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障害福祉サービスに係る利用者負担の見直し



現行の費用徴収の仕組み(負担の不均衡)

  支援費 児童入所施設
(親等)
ホームヘルプ 入所・通所施設
生活保護 0円 0円

53,000円



身体障害者
療護施設
96,000円




※実収入に応じて
0円
市町村民税非課税 0円 2,200円
市町村民税課税
(均等割課税)
1,100円上限
(50円/30分)
4,500円
市町村民税課税
(所得割課税)
1,600円上限
(100円/30分)
6,600円
所得税課税 2,200円上限
(150円/30分)
〜費用全額
9,000円

費用全額
実質的な負担率 約1%
約10%(入所)
約1%(通所)
約6%
費用負担をしている者の比率 約5%
(本人)
約90%(入所・本人)
約5%(通所・本人)
約60%

※1 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。
※2 精神障害者社会復帰施設は、負担の仕組みが異なり、食費、施設利用料等の実費については全額自己負担であり、直接サービスに係る負担はない。



障害福祉サービスに係る利用者負担の見直しの考え方
ー 応能負担 → 実費負担+サービス量と所得に着目した負担)ー

(居宅、通所)
 応能負担(現在の平均負担率約1% ※)→ 実費負担+サービス量と所得に着目した負担
(入所)
 応能負担(現在の平均負担率約10%) → 実費負担+サービス量と所得に着目した負担

障害福祉サービスに係る利用者負担の見直しの考え方の図

※ 居宅のホームヘルプサービスは、支援費移行前は平均負担率約4%



負担能力等の区分(障害福祉サービス)

負担能力等の区分(障害福祉サービス)の図
市町村民税世帯非課税の区分(低所得1、低所得2)
 ※1 低所得1:市町村民税非課税世帯であって世帯主及び世帯員のいずれも各所得がゼロであり、かつ、世帯主及び世帯員のいずれも収入が80万円(障害基礎年金2級相当)以下である世帯に属する者
 ※2 低所得2:世帯主及び世帯員の全員が市町村民税の均等割非課税である世帯に属する者
  → 税制上の障害者控除や障害年金が非課税所得であること等から、通常の市町村民税非課税世帯よりは実収入水準は高くなる。障害者を含む3人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合概ね300万円以下の収入に相当。



障害福祉サービスの利用者負担の見直し(案)
(サービス量と所得に着目)

 所得にのみ着目した応能負担から、次の観点から、サービス量と所得に着目した負担の仕組みに見直す。
 契約によりサービスを利用する者と利用しない者との公平を確保する。(障害者間の公平)
 制度運営の効率性と安定性を確保する。(障害者自らも制度を支える仕組み)

障害福祉サービスの利用者負担の見直し(案)の図
負担上限の該当の有無は、各サービスに係る負担額の合計で計算する。



具体的な利用者負担
当初試算における案



平均的な利用者負担の例(当初試算)

モデル1:在宅でホームヘルプを利用する身体障害者。
ホームヘルパー(月平均8.4万円)


生活保護の者 0円
その他の者  8.4千円
 
平均負担率1.1% →5.9%
  ※ 居宅のホームヘルプサービスは、支援費移行前は平均負担率約4%

モデル2:グループホームで生活しつつ知的通所施設に通う知的障害者(グループホーム利用者の約2割)
グループホーム:月6.6万円、通所施設:月14.9万円(食費除く)/22日通所
  食費(通所)
現在の国の基準による場合
定率負担 負担合計額
生活保護 1.43万円(650円×22日) 0円 1.43万円+    0円=1.43万円
低所得1 1.43万円 1.5万円 1.43万円+ 1.5万円=2.93万円
低所得2 1.43万円 2.15万円 1.43万円+2.15万円=3.58万円
一般 1.43万円 2.15万円 1.43万円+2.15万円=3.58万円
平均負担率1% →食費(通所)+8.0%(対給付費)

モデル3:入所施設に入所する身体障害者・児
大人の施設の場合
 平均3.5万円(0円〜費用全額) →平均6.1万円(食費等込み)
児童(負担者は親)施設の場合 ※大人と比較して同所得での負担水準が低い
 平均1.1万円(0円〜費用全額) →平均6.1万円(食費等込み)



平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(1)
− 在宅(ホームヘルプ利用者のみ)−

平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(1)の図

(注) 利用者の世帯全体収入分布は把握できないため、利用者本人の収入を把握できる範囲で推計しており、世帯収入により推計した場合、マクロの負担率が変動する可能性がある。



