第2回職業がん対策専門検討会議事要旨


日時 平成17年2月4日(金)13:00〜15:00
場所 中央合同庁舎第5号館5階 専用第12会議室
参集者 櫻井座長、清水教授、津田教授、松島名誉教授、森永部長
 (欠席)福島教授
厚生労働省 古川化学物質対策課長、角元化学物質評価室長、大淵有害性調査機関査察官、若林主査

概要
(1)前回の議事要旨(案)の確認
概ね了承された。

(2)アクリル酸=2−ヒドロキシエチルに関する検討結果報告
 事務局より、アクリル酸=2−ヒドロキシエチルのがん原性試験結果等に関する検討結果報告案について説明が行われた。
 報告案は概ね了承されたが、アリルクロリド及びo-フェニレンジアミンを含め別添のがん原性試験結果のまとめについて修正が必要であるとの意見が出され、事務局で報告案を修正した上で再度、参集者に送付することとなった。

(3)アリルクロリドに関する検討結果報告
 事務局より、アリルクロリドのがん原性試験結果等に関する検討結果報告案について説明が行われた。
 報告案は神経毒性についての記載を含めて概ね了承された。

(4)o-フェニレンジアミンに関する検討結果報告
 事務局より、o-フェニレンジアミンのがん原性試験結果等に関する検討結果報告案について説明が行われた。
 報告案は行政対応の対象を「o-フェニレンジアミン及びその塩」とすることを含めて概ね了承された

(5)シクロヘキセンに係る調査結果の検討
 事務局より、シクロヘキセンに関する物性、現行の法規制、有害性情報について説明が行われた。
 日本バイオアッセイ研究センターより、シクロヘキセンについて実験動物を用いたがん原性試験を実施した結果、ラットの雄に対しては肝細胞腺腫と肝細胞がんを併せた発生数の増加が認められたが、その増加は僅かであったこと、また、他の組織、臓器には腫瘍の発生増加が認められなかったこと、雌に対しては腫瘍の発生増加が認められなかったこと、マウスの雌雄に対しても腫瘍の発生増加が認められなかったことが説明された。
 検討の結果、シクロヘキセンは、実験動物に対するがん原性は認められず、がん原性物質としての行政対応は必要ないとされた。

(6)p-ニトロアニソールに係る調査結果の検討
 事務局より、p-ニトロアニソールに関する物性、現行の法規制、有害性情報について説明が行われた。
 日本バイオアッセイ研究センターより、p-ニトロアニソールについて実験動物を用いたがん原性試験を実施した結果、ラットの雄に対しては肝細胞腺腫の発生増加が認められたこと、雌に対しては子宮腺がん及び肝細胞腺腫の発生増加が認められたこと、マウスの雌雄に対して肝芽腫及び肝細胞がんの発生増加が認められたことが説明された。
 検討の結果、p-ニトロアニソールは、実験動物に対するがん原性は認められると判定され、行政対応が必要であるとされた。

(7)平成15年度職業がん対策専門検討会の審議物質の対応状況
 事務局より、平成15年度職業がん対策専門検討会で行政対応が必要とされた6物質について、行政対応の進捗状況について説明を行った。N,N-ジメチルホルムアミドについては、指針案についてパブリックコメントを実施し、省内の審査手続を行っていること、他の5物質については、指針案の作成中であることを報告し、キノリンとヒドラジン一水和物については、それらの塩や無水物についても指針の対象物質とすべきであり、「キノリン」については、「キノリン及びその塩」、「ヒドラジン一水和物」については、「ヒドラジン及びヒドラジン一水和物並びにこれらの塩」を指針の対象物質とすることについて参集者に説明し、了承された。

(8)今後のスケジュール
 アクリル酸=2−ヒドロキシエチル、アリルクロリド及びo-フェニレンジアミンについては、本日提示した報告案の修正版を、シクロヘキセン及びp-ニトロアニソールについては、本日の議論を基に事務局が作成した報告案をそれぞれ参集者に郵送し、意見を求めることとなった。

照会先:厚生労働省労働基準局安全衛生部
化学物質対策課化学物質評価室審査係
TEL03−5253−1111(5512)

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