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社会保障審議会−福祉部会
第14回(H17.2.9) 資料2


生活保護制度関係資料


I  生活保護制度の在り方に関する専門委員会 報告書 説明資料

 生活保護の動向について

 生活保護基準の在り方について

 自立支援プログラムについて


II  平成17年度生活保護関係予算案



I  生活保護制度の在り方に関する専門委員会 報告書 説明資料

1. 生活保護の動向について

 生活保護の被保護者は平成16年10月現在で142万8千人。保護率は人口千人あたり11.2人(11.2‰)
 被保護者数は昭和60年以降減少傾向にあったが、高齢化の進展や景気後退の影響等を受けて、平成7年以降増加傾向

被保護世帯数、被保護人員、保護率の年次推移のグラフ

  資料: 福祉行政報告例


世帯類型別被保護世帯数の推移

平成15年度の総世帯数は94万世帯であり、
 構成割合でみると、約半数(46.4%)が高齢者世帯である。
 過去8年間の伸びをみると、高齢化の影響を受け高齢者世帯が増加し、また、不況の影響から、母子・その他(50歳代単身者等)世帯も増加している。

  平成7年度 構成割合(%) 平成15年度 構成割合(%) 増加率
総数 600,980 100.0 939,733 100.0 156.4%
高齢者世帯 254,292 42.3 435,804 46.4 171.4%
母子世帯 52,373 8.7 82,216 8.7 157.0%
傷病者・障害者世帯 252,688 42.0 336,772 35.8 133.3%
その他世帯 41,627 6.9 84,941 9.0 204.1%
  資料: 福祉行政報告例


雇用関係指標及び被保護人員対前年同月比の推移

  完全失業者数 完全失業率 有効求人倍率 被保護人員対
前年同月比(指数)
  千人  
平成15年平均 3,500 5.3 0.64 108.2
平成16年 1月 3,230 5.0 0.77 107.7
平成16年 2月 3,300 5.0 0.77 107.6
平成16年 3月 3,330 4.7 0.77 107.6
平成16年 4月 3,350 4.7 0.77 107.3
平成16年 5月 3,190 4.6 0.80 106.8
平成16年 6月 3,090 4.6 0.82 106.6
平成16年 7月 3,180 4.9 0.83 106.2
平成16年 8月 3,140 4.8 0.83 106.2
平成16年 9月 3,090 4.6 0.84 105.9
平成16年10月 3,110 4.7 0.88 105.6
資料: 労働力調査(総務省)、職業安定業務統計、福祉行政報告例(速報値)
完全失業率及び有効求人倍率の月別推移は季節調整値である。



2. 生活保護基準の在り方について

  1類費の設定方法について

 ○  現行の第1類費基準額の年齢差は、主に各年齢ごとの栄養所要量を参考とし、エネルギー摂取に必要な飲食物や衣類等の個々の費目を積み

 ○  現在の1類費は、前年度の年齢別基準額に改定率を乗じて改定しているため、現在においてもその当時の年齢格差が維持されている。

栄養所要量と生活扶助基準1類費との指数比較
(現行基準:20〜40歳=100 栄養所要量:30〜49歳=100)

栄養所要量と生活扶助基準1類費との指数比較(現行基準:20〜40歳=100 栄養所要量:30〜49歳=100)のグラフ


多人数世帯の消費実態について

 ○  4人以上世帯の生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態を比較すると、生活扶助基準の方が割高となっている。

 ○  これは、生活扶助基準が第1類費(個人的経費・人数分を単純に加算して算定)と第2類費(世帯共通的経費・スケールメリットを反映して設定)の合算で算定されるため、人数が増すにつれ第1類費の比重が高くなり、スケールメリットの効果が薄れる結果、多人数になるほど基準額がより高くなることが原因である。


 (参考1)
  家計調査特別集計及び全国消費実態調査特別集計による世帯人員別消費支出額(勤労世帯)