平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(2)
− 通所施設利用者−

平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(2)の図

(注1) 現行は、身障・知的施設(通所授産施設の標準1区分・丙地単価)は15年7月現在、精神施設(通所授産施設の事業費)は15年4月現在の状況。
(注2) 精神施設の現行負担額については、施設との契約に基づき個々に負担額が決定されているため、施設利用料等の調査により額の幅を計上した。
(注3) 利用者の世帯全体収入分布は把握できないため、利用者本人の収入を把握できる範囲で推計しており、世帯収入により推計した場合、マクロの負担率が変動する可能性がある。



平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(3)
ー 入所施設利用者ー

 現行は、精神施設を除き、食費、光熱水費は給付対象となっている。
 見直し案は、食費(4.8万円)、光熱水費(1.0万円)を実費負担とした上で、低所得者に一定の補足給付を行う前提

平均的な利用者の負担の変化(当初試算)(3)の図

(注1) 現行は、身障(療護施設の標準1区分・丙地単価)・知的(更生施設の標準1区分・丙地単価)・障害児施設(知的障害児施設(60人定員:丙地)は15年7月現在、精神施設(生活訓練施設の事業費)は15年4月現在の状況。
(注2) 精神施設の現行負担額については、施設との契約に基づき個々に負担額が決定されているため、施設利用料等の調査により額の幅を計上した。
(注3) 利用者の世帯全体収入分布は把握できないため、利用者本人の収入を把握できる範囲で推計しており、世帯収入により推計した場合、マクロの負担率が変動する可能性がある。



障害福祉サービスの利用者負担の見直しに係る財政効果
(平成18年度給付費ベース)

現下の財政状況では、平成18年1月の実施が必要不可欠

18年4月に見直しを行った場合(総事業費は変動しない)
障害福祉サービスの利用者負担の見直しに係る財政効果の図
 ※ 端数処理で合計が合わないことがある。国庫ベースでは上記額を1/2にした額である。



見直しに係る論点と経過措置等



障害福祉サービスの利用者負担の見直しに伴う論点

 施設(通所・入所)における食費等の実費負担に係る経過措置等
 (食費等の実費負担は、今回の利用者負担見直しの財政影響の8割を占める)


(1) 施設(通所・入所)における食費等の実費負担の円滑な実施のための経過措置。

(2) 児童福祉施設の利用者等の負担について、現行負担水準(在宅サービスと同様の基準)が低いため、今回の実費の見直しで平均的な負担が1万円→6万円に変更されることに伴う円滑な実施のための経過措置。

(3) 利用者の実費負担の軽減を図るため、食事提供に係る規制緩和を進めるなど、食費に係るコストの効率化を図ること。(入所・通所等) 障害の状況から特に栄養管理等が必要な入所施設利用者については、平成18年度の新施設・事業体系の報酬設定(10月予定)の際に別途評価方法を検討する。

 個別の事情に応じた応益負担に係る減免措置

(1) 地域生活・入所施設を通じて、今回の利用者負担の見直しにより生活保護へ移行することのないよう、新制度における最終的な負担軽減措置の必要性。

(2) 現行年金水準(障害基礎年金2級)で、グループホーム、入所施設での生活が可能となるような、個別の対応の必要性。



支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)

支出の実態(一般家計、グループホーム、入所施設)の図

 その他生活費は、被服・履物、家具・家事用品、保健医療、交通・通信、教育、教育娯楽費、その他支出である



制度改正案に係る経過措置等の概要

 地域生活関係の経過措置
(1)通所施設の食費負担に係る減額(生保・低所得1が対象)
食費負担について、人件費相当分を給付する。(月額5千円程度(本来の負担の1/3程度)となる。)(施行後3年間)
(2)グループホームの応益負担に係る個別減免(低所得1、2が対象)
応益負担について、一定額以下の預貯金等しか有しない者であって、一定の基準で算出した生活費(施行時は障害基礎年金2級相当)と本人の収入とを比較して、応益負担が困難なものに対して、個別に減免。(施行後3年間とし、継続の必要性については実態調査に基づき再検討)

 入所施設関係の経過措置
(1)20才以上の入所者に対する負担の経過措置
食費負担について、食費や居住費以外の「その他生活費」として一定の額(18年〜2.5万円、21年〜2.1万円など)が残るようにした上で、収入の範囲内で食費等の実費を負担する。(段階的に見直し)
応益負担については、グループホームと同様の個別の減免を、同じ期間実施。
(2)20才未満の入所者に対する負担の経過措置
収入のない20才未満の者について、地域生活をしていれば通常かかる程度の費用(収入別の家計における平均的な一人あたり支出)の負担を親等に求める。(継続的に見直し)

 地域生活・入所施設を通じた個別の特別減額制度
応益負担について、上記の措置のほか、地域生活・入所施設を通じて、より低い月額負担上限を適用すれば生活保護を要しなくなる者について、個別の申請に基づく、特別の減額制度を設ける。



