04/11/24 独立行政法人評価委員会第13回医療・福祉部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第13回議事録 日時: 平成16年11月24日(水)10:00〜11:10 場所: 厚生労働省省議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、小林委員、岡田委員、川原委員、      宗林委員、橋本委員、山崎委員、山村委員 1,開会 〇岡田部会長  定刻になりましたので、ただ今から第13回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会を 開催させていただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しいなかをお集まりいただきまして本当にありが とうございます。きょうは、白石委員を除きまして、全員ご出席でございます。  なお、きょうは12時を終了時刻と予定しておりますが、その前に石井委員は11時45分 にはご退席をする所用がございますので、ご了解いただきたいと思います。  それでは、きょうの議事につきまして、まず事務局から簡単にご説明をいただきたい と思います。よろしくお願いいたします。 〇政策評価官  おはようございます。  本日の議題でございますが、まず議事の1で、「福祉医療機構の障害者スポーツ支援 基金の取崩しに係る中期目標改正(案)、中期計画改正(案)及び意見(案)について 」ということで、所管課と法人から説明のあったあと、ご審議をいただきたいと思いま す。具体的には、来年2月から長野県で開催される予定でございます2005年スペシャル オリンピックス冬季世界大会について、その開催経費の一部を助成するために、福祉医 療機構から障害者スポーツ支援基金の一部取崩しの申請がなされております。この申請 を厚生労働大臣が承認するにあたりまして、当独立行政法人評価委員会の意見を聞くと いうものでございます。  なお、この一部取崩しの仕組みは、去る11月10日に超党派の議員立法として成立いた しました独立行政法人福祉医療機構法の一部改正により、新設されたものでございます ので、その旨のご報告と、あわせましてこの法人の中期目標及び中期計画の改正が必要 となりますので、そのご審議をいただきたいと思います。  第2の議題は、「福祉医療機構の障害者スポーツ支援基金の取崩し及び労災年金担保 貸付事業の承継に係る評価の視点改正(案)について」でございます。これも、あわせ て所管課から説明のあったあと、ご審議をいただきたいと思います。  特に後者の労災年金担保貸付事業の関係でございますが、平成16年の4月1日付で労 働福祉事業団が独立行政法人労働者健康福祉機構、これは労働部会に所属する法人であ りますが、労働者健康福祉機構になったことに伴いまして、従来、労働福祉事業団が行 っておりました労災年金担保貸付事業が、平成16年度からは福祉医療機構に承継されて おります。今回は、来年の7月以降、16年度の業務実績の評価をお願いするにあたりま して、先ほどの障害者スポーツ支援基金の取崩しに係る評価の視点、それからただ今、 申し上げました承継事業であります労災年金担保貸付事業に係る評価の視点を追加して いただくというものでございます。  労災年金担保貸付事業は、今年度、既に実施しているものでございますが、今年度の 実績評価を行う前に評価の視点を改善していただきたいということであります。  その他の議題として、福祉医療機構の16年度の第2及び第3・四半期の長期借入金に ついて、法人からご説明をいただきたいと思います。  なお、その他の参考資料でございますが、前回、第12回の部会でご審議いただきまし た福祉医療機構、それからのぞみの園の平成15年度の業務実績の評価結果及び財務諸表 等の承認についての意見については、そのあと、部会長に最終確認をいただきまして、 8月24日付で当省の独立行政法人評価委員会の委員長名で関係者に通知がなされており ます。本日、改めて正式な部会資料として配布いたしました。参考資料1−1、参考資 料1−2、そして意見については1−3、1−4とおつけしておりますが、内容は既に ご承知のことだと思います。郵送でもお送りしているところでございますので、説明は 省略いたします。  本日の議事は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 2.議事 (1)福祉医療機構の障害者スポーツ支援基金の取崩しに係る中期目標改正(案)、中 期計画改正(案)及び意見(案)について 〇岡田部会長  ありがとうございました。それではきょうは、ご説明のとおり三つのテーマについて ご審議をお願いすることになります。まず第1は、福祉医療機構の障害者スポーツ支援 基金の取崩しにかかる中期目標改正(案)、そして中期計画改正(案)及び意見(案) のそれぞれ審議に入りたいと思います。それでは、所管課並びに法人から、その内容の ご説明を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 〇福祉基盤課長  所管の社会・援護局福祉基盤課長でございます。よろしくお願いいたします。それで は、資料番号の2−1から2−4までで、私どもと福祉医療機構から順次ご説明いたし ます。  まず、資料2−1をごらんいただきたいと思います。標題「独立行政法人福祉医療機 構法の一部改正等について」というものでございます。この内容については、冒頭、評 価官からご説明申し上げました。  1の「経緯」でございます。来年の2月にスペシャルオリンピックス、これは知的障 害の方のイベントでございますが、これの開催が長野県で予定されているということで ございます。総経費28億円程度が見込まれております。この経費の一部を助成するとい うことで、独法の福祉医療機構に設置しております障害者スポーツ基金の一部を取り崩 してこの助成に回すといった議員立法の法律案が、全会派一致で、先般、11月10日に可 決、成立したということでございます。  2の「改正の概要」でございます。ポイントだけ申し上げますと、障害者スポーツ振 興のため、特に必要と認められる活動について助成をする場合で、基金の運用状況にか んがみ、やむを得ないと認めるとき、これは後ほどご説明いたしますが、今は非常に運 用果実、利子が低うございまして、なかなかボリュームが出てこないといった状況がご ざいます。