へき地保健医療対策検討会 参考資料-2
第1回(H17.1.24)



前回(第9次)の
アンケート調査結果


(別添)アンケート内容
(1〜16ページ(PDF:419KB)、17〜32ページ(PDF:384KB)、33〜48ページ(PDF:417KB)
49〜65ページ(PDF:460KB))



へき地診療所へのアンケート結果(様式1)

1 診療所に関する基本情報

1)  診療圏対象人口

診療所の診療圏の対象人口は、

50人以下 13、  51〜100人 13、  101〜300人 80、
301〜500人 100、  501〜1000人 176、  1001〜1500人 113、
1501〜2000人 86、  2001〜2500人 57、  2501〜3000人 46、
3001〜4000人 61、  4001〜5000人 36、  5001〜7000人 22、
7001〜10000人 17、  10000人以上 6
となっている。(総数869)

診療圏対象人口は501〜1000人が最も多くなっており、1000人前後を中心に50人以下から10000以上までかなり幅が広く分布している。

診療圏対象人口のグラフ

2) 設置主体

診療所の設置主体については、市町村が最も多く581箇所となっており、続いて1種国民健康保険直営診療所が125箇所、2種国民健康保険直営医診療所が81箇所、都道府県が31箇所、公的(日赤・済生会・厚生連・北社協)団体が8箇所、その他が14箇所となっている。

設置主体のグラフ
(総数 869)

3) 実施診療科目

実施している診療科は、内科がもっとも多く777箇所、外科379箇所、産婦人科が259箇所、小児科151が箇所、歯科122が箇所、耳鼻鼻咽喉科が54箇所、眼科が51箇所となっている。その他の診療科目のでは、整形外科が64、皮膚科が14、リハビリテーション科が10、全科・総合診療が8、放射線科、消化器科がそれぞれ7となっている。また可能な限りすべて診療していくという答えも複数あり、へき地診療所が地域住民の期待に応えようとしている姿勢が伺える。

実施診療科目のグラフ

4) 週当りの診療日数

1週間のうちの実診療日数(外来診療日)については、1日以内が156箇所、2日以内が92箇所、3日以内が70箇所、4日以内が51箇所、5日以内が383箇所、6日以内が104箇所、7日全てが1箇所となっている。

週に2日を休診とした、5日の診療としているへき地診療所が4割以上と最も多い。

週に1日から2日位だけ診療しているところも3割近くある。

週当りの診療日数のグラフ

5) 休日の診療体制

休日の診療体制はどうなっていますか?という問いに対しては、診療体制なしという答えが最も多く284件、自宅へ直接電話等で連絡をしてもらうようにしてあるのが250件、診療所の転送電話で自宅や携帯電話へ連絡してもらって対応するのが116件、休日の輪番制があり、輪番制の中で対応をしているのが100件となっている。

その他の回答の中では、常勤看護婦に連絡があり地域支援病院等へ連絡するようにしてあるのが最も多くなっており、休日の診療体制を維持するために医師や看護婦ができるだけ連絡の取れる体制をとり、地域の病院等との連携によって対応するよう努力していることがわかる。

休日時間外体制のグラフ

上記の問の中で休日の体制がないと答えた方にその理由についての質問には、休日は地域から離れたところにいると答えた方が129人、あまり必要がないとおもっている人は66人、休日は休日として過ごしたいのが13人となっている。

休日の診療体制がない診療所の中でも、体制の整備が困難な診療所が半数以上になっている。

休日体制なし理由のグラフ

6) 平日時間外体制

平日の時間外の診療体制はどうなっていますかという問いに対しては、自宅へ直接電話等で連絡をしてもらうようにしてあるのが最も多く312件、続いて診療体制がないのが230件、診療所の転送電話で自宅や携帯電話に連絡してもらい対応しているのが140件、時間外の輪番体制があり輪番制の中で対応をしているのが39件となっている。

その他の自由記述の中では、看護婦や医師が連絡の取れる体制を保ちながら近隣の病院等と連携して対応しているところが多く目立った。

平日時間外体制のグラフ

上記の問の中で、時間外の診療体制がない理由については、
診療時間外は地域から離れたところにいるという答えが最も多く92、あまり必要がないと答えたのが59、休日は休日として過ごしたいが6となっている。

時間外体制なし理由のグラフ
(総数 247)

7) 勤務医師・歯科医師数

診療所の常勤医師数及び歯科医師数についての問いでは、常勤医師が1人だけになっている診療所が511件と全体の6割近くにもなっている。常勤医師のいない診療所も116件と13%余りもある。非常勤の医師が勤務している診療所は、全体の36%余りの317で、その中でも非常勤医師は1人以下のところがほとんどになっている。

歯科医師については、常勤の歯科医師がいる診療所は、13%余りで、非常勤歯科医師がいる診療所は7%に満たない状態である。

常勤医師のグラフ

非常勤医師のグラフ

常勤歯科医師のグラフ非常勤歯科医師のグラフ

8) その他のスタッフ構成

診療所の、医師・歯科医師以外のスタッフの構成では、常勤看護婦が1人いる診療所が277と最も多く、続いて2人が194、3人が79、4人が37、5人が22と看護婦数が多い診療所は少なくなっている。非常勤の看護婦がいる診療所も全体の34%足らずの293となっている。

事務職員については、1人いる診療所が最も多く、半数近くの402となっており、2人の158、3人の49を大きく上回っている。

常勤看護婦のグラフ

非常勤看護婦のグラフ

事務のグラフ

9) 外来患者数

診療所の平均的な1日の外来患者数は、5人以下が62、100人を超える診療所も21あり多様になっている。

1ヶ月あたりの時間外の患者数は、0(なし)と答えた診療所が247と多いが、1〜5人が220、6〜10人が116人となっているが、100人以上の診療所も18あり、時間外についても多様になっている。

1日平均患者数のグラフ

週時間外患者数のグラフ

10)最寄診療所診療科目

最寄の診療所における診療科目については、内科が最も多く667、続いて外科が297、小児科が225、歯科が157となっている。その他の診療科目はそれぞれ50以下に止まっている。

最寄診療所診療科目のグラフ

11)最寄病院診療科目

最寄の病院の診療科目については、内科、外科がある病院がそれぞれ742、701と8割以上になり、続いて小児科526、眼科454、産婦人科427、耳鼻咽喉科の393が多くなっている。

最寄病院診療科目のグラフ


2 支援病院有無

診療所を支援しているへき地中核病院またはへき地支援病院はありますかという問いに対して、「ない」と答えた方が328人、「ある」と答えた方が429人、「計画あり」が3人、「支援病院あり」が44人、空白が65人となっている。

4割近くの診療所が支援するへき地中核病院やへき地支援病院がないと答えており、へき地診療所への支援体制が充実していないところがまだ多いことがわかる。(総数 869)

支援病院有無のグラフ

3 へき地医療支援病院群の機能

へき地中核病院又はへき地医療支援病院が「ある」と回答された方に、これらの病院ではどのような支援機能を有していますかという問いに上位3つまで選択できるようにして回答を採ったところ、紹介患者受入調整がもっとも多く379と4割以上になり、続いて代診医の派遣が150、非常勤医師の定期派遣が146、定期研修会・症例検討会が116、研修受入が83、へき地巡回診療が77、遠隔医療が54、コメディカルスタッフの派遣が42、総合的な臨床医の育成が33、非常勤医師の随時派遣が30となっている。

その他の有用な機能では、検査の受託や救急・重症の患者の受入等が挙げられていた。

へき地医療支援病院群の機能のグラフ

4 へき地医療支援病院が有すべき機能

診療所にとって、へき地中核病院・へき地医療支援病院が有すべき機能を上位3つまで選択できるようにした問いに対しても、患者受入調整が最も多く560となり、半数以上(内303が最優先として選択)がへき地中核病院・へき地医療支援病院に必要な機能と考えている。次に多い代診医の派遣も431となり、半数近くが有用と考えている。続いて非常勤医師の定期派遣が240、定期研修会・症例検討会が195、研修受入が166、非常勤医師の随時派遣が128、コメディカルスタッフの派遣が125、へき地巡回診療が122、総合的な臨床医の育成が114、遠隔医療が108となっている。

前問の現在診療所を支援している有用な機能に比べて有すべき機能は有効回答が2倍近くと多くなっている。

へき地医療支援病院が有すべき機能のグラフ

5 へき地支援病院の必要充足度

2の問で診療所を支援するへき地中核病院又はへき地医療支援病院があると答えた方にその病院が診療所の必要を満たしているかという問いについては、「充分満たしている」が118、「満たしている」が268となっており、併せて、診療所を支援するへき地中核病院又はへき地医療支援病院のある診療所の82%余りが必要を満たしていると回答している。

全体の中で見ると、へき地支援病院があって、診療所の必要を満たしているへき地診療所は45%弱になる。また、「あまり満たしてない」が75、「全く満たしてない」は8となっている。

へき地支援病院の必要充足度のグラフ

6 へき地支援病院が必要を満たしていない要因

5の問でへき地中核病院又はへき地医療支援病院があって全く診療所の必要を満たしていないと答えた方に、その要因について3項目まで選択できるようにして回答を採った。

「へき地医療支援に対する院内の体制が十分でない」がもっとも多く17、続いて「代替医師派遣が十分できない」が12、「相談する窓口としての責任者が決まってない」が10、「距離が遠いため実際の支援が受けられない」が7、「必要とされる専門的診療科の支援・相談が受けられない」が6、「研修を受けることができない」が3となっている。

へき地支援病院が必要を満たしていない要因のグラフ

7 へき地医療支援機構の必要性

都道府県において現在のへき地医療対策を強化するため、へき地医療を支援する事業の実際的な企画・立案・調整を行う機構が必要ですかという問いに対しては、「必要である」と答えたのがへき地診療所の64%の561で、「必要でない」と答えた4%の36を大きく上回っている。

またその他では「わからない」が206、「現在上記の体制がある」が44となっている。

へき地医療支援機構の必要性のグラフ

8 へき地医療支援機構が必要な理由

7の問で「必要である」と答えた方に、その機構を必要とする理由を複数回答可で選択していただいたところ、「代診医派遣が容易になる」が最も多く324、続いて「必要とされる専門的診療科の支援・相談を受けられる」が316、「相談する窓口の責任者が明確になる」が292、「研修場所の確保が期待できる」160等となっている。

へき地医療支援機構が必要な理由のグラフ

9 へき地中核病院が行う研修の活用

へき地中核病院がへき地診療所等を対象として行う、定期的な研修、研究事業を活用していますかという問いに対しては、「有効に活用(参加)している」と答えたのが144(17%)で、「活用(参加)しているが活用(参加)しづらい」と答えた87(10%)と併せて活用(参加)しているのは3割に満たない状況である。「活用(参加)していない」と答えたのが307(36%)で、「活用できない(支援してくれる病院がない)」と答えた177(21%)と併せて57%が、へき地中核病院が行う定期的研修・研究事業を活用(参加)していない。

へき地中核病院が行う研修の活用のグラフ

10 研修日の代替医派遣事業の活用

へき地中核病院、へき地医療支援病院がへき地診療所等を対象として行う、研修・研究日の代替医師派遣事業を活用していますかという問いには、「活用していない(活用する機会がない)」が327と多く、「活用できない(支援してくれる病院がない)」が216、「一部の研修・研究日に活用している」が76、「活用したいが代替医がいない」が64、「全ての研修日・研究日に活用している」は32と少なく、「代診医は確保できているが活用しづらい」が17となっている。

