04/12/09 独立行政法人評価委員会第14回医療・福祉部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                 第14回議事録 日時: 平成16年12月9日(木)15:00〜17:03 場所: 厚生労働省省議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、小林委員、岡田委員、      川原委員、白石委員、橋本委員、山村委員 1.開会 〇岡田部会長  定刻になりましたので、ただいまから第14回独立行政法人医療・福祉部会を開催させ ていただきます。委員の皆様方におかれましては、師走のお忙しいなかを御出席くださ いまして、まことにありがとうございます。  今回は、宗林委員と山崎委員が御欠席でございます。それから、小林委員が30分程 度、白石委員が1時間程度おくれてお着きになるということであらかじめご連絡を頂戴 しておりますので、御了承いただきたいと思います。  初めに、事務局からきょうの議事につきまして簡単に御説明をいただきたいと思いま す。よろしくお願いします。 〇政策評価官  本日も、どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議題は、議事第1は「医薬品医療機器総合機構の評価の視点(案)」につい て、所管課から説明のあったあと、ご審議をお願いしたいと存じます。医薬品医療機器 総合機構については、平成16年の4月1日に設立されまして既に業務を開始しておりま すが、業務開始初年度でございます本年度の業務実績の評価を来年の7月以降にこの部 会で行っていただくことになるわけでございまして、それにあたりまして、あらかじめ 評価の視点を定めるということでございます。  議事の第2は、「今後の障害保健福祉施策」について所管課から報告がございます。  議事は以上でございますが、本日、参考資料をいろいろお配りしておりますので、そ れについて簡単に御紹介を申し上げます。  参考資料1−1は「独立行政法人の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」と いうことで、昨年3月に決定いたしましたものについて総務省から意見があって、12月 1日の総会において改めて改定が決定されたところでございます。総会の前に各委員の お手元にお送りしておりました案から変更はございません。内容の紹介は省略をいたし ます。  参考資料1−2は、「平成15年度業務実績評価の際の評価手法等に関する指摘事項」 ということでございます。各部会において評価の手法についてさまざまな御意見がござ いました。1日の総会では、各部会で御指摘事項等を踏まえて手法について御議論がご ざいましたが、その際に配付された資料でございます。  各部会長、そのほかの先生方から御発言がございましたが、岡田部会長からは医療・ 福祉部会を代表して四つの事柄について御発言いただきました。僣越でございますが私 から御報告をいたします。  一つ目は、評価をされる委員の先生方お一人ひとりの判断基準が異なるなかにあっ て、どのように評価を進めていけばよいのか戸惑いがあったという御指摘でございま す。  二つ目は、法人みずからが評価シートに記入して提出してくる自己評価に委員の先生 方のご判断が誘導されてしまうことの御指摘でございます。  三つ目は、法人間あるいは法人内部の業務の相違が多岐にわたることから、適正な評 価を行うには深い理解を必要とする、という御指摘でございます。  四つ目は、年度評価を通して改めて中期目標及び中期計画そのものの妥当性について 考えざるを得ないことがあるのではないか、という問題提起でございます。  このほか、各部会長から御紹介をいただいておりまして、それを含めまして、本日、 議事録がまだ間に合っていないのでございますが、この部分の抜粋資料を改めて各委員 のお手元にお送りいたしたいと考えております。  参考資料1−3「厚生労働省独立行政法人の財務情報について」というものをお配り しております。こちらは、夏に石井委員から法人の特に財務の透明性に関していくつか 資料のご指示がございました。具体的には、2ページにございますように財務情報をど んな形で開示しておるか、それから、各法人ごとに特殊な財務書類の作成義務とはどう いうものがあるか、ということを整理した資料でございます。  3ページには自己資本比率。設立時と第1期末での推移等が整理してございます。  4ページには、一般管理費等の経費削減についての各法人の中期目標期間の過程とい いますか、それが一覧の形で整理されております。  8ページには、石井委員からの御指示のメモがつけてございます。  参考資料2−1は、医薬品医療機器総合機構の開始貸借対照表が確定いたしましたそ の資料でございます。  参考資料4−1は、福祉医療機構の承継した労災年金担保貸付事業における開始貸借 対照表でございます。  そのほか、本日、後ほど議事1でするものでございますが、大石委員からあらかじめ ご質問についてメモを頂戴しておりましたので、それも追加でお配りしております。  資料は以上でございます。  最後に報告でございます。前回、第13回の部会で福祉医療機構の障害者スポーツ支援 基金の取崩しについて御審議いただきました。これについては原案どおり部会長に御確 認をいただきまして、11月24日付で厚生労働大臣に提出されております。また、当該取 崩しの申請に対する大臣の承認が12月1日付で既になされております。加えまして、取 崩しに係る中期目標、中期計画の変更に関する大臣の指示及び認可が、それぞれ11月30 日、12月1日に終了しておりまして、取崩しに係る評価の視点改正についても効力を生 じているということで、順調に進んでいることをご報告申し上げます。  以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 2.議事 (1)医薬品医療機器総合機構の評価の視点(案)について 〇岡田部会長  ありがとうございました。  それでは、きょうの議題であります審議を開始したいと思います。  まず、「医薬品医療機器総合機構の評価の視点(案)」の審議に入りたいと思います が、これにつきましては所管課から御説明を頂戴して、御議論をいただきたいと思いま す。よろしくお願いいたします。 〇医薬食品局総務課課長補佐  それでは、御説明申し上げます。私は、医薬食品局総務課課長補佐の千葉と申しま す。よろしくお願いいたします。本来なら課長が出席して御説明を申し上げるべきとこ ろでございますが、本日は所用がございまして、私からの説明とさせていただきます。  最初に、医薬品医療機器総合機構の業務概要を御説明いたします。資料2−1をごら んいただきたいと思います。  医薬品医療機器総合機構は、本年4月に、旧医薬品副作用被害救済研究振興調査機構 と、国の機関であります国立医薬食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター、並びに 財団法人医療機器センターの同一性調査業務が統合して発足した組織でございます。当 法人の業務は、設立目的に即して、健康被害救済業務、審査関連業務、安全対策業務、 そして研究開発振興業務の四つに分類されます。  まず健康被害救済業務ですが、これは医薬品の副作用による疾病、障害または死亡に つき、医療費、医療手当、障害年金等々を支払う業務でございます。医薬品を適正に使 用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害について、被害者からの給付請求 に基づき、ただいまのような費用をお支払いをするものでございまして、医薬品副作用 被害救済業務と称しております。  また、本年4月から新たに人や動物などの生物に由来する原材料を使用した医薬品や 医療機器による健康被害についても、副作用被害救済制度と同様の給付を行うという生 物由来製品感染等被害救済業務がスタートしております。  これらの業務に必要な財源は、主に医薬品や生物由来製品の製造業者等から納付して いただきます拠出金で賄うことになっております。  次に審査関連業務については、より優れた製品をより早く、より安全に国民に提供す るという課題にこたえるために、これまで審査センターで実施しておりました承認審査 業務と旧機構で実施しておりました医薬品の治験相談業務及び信頼性調査業務、また、 旧機構と財団法人医療機器センターが実施しておりました同一性調査業務といった審査 関連業務を統合し、独立行政法人制度を活用して効率的に実施する体制を整備したとこ ろでございます。  独立行政法人における審査関連業務の主なものとしては、申請された製品の品質、有 効性、安全性について現在の科学技術水準に基づき審査を行う承認審査業務、それか ら、提出された申請資料の信頼性を書面や実地で調査をする信頼性調査業務、それか ら、治験前の段階から治験相談などを受ける対面相談業務などが挙げられます。  この審査関連業務の主な財源は、企業等の審査手数料、申請手数料収入等で賄われる ことになっております。  次のページの安全対策業務でございます。市販後の医薬品・医療機器等に起因する副 作用や不具合などに関する企業からの報告を収集・整理する業務を新たに医薬品機構で 実施していただくことになりました。  そして、収集・整理された集積情報をもとにした疫学的手法により解析評価する業務 を新たに行うことにしております。  それから、個別の医薬品や医療機器などの安全性の向上に関する企業からの相談を受 け、指導・助言を行う相談業務、あるいは企業の添付文書改定情報や、厚生労働省が発 表した緊急安全性情報などを提供する業務を行うことにしております。  なお、これらの業務に必要な財源は、医薬品・医療機器製造業者等から納付される安 全対策拠出金で賄えることになっております。  次に、研究開発振興業務でございます。よりよい医薬品や医療機器の研究開発を促進 するため、エイズやがん、糖尿病などの保健医療上、重要な疾病などに役立つ医薬品や 医療機器の技術開発を行い、その成果を普及する基礎的研究業務、それから、新規の医 薬品や医療機器の技術開発に関する研究を民間企業等に委託して実施し、その成果を普 及する研究振興業務、それから、国内の患者数が5万人未満の重篤な疾病の治療に必要 な医薬品・医療機器、これをオーファンドラッグ等と呼んでおりますが、これらの研究 開発を振興するため、試験研究に必要な資金を助成したり、指導・助言したりする希少 疾病用医薬品等開発振興業務となっております。  これらの当該業務に必要な財源は、基礎的研究業務と希少疾病医薬品等開発振興業務 については、主に運営費交付金で賄われます。研究振興業務は、産業投資特別会計の出 資金で賄われております。  なお、この研究振興開発業務は、来年の4月に新しく発足いたします独立行政法人医 薬基盤研究所に移管することが既に決定しております。  以上が、当機構の業務の主なものでございます。  