検討会、研究会等  審議会議事録  厚生労働省ホームページ

第1回職業がん対策専門検討会議事要旨


日時 平成16年12月15日(水)10:00〜12:00
場所中央合同庁舎第5号館16階 専用第17会議室
参集者櫻井座長、清水教授、津田教授、福島教授、松島名誉教授、森永部長
厚生労働省古川化学物質対策課長、角元化学物質評価室長、大淵有害性調査機関査察官、若林主査
概要
 (1) 座長選出
 櫻井所長が座長に選出された。
 (2) アクリル酸=2−ヒドロキシエチルに係る調査結果の検討
 事務局より、アクリル酸=2−ヒドロキシエチルに関する物性、現行の法規制、有害性情報について説明が行われた。
 日本バイオアッセイ研究センターより、アクリル酸=2−ヒドロキシエチルについて実験動物を用いたがん原性試験を実施した結果、ラットの雄に対しては肝細胞腺腫と前腫瘍性病変の増加が認められたこと、ラットの雌に対しては肝細胞腺腫の僅かな発生増加が認められたこと、マウスに対しては雌雄ともに腫瘍の発生増加が認められなかったことが説明された。
 検討の結果、アクリル酸=2−ヒドロキシエチルは、実験動物に対するがん原性が示唆されるが、がん原性の強さは弱いと判定された。また、アクリル酸=2−ヒドロキシエチルは、現在、変異原性が認められた化学物質として、事業者に対しがん原性物質に準じた対策を講じるよう指導が行われているため、当該物質のがん原性の確からしさと強度を勘案すると新たにがん原性物質としての行政対応は必要ないとされた。
 (3) アリルクロリドに係る調査結果の検討
 事務局より、アリルクロリドに関する物性、現行の法規制、有害性情報について説明が行われた。
 日本バイオアッセイ研究センターより、アリルクロリドについて実験動物を用いたがん原性試験を実施した結果、ラットの雄に対しては膀胱の移行上皮がんと甲状腺の濾胞状腺腫の発生増加が認められたこと、ラットの雌に対しては腫瘍の発生増加が認められなかったこと、マウスに対しては雌雄ともにハーダー腺の腺腫の発生増加が認められたことが説明された。
 検討の結果、アリルクロリドは実験動物に対するがん原性が認められると判定され、行政対応が必要であるとされた。
 参集者から、実験結果からアリルクロリドは神経毒性も認められるため、行政対応を行う場合には、神経毒性についても触れた方が良いとの意見があった。
 (4) o-フェニレンジアミンに係る調査結果の検討
 事務局より、o-フェニレンジアミンに関する物性、現行の法規制、有害性情報について説明が行われた。
 日本バイオアッセイ研究センターより、o-フェニレンジアミン二塩酸塩について実験動物を用いたがん原性試験を実施した結果、ラットに対しては雌雄ともに肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加が認められ、雄の膀胱に移行上皮乳頭腫及び移行上皮がんの発生増加が認められたこと、マウスに対しては雄で肝細胞腺腫の発生増加が認められたこと、雌に対しては肝細胞腺腫及び肝細胞がんの顕著な発生増加が認められたこと、雌雄ともに胆嚢に乳頭状腺腫の発生増加が認められたことが説明された。
 検討の結果、o-フェニレンジアミンは実験動物に対するがん原性が認められると判定され、行政対応が必要であるとされた。
 (5) 次回以降の検討会の日程
 次回検討会については、2月4日の13時から開催すること、議題は本日検討した3物質についての検討結果報告書の検討及び本日検討しなかった2物質についてのがん原性試験結果の検討であることを事務局より説明した。


照会先:厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課審査係
TEL03−5253−1111(内線5512)


トップへ
検討会、研究会等  審議会議事録  厚生労働省ホームページ