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がん看護について

(専門看護師,認定看護師等)


がん医療水準均てん化
の推進に関する検討会
2004.11.30.

財団法人癌研究会附属病院
看護部 濱口恵子


2004年11月現在
専門看護師数
(人)

がん看護44
精神看護25
地域看護3
老人看護6
小児看護12
母性看護4
成人(慢性)看護4

  計98
  認定看護師数
(人)

ホスピスケア100
がん性疼痛看護157
がん化学療法看護68
WOC看護308
重症集中ケア245
救急看護140
感染管理146
糖尿病看護 57
不妊看護26

  計1239


専門看護師の役割

実践:専門看護分野において,個人・家族または集団に対して卓越した看護を実践する.
相談:専門看護分野において,看護職者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う.
調整:専門看護分野において,必要なケアが円滑に行われるために,保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う.
倫理調整:専門看護分野において,個人・家族または集団の権利を守るために,倫理的な問題や葛藤の解決をはかる.
教育:専門看護分野において,看護職者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす.
研究:専門看護分野において,専門知識・技術の向上,開発をはかるために実践の場における研究活動を行う.


がん医療・ケアを高めるために

進行・再発・終末期がん患者への対応
がん治療の副作用対策
合併症の予防・早期対処
緩和ケア
<患者のQOL向上>
患者のセルフケア能力を高める
患者の意思決定への援助
心理的ケア
外来看護の充実
病棟・外来・地域との連携
在院日数短縮
患者の主観尊重
価値観の多様化
ICの普及
腫瘍効果 →
 患者アウトカム重視


量的不足

1.資格取得システム・教育の問題

2.都道府県・施設間格差

3.組織上の位置づけ・活動時間不足

4.雇用の問題


雇用の問題

専門看護師・認定看護師等の存在意義や役割に関する病院幹部(特に看護管理者)の理解不足

役割期待

人件費の保証

ポジション・職位の確保

専門看護師・認定看護師等のアウトカム


質的不足

1.教育の問題

2.専門看護師・認定看護師自身の問題

3.病院・システムの問題


課題

専門看護師・認定看護師等に対する理解

アウトカム研究

診療報酬上の裏づけ

組織図上の位置づけ

専門看護師・認定看護師等になるための支援
 進学支援
 教育システム:仕事と教育との両立


引用・参考文献

日本看護協会HP www.nurse.or.jp/nintei/

岡谷恵子(主任研究者):専門看護師・認定看護師の看護ケア技術とその結果および退院促進事例分析,厚生科学研究補助金医療技術評価総合研究事業,平成12年報告書,2000.

小迫冨美恵(主任研究者):専門看護師の看護ケア技術とその効果および疼痛マネジメント事例の分析,厚生科学研究補助金医療技術評価総合研究事業,平成13年度報告書,2001.

濱口恵子:看護管理者からみた専門看護師・認定看護師,病院62(5),362-367,2003.

濱口恵子:がん看護専門看護師の現状と課題,インターナショナルナーシングレビュー,26(3),24-29,2003.

佐藤直子:専門看護制度 理論と実践,医学書院,1999.


参考資料

がん看護専門看護師がいる都道府県

2004年11月現在
宮城県1名
茨城県1名
千葉県1名
東京都  13名
神奈川県  13名
静岡県3名
大阪県7名
兵庫県2名
和歌山県1名
高知県2名


参考資料

がん看護関連専門ナースを
多人数配置している施設の例


2004年11月現在

A病院
<専門看護師>
  がん看護 1
 
<認定看護師>
  がん性疼痛看護 8
  ホスピスケア 2
  がん化学療法看護 1
  WOC看護 3
  B病院
<専門看護師>
  がん看護 3
 
<認定看護師>
  がん性疼痛看護 2
  ホスピスケア 2
  がん化学療法看護 1
  WOC看護 5


参考資料

日本看護協会専門看護師制度

 複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族や集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的とする。


専門看護師受験資格

1.日本国の保健師、助産師、看護師のいずれかの免許を有すること

2.所定の教育を修了していること
(1)看護系大学大学院修士課程修了者で特定の専門看護分野の所定の単位を取得した者。なお、看護系大学大学院修士課程修了者で特定の専門看護分野の所定の単位に満たない者は、必要単位をさらに取得するものとする。
(2)看護学以外の関連領域の大学院等を修了した者で、看護系大学大学院修士課程において必要単位をさらに取得した者。
(3)外国において(1)〜(2)と同等以上の教育を受けたと認められた者

3.専門看護師としての必要な実務経験があること
 保健師、助産師、看護師の資格取得後、実務経験が通算5年以上であること。そのうち、通算3年以上特定分野の経験があり、その特定分野の経験のうち、1年以上は専門看護師に必要な所定の教育修了後の実務経験を含まなければならない。


認定されているがん看護専門看護師教育課程

2004年3月現在

聖路加看護大学大学院 看護学研究科
千葉大学大学院 看護学研究科
北里大学大学院 看護学研究科
兵庫県立看護大学大学院
大阪府立看護大学大学院
三重大学大学院 医学系研究科
高知女子大学大学院 看護学研究科


専門看護師の認定更新(5年毎)

1.看護実践
過去5年間に実務経験が2000時間以上
常勤または非常勤で8時間以上/週の実務
実践、教育、コンサルテーション機能

2.研究・業績
5年間で50点以上
 学会等の研究発表 10点 / 件
 学会誌等の論文発表 10点 / 件
 職場外でのシンポジスト、パネリスト、講師 等5点 / 件

3.研修プログラム参加
5年間で50点以上
 専門分野での研修・学会参加  5点 / 件


日本看護協会認定看護師制度

 日本看護協会認定看護師制度は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的とする。


認定看護師の3つの役割

<実践>
  特定の看護分野において、個人・家族または集団に対して、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践する

<指導>
   特定の看護分野において、看護実践を通して他の  看護職者に対し指導を行う。

<相談>
  特定の看護分野において、看護職者に対しコンサルテーションを行う。


認定看護師教育課程の概要

教育期間
日本看護協会が認定した教育機関で6ヶ月以上、原則として、連続した(集中した)昼間の教育であること

授業時間数
  共通科目:90時間以上
  専門基礎科目:時間規定なし
  専門科目:時間規定なし
  学内演習および臨地実習:200時間以上
  総時間:600時間以上


がん看護関連認定看護師教育課程

2004年3月現在

ホスピスケア認定看護師
  日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程
  日本看護協会神戸研修センター
  神奈川県看護協会 認定看護師教育課程
がん性疼痛緩和認定看護師
  神奈川県看護協会 認定看護師教育課程
  神奈川県立保健福祉大学 実践教育センター
  国立看護大学校研修センター
化学療法看護認定看護師
  日本看護協会神戸研修センター
  国立看護大学校研修センター


認定看護師の認定更新(5年毎)

認定更新申請者の資格

1.日本国の保健師、助産師、看護師のいずれかの免許を有すること。

2.申請時において、認定看護師であること。

3.申請時において、過去5年間に規定された看護実践や自己研鑚の実績があること。


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