なお、当機構の業務運営にあたりまして、医薬品医療機器総合機構の特有な取り組み として、幅広い分野の学識経験者との意見交換の場として審議機関を設置しまして、機 構の業務内容や運営体制への御提言等を頂戴する。それらの御意見等を踏まえて、業務 の効率化、公正性、透明性の確保に努めていくこととしております。  以上で業務概要の説明を終えたいと思います。  続きまして、評価の視点について御説明いたします。資料2−2をごらんいただきた いと思います。見開きで作成しておりますが、左側に中期目標、中期計画、右側に年度 計画及び評価の視点というふうに対応して作成しております。  右端が「評価の視点」になりますが、この作成にあたりましては、評価委員会で評価 いただく際の着眼点、ポイントという観点から、先行の独立行政法人の例なども参考に 記載いたしました。また、この中期計画は、ごらんいただくとおわかりのように個別、 具体的に規定されておるところが非常に多くございます。したがいまして、評価の視点 においても中期計画と同様の標記になっているところが多数ございますが、ご了承いた だければと思います。  なお、本日配付しております資料でございますが、前もって先生方にお配りしました 資料の記述と一部修正が入って異なっております。修正部分の主な点は、当初案では、 評価の際に考慮が必要な事項についてその旨を評価の視点に記載しておりましたが、こ の点については、業績評価を受ける際にその旨を御説明することで対応するのが適切と 判断しまして、その部分を削除いたしております。  また、当初案では、中期計画終了時の評価を想定した標記にしておりました。5年後 の評価という観点で作成をいたしておりましたが、これは各年度においても評価ができ る標記が好ましいというご指示を頂戴いたしましたので、そういった観点から、各年度 でも評価ができるような標記に修正いたしております。先生方にはいろいろご迷惑をお かけしますが、御了承いただきたいと思います。  それでは、これから中期目標、中期計画に即して評価の視点の考え方を御説明いたし ます。  医薬品医療機器総合機構の中期目標及び中期計画でございますが、大きく分けまし て、法人全体の業務運営の改善に関する事項等、各業務ごとの業務運営の改善に関する 事項等、そして予算や人事等に関する事項等の三つで構成されております。  初めに、法人全体の業務運営の改善に関する事項等について御説明いたします。資料 の見方、あるいはこれから御説明するポイントでございますが、資料の中で太字で記載 されている評価の視点の欄は、医薬品医療機器総合機構の設立において、例えば国会審 議やあるいは関係者等から御要望あるいは御指摘のあった点で、特に重要な事項と判断 をしてゴシック体で標記いたしております。また、独立行政法人としての機構の設立趣 旨にかんがみ重要と考えられる点、こういったところもゴシック体で標記いたしており ます。本日は時間の都合の関係から、こういった事項を中心に御説明をいたします。よ ろしくお願いいたします。  では、1ページから2ページをごらんください。中期計画欄の(1)「効率的かつ機 動的な業務運営について」でございます。ここでは、効率的かつ機動的な業務運営を達 成するための業務管理体制や理事長のトップマネジメントが発揮できる組織体制の構 築、さらには本法人に特有のものとして、学識経験者との意見交換の場としての審議機 関を設置し、業務の効率化、公正性、透明性を確保すること、ということが掲げられて おります。  このため、右側の評価の視点では、「各部門ごとの業務計画表が作成されているか。 また、それにより業務の進捗状況を日常的に管理し、問題点の抽出及びその改善が図ら れているか。戦略立案機能、リスク管理機能、チェック機能などの業務管理体制や理事 長の経営判断が迅速に業務運営に反映できる組織体制、外部評価の仕組み、グループ制 等が構築され、有効に機能しているか。さらには、幅広い分野の学識経験者との意見交 換の場として審議機関が設置され、業務内容や運営体制への提言や改善策が業務の効率 化、公正性、透明性の確保に役立てられているか」などとしたところでございます。  続きまして、3ページから4ページの中期計画欄、(2)「業務運営の効率化に伴う 経費節減」でございます。ここでは、一般管理費と事業費の経費節減目標が示されてお りますが、本法人は、中期目標期間中の平成16年度、17年度において、薬事法改正等に 伴う新たな業務が発生するという特性を有しております。したがいまして、これら新規 業務に係る経費の節減率については、残りの年度数に比例して設定されております。一 般管理費でいえば、それぞれ15%、12%、9%という節減率になっております。  このため、評価の視点においては、「一般管理費及び事業費の削減について、中期計 画に掲げる目標値の達成に向けた取り組みが講じられ、着実に進展しているか」として おります。  次に、5ページ、6ページをごらんください。エでは、副作用拠出金、感染拠出金及 び安全対策等拠出金の徴収業務の効率化を達成するため、各種取り組みや数値目標が掲 げられております。このため、評価の視点は「各拠出金の徴収業務を効率的に行うた め、中期計画に掲げる各種取り組みが着実に進められているか、その結果として拠出金 の収納率の目標値が達成されているか、また、安全対策拠出金の収納率についても同様 の目標値の達成を目指すため、当該拠出金の制度の普及や納付義務者の管理の徹底に向 けた取り組みが講じられているか」としております。  なお参考までに、中期計画に掲げられております具体的な取り組み事例を列記いたし ております。以下、同様の記述が出てまいりますが、この部分については説明を省略い たします。  以上が、法人全般に係る主な評価の視点でございます。  続きまして、各業務の業務運営改善等に関する評価の視点について御説明申し上げま す。7ページ、8ページをごらんください。  1番の「健康被害救済給付業務」の主な評価の視点から御説明いたします。この業務 は、救済制度をより多くの方がたに周知し、医薬品による副作用及び生物由来製品を介 した感染等による健康被害を受けられた方がたに対して、適正かつ迅速な救済を行うた めの必要な措置を掲げているところでございます。これにつきましては、特に中期計画 欄の(2)において、制度周知のための積極的な広報活動の取り組みが強く求められて おります。  したがいまして評価の視点では、「救済制度を幅広く国民に周知するという観点か ら、中期計画に掲げる各種取り組みが積極的に講じられ、制度普及が着実に進んでいる か」としております。  次に、9ページ、10ページをごらんください。中期計画欄の(3)の「相談窓口の拡 充に係る目的を達成するためにとるべき措置」でございます。中期計画では、制度利用 に関する相談等にしっかり対応できるよう、専門の相談窓口を設置して専任の相談職員 を配置するといった取り組みや、その結果として、年間の相談件数を平成15年度と比較 して中期目標期間終了時までに20%程度増加させるという数値目標が具体的に掲げられ ております。  このため、評価の視点では、「年間相談件数について中期計画に掲げる目標値の達成 に向けた取り組みが講じられ、着実に進展しているか」としております。  次に、9ページの(5)「事実関係の調査等による請求事案の迅速な処理に係る目標 を達成するためにとるべき措置」というところで、11ページのイについて御説明いたし ます。ここでは、副作用等の請求があってから、支給・不支給を決定するまでの標準的 事務処理期間に関する数値目標が掲げられております。  このため、評価の視点では、「標準的事務処理期間8か月以内に支給・不支給を決定 する件数が、目標値である全請求件数の60%以上にするための取り組みが講じられ、着 実に進展しているか」としております。  次に(7)「被害実態等に関する調査の実施に関する検討に係る目標を達成するため にとるべき措置」については、具体的に平成16年度中に調査方法の検討を行い、平成17 年度中に調査を実施することが掲げられております。  このため、評価の視点では中期計画と同様の記載としたところでございます。  以上が、健康被害救済給付業務に関する主な評価の視点でございます。  続きまして、審査等業務及び安全対策業務の主な評価の視点について御説明いたしま す。13ページ、14ページをごらんください。中期計画欄の2の「審査等業務及び安全対 策業務」についてでございます。ここでは、よりよい医薬品や医療機器をより早くより 安全に医療の場に届けるとともに、市販後においてそれらの医薬品、医療機器が適正に 使用されることによって、保健衛生上の危害の発生を防止し、また、発生した際には的 確、迅速に対応することにより、その使命を長期にわたって果たすことができるよう、 治験相談を含めた審査等業務と市販後安全対策業務の体制を強化するとともに、これら を有機的に連携させるための具体的な取り組みが掲げられております。  最初に、審査業務に係る評価から御説明いたします。中期計画欄の(1)「先端的な 医薬品・医療機器に対するアクセスの迅速化に係る目標を達成するためにとるべき措置 」のイの部分では、平成16年4月1日以降に承認申請を受け付けた品目に係る審査の事 務処理期間についての目標値を定めております。具体的には、新医薬品、新医療機器及 び優先審査の対象製品の3区分について、それぞれ厚生労働省における審査機関も含め た事務処理期間を設定し、その達成率を定めているところです。  したがいまして評価の視点では、「新医薬品、新医療機器、優先審査対象製品の審査 事務処理期間について、中期計画に掲げる目標値の達成に向けた取り組みがそれぞれ講 じられ、着実に進展しているか」としております。  次に、17、18ページをごらんください。ここでは、有用性が高いと期待される医薬 品、医療機器についての優先治験相談制度を創設して優先審査へとつなげることで、承 認までの期間の短縮をはかることとし、そのための各種取り組みが掲げられておりま す。  したがいまして評価の視点においては、「優先治験相談制度を創設し、承認申請まで の指導の機会の増加をはかるための取り組みが講じられているのか。また、治験相談の 申込から対面相談までの期間等を短縮するための取り組みが講じられているか」として おります。  次に、中期計画欄の(2)「審査等業務及び安全対策業務の信頼性の向上に係る目標 を達成するためにとるべき措置」の案に移ります。19ページ、20ページをごらんくださ い。ここでは、審査等業務及び安全対策業務において国際的にみても遜色のない水準の 技術者集団を構築するため、それぞれの業務の質の向上をはかるための各種取り組みが 掲げられております。  したがいまして評価の視点では、「中期計画に掲げられている各種取り組みが講じら れているか」としております。  以上が審査等業務の主な評価の視点でございます。  続きまして、安全対策業務の評価の視点について御説明いたします。中期計画欄のエ をごらんください。ここでは、医療機器の安全性を評価するうえで、使用される医療機 器の不具合発生率の把握についての取り組みが掲げられておりますが、不具合発生率の 把握の困難性について簡単に申し上げます。  