(1) 勤労世帯(全国、平均) (月平均・単位:円)
  3人世帯 指数 4人世帯 指数 5人世帯 指数
生活扶助相当支出額 230,071円 100.0 251,616円 109.4 267,857円 116.4
  1類費相当支出額 141,817円 100.0 160,045円 112.9 171,084円 120.6
2類費相当支出額 88,254円 100.0 91,572円 103.8 96,773円 109.7
注) 指数は3人世帯を100とした場合のもの。以下同じ。

(2) 勤労世帯(全国、第I−5分位) (月平均・単位:円)
  3人世帯 指数 4人世帯 指数 5人世帯 指数
生活扶助相当支出額 157,709円 100.0 167,764円 106.4 175,716円 111.4
  1類費相当支出額 95,305円 100.0 104,641円 109.8 110,645円 116.1
2類費相当支出額 62,404円 100.0 63,122円 101.2 65,070円 104.3
資料) 2人世帯〜5人世帯:家計調査特別集計(平成8年〜12年平均)
単身世帯:全国消費実態調査特別集計(平成11年)


 (参考2)
  現行の生活扶助基準における世帯人員別換算率(マルチプル)

 
  3人世帯 4人世帯 5人世帯
第1類費 100.0 133.3 164.7
第2類費 100.0 108.8 109.6

注) 第1類費については、年齢別に基準額を設定しており、人員別マルチプルを用いてはいないが、ここでは比較のために、被保護者全国一斉調査(個別)結果による世帯人員ウエイトから試算を行ったものである。


母子加算について

 母子加算の概要

趣旨 一方の配偶者が欠ける状況にある者等が児童を養育しなければならないことに伴う特別な需要に対応するもの。(昭和24年創設)
対象者 父母の一方若しくは両方が欠けているか又はこれに準ずる状態(※)にあるため、父母の他方又は父母以外の者が児童(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者)を養育しなければならない場合に養育に当たる者
 ※  これに準ずる状態: 父母の一方又は両方が常時介護又は監護を要する身体障害者又は精神障害者である場合等
基準額


16年度・月額
児童1人の場合


(1) 在宅者  1級地:23,260円 2級地:21,640円
 3級地:20,020円
(2) 入院・入所者 19,380円(各級地共通)
適用件数 88,224件(平成15年7月1日現在:被保護者全国一斉調査)


母子世帯における消費実態と生活扶助基準との比較について

 
(1) 母子世帯(全国、平均)   (月平均・単位:円)
  全世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
年間収入額÷12 314,115円 382,690円
消費支出額 218,596円 237,460円
生活扶助相当支出額 130,310円 144,772円
  1類費相当支出額 77,439円 87,373円
  食料費 49,871円 58,087円
エンゲル係数 22.8% 24.5%
2類費相当支出額 52,871円 57,399円
勤労世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
308,579円 350,220円
204,876円 221,177円
121,061円 138,841円
73,001円 85,208円
46,819円 57,839円
22.9% 26.2%
48,060円 53,633円


(2) 母子世帯(全国、第I−5分位)   (月平均・単位:円)    
  全世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
年間収入額÷12 105,685円 98,306円
消費支出額 123,581円 153,647円
生活扶助相当支出額 85,999円 103,839円
  1類費相当支出額 51,318円 61,295円
  食料費 37,071円 45,042円
エンゲル係数 30.0% 29.3%
2類費相当支出額 34,681円 42,544円
勤労世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
108,692円 106,087円
117,143円 151,456円
78,626円 104,049円
46,754円 62,726円
33,591円 46,984円
28.7% 31.0%
31,872円 41,323円
  生活扶助基準額
母子・子供1人 母子・子供2人
生活扶助 138,084円 179,274円
  1類費 69,621円 103,780円
加算 21,998円 23,747円
(小計) 91,619円 127,527円
2類費 46,465円 51,747円
再掲:除加算 116,086円 155,527円
 
 


(3) 母子世帯(全国、第I−10分位)        
  全世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
年間収入額÷12 76,667円 67,500円
消費支出額 111,499円 165,236円
生活扶助相当支出額 78,733円 110,720円
  1類費相当支出額 48,494円 65,271円
  食料費 36,709円 49,577円
エンゲル係数 32.9% 30.0%
2類費相当支出額 30,239円 45,449円
勤労世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
85,000円 77,500円
110,397円 166,945円
76,009円 115,139円
47,129円 70,335円
35,073円 51,326円
31.8% 30.7%
28,880円 44,804円
  生活扶助基準額
母子・子供1人 母子・子供2人
生活扶助 138,084円 179,274円
  1類費 69,621円 103,780円
加算 21,998円 23,747円
(小計) 91,619円 127,527円
2類費 46,465円 51,747円
再掲:除加算 116,086円 155,527円
 