そういったときに、厚生労働大臣の承認というプロセスを経てこの基金の一 部を取り崩し、その額を助成に充てることができる、といった法案内容でございます。  3の「基金活用の考え方」でございます。アの取崩し額でございます。これは、一つ はスペシャルオリンピックスの大会への助成ということでございますが、当然ながら民 間からの助成というものが一つ、コアになります。それから地元の長野県、長野市から も助成をするという方向でございまして、そういったバランスの中で額を考えていくと いうことでございます。  もう一つは、スペシャルオリンピックス自体は知的障害の方の大会でございますが、 その他の障害の方、身体障害の方等への助成のバランスということもございまして、一 定の助成をしていこうということでございます。  イは、基本的にはこの事業はファンドの利子開発によって運用していくということで ございますので、取崩しは基本的に今回1回限りとする、という考え方でございます。  4の「基金取崩しの手続」でございます。機構からの申請を受けまして、まさに独法 評価委員会でご意見を伺い、それも踏まえて財務大臣に協議し、最終的には厚生労働大 臣が承認するという手続が定められております。  参考資料について簡単にご紹介申し上げます。2ページの参考1、スペシャルオリン ピックスの概要でございます。上から三つ目の〇で、このスペシャルオリンピックス自 体、アメリカの故ケネディ大統領の妹さんの提唱によって始まったという歴史的な沿革 をもっております。  5番目の大会規模は、参加国数は80か国、総数1万3,000人余ということで、非常に 大規模な大会でございます。  3ページの参考2、障害者スポーツ支援基金でございます。これは1の趣旨にも書い てありますが、独法の福祉医療機構に平成10年に設置したもので、政府出資金300億を ファンドにしております。  3の助成の直近の状況は、16年度は90事業への助成を予定しておりまして、総額3億 円弱。運用果実を基本にするものですから、直近の運用状況を踏まえてこの程度のボリ ュームになっております。  4ページ、参考3、これが条文でございます。条文の内容の概要は先ほどご説明した とおりで、ポイントのところに線を引いてございます。  なお、その手続についても法律で定められておりまして、附則第11条2項になります が厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない、同じく附則第 11条3項目では財務大臣に協議しなければならない、こういった手順についても法定化 されております。  5ページは、議員立法の際に衆議院厚生労働委員長からこの法案の提案理由の説明が 行われたときの文章でございます。前半は、スペシャルオリンピックスへの助成の趣旨 が書かれております。第1、第2というのが、法案の内容の概要でございます。後段の なお書き以下は、具体的な取崩し額は、公正かつ透明な手続を経たうえで決まるもの、 そしてスペシャルオリンピックスに対する民間からの寄付とか地元自治体の支援との均 衡等を考慮した額にする、それから、他の障害者スポーツ大会に対する選手派遣等のた めに真に必要な助成も行う、といった趣旨が述べられております。最後にまた書きのと ころは、取崩しは基本的に今回1回限りのものになると考えております、ということが 提案理由の中で盛り込まれております。  6ページの参考4でございます。こういったファンドの取崩しは、当初、想定してい なかったものですから、今回、必要な手続についても省令レベルでございますが、あわ せて改正を行っております。  ポイントだけ申し上げますと、2の「内容」の前段では、機構が取崩しの申請を行う 際の手続、内容を定めた省令でございます。  後段は、スペシャルオリンピックスは来年2月開催ということで、今回取り崩してそ のままで長野のNPOに助成することを予定しておりますが、その他の障害者スポーツ の支援はここ何年かの事業について助成していくということで、今回、1回限りという ことで取崩しを行っておきまして、それを障害者スポーツ支援事業特別準備金といった 費目でそのお金を留保して、今後、必要な都度に応じて団体に助成していく、そういっ た仕組みにしようと思っております。それに伴う必要な会計処理上の省令改正を行って おります。  以上が、今回の法案の概要等でございます。  続きまして、資料2−2、資料2−3については、具体的なスペシャルオリンピック ス等への助成の額、それから機構からの申請書でございますが、これは独法からご説明 いたします。 〇岡田部会長  それでは、法人からのご説明を頂戴したいと思います。 〇福祉医療機構基金事業部長  基金事業部長の長門でございます。私からは、今回の法改正を踏まえまして具体的に 取崩しによって助成を行いたいと考えております助成事業の内容についてご説明いたし ます。その後、資料2−3に基づきまして基金の管理・運用を行っております経理部長 から取崩しの申請の内容についてご説明いたします。  資料2−2をごらんいただきたいと思います。今回、助成の対象にいたしたいと考え ております事業は、先ほどの法律制定の際の提案理由等を踏まえまして、大きく二つの 事業を考えております。  1ページでございますが、一つは、スペシャルオリンピックス冬季世界大会への助成 でございます。助成先としては、同事業の実施主体となりますNPO法人、2005年スペ シャルオリンピックス冬季世界大会長野、通称SONAと称しておりますが、同法人に 対して助成を行いたいと考えております。  助成額は8億円を予定いたしております。この金額は、世界大会全体で28億円の事業 費が見込まれておりますが、このうち12億円は民間寄付により賄うことが見込まれてお り、また、残りの費用もおよそ8億円を地元長野県・市で負担されることについて、 今、検討がされております。このようなこととの均衡を考慮したうえで、事業に必要な 費用を見込みましたところ、表の左の欄の競技運営費8億100万円について、団体の自 己負担を除いた額の8億円を助成することといたしたいと考えます。  2ページでございますが、もう一つの助成対象事業でございます。