医療機器は器具、機械でございますから、製造後の検査で適正に製造されたものであ っても、その製造過程で発生する構造上の欠陥とはいえない不具合が一定の割合で発生 するといわれています。そこで、より正確な評価を行うために、それらの不具合の発生 率を把握したうえで安全性の評価を行う必要がございます。中期計画においては、より 科学的に医療機器の安全性を評価するために、構造上の欠陥とはいえない不具合の発生 率を把握し、中期目標期間終了時までにそれらのデータに基づいた評価を実施する体制 を構築することが掲げられております。  また、ペースメーカーなどの埋め込み型の医療機器は、体内に埋め込まれたあと、年 数を重ねますと、必然的に不具合が発生するという特性をもっております。現在、その 経時的な不具合発生率など、医療機器の稼働状況に係るデータを収集、評価するシステ ムは整備されておりません。このため、より科学的に医療機器の安全性を評価するため に、中期目標期間終了時までにこのような医療機器の稼働状況に係るデータを収集し評 価するシステムの整備についても、中期計画に掲げられております。  したがいまして評価の視点では、「医療機器の構造上の欠陥とはいえない不具合の発 生率を把握し、中期目標期間終了時までには科学的に医療機器の安全性を評価する体制 の構築がはかられているかどうか、また、ペースメーカーなど、埋め込み型でリスクの 高いトラッキング医療機器についての経時的な不具合発生率など、医療機器の稼働状況 に係るデータを収集し、安全性を評価するシステムの整備がはかられているか」として おります。  次に21ページ、22ページで、中期計画欄の(3)「情報管理及び危機管理体制の評価 に係る目標を達成するためにとるべき措置」のアでございます。現在、医薬品の安全対 策の評価は、副作用症例等の集積状況のデータをもとに確認しているところでございま すが、今後は、報告された膨大な副作用等情報について統計的に解析し、詳細に検討す べき症例を抽出するという、いわゆるデータマイニング手法を用いた評価が必要となっ ております。しかし、この手法は未だ世界的にも確立されたものではなく、今後、デー タマイニング手法を研究し、平成18年度までにその手法を確立し、中期目標期間終了時 までに安全対策業務に導入すること、さらに体制の整備状況については適宜公表するこ とが掲げられているところでございます。  したがいまして評価の視点においては、「副作用を早期に発見し、その未然防止策を 講ずる観点から、企業や医療機関等からの副作用等情報を用いたデータマイニング手法 の導入に向けた取り組みが着実に進められ、その結果、中期目標期間終了時までに安全 対策業務に導入され、適宜公表されているか」としております。  続きまして、イ「拠点医療ネットワークの構築」についてでございます。副作用情報 の収集が主として企業からの報告または医療機関からの自発的な報告に依存しておる現 状にあることから、中期計画においては、副作用情報の解析の精度を高めるため、特定 の品目、特定の疾患ごとに副作用情報を一定期間内に集中的に収集する情報収集拠点、 医療機関ネットワークを厚生労働省と協力して構築することとしています。また、当該 協力医療機関に対し、副作用情報等を重点的に提供することが掲げられております。  したがいまして評価の視点では、「副作用情報の解析の精度を高めるために、情報収 集拠点医療機関ネットワークの構築に向けた取り組みが着実に進められているか。ま た、ネットワーク医療機関にとってメリットのある副作用情報等の提供が行われている か」としております。  次に、23ページ、26ページの中期計画欄のエをごらんいただきたいと思います。「情 報のフィードバック等による市販後安全体制の確立」でございます。市販後安全体制を 確立するために、副作用報告等の報告主体であります企業や医療関係者に対する情報の フィードバックや患者への情報提供について、各種取り組みが中期計画に掲げられてお ります。  したがいまして評価の視点は、「企業、医療関係者、患者ごとに中期計画に掲げられ ている各種取り組みが適切に実施されているかどうか」としております。  以上が、安全対策業務の主な評価の視点でございます。  次は研究開発振興業務で、本日は医政局の研究開発振興課からこの点を御説明いたし ますが、この点は後ほど説明することにいたしまして、私から39ページから42ページの 人事に関する事項を先に御説明いたします。こちらは、特に医薬品医療機器総合機構に 特有な人事管理の観点が記載されております。  中期計画欄のイでは、GMP調査という、実際に企業に入って行う品質関係の調査の ことでございますが、GMP調査の海外における実施などに対応するため、公募を中心 に専門性の高い有能な人材を採用することや、採用にあたっては本機構の中立性に十分 配慮することが中期計画に掲げられております。  このため、評価の視点としては、「平成17年度の改正薬事法の円滑な施行のため、専 門性の高い有能な人材が中立性等に配慮しつつ、公募を中心に確保されているか」とし ております。  次に41ページ、42ページでは、製薬企業等々の不適切な関係を疑われることがないよ う、役職員の採用、配置、及び退職後の再就職等に関し一定の制約を設け、適切な人事 管理を行うことが中期計画に掲げられております。  そのため、評価の視点では中期計画と同様の標記といたしております。  医薬食品局関係の評価の視点の説明は以上のとおりでございますが、引き続き、研究 開発振興課より研究開発振興業務関係の評価の視点の御説明をいたします。 〇医政局研究開発振興課長  医政局の研究開発振興課長でございます。引き続きまして、資料2−2の27ページか ら38ページまでの、3「研究開発振興業務」の主な評価の視点について御説明いたしま す。  この研究開発振興業務には、具体的な業務としては、先ほど御説明がありましたよう に、基礎的研究業務、希少疾病用医薬品等開発振興業務、研究振興業務等がございます が、これらの研究開発振興業務については、業務概要で説明がありましたように、明年 4月に設立される独立行政法人医薬基盤研究所にすべて移管されることになっておりま す。  その際、評価については、医薬基盤研究所を担当する部会は独立行政法人評価委員会 の調査研究部会になると聞いております。したがいまして、この医療・福祉部会におい ては平成16年度事業についてのみ評価していただくことになっております。このため、 研究開発振興業務の評価の視点については、特に達成が求められる重要な点のうち、短 期的な評価が可能な項目を中心に主な評価の視点としてゴシック体にしております。  では、時間の関係もございますので、ゴシック部分について説明をいたします。  27ページの(1)のイについてでございます。「研究開発プロジェクトのテーマにつ いては、社会的ニーズを反映したものとすること」という中期目標を達成するため、中 期計画においては、「採択する研究開発プロジェクトのテーマは、将来的に実用化とい う形で社会還元できる可能性が高く、社会的ニーズを反映したものとする」としていま す。  29ページですが、「社会的ニーズを公募テーマの設定に反映するため、臨床現場等に 対し、アンケート調査を実施する。アンケート結果等をどのように採択に反映したかを 公表する」としております。  28ページに戻っていただきまして、評価の視点としては、「採択する研究開発プロジ ェクトのテーマは、将来的に実用化という形で社会還元できる可能性が高く、社会的ニ ーズを反映したものとなっているか。このためにアンケート調査の実施や政策目的等 と、案件採択基準の関係との公表等が適切に行われているか」としております。  次に31ページで、(2)のイ、「政策目的の実現に適した評価手法の確立」につい て、「定量的指標に基づいた評価を行い、適正な研究開発資源の配分を行うこと」とい う中期目標が掲げてございます。中期計画では、このうち、希少疾病用医薬品、いわゆ るオーファンドラッグの試験研究に対する助成について、四つ目の・で、「希少疾病用 医薬品等開発振興業務に関し、試験研究の進捗状況報告を適時求めるなど、助成金の適 正かつ効率的な交付に役立てる」としております。  このため、評価の視点においても、「希少疾病用医薬品等開発振興業務に関し、試験 研究の進捗状況報告を適時求めるなどにより、助成金の適正かつ効率的な交付が行われ ているか」としております。  次に、ウ「外部評価者の活用等による実効性のある評価の実施」についてでございま す。中期目標を達成するため、中期計画においては、二つ目の・にございますように、 「外部評価者により研究課題や事業目標の2段階評価を実施する体制を、平成16年度中 に構築する」とともに、五つ目の・にございますように、「各研究開発プロジェクトに おいては、プロジェクト終了時点での到達目標とそのための事業計画を明確にさせ、採 択時評価に役立てるとともに、年次フォローアップを行い、(1)基礎的研究に係るもの については原則として5年の研究期間とし、中間及び終了時評価に役立て、(2)実用化 研究に係るものについては原則として3年の委託期間とし、終了時及び終了後の継続評 価に役立てる」としております。  このため、評価の視点においては、「各研究開発プロジェクトは、プロジェクト終了 時点での到達目標とそのための事業計画を明確にさせ、採択時評価に活用されている か。また、年次フォローアップが実施されているか」としております。  次に、33ページでございます。エの「バイ・ドール方式による研究成果の活用」につ いてでございます。中期目標では、「産業活力再生特別措置法第30条の趣旨を踏まえ (いわゆるバイ・ドール条項でございますが)医薬品等に係る研究開発を一層推進する とともに、研究成果の効率的な活用を促進すること」という目標が掲げられておりま す。  この目標を達成するため、中期計画では、特に「実用化研究の成果の活用」というと ころがカギで囲まれておりますが、ここでは、バイ・ドール方式により委託事業を平成 16年度に創設する。二つ目の・では、「製品化に近い実用化研究への支援に特化するこ とにより、研究開発の成功確率の向上や開発期間の短縮を目指す」としております。  このため、評価の視点では、「バイ・ドール方式による委託事業を創設し、その支援 対象を製品化に近い実用化研究に特化するなど、研究開発の成功確立の向上や開発期間 の短縮に向けた取り組みが講じられているか」としております。  最後に35ページ、(3)「利用しやすい資金の提供」のア「電子化の推進」について でございます。「研究所等の利便性の向上を図るため、電子化を積極的に推進すること 」という中期目標を達成するため、中期計画では、二つ目の・において「資金提供先と の書類のやりとりについては、契約書等を除き紙での提出を求めず、原則として電子媒 体のみで完結する仕組みの構築を進める」としております。  このため、評価の視点としては、「公募資金提供先との書類のやりとり等について、 電子化の推進が図られているか」としております。  以上が研究開発振興業務に関する主な評価の視点でございます。よろしくお願いいた します。 