04/12/16 社会保障審議会医療部会第4回議事録              第4回社会保障審議会医療部会                       日時 平成16年12月16日(木)                          10:00〜                       場所 厚生労働省7階第15会議室 ○企画官  定刻となりましたので、ただいまから「第4回社会保障審議会医療部会」を開催しま す。皆様方におかれましてはお忙しい中をご出席くださり、まことにありがとうござい ます。  最初に、本日の委員の出欠状況についてご報告します。本日は見城委員、辻本委員、 野呂委員、箱崎委員からご欠席という連絡をいただいています。なお、野呂委員の代理 として、三重県健康福祉部医療政策監の池田千絵子参考人にご出席いただいています。 また、豊田委員からは遅れるとの連絡がありました。本日、初めてご出席の委員をご紹 介します。尾形委員でございます。 ○尾形委員  よろしくお願いします。 ○企画官  ご出席いただいている委員の皆様方は定足数を越えていますので、会議は成立してい ます。次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第のほか、資 料1「医業経営の近代化・効率化について」、資料2「医療を担う人材の確保と資質の 向上について」、資料3「生命の世紀の医療を支える基盤の整備について」がありま す。  参考資料として、参考資料1が「医業提供体制の改革のビジョン」及び医療部会意見 書の進捗状況についてがあり、参考資料2、参考資料3、参考資料4、それぞれが資料 1、資料2、資料3の関連参考資料ということになっています。これら資料、参考資料 のほかに、資料番号等は付けていませんが、「新人看護職員研修の到達目標、指導指針 」に関するパンフレットをお配りしています。  また、本日ご欠席の辻本委員から、本日の議題に関連するご意見をペーパーで提出い ただいていますので配付しています。それでは、以降の進行について部会長、よろしく お願いします。 ○鴨下部会長  本日は年末のお忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。議事に入 ります前に、いまお話がありましたが、本日欠席の野呂委員の代理として出席いただい ている、池田千絵子参考人の出席についてご異議ありませんか。                  (異議なし) ○鴨下部会長  ありがとうございました。議事に入ります。本日の議題は、前回資料の説明だけで終 わっていた「医業経営の近代化・効率化について」と「医業を担う人材の確保と資質の 向上について」及び「生命の世紀の医療を支える基盤の整備について」となっていま す。各議題ごとに資料が分かれていますので、まず資料1から順番に議論を進めていき たいと思います。  まず、最初の議題である「医業経営の近代化・効率化について」ご議論いただきたい と思います。事務局から資料1、「医業経営の近代化・効率化について」、前回の最後 にご説明いただいていましたが、改めて簡単にご説明をお願いします。 ○指導課長  資料1をご覧ください。前回は、今日の資料で申しますと11頁までお配りしていまし た。今日は12から18頁まで、追加をしたものを資料1としてお手元にお配りしていま す。11頁までを念のため、もう1度簡単にご説明させていただきます。  1頁、医療法人制度そのものについてですが、医療法の中で規定されているように 「非営利性を損なうことなく法人格を取得することにより、資金の集積を容易にし、経 営を永続的に付与し、私人の医療機関経営の困難を緩和する」ところから始まったわけ です。現時点での主な要件を書いています。利益分配の禁止から始まり、役員要件、理 事長要件、資産要件、会計要件等とあります。基本的にこれらで医療法人の非営利性を 担保し、地域医療の提供主体としての経営の安定性というものを目指しているのが医療 法人制度です。  2頁はいま申しましたことのイメージを図にしたようなものです。社員総会をもとに 理事会を構成していただき、その理事会を実際に執行する。それを監事がきちんとチェ ックするとなっています。都道府県、国の関与としては、認可・命令・検査等を行うこ とが決められているところです。  3頁、現行の医療法人制度の類型として、医療法に規定をされているものが2種類、 租税特別法に規定されているものが1種類あります。医療法の中では普通の医療法人、 いちばん右側の特別医療法人が規定されています。それぞれ、ここに書いてあるような 形で要件が規定されているわけです。それとは別に真ん中のカラム、租税特別法の中で 特定医療法人というものが別の1つの類型として、法律上定義されています。より公益 性、非営利性を高めたものという形で、さまざまな恩典も付与した形での法人類型が別 にあるということでございます。  4頁をお開きください。医療法人というのは非営利性を前提とした法人ということで すが、医療という枠を外しますと、法人の中でも非営利法人と言われるものが実はこれ だけあります。ご覧いただけるように、それぞれの要件というのはまちまちでありま す。かなりややこしい仕組みになっているのも事実かと考えます。こういうことも踏ま え、現在、内閣官房で公益法人改革というものが進められています。非営利法人の多種 多様性、言葉を変えればわかりにくさ、ややこしさというものを整理しようかという狙 いも、公益法人改革の中にあろうかと理解しているところです。  5頁、「医療法人制度に関する問題点について」です。法人制度が発足して50年以上 経過しています。当初の趣旨から少しずれているというか、本来の趣旨をちょっと損ね ている問題も若干指摘されています。そういった点について、我々は今後考えていかな ければいけないのではないかというのが事務局の認識です。  例えば外から言われているものとして、剰余金が医療以外に投入されているのではな いか。本来住民が望む、いわゆる公益性の高い医療というものが医療法人から提供され ていないのではないか。経営のチェック機能が有効に働いていないのではないか。透明 性が確保されていないのではないか。安定的に医業が提供されない恐れがあるのではな いか、といったことが指摘されています。  そういったご意見もあることも踏まえながら、これまで私どもとしても医療部会、医 業経営の在り方に関する検討会といったところも踏まえ、ご検討をいろいろいただいて まいりました。具体的に変更したところ、改善したところもございます。まだまだ十分 とは理解しておりませんが、3に書いてあるように、私どもとしても平成15年8月に医 療提供体制の改革のビジョンという形で、医療法人だけではありませんが、医療のある べき姿をまとめています。その中で、医療法人についても今後非営利性、公益性を高め るとともに、経営管理機能を強化したり、資金調達手段を多様化するといったことを通 して経営基盤を整備し、医業経営の近代化・効率化を図る。本来の医療法の趣旨に則っ た形での改革を進めるべきではないかという認識を持ったところです。  7頁、いくつか指摘されているものの中で、私どもとしても一応改善したところもあ ります。それについての一覧をここに書いております。法人の理事長要件の緩和から始 まり、特別医療法人制度を普及させるためにさまざまなことを行ってきた。それから、 特定医療法人の要件の緩和、附帯業務の拡大等について、いろいろな面での措置をして きたということを説明した資料です。  8頁でございます。外部の方々からのご指摘の代表例、これは経済同友会からのご指 摘です。法人改革ということの中で、一遍には進められないだろうから3つに分けて移 行してはどうかというご提言であります。プロセスIとして、医療法人への出資をもっ ともっと促進して、かつ出資持分に応じた議決権の行使をまず可能にすべきではない か。それから、非営利性の原則・条件をもっと明確にした上で、税制優遇をもっと広め てはどうかというのがプロセスIでございます。  その次のプロセスとして、出資持分のある医療法人については出資持分に対する配当 を認めてはどうか。合わせて、複雑化した法人制度をきちんと整理・再編すべきである というご提言をいただいています。最後のプロセスIIIとして、最終的に営利法人、早 い話が株式会社ですが、そういったところによる医療機関の設置を解禁しろということ で、結論からすると医療法の考え方から全然違ってきているわけですが、こういった提 言がまずなされていることが1点です。  9頁は現在でも新聞紙上に記事がちょくちょく載りますので、ご案内のことだろうと 思います。規制改革・民間開放推進会議から、実際に医療法人を通じた株式会社等の医 療機関経営の参入というところで、こうすべきではないかという意見が出されていま す。先ほどの同友会の意見とダブりますが、株式会社に社員としての地位を付与し、議 決権を社員総会において得ることを容認してはどうか。医療法人による他の医療法人の 出資を認めてはどうか。それから、出資額に応じた社員総会での議決権を容認してはど うかということです。こういったことを通し、同じように株式会社の医業への参入を認 めてはどうかということが推進会議からの意見です。  10頁、これは私どもで検討いただいていた「医業経営の在り方に関する検討会」が、 平成15年3月で報告書をまとめていただいています。その中で非営利性の徹底、公益性 の確立、効率性の向上、透明性の確保、安定した医業経営の実現という5つの柱を中心 的なテーマとして置いて、それぞれについて具体的な改革方針を設定して進めていくべ きではないかというご提言をいただいています。これを踏まえ、「医業経営の非営利性 等に関する検討会」を先日開催しました。今後、こういった観点から、医療法改正を視 野に入れて具体的検討を行う予定にしています。  11頁をご覧ください。繰返しで恐縮ですが、左側、今後、我々として医療法人を地域 医療提供の有力な担い手としてどのように伸ばしていくか、という視点から(1)から (5)までの外部からのご指摘に答えないといけないだろう。右側はいま言いましたこ とと裏腹なのですが、外部からの指摘がこれだけあることを踏まえ、下のほうに書いて あるように先ほどから言っている検討会のご指摘を踏まえ、5つの視点に立って「公益 性の高い医療を提供する競争力のある医療法人の実現」を目指すこと、「住民が支える 法人制度への改革を通して、医業経営の安定化を実現」していこうということ。それか ら、限られた医療資源ですので、「効率的に活用することによって住民の利便性の向上 と負担を抑制する」ということも法人制度を通してやれないだろうかということも考え ています。