04/11/08 第8回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会議事録                    第8回             厚生科学審議会生活衛生適正化分科会                    議事録               厚生労働省健康局生活衛生課          厚生科学審議会生活衛生適正化分科会議事次第           日時:平成16年11月8日(月)14:00〜15:40           場所:中央合同庁舎第5号館17階第21会議室 1.開会 2.議事   (1)諮問及び審議      飲食店営業(めん類)、旅館業及び浴場業の振興指針の改正について   (2)その他 3.閉会          [事務局]厚生労働省健康局生活衛生課 山田・加藤           〒100-8916 東京都千代田区霞が関1―2−2           TEL 03(3595)2301[ダイヤルイン]           FAX 03(3501)9554 〇 皆尾補佐  定刻になりましたので、ただいまから第8回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を 開催いたします。  なお、本日は江森委員、田山委員、原委員、米窪委員から御欠席の連絡をいただいて おります。委員総数22名中16名の委員の方が出席されています。過半数に達しておりま すので、厚生科学審議会令第7条第1項の規定により、本日の会議は成立いたしますこ とを御報告いたします。  次に、本日の会議資料の確認を申します。資料の欠落等がございましたら御指摘くだ さい。  委員名簿の次に本日の議事次第でございます。  資料番号は付しておりませんが、3業種の振興指針についての厚生労働大臣から厚生 科学審議会会長宛の諮問書。それに対します分科会長宛の付議書でございます。  資料1〜3は、前回の分科会における意見を踏まえて修正を加えました3業種の振興 指針<とけ込み版>でございます。  資料4〜6は、それの<見え消し版>でございます。  以降の議事の進行につきまして、会長よろしくお願いいたします。 〇 井原会長  早速でございますが議事に入ります。本日の議題でございます。厚生科学審議会の会 長に対しまして、厚生労働大臣から飲食店営業(めん類)、旅館業、浴場業の3業種の 振興指針の改正について諮問が出されております。  会長より当分科会に諮問の付議がなされておりますので、まず岡部生活衛生課長より 諮問の説明をお願いしたいと思います。 〇 岡部課長  お手元の資料に沿いまして振興指針の概要を御説明申し上げたいと思います。  前回、10月13日に標準営業約款について御審議をいただいたのち、お時間をちょうだ いいたしまして、第1回目の実質的な御審議をいただいておりますので、お手元の資料 1−3までは、前回の御意見を踏まえ全体を通して直させていただいたものを含めて、 全体をとけ込ませたものを作らせていただいております。  資料4〜6は、前回の御意見を踏まえて変更したところにアンダーラインを引かせて いただいております。こちらのほうが見やすいと思います。資料の4・5・6それぞれ 簡単に御説明をさせていただきたいと思います。  まず資料4、飲食店営業(めん類)の振興指針の(案)でございます。最初に総論的 なことを書かせていただいております。  総論の最後に書いてありますのは、前回御審議いただきましたときの御意見として、 こういう点を書き込んだらどうかということで挿入したものです。3段目のパラグラフ です。「本指針は、めん類飲食店営業における時代の流れを的確に捉え、新たな時代の 社会的要請に積極的に応え、活力ある発展を遂げるための方策について取りまとめたも のであり、本指針の積極的な活用により、真の豊かさを実感できる生活の実現、地域社 会づくりへの貢献など、めん類飲食店営業の役割を増大させ、新たな発展の可能性をも たらすものである。」というような趣旨の文を挿入させていただいております。  具体的な内容です。第1.営業の振興の目標に関する事項、です。  一.めん類飲食店営業を取り巻く環境の変化について簡単に記載をさせていただいて おります。めん類というのは、長く我が国の国民生活の間に密接に関連してきたという ことを書かせていただいております。近年、長引く景気の低迷による先行不安感という ことで、経営の環境がだんだん厳しくなってきているということ。あるいは新たなコン ビニとか郊外の駐車場を有するようなチェーン店の進出というようなことで、他の業態 なり新たな経営形態が出てきている。  食品の安全性や産地、栄養素等を含めました情報開示に関する消費者の方々の関心が 高まってきている。こういう点を踏まえて、めん類等の飲食店営業においても消費者の 方に対する安心感を提供するということが大切な経営課題になっているということを書 かせていただいております。  また、社会全体の高齢化の中で、後継者の問題、あるいは顧客の層につきましても、 お年寄りの方の顧客への対応ということも求められているところです。  二.今後5年間(平成21年度末まで)における営業の振興の目標、ということを幾つ か記載をさせていただいております。  第1に、飲食店営業ということでございますので、安全で良質な商品を消費者の方々 に提供するということが最も基本的な営業者の責務である、ということです。  第2に、消費者の方から安全で信頼される商品を提供するという観点から、情報の提 供に積極的に対応する必要がある、ということです。  第3に、健康食としての側面への関心が高まっているということもございまして、そ ばの品質の向上、あるいは改善に取り組んでいただく必要があるのではないか。  第4に、多様化する消費者の御要望を的確にとらえ、新たな顧客を確保するために新 しいメニューの開発等々が必要になってくる、ということです。  こういう観点をそれぞれ十分に御認識をいただきながら、取り組んでいただく必要が あるだろう、ということでございます。  第2.めん類飲食店営業の振興の目標を達成するために必要な事項、です。  一.営業者の方々に取り組んでいただくべき事項です。  1.衛生水準の向上に関する事項、ということがございます。  (1)日常の衛生管理に関する事項につきましては、食品衛生法等との関係法令を遵   守するということは当然のことでございますが、さらに専門的な知識を深めていた   だく。あるいは衛生管理を改善するために必要な器具等を整備していただく、とい   ったようなことが必要になってくる。また、日常の営業においても衛生管理状況の   自主点検等を積極的に行っていただく。また、この結果を店内に表示する。  前回、標準営業約款の中でも、こういう取り組みを積極的に進めていこうということ で整理をしたようなことを書かせていただいております。  (2)衛生面における施設・設備の改善ということについても、十分な対応が必要だと   いうことでございます。  2.経営課題への対処に関する事項です。個々の営業者の方々の経営課題に対する取   り組みです。  (1)経営方針の明確化、独自性の発揮ということでございます。同じ業種の中に含   まれておられる営業者の方々も、立地条件、客層、経営規模、皆それぞれ経営環境   が異なっている。こういう経営環境の違いを十分に把握した上でそれぞれの店の持   ち味、あるいは得意な分野、あるいはどういう顧客を中心に自店が営業を重点的に   取り組んでいくか、こういう経営方針を明確化するということが重要であるという   ことです。    こういう経営方針を十分に踏まえた上で、社会的な消費者の方々のニーズの変化   というものに積極的に取り組んでいただくということが大切である、ということを   書かせていただいております。  (2)サービスの見直し及びメニューの開発です。営業者の方々の立地条件、あるい   はそういう経営方針を踏まえた上で、営業日、営業時間の設定、あるいは禁煙席の   設置というようなことで、消費者の方々の立場に立ったサービスの見直しに努めて   いく必要があるだろう。    使用しているそば粉や小麦粉等の素材、あるいはめんの製法や取り扱い方に十分   な御配慮をいただきながら、高品質のめん類を提供する。サービスなり提供する商   品の改善ということが必要である、ということでございます。また、栄養素、総カ   ロリー、塩分量、健康の意識が消費者の方々にも高まってきておりますので、そう   いうニーズにも積極的に応えていただく。