〇岡田部会長  ありがとうございました。この機構が果たすべき役割は多岐にわたっておりますし、 そして一般的には少数派に属する人びとの問題を主に取り扱っているようで、我々にと っても理解するためには相当勉強していないとわからない点があろうかと思いますが、 今までの御説明に対して率直にご質問等がございましたら、おっしゃっていただきたい と思います。なお、大石先生から出されておりましたことについては、もう少しあとで 取り扱いをさせていただくようにしたいと思いますが、いかがでしょうか。  特に、救済事業のほうでああいう数値目標をつけて達成をはかることについての実態 との関係はどうなるのでしょうか。例えば救済件数がもともと非常に少なければ、いく ら数を達成しようと思ってもそれはできないことになりますが、ああいう数値目標の設 定の仕方には何か問題はないのでしょうか。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  救済業務の件についてお答えいたします。大石委員からもご質問がございましたが、 救済業務については、11ページの中期計画にございますが、14年度の請求件数は629件 で、15年度が793件ということで、26%増となっております。16年度の上半期において は389件で、かなり請求件数は増えてきております。この要因としては、救済制度につ いてもっと周知徹底が必要ではないかということで広報などをしました結果、かなり請 求件数が増えてきたところでございます。  こうした中で、事務処理をできるだけ迅速に行っていくことをこの計画で定めており ますので、それに沿ってやっていく必要がございますが、現実を申しますと、16年度の 上半期を見ますと事務処理期間が大幅に延びてきている状況にございます。したがいま して、この救済業務の事務処理について、人を増やしたり、体制を強化したり、あるい はやり方を見直したりといったことが必要になってくると思いますので、本省ともよく 相談をして改善を図っていきたいと考えております。 〇岡田部会長  ということは、現時点では数値目標が増えることは好ましい現象としてとらえてよろ しい、ということですね。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  はい、件数が増えること自体は好ましいと考えております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇医薬食品局総務課課長補佐  ただいまのご質問の件につきまして、ひと言つけ加えますと、この救済業務は、医薬 品機構で完結するものではなく、最終的な判定の業務は厚生労働省で行うことになって います。したがいまして、医薬品機構で受け付けて調査をし、最終的に厚生労働省の判 定部会で判定をするという仕組みでございますので、その全体の仕組みがもっと効率的 に、あるいは迅速に機能する方法があると思っております。そういった観点からも、今 後の申請件数の増に対応できるような取り組みを本省と機構とでお互いに検討しながら 対応していく予定にしております。 〇岡田部会長  ありがとうございます。いかがでしょうか、ほかにいろいろ。 〇遠藤委員  類似の質問でありますが、医薬品の審査期間の短縮化ということも非常に社会的な要 請として大きいと思いますが、13ページにありますように、12か月を70%ということで 出ておりますが、これは、現状と比較するとどのぐらいの違いがあるのかということ が、もしおわかりになればということが一つです。  もう一つ、これが、今お話があったものと同様のことで、厚生労働省内部の審査期間 も含めてということでありますので、大体どのぐらいが厚労省の内部でかかる時間なの か、つまりこの機構が関与できるのは何割ぐらいなのかというところ。  それと関連しまして、厚労省内部の審査期間が短縮している傾向にあるのかどうか、 あるいはどういう取り組みが行われつつあるのか、このようなことを関連として知れれ ばと思っております。  以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございます。いかがでしょうか。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  審査の事務処理期間についてでございますが、機構の中期計画で掲げておりますの は、基本的に平成16年4月1日以降の申請によるものの中で、その中での事務処理がど うなるかといったことでございます。したがいまして、まだその結果、どのくらいにな るのかといったことについては、もう少し期間が経ったうえで評価をしていく必要があ るだろうと考えております。  ただ、16年度上半期における承認審査の状況を申し上げますと、これは14年度あるい は15年度などに申請されたものでありますが、承認件数は12件で、12件の審査期間の中 央値が341日となっております。  機構の立ち上げにあたりまして、審査期間をできるだけ迅速に行っていくといったこ とが大きな目標でございましたので、審査を行います担当者の増員を図るといった形で 審査体制を強化しております。ただ、現状、正直に申し上げまして、まだ審査の担当者 が全部埋まっているわけではございません。ちなみに機構全体でございますが、現員が 平成16年10月で264人でございまして、中期計画上の人員全体としては、これは審査だ けには限りませんが、317人、期末では357人ということで、人員を現状から90人ぐらい 増やしていく形になっております。この中で、審査を担当する人なども相当程度増やし ていくことになっております。  ということで、できるだけ審査の迅速化が図れるように審査体制の強化のために、人 員の強化を図るということになっております。  また、現状では、機構に移る前からの申請品目でまだ処理が終わっていないものなど が残っております。そういったものをできるだけ早く処理していくことが必要でござい ますので、進行管理に努めながら、かつ、体制の強化をすることによって迅速な処理を 図っていきたいと考えております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。大変難しい問題を内包している世界ではないかと思います ので、1回、2回の御説明だけで納得できる部分では必ずしもないのかもしれません が、できるだけそういったことについては共通の問題意識をもって私たちも理解をして いきたいと思っております。  小林先生、どうぞ。 〇小林部会長代理  今の問題なのですが、要するに審査がおくれているということは、人が足りないから ということでございますか。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  一番大きな要因は、人が確保できていないということが挙げられると思います。 〇小林部会長代理  それから、そういっては大変失礼なのですが、私は人の質にもよるだろうと思うので す。そこをちゃんとやらないといけない。  それから、機構に移ってからあまり声は聞かないのですが、要するに担当の人が交代 すれば、また始めから説明をやり直しだ、と。そのために6か月、9か月とか平気でお くれているということ。これはかなり前に厚生労働省には我々の関連から申し入れたこ とはあるのですが、その辺も十分考えて、機構になってからそういう声は私の耳には届 いていませんが、よろしくお願いいたします。なかなか人が固定化するというのは無理 なことだろうと思いますが、できるだけ努力をお願いしたい。こういったことです。  それからもう一つ、これは質問になっているかどうかわかりませんが、よろしいです か。 〇岡田部会長  どうぞ。 〇小林部会長代理  これは大事な問題だと我々は思うのですが、19ページの中期計画のエの項で、「構造 上の欠陥とはいえない不具合の発生率」というのは、なんとなく意味はわかるのです が、これはどういうことになるのですか、具体的にもう少し。要するに、構造上はいい のだけれども、使っている途中でだめになったとかという意味。 〇事務局  ここで想定しておりますのは例えばペースメーカーのようなものがございますが、医 療機器でもそういった精密機械のことを考えておりまして、そういったものはもちろん 製造工程で厳密な品質管理をしますし、出荷の段階で検査をいたします。その時点で当 然、明らかに構造上に問題があるものははねられてしまいますし、あるいは構造上に欠 陥があれば当該の患者さんに使用しないとか、そういうことができます。ただ、こと精 密機械ですので、非常に小さな確率にせよトラブルがあるものが出てくる可能性があ る。そういったものが出てきた場合にいかに適切に評価して対応するかということを考 えております。  例えばペースメーカーの一例で電池の早期消耗が起こったというときに、それがその 製品だけに特殊なものなのか、あるいはそのモデル全体にかかわるものなのか、そうい ったことが、今の時点では短期に評価することが容易ではありません。  今年考えていますのは、例えば内部で何か接触不良があるということで電池の早期な 消耗が起こるという事例に関して、これは学会のご協力もいただいて、電池の不具合が 起こったときにはできるだけ報告をしていただくという仕組みにすると同時に、メーカ ーからの協力も得まして、そういった不具合がどの程度起こるのかというものもこちら で把握できるようにしておく。  それらを組み合わせまして、発生した不具合が想定される不良品の水準以下なのか、 あるいはそれより月によって頻度が高く発生しているのかということを評価いたしまし て、やはり問題がある、頻度が多いというものであれば、場合によってはそういうもの を回収するとか、患者さんに医療機関を通じて情報提供するとかということをしたいと 考えております。 〇小林部会長代理  大体わかりました。ここからは機構に期待する点になるのですが、機構だけの問題で はないのですが、例えば人口呼吸器などというのはかなり構造上も優れたものだと思い ますが、仕様がばらばらなのですね。例えば自動車をみたら、これは世界各国ともクラ ッチの位置とブレーキの位置とアクセルの位置は決まっているのです。ところが、ああ いう医療機械はみんなばらばらなのです。どこに吸入があって、どこに呼吸の管理があ るかというのは位置がばらばらだし。厚生労働省の中で安全をもっと大きく考えてなん とかやっていただければ、そういった安全性はかなり確保できるような気がするので す。これは期待です。ぜひそういうことをなんとかして。  結局、国がそういう仕様を規定しない限りは、メーカーはばらばらにつくってしまっ て、構造上の欠点はありませんよ。確かにそのとおりなのです。だけれども、仕様が非 常にややこしい。この病院で使っている機械があって、お医者さんが次の病院へいった ら使えない、というようなのはなんとかなりませんか。安全対策という意味でぜひ私は ここで提案して、機構の方が機動力となってそれをなんとかやっていただければと思う のです。すぐには進まない問題だろうとは重々考えておりますが、ぜひよろしくお願い します。 