こういったことを平成18年の医療制度改革に向けていければと考えていると ころです。  次の頁以降は資料1−2となっています。これが先ほど申しました非営利性の検討会 の中で、これまでのさまざまな分野の先生方からのご意見をもとに、こういう論点があ るという整理をして、検討会に事務局として提出したペーパーです。今後、検討会の中 でこの論点に従って、すべてこのとおりになるかならないかは、今後の検討の中で決ま っていくことですが、とりあえずこういう視点で、検討会の中でご議論をいただくこと になるということのご紹介です。  12頁、いちばん下の○、今後の地域医療体制の有力な担い手として医療法人がありま すので、引続き非営利としての社会保障制度の一翼を担う。(1)、非営利性・公益性の 徹底による国民の信頼を確立すること。(2)、効率的で透明な医業経営の実現による医 療の安定的な提供ということを柱に改革していこうということを整理しています。  13頁以降、5つの柱に沿って書かれています。ポイントだけ申し上げます。非営利性 に関しては新たな持分なし医療法人、ここでは便宜上「認定医療法人」という言葉を使 っていますけれども、そういったものを創設してはどうか。次の○、そういったことも 踏まえ、剰余金の使途が非営利性の1つのキーポイントですので、使途について医療法 に明確に規定をする。すなわち、すべて医療に再投資することをきちんと明らかにすべ きではないか。いちばん下「公益性の確立」については、住民にとって望ましい医療が ありますので、都道府県が作成する医療計画に基づき、それを位置づけて、今後創設し ようとする認定医療法人が積極的に担うという仕組みが作れないかということです。  14頁、いま申しました医療計画に位置づけられる医療につきましては、認定医療法人 の積極的な役割を期待し、特定の分野の医療を担う主体として、公的医療機関とともに 位置づけていこうということです。  あと、効率性のことについては、基本的にいろいろ書いていますが、詰まるところ1 つ目の○です。経営管理機能の強化を、もう少し医療法人のほうに付与してはどうかと いうものです。  15頁、透明性については3つ目の○あたりに書いてありますが、住民にとにかく支え ていただくことを基本的な考え方に置くとすれば、医療保持の信頼を高めるために、○ の5つ目、認定医療法人に関して、当該法人の提供する医療サービスに係る事業計画や 事業報告といったものを住民にちゃんと公開することも必要ではなかろうか。「透明性 」のいちばん下の○に書いてありますが、認定医療法人制度については、財務状況とい ったものも住民に広く公開する、といったことも考えてもいいのではないかということ が論点として言われています。  安定した医業経営のことについてはその下の○、例えば経営の安定化ということも考 えると、地域住民や地域企業が資金面で法人を支えるために、例えば公募債が発行でき るようなものにしてはどうか。そのかわり、きちんとした経理をするために財務監査と いうものを公認会計士などにしていただくべきではないか。そのかわりと言っては何で すが、税制上の優遇措置を検討すること、先ほども言いましたように地域住民から支え ていただくために、寄付を受けやすいように税制上の措置をする。それから、利益を医 療機関の事業の充実に当てることを目的として、収益事業を認めてもいいのではないか ということで、医療、福祉といった一連の多様な事業展開が一貫してできるような仕組 みも、新たな法人の仕組みの中に作っていいのではないかということが、論点として整 理されているところです。  17頁は検討会での今後の進め方です。今後、大体5回か6回ぐらい予定をしておりま して、来年の夏ぐらいには報告書を取りまとめていただき、医療法の改正に話を進めて いければと考えているところです。18頁が検討会の委員の先生方の名簿です。大変端折 りましたが、以上が資料1の説明です。 ○鴨下部会長  ありがとうございました。ただいまの説明、あるいは資料1に関するご質問等も含め て、ご自由な意見交換をしたいと思います。どうぞ、お願いします。 ○豊田委員  現在、医療計画の中で、特に医療法人制度ということが大きな問題になっています。 医療法人の数は、ひとり(一人)医師医療法人を加えるともう既に3万7,000を超えて います。病院を経営している医療法人は6,000を超えています。日本の病院の6割、病 床数の4割ぐらいは医療法人経営の医療機関で行っているわけです。そういう意味で は、医療法人制度というのは国民医療の中核的な仕事をしている。  ところが、近年、株式会社の医療への参加要求がある。株式会社も営利法人も医療に 参加させろという要求の中で、実は、株式会社の参入論者は医療法人をある意味ではタ ーゲットにしてきたという経緯があります。私どもは医療法人協会ですが、もとより現 在の医療法人制度がいいとは思っていません。医療法人制度ができて既に50年を過ぎて いるわけで、いろいろな歪みができております。裁判問題も起こったり、我々内部から 見てもいろいろな問題があるので、医療法人制度を本来の制度創設の趣旨に戻って改善 していきたい。その流れは今日も提案されている医療法人の非営利の徹底、公益性を高 める。そういった形で制度改革に取り組んでまいりました。今回、厚生労働省が資料を 出した流れは、私どもはまさにそのとおりであろうと考えています。  しかし、ここで問題になるのは、株式会社の参入問題はあとで別に発言いたします。 医療法人制度を変える、公益性を高め、非営利を徹底する。非営利の徹底は当たり前の 話ですが、特に公益性を高めていく。この問題については、いま医療法人がこれからス タートするのではないのです。既に50何年かの歴史があることを踏まえた議論が必要で す。というのは、今回、株式会社参入論者からターゲットになった医療法人制度の問題 点というのは、持分ありの社団が株式会社などと同じような営利法人と変わらないでは ないかといった指摘を受けているわけです。法律学者や経済学者の中でもそういう発言 がございます。確かにモデル定款を見ると、配当はしていないけれども、解散時には残 余財産を持分に応じて配分するというのはあとで配当することである。これは株式会社 と何ら変わらないではないかと言われても、その面を突かれると我々としても非常に困 った問題です。  今回の医療法人制度の改革の方向は非常に正しいと思います。ただ、先ほど言いまし たとおり50年の歴史がありますので、ここで認定医療法人制度をいま提案されました。 一気に全部認定医療法人にするということは全く不可能な話でして、50年かけてここま で来た。いろいろ問題があっても、98%を超える医療法人が持分ありの社団なのです。 この98%以上の医療法人をいかに非営利性を高め、公益性を高めていくかというのは、 そのプロセスが必要だと思います。今回、私はこの認定医療法人制度は賛成します。し かし、この制度を作ったからといって、現在いろいろ問題が指摘されている持分あり社 団医療法人に対する問題が一気に解決するわけではありません。今回の資料は大変良く できていますが、1つ欠けているところといえば50年間の歴史ある、いろいろ問題を抱 えた医療法人制度をどう変えていくのか、そのプロセスが欠けている。  この問題については、非営利の検討会でも、出資額持分という、非常に公益性の高い 法人のグループと、持分ありと社団医療法人の中間ぐらいに位置する出資額限度法人と いうことについても検討していただきました。まだ、これについての位置付けなどの検 討は十分ではありませんので、このあと検討されていくのだろうと思います。そういっ たプロセスを踏まえて議論をしないと、折角認定医療法人を作っても、例えば現在でも 特定医療法人、特別医療法人がありますが、特定医療法人は昭和39年です。特別医療法 人は平成10年に制度化されました。この両方を併せても400をちょっと過ぎるだけなの です。3万7,000あるうち、400ちょっとしか採用していない制度は制度として成り立た ないのではないか。今回、認定医療法人制度ができるに当たって、過去、あるいは現在 の状況をしっかり踏まえないと、単に制度を作るだけに終わってしまうのではないかと いう危機感を感じています。以上です。 ○渡辺委員  ご説明を伺っていても、例えば医療法人の非営利性という問題、個人的には株式会社 参入に反対なのですが、一般で、あるいは新聞社内で議論していても、医療法人の非営 利性というとほとんどの人は信用しないというか、もっと平たく言えば笑ってしまうと ころがあることは確かなのです。私自身は別に病院、あるいは診療所も含めて、利益を 上げて悪いとはとても思いません。一生懸命頑張って、患者本意の医療をやった結果、 患者数が増えて、収入が増えることは一向にかまわないと思います。だから、もちろん 非営利性は大事なことではあるのですが、先ほどちょっと説明を伺っていても賛成する 部分もあるのですが、非営利性をあまり強調されるとかえって一般の国民にわかりにく いのではないか。その辺の齟齬を感じますので、もう少し非営利性といった問題につい て考える余地があるのではないかということが1つです。  もう1点だけ申し上げます。いまの医療法人制度は非常に複雑でわかりにくいと思い ます。いまも豊田委員からお話があったように、特定医療法人、特別医療法人について も、特に特別は非常に採用が少ない。1つの原因としてわかりにくさもあります。先ほ どの資料の3頁にもその一覧表、比較があります。例えば自由診療の制限、これは大変 結構なことで良いのですが、確か私の記憶では特別も特定も総収入のうち、社会保険診 療報酬は80%以上でしたか、そういう決まりがあると思います。それはそれで大変結構 なのだと思うのですが、そうなると例えば産婦人科は一切採用できません。産婦人科は 分娩費が主ですから、とても社会保険診療報酬80%以上にはいかない。  そうなると、特に持分を放棄して、良い産婦人科を続けるといったところが特定、あ るいは特別になれない。まさに、これから少子化問題で産科、あるいは小児科という、 それでなくても希望者が少ない所に、ある意味ではこのような目に見えない制約がある ことも、また1つの例としておかしいのかなと思います。それらも含めて、もっとすっ きり、一般の人にもわかりやすいような仕組みに改めることが必要だと思います。以上 です。 ○杉町委員  いま渡辺委員がおっしゃいましたが、私も医療というのはやはり非営利性でなくては いけないだろうと思います。非営利性というのは何かというと、病院でもし少し余剰金 を出した場合、それを医業界から外に持っていくのではなく、病院経営、あるいは患者 へのサービス、アメニティーを良くするとか、病院の中、医療の中に再投入するような ことが医療の非営利性だと思います。  