こちらは、先ほど の福祉基盤課長のご説明にもありましたが、知的障害者を対象とした今回の冬季世界大 会に特例的な助成を行うこととの均衡を考慮して、他の障害種別における同様の国際大 会、この場合は海外への派遣経費となりますが、これについては、一部、選手強化経費 を含めて助成することとしたいと考えております。  なお、この場合の助成対象は、国際大会について特例的な助成を行うことは、その社 会的な影響の大きさ等から一定の範囲で認容されるといたしましても、他の地域におけ る草の根レベルの障害者スポーツの支援事業等との均衡を考慮する必要もあることか ら、対象を限って助成いたしたいと考えております。  具体的には、助成先は財団法人日本障害者スポーツ協会を想定いたしております。こ れは、同協会が障害者基本計画において障害者スポーツ振興の中心的な団体と位置づけ られており、過去においても国際的な大会の実施にあたって窓口団体として実績をおさ めていることによるものでございます。  具体的な助成額は5.1億円を予定しておりますが、その内訳はこの表に示すとおりで ございます。  これらはいずれも知的障害者のスペシャルオリンピックスと並び称せられる国際的な 代表的な大会で、その内容は身体障害者スポーツの最高位に位置づけられるパラリンピ ックの世界大会、聴覚障害者におけるパラリンピックに相当しますデフリンピック、こ れらの大会に出場するための前提となりますIPC、国際パラリンピック委員会が行い ます世界選手権大会等の代表的な大会を助成するものであります。  私からは以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。それでは、どうぞ。 〇福祉医療機構経理部長  経理部長の伊藤でございます。  基金の一部取崩しについて、独立行政法人福祉医療機構の業務運営並びに財務及び会 計に関する省令附則第4条の掲げる事項に基づいて記載のうえ、11月17日に申請をいた しました。  内容については、次ページに1から6まで書いてあります。  1については、先ほどお話がありましたので省略いたします。  2の取り崩す金額は12億9,000万円でございます。なお、助成額は全体で13.1億円を 予定しておりまして、このほかに運用益から900万円、債券の売却益1,100万円余を予定 しておりまして、トータル13億1,000万円でございます。  3、取り崩した資金の使途は、先ほどお話しがありましたとおりでございます。  4、取崩しの方法は、助成時期が複数年にまたがることもございまして、いったん基 金を取り崩した額を障害者スポーツ支援事業特別準備金に計上いたします。その後、必 要なつど、準備金から戻入しまして、障害者スポーツ支援事業特別助成金として助成す ることを予定しております。  取崩しの方法は、この部会を経まして取崩しの大臣承認を得たあと、すみやかに行う ことを予定しております。  その他、必要な事項でございますが、(1)は、先ほどお話がありましたように、16 年度にスペシャルオリンピックス8億円、その他17年度以降に5.1億円を予定しておりま す。  (2)は、これも先ほどお話がありましたように、取崩しは今回限りということを記 載いたしております。  (3)には、14年度から16年度の事業の助成金額を書いております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇福祉基盤課長  引き続きまして福祉基盤課でございますが、資料2−4をご説明申し上げます。中身 は、中期目標、中期計画一部変更(案)ということでございます。  独法の運営については、厚生労働大臣が中期目標を定めまして、それに基づいて対象 独法それぞれが中期計画を作成し、運営するという仕組みでございます。今般、一連の 議員立法、それに基づく取崩し等があるために、これの一部改正をする必要があるとい うことでございます。  具体的には、1ページの第3の3、長寿・子育て・障害者基金事業というのがござい ます。ここは、改正部分にゴシックで下線を引いてございます。原文は、ファンドの運 用益を用いていろいろな助成を行っていくということでございますが、今回、取崩しに よる利益も用いますので、カッコ書きで、今回の法改正に基づく取崩しの利益を入れ る。いわば条文上の形式改正に類するたぐいの話であります。それに基づいて、機構の 中期計画も同様の改正を行うというのが1点目でございます。  2ページは、中段にゴシックでアンダーラインつきのものがございますが、今回の議 員立法による助成は、当然の話でございますがこの改正の制定趣旨を踏まえていただく ということであります。具体的には、障害者スポーツ国際大会、これはスペシャルオリ ンピックスということになります。それから選手派遣、選手強化、これは他の障害の国 際大会に関することでございます。今回の取崩しによる助成は、こういったことに使っ てくださいということでございます。  右側は、同様の趣旨で中期計画の修正も行うというものでございます。  あとは細かい点になりますが、5ページ、予算関係でございます。これも中ほどにゴ シック、アンダーラインをつけてございますが、先ほど申し上げましたようにその他の 障害者スポーツへの支援は、今回、いったん取り崩しまして、それを準備金としてキー プして、随時助成を行うこととしておりますので、それに伴いまして収入、支出等々、 必要な予算費目上の項目を入れる、それに伴う予算上の金額を入れる、という内容でご ざいます。  以上が中期目標、中期計画の修正案でございます。  私どもと機構の説明は以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。担当課におかれましては、きょうのためにそれぞれの委員 にも事前にできるだけ資料を提供し、ご説明できたらしておきたいというお話でござい ましたので、そういった意味での予備知識もおもちの方が多いと思いますが、以上の説 明につきましてご審議をお願いしたいので、ご発言がありましたらお願いしたいと思い ます。 〇橋本委員  この件につきまして、私は賛成でございます。既に文書でも賛成というふうに意思表 示したところでございますが、二つご質問したいと思います。  一つは、なんで今ごろという感じでございます。来年の2月開催ということでござい ますから、日本が引き受けることにつきましても資金計画があったのだろうと思いま す。