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参考資料1
第7回社会保障審議会統計分科会(平成16年10月14日)

「疾病、傷害及び死因分類部会」の設置について


 設置趣旨

 世界保健機関が勧告する「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(以下「ICD」という。)に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」(平成6年総務庁告示第75号)は、「統計調査に用いる産業分類並びに疾病、傷害及び死因分類を定める政令」(昭和26年政令第127号)に基づくものであり、産業分類とともにわが国の統計に使用される分類として重要な位置を占めている。
 ICDのわが国への適用に当たっては、各国の適用状況を配慮しつつ、わが国の事情に最も適した形での導入を考慮する必要があり、統計分科会において統計の基本事項としての審議を行うこととしている。
 しかしながら、その審議には極めて専門的かつ広範囲にわたる知識・経験が求められ、検討結果は責任の所在を明確にしてとりまとめられる必要があるため、医学の各分野について専門的知識を有する学識経験者からなる「疾病、傷害及び死因分類部会」(以下「部会」という。)を設置し検討を行うものである。

 審議事項

(1)世界保健機関が勧告した1990年のICD−10施行以来、現在までに勧告された一部改正部分をわが国に適用するための「疾病、傷害及び死因の統計分類」の改正に関すること。

(2)(1)に掲げる勧告に示された疾病及び死因のコーディングルールや内容例示等の事項のわが国への適用に関すること。

 構成及び当面のスケジュール

 部会に属すべき者は、医学的知識を有する学識経験者であって統計分科会に属する委員及び臨時委員から統計分科会長が指名する。
 平成16年12月から翌年1月までに、世界保健機関が勧告したICD−10(2003年版)のわが国への適用に関する諮問を受け第1回会議を開催する予定。平成17年7月ごろに検討結果を集約し、答申内容を決定する予定。

 庶務

 部会の庶務は、厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課において処理する。



(参考)
ICDに関するWHOの勧告と日本における適用


 WHOにおけるICDの改正について

 WHOは、新しい疾病、臨床(医学的)知識の変化、医学用語の変化、分類表の一層の明確化等に対応するため、ICD−10の改正(アップデート)、すなわち、ICD−10のまま改善(大改正、小改正)を加え、バージョンを更新することとしている。

 改正の原則は、「基本分類表(tabular list)」の改正は3年ごとの「大改正(Major change)」と毎年行われる「小改正(Minor change)」に分けられており、基本分類表に影響を与えない「索引」については、毎年改正される。

 大改正については、毎年10月のWHO−FICネットワーク会議において、WHOが受理したICD−10の改正項目のうち大改正に該当する更新事項が、翌年公表され、指定された大改正の年の1月から施行される。
 小改正については、毎年10月のWHO−FICネットワーク会議において、WHOが受理したICD−10の改正項目のうち小改正に該当する更新事項が、翌年公表され、その年の翌年1月から施行される。

 [参考]大改正と小改正の区分

大改正(Major change) 小改正(Minor change)
新たなコードの追加

コードの削除

コードの移動

あるコードについて、3桁分類項目のカテゴリーの変化を伴う索引の改正

罹患率もしくは死亡率に関するデータの収集の精度に影響を与えるルールもしくはガイドラインの改正

新たな用語の索引への導入
あるコードについて、同一の3桁分類項目のカテゴリー内における索引の修正もしくは明確化

内容例示表もしくは索引の強化(例:包含、除外項目の追加及び二重分類の追加など)

あるコードについて、概念の変化ではなく表現の強化

罹患率もしくは死亡率に関するデータの収集の精度に影響を与えないルールもしくはガイドラインの改正

誤植の修正


2 WHOが勧告するICDの日本における適用

WHOの勧告 日本の対応
3桁、4桁コードと分類名(14,000)
3桁、4桁コードと分類名
(14,000)+独自の細分類
(疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表)
○分類方法 ○分類方法
 ・内容例示(ルール)
 ・ 内容例示(ルール)
 (日本における事情を考慮)
 ・索引
 ・ 索引+日本の慣用語(日本語のソート)
死因選択ルール
死因選択ルール(日本における事情を考慮)
○製表用リスト
 ・ 死亡製表用リスト
一般死亡(簡約、選択)
乳児及び小児死亡(簡約、選択)
 ・ 疾病製表用リスト
WHOへの提出は製表用リスト
国内では日本の事情により独自の表を作成
疾病分類表(大分類、中分類、小分類)
死因分類表
(参考) 日本独自(人口動態用製表)
 ・ 選択死因分類表
 ・ 乳児死因分類表
 ・ 死因年次推移分類表
 ・ 感染症分類表
 ・ 死因順位に用いる分類項目

 注:枠内
 
は告示事項。


ICD―10に関連する状況


 傷病名
(1)カルテ病名・一般レセプト傷病名(いわゆる臨床病名)
1)複数のカルテ病名・一般レセプト(DPCレセプト以外のレセプト)の傷病名は一つのコードに集約
 ICD−10の各コードは、複数のカルテ病名、複数の一般レセプト傷病名を一つに集約したものである。したがって、一般にカルテ病名、一般レセプト病名が異なっても、同じICD−10のコードがつけられる。

2)カルテ病名・一般レセプト傷病名の各マスターの整備
 厚生労働省医政局では電子カルテや病歴管理などに資する「ICD10対応電子カルテ用標準病名マスター」を開発し、保険局では「レセプト電算処理システム用傷病名マスター」を作成している。両者の病名情報の統一化と相互のコードの対応付けを行い、医事会計システム基本マスターとしても利用できるように互換性を確保している。

(2)DPC(診断群分類)における傷病名
 DPCにおける傷病名(DPC傷病名という)は厚生労働大臣の告示で規定。臨床病名ではない。DPC傷病名は以下のように決定される。
 (1) 「医療資源を最も投入した傷病名」の決定。この傷病名は、上記のカルテ病名・一般レセプト病名と同じ臨床病名。
 (2) 「医療資源を最も投入した傷病名」に対応するICDコードの決定。
 (3) 決定したICDコードと診療行為等に基づき、厚生労働大臣の告示により、ICDコードの属するDPC傷病名と診断群分類番号を決定する。
DPCレセプトには、診断群分類番号と「医療資源を最も投入した傷病名」が記載。

 ICD―10と傷病名
 ICD−10は日本では統計分類として告示で規定され、その詳細は、統計情報部の発行する「疾病、傷害及び死因統計分類提要」による。
 具体的には、
 (1) ICD―10のコードとその内容例示
 (2) 臨床病名からのコーディングルール
 (3) 臨床病名からの索引
からなっており、臨床病名に対応するICD―10のコードの選択には関与するが、臨床病名の設定には関与しない。



ICDに関する状況

ICDに関する状況の図


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