株式会社の設立目的は、利益を出し、それを株主に配当するのが目的です。ですか ら、株式会社というのは医療にはなじまないと思います。もし、株式会社的なものを考 えるとすると、投資していただいた方は配当を全く予期しないような、善意でなにがし かのお金をそこに投入する。そういう事だったらいいのかもしれませんが、そうしない と医業というものがだんだんゆがんでくる。  例えば利益を出そうと思って、その利益を医療界から外に出そうとすると、その病 院、その医療機関というのはだんだんサービスが悪くなってくる。サービスが悪くなっ てくるというのは国民が受けるサービスの低下につながるわけです。ですから、やはり 余剰金が出た場合には、医業の中で患者や地域住民に還元する。こういうシステムが大 事だと思っています。 ○堀田委員  株式会社の参入の問題とはちょっとずれるのですが、非営利性の問題についてです。 非営利性が公益性を増進するという構造はわかるのですが、実質の非営利性は何かとい うと、単に分配する、しないだけではなくて、剰余金の使い道、内部で使ってしまうと いう点が強くなると、非営利であっても実質営利目的のようになります。  もっと大きな問題は、これは検討委員会で是非検討してほしいのですが、病院経営の 当初から負っている借金を返済するために、遮二無二お金を稼ごうという態度は営利法 人以上に悪質というほかない。そういう病院を見ると、非常に医療の質が悪い。患者1 人が入ればいくら、というような観点でやっている所が出てきています。  そういうところにはまた、暴力団が借金を買い取って付け込むということがある。医 療分野で有名な暴力団員が何名かいて、刑務所を入ったり出たりしています。そういう ところにつかまった病院経営というのは本当に悲惨、患者もひどい目に遭わされてい る。今度、機関債が発行されるようですが、病院の借金というのは返済するための営利 的な行為に直接結びつくので、そのあり方も徹底的に検討委員会で検討していただかな いと、非営利性だけを形式的に論じていてもなかなか進まないのかなと思います。 ○龍井委員  今回、新たな持分なしの医療法人制度の検討を進める中で特定医療法人、特別医療法 人への移行が進んでいないというご指摘が先ほどありました。その要因分析、あるいは 現状でどのような問題があるのかということはどの程度検討されているのか、もしわか れば教えていただきたいと思います。 ○鴨下部会長  課長からお答えいただけますか。お返事がなければないで結構です。 ○指導課長  ご意見とご質問が入り混じっていましたので、何からお答えしていいのかわかりませ んが、最後の点、特定・特別医療法人への移行が進まない要因分析の話ですが、確かに いろいろあると思います。まだ、定性的に言えばそれほどのメリットがないというのが いちばんだろうと思います。具体的になぜかというと、いろいろな要件がとにかく限ら れています。さまざまな要件の縛りがあります。それをまともにやっていると本当にな かなか利潤が上がらないというか、利益が上がらないということが本音としてあるので はないかと私どもは分析しています。細かい分析まで至っていませんが、定性的にはそ ういうことではないかと我々は考えています。  いくつかご指摘等もありました。確かにさまざまな視点からの考え方があると思いま す。歴史的なプロセスを経て考えるべきである、というのも我々の認識として持ってい ますので、検討会の中でその辺の考え方をベースにして議論を進めたいと思っていま す。  自由診療、特に産科の扱いのご質問もありました。これについては、法人というとこ ろからの切り口も確かにそうなのですが、税制というところからの切り口として捉えた 場合に、産科診療だけではなくてそれ以外の自由診療をどうするのかという、実はもの すごく大きな問題があります。ここではすぐにお答ができかねるので、また検討課題に させていただきたいと思います。  「非営利」という言葉についての整理が必要ではないかという認識は我々も持ってい ます。「非営利」という言葉を国民の認識とあまり違う使い方をすると、確かに誤解を まねくかもしれません。私どもとしては最低限、杉町委員もおっしゃいましたが、利益 を上げること自体は医療機関として、法人として駄目というところまでは言えないだろ う。その使い道を医療に再投資、再還元するというところが最低限の条件ではないかと 考えています。その辺をベースにして、今後どう考えていくかという議論を検討会で進 めていただければと思っているところです。  掘田委員からご指摘された問題については、正直言って我々も十分に認識しておりま せんでした。その点を踏まえ、検討会で十分ご議論いただきたいと考えています。以上 です。 ○鴨下部会長  まだ何人かいらっしゃいますので、お1人、できるだけ短く、核心のご発言をお願い します。 ○福島委員  いまの繰返しになりますけれども、確かに先ほど渡辺委員がおっしゃったとおり、資 料1−2の文章の中で、例えば12頁の1行を見ただけでも、特に「非営利性」という言 葉がこれほどたくさん表現されないと説明が難しいのかなと思います。例えば、いちば ん下のほうに(1)、(2)と書いてあります。「非営利性、公共性の徹底による国民の信頼 」ということで、逆に言うと非営利性でないと公共性は保てないのか。あるいは、国民 の信頼は非営利性がないと続かないのかなと思ってしまいます。ここにいらっしゃる方 は、みんな内容はわかっていると思うのですが、一般に理解される言葉としては確かに いかにも「非営利性」という言葉が必要以上に念を押されている印象を受けます。中身 の問題については、書いてあることについて云々ではありません。  もう1つ、今度、新しく認定医療法人の制度の検討がなされるということです。これ はいままでのいろいろな問題点も含めて、今後必要なことで、私どもも大変賛成です。 おそらく、先ほどもありましたが、これに絡んで株式会社の参入の問題がある。一応こ の問題とは別なもの、私も株式会社参入という立場でもありません。この問題によっ て、株式会社の参入問題がなくなってしまうということはないだろうという認識をして います。以上です。 ○三上委員  ずっと話を聞いておりまして、非営利に対する考え方がかなり違っていると思いま す。渡辺委員、あるいは掘田委員の考え方についても、我々と少し違う部分があるので はないかという気がします。  非営利については先ほどから言っていますように、剰余金の使い道が事業にすべて還 元されるということが基本であって、持分のある医療法人が営利法人であると考えてお られる方々、経済関係の方々はそのように見られています。実際には、解散時に分配さ れるのが配当に当たるという考え方自身がおかしい。本来、事業を続けている限りは資 産があって、最終的に解散した場合にはそれがどこかに行くわけです。途中の場合、資 産そのものは事業に還元されたものであるということであります。ですから、掘田委員 のご質問にあった借入金についても、医業に対する投資に対して返済していくこと自 体、事業、医療に還元されたものということですから、それは営利に当たらないと私は 考えています。  特定医療法人、特別医療法人がなかなか進まないという意見ですが、1つは条件の割 にメリットが少ないということがいちばん大きな原因であります。今回提案されている 認定医療法人についても、見ていただいただけでもわかりますように非常に厳しい条件 がある。例えば国公立という、もっと公益性の高い病院に比べても非常に厳しい条件が 付いています。会計面での公開、情報開示、住民を評議員会に入れなさいなど、自治体 病院などでもそういったものがない条件が入っています。特に特定・特別などでも差額 ベッドの比率、あるいは理事長の給与の上限など、さまざまな規制が付いている。こう いう規制をあまり強く付け過ぎることが参入を阻止する原因ではないかと思います。公 益性の高い国公立などの公的病院との比較というか兼ね合いも、よく考えていただいて 状況を決めていくべきだと思っています。 ○松井委員  認定医療法人という形で全体の改革を進めていくということは、方向性としてはよろ しいと思います。ただ、おそらく三上委員もご指摘されたように、細かいところでどの ような条件を付けていくのかによって、最終的に機能する仕組みとなるのかどうかが決 まると思います。これは十分検討していかなくてはいけないと思っています。  いま、三上委員から借金については非営利とは違うという意見がありました。私は非 営利かどうかというよりも、例えば公募債で資金調達をした場合と、株式で資金調達し た場合の違いを十分認識して今後検討していただければと思います。というのは、借金 は元利合計でいつしか返済しなくてはいけないのですが、株式の場合は解散するまで、 転売するかどうかは別ですが、。経営が不安定、あるいは利益が出ないときは配当をし なくてもいいということがあるわけです。そういう仕組みになっています。どちらが経 営という観点から安定性があるかどうかということは、どういう病院経営をやっている のかということによってまた変わってくると考えています。  もう1つ、証券取引法に基づく有価証券の債券を発行するにしても、その実現可能性 というものについて十分考えていただければと思っています。いま、医療法人が財団、 社団も含めて4万ぐらいある中で、仮にこういう仕組みを設けたとしてもどれだけ資金 調達をできるのか。実現可能かという点は是非検討していただければと思います。  最後に質問ですが、15頁の下から2つ目のポツ、「認定医療法人の自己資本比率の規 制を行う必要性を検討してはどうか」と書いてあります。この自己資本比率の規制とい うのは下限を定めるということか、上限を定めるということか、どういう形で意識をさ れて書かれているのか教えていただければと思います。というのは、自己資本比率とい うのは考え方として、高めていくというのは経営の観点からいくと内部留保を高めると いうことで、剰余金を外に出さないという仕組みになっているわけです。それはそうい う形でいこうとするのか、あるいは自己資本比率は高くないほうがいいという考え方な のか、この点だけ確認をさせていただきたいと思います。 ○鴨下部会長  尾形委員に簡単におっしゃっていただいて、最後に指導課長からお答を含めてご発言 いただきます。これで終わりにします。 ○尾形委員  いま非営利の議論が出ていますが、株式会社の参入論のもう1つ重要な論点としてガ バナンスの議論があるのではないかと思います。株式会社の参入論について、医療法人 よりもガバナンスが優れているから導入すべきだという、アプリオリな議論があると思 います。  