また、それらに関する商品の情報を合わ   せて消費者の方々に積極的に提供していくことが望ましい、ということでございま   す。    それぞれの営業方針に沿いながらオリジナルなメニュー、あるいは顧客層のニー   ズに対応したさまざまな工夫が大切である、ということもあわせて記載をさせてい   ただいております。    この辺で、前回御指摘をいただき文言を少し直させていただいております。「努   めることも必要である。」あるいは「期待される」ということで若干字句の修正を   ここでさせていただいております。  (3)施設・設備の改善です。飲食物を提供する営業施設であるということから、定期   的な内外装の改装、あるいは高齢者等の方に配慮したバリアフリー対策の実施等を   含めた施設・設備の改善に努めていただくことが重要ではないか、という記載をさ   せていただいております。    個々の営業者の方々の取り組みとしまして、店独自の質の良いめん類を製造する   ための自家製の製めん設備の整備を図る、というようなことについても取り組んで   いただく必要があるだろうということでございます。  (4)情報通信技術を活用した新規顧客の獲得や顧客の確保です。昨今のさまざまなI   T機器、コンピューターをはじめとするIT機器の普及ということもございますの   で、顧客管理のデータベース化ということで、さまざまなお客様に対して、お店に   来ていただくというだけではなく、積極的に顧客の方々に情報発信をしていくとい   う取り組みもこれからは大切になってくるのではないかと思っております。  (5)表示の適正化と苦情の適切な処理です。それぞれの営業店の特質に応じ、わか   りやすいメニューの表示をしていただく、それから価格の適正化に努めていただく   ということが必要になってくる。先般、御審議いただきました標準営業約款に従っ   て営業していただくところにつきましては、そういう登録をしていただきながら約   款の要旨を掲示する。あるいは苦情処理に対して誠実に対応していただく、万が一   事故等が発生した場合には、賠償責任保険等の活用により顧客との信頼回復に努め   ていただく、ということも合わせて記載をさせていただいております。  (6)人材育成・自己啓発の推進ということでございます。人材の育成というのは、特   に経営上の重要なポイントということでございます。サービスの提供、あるいはお   店の経営、接客の技術、さまざまな点で人が一番大切な資産であるということに着   目をしていただきながら、優秀な人材の獲得、あるいは育成を図っていくというこ   とに積極的に取り組んでいただければという点もあわせて触れさせていただいてお   ります。  (7)経営診断の活用です。小規模な経営店におきましては経営手法が固定的になり   やすいということもあり、都道府県の指導センター等の経営指導等を積極的に活用   していただく、ということがこれからの経営改善に寄与するのではないかというこ   とでございます。  二.営業者に対する支援に関する事項です。  1.組合及び連合会の営業者の支援ということでございます。  (1)衛生に関する知識及び意識の向上に関する事項としては、衛生管理を徹底するた   めの研修会、あるいは講習会等々、普及啓発なり消費者の方々に対する広報の推進   を組合、あるいは連合会が積極的に取り組んでいただく。  (2)施設・設備の改善に関する事項につきましては、衛生水準の向上等に対応した施   設・設備の改善の推進に努めていただくということでございます。  (3)消費者の利益の増進及び商品の提供方法に関する事項です。それぞれの営業店が   御自分の店の特質性を踏まえながら接客の手引きとなるようなマニュアルの作成、   あるいは消費者の方を対象とした啓発講座の実施、あるいはパンフレットの作成、   さらには苦情の相談なり苦情処理を行うためのマニュアルの作成等々を進めていく   ということでございます。  (4)経営管理の近代化及び合理化に関する事項です。さまざまな経営環境を踏まえた   上でデータの収集、あるいは整理、あるいは必要に応じてそういう情報を営業者の   方々に提供する、ということがその支援策として大事である、ということに触れさ   せていただいております。  (5)営業者及び従業者の技能の改善向上に関する事項です。基本的な調理技術、ある   いは接遇に関する研修会等の開催、あるいは技術の講習会、技能コンテスト等によ   る技術水準の向上、というものに取り組んでいくということが組合なり連合会等々   でやっていただくべき事業ではないかと思っております。  (6)事業の共同化及び協業化に関する事項です。地域の事業の共同化、協業化、こう   いう点についてもそれぞれの方々のニーズを踏まえながら積極的に取り組んでいた   だく。  (7)取引関係の改善に関する事項です。そば粉の原産地表示等を徹底する上で製粉業   界との連携の強化、あるいは共同購入等の共同化の推進ということも望ましい一つ   の在り方ではないか、というふうに思っております。  (8)従業者の福祉の充実に関する事項です。従業者の方々の福祉の充実という観点か   ら共済制度の整備・強化です。  (9)事業の承継及び後継者支援に関する事項です。この観点からは,円滑な承継に関   するケーススタディ等の情報提供ということに取り組むべき、ということで整理さ   せていただいております。  2.行政施策及び政策金融による営業者の支援、消費者の信頼性の向上ということで   ございます。  (1)都道府県に設置されている指導センターにおきましては、組合との連携を密にし   ながら、経営改善のための具体的な指導・助言、消費者の方々からの苦情や要望を   適切にお伝えし、サービスの向上に反映させていくということに積極的に取り組ん   でいただく。    また、保健所をはじめとした行政とも連携を図りながら、組合の加入促進等も積   極的に進めていくということでございます。  (2)全国の指導センターにおきましては、こうした都道府県センターの取り組みを   推進するために、経営改善の取り組みに役立つデータの収集整理、あるいは情報提   供、各種の苦情処理マニュアル等の作成ということ。さらには標準営業約款制度に   関して、各都道府県センターと連携をとりながら登録の促進に努めていくというこ   とでございます。  (3)国、都道府県等の行政のサイドでございますが、消費者の方々から信頼をされ   る、あるいは営業の健全な振興を図るという観点から、関係法令の施行業務等を通   じまして、食品衛生に関する指導監督、あるいは情報の提供というようなことを通   じながら支援措置を実施していくということを書かせていただいております。  (4)国民生活金融公庫におきましては、施設・整備の改善等につきまして、生活衛生   貸付等を通じた融資の実施など、必要な金融上の支援にも合わせて努めていただく   ということでございます。  第3.営業の振興に際し配慮すべき事項ということです。これからの大きな社会環境 の変化を踏まえた上での対応等につきまして、簡単に整理をさせていただいておりま す。  一.環境の保全及びリサイクル対策の推進ということでございます。めん類の飲食店 営業におきましては、食品の廃棄物など発生しやすいわけでございますが、これまで環 境の保全、あるいはリサイクル対策が必ずしも十分ではないというところもございまし た。こういう点につきまして、個々の営業者だけではなく組合等が積極的に支援をして いただく。また、地域の住民の方々との身近な問題ということでございますので、地域 の自治体あるいは自治会等々とタイアップしながら地域全体で取り組んでいただく、と いうことが必要になってくるだろうということでございます。  また、食品資源等の再生利用に積極的に努めていただくということ。あるいは業態を 超えた組合間で相互に協力をしていくということ。あるいは普及啓発の推進を通じて、 めん類飲食店営業における環境の保全やリサイクル対策に積極的に取り組んでいただ く。こういう取り組みを通じて、平成18年度までに食品循環資源の再生利用の実施率を 20%向上させるということ。あるいは再生利用なり食品廃棄物の発生の抑制・減量に努 めていただくということ。またこういう取り組みに必要な営業者の方々に対して、融資 の実施を公庫を通じて支援をさせていただく、ということを書かせていただいておりま す。  二.少子高齢化への対応です。めん類飲食店営業は、日常生活に非常に密接な営業で ございまして、地域に密着した業態ということでございます。