 
資料: 総務省(総務庁)「平成11年全国消費実態調査」


(4) 母子世帯(全国、第II−5分位)   (月平均・単位:円)    
  全世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
年間収入額÷12 182,625円 180,618円
消費支出額 178,529円 165,849円
生活扶助相当支出額 112,621円 108,492円
  1類費相当支出額 66,611円 68,190円
  食料費 42,579円 49,389円
エンゲル係数 23.8% 29.8%
2類費相当支出額 46,010円 40,302円
勤労世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
181,284円 181,006円
157,459円 151,266円
98,120円 102,250円
58,050円 63,757円
38,598円 46,094円
24.5% 30.5%
40,070円 38,493円
  生活扶助基準額
母子・子供1人 母子・子供2人
生活扶助 138,084円 179,274円
  1類費 69,621円 103,780円
加算 21,998円 23,747円
(小計) 91,619円 127,527円
2類費 46,465円 51,747円
再掲:除加算 116,086円 155,527円
 
 


(5) 母子世帯(全国、第III−5分位)   (月平均・単位:円)    
  全世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
年間収入額÷12 267,514円 260,190円
消費支出額 215,224円 200,532円
生活扶助相当支出額 130,299円 131,302円
  1類費相当支出額 74,671円 79,596円
  食料費 47,586円 55,997円
エンゲル係数 22.1% 27.9%
2類費相当支出額 55,628円 51,706円
勤労世帯
母子・子供1人 母子・子供2人
241,196円 245,121円
192,784円 198,357円
118,136円 128,859円
72,979円 79,205円
47,408円 55,442円
24.6% 28.0%
45,157円 49,654円
  生活扶助基準額
母子・子供1人 母子・子供2人
生活扶助 138,084円 179,274円
  1類費 69,621円 103,780円
加算 21,998円 23,747円
(小計) 91,619円 127,527円
2類費 46,465円 51,747円
再掲:除加算 116,086円 155,527円
 
 
資料: 全国消費実態調査特別集計(平成11年)

(参考)

  年間収入5分位階級の平均収入額について
(単位:円)   (単位:円)
  年間収入5分位階級
第1 第2 第3 第4 第5
夫婦2人世帯
(全世帯)
2,803,746 4,435,570 5,736,527 7,676,809 12,970,186
母子2人世帯
(全世帯・子ども1人)
1,268,998 2,189,092 3,205,964 5,065,477 9,113,701
  年間収入5分位階級
第1 第2 第3 第4 第5
夫婦2人世帯
(勤労世帯・有業1人)
2,913,076 4,449,991 5,750,619 7,662,307 11,771,730
母子2人世帯
(勤労世帯・子ども1人)
1,304,304 2,175,779 2,895,912 4,507,179 8,762,476
資料:全国消費実態調査特別集計(平成11年) 資料:全国消費実態調査特別集計(平成11年)