そこには多分2つ問題があって、1つは株式会社自体のコーポレート・ガバナンスみ たいなものが問われているということがあると思います。もう1つ、それ以上に重要な のは、医療法人のガバナンスの実態が必ずしも明らかでないのではないか。例えば、医 療法で監事の規定とかいろいろありますが、実際それがどのように機能しているのか。 あるいは、監事にどういう方がなられているのかということも含めて、もう少しエビデ ンスに基づいて、現在のガバナンスの実態を踏まえた議論を是非お願いしたい。これは 要望です。 ○山本(文)委員  株式会社を導入するということは医療そのものに全く合致しません。また、非営利性 というのは一体、どこからどこまでが非営利性で、何が営利性なのかという基準がきち んとなっていないからこういう議論になるわけです。もう少し、この辺を検討すること が必要ではないかと思います。  もう1つ、なぜ医療法人やこういった法人という議論が出るかというのは、公的医療 機関と民間医療機関の格差があるからです。したがって、公的医療機関というのは全然 利益が上がっていません。私の関係しているところではほとんど赤字、人件費だけで必 要経費の120%あるわけです。ですから、もうやれないという状況下にあるわけです。 公的医療機関というのはほとんどそうです。  私の所にあった病院も廃止しました。おそらく、全国で公的病院を廃止したのは私が 初めてかと思います。なぜ廃止したかというと、このまま継続してやっていきますと、 毎年何千万円の補給をしなければやれないという状況下にあったのです。ですから、も うこれ以上迷惑をかけることはできないということで廃止をしました。それはいま申し 上げるように、民間の医療と公的医療との何かの格差があるわけです。その格差を見つ けることが必要だと思っています。私はわかっていますけれども、ここで言うと差障り があるから申し上げません。。  公的医療機関と同じことをやれば、医療法人も何法人も要らないのです。全部駄目に なってしまいます。やれないのです、やれない事はわかり切っている。ところが、法人 とか民間の医療機関というのは非常な努力をして、運営をしているのです。そこで一生 懸命に努力をしてきて利益が出た。これが非営利性に反するということであるならば努 力をする必要はないということになる。、原点のところをもう少し検討する必要がある ことが1点目です。  それから、株式会社が医療をやること自体が間違い、株式会社の発想をすること自体 が間違っていると思います。ここでは「株式会社」という文言も出さないようにしてほ しい。私はそれぐらい思っています。株式会社が医療となじむことのない日本の医療に なってほしい。また、そうあるべきだと思いますから、先ほど申し上げた株式会社のこ とは禁句にしてくださいとお願いを申し上げておきたいと思います。以上です。 ○鴨下部会長  それでは、指導課長からいくつかの質問に答えていただきたいと思います。 ○指導課長  自己資本比率のご質問ですが、現在、医療法人に対して自己資本比率が20%、特別医 療法人の場合は30%という要件がかけられています。この要件、実は厳し過ぎるという ご指摘があり、その点を具体的に実態を踏まえながらどのように考えればいいのかを検 討会として議論していただこうというものです。こうすると決めたわけではもちろんな く、今後の議論だろうと考えています。  尾形委員からコーポレート・ガバナンスに関して、基本的にエビデンスに基づいた検 討をしろというお話がありました。そのとおりだと思いますので、これもまた検討会で ご議論いただければと思います。それから、山本委員から非営利性の概念が十分でない というご意見がありました。これも私も認識がありますので、その辺から議論を始めて 何を非営利と言うのか、営利と言うのか。確かに整理が要ると思いますので、検討の中 で議論を進めていただきたいと思います。  公的医療機関のあり方についても、本来、法人の中で議論すべきかどうか。若干視点 が違うのかもしれませんが、やはり民間法人を議論する場合には公的医療機関との違い も当然視野に置いておかなければなりませんので、それも含めた検討をしていただくと いうことにしたいと思います。以上です。 ○鴨下部会長  どうもありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。次は資料2、「医 療を担う人材の確保と資質の向上について」、事務局からご説明をいただきたいと思い ます。 ○医事課長  お手元の資料2についてご説明いたします。私からは医師の関係についてご説明しま す。1頁をご覧ください。「医師需給の検討について」というものでございます。医師 については医療提供体制の要ですし、単純に医師が不足していれば十分な医療が提供で きないということです。反対に過剰になれば、またいろいろな問題を起こすということ で随時検討を行ってきているわけです。  直近では平成10年5月15日に報告書が出ています。その概要は2頁にありますけれど も、現時点では医師数は全体として過剰な状況に至ってはいない。しかし、平成29年ご ろから供給医師数が必要医師数を上回る。これは2頁をご覧いただくと、必要医師数、 供給医師数をそれぞれ上位、中位、下位で推計しています。平成29年になれば必要医師 数を上位で取って、供給医師数を下位で取った場合であっても供給医師数が上回る状況 になることを踏まえ、現在の新規参入医師の10%削減を目指すことが取りまとめられて います。  一方、現時点で平成16年ですので6年ほどたっているわけですが、現状を見ると医療 現場から医師不足が指摘されている。特にへき地など地域の偏在、前から言われている 問題ですが、中小病院や小児時間外診療など、特定の診療現場において医師需給の逼迫 感が強い。これについては、定量的分析はなかなか難しいのですが、背景としては医師 の名義貸しが社会問題となったことによって、定員を厳守するための需給の逼迫、のち ほどご説明させていただきますが臨床研修の必修化により研修医、指導医、双方の医師 分布が変化してきている。それから、患者の受診行動の変化により、特定の医療現場の 需給バランスが崩れているのではないか。大学院の定員増加、女性の医師の増加によ り、フルタイムで診療に従事していない医師が増えているのではないか。さらにインフ ォームドコンセントの設定、セカンドオピニオンの普及といったことから、1人当たり の患者に要する時間が増加する傾向にあるのではないかといったことが考えられます。  こういった状況を踏まえ、(3)に書いていますように、「へき地を含む地域におけ る医師の確保等の促進について」ということで、本年2月、「地域医療に関する関係省 庁連絡会議」、これは私どもと総務省、文部科学省、3省庁で行っていますが、この中 で「医師の養成・就業の実態、地域や診療科による偏在等を総合的に勘案し、平成17年 度中を目途に医師の需給見通しの見直しを行う」というように定められたところです。 私どもとしては、これを受けて来年当初、平成17年初めから検討会を設置して、新たな 検討を行うというものです。  3頁、いまもちょっと出てきた医師の臨床研修制度についてです。医師の資質の向上 を図るというものです。臨床研修の経緯ですが、1に書いてあるように戦後インターン 制度というものがあったわけです。言ってみれば、これは医師の資格を取る前に一定の 行為を行うということで、いろいろ法律上の問題もあり、こういった制度が廃止されて 臨床研修制度が昭和43年から開始されています。これについては「努力義務」という形 でしたので、必ずしもすべての医師が行う必要はなかったというものです。  その後、平成6年からいろいろな検討が行われ、平成12年の医師法、医療法の改正に より2年間の臨床研修が必修化されています。この制度が一定の準備期間を経て、平成1 6年、今年から新制度として開始されたところです。これは医師免許を取得した人に対し て、研修に専念していただいて、資質の向上を図っていただこうというものです。基本 理念は2に書いているとおり、「医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にか かわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において 頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けるこ とのできるものでなければならない」。  3に書いていますように、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を習得できるように 設定というものです。これは従来大学の医局等で行われていた制度が一診療科目のスト レート研修ということで、専門化された分野をずっと行うという形でした。今回の制度 では、主要診療科をローテート研修ということで、医師についてプライマリ・ケアに対 応できるような形で養成していきたいというものです。研修期間については原則として 2年間、1年目は基本研修3科目、内科・外科・救急をやっていただき、2年目にはよ り個別的な小児科、産婦人科、精神科、地域保健医療といったものに取り組んでいただ くことにしています。この制度については大学病院、それから臨床研修指定病院、病院 機構など、いろいろな病院でやっているわけですが、それぞれ研修医の方がどこでやる かを選ぶという観点から、マッチングによって研修先を決定しているというのが特徴で す。  4頁をご覧いただくと、平成13年度は旧制度、努力義務の時代ですが、この頃におい ては大学病院を選んでいた研修生が7割を超えていましたが、平成16年度、今年は大学 病院は大体56%程度となっています。さらに来年度、平成17年度については先般マッチ ングの結果が発表されていますけれども、大学病院が52.7%、市中の臨床研修病院が 47.3%ということで、ほぼ均衡するような数字になってきていることを見て取ることが できます。  5頁は研修医のマッチングの結果です。5頁の下に書いていますように、参加希望者 が平成16年は8,566名、募集定員1万1,000人に対して8,566名の方が参加しています。 参加病院は956病院で、複数のプログラムを持っていらっしゃる所もありますので、 1,158のプログラムがあったということです。  6頁にマッチング結果の概要が載っています。平成16年を見ていただくと、95.3%の 方がマッチして研修先が決まったということです。その内訳を見ると、表3、第1希望 でマッチングされた方が73%、第3希望までだと90%以上の方がマッチしている結果で す。6頁、7頁、8頁はマッチングの結果ですのでご覧いただければと思います。  9頁です。