高齢者の方がだんだんと これから増えてくるわけでございますが、店舗経営の中でお年寄りや障害者の方々が利 用しやすいようなバリアフリーの店舗に整備をしていただくということ。あるいは出前 サービス等々の取り組みということが期待されるということでございます。  公庫の融資においても、こういう高齢化対策等々に積極的に支援をしていく。少子化 の中でおそばという伝統的な食文化を次の世代に継承していただくために、例えばとい うことで、そば打ちの講師、あるいは小学生の方に植物としてのそばを栽培していただ きながら、身近におそばという文化を感じでいただくための「そばの花観察運動」等と いうことで、こういう活動に積極的に参加していただくということが期待されるのでは ないか。この辺も若干字句の修正をさせていただいております。  三.地域との共生です。地域社会の一員として地域住民の方々とのつながりというこ とで、例えば出前用のバイク等に消火器を積載しながら地域の防犯・防火・パトロール というようなこと。あるいは出前のときにお年寄りの方の健康状態の確認というような ことで、営業活動の一貫の中で、こういう地域住民の方々とのつながりを積極的に大き くしていくというようなことが期待されるのではないかということでございます。  こういう取り組みを、業種を超えながら相互に協力しながら推進していただく、とい うことがこれから期待されるのではないかということで、前回、御指摘いただいた点も 含めまして、めん類の飲食店営業の振興指針の案を再度整理させていただいているとこ ろでございます。  引き続きまして資料5でございます。  資料5につきましては旅館業の振興指針の(案)を整理させていただいております。 ここも総論的なところにつきましては先ほど御覧いただいためん類のところと同じよう に、総論の部分の最後のパラグラフに時代の流れを的確に捉え、活力ある発展を遂げる ための方策についてとりまとめたということ。この指針を積極的に活用していただくこ とにより、真の豊かさを実感できる生活の実現、あるいは地域社会づくりへの貢献な ど、旅館業の役割を増大させ、新たな発展の可能性をもたらしていただく、そういう趣 旨のことをワンパラグラフ追加させていただいております。  第1.営業の振興の目標に関する事項です。  一.旅館業をとりまく環境の変化ということでございます。旅館業も国民に健全で快   適な宿泊サービスを提供し、国民の方々の生活のゆとりと充実に大きく寄与してま   いったわけでございますが、国内旅行の主流が、従来の団体旅行を中心としたもの   から、個人旅行や少人数のグループ旅行に変わってきている、というような個性化   が進んできている。    昨今の個人消費の伸び悩み、あるいは賃金の伸び悩み、というような環境変化も   ございまして、低価格を売りに高稼働率を維持していく宿泊特化型のホテルや旅館   がある一方で、超高級の小規模な旅館、あるいは外資系チェーンの高級都市型ホテ   ル、というような利用者層の二極化があわせて進行している。そういう中で大型旅   館や老舗の旅館の廃業等が加速している、というようなことがございます。    旅館業につきましては、施設・設備の老朽化等々によりまして、中には景気の低   迷と社会的な環境の変化に十分対応しきれなかった営業体もあるということでござ   います。    ハンセン病の方々の宿泊拒否の問題ということで、人権擁護の問題も重要な経営   課題として取りあげられるようになってきております。    こういう環境の中で旅館業の振興を図るためには、従来にも増して利用者の方の   要望の変化に的確に応えていただく、近代的な経営形態に脱皮していただくことが   重要だということでございます。  二.今後5年間における営業の振興の目標です。   第1に、衛生上の課題に特に留意して宿泊サービス、あるいは料理等の提供サービ  スに努めていただく。また昨今、新潟等でも震災が起きておりますが、火災とか地震  に対する備えを十分にしていただくといったようなこと。さらには食品衛生の安全性  等について、これは基本的な営業者の方の責務ということでございます。   第2に、経営方針を明確にしていただきながら、バブル時の過大な投資等で債務等  がまだ残っておられるところも幾つかあるとお聞きしておりますので、こういう財務  状況の改善を念頭に置きながら、将来を見通した経営方針を立てていただき、また利  用者の要望の変化に対応しうるサービスを提供していただく必要があるだろうという  ことでございます。   第3に、団体旅行から個人、あるいは小グループの宿泊客の方が増えてきていると  いうこともございますので、家族的な雰囲気で心のこもった触れ合いを経営の基本と  しながら、地域住民の方々に十分快適な利用、あるいは人に優しい地域の宿づくりを  目指していただく、ということが必要になってくるということでございます。  第2.旅館業の振興の目標を達成するために必要な事項です。  一.まず営業者の方に取り組んでいただくべき課題です。  1.衛生水準の向上等に関する事項がございます。近年のO157、あるいはSARS   等で新たな感染症が国内のみならず海外からのお客様等で入ってくるような場合が   ございますので、こういう感染症対策の充実をきちんとやっていただく必要がある   ということでございます。    快適な宿泊環境の整備、衛生教育の充実などによる従業員の方々の資質の向上と   いうことを通じて、利用者の方が清潔かつ衛生的で快適な宿泊ができるような衛生   管理に取り組んでいただく必要があるだろう。    また、新しい感染症などに対して、きちんとした正確な衛生教育と危機管理体制   を整備していただく必要があるということでございます。  2.経営課題への対処に関する事項です。  (1)経営方針の明確化・独自性の発揮ということです。これもめん類のところと共通   する部分がありますが、それぞれの営業者の方が自店の立地条件等々を十分に踏ま   えた上で、どういった顧客層を対象に、どういうサービスを提供していただくか、   ということをはっきりするということが、他の営業店の差異を出す経営を行うため   にも必要であろうと考えております。    過重債務等により財務上の問題があるようなところにつきましては、営業譲渡、   あるいは債権の売却等を行うことにより、新組織のもとで債務の圧縮を図る、とい   うような取り組みも必要になってくるだろうということでございます。  (2)サービスの見直し及びメニューの開発ということでございます。国内旅行は、   海外旅行と比べて割高感があるということを書かせていただいておりますが、これ   はどこと比較するのかということもございますが、サービスの向上を図るというこ   とと合わせて、高齢化や国際化の進展にも積極的に取り組んでいただく必要がある   だろうということでございます。    付加価値を高めていただくために、サービスの提供の質の向上というようなこ   と。手ごろ感を感じさせる料金の設定。繰り返しお店を活用するリピーターの獲得   のために、さまざまな経営上の改善、あるいは工夫ということが考えられる。そう   いうことについて、それぞれの旅館なりホテルの経営方針に則した取り組み、ある   いは新たなサービスの開発が大切であるということでございます。    また、オフシーズン対策ということで、地域の企業及び市民を対象としたような   サービスの提供と言うことも期待されるということでございます。  (3)施設・設備の改善ということです。これもサービスの提供と表裏一体のものでは   ございますが、高齢者の方が増えてくるということも踏まえた安全、衛生、利便   性、快適性、あるいは災害に対する安全性の向上というようなこと。あるいはバリ   アフリーの施設・設備の適切な整備を図っていただくことが大切であろうというこ   とでございます。  (4)情報通信技術を活用した新規顧客の獲得や顧客の確保ということでございます。   これも顧客情報のニーズをきちんとデータベース化する。あるいはインターネット   等を活用しながら、双方向の情報交換なり情報発信をしていく。さらには宿ネット   等の宿泊予約サイト等を活用して客室稼働率を高めるなど、海外からのお客様にう   まく対応していくために、外国語表示を用いた伝統的な日本旅館の良さ等をアピー   ルしていく、という取り組みも重要であろうと考えております。  (5)表示の適正化と苦情処理の適切な対応です。