05/01/13 第1回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会議事録     第1回社会保障審議会統計分科会 疾病、傷害及び死因分類部会議事録 1.日時 :平成17年1月13日(木) 14:30 〜16:15 2.場所 :厚生労働省共用第7会議室 3.出席者:   <五十音順>    飯島正文委員、飯森眞喜雄委員、石名田洋一委員、大江和彦委員、    落合和徳委員、加我君孝委員、勝又義直委員、嘉山孝正委員、北島政樹委員、    北村聖委員、北村惣一郎委員、菅野健太郎委員、田中紘一委員、永井良三委員、    名和田新委員、藤原研司委員、堀江孝至委員、増田寛次郎委員、松尾宣武委員、    柳澤正義委員、山本修三委員   事務局    統計情報部長、企画課長、人口動態・保健統計課長、保健統計室長、    疾病傷害死因分類調査室長 4.議題   (1)部会長の選出   (2)世界保健機関勧告によるICD−10(2003年版) の日本への適用について   (3)その他 5.議事内容 ○人口動態・保健統計課長  部会の庶務担当の人口動態・保健統計課長でございます。まず、会に先立ちまして資 料の確認をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  (資料の確認)  なお、本資料の3につきましては、もともとの資料が260ページ程度ございますので、 今回は抜粋で、数枚だけ用意させていただきました。この全体につきましては、できる だけ早く私どもの方から送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。  出席御予定の委員で遅れていらっしゃる方もおられるようでございますが、定刻にな りましたので、ただいまから第1回「疾病、傷害及び死因分類部会」を開会いたしま す。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中を御出席いただきまして、誠にあ りがとうございます。  本日の出席状況でございますが、現在お見えになっていらっしゃらない方を除きまし て、黒川委員が御欠席でございます。出席いただきました委員が3分の1を超えており ますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。  なお、田中委員におかれましては、所用がおありということで途中退席されますの で、よろしくお願い申し上げます。  それでは、先ほど御確認させていただきました資料の議事次第に従いまして議事に入 らせていただきます。  まず「1.部会長の選出」でございます。部会名簿をごらんいただきたいと思いま す。部会長につきましては、社会保障審議会令第6条第3項に、部会に部会長を置き、 当該部会に属する委員の互選により選任するということでございます。  当部会の委員構成は、社会保障審議会の委員でおられます北村惣一郎委員。それか ら、部会設置以前から統計分科会の臨時委員でおられます大江、松尾両委員。それか ら、本部会設置に伴いまして臨時委員をお願いいたしました委員となっております。  社会保障審議会令で言うところの「委員」と申しますのは、「社会保障審議会の委員 」でございますので、お集まりいただいた方の中では北村惣一郎委員のみとなります。 そのため、本部会の部会長につきましては、北村惣一郎委員にお願いしたいと思います が、いかがでございましょうか。               (「異議なし」と声あり) ○人口動態・保健統計課長  ありがとうございます。それでは、本部会の部会長につきましては、北村惣一郎委員 にお願いいたします。  それでは、北村(惣)部会長、早速でございますけれども、以下の議事進行をよろし くお願いいたします。 ○北村(惣)部会長  国立循環器病センターの北村でございます。  日本の各学会を代表する先生方にお集まりいただいて、我が国の疾病、傷害及び死因 分類を新しくすることに相なったとのことでございます。日本医学会全体の了解、コン センサスの下に事を進めたいという厚生労働省の意向と好意的に解釈させていただきま して、皆様方の御協力の下に必要な仕事を果たすべく努力したいと思います。私もこの 分野では素人でございますし、昨年設けられた専門委員会の委員の方々も多数おられ、 かつ、疾病、傷害及び死因分類を御専門になっておられる方々もおられますので、先生 方の御支援を賜り、この委員会の目的のため役目を果たすことができればありがたいと 考えております。  今、申しましたように、私の精通した領域でないところも多々あるかと思いますの で、よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。  それでは、第1回の「疾病、傷害及び死因分類部会」の議事を進めさせていただきま す。  まず初めに統計情報部・鳥生部長よりごあいさつをいただきたいと思いますので、よ ろしくお願いいたします。 ○統計情報部長  委員の皆様方には、御多忙のところ、本部会に御出席いただき、誠にありがとうござ います。本年、1月10日付で統計情報部長を拝命いたしました鳥生と申します。どうか よろしくお願いいたします。  ICDは政令に基づく分類として定められており、我が国の疾病統計、あるいは死亡 統計にとって極めて重要なものでございまして、国民の健康状況の把握や保健医療、福 祉政策等を推進する上で不可欠なものとなっております。  現在、我が国ではICD−10の1990年版を適用しておりますが、医学の進歩等に対応 して、WHOが勧告しておりますICD−10の2003年版を適用することといたしまし た。しかしながら、この適用に当たりましては、専門的かつ広範囲の医学的知識が必要 なことから、本部会を設置し、皆様方に参画していただき、御審議いただくこととさせ ていただいた次第でございます。  皆様、各方面で御活躍をされ、極めて多忙な方々であり、また、限られた期間ではご ざいますが、本部会の趣旨を十分御理解いただきまして、御協力を賜りますよう、よろ しくお願いいたします。 ○北村(惣)部会長  それでは、課長から事務局の御紹介をお願いできますか。 ○人口動態・保健統計課長  事務局の御紹介をさせていただきます。  まず、企画課長でございます。 ○企画課長  企画課長の牧原です。よろしくお願いいたします。 ○人口動態・保健統計課長  人口動態・保健統計課保健統計室長でございます。 ○保健統計室長  木曽と申します。よろしくお願いいたします。 ○人口動態・保健統計課長  人口動態・保健統計課疾病傷害死因分類調査室長でございます。 ○疾病傷害死因分類調査室長  ICD室の木村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○人口動態・保健統計課長  私、人口動態・保健統計課長の村山でございます。よろしくお願いいたします。  部長でございますが、どうしても外せないほかの公務がございますので、ここで退席 させていただきますことを御了承ください。よろしくお願いいたします。                (統計情報部長退室) ○北村(惣)部会長  委員の先生方の御紹介はベテランの方ばかりということで、省かせていただくという ことだそうです。  本日の議題は、もう既に御存じだと思いますが、WHO勧告によるICD−10(2003 年版)の日本への適用ということになっておりますので、事務局から資料等の説明をお 願いしたいと思います。村山課長からお願いします。 ○人口動態・保健統計課長  それでは、お手元の参考資料1という資料、「『疾病、傷害及び死因分類部会』の設 置について」という資料をご覧いただきたいと思います。  この参考資料1は、昨年10月に社会保障審議会の下の統計分科会におきまして、中段 にございますような審議事項をお願いするために本部会の設置を決定したことを記した もので、本部会の設置の根拠になっているものでございます。  最初の「1 設置趣旨」でございますけれども、疾病、傷害及び死因分類は、産業分 類と並び、政令に基づいて定められているものであり、WHOが勧告しておりますIC Dに準拠して定められてきているということでございます。  そのICDの我が国への適用は、統計の基本事項として、統計分科会の審議事項でご ざいますけれども、その審議には極めて専門的かつ広範囲にわたる知識・経験が必要と いうことで、先ほど申しましたとおり、昨年10月に、統計分科会におきまして、今回お 集まりいただきました部会を設置して検討を行うということにされたということでござ います。  WHOの勧告を受けて部会を設置したということでございますが、次の2ページをご らんいただきたいと思います。「ICDに関するWHOの勧告と日本における適用」と いう資料が次のページにございます。  WHOの勧告とその経緯でございますが、現在日本は1990年にWHOが勧告したIC D−10を適用しています。WHOでは、ICD−10というように1900年以来、約十年に 1回程度、医学の進歩等に応じて改定してきました。現在は、ICD−10であり、次は ICD−11ということでしょうけれども、ICD−11につきましては、WHOはICD −10の一層の普及等を図るため2010年以降の課題と定めておりまして、それまでの間は アップデートを行うとしています。WHOでは、ICD−10から11、いわゆる数字が上 がるのを英語ではリビジョンという言葉を使っておりますが、リビジョンは2010年以降 の課題ということになっておりまして、それまでの間はアップデート、ICD−10のま まで一部改正を行って少しずつ改善していくとされています。新しい疾病ですとか、医 学知識の変化等々に対応するためにアップデートしていこうということでございます。  その一部改正につきましては、下の枠にありますように、新たなコードの追加等々、 データに影響を与えるようなものは3年に1回程度、表現の強化とか誤植の訂正といっ たようなことは毎年というようにやってきています。現在は、いわゆる2003年版と称し ておりますバージョンが一番直近のWHOの勧告になっておりまして、これを日本へ適 用したいということでございます。  3ページ目をごらんいただきたいと思います。3ページ目は、WHOの勧告と日本に おける適用との関係を大まかに見たものでございます。  