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障害者自立支援給付法(仮称)について

障害者自立支援給付法(仮称)

(障害種別に関わりのない共通の給付等に関する以下の事項について規定)

 
第一 総則
  ○  目的、責務、用語の定義等

第二 自立支援給付
  ○  自立支援給付の支給決定の手続き及び支給等

第三 地域生活支援事業
  ○  市町村及び都道府県の実施する地域生活支援事業

第四 事業及び施設
  ○  事業の開始及び施設の設置等

第五 障害福祉計画
  ○  障害福祉計画の策定等

第六 費用負担
  ○  介護給付等の費用に関する市町村、都道府県及び国の負担

第七 その他
身体障害者福祉法

身体障害者の定義
身体障害者更生相談所
福祉の措置

知的障害者福祉法


知的障害者更生相談所
福祉の措置

精神保健福祉法

精神障害者の定義
精神保健福祉センター
措置入院等

児童福祉法

児童の定義
児童相談所
福祉の措置




「障害者自立支援給付法(仮称)」の骨格案について

(注) 現在、法案については、政府部内で調整中であり、今後、大きな変更があり得る。

第一 総則

  目的、責務、用語の定義等を規定

法の目的

 ○ この法律は、障害者及び障害児が、その有する能力を活用し、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付等を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図ることを目的とすること。

市町村等の責務

 ○ 市町村は、障害者が自ら選択した場所に居住し、又は障害者及び障害児がその有する能力を活用し、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害者等の生活実態を踏まえて、関係機関との緊密な連携を図りつつ、必要な自立支援給付及び地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行う等の責務を有すること。
 ○ 都道府県は、市町村に対する必要な助言、情報提供その他の援助、障害者等に関する相談等のうち専門的な知識及び技術を必要とするものを行う等の責務を有すること。
 ○ 国は、市町村及び都道府県に対する必要な助言、情報提供その他の援助を講じる責務を有すること。


第二 自立支援給付

  自立支援給付の支給決定の手続き及び支給等を規定

自立支援給付

 ○ 自立支援給付は、介護給付、訓練等給付、サービス利用計画作成費の支給、自立支援医療費の支給、補装具費の支給等とすること。
 ○ 介護給付は、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、療養支援、生活支援、児童デイサービス、短期入所、重度障害者等包括支援、共同生活介護、施設入所支援といった障害福祉サービスに要する費用の給付をいうこと。
 ○ 訓練等給付は、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助といった障害福祉サービスに要する費用の給付をいうこと。

全体の給付体系については、9ページ参照

介護給付等(介護給付、訓練等給付など)の支給決定の手続き

 ○ 介護給付等を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、申請を行い、市町村の支給決定(支給期間、サービスの種類ごとの量)を受けること。
 ○ 市町村は、申請があったときは、その職員に、面接をさせ、その心身の状況、その置かれている環境その他の事項について調査をさせること。(この業務については、指定相談支援事業者等に委託できること。)
 ○ 市町村は、障害者給付審査会の障害程度区分に関する審査及び判定の結果等を踏まえ、障害程度区分の認定を行うこと。
 ○ 市町村は、障害程度区分、障害者等のサービス利用の意向、当該障害者等の介護を行う者の状況その他の事項を勘案して、支給決定を行うこと。この支給決定に際し、市町村は、必要に応じて、障害者給付審査会に意見を聴くことができること。この場合、障害者給付審査会は、必要に応じて、支給決定に係る障害者等、家族などの関係者の意見を聴くことができること。
 ○ 支給決定を受けた障害者等は支給決定の変更の申請をすることができること。
 ○ 都道府県は、市町村が行う支給決定等の業務に関して、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、児童相談所等による必要な援助を行うこと。
 ○ 市町村の委託を受けて審査判定業務を行う都道府県については、都道府県障害者給付審査会を置くこと。
 ○ その他介護給付等の支給決定の手続き等について必要な事項を定めること。

