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費用負担に関する考え方



障害福祉サービス(個別給付)に係る
利用者負担の見直しの必要性

サービス提供未実施市町村が多く、新規の利用者が急速に増えることが見込まれる
既存の利用者と新規の利用者の公平
当面、新たにサービスを利用し始める者の増加によるサービス量や、支援の必要度に応じたサービス量を確保することが必要。
必要なサービスを確保するため、制度の効率化・透明化等を進めるとともに、その費用を皆で負担し支え合うことが不可欠。
<利用者負担>
在宅と施設のバランスのとれた負担
サービスの利用量に応じた負担
<国・都道府県の負担>
制度的課題の解決を前提に、国及び都道府県の財政責任を強化する。



現行の費用徴収の仕組み(負担の不均衡)

平成15年度実績 支援費 児童入所施設
(親等)
ホームヘルプ 入所・通所施設
生活保護 0円 0円

53,000円




身体障害者
療護施設
96,000円





実収入に応じて
0円
市町村民税非課税 0円 2,200円
市町村民税課税
(均等割課税)
1,100円上限
(50円/30分)
4,500円
市町村民税課税
(所得割課税)
1,600円上限
(100円/30分)
6,600円
所得税課税 2,200円上限
(150円/30分)
〜費用全額
9,000円〜費用全額
実質的な負担率 約1% 約10%(入所)
約1%(通所)
約5%
費用負担をしている者の比率 約5%
(本人)
約90%(入所・本人)
約5%(通所・本人)
約70%

※1  入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。

※2  精神障害者社会復帰施設は、負担の仕組みが異なり、食費、施設利用料等の実費については全額自己負担であり、直接サービスに係る負担はない。



支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)

支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)のグラフ
 その他生活費は、被服・履物、家具・家事用品、保健医療、交通・通信、教育、教育娯楽費、その他支出である



障害福祉サービスに係る利用者負担の見直しの考え方
ー実費負担+サービス量と所得に着目した負担ー

(居宅、通所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約1%)
実費負担+サービス量と所得に着目した負担
(入所)
○ 応能負担(現在の平均負担率約10%)
実費負担+サービス量と所得に着目した負担

負担能力の乏しい者については、経過措置も含め負担軽減措置を講ずる。

図
この他、医療費・日用品費は自己負担
精神関係の施設は、平成18年10月以降に、
新施設・事業体系に移行したものから対象となる。
それまでは、現行と同じ仕組み。



負担軽減する者の範囲(負担能力等の区分)

他制度との均衡を確保しつつ、普遍的な仕組みとする

生活保護 生活保護世帯に属する者

低所得1 市町村民税非課税世帯であって世帯主及び世帯員のいずれも各所得がゼロであり、かつ、世帯主及び世帯員のいずれも収入が80万円(障害基礎年金2級相当)以下である世帯に属する者
 グループホームで単身で生活する基礎年金2級のみの者

低所得2 世帯主及び世帯員の全員が市町村民税の均等割非課税である世帯に属する者
 税制上の障害者控除や障害年金が非課税所得であること等から、通常の市町村民税非課税世帯よりは実収入水準は高くなる。障害者を含む3人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合、概ね300万円以下の収入に相当。

 医療保険、介護保険等の他制度においては、障害のある者もない者も世帯の一員である場合には、経済的な面においては他の世帯構成員と互いに支え合う一体的な生活実態にあるという前提で、負担能力の有無を認定する際に、個人単位ではなく、「生計を一にする者」の全体の経済力を勘案しており、例えば健康保険においては、家族に保険料を求めない被扶養者制度等が設けられている。

 「生計を一にする者」の範囲については、法律事項ではないことから、法の施行時までに具体的に検討。



食費等の実費負担の見直しの考え方

生活に係る実費については自己負担とすることを原則
 (1)  障害があってもなくても生活をしていく上で負担する費用である。
 (2)  施設を利用をする場合でも、利用しない場合でも等しく負担することが公平である。
利用者負担の軽減の取り組み
食事提供等のコスト低減の促進