WHOの勧告の内容は、左の方のコード、名前、分類方法、ルール等々ということで ございまして、その右側に日本の対応がありますが、ごらんいただきますように、当然 ながら、ほとんど同じでございます。これはもともとがWHOの定めるICDは異なる 地域、異なる時点の統計の比較を可能にするという国際的な統計分類であり、同じもの でなければ統計として比較できないということでございますので、基本的には同じもの を適用する。しかし、原文は英語でございますから、それに対応する日本語として正し い医学用語に訳しながら導入してきたということでございます。  現在、日本ではどんな形のものとしてまとまっているかといいますと、まず、この枠 で囲っているものが3つあり、「3桁、4桁コードと分類名(14,000)」などと書いて いるのがございますが、これが先ほど冒頭に資料として紹介させていただきました告示 であり、参考資料3−1の「疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表」というメイン の表と、そのほかに、参考資料3−2と3−3という、疾病統計分類と死因統計分類が ございます。この3点が告示という形で総務省から平成6年に告示されております。こ れが一つ。  それから、告示では、ごらんいただきますように、コードと名前しかありませんの で、実際に利用する場合のルールとか事柄につきましては、お手元にございます緑の日 本語の3分冊、通称提要と言っておりますが、この3分冊が日本における適用の書籍で ございます。  つまり、原典はこちらの英語の3分冊でございます。これは1990年版でございます。 それを日本では、告示と3分冊の提要の形で適用しているということでございます。  先ほど申しましたとおり、今の緑の原本の一部改正が行われまして、現在、2003年版 という形まで進んでおりますので、それを私どもで入手いたしまして、1ページ目に戻 っていただきますが、その日本への適用についてこの部会で御審議いただこうというこ とでございます。  「2 審議事項」でございます。  この部会の審議事項は、(1)として世界保健機関が1990年にICD−10を勧告して 以来、現在までに行われた一部改正部分がございますが、この内容は後ほど御説明させ ていただきますけれども、これを我が国に適用することでして、告示である「疾病、傷 害及び死因の統計分類」に関することです。  それから、(2)は、この提要に関する内容でございます。要するに、基本的には提 要が一番詳しいので、WHOの勧告に応じて日本でも使えるように提要を直す。それか ら、併せて告示を直すということが今回の審議事項ということになっております。  もう一つは、今回、この部会で検討いただいた結果の扱いでございます。本部会は、 社会保障審議会の統計分科会の部会ということでございます。先ほどご説明しました告 示につきましては政令で決められておりまして、厚生労働大臣が社会保障審議会に諮問 して、その答申に基づきまして総務省の告示になるということでございます。  参考資料2をごらんいただけますでしょうか。  参考資料2は「諮問書」であり、今年の1月7日に厚生労働大臣から社会保障審議会 の会長に、諮問書にございますように、「世界保健機関が勧告する「疾病及び関連保健 問題の国際統計分類」の第10回修正分類(ICD−10)2003年版の適用について、 厚生労働省設置法第7条第1項第1号の規定に基づき、貴会の意見を求めます」という 形で諮問がなされております。これは社会保障審議会に諮問がなされているものでござ いますが、統計に関する事項ということでございますから、統計分科会に付議というこ とで、これは審議会の会長から御了解をいただいております。  更に、統計分科会につきましては、参考資料1の1ページに戻っていただきまして、 統計分科会での審議におきましては専門的なものが求められるということから、今回、 部会を設置しまして、そこに付議するという形で、これも統計分科会長から了解を得て いるところでございます。  したがいまして、この部会の決議・検討結果は、統計分科会の決議、更には社会保障 審議会の決議というような形になっていき、実質上の答申のとりまとめとなるというこ とでございます。  もう一つはスケジュールでございますが、同じように1ページにございますが、1月 に諮問を受け、今回、御審議いただきますが、次回、詳細については後ほど御説明しま すが、一応、7月ごろに検討結果を集約して答申内容を決定する予定という考え方でご ざいます。  それから、同じ参考資料1の4ページをごらんいただきたいと思います。  今、申し上げましたように、統計分類としてWHOから勧告されたICDを日本で適 用しているということでございますが、ICDが多方面で活用されているということも あり、ICDと傷病名等の関係がややわかりにくくなっている事情もあるのではないか と考え、少し整理してまとめてみましたので、御説明いたします。4ページ目「ICD −10に関連する状況」でございます。  傷病名につきましては、今、公式には2つ示されていると思います。一つは、カルテ 病名等の臨床病名です。もう一つは、診断群分類における傷病名といわれるものです。  まず、臨床病名でございますが、この4ページの(1)の「2)カルテ病名・一般レ セプト傷病名の各マスターの整備」と書いてありますように、厚生労働省医政局で、電 子カルテ等に使用するための「ICDー10対応電子カルテ用標準病名マスター」という ものが開発されている。それから、保険局では「レセプト電算処理システム用傷病名マ スター」を作成しているということで、カルテ病名、あるいはレセプトに用いられる臨 床病名につきましては医政局、あるいは保険局の方でそれぞれマスターを整備し、標準 として原則として使ってもらえるよう整備されているということでございます。  ICD−10と臨床病名との関係については、1枚めくっていただけますでしょうか。 5ページの「ICDに関する状況」、左の枠のところ、「カルテ病名のコード化(例) 」という枠で囲った図でございます。  「かぜ症候群」とか、幾つかいろいろカルテ病名がありますが、ある患者は「かぜ症 候群」、ある患者には「急性鼻炎」という名前が付けられると思います。これは標準病 名を使って付けられるかもしれません。このような状態があるとき、それをICD−10 で統計上集約するという場合は、「かぜ症候群」という名前を付けられた患者さんも、 「急性鼻炎」と付けられた患者さんも、ICD−10の上では、そこにございます「急性 鼻咽頭炎」「J00」という同じコードとなりますので、区別なく集計されるということ になります。  すなわち、前の4ページに戻っていただきますと、そういう意味で、4ページの(1 )の1)のように、複数のカルテ病名、臨床病名がICDの場合には1つに集約され る。すべてではございませんが、基本的に集約されるという関係になっているというの が一点です。  それから、「(2)DPC(診断群分類)における傷病名」ということでございます が、DPCにおける傷病名というのは、説明に便宜上、仮に括弧書きで「DPC傷病名 」という名前で略称させていただいておりますが、これは約六百弱しかなくて、厚生労 働大臣の告示(厚生労働省告示)で規定されている。医療保険の支払いの関係でこうい うものが設定されているもので、カテゴリーと言った方がいいようなものではないかと 思います。  次のページ、同じく5ページの今度は右のところをごらんいただきたいと思います。 枠の中でございます。DPCにおきましては、実際に患者さんについて「医療資源を最 も投入した傷病」ということでカルテ病名、勿論、標準病名でもいいのですが、これを まず決定していただいて、それに対応する集約コードであるICDコードを決めていた だき、そのICDコードについて、コードは約1万4,000もございますので、厚生労働 大臣の告示によります600 弱のDPC傷病名から、そのICDコードが属するものを選 び、診療行為等によりまして、その下にあります「DPC・14桁コード」というのを設 定して、診断群分類という形で保険上適用される。このような関係になっているという ことでございまして、これが二つ目の傷病名ということでございます。  また同じ4ページに戻っていただきますと、下の2でございますが、ICD−10と傷 病名の関係でございます。  これにつきましては、日本では統計法という統計の法律に基づく政令がございます。 政令では、国の行う統計調査で結果を疾病、傷害、死因別に表す場合には、統計分類と してこの分類を使わなければならないとされています。統計分類は告示で規定されてい ますけれども、その詳細は、先ほど申し上げました3巻本となっております。  中身は(1)コードとその内容の詳細、あるいは(2)臨床病名からどう分類して、実際に コードを付けたらいいかというコーディングルールとがあります。  それから、この本の中の1冊は、(3)実際に臨床病名があったときに、対応するIC Dコードを付けるための索引です。そういうものからなっていて、臨床病名に対応する ICD−10のコード付けには関与しますが、臨床病名の設定ということについてはこの 中で関与しているわけではないということでございます。  ICDと傷病名との関係を御説明させていただきました。私からは以上でございま す。 ○北村(惣)部会長  ありがとうございました。  今、課長から、今回の本部会の設置趣旨並びに審議事項について御説明いただきまし たが、多くの先生方には、既に御存じのことかもしれませんが、御質問、あるいは御意 見等ございましたらお受けさせていただきたいと思います。 ○菅野委員  確認を1つさせていただきたい。今回、2003年版を適用する予定とのことですけれど も、これはICD−10のセカンドリビジョンという理解でよろしいのでしょうか。つま り、2006年に更にサードリビジョンが出る予定と聞いているのですが、これらの関係の 確認をしたい。 ○人口動態・保健統計課長  今回、参考資料1の平成16年10月付けで統計分科会の本部会の設置についての資料 に、「2 審議事項」として「現在までに勧告された」という記述があります。「現在 までに勧告」ということで「勧告」されているのは先ほど言いました小改正等がありま すので、2004〜2005年の勧告分は含まれますが、基本的には2003年改正版です。