母子世帯と夫婦子ども世帯との消費支出(生活扶助相当)の内容比較

 [勤労世帯]
  (月平均・単位:円)    
  夫婦・子供1人 母子・子供1人   夫婦・子供2人 母子・子供2人
全体平均 第I−5分位 全体平均 第III−5分位 全体平均 第I−5分位 全体平均 第III−5分位
集計世帯数 3,191 644 201 32 4,519 907 229 57
年間収入額 6,273,008 3,196,671 3,702,943 2,895,778 6,913,818 3,767,357 4,202,644 2,940,516
(1か月平均額) 522,751 266,389 308,579 241,315 576,152 313,946 350,220 245,043
消費支出額 281,189 208,623 204,876 192,772 302,210 219,073 221,177 198,356
生活扶助相当額 188,608 137,142 121,061 118,136 204,467 147,636 138,841 128,858
  1類相当 115,735 81,024 73,001 72,979 131,143 91,760 85,208 79,205
  食料 63,402 48,292 46,819 47,408 73,036 56,330 57,839 55,442
  魚介類 6,089 4,075 4,070 3,645 6,801 4,667 5,348 5,228
肉類 5,780 4,864 4,582 4,986 7,524 5,894 6,307 6,741
野菜・海藻 7,751 5,510 5,126 4,625 8,610 6,133 6,303 6,300
果物 2,496 1,284 2,018 2,183 2,653 1,522 2,316 2,553
菓子類 5,516 4,287 4,496 4,230 7,205 5,954 5,985 5,890
調理食品 5,865 5,116 5,122 4,600 6,735 5,873 6,281 6,605
外食 11,762 7,701 8,515 10,027 11,807 7,786 8,692 6,287
被服及び履き物 12,414 8,346 9,494 11,363 12,820 8,983 9,435 9,077
  洋服 5,031 3,893 3,670 5,246 4,788 3,774 3,579 3,243
シャツ・セーター類 1,989 1,251 1,999 2,275 2,286 1,352 1,642 1,586
交通・通信 2,406 1,290 2,468 958 2,037 898 1,473 997
教養娯楽 5,359 2,257 3,468 2,821 9,570 4,399 6,776 5,607
  教養娯楽サービス 5,359 2,257 3,468 2,821 9,570 4,399 6,776 5,607
その他の消費支出 32,153 20,839 10,751 10,430 33,680 21,151 9,684 8,082
  諸雑費 6,327 5,356 6,655 5,817 6,694 5,149 5,706 4,827
こづかい 25,826 15,483 4,097 4,614 26,986 16,002 3,978 3,256
2類相当 72,873 56,118 48,059 45,157 73,324 55,876 53,633 49,654
  住居 237 280 84 87 230 158 88 149
光熱・水道 17,231 15,298 13,062 12,859 19,297 16,545 16,021 15,435
家具・家事用品 8,511 6,589 4,769 5,410 8,055 6,233 5,942 5,517
  家事雑貨 2,601 2,032 1,415 795 2,329 1,810 1,686 1,860
家事サービス 655 495 574 1,479 795 706 563 547
保健医療 4,697 4,225 2,188 2,362 4,373 4,105 2,600 2,621
  健康医療用品・器具 2,871 3,218 943 1,042 2,328 2,568 1,459 1,583
交通・通信 11,214 10,022 9,817 10,134 10,371 9,167 9,372 9,823
教養娯楽 15,437 10,998 9,997 6,903 16,972 11,586 12,112 11,052
  教養娯楽用品 5,668 3,887 4,118 2,884 6,489 4,417 5,018 5,443
書籍・他の印刷物 4,857 3,654 3,256 2,880 4,990 3,604 3,602 3,421
教養娯楽サービス 3,727 2,862 2,173 1,139 4,268 2,780 2,414 1,367
その他の消費支出 15,546 8,708 8,144 7,402 14,027 8,082 7,497 5,059
  交際費 13,030 7,046 6,839 6,077 11,832 6,859 5,978 4,076




  生活扶助基準額
母子・子供1人 母子・子供2人
生活扶助 138,084円 179,274円
  1類費 69,621円 103,780円
加算 21,998円 23,747円
(小計) 91,619円 127,527円
2類費 46,465円 51,747円
再掲:除加算 116,086円 155,527円



 母子子供1・2人世帯(第III−5分位)と夫婦子供1・2人世帯(第I−5分位)を比較すると、生活扶助相当支出額では1〜2万円程度の差がある。

 格差が多い費目は、1類費相当の「こづかい」と2類費相当の全体である。

 「食料」費についてみると、世帯人員の差があるにも関わらずほぼ同額(母子世帯の方が1〜2千円低い)であり、外食は母子世帯の方が多いという傾向も見られる。

 「被服及び履き物」費については、世帯人員が少ないにも関わらず母子世帯の方が消費支出額が多い。

 母子世帯における生活扶助相当支出額と生活扶助基準額を比較すると、生活扶助基準額の方が高い。
資料:全国消費実態調査特別集計(平成11年)  