「処分を受けた医師に対する再教育制度」ということで、罰金以上の刑を 受けた医師など、一定の処罰を受けた医師に対して医道審議会の医道分科会で処分を行 っているわけです。その医道分科会の中で、「医業停止処分を受けた医師に対しては、 当面既存の教育・研修プログラムを受講することを勧奨し、医師会など研修事業を行う 団体との連携を強める」。処分については、基本的には免許の取消しと一定期間の医業 停止となるわけです。従来、医業の停止を受けた医師については、停止後はそのまま医 業に復帰するという形になっていたわけですが、これについて医業に復帰する医師に対 する再教育を行うべきではないかということで検討会を立ち上げ、平成16年度中を目途 に検討を進めることが医道分科会の了解事項とされたわけです。  主な審議の内容としては、医業停止処分を受けた医師への再教育の具体的内容、再教 育の期間、手法、どの程度の期間実施するか、それから海外の事例の検討、再教育の実 効性を担保するための方策といったものが例として挙げられています。  検討会については10頁にメンバー表を付けています。本年の10月に検討会を立ち上げ まして、現在、2回検討を行っています。今月の22日に第3回を行う予定ですが、これ までいろいろな論点整理等を行ってきておりまして、年度内に一定のご報告をいただけ ればと思います。  11頁は参考までに、医師の処分がどういった理由で行われているかということです が、大体5年間で216件ぐらいの処分を行っているわけですが、中段の「業務上過失致 死傷(医療)」がいわゆる医療過誤に該当するものと考えられます。これが必ずしも圧 倒的に多いわけではなく、どちらかというと猥せつ事案、麻薬、覚醒剤の事案、あるい は詐欺、窃盗、診療報酬の不正請求など、いろいろな事由によって現在処分を受ける医 師がいるということで、どういった形での再教育が最適であるかをいまご議論いただい ているところです。  資料12頁です。医師免許更新制についてです。これについては(1)にあるように、 前回の医療部会において、意見書の中にも記述がありますが、医師の生涯学習の義務 化、医師の免許更新制などについても議論すべきとの意見がされています。(2)に書 いてあるように、規制改革・民間開放推進会議医療ワーキンググループが10月5日に私 どもに対してヒアリングを行った際に、向こうの提出された紙の中に、医師・医療従事 者の質の確保は、医療不信の解消のため、早急に解決すべき問題であるということで、 「医師免許を持つということは、医療の安全性、医療の質の立証であるべきであり、医 療事故のリピーター医師、悪質な医師に対しては医師会における更生プログラムなどの 実施などの自助努力による再発防止・淘汰とともに、リピーター医師や、悪徳なケース には免許更新を行わないなどの『免許更新制度』による医師の質の確保が必要と考えら れる」というようなことが意見として出されております。  これについては更新制度の具体的な内容ですが、いろいろな場面で使われており、推 進会議の中でも、いわゆるこういった医療事故のリピーター医師や悪質な医師云々とい う部分については、どちらかというと、先ほど言ったような再教育などの問題になろう かと思いますので、すべての医師を対象とする免許更新制度については少し違うかと思 います。いずれにしても、こういった議論がなされてきており、いまもされているとい うことです。  13頁です。医師・歯科医師の国家試験の見直しです。医師国家試験については15年に 医師国家試験改善検討委員会の報告がなされています。その中でプール制の導入、受験 回数の制限の問題、出題基準を見直して医療の質と安全の確保を図る。また医療安全は いま非常に国民の関心の高いところですので、そういったものを出題項目の1つとして 設けたりしています。  14頁に、具体的に医師国家試験における試験問題のプール制について書いてありま す。現在の医師国家試験については、毎年すべての問題を国家試験の検討委員会で作成 する作業をしてきていますが、これが本当に効率的なやり方であるのかどうか、あるい は非常な良問であっても、一度しか使われないと、それは非常にもったいないのではな いかなど、いろいろな理由もあり、試験問題を公募し、プール制を導入して、一定数の 問題を蓄積して、それを利用して国家試験を行うことが必要なのではないかという提言 がなされています。  その後、ここに書いてあるように試行問題として13年の試験から実施されています が、いろいろ試験の結果等を踏まえ、採点対象として出題することは十分可能であるの で、今後公募も広い範囲に拡大し、17年春の試験からプール制で出された問題を採点対 象にする予定です。このプール制問題については当然時代の変化や医療の状況の変化等 により、時代にふさわしいものに変えていく必要があるので、「ブラッシュアップ委員 会」でブラッシュアップを続けていく必要があるし、そういった形でいまプール問題を 蓄積していく準備を進めているところです。最後に書いてあるように、いま試験問題の 回収をやっており、試験の公正性、質の担保をしています。 ○歯科保健課長  それでは引き続きまして、16頁の歯科医師関係です。需給について、平成10年5月に 需給に関する検討会から報告書が出ており、その中で需給バランスということで、平成 17年以降に供給が需要を上回り、将来的に著しい高齢歯科医師の増加が見込まれるとい う報告がされており、その報告書の中で、今後取り組むべき課題ということでいくつか の提言があります。1つは歯科医師の資質向上を図るべきということで、臨床研修の必 修化の問題、国家試験の見直しの問題があり、次に歯科医師数の適正化の提言がありま す。  2はこれまでの取組みです。歯科医師の臨床研修については18年4月から必修化する ということで、現在は努力義務ですが、歯科の研修期間は医科と異なり、1年以上です が、これを必修化することにしています。国家試験の見直しについては、出題内容や出 題形式の改善を行っていますが、現在出題基準を改定中で、必修問題の出題数を増加す るなど、18年から改善を図ることとしています。  合格基準の関係では、絶対基準に加えて相対基準を加味する評価法を行っています。 入学定員の削減については、当時文部省に協力要請をしたわけですが、現状を見ていた だきますと、平成10年が3,005人でしたが、15年現在では2,975人で、少しの減少が見ら れます。  3の需給の見直しについて、17年度は歯科医療を取り巻く社会情勢の変化等を踏ま え、新たな歯科医師の需給と生涯研修の在り方等を検討する予定としています。  17頁です。臨床研修関係ですが、必修化を控え、今年の9月28日に医道審議会の歯科 医師臨床研修検討部会において、意見が取りまとめられています。基本的には医師と同 様の方向性ということですが、歯科の場合は研修期間が異なること、それと研修施設の 問題で2にあるように、診療所をどうしても活用しなければいけないという事情があ り、病院と診療所を連携させた臨床研修を実施することが歯科の特徴であろうと考えて います。 ○看護課長  それでは看護職員関連の資料を御説明いたします。18頁からです。看護職員の人材の 確保については看護職員需給見通しを策定し進めています。過去5回需給計画、あるい は需給見通しを策定しており、現在今年の6月から「第六次看護職員需給見通しに関す る検討会」をスタートさせ検討中です。  19頁に検討日程があります。来年の2月に各都道府県で策定していただくための方針 等を決定し、4月以降都道府県でその需給を策定していただき、来年12月には全国ベー スの決定をする予定にしています。  20頁からは12年にいただいた報告書の概要を示しています。21頁は看護職員の需給を 巡る今後の課題の指摘で、看護必要量に応じた看護職員の配置の課題、医療機関や地方 における格差の課題、あるいは離職の防止、再就業の促進等、さまざまな今後の方向性 をお示しいただいたものです。したがって、この間もさまざまな施策を打ってきまし た。次の22頁、平成17年までに看護職員の需給見通しは需要が約130万人、供給の見通 しも約130万人とほぼ均衡するであろうという数字が出ています。現在のところ、平成 14年末では、123万人余の就業者がいます。供給見通しよりも少し上回った数字ですが、 以前、この部会でもご指摘いただいたように、現場での不足感はまだ強いということ も、需給見通しに関する現在の検討会でも指摘されています。  次頁は看護教育制度図の中に、具体的な就業者を職種別にはめ込んでおります。看護 師は74万人、助産師が2万6,000人弱、保健師が4万4,000人、そして准看護師が42万人 となっております。また、教育制度図をご覧いただいてもわかるように、看護職員の教 育というのは他の医療関係職種に比べ、大変複雑なものになっています。  次頁です。潜在看護職員は過去、平成4年に推計したもの以外にありませんでしたの で、今回推計しました。65歳までの人を対象に、免許を持っていながら働いていない人 は、約55万人という大変大きな数字が出てまいりました。  次頁からは看護職員の資質向上に関連する現在の施策等です。まず、専門性の高い看 護師等の養成ですが平成15年から看護職員専門分野研修事業としていたしました。研修 内容の例として、救急看護、ホスピス、あるいは重症集中ケア、がん看護、あるいは感 染管理といった専門性の高い看護技術、あるいは看護判断のできる看護師を育成できる ようにしていくということで、各都道府県での取組みを促しています。  次頁は新人看護職員研修等に向けたこの間の取組みを表にしています。看護職員の教 育はかつては卒業すると即戦力を期待されていましたが、医療の現場の実態、あるいは 患者の視点を尊重していくという医療の大きな流れの中で、看護学生が実習で経験でき る技術が大変少なくなってきており、新卒者の能力が低下しているという指摘がありま すので、14年から基礎教育における看護技術教育のあり方に関する検討会を進めてきま した。それを踏まえて15年度には新人看護職員の臨床実践能力をどう向上させていくか ということで、新人の1年間における到達目標、それを支えていくための研修指導指針 を策定し、今年度はこのブルーのパンフレット等を使いながら、全国で普及を図ってお ります。  27頁以降は報告書の概要ですなので、後ほどご覧ください。  30頁ですが、准看護師が42万人が働いていることを踏まえ、准看護師が看護師になる 道として、16年4月から看護師養成所2年課程(通信制)をスタートさせました。免許 を得た後、10年以上准看護師として業務に従事している人が、働きながら看護師の国家 試験の受験資格を得られるような道ということで取組みがされ、現在3校でございま す。