活用しているのは、全体の12%余りに過ぎず、活用していない(できていない)のが7割以上になる。

研修日の代替医派遣事業の活用のグラフ

11 代替医派遣を活用しづらい理由

研修・研究日の代替医師派遣事業を活用していない場合、活用しづらい理由を質問すると、「手続き等がわからない」が236、「急な申し出に対応する臨機応変の対応が確保されていない」が131、「代替医の確保が少なく、断られる場合がある」が82、「申請書が複雑で活用しづらい」が14となっている。

その他の理由では、代診医の派遣制度があることを認識できていないことが多く挙げられている。

代替医派遣を活用しづらい理由のグラフ

12 代診派遣体制

学会出張、傷病、冠婚葬祭等の理由で休診を余儀なくされる場合、代診医の派遣体制の有無について質問には、「ある」が206、「ない」420、「その都度相談する」が215となっている。半数は休診を余儀なくされた場合の代診医の派遣体制は内と答えている。

代診派遣体制のグラフ

13 代診派遣元

12の問で「代診医派遣体制がある」と答えた方に、代診は主にどこから派遣がなされていますかという問に対して、「へき地中核病院へき地医療支援病院」からという答えが最も多く119代診医派遣体制があると答えた中の57%になっており、「関連のある大学」からが51、その他40となっている。

その他の記述の中では、近隣の病院・診療所や医師会等からの派遣による体制があるという回答が目立った。

代診派遣元のグラフ

14 代診相談先

12で「その都度相談する」と答えた方に、主にどこに相談されますかという問いに、「へき地中核病院、へき地医療支援病院」が最も多く99でその都度相談すると答えた中の45%になっており、続いて「関連のある大学」が53となっている。

その他の記述の中では、自治体等や近隣の病院・診療所、医師会等へ相談するという答えが多くなっている。

代診相談先のグラフ

15 救急搬送に要する時間

それぞれの救急事例について搬送に要する時間について回答を採った。

救急事例ごとに年間の実績数に応じて搬送に要する時間をした。

いずれの場合も実績がない診療所が最も多くなっており、年間5回以内の実績の診療所がほとんどになっている。

搬送に要する時間についても、いずれの場合も30分〜1時間で搬送可能という回答が最も多くなっている。ほとんど自分の診療所で対応できるというところは極めて少ない。


●脳卒中等の脳血管疾患が疑われる場合について
  脳卒中実績
脳卒中時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 10-15 15-20 20- 空白 総計
殆ど自分の診療所で対応 2             1     1 1     5
30分以内で専門医療機関に搬送可能 50 19 17 20 6 17 4 1   16 2 3 1 19 175
30分ー1時間で搬送可能 69 39 42 40 8 38 3 1 4 14 3 5 2 49 317
1時間ー1時間半で搬送可能 26 15 17 15 4 18 2 1 2 3 2 1 1 11 118
1時間半ー2時間で搬送可能 4 2 2 2 2 2 1     1   1   6 23
2時間以上 11 8 10 2 2 4     1 1 1       40
(空白) 25 10 6 2 2 2 2 1 1 4     1 135 191
総計 187 93 94 81 24 81 12 5 8 39 9 11 5 220 869

●急逝心筋梗塞等の心不全が疑われる場合について
  心筋梗塞実績
心筋梗塞時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 10-20 20〜 空白 総計
殆ど自分の診療所で対応 1     1           1       3
30分以内で専門医療機関に搬送可能 63 29 21 14 3 9   1 3 4   1 16 164
30分ー1時間で搬送可能 77 60 56 26 2 16   3   5 1 2 53 301
1時間ー1時間半で搬送可能 28 34 21 6 2 9 1     2     11 114
1時間半ー2時間で搬送可能 10 7 3 3   1       1   1 7 33
2時間以上 14 19 3 3 3 2 1           2 47
(空白) 26 18 2 4   4       3     150 207
総計 219 167 106 57 10 41 2 4 3 16 1 4 239 869

●交通事故等で緊急手術が必要な外傷の場合について
  交通事故実績
交通事故時間 0 1 2 3 4 5 6 7 10 10-15 15-20 20〜 空白 総計
殆ど自分の診療所で対応 2                         2
30分以内で専門医療機関に搬送可能 99 17 17 2 1 6     2 1 3 1 18 167
30分ー1時間で搬送可能 130 46 21 11   13 1 1 5 2 1 2 59 292
1時間ー1時間半で搬送可能 42 23 9 6 2 1     3       14 100
1時間半ー2時間で搬送可能 10 6 2     2     1       5 26
2時間以上 17 18 3 1 1   1           1 42
(空白) 44 8 6 1 1 1     1     1 177 240
総計 344 118 58 21 5 23 2 1 12 3 4 4 274 869

●その他の緊急手術が必要と判断される場合について
  緊急手術実績
緊急手術時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 10-20 20〜 空白 総計
殆ど自分の診療所で対応 1         1       1     1 4
30分以内で専門医療機関に搬送可能 66 25 23 12 4 8   1   5 1 2 21 167
30分ー1時間で搬送可能 113 55 29 19 5 17 1 2   8 1 3 57 309
1時間ー1時間半で搬送可能 28 23 15 6 2 8 1     2     15 100
1時間半ー2時間で搬送可能 8 6 5 1 1 1       2     5 29
2時間以上 10 16 7 1 1   1 1 1     2   40
(空白) 35 11 3 4   2 2         1 162 220
総計 261 132 82 43 13 37 5 4 1 18 2 8 261 869

●専門的な判断が必要な小児科救急の場合について
  小児救急実績
小児救急時間 0 1 2 3 4 5 6 10 10-20 20〜 空白 総計
殆ど自分の診療所で対応 2                   2 4
30分以内で専門医療機関に搬送可能 80 13 15 7 1 8 2 5 1 2 26 160
30分ー1時間で搬送可能 135 33 22 9 2 9   9 2   56 277
1時間ー1時間半で搬送可能 47 26 10 4 1 4         17 109
1時間半ー2時間で搬送可能 17 8 1         2     4 32
2時間以上 20 16 4 1             3 44
(空白) 46 6 6 3   1 1 1     179 243
総計 347 102 58 24 4 22 3 17 3 2 287 869

●専門的な判断が必要な産科救急の場合について
  産科救急実績
産科救急時間 0 1 2 3 4 5 24 (空白) 総計
殆ど自分の診療所で対応 1 2             3
30分以内で専門医療機関に搬送可能 107 10 6     1 1 23 148
30分ー1時間で搬送可能 198 15 8 1       60 282
1時間ー1時間半で搬送可能 71 14 1         19 105
1時間半ー2時間で搬送可能 21 2 1     1   3 28
2時間以上 24 13 1 2 1     3 44
(空白) 58 3 2     1   195 259
総計 480 59 19 3 1 3 1 303 869

16 ヘリコプター搬送の活用

ヘリコプター搬送を活用したことがあるか。活用したことがあれば、おおよその年間活用回数及び診療所医師が患者に付き添いヘリコプターに同乗した年間回数について問う質問については、活用・同乗ともに経験なしが大半を占めるが、ヘリコプターの活用経験のある場合は、半数以上が患者に付き添い同乗している。

  ヘリ同乗
ヘリ活用 0 0.1 0.2 1 2 3 5 10 (空白) 総計
0 190               108 298
1 5 1 1 6         3 16
2 4       4       1 9
3           6       6
4 1                 1
5 2       1   1   1 5
6         2         2
8 1                 1
10 1       3     1   5
10-15 2       1   1     4
15-20       1 1 1       3
20-30 1         1       2
30- 2       1         3
(空白) 4               510 514
総計 213 1 1 7 13 8 2 1 623 869

17 ヘリコプター到着までの時間

ヘリコプター搬送を活用したことがある場合、ヘリコプター搬送を依頼してから、ヘリコプターが到着するまでの時間について、最も早い場合の時間と最も遅い場合の時間を調査した。

最も早く到着した場合の依頼からヘリコプター到着までの時間は、120分(2時間)が最も多く、次いで60分(1時間)が多くなっている。

ヘリ到着早のグラフ

最も遅く到着した場合の依頼からヘリコプター到着までの時間では、120分(2時間)が最も多くなっているが、300分(5時間)以上かかった場合があるところが有効回答55の内、16件もあった。

ヘリ到着遅のグラフ

18 1週間の往診回数

診療所での1週間の平均的な往診回数については、5件未満が最も多く471、続いて5〜10件未満が153、10〜20件未満が61、20件以上が45、「往診はしない」が109、となっている。

1週間の往診回数のグラフ

19 最も時間がかかる往診場所

往診で最も時間がかかる場所は、診療所からどれくらいの時間を要しますかという問いに対しては、15分未満と回答したのが221、15〜30分が346、30分〜1時間が175、1時間以上が23、となっている。

最も時間がかかる往診場所のグラフ

20 不在時在宅患者対応

医師不在時の在宅患者急変への対応については、「近隣の医師に依頼する」という回答がもっとも多く279、「急いで戻る」が153、「在宅診療はしない」が106、「不在にならないようにしている」が81、「医師が不在にならないように他の医師を確保している」が39、となっている。その他の記述の中では、救急車等で近隣の病院等への搬送や、とりあえず看護婦で対応するようにしてあるところが多くあった。

不在時在宅患者対応のグラフ

21 診療圏無医地区

診療所の診療圏に無医地区に該当する地区(無医地区に準ずる地区も含む)の有無については、「ある」が262、「ない」が438、「わからない」が134、となっている。

約3割のへき地診療所の診療圏に無医地区がある。
診療圏無医地区のグラフ

22 診療圏無歯科医地区

診療所の診療圏に無歯科医地区に該当する地区(無歯科医師地区に準ずる地区も含む)の有無については、「ある」が365、「ない」が299、「わからない」が138、となっている。約45%のへき地診療所の診療圏に無歯科医地区がある。

診療圏無歯科医地区のグラフ

23 勤務地域の老人サービス

勤務している地域での老人サービスの状況について、「十分(供給があり容易に利用できる)」、「不足(供給があるが不足している)」「困難(供給はあるが利用場所まで遠いため(30分以上)利用が困難)」、「ない(地域内では利用できない)」、「不知(わからない)」に分けて回答を採った。

デイサービス、ホームヘルプサービス、訪問看護、ショートステイなどは他のサービスと比較して「十分」な状況であるという回答が多いが、「不足」という回答も多くなっている。特別養護老人ホームについては、「十分」を「不足」が大きく上回っている。ケアハウス、痴呆性老人グループホーム、ナイトケアのサービスについては、「ない」という回答が過半数となっている。

勤務地域の老人サービスのグラフ
(総数 869)

24 寝たきり等在宅介護を要する患者数

寝たきり等の在宅介護を要する患者を何人診察しているかという問いに対して、0人(いない)という回答が最も多く218になっているが、1人から5人までの間が335ある。全体でも過半数は、寝たきりの在宅要介護老人を診療しており、50人以上も10ある。

寝たきり等在宅介護を要する患者数のグラフ
(総数 869)

25 プライマリケアニーズへの対応

プライマリケアについて地域のニーズに応えていますかという問いに対しては、「充分満たしている」が69、「満たしている」が399、「あまり満たしていない」が285、「全く満たしていない」が65となっている。

6割弱が地域のニーズに応えているが、4割余りは応えられていない。

プライマリケアニーズへの対応のグラフ

26 初期救急対応

初期救急医療への対応の程度については、「充分対応できている」が59、「対応できている」が327、「あまり対応できていない」が347、「全く対応できていない」が102となっている。

初期救急医療には、半数以上が対応できていないと回答している。

初期救急対応のグラフ

27 専門診療科領域対応

診療所は、専門的な診療科領域の患者にどの程度対応していますかという問いには、「充分対応できている」が35、「対応できている」が320、「あまり対応できていない」が421、「全く対応できていない」が66となっている。