ひとり親勤労者世帯の消費支出額と勤労者以外の世帯の消費支出額との比較

 
 ひとり親世帯の「勤労者世帯」と「勤労者以外の世帯」の家計を比較すると、「勤労者世帯」の方が全体の消費支出額が少ないにもかかわらず、外食・婦人用洋服・授業料等・補習教育・他の諸雑費(保育所費用等)・交際費といった特定の費目においては、支出が多くなっている。

(男親又は女親と子供の世帯(長子が中学生以下))
  勤労者
世帯
構成
割合
(%)
(A)
勤労者
以外の
世帯
(※)
構成
割合
(%)
(B)
差額
(勤労者
世帯−
勤労者
以外の
世帯)
特化
係数
(※※)
(A/B)
集計世帯数 294   68      
平均世帯人員(人) 2.69   2.69      
年間収入(千円) 2,841   2,675      
持ち家率(%) 21.7   17.8      
消費支出額 187,648   227,026   ▲39,378  
  食料 53,480 28.5 58,922 26.0 ▲5,442 1.10
  調理食品 5,916 3.2 5,737 2.5 179 1.25
外食 11,937 6.4 11,030 4.9 907 1.31
住居 27,446 14.6 45,046 19.8 ▲17,600 0.74
光熱・水道 13,505 7.2 14,325 6.3 ▲820 1.14
家具・家事用品 5,259 2.8 8,682 3.8 ▲3,423 0.73
  家事サービス 523 0.3 362 0.2 161 1.75
被服及び履物 11,499 6.1 12,214 5.4 ▲715 1.14
  洋服 5,328 2.8 4,800 2.1 528 1.34
婦人用洋服 2,896 1.5 2,203 1.0 693 1.59
  婦人服 902 0.5 313 0.1 589 3.49
保健医療 5,714 3.0 14,475 6.4 ▲8,761 0.48
  他の保健医療用品・器具 1,065 0.6 184 0.1 881 7.00
交通・通信 24,709 13.2 27,940 12.3 ▲3,231 1.07
  交通 2,976 1.6 1,921 0.8 1,055 1.87
  鉄道運賃 1,269 0.7 768 0.3 501 2.00
自動車等維持費 8,859 4.7 9,949 4.4 ▲1,090 1.08
  ガソリン 3,459 1.8 1,902 0.8 1,557 2.20
 
  勤労者
世帯
構成
割合
(%)
(A)
勤労者
以外の
世帯
(※)
構成
割合
(%)
(B)
差額
(勤労者
世帯−
勤労者
以外の
世帯)
特化
係数
(※※)
(A/B)
  教育 9,517 5.1 6,765 3.0 2,752 1.70
  授業料等 5,158 2.7 5,005 2.2 153 1.25
  国公立小学校 1,477 0.8 967 0.4 510 1.85
国公立中学校 1,683 0.9 1,042 0.5 641 1.95
国公立幼稚園 945 0.5 116 0.1 829 9.86
補習教育 4,084 2.2 1,607 0.7 2,477 3.07
  幼児・小学校補習教育 1,406 0.7 1,000 0.4 406 1.70
中学校補習教育 2,678 1.4 602 0.3 2,076 5.38
教養娯楽 16,998 9.1 19,191 8.5 ▲2,193 1.07
  教養娯楽サービス 7,921 4.2 7,337 3.2 584 1.31
  月謝類 3,797 2.0 3,282 1.4 515 1.40
  音楽月謝 1,546 0.8 700 0.3 846 2.67
その他の消費支出 19,521 10.4 19,469 8.6 52 1.21
  理美容用品 2,950 1.6 2,435 1.1 515 1.47
  化粧品 2,078 1.1 1,677 0.7 401 1.50
他の諸雑費 3,604 1.9 2,257 1.0 1,347 1.93
  損害保険料 1,518 0.8 964 0.4 554 1.91
保育所費用 677 0.4 171 0.1 506 4.79
こづかい(使途不明) 1,905 1.0 710 0.3 1,195 3.25
交際費 5,153 2.7 3,941 1.7 1,212 1.58
  他の交際費 2,332 1.2 1,325 0.6 1,007 2.13
  つきあい費 574 0.3 11 0.0 563 63.13
他の負担費 925 0.5 253 0.1 672 4.42
資料: 全国消費実態調査(総務省)(平成11年)