ですか ら、2003年版と言っているのは基本的に2003年1月施行の大改正分ということでござい ます。  今、おっしゃっているのは、2006年大改正分のお話かと思いますが、この分について は、2004年10月の段階までということで考えております。 ○菅野委員  そうしますと、2006年、来年になりますけれども、その段階での分は今回は審議しな いということでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  はい。 ○北村(惣)部会長  今回の一部改正は、リビジョンではなくてアップデートでしょう。 ○人口動態・保健統計課長  おっしゃるとおり、一部改正にあたる言葉はリビジョンではありません。アップデー トでございます。 ○北村(惣)部会長  ほかに、御意見、御質問、ございませんか。  私からお聞きしたいのですが、この告示は総務省から出ることになる。それで、厚生 労働省のこの部会と総務省の間に何か入るものがあるんですか。それとも、すぐに総務 省へ行ってほとんど無修正というか、修正なく総務省の告示として出てくるのか。 ○人口動態・保健統計課長  それにつきましては、また参考資料1の「1 設置趣旨」の3行目のところに政令が ございますが、政令の名前が「統計調査に用いる産業分類並びに疾病、傷害及び死因分 類を定める政令」となっておりまして、もともとが統計法という法律、総務省が所管す る法律がございまして、その政令でございます。産業分類はもともと総務省が自身で決 めていますが、疾病、傷害、死因分類につきましては行政としては厚生労働省の行政に 関係するということで、従来から厚生労働省の審議会、もっと言えば社会保障審議会で すが、こちらで審議したものがそのまま告示されていますので、今回の決定も結局その まま告示の形になります。  総務省で告示しているのは、今、統計につきまして、日本全体の調整機能は総務省に あるからで、内容は直接の行政担当である厚生労働省が決めているという関係です。 ○北村(惣)部会長  ありがとうございました。  設置趣旨とか審議内容について、皆様御理解いただけましたでしょうか。  どうぞ、勝又委員。 ○勝又委員  そうすると、今回の部会の目的は、この提要をつくるということになるのでしょう か。どこまでやるのでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  今回の部会の目的は、後ほど詳細に説明しますけれども、2003年版としてWHOから 勧告されているものを、日本で適用するということでございます。作業としましては英 語版がアップデートされているのに対応して、この日本語版を改定するということでご ざいます。  その際、何分にも英語でございますので、それを日本語で適用するため、私ども事務 局が案をつくりましたけれども、それが医学として本当に英語に対応する日本語として 正しいのかどうかあわせて、記述された内容についての吟味をお願いする必要があると いうことで皆様にお集まりいただいて、提要の改定のためにいろいろ御議論をいただこ うということでございます。  要するに、WHOの英語の勧告を、日本語になおし、日本で使えるようにするという ことが目的でございます。 ○勝又委員  そうすると、プロダクトの提要が出来上がるのは少し先の話になりますか。 ○人口動態・保健統計課長  成果物としてですね。 ○勝又委員  はい。 ○人口動態・保健統計課長  手順として、先ほどの1ページにありますように、まず最初に告示が出され、その 後、できれば並行して提要を作成させていただくつもりでございます。 ○勝又委員  とりあえずは、告示の基をつくるということですか。 ○人口動態・保健統計課長  形式的にはそうです。ただ、内容としては提要がないと告示になりません。 ○北村(惣)部会長  ただいまから、勝又委員の御質問にもありました詳しい説明に入ろうかと思います が、よろしゅうございますか。  それでは、具体的にこの部会で何をして、何を成果物として出して社会保障審議会に 上げていくのかということの御説明になるかと思いますが、事務局の木村室長の方から お願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  それでは、具体的な内容について御説明申し上げます。 私が今から御説明申し上げ ますのは資料1〜6でございますが、それに入ります前に、先生方、御存じだとは思い ますけれども、改めてICDとは何ぞやということを簡単にお話ししたいと思います。  参考資料1の4ページの方の一番下に「2 ICD−10と傷病名」ということがござ いまして、A、B、Cという番号が振ってありますが、これがいわゆるICDでございま す。我が国の方では、日本語訳といたしましてICD提要と呼んでおりまして、WHO の原本と同じように3巻本となっています。皆様方のお手許にはWHOの原本と同時に 日本語訳の提要もございます。  第1巻、一番薄いものでございますが、これは「B 臨床病名からのコーディングル ール」というものでございます。日本語版第1巻は、原本ではボリュームII(第2巻) となっております。  第2巻でございますけれども、(1)の内容例示です。ICD項目とコードが載ってお ります。  最後の第3巻でございますけれども、これに関しましては数ページおめくりくださ い。索引が(3)のとおり並んでいます。  以上3巻が、私どもが申し上げているICDでございます。  それでは、これに基づきまして資料1〜6の御説明をいたしたいと思います。  資料1は、今、申し上げましたICDの日本語版の第1巻、総論についてのWHOの 勧告でございます。  この資料の見方でございますけれども、一番左にナンバーが振ってありまして、次に 「WHO勧告」「日本適用案」「現行」「改正の種類」というカラムになっておりま す。  「現行」というのは、今、課長が説明いたしましたICD−10の1990年版でございま す。現行の1990年版にはこれが載っているということです。  今回、2003年版としてWHOが勧告したものが一番左側にございます。これは勧告ど おりの英語で書かれてあります。  そして、大きな真ん中が「日本適用案」で、事務局で行いました日本語訳でございま す。  一番右側の小さな枠でございますけれども、これはどのような種類の改正かをわかり やすくするための注でございます。例えば、1の場合は「適用コードの修正」です。コ ードというのは、アルファベットと数字が並んでいるものです。  この表の一番右上のところに「注」が書いてあります。ごらんになると、ここに下線 が引いてあったり、あるいは文字とかコードの上に取り消し線が引いてあることにお気 づきになると思います。例えば、第1巻の62の1、1ページの2番には、下線が引いて ある文章がございますけれども、これらはすべて新しく入れますという意味です。  取り消し線の例といたしましては、3ページ目に、「Any disease 」となって取り消 し線が付いております。これが取り消しになっている例でございます。  第1巻は、WHOのコーディングルールが主でございますので、これに関してはすべ ての先生方にお目通しいただきたいと考えております。  次に、資料2。資料2は内容例示であり、ICDの病態、ICDでは項目と呼びます けれども、その項目と、アルファベットと数字で表したコードが出ております。第2巻 の内容例示です。  これに関しましては、後ほど御説明させていただきますけれども、章ごとに分かれて おりますので、事務局で責任分担案を提案させていただきました。そうは申しまして も、その責任分担以外のところでも御意見があれば是非お目通しいただいて、事務局に フィードバックいただきたいと考えております。  資料2で、ちょっとわかりにくい例がありますので少し御説明させていただきます。  事前に、北村(惣)部会長から、ICDには二重コードがあったりなかなか難しいと ころがあるというお話がありましたけれども、まさに第1ページにそれが出ておりま す。I−002 というところでは剣印と星印の、実際には剣印だけの改正が行われており ます。  この意味は、今までA02.2、局所的サルモネラ感染症というのはすべて剣印として使 いなさいということです。剣印、星印というのは、二重コーディングとして用いられ、 統計的には剣印の方を第1コードとして報告するという趣旨のものでございます。  今までは局所的サルモネラ感染症すべてに剣印が付いていたんですけれども、今回の 改正では、ある部位に限って剣印を振って、それ以外のものにはつけないよう全体から は外すという意味でございます。わかりにくい例の一つとして、お話しさせていただき ました。 (剣印は原因となる全身疾患についての情報を含む診断的記述のためのコードであり、 星印はそれ自身が問題となっている特定の臓器または部位における症状発現についての 情報を含む診断的記述のためのコードである。)  次に、資料3に移らせていただきます。資料3は、索引でございまして、医学用語等 の分野では索引は非常に重要なものです。今回、索引の改正が260 ページ余りございま す。これに関しても、先生方にすべてお目通しいただきたいということです。  特に、第2巻と第3巻に関しましては、二点ご留意いただきたいことがあります。果 たしてこの日本語訳が医学的に正しいかどうかということを見ていただくのが一つ。  第2点としては、第3巻の索引では英語と日本語は必ずしも、1対1の対応にはなっ ておりませんから、1つの英語の用語を日本語に訳すときに、こういう訳もある、医学 会ではこういう訳も使われているというようなことがございましたら、日本語訳は1つ に限定せずそういったものも索引に加えていただきたいということです。  それでは、資料4に移らせていただきます。資料4は、「わが国への適用に当たって の留意点について」です。  今回、2003年版のWHO勧告を我が国に適用するということを考えているわけでござ いますけれども、これに当たっての留意点は次のとおりです。  第1点目といたしましては、我が国への適用に当たっては、原則、WHOの勧告どお りの適用とする。  第2点目。勧告の内容中、第1巻「総論」、第2巻「内容例示」、第3巻「索引」の 記述において整合が取れていない「F10−F19精神作用物質使用による精神および行動 の障害」については、誤りの部分を削除、修正して適用する。