大まかな手続きの流れについては、14ページ参照

介護給付等(介護給付、訓練等給付等)の支給

 ○ 市町村は、支給決定を受けた障害者等が、障害福祉サービスを受けたときは、その費用について、介護給付等を支給すること。(実務的には、市町村が事業者に直接支払う。)
 ○ 市町村は、支払に関する事務を、国民健康保険団体連合会に委託することができること。
 ○ 介護給付等の額は、障害福祉サービスの種類ごとに通常要する費用につき厚生労働大臣が定める基準により算定した額の百分の九十に相当する額とすること。
 ○ 自己負担する額について、所得に応じた一定の月額上限額を定めること。
 ○ 市町村は、支給決定を受けた障害者等が、都道府県が指定した事業者以外の者が提供する障害福祉サービス(基準該当障害福祉サービス)を受けた場合であって、必要があると認めるときは、特例介護給付等を支給することができること。
 ○ 自己負担する額等については、激変緩和のために必要な経過措置を定めること。

支給決定を受けた障害福祉サービスの自己負担については、15ページ参照

指定障害福祉サービス事業者の指定等

 ○ 指定障害福祉サービス事業者等の指定は、障害福祉サービス事業等を行う者の申請により、都道府県知事が行うこと。
 ○ 指定の更新、指定障害福祉サービスの事業の基準、監督、指定の取消し等について定めること。

自立支援医療費等の支給認定、支給

 ○ 自立支援医療(旧更生医療、旧育成医療及び旧精神通院公費)を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、申請を行い、医療の種類ごとに市町村又は都道府県の認定を受けること。
 ○ 市町村又は都道府県は、心身の状態、所得等を勘案して、支給認定を行うものとすること。
 ○ 支給認定を受けた障害者等は支給認定の変更の申請をすることができること。
 ○ 市町村又は都道府県は、自立支援医療を受けるために必要な費用について、その百分の九十に相当する額を自立支援医療費として支給すること。
 ○ 自己負担する額について、所得に応じた一定の上限額を定めること。
 ○ 自己負担する額等については、激変緩和のために必要な経過措置を定めること。
 ○ その他医療に係る療養支援を受けた者に対する療養支援医療費等の支給等について定めること。

自立支援医療費(公費負担医療)の自己負担については、30ページ参照

指定自立支援医療機関の指定

 ○ 都道府県知事は、病院、診療所、薬局について、その開設者の申請により、指定自立支援医療機関を指定すること。
 ○ その他監督、指定の取消し等について必要な事項を定めること。

補装具費の支給等

 ○ 市町村は、障害者又は障害児の保護者の申請により、心身の状況からみて補装具が必要な者であるとして市町村が認めた場合(一定以上の所得の者を除く)には、補装具の購入又は修理に要した費用について、補装具費を支給すること。
 ○ 補装具費の額は、通常要する費用として厚生労働大臣が定める額の百分の九十に相当する額とすることその他補装具費の支給等について必要な事項を定めること。


第三 地域生活支援事業

  市町村及び都道府県の実施する地域生活支援事業について規定

市町村の地域生活支援事業の実施

 ○ 市町村の地域生活支援事業として、次に掲げる事業を定めること。
(1) 障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等からの相談に応じ、必要な情報の提供その他の便宜を供与するとともに、障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業
(2) 障害者等の移動を支援する事業
(3) 手話通訳等を行う者の派遣その他の便宜を供与する事業
(4) 地域活動支援センターその他の施設に通わせ、創作的活動、生産活動、社会との交流の促進その他の便宜を供与する事業
(5) 日常生活用具を給付し又は貸与する事業
(6) 現に住居を求めている障害者等につき、福祉ホーム等の居室等を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する事業
など

都道府県の地域生活支援事業の実施

 ○ 都道府県の地域生活支援事業として、次に掲げる事業を定めること。
(1) 障害福祉サービス又は相談支援の質の向上のために、従事者やその指導者を育成する事業
(2) 緊急時における障害者等への対応その他の広域的に対応する必要のある事業
(3) 市町村の地域生活支援事業を行うことが困難な場合に、それを補完するため、広域的な対応が特に必要なものを市町村と連携を図りつつ行う事業
など


第四 事業及び施設

  事業の開始及び施設の設置等に関する事項を規定

事業の開始及び施設の設置等

 ○ 事業の開始、施設の設置、施設の基準、監督等について必要な事項を定めること。


第五 障害福祉計画

  障害福祉計画の策定等に関する事項を規定

国の基本指針

 ○ 厚生労働大臣は、障害福祉サービス及び地域生活支援事業を提供する体制を整備し、自立支援給付等の円滑な実施を確保するために以下のような事項を定める基本的な指針を定めること。
(1) 障害福祉サービス等を提供する体制の確保に関する基本的な事項
(2) 市町村障害福祉計画及び都道府県障害福祉計画の作成に関する事項
(3) その他必要な事項