 食費等の実費について、施設ごとに額を設定し、利用者と契約する仕組みとする。

 施設が利用者に求めることができる費用の範囲を明確化。(利用者保護)

 入所施設、通所施設における食事提供の規制緩和等を進めコストの低下を促す。

 障害の状況から特に栄養管理等が必要な入所施設利用者については、平成18年度の新施設・事業体系の報酬設定(10月予定)の際に別途評価方法を検討。
施設利用の低所得者への措置

 通所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低所得2)について、概ね3年間、食費の人件費相当分を支給。

 入所施設利用の低所得者(生活保護、低所得1、低所得2のうち一定の収入以下の者)について、食費等に係る補足給付を支給。

 入所施設における食費等に係る実際の契約額、提供コスト等を調査し、コスト変化の結果を補足給付の基準額に反映(当初は、食費4.8万円、光熱水費1.0万円)
精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。



障害福祉サービスの利用者負担の見直し
ーサービス量と所得に着目ー

所得にのみ着目した応能負担から、サービス量と所得に着目した負担の仕組みに見直す。
 ○  契約によりサービスを利用する者と利用しない者との公平を確保する。(障害者間の公平)
 ○  制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)
これと併せて、国、都道府県の財政責任の強化を図る。

グラフ

 負担上限の該当の有無は、各サービスに係る負担額の合計で計算する。
 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。



定率負担に係るグループホーム、
入所施設(20歳以上)の個別減免(低所得1,2)

 3年間の経過措置(期間終了までに実態調査を行い必要性を再検討)
 制度施行後3年間、食事提供や人的サービスが事業者により提供されるグループホーム、入所施設(20歳以上)利用者に対して、定率負担に係る個別の減免制度を実施する。

 費用基準と収入を比較(預貯金等を有している者は対象外)
 グループホーム、入所施設それぞれで設定する基本的な費用尺度と本人の収入を比較し、定率負担の個別減免の範囲を定め実施。なお、一定の預貯金等を有している者は対象外。

<費用基準>
 グループホーム: 現在、障害基礎年金2級のみで生活している者がいるという前提で設定(6.6万円の費用構成は、家計調査等を踏まえ、施行時までに検討)
 入所施設(20歳以上): 補足給付の費用基準と同じもの。

<収入認定>
 費用基準で一定の加算を受ける者以外については、賃金、工賃等に3千円の基礎控除を設ける。
 それ以外の収入の計算方式については、施行時までに別途検討。

グループホーム利用者のグラフ 入所施設利用者のグラフ



定率負担の個別減免(グループホーム/入所施設 )に係る収入認定

 工賃等

 賃金、工賃等については、基礎控除として3千円(費用基準への3〜5千円の加算による負担軽減措置を受けている者は除く)を設定。→月額3千円の負担軽減措置

 年金等

 年金(障害基礎年金2級相当額以下)、仕送り等は、基本的に全額を収入として認定

 今後の検討事項

(1)  賃金、工賃等の基礎控除以上の額、及び障害基礎年金2級相当を超える年金額に係る控除の方法は、グループホーム、入所施設別に制度施行時までに検討。
(2)  なお、入所施設については、障害基礎年金1級程度の収入以下の者は、食費等に係る補足給付を受けていることから、グループホームとは別の基準を設ける方向で検討。

賃金、工賃等の控除の計算方式のイメージのグラフ



定率負担に係る特別減額制度(生活保護への移行防止)の概要
ー地域生活、入所施設共通ー

 本来適用されるべき上限額を適用すれば生活保護を必要とするが、より低い上限額を適用すれば生活保護を必要としない状態になる者については、本来適用されるべき上限額より低い負担上限を適用。