専門的な診療科領域の患者への対応ができているのは4割余りで、6割近くは対応できていないと回答している。

専門診療科領域対応のグラフ

28 行政等の協力・支援

診療所の運営等について、市町村長、議会や行政の協力支援はどうですかという問いには、「充分な協力・支援がある」が252、「一応の協力・支援がある」が471、「あまり協力・支援がない」が94、「協力・支援はない」が17、その他14となっている。

行政等の協力・支援のグラフ

29 行政等の協力・支援のない理由

28で「協力・支援があまりない」、「ない」と回答された方の理由では、「市町村長、議会や行政の理解がないため」が53、「市町村長、議会や行政の理解はあるが、市町村単独では困難なため」が43、その他14となっている。

行政等の協力・支援のない理由のグラフ


へき地診療所へのアンケート(様式2)

1 専門診療支援

専門医(自分の専門診療科以外)の診療支援については、「自分の専門外は病院に紹介しているので特に支援は必要ない」という回答が最も多く384あり、続いて「各専門科ごとに相談できる体制がほしい」が207、「診療所で定期的に専門診療してほしい診療科がある」が194、「総合医として対応しているので専門医の派遣は必要ない」が81、その他26となっている。

専門診療支援のグラフ

2 定期的診療を希望する科

診療所で定期的な診療を希望する診療科と頻度はどの程度ですか、という問いに対して、いずれも過半数は、希望がないという回答になっている。

最も希望の多かったのが、整形外科の396で全体の約43%が希望している。次いで、眼科が多く334(36%)、以下リハビリテーション科が322(35%)、耳鼻咽喉科が282(30%)、皮膚科が267(29%)、泌尿器科が199(21%)、精神科が198(21%)、小児科が192(21%)、内科が158(17%)、歯科が146(16%)、放射線科が139(15%)、産婦人科が134(14%)、麻酔科が最も少なくて92(10%)となっている。

頻度の割合で見ると、整形外科、リハビリテーション、内科等はより高い頻度の診療を希望しており、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、放射線科、泌尿器科、精神科、産婦人科、麻酔科などは頻度は低くてもよいと考えている回答が多くある。

定期的診療を希望する科のグラフ

3 日常診療で診療上、苦慮する場合の解決法

日常の診療所活動のなかで診断や治療方針の決定に苦慮する場合、どのように対応していますか(複数回答可)という問いに対しては、「文献等による事例を参照」が397と最も多く、「電話で専門医に相談」159、「テレビ電話で専門医に相談」が1「ファックスで専門医に相談」が2、「インターネットで専門医に相談」2 「遠隔医療により専門医に見てもらう」が3、「専門医へ患者を紹介する」317 白紙23となっている。文献参照、患者紹介が圧倒的に多く、情報機器による対応はほとんど行われていないことがわかる。

日常診療で診療上、苦慮する場合の解決法のグラフ

4 遠隔医療

遠隔医療について聞いた質問に対して、「遠隔医療を利用している」が107、「遠隔医療を利用したことはない」が398、「遠隔医療は特に必要ない」が176、「必要だが利用していない」が179、白紙41となっている。利用しているのが12%と利用率が非常に低いことがわかる。中には、システムがない、トレーニングがないからわからないといった意見もあり、課題も多い。

遠隔医療のグラフ

5 遠隔医療利用状況

4の質問で遠隔医療を利用していると答えた方に、利用している遠隔医療の内容はどのようなものですか(複数回答可)ときいたところ、「病理組織、レントゲン写真等の静止画像による診断」が69、「血管造影等の動画による診断」が2、「テレビ電話による診断・治療」が23、「電子メールを利用した症例検討、症例相談」が18、「在宅患者のモニター」が3、「テレビ会議等による学会、研究会、講演会への参加」6となっていた。中には、「ファックスによる心電図確認」「ケーブルテレビ回線による在宅療養、介護支援」などを行っているところもある。

遠隔医療利用状況のグラフ

6 遠隔医療の課題

遠隔地医療を推進する上での課題(複数回答可)を聞いたところ、「ハード、ソフト等の設備費が高価である」が460、「医療機器とパソコンを接続するインターフェースが整っていない」が100、「通信費等の維持費が高い」が16「操作が困難である、めんどうくさい」が60、「通信等の処理速度が遅い」が10、「システムが現場のニーズにあっていない」が46、「相談を受けてくれる専門の医師がいない」が28、白紙167となっている。その他にも「送信をする側に知識がない」「受入側の医師・病院との都合が合わない」といった意見も出ており、財政的な面とシステムを受け入れる側の面で問題が大きいことがわかる。

遠隔医療の課題のグラフ

7 希望する遠隔医療システム

今後どのような遠隔医療システムを希望するか自由記述にて回答をとったところ、テレビ電話等を用いた画像診断システムを求める回答が多くなっている。

また電子メール等を用いて専門医の相談を受けたりできるよう、中核病院や大学病院との連携システムを求めている回答も多く見られた。



8 定期的な研修・研究の実施

計画的に研修・研究日をもうけ、実施していますかという問いにたいしては「実施している」と答えたの372、「実施していない」と答えたのが」530、白紙24となっている。

定期的な研修・研究の実施のグラフ

9 短期出張の場合の対応

学会・研修会等による短期の出張の場合、どのような対処されていますかという問いに対して、「休診にする」が379、「代診医を要請し、確保している」が256、「代診医を要請するが、確保できない」が31、「診療日の変更など臨機応変に対処している」が141、白紙42となっている。その他にも「看護婦、介護士に対応を頼んでいる」「夜間の研修会を利用している」「学会に行きたいがほとんど参加できない」といった意見もあり、代診医を確保できないために不自由している医師が多いことがわかる。

短期出張の場合の対応のグラフ

10 インターネットパソコン有無

インターネットが可能なパソコン等を有していますかという問いに対しては「保有している」とこたえたのは473、「保有していない」とこたえたのが433空白18となっており、約半数がインターネット情報網をもっていないことがわかる。

インターネットパソコン有無のグラフ

11 保健医療福祉情報の入手方法

保健医療福祉関係の情報をどのようにして入手しているかという問いに対しては、「医師会関係の雑誌(FAXを含む)」が最も多く584(63%)で、次いで「学会や研究機関の機関紙・雑誌による入手」が583(63%)となっており、いずれも6割以上へき地診療所医師の情報源となっている。以下「雑誌・新聞」が447(48%)、「役場、保健センター等市町村の行政機関からの通知等」が316(34%)、「MR情報」が310(33%)、「テレビ・ラジオ」が250(27%)、「パソコンによるオンライン情報(インターネット、テレビ会議等)」が171(18%)、「保健所、福祉事務所等都道府県の行政機関からの通知等」が160(17%)、「その他医学関係図書」が138(15%)、「特に入手する方法を持っていない」が49(5%)、「官報、国立研究機関等国の行政機関からの通知等」が39(4%)、「ビデオ」が38(4%)、「CD−ROM」が25(3%)となっている。

その他の記述の中では、医師間のコミュニケーションからの情報入手等の回答があった。

保健医療福祉情報の入手方法のグラフ

12 診療以外に関わっている保健福祉業務

診療活動以外に関わっておられる保健福祉業務はなんですか(複数回答可)と聞いたところ、「基本健康審査」489、「ガン検診」37、「乳幼児検診」125、「健康相談健康教室」55、「予防接種」87、「学校医」33、「老人福祉施設等の管理・委託医」3、「産業医」8、白紙76となっている。

診療以外に関わっている保健福祉業務のグラフ

13 意見の反映

保健福祉行政に診療所医師または歯科医師としての意見が反映されていますかという問いに対しては、「充分反映されている」が53、「反映されている」が375、「あまり反映されていない」が255、「全く反映されない」が40、「わからない」が175、空白28となっている。

意見の反映のグラフ

14 行政の支援・協力

貴診療所で勤務するにあたり、市町村長、議会や行政の協力・支援はどうですかときいたところ、「十分な協力・支援がある」と答えたのが237、「一応の協力・支援がある」が506、「あまり協力・支援がない」が74、「協力・支援がない」が24、「わからない」が62、空白22となっており、約8割は協力体制ができていることがわかる。ただ、協力支援がないと答えたところも24あり、さらなる行政との話し合いが必要であるといえる。

行政の支援・協力のグラフ

15 協力・支援ない理由

14の質問で、「あまり協力支援がない」または「協力支援がない」と答えたところに、その理由をきいたところ、「市町村長、議会や行政の理解がないため」と答えたのが57、「市町村長、議会や行政の理解はあるが、市町村単独では困難なため」と答えたのが34、その他8となっている。

協力・支援ない理由のグラフ

16 へき地診療で困ったこと

〔診療面〕

へき地医療で困った事例をあげてください(複数回答可)という問いに対して、「最寄の医療機関に急患を紹介したが受け入れてもらえなかった」92、「診断器機があれば患者を転送する必要がなかった」175、「専門的診療科の相談に対応できなかった」136、「患者を紹介しても返事がなかった」173、「学会発表を中止した」21、「医療技術の研修ができない」205、「学位研究ができない」59、「常に診療所にいなくてはいけないという心理的圧力がある」241、「後任がいない」60、「自治体の理解が乏しい」7、「自治体の首長としっくりいっていない」18、「行政としっくりいっていない」18、「住民であるスタッフとの関係がこじれると修復できない」が31となっている。さまざまな面で問題点が多いことがわかる。

診療面のグラフ

〔生活面〕

生活面について、困っているところを聞いたところ、「冠婚葬祭に出席できなかった」99、「単身赴任を余儀なくされた」106、「十分な子供の教育ができない」117、「日常生活に不便さを感じる」277、「地域での生活になじめない」36、「自由な時間が持てない」128、「親族、友人等と疎遠になった」97、「親のことが心配」80、「家族が仕事がない」30、「保育環境が整っていない」44、「家族や自分の病気が心配」97、「気象条件が厳しい」136、「交通が不便」291、「住民に活気がない」27、「地域に魅力がない」31、「文化的な違和感がある」21、「物価が高い」33、「文化的な施設(美術館・書店等)がない」186、「施設が不十分で充実した余暇を過ごせない」30、「深夜まで開いている商店がない」82、「住民からいつまでもよそ者扱いされる」14、「方言が理解できない」10、その他21となっており、生活に関してもさまざまな点で苦労があることがわかる。

生活面のグラフ

17 家族構成

家族構成については、8割以上に配偶者があり、64%が配偶者と同居している。

グラフグラフ

同居している配偶者以外の家族については子供が多く、就学前等の小さい子供がいる場合が多い。

グラフ

2割弱が単身赴任で勤務しており、14%が配偶者と別居して生活している。

グラフグラフ

別居している配偶者以外の家族では、大学生などの比較的年齢の高い子供が多くなっている。

グラフ

18 住居について

住居については、約半数が独立した専門医師住宅に居住しており、集合住宅の医師住宅への居住を含めると、6割近くになる。

診療所地区外の自宅からの通勤は27%になっている。

通勤時間については、15分以内が最も多く、以降時間が長くなるほど少なくなっている。

グラフ
グラフ

通勤手段については、車が最も多くへき地での交通手段の中心となっていることがわかる。離島などは船を利用した通勤もある。


  256
徒歩   30
  16
車船   5
車、電車   5
電車.船   4
徒歩   4
車、船   4
電車   4
自転車   3
電車、船   2
タクシー??   1
バス   1
車、電車、船   1
(空白)   590
     
総計   926

19 へき地医療の勤務継続に必要なこと

へき地医療の勤務継続に必要なことは何ですか(上位3つまで)と聞いたところ、「診療支援体制の強化」536、「医師としての研修・生涯教育の充実」474、「地元行政の理解と協力」350、「報酬の充実」280、「生活環境の向上」258、「複数医師体制の確保」188、「子弟教育の充実」170、「ネットワークでの人事」80、「最新機器整備」78、「安定した身分」67、「生活必需品の確保」25、「レジャーの確保」23となっており、他に、「自由時間の確保」「住民の支え」「有効な人間関係」といった声もあがっている。