市町村障害福祉計画

 ○ 市町村は、基本指針に即して、障害福祉サービス及び地域生活支援事業を提供する体制の確保に関する以下の事項を定めた市町村障害福祉計画を定めること。
(1) 障害福祉サービス等の量の見込み
(2) 障害福祉サービス等の見込み量の確保のための方策
(3) 地域生活支援事業の実施体制
(4) その他必要な事項
 ○ その他市町村障害福祉計画を定めるために必要な事項を定めること。

都道府県障害福祉計画

 ○ 都道府県は、基本指針に即して、市町村障害福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、障害福祉サービス及び地域生活支援事業を提供する体制の確保に関する以下の事項を定めた都道府県障害福祉計画を定めること。
(1) 都道府県が定める区域ごとの障害福祉サービス等の量の見込み
(2) 障害福祉サービス等の見込み量の確保のための方策
(3) 障害福祉サービス等に従事する者の確保又は資質の向上のために講ずる措置に関する事項
(4) 障害者支援施設の入所定員総数
(5) 地域生活支援事業の実施体制
(6) その他必要な事項
 ○ その他都道府県障害福祉計画を定めるために必要な事項を定めること。

障害福祉計画に関しては、36ページ参照


第六 費用負担

  介護給付等の費用に関する市町村、都道府県及び国の負担について規定

市町村の支弁

 ○ 介護給付等に要する費用、市町村が行う自立支援医療費の支給に要する費用、補装具費の支給に要する費用、市町村の地域生活支援事業に要する費用等について、市町村が支弁すること。

都道府県の支弁

 ○ 都道府県が行う自立支援医療費の支給に要する費用及び都道府県の地域生活支援事業に要する費用について、都道府県が支弁すること。

都道府県の負担等

 ○ 都道府県は、市町村の支弁する自立支援給付に要する費用について、百分の二十五を負担すること。
 ○ 市町村の地域生活支援事業に要する費用に対する都道府県の補助に関すること。

国の負担等

 ○ 国は、市町村等の支弁する自立支援給付に要する費用について、百分の五十を負担すること。
 ○ 市町村及び都道府県の地域生活支援事業に要する費用に対する国の補助に関すること。

介護給付等の費用の支弁の仕方については、37ページ参照


第七 その他

  その他必要な事項について規定

審査請求

 ○ 介護給付等に関する処分に不服がある障害者又は障害児の保護者は、都道府県に置く不服審査会に審査請求をすることができること。
 ○ その他必要な事項を定めること。

その他

 ○ 市町村の調査権限、大都市特例、罰則その他必要な事項を定めること。


施行期日

 
 ○ 自立支援医療(公費負担医療)の利用者負担の見直し等に関する事項・・・平成17年10月
 ○ 障害福祉サービスの利用者負担並びに在宅サービスに係る費用の国及び都道府県の義務的負担化に関する事項・・・平成18年1月
 ○ 新たな事業・施設体系への移行、地域生活支援事業の実施等に関する事項、児童施設に関する事項(契約制、利用者負担)・・・平成18年10月

制度改正スケジュールについては、38ページ参照


精神保健福祉法等の関係法律の改正等

 
 ○ 「精神分裂病」の「統合失調症」への名称変更、任意入院患者に関する病状報告、改善命令に従わない精神病院に関する公表制度等について精神保健福祉法を改正すること。
 ○ 現在都道府県の措置により利用されている児童施設について、都道府県の支給決定に基づく契約による利用、定率負担の導入等を行うこと。
 ○ その他障害者福祉各法をはじめとする関係法律の改正を行うこと。
 ○ 必要な経過措置を設けること。



総合的な自立支援システムの構築

総合的な自立支援システムの構築の図



(居住支援サービスの再編)

(居住支援サービスの再編)の図



(居住サポート事業のイメージ)

家主・障害者とも安心して入居できる環境→地域生活の場(住まい)の確保
障害者の地域生活の支援→施設から在宅への流れの促進
地域生活支援事業の基本事業と位置づけ、障害保健福祉圏域ごとの相談支援事業者が実施。

