資料2

専門委員会における「作業の状況」に関する医薬品販売制度改正検討部会での議論の概要

(●:部会委員の発言、◇:専門委員の発言、△:事務局)

部会に報告した「作業の状況」 部会における質問等 質問等に対する意見など
(1) リスクの相対的評価を行うための基礎情報の集め方について(案)

 作業は、製品群ごとに行うことを原則とし、各製品群に属する製品に配合される主たる成分に着目して、順次、基礎情報を整理する。
   
 化学構造や薬理作用からみて、薬学的に同種同効と考えられる成分については、各成分ごとに基礎情報を抽出した後にグルーピングする。
(情報の抽出が困難な成分については、グルーピングされた成分の基礎情報を当該成分の基礎情報として取扱う。)
   
 基礎情報の整理は、幅広く情報を集めるという考え方にたって、相対的に情報量が多い医療用医薬品の添付文書の記載内容を、「リスクの程度の評価」に係る項目ごとに抽出し、ワークシートとして整理する。また、必要に応じて文献情報等を用いることとする。
 添付文書情報以外にも販売時に注意を払って説明しているものがあるか。



 第一段階は添付文書から拾うことは適切だと思う。
 情報の量と質ともに充実している医療用を使うことに賛成。しかし、医療従事者向けのものなので、医師なら当然知っている情報は書いていないことに注意を要する。
 添付文書が必ずしもブロック化されておらず、いろいろなところに記載されていることも頭の隅に入れておいてほしい。
 マニュアル通りにいかない部分を人と人との会話から正しい情報をつかむ努力をしている。
 消費者が選ぶものと疾病とのミスマッチに注意しなくてはいけない。


 一般用医薬品のアセトアミノフェンの場合は医療従事者が当然やらないことも記載してある。一般用の添付文書から何らかの形で提供する情報内容として抽出しなければいけないところ。
 他の項目からも抽出している。
 一般用医薬品の添付文書については、基礎情報を抽出する作業の次の段階として、「提供する情報」の検討を行う際に、その記載内容を踏まえた作業を行う。
 「5〜6回服用しても症状がよくならない場合」はどの薬剤にも入っているのか。情報提供の必要性を占める尺度か。
 ものによって異なる。「3日使って症状に変化がなかったら」というものや「症状がよくなった場合であっても2週間以内」とかがある。
 一般用の添付文書は、情報提供を考える時に参考として取り入れていかなければいけない。
 抽出された情報に基づく作業にあたり、医療用医薬品及び一般用医薬品それぞれの効能効果、用法用量等の違いを把握できるよう、医療用医薬品及び一般用医薬品の効能効果や用法用量(1日あたりの上限量等)に関する情報をワークシートに付記する。
 なお、効能効果に関する作業にあたっては、一般用医薬品のほとんどが配合剤であることを考慮し、一般用医薬品としての効能効果と、その根拠となる主たる成分(主成分)の医療用医薬品としての効能効果を対比させることとする。
 医療用と一般用とでドーズが違う場合、副作用のリスク評価が難しい。


 可能であれば、副作用報告も別の資料として使えればいい。自発報告なので、報告数が多いからリスクが高いということにはならない。件数が必ずしも頻度とつながらないが、参考資料的に使ってもいい。
 昨年、一般用医薬品から医薬部外品に移行する際、安全性の問題を検討されたと聞いているが、それは参考にならないのか。
 今は用法用量を並べた形で抽出していないが、抽出して整理した中で、もう一度専門委員会で議論する内容になる。
 薬食審に報告した資料1年分を示すことは可能。




 検討会の報告書を専門委員会に提出することは可能。
 必要であると専門委員会で判断され、事務局に申し出れば、手に入るということ。
(2) 相対的リスクの評価方法について(案)

 相対的リスクの評価に関する作業は、「リスクの程度の評価」に係る8項目(A〜H)として抽出された基礎情報に基づいて行う。
   
 「リスクの程度の評価」に係る8項目のうち、
 「B 相互作用」の「併用禁忌」
 「C 重篤な副作用のおそれ」
 「E 患者背景」の「適応禁忌」
については、他の項目に比べて重要なファクターとして捉える。
 使用方法に上限のあるものや過量使用や誤使用のおそれを最初から重要ファクターに入れるべきではないか。