これは飯森先生はじめ、 精神科の方の御指摘でどうもWHOが明らかに間違えていると思われる部分がございま したので、それを訂正して日本に適用するということです。  第3点といたしましては、今までに法令の改正等により項目名を変更する可能性のあ る病名が出てきております。例といたしましては、精神分裂病とか痴呆とかが挙げられ ます。 最後に、先ほど申し上げましたように、索引につきましては英語の訳を基本的 にはそのまま持ってまいりましたので、果たして日本語の訳として適当であるかどうか という議論のほかに、他に同意語でよく使われているのがあるということで、もっと増 やしてしかるべきであるというものがあれば、御提案いただきたいと思っております。  次に、資料5でございます。資料5は、第2巻、内容例示の分かれている章に関しま しては、こちらで勝手ながら担当責任者案を作ったものです。  しかしながら、これはあくまでもこの章に関してはこの先生方に責任を持っていただ いてはどうかという趣旨でございまして、この章を超えて御意見があるとか、御覧いた だくということは本当に喜ばしいことでございますので、是非、お願いしたいと思って おります。  最後に、資料6でございますが、資料6は以前開かれた専門委員会の委員からの提案 でございまして、これについての意見も是非御覧いただきたいと思います。  以上でございます。 ○北村(惣)部会長  ありがとうございました。  本部会で具体的に何をするのかの御説明があって、委員の方々からはこれは大変だと いう声が聞こえてきておるところでございますけれども、要するに、この提要3巻をア ップデートして、新しくするということです。新しい本を作成して、現在では最高に新 しい日本の提要を作り上げる。そのためには、だれがこんな訳をしたんだというような 文句が一切、日本の医学会から出ないようにという趣旨も込めて、各医学会の専門の方 々にお目通しいただきたいというのが大きな趣旨です。  しかし、確認しておきたいのですが、先ほどの御説明の中で剣印を付けるとかそうい ったところの訂正はしなくてよい。むしろ、翻訳用語、あるいは追加の文章等々の訳が 適正かどうか。それから、日本の中でも少しWHOの用語とは違うけれども、日本では こういう形で使われているというのがあれば付けてもらいたいということだと思いま す。もう一遍、具体的に各学会の代表的な先生方にお願いする仕事を確認すると、1番 は、今の翻訳が正しいかどうか。2番目は、日本の医学会で使われている用語に合わな いもの、あるいは合うものが複数あれば書き足してほしいと。それが大きな点であると 理解してよろしいんですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  そうです。 ○北村(惣)部会長  それでは、御説明がありましたが、どのように具体的に各学会の先生方が進めるか、 本質的には委員の方々にお願いしたいというのが、この部会の事務方の御意見かとは思 いますけれども、お一人でやり切れないぐらい大量な場合もありましょうし、どなたも 大変お忙しい方々ですので、各学会の支持を得たいという方もありましょう。そういっ た具体的なことを何なりと御意見、御質問あればお願いしたい。 ○人口動態・保健統計課長  先ほどの資料5の章別の担当者の表でございますが、「案」と書いてございますよう に、皆様が所属の学会を代表されているということで、私どもからこのような分担では どうかということで御提案申し上げているものでございます。これについてもこれで御 了解いただけるかどうかお諮りいただければありがたく思います。 ○北村(惣)部会長  それでは、御出席になっておられる委員の方々に限られてしまいますが、資料5で担 当していただくお名前を事務局が独断でのせていますので、御不満があるかもしれませ ん。御意見をこの場で挙げていただきたいという課長からの意見でございますので、ど うぞ、こんなものやってられないというところがあればおっしゃっていただきたいとい うことかもしれません。  ちなみに、前回これを作成したときも同じような部会でまとめたのですか。 ○人口動態・保健統計課長  第1巻をごらんいただけますでしょうか。お手元の日本語版の第1巻12ページをごら んいただけるとありがたいのですが、これはICD−9から10、1990年版の適用であり ます。実際には平成5〜6年ころに作業をしたとのことでございますが、御参加いただ きました専門の方々でございます。  9から10というのは、分類数にしましても約2倍になるということで非常に大きな改 正であり、これだけ多くの皆様方、御専門の方々に御覧いただいてお決めいただいたと いうことでございまして、今回と同じやり方です。 ○北村(惣)部会長  今度、新しく適用したときには、この部会の先生方のお名前がこのように入るという ことですか。 ○人口動態・保健統計課長  そういう予定でございます。 ○北村(惣)部会長  国民のためだと思って、また、記念碑みたいなものかもしれませんが、名前を載せて いただけるということで頑張っていただくほかないようですので皆様の御了解賜りたい と思います。更に御質問などあろうと思いますので、御遠慮なくどうぞ。 ○田中委員  途中退座するものですからひとこと。これを担当をすることになりますと自分の能力 を超えているところがかなり多いので、学会関係の有識者にいろいろ問い合わせして、 最終的に各委員が責任もってやるという理解でよろしいのでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  おっしゃるとおりでございまして、皆様方、各分野の学会についてのとりまとめもお 願いしたいということで、皆様方の方で学会等に御相談なりいろいろしていただきまし て、この部会において、この分野についてはこれでいけるという形で御提案いただけれ ばということでございます。  必ず個人でやらなければいけないとか、そういうことを私どもはお願いしているわけ ではございませんので、できれば関連される学会等に御相談いただき、御提案いただき たいということでございます。 ○北村(惣)部会長  名和田委員、どうぞ。 ○名和田委員  今、翻訳したものを見せていただいたのですけれども、名前が医学的に間違っている ところがありまして、それを訂正することはできますが、提要を見てみると、今の医療 ではもっと進歩していますから、いろいろな項目が変わっている可能性もあります。そ ういうところの訂正はできないのですか。  例えば、自分の専門のところを見てみますと、アルドステロン症は3つぐらい書いて います。こんな分け方だとなかなかこのカテゴリーに入ってこない。だから、これをも っと詳しくした方が入ってくるということがあるが、そういう訂正はできないのです ね。  WHOの勧告に準拠して、医学的に間違っている用語をきちっと訂正する。それだけ ですか。それとも、新しい分類を加えていっていいことになるのですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  2003年版というのは、2003年までにWHOが勧告したものでありますが、それが果た して、今の医学の進歩にアップ・ツー・デートであるか(追いついたものであるか)ど うかというのはまた議論の余地があるところでございます。  参考資料1にもございますし、それから、先ほどの資料4の1番をごらんいただきた いんですけれども、今回の部会の趣旨は2003年版の勧告をそのまま我が国に適用すると いうことでございまして、それを適用した後に、例えば先生方から、ここはやはりおか しいのではないかというところがございますれば、WHOはアップデート・リファレン ス・コミッティー(分類改正委員会)というところがICD−10のアップデートを担当 しておりますので、我が室を通してそちらに意見を述べていくということになります。 ○名和田委員  基本的には、医学的に間違ったところを訂正していくということですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  間違ったところは、今回は訂正しないで、このままとします。 ○名和田委員  これはWHOのものを日本語に訳していますね。そこを訂正するだけですね。 ○疾病傷害死因分類調査室長  はい。 ○名和田委員  ICDの分類の訳をもっときちっとしたことにしないと、本当に役に立たない感じが 自分はします。だから、今回の、改正部分の日本語の訳の訂正という努力をしてどれだ け訳に立つことになるのかという感じがしますが、その辺りはどうでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  参考資料1の「設置について」と書いてある資料がございますが、それの2ページを ごらんいただきたいと思います。「ICDに関するWHOの勧告と日本における適用」 ということでございます。  今回のWHOが勧告している一部改正、アップデートというもののプロセスの説明を 省略してしまったので説明させていただきます。  2ページにあります3つ目の○でございますが、これは毎年10月にICDを使ってい る国のうち十数か国がWHO−FICネットワーク会議という形で集まりアップデート すべき改正点とかといったようなことを持ち寄りまして、審議をする。  それが、先ほど説明がありましたアップデート・レファレンス・コミッティーURC と略称する、分類改正委員会と言っておりますが、この会議にそういう委員会がござい まして、そこに現にICDを使っている国からの改正要望などを持ち寄りまして、そこ で審議し、その結果をWHOがよろしいとすれば、WHOが各国に勧告として示すとい う手続になっております。  ですから、今の段階では、これがWHOからの、直近の勧告であります。また、アッ プデートに関しては、実際にICDを使っている日本で幾つかの要望があれば、私ども はネットワーク会議に参加しておりますので、そこでの議論の題材として提案していく というような形はこれまでもやっておりますし、また、今後もやっていくことになろう というふうに思っております。そういう意味でございます。 ○北村(惣)部会長  そうすると、今回はWHO勧告に従った形にします。