図
参考:国土交通省等の検討状況)
(1)  住宅政策改革要綱(平成16年12月6日)
高齢者居住支援センターによる家賃債務保証の対象に障害者を加える。
(2)  社会資本整備審議会住宅宅地分科会中間とりまとめ(平成16年12月6日)
 「公営住宅については、従来から障害者世帯への提供を推進するととも、障害者が共同生活を営むグループホームへの活用を図ってきたところである。今後、更にこれらの推進を図るともに、これまで認められてこなかった知的・精神障害者の単身入居についても、地域の居住支援サービスの充実など、地域福祉における支援体制の枠組みづくりと併せて検討を進めることが必要である。」



(移動支援サービスの見直し)

〈見直しの視点〉

 移動支援については、突発的なニーズへの対応や複数の者の移動の同時支援など柔軟性のある支援を行うため、「地域生活支援事業」としてサービスを提供する。

 ただし、移動支援と介護を一体的に提供する必要がある一定程度以上の重度障害者については、個別給付でサービスを提供するものとする。(一定時間継続した利用を想定した単価を設定)

なお、見直し後の下記類型と別に設けるALS等極めて重度の身体障害者、強度行動障害のある極めて重度の知的障害者、極めて重度の精神障害者に複数のサービスを包括的に提供する「重度障害者包括サービス」には、移動支援を含むものとする。

 以下の障害者を対象に、
個別給付によりサービス
を実施


身体障害者
(視覚、全身性)

知的障害者

障害児

精神障害者については、
サービスを未実施。
図



(極めて重度の障害者に対するサービスの確保)

<基本的な考え方>
一定の要件を満たす者が、自立支援計画に基づき、複数のサービスを適切に確保する仕組み(必要なサービス提供事業者の確保・調整等を利用者が行わなくとも事業者によって行われる仕組み)。
緊急のニーズに際して、その都度、支給決定を経ることなく臨機応変に対応が可能となる。
サービスの種類等にかかわらず、一定額の報酬を支払う仕組みとし、各種サービスの単価の設定や利用サービスの種類や量を自由に設定できる仕組みとする。
<対象者のイメージ>
 身体 ALS等の極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者
 知的 強度行動障害のある極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者
 精神 極めて重度の障害者であって専門機関が判定した者

図



介護給付・訓練等給付の利用手続き

介護給付・訓練等給付の利用手続きの図
(*)  より専門的な判断を要する場合には、更生相談所等に意見照会



障害福祉サービス(個別給付)に係る
利用者負担の見直しの必要性


サービス提供未実施市町村が多く、新規の利用者が急速に増えることが見込まれる
既存の利用者と新規の利用者の公平
当面、新たにサービスを利用し始める者の増加によるサービス量や、支援の必要度に応じたサービス量を確保することが必要。
必要なサービスを確保するため、制度の効率化・透明化等を進めるとともに、その費用を皆で負担し支え合うことが不可欠。
<利用者負担>
在宅と施設のバランスのとれた負担
サービスの利用量に応じた負担
<国・都道府県の負担>
制度的課題の解決を前提に、国及び都道府県の財政責任を強化する。



現行の費用徴収の仕組み(負担の不均衡)

平成15年度実績 支援費 児童入所施設
(親等)
ホームヘルプ 入所・通所施設
生活保護 0円 0円

53,000円




身体障害者
療護施設
96,000円





実収入に応じて
0円
市町村民税非課税 0円 2,200円
市町村民税課税
(均等割課税)
1,100円上限
(50円/30分)
4,500円
市町村民税課税
(所得割課税)
1,600円上限
(100円/30分)
6,600円
所得税課税 2,200円上限
(150円/30分)
〜費用全額
9,000円〜費用全額
実質的な負担率 約1% 約10%(入所)
約1%(通所)
約5%
費用負担をしている者の比率 約5%
(本人)
約90%(入所・本人)
約5%(通所・本人)
約70%

※1  入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所  施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。

※2  精神障害者社会復帰施設は、負担の仕組みが異なり、食費、施設利用料等の実費については全額自己  負担であり、直接サービスに係る負担はない。



支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)