へき地医療の勤務継続に必要なことのグラフ

20 へき地医療に求められること

19の質問に関連して、今後のへき地医療に求められることは何ですか(上位3つまで)と聞いたところ、「地域医療に関わる人材の育成、確保と教育の改善」610、「後方支援病院の役割強化」581、「へき地医療支援の中核的機関の設置」365、「総合的な診断や地域医療に関するガイドラインの確立」265、「都道府県の自由な裁量によるへき地医療対策」258、「国や県などの行政的指導力」163、「広域化による資源の有効活用」151、となっている。また、そのほかとして、「良質な医師の確保」「医療設備の充実」「財政支援」といった声も出ている。

へき地医療に求められることのグラフ

21 無医地区に必要なこと

無医地区に必要なことは何ですか(複数回答可)という問いに対しては、「医療機関への患者送迎車(船)の運行」が578、「診療所からの出張診療」が459、「病院からの出張診療」296となっており、そのほかに「テレビ電話の普及」といったような情報通信の充実、また、「地域とのコミュニケーション」という声もあがっている。

無医地区に必要なことのグラフ

22 無歯科医地区に必要なこと

無歯科医地区に必要なことは何ですかという問いに対しては「医療機関への患者送迎車(船)の運行」455、「診療所からの出張診療」440、「病院からの循環診療」209、となっている。そのほかに、「分院の設置」「在宅・寝たきり治療の設備」「地区の情報収集と公開」という声もあがっている。

無歯科医地区に必要なことのグラフ

23 へき地診療所に勤務する理由

へき地診療所に勤める理由は何ですか(上位3つ)という問いに対して、「やりがいがあるから」577、「働きやすいから」433、「自然環境がよいから」411、という前向きな理由が多数を占めている。一方、「義務年限内だから」153、「大学医局からの派遣だから」144、といったような義務的な理由でへき地にきている医師も存在している.。また、「報酬がよいから」114、「近隣に両親や友人がいるから」61、「両親の後を継いだから」31といった意見もある。その他として「興味がある」「行政からの依頼」という声もいくつかでている。

へき地診療所に勤務する理由のグラフ

24 現在の施設での勤続予定

現在の診療所での勤務の予定はどうですかという問いに対して、「できるだけ長く勤務したい」が352と一番多かった。「任期が終了するまで」と答えたのが220、「後任が見つかるまで」は93、「一定期間のあと再度勤務したい」39となっており、「早く辞めたい」といった意見も18あった。辞めたい理由としては、「行政の協力が得られない」「高齢、体力的な衰え」「人間関係のトラブル」といったようなこともあがっている。

グラフ

任期が終了するまで勤務する場合、現在の施設の任期については、有効回答の内、1年以内が最も多く6割以上になり、続いて1年〜3年が28%、3年〜10年が10%、10年以上が1%となっている。

グラフ

25 今後の改善点

今後も現在の診療所で勤務する場合、あるいは、一度他の場所に転勤して再度現在の診療所で勤務する場合に、何が改善されればよいかを項目別に質問した。

行政との関係については、より多くのコミュニケーションの機会を設け、相互理解が得られるよう連携・連絡体制を整備することを求める意見が最も多く見られた。その他、「設備の充実」や「理解ある財政支援」、「休養できる体制整備」などの意見があった。

住民との理解については、現在の状態でよいとする医師が多かったが、「プライバシーの保護」、「医師へ過剰に頼りすぎていることへの改善」、「健康管理の自覚・学習」、「診療マナーの遵守」などを求める意見があった。

医師住宅については、「狭い」「古い」といった意見が多く、へき地の場合賃貸住宅等も少ないため、医師住宅に対する環境改善が求められている。またプライバシーの保護などから診療所と距離を置いた場所への設置や、寒冷対策を求める意見もあった。

その他、自身のことも含めての記述では、「研修体制の充実」「スタッフの充実」「報酬の改善」「子供の教育環境の整備」「代診医の充実」「休日の確保」などが挙げられている。


