医師の教育・研修における米国のシステム


1. 卒前教育:
 ○ 臨床教育は実戦的な内容が多く、わが国で必修化された2年間の臨床研修内容の多くは卒前臨床実習として行われている。

2. USMLE(米国医師国家試験):
 ○ 3ステップに分かれており、
 Step I:  基礎医学
 Step II:  臨床医学:臨床知識(CK)および指導監督下に患者を診療する臨床技術(CS)を試験する
 Step III:  実地臨床医学:指導監督なしに患者を診療できる能力を試験する。
 ○ 医科大学の教育課程とUSMLEは基本的には互いに独立している。
 ○ 通常、学生はStep IおよびStep IIを医科大学在籍中に受ける。結果を医学部の成績や卒業要件に反映させるか否かは医科大学の裁量に任されている。
 ○ Step IIIは卒後研修開始後に受験するのが普通である。
 ○ 全てのステップに合格すると医師免許取得の資格を得ることができる。

3. 卒業認定:
 ○ 卒業認定についてはかなりの部分が医科大学の裁量に任されている。
 ○ 最近の傾向として、標準化された臨床能力試験(SP/OSCE)を総括的評価に利用する医科大学は94校(94/216)が増えており、これらに合格することを卒業要件としている医科大学は59校(59/216)であった。

4. 卒後臨床研修:
 ○ 卒業直後の臨床研修は専門科(specialty)レベルの研修である。専門科の臨床研修修了をもって専門科資格試験の受験資格を獲得し、試験に合格すると専門医資格を得る。専門科資格獲得後にさらに細分化された専門分科(subspecialty)研修を受ける者もいる。
 ○ 専門科研修と専門分科研修を一貫して行う複合プログラムもある。



医師の教育・研修における日米比較

医師の教育・研修における日米比較の図

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