支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)のグラフ

 その他生活費は、被服・履物、家具・家事用品、保健医療、交通・通信、教育、教育娯楽費、その他支出である



障害福祉サービスに係る利用者負担の見直しの考え方
ー実費負担+サービス量と所得に着目した負担ー


(居宅、通所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約1%)
実費負担+サービス量と所得に着目した負担
(入所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約10%)
実費負担+サービス量と所得に着目した負担

負担能力の乏しい者については、経過措置も含め負担軽減措置を講ずる。

図
この他、医療費・日用品費は自己負担
精神関係の施設は、平成18年10月以降に、
新施設・事業体系に移行したものから対象となる。
それまでは、現行と同じ仕組み。



負担軽減する者の範囲(負担能力等の区分)

他制度との均衡を確保しつつ、普遍的な仕組みとする

生活保護 生活保護世帯に属する者

低所得1 市町村民税非課税世帯であって世帯主及び世帯員のいずれも各所得がゼロであり、かつ、世帯主及び世帯員のいずれも収入が80万円(障害基礎年金2級相当)以下である世帯に属する者
 グループホームで単身で生活する基礎年金2級のみの者

低所得2 世帯主及び世帯員の全員が市町村民税の均等割非課税である世帯に属する者
 税制上の障害者控除や障害年金が非課税所得であること等から、通常の市町村民税非課税世帯よりは実収入水準は高くなる。障害者を含む3人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合、概ね300万円以下の収入に相当。

 ※  医療保険、介護保険等の他制度においては、障害のある者もない者も世帯の一員である場合には、経済的な面においては他の世帯構成員と互いに支え合う一体的な生活実態にあるという前提で、負担能力の有無を認定する際に、個人単位ではなく、「生計を一にする者」の全体の経済力を勘案しており、例えば健康保険においては、家族に保険料を求めない被扶養者制度等が設けられている。

 ※  「生計を一にする者」の範囲については、法律事項ではないことから、法の施行時までに具体的に検討。



食費等の実費負担の見直しの考え方

生活に係る実費については自己負担とすることを原則
 (1)  障害があってもなくても生活をしていく上で負担する費用である。
 (2)  施設を利用をする場合でも、利用しない場合でも等しく負担することが公平である。
利用者負担の軽減の取り組み
食事提供等のコスト低減の促進

 食費等の実費について、施設ごとに額を設定し、利用者と契約する仕組みとする。

 施設が利用者に求めることができる費用の範囲を明確化。(利用者保護)

 入所施設、通所施設における食事提供の規制緩和等を進めコストの低下を促す。

 障害の状況から特に栄養管理等が必要な入所施設 利用者については、平成18年度の新施設・事業体系の報酬設定(10月予定)の際に別途評価方法を検討。
施設利用の低所得者への措置

 通所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低 所得2)について、概ね3年間、食費の人件費相当分を支給。

 入所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低所得2のうち一定の収入以下の者)について、食費等 に係る補足給付を支給。

 入所施設における食費等に係る実際の契約額、提供コスト等を調査し、コスト変化の結果を補足給付の基準額に反映(当初は、食費4.8万円、光熱水費1.0万円)
精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。



障害福祉サービスの利用者負担の見直し
ーサービス量と所得に着目ー


所得にのみ着目した応能負担から、サービス量と所得に着目した負担の仕組みに見直す。
 ○  契約によりサービスを利用する者と利用しない者との公平を確保する。(障害者間の公平)
 ○  制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)
これと併せて、国、都道府県の財政責任の強化を図る。

グラフ

 負担上限の該当の有無は、各サービスに係る負担額の合計で計算する。
 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。



サービスに係る月額負担上限の他制度比較

サービスに係る月額負担上限の他制度比較の表



定率負担に係るグループホーム、
入所施設(20歳以上)の個別減免(低所得1,2)


 3年間の経過措置(期間終了までに実態調査を行い必要性を再検討)
 制度施行後3年間、食事提供や人的サービスが事業者により提供されるグループホーム、入所施設(20歳以上)利用者に対して、定率負担に係る個別の減免制度を実施する。

 費用基準と収入を比較(預貯金等を有している者は対象外)
 グループホーム、入所施設それぞれで設定する基本的な費用尺度と本人の収入を比較し、定率負担の個別減免の範囲を定め実施。なお、一定の預貯金等を有している者は対象外。