26 今後のへき地医療対策への意見

あらゆる面でのバックアップ体制が必要である。
それぞれの地域の現状を充分検討し、今後の地域医療対策に対して各々ビジョンを持って行政施策を行ってほしい。
交通の便もよくなり、診療所の役割も減ってきていると思う。
長期間な計画をたてて議論を重ねることが必要と思われる。
へき地医療対策の枠内で考えるだけでなく、住民や行政と協力してへき地そのものを無くする努力が大切である。
交通の不便・生活の不便・低収入よりも、へき地の文化を解消したい。
へき地医療を解快するためには、住民と行政と医療専門職の3者の協力が必要だが、主力は住民パワーであって欲しい。
へき地中核病院の充実と搬送体制の強化が必要である。
在宅患者モニターを含めた遠隔医療の発展が望まれる。
広域化をはかり、計画性をもった運営を行い、適材適所の人員配置を行い、十分な生活保障をする。
国が総合診療医、県が自治医大卒総合診療医医をつくらず、へき地医療を諭ずる事に大変不満を感じています。
地元の子供達から極少ではあるが、10年に1人位は医学部に入っているが、ほとんど帰らない。他所からくる医師に半分、地元からの医師に半分頼る思想を国内に広めるべきと思う。
就職したときも「所長」、退職時も「所長」であり身分が全く同しである。将来のためにそれでよいのだろうか。
住民に対し、基礎検診と予防医療が保険に束縛されず、より自由に施行できること、有効な支援総合病院の設置と提携、医師の研修体制の確立、税制面の配慮が望まれる。
代診医がいない、研修体制、総合医・地域医等に対する理解が乏しいことが問題である。
医師のローテイトはできるだけ長時間で可能であれば数年単位で可能な限り同一医師の長期診療が望ましい。
医療機器の充実、支援病院の確保と年休をとれるだけの支援が欲しい。
基本的には市町村が地域住民に対する責任を持ってハード、ソフトの管理、充実を図るべきと思います。高齢者が安心してかかる事ができるようにするのが最も大切なことと思いますので、もし、施設の統廃合がやむを得なければ、最低でも高齢者(通院のあしのない患者さん)の事は十分配慮してほしい。病院、大学よりの交代勤務よりも、2〜3年でもよいので、必ず特定の医師が常駐することが地域の信頼を得るために必要。また、その間の技術、学術的研修を保証してほしい。
救急(ホットライン)時のバックアップ体制は整っているように思うが、日々の診療においての第1機関をおいてほしい。(遠慮なく疑問点を聞けるような)できれば夜間自衛隊機の出動の決定をもう少し早くしてほしい。
中央にいる人間がへき地医療対策を考えていては現場の問題をいつまでも解決できないのは当たり前と考えます。問題2の選択の中にも入っていない、一般消化器、外科医(一応、総合医研修を行ってはいるが)が診療所に勤務しているということを考えてほしい。総合医がなんでも診られるとは考えないでほしい。一通り診ることは診るが、全てにおいて一人では何もできない医者である。
必要な時に医師派遣できるような対応(大学医局以外も含めた対応)が必要と思われる。来年の介護保険で在宅の訪問診療がどうなるかわからずとまどっている。
TICAの国内版のような機構を作るべき。臨床経験豊かな人材でないとつとまりがたい。
とにかく、一人勤務は重庄となり複数体制を希望する。今年の台風災害では、life−lineである国道が決壊し孤島と化したので交通製備をしっかりとした所での勤務を希望したい。
人材の確保が重要である。現在のところ深夜でも急患を受け入れて貰っているので不自由はないのですが家族が入院したがらなかったり入院するまでもなく経過をみるためにへき地では4〜5床のベッドがあったら良いと思います。
一般医の技量の向上が重要である。月1回でも専門医の離島巡回診療(県単位で)があればよい。基幹病院の確保及び指導を希望する。また、長崎県立医科大学がないので県市民病院クラスの充実支援の上壁地・離島への支援体制を確立すること。
現在看護婦欠員のため医療事故スレスレでやっています。医師だけでなくスタッフの確保も問題である。(地域で働く人材の育成)
 地域医療のやりがいを支えること(研修保障、代診体制、生活の場の選択等)をすれば、もっと人材はたくさんいるはず。又、若い世代を地域で学ばせる場づくりも重要と考えます。
現場への理解・意志の疎通のしっかりとれる行政スタッフの配置を希望する。また、後方支援病院を含めた地域全体の診療体制の確立を希望する。
広域連合を作っても、その活動は役所的であり、自らのアイデアに乏しい。行政改革をさけびながら、一部事務組合はそのままである。広域連合を立ち上げると同時に一部事務組合は解散すべきであった。連合長、議員も直接選挙で選出し、既存の組長、議員ははずし、思い切った改革が必要である。連合長が組長で、議員も各組の代表であれば自分の組のことが優先されるのは当たり前である。
generalistとしての能力を確保.維持できる研修センターなどがあればよい。そこへ、年10日でも毎年研修できるシステムがほしい。
PrimaryCarePhysicianの養成Systemの確立が重要である。
あくまで医者と患者の人間的ふれあいを基盤とした医療対策であるべきである。
医師が短期間で交代、転勤してはだめです。へき地の患者は2〜3年してから、やっと信頼し始めてくれます.1年おきのDrの交代では患者から信頼される医療機関にはなれません。へき地診療所イコールかかりつけ医であるべきです。5年以上勤務してくれる経験豊富なDrが必要です.専門医はいりません。GPが必要です。その人材確保は市町村単位でされていますが、国も力を入れるべきだと思います。インターネットや遠隔医療だけではだめです。人材確保こそが大切です。
いくら交通の便が良くなっても、老人は取り残されていくので、継続してやっていくべきである。
いろいろ言いだせば「キリ」がない。人間関係を大切にして、今出来ることを最善を尽くし都会と格差のない医療を提供することが大切である。
インターネットetcを利用して、必要なときに専門医に相談できるシステムがあったら便利だと思う。
このアンケートをぜひ実効ある施策に結びつけてください。
これからは地域の人々との交流が不可欠。大学からの派遣制度は地域にとってマイナス面が大きい。
これまでの無医地区に「医師を送ればよい」という発想では、医師不足の解消は不可能。医師にも家庭があり、選択の自由はあるので、充足感のある職場環境の整備や、研修体制の確立が必要であり、そのために広域圏での診療所設置も地域によっては必要である。
しばらく携わってからでないとわからない。
その地域で信頼を得るには5〜6年は必要に思います。しかし、自治医大の卒業生などは3年程でやっとその地に慣れた頃に転勤という話しを良い耳にします。この辺りを改善すると良いのでないでしょうか。
とにかく行政との調整、県と町村との充分な話し合いが必要である。
バックアップ体制の充実、総合医としての教育・訓練期間・カリキュラムの確立、多くの人間で担う、あるいは担い手の意識の明確化、責任の確立、救急搬送をより正確で信頼できるものにする。
バリアフリーで有効なスペースの多い建物をできるだけ早期に建て直すよう、計画して頂きたい。
ふだん病院に勤務しており2Wに1度の出張で診療所に行くだけなのでアンケートの趣旨に合わない回答があると思います。
プライマリケア医の養成ならびに教育研修制度の強化介護保険制度の充実(環境ならびに家族の考慮)、マンパワーの確保が重要である。
プリイマリーケア.総合臨床の教育の充実、巾広い診断学の出来る医師の教育システムの確立が重要である。
へき地、遠隔地に若手医師が勤務しやすいような市町村の対応が図られるべきである。医師がやりがい、働きがいを見つけさせるような取り組みが必要である。
へき地であっても住民に最新の医療が提供できるよう研修を重ね、種々メニューの中から、患者自身に合ったものを選択できるよう努力しておりますが、長期研修の場合、急患等の対応が出来なくなることが気がかりです。
へき地に医師が来やすい状況を作って欲しい。
へき地に赴任する場合、スペシャリストでなくどのような場合でも対応出来る幅広い技術と知識がある方が望ましいと思います。後任者がスムーズに決まるような対策をたててほしいと思います。市町村だけでなく、国・県も協力して頂けることも望みます。
へき地の医療は、複数の医師が行うのが理想的である。その為には、医師派遣を含めての後方支援の病院の強化が必要である。へき地の医療の確保には、行政が住民の健康を守る為に、出し惜しみしないことも大切である。
へき地の対象人口が1500名足らずの地区で、医師個人の力で有床診療所を経営していくことは(1)殆ど年中無休(2)精神的肉体的な緊張・ストレス(3)コメディカルの補充の困難(4)代替医師を見つけられないため学会・講演会などへの出席制限(5)患者の大病院・専門病院志向による患者減(6)経費を生み出すのがやっとで新しい医療機器への買い替えが困難であることなど、障害が多く意欲がなくなる。
へき地へ勤務したい医学生は1年次は、1/3はいるでしょう。それが今の教育は専門、研究のすばらしさのみを教えるため貴重な人材を失い、ついに卒業時にはへき地へ行く医師はいなくなっています。医学教育がへき地医療を荒渡させています。
へき地医師の休日の確保ができるよう、支援体制の充実を強く要望致します。
へき地医療という言葉が早くなくなる日を望む。
へき地医療と離島医療は異質なものだと実感しています。わが国には離島医療対策があってもよいと考えています。有住民離島は全国に約300島あり、50%以上の島は無医師島です。
へき地医療に一番必要なことは十分なマンパワーが確保できることではないでしょうか。そして医師も1人では無理が多いです。複数医師体制が望まれます。
へき地医療に従事する医師の生涯教育をシステム化することが重要である。
へき地医療に揺れる医者は余庭の経験と数量がなければ住民のニーヅに応えられない。自治医大卒の若い医者の手に負えるものではない。内科のみならず、小児科、外科、整形にもいたオールラウンダのベテランの医師が当るべきである。
へき地医療は赤字経営が当然と考えなくては十分な医療機器の整備は困難と思います。ある程度の整備がなされないと若手医師はなかなか確保が難しいと思います。
へき地医療への国の規定の見直しと地方自治体の自由裁量による取り組みの推進が重要である。
へき地医療を充実し、継承するには、Back-upする人間のBankが必要です。人材の教育、そしてへき地をBack-upする中央の組織を県立病院などに作るべきだと思う。
へき地医療を評価し、医療面、医学上業積として認める方法はなのだろうか。
へき地医療機関は、収支のバランスがなかなかとれないので財政的支援をもっと拡充してほしいこと。人事面で、資格を有する専門職をもっと採用してほしい。
へき地医療対策の原点は行政の理解と住民の協力が不可欠である。
へき地医療任期後の行き先(研修場所や勤務地)に対しての不安があり、改善して欲しい。
へき地勤務の医師の価値を低くみる体医師がいる。大学病院のDrは一人では何もできないはずだ。
へき地勤務医師の研修生涯教育に対する支援(代診.研修費用等)を厚くして欲しい。
ヘき地支援所のある五條病院まで車で2時間かかり、遠いため比較的近い吉野病院等もへき地支援所をつくってほしい。そこから週に数回診療あるいは休日の当番をしてくれる医師を派遣し、一診療所に医師がせめて1人いるようない体制にでもしていただければ住民のためになる。
へき地診療(無歯科医地区)は後継者が継続して持續出来る様な行政的配慮、支援が制度が必要と考える。
へき地診療には、在宅医療をはじめ、おもしろいこと、勉強になることが数多くあります。都市部とはひと味違った温かい医療を少しずつ実現したいと考えています。
へき地診療所といっても、琴海病院から15分で通える。住民に親しまれた今、足がぬけないが対馬でやっていた頃よりは緊急対応も送ればいいのですから楽なものである。
へき地診療所と地域中核病院との連携が今後とも非常に重要と思われる。
へき地診療所医師の地位確保のため税制、老後の保証が必要である。現在無意味な遠隔医療の機器、その他の整備の効卒化が推進されているが、必要なのは、へき地医師の定住のための国の施策と確立である。
もっと予算があればと思います。その予算で、物ではなく、マンパワーを充実させるとよいのかもしれません。
やりがいのある仕事です。滋賀県のへき地は後方病院がしっかりしていて動きやすい。
やる気のある医師が生涯を通じて地域医療にとりくめるように、身分、研究、研修などを含めたサポート体制を整備することが重要である。
やる気のある医師の犠牲の上でないと成り立たないシステムから、広く関心のある医師が参加できるような、長く勤務できるようなシステムへの変化が必要である。そのための最小限必要なことは、県や各施設に強制するくらいでないと現状はある意味変わらないかも知れないと思います。
委託開業という形式なので、人口減による収入減が甚しい。出来れば市が経営して、市の職員という形になれば安心して勤務できる。
医科及び歯科大学、総合病院、その他関係機関と迅速かつリアルタイムな情報交換ができる環境を構築したい。
医学教育の中で、地域医療について十分な理解と実践力を養成するために、公衆衛生的素要を有した臨床医(総合医)の養生が必要である。そのためには大学に基礎の公衆衛生講座と総合診療部の機能をあわせもった「地域医療保健学講座」(仮称)の開設が必要と考える。
医師が増加傾向にあり山梨県においても徐々に開業される方が増加しているように思います。当町においても歯科は2ヶ所開業され現在4ヶ所あります.私の知るかぎり当町でも医師が4名医学生が2名おられ治療所へ勤務されるか、開業されるかわかりませんが地元出身の方で構成していくのが理想でしょう。私の家も私で8代目ですが今後はどうなるかわかりません。へき地では、特別なことをなさらなくても行政は外へでられた方にはたらきかけるのもよいのではないか。
医師の確保は自治体が宣伝活動を続ければ可能と思われます。但し、経済的、効率性を考えると増々進む過疎化に24時間常勤医のいるへき地診療所の存続が危まれます。
医師の供給過剰が言われていますが、へき地はまだまだ医師不足の感はいなめません。なぜ、過剰とされる都市部に医師があえて集中するのか。その点にへき地医療対策の糸口があるのではないでしょうか。
医師の長期勤務は、行政としてはありがたいかもしれないが、住民の立場からすればサービスの低下(技術的、能力的)はいなめない。中核病院との連携、医師の再教育を行いできるだけ質の高い医療を提供していくことを必要と考える。そのためには、行政からのよりいっそうの人的、金銭的支援をおねがいしたい。
医師や歯科医師は常に研修が必要だということを行政が理解して欲しい。またそのための配慮が欲しい。沖縄の離島から本土への研修は体力的にも財政的にも大変である。
医師を教育している大学のへき地への取組が重要である。
医師確保のためには、研修基幹病院との兼務とし、2−3人の複数体制とするとよいと思います。報酬については、県としていただく方が気が楽です。時々いやな思いをするような発言が、職員からも、住民からも聞かれます。
医師複数体制や、専門医定期診療、支援システムの向上があればへき地医療も十分になる。
医療のコスト削減という見地からは中核病院へ(へき地)診療所間の交通・通信網強化し、身軽な診療所にすべき(中核の強化はもちろん必要)である。
一人の医師の犠牲の上に成り立つようなへき地医療は長続きしないし、医師の生涯教育(医師という社会資源の育成という観点)で好ましくない。若い医師には、ローテンションが必要である。勉強を続けるインセンティブが必要である。
引受けなければならない公私の役職が多すぎて医療に専念できない傾向がある。
院外薬局、検査機能のない地域では施設の運営、経営の効率が低い。現在の保険医療の枠組み、制限が医療の質の低下、効率の低下の原因となっている。
遠隔医療システムは始まったばかりですので今後に期待したいと思います。このような事務処理もインターネットなどでできると良と思います。
遠隔医療システムを運用するにはある程度の実地研修が必要であり、運用する者は認定資格を与えてはどうかと思う。現行のシステムは、多くはコンピュータのシステム管理者が現場に派置され半分程度の説明で終っている。遠隔医療を講座あるいは一つ確立した診療料(診療体制)として歴史、理念、将来展望、経済性(採算性)、実地実習など習得のため工夫をしていただきたい。
沖縄県の離島医療の現状は最悪である。県役人の離島医療に関する理解は全くないし、人事移動もあやふやであり、さらに中隔病院での研修も認められていない。これで本当に20数ヶ所の離島診療所をかかえる県の行政でいいのか。もし自治医大出身でなければすぐにでも沖縄県の離島医療等徒従事をやめたい。
過疎地域においては、医療機関の経営を成り立たせるだけの人口に満たず、困難な経営状態を強いられている。しかしながら、公共医療機関としてその機能は重要で、特に行政の首長が更新された際にも、その重要性を充分認識をされた上で在続の努力をはかっていただくよう期待したい。
画一的な施策では現状の改善は出来ないと思います。支援病院への時間的距離により、診療所装備の必要性が異なります。医師が診療所に近住する必要度も、連絡網の整備により下がってきます。設備面(ハード)の対応と別々、最低限1.5人体制(週5日)がとれればベターです。島根県のような医師プール制があればいいと思います。一人のDr.が24hr付きっきりとなることの困難さ、コスト高を住民に理解して頂き、かつ、診療所も誰が診療してもスムーズに対応できる共通性が欲しいところです。
各々診療所によって、特にへき地では特殊な状況というものがあるので、全国画一的な制度を導入されると場合によってはかえって困ったことになる事があります。
各自治体が診療所を経営するのは困難であると考えています。できれば県の様な大きな自治体が経営するのであれば診療所間の較差がなくなるのではないかと思います。また、一勤務体制の診療所は時代にそぐわないと考えています。(住民のニーズに応えられないと思います。)
各地でへき地に勤務している若手歯科医師の意見を聞いたことがありますが、ほとんどは診療そのものよりも、自治体との関係がうまく行っていなかったり、住民との意識のギャップに悩んでおられるようです。しかし、大部分は歯科医師側に問題があるように思います。気負わず、普通に、当たり前の事をやりつづけることでしょう。私はへき地に居るという自覚はありません。どこにいてもやれること、やるべきことをやるだけだと思います。
患者のスムーズな受け入れなど、後方支援病院の充実がなければ、離島の診療所は益々孤立感は深まると思える。
患者の足(通院や病院搬送)の整備が欲しい。(具体的には送迎バス、車イス、ストレッチャーの使える車)
関係役所の管理職に真に有能な人材をあてることが必要である。
机上の「絵」ではなく実際にへき地支援ができる体制をつくってもらいたい。現在私のところは人口2100人であるが医師5名体制であり、私のところから他のへき地支援をしている。本当にへき地支援ができる体制づくりが全てであると思う。
機器等が故障しても、へき地の為、メーカーの対応が悪く不便を強いられます。
救急時における搬送体制、受け入れ体制の充実、在宅医療の限界についての充分な説明、高令者にも命の尊さを充分理解してもらい、気安目医療からの脱却、通院のための交通の便の悪い患者に対する相迎パスの充実が重要である。
旧式の医療機械を使って、だましだまし診療している。診療所に対する財政的支援が必要と痛感する。(特に歯科に対しての)
経済的には成り立たないので、行政としてしっかりしたビジョンを持って、全町的視野で設置場所などを決めて、新設してほしい。(現在は町内で偏在して国保診療所があるが、町村合併の契約で変更できないようだ)全く赤字にはなるだろうが、病院はほしい。
決してへき地勤務が嫌ではないが、点としての存在、活動に限界を感じる。物理的にも心理的にも周囲とのつながりをもてるシステムを構築してほしいまた、後任を早く決めてほしい。日本の医療の第一線を支えているプライドはあるがそれを公的に認め支持する場があれば定着者がもっと増えると考える。
研修と生活環境改良、研修の充実、土日に仕事から解放されるような環境作り、研修や休暇の為の代診体制を希望する。