しかし、2010年のときにはこう 変えてほしいという意見を今回、わが国の学者から集めておくのかどうか。あるいは 2010年の改正までとても持っていられないと。分類改正委員会に日本側の意見として出 していただきたい。改正意見などを別紙として張りつけるか、あるいは何らかの形で提 出していただくことにするというのはどうでしょうか。  このWHOの勧告を、日本語版を訂正するというだけでは、こんな立派な先生でなく てもいいのではないかと感じてしまう。そこで、改正意見を今から酌んでいくのかどう か。あるいは、ICD−11に向けて酌んでいくのかどうか。あるいは、お聞きするとこ ろでは、今年、日本でWHO−FICネットワーク会議があるとのことなのでそこに、 そういう意見を厚労省から出してもらいたいという学会側からの意見があれば酌んでも らえるのかどうか。その辺はどうですか。まだ見通しはありませんか。 ○人口動態・保健統計課長  御説明いたします。  昨年、10月の後に12月にも統計分科会がございまして、そこで、今、おっしゃったW HO−FICネットワーク会議関係のお話、それから、WHOの動向等を御報告させて いただきました。その内容の紹介になりますが、ICD−10の一部改正はアップデート といって、先ほどの私の説明の中で申し上げましたけれども、次のICD−11につきま しては2010年と言っているわけではなくて、2010年以降ということで、WHOは考えて いるということでございます。  それで、WHOからICD−11についての考え方みたいなものが2004年の会議でも示 されてはいますけれども、各国は、現にまだICD−10の普及と言っているように、W HO加盟国190 か国のうち80か国が使っていない。あるいは、アップデートでも大変で すが、ICD−11への改訂となると大変お金がかかるとか、あるいは統計の連続性が保 てるのかといったいろんな意見が出され、まだ実際に11ということで船出はしておりま せん。  そういうことで、いろいろな情報の蓄積は別としても、現段階では世界全体の中での 日本ということでございますので、その辺の様子を見ているという段階でございます。 これが今の状況でございます。 ○北村(惣)部会長  名和田委員から言われたことへの明快な回答が欲しいのですが、最新の状況に既に即 していないと考えるものの別紙をつくってお送りするという必要性はないということで ですか。 ○人口動態・保健統計課長  今、様子を見ている段階なので、私どもといたしましては別途の機会でご指摘のよう なことへの対応について考えたいと思っておりますが、勿論、何か御指摘いただき、別 紙として付けていただきました場合は、次のステップへの材料ということで活用させて いただくことは当然でございます。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○菅野委員  先ほど質問させていただいた2006年にWHOで大改正(アップデート)が既に計画さ れていて、既に2004年までの部分についてオープンになっています。先ほどの名和田先 生の御指摘の部分がそこに含まれているかどうかは別といたしましても、WHO自体が 2006年大改正の一環として毎年のURCの会議でアップデートしておりますので、そう いったものはせっかくやるのであれば含めてもらう方がよろしいのではないか。  つまり、せっかく提要を改訂しても、2003年版まで、恐らく2年ぐらい前の改定の部 分にとどまります。2004年までのものが2005年初頭にはWHOのホームページ上に出る ことになっていて、そこまでは既にWHOがここはこう改正すると認めていますので、 せっかくアップデートするのであれば含めるべきではないか。サードエディションが、 2006年に予定されていますので、お伺いしたのだがいかがでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  今の御質問につきまして、WHOからの勧告の示され方については、WHOのホーム ページをごらんいただけると、2006年版ではなく2003年版が自由に閲覧できるような形 で示されています。したがって、今、WHOが一義的にバージョンとして勧告している ものは2003年版ということでございます。  2003年版(2年前)といいましても、現在、実際に使っている国は20か国ぐらいと聞 いておりまして、一方先進国を自任している日本は、2003年版にすらなっていないとい うのが元々の動機でございます。  先進国20か国程度が2003年版で適用していて、ほかの国はまだついてこれていない。 ICD−10を使っていてもついてこれていない。更には、190 か国のうちの80か国はま だICD−10にも到達していないという中でどうするかということでございます。  それから、WHOの出版物等も2003年版を出版をすると聞いております。WHOのネ ットワーク会議でやっている議論としては、確かにおっしゃったように、今の2003年版 をセカンドエディション、次の2006年版をサードエディションと言っているようでござ います。2006年版は議論としては進んでいるので、情報として入っているのですが、私 どもは十何年間1990年版で来て2003年版セカンドエディションに追いついていないの で、まずセカンドエディションに追いつこうという考え方で御提示させていただいてい るつもりでございます。 ○北村(惣)部会長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  アップデートに日本が遅れてしまったので、急いで作業をしなければならないという のはよくわかりますが、先ほど来議論があるように、それだけでは本質的な解決に全く ならない。今の医療のレベルを考えると向かう方向はICD−11にあるに決まってい る。  それで、WHO−FICネットワーク会議における日本の取扱いは、オブザーバーに なっています。日本の意見がどれだけ反映されるのか。昨年開催された専門委員会で検 討した14項目について出した意見は一体どう取り扱われているのか。また、これから意 見を出したときにどう扱われるのか。その辺の展望をお聞きしたい。  もう一つは、既に電子カルテに向かって標準病名集が使われています。それに今回の 改正をどう反映させるおつもりなのか。その辺のことを聞かせていただけますか。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○人口動態・保健統計課長  今、WHOのネットワーク会議の話がありました。これは毎年10月に開催されていま す。WHOのネットワーク会議というのはもともと、ICDがWHOが国際的な統計分 類として勧告し、各国に普及していくため、協力センターという名前で各国の研究所や 大学を指定しまして、現在12か国12か所の大学又は研究所が指名されていますが、これ らの協力センターが年1回、10月に会合を持って、実際の普及の進め方の相談とか、あ るいは先ほどありましたアップデートの議論とかをしておりその会議のことです。  それでは、日本はどうなっているのかというと、日本はオブザーバーという形でこの 会議にずっと参加してきております。オブザーバーというのは、ほかの国は大学、ある いは研究所ということでございますが、私どもは厚生労働省大臣官房の統計情報部で政 策担当部局側でございます。ほかのところは政策担当部局が別途ございます。  政策担当部局ということですと、WHOの加盟国レベルであり、ある意味で対等であ りますので、オブザーバーといっても実際上は協力センターの機能は当然果たしており ますし、それ以上の立場にあるということでオブザーバーとしています。むしろ、協力 センターより高い立場、役割を担っているというのが一点です。  それから、藤原委員のおっしゃっていた専門委員会というのは一昨年、このネットワ ーク会議で問題として提起された14項目について、再度各国で議論してほしいとWHO から検討を頼まれた案件がございまして、昨年、藤原先生を始めとするここにいらっし ゃる何人かの方々に専門委員会として参加いただき御検討いただいて、WHOに回答し た経緯がございます。その扱いについてのお尋ねでございます。  それにつきましては、幾つか採択された項目もございますし、未採択になった項目も ございます。明確に採択になっている項目が2つです。あとは未採択などです。もとも と非常に問題があったということで引き続き検討となったもの、あるいは取り下げにな ったものとなっております。今、細かい数字は示すことができませんが、そのような状 況になっているということです。  それから、スケジュールについては、先ほど申しましたICD−11は2010年以降とい うWHOの決定があり、ICD−10のアップデートという形で進んでいる中で、日本と してはオブザーバーと言いながらも事実上、現にICDを政令に基づき使っている国で すので、WHOの動向を見ながら必要な場面での必要な発言ということは当然ながらや っていくべきだと思っております。 ○藤原委員  ICD−11で本質的な改正をしない限り、私は、電子カルテ化の問題の本質的な解決 にならないと考えています。  従来、日本の意見がどれだけ反映されてきたかはさておいたとしても、今の我が国の 医療レベルは国際的には決して遜色ないレベルだし、しかも、先ほどの部会長のお話に もありますように、これだけ高いレベルのメンバーが集まれるのは日本しかないのでは ないか。  先日、たしか専門委員会においてオーストラリア以外では余り医者はICDのコーデ ィングをやっていないとか、DPCという臨床現場で統計分類のICDを臨床でもその まま扱うことにしたのは日本だけだろうという、たしか松田委員の御発言がありました ね。  そういったことに加え、国際的に日本が積極的に発言していく時代であるということ も考えますと、ICD−11こそ日本がリーダーシップを握って推進すべきだという気が 致します。その辺のお考えはございますか。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○人口動態・保健統計課長  先ほど私が説明で申し上げました参考資料1の5ページをごらんいただきたいと思い ます。参考資料1の5ページが、今、藤原委員の御指摘の現在の日本の状況、ICDの 使われている領域等を図でよく表しているのではないかと思います。  