<費用基準>
 グループホーム: 現在、障害基礎年金2級のみで生活している者がいるという前提で設定(6.6万円の費用構成は、家計調査等を踏まえ、施行時までに検討)
 入所施設(20歳以上): 補足給付の費用基準と同じもの。

<収入認定>
 費用基準で一定の加算を受ける者以外については、賃金、工賃等に3千円の基礎控除を設ける。
 それ以外の収入の計算方式については、施行時までに別途検討。

グループホーム利用者のグラフ 入所施設利用者の図



定率負担の個別減免(グループホーム/入所施設 )に係る収入認定

 工賃等

 賃金、工賃等については、基礎控除として3千円(費用基準への3〜5千円の加算による負担軽減措置を受けている者は除く)を設定。→月額3千円の負担軽減措置

 年金等

 年金(障害基礎年金2級相当額以下)、仕送り等は、基本的に全額を収入として認定

 今後の検討事項

(1)  賃金、工賃等の基礎控除以上の額、及び障害基礎年金2級相当を超える年金額に係る控除の方法は、グループホーム、入所施設別に制度施行時までに検討。
(2)  なお、入所施設については、障害基礎年金1級程度の収入以下の者は、食費等に係る補足給付を受けていることから、グループホームとは別の基準を設ける方向で検討。

賃金、工賃等の控除の計算方式のイメージのグラフ



定率負担に係る特別減額制度(生活保護への移行防止)の概要
ー地域生活、入所施設共通ー


 本来適用されるべき上限額を適用すれば生活保護を必要とするが、より低い上限額を適用すれば生活保護を必要としない状態になる者については、本来適用されるべき上限額より低い負担上限を適用。

月額上限 24,600円
 
より低い 上限額を適用
月額上限 15,000円
 
より低い 上限額を適用
月額上限 0円
 

 認定については、生活保護の収入、支出と同様の仕組みとする。



今回講じた主な経過措置の概要

 地域生活関係の経過措置(施行後3年間)
(1) 通所施設の食費負担に係る減額(生保・低所得1、2が対象)
食費負担について、人件費相当分を給付する。(月額5千円程度(本来の負担の1/3程度)となる。)
(2) グループホームの定率負担に係る個別減免(低所得1、2が対象)
定率負担について、一定額以下の預貯金等しか有しない者であって、一定の基準で算出した生活費(施行時は障害基礎年金2級相当)と本人の収入とを比較して、定率負担が困難なものに対して、個別に減免。
(継続の必要性については実態調査に基づき再検討)

 入所施設関係の経過措置(施行後3年ごとに段階的に見直し)
(1) 20才以上の入所者に対する負担の経過措置
食費負担について、食費や居住費以外の「その他生活費」として一定の額(18年〜2.5万円、21年〜2.1万円など)が残るようにした上で、収入の範囲内で食費等の実費を負担する。
定率負担については、グループホームと同様の個別の減免を、同じ期間実施。
(2) 20才未満の入所者に対する負担の経過措置
収入のない20才未満の者について、地域生活をしていれば通常かかる程度の費用(収入別の家計における平均的な一人あたり支出)の負担を親等に求める。

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。



平均的な利用者負担の例(在宅)

モデル1 在宅でホームヘルプを利用する障害児・者

  身体障害 知的障害 精神障害 障害児
月平均利用額 8.4万円 3.0万円 2.4万円 3.9万円
利用者負担 生活保護 0円 0円 0円 0円
その他 8.4千円 3.0千円 2.4千円 3.9千円
平均負担率 改正後 5.9% 8.7% 7.3% 8.9%
改正前 1.1% 0.8% 1.6% 3.8%
モデル2 家族と同居して、通所施設に通いながら、ホームヘルプを利用する知的障害者
  知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所、ホームへルプ 3.0万円/月
  食費(通所) 定率負担 経過措置による費用
生活保護 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0.5万円
低所得1 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円 2.0万円
低所得2 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.8万円 2.3万円
一般 1.43万円(650円×22日) 1.8万円 3.23万円
平均負担率1%→食費(3年間4割減)+8.5%

 ※  入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
 
特別減額制度



平均的な利用者負担の例(グループホーム/入所施設)