〇岡田部会長  重要な問題意識としてもっていただくように、お願いしたいと思います。 〇医薬食品局総務課課長補佐  承知いたしました。 〇岡田部会長  いかがでしょうか、ほかに。 〇遠藤委員  今のお話と関連して、私はよく知らないので教えていただきたいのですが、不具合が 発生したという情報は、医療機関がまずは発見するのだと思いますが、その情報は、例 えばメーカーなりあるいは厚生労働省なりに届け出るような制度があるのでしょうか。 というようなことを含めて、今回、こういうデータを集めたいという話ですので、どう いう経路でこういう情報を集めることが考えられているか、それについて教えていただ ければと思います。 〇事務局  資料の2−1の5ページに、安全対策業務の流れというのがございます。御指摘のよ うに、医療用具にしても医薬品にしても、最後は医療機関で使われるわけで、それを一 番先にみつけていただくのは医療機関の現場の先生方であろうかと思います。  情報の流れとしては主に二つございまして、左の企業というものがございます。これ は、薬事法において医薬品なり医療機器を提供なり製造販売している企業は安全性等の 情報を収集するのは義務になっております。これで、例えば重篤な副作用とか不具合を 知り得た場合には15日以内とか30日以内に厚生労働省に報告する。これは、今、機構が できまして、直接、当機構へ報告していただくことになっております。それが企業報告 の流れになります。これが今、情報の経路としては量的にはメインになっております。  もう一方は、医療機関の先生方から直接、厚生労働省に報告をしていただくという仕 組みがございます。これも、昭和40年代からそういったご協力のお願いはしておりまし て、昨年からは薬事法上も、医療関係者は、医薬関係者という言葉を使っております が、そういうことが判明した場合には厚生労働省に報告していただくということが明記 されております。  これは厚生労働省へいったあと、実は総合機構へまいりまして、そこで企業からの報 告とも合わせてデータベースに入れまして整理をして、調査検討をすることになってお ります。  これが現状の報告の流れでございますが、基本的には副作用が起こった場合のみ報告 をいただくことになっておりますので、どの程度の頻度で発生するのかということがほ とんどつかめない仕組みになっております。先ほどのペースメーカーにしましても、考 えておりますのは、ペースメーカーのインプラントの施術をされる医師の学会など関係 の団体にご協力いただこうと思っておりまして、どれくらいの患者さんに埋め込まれた かという母数が把握できますので、その中でどれぐらいの不具合が起こったかというこ とで頻度情報が把握できるということでございます。その点で、これまでにはない観点 からの安全対策もとれるのではないかと考えております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇橋本委員  少し視点が違うのかもしれないのですが、私はよく感じますのは、このごろは携帯電 話を電車の中で一斉に使い始めます。シルバーシートに関しては、医療機器などに不具 合を生じるおそれがあるからなんとかと、優先席近くでは携帯電話を使ってはいけませ んといっていますが、そんなのは関係なく、シルバーシートであろうがなんであろう が、若い人たちがふんぞり返って座ってすぐに携帯電話を使い始めます。  こういうようなことに対して、例えば今の安全対策業務の流れのペーパーの中で、一 番下のほうに、医療機関だけではなくて国民というのが入っておりますし、国民の方が たの協力を得て安全対策を講じていくこともとても必要なのではないか。医療機関の医 療者、研究者だけではなくて、国民にそういう理解を得て周知徹底していくということ は、この機構の仕事ではないのでございましょうか。どういうふうなことになりますで しょうか。 〇岡田部会長  もう少し社会的な視点に立ってこの機構がどういう役割あるいは意味づけをもってい るか、というご質問でございますね。 〇橋本委員  そういうことです。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  機構では、中期計画の25ページにございますが、患者への情報提供といったことや一 般消費者、患者の方からの相談をお受けするといった相談業務をいたしております。そ のほか、機構ホームページに医薬品の安全性情報を載せる等情報提供に努めているとこ ろでございます。 〇橋本委員  そういう意味ではないのです。実際に医療機器を使っている人たちに対して情報提供 をするのではなくて、一般市民がこういうことに対してもっと関心をもって、そして安 全性を高めるための活動はどこがやるのでしょうか。こういうところはここの機構など でもお考えいただくことが必要なのではないかと思うのですが、いかがでございましょ うか、という質問です。 〇小林部会長代理  先ほど私が申し上げたことも、私の単語が悪かったのですが、まさにそのとおりのこ とだと思うのです。要するに、安全で安心な医療だか食品だかという言葉があります が、それが国家の最大目標なのですね。ですから、機構がこうしているとか、厚生労働 省がこうしているとか、何省が何しているということではなくて、医療機器や薬に関し ては機構が機動力と発言力とがあってまとめてやってほしいということなのです。これ は先生のことに通ずると思うのですが、日本の医療はこういうことで一生懸命、厚生労 働省も機構も一丸となって努力していますよと、行政面から国民に対してやってほし い。我々は直接は患者さんということになりますけれども。  これは大きな問題なのですよ。だから、機構がこれだけやればいい、ここまでなら我 々の職務はすんだということは、確かに目標達成の点数をつける意味では非常にいいの ですが、大きい視野で働いてくれないかなと、機構がその原動力になってほしいという 期待をぜひお願いしたい。これは先生のおっしゃることと通ずると思うのです。 〇岡田部会長  そのとおりですね。 〇医薬食品局総務課課長補佐  参考までに御紹介いたしますと、私どもの医薬行政は薬事法に基づく規制行政でござ いまして、これまではどちらかといいますと企業が医療機関等から情報を集めてまいり まして、それの報告をいただいて国のほうで企業を通じた安全対策を講じる、こういう やり方が主でございました。しかしながら、今のお話にもございますように、それだけ では国民の皆さんが安心して医薬品・医療機器に接することが難しいという状況になっ ております。それは私どもも認識しておりまして、来年度の予算編成等の大きなポイン トとして、これまでの企業を通じた行政措置から、それに加えて患者さん、あるいは薬 をお使いになるお医者さん、あるいは薬剤師さんという薬を使用する側に立った安全対 策の重要性、そういったものに今後取り組むということで来年度の予算編成等に対応し ておるところでございます。  そういう意味で、今御指導いただきましたお話についてはもう一つ先の安全対策かと 理解するところでございますが、そういった先生方の御意見も踏まえまして、今後、ま た局内でも検討していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 〇岡田部会長  ありがとうございます。機構に対して大きな期待と応援をしたいというお気持ちが委 員のほうにあると思いますので、どうかそういった点を認識していただければと思いま す。  ここで、大石先生がお出しくださった事柄をまとめて処理をしていきたいと思います ので、大石先生から何か御発言いただければありがたいと思います。もう既に事務局サ イドでも用意してくださっているかもしれませんが、どうぞ。 〇大石委員  ちょっと細かいことがございましたので文書にしてあるのですが、主に評価の時期に どういう情報が得られるかということで、希望的なことも書きましたので、今回すぐで はなく、この次か夏ぐらいの評価の時期までに、細かいいろいろなデータについてご提 示いただければいいかなという希望も含まれております。そんなことなのですが、いか がでしょうか。 〇岡田部会長  ありがとうございます。この大石先生の御指摘いただいた点についてすべて逐条的に お答えいただかなくても、包括的に何か御意見がございましたら、ぜひおっしゃってく ださい。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  それでは、少し細かくなるかもしれませんが、それぞれお答えさせていただきたいと 思います。  1ページの、中期計画の(1)の2番目の段落のリスク管理、チェック機能などとい った用語でございます。チェック機能といいますと、右のほうに年度計画がございます ように、業務の進捗状況を把握して必要な指示を行う、こういったことを指しているわ けでございます。リスク管理については、一般的に組織の社会的な評価の低下とか、あ るいは業務の遂行上の障害、あるいは財産的損害が生じること、こういったことを組織 にとってリスクといいまして、こうしたことの発生の予防とか発生時の対策をとること をリスクマネジメント、リスク管理といっております。一般にJISやISOなどで指 針が定められているところでございます。組織に対する諸々のリスクについて対応して いくということが一つでございます。  ただ、機構の場合については、こういう一般的なものだけではなくて、ここで先生が 書かれていますように、医薬品による大規模な健康被害の発生予防や対応といったこと も、当然、このリスク管理の中に入ってくるだろうと考えております。  評価の段階で組織図とか企画調整部の人員配置などをということでございますが、企 画調整部は平成16年4月に設置されておりまして、この組織の人員配置の状況など、評 価のときにお示ししたいと考えております。  4ページは、業務のマニュアルを順次作成するということでございます。先ほど申し ましたリスク管理に対する方針を機構で定めることにしておりまして、これに即してよ り細かなマニュアルを作成することにしております。また、順次、可能なものから各業 務で標準業務手順書などを定めていきたいと考えておりまして、評価時にどういったこ とを定めた、ということをお示ししたいと思っております。  (2)のイで、健康被害救済制度の請求が大幅に増えたらどうなるのでしょうか、と いうことでありますが、先ほど申しましたように非常に増えてくることになりますと、 今の体制の業務の見直しなどが必要になってくるだろうということでございます。  6ページの平成16年度の計画の部分でエ、(1)薬局、製造業者の多数加入している日 本薬剤師会に拠出金の収納業務を委託するということで、これはどういうことかという ご質問についてですが、薬品の薬局製造業は全国に1万を超える業者が存在しておりま す。したがいまして、収納事務の効率化を図る目的で日本薬剤師会に業務委託をしてお りまして、委託費は年間約300万円でございます。  (3)で国民に対するサービスの向上ということで、相談マニュアルの作成について の御質問ですが、平成15年度以前は一般的なマニュアルはございませんでした。