来年4月には10校の開校申請が出ており、これからもう少しこの道が広がっていく のではないかと思います。  31頁です。数回前のこの部会でもご意見がありましたが、先般日本とフィリピンの経 済連携協定が合意されました。その中で、看護師、介護福祉士関連で以下のようなこと がひととおり合意されたということで、資料として出させていただきました。いちばん 上に厚生労働省のスタンスとして、5つの原則を掲げています。専門家の移動。国家試 験の取得を求める。労働市場への悪影響を避けることで受入れ枠の設定を行う。そして 受入れ、送出し等の枠組みの構築、さらにステップ・バイ・ステップのアプローチをし ていく。こうしたものをフィリピン国が受け入れることを前提として、国家試験を受け やすくする、あるいは受かりやすくする方策を講じるというものです。これは合格基準 を下げる意味ではありません。  看護師についてはフィリピン看護師の資格保有者を対象とし、しかも業務の経験を持 っている方々を対象として、日本に受け入れる。受入れにあたっては雇用契約を各病院 で結んでいただくのですが、最初は日本の国家資格がないので看護補助者としてその病 院で働き始めていただく予定にしています。滞在期間は最長3年間とし、入国時期にも よりますが、その間に3回の国家試験の受験が可能になるように考えています。受入れ 枠等については、現在具体的に何人を入れるかは決まっておりません。 ○医薬局  総務課のタナカです。薬剤師関係について説明します。32頁です。薬学教育6年制の 概要です。先の通常国会において学校教育法、薬剤師法が改正され、薬学教育について 長期実務実習の導入、医療薬学の拡充を図り、薬剤師の資質の一層の向上のため、平成 18年度より薬学教育6年制を導入することとなりました。この6年制の導入については 33頁のとおり、1.薬剤師を取り巻く環境の変化、2.薬剤師のチーム医療への参画、 3.医療における薬剤師の関与不足等を契機としたものであり、今後6年制の導入等に より質の高い薬剤師を養成し、これらの課題に対応していくことが期待されています。  34頁。医薬分業の状況の中段にあるとおり、平成15年度の処方せん受取率は51.6% で、薬局・薬剤師による疑義照会は2.91%の処方せんについて行われており、このうち 52.9%を超えるものが処方変更につながっており、年間6億枚の処方せんを通じて、地 域医療に貢献しています。  今後、薬剤師の資質が一層向上し、薬局、病院の外来、入院とともに医師の処方せん に対する薬剤師の疑義照会等が充実していくものと期待しています。  35頁です。薬剤師養成関係の平成17年度概算要求の概要です。6年制の導入に向け、 既存の薬剤師についても大規模な研修を今後行うこととしているものです。  36頁です。学生の実務実習を薬局や病院において指導する指導薬剤師の養成の予算要 求をするなど医療機関等における実務実習の体制整備に取り組むこととしています。  37頁です。また、薬学教育6年制導入について議論された薬剤師問題検討会において も、病院薬剤師業務も変遷してきていることが指摘されており、具体的には医薬分業の 進展とも相俟って、病院薬剤師業務は病棟業務を中心とした業務に移行すべきことが指 摘されています。  38頁です。一方、薬剤師需給について薬剤師数はすでに需要を満たしており、今後と も薬剤師は過剰となることが薬剤師問題検討会において予測されており、6年制の導入 により、一時的に薬剤師の輩出が減少する平成22年、23年においても薬剤師不足の問題 は生じないものと考えられています。  39頁です。病院における薬剤師の人員配置についてです。これまでの改正経緯は医療 法制定当初、薬剤師の数は調剤数を基に定められていましたが、平成10年に見直しが行 われ、入院患者数と外来患者にかかる処方せん枚数を基に定められることになりまし た。これは先ほど説明したとおり、病院薬剤師業務が医療法施行当初から変遷してきて おり、入院患者への服薬指導などの病棟業務が増大してきたことから、従来の調剤数に よる規定では実態に合わなくなってきたことを受け、見直しが行われたものです。  40頁です。審議会・検討会における意見です。平成8年の医療審議会では薬剤師の数 は入院患者数等を考慮した基準に見直すことが適当とされており、これを受け、先ほど 説明した見直しが行われました。また、平成10年の見直しの際には3年後を目途に、薬 剤師の人数配置基準の見直しを行うことが医療審議会で指摘されたことから、平成13年 に病院における薬剤師の人員配置基準に関する検討会を開催し検討しました。  41頁です。平成13年10月にまとめられた報告書では、病棟に薬剤師1人を配置すべき という意見にも配慮し、今後、薬剤師の需給、薬剤師の業務内容や配置の実態、薬剤師 養成における臨床教育の充実等の進展を踏まえ、3年後を目処に人員配置の基準の検討 を開始すべきとされています。  42頁は、薬剤師の配置状況で病院報告の統計データや立入検査結果から引用していま す。  43頁です。また、病院薬剤師に係る診療報酬ですが、例えば病院薬剤師が病棟活動を 行い、服薬指導を行うことで薬剤管理指導料が算定できるとなっています。 ○鴨下部会長  時間がだいぶ厳しいのですが、ただいまの説明や資料に関するご質問も含めて、また 卓上に配付されている辻本委員の意見も含めまして、ご自由に意見交換をお願いしま す。できるだけ大勢の方にご発言いただきたいので、要点を簡潔にお願いいたします。 ○村上委員  地方病院の医師の不足が大変問題です。私どもの病院も近隣の小病院に医師を派遣し たりしています。皆さん気が付いているかどうかわかりませんが、もう1つ大きな問題 があります。麻酔医は病院にとってはライフラインです。私どもの病院は千葉県と茨城 県の約100万人の人口をカバーしている956床の基幹病院です。救急患者も年間6万人扱 い、研修医も毎年25人採っている形でやっていますが、実は麻酔医が私が5年前に病院 長になったときに大学から引き上げられて4人にまで落ちていました。さらに、産休に 入ったり、この4月にはどうしても辞めなければならないといい、2人になってしまい ます。私どもの地域の基幹であり、しかも周りに医師を供給している病院がつぶれてし まう、機能を果たせなくなってしまうという事態です。  これについては私も数年来麻酔科医を増やせといろいろな所にお願いをしていたので すが、それもかなわないならばナースのアネスティーストをアメリカ並みにやってくだ さいということをお願いしています。これも麻酔学会が自分たちの利益を守るためにそ んな話には乗ってこない。しかし、アメリカはちゃんとやっているわけですし、学会を 無視してでもこういうところで、是非看護師はいろいろな資格の認定看護師を作ってい らっしゃるので、是非そこに入れていただいて、麻酔医の足りないところを補充してい ただきたい。これは麻酔医が足りないのは何も私の病院だけではないのです。日本中い たるところにあり、日本病院会も是非これはナース・アネスティーストを育てることを この会で言ってくれということを会長からも言われていますので、私の病院の恥を申し ましたが、そういうことで是非この点をご配慮願いたいと思い、先ほどから言いたくて うずうずしていました。 ○大橋委員  地方行政を預かるものとして、公的病院の医師不足が問題で、私も病院長と一緒に大 学病院に医師派遣をお願いに行くのですが、開業してしまう医師が多く大学病院も困っ ているのだと言われてしまいます。開業するドクターは1年〜2年必ず公的病院で勤務 し、病診連携や開業に伴い必要な広い範囲の研修を行わせて開業免許を与えるような開 業医免許制度を作ると公的病院も困らず、開業するドクターにも有利になると思いま す。  また、前回出た、内科医が小児科を診られるように育てるというのは大変良い事とは 思いますが、実際、患者が満足する迄に教育できるかが問題で、むしろ小児外科医に小 児科の救急に協力してもらうのが一番いいのではないかと思います。  私達小児科医は脳神経や臓器別の専門分化が進んでいて、その中には救命に必要な緊 急挿管を苦手とする小児科医も多いのです。  小児外科医は緊急挿管等の救急には非常に強く、もともと子供の扱いには手慣れてい るので、小児外科医に少し小児科を教育すれば、非常に強力な助っ人になると思います ちなみに、私の兄は小児外科で開業していて、聞いてみたら。小児外科学会の会員が 3,000人位いて500〜1,000人位は協力してもらえるのではないかと言ってました。そう いう小児外科の人達に休日の小児科救急をやってもらうことも必要ではないかと思って います。 ○小山田委員  1頁の3の末端に、医師の地域差、診療科による偏在を検討すると書いてあります が、これははっきりわかっていますので、これは検討ではなく、具体的な対策について の検討と提言を、是非早くやっていただきたいと思います。 ○杉町委員  医療が高度化してきますと、看護師もこれから先は専門性を持っていなくてはいけな いだろうと思います。その一環として、村上委員がおっしゃったように、看護師も麻酔 をかけられるよう、是非早急に養成していただきたいと思います。私もアメリカに留学 していましたが、アメリカで手術をするときは看護師が麻酔をかけていました。 ○山本(信)委員  薬剤師に係る部分については、事務局から詳細に説明がありましたので繰り返し述べ ることは差し控え、3点ほどお願いしたいことがあります。これまでも薬剤師の人員配 置は議論されてきていますが、その中で新しい問題として休日・夜間の問題、あるいは 医療安全、あるいは専門性の高い薬剤を使用する上でのそれを支える薬剤師の役割とい ったことが、必ずしも十分に反映された形での議論がされていなかったのではないかと 思います。説明の中に今後とも、医療提供体制の中での薬剤師の員数をどうするかとい う議論を進めるというお話ですので、是非これから進められる議論の中で、特に医療機 関における薬剤師の役割、あるいは配置については地域の薬局もそうですが、医療提供 体制が十分に確保されるためにも、夜間・休日、あるいは医療安全の問題がきちんと担 保されないと、安心して安全な医療が提供できないと考えていますので、是非そうした ことを踏まえた議論を、この場でお願いしたいと考えています。 ○山本(文)委員  先ほどの営利性の問題といまの説明は矛盾しています。非営利性でなければいけない と言っているわけでしょう。ところが、これは病院の職員数の増員になるわけです。そ こら辺りをどう解決するのかが1点です。2点目は地域性を全然考慮していない。例え ば看護師数は余っているということを言われました。それは養成所を卒業した数と必要 数の需給のバランスは取れている。