モデル3 グループホームで生活しつつ通所施設に通う知的障害者(グループホーム利用者の約2割)
  グループホーム:月6.6万円、知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所

  食費(通所) 定率負担 経過措置後の費用増分
生活保護 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0.50万円
低所得1 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円
(グループホーム個別減免)
0.50万円+1.5万円(個別減免)
=0.50万円〜2.0万円
低所得2 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
2.15万円
(グループホーム個別減免)
0.50万円+2.15万円(個別減免)
=0.50万円〜2.65万円
一般 1.43万円(650円×22日) 2.15万円 1.43万円+2.15万円=3.58万円

平均負担率1%→食費(通所)+8.0%
低所得1が全員、個別に定率負担が免除された場合
 食費(3年間約4割減)+5.0%
グル

プホ



入所施設個別減免 3年経過措置
特別減額制度
モデル4 入所施設に入所する身体障害者・児

大人の施設の場合
 平均3.5万円(0円〜費用全額)→平均6.1万円(食費等込み)
平均 4.8万円
  +定率負担(個別減免)
 
児童(負担者は親)施設の場合 ※大人と比較して同所得での負担水準が低い
 平均1.1万円(0円〜費用全額)→平均6.1万円(食費等込み)
18歳未満 平均3.0万円
18・19歳 平均3.9万円

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは現行と同じ仕組み。



改正案による各事業平均(マクロ)の負担の変化

ホームヘルプサービス

現行  事業費 約6.0万円
   利用者負担  約0.1万円(約1%)
平成18年  改正案  約0.4万円(約7%)
通所施設

現行  事業費  約14.3万円(食費込み)
   利用者負担  約0.1万円(約1%)
平成18年  経過措置(3年間)
     約1.9万円(約13%)
入所施設(20歳以上)

現行  事業費 約32万円(食費等込み)
   利用者負担  約3.5万円(約10%)
平成18年  経過措置  約4.8万円(約16%)
    +定率負担(個別減免)
平成21年  経過措置  約5.2万円+定率負担
食費等が同水準(5.8万円)であれば
入所施設(18歳未満)

現行  事業費 約24.4万円(食費等込み)
   利用者負担  約1.1万円(約5%)
平成18年  経過措置  約3.0万円(約12%)
平成21年  経過措置  約3.5万円
食費等が同水準(5.8万円)であれば

 18歳以上の場合には、+0.9万円

 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。



障害に係る公費負担医療制度の
利用者負担見直しの必要性


 同じ障害者なのに、制度の違いにより負担軽減の仕組みが異なり、その統一が必要。
 更生医療、育成医療の対象者の半数以上は、一定の負担能力が認められる課税世帯となり、給付の重点化が必要。
 精神通院公費、更生医療の対象者(人口の約1%)は急増し、財政的に極めて厳しい状況に。
医療内容面での取り組み
 医療の質の確保と透明化を促進。
 医療機関の指定制
 支給決定の有効期間等の見直し

 対象者の判断基準(診査指針等)や
医学進歩に応じた医療内容の明確化
 実証的な研究の促進
制度面での取り組み
 給付対象者の重点化。
 負担能力、重度かつ継続的負担

 負担に係る各制度間の矛盾の解消
 入院・在宅の負担の公平化等
 医療費と所得に応じた負担に統一
 入院の食費負担(標準負担額)
 必要な医療を確保しつつ、費用を皆で負担し支え合うことにより、中長期的な障害者制度全体の持続可能性を確保(福祉・医療のバランスのとれた財源配分の確保)



障害に係る公費負担医療制度の概要

  ○ 精神障害者通院公費
精神障害者通院公費のグラフ
  ○ 更生医療、育成医療
更生医療、育成医療のグラフ

  精神通院
(昭和40年創設)
更生医療
(昭和29年創設)
育成医療
(昭和29年創設)
対象疾患 精神疾患 視覚障害、聴覚障害、
肢体不自由、内部障害 等
視覚障害、聴覚障害、
肢体不自由、内部障害 等
対象年齢 全年齢 18歳以上 18歳未満
月平均
利用件数
約70万件
(平成14年)
約8万件
(平成14年)
約1万件
(平成14年)
1件平均
医療費
約3.2万円
(通院のみ)
約40.0万円
(入院・通院)
約41.2万円
(入院・通院)
平均負担額 約1,600円/月 約3,200円/月 約5,600円/月
課税世帯割合 約1〜2割(推計) 約5〜6割 約7〜8割