ICDの日本における位置づけというのは、この図の枠で囲ってありますように、統 計法に基づき、日本における国が行う疾病、傷害、死因の統計についてはこの分類で作 成するという、統計のための分類を告示しているというのが一義的なものでございま す。WHOが国際的な統計分類として勧告しており、日本がそういうものとして受け止 めているものですが、それだけで存在意義があります。  それとは別に、ここにあります電子カルテ、電子レセプト、あるいはDPCといった 方面で、現に統計分類として存在しているICD−10を活用という形でお使いになって いるというのが、現在の日本国におけるICD−10の位置づけでございます。ですか ら、今の枠組みでは、統計のための分類としてのICD−10という位置づけになってお りますので、今、おっしゃっているカルテ云々という議論は、改正の中で意見を言って いくことはできますが、この統計分類が現在置かれている状況との関係整理ということ も、今後必要になるのだろうと思います。今の段階ではカルテ云々は統計分類を、応 用、活用しているという位置づけになっているところです。 ○藤原委員  ちょっと話がかみ合っていないように思うのですが、私の問題意識は、改正すること はやむを得ないだろう、やる必要はある。しかし、この改正が臨床現場で使っている電 子カルテの標準病名集の課題にどういうように整合できるのか。恐らく、今のICD− 10を改正しているだけでは、絶対、その問題の本質は解決できないと思うのです。だか らこそICD−11が実現するのに、何年かかるかもしれないけれども、必要なことであ るし、その取り組みができるのは日本だけではないのかということなんです。  だから、今回の部会に連続して、そういった方向性を示していただきたい。これだけ のメンバーがお集まりになる会議を私は見たことがない。その辺を申し上げているんで す。 ○人口動態・保健統計課長  今のお話、同じ参考資料1の4ページをごらんいただきたいと思いますが、先ほど、 傷病名のところで申し上げましたとおり、傷病名の設定、カルテ、あるいはレセプトに 関しましては、それぞれのことを所掌している局で標準病名、あるいは傷病用マスター といった形での整備がされております。  ですから、藤原委員のおっしゃっているものは、私が的外れになっているかもしれま せんが、現に存在している。2番にございますように、臨床病名の設定といったことは ICD担当では特段やっていないわけでして、WHOの勧告に基づくICD−10の体系 と臨床病名との対応が、病名設定の際に適切に行われていれば、私どもとしては特段言 うことは何もないということでございます。  ですから、私には、おっしゃっている問題点が少しわかりにくいのですが、病名の設 定は私どもの担当範囲ではないということです。それで、現に存在している臨床病名に 対するICDのコード付けがICDのコーディングルールに基づいて適切に行えるよ う、それぞれの局等との連絡を取りながらやらせていただいているというのが私どもの 役割でございます。 ○藤原委員  今回の部会の目的が、ICD−10のアップデートの対応をきちんとするんだというこ とはよくわかりますが、私どもが前に挙げた課題というのは、そのことが臨床の現場を 大混乱させている。それに向けたものとして、先を進めていただきたいというのが願い だったのです。  これはこれで勿論、やらざるを得ないと思います。その先のことについて、もし、お 考えがあればという質問です。というか、むしろ、その先のことをやらなければ意味が ないだろうと言いたいのです。 ○北村(惣)部会長  ほかの方で、御意見ございますか。 ○勝又委員  多少、関連するかもしれないのですが、私は法医学会の方から来ています。現在、死 亡診断書の書き方を医学部で教えていますが、かなり多くのパートが法医学になってい まして、どう書くかという、死亡診断書、死体検案書の書き方を随分扱っているんです けれども、その中で結構、気になるところがあると法医学会の会員からも聞こえてきて います。  それで、ICD−10の1990年版をつくったときに、たしか死亡診断書、死体検案書の フォームが随分変わりましたね。それでも、まだいろいろと意見が来ているんですけれ ども、例えば、そういうフォームの部分的な改正とか、そういうものは今回の改正に伴 ってやり得るものなんでしょうか。今回は、まだそこまでは考えていないということで しょうか。 ○人口動態・保健統計課長  今、おっしゃった死亡診断書、あるいは死体検案書に関する勧告というのも、実はこ の日本語版で第1巻に入っておりまして、おっしゃるようにICD−9から10になる際 に、その勧告等も参考にしながら、日本の実情に照らして、様式を変更したということ がございまして、今回も若干、アップデートの項目に上がっているようでございます。  ただ、この死亡診断書云々というのは統計だけではなく、もともとが医師法との関係 もあって、私どもだけで決めたわけではございません。省全体で前回も議論していたと 思いますので、問題提起等がございましたら、勿論、出していただいた上で、その見直 しが必要があるのであれば、改めて省としてどうするかを考えるということになろうか と存じます。 ○勝又委員  わかりました。 ○北村(惣)部会長  医師が書く死体検案書、あるいは死亡診断書が人口動態の基本になっているのです。 ですから、新しいICD−10にアップデートしたときに、それが医師の検案書にうまく 反映されないと、方針が変った途端にある疾病が増えたり、あるいはある死因が急に減 ったりしたという話も聞いたことがございます。今回の2003年版へのアップデートで影 響が及ぶような項目があるんでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  死亡診断書の書き方については、直接影響を与えるものはございません。 ○北村(惣)部会長  それで新しいコーディングで統計を取っていっても、大きな統計上の均等性とか連続 性は保て得る範囲の変更であると。 ○人口動態・保健統計課長  おっしゃるように、連続性を保てるだろうと思います。  あと、先ほどのお話との関連で言えば、今回のアップデートの関連につきましては、 当然ながら省内の関係局の方に連絡、情報提供等をしますので、関係部局の方で今後、 どのようにアップデートに対応するかは各局で判断することになろうかと存じます。そ ういう意味での連絡は、私どもの仕事として当然やらせていただきます。 ○勝又委員  先ほど申し上げたのは、疾病の統計分類に当たるものとはもう少し別の、フォームの 問題辺りで議論が出ているということなので、少し対象が違うと今は理解しましたけれ ども、また別途、御相談するかもしれません。 ○北村(惣)部会長  ほかに、御意見ございませんでしょうか。  まだ多少、お時間ございますので、どうぞ。 ○藤原委員  よけいなことを申し上げるかもしれませんが、恐らく、日本がICD−11に向けた母 体となると仮定したとしても、行政とすればかなり大変な作業になると思います。  私は、この政策立案とそのとりまとめは行政がやるとしても、執行組織としての民間 活用というのは今は先進国ではどんどん行われていますので、そういう方向づけはどう か。せっかく様々な学会の方々がお集まりですから、学会を中心にしても結構ですが、 そういう民間活用ということも視野に入れながら推進されてはいかがかなと思いますの で、是非お考えいただきたい。 ○人口動態・保健統計課長  日本は、今までずっとICD−1から10までの間、WHOの勧告に対して、勿論、意 見も言ってきて、実際、受け入れてきているということでございますが、国策として政 令でやってきておりますので、ICD−10からICD−11への動きとか、WHOの動き 等を見ながら、アドバイス、御示唆いただきましたようなことも含めまして、今後の対 応については検討させていただきたいと思います。 ○北村(惣)部会長  どうぞ、北島委員。 ○北島委員  参考資料1の3番に、いわゆる当面のスケジュールとあるんですが、これはすごくラ フです。平成17年7月ごろに検討結果集約とありますが、この辺のもうちょっと詳細な タイムスケジュールがあったら、御説明をお願いしたいんです。 ○北村(惣)部会長  とりまとめまでの予定とか、あるいはどのように訂正したものをどのようにお返しし てどうするんだというようなスケジュールを説明していただきたいと思います。 ○人口動態・保健統計課長  私どもといたしましては、この部会につきましては、皆様、多方面で御活躍されて大 変お忙しい方ばかりということもございまして、第2回の会合は、この参考資料1の3 にございますように、7月ごろに、ある意味で集約のための会という形で、スケジュー ル等、既にお聞きしておりますが、もう一度お集まりいただこうと考えております。  今回、資料を御説明し、また、お渡しさせていただきましたが、先ほどのように各学 会等とも御相談いただきながら意見をとりまとめいただいて、事務方と委員との関係に なりますけれども、後でまた御説明させていただきたいと思うんですが、5月10日まで に、先ほど私どもの方からお願いした担当分野、これにつきましては、御了解いただい たものと思っておりますが、それから、1巻〜3巻の全般につきまして、意見を、私ど も事務局あてに御提出いただくということを考えております。  そして、その御提出いただいた意見の中で、同じ項目について異なる御意見をお出し になっている場合がございました場合には、部会長、それから、私ども事務局で御相談 させていただきまして、また、ここに御参集の委員の皆様方に助言、あるいは御協力を いただきまして、改めて、検討案を御確認いただき、最終的には、もう一度そういうプ ロセスが必要かもしれませんが、それをやった上で、最終的には7月の部会の前には検 討案について、委員の皆様の御意見を調整した上での案をとりまとめ、7月の部会で御 承認いただくような形を取りたいと考えているところでございます。 ○北島委員  もう一点、担当委員が2名のところはお互いのすり合わせはしなくて、そのまま出し ていいということですか。 ○人口動態・保健統計課長  その辺りは、それぞれでお出しいただくことでも結構ですし、御相談いただくことで も結構でございます。  