ただ、 副作用被害の関係では、副作用救済制度のQ&Aという冊子をもっておりましたので、 それを参考にして使用しておりました。機構設立後は相談マニュアルを作成するという ことで、現在、作成中でございます。  8ページの健康被害救済業務の(1)のアの「個人情報の配慮」とはどういうことか という御質問ですが、これは給付事例などをホームページで公表するといった場合に、 個人の氏名とか医療機関が特定できないように配慮したやり方をするということを示し ております。  健康被害救済制度の請求件数の増加については、先ほど御説明いたしましたので省略 いたします。  14ページの年度計画のところで示しております先端的な医薬品・医療機器へのアクセ スというのはどのような意味でしょうか、という御質問ですが、13ページの中期目標で 掲げております内容でありまして、先端的でかつ安全な医薬品・医療機器の便益をすみ やかに享受し、その恩恵を最大に得ることができるようにする。これは、患者の方が医 薬品の優れた効果により治療をできるだけすみやかに受けられるようにするといったこ とを示した理念でございます。こういった場合に、ICHなどで世界共通の用語として アクセスという語句を用いているところでございます。  14ページの医薬品の審査の期間がどれくらいかかるか。審査事務処理期間がどうなっ たかという御質問ですが、これについては、できるだけ詳しいものを評価時にお示しす ることにしたいと考えております。  16ページのICHなどの委員会、専門家会議の人員構成についての御質問ですが、こ れは、日米欧の3極の規制当局、製薬団体の代表が集まった会議でございます。品質、 安全性、有効性それぞれの領域で、下部の専門家会議を設けております。参加人員は、 各専門家会議ごとに大体20人ずつの目安となっております。  18ページ、後発品、一般医薬品の審査期間なども示すようにということでございます が、それも評価時にお示ししたいと考えております。  18ページの優先治験相談の仕組みについての御質問ですが、優先治験相談は、治験相 談をやるうえで優先的に行うようにする仕組みでございまして、これは希少疾病医薬 品、いわゆるオーファンドラッグが対象で、それ以外の医薬品でありましても、重篤な 病気に対するものや特に有効性が高いといったものについては、企業から機構に申請を していただいて、機構で専門家の御意見を伺って決定をする。そういう形で、優先治験 相談を機構で行うことになっております。その結果については、厚生労働省にも報告を することにしております。  18ページのオで、バイオ、ゲノムといった先端技術という言葉の使い方について御指 摘がございますが、御指摘のとおり、バイオ技術やゲノム研究というのは既に一般的な ものになっております。一方で、医薬品とか医療機器の分野では、まさにこの技術や研 究を使って新しい成果が生まれつつあるといったことで、まだまだ先進的に動いている ところでございます。研究としては既に過去からあるようなものでございますが、これ からまだかなり進んでいく部分であるという意味で、この事例としてバイオ、ゲノムと いったことを挙げております。  バイオ・ゲノムの評価指針については、これも既にいろいろ示している例もございま すが、今後、また必要に応じて示していくことになろうかと考えております。  20ページで、トラッキング医療機器という言葉についての御質問ですが、これは、中 期計画で既にこの言葉を使っておりますので使わせていただいておりますが、内容的に は、使用者の利用記録を保存し管理してだれが使っているか追いかけられるようにし て、医療機器に不具合などが生じたときに利用している人に連絡をとって対応できるよ うにする、こういったことがトラッキング医療機器ということでございます。一般的に 使われているのでここでも使っておりますが、薬事法上は特定医療用具といった名称で 使っております。  22ページの情報収集拠点医療ネットワークについてですが、これは、16年度の予定 は、抗がん剤の併用療法についての情報収集を行うということで、今、準備を進めてお ります。中期目標としては、中期計画の期間中はこれからさらに広げまして、特定の薬 効群、特定の品目、特定の疾患ごとに医療機関を組織化して情報を一定期間内に集中的 に収集できるようにしていきたいと考えております。  24ページの年度計画にございます市販後安全体制の確立でございますが、これも下に 具体的項目が書いてございますので、件数などのいろいろな状況はまたお示ししたいと 考えております。  26ページの年度計画(4)の「階層的に」の意味についての御質問でございますが、こ の意味は、添付文書はかなり細かく書いておりますが、わかりやすくする意味で中身を コンパクトに書いたものをつくるということが一方でございます。さらに、その添付文 書以上に細かい情報がほしいということがございますので、こういったものについては さらに詳細な情報をホームページなどで提供できるようにしていくということで、簡単 な部分からより詳細な部分まで、いろいろな段階での情報提供を行えるようにしていく という意味で掲げております。  最後に、研究振興業務の採択課題についての御質問でございます。これは、11年度か ら15年度までの採択課題は151件ございまして、これに係る査読つき論文数は834件とな っております。それぞれの論文は、科学雑誌等により公表されております。  以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。専門的な立場で大石先生がいろいろお出しになった点、本 当に難しい問題がたくさんございまして、そう一朝一夕に我々がすべてを理解するのは 難しいかと思いますが。 〇政策評価官  あと1点、補足で御説明いたします。評価の視点の位置づけについて、始めのほうに ご質問がございます。きょう、評価の視点のご議論をいただいておりますが、これは、 これから各事業年度の実績・業績評価をお願いいたしますが、この法人についてもこれ から5回やっていくわけでございます。そして、実際の個別項目ごとの評価をお願いす るときに、あらかじめどういう点に留意して評価していくかということを決めていただ くというのがこの評価の趣旨で、基本的には、一度決めますと5年間にわたってこの 「評価の視点」を使ってまいります。ただ、その後、変更の必要があれば、そのつど変 更していただくことはもちろん可能でございます。  以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。だいぶ時間も押してまいりまして、ご議論がまだあれば、 ぜひ御指摘いただいて伺っておきたいと思いますが、どうでしょうか。原案として大ま かな姿はわかってきたような気がいたしますし、その評価の視点も、中期目標、中期計 画といったものを理解することによって導き出されてきているものがございますので、 大体これでいいかどうかということなのですが、委員の先生方のご判断としていかがな ものでしょうか。特に注文などはありませんでしょうか。 〇浅野委員  1点だけ、簡単にお伺いしたいのですが、今、アメリカのFDAについては戦略白書 というのが4月ぐらいに出ていまして、一つに、薬の評価に関してイノベーションが非 常に重要になっていることと、大型の生活習慣病の新薬が副作用で発売中止に追い込ま れたり、あるいは迅速な手続で市場に出た抗がん剤に副作用が出たりということで、非 常に副作用の問題がクローズアップされている。一方で、開発費が非常に膨大になって いる。ゲノムの問題も出てきている。そういう中で実際に出てくる新薬の数が減ってい る。そして、研究開発の効率化もしなければいけない。  そういうことで、米国のFDA自体は、今までの評価、審査のプロセスを根底から見 直して、新しいイノベーションが必要だという方向を出してきている。今までのような 基礎研究をやって、治験をやってというプロセスを、もう少し基本的なところから見直 していくという議論を始めているようです。こういう流れが日本の医薬品機構さんの中 期計画に今後、影響してくる可能性はどうなのか、お考えもお伺いできればと思ったの ですが。 〇医薬品医療機器総合機構企画調整部長  我々も、FDAや欧州のEMEAといった医薬品当局の状況なり情報収集に努めた り、あるいは人を派遣したりしております。またICHといった場面もございますの で、そういった形で諸外国の動向はよくつかんで、我々のほうでも国際的な動向に取り 残されたりすることのないようにしながら、安全でより有効な医薬品が提供できるよう に審査をしっかりしていきたいと考えております。 〇小林部会長代理  そこなのですよ。そういった情報収集は非常に結構なことですけれども、例えばそれ が日本の国にとってベストなものであるかどうかということとはまた違うだろうと思い ます。その辺も、どこそこ一辺倒とかグローバルとかなんとかということではなくて、 日本には日本の国民にとってベストな方法があると思いますので、それをぜひ考えてほ しい。アメリカの姿勢で見直したものが全世界のグローバルになるのもちょっとおかし いわけで、医療体系は各国で全部違いますから。やはり日本は日本の今の、具体的には 薬価が非常に安いですよね、その点から開発が本当にこれでいいのか、そういういろい ろな面から日本としてのベストな方法があると思いますので、ぜひそれをお話し合いに なっていただけませんか。話がそこまでいけば。 〇岡田部会長  そういう点で、非常に広い視野に立ちながら日本の状況を見極めて、一つのスタンダ ードな日本的なものを編み出していくというか探り出していくことが必要なのでしょう ね。浅野先生、何か追加がありますか。 〇浅野委員  そのような話で結構だと思います。  あと1点だけ、これは手続の問題だと思うのですが、そういった評価手法の開発など になると、これは将来、研究開発事業が医薬基盤研究所さんに移られるということなの で、評価手法とか研究開発の面に関しては機構さんではなくなるのでしょうか。そうい う認識でいいのでしょうか。あるいは、今後出てくる新技術を利用した形での医薬品の 評価手法、これは副作用に関する面もあるでしょうし有効性に関してもあると思うので すが、その一方で研究開発振興事業は、今後、17年度にほかの研究所さんに移られるこ ととの関係についてなのですが。 〇事務局  医薬品医療機器総合機構から御説明いたします。医薬基盤研究所に移っていく部分 は、どちらかというと新しい製品を創生していくという方向での研究開発型のものと我 々は理解しています。それとは別に、薬の審査あるいは安全対策といったところにも、 いわゆるレギュラトリーサイエンスといわれる一つの新しい科学の分野がございます。 ここに関しては、実際に審査や安全確保を行っております現場において研究のシーズ、 ニーズがたくさんございますので、これらについては引き続き総合機構の中で実務経験 に根ざした形での研究を進めることが日常的には必要になってくる。  これについては機構だけの努力ではなくて、厚生労働省で厚生科学研究の中でもさま ざまな研究が行われましたが、そうした研究に私どもは積極的に参加をさせていただい て、その成果を共有しながら業務に反映させていくということを考えています。  