ところが、先ほどの説明のように55万人も免許を持 っていても就業していない人たちがいるわけでしょう。だから、卒業した人が養成が終 わって、病院に就職するかというと必ずしもそうではないわけです。県単位でいくと私 の県で養成した人が、例えば1,000人いて1,000人がそのまま私の県で就職するかという と、そうではないわけです。だから地域性が考慮されなければならないということと、 都市と中山間地域とでは非常な差があるわけです。そのようなことを調べてこういう数 値を出すわけですから、こういう中山間地域には不足数が非常に出てくるのです。そこ ら辺りの配慮をしないと、いつも私は申し上げるのですが、都会の人が一人前で我々山 の中の田舎者は半人前だなどということはあり得ないわけです。地域を考えないでこう いう配置数を一概に論じるのは、いささかどうかと思います。ですからそこら辺りの配 慮をしてほしいと思います。  特にそれが言えるのは医師なのです。例の自治医科大学ができています。自治医科大 学の人でも医師というのは地域住民の皆さん方の実態を十分把握しないと、中山間地域 での医療は難しくなります。どういう性格の人がいるのか、どういう体質の人がいるの か、あるいはこの地域はどういう病気が多いかなどを把握しないと、その地域の医療を 十分に果たすことはできないのではないかと平素から思っています。ところが、そうい うような中山間地帯には自治医科大学の皆さんが行くようにはなっているけれども、1 年ぐらいで交替するから全然役に立たないと思います。そうだとは言いたくありません が、そうだと思うのです。その辺の配慮が全然今日の説明の中にはないわけです。地域 のことを考えないで、ただ数字だけをもてあそんでこうだということはどうかと思いま すので、その辺りの考え方を十分気を付けていただくようお願い申し上げます。特に営 利性と増員は一体どうなのだということは、きちんと整理をして提言すべきではないで しょうか。 ○古橋委員  先ほどから麻酔医の問題で、麻酔のかけられるナースというお話が出ました。この話 はやや困惑して聞く立場です。それは医師が足りないからナースにやらせればいいとい うような発想では大変困るので、ナースプラクティショナーという仕組みを作った外国 でも、医師との葛藤も多かったし、看護職の能力と責任という点においても課題にはな ろうかと思いますが、軽々にそのとおりとは申し上げられない立場です。ただし、資料 25頁にあるように、看護界はいま専門性の高い看護職の人材育成という点で取り組んで います。そういう点の価値評価を是非とも医療関係者にもお願いしたいし、国民の皆様 にもわかっていただけるよう、広報も考えていただきたいと思っています。  いちばん大きいのは看護職の不足の問題で、今日もありましたが看護職員確保の1つ に潜在看護師が一体何人いるのかという辺り、国家免許証が交付されながらも、その正 確な数字の把握の仕組みがありません。医師・歯科医師・薬剤師はみな免許資格保有者 が届出報告をするということがありますが、看護職に限り就業ナースだけが業務従事者 届けとして2年に1回報告するだけです。これは離職と再就業の動きが大変大きい看護 界にとり、報告体制としては不備があると思っています。潜在看護職の正確な確保は、 一体日本に現在免許を保有する看護職が何人いるのかという把握が急がれるわけです。  話題に出たフィリピンとの経済連携との話の中で看護職等の技術移動に関しても、国 会でも潜在看護職の就労促進と並行してやっていく議論もあったやに聞いています。そ うした点で、現行の仕組みの不備を是非とも検討していただけないかと思っています。  もう1つ看護界が抱え始めた問題の1つに、4年制大学がお蔭さまで大変増えてきま したが、この4年制大学の中で看護師国家試験と保健師国家試験、また一部助産師国家 試験が同時に受けられる学習をしていきます。看護師国家試験が受からなくても、看護 師国家免許を持たなくても保健師の免許、あるいは助産師の免許があれば、保助看法に おいて看護業務をやってよしという規定になっています。これがいま大変大きな法律の 隙間になっており、看護師国家試験は質の向上という点からも見直され、得点の高いこ とが期待され必須問題も取り入れられたのに、保健師だけ受けて看護師を受けないとい うような学生まで出てきました。これは法律の隙間をかいくぐった、しかも法律規定の 不備をある意味で都合よく使っていることもありますので、保助看法に掲げてある保健 師、助産師であれば看護業務ができる、看護師免許がなくてもできるというようなこと が放置されることは、やはり大きな問題ではないか。大学卒業生が加速度的に増えてき た現状で、こうした問題が出ています。  もう1つ保助看法に触れて言いますと、看護師は業務独占はしていますが名称独占で ないがゆえに、何々看護師、何々副看護師というような名称が独り歩きをして、あたか も看護業務が法的にできるような、そうしたこともいま動いています。医師、歯科医 師、そして薬剤師、保助看法の規定をほどいて資格を取った職種たちも、みんな業務独 占と名称独占が合わせてなされているのに、看護職だけは業務は独占という規定になっ ていますが、名称の独占がありません。こうした点では看護師の職業としての保障、あ るいは取組み、質の点では法律改正の課題があるのではないかと思っているので、是非 とも検討をしていただきたいと思っています。免許の報告という点に関しても、併せて 免許更新ということも看護界で議論をしていく必要があるのではないかと考えます。 ○土屋委員  医師の需給に関して簡単に申し上げます。医師不足であるという話は、確かに科別の 医師が不足であるという話と、ルール上足らないという話が混同されていると思いま す。地域における医療と、高度先端医療を提供する医療機関では医療の内容が異なるの で、従って医師の数も当然違ってくるわけです。ところが同じルールで、高度な医療を 提供する病院も、地域の医療を担っている中小病院もそれで縛っている。定員を満たさ ないからということで、名義貸し、名義借りが起こっていて問題だという記載がありま す。そこで現状はどうしているかというと、実際は医師がそんなに必要もないのに、要 件を満たすだけに来ていただいて、先生たちには大した仕事がないから、ここで何か勉 強でもしていってくれと。そこで大学の研究の資料を持ち込んだりして時間をつぶして いて、それで勤務したことになるのです。  一方では実際にはこれだけの医療をやるには、複数の専門的なものを身に付けた医師 が何人も必要であるという医療を提供しなければならない。そういう医療機関とそれぞ れの地域で名義貸しだか借りだかは知りませんが、そう言われた医療機関はそれなりの 医療をそれぞれの地域に提供しているわけです。ですから、それなりの身の丈に合った 医療を提供して、その地域における役割は十分に果たしているわけです。それを1つの ルールで縛るのは、実態に即していないと思います。ですから、現行の医師配置標準を 基に、不足しているとか、需給はバランスがとれているとかいうこと自体が、見直さな ければいけないことではないかと思っています。すなわち、ルールそのものが実態に即 していない。本当に不足しているのか、あるいは形だけ整えなければならない辻つま合 わせのための医師が足らないと言っているのかということについて、検討しなければい けないのではないかと思います。 ○鴨下部会長  まだご議論はあると思うのですが、もう1つ大きな議題がありますので、どうしまし ょうか。やったほうがいいですか。それとも3番は次回でよろしいですか。 ○総務課長  事務局の説明が大変長くて申し訳ありません。一応今日までがフリートーキングで、 我々としては次回に論点という形で先生方の意見をまとめて出したいと思っていますか ら、できれば今日中に一応スケジュールどおりに終わらせていただきたい。資料3につ いては簡潔に説明しますので、その上でいまの問題も含めて、時間内で質疑をしていた だければと思います。 ○鴨下部会長  議題が多いものですから少し延長するかもしれませんが、資料3、「生命の世紀の医 療を支える基盤の整備」と、大変間口が広くなりますがこれについてご説明をお願いし ます。 ○研究開発振興課長  資料3の1頁、保健医療分野の情報化についてです。ここにあるように平成13年に情 報化グランドデザインを作り、アクションプラン等を示したところです。現在情報化グ ランドデザインと、e−Japan戦略II、e−Japan重点計画2004、これらを踏 まえて下に書いてあるような4本の柱を中心に総合施策を実施しています。  2頁です。電子カルテシステムについては普及状況が左側にありますが、このような 普及状況ですので、普及に向けた課題として医療情報の標準化、あるいはシステム間の 互換性確保、さらに導入費用や維持費用についての問題があります。それに対して下に あるような施策を進めているところです。  3頁です。14年度から電子カルテシステムを活用した医療情報ネットワークモデル事 業を実施しています。また、本年9月に医療情報ネットワーク基盤検討会からの最終報 告をいただいたところです。その中で公開鍵の基盤整備等の提言をいただいたところで す。  4頁です。遠隔医療システムの推進をやっています。5頁です。レセプト電算処理の 普及促進で、現状は16年10月で導入病院件数が593件で、病院レセプトの13.2%に当た っています。平成13年度では0.3%、平成15年度では2.1%で着実に増えています。普及 方策としては電子カルテと一体になった導入支援、あるいは用語コードの統一化等の取 組みをしているところです。以上が情報化についてです。  6頁です。創薬・機器開発研究についての状況です。改革ビジョンの中ではナショナ ルセンターの整備についても項目に上がっていましたが、これは参考資料4の24頁から 27頁にありますので説明は省略します。まず研究開発の流れとしては基礎研究から応用 研究、あるいは実用研究という形の臨床研究へ進んでいくということで、具体的には例 えば医薬品については平成12年からスタートしたミレニアム・プロジェクトによるゲノ ム解析、また15年度からスタートしたプロテオーム(蛋白質)の網羅的解析、さらにゲ ノム科学を活用した安全性・有効性予測技術の開発等を行っています。また、機器開発 についてはナノメディスンの研究開発、さらには外科手術ロボット等の開発等を行って います。ただ、これらの基盤的研究を進めても、それをいかに実用研究、臨床研究へつ なげていくかが重要です。トランスレーショナル・リサーチ等の研究についても、併せ て推進しているところです。  7頁です。基礎的・基盤的研究を行うにあたり、明年4月に独立行政法人医薬基盤研 究所を大阪府茨木市の彩都に開設する予定です。