必要な場合には、もう一人の委員の方にも連絡を取ってくれということがございます れば、私どもの方からそういう形でさせていただきますし、その辺りは皆様方のやりや すい形でやっていただければと思っております。 ○北村(惣)部会長  それは赤字で訂正してほしいとか、あるいはインターネットから引いてクロスアウト した赤字で書いてほしいとか、何でもいいんですね。  総論のところだけできたら総論だけを送る、あるいは10ページずつ送ってやるとか、 ある程度、約束を決めておいてもらわないと、これだけの人がやりますと、みんな好き なようにしますから、はっきり言ってばらばらになります。  医者の組織をまとめるのは結構難しくて、忘れるから、今日は10ページ見た、10ペー ジファクス送れと。次は11ページからまた送る。事務局はそれで対応できるのかという ことです。総論はまとめて送ってくれとか、何かはっきりしておいてもらった方が、お 医者さんはみんな忙しいので専念できません。片手間でやる人が結構多いと思います。 そうすると、ためておいてももたなくなるから、できたところから送ろうかという人も あろうかと思うのです。  いつ各委員に資料が送られてくるのですか。今日、これを持って帰るのですか。 ○人口動態・保健統計課長  失礼いたしました。この資料は勿論、お持ち帰りいただいても構いませんが、実は量 が多うございますので、このまま机に置いていただければ私どもの方から皆様方に郵送 させていただこうと思っております。 ○北村(惣)部会長  分担のところを分けて送ってくださるわけですね。 ○人口動態・保健統計課長  御検討いただく資料としては、これですべてでございます。英語の部分も入っていま すし、検討案も入っております。それから、もとの原文もここにあります。  あと、資料3という二百何ページのものは量が多うございますので、それは別途お送 りいたしますが、基本的には資料は、適用案の資料1と2と3であり、これが直接的な 御検討の材料になります。当然、そのためには前後関係等を英語、あるいは日本語で見 る必要もありますので、この資料も検討のためにお持ちいただくということになりま す。  それから、更に、この勧告が、今の90年版からの変更事項になっておりますので、そ の検討経緯等につきましては、ウェブになかなか載っていない部分もございます。載っ ているものもありますが、別途、ICD室の方に照会いただきながら資料提供させてい ただこうと思っております。ウェブに載っている部分については、別途、御紹介させて いただこうと思います。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○飯島委員  病名に関して、私は皮膚科でございますけれども、一番難しい科で、多分、皆様方、 学生時代に悩まれたと思います。  例えば、この参考資料3−1の6ページを見ていただくと、「B07 ウイルス(性) いぼ<疣><疣贅>」というのは、原本で言いますと「Viral warts 」です。通常は 「Common warts」、尋常性疣贅という言い方をするのです。わざわざ「いぼ」という平 仮名でやっているのは当用漢字の関係で、わざわざ疣とやっているのです。学会の会員 の方から、学生時代は尋常性疣贅と習った。このICD−10では「Viral warts 」です から、ウイルス性疣贅でいいと思いますけれども、「いぼ」というのは日常診療では全 然使わない言葉です。  なぜ、こういう言葉をお使いになられているのか。こういうところの改定まで目を通 すと相当時間がかかると思うのですが、質問の1としては、今回、それもやってよろし いのでしょうか。  このような事例が学会に非常に不満が強くて、こんないいかげんなものをだれがやっ たのだと。今度、私がやらされるはめになったのでえらいことになったと思っているの ですが、こういうものは、気が付いたところは直してもよろしいのかというのが疑問点 の1です。  それは、気が付いたら直してもよろしいのですか。 ○人口動態・保健統計課長  御提案いただきたいと思います。 ○飯島委員  といいますのは、これは感染症と新生物と絡みますから、私どもの領域は全部に目を 通さないと見きれないだろう。もしやるというのであれば、多少無理してやれなくはな いですけれども、そういうところが1点。  それから、現在、重症型の薬疹、スティーブン・ジョンソンとかTENとかというの がありまして、これは多分、L51.1とかL51.2で分類されるのですが、実は、副作用被 害判定部会では日本から発信した副作用名で、drug-induced hypersensitivity syndrome、薬剤誘発性過敏症症候群という、多分、致死率が10%ぐらいの重症型薬疹 があって、学会としてはだんだん認知されているのですが、多分、2003年版では間に合 っていないと思います。そういうものをこっちから発信してもいいのかどうか、御提案 させていただいてもいいのかどうかというのが質問です。質問は、以上2点です。 ○北村(惣)部会長  基本分類表そのものの変更は、今回は、対象には入っていないんです。 ○飯島委員  先ほど藤原先生の方から日本から発信してはどうかという発言がありました。発信し ていると思っているのですが、まだこっちには届いていないです。そういうものはしよ うがないから、今回は見送りですか。 ○人口動態・保健統計課長  今回は、おっしゃる意味では見送りと言っては申し訳ありませんけれども、少なくと も今回の作業では直接対象にはしない。ただし、その手の話は私どもの材料という形で の仕分けになろうかと存じます。  ただ、今の2つのお話の中で、B07のお話というのは、ある分類の中での日本語の名 称が不適切という意味合いでございますね。 ○飯島委員  不適切です。かなりあります。 ○人口動態・保健統計課長  ただ、一部だけ直してしまって、全体的に直せないと困る面もありますし。私どもと しては、できれば変更したいとは思いますが。 ○飯島委員  見なくてもいいと。そう言われてみると、気は楽です。変更点だけでよろしいと。 ○人口動態・保健統計課長  はい。正直言いまして、7月という目安は、遅れている中での適用ということも意識 しておりまして、ある程度のところでとにかくアップデートされている部分を改定した いと考えております。 ○飯島委員  その改定はICD−11を待って対応すればいいということですね。 ○人口動態・保健統計課長  今、おっしゃったものの中身はわかりませんが、この辺りについては、今回、追加す るものの対象にはなっていないと。また次のステップということで御理解をいただきた いと思います。 ○飯島委員  わかりました。 ○北村(惣)部会長  部会長が言うのもおかしいのかもしれませんが、そういう意見が大変この部会で多い です。ですから、せっかくこういう代表の人が見ていくときに気づかれるポイントをメ ールで集めていただくことはできないのですか。今回見て気づかれたポイントは、今回 の改正には入っていない。それはみんな了解されているわけです。皆さん、やらざるを 得ないと、お国のためにやろうという方ばかり集まっておられるので。しかしながら、 これだけ見るといろんな問題点に気づいている。今のような基本分類表にも問題がある というようなことは、事務局でホームページかメール先か何かを開いておけばいいの で、その専用のところに全部の方々の問題点を集めておけば、今年、日本で開くネット ワーク会議のときの参考になるかもしれないし、2006年のアップデート、それから、 2010年以降のリビジョンの場合でも役に立つかもしれないのではないですか。そうであ れば、一つ、そういう意見を集約する、いわゆる委員からのパブリックオピニオンのよ うな形で入れていただいたらどうでしょうか。それはできるでしょう。 ○人口動態・保健統計課長  今、部会長に整理していただいたように、まず、今回、2003年版の適用に関してはき ちっと御意見をお寄せいただく。  それから、それ以外に、いろいろ現段階での問題がございましたら、それは別途のも のとして仕分けしてお寄せいただく。 ○北村(惣)部会長  だから、パブリックオピニオンの募集をよくやるのと同じように、手紙とかファクス は別に管理してもらって、インターネットの特定のアドレスにメールで送っていただく という形で整理しておけばいいのではないか。 ○人口動態・保健統計課長  メールか、あるいは郵送かは別としても。 ○北村(惣)部会長  そうしたら、また事務局が入力しなければいけないでしょう。 ○人口動態・保健統計課長  それは私どもの管理ですから、それは構いません。 ○北村(惣)部会長  そうすれば、名和田先生の御意見とかも寄せられる。 ○人口動態・保健統計課長  2003年版の今回の勧告に関する日本に適用するためのものは、急がなければいけませ んので、それはそれとしてきちんとお願いしたいと思います。  もう一つは、今、いろいろお気づきの点等があればお寄せいただき、その扱いについ てはまた私どもの方で、次の段階のためということで、扱いも含めて参考にさせていた だきます。 ○北村(惣)部会長  現在は参考でいいのです。役に立つかどうかもわからないけれども、2003年版に期待 されている方もおられるし、私も医者ですから、DPCにも、あるいは標準疾病分類に も使えるようなものにならないかと、皆さん同様、漠然と思っているわけです。  どこが問題なのかは寄せられて統計情報部としては対応し切れぬ部分があることも理 解いたしますが、どういう意見があるのかというのをオピニオンとして入れておけば次 の部会とか、あるいはWHOの委員会とかで、例えば、アルドステロンの疾患でも、こ んな分類はもう時代遅れになっているというようなことを事務局の皆さんが把握されて いれば役に立つから、それを各域のリーダーの先生方にやっていただくのにはいいよう に思います。パブリックオピニオン的意見を入れるところを開設していただくことを、 できればやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。 ○人口動態・保健統計課長  また形式的な議論をして申し訳ないんですが、まず、統計分科会からこの部会の設置 についての一義的な意義は、2003年版に関する日本への適用ということでございます。  