現在、離島に勤務しております。人口400人余の小さな島で65歳以上の方が50%弱を占めます。現在のところ、比較的自活されている方が多く、こちらとしましても思ったより診療上の困難さは感じませんが、この先数年後にさらに高齢者の方が増加した際に、どのような医療が求められるのかをこれからも考えていきたいと思います。
現在1人の医師で2か所の診療所長と療務していますが、現在進めている保健・医療・福祉と総合した施設が実現できれば是非とも複数医師体制にして研修・出張・休日等が十分確保でき、かつ巡回診療や訪問診療が充実することを希望する。
現在の状態ではへき地医療は医師つかいすて医療であり、若いDrに積極的にすすめにくい。
現在の地域医療に求められている必要業務(在宅ケア、救急、プライマリケア、ある程度の専門医療、生活習慣病予防、小児保健、精神保健、ターミナルケア、老人福祉等)に対して医師とコメディカルの両方とも絶対的に不足している。結果、納得のゆかない仕事を強いられ、医師が定着しないという悪循環になっていると思う。
現在都市部とへき地での医療較差についてはよく論じられているが、実際はへき地間での較差が問題である。へき地によっては行政の協力と医師の力量から都市郡と比らべむしろ充実したへき地医療を展開している地域もあれば、医療軽視の地域もある。よって医療行政を地域でとの行政にまかせるのではなく、全国町に統一した基準で医師の派遣や給与の決定を行うべきである。とのための全体的な組識を厚生省内で作ってもらいたい。今のように医師ほしさに、給料で釣るような行政の姿勢はまちがっている。
現在病院に勤務していて、週一回の出張診療なので特に不自由はない。しかし一般的に同じ保険料をはらいながら、へき地では低い医療しか受けられないことのないよう人的、物的支援を地方に重く、中央に軽くすべきと考える。また、へき地診療所でも複数医師体制の確保が必要と思われる。
現場で働く人間として、もう少し裁量をまかせていただきたいです。国をあげそのより良い政策づくりをお願いします。
後支援病院の支えが欲しい。研修場所、相談場所として強いつながり、指導が欲しい。
後方支援病院との連携が重要である。
交通機関の発達で、いわゆる「山間へき地」はもはやへき地とう言えないほど、日常生活に不自由する場面は少なくなってきている。離島へき地はいまだに不自由な生活をしいられる場面が、しばしばあり、山間へき地と分けて考える必要があると思う。医師のローテーション、代修医、島での生活面等、当面は更なる行政面のバックアップが必要である。しかしいずれ近い将来、橋のかからない離島の村は過疎化.高齢化で自然衰退していくのだろう。
交通弱者の送迎体制の強化(特に冬期間)が重要である。
交通網の充実などによりへき地と云えないへき地が存在する。へき地の数をしぼって重点的に医師、人材、物を投資する行政の配慮が必要である。
広報等によるセルフケアと予防給付を伴ったプロフェッショナルケアの確立が重要である。
行政と現場(診療所)との対話(相互理解)がこれからますます必要になるのではないか。
行政と診療所が一体となって過疎化高齢化の村民の保健福祉対策を講じなければならないと考えている。
行政の苦しい台所事情は理解できるが、へき地医療への支援の質が著しく低下しないようにしていただきたい。
行政の行う医療対策は、公共工事のばらまき型の政策が多く、建物や機器はあっても人材育成やソフト(教育)を行っていないので不備が目立つ。
行政の行う健康管理と二次医療機関、診療所との風通しの良い関係を構築することが大切と思います。それが地域住民のサービス向上になると思います。
行政側に医師を確保したからそれで終わりではなく、医療水準向上のため長期的ビジョンをもとにした計画・整備がないとへき地医療はうまくいかないと思う。
高価な医療機器等は必要ではない。専門的な診療・検査は近隣(近くにない場合は.送迎方法の充実を)の病院へ紹介している。
国の医療行政に振りまわされなく、地元の住民と密着して特異性のある診療が出来るように、へき地そのものが協力してくれるだけでよいと思う。
今後とも安定したへき地医療の継続維持には、地域中核病院を強化して、そのスタッフを半年交代くらいの周期で派遣する方式が望まれる。県・市町村との地元医大との意見交流を密にして、そのような体制確立を目指すべきである。今までの長い経験から、国・行政はあまりにも無方策・不熱心と思う。
最近の自治医大の医師は介護保健への関心がうすいようである。研修中の身分であることを思うと無理もないが、自治医大の医師派遣については、10年程度の臨床経験を積まれてからの方が、住民のニーズに合うように思う。
最近病院のコスト面(経営面)から国公立病院の統廃合が実施されているが、国民が等しく良い医療が受けられるためには公的機関(特に国の行政)がへき地医療をもっと詳細に把握し、各地の実情に見合ったきめ細かいプランを建てて地方自治体と協力しながら医師の配置、交通手段の確保などを検討していく必要がある。
財政規模の小さな町村が、医療機関を維持していくことは大変だと思います。公立の診療所であるが故に善意の診療を行えば、赤字が拡大していくことが設備の更新を困難にしていく、そのことが最も気がかりな所です。
市内にはいくつもの総合病院、専門科病院があるので、ここだけで治療をみたすのでなく、それらとの有機的な運用が必要である。
私が勤務している歯科診療所は町が建てたものだが、経営に関しては私に全てまかされ、給与も私が収入の中から職員に払っている。経理も全て私が行い、雑用が多く、週の労働時間は約60hである。おまけに隣接自治体の歯科診療所にも週2回、自ら車にスタッフを乗せ、片道20kmを通勤しなければないけない。私は自治医大卒でもなければ防衛医大卒でもない。自治体からの援助(人材・資金)が必要である。このような厳しい環境下での労働を強いられている歯科医師がいることを行政は認識してほしい。
私は自分の出身地に帰ってきました。子供の教育も高校2年生ですので、ある年齢になれば、へき地診療もいいと思いますが、ただ次第に目が悪くなるなど、体力的に問題がでますが、医師の数も増え生活の為にとへき地にと思う人が増加するかもしれませんが、へき地の人達の為に頑張って欲しいです。
私は退職後の再就職であり、将来のある若い医師とは事情が異なります。初めて地域医療に関わって感じることは毎日24時間、1年中束縛されている感じがあります。年休はありますが年休を取ると休診にせざるを得ないので実際殆ど年休をとっていません。(年に3〜4回午後に休みを取る程度です。)患者数の少ない地域の診療所で複数医師は不可能ですが、地域中核病院との間で医師の臨時派遣に関する協定ができ、休診せずに年休がとれるようになると随分気が楽になると思います。
歯科そのものに対する行政の理解度が少なすぎる。住民の健康に対する自己管理能力を高めるよう、行政がより関わるべき。
歯科は治療重視の医療よりも、予防重視の医療へ移行すべきです。 しかし、予防重視の医療活動の評価(特に経営上)が低くて、予防活動が難しく、なかなか住民の歯科保健の向上が見られないのが残念です。
歯科医療は高齢化で不採算の処置が増加しており、高齢化に合わせた保険点数の見直しが必要である。
自ら希望してへき地に勤める歯科医は多数いるのに、医師が不足しているのは、医療制度そのものに問題があると思う。
自治医大卒は「1つの医局」として固まり易い。他大学出身者への理解が欲しい。役場内にはやはり潜在的によそ者意識があると思う。
自治医大卒生が義務年限内に無医地区でない病院に勤務しているケースが多すぎる。
自治体を越えた協力体制が必要と思います。
自治体立の医療機関がへき地医療のキーをにぎっているが、県、国レベルと有機的につながっていない。各自治体がバラバラというのが実状である。そして特に医療に関して理解のない地域で動くことは非常に医師個人に対する負担が大きい。もっとシステム化していくべきで、例えば勤務条件のきびしい所はそれに相応した環境整備(住居)、報酬でこたえていくべきと思われる。でないと医師も定着しないし、次の医師もかなりえり好みしてまわせない診療所が出てくる。
実効の上がらない対策はカットしてください。ムダ金を使う必要はありません。へき地で成功している医師について、他の人がうらやましがるような待遇や環境にして下さい。その結果競争になって良い人材がどしどし入ってきて欲しいです。どうせ都市では医師は余っているからである。
週1回位のプライベートな日がとれる様な施策が欲しい。
住民から唯一の診療機関という理由で受診されるのではなく、へき地にいても本土と同等以上の医療を提供し、信頼されるように医療に携わっていく必要がある。また、時間的なlossがなるべく少なくなるよう、よりいっそうのヘリ転送等の連携を推進して欲しい。
常に島にいないといけない心理が働く。代理医を容易に依頼できる体制がある程度必要である。
常勤歯科医師のいる歯科診療所の設置が望まれる。あわせて、人材の育成、確保が必要と思われる。
診療所での総合医療はもちろんだが産業医、消化器外科専門医、内視鏡学会認定医等の資格を生かしたい。
診療所の医師確保に対して(特に突発的な需要に対応できていないと思うので)自治医大卒業医師以外の供給システムを少しずつ構築して頂きたい。
診療所の建物や医療器機に不都合が生じた時に、責任をもって、早急に修理を行う態勢を作ってほしい。
診療所医師1人体制では、医師の研修や学会参加もままならないことが多い。診療所医師複数体制が整えば、診療所内での相談も可能であり、これらへの参加も可能である。できれば、診療科の違う医師が良いと思われる。
診療内容の増大に伴う、医師・看護婦・事務員への待遇改善が早急に望まれる。(人員スタッフの増員、報酬)
診療日が週3日となって先生が別の日にそれぞれ診療して居りますので専任の先生が必要である。
診療報酬や税制上、都市部と同じく一律に決めることのないよう、へき地を考慮してもらいたい。診療報酬の問題では、へき地では内科診療でも、多数の診療科の処方を行わなければならず、処方薬剤数の制限(多剤投与の処方料・薬剤料の減点)を緩和してもらいたい。70歳以上総括化の場合も、今後行われるかもしれない定額化の場合でも、定額を超えて赤字となる。へき地で診療している医師は、委託開業の場合、税制上、都市部よりも優遇してもらいたい。
精神科医として義務年限内に限らず長期的にへき地医療に従事したい希望を出したが、需要の問題と自治医大システムからとにかく早く義務年限を終えるように指導された。義務年限終了後に非常勤や嘱託で関わる道が確かにあると思うが、自由な栽量で認めてもらえるとうれしかった。
責任者がはっきりしていない。管理者が診療所に勤務していない人になっていること。
赤字が累積していき、意気消沈する。へき地医療に対する国の援助のさらなる拡大をお願いしたい。
多くの場合、へき地医療機関にただ医師を確保しておけばよいという行政の姿勢がみられる。派遣されて医師は物理的、精神的支援が無いまま疲弊して燃え尽きてしまう。もっと地域医療に光を当ててもらいたい。
大学講座制の解体→専門性だけでなく、医師としての基本的能力のレベルup(初期研修、教体の充実)学内でのコース変更(外科系→内科系など)のflexihiltyを高める。
大学卒前卒後教育の改革。中核病院の質の向上。日本医療の歪み(薬、検査、点滴漬け)があり、田舎で質の良い安い医療を提供しようとしても住民に理解してもらえない。
地域には、地域の生き方があり、医療だけ突出しても、地域の人達にとって幸福とは限らない。
地域によりへき地医療状況が異なるので各診療所ごとの対策を進めるべきである。
地域の保健、福祉にも目のとどく医師の育成が重要である。
地域医療に関わる人材の育成、確保と教育の改善が必要です。特に医師の考え方を変えなくてはいれないと考えます。目の前の患者や住民をどう診るのかを考える医師が必要です。教育も研究者と育てるのではなく、医者を育てる教育をしなければいけないです。大学の改革が必要です。遺伝子の研究などは理学・農学の人達がそろうべきものです。大学在学中の学生にそのようなむずかしいことを教えても臨床の場には使えません。教育の改革が必要です。大学の改革が必要です。
地域医療をやりたいからやっている人と、かくれみのでやっている人に患者の評判以外の差がつく制度が欲しい。自治医大卒業生の有効活用、現在は既得権としての一人診療所派遣が続いており、広域化等によりさらに有効な配置を考えなおすべきだと考えます。健康福祉対策課および自治医大卒生との連絡を熊本県内でも進めていただきたいと思います。
地域特性にあった医療対策が可能な栽量権が必要である。(市町村単位)
地元の行政及び住民に診療所運営について協力姿勢・理解がほしい。
地方自治体の財政がきびしく、診療所の経営がうるさく言われるようになり、開業したほうがいいような気になる。
地方自治体の財政が苦しく、診療所も運営第一で住民によい医療を提供することが放置あるいは破棄されている。遠隔医療やパソコンの導入も話にならない状態である。何とかやる気のある医師が力を発揮できる環境づくりを国にお願いしたい。(地方の予算は土木事業にばかり費やされている)
地方自治体診療所自身の体制ともにあまり保守的であり、現状の状態より診療体制を強化していくという姿勢がいま一つ感じられない。
中央中心のおしきせの制度はつくらないで欲しい。へき地の制度はへき地の中で考え出して初めて生きたものが出来ると思います。
中核病院とインターネットなりでOnLine化してほしい。
中核病院との連携、バックアップが確立されればへき地診療に対する不安が解消されるので、もっと多くの医師が参加できると思う。
中核病院等にあたる施設に、もっとへき地医療を理解してもらって、へき地へ行っているDr.だけが、苦労し、悩む態勢は改善されて欲しい。
町から依頼されての(嘱託)月〜金の出張診療です。人口減で患者は少なく、小生が手を引いたら存続不可能と思われます。出来得る限り長く勤務したいと念願しています。
超高齢患者のへき地診療所への送迎が必要である。
冬期老人が集合して生活できるグルームホームの併設一応国保の診療所なので国保運営委員会では話しあっているところ。
当所はへき地と言っても近隣市町に医療機関が整備されているため当該質問にはそぐわない面がある。しかし、村の中での重要性はわかっていても患者本位に施設のあり方を考えられていないため、経営難がどうしてもクローズアップされる。真剣に取り組んでもらいたい。さもなければ廃止の可能性もあろう。
当所はへき地と云っても大津市内の一地域であって、道路もよくなり近隣繁華街(医療施設)まで20km。所詮「僻地」と云い得るかどうか。従ってこの地域の福祉保健も県市行政の中で幾つかの部課に別れ、相互の連携も円滑であるとは云えない。そこで当地域、当所を専門に扱う中央部局が設置されるとよい。
当診療所のみについては医療器の充実、スタッフの充実、診療所の改築、行政ともっと密接な関係がほしい。
当診療所は隔週診療月約2回の診療実施のため、慢性、特定疾患は2週間分の投薬を原則としている。年間の中で3週間毎になる時があり経過観察と空白になるのを防ぐため、平均隔週実施が望ましい。
当地で3年目を迎えておりますが離島医療に対する支援事業(代診他)で現在利用可能なシステムがあったことを知りませんでした。御教授いただければ幸いです。長期的視野にたてる医師一人が長年いることよりも、定期的な研修期間を中央で受けていただきそこから短期ローラートで派遣される形がいいのかなとも考えます。
道路の整備ができているので、1日30人しか来ないような診療所に若いやる気のある医師を置いておくのは医療圏全体を見て無駄なことと思う。つぶすべき診療所はつぶし、バスによる送迎を充実させるべきである。
二次医療圏までの距離が遠すぎる。(70km、冬は-30℃になるので1時間以上かかる)30分以内に搬送できる病院が必要である。普通の診療では内科が主なので、せめて内科認定医の資格を有する医師が望まれる。内科認定医+救急対応可能な医師が求められる。総合診療科は言葉の響きは良いがヤブ医者と同じで、高度専門化する医療において又、弁護士の増加において、かっこうの医療訴訟の対象になると思われる。へき地でもマスコミや交通の便の改善により、住民の医療ニーズは高い。
病院との連絡を取りつつ、必要あらば直ちに紹介できる状況を取れること、患者自身がしっかりして病院に必要な検査を受けに行くことが重要である。
複数医師(2人とか)の勤務体制が必要と思います。
複数医師体制は困難なので、代診医師の派遣が容易な体制が欲しい。
兵庫県では県養成医師(自治医大、兵庫医大卒)が義務年限終了後にそのままへき地医療を続けるケースが少なくなっているように思われます。継続できない理由については様々にあると思われますが改善できるところは改善を期待したいと考えています。
へき地医療に関心を持っている歯科医師に対し、その情報を積極的に公開し、僻地医療に関心のある歯科医師の育成を図って頂きたい。今回のアンケートの集計後、その結果を是非とも公表して頂きたい。
保健、医療、福祉を総合する機関がない。特に市町村レベルの権限を強化し、地域のニーズにあったへき地医療対策が立てられるように予算の配分が必要である。
保健活動が医療業務のなかで行なわれることが常態化するべきと考える。口腔ケアを主力と据えた医療に変更していける医療法改善が望まれる。
保健行政において、歯科は後まわしか、蚊帳の外になる事が多い様に感じる。ぜひ計画の初期の段階からの参加を望む。
保健婦(自治体)に対し、歯科に関する予防(公衆衛生)のカリキュラム研修を実施しするよう都道府県単位で考慮してほしい。
保健婦との関係を深くし、地域の医療全般の中から考えなれければならない。移動診療ではなかなかうまくゆかない。
当診療所に勤務する医師としては、月に1回の親病院での研修(2〜3日程度,土日をはさんでもよい)が必要と思います。また海を隔てた島で働く医師は、陸つづきの診療所で働く医師に比べてもその不安感というものははかりしれません。地域の住にも、よりよい医療するためにまたある程度の自信を医師がもてるようになるために初期研修を2年から4年にすることも提案します。
優秀な一般医にもなれるよう大学で十分基礎から臨床まで教育してほしい。専門医ではへき地医療はできません。また、へき地医療の医師に再度教育を半年くらいかけてしてくれるシステムを国、県がつくってほしい。地域で10年もやると一般病院では使いものにならないのでは、若い人がこの分野に入ってこられないと思う。
様々な町村とつきあってきたが、行政側の保健医療に対する姿勢によって格段の差がある。やる気のある町村に対しては、町村の自主性を重じ、やる気のない町村に対しては、都道府県、さらに国が直接へき地の医師と連携して住民にとってよい保健医療を提供できるようにして欲しい。
離島医師の24hrs常にオンコールの状態で過ごしているストレスフルな状態を全く理解していない。どんなに忙しくても完全にフリーになる日がある方がはるかに良い。行政側に地域医療の継続性を必要と考えていなくただそこに医師を派遣すれば良いという考えでは良い地域医療など到底できるわけがない。離島医療に憧れていたが、現実的には、医師の待遇が悪すぎるため、人材の確保ができてないし、継続する者が極めて少ない。
離島の診療所においては.必ず2名以上の医師確保研修日の確保が望まれる。加えて、地元の医大にへき地勤務に理解のある教官(できれば教授)が存在し、研究等のバックアップもあれば理想でると思う。
離島医療を始めて2年半の月日が流れました。年を終るごとに離島医療へのやりがいを感じています。しかし同時に研修がなかなかできず、日々の診療の中で不足している知識や手技が明らかになっています。それに対するあせりが一番大きな問題です。定期的な専門機関での研修及び勉強会への参加は離島や山間へき地での医師にとって不可決なものと確信しています。給料うんぬんよりこちらがとても大切であると考えます。
離島診療所の定員を3人などプール制にし、増員すべきである.行政のその場しのぎでない対応が求められる。
例えば、公的病院スタッフとなるためにへき地勤務経験を必要条件にするとかを考えてはどうか。
例えば光ファイバーなどの高速対信網を設置し、地理的条件の悪さを克服する何らかの対策をとって頂きたいと考えます。
老人が診療所へ来るための交通機関が極めて少ない。老人が来られるように足の確保する努力を行政側に望む。