勤労者以外の世帯には、無職世帯の他に、世帯主が会社等の役員である世帯等を含む。
※※ 特化係数=各支出項目の、勤労者世帯構成割合(A)/勤労者以外の世帯構成割合(B)


関係者コメント
 西岡補佐: 消費支出額の金額を合わせる方法は、あまりなじみがない(評価できない)。左側の構成割合から評価すべき。
 潮谷専門官: 勤労者以外の世帯については、会社員等の役員を含むのであれば、消費支出額がその世帯に引っ張られる可能性がある(実際の無職世帯は、より低くなっている可能性がある)。
 三菱総研: 構成割合からみた特化係数で評価すべき。



3.自立支援プログラムについて

 現状と見直しの方向性

現状 問題点 見直しの方向性

被保護者
被保護世帯が抱える問題は多様
精神疾患等の傷病(社会的入院を含む)、DV、虐待、
若年無業者(NEET)、多重債務、元ホームレス等
社会的きずなが希薄
相談に乗ってくれる人がいない 38.3%(平成15年)
高齢者世帯(特に単身世帯)の増加
平成9年度の世帯数を100とした割合(平成16年7月)
高齢者世帯166.5 高齢者単身世帯164.7

保護受給期間が長期にわたる者が少なくない
高齢者世帯・傷病障害者世帯を除く世帯の保護受給
期間別の世帯割合(平成15年度)
〜1年 1〜3年 3〜10年 10〜15年 15年〜
24.4% 30.8% 34.1% 5.5% 5.2%

高齢者世帯・傷病障害者世帯を除く世帯の受給期間別
保護廃止世帯率(平成12年→14年)
12年時の受給期間 2年未満 2〜4年 4〜6年 6〜8年
2年間の廃止率 22.8% 20.3% 18.7% 15.5%

地方自治体の運用
実施体制上の問題
担当職員の配置数・その経験の不足
生活保護担当職員の配置状況(平成15年度)
  全国 11,408人(1,089人不足)
(参考)生活保護担当職員の不足数の年次推移
H12 H13 H14 H15
354人 576人 858人 1,089人

指導監督担当職員のうち、担当職員経験がない者
  全国平均 26.1%(平成15年度)
問題点の図 見直しの方向性の図


 自立支援プログラムの概要

 
 実施機関は、自主性・独自性を生かして被保護者の実状に応じた多様な支援メニューを整備
 
(例1)  稼働能力を有する者→就労阻害要因を段階的に克服し、就労を実現するためのメニュー
 
 ・ 「ひきこもり」、無気力等の場合のグループカウンセリングを通じた日常生活自立支援
 ・ 福祉等における社会参加活動を通じた社会生活自立支援
 ・ 職業訓練や履歴書の書き方、面接の受け方等の具体的就職支援活動を通じた就労自立支援
 
(例2)  社会的入院患者(精神障害者)→居宅生活への復帰やその維持・向上のためのメニュー
 
 ・ 居宅生活等への移行の支援及び居宅生活の支援を通じた日常生活自立支援
 ・ 福祉等における社会参加活動を通じた社会生活自立支援
 ・ 福祉的就労や職業訓練等を通じた就労自立支援
 
(例3)  高齢者→健康的な自立生活を支えるためのメニュー
 
 ・ 筋力向上トレーニング、転倒骨折予防等の介護予防を通じた日常生活自立支援
 ・ 福祉等における社会参加活動を通じた社会生活自立支援
 
 被保護者に対して実状に応じたプログラムへの参加を指導するとともに、プログラムに沿った早期かつシステム的な支援を実施
 
 被保護者がプログラムへの参加を拒否する場合などには、最終的に保護の停廃止等も考慮


 自立支援プログラムに基づいた自立・就労支援の流れ

自立支援プログラムに基づいた自立・就労支援の流れの図


 自立支援推進体制のイメージ

自立支援推進体制のイメージの図


 被保護者の類型別プログラムの例

有子世帯(ひとり親世帯の親等)の自立支援プログラム

要保護者の職歴、資格、就労阻害要因等を踏まえ、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

  −原則として就労を求めるが、適職がない場合等には、職業訓練等による職業能力開発(技能修得等)、試行雇用や福祉的就労等を求める。職業能力開発(技能修得等)等も不可能な場合には、健康管理・意欲向上支援等を実施する。