月額上限 24,600円
 
より低い 上限額を適用
月額上限 15,000円
 
より低い 上限額を適用
月額上限 0円
 

 認定については、生活保護の収入、支出と同様の仕組みとする。



今回講じた主な経過措置の概要

 地域生活関係の経過措置(施行後3年間)
(1) 通所施設の食費負担に係る減額(生保・低所得1、2が対象)
食費負担について、人件費相当分を給付する。(月額5千円程度(本来の負担の1/3程度)となる。)
(2) グループホームの定率負担に係る個別減免(低所得1、2が対象)
定率負担について、一定額以下の預貯金等しか有しない者であって、一定の基準で算出した生活費(施行時は障害基礎年金2級相当)と本人の収入とを比較して、定率負担が困難なものに対して、個別に減免。
(継続の必要性については実態調査に基づき再検討)

 入所施設関係の経過措置(施行後3年ごとに段階的に見直し)
(1) 20才以上の入所者に対する負担の経過措置
食費負担について、食費や居住費以外の「その他生活費」として一定の額(18年〜2.5万円、21年〜2.1万円など)が残るようにした上で、収入の範囲内で食費等の実費を負担する。
定率負担については、グループホームと同様の個別の減免を、同じ期間実施。
(2) 20才未満の入所者に対する負担の経過措置
収入のない20才未満の者について、地域生活をしていれば通常かかる程度の費用(収入別の家計における平均的な一人あたり支出)の負担を親等に求める。

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは、現行と同じ仕組み。



平均的な利用者負担の例(在宅)

モデル1 在宅でホームヘルプを利用する障害児・者

  身体障害 知的障害 精神障害 障害児
月平均利用額 8.4万円 3.0万円 2.4万円 3.9万円
利用者負担 生活保護 0円 0円 0円 0円
その他 8.4千円 3.0千円 2.4千円 3.9千円
平均負担率 改正後 5.9% 8.7% 7.3% 8.9%
改正前 1.1% 0.8% 1.6% 3.8%
モデル2 家族と同居して、通所施設に通いながら、ホームヘルプを利用する知的障害者
  知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所、ホームへルプ 3.0万円/月
  食費(通所) 定率負担 経過措置による費用
生活保護 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0.5万円
低所得1 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円 2.0万円
低所得2 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.8万円 2.3万円
一般 1.43万円(650円×22日) 1.8万円 3.23万円
平均負担率1%→食費(3年間4割減)+8.5%

 ※  入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
 
特別減額制度



平均的な利用者負担の例(グループホーム/入所施設)

モデル3 グループホームで生活しつつ通所施設に通う知的障害者(グループホーム利用者の約2割)
  グループホーム:月6.6万円、知的通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所

  食費(通所) 定率負担 経過措置後の費用増分
生活保護 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
0.50万円
低所得1 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
1.5万円
(グループホーム個別減免)
0.50万円+1.5万円(個別減免)
=0.50万円〜2.0万円
低所得2 0.50万円(約230円×22日)
(3年経過措置)
2.15万円
(グループホーム個別減免)
0.50万円+2.15万円(個別減免)
=0.50万円〜2.65万円
一般 1.43万円(650円×22日) 2.15万円 1.43万円+2.15万円=3.58万円

平均負担率1%→食費(通所)+8.0%
低所得1が全員、個別に定率負担が免除された場合
 食費(3年間約4割減)+5.0%
グル

プホ



入所施設個別減免 3年経過措置
特別減額制度
モデル4 入所施設に入所する身体障害者・児

大人の施設の場合
 平均3.5万円(0円〜費用全額)→平均6.1万円(食費等込み)
平均 4.8万円
  +定率負担(個別減免)
 
児童(負担者は親)施設の場合 ※大人と比較して同所得での負担水準が低い
 平均1.1万円(0円〜費用全額)→平均6.1万円(食費等込み)
18歳未満 平均3.0万円
18・19歳 平均3.9万円

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に新施設・事業体系に移行したものから対象となる。移行までは現行と同じ仕組み。



改正案による各事業平均(マクロ)の負担の変化

ホームヘルプサービス

現行  事業費 約6.0万円
   利用者負担  約0.1万円(約1%)
平成18年  改正案  約0.4万円(約7%)
通所施設

現行  事業費  約14.3万円(食費込み)
   利用者負担  約0.1万円(約1%)
平成18年  経過措置(3年間)
     約1.9万円(約13%)
入所施設(20歳以上)