どたばたと今ごろというのはなぜだろうか、というのが1点です。  もう一つは、基金の取崩しは今回1回とおっしゃっておられますけども、本当に大丈 夫でございましょうかということ。それは、一つ、この件を聞きましたときに思いまし たのは、数年前に長野で冬季オリンピックがあったあとにパラリンピックがあって、大 成功いたしました。あれから国民の障害者スポーツに対する関心も非常に高まって、よ い企画だったと思いますけども、もしおわかりでございましたら、あのときの資金計画 はどうやっていたのだろうか。今後、そういう意味で障害者スポーツを振興させるため に同じようなことがたびたびあっていいと思いますので、その辺の見通しはどうなので ございましょうかという質問でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか、どうぞ、課長さん。 〇福祉基盤課長  まず前者、「なんで今ごろ」という、ご質問についてですが、1点目は、そもそもこ ういった取崩しを行って助成するというのは、当初の独法個別法上、想定してございま せんので、法律改正が必要でありました。したがいまして、まさに超党派の国会議員の 方がたによる議員立法がなされたわけでございますが、実はこの議員立法自体はこの前 の通常国会の5月、6月ぐらいからそういう動きが出まして、国会への提出もたしか6 月初旬ぐらいには出ておりました。ところが、所管の厚生労働委員会が年金の法案の関 係からなかなかご審議ということにまいらなかったという事情がございます。  今回、臨時国会において、まさに先生がおっしゃいますように2月の開催に向けて早 急な対応が必要ということで国会運営がなされて、衆議院も参議院も最優先で立法がな されたと聞いております。  したがいまして、本来ですと、この評価委員会はもうちょっと時間的に余裕をもって 開催すべきかと思いますが、当然ながら国会あるいは関係方面から法案成立後、すみや かな助成、円滑な資金交付をすべしというご要請もございまして、各先生には大変申し 訳ない話でございますが、急遽、きょう、この会議をお開きいただいたという事情がご ざいます。  2点目の長野で行いましたパラリンピックとの状況比較については、障害部からご説 明いたします。 〇岡田部会長  ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。 〇社会参加推進室長  社会参加推進室の江波戸でございます。1回限りで、これからはないかという先生の ご質問、そしてその前に、パラリンピック大会の状況はどうかというお話がございまし た。  さまざまな国際スポーツ大会がございますが、一般的には、パラリンピックがそうで ありますように、自治体が引き受けるという形が多うございます。その際、自治体が引 き受けるわけでございますから、長野の例で申しますと長野県とか長野市、それから開 催市町村がほとんど補助金という形で経費をもつ形になっております。  例えば、ちょっと古うございますが、フェスピック神戸大会という大会がございまし たが、これも神戸が引き受けるという形になりますので、そういう意味では自治体のほ うがきちんと責任をもつという形で開かれるのが障害者スポーツ大会の常とお考えをい ただければと思います。今回のスペシャルについては民間が誘致したといいますかそう いうことから、多少、今、基盤課長が申し上げたような状況になったところもあるわけ でございます。  そして、これからということでございますが、私ども、障害者スポーツを進めるうえ で、今回の民間が引き受けるような形もございますが、国際的なスポーツ大会は自治体 にしっかり絡んでいただいてということを私どもは基本に考えていきたいと思いますの で、そういう意味で自治体からの支援をきちんと求めることができれば、1回限りとい うことで、これから先は大丈夫ではないかと考えておるところでございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。橋本委員、よろしゅうございますか。ご質問いただきまし て、我々も理解を深めることができまして、ありがとうございました。  そのほかに、ご質問。 〇遠藤委員  今回の件につきましては、金額あるいは用途からいきましても、あるいは無制約な取 崩しが行われないようなさまざまな処置が与えられているということで、賛成でありま す。ただ、それに付随しまして私も二つほどお伺いしたいのです。  一つは、障害者スポーツ支援基金を取り崩すことによって、大体4%ぐらいを取り崩 す形になると思うのですが、それによって、当然、運用原資が減ってくるわけでありま すので、ずうっとこれまで行ってきた助成額が減るということを前提としてお考えにな っているのかどうかということです。  もう一つは、先ほど、基金の運用として債券を売却するというお話でしたが、基金で あるとか、あるいは今度は準備金にするというお話もありますが、基金であるとか準備 金の運用上、どういうことをやっているのか、あるいはやっていいものとやっていけな いものをどのような基準で決めておられるのか、その辺をお聞きしたいと思います。以 上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇福祉医療機構経理部長  お答えします。  まず一つ目の質問で、今後、取崩しによってどのくらいの影響があるかということで すが、今回、12億9,000万円を取り崩すことによりまして、中期計画期間中の影響は 7,700万円の運用益の減少を考えております。これは運用利率を1.8%で考えておりまし て、これくらいの額が減少するだろうということでございます。  基金の運用の話なのですが、これについては国の出資金でございますので、安全・確 実なものをということで法律に定められておりまして、国債、地方債、政府保証債、そ の他、財投機関債とか、安全なもので運用することになっておりまして、現在では、例 えばこの300億円については、地方債が1/3、財投預託で1/3、電力債とかそういう 事業債が約20%、この三つで9割を占めておりまして、その他、政保債とか財投機関債 で運用しております。  以上でございます。 〇岡田部会長  そういたしますと、今後、助成事業も当然、その分だけ縮小されることになるのでし ょうか。遠藤委員がご質問になった点の一つなのですが。 