照会先：労働基準局安全衛生部計画課（内線５４７６）