料金の表示を行うにあたりまして   は、利用者の方に誤解、あるいは不信を招かないようなわかりやすい料金表示に努   めていただくということが必要であろう。また昨今、温泉に関してさまざまな議論   がなされておりますが、源泉あるいは浴槽の温泉の成分なり循環ろ過、あるいは加   水等の部分も合わせて表示をすることに努めていただくことが望ましいのではない   かと考えております。  (6)従業者の方の資質の向上ということでございます。サービス業でございますので   人材の育成が経営上の重要なポイントになってくるということでございます。自主   的な情報の収集、あるいは各種技術の開発、接遇の自己研鑽というような職場内を   通じた指導の取り組み、あるいは組合等が実施する研修会や講習会に積極的に参画   をしていただくということ。あるいは外国人の接客のために必要な外国語の研修等   を行うことにより、従業員の方の資質の向上改善を図る、ということが必要になっ   てくるということでございます。  (7)経営診断の活用。これも既におやりになっているところもあろうかと思います   が、小規模な旅館等におきましては、経営改善をするときに、外部のコンサルタン   トなり専門家の意見を十分に聞いていただきながら、積極的に取り組んでいただく   必要があるだろう。  (8)シルバースター登録制度の推進です。これは高齢者の方が快適に過ごせる利用し   やすい宿泊施設の整備を図る観点から、連合会で認定登録制度があるわけですが、   こういう登録を推進していきながら、お年寄りの方の利用なサービスの提供に配慮   をしていくということが必要になってくるだろうということでございます。  二.営業者の方に対する支援に関する事項です。  1.組合及び連合会による営業者の支援。  (1)衛生水準の向上のための各種技術、知識、意識の向上に関する事項ということで   研修会や講習会の開催。  (2)施設・設備の改善ということで、そういうことを組合なり連合会としても組織的   に取り組んでいただくということ。  (3)さらには利用者の方に対するサービスの適正な表示、あるいは接客の手引き、あ   るいは各種のマニュアルを作っていただくということ。さらには、苦情相談の窓口   の開設というようなことにも取り組んでいただくというようなことです。    また、「人に優しい地域の宿づくり賞」というようなことで、こういうことに積   極的に取り組んでいただいている営業者の方を継承していくことにより、そういう   取り組みを一層促進していくということが重要ではないかということでございま   す。  (4)さまざまな経営管理の近代化及び合理化を進めていただくために、データの収集   整理、情報提供、あるいは各種の近代的なシステムを活用していただくためのシス   テム面での整備なり人材の養成ということが重要になってくる。  (5)営業者及び従業員の技能の改善向上という観点からは、研修会あるいは技能コン   テスト等の開催。  (6)事業の共同化、協業化を積極的に進めていただくというようなこと。  (7)取引関係の改善。  (8)従業者の方の福祉の充実、向上。  (9)事業の承継あるいは後継者に対する支援ということで、各種の経営知識なり情報   提供をすすめていくということでございます。  2.行政施設及び政策金融による営業者の支援、利用者の信頼性の向上ということで ございます。  (1)都道府県センターにおける経営改善のための具体的な助言、指導。あるいは利用   者の方からの苦情、要望を通じたサービスの改善ということがひとつございます。  (2)全国センターでは、こういう都道府県センターが積極的に業務が展開できるよう   に、さまざまなデータの収集、あるいはマニュアル等の作成に取り組んでいただ   く。  (3)国、都道府県、行政面におきましては、関係法令の円滑な実施ということ。  (4)公庫による施設・整備等の政策金融の実施ということを書かせていただいており   ます。  第3.営業の振興に際し配慮すべき事項です。これもめん類と共通するところでござ います。  一.環境の保全及びリサイクル対策の推進です。各種の環境関係の法令を十分に遵守 していただくということ。めん類の飲食店と同じようでございますが、食品廃棄物に対 するリサイクル等の積極的な取り組みといったことを実施していただきたいということ でございます。  こうしたことを通じて、これも平成18年度までに20%の再生利用の実施率を向上して いただきたいということでございます。  二.高齢社会への対応ということです。バリアフリー対策。各種の展示等の備品の整 備というようなこと。今後、旅館業が伸びていく一つの分野として、高齢者等を対象と した健康増進、単純に宿泊をしておいしい料理を食べて周りの観光名所等を回る、とい う従来型の旅館業の使い方だけではなく、そこで積極的に健康増進をする。あるいは地 域の医療機関とタイアップすることによって、ある程度の長期滞在型、あるいは療養型 の旅館に切り替える。これも一つ一つの営業の方針ということの兼ね合いもございます が、一つの方向性ではないか。  さらには、行政と連携しながらデイサービス事業に参加しながら地域住民の福祉の向 上に貢献するということも、これからの経営形態の中であり得るのではないかというこ とでございます。  三.地域との共生です。観光地、あるいは商店街、あるいは温泉街というところで は、個々の営業店というだけではなく、地域的なまとまりが一つの観光資源なり旅館等 にとっても重要な営業戦略になってくるわけでございまして、地域と旅館が一体となっ たイベントの企画、あるいはコミュニティの機能を生かした情報発信のやり方というこ とで、地域社会との共生を図っていくということが重要であるということです。  また、観光立国行動計画の一環であるトラディショナル・ジャパン運動ということ で、これは旅館業と地場産業との連携により宿泊客に対して、古き良き日本の伝統を衣 食住すべての面で体感してもらう運動、これを総称してトラディショナル・ジャパン運 動と呼んでおられるようでございますが、こういうことを円滑に展開するために、旅館 業と地場産業の両方が協力しながらやっていく。あるいは伝統文化を合わせて観光客の 方に提供していくということが必要になってくる。  温泉地にありましては、温泉と観光、温泉と健康、あるいは温泉と美容、温泉と介護 というさまざまなテーマを、温泉地の再生のためのフォーラムの開催等に活用していた だくということも期待されるのではないか、ということも書かせていただいておりま す。  資料6でございます。浴場業の振興指針の(案)でございます。  総論的なところで、先ほどの2つの振興指針と同様のパラグラフを最終段に追加させ ていただいております。  第1.営業の振興の目標に関する事項です。  一.浴場業を取り巻く環境の変化ということです。高温多湿な我が国の気候風土の中 で入浴の機会を提供する。あるいは地域の保健衛生水準の維持向上に浴場業というもの が大変に役立ってきた。先般の震災等でも、お風呂に早く入りたいということも切実な ニーズとしていろいろと報道されております。そういう重要な役割を担ってきた重要な 産業であると考えております。  一方で銭湯という一般公衆浴場におきましては、住宅環境の改善、あるいは自家風呂 の普及、あるいは郊外に展開しているような大型レジャー浴場等によりまして、経営環 境は大変に厳しい状況になっております。  一般公衆浴場は、物価統制令によって入浴料金の上限が定められているわけでござい ますが、そういうことに基づきながら金融、あるいは税制上の措置等の施策を実施して いるわけでございます。浴場業を取り巻く環境の変化に伴いまして、利用者の方がだん だん減ってきている。一方で後継者の方、あるいは経営費用の高騰、人手不足、といっ たような経営環境は悪化している。それに相当に長い労働時間。さらには、ある程度ま とまった土地・建物を持っておられますが、そういうときに相続の際には税の問題等が ございまして、転廃業が進み、施設が激減をしているということでございます。  こういうところでありますが、地域全体としての入浴の機会を提供していくというこ とで、その公衆浴場の確保というものは、今後とも大切な社会的な要請になっていると いうことでございます。  二.今後5年間における営業振興の目標です。  第1に、衛生上の問題点ということでございます。レジオネラということで一時多く の利用者の方が不安になることがございましたが、こういう問題が生じないように、日 々の衛生上の管理等に十分に御留意していただく、ということが基本的な責務であろう ということであります。  