〇福祉医療機構基金事業部長  助成事業は、ここ数年は大体三億数千万の助成規模で行っておりますが、今回、原資 が減ることに伴う運用益の減が、もちろんこれから売却されます債券の内容によっても 変わりますので、数字が動く可能性がございますが、単年度では約2,200〜2,300万円が 見込まれております。ですから、その分は事業費が縮小することになろうかと思います が、他方で、先ほどご説明いたしました他の障害種別の国際大会についても、従来、額 は異なりますが、なにがしかの助成を行っておりましたので、少なくとも向こう3年間 は、そうした事業が別途の財源で助成されることに伴い財源に余裕が出てくる部分もあ ろうかと思いますので、おおむね現在の助成水準は維持できるのではないかと思ってお ります。  また、現在、運用環境は金利がやや上昇基調にあり、これはもちろん市場の動向によ りますので一概に申し上げられませんが、全体的には上昇基調にありますので、そうい うことで運用益の増が見込めれば、その分、回復は可能かと考えております。 〇岡田部会長  ありがとうございました。遠藤先生、そういうご説明でございますが、よろしゅうご ざいますか。 〇遠藤委員  はい。 〇岡田部会長  そのほか、ご質問あるいはご意見がございましたら頂戴したいのですが。  それでは、事前にご説明もいただいていると思いますし、資料の提供もございました ので、大体内容についてはおわかりいただけたということから、今のご意見などを踏ま えましても特に原案に対する変更部分はなさそうでございますが、このような形で決め させていただいてよろしいでしょうか。  (「はい」の声あり)  ありがとうございました。それでは、本件に関する当部会の意見としましては、ま ず、資料1−1の取崩しに係る意見書(案)については、原案のとおり、正式な意見書 として厚生労働大臣に提出することにしたいと思います。  資料2−4の中期目標改正(案)及び中期計画改正(案)についても、原案のとお り、厚生労働大臣の策定または認可に向けた手続を進めていただくこととしたいと思い ます。  なお、今後、細かな字句等の修正が必要になった場合、その対応については私にご一 任いただきますようにお願いしたいのでございますが、いかがでございましょうか。  (「はい」の声あり)  ありがとうございました。それでは、そのような取り扱いにさせていただくことでご 了承いただきたいと思います。ありがとうございました。  なお、本件の取崩しに係る意見並びに中期目標改正及び中期計画改正に係る意見につ いては、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規定第3条の規定に基づきまして、当 部会の意見が評価委員会の意見となることをご了承いただきたいと思います。よろしゅ うございますか。  (「結構です」の声あり)  ありがとうございました。  それでは、第1の議題につきましては以上で終了させていただきます。 (2)福祉医療機構の障害者スポーツ支援基金の取崩し及び労災年金担保貸付事業の承 継に係る評価の視点改正(案)について 〇岡田部会長  次に、福祉医療機構の障害者スポーツ支援基金の取崩し及び労災年金担保貸付事業の 承継に係る評価の視点改正(案)につきまして、ご審議をいただきたいと思います。そ のことにつきまして、まず所管課からのご説明を頂戴したいと思います。よろしくお願 いいたします。 〇福祉基盤課長  それでは、今、ご審議、ご了承いただきました障害者スポーツ支援基金の取崩しに伴 う評価の視点ということでご説明いたします。資料2−5でございます。  1ページ、2ページと見開きになっておりますが、本来、1枚の紙として左側に中期 目標、中期計画、それを受けまして機構が策定し届け出ます16年度計画ということにな ります。そのうえで、当委員会でのご評価いただく視点ということになります。先ほど ご説明、ご了承いただきました中期目標、中期計画の改正に伴いまして、それと平仄を 合わせる意味で16年度計画も機構のほうで修正ということになります。  評価いただく視点でございますが、2ページの下のほうでございます。先ほどご説明 いたしましたように、今回の取崩しについては、議員立法の趣旨を踏まえたスペシャル オリンピックス及びその他の障害者の国際大会への助成ということで機構で実行、実施 をしていただくということでございますので、そういった観点から「障害者スポーツの 振興のために特に必要と認められる活動に対し特に必要な助成が行われているか」、ま さにそういう視点でのご評価をお願いするものでございます。  以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。では、もう一つのほうをご説明いただきます。 〇労災保険業務室長補佐  労災保険業務室の山口と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、 「労災年金担保貸付事業の承継に係る評価の視点改正(案)」についてご説明いたしま す。  まず、労災年金担保貸付事業の概要については、昨年の12月に開催されました部会に おいて既に説明済みではございますが、ご参考までに、ごく簡単にご説明いたします。 労災年金担保貸付事業は、56年11月に制度が創設されております。労災保険として、不 幸にして労働災害をこうむり労働者が亡くなった場合に、ご遺族の方に支給する遺族補 償年金、また、災害によりまして重度の後遺障害が残ったことによる障害補償年金、さ らには、災害後1年半経過した時点において未だ治療の必要があり、その症状が非常に 重い場合に支給する傷病補償年金、それら三つの年金受給者を対象として、当座の資金 が必要な場合に、労災年金受給権を担保として資金を融資する事業でございます。  現在、労災年金受給者は約22万1,000人で、当貸付事業を利用している者は、平成15 年度の実績で新規貸付者は約3,000人、貸付総額は約50億円、1人当たりの平均貸付額 は約170万円となっており、利用率は全体の中で約1.3%という状況でございます。  会議の冒頭にもご案内がございましたとおり、労災年金担保貸付事業は平成15年度ま で特殊法人の労働福祉事業団において実施されてまいりましたが、特殊法人整理合理化 計画によりまして平成16年度から独立行政法人医療福祉機構へ事業移管されまして、初 めて福祉医療機構の中で事業実施に係る評価を受けるということでございます。