へき地中核病院及び
へき地医療支援病院へのアンケート(様式3)

1 院内の支援体制

各病院のへき地医療支援対策についてたずねた結果、「院内でへき地医療支援のための責任者を決めて、院内の運営・調整をしている」と答えたのが76箇所、「特に責任者を明確に決めていないが、院長、副院長、診療部長等が対応している」と答えたのが71箇所、「特に責任者を決める必要がないので決めていない」が21箇所、白紙7箇所となっている。

半数以上の病院でへき地医療支援対策に対して明確な責任者がいない状態である。

院内の支援体制のグラフ
(総数 175)

2 病院が担当しているへき地医療支援

病院が担当しているへき地医療支援について、それぞれの支援内容の1年間の頻度について回答を採った。

非常勤医師の定期派遣については、支援している所では、年間6人以上50人以下が最も多くなっており、次いで51人以上100人以下、101人以上150人以下と続いている。93箇所が支援していないことになっている。

グラフ

非常勤歯科医師の定期派遣については、実績のない状態である。

グラフ

代替医師の派遣については、108箇所が支援していないことになっている。支援している所では、年間の派遣人数が10人以下が最も多くなっている。

グラフ

その他の医療機関関係職種の派遣については、107箇所は支援していないようになっており、支援している68箇所の中では、年間10人以下が最も多くなっている。

グラフ

へき地巡回診療については、支援している110箇所では、年間101回〜200回の実施が最も多く、次いで51回〜100回が多くなっている。

グラフ

研修の受け入れについては、127箇所が支援をしていないようになっており、支援している48箇所の中では、年間の受入人数が10人以内の所が最も多くなっている。

グラフ

画像伝送やテレビ会議等による遠隔診断・治療については、53箇所が支援しており、年間10回以下が34と最も多くなっている。122箇所は支援していないことになっている。

グラフ

定期的な症例検討会、研修会の開催については、115箇所は支援をしていないことになっており、支援している60箇所では、年間の開催回数が10回以内の病院が最も多く27件あった。次いで11回から30回が19件となっている。

グラフ

紹介患者の受入調整については、114箇所は支援していないようになっている。 支援している61箇所では、年間10人以下がもっとも多くなっているが、400人以上が6件あるなど多様になっている。

グラフ

総合的な臨床医としての養成・指導の受入については、支援を行っているのは34箇所になっており、そのほとんどが年間10人以内の受入になっている。8割以上にあたる141箇所では、支援が行われていない。

グラフ

5 へき地巡回診療担当医師

病院内でのへき地循環診療の担当について聞いたところ、「院内の医師全体で対応している」が27箇所、「特定の診療科が担当している」が46箇所、「特定の医師が担当している」が44箇所、白紙が53箇所になった。その他で開業医や大学病院チームに担当を任せている所もある。(総数 175)