第2に、地域の非常に中心的なところに立地されているところが多いようでございま すので、自家風呂をお持ちの方にも積極的に利用していただけるような、新しい付加価 値を付けていただくためのサービスの見直しということも大切になってくるだろう。  第3に、地域住民の方の健康の増進、あるいは住民相互の交流の促進ということで、 こういう点は、国なり地方公共団体の施策と十分にタイアップ連携をしながら推進して いただくことが重要になってくるだろうということでございます。  第4に、インターネット等の活用によって、普通の自家風呂では味わえない一般公衆 浴場の良さ、あるいは健康づくりという点について、十分なPR等をやっていただくと いうことが必要になってくるだろうということでございます。  第2.浴場業の振興の目標を達成するために必要な事項です。  一.営業者の方々に取り組んでいただく事項です。  1.衛生水準の向上ということがございます。より清潔で快適な浴場の整備を図ると いうことで、レジオネラ等を発生防止するための自主管理の手引書なり点検表を作って いただいて、日常の衛生管理に十分に活用していただく。また、換気等々の設備にあた りましても衛生の保持、あるいは清潔な環境を十分に確保していただくということが必 要であるということでございます。  2.経営課題への対処に関する事項です。  (1)経営方針の明確化、独自性ということで、地域で長らく活用されている公衆浴場   が多いわけでございますが、収益の改善、あるいは地域住民の方々の意識なり地域   の変化というものに積極的に十分に対応していただく、ということが必要になって   くるだろうということでございます。  (2)サービスの見直し及びメニューの開発。新しい付加価値のサービスの提供とい   うことで、敬老の日等の各種祝祭日等を利用しながら、自家風呂等をお持ちの方に   も積極的に使っていただく。優待制度が付いたプリペイドカードあるいは回数券、   家族券等々による新しい顧客の確保、ロビーなどで新たなサービスを開発していく   ということが期待されているのではないか。    健康づくりに公衆浴場を積極的に活用していただくということで、お風呂の入り   方、あるいは地域住民の方の健康増進に寄与するために、生活習慣病に対する入浴   指導、あるいはその予防のために必要な水中運動の推進ということで、単純にお風   呂に入るということだけではなく、健康づくりに積極的に取り組んでいただくとい   うことが必要になってくると思います。  (3)施設・設備の改善ということでは、平成9年よりデイセントー事業ということ   で、福祉入浴援助事業というような事業が既に展開されているわけですが、そうい   うものに対応できるような施設整備の普及、先般の通常国会で法律が改正されまし   て、さらに公衆浴場を活用した健康の増進、地域住民の交流の場としての活用、と   いうようなことがございます。    具体的な例示としまして、例えばということでエアロビクスのスタジオ、アスレ   チックルーム、健康情報関連の図書コーナー、休憩室や談話室の整備、さらには新   しい情報の提供ということでCATV等を活用した健康関連等の情報の提供や健康   機器の設置ということが考えられるということでございます。    施設の設備の整備ということで、老朽化の目立つ施設によっては、建替え、改   築、さらにはジェット風呂とか、露天風呂等の家庭にはないリラクゼーション設備   を整備していくということも、これからの方向性としてはあるのではないかという   ことがございます。  (4)情報通信技術を活用した新規顧客の獲得や顧客の確保ということでございます。   地域に密着しているがゆえに、あまり積極的に情報発信をしていない事業者の方も   多いわけでございますが、自家風呂をお持ちの方で、お風呂の良さ、あるいはリラ   クゼーションとか入浴料金がどうなっているのか、あるいはそういう公衆浴場をコ   ミュニティの場として活用する場合にどういうイベントがあるのか、ということも   含めた情報発信のための努力ということが必要になってくるだろうということでご   ざいます。  (5)利用者の方への情報提供と苦情の処理です。苦情の処理に積極的に取り組んでい   ただくというようなこと。  (6)人材の育成・自己啓発の推進という観点からいえば、従業者の資質の向上という   ことで、入浴の医学的効用に関する知識の習得というようなことに積極的に取り組   んでいただくことが大きな課題かなと考えております。  (7)経営診断です。これも家族経営等々のお店が多いわけでございますが、社会環境   の変化、あるいは新しいアイデアの活用という観点で経営診断等を積極的に活用し   ていく、ということがこれから必要になってくるのではないかということでござい   ます。   二.営業者の方々に対する支援に関する事項ということでございます。これも二つ  の振興指針とある程度は共通している部分が多いわけでございます。  (1)衛生水準の向上のために必要な研修会講習会の開催、あるいは手引き等の作成。  (2)衛生整備の改善。  (3)サービスの適正表示、あるいは苦情処理に対するマニュアルの作成ということ。  (4)経営の近代化及び合理化という観点からいえば、情報や将来の展望に関するデー   タの収集、あるいは営業者に対する情報提供ということがございます。  (5)営業者の方の技能の改善向上という観点からいえば、健康入浴法に関する知識や   接遇における研修会・講習会の開催ということがございます。  (6)事業の共同化ということで、燃料等々の共同の仕入れということもあろうかと思   います。  (7)取引関係の改善では、機器等の共同購入ということ。  (8)従業員の方の福祉の充実。  (9)後継者の方へのアドバイスということがございます。  2.行政施策及び政策金融による営業者の支援、利用者の信頼性の向上です。  都道府県指導センターにおきましては、こういう個々の営業者の方の経営改善のため の具体的な指導・助言、あるいは利用者の方々からの苦情処理等々を引き続きやってい ただく。全国センターではそういう都道府県センターの取り組みを推進していくための 各種データの収集やマニュアルの作成等。  国、都道府県の行政におきましては各種の法令の円滑な実施をはかることによりなが ら、公衆浴場業の健全な発展を支援していく。 国民生活金融公庫におきましては、施 設設備の改善等に必要な資金の融資ということをさらに積極的に取り組んでいただくと いうことでございます。  第3.営業の振興に際し配慮すべき事項です。  一.環境の保全です。公衆浴場ではお風呂をわかすということで、相当にたくさんの 燃料をお使いになる。またお風呂からの排水ということで水質汚濁、あるいは大気汚染 ということが地域の環境に悪影響を及ぼさないような公害防止に十分に御留意をいただ くということがございます。  二.少子高齢化への対応ということでは、お年寄りの入浴者、あるいは障害者の方で も安全にお使いいただけるような各種のバリアフリー化ということに取り組んでいただ く。  デイセントー事業ということで、より積極的に地域の住民の方の福祉の向上に積極的 に取り組んでいただくということがございます。  子どもたちに入浴の楽しさを知っていただくために、地域の実情に応じた朝湯会の実 施、あるいは親子のふれあい入浴、あるいは体験入浴という工夫もこれから必要になっ てくるだろうということでございます。  また、乳幼児をお持ちのお母さん方を対象にした子育て相談ということも、こういう コミュニティの場を使って活用していただくということがございます。  三.地域との共生ということでございます。単にお風呂に入るということだけではな く、地域住民相互の対話の場である、あるいは文化活動としてそういう浴場を活用して いただくということがこれから必要になってくる、あるいはすでに取り組んでいただい ているところもいろいろとあるということでございます。  組合・連合会も地域の自治体等と連携をしながら、地域住民のニーズを積極的に反映 をするような活動を営業者の方と一緒になって展開していただくということが、これか らも大切になってくるだろうということでございます。  時間の関係もございまして、簡単に御紹介させていただきました。以上が3つの業態 の振興指針の(案)でございます。 〇 井原会長  ありがとうございました。ではただいまの案の内容に関しまして御審議をいただきた いわけでございます。