ですから、各委員の方々に必ず出していただくということではなく、もし、この勧告 と併せてお気づかれた点があって、ご意見をお寄せいただくのであればという形にさせ ていただき、次の段階のときの材料、今後のステップのための資料という形でお寄せい ただくということであれば、私どもの方でまとめさせていただこうと思います。 ○北村(惣)部会長  それはやっていただけるのか。 ○人口動態・保健統計課長  はい。オブリゲーションという形では無理ですが。 ○北村(惣)部会長  それは出さない人もたくさんいますし、私もきっと出さないと思うけれども、どうし ても、これはおかしい、せっかく作業するのに、こんなことに気づいているのに、本省 は知りもしないのではないかというのはやはり不満として医学会側からは出ると思うの で、そこはどういうものがあるのかを皆さんも集められて、次に役に立つのであれば資 料としてお使いいただいて、よりよいものを目指したい、目指して欲しいというのが皆 さんの、私も含めての意見であろうかと思いますので、それに対応していただければ。 ○人口動態・保健統計課長  お出しいただけるようであれば、受け取らせて頂きます。オブリゲーションには当然 できないということだ思っております。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○大江委員  資料1と資料2と、あと、後ほどお送りいただく資料3の全体ですが、紙でお送りい ただくと同時に、何か電子ファイルの形で、CD−ROMか何かで送っていただくこと は可能なのでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  送付資料に関しましては、どのような形でお送りするかはまだ決めておりませんけれ ども、紙だけではなくて、テクノロジーに即した方法で送らせていただきたいと考えて おります。 ○人口動態・保健統計課長  それから、先ほど部会長から提出する様式等についてどうするかという話がございま した。今、私どもの方でこのような形式でと御提案できるものがございませんので、資 料等をお送りする際に、このような様式ということで私どものからお願いできる形で、 併せて御連絡させていただこうと思います。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○石名田委員  先ほど来のお話を聞いていると、このアップデートにしっかり対応していればバージ ョンを変えるときに日本が発言権を持てるという形でWHOに出ていっていただけると いうふうに理解してよろしゅうございますか。  そういうふうに、是非ひとつ、上の審議会に上げていただいて、バージョンアップの ときにはアップデートにしっかり対応したのだから我々の言うことも聞いてもらいたい というふうな形でWHOに強く出ていってほしいというお願いがございます。  もう一つでございますけれども、資料5の第XIX章、S及びTの分類においては骨折 部門が非常に多いものでございますので、私、ここに名前が出なくていいんですけれど も、下請として一部参加させていただきたいと思います。  骨折が非常に多いので、整形外科としても日本骨折治療学会等骨折をやっている先生 方もたくさんいらっしゃるので、その先生方からも御希望がたくさんございます。私の 名前をここに入れていただくということでもいいんですが、サブディビジョンとして参 加させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○人口動態・保健統計課長  是非、先生のお名前を入れさせていただきます。ありがとうございます。よろしくお 願いいたします。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○落合委員  やはり資料5の分担の件なんですが、私、産婦人科から参っておりますが、第XIV 章、尿の生殖系は男性、女性がありまして、N70〜98が女性、産婦人科領域の婦人科領 域のものがここに入っております。  それで、第XV章が産科領域なので、黒川先生に御許可がいただければ、N70〜98に 関しては私どもの方でやった方が整合が取れるのではないかと思いますので、御検討い ただけたらありがたいと思います。 ○人口動態・保健統計課長  よろしくお願いいたします。本日、御欠席でございますけれども、私どもの方で黒川 先生に御連絡させていただきますので、先生、是非、よろしくお願いいたします。 ○北村(惣)部会長  どうぞ。 ○藤原委員  新生物に関してですが、北島委員と私、やらせていただくのは勿論結構なんですが、 ほかの分野のところでも新生物があると思いますので、それぞれの分野の方からも御意 見をいただいたらいかがなものでしょうか。  ここに御参加いただいた全委員の専門分野の中から、新生物関係、当然、カテゴリー の中にどこかに分類があるはずですから、そちらからも、何か御意見があればいただく ということではいかがでしょうか。是非、そうしていただいた方がありがたい。 ○北村(惣)部会長  骨腫瘍も非常に多いですからね。 ○藤原委員  そうですね。それぞれの分野でも挙げていただきたい。新生物が北島委員と私と2人 というのでは大変ですから。 ○嘉山委員  先ほど事務局の方がおっしゃったように、大体、この担当を分けるのは無理なので す。病を人間がつくったカテゴリーに分けるのは大体無理なのですから。したがって、 例えば、私の担当は第VI章と第XVIII章ですけれども、それ以外に、例えば、新生物と か循環器に関係しておりますので、自分が所属している学会が責任を持っている領域 は、この担当以外でも見て意見を言ってくれということが事務局からございましたの で、それでやればいいのではないかと思うのです。  学会として代表で来ていますから、帰ったときに責任を果たせると思うのです。 ○北村(惣)部会長  先生方が委員として、代表としてやっていただくという形でそれぞれの属しておられ る学会を挙げてやっていただけたら、それにこしたことはない。各学会から、この翻訳 は何たることか、こんなものでどうなのかという苦情等々がないように完全にしたいと いうお気持ちであろうと思います。この割当て自身に余りこだわる必要はないのではな いかと思います。勿論、嘉山委員のおられる学会の、例えば医学用語委員会、あるいは コーディング委員会というようなものを活用していただくということは一向に構わない だろうと思いますが、それでよろしいですか。 ○人口動態・保健統計課長  はい。 ○北村(惣)部会長  予定しております時間にもう少しございますけれども、ほかにございませんでしょう か。 ○菅野委員  前回、こういう本が出たときに、本のままで非常に索引しにくいと。それで、CD− ROM版が最近出ましたけれども、今回の改定については遅れることなく、CD−RO M版も同時に予算として、是非確保していただきたいと。 ○人口動態・保健統計課長  どうなるかはわかりませんが、検討させていただきたいと思います。 ○北村(惣)部会長  ほかにございませんでしょうか。  スケジュールの方も、あと、事務局としてお付け加えになることはございませんね。 それでよろしゅうございますか。  あと、この7月の予定表のことがまだありませんので、そちらの方を御説明いただけ ますか。 ○人口動態・保健統計課長  先ほどから申し上げておりますとおり、この第2回の部会につきましては7月を予定 しておりまして、今、皆様方から御都合をお聞きしております。皆様方の御都合を見さ せていただきまして、実際に開催する日程については改めて御連絡させていただきます ので、よろしくお願いいたします。 ○北村(惣)部会長  それでは、第1回の部会としては、各学会の代表の先生方にお願いして、2003年版の 対応、アップデートをするという御了解をいただいたものと判断させていただきまし て、その実際的作業に入れるように事務局の方から各学会に向けて通達していただくよ うにいたします。  大変、先生方お忙しいと思いますが、何遍も繰り返すようですが、お国のためと思っ て犠牲的精神を持ってやっていただきたい。ただ面倒くさいだけというのではやはり申 し訳ありませんし、皆さんが考えておられる時代遅れの部分などは、厚生労働省にもち ゃんと把握していただきたいと思います。それなりの意見をまとめて、将来の材料にし ていただくことができれば何よりだと思います。  忙しい中、大変ありがとうございました。それでは、終わらせていただきたいと思い ますが、最後に何かありますか。  7月の予定表はどうするんですか。 ○人口動態・保健統計課長  これは御記入いただいて、机の上に置いていただければ結構でございます。 ○北村(惣)部会長  今、書いておくわけですか。 ○人口動態・保健統計課長  おわかりでしたら、できれば、今、お書きいただいて、机の上に置いていただければ ありがたいのでございますが。 ○北村(惣)部会長  今、お書きになれる方は書いていただく。お書きになれない方はファクスなりしてい ただくという形で、次回の会の予定を取りたいということでございますので、よろしく お願いいたします。 ○人口動態・保健統計課長  おわかりになる場合には置いていただいて、そうでない場合にはまた改めてスケジュ ールの方を御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。  それから、資料の方は先ほど申し上げましたとおり、置いていただければ私どもの方 で送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○北村(惣)部会長  だれも持っていかないと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、第1回目、大変前向きの御意見をたくさん賜りまして、ありがとうござい ました。ICD−10の利用が、統計分類だけでなくて広がっていくところに何とか使い たいというのは医療側の意見であろうと思います。統計情報部がICDでは一番重要な お仕事をなさっている部局ではありますけれども、そういうことの展開があるというこ とを踏まえて、医師側からの意見を酌んでいただければありがたいと思いますので、ど うぞよろしくお願いします。  どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態保健統計課     疾病傷害死因分類調査室(03-5253-1111内線7493)