どうぞ よろしくお願いいたします。  それでは、早速、本題に入りますが、資料2−6によりまして説明いたします。  まず、労災年金担保貸付事業の評価視点については、現在、福祉医療機構で行われて おります年金担保貸付事業とほとんど共通しております。そういう意味では、年金担保 貸付事業と同じ視点からご評価いただくことになろうかと思っております。資料は、3 ページから6ページまで、年金担保貸付事業の評価視点をおつけしてございます。  労災年金担保貸付事業の具体的な評価視点でございますが、1ページと2ページをご らんいただきたいと思います。ここでは、法人全体の業務改善として、中期目標、中期 計画を受けて16年度の計画ということで、2ページの(9)に、労災年金担保貸付事業 に係る一般管理費及び業務経費については、円滑な業務移管に配慮しつつ節約に努める こととしており、これに対応する評価の視点案は、業務移管された16年度の一般管理費 及び業務経費が適正に執行され、節約されているか。また、17年度の予算が中期計画で 掲げられておりますとおり、節約が考慮されているか。具体的には、平成19年度までの 間に9%の節約が達成されているかということでございます。  次に関係するところは7ページと8ページで、業務運営の効率化に関する目標達成と いうことでございます。8ページに16年度計画の(1)として、業務運営コストを分析 し、適切なる貸付金利の見直しをすることによりまして、これに対応する評価の視点案 としては、業務運営に係るところの事務費、所要経費を十分精査、分析され、これが適 切に金利に反映されているか、というところでございます。これは、年金担保貸付とほ ぼ同様でございます。  続きまして9ページと10ページでは、業務の質の向上に係る取り組みとして、貸付事 業が利用者に対して適切に周知されているか、利用にあたる便宜の向上として、資金交 付回数の増加とか事務処理の短縮を図ることになっておりますが、これに対する評価の 視点としては、同様に利用者に対して制度周知が適切に行われているか、金融機関窓口 の対応が適切であるかということで、その手法は具体的にどのようなことによって行わ れて、妥当であるかどうかということでございます。  また、事務処理の効率化としては、申込から貸付までの所要日数の短縮が図られたか どうか。その取り組みとして電算システムの導入を行うことになっておりますが、その 状況はどうかというところが視点案となっております。  以上、はなはだ簡単ではございますが、説明を終わります。どうぞよろしくお願いい たします。 〇岡田部会長  ありがとうございました。今、労災年金担保貸付事業制度にかかわるご説明を頂戴い たしました。その内容的なものは通常の年金担保貸付事業とほぼ同様だというご説明で ございましたので、その内容についてのあれはあまりないのかもしれませんが、大変重 要な事業だと思いますので、ぜひご意見あるいはご質問を頂戴したいと思いますが、い かがでしょうか。  それでは、まず先に障害者スポーツの振興のために必要と認められる活動に対して、 特に必要な助成が行われているか否かということを冒頭に指摘していただきましたの で、こちらについてはどうでしょうか。こういう視点で適正であるか否か、障害者スポ ーツ支援基金の取崩しに係る評価の視点でございますが、そちらはよろしゅうございま すか。 〇小林部会長代理  わからないのでお聞きしますが、議事の2のこれはどういう結びつきがあるのです か。いわゆる福祉医療機構の障害者スポーツ云々と労災年金担保貸付事業。すみませ ん、初歩的なことで。 〇政策評価官  福祉医療機構の基金の取崩しと労災の担保貸付事業、この二つは全く別の事業であり ますが、いずれも評価の視点の見直しということでございますので、あわせてご審議を いただくということでございます。 〇小林部会長代理  どうもありがとうございました。 〇岡田部会長  ご意見、ご質問はございませんか。よろしいでしょうか。少しお時間をお使いいただ いてお読みいただいたほうがいいかもしれませんので、しばらくお待ちしたいと思いま すが。  障害者スポーツのほうの評価の視点というのは、非常に抽象的、あるいは目的も非常 に簡単に表現してありますので、あまり異論もないかもしれません。むしろ労災年金担 保貸付のほうが、初めてのことですし、非常にいろいろな視点をもっておられるようで すので、理解するまで時間が必要かもしれません。評価の視点の最後のところにありま す所要期間の短縮という問題は中期目標として設定をしてありますが、だんだんこれは 厳しい条件になりますね。短縮すればするほど、もうそれ以上は短縮できなくなるとい う状況にいくわけですが、そういうことからみて、こういう表現がいつまでも有効なの かどうか、どのようにお考えでしょうか。 〇福祉医療機構企画指導部長  それは、機構から補足で説明させていただきます。中期目標で期間中に短縮をはかる ということで、電算システムが関係しますと変更までにある程度期間を要することとな ります。したがいまして、毎年毎年縮めていくということはなかなか難しいのかなと考 えております。ただ、準備を徐々にして、中期計画の期間にある程度の短縮をはかると いうようなことで視点をつくり、また、そういう点で評価していただければと思ってお ります。 〇岡田部会長  ありがとうございました。 〇石井委員  私も、非常に基本的なことですみません。労災年金の受給者というのは、どういう方 なのかよくわからないのです。公的年金の受給者という年金貸付のほうはわかりやすい のですが、労災年金の受給者というのは具体的にどんな方がいらっしゃるのか。 〇労災保険業務室長補佐  まず、労働災害によりまして労働者の方が亡くなった場合に、労災保険からご遺族に 対して遺族補償年金が支給されます。その遺族補償年金を受給されている方。それか ら、労働災害によりまして後遺障害が残った場合に、その後遺症が非常に重度な場合に は障害補償年金ということで支給されます。最後に、労働災害を受けまして、当然、治 療するわけなのですが、その症状が非常に重症で、1年と6か月経過した段階でかなり 重症な状態になる場合には年金を支給することになっております。その方を対象に、当 座の資金が必要な場合に貸付を行うというものでございます。 