3つございますので1つ1つ審議をいただきたいと思います。  最初に「飲食店営業(めん類)の振興指針」に関しまして御審議をお願いします。 〇 井本委員  前回、欠席をさせていただきました。したがいまして、前回のときに十分に議論をさ れた後のことでまとめた結果がこうであろうと思いますので、私から重複したらお許し をいただきたいと思います。それはめん類飲食の件でございます。  実際、めん類で地域によって流行っているお店の店頭の中に入ります。するとそば屋 さんにはそば屋さんらしい構えがある。まずお客さんの接待のために、注文を取りなが らお茶をもってきます。お茶をもってきたついでに注文を取る、という流れがありま す。その流れの中でお茶を一杯いただいたときに、器に口をつけたら本当にお茶だけの 香りならいいのですが、生臭い魚の香りがしている。神経質なことを言うようですが、 食べ物屋というのは神経質でないといけないと思います。  それは何かというと、調理室で、ここにも衛生ということは何回となく書いておられ ますが、衛生にももうちょっと具体的な衛生がほしいのではないか。魚とか他のにお い、お茶以外のにおいが茶器に付いているということは、洗っているのは同じ水槽で洗 っているということです。恐らく、ここにいらっしゃる方もそういうことにお気づきの ことがあると思います。  そういうところと、めん類といいましても、めんだけで、うどんだけで、あるいはそ ばだけで商いなさっているところは、めったにそういうことはないのですが、裏返し に、今回は出てきておりませんが、飲食店に属するほうになりますと、飲食店では普通 のお惣菜を売りながら、一方ではうどんもラーメンもそばも扱っていらっしゃる、なん でも来いである。そこに惣菜を扱っているということであります。  したがって、おのずと食器を洗うにしても一つの水槽で洗うということになるから、 においが皆に移るわけです。においが移るということもそうですが、そこでまずこの店 は、入ってやれやれ旅館に行った、3万円なり5万円の旅館に行った、お座敷に通され た、良い景色のお座敷だと思って期待して、仲居さんがお茶をもってきて飲んだら、器 ににおいが移っていたというようなところは、二度と行きません。  そういうことが、この中で講習会とかいろいろとおっしゃっておりますが、恐らく、 そば屋さんでも、昨今のどういう企業でも、人をどう上手に使うか、人件費の出し方を どう上手に使うか。これでそのお店が儲かるか儲からないかというぎりぎりのところに 来ております。ほかの設備関係が多少どうであれ、人の使い方で儲かるか儲からないか の結論が出るわけです。  その場合に、アルバイトのあるいはフリーターの方々を雇っているめん類ということ での、スタートはめん類ですが、恐らくめん類が日本中に例えば10万店あるとしたら、 そのうちの6万店ぐらいまでは専門ではなく何でも屋さんで、もともとめん類屋さんか らめん類だけではやっていけないので幅を広げていって商品が広がっていった。うどん をやっていてうどんだけではやっていけないので、他のものにも広がっていったという ようなプロセスがあるだろうと思います。  したがって、我々客はうどんを食べに行った。私もめん類が好きですから、本当によ く行くのですが、食べに行ったというときに、一番何が清潔かというと、出てくるめん 類の器です。食器は多少欠けていても平気で出てくるのがあったり、ひびが入っていて も、そこに線がついていてアカがたまっているような洗い方しかできていないものまで 出てくるというようなことで、どうして繁盛できるのか。そういう気がいたします。で すから、清潔をどこかにこの文書の中のどこかに吸収できているなら、そういうことに 配慮されているなら結構です。  例えばテーブルをふくにしても、テーブルをふく布巾があります。その布巾だって3 回に1回、10回に1回、5回に1回しか水で洗いません。1回1回水で洗って絞ったも のでふくならいいのですが、実はそうではなく、ぼんと置いてあって、そこから何回も 使ったものでやって、しんぼう仕切れなくなってからゆすぐというような、極端にいう とそういうことです。  自分の店を自分が繁盛させるには、それぐらいの努力がいる。客が見ているのです。 他の客が見ているのですから、そういうことがこの文書の中のどこかにうたわれている のか。さすがにそば一本でうちは商売をしている。うどん一本で商売をしているという ところには、そういう抜けはありません。しかしそれは残念ながら10万軒中の4万軒が あるなしで、半分以上はいろいろなものを扱って商いをなさっておられるというのが実 情です。それは食べていかないといけないための策でしょうから、当然利益を出してい かないといけない策でしょうから、それを束縛することはないと思いますが、多品目の ものを扱ってくると、多品目のにおいも入ってくるということと、テーブルを使うにし ても、おのずと使い分けをする必要があるのではないか。  そういう具体的なことは、早い話がこの文書の中にうたわれているなら、私は結構か と思いますが、何かその辺で私の表現の仕方が、大きなマクロの世界と、一つはミクロ の世界、ミクロも超ミクロの話になったのかもわかりませんが、この文書との釣り合い を見ると絵に描いた餅ということになっているのではないかという思いをいたしており ます。ですから、講習会とか何とかというのは盛んに出てきております、そのお店を自 分たちで守っていこうとするなら、書いたものを見るよりも日常生活の中で、どういう 対応の仕方をすればお客さんに喜んでいただけるのかというのは、今更いわなくても当 然わかっている話ではないかと思いますが、それ以上申し上げますと私どものグチにな りますが、この文書から、そういう具体性がどこにどう拾い上げられるのかということ がありました。  めんはめんでありますが、めん屋さんの10万店が皆さんめん屋さんオンリーであれば いいのですが、半分以上がほかのお惣菜とめん類と一緒に扱っているところは半分以上 あるということを考えたときに、飲食は来年でしょうか、飲食の振興指針を作るとき に、こちらのめん類との振興指針とのすり合わせ、オーバーラップしているところ、食 べ物ならなんでも扱っておられるところ。これは飲食の組合に入っておられるのとそば 屋さんの組合に入っている、この辺のガラスのすり合わせを余程御配慮いただかないと いけないのではないかと思います。以上です。 〇 井原会長  わかりました。ごもっともな御意見ですが、この中で今の発言の内容が書いてあると ころは、3ページの日常の衛生管理に関する事項ですから今の御意見は、3ページに書 いてあるのは衛生の管理に注意しなさいということが書いてありますが、御意見は不衛 生を感じさせることがないような気配りが必要ですということですね。だから単に管理 をしっかりしなさいということではなく、そういうことを感じさせないような気配りが 必要ですということですね。 〇 井本委員  そうですね。そういうことを身につけた者を売り場に出させるということですね。 〇 井原会長  そういう御意見です。ちょっと3ページに書いてある話とは次元が違う。 〇 井本委員  どこかに抵触してないかと思ってさっきから探しているのですが、検討してくださ い。しかし、あまりリアル過ぎるのですが、現実はそういうことです。 〇 井原会長  わかりました。後ほど検討させていただきます。その他に何かございませんか。 〇 増田委員  7ページの取引関係の改善に関する事項のところです。「製粉業界との連携の強化」 と書かれております。私も前回お休みをしましたので、標準営業約款ができたというこ とで、読みながら本日参っておりますが、約款のほうで「めん及びつゆは自家製である こととし」ということを店頭で表示すること、となっておりますが、このめんというの はどういうものかちょっとわからないのです。おそば屋さんうどん屋さんで出すめん は、手打ちで、そこのお店で作る場合もあれば、製めん業界が製粉業界と飲食の間に製 めん業界が入っている場合がありますよね。ここでいうめんが自家製というのは、ゆで あげることをめんが自家製というのか、打つことも含まれているのか、ここの約款の中 ではわからなかった。もしかしたら取引関係の改善の中に製粉業界と製めん業界と入れ ないと、原産地についてきちんと表示できないのではないかと感じたのです。 〇 井原会長  そこをどなたかお答えいただけますか。 〇 鵜飼委員  もう一度、製粉業界とめん業界の関係の話をもう少し詳しくお願いします。 〇 増田委員  おそば屋さんとかうどん屋さんに行って食べるときのめんというのは、ゆで上がった ものですよね。