現行  事業費 約32万円(食費等込み)
   利用者負担  約3.5万円(約10%)
平成18年  経過措置  約4.8万円(約16%)
    +定率負担(個別減免)
平成21年  経過措置  約5.2万円+定率負担
食費等が同水準(5.8万円)であれば
入所施設(18歳未満)

現行  事業費 約24.4万円(食費等込み)
   利用者負担  約1.1万円(約5%)
平成18年  経過措置  約3.0万円(約12%)
平成21年  経過措置  約3.5万円
食費等が同水準(5.8万円)であれば

 18歳以上の場合には、+0.9万円

 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。

 精神関係の施設は、平成18年10月以降に、新施設・事業体系に移行したものから対象となる。それまでは、現行と同じ仕組み。



平成17年度予算(内示)の概要(福祉サービス国庫ベース)

 平成18年1月以降の在宅関係(3障害共通)は、制度改正を前提に国の財政責任を強化した形で整理されている。

身体・知的関係予算(支援費関係)
 
  平成16年度 平成17年度 増分   改正効果
施設
(入所・通所)
2,871億円 2,902億円 +31億円
(1%増)
△33億円
居宅 602億円 930億円 +328億円
(55%増)
△10億円
精神関係予算
 
  平成16年度 平成17年度 増分   改正影響
施設
(入所・通所)
189億円 201億円 +12億円
(6%増)
 
居宅 30億円 45億円 +15億円
(48%増)
△0億円
精神の施設は、平成17年度中には新施設・事業体系に移行しないので改正影響は生じない。
また、精神の平成17年度の居宅は12ヶ月分に置き換えたもの(予算上は11ヶ月分で41億円)。

児童入所施設関係は、平成18年10月施行のため平成17年度中は改正影響は生じない。



障害に係る公費負担医療制度の
利用者負担見直しの必要性

 同じ障害者なのに、制度の違いにより負担軽減の仕組みが異なり、その統一が必要。
 更生医療、育成医療の対象者の半数以上は、一定の負担能力が認められる課税世帯となり、給付の重点化が必要。
 精神通院公費、更生医療の対象者(人口の約1%)は急増し、財政的に極めて厳しい状況に。
医療内容面での取り組み
 医療の質の確保と透明化を促進。
 医療機関の指定制
 支給決定の有効期間等の見直し

 対象者の判断基準(診査指針等)や
医学進歩に応じた医療内容の明確化
 実証的な研究の促進
制度面での取り組み
 給付対象者の重点化。
 負担能力、重度かつ継続的負担

 負担に係る各制度間の矛盾の解消
 入院・在宅の負担の公平化等
 医療費と所得に応じた負担に統一
 入院の食費負担(標準負担額)
 必要な医療を確保しつつ、費用を皆で負担し支え合うことにより、中長期的な障害者制度全体の持続可能性を確保(福祉・医療のバランスのとれた財源配分の確保)



障害に係る公費負担医療制度の概要

  ○ 精神障害者通院公費
精神障害者通院公費のグラフ
  ○ 更生医療、育成医療
更生医療、育成医療のグラフ

  精神通院
(昭和40年創設)
更生医療
(昭和29年創設)
育成医療
(昭和29年創設)
対象疾患 精神疾患 視覚障害、聴覚障害、
肢体不自由、内部障害 等
視覚障害、聴覚障害、
肢体不自由、内部障害 等
対象年齢 全年齢 18歳以上 18歳未満
月平均
利用件数
約70万件
(平成14年)
約8万件
(平成14年)
約1万件
(平成14年)
1件平均
医療費
約3.2万円
(通院のみ)
約40.0万円
(入院・通院)
約41.2万円
(入院・通院)
平均負担額 約1,600円/月 約3,200円/月 約5,600円/月
課税世帯割合 約1〜2割(推計) 約5〜6割 約7〜8割



一人あたり医療費の構成(精神通院)