2の研究所の概要にあるように既存の 国立医薬品・食品衛生研究所の基盤的研究開発機能、あるいは独立行政法人医薬品医療 機器総合機構の研究開発振興機能、さらには食品衛生研究所や国立感染症研究所のバン ク機能を合わせて、(1)基盤的研究開発、(2)研究開発振興、さらに(3)研究資 源開発等を積極的に行っていこうと考えています。  8頁です。これらの基礎的・基盤的研究を踏まえ、先ほど申し上げたように、これを 新たな医薬品・医療機器を国民に提供するというところに進めていくためには、まず基 礎から臨床への「死の谷」と呼ばれる部分への投資を増やす。さらに治験への活性化が 必要ということで、治験環境の整備の推進を行っています。なお、我が国の治験の状況 については過去8年間で初回治験回数が4分の1近くになるという、いわゆる治験の空 洞化が進んでいる状況です。  9頁です。先ほど申し上げたように治験の活性化が我が国にとって非常に重要という ことで、昨年4月に文部科学省と共同で全国治験活性化3カ年計画をスタートしたとこ ろです。内容についてはそこに書いてあるように、治験ネットワーク化の推進等の対策 を進めているところです。なお、これらの進捗状況は同じく参考資料4に付けてありま すのでお目通しいただけたらと思います。 ○経済課長補佐 続けて経済課です。「医薬品産業ビジョン」及び「医療機器産業ビジ ョン」の進捗状況です。10頁です。医薬品産業ビジョンについては国際的に魅力ある創 薬環境の実現と同時に、医薬品産業の国際競争力の強化を目標に、14年8月策定したと ころです。この中で企業自らの努力を求めるとともに、策定後5年間をイノベーション 促進のための集中期間として位置づけ、国が行うべき支援策をアクションプランとして 取りまとめています。こうした医薬品産業施策については、医薬食品局、医政局、保険 局等々と関係部局が跨っているということを踏まえ、平成14年12月、医薬品・医療機器 産業政策推進本部を事務次官を本部長とし、関係課・室長を本部員という形で設立し、 こうした政策推進本部を活用しながら、産業施策を進めているところです。  さらに医療機器産業ビジョンについては15年3月、この産業政策推進本部において、 医薬品産業に比べてさらに脆弱であるという指摘がなされている医療機器産業につい て、その国際競争力がさらに弱体化することがないようにという視点から、これについ ても国が行うべき支援策というものを取りまとめたアクションプランを踏まえて、策定 したところです。  その後、15年4月、16年4月と産業政策推進本部において、その進捗状況を取りまと め、さらに毎年度、懇談会という形で、産業関係者、医療関係者等々の医薬品医療機器 産業の有識者からご意見を伺う機会を設けています。  11頁です。その結果、今年5月、6月に行われた懇談会においては、アクションプラ ンの進め方については一定の評価をいただいたと考えています。しかしながら個別の事 項、具体的には(1)から(4)までは、先ほど研究開発振興課から説明がありましたが、治 験環境の整備についてはさらに進めるべきであるとのご指摘に対し、全国治験活性化3 カ年計画を着実に実施していくことで取り進めていきたいと思っています。  また、医薬品・医療機器の審査の迅速化ですが、これについては今年の4月に独立行 政法人医薬品・医療機器総合機構というものが新たに設置されたところでして、この独 立行政法人において、審査と相談体制の一元化、審査の目標期間の設定といったような 取組みを通じ、さらに審査を迅速化していきたいと考えています。  (3)、(4)薬価、材料価格について、そのイノベーションを適正に評価してほしいとい う産業界からの要望です。これについては業界団体等と私ども経済課を中心として勉強 会を開いています。具体的にどのような方策があり得るかについて今後検討していきた いと思っております。 ○鴨下部会長  説明は以上ですので、ご意見を頂戴したいと思います。時間がないのですが、少し延 長したいと思います。 ○佐伯委員  この会議は非営利性から始まって、産業、国際競争力で結ばれるという、誰のための 医療かということが全く抜けているというのをいま本当に実感しています。適正人員の 配備やいろいろなところで不足をしているかどうかを誰が決めるかというのは、その医 療を受けている患者ではないかと思います。人材の育成のところの1頁、(1)から(5)ま でありますが、(3)ぐらいから軽症なのに大きな病院に連れて来るとか、患者がインフォ ームドコンセントやセカンドオピニオンを求めるから時間が増えるのだというようなニ ュアンスで書かれている、これは非常に心外です。なぜ軽症でも連れてくるかという と、軽症で診ていただける開業医がきちんと整備されていないからということもあるの ではないでしょうか。あるいはインフォームドコンセント、セカンドオピニオンをきち んとやっていかないと、そして、この社会保障審議会のいちばん最初のときに、安全と 納得という医療を確立していかないといけない。そこに必要なのは患者の視点であると いうことが何カ所にも書かれていました。先ほど山本委員は株式会社というのを絶対に 言わない言葉にしてほしいとおっしゃいましたが、逆に患者の視点を絶対に言う委員会 であったと思うのですが、あらゆるところで何かその辺りが、ちょっと抜けているなと いうか、専門家による専門家のための委員会であるのかなというので、とても寂しい思 いをしています。  人員ということで言うと、チーム医療では薬剤師まで出ましたが、実は診断から治療 に至るまで、臨床工学の方も必要ですし、栄養士やいろいろな専門職の方が必要なはず ですが、そこの何人が本当に必要であるという具体的なニーズを把握していないのでは ないかと思われます。そして、そのきちんとした数字を挙げることで、初めてここにこ れだけ人数が必要であるから、それがきちんと算定できるような保険の診療も考えなけ ればならないというようなことに、現実に合わせたいろいろな改革が必要であると思う わけですが、その把握をきちんとしていただきたいと思います。看護師やそれぞれの職 種の中で、具体的にどうやっていただくかはそれはもうそちらで頑張っていただきたい ところですが、まずは誰のための医療かということをきちんとここで共有しておきたい と思いました。 ○鴨下部会長  私から提案をさせていただきたいと思います。おそらくいろいろ議論がおありで、皆 さんかなり欲求不満ではないかと思うので、文書でメモのようなことを事務局に提出さ せていただくことはよろしいですか。その上で、なおかつ、ここで発言したいという方 は挙手してください。 ○山本(信)委員  資料3の中で医療ネットワークを推進してということで、3頁には全体の概念図があ り、5頁には普及を進めるためにレセプト等の電算化を進めていこうという議論がある わけです。、薬局での電算化の整備状況は、すでに全体の3割を超えているので、仮に 院外処方せんの発行の量を考えると、こうした医療情報ネットワークの中に、薬局が組 み込まれないと十分な情報提供体制がとれないのではないかということです。既に1万 2,000件を超える薬局がそうしたことを進めているので、是非こうした概念の中にも、 薬局の在り方、地域の中でどういう働きをするかを踏まえて組み込んでいただかない と、先ほど佐伯委員から指摘があったように、調剤情報が全くそこに組み込まれないの では十分に患者に満足していただける医療提供体制にならないのではないかという気が しますので、是非その辺についてもご検討いただきたいと思います。 ○福島委員  要望のメモは大体いつごろまでにお出しすればよろしいですか。 ○鴨下部会長  年内ならよろしいですか。 ○企画官  年内でしたら十分に間に合います。後ほど整理して申し上げたいと思います。 ○鴨下部会長  これだけホットなディスカッションがあるわけですから、簡単なメモでも何でもよろ しいですから、是非出していただきたいと思います。 ○杉町委員  会長宛にでよろしいのですね。 ○鴨下部会長  事務局へファックス等でお願いしたいと思います。 ○杉町委員  ただいまの資料を見ていただきまして、治験の空洞化云々とありましたが、一方では 世界最高水準の医薬品、医療機械を是非作りたいという気持があるのです。私がいちば んネックと思っているのは、国の許認可といいましょうか、折角いいものを作って許認 可をお願いしても審査が遅くて、外国の場合などは、FDAなどでは日本の10倍くらい たくさんの人がいると聞いています。優れた治験については必ずイエスであってもノー であっても返ってきますが、日本の場合には数年経っても何も反応がないので、非常に これが問題だと思います。ですから東芝でも日立でもメーカーは頑張って医療機械など を作ったりしていますが、許認可のところで時間がかかって大変だということなので、 是非このことは組織が変わったから随分よくなると思いますが、よろしくお願いしたい と思います。 ○鴨下部会長  よろしいでしょうか。それでは今日は特に盛り沢山でしたが、これまで3回にわたり テーマを決めて、フリートーキングをしてきました。一応各論点についてひととおり議 論しましたので、当初の予定では年明けの第5回の会議でこれまでの論点整理をさせて いただく。そのためにも今日の皆さんのご意見を必要なことはメモでご提出いただけれ ばと思います。事務局から今後のスケジュールについて説明をお願いします。 ○企画官  次回は論点整理のための資料を用意し、ご議論いただけるよう準備を進めたいと思っ ています。事務局の不手際で委員の皆様方には十分時間のない中で、ご発言し足りなか ったところもあるかと思いますので、先ほど会長からも提言がありましたとおり、メー ル、ファックス等様式は何でも結構ですので、年内を目処にご意見をいただければ、論 点整理のメモの作成にあたり、使わせていただきたいと思っておりますので、よろしく お願いいたします。  次回の予定は机上に日程調整のための用紙を配らせていただいています。これにご都 合のよい日をご記入の上、事務局へ送っていただき、それに基づいて日程調整してから ご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○鴨下部会長  それでは本日はこれで閉会にいたします。大変お忙しい中を熱心なご討論をいただき ありがとうございました。 ┌――――――――――――――――――――――――┐ |照会先                     | |医政局総務課                  | |濱田、野崎                   | |連絡先:03−5253−1111(内線2518)| └――――――――――――――――――――――――┘