もう一つ、評価についての基準は今や一国の問題だけではなく、世界中の最新の科学 技術の評価をすることが必至になっています。したがいまして、ICHとかGHTF、 これは医薬品あるいは医療機器の世界での国際協調のスキームの中で評価の物差し、あ るいはそういったものに対する研究的な取り組みも話し合われておりますので、それら もにらみながら業務に反映させていく、そういう展開になると思います。  以上でございます。 〇浅野委員  例えば具体的に毒性あるいは副作用をはかるためのバイオマーカーに関する研究とい うと、医薬品機構さんもそういうところでかかわっていくということは変わらないとい うことですか。 〇事務局  はい。厚生科学研究で班を組まれる場合に、機構の職員の中の専門的な立場の人間が オブザーバーとして参加をしたりあるいはメンバーの一人として参加することが結構あ りまして、それは引き続き行われると理解しております。 〇浅野委員  わかりました。どうもありがとうございました。 〇岡田部会長  ありがとうございました。  それでは、どうでしょうか、評価の視点についてはいくつかご質問をいただいたり、 あるいはさらに詳しい説明によってわかっていただけたと思いますが、特に異論をお示 しになった委員はいらっしゃいませんので、こういった原案を尊重して進んでいいかど うかということですが、いかがでしょうか。基本的によろしゅうございますか。  (「はい」の声あり)  では、そういう線でこれから進めることで御了承いただいたことにいたします。な お、細かい点でもし事務局のサイドで修正する部分がございましたら、またその時点で 私どもにお示しくださって、それは私どもは理解していきたいと思いますので、よろし くお願いいたします。それでは、この問題をこれで一応終了させていただきます。 (2)今後の障害保健福祉施策について 〇岡田部会長  きょう二つ目の問題で、「今後の障害保健福祉施策について」ということで、これは 所管課から御説明をいただいて我々が理解を深めるということにしておりますので、よ ろしくお願いいたします。 〇障害福祉課課長補佐  障害福祉課の阪本でございます。よろしくお願いいたします。私どもで今般、10月12 日に社会保障審議会障害者部会において、「今後の障害保健福祉施策について」という ことで改革のグランドデザイン、これは障害保健福祉施策の大幅な見直しを含めた新法 を成立させる目的でつくっております。概要について御説明申し上げます。資料3−1 で大きな視点を説明いたします。  まず「障害保健福祉施策の改革の基本的な視点」。障害者本人を中心にした個別の支 援を、より効果的、効率的に進められる基盤づくり。視点として三つございます。年齢 や障害種別等にかかわりなく、できるだけ身近なところで必要なサービスを受けながら 暮らせる地域づくりを進める。年齢ということで、ゼロ歳からお年寄りまで。また障害 種別ということで、今まで縦割りで、知的障害者福祉法、身体障害者福祉法、精神障害 者福祉法という形でおのおのの障害者に対する支援がなされております。それを今回改 めまして、すべてを一つの法律の中でまとめてサービス支援を進めていきたいと考えて おります。さらにサービスの提供主体についても、都道府県とか市町村であるといった ばらばらな提供主体でございます。そういったものについても市町村へ一元化をはかり たい、という大きな視点に立っております。  それが大きな中の丸になりまして、障害保健福祉の総合化、市町村中心の一元的体 制、地域福祉の実現という大きな目標を立てております。  さらに、今まで私どもの障害施策は、保護という観点で障害者の方がたを囲っており ました。施設へという配慮もありました。通所施設へという言葉もございます。そうい ったことではなく、これからは障害者の方みずから自立をするという考え方に立ってい ただきたい。そのために就労の場が必要であれば就労の場をつくるという意味で、障害 者が就労を含め、その人らしく自立して地域で暮らし、地域社会にも貢献できる仕組み づくりを進める。自立支援型システムの転換、保護から自立支援へ。保護というのは、 必要な部分は必ず残します。ただ、あまりにも保護がいきすぎますと、どうしても施設 の中で暮らさざるを得ない。そういった意味では無理だと。障害者の意向を踏まえて自 立へ、と考えております。自己実現、社会貢献へと、大きな転換をはかっていきたいと 思っております。  さらに3点目でございます。これは、制度持続可能性の確保。障害者施策について は、15年度から支援費制度という形でスタートしましたが、非常に大きな財源不足を生 じながらやっている状況でございます。それについても、実際に問題が多々ございまし た。障害者の程度について尺度が必要になるわけですが、障害については千差万別でご ざいます。個々の尺度はなかなかはかれるものではございません。そのために、必要で ないサービスに必要なサービスが受けられない方がたの部分が食われてしまったケース もございます。  そういった意味で、必要なところには給付の重点化をはかる。また、公平化をはか る。制度の効率化、透明化をはかって、制度が持続できるようにしていきたい。特にホ ームヘルプで申しますと、在宅で1人で月に300万、年間で2,000万近くかかる方もござ います。これが本当にいいのかどうかというのは、障害者の方がたにとってみて考える べき手段でございますが、世間が納得できるようなスタイルであるならばいいと思って います。納得のできないようなお金を使うことは税の無駄づかいであるとも考えており ます。そういった意味で透明化、公平化について、これからはちゃんとした尺度をもっ ていきたい。  この大きな三つの視点に立って、今回、施策の見直しを行っております。  どのようにするのかと申しますと、次のページで、「必要となる法的整備」というこ とでございます。先ほど申しましたとおり、障害者施策についてはおのおのの法律に基 づいてやっております。おのおのの法律の中からサービスに関する部分をすべて抜き出 しまして、障害福祉サービス法(仮称)を、来年年明けには国会に提出をして成立をさ せたいと考えております。そうすることによりまして障害者が、今までの、身体だか ら、知的だから、精神だからといった壁が取り除かれ、おのおのの地域において多様な サービスが受けられると考えております。  介護保険との関係については、今、御審議中でございます。とりあえず今のところは 統合という言葉は使われておりませんが、これから先、また議論がなされていくと聞い ております。  なぜ今回、このようなことをお話し申し上げたかといいますと、国立重度知的障害者 総合施設のぞみの園についてもこの新しい法案がかかってまいります。そうしますと、 今まで出してまいりました中期計画、中期目標の中の業務について若干の見直しが必要 になってまいります。さらに、このために新しい法律をつくりましたので、「知的障害 者」「身体障害者」「精神障害者」という障害者おのおのの固有名詞が法律から消えて なくなります。すべて「障害者」という名称に変わります。そのために、のぞみの園の 目的を変えることはございませんが、中でそういった条文の一部変更、引用例が変わる ことがございますので、今回、ご報告をいたしました。  大きくどのような形に変わるのかということについては、資料3−3の26ページ、27 ページ、「施設体系・事業体系の見直し」という見出しがございます。左側の「現行」 にいろいろ施設がございます。障害者は個々の障害がいっぱいあります。多種多様な施 設があるわけですが、この施設をすべてまとめまして、昼間の部分は日中活動の場とい う形で六つの事業に分けてしまいます。六つの事業というのは、27ページにございます が、生活療養事業、生活福祉事業、自立訓練事業、就労移行支援事業、要支援障害者雇 用事業という大きな項目に分ける形になります。これは、今の政策となんら変わること はないのですが、障害者個々のニーズに応じた形の事業を展開することを考えておりま す。  そのため、のぞみの園においても、この事業の趣旨に沿った、また障害者のニーズに 合った形で事業を展開することになると思います。そのため、中期目標の中に書かれて いる文言も若干の修正が必要になってくると考えております。  このような形で大きな改正を行いますので、今回、資料を提出しております。先生方 には、中を読んでいただいて理解できない点があれば、ご質問いただければと思ってお ります。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 〇岡田部会長  ありがとうございました。短い時間でこの大改革を説明するのはなかなか難しいこと だったと思いますが、細かい点についてはきょうお配りしております資料をまたゆっく りごらんいただければいいと思いますが、今の御説明を中心として、何か御意見、ご質 問はございませんでしょうか。 〇橋本委員  本当に大改革をおやりになって、部会長もメンバーでいらっしゃって、大変な御苦労 で、事務局はさぞかし大変だと私は尊敬を申し上げるのですが、望ましい方向に向かっ ているのだろうということを全く疑いません。  ただ、ちょっと細かいことで気になりましたのは、資料3−1の2枚目でございま す。とてもわかりやすい図を書いてくださっておりますが、左の下で、自立支援型シス テムへの転換、保護から自立支援へ、ということで、そのとおりだと思いますが、そこ へ向かって四角いカッコの矢印がございます。「障害者が就労を含めその人らしく自立 して地域で暮らし、地域社会にも貢献できる仕組みを進める」。「貢献」というこの言 葉づかいはどうなのだろうかと。例えばICFでいっておりますような「参加」、もし も「貢献」という意味に近いものだとすれば、「積極的な参加」とかそういう表現はい かがなものだろうか。  貢献というと、個人の役割を果たすというよりも、地域社会そのものに何かをもたら さなければいけないというような、私などはそういうイメージでとらえるのですが、こ の辺はいががなのでしょうか。とても細かいですが、でもかなり本質的なことかなと思 いますので、ちょっとこだわりでございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。これは福祉的な視点に立っていったときには、非常に重要 な問題指摘だったと思います。今日の障害者観、あるいは社会福祉観というのは、何か 社会に役立つことをもって存在価値とするという方向から変わってまいりまして、その 人自身の存在を尊重し、その人が社会の一員として尊重されるという思想が強くうたわ れてきておりますので、今のご心配が出てきたのだろうと思うのです。おそらくこの言 葉を使った側も、決して先生のお考えを否定するつもりはなかったと思いますが、そう いう面で誤解のないようにしてほしいという要望としてとらえておいていただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。 〇障害福祉課課長補佐  はい、了解いたしました。