一人あたり医療費の構成(精神通院)のグラフ



障害に係る公費負担医療の負担軽減措置の課題

○ 現行水準
  精神通院公費
(応益負担)
更生医療
(応能負担)
育成医療
(応能負担)
医療保険負担上限
<多数該当>
生活保護世帯 医療費の5% 0円 0円 35,400円
<24,600円>
市町村民税非課税世帯 医療費の5% 0円 2,200円
市町村民税課税世帯 医療費の5% 4,500〜44,000円 4,500〜44,000円 72,300円+医療費1%
<40,200円>
一定以上所得者 医療費の5% 44,000円
〜給付対象外
44,000円
〜給付対象外
139,800円+医療費1%
<77,700円>

※1  更生医療、育成医療の通院については、上記額の1/2
※2  多数該当とは、同一世帯で直近12か月に高額療養費の支給月額が3か月以上ある場合、4か月目から自己負担上限が軽減されるもの。

○ 負担軽減措置の課題
 精神通院公費については、完全に医療費に応じた応益負担となっているため、低所得者であっても高額の医療費の場合には高い負担を求められる。
→ 低所得者に厳しい制度

 更生・育成医療については、所得に応じた応能負担となっているために、医療費の額の多寡が利用者負担に反映されない。
→ 同じ所得層での負担率の不公平



医療内容面での見直し

1 精神通院公費制度への医療機関指定制の導入(更生、育成は当初より制度化)
 ○  都道府県知事が行う診療内容及び公費請求の審査・監査等を通じて、医療内容の質の向上に資する。
 ○  医療内容が著しく不適当等の場合には、取り消し等を実施
 今回の法律改正で対応。平成14年度の検討会報告に基づき適正に運用。

2 支給決定の有効期間を1年に統一(更生、育成は現在1年)
 ○  1年ごとに医療の必要性や所得の状況を確認(今回の法律改正で対応)
 ○  再認定を認める場合や拒否する場合の要件等を明確化
 臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね1年以内に実施。

3 医療実態に関する実証的な研究促進と制度運営への反映
 ○  対象者の判断基準(診査指針等)や医学進歩に応じた医療内容の明確化
 ○  重度かつ継続の対象となる者の基準等について見直しを図る。
 臨床実態に関する実証的研究に基づき、制度施行後概ね2年以内に実施。



医療費と所得に着目した自己負担

 医療費のみに着目した応益負担(精神)と所得にのみ着目した応能負担(更生・育成)を、次の観点から、「医療費と所得の双方に着目した負担」の仕組みに統合する。

 ○  制度間の負担の不均衡を解消する。(障害者間の公平=医療費の多寡・所得の多寡に応じた負担

 ○  必要な医療を確保しつつ、制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)

グラフ



入院時の食費負担(標準負担額)

 食費に係る各制度の考え方

 ○  医療保険制度
 : 在宅療養の者と入院の者の費用負担の均衡を図る観点から、平均的な家計における一人当たりの食費に相当する額を標準負担額として求める。

 ○  新たな障害福祉制度
 : 入所・通所施設を利用するものと利用しない者の費用負担の均衡を図る観点から食費(材料費、人件費)については原則自己負担とする。
 医療保険制度や新たな障害福祉制度との整合性を確保し、

 更生医療、育成医療に係る入院時の食費(標準負担額)については、原則、自己負担(生活保護については支給)とする。

 →  一定所得以下の者のうち、標準負担額を支払うことにより、生活保護水準を下回るような場合には、標準負担額に相当する額を支給

  ※  障害福祉制度における特別減免制度に相当



制度改正案の概要

制度改正案の概要の図



平成17年度予算(内示)の概要(公費負担医療国庫ベース)

 平成17年度の公費負担医療に係る公費負担額は、平成17年10月の制度改正を前提にしている。

  平成16年度 平成17年度 増減分   改正影響
精神通院 477億円 547億円 +70億円 △12億円
更生医療
育成医療
111億円 108億円 △3億円 △26億円



(参考資料)



主な入所施設の費用負担の変化

身体障害者療護施設

 平均事業費

 約33.8万円

食費、光熱水費、
日常生活費、医療費除く)