有子世帯(ひとり親世帯の親等)の自立支援プログラムの図


就労経験の少ない若年者等の自立支援プログラム

就労経験の少ない若年者等の健康状態、就労意欲、能力、学歴等を踏まえ、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

就労経験の少ない若年者等の自立支援プログラムの図


社会的入院患者等(精神障害者等)の自立支援プログラム

社会的入院患者等(精神障害者等)の居宅生活への復帰やその維持・向上等を支援するため、要保護者の病状、退院阻害要因等を踏まえ、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

社会的入院患者等(精神障害者等)の自立支援プログラムの図


高齢者の自立支援プログラム

要保護者の健康状況等を踏まえ、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

高齢者の自立支援プログラムの図


多重債務者の自立支援プログラム

要保護者が多重債務を抱えていることを早期に把握し、その多重債務の原因等を踏まえ、他のプログラムに優先して、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

多重債務者の自立支援プログラムの図


ホームレスの自立支援プログラム

ホームレスの健康状態、就労意欲、職歴等を踏まえ、次のようなプログラムに基づく取組を求める。

ホームレスの自立支援プログラムの図



 平成17年度生活保護関係予算案の概要

生活保護関係予算
 平成17年度予算(案)
1兆9,366億円(+1,877億円)
 (平成16年度予算額 1兆7,489億円)

 1  生活保護費
1兆9,230億円(+1,741億円)

  (1) 生活保護費負担金
1兆9,207億円(+1,823億円)
 保護費負担金(被保護者の扶助費)
1兆8,933億円(+1,826億円)

 
 ・ 母子加算の見直し
 ・ 高校修学費用の給付
 ・ 多人数世帯の基準額適正化等
 ・ 老齢加算の段階的廃止(2年目)

 施設事務費負担金(保護施設の運営関係)
274億円(▲3億円)

  (2) 生活保護指導監査委託費(都道府県・指定都市本庁の
監査指導職員の配置)
22億円(0億円)

  (3) 生活保護費補助金
0億円(▲82億円)
  (セーフティネット支援対策等事業費補助金に統合)


 2  セーフティネット支援対策等事業費補助金(新規)
136億円(+136億円))

   地方自治体が生活保護受給世帯のほか、地域社会の支えを必要とする要援護世帯に対する自立・就労に向けた様々な支援サービスを一体的に実施し、地域社会のセーフティネット機能を強化することを目的とし、新たな補助金を創設。

 ※  本補助金は、既存の生活保護費補助金、地域福祉関係事業費、ホームレス対策事業費等を統合・再編

(事業内容)

自立支援プログラム策定実施推進事業
 実施体制整備事業、自立支援サービス整備事業

生活保護適正化事業
 認定事務適正化事業、医療扶助適正化事業 等

地域社会安心確保事業
 地域福祉権利擁護事業、生活福祉資金貸付事業 等

ホームレス対策事業
 ホームレス自立支援事業、ホームレス総合相談推進事業 等


平成17年度生活保護基準の見直しについて

1 母子加算の見直し
[参考1]
 ○  平成17年度については、子どもの年齢要件の見直しを図る。
(18歳以下→15歳以下へ引き下げ)

 これにより、16〜18歳の子どものみを養育するひとり親世帯については、母子加算の支給対象外となるが、生活水準が急激に低下することのないよう配慮し、3年かけて段階的に廃止。



1級地基準額
  23,260円(16年)→ 15,510円(17年(案))



 ○  なお、15歳以下の子どもを養育するひとり親世帯については、平成18年度以降、自立支援プログラムの定着度合等を見据えつつ、支給要件、支給金額等の見直しを検討。