私どもも、この貢献という言葉についてはいくつかの意味 があると思っております。例えば働くということになれば、納税という義務が生じま す。これも貢献の一つだろうと考えております。それと、地域で暮らすことになります と、地域の中でも隣の方がたとも社会づき合いが必要になってくると思います。それも 貢献ではないかと広くとらえております。先生の御指摘のとおり、これは細かい世界で はない、大きな世界でみていきたいと思っております。 〇橋本委員  ご趣旨はとてもよくわかります。でも、納税できない人もいていいのだと思うので す。それから、地域の中で表に出ていっていろいろな活動をできなくても、自分の家で 地域の方たちを迎えることによって社会への参加もできるわけですし。 〇障害福祉課課長補佐  それはもちろんそのとおりです。 〇橋本委員  釈迦に説法で恐縮なのですが、ただ、非常に重い障害者も積極的に社会に貢献すると いう……。 〇障害福祉課課長補佐  そういう意味でございます。だから、なにも納税だけがという意味ではありません し、家から出て、施設から出て外にずっと歩けというわけでもございません。そういっ た意味でとらえているものではございません。できる方はできるだけの努力をお願いし たい、そのように思っております。 〇岡田部会長  ありがとうございます。こういう問題は言葉の使い方が一般の人びとに与える印象と かイメージに影響するだけに、今、橋本先生も非常にお気をつかって御指摘いただいた と思いますし、今後ともそういう問題はぜひ気をつけていかなければいけない問題だと 思います。貢献という言葉を使いますと、どうしても日本人はなんらかの役に立つこと を具体的に考えてしまいがちでございますが、必ずしも今の障害者福祉の中ではそうい うものではありませんで、存在自身を尊重してインクルーズしていくといいましょう か、インクルージョンが大事だと考えられているものでございます。そういったことで ご理解をいただければと思います。  ほかにどうでしょうか。のぞみの園の影響であったのですが、どうぞ、石井先生。 〇石井委員  一般的な話で、3−1の2ページの赤い丸の三つ目に「介護保険との関係については 」ということが書いてあるのですが、これがどういう意味なのか、ちょっと教えていた だけませんでしょうか。 〇障害福祉課課長補佐  介護保険との関係については、私どもも障害者の方がたについても介護保険の適用が なされるということでいろいろもめた問題がございます。この資料の一番最後を開けて いただけますでしょうか。現在でも65歳以上の方がたは介護保険を適用することができ ております。今回、介護保険の中でいろいろ議題がございまして、対象年齢を引き下げ る、またそれと同時に保険料の徴収も引き下げるというお話がございまして、それがど ういう形で決着がつくのかというのが、一番最初にあったものでございます。  現在、介護保険部会でもご議論いただいておりますが、決着としては引き下げはなさ そうでございますので、65歳以上が続くのかなと思っております。これはまた、部会の 報告を待ってという形になります。 〇岡田部会長  よろしいですか、石井先生。そういうことだそうです。 〇石井委員  はい。 〇白石委員  質問が二つあるのですが、資料3−3で、日中活動の場を六つにまとめるということ だったのですが、このイメージをもうちょっと教えていただけたらと。のぞみの園が六 つの日中活動の場となった場合にどんな感じになるのか、教えていただけたらというこ とです。  それから、大石先生のご指摘になった図の中で「保護から自立支援へ」というとこ ろ、これから変わっていくように政策が動いていくということなのですが、のぞみの園 がまさしくこういうことをなさる、そういうイメージでありますね。今まで、施設で保 護していらっしゃったのが地域へ移行なさるというところで、夏ののぞみの園の評価の ときにもいろいろ御意見が出ていたと思うのですが、地域へ移行なさるときに、それに 伴って障害者御本人も家族の方もリスクがないというわけではなくて、移行にあたって のリスク、日々の生活をなさるにあたって近隣との関係とかいろいろな細かい点が出て くると思うのです。のぞみの園自身が地域へ移行する事業の中でどうしたらそういうリ スクを軽減できるのかということが、これから事業をやっていく意義の大きなところに なると思うのです。  ですので、のぞみの園が事業をやっていくことが福祉改革の大きな変更にも役立つよ うに、そういう方向性でのぞみの園が意義というか役割というか、考えておられるかど うか、お伺いしたいと思います。 〇岡田部会長  どうでしょうか。 〇障害福祉課課長補佐  最初のほうの日中活動の場ということで御説明申し上げますと、生活療養事業という のは、重症心身障害者、寝たきりで重度の知的、重度の身体障害という方がたのことを 考えております。これが一番代表例でございます。  次の生活福祉事業というのは、ここにのぞみの方がたの大部分が該当するであろうと 考えております。重度の身体障害、重度の知的障害という方がた、どうしても常時の介 護が必要になる、そういう方がたがこらちの部分に入ってくる。  その下の自立訓練については、ある程度の期間、有期限のプログラムを組むことによ って次のステップへ進むことができるという方がたをとらえております。のぞみの園の 中にもその方がたが十分入っておると思います。その方がたをある程度プログラムし、 有期限で訓練を行い、さらに次の段階の就労移行支援事業へと移る、というふうにイメ ージを考えております。  そのあと、のぞみの園の事業展開とこれからの移行については、のぞみの園からお願 いしたいと思います。 〇のぞみの園理事  グランドデザインでいろいろな事業を考えておられるのですが、どういった事業の取 り扱いか、まだ私どもも理解できていない部分もあります。しかしながら、今までの中 期目標なりにおける地域移行、あるいは効率化という観点からの考え方はそのまま進め ていきたい。それから、グランドデザインでいろいろな事業を考えていただいておりま すが、積極的に前向きに私どももその方向に沿ってやっていきたいと考えております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。これから法律的な整備を行って、どういう形で最終的な姿 になるのか、私どもにも興味もありますし関心が大きいところでありますが、のぞみの 園もその例外ではないということで、そのために新しい目的やあるいは計画を策定する 必要が出てくるであろうということから、きょう、御理解をいただいたわけでございま す。もうちょっと時がたちますと具体的な姿が出てくると思いますので、その折はよろ しく御審議をいただきたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。 〇山村委員  グランドデザインという大変大きな改革が進んでいることについて、その方向を認知 しつつも、これから現場では大変大きな変更が起こりますので、のぞみの園を筆頭に全 国各地の施設関係者がその方向を間違えないように、今、それぞれ努力をしているとこ ろだと思います。そこで、二つのことを申し上げたいと思います。  一つは先ほどの橋本委員の御発言に関係したことで、もう修正の可能性はないのかも しれませんが、「貢献」という言葉に改めてひっかかるなと思います。「参画」とか 「参加」というような言葉で表現したほうが、例えば重度の方の地域移行というものを 考えたときに、すんなり納得できるかなという思いがいたしました。これは感想であり ます。  もう一つ、課長補佐の説明の中で、次のページの障害者福祉サービス法に関係をした 図がございまして、年明けに国会に提出をする。その中で、すべて障害者となるという お話がございました。既存の法律はそのまま残るわけでしょうから、サービス法の中で はすべて障害者としてくくられるにいたしましても、さまざまにある障害種別、あるい はその関連の施設は、当面どうなるのか、そのあたりについて説明をいただければあり がたいと思います。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇障害福祉課課長補佐  障害者の施設という形になりますと、先ほどの26ページをごらんいただければわかり ますが、おおむね5年をかけて新体系へ移行と考えております。18年に法が施行されれ ば、5年後の23年には新しい体系の施設で、その施設はどういう形のものかというと、 居住部分と日中活動をあわせもった障害者施設という形になります。  イメージ的な図は、31ページを見ていただきますとよくわかると思います。報酬のほ うで見ていただきますと、下の二つ、夜間介護面の評価と居住面の評価、これが入所の 施設の部分ととらえていただければ結構でございます。そのうえにおのおのの日中活 動、障害者のニーズに応じた活動、そういう評価が加わってくる。この三つを足して初 めてその施設の報酬が決まるというイメージでございます。施設自身はおおむね5年を かけて見直しを行いますので、それまでの間は旧の施設と新しい施設が並行して動くと いうふうに考えております。 〇岡田部会長  よろしいでしょうか。 〇山村委員  はい、わかりました。 〇岡田部会長  ついでに伺っておきますが、障害者基本法も当然これは変わると考えてよろしいです か。第2条の障害者の定義がありますね。 〇障害福祉課課長補佐  今回は障害者基本法をいじるという形はとっておりません。定義としては各定められ ておりますので、障害者の定義はそのままで。サービスに関する部分をすべてまとめる というふうに考えていただいたほうがよろしいかと思います。 〇岡田部会長  わかりました。いかがでしょうか。ほかに何かありましたら……。よろしゅうござい ますか。 3.閉会 〇岡田部会長  それでは、時間がちょうど5時を迎えたところでございますので、きょうの予定はこ れで終了したいと思いますが、何か事務局からご連絡事項を頂戴できたらありがたいと 思いますが、いかがでしょうか。 〇事務局  今後の予定でございますが、次回については、年が明けまして2月もしくは3月ぐら いに開催を予定いたしております。また、詳細については別途御案内をいたします。以 上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。きょうの会議で新しい機構のほうの全貌も我々は理解する ことができるようになったわけでございますが、私どもが対象としております三つの独 立行政法人は、いずれも一つひとつがきわめてユニークであり独自性をもった法人でご ざいます。それを適正に評価していくというのは大変な作業でございますが、どうかこ れからも皆さんと一緒に力を合わせていいものをつくっていきたいと思いますので、ど うかご協力をお願いしたいと思います。  きょうは、これで終了させていただきます。ありがとうございました。                                     −了− 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)