へき地巡回診療担当医師のグラフ

6 特定医師院内勤務

特定の医師がへき地循環診療を担当している場合、その医師の勤務担当状況を聞いてみると、「院内の診療が主であり他の医師と同様に勤務させている」が55箇所、「院内の診療が主であるが他の医師よりも院内の診療を軽減させている」が14箇所、「主としてへき地巡回診療を行わせている」が8箇所、白紙が94箇所となった。多くの病院が院内診療とへき地循環診療を同等にかけもちさせており、担当医師の負担が大きいことがわかる。(総数 175)

特定医師院内勤務のグラフ

7 へき地支援方針

自らの病院のへき地医療支援に対する方針を聞いたところ、「全ての職員が自院の立場・方針を知っている」が106箇所、「医師、歯科医師の全てが自院の立場・方針を知っている」が9箇所、「へき地医療を担当する医師、歯科医師だけが知っている」というのが37箇所、白紙14箇所となった。院内で自院の立場・方針について話題にしたことがないというのも9箇所あり、自院がへき地医療支援病院だという立場をわかっていない職員が存在していることがわかる。(総数 175)


8 へき地支援評価

へき地医療支援を行ううえで、その評価等はどうなっていますかという問いに、「支援の経時的な統計が把握され、問題点の抽出や解決策等の議論が記録されている」所が23箇所、「支援の経時的な統計が把握され、院内に報告されている」所が71箇所、白紙11箇所となっている。反面、特に評価等は行っていない66箇所もあり、へき地医療支援に対し前向きに取り組めていない病院があることがわかる。

へき地支援評価のグラフ

9 代診医派遣体制

代診医を派遣する体制を聞いたところ、「派遣する代診医が決まっており、適切に行われる仕組みがある」のが50箇所、「派遣する代診医は決まっているがルールが明確にされていない」が15箇所、「派遣する代診医が明確になっていない」ところが29箇所、白紙20箇所となっている。一方、「代診医の派遣は行っていない」というところが61箇所もあり、へき地医療支援病院としての課題がうかがえる。(総数 175)

代診医派遣体制のグラフ

10 へき地医療支援充足度

現在行われているへき地医療支援は地域の必要をどの程度みたしていますかという質問に対して、「充分満たしている」が20箇所、「満たしている」が109箇所と、「あまり満たしてない」33箇所、「全く満たしてない」4箇所、白紙9箇所を大きく引き離している。必要性には応えているという自負を持っている病院が多いことがわかる。(総数 175)

へき地医療支援充足度のグラフ

11 担うべきへき地支援

今後担うべきと考えるへき地支援は何ですか(複数回答可)という問いに対しては「医師配置計画策定」が29、「代診医派遣」42、「コメディカルスタッフの派遣」12、「歯科診療支援」5、「へき地巡回支援」41、「研修の受け入れ」10、「画像伝送やテレビ会議等の遠隔医療」10、「情報ネットワーク」3、「定期的な症例検討会・研修会」7、「紹介患者の受け入れ調整」4、「総合的な臨床医の養成指導」2、白紙8となっており、現在の医師、スタッフの派遣・配置に関しての点に物足りなさを感じている病院が多いことがわかる。

担うべきへき地支援のグラフ

12 へき地診療所からの急患受入

へき地診療所から救急患者を受け入れていますか(救命救急センター対応患者を除く)という質問をしたところ、「全て患者を受け入れている」のが130箇所、「紹介患者を主に受け入れている」のが28箇所、白紙13箇所となっており、診療所からの救急患者受け入れには積極的に対応していることがわかる。

反面、「基本的に受け入れていない」病院が4箇所あり、へき地医療支援病院の役割がとわれる。(総数 175)

へき地診療所からの急患受入のグラフ

13 定期的代診派遣

へき地診療所勤務医師が研修を受ける場合、その代診医の派遣をどのように行っていますかという問いに対して、「病院全体の医師で対応している」というのが34、「特定の医師が対応している」のが37、「他の医療機関が対応している」が7、「ニードはあるが医師が確保できていない」のが15、「ニードがない」46、白紙25となっている。また、「当院の役割ではない」とする答えも10ある。

定期的代診派遣のグラフ
(総数 175)

14 医師派遣

医師が確保できないへき地診療所への医師派遣を行っていますかという問いに対しても、「病院全体の医師で対応している」のが25箇所、「特定の医師で対応している」のが52箇所、「他の医療機関が対応している」が5箇所と積極的に医師派遣を行っている病院がある一方、「ニードはあるが医師が確保できない」13、「ニードがない」39、「当院の役割ではない」15と約4割が医師派遣に対応できていないことがわかる。(総数 175)

医師派遣のグラフ

15 臨時医師派遣

へき地診療所勤務医師自身の傷病や冠婚葬祭等の際に、臨時の代診医派遣を行っていますかという問い対しては、「病院全体の医師で対応している」のが38箇所、「特定の医師が対応している」のが29箇所、「他の医療機関が対応しているが8箇所」と約半分が対応しているが、「ニードはあるが医師が確保できない」15、「ニードがない」43、「当院の役割ではない」14、空白28と完全な対応体制が出来上がっていないことがわかる。(総数 175)

臨時医師派遣のグラフ

16 代診医師派遣体制

へき地診療所勤務医師の冠婚葬祭及び研修等で代診医派遣を行う体制はどのようなものですかという問いに対しては、「代診医派遣を検討する特別な委員会がある」のが3箇所、「関係者が協議する体制がある」47箇所、「担当者が適宣対応している」53箇所、白紙63となっている。また、病院長が対応、医師全体が対応といった意見もあった。(総数 175)

代診医師派遣体制のグラフ

17 代診医派遣実績

また、へき地診療医師の冠婚葬祭及び研修等で代診派遣の実績を聞いた質問では、「必ず要望に応えている」が39、「要望に応えられないことがある」が41、「要望に応えられないことが多い」が12、「ほとんど要望に応えられない」が20 白紙63となっており、代診医派遣の難しさがうかがえる。(総数 175)

代診医派遣実績のグラフ

18 専門医派遣

各科の専門医を地域のへき地診療所に派遣していますかという問いに対しては、「定期的に派遣している」のが30箇所、「依頼があれば派遣している」が26箇所、「ニードはあるがスタッフが確保できない」が21箇所、「ニードがない」52箇所、「当院の役割ではない」22箇所 白紙24となっている。専門医の派遣に関してはそれほどニードが高くない。(総数 175)

専門医派遣のグラフ

19 技師・看護婦派遣

技師、看護婦など医師以外のスタッフをへき地診療所に派遣していますかという問いに対しては、「定期的に派遣している」のが38箇所、「依頼があれば派遣している」が19箇所、「ニードはあるがスタッフが確保できない」が17箇所、「ニードがない」が63箇所
当院の役割ではないが15箇所、白紙23となっている。技師、看護婦の派遣に関してもそれほどニードは高くない。(総数 175)

技師・看護婦派遣のグラフ

20 現在のへき地診療所との通信手段

現在、地域のへき地診療所との診療に係る情報交換に主に用いられる通信手段については、「電話」が最も多く中心となる通信手段になっている。電話に次いで「FAX」が2番目に多くなっており、電話とともに診察に係る通信手段として広く活用されている。以下「画像伝送」、「電子メール」、「テレビ会議」の順になっている。

現在のへき地診療所との通信手段のグラフ

21 今後のへき地診療所との通信手段

今後、地域のへき地診療所との診察に係る情報交換に必要な通信手段は、何だと考えますかという問いに対しては、「電話」に次いで「画像伝送」という回答が多くなっている。以下「FAX」、「電子メール」、「テレビ会議」の順になっている。20の現在の通信手段に比べて、画像伝送や電子メールの比率が高くなっている。

今後のへき地診療所との通信手段のグラフ

22 地域医療支援情報ネットワーク

遠隔医療などを利用した地域医療支援情報ネットワークについてお答えくださいという問いに対して、「現在実施しており有効に利用されている」のが15箇所、「実施しているがあまり利用されていない」が19箇所、「今後実施を検討している」が49箇所、「実施予定はない」が79箇所、白紙13となっている。

現状としては地域医療支援ネットワークはほとんど利用されていない。ただ、今後検討をしている病院が49あることから、徐々に利用拡大していくと思われる。(総数 175)

地域医療支援情報ネットワークのグラフ

23 診療インターネット利用

地域の医療機関からの相談や患者紹介、受診検査予約、診療情報提供等についてのインターネットの利用状況を聞いたところ、「現在実施しており有効に利用されている」が9箇所「実施しているがあまり利用されていない」が16箇所 「今後実施を検討している」が87箇所、「利用する予定はない」が54箇所、白紙9となっており、約8割がインターネットを利用していないことがわかる。ただ今後検討したいとする病院も多く、利用は広がるものと思われる。(総数 175)

診療インターネット利用のグラフ

24 臨床研修指定

貴病院は臨床研修指定病院ですかという問いに「はい」と答えたのが36箇所、「いいえ」とこたえたのが135箇所、白紙3となっている。(総数 175)

臨床研修指定のグラフ

25 初期研修受入

医師に対しての初期研修の受入れについて聞いた質問に、「現在受入れている」と答えたのが77箇所、「受け入れてはいないが、受入れは可能である」と答えたのが33箇所、「受け入れる体制がない」が59箇所、白紙6となっている。

初期研修受入のグラフ
(総数 175)

26 研修方法

25の問で研修を受け入れていると答えた病院(77箇所)に、研修の内容はどのようなものですかと聞いたところ、「多科ローテーション研修の全科を当病院で実施している」と答えたのが17箇所、「多科ローテーション研修の一部を当病院で実施している」が24箇所、「専門医研修を中心に実施している」が36箇所となった。

研修方法のグラフ

27 総合医養成の研修プログラム

総合的な臨床医を養成するための特別な研修プログラムはありますかという問いに対しては「ある」が25、「ない」が146、白紙4であり、総合的な臨床医養成のプログラムが圧倒的に不足している現状がわかる。

総合医養成の研修プログラムのグラフ
(総数 175)

28 総合医研修責任者

27の問で研修プログラムがあると答えた病院(25箇所)に、総合的な臨床医研修の専任教育スタッフはいますかと聞いたところ、「いる」が18、「いない」が9となっている。

総合医研修責任者のグラフ

29 プログラム検討委員会

28の問で専任教育スタッフがいると答えた病院(18箇所)に、総合的な臨床医研修プログラムを検討する委員会はありますかと聞いたところ、「ある」と答えたのが16箇所、「ない」と答えたのが5箇所となっている。

プログラム検討委員会のグラフ

30 地域勤務医の研修受入

地域の医療機関に勤務する医師の週1回程度の定期的な臨床研修を受け入れていますかという問いに、「非常勤医師として受け入れている」が9箇所、「研修医として受け入れている」が11箇所、「非公式な形で受け入れている」が22箇所、「受け入れていない」が124箇所、白紙7となっている。(総数 175)

地域勤務医の研修受入のグラフ

31 研修会への地域医師参加

貴病院で行われている症例検討会や研修会に、地域の医療機関に勤務する医師は参加していますかという問いに対して、「多数参加している」が49箇所、「参加者が少ない」が65箇所、「公開しない」が52箇所、白紙9となっている。

研修会への地域医師参加のグラフ
(総数 175)

32 支援のため必要な事項

へき地医療を積極的に支援するために必要と思われる項目については、「後方支援病院の役割強化」が最も多く94、次に多い「総合的な臨床医など地域医療にかかわる人材の育成と確保」が93となり、この2項目が半数以上が必要と考えている。続いて「国や県などの行政的指導力」が60、「へき地医療支援の企画・立案・調整を行う中核的機関の設置」が57、「広域化による資源の有効利用」が47、「総合的な医療や地域医療に関するガイドライン」が39となっている。

支援のため必要な事項のグラフ


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