 BCEは頻度にかかわらずリスクを重要視しているという意味で反映されている。次のステップとして、中等度以下でも頻度が高い場合をどのように抽出していくか。
 Gを無視するわけではなく、まずBCEでやるということ。
 Gは大量に使用した場合に重篤な副作用があるということであって、長期・大量服用とは別問題。往々にして大量に長期投与されがちな場合の情報は別のアプローチでやる必要がある。
 成分間のリスクを相対的に評価する場合、8項目における基礎情報の内容を比較のうえ、違いとして捉えるか否かを判断することにより、成分におけるリスクの相違とする。
 頻度や重症度という定量的なものをどう考えるのか。

 重篤な副作用があれば頻度が低くてもリスクで取り上げるべき。中等度から軽い副作用でも非常によく起こり得る場合をよくよく考えなければいけない。
 数値化しないと、薬と薬との距離を表していくことができないのではないか。複数の専門家が点数付けをして、ばらつきはあるが、いろいろな人が3点をつけたデータがあれば、数値的に処理して、有益な結果を導くような手法はある。
 頻度等は添付文書から判断できないので、「かなり多い」とか「少ない」とかで判断していく。





 今の手法で他の医薬品についても整理した上で、考えざるを得ないのではないか。
 8項目において、各成分ごとに抽出された基礎情報に違いがある場合であっても、情報の内容の一つ一つを医学・薬学的にみたうえで、結果として、成分間の違いはないものとして取り扱う場合がある。
   
 ワークシートとして抽出された基礎情報の多少は、必ずしもリスクの高低にはつながらないことに留意する。
   
 相対的リスクの評価は、まずは抽出した基礎情報をもとに各成分の特性(物性)に基づくものとして行う。
 誤使用や過量使用等のおそれを前提としたリスクについては、「リスクの程度の評価」に係る項目である「G 使用方法」に関する作業として検討に加える。
 必ずしも適正に使われない場合のように、頻度が予測できない場合のリスクをどのように取り込むのか。
 頻度や重症度という定量的なものをどう考えるのか。

 過量には、飲む側のミスだけでなく依存が絡む場合がある。何かの薬に集中している可能性がないかを調べることが必要。
 成分に着目した評価が終わってから、誤使用等も考慮する。

 頻度等は添付文書から判断できないので、「かなり多い」とか「少ない」とかで判断していく。
 何らかの形で資料が入手できれば考慮していきたい。
(3) 今後の作業の進め方について(案)

 具体例として検討された基礎情報の抽出方法に基づき、全ての製品群に属する主な成分の基礎情報を抽出し、検討に用いた具体例(別紙1、2)と同様に、ワークシートとして整理する。

 基礎情報を抽出した後、それらをもとにリスクの程度の相対的評価に関する作業を開始する。
 ここにあがっている数だけでも1回やってみると、最終的に出てくるものが見えてくるので、とりあえずテンタティブに見てから、作業を広げた方が効率的ではないか。
 頻度は項目として別に設ける等、項目の確定作業も含めて、今ぐらいの時点で点数付けができるものかどうか、やってみた方がいいのではないか。




 成分だけでリスクが少ないと評価されると(評価結果が)一人歩きするという心配がある。
 点数をつけるとしても、稀でも非常に重篤なものがあれば点数は高くなるし、コモンにあるものでも大した症状でなければ点数は低くなる。点数付けはすごく難しい。1回全部やってみて、そこで検討せざるを得ないのではないか。作業を進めていく中で考えていく。
 まだ2グループしか見ていないので、ここで点数付けとか重み付けとかは難しい。もう少し情報を集めてから全体を見渡したほうがいいという考えもある。
 いまのワークシートの考え方で整理して、一人歩きさせないで、他にも重要なファクターがあり得るということに留意しながら進めていき、専門委員会で検討してはどうか。
別紙1、2(略)    

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