ですが普通は製めん業界というのが普通にはありますよね。手打ちで作 っているおそば屋さんとかうどん屋さんなら、それは粉から作っているというのはわか るのですが、製めん業界というのが間に入っていて、おそば屋さんとかうどん屋さんに 下ろしている場合がありますよね。そこでここの取引業界関係のところで、製粉業界と の連携の強化という言葉だけで良いのでしょうかということです。  ここにもしかしたら製めん業界ということを入れなくても良いのか、というふうに疑 問に思ったということです。 〇 鵜飼委員  その辺でお答えさせていただきます。これは製粉業界との連携の強化というのは意味 がまた違います。前段のことにお答えいたします。  関東でも90%以上が自家製めんです。ほとんどがね。関西に行きますと製めん屋さん から製めんをもらっているところとか、ゆでめん屋さん、製めんをしてゆでる、そこか ら仕入れて商いをしているところがあります。関東は90%が自家製めんです。つまり粉 を仕入れて自分のうちで製めんをして、ゆでてお客様に提供しております。ですから地 域によって多少は違いますが、おっしゃることもございます。 〇 増田委員  すると関東の場合でも10%のところは自家製めんでないが、標準営業約款の中で、当 店のめん及びつゆは自家製ですというふうにすると、これを表示するなら、めんは自家 製であると言えるのでしょうか、ということになりますよね。 〇 鵜飼委員  自家製とは言えないのではないかということですか。そうですね。そういうように分 けることは当然なのかもしれません。しかしながら、我々の業界の中では両方の立場が あるということです。 〇 増田委員  そうしますと、ここのめん及びつゆは自家製ですというときには、めんをゆであげて いる状態を自家製というのでしょうか。 〇 鵜飼委員  そうなります。 〇 増田委員  するときょうの7ページの(7)のところに「製粉業界」だけでよろしいのでしょうか というところで、間に「製めん業界」ということを入れたほうが良いのではないかと思 いますが、ようするに何%かはあるわけですから。 〇 鵜飼委員  指針のほうにですか。この場合には製粉業界との関係があります。つまり原そばを仕 入れて、最近増えてきましたが自家製粉をするところも増えてきました。ほとんどのお そば屋さんがまだ製粉屋から粉を仕入れています。その時に消費者に提供するために必 要な製粉業界との連携の強化というのは、産地、もっと先にいきますと、この間もその 辺の議論があったわけですが、我々でもそれをしているのですが、なかなか産地の表示 が難しいということから、製粉業界との連携の強化をしていくように今後は努めていか ないといけないということではないかという方向です。 〇 井原会長  要するに粉が重要なのだという話ですか。 〇 鵜飼委員  今の御質問はそうだと思います。 〇 井原会長  ここの文書はということです。要するに間に製めん業者が入っても、その業者という よりもどこでできた粉であるかということが重要なのだということが、ここで表示され ている内容ですね。 〇 鵜飼委員  そうです。ですから(7)の下の行ですが、「そば粉の原産地表示を徹底する」という ことです。これは将来はそうしていかないといけない、しかしなかなか難しい部分がい っぱいあるということです。 〇 井原会長  そこが私にもわからないのですが、いま質問が出ております。 〇 井本委員  めんを作るということで合理化を図るということ、めんを作るということについての 合理化を図るということでいくなら、うちはあまりめんについてそれほど重要視してい ない、めんの形をしていたらいいといううどん屋さん、10万軒のうちの6割といいまし たが、その方々はできるだけ手間をかけないようにして、お客さんがきたらすぐにゆが いて出せるというのと、本式のところは、いよいよこだわりですから一歩も譲らない。 特にそば屋さんのがんこな経営者の方はね。だからおいしいそばを食べさせていただけ ると思うのですけどね。だから二つある。将来の傾向としたら、製めん屋さん、そば屋 さんのことについて私はエキスパートではないのですが、常識的に考えると、ますます 製めん屋さんが増えていくのではないかな。 〇 来生委員  私は食い物か好きで、自分でも作るのが好きです。手打ちであるか機械打ちであるの かということに関係なしに、営業をやっておられる方がめん類で自分の製品を差別化す るというときに、どこのどのような粉を使っためんを作るのかというのは、非常に重要 なポイントですね。営業でめんを作るというときに、自家製めんというのは手打ちだけ ではなく機械打ちも自家製めんでたくさんあるわけです。そのときに自分のところのめ んがおいしいという誇りを持とうとする営業者は、必ず、ほっておいても自家製めんに ならないといけない、というのが多分この業界の傾向であると思います。ですから、営 業者に対する支援ということで、そういう方向を誘導するというのは非常に合理的なこ とで、その方向を多いに強調するというのが、多分こういう業界がラーメン屋さんとか 他の飲食店と比較してより繁栄していく非常に重要なポイントであると私は思っており ます。 〇 原田委員  おそば屋さんでも信頼できるおそば屋さんというのは、当然自家製めんの方向に行く と思います。それを消費者の側は期待して食べに来ていると思いますから、標準約款で やっているということをうたったからには、自家製めんでないやつが標準約款でやって いるとうたうということは詐欺に近いわけですから、その辺のチェックさえきちんとで きれば、標準約款でやりましょう、それを表示しましょうという方向性は、望ましいお そば屋さんの方向性としては良いのではないかと僕は思います。  それがインチキ表示でミスリーディングに結びつくような形のものは、業界でチェッ クをするとか、そういう形で対応されることが望ましいのではないかと思います。 〇 鵜飼委員  おっしゃる通りです。当然そういうチェックは必要だと思いますし、それをやってい かないといけないと思っております。  もう一つは標準約款に加盟してくるようなお店は、積極的な改善をしているはずで す。そうでないと手を挙げません、当然、手を挙げて出てきてもいまおっしゃるような ことが当然ながら裏側に100%ないとは限りませんので、そういうときのことに関して は、必ずチェックをするということは必要だと思うし、やっていかないといけないと思 っております。 〇 井原会長  あとはございませんか。ではこの最初の飲食店営業(めん類)に関しては、先ほど井 本委員の御発言の内容、それがこの中に組み込めるかどうか、それを検討させていただ きたいと思います。その結果に関しましては私に一任していただいてもよろしいでしょ うか。 〇 井本委員  はい。 〇 井原会長  その他の点に関してはこれでよろしいという議決にもっていってもよろしいでしょう か。 (異議なし)  ではそのようにさせていただきます。  次に旅館業の振興指針に関しての御審議をお願いします。 〇 安田委員  安田でございます。前回来ておりまして気になっていたので、発言しなかったことを 後悔しておりまして、追加になります。  9ページですが、今日、めん類さんと浴場業と合わせて見たときにハッと気づくの は、二が高齢社会への対応となっております。他の業界さんは少子高齢化社会と子ども に対する何らかの配慮がなされているというのが、明らかに下の文書にも見えるので す。ところがこの旅館業さんについては、高齢者の方々障害者の方々のみの対応で、具 体的には「幼児連れの家族でも泊まりやすいような」という一文を入れるなり、子ども を含めた家族が来やすい宿のようなものを目指せないか、どこかにそういう文言を加え て、少子高齢社会への対応とそろえて行かれたほうが良いのかなと思いました。以上で す。 〇 井原会長  ここで少子というものをお入れにならなかったのは、最初に何らかの意図があったの でしょうね。 〇 皆尾補佐  特に意図はないのですが、前回の5業種も、多分、少子が入ってない業界があったと 思います。それは私どもと業界の方といろいろと相談しまして、少子化については特化 したものが、その時には意見が出なかったということで、今の段階で何かございました らまた業界の方と考えさせていただこうと思います。 〇 井原会長  ありがとうございます。 〇 小原委員  旅館業の会長の小原でございます。本日の御審議大変にありがたく御礼申し上げま す。ただいまの少子高齢化のことでございます。