〇石井委員  そして、貸付の対象事由が三つぐらい挙がっていたのですが、それをもう一回、すみ ません。一番最初のときに、こういう場合は貸し付けます、こういう場合には貸し付け ます、というお話があったかと思うのですが。 〇労災保険業務室長補佐  貸付を行う理由といいますか利用目的に制限があるのかというと、それについては特 に問わないのですが、当座の生活資金あるいは医療資金とか、住宅の修繕とかそういっ たもので、特にどういうものに利用されるのかというのはあえて問うてはおりません。 〇岡田部会長  この労災年金と通常いわれているものは、普通の年金よりも額は上位に設定されてい るのですか。例えば私どもがよくわかっているのは、予防接種被害の年金などはかなり 通常の年金よりも高い年金額を支給することになっていますが、労災の場合はそのレベ ルはどんな状況なのでしょうか。 〇労災保険業務室長補佐  労災の支給にあたりましては、労働災害を受けたときの1日当たりの平均賃金を出し まして、それで症状とか、例えばご遺族の方の人数とか、そういったことで日数を出し ておるわけです。ですから、一般的には他の年金等と比べますと高いということはいえ ると思います。 〇岡田部会長  ありがとうございました。ちょっと余分なことを伺ったかもしれません。何かほかに ご質問は。 〇山崎委員  先ほどの障害者スポーツのことなのですが、カッコ書きがついていまして、「スポー ツ国際大会の開催及び選手派遣」というところで、「選手強化に関する活動を含む」 と、これは「国際大会の開催及び選手派遣」ということと「選手強化に関する活動」と いうのはかなり幅が広がるのではないかと思ったのですが、その判断といいますか、何 かこの場合に少し考えましょうという趣旨でカッコ書きをしていらっしゃるのか。それ から、横にそれを見ますと、障害者スポーツの振興のために特に必要と認められた活動 に対して特に必要な助成が行われているか、という評価の視点、これが絡んでこういう カッコ書きになっているのでしょうか。  国際大会の開催とか選手派遣というのは、ある意味では目標になるので、それを助成 されたいというご趣旨なのか、障害者スポーツ振興のために特に必要と認められる活動 に対して特に必要な助成が行われるのかという点と、この辺のご説明がなかったので、 初歩的な質問で申し訳ないのですが。 〇福祉医療機構基金事業部長  私が先ほど資料2−1をご説明したときに、若干説明が足りなかったかと思います が、選手強化経費を含むといたしておりますのは、今回の特例的な助成を行います場合 には、そもそもスペシャルオリンピックス世界大会を我が国で開催することが始まりで ございましたが、それとの均衡で国際大会の選手派遣を対象とすることとしました。国 際大会の選手派遣については、先般のアテネパラリンピックが終わりました後も、その ようなご指摘をいくつかいただきましたが、大会派遣だけではなく、そこに至る選手強 化、トレーニングの過程の負担が非常に重くなってきております。競技性があるスポー ツについては、むしろ選手の育成過程での支援が非常に重要になってきている、そうい うご指摘等が最近、よくございます。  そうしたことも踏まえまして、今回、資料2−2の2ページの表に掲げておりますよ うな大会への選手派遣について、これら大会へ派遣される選手の方に関わる強化合宿等 の選手強化経費については、それも含めて選手派遣の経費をとらえるということでカッ コ書きをつけて対象といたしております。  それから評価の視点で、障害者スポーツの振興のために特に必要なものというのは、 今回、こうした国際的な取り組みに着目して特に必要な事業として位置づけようとして おりますが、これは、先ほどの説明でも若干申し上げましたが、障害者スポーツだけに 限らず、先般のアテネオリンピックをみましてもそうでございますが、国際的な大会の 開催が一つの大きな契機となって、そのスポーツに関する国民の理解が進む、あるいは 関係者の参加に向けての動機づけが強くなされるということがございまして、これを特 に必要な活動と位置づけようとしたものでございます。  そのうえで、通常の助成に対して特に特例的な助成を行うということで、特に必要な 助成を行えたか、そういう視点を入れておるということでございます。 〇岡田部会長  よろしゅうございますか。ありがとうございました。  そのほか、どうぞ。 〇遠藤委員  この労災の貸付ですが、8ページに利率の設定方式が適正かどうかというのも評価項 目になっていますが、基本的なところで私もよく理解していないところがあるので、お 聞かせいただきたいのですが、年金担保の貸付の場合は、たまたまきょう、参考1とい うのが配布されておりますが、その52ページに、年金担保の利率の設定の仕組みについ て、自己評定のところに詳しく書いてあるのでわかるのですが、同じような考え方を労 災年金担保貸付でもとろうと考えてよろしいのでしょうか。  ということは、何を申し上げたいかといいますと、先ほどのお話にもありましたよう に、借りるほうは労災年金のほうがお気の毒な状況にあるように理解をするのですが、 それはもしかしたら間違いかもしれませんが。つまり、ここで金利の設定方式に多少差 をつけるのかどうか、何かお考えがあるのかどうか、お聞きできればということです。 〇福祉医療機構企画指導部長  まず、現状の利率についていいますと、年金担保貸付は現在、年1.4%。労災年金担 保貸付は0.6%となっています。  なぜこの差がついているかといいますと、貸付にあたっての調達資金が、年金担保貸 付は財政融資の借入資金なりあるいは機関債を発行した自己調達ということで、資金調 達自体に借入コストがかかっております。それに対して労災年金担保貸付はその原資が 政府出資金ということで、そこはコストがかかっていないというのが基本的な差になっ ています。そういう中で労災年金担保貸付は現在、0.6%という貸付利率をとっており ますが、基本的な考えは年金担保貸付と同じでございます。今のところ、機構では貸付 にあたって代理店の金融機関を使いますので、それへの委託手数料、あるいは電算処理 の手数料など、そういう受給者に負担していただいてもいいような部分については金利 にオンコストをする、これは年金担保貸付と同じでございます。ただ、金利差はそうい う形でついておるということでございます。 〇遠藤委員  わかりました。