2 高校就学費用の給付
[参考2]
 ○  生活保護を受給する有子世帯の自立を支援する観点から、新たに高等学校への就学費用を給付。
 ○  学用品費、交通費、授業料等を給付。なお、給付水準については、公立高校における所要額を目安に設定。




公立高校  平均13,000円程度


私立高校  平均19,000円程度

3 多人数世帯の基準適正化
 ○  生活扶助基準が多人数になるほど割高となっていることを是正。
 第1類費 4人以上世帯に逓減率を導入 (3年計画)

4人世帯:0.95 5人以上世帯:0.9
 第2類費 4人以上世帯の基準額を抑制

4人世帯:60,230円 → 57,410円(△2,820円)

4 若年層の1類費年齢区分の見直し
 ○  20歳未満の若年者について8区分に細分化されている1類基準について、乳幼児、幼児、小学生、中学生以上の4区分に簡素化。

表

5 老齢加算の段階的廃止(2年目)
[参考3]
 ○  平成16年度からの3年間で段階的に廃止。



1級地基準額
  9,670円(16年度)→3,760円(17年度(案))





母子加算の見直しについて
[参考1]

母子加算の見直しについてのグラフ
注1) 1類基準額、2類基準額及び老齢加算は1級地−1の額である。
2) 2類費には冬季加算(VI区×5/12:2人世帯 1,670円・3人世帯 1,990円)が含まれている。



高校就学費用の給付内容(案)
[参考2]

費目 主な内容 基準額(案)
学用品費等 学用品費、通学用品費等 月額5,300円
学級費 学級費、生徒会費等 月額1,560円
通学費 通学のための交通費 実費支給
授業料 授業料 公立高校授業料相当額
入学料 入学金 公立高校入学料相当額
入学準備金 学生服、カバン、靴等 61,400円以内
受験料 入学考査料 公立高校受験料相当額
教材費 教科書、副読本的図書等 実費支給



老齢加算の段階的廃止について
[参考3]

 <年齢別基準額と老齢加算の関係>

年齢別基準額と老齢加算の関係のグラフ
注1) 1類基準額、2類基準額及び老齢加算は1級地−1の額。
2) 2類費には冬季加算(VI区×5/12:1,290円)を含む。
新規に70歳になる者について
60歳代の水準を維持



ハローワークとの連携等による生活保護受給者の就労支援事業の実施
趣旨
   生活保護受給者の自立支援プログラムの一環として、福祉事務所とハローワークの連携や、無料の職業訓練の拡充により、就労を支援する。

事業内容
(ア) 就労支援コーディネーターによる基本的な就労支援(新設)
 ハローワークに生活保護受給者のための就労支援コーディネーターを新設(全国で100名配置)し、福祉事務所担当者と共同で、面接などを通じ対象者の状況把握と生活保護受給者に適用する就労支援メニューの選定、誘導等を実施
 就労支援メニューの内容
 ・  ハローワークにおける就職支援ナビゲーター等による支援
 ・  ハローワークにおける公共職業訓練の受講のあっせん
 ・  ハローワークにおける民間での教育訓練の受講勧奨(訓練費用は生業扶助を活用)
 ・  トライアル雇用等一般雇用施策の活用
(イ) 就労支援メニューの提供
 (1) 就職支援ナビゲーター等による就職支援
 ハローワークにおいて、きめ細やかな就職支援を担当者制により一貫して実施する生活保護受給者のための就職支援ナビゲーターを配置する(全国で52名拡充)等により、支援を実施
 (2) 生活保護受給者向けの公共職業訓練の実施(新規)
 生活保護受給者向けに、就職の準備段階としての基礎的知識・マナー等に関するプレ訓練と実際の就職に必要な具体的技能・知識を習得させるための職業訓練をセットにした「プレ訓練付き職業訓練」を、都道府県に委託して新規に実施する(訓練費用は無料)ことにより職業訓練受講機会を拡大するとともに(全国で1,500人分) 、ハローワークにおいてその受講をあっせん


ハローワークとの連携等による生活保護受給者の就労支援イメージ

ハローワークとの連携等による生活保護受給者の就労支援イメージの図


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