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資料2

保健医療福祉分野電子署名用認証局ポリシ案の利用に関する合同作業班からの提言


 医療分野では適切な電子署名を実現することで、

  1.診断書等の電子化が可能になり電子政府の実現に寄与できる。
  2.診療情報提供書を電子化することが可能になり、医療機関間の情報共有を患者の意思を尊重した状態で飛躍的に高めることができる。
  3.電子カルテ等の電子化情報の責任の所在を明確にできる。

等の効果が期待できます。しかしながらこれらの効果を十分に発揮させるためには全国で共通に検証可能であり、医師等の医療資格を確認できる電子署名基盤が必要です。現時点でそのような電子署名基盤は存在しないために、これを整備するための認証局ポリシを作成しました。ただ認証局ポリシが存在するだけでは基盤の整備とはいえませんので、このポリシの利用に関して以下の4点を提言いたします。

1.ポリシ準拠性監査組織を整備する必要があります。
 準拠性監査は全国で共通の信頼性と検証可能性を確保した電子署名基盤を整備する上で必須です。当面は厚生労働省内に何らかの専門委員会を設置して準拠性監査を行ない、適切な時期に公正な第三者に移行することが適切と考えます。

2.ポリシのメンテナンス体制を整備する必要があります。
 当該ポリシも制度の変化等で、メンテナンスが必要ですが、これには専門知識が必要であり、当面は厚生労働省医療技術情報推進室が作業班を編成して行なうことが適切と考えます。準拠製監査組織が第三者に移行した時点で、メンテナンス作業も委託することも可能です。

3.本ポリシに準拠した認証局の発行した証明書を用いた電子署名を少なくとも、厚生労働省は信頼していただけるようにお願いいたします。本ポリシは電子署名法の認定特定認証業務に比較しても本人確認や資格確認はより厳密であり、認証局の安全管理も十分であると考えております。官職証明であるGPKIと自然人としても厳重な証明をおこなう本ポリシとはブリッジすることを前提としてはいませんが、信頼性になんら問題のないものと考えられます。
 信頼を実現する方法として、当面は初期に立ち上げた本ポリシ準拠の認証局の発行者証明書を個別に信頼できる発行者証明書として登録すればよいと考えられます。安定した認証局が複数稼動した時点で、ブリッジング等の信頼点の単純化を考慮すればよいでしょう。

4.本ポリシに準拠した電子署名基盤の実証実験を早急に開始する必要があります。
 本ポリシに準拠した電子署名基盤を整備することで、頭書の効果が期待できます。これらの効果を実証的に示すことで、医療情報ネットワーク基盤検討会の成果の実効を証明することが可能で、早急に実証実験を開始する必要があると考えます。また本ポリシは実験的なものではなく、十分実用に耐えるものですので、実証実験もそのまま実用に移行できるものをデザインすべきと考えます。またこの実証実験においては医籍等の医療資格の電子的な確認機構の整備と平行して実施することで、大幅に証明書発行の運用コストを下げることができることが期待されます。つまり医籍等の電子化の効果も実証可能と考えます。また診断書や診療情報提供書の署名アプリケーションを実証実験で開発評価し、開発成果物の基本部分を広く公開することで、医療のIT化に大いに資すると考えられます。


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