食費 4.8万円

光熱水費 1万円





実際の食費等の
額は施設ごとに
定めることから、
表の額は施設に
より変わりうる。





区分(構成割合 現行 本人負担


扶養義務者
負担有


当初
試算
実施案(平成18年1月)
60〜64歳、20〜59歳
(年金1級)
20〜59歳
(年金1級以外)
18・19歳
生活保護(約5%)
低所得I(約16%) 0〜19,100
年金2級で
4.7万円残る
51,000 22,000〜38,000
+15,000(個別減免)
22,000〜41,000
+15,000(個別減免)
25,000
低所得II

├(約79%)
20,800

96,000
67,600 38,000〜58,000
+24,600(個別減免)
41,000〜58,000
+24,600(個別減免)
34,600
一般 91,800 91,800 91,800 54,000
全体加重平均 35,200 61,400 47,400
+定率負担(個別減免)
49,900
+定率負担(個別減免)
38,900
知的障害児施設

 平均事業費

 約18.6万円

食費、光熱水費、
日常生活費、医療費除く)

食費 4.8万円

光熱水費 1万円





実際の食費等の
額は施設ごとに
定めることから、
表の額は施設に
より変わりうる。





区分 現行 当初試算 実施案(平成18年10月)
20歳未満 20歳以上 18歳未満 18・19歳 20歳以上
(年金1級以外)
生活保護
低所得I
0〜2,200
0〜19,100 51,000 16,000 25,000 22,000〜41,000
+15,000(個別減免)
低所得II 20,800

50,000
61,600 19,600 28,600 41,000〜58,000
+18,600(個別減免)
一般 4,500
〜全額
76,600 45,000 54,000 76,600
全体
加重平均
10,500 27,900 60,700 30,400 38,700 49,000
+定率負担(個別減免)



モデル的な利用者の負担(精神通院)

モデル1 精神通院:うつ病 月1回の受診と継続的な服薬 月額医療費約1万円
  現在 見直し案
生活保護 0.5千円(5%) 0円(0%)
低所得1 1千円(10%)
低所得2 1千円(10%)
所得税課税 1千円(10%)
一定所得以上 3千円(3割)

モデル2 精神通院:統合失調症 デイケア等を利用 月額医療費約15万円
  現在 見直し案
生活保護 7.5千円(5%) 0円(0%)
低所得1 2.5千円(1.7%)
低所得2 5千円(3.1%)
所得税課税 1万円(6.7%)
一定所得以上 1.5万円(10%)
 上記数値は月額の負担額である。( )内は、医療費に対する当該負担額の比率である。
 赤字は、経過措置による数値である。



モデル的な利用者の負担(更生医療・育成医療)

モデル3 更生医療:腎疾患 通院で人工透析を実施 月額医療費約28万円
  現在 見直し案
生活保護 0円(0%) 0円(0%)
低所得1 0円(0%) 2.5千円(0.9%)
低所得2 0円(0%) 5千円(1.8%)
所得税課税
3.5千円(1.2%)
〜1万円
(3.6%)
1万円(3.6%)
一定所得以上 1.0万円(3.6%) 1万円(3.6%)

モデル4 育成医療:先天性心臓疾患 月額医療費約150万円
  現在 見直し案
生活保護 0円(0%) 0円(0%)
低所得1 2.2千円(0.1%) 2.5千円(0.2%)+650円×日数
低所得2 2.2千円(0.1%) 5千円(0.3%)+650円×日数
所得税課税
6.9千円(0.5%)
〜4.4万円
(2.9%)
5.8万円(3.9%)+780円×日数
一定所得以上 5.23万円(3.5%)
〜健康保険の規定通り
15.01万円(10.0%)+780円×日数
 →健康保険の規定通り
※1  上記数値は月額の負担額である。( )内は、医療費に対する当該負担額の比率(平均負担率)である。
※2  650円、780円は入院時の食費にかかる標準負担額(医療保険で自己負担と定めている)である。
※3  赤字は経過措置による数値である。


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