これだけ大きな金利差があるとは思いませんでした。ありがとうござ いました。 〇岡田部会長  ありがとうございました。大石先生、どうぞ。 〇大石委員  資料2−6の1ページの右側の8番の、中期目標の期間の最初の事業年度において、 平成14年度と比べて13%程度の節減とか、そのあと、16年度と比べて9%程度の節減額 を見込んだ中期計画と書かれてあるのですが、私もあまりよくわからないので、初歩的 な細かいことで失礼なのですが、実際には具体的にどのようなところでどのように節減 がなされるのでしょうか。 〇岡田部会長  どうでしょう、おわかりいただけますか。 〇大石委員  14%というとかなり大きいと思うのですけれど、具体的には何を減らすとこんなに減 るのでしょうか。 〇福祉医療機構経理部長  例えば一般管理費を削減するということなのですが、それは人件費を含みますし、い ろいろな消耗品とか電算のシステムの経費とか、あらゆるものを含んだものについて9 %削減するということでございます。 〇大石委員  人件費ということは、給料を下げるか人員を減らすかということになるのでしょう か。 〇福祉医療機構経理部長  人件費に限っていえばそういうことになります。しかしながら、全部人件費ではなく て、いろいろな管理費から削減しても、トータル的に9%削減すればいいということに なっております。 〇大石委員  かなり大変なことではないかと思うものですから、具体的にお聞きしたかったのです が。 〇岡田部会長  よろしゅうございますか。何かこれに伴うことで、これは必ずしもこれだけの問題で はなくて、あちこちでこういう数字が使われていますが、現実味のある数字なのかどう かということを懸念しておられると思いますが、そのあたりについてもしご見解があり ましたら述べていただければと思いますが。 〇福祉基盤課長  運営費の節減というものは、まさに労災の部分だけではありませんし、福祉医療機構 だけの問題ではなくて、政府全体として運営経費を一定の目標、たぶん数字も同じぐら いの目標がノルマ的にかかって、それに個々の特殊事情を勘案するとかそういうのはあ ると思いますが、基本的には政府全体として、特殊法人が独法になったわけですが、引 き続き現下の政府全体の財政状況のもとで極力経費節減に努めるべしということで、各 法人もそれに向けてできるだけの汗をかこうと、このようにご理解いただけたらと思い ます。 〇岡田部会長  ありがとうございました。本当に大石先生のご指摘は、みんな委員にとっても重くの しかかっているのですね。それが、はたしてちゃんと積み上げてそういう数字になった のか、一方的に押しつけられてしまっていて、かなり無理なことを目標として掲げてい るのか、場合によっては、この委員会で、それは無理だ、というような判定をしてあげ なければいけないようなことも起こるのではないか、そういったことをかねてより気に しておられたということからのご発言だったと思いますので、ありがとうございまし た。  そのほか、いがかでしょうか……。もしなければ、以上、原案のとおりこれらを承認 していいということであろうかと思いますが、承認申し上げてよろしいでしょうか。  (「はい」の声あり)  ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。  なお、この障害者スポーツ支援基金の取崩しに係る部分の評価の視点の改正について は、実際には先ほどご審議いただきました障害者スポーツ支援基金の取崩しに係る中期 目標及び中期計画の変更が所定の手続を経て効力を生じた時点で同様に効力を発するも のでございますので、その点についてもご了解をいただいておきたいと思います。 (3)その他 〇岡田部会長  それでは、最後になりますが三つ目の議題になります。「その他」といたしまして、 福祉医療機構の平成16年度第2及び第3・四半期長期借入金について、法人からのご説 明を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 〇福祉医療機構経理部長  それでは、説明いたします。資料2−7をごらんいただきたいと思います。機構の16 年度第2・四半期と第3・四半期の長期借入金の報告をいたします。  第2・四半期については、部会長に6月18日付で連絡し、了承いただいております。 7月1日付で厚生労働省から認可をいただきました。  その額は、一般勘定で1,351億円でございます。年金担保貸付勘定で30億円でござい ます。  実績でございますが、第2・四半期の合計で1,285億円となっております。なお、年 金担保貸付勘定の借入実績はございません。  2ページですが、第3・四半期についても、部会長に9月15日付で連絡し、了承をい ただいております。そして、9月28日付で厚生労働省から認可をいただいております。  その額は、一般勘定で774億円、年金担保貸付勘定で46億円でございます。  以上でございます。 〇岡田部会長  ありがとうございます。この件につきまして、ご質問はございませんでしょうか。報 告という趣旨のものでございますが、もしご質問がなければ、このようにご承認いただ いておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。  (「はい」の声あり) 3.閉会  それでは、きょうは大変審議が順調に進みまして、すべて予定していた議題はこれで 終わります。事務局から、今後のことにつきまして連絡事項がございましたらお願いし たいと思いますが、いかがでしょうか。 〇事務局  次回についてご案内申し上げます。次回の第14回医療・福祉部会は、12月9日・木曜 日、15時から17時で、省議室で予定しておりますので、ご案内申し上げます。よろしく お願いいたします。 〇岡田部会長  ありがとうございました。久しぶりに皆さんとお目にかかったわけでありますが、オ リンピック以後、我が国は暗い話やつらい話ばかりでございました。きょうは、わりあ いそういう意味では明るいというか建設的な話で大変よかったと思います。熱心なご審 議をいただきましたことを感謝申し上げて、これで終了したいと思います。ありがとう ございました。                                     −了− 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)