地域生活関係の経過措置(案)の概要
通所施設の食費負担(生保・低所得1を対象)の図 グループホーム利用者に係る 個別減免(低所得1、2を対象)の図



入所施設の経過措置等(案)の概要
20歳以上の入所者の負担構成の図 20歳未満の入所者の負担構成の図



特別減額制度(生活保護への移行防止)の概要
ー 地域生活、入所施設共通ー

 本来適用されるべき上限額を適用すれば生活保護を必要とするが、より低い上限額を適用すれば生活保護を必要としない状態になる者については、本来適用されるべき上限額より低い負担上限を適用。

月額上限24,600円
↓ より低い基準を適用
月額上限15,000円
↓ より低い基準を適用
月額上限    0円

 認定については、生活保護の収入、支出と同様の仕組みとする。



平均的な利用者負担の例(実施案 含む経過措置)

平均的な利用者負担の例の図



実施案による各事業平均(マクロ)の負担の変化

実施案による各事業平均(マクロ)の負担の変化の図
 制度改正後、段階的に食事提供等の効率化を進め、実費負担の軽減を図る。
 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。



(参考資料)

経過措置等の具体的内容



通所施設の食費負担の経過措置案(生保・低所得1を対象)

通所施設の食費負担の経過措置案(生保・低所得1を対象)の図
 入所施設・通所施設については、収入から一定額を控除した上で費用負担を求めているが、控除額が入所施設は月額2万円〜4.6万円であるのに対して、通所施設は月額13万円程度と高くなっており、実質的に通所施設の利用者の負担は、ほとんど生じなくなっている。



グループホーム利用者に係る個別減免

グループホーム利用者に係る個別減免の図



知的・精神グループホーム費用負担の状況(月額)
○知的
1人あたりの負担総額平均5.2万円のグラフ 1人あたりの食費平均2.4万円のグラフ

1人あたりの家賃平均1.9万円のグラフ 1人あたりの共益費平均1.1万円のグラフ
出典)(財)日本知的障害者福祉協会地域支援部会
「地域支援部会関係調査報告書2002」より

○精神
1人あたりの負担総額平均4.9万円のグラフ 1人あたりの食費平均1.8万円のグラフ
1人あたりの家賃平均2.4万円のグラフ 1人あたりの共益費平均0.8万円のグラフ
出典)精神保健福祉課調
 ※ 上記の他に、被服・履物等のその他生活費がある。(家計調査による最も低所得世帯であれば、月2.1万円)



入所施設(20歳以上)の食費負担等の経過措置案(生保、低所得Iを対象)

入所施設(20歳以上)の食費負担等の経過措置案(生保、低所得Iを対象)の図
 ※ 精神の社会復帰施設に係る利用者負担は、新施設・事業体系に移行したものについて適用され、5年間の経過期間中において、現行のままで存続する場合には、利用者負担の仕組みは現状のままである。



入所施設(20歳未満)の食費負担の経過措置等の案(全階層)

入所施設(20歳未満)の食費負担の経過措置等の案(全階層)の図



主な入所施設の費用負担の変化

身体障害者療護施設


 平均事業費

  約33.8万円

(食費、光熱水費、
日常生活費、
医療費除く)

食費=4.8万円

光熱水費=1万円
  区分
(構成割合)
現行 本人負担
(扶養義務者
負担有)
当初
試算
実施案(平成18年1月)
20〜59歳
(年金1級)、
60歳以上
20〜59歳
(年金1級以外)
18・19歳
生活保護(5.4%)
低所得I(15.6%)
0〜19,100
年金2級で4.7万円
残る
51,000 22,000〜38,000
+15,000
(個別減免)
22,000〜41,000
+15,000
(個別減免)
25,000
低所得II


(79%)
20,800

96,000
67,600 38,000〜58,000
+24,600
(個別減免)
41,000〜58,000
+24,600
(個別減免)
34,600
一般 91,800 91,800 91,800 68,800
全体加重平均 35,200 61,400 47,400
+応益負担
(個別減免)
49,900
+応益負担
(個別減免)
44,700
 
知的障害児施設


 平均事業費

  約18.6万円

(食費、光熱水費、
日常生活費、
医療費除く)

食費=4.8万円

光熱水費=1万円
  区分
(構成割合)
現行 当初
試算
実施案(平成18年10月)
20歳未満 20歳以上 18歳未満 18・19歳 20歳以上
生活保護
低所得I 0〜2,200 0〜19,100
51,000
21,000 25,000 22,000〜41,000
+15,000
(個別減免)
低所得II 20,800

50,000
61,600 24,600 28,600 41,000〜58,000
+18,600
(個別減免)
一般 4,500
〜全額
76,600 49,600 53,600 76,600
全体
加重平均
10,500 27,900 60,700 34,900 38,500 50,700
+応益負担
(個別減免)


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