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第11回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会


平成16年12月21日(火)
厚生労働省 専用第17会議室

 議題
通勤災害保護制度の見直し等について

 配布資料
労働者災害補償保険制度の改善について(報告)(案)



照会先: 労働基準局労災補償部労災管理課企画調整係
電話03-5253-1111(内線5436)


労働者災害補償保険制度の改善について(報告)(案)


 働き方の多様化等の社会経済情勢の変化に適切に対応し、労働者災害補償保険制度がその役割を十全に果たしていくことが重要な課題となっている。
 このため、労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会においては、学識経験者による検討の結果も踏まえ、平成16年10月より通勤災害保護制度を中心として労働者災害補償保険制度の見直しについて検討を行ってきたところであるが、その結果、下記のとおり意見の一致をみたのでこの旨報告する。
 この報告を受けて、厚生労働省において、次期通常国会における労働者災害補償保険法の改正をはじめ所要の措置を講ずることが望まれる。



 通勤災害保護制度については、昭和48年に創設されたものであるが、働き方の多様化等の社会経済情勢の変化の中で、必ずしも制度の創設当時に想定されていなかった問題への対応の必要性が生じているものと考えられる。特に、複数就業者や単身赴任者が増加してきている中で、これらの者が行う移動のうち通勤災害保護制度において保護すべきものと考えられるものについて適切な保護がなされるよう以下の見直しを行うことが適当である。
(1) 複数就業者の事業場間の移動については、移動先の事業場における労務の提供に不可欠なものであること、通常一の事業場から他の事業場に直接移動する場合には私的行為が介在していないこと、事業場間の移動中の災害はある程度不可避的に生ずる社会的な危険であると評価できること等から、通勤災害保護制度の対象とすること。
(2) 単身赴任者の赴任先住居・帰省先住居間の移動については、単身赴任は、労働者を自宅からの通勤が困難な場所で就労させなければならないという事業主の業務上の必要性と、労働者の家庭生活上の事情を両立させるためにやむを得ず行われるものであること、労働者が労務を提供するため家族と別居して赴任先住居に居住していることから、赴任先住居・帰省先住居間の移動中の災害はある程度不可避的に生ずる社会的な危険であると評価できること等から、就業に関する赴任先住居・帰省先住居間の移動を通勤災害保護制度の対象とすること。

 なお、複数就業者に係る給付基礎日額の算定方法の在り方については、複数就業者の賃金等の実態を調査した上で、労災保険制度の在り方に関する研究会中間とりまとめに示された考え方を参照しつつ、専門的な検討の場において引き続き検討を行うことが適当である。


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