障害に係る公費負担医療の負担軽減措置の課題

○ 現行水準
  精神通院公費
(応益負担)
更生医療
(応能負担)
育成医療
(応能負担)
医療保険負担上限
<多数該当>
生活保護世帯 医療費の5% 0円 0円 35,400円
<24,600円>
市町村民税非課税世帯 医療費の5% 0円 2,200円
市町村民税課税世帯 医療費の5% 4,500〜44,000円 4,500〜44,000円 72,300円+医療費1%
<40,200円>
一定以上所得者 医療費の5% 44,000円
〜給付対象外
44,000円
〜給付対象外
139,800円+医療費1%
<77,700円>

※1  更生医療、育成医療の通院については、上記額の1/2
※2  多数該当とは、同一世帯で直近12か月に高額療養費の支給月額が3か月以上ある場合、4か月目から自己負担上限が軽減されるもの。

○ 負担軽減措置の課題
 精神通院公費については、完全に医療費に応じた応益負担となっているため、低所得者であっても高額の医療費の場合には高い負担を求められる。
→ 低所得者に厳しい制度

 更生・育成医療については、所得に応じた応能負担となっているために、医療費の額の多寡が利用者負担に反映されない。
→ 同じ所得層での負担率の不公平



医療内容面での見直し

1 精神通院公費制度への医療機関指定制の導入(更生、育成は当初より制度化)
 ○  都道府県知事が行う診療内容及び公費請求の審査・監査等を通じて、医療内容の質の向上に資する。
 ○  医療内容が著しく不適当等の場合には、取り消し等を実施
 今回の法律改正で対応。平成14年度の検討会報告に基づき適正に運用。

2 支給決定の有効期間を1年に統一(更生、育成は現在1年)
 ○  1年ごとに医療の必要性や所得の状況を確認(今回の法律改正で対応)
 ○  再認定を認める場合や拒否する場合の要件等を明確化
 臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね1年以内に実施。

3 医療実態に関する実証的な研究促進と制度運営への反映
 ○  対象者の判断基準(診査指針等)や医学進歩に応じた医療内容の明確化
 ○  重度かつ継続の対象となる者の基準等について見直しを図る。
 臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね2年以内に実施。



医療費と所得に着目した自己負担

 医療費のみに着目した応益負担(精神)と所得にのみ着目した応能負担(更生・育成)を、次の観点から、「医療費と所得の双方に着目した負担」の仕組みに統合する。

 制度間の負担の不均衡を解消する。(障害者間の公平=医療費の多寡・所得の多寡に応じた負担

 必要な医療を確保しつつ、制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)

グラフ



制度改正案の概要

制度改正案の概要の図



計画の位置付け(案)

作成期間等
障害福祉計画は、3年を1期とする。
第1期については、平成18年度中の可能な限り早期に計画を作成し、平成19年度にはすべての地方自治体において、計画期間が始まることとする。
第1期の計画期間は、平成20年度までとする。(第2期以降は平成21年度から始まり、3年を1期とする)

 ※ 既に数値目標を盛り込んだ障害者計画が作成されている場合には、第1期の障害福祉計画と整合性が図られている限りにおいて、当該障害者計画の全部又は一部を障害福祉計画として取扱うことも差し支えないこととする。
障害者基本法に基づく計画等との関係
市町村障害福祉計画は、障害者基本法に基づく市町村障害者計画その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

都道府県障害福祉計画は、障害者基本法に基づく都道府県障害者計画その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

 ・ 障害福祉計画に定める事項(障害者自立支援給付法(仮称)に規定)は別紙の事項を定める。

 ・ 作成手続きは、障害者自立支援給付法(仮称)に定める手続き(作成、変更の際に都道府県知事(厚生労働大臣)に提出する等)による。



国と地方の新たな費用負担関係(案)

国と地方の新たな費用負担関係(案)の図



障害者自立支援給付法(仮称)の施行スケジュール案

障害者自立支援給付法(仮称)の施行スケジュール案の図

児童入所施設の利用事務の市町村移譲及び施設再編については、概ね5年後の施行を目途に3年以内に結論を得る。


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