例えば旅館業の2ページの下から6行 目にありますが、「第3に、家族的な雰囲気で心のこもった」という雰囲気の問題では ありますが、一貫して大型温泉旅館の時代は終わった、個人客、家族連れ、グループを 客層として大きくとらえないと旅館業はやっていけないというのは、委員の皆様には恐 縮でございますが、我々の業界としては団体の時代は終わったわけでございます。私も 九州で旅館を経営しておりますが、いま私の旅館でも500名ぐらいは収容するのですが、 100人を超す団体は年に数本しかありません。平均を取ると多分10数名から30名にいか ないと思います。それをあえて文字にしなかった点については、私の業界の不足であっ たと思います。そのように感じております。  もう一つは、少子高齢化というとらえ方になりますと、私どもの業界では少子高齢化 で日本の定住人口が減っていくから、観光で外国なり国内相互なり交流人口を増やして 地域の経済を支えていこうという意味で、少子高齢化の時代というようにとらえること と合わせて、御報告を申し上げたいと思います。 〇 井原会長  ではここは入れたほうがふさわしいということですね。 〇 小原委員  入れてもらって結構でございます。当然、お子様連れのお客様は大歓迎でございます し、そのような時代であると思っております。 〇 井原会長  では、そのように入れさせていただいてよろしいでしょうか。 〇 来生委員  別の観点から入れないほうが良いのかなと思っていました。めん類のほうも浴場業の ほうも、子どもに対しての何か特別の対応策を取るという観点で説明がなされておりま す。でも旅館業の場合には、子どもに対して特別の対応を取るということではなく、多 分、家族ぐるみで来るということですから、少子であるかどうかというのはあまり関係 ない、要するに家族を大事にする営業ということで、それは旅館業のある意味では基礎 であると思っております。子どもに対して何か特別にするということがあるなら、これ はほかのものと横並びの標記になると思いますが、特にそういうものがないとすればこ のままで良いのかなと思います。特別に、何か旅館業として子どもに対するサービスを するというなら横並びですから、少子という言葉で説明をして、なおかつ説明の部分も 子どもへの対応について書き込むということではないかという気がいたします。 〇 井原会長  それも一つの御意見であると思います。安田委員いかがでしょうか。 〇 安田委員  旅館業はやはりバリアフリー対策のようなところを含めて、小さいお子さん連れでも 来やすいということを、団体客目当てから家族単位に、子ども連れ単位に、客層を少し ずつずらしていま一生懸命回復に目指しているという状況がありますので、私自身は 「障害者等でも気軽に宿泊できるよう、バリアフリー対策に積極的に取り組む」ここに 「幼児連れの家族でも」と一言入れていただいて、子どもへの対策もちらりと入ってい るという感じにしていただければと思いますが御一任いたします。 〇 井原会長  それを裁く御意見があればと思います。 〇 原田委員  私も小さい子どもをもったのは大分前になってしまって子どもはみな大人になってし まいましたが、一番困るのは食事だと思います。ですから今の「少子・高齢社会への対 応」の二のところに「少子」を入れたほうが良いと考えます。それの3行目のところに 「家族でも」に加えて、高齢者が食べやすい食材を使用するとか、子ども、あるいは児 童でもいいと思いますが、「並びに高齢者が食べやすい」程度を入れればよろしいかと 思います。 〇 井原会長  それでよろしいでしょうか。 〇 来生委員  積極的に反対ではありませんからいいです。 〇 井原会長  ではそのようにさせていただきます。そのほかには何かございませんか。 〇 小原委員  この中で御当局と指針を作る中での作業の中で、私どもから強くお願いしましたの は、事業再生ということでございます。多分5年前ぐらいの指針の作成のときであった のか、前回は何年であったのかわかりませんが、全く出て来なかったのがそうでござい ますが、バブル経済が崩壊しまして10数年たちますが、旅館はどうしても土地と設備を 数億円、大きい旅館で数十億円単位で投資をしました。その時の担保力が100とすれば、 現在は平均で25から30に落ちているということであります。  また、不況で営業力がないというのは自己責任ではございますが、特に金融面で借入 金の担保力が減ったというのは、自己責任でも何でもなく社会現象でございます。それ でいろいろと今日は国民生活金融公庫の理事もおいででございますが、いろいろと公的 な金融機関の皆様も大変にお助けをいただいておりますが、事業の再生というのが非常 に大事なキーワードになっているということをお知らせいたしたいと思います。  それに対して、これから先は我々業界内部の改善事項でございますが、全く情報を知 らない、対応力を知らないということで、破綻に追い込まれて競売とか、私も今は全国 の会長をしておりましても、毎週3〜5軒、これは言っていいのかどうかわかりません が、近場の九州を中心に各旅館の経営者からも助けてくれといわれて出て行って、いろ いろとお助けをしております。私自身もテーマパーク事業が破綻をしまして大変な目に あいました。地価が下がることで担保力がなくなって対応ができない。しかも個人の勉 強不足が重なっております。  大型銀行から地方銀行が不良債権の処理に入りましたので、ばたばたと、こういう暗 い話はしたくないのですが、これは現場の実情としてはそういうことです。  私どもの旅館・ホテルは経営者や従業員がしっかりした経営を行い、自己責任でやる ということは大前提でございますが、地方経済の雇用や経済の小規模な拠点と思ってお りますので、もっとオーバーにいいますと日本文化の地方での拠点と思っておりますの で、まず我々自身が一生懸命指針に基づき経営改善をやりながら、一生懸命頑張ります ので、ぜひ駅前のビジネスホテルも大変に立派な経営であられますが、日本の古き良き 地方の文化を維持し育成していくためにも、格段の皆様方の御支援と御理解を賜りたい と思っております。よろしくお願いいたします。 〇 井原会長  その他に何かございませんか。ただいまの小原委員は御要望ということでお聞きいた します。あとはよろしいでしょうか。ではここの旅館業に関しましては、先ほどの少子 高齢者化のところを入れましてちょっと文書を変えさせていただく、その結果に関して は私に御一任いただいてよろしいでしょうか。  (異議なし)  では、そういうことでこれを了承するということで議決したいと思います。ありがと うございました。  3番目に、浴場業について御審議をお願いします。  ここはよろしいでしょうか。何も御意見がなければ、この諮問(案)のとおりに了承 したいと思いますがよろしいでしょうか。  (異議なし)  ではそのように議決をすることにしたいと思います。ありがとうございました。  これでこの審議は終わります。事務局より今後の段取りを説明していただきたいと思 います。 〇 岡部課長  ただいま3つの振興指針につきまして御審議をちょうだいしました。おそばと旅館業 については一部御意見をちょうだいしましたので、分科会長と御相談しながら原案を少 し手直しさせていただきたいと思います。分科会長に一任していただいたということで ございますので、分科会長と御相談させていただいた上で、この案に一部修正をさせて いただき、それで分科会長の御了解を得たもので、当審議会の議決にさせていただきた いと思っております。  手直しをした答申案につきましては、後刻、先生方に文書という形でお送りさせてい ただきたいと思います。  厚生労働省としましては、分科会長と御相談をさせていただき、文書表現を一部手直 しさせていただいたもので答申を受けまして、今後は、厚生労働大臣の大臣告示という 格好で官報に掲載をさせていただこうと思っております。官報掲載につきましては、今 後、私どもの官房総務課で法令審査の観点での文書上の審査がございます。内容をいじ るということはございませんが、告示でございますので若干ですがテニヲハ等をそうい う観点で見るという形式がございますが、その手続きを速やかに行いまして、官報に掲 載をさせていただきたいと考えております。以上でございます。 〇 井原会長  その他の点で何か事務局からございませんでしょうか。 〇 岡部課長  特にございません。 〇 井原会長  これですべての審議が終了いたしました。本日の厚生